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特許7588342半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20241115BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20241115BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H01L29/78 652N
H01L29/78 652T
H01L29/78 652Q
H01L29/78 652F
H01L29/78 653C
H01L29/78 652M
H01L29/78 652H
H01L29/78 658A
H01L29/78 658F
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020206239
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022093130
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】木本 真一
(72)【発明者】
【氏名】飯島 良介
(72)【発明者】
【氏名】原田 信介
【審査官】恩田 和彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-157043(JP,A)
【文献】国際公開第2018/151227(WO,A1)
【文献】特開2015-192028(JP,A)
【文献】特開2016-181672(JP,A)
【文献】特開2017-168638(JP,A)
【文献】特開2015-176900(JP,A)
【文献】特開2018-060984(JP,A)
【文献】特開2017-079308(JP,A)
【文献】特開2020-031157(JP,A)
【文献】特開2007-324503(JP,A)
【文献】特開2016-129226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 29/12
H01L 21/336
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に平行な第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、
前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延びる第1のトレンチと、
前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延び、前記第1のトレンチに対し前記第2の方向に離間して設けられた第2のトレンチと、
n型の第1の炭化珪素領域と、
前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられたp型の第2の炭化珪素領域と、
前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられたn型の第3の炭化珪素領域と、
を含む炭化珪素層と、
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチの中に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極と前記炭化珪素層との間に設けられたゲート絶縁層と、
前記第2の方向に延び、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチと交差し、前記ゲート電極に接続され、前記ゲート電極と同一材料のゲート配線と、
前記炭化珪素層の前記第1の面の側に位置し、前記第3の炭化珪素領域に電気的に接続された第1の電極と、
前記炭化珪素層の前記第2の面の側に設けられた第2の電極と、
前記ゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、
を備え、
前記第1のトレンチの前記第1の方向の端部と前記層間絶縁層との間に、前記ゲート電極及び前記ゲート配線が存在せず、
前記第1の方向は、<11-20>方向に対して0度以上8度以下傾斜した方向であり、
前記第1のトレンチは前記端部の先端の中央部が角張った形状である半導体装置。
【請求項2】
前記ゲート電極及び前記ゲート配線は多結晶シリコンである請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間の前記第1の面と、前記ゲート配線との間に前記ゲート絶縁層が設けられ、前記ゲート配線は前記ゲート絶縁層と接する請求項1又は請求項2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2の方向に延び、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチと交差し、前記ゲート配線との間に前記層間絶縁層が設けられ、前記ゲート配線と電気的に接続された金属配線を、更に備える請求項1ないし請求項3いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属配線は、前記ゲート配線に接する請求項4記載の半導体装置。
【請求項6】
前記金属配線と前記第1の電極は同一材料である請求項4又は請求項5記載の半導体装置。
【請求項7】
第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に平行な第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、
前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延びる第1のトレンチと、
前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延び、前記第1のトレンチに対し前記第2の方向に離間して設けられた第2のトレンチと、
n型の第1の炭化珪素領域と、
前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられたp型の第2の炭化珪素領域と、
前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられたn型の第3の炭化珪素領域と、
を含む炭化珪素層と、
前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチの中に設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極と前記炭化珪素層との間に設けられたゲート絶縁層と、
前記第2の方向に延び、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチと交差し、前記ゲート電極に接続され、前記ゲート電極と同一材料のゲート配線と、
前記炭化珪素層の前記第1の面の側に位置し、前記第3の炭化珪素領域に電気的に接続された第1の電極と、
前記炭化珪素層の前記第2の面の側に設けられた第2の電極と、
前記ゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、
を備え、
前記第1のトレンチの前記第1の方向の端部と前記層間絶縁層との間に、前記ゲート電極及び前記ゲート配線が存在せず、
前記炭化珪素層は、
前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延び、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられた第3のトレンチと、
前記第1の面の側に設けられ、前記第2の方向に延び、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチに対し前記第1の方向に離間して設けられた第4のトレンチと、
前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延び、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられ、前記第3のトレンチと前記第4のトレンチとの間に設けられ、前記ゲート配線と交差する第5のトレンチと、
前記第3のトレンチと前記第1の炭化珪素領域との間に設けられたp型の第4の炭化珪素領域と、
を更に含み、
前記第1の電極の一部は、前記第3のトレンチの中に設けられ、前記第1の電極は前記第4の炭化珪素領域に電気的に接続され、
前記ゲート電極は前記第5のトレンチの中に設けられた、半導体装置。
【請求項8】
前記第4の炭化珪素領域は、前記第4のトレンチと前記第1の炭化珪素領域との間、及び、前記第5のトレンチと前記第1の炭化珪素領域との間に設けられた請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第3のトレンチ、前記第4のトレンチ、及び前記第5のトレンチは連続する請求項7又は請求項8記載の半導体装置。
【請求項10】
前記第3のトレンチと前記第5のトレンチは離間する請求項7又は請求項8記載の半導体装置。
【請求項11】
前記第4のトレンチと前記第5のトレンチは離間する請求項10記載の半導体装置。
【請求項12】
前記ゲート電極は前記第4のトレンチの中に設けられた請求項7ないし請求項11いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1の方向は、<11-20>方向に対して0度以上8度以下傾斜した方向である請求項ないし請求項12いずれか一項記載の半導体装置。
【請求項14】
請求項1ないし請求項13いずれか一項記載の半導体装置を備えるインバータ回路。
【請求項15】
請求項1ないし請求項13いずれか一項記載の半導体装置を備える駆動装置。
【請求項16】
請求項1ないし請求項13いずれか一項記載の半導体装置を備える車両。
【請求項17】
請求項1ないし請求項13いずれか一項記載の半導体装置を備える昇降機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置、インバータ回路、駆動装置、車両、及び、昇降機に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の半導体デバイス用の材料として炭化珪素(SiC)が期待されている。炭化珪素はシリコンと比較して、バンドギャップが約3倍、破壊電界強度が約10倍、熱伝導率が約3倍と優れた物性を有する。この物性を活用すれば低損失かつ高温動作可能な半導体デバイスを実現することができる。
【0003】
縦型のMetal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor(MOSFET)において、低いオン抵抗を実現するために、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造が適用される。トレンチゲート構造を適用することで、単位面積あたりのチャネル面積が増加し、オン抵抗が低減される。
【0004】
トレンチゲート構造を適用した場合、トレンチの中のゲート電極をゲート配線で引き出し、引き出したゲート配線にゲート電圧を印加する方法がある。この場合、トレンチの端部のゲート絶縁層に電界が集中し、ゲート絶縁層の信頼性が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-129226号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、ゲート絶縁層の信頼性の向上が可能な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の半導体装置は、第1の方向及び前記第1の方向に直交する第2の方向に平行な第1の面と、前記第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延びる第1のトレンチと、前記第1の面の側に設けられ、前記第1の方向に延び、前記第1のトレンチに対し前記第2の方向に離間して設けられた第2のトレンチと、n型の第1の炭化珪素領域と、前記第1の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられたp型の第2の炭化珪素領域と、前記第2の炭化珪素領域と前記第1の面との間に設けられ、前記第1のトレンチと前記第2のトレンチとの間に設けられたn型の第3の炭化珪素領域と、を含む炭化珪素層と、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチの中に設けられたゲート電極と、前記ゲート電極と前記炭化珪素層との間に設けられたゲート絶縁層と、前記第2の方向に延び、前記第1のトレンチ及び前記第2のトレンチと交差し、前記ゲート電極に接続され、前記ゲート電極と同一材料のゲート配線と、前記炭化珪素層の前記第1の面の側に位置し、前記第3の炭化珪素領域に電気的に接続された第1の電極と、前記炭化珪素層の前記第2の面の側に設けられた第2の電極と、前記ゲート電極と前記第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、を備え、前記第1のトレンチの前記第1の方向の端部と前記層間絶縁層との間に、前記ゲート電極及び前記ゲート配線が存在せず、前記第1の方向は、<11-20>方向に対して0度以上8度以下傾斜した方向であり、前記第1のトレンチは前記端部の先端の中央部が角張った形状である
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態の半導体装置の模式上面図。
図2】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
図3】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図4】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図5】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図6】第1の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図7】SiC半導体の結晶構造を示す図。
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図13】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図14】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図15】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図16】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図17】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図18】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図19】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図20】第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図。
図21】第1の実施形態の比較例の半導体装置の拡大模式上面図。
図22】第1の実施形態の比較例の半導体装置の模式断面図。
図23】第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図。
図24】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
図25】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図26】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図27】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図28】第2の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図29】第3の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
図30】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図31】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図32】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図33】第3の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図34】第4の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
図35】第4の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図36】第4の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図37】第4の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図38】第4の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図39】第5の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図。
図40】第5の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図41】第5の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図42】第5の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図43】第5の実施形態の半導体装置の模式断面図。
図44】第6の実施形態の駆動装置の模式図。
図45】第7の実施形態の車両の模式図。
図46】第8の実施形態の車両の模式図。
図47】第9の実施形態の昇降機の模式図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材等には同一の符号を付し、一度説明した部材等については適宜その説明を省略する場合がある。
【0010】
また、以下の説明において、n、n、n及び、p、p、pの表記を用いる場合、これらの表記は、各導電型における不純物濃度の相対的な高低を表す。すなわちnはnよりもn型の不純物濃度が相対的に高く、nはnよりもn型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。また、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に高く、pはpよりもp型の不純物濃度が相対的に低いことを示す。なお、n型、n型を単にn型、p型、p型を単にp型と記載する場合もある。
【0011】
不純物濃度は、例えば、Secondary Ion Mass Spectrometry(SIMS)により測定することが可能である。また、不純物濃度の相対的な高低は、例えば、Scanning Capacitance Microscopy(SCM)で求められるキャリア濃度の高低から判断することも可能である。また、不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SIMSで求めることが可能である。また。不純物領域の幅や深さ等の距離は、例えば、SCM像から求めることが可能である。
【0012】
トレンチの深さ、トレンチの幅、絶縁層の厚さ等は、例えば、SIMSや、Transmission Electron Microscope(TEM)の画像上で計測することが可能である。
【0013】
なお、本明細書中でp型の炭化珪素領域の「p型不純物濃度」とは、当該領域のp型不純物濃度から当該領域のn型不純物濃度を引いた正味(net)のp型不純物濃度を意味する。また、n型の炭化珪素領域の「n型不純物濃度」とは、当該領域のn型不純物濃度から当該領域のp型不純物濃度を引いた正味(net)のn型不純物濃度を意味する。
【0014】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1の方向及び第1の方向に直交する第2の方向に平行な第1の面と、第1の面に対向する第2の面と、を有する炭化珪素層であって、第1の面の側に設けられ、第1の方向に延びる第1のトレンチと、第1の面の側に設けられ、第1の方向に延び、第1のトレンチに対し第2の方向に離間して設けられた第2のトレンチと、n型の第1の炭化珪素領域と、第1の炭化珪素領域と第1の面との間に設けられ、第1のトレンチと第2のトレンチとの間に設けられたp型の第2の炭化珪素領域と、第2の炭化珪素領域と第1の面との間に設けられ、第1のトレンチと第2のトレンチとの間に設けられたn型の第3の炭化珪素領域と、を含む炭化珪素層と、第1のトレンチ及び第2のトレンチの中に設けられたゲート電極と、ゲート電極と炭化珪素層との間に設けられたゲート絶縁層と、第2の方向に延び、第1のトレンチ及び第2のトレンチと交差し、ゲート電極に接続され、ゲート電極と同一材料のゲート配線と、炭化珪素層の第1の面の側に設けられ、第3の炭化珪素領域に電気的に接続された第1の電極と、炭化珪素層の第2の面の側に設けられた第2の電極と、ゲート電極と第1の電極との間に設けられた層間絶縁層と、を備え、第1のトレンチの第1の方向の端部と層間絶縁層との間に、ゲート電極及びゲート配線が存在しない。
【0015】
第1の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いた縦型MOSFET100である。MOSFET100は、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造のMOSFETである。また、MOSFET100は、トレンチの中にソース電極を設ける、いわゆるダブルトレンチ構造のMOSFETである。また、MOSFET100は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0016】
図1は、第1の実施形態の半導体装置の模式上面図である。図2は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図である。図2は、図1中に点線で囲まれた領域Xの拡大図である。図2は、トレンチ、ソース電極、ゲート配線、及び金属配線のパターンレイアウトを示す。
【0017】
図3図4(a)、図4(b)、図5(a)、図5(b)、図6(a)、及び図6(b)は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図3は、図4(a)及び図4(b)のGG’断面である。図4(a)は、図2及び図3のAA’断面である。図4(b)は、図2及び図3のBB’断面である。図5(a)は、図2及び図3のCC’断面である。図5(b)は、図2及び図3のDD’断面である。図6(a)は、図2及び図3のEE’断面である。図6(b)は、図2及び図3のFF’断面である。
【0018】
MOSFET100は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート電極パッド16、金属配線18、ゲート電極20、ゲート配線22、ゲート絶縁層24、及び層間絶縁層26を備える。ソース電極12は、コンタクト領域12aを有する。層間絶縁層26は、コンタクトホール26aを有する。
【0019】
ソース電極12は、第1の電極の一例である。ドレイン電極14は、第2の電極の一例である。
【0020】
炭化珪素層10は、第1のゲートトレンチ31(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ32(第2のトレンチ)、コンタクトトレンチ33(第3のトレンチ)、外周トレンチ34(第4のトレンチ)、中間トレンチ35(第5のトレンチ)、n型のドレイン領域40、n型のドリフト領域42(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域44(第2の炭化珪素領域)、n型のソース領域46(第3の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域48(第4の炭化珪素領域)を有する。
【0021】
第1のゲートトレンチ31は、第1のトレンチの一例である。第2のゲートトレンチ32は、第2のトレンチの一例である。コンタクトトレンチ33は、第3のトレンチの一例である。外周トレンチ34は、第4のトレンチの一例である。中間トレンチ35は、第5のトレンチの一例である。ドリフト領域42は、第1の炭化珪素領域の一例である。ボディ領域44は、第2の炭化珪素領域の一例である。ソース領域46は、第3の炭化珪素領域の一例である。電界緩和領域48は、第4の炭化珪素領域の一例である。
【0022】
炭化珪素層10は、ソース電極12とドレイン電極14との間に位置する。炭化珪素層10は、第1の面(図1中“P1”)と第2の面(図1中“P2”)とを備える。以下、第1の面P1を表面、第2の面P2を裏面とも称する。第2の面P2は、第1の面P1に対向する。
【0023】
第1の方向及び第2の方向は第1の面P1に対して平行な方向である。また、第2の方向は第1の方向に直交する方向である。
【0024】
以下、「深さ」とは、第1の面P1を基準とする深さを意味する。
【0025】
炭化珪素層10は、単結晶のSiCである。炭化珪素層10は、例えば、4H-SiCである。炭化珪素層10の厚さは、例えば、5μm以上500μm以下である。
【0026】
図7は、SiC半導体の結晶構造を示す図である。SiC半導体の代表的な結晶構造は、4H-SiCのような六方晶系である。六角柱の軸方向に沿うc軸を法線とする面(六角柱の頂面)の一方が(0001)面である。(0001)面と等価な面を、シリコン面(Si面)と称し{0001}面と表記する。シリコン面の最表面にはシリコン原子(Si)が配列している。
【0027】
六角柱の軸方向に沿うc軸を法線とする面(六角柱の頂面)の他方が(000-1)面である。(000-1)面と等価な面を、カーボン面(C面)と称し{000-1}面と表記する。カーボン面の最表面には炭素原子(C)が配列している。
【0028】
一方、六角柱の側面(柱面)が、(1-100)面と等価な面であるm面、すなわち{1-100}面である。{1-100}面の法線方向は、<1-100>方向である。
【0029】
また、隣り合わない一対の稜線を通る面が(11-20)面と等価な面であるa面、すなわち{11-20}面である。{11-20}面の法線方向は、<11-20>方向である。m面及びa面の最表面には、シリコン原子(Si)及び炭素原子(C)の双方が配列している。
【0030】
第1の面P1は、例えば、(0001)面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。すなわち、法線が[0001]方向のc軸に対し0度以上8度以下傾斜した面である。言い換えれば、(0001)面に対するオフ角が0度以上8度以下である。また、第2の面P2は、例えば、(000-1)面に対し0度以上8度以下傾斜した面である。
【0031】
第1の面P1及び第2の面P2の傾斜方向は、例えば、<11-20>方向である。<11-20>方向は、a軸方向である。図1図2図3図4、及び図5では、例えば、図中に示す第1の方向が、<11-20>方向に対して0度以上8度以下傾斜した方向である。
【0032】
第1のゲートトレンチ31は、炭化珪素層10の第1の面P1側に設けられる。第1のゲートトレンチ31は、炭化珪素層10に形成された溝である。
【0033】
第1のゲートトレンチ31は、図2及び図3に示すように、第1の方向に延びる。第1のゲートトレンチ31は、第1の方向の端部(図2図3図4(a)中のE)を有する。
【0034】
第1のゲートトレンチ31は、ソース領域46及びボディ領域44を貫通する。
【0035】
第2のゲートトレンチ32は、炭化珪素層10の第1の面P1側に設けられ。第2のゲートトレンチ32は、炭化珪素層10に形成された溝である。
【0036】
第1のゲートトレンチ31は、図2及び図3に示すように、第1の方向に延びる。第2のゲートトレンチ32は、第1のゲートトレンチ31に対し第2の方向に離間して設けられる。
【0037】
第2のゲートトレンチ32は、ソース領域46及びボディ領域44を貫通する。
【0038】
第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32を含む複数のゲートトレンチが、第2の方向に繰り返し配置される。ゲートトレンチの深さは、例えば、1μm以上2μm以下である。ゲートトレンチの第2の方向の幅は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0039】
コンタクトトレンチ33は、炭化珪素層10の第1の面P1の側に設けられ。コンタクトトレンチ33は、炭化珪素層10に形成された溝である。
【0040】
コンタクトトレンチ33は、図2及び図3に示すように、第1の方向に延びる。コンタクトトレンチ33は、二つのゲートトレンチの間に設けられる。コンタクトトレンチ33の一つは、例えば、第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間に設けられる。
【0041】
コンタクトトレンチ33は、ソース領域46及びボディ領域44を貫通する。
【0042】
コンタクトトレンチ33は、図2及び図3に示すように、第2の方向に繰り返し配置される。コンタクトトレンチ33の深さは、例えば、1μm以上2μm以下である。コンタクトトレンチ33の第2の方向の幅は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0043】
コンタクトトレンチ33の第2の方向の幅と、第1のゲートトレンチ31の第2の方向の幅は、例えば、同一である。コンタクトトレンチ33の深さと、第1のゲートトレンチ31の深さは、例えば、同一である。
【0044】
第1のゲートトレンチ31とコンタクトトレンチ33との間の第2の方向の距離は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0045】
外周トレンチ34は、炭化珪素層10の第1の面P1の側に設けられる。外周トレンチ34は、炭化珪素層10に形成された溝である。
【0046】
外周トレンチ34は、例えば、ゲートトレンチの外周を囲むように設けられる。外周トレンチ34の一部は、図2及び図3に示すように、第2の方向に延びる。外周トレンチ34の一部は、第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32に対して第1の方向に離間して設けられる。
【0047】
外周トレンチ34の深さは、例えば、1μm以上2μm以下である。外周トレンチ34の第1の方向の幅は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0048】
外周トレンチ34の第1の方向の幅と、コンタクトトレンチ33の第2の方向の幅は、例えば、同一である。外周トレンチ34の深さと、コンタクトトレンチ33の深さは、例えば、同一である。
【0049】
第1のゲートトレンチ31と外周トレンチ34のとの間の第1の方向の距離は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0050】
中間トレンチ35は、炭化珪素層10の第1の面P1側に設けられる。中間トレンチ35は、炭化珪素層10に形成された溝である。
【0051】
中間トレンチ35は、図2及び図3に示すように、第1の方向に延びる。中間トレンチ35は、二つのゲートトレンチの間に設けられる。中間トレンチ35の一つは、例えば、第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間に設けられる。
【0052】
中間トレンチ35は、コンタクトトレンチ33と外周トレンチ34との間に設けられる。コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35は、連続して設けられる。コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35は連続して設けられた溝である。
【0053】
中間トレンチ35は、ソース領域46及びボディ領域44を貫通する。
【0054】
中間トレンチ35は、図2及び図3に示すように、第2の方向に繰り返し配置される。中間トレンチ35の深さは、例えば、1μm以上2μm以下である。中間トレンチ35の第2の方向の幅は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0055】
中間トレンチ35の第2の方向の幅と、第1のゲートトレンチ31の第2の方向の幅は、例えば、同一である。中間トレンチ35の深さと、第1のゲートトレンチ31の深さは、例えば、同一である。中間トレンチ35の深さと、コンタクトトレンチ33及び外周トレンチ34の深さは、例えば、同一である。
【0056】
第1のゲートトレンチ31と中間トレンチ35との間の第2の方向の距離は、例えば、0.5μm以上1μm以下である。
【0057】
ゲート電極20は、第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32の中に設けられる。ゲート電極20は、ソース電極12とドレイン電極14との間に設けられる。ゲート電極20は、第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32の中で第1の方向に延びる。
【0058】
ゲート電極20の一部は、中間トレンチ35の中に設けられる。
【0059】
ゲート電極20は、導電層である。ゲート電極20は、例えば、p型不純物又はn型不純物を含む多結晶シリコンである。
【0060】
ゲート絶縁層24は、ゲート電極20と炭化珪素層10との間に設けられる。ゲート絶縁層24は、ソース領域46、ボディ領域44、及び、ドリフト領域42と、ゲート電極20との間に設けられる。
【0061】
ゲート絶縁層24は、例えば、図6(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間の第1の面P1の上に設けられる。ゲート絶縁層24は、例えば、図6(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31と中間トレンチ35との間の第1の面P1の上に設けられる。
【0062】
ゲート絶縁層24は、例えば、酸化シリコンである。ゲート絶縁層24には、例えば、HfSiON、ZrSiON、AlONなどの高誘電体材料が適用可能である。また、ゲート絶縁層24には、例えば、酸化シリコンと高誘電体材料との積層膜も適用可能である。
【0063】
ゲート配線22は、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、及び中間トレンチ35と交差するように設けられる。ゲート配線22は、第2の方向に延びる。
【0064】
ゲート配線22は、ゲート電極20の上に設けられる。ゲート配線22は、ゲート電極20に接続される。ゲート配線22は、第1のゲートトレンチ31の中のゲート電極20と第2のゲートトレンチ32の中のゲート電極20を電気的に接続する。
【0065】
ゲート配線22は、導電層である。ゲート配線22は、例えば、p型不純物又はn型不純物を含む多結晶シリコンである。
【0066】
ゲート電極20とゲート配線22は、同一材料である。ゲート電極20の材料とゲート配線22の材料とは、同じ材料である。ゲート電極20及びゲート配線22は、例えば、多結晶シリコンである。
【0067】
例えば、第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間の第1の面P1とゲート配線22との間に、ゲート絶縁層24が設けられる。ゲート配線22は、例えば、ゲート絶縁層24に接する。第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間の第1の面P1に、例えば、ゲート絶縁層24が接する。
【0068】
例えば、第1のゲートトレンチ31と中間トレンチ35との間の第1の面P1とゲート配線22との間に、ゲート絶縁層24が設けられる。ゲート配線22は、例えば、ゲート絶縁層24に接する。第1のゲートトレンチ31と中間トレンチ35との間の第1の面P1に、例えば、ゲート絶縁層24が接する。
【0069】
層間絶縁層26は、ゲート電極20及びゲート配線22の上に設けられる。層間絶縁層26は、例えば、ゲート電極20とソース電極12との間に設けられる。
【0070】
層間絶縁層26の厚さは、例えば、ゲート絶縁層24の厚さよりも厚い。層間絶縁層26は、例えば、酸化シリコンである。層間絶縁層26は、ゲート電極20とソース電極12を電気的に分離する。
【0071】
層間絶縁層26の一部は、外周トレンチ34及び中間トレンチ35の中に設けられる。層間絶縁層26の一部は、外周トレンチ34及び中間トレンチ35の中に埋め込まれている。
【0072】
図4(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22は存在しない。例えば、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eでは、ゲート絶縁層24と層間絶縁層26が接する。
【0073】
ソース電極12は、炭化珪素層10の第1の面P1側に設けられる。ソース電極12は、炭化珪素層10の第1の面P1の上に設けられる。ソース電極12は、ソース領域46、ボディ領域44、及び電界緩和領域48に電気的に接続される。
【0074】
ソース電極12の一部であるコンタクト領域12aは、コンタクトトレンチ33の中に設けられる。コンタクト領域12aは、コンタクトトレンチ33の側面で、ソース領域46に接する。コンタクト領域12aは、コンタクトトレンチ33の側面及び底面で、電界緩和領域48に接する。コンタクト領域12aは、ソース領域46、ボディ領域44、及び電界緩和領域48に電気的に接続される。
【0075】
ソース電極12は、金属を含む。ソース電極12を形成する金属は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造である。ソース電極12は、例えば、炭化珪素層10に接する金属シリサイドや金属カーバイドを含んでも構わない。
【0076】
ソース電極12には、例えば、ソース電圧が印加される。ソース電圧は、例えば、0Vである。
【0077】
金属配線18は、炭化珪素層10の第1の面P1の側に設けられる。金属配線18は、金属を含む。
【0078】
金属配線18は、図1及び図2に示すように、例えば、第2の方向に延びる。金属配線18は、ゲート電極パッド16に電気的に接続される。
【0079】
金属配線18は、ソース電極12と分離される。金属配線18は、ソース電極12と電気的に分離される。
【0080】
金属配線18は、金属を含む。ソース電極12を形成する金属は、例えば、チタン(Ti)とアルミニウム(Al)の積層構造である。
【0081】
金属配線18は、例えば、ソース電極12と同一材料で形成される。金属配線18の材料は、ソース電極12の材料と同一である。
【0082】
金属配線18及びソース電極12は、例えば、形成された導電膜をパターニングすることによって、同時に形成される。金属配線18とソース電極12は、パターニングにより分離される。
【0083】
金属配線18は、ゲート配線22の上に設けられる。金属配線18は、ゲート配線22に電気的に接続される。図4(a)、図4(b)に示すように、金属配線18は、ゲート配線22の上の層間絶縁層26に設けられたコンタクトホール26aを経由してゲート配線22に電気的に接続される。金属配線18は、例えば、ゲート配線22に接する。
【0084】
ドレイン電極14は、炭化珪素層10の第2の面P2側に設けられる。ドレイン電極14は、炭化珪素層10の第2の面P2上に設けられる。ドレイン電極14は、ドレイン領域40に接する。ドレイン電極14は、ドレイン領域40に電気的に接続される。
【0085】
ドレイン電極14は、例えば、金属又は金属半導体化合物である。ドレイン電極14は、例えば、ニッケルシリサイド、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、及び、金(Au)から成る群から選ばれる材料を含む。
【0086】
ドレイン電極14には、例えば、ドレイン電圧が印加される。ドレイン電圧は、例えば、500V以上6000V以下である。
【0087】
ゲート電極パッド16は、炭化珪素層10の第1の面P1側に設けられる。ゲート電極パッド16は、金属配線18に電気的に接続される。
【0088】
ゲート電極パッド16は、例えば、金属配線18及びソース電極12と同一材料で形成される。
【0089】
ゲート電極パッド16、金属配線18及びソース電極12は、例えば、堆積された導電膜をパターニングすることによって、同時に形成される。ゲート電極パッド16は、例えば、パターニングによりソース電極12と分離される。
【0090】
ゲート電極パッド16にはMOSFET100を駆動するゲート電圧が印加される。ゲート電圧は、例えば、0V以上30V以下である。
【0091】
ゲート電極パッド16から、金属配線18及びゲート配線22を経由して、ゲート電極20にゲート電圧が印加される。
【0092】
型のドレイン領域40は、炭化珪素層10の第2の面P2側に設けられる。ドレイン領域40は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドレイン領域40のn型不純物濃度は、例えば、1×1018cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0093】
型のドリフト領域42は、ドレイン領域40上に設けられる。ドリフト領域42は、第1の面P1と、ドレイン領域40との間に設けられる。
【0094】
ドリフト領域42は、例えば、窒素(N)をn型不純物として含む。ドリフト領域42のn型不純物濃度は、ドレイン領域40のn型不純物濃度よりも低い。ドリフト領域42のn型不純物濃度は、例えば、4×1014cm-3以上1×1018cm-3以下である。
【0095】
p型のボディ領域44は、ドリフト領域42と第1の面P1との間に設けられる。ボディ領域44は、第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間に設けられる。ボディ領域44は、第1のゲートトレンチ31とコンタクトトレンチ33との間に設けられる。ボディ領域44は、第2のゲートトレンチ32とコンタクトトレンチ33との間に設けられる。
【0096】
ボディ領域44は、第1のゲートトレンチ31と外周トレンチ34との間に設けられる。ボディ領域44は、第2のゲートトレンチ32と外周トレンチ34との間に設けられる
【0097】
ボディ領域44は、MOSFET100のチャネル形成領域として機能する。例えば、MOSFET100のオン動作時に、ボディ領域44のゲート絶縁層24と接する領域に電子が流れるチャネルが形成される。ボディ領域44のゲート絶縁層24と接する領域が、チャネル形成領域となる。
【0098】
ボディ領域44は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。ボディ領域44のp型不純物濃度は、例えば、5×1016cm-3以上5×1017cm-3以下である。
【0099】
ボディ領域44の深さは、第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32の深さよりも浅い。ボディ領域44の深さは、例えば、0.4μm以上1.0μm以下である。
【0100】
型のソース領域46は、ボディ領域44と第1の面P1との間に設けられる。ソース領域46は、第1のゲートトレンチ31と第2のゲートトレンチ32との間に設けられる。ソース領域46は、第1のゲートトレンチ31とコンタクトトレンチ33との間に設けられる。ソース領域46は、第2のゲートトレンチ32とコンタクトトレンチ33との間に設けられる。
【0101】
ソース領域46は、ソース電極12に接する。ソース領域46は、ゲート絶縁層24に接する。
【0102】
ソース領域46は、例えば、リン(P)をn型不純物として含む。ソース領域46のn型不純物濃度は、ドリフト領域42のn型不純物濃度よりも高い。ソース領域46のn型不純物濃度は、例えば、1×1019cm-3以上1×1021cm-3以下である。
【0103】
ソース領域46の深さは、ボディ領域44の深さよりも浅い。ソース領域46の深さは、例えば、0.3μm以上0.6μm以下である。
【0104】
型の電界緩和領域48は、コンタクトトレンチ33とドリフト領域42との間に設けられる。電界緩和領域48は、コンタクトトレンチ33の底面に接する。電界緩和領域48は、ソース電極12のコンタクト領域12aに接する。
【0105】
電界緩和領域48は、外周トレンチ34とドリフト領域42との間に設けられる。電界緩和領域48は、外周トレンチ34の底面に接する。
【0106】
電界緩和領域48は、中間トレンチ35とドリフト領域42との間に設けられる。中間トレンチ35は、外周トレンチ34の底面に接する。
【0107】
コンタクトトレンチ33の下の電界緩和領域48、中間トレンチ35の下の電界緩和領域48、及び外周トレンチ34の下の電界緩和領域48は連続している。コンタクトトレンチ33の下の電界緩和領域48と中間トレンチ35の下の電界緩和領域48は接している。中間トレンチ35の下の電界緩和領域48と外周トレンチ34の下の電界緩和領域48は接している。
【0108】
電界緩和領域48は、MOSFET100のオフ動作時に、ゲートトレンチの底部のゲート絶縁層24に印加される電界を緩和する機能を有する。電界緩和領域48は、例えば、ソース電極12と同電位に固定される。
【0109】
電界緩和領域48は、例えば、アルミニウム(Al)をp型不純物として含む。電界緩和領域48のp型不純物濃度は、例えば、ボディ領域44のp型不純物濃度よりも高い。電界緩和領域48のp型不純物濃度は、例えば、ボディ領域44のp型不純物濃度の10倍以上である。電界緩和領域48のp型不純物濃度は、例えば、5×1017cm-3以上5×1020cm-3以下である。
【0110】
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0111】
図8(a)、図8(b)、図8(c)、図9(a)、図9(b)、図9(c)、図10(a)、図10(b)、図10(c)、図11(a)、図11(b)、図11(c)、図12(a)、図12(b)、図12(c)、図13(a)、図13(b)、図13(c)、図14(a)、図14(b)、図14(c)、図15(a)、図15(b)、図15(c)、図16(a)、図16(b)、図16(c)、図17(a)、図17(b)、図17(c)、図18(a)、図18(b)、図18(c)、図19(a)、図19(b)、図19(c)、図20(a)、図20(b)、図20(c)は、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。図8(a)、図9(a)、図10(a)、図11(a)、図12(a)、図13(a)、図14(a)、図15(a)、図16(a)、図17(a)、図18(a)、図19(a)、図20(a)は、図5(a)に対応する断面である。図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(b)、図13(b)、図14(b)、図15(b)、図16(b)、図17(b)、図18(b)、図19(b)、図20(b)は、図5(b)に対応する断面である。図8(c)、図9(c)、図10(c)、図11(c)、図12(c)、図13(c)、図14(c)、図15(c)、図16(c)、図17(c)、図18(c)、図19(c)、図20(c)は、図6(a)に対応する断面である。
【0112】
最初に、n型のドレイン領域40、及び、ドレイン領域40の上にエピタキシャル成長により形成されたn型のエピタキシャル層11を有する炭化珪素層10を準備する(図8(a)、図8(b)、図8(c))。エピタキシャル層11の一部は、最終的に、ドリフト領域42となる。
【0113】
次に、エピタキシャル層11に、p型のボディ領域44を形成する(図9(a)、図9(b)、図9(c))。ボディ領域44は、例えば、アルミニウム(Al)をエピタキシャル層11にイオン注入することにより形成する。
【0114】
次に、炭化珪素層10の表面に、マスク材50を形成する。マスク材50は、例えば、フォトレジストである。
【0115】
次に、エピタキシャル層11にn型のソース領域46を形成する(図10(a)、図10(b)、図10(c))。ソース領域46は、例えば、マスク材50をマスクに、リン(P)をエピタキシャル層11にイオン注入することにより形成する。
【0116】
次に、マスク材50を剥離する。その後、炭化珪素層10の表面に、マスク材52を形成する。マスク材52は、例えば、Chemical Vapoer Deposition法(CVD法)による膜の堆積、リソグラフィ法、及び、反応性イオンエッチング法(RIE法)を用いた膜のパターニングにより形成される。マスク材50は、例えば、酸化シリコンである。
【0117】
次に、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35を形成する(図11(a)、図11(b)、図11(c))。第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35は、マスク材52をマスクとしたRIE法により形成される。
【0118】
次に、マスク材52を剥離する。マスク材52は、例えば、ウェットエッチング法により剥離される。
【0119】
次に、炭化珪素層10の表面に、マスク材54を形成する。マスク材54は、第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32を覆う。マスク材52は、例えば、フォトレジストである。
【0120】
次に、p型の電界緩和領域48を形成する(図12(a)、図12(b)、図12(c))。電界緩和領域48は、マスク材54をマスクに、コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35の底部のエピタキシャル層11に、イオン注入法によりアルミニウムを注入して形成する。
【0121】
次に、マスク材54を剥離する(図13(a)、図13(b)、図13(c))。次に、エピタキシャル層11に注入された不純物を活性化する活性化アニールを行う。活性化アニールは、例えば、水素雰囲気中で1400℃以上1600℃以下の温度で行う。
【0122】
次に、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35の中に、第1の酸化シリコン膜60を形成する(図14(a)、図14(b)、図14(c))。
【0123】
第1の酸化シリコン膜60は、例えば、CVD法により形成される。第1の酸化シリコン膜60は、ゲート絶縁層24となる。
【0124】
次に、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35の中に、多結晶シリコン膜62を形成する(図15(a)、図15(b)、図15(c))。
【0125】
多結晶シリコン膜62は、例えば、CVD法により形成される。多結晶シリコン膜62は、ゲート電極20及びゲート配線22となる。
【0126】
次に、多結晶シリコン膜62の表面に、マスク材56を形成する。マスク材56は、ゲート配線22が形成される領域を覆う。マスク材56は、例えば、フォトレジストである。
【0127】
次に、マスク材56をマスクに多結晶シリコン膜62の一部を除去する(図16(a)、図16(b)、図16(c))。多結晶シリコン膜62の一部は、例えば、ドライエッチング法により除去される。多結晶シリコン膜62の別の一部は、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、コンタクトトレンチ33、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35の中に残る。また、多結晶シリコン膜62の更に別の一部は、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、及び中間トレンチ35の上に連続して残る(図16(c))。
【0128】
次に、マスク材56を剥離する。次に、マスク材58を形成する。マスク材58は、例えば、フォトレジストである。
【0129】
マスク材58は、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、及び中間トレンチ35の多結晶シリコン膜62を覆う。
【0130】
次に、マスク材58をマスクにコンタクトトレンチ33及び外周トレンチ34の中の多結晶シリコン膜62を除去する(図17(a)、図17(b)、図17(c))。多結晶シリコン膜62は、例えば、ドライエッチング法により除去される。
【0131】
次に、マスク材58を除去する。次に、第1の酸化シリコン膜60、及び、多結晶シリコン膜62の上に第2の酸化シリコン膜64を形成する(図18(a)、図18(b)、図18(c))。第2の酸化シリコン膜64は、例えば、CVD法により形成される。第2の酸化シリコン膜64の一部は、層間絶縁層26となる。
【0132】
次に、マスク材66を形成する。マスク材66は、例えば、フォトレジストである。
【0133】
マスク材66は、第1のゲートトレンチ31、第2のゲートトレンチ32、外周トレンチ34、及び中間トレンチ35の第2の酸化シリコン膜64を覆う。中間トレンチ35の上の第2の酸化シリコン膜64の一部は、マスク材66で覆われない。
【0134】
次に、マスク材66をマスクに第1の酸化シリコン膜60、及び、第2の酸化シリコン膜64を、除去する(図19(a)、図19(b)、図19(c))。第1の酸化シリコン膜60、及び、第2の酸化シリコン膜64は、例えば、ウェットエッチング法により除去される。
【0135】
コンタクトトレンチ33の中の第1の酸化シリコン膜60、及び、第2の酸化シリコン膜64が除去される。また、中間トレンチ35の上の第2の酸化シリコン膜64には、コンタクトホール26aが形成される。ゲート配線22となる領域の多結晶シリコン膜62が露出する。
【0136】
次に、マスク材66を除去する。次に、コンタクトトレンチ33の中、ゲート配線22となる領域の多結晶シリコン膜62の上、及び第2の酸化シリコン膜64の上に、ソース電極12及び金属配線18を形成する。ソース電極12及び金属配線18は、例えば、CVD法による金属膜の堆積と、リソグラフィ法、及び、RIE法を用いた膜のパターニングにより形成される。
【0137】
その後、公知のプロセス技術を用いて、炭化珪素層10の裏面にドレイン電極14を形成する(図20(a)、図20(b)、図20(c))。以上の製造方法により、第1の実施形態のMOSFET100が製造される。
【0138】
次に、第1の実施形態の半導体装置及び半導体装置の製造方法の作用及び効果について説明する。
【0139】
MOSFET100は、第1のゲートトレンチ31及び第2のゲートトレンチ32の中にゲート電極20が設けられたトレンチゲート構造が適用される。トレンチゲート構造を適用することで、単位面積あたりのチャネル面積が増加し、MOSFET100のオン抵抗が低減される。
【0140】
また、MOSFET100は、コンタクトトレンチ33の中にソース電極12の一部であるコンタクト領域12aを設ける。MOSFET100は、いわゆるダブルトレンチ構造のMOSFETである。
【0141】
コンタクトトレンチ33の中にコンタクト領域12aを設けることで、ボディ領域44及びソース領域46への電気的接続をコンタクトトレンチ33の側面で取ることができる。したがって、炭化珪素層10の表面でのソース電極12の接続面積が低減できる。よって、単位面積あたりのチャネル面積が増加し、MOSFET100のオン抵抗が低減される。
【0142】
また、MOSFET100は、コンタクトトレンチ33の底面及び側面の周りに、電界緩和領域48を備える。したがって、MOSFET100のオフ動作時に、ゲート絶縁層24に印加される電界が緩和される。よって、ゲート絶縁層24の信頼性が向上する。
【0143】
更に、MOSFET100では、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間に、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eでは、ゲート絶縁層24がゲート電極20又はゲート配線22と、炭化珪素層10との間に挟まれたMetal Oxide Semiconductor(MOS)構造が存在しない。したがって、更にゲート絶縁層24の信頼性が向上する。
【0144】
図21は、第1の実施形態の比較例の半導体装置の拡大模式上面図である。図21は、トレンチ、ソース電極、ゲート配線、及び金属配線のパターンレイアウトを示す。図21は、図2に対応する図である。
【0145】
図22は、第1の実施形態の比較例の半導体装置の模式断面図である。図22は、図21のHH’断面である。図22は、図4(a)に対応する図である。
【0146】
第1の実施形態の比較例の半導体装置はMOSFET900である。MOSFET900は、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部E’と層間絶縁層26との間に、ゲート配線22が設けられる点で、第1の実施形態のMOSFET100と異なる。
【0147】
MOSFET900では、第1のゲートトレンチ31の第1の方向にゲート配線22が設けられる。ゲート配線22はゲート電極20に接続される。
【0148】
金属配線18は、ゲート配線22の上に設けられる。金属配線18は、ゲート配線22の上の層間絶縁層26に設けられたコンタクトホール26aを経由してゲート配線22に接する。
【0149】
図23は、第1の実施形態の半導体装置の作用及び効果の説明図である。図23は、活性化アニールを行った後のゲートトレンチの第1の方向の端部E近傍のSEM画像である。図23のゲートトレンチは、<11-20>方向に延びる。すなわち、第1の方向は、<11-20>方向である。
【0150】
図23に示すように、活性化アニールを行った後の端部Eでは、ゲートトレンチが角張った形状となる。これは、活性化アニールによりSiCの結晶構造がトレンチの形状に反映されたためと考えられる。なお、第1の方向が<11-20>方向以外の方向であっても、角張る位置は変化するが、同様に、端部Eでゲートトレンチが角張った形状となる。
【0151】
MOSFET900では、ゲート電極20にゲート電圧が印加された際に、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部E’でのゲート絶縁層24の信頼性が低下する。これは、端部E’近傍で、図23に示すようなトレンチの形状に起因して、電界が集中するためと考えられる。このため、端部E’近傍のゲート絶縁層24に印加される電界強度が高くなると考えられる。したがって、端部E’近傍のゲート絶縁層24のリーク電流が大きくなり、ゲート絶縁層24の信頼性が低下すると考えられる。
【0152】
第1の実施形態のMOSFE100では、図4(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。したがって、端部Eにおけるゲート絶縁層24の信頼性の低下の問題は生じ得ない。よって、MOSFE100では、比較例のMOSFET900と比較して、信頼性が向上する。
【0153】
特に、第1のゲートトレンチ31の延びる第1の方向が、<11-20>方向に対して0度以上8度以下傾斜した方向の場合、図23に示すように、端部Eの先端の中央部が角張った形状となる。したがって、特に、電界集中によるゲート絶縁層24のリーク電流が大きくなり、ゲート絶縁層24の信頼性が低下すると考えられる。よって、第1の方向が<11-20>方向に対して0度以上8度以下傾斜した方向の場合、比較例のMOSFET900と比較して、MOSFE100の信頼性がより向上すると考えられる。
【0154】
また、第1の実施形態のMOSFET100は、比較例のMOSFET900に対し、追加のプロセスを要せず製造することが可能となる。具体的には、図2図21に示すように、MOSFET100は、ソース電極12、ゲート配線22、及び金属配線18のパターンレイアウトを変更するだけで、MOSFET900と同様の製造方法で製造することが可能である。よって、信頼性の向上したMOSFET100を、比較例のMOSFET900と同様の製造コストで製造することが可能となる。
【0155】
以上、第1の実施形態によれば、信頼性の向上が可能なMOSFETが実現できる。
【0156】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、第4のトレンチの中にゲート電極が設けられる点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0157】
第2の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いた縦型MOSFET200である。MOSFET200は、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造のMOSFETである。また、MOSFET200は、トレンチの中にソース電極を設ける、いわゆるダブルトレンチ構造のMOSFETである。また、MOSFET200は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0158】
図24は、第2の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図である。図24は、トレンチ、ソース電極、ゲート配線、及び金属配線のパターンレイアウトを示す。図24は、図2に対応する上面図である。
【0159】
図25図26(a)、図26(b)、図27(a)、図27(b)、図28(a)、及び図28(b)は、第2の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図25は、図26(a)及び図26(b)のGG’断面である。図26(a)は、図24及び図25のAA’断面である。図26(b)は、図24及び図25のBB’断面である。図27(a)は、図24及び図25のCC’断面である。図27(b)は、図24及び図25のDD’断面である。図28(a)は、図24及び図25のEE’断面である。図28(b)は、図24及び図25のFF’断面である。
【0160】
MOSFET200は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート電極パッド16、金属配線18、ゲート電極20、ゲート配線22、ゲート絶縁層24、及び層間絶縁層26を備える。ソース電極12は、コンタクト領域12aを有する。層間絶縁層26は、コンタクトホール26aを有する。
【0161】
ソース電極12は、第1の電極の一例である。ドレイン電極14は、第2の電極の一例である。
【0162】
炭化珪素層10は、第1のゲートトレンチ31(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ32(第2のトレンチ)、コンタクトトレンチ33(第3のトレンチ)、外周トレンチ34(第4のトレンチ)、中間トレンチ35(第5のトレンチ)、n型のドレイン領域40、n型のドリフト領域42(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域44(第2の炭化珪素領域)、n型のソース領域46(第3の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域48(第4の炭化珪素領域)を有する。
【0163】
第1のゲートトレンチ31は、第1のトレンチの一例である。第2のゲートトレンチ32は、第2のトレンチの一例である。コンタクトトレンチ33は、第3のトレンチの一例である。外周トレンチ34は、第4のトレンチの一例である。中間トレンチ35は、第5のトレンチの一例である。ドリフト領域42は、第1の炭化珪素領域の一例である。ボディ領域44は、第2の炭化珪素領域の一例である。ソース領域46は、第3の炭化珪素領域の一例である。電界緩和領域48は、第4の炭化珪素領域の一例である。
【0164】
ゲート電極20の一部は、中間トレンチ35の中に設けられる。ゲート電極20の一部は、外周トレンチ34の中に設けられる。外周トレンチ34の中が、ゲート電極20で埋め込まれている。中間トレンチ35の中のゲート電極20と外周トレンチ34の中のゲート電極20は、連続している。
【0165】
図26(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22は存在しない。例えば、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eでは、ゲート絶縁層24と層間絶縁層26が接する。
【0166】
第2の実施形態のMOSFET200によれば、第1の実施形態のMOSFET100と同様、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。したがって、第1の実施形態のMOSFET100と同様、MOSFET200の信頼性が向上する。
【0167】
また、第2の実施形態のMOSFET200では、外周トレンチ34の中が、ゲート電極20で埋め込まれている。したがって、外周トレンチ34の上の層間絶縁層26の表面の平坦性が向上する。したがって、例えば、ソース電極12や金属配線18を形成する金属膜のパターニングが容易となる。
【0168】
以上、第2の実施形態によれば、信頼性の向上が可能なMOSFETが実現できる。
【0169】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体装置は、第3のトレンチと第5のトレンチが離間する点で、第2の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態及び第2の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0170】
第3の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いた縦型MOSFET300である。MOSFET300は、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造のMOSFETである。また、MOSFET300は、トレンチの中にソース電極を設ける、いわゆるダブルトレンチ構造のMOSFETである。また、MOSFET300は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0171】
図29は、第3の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図である。図29は、トレンチ、ソース電極、ゲート配線、及び金属配線のパターンレイアウトを示す。図29は、図24に対応する図である。
【0172】
図30図31(a)、図31(b)、図32(a)、図32(b)、図33(a)、及び図33(b)は、第3の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図30は、図31(a)及び図31(b)のGG’断面である。図31(a)は、図29及び図30のAA’断面である。図31(b)は、図29及び図30のBB’断面である。図32(a)は、図29及び図30のCC’断面である。図32(b)は、図29及び図30のDD’断面である。図33(a)は、図29及び図30のEE’断面である。図33(b)は、図29及び図30のFF’断面である。
【0173】
MOSFET300は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート電極パッド16、金属配線18、ゲート電極20、ゲート配線22、ゲート絶縁層24、及び層間絶縁層26を備える。ソース電極12は、コンタクト領域12aを有する。層間絶縁層26は、コンタクトホール26aを有する。
【0174】
ソース電極12は、第1の電極の一例である。ドレイン電極14は、第2の電極の一例である。
【0175】
炭化珪素層10は、第1のゲートトレンチ31(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ32(第2のトレンチ)、コンタクトトレンチ33(第3のトレンチ)、外周トレンチ34(第4のトレンチ)、中間トレンチ35(第5のトレンチ)、n型のドレイン領域40、n型のドリフト領域42(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域44(第2の炭化珪素領域)、n型のソース領域46(第3の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域48(第4の炭化珪素領域)を有する。
【0176】
第1のゲートトレンチ31は、第1のトレンチの一例である。第2のゲートトレンチ32は、第2のトレンチの一例である。コンタクトトレンチ33は、第3のトレンチの一例である。外周トレンチ34は、第4のトレンチの一例である。中間トレンチ35は、第5のトレンチの一例である。ドリフト領域42は、第1の炭化珪素領域の一例である。ボディ領域44は、第2の炭化珪素領域の一例である。ソース領域46は、第3の炭化珪素領域の一例である。電界緩和領域48は、第4の炭化珪素領域の一例である。
【0177】
コンタクトトレンチ33と中間トレンチ35は、第1の方向に離間している。コンタクトトレンチ33と中間トレンチ35との間には、ドリフト領域42及びボディ領域44が設けられる。
【0178】
図31(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。例えば、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eでは、ゲート絶縁層24と層間絶縁層26が接する。
【0179】
第3の実施形態のMOSFET300によれば、第1の実施形態のMOSFET100と同様、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。したがって、第1の実施形態のMOSFET100と同様、MOSFET300の信頼性が向上する。
【0180】
また、第3の実施形態のMOSFET300では、第2の実施形態のMOSFET100と同様、外周トレンチ34の中が、ゲート電極20で埋め込まれている。したがって、外周トレンチ34の上の層間絶縁層26の表面の平坦性が向上する。したがって、例えば、ソース電極12や金属配線18を形成する金属膜のパターニングが容易となる。
【0181】
さらに、第3の実施形態のMOSFET300では、コンタクトトレンチ33と中間トレンチ35は、第1の方向に離間している。したがって、例えば、トレンチを経由したコンタクト領域12aとゲート電極20との電気的なショートが抑制できる。よって、MOSFET300の歩留まりが向上する。
【0182】
以上、第3の実施形態によれば、信頼性の向上が可能なMOSFETが実現できる。
【0183】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の半導体装置は、第4のトレンチと第5のトレンチが離間する点で、第3の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態ないし第3の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0184】
第4の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いた縦型MOSFET400である。MOSFET400は、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造のMOSFETである。また、MOSFET400は、トレンチの中にソース電極を設ける、いわゆるダブルトレンチ構造のMOSFETである。また、MOSFET400は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0185】
図34は、第4の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図である。図34は、トレンチ、ソース電極、ゲート配線、及び金属配線のパターンレイアウトを示す。図34は、図29に対応する図である。
【0186】
図35図36(a)、図36(b)、図37(a)、図37(b)、図38(a)、及び図38(b)は、第4の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図35は、図36(a)及び図36(b)のGG’断面である。図36(a)は、図34及び図35のAA’断面である。図36(b)は、図34及び図35のBB’断面である。図37(a)は、図34及び図35のCC’断面である。図37(b)は、図34及び図35のDD’断面である。図38(a)は、図34及び図35のEE’断面である。図38(b)は、図34及び図35のFF’断面である。
【0187】
MOSFET400は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート電極パッド16、金属配線18、ゲート電極20、ゲート配線22、ゲート絶縁層24、及び層間絶縁層26を備える。ソース電極12は、コンタクト領域12aを有する。層間絶縁層26は、コンタクトホール26aを有する。
【0188】
ソース電極12は、第1の電極の一例である。ドレイン電極14は、第2の電極の一例である。
【0189】
炭化珪素層10は、第1のゲートトレンチ31(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ32(第2のトレンチ)、コンタクトトレンチ33(第3のトレンチ)、外周トレンチ34(第4のトレンチ)、中間トレンチ35(第5のトレンチ)、n型のドレイン領域40、n型のドリフト領域42(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域44(第2の炭化珪素領域)、n型のソース領域46(第3の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域48(第4の炭化珪素領域)を有する。
【0190】
第1のゲートトレンチ31は、第1のトレンチの一例である。第2のゲートトレンチ32は、第2のトレンチの一例である。コンタクトトレンチ33は、第3のトレンチの一例である。外周トレンチ34は、第4のトレンチの一例である。中間トレンチ35は、第5のトレンチの一例である。ドリフト領域42は、第1の炭化珪素領域の一例である。ボディ領域44は、第2の炭化珪素領域の一例である。ソース領域46は、第3の炭化珪素領域の一例である。電界緩和領域48は、第4の炭化珪素領域の一例である。
【0191】
外周トレンチ34と中間トレンチ35は、第1の方向に離間している。外周トレンチ34と中間トレンチ35との間には、電界緩和領域48及びボディ領域44が設けられる。
【0192】
図36(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。例えば、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eでは、ゲート絶縁層24と層間絶縁層26が接する。
【0193】
第4の実施形態のMOSFET400によれば、第1の実施形態のMOSFET100と同様、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。したがって、第1の実施形態のMOSFET100と同様、MOSFET400の信頼性が向上する。
【0194】
また、第4の実施形態のMOSFET400では、第2の実施形態のMOSFET200と同様、外周トレンチ34の中が、ゲート電極20で埋め込まれている。したがって、外周トレンチ34の上の層間絶縁層26の表面の平坦性が向上する。したがって、例えば、ソース電極12や金属配線18を形成する金属膜のパターニングが容易となる。
【0195】
また、第4の実施形態のMOSFET400では、第3の実施形態のMOSFET300と同様、コンタクトトレンチ33と中間トレンチ35が、第1の方向に離間している。したがって、例えば、トレンチを経由したコンタクト領域12aとゲート電極20との電気的なショートが抑制できる。よって、MOSFET400の歩留まりが向上する。
【0196】
さらに、第4の実施形態のMOSFET400では、外周トレンチ34と中間トレンチ35は、第1の方向に離間しているため、外周トレンチ34と中間トレンチ35の交わる部分が存在しない。仮に、第3の実施形態のMOSFET300のように外周トレンチ34と中間トレンチ35の交わる部分が存在すると、例えば、この部分でのゲート電極20の埋め込み性が悪くなり、層間絶縁層26の平坦性が低下する。
【0197】
第4の実施形態のMOSFET400では、外周トレンチ34と中間トレンチ35の交わる部分が存在しないため、例えば、層間絶縁層26の平坦性が向上する。したがって、例えば、ソース電極12や金属配線18を形成する金属膜のパターニングが容易となる。
【0198】
以上、第4の実施形態によれば、信頼性の向上が可能なMOSFETが実現できる。
【0199】
(第5の実施形態)
第5の実施形態の半導体装置は、第4のトレンチが層間絶縁層で埋め込まれている点で、第4の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態ないし第4の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0200】
第5の実施形態の半導体装置は、炭化珪素を用いた縦型MOSFET500である。MOSFET500は、トレンチの中にゲート電極を設けるトレンチゲート構造のMOSFETである。また、MOSFET500は、トレンチの中にソース電極を設ける、いわゆるダブルトレンチ構造のMOSFETである。また、MOSFET500は、電子をキャリアとするnチャネル型のMOSFETである。
【0201】
図39は、第5の実施形態の半導体装置の拡大模式上面図である。図39は、トレンチ、ソース電極、ゲート配線、及び金属配線のパターンレイアウトを示す。図39は、図34に対応する図である。
【0202】
図40図41(a)、図41(b)、図42(a)、図42(b)、図43(a)、及び図43(b)は、第5の実施形態の半導体装置の模式断面図である。図40は、図41(a)及び図41(b)のGG’断面である。図41(a)は、図39及び図40のAA’断面である。図41(b)は、図39及び図40のBB’断面である。図42(a)は、図39及び図40のCC’断面である。図42(b)は、図39及び図40のDD’断面である。図43(a)は、図39及び図40のEE’断面である。図43(b)は、図39及び図40のFF’断面である。
【0203】
MOSFET500は、炭化珪素層10、ソース電極12(第1の電極)、ドレイン電極14(第2の電極)、ゲート電極パッド16、金属配線18、ゲート電極20、ゲート配線22、ゲート絶縁層24、及び層間絶縁層26を備える。ソース電極12は、コンタクト領域12aを有する。層間絶縁層26は、コンタクトホール26aを有する。
【0204】
ソース電極12は、第1の電極の一例である。ドレイン電極14は、第2の電極の一例である。
【0205】
炭化珪素層10は、第1のゲートトレンチ31(第1のトレンチ)、第2のゲートトレンチ32(第2のトレンチ)、コンタクトトレンチ33(第3のトレンチ)、外周トレンチ34(第4のトレンチ)、中間トレンチ35(第5のトレンチ)、n型のドレイン領域40、n型のドリフト領域42(第1の炭化珪素領域)、p型のボディ領域44(第2の炭化珪素領域)、n型のソース領域46(第3の炭化珪素領域)、及びp型の電界緩和領域48(第4の炭化珪素領域)を有する。
【0206】
第1のゲートトレンチ31は、第1のトレンチの一例である。第2のゲートトレンチ32は、第2のトレンチの一例である。コンタクトトレンチ33は、第3のトレンチの一例である。外周トレンチ34は、第4のトレンチの一例である。中間トレンチ35は、第5のトレンチの一例である。ドリフト領域42は、第1の炭化珪素領域の一例である。ボディ領域44は、第2の炭化珪素領域の一例である。ソース領域46は、第3の炭化珪素領域の一例である。電界緩和領域48は、第4の炭化珪素領域の一例である。
【0207】
外周トレンチ34は、層間絶縁層26で埋め込まれている。
【0208】
図41(a)に示すように、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。例えば、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eでは、ゲート絶縁層24と層間絶縁層26が接する。
【0209】
第5の実施形態のMOSFET500によれば、第1の実施形態のMOSFET100と同様、第1のゲートトレンチ31の第1の方向の端部Eと層間絶縁層26との間には、ゲート電極20及びゲート配線22が存在しない。したがって、第1の実施形態のMOSFET100と同様、MOSFET500の信頼性が向上する。
【0210】
また、第5の実施形態のMOSFET500では、第3の実施形態のMOSFET300と同様、コンタクトトレンチ33と中間トレンチ35は、第1の方向に離間している。したがって、例えば、トレンチを経由したコンタクト領域12aとゲート電極20との電気的なショートが抑制できる。よって、MOSFET500の歩留まりが向上する。
【0211】
さらに、第5の実施形態のMOSFET500では、第4の実施形態のMOSFET400と同様、外周トレンチ34と中間トレンチ35は、第1の方向に離間しているため、外周トレンチ34と中間トレンチ35の交わる部分が存在しない。したがって、例えば、ソース電極12や金属配線18を形成する金属膜のパターニングが容易となる。
【0212】
以上、第5の実施形態によれば、信頼性の向上が可能なMOSFETが実現できる。
【0213】
(第6の実施形態)
第6の実施形態のインバータ回路及び駆動装置は、第1の実施形態の半導体装置を備える駆動装置である。
【0214】
図44は、第6の実施形態の駆動装置の模式図である。駆動装置1000は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0215】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュール150a、150b、150cで構成される。3個の半導体モジュール150a、150b、150cを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。
【0216】
第6の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、インバータ回路150及び駆動装置1000の特性が向上する。
【0217】
(第7の実施形態)
第7の実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
【0218】
図45は、第7の実施形態の車両の模式図である。第7の実施形態の車両1100は、鉄道車両である。車両1100は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0219】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュールで構成される。3個の半導体モジュールを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1100の車輪90が回転する。
【0220】
第7の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、車両1100の特性が向上する。
【0221】
(第8の実施形態)
第8の実施形態の車両は、第1の実施形態の半導体装置を備える車両である。
【0222】
図46は、第8の実施形態の車両の模式図である。第8の実施形態の車両1200は、自動車である。車両1200は、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0223】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュールで構成される。3個の半導体モジュールを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
【0224】
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により車両1200の車輪90が回転する。
【0225】
第8の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、車両1200の特性が向上する。
【0226】
(第9の実施形態)
第9の実施形態の昇降機は、第1の実施形態の半導体装置を備える昇降機である。
【0227】
図47は、第9の実施形態の昇降機(エレベータ)の模式図である。第9の実施形態の昇降機1300は、かご610、カウンターウエイト612、ワイヤロープ614、巻上機616、モーター140と、インバータ回路150を備える。
【0228】
インバータ回路150は、第1の実施形態のMOSFET100をスイッチング素子とする3個の半導体モジュールで構成される。3個の半導体モジュールを並列に接続することで、3個の交流電圧の出力端子U、V、Wを備える三相のインバータ回路150が実現される。
【0229】
インバータ回路150から出力される交流電圧により、モーター140が駆動する。モーター140により巻上機616が回転し、かご610が昇降する。
【0230】
第9の実施形態によれば、特性の向上したMOSFET100を備えることで、昇降機1300の特性が向上する。
【0231】
以上、第1ないし第5の実施形態では、炭化珪素の結晶構造として4H-SiCの場合を例に説明したが、本発明は6H-SiC、3C-SiC等、その他の結晶構造の炭化珪素に適用することも可能である。
【0232】
また、第6ないし第9の実施形態においては、第1の実施形態の半導体装置を備える場合を例に説明したが、第2の実施形態ないし第5の実施形態の半導体装置を適用することも可能である。
【0233】
また、第6ないし第9の実施形態において、本発明の半導体装置を車両やエレベータに適用する場合を例に説明したが、本発明の半導体装置を例えば、太陽光発電システムのパワーコンディショナー等に適用することも可能である。
【0234】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0235】
10 炭化珪素層
12 ソース電極(第1の電極)
12a コンタクト領域(第1の電極の一部)
14 ドレイン電極(第2の電極)
18 金属配線
20 ゲート電極
22 ゲート配線
24 ゲート絶縁層
26 層間絶縁層
31 第1のゲートトレンチ(第1のトレンチ)
32 第2のゲートトレンチ(第2のトレンチ)
33 コンタクトトレンチ(第3のトレンチ)
34 外周トレンチ(第4のトレンチ)
35 中間トレンチ(第5のトレンチ)
42 ドリフト領域(第1の炭化珪素領域)
44 ボディ領域(第2の炭化珪素領域)
46 ソース領域(第3の炭化珪素領域)
48 電界緩和領域(第4の炭化珪素領域)
100 MOSFET(半導体装置)
150 インバータ回路
200 MOSFET(半導体装置)
300 MOSFET(半導体装置)
400 MOSFET(半導体装置)
500 MOSFET(半導体装置)
1000 駆動装置
1100 車両
1200 車両
1300 昇降機
E 端部
P1 第1の面
P2 第2の面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
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図20
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図44
図45
図46
図47