特許7587913IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

コンクリート構造物の塩化物イオン濃度を検出する方法に関するものである。さらに詳述すると、本発明は、コンクリート構造物から湿式で採取した試験体の塩化物イオン濃度をレーザ誘起ブレイクダウン分光法(以下、本明細書においては、LIBSと呼ぶ)で計測する方法に関するものである。

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

近年、コンクリート構造物より採取した試験体表面の塩分をLIBSで計測した場合に、電位差滴定法より得られた値と合致しない事象が観測された。この場合のコンクリート構造物は混合セメントを使用したものであったため、混合セメントを使用した試験体を製作し、LIBS及び電位差滴定法で求めた塩化物イオン濃度分布が一致しない原因を調べた。その結果、普通セメントと混合セメントとの元素組成の違いは塩素の発光強度の算出に影響を及ぼすことがないことが分かった。一方、コンクリート構造物から試験体を採取する際に摩擦熱を抑えるために使用される潤滑剤としての水によって、コンクリート表層の自由塩化物が洗い流されて塩化物イオン濃度が低下していたことを知見するに至った。そのような傾向は、ごく表層ではあるが、普通セメントを用いたコンクリートを製作してLIBSで計測した場合にも観測された。即ち、LIBSではコンクリートのごく表層を計測するが、表層部分では水の影響を受け易いことが判明した。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

かかる目的を達成するため、本発明者等が現場より採取されたコンクリート構造物からの試験体を計測して、LIBS及び電位差滴定法で求めた塩化物イオン濃度分布が一致しない原因を調べた結果、普通セメントと混合セメントとの元素組成の違いは塩素の発光強度の算出に影響を及ぼすことがなかった一方、コンクリート構造物から試験体を刳り取る際に摩擦熱を抑えるために使用される水によって、コンクリート構造物からの試験体・・・ 続きを知財ポータルサイト IP Force にログインして見る

発明の効果[発明の詳細な説明]から抜粋

請求項1記載のLIBSを用いたコンクリート構造物の塩化物イオン濃度計測方法によれば、コンクリートの塩分を湿式で採取した試験体を使ってLIBSで計測する場合に電位差滴定法で求めた塩化物イオン濃度分布と概ね一致する結果が得られる。

この特許の権利範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1】 LIBS計測を行う実験装置の一例を示す概略図である。
【図2】 塩化物無し試験体と塩化物有り試験体との各モルタル試験体を接合したモルタル試験体の説明図であり、(A)塩化物イオン濃度分布図、(B)はモルタル試験体の切断面を示す。
【図3】 湿式切断面及びグラインダ面の計測方法の概略説明図である。
【図4】 普通セメントを使用したモルタル(試験体N)の湿式切断面における塩素の発光強度分布図である。
【図5】 試験体Nのグラインダ面における塩素の発光強度分布図である。
【図6】 フライアッシュセメントB種類を使用したモルタル(試験体FB)の湿式切断面における塩素の発光強度分布図である。
【図7】 試験体FBのグラインダ面における塩素の発光強度分布図である。
【図8】 高炉セメントB種(試験体BB)の湿式切断面における塩素の発光強度分布図である。
【図9】 試験体BBのグラインダ面における塩素の発光強度分布図である。
【図10】 試験体Nの塩化物有りの箇所における塩素の発光強度の照射回数依存性を示すグラフである。
【図11】 試験体FBの塩化物有りの箇所における塩素の発光強度の照射回数依存性を示すグラフである。
【図12】 試験体BBの塩化物有りの箇所における塩素の発光強度の照射回数依存性を示すグラフである。
【図13】 粗さの最大高さRzの定義に関する説明図である。
【図14】 試験体Nの照射痕におけるRzのレーザ光照射回数依存性を示す図である。
【図15】 試験体FBの照射痕におけるRzのレーザ光照射回数依存性を示す図である。
【図16】 試験体BBの照射痕におけるRzのレーザ光照射回数依存性を示す図である。
【図17】 モルタル試験体のスペクトル図である。
【図18】 モルタル試験体の塩素の発光強度を示す図である。
【図19】 モルタル試験体のチタンの発光強度を示す図である。
【図20】 塩水浸漬後のモルタル試験体の塩素の発光強度を示す図である。

代表図 図1本件の代表的な図

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