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特許7588521基板洗浄装置、基板洗浄装置の異常判定方法、基板洗浄装置の異常判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】基板洗浄装置、基板洗浄装置の異常判定方法、基板洗浄装置の異常判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20241115BHJP
   B08B 1/32 20240101ALI20241115BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H01L21/304 648G
H01L21/304 644C
B08B1/32
B08B3/02 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021021534
(22)【出願日】2021-02-15
(65)【公開番号】P2022124016
(43)【公開日】2022-08-25
【審査請求日】2023-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000000239
【氏名又は名称】株式会社荏原製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 真澄
(72)【発明者】
【氏名】松下 邦政
(72)【発明者】
【氏名】石川 浩
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-220402(JP,A)
【文献】特開2017-147275(JP,A)
【文献】特開2018-181978(JP,A)
【文献】特開平05-337811(JP,A)
【文献】特許第5878441(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B08B 1/32
B08B 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を洗浄するロール洗浄部材を着脱可能に装着するホルダと、
前記ホルダに装着した前記ロール洗浄部材を回転させる回転装置と、
前記ロール洗浄部材の回転時の振動に関する情報を測定するセンサと、
前記ロール洗浄部材の周面が物体に接触していない状態で、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させたときの、前記センサの測定結果に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する制御装置と、を備える、基板洗浄装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記ロール洗浄部材の回転時の振幅に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する、請求項1に記載の基板洗浄装置。
【請求項3】
前記ロール洗浄部材は、
周面に複数の液体吐出流路が設けられたロールシャフトと、
前記ロールシャフトの周面に取り付けられたロールスポンジと、を備え、
前記ロールシャフトの内側にインナーリンスを供給し、前記複数の液体吐出流路を介して前記ロールスポンジを内側から湿潤させる液体供給装置を備え、
前記制御装置は、前記液体供給装置によって前記ロール洗浄部材を前記インナーリンスで湿らせた状態で、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させ、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する、請求項1または2に記載の基板洗浄装置。
【請求項4】
前記制御装置は、少なくとも、前記ホルダに前記ロール洗浄部材を装着後、前記基板を洗浄する前に、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させ、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項5】
前記センサは、前記ホルダに取り付けられたロードセルである、請求項1~4のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項6】
前記ロール洗浄部材は、周面に複数の突起部を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の基板洗浄装置。
【請求項7】
基板を洗浄するロール洗浄部材を着脱可能に装着するホルダと、
前記ホルダに装着した前記ロール洗浄部材を回転させる回転装置と、
前記ロール洗浄部材の回転時の振動に関する情報を測定するセンサと、を備える基板洗浄装置の異常判定方法であって、
前記ロール洗浄部材の周面が物体に接触していない状態で、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させたときの、前記センサの測定結果に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する、基板洗浄装置の異常判定方法。
【請求項8】
基板を洗浄するロール洗浄部材を着脱可能に装着するホルダと、
前記ホルダに装着した前記ロール洗浄部材を回転させる回転装置と、
前記ロール洗浄部材の回転時の振動に関する情報を測定するセンサと、を備える基板洗浄装置の異常判定プログラムであって、
前記基板洗浄装置のコンピュータに、前記ロール洗浄部材の周面が物体に接触していない状態で、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させたときの、前記センサの測定結果に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定させる、基板洗浄装置の異常判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板洗浄装置、基板洗浄装置の異常判定方法、基板洗浄装置の異常判定プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に記載された基板洗浄用ロールブラシが知られている。この基板洗浄用ロールブラシは、半導体ウエハ等の基板を洗浄する基板洗浄装置(例えば、下記特許文献2の図2、特許文献3の図2参照)に着脱可能に装着される。基板洗浄用ロールブラシを基板洗浄装置に装着する場合は、下記特許文献1の図4に示すように、基板洗浄用ロールブラシを手で掴み、基板洗浄用ロールブラシの両端を基板洗浄装置のブラシ取付部に取り付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-255261号公報
【文献】特開2014-216392号公報
【文献】特許第5878441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記基板洗浄用ロールブラシは、長尺の芯体を具備し、該芯体の外周に長手方向に筒状のスポンジ状の多孔質体からなるブラシ体が形成されている。そして芯体の両端には、基板洗浄装置への取付部が設けられている。このような基板洗浄用ロールブラシは、ブラシ体の成形異常や取り付け時の異常により、基板洗浄用ロールブラシの偏心が生じる場合がある。この場合、基板の洗浄性能に影響が出る虞がある。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、装着されたロール洗浄部材の異常の有無を判定できる基板洗浄装置、基板洗浄装置の異常判定方法、基板洗浄装置の異常判定プログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る基板洗浄装置は、基板を洗浄するロール洗浄部材を着脱可能に装着するホルダと、前記ホルダに装着した前記ロール洗浄部材を回転させる回転装置と、前記ロール洗浄部材の回転時の振動に関する情報を測定するセンサと、前記センサの測定結果に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する制御装置と、を備える。
【0007】
上記基板洗浄装置においては、前記制御装置は、前記ロール洗浄部材の回転時の振幅に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定してもよい。
【0008】
上記基板洗浄装置においては、前記制御装置は、前記ロール洗浄部材を湿らせた状態で、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させ、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定してもよい。
【0009】
上記基板洗浄装置においては、前記制御装置は、少なくとも、前記ホルダに前記ロール洗浄部材を装着後、前記基板を洗浄する前に、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させ、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定してもよい。
【0010】
上記基板洗浄装置においては、前記センサは、前記ホルダに取り付けられたロードセルであってもよい。
【0011】
上記基板洗浄装置においては、前記ロール洗浄部材は、周面に複数の突起部を有してもよい。
【0012】
上記基板洗浄装置においては、前記制御装置は、前記ロール洗浄部材の周面が物体に接触していない状態で、前記回転装置によって前記ロール洗浄部材を回転させ、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定してもよい。
【0013】
本発明の一態様に係る基板洗浄装置の異常判定方法は、基板を洗浄するロール洗浄部材を着脱可能に装着するホルダと、前記ホルダに装着した前記ロール洗浄部材を回転させる回転装置と、前記ロール洗浄部材の回転時の振動に関する情報を測定するセンサと、を備える基板洗浄装置の異常判定方法であって、前記センサの測定結果に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定する。
【0014】
本発明の一態様に係る基板洗浄装置の異常判定プログラムは、基板を洗浄するロール洗浄部材を着脱可能に装着するホルダと、前記ホルダに装着した前記ロール洗浄部材を回転させる回転装置と、前記ロール洗浄部材の回転時の振動に関する情報を測定するセンサと、を備える基板洗浄装置の異常判定プログラムであって、前記基板洗浄装置のコンピュータに、前記センサの測定結果に基づいて、前記ホルダに装着された前記ロール洗浄部材の異常の有無を判定させる。
【発明の効果】
【0015】
上記本発明の一態様によれば、装着されたロール洗浄部材の異常の有無を判定できる基板洗浄装置、基板洗浄装置の異常判定方法、基板洗浄装置の異常判定プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係る基板処理装置の全体構成を示す平面図である。
図2】一実施形態に係る基板洗浄装置を示す概略構成図である。
図3】一実施形態に係るロール洗浄部材の液体流路及び液体供給装置を説明する概略図である。
図4】一実施形態に係るロール洗浄部材(上部ロール洗浄部材)の支持構造を示す正面図である。
図5】一実施形態に係るロール洗浄部材の動きを示す側面図である。
図6】一実施形態に係るロール洗浄部材の異常の一例を示す説明図である。
図7】一実施形態に係るセンサの測定結果の一例を示す説明図である。
図8】一実施形態に係るロール洗浄部材の交換作業時の作業フローを示す図である。
図9】一実施形態に係るロール洗浄部材の異常判定フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、一実施形態に係る基板処理装置1の全体構成を示す平面図である。
図1に示す基板処理装置1は、シリコンウェハ等の基板Wの表面を平坦に研磨する化学機械研磨(CMP)装置である。この基板処理装置1は、矩形箱状のハウジング2を備える。ハウジング2は、平面視で略長方形に形成されている。
【0019】
ハウジング2は、その中央に長手方向に延在する基板搬送路3を備える。基板搬送路3の長手方向の一端部には、ロード/アンロード部10が配設されている。基板搬送路3の幅方向(平面視で長手方向と直交する方向)の一方側には、研磨部20が配設され、他方側には、洗浄部30が配設されている。基板搬送路3には、基板Wを搬送する基板搬送部40が設けられている。また、基板処理装置1は、ロード/アンロード部10、研磨部20、洗浄部30、及び基板搬送部40の動作を統括的に制御する制御装置50を備える。
【0020】
ロード/アンロード部10は、基板Wを収容するフロントロード部11を備える。フロントロード部11は、ハウジング2の長手方向の一方側の側面に複数設けられている。複数のフロントロード部11は、ハウジング2の幅方向に配列されている。フロントロード部11は、例えば、オープンカセット、SMIF(Standard Manufacturing Interface)ポッド、またはFOUP(Front Opening Unified Pod)を搭載する。SMIF、FOUPは、内部に基板Wのカセットを収納し、隔壁で覆った密閉容器であり、外部空間とは独立した環境を保つことができる。
【0021】
また、ロード/アンロード部10は、フロントロード部11から基板Wを出し入れする2台の搬送ロボット12と、各搬送ロボット12をフロントロード部11の並びに沿って走行させる走行機構13と、を備える。各搬送ロボット12は、上下に2つのハンドを備えており、基板Wの処理前、処理後で使い分けている。例えば、フロントロード部11に基板Wを戻すときは上側のハンドを使用し、フロントロード部11から処理前の基板Wを取り出すときは下側のハンドを使用する。
【0022】
研磨部20は、基板Wの研磨(平坦化)を行う複数の基板研磨装置21(21A,21B,21C,21D)を備える。複数の基板研磨装置21は、基板搬送路3の長手方向に配列されている。基板研磨装置21は、研磨面を有する研磨パッド22を回転させる研磨テーブル23と、基板Wを保持しかつ基板Wを研磨テーブル23上の研磨パッド22に押圧しながら研磨するためのトップリング24と、研磨パッド22に研磨液やドレッシング液(例えば、純水)を供給するための研磨液供給ノズル25と、研磨パッド22の研磨面のドレッシングを行うためのドレッサ26と、液体(例えば純水)と気体(例えば窒素ガス)の混合流体または液体(例えば純水)を霧状にして研磨面に噴射するアトマイザ27と、を備える。
【0023】
基板研磨装置21は、研磨液供給ノズル25から研磨液を研磨パッド22上に供給しながら、トップリング24により基板Wを研磨パッド22に押し付け、さらにトップリング24と研磨テーブル23とを相対移動させることにより、基板Wを研磨してその表面を平坦にする。ドレッサ26は、研磨パッド22に接触する先端の回転部にダイヤモンド粒子やセラミック粒子などの硬質な粒子が固定され、当該回転部を回転しつつ揺動することにより、研磨パッド22の研磨面全体を均一にドレッシングし、平坦な研磨面を形成する。
アトマイザ27は、研磨パッド22の研磨面に残留する研磨屑や砥粒などを高圧の流体により洗い流すことで、研磨面の浄化と、機械的接触であるドレッサ26による研磨面の目立て作業、すなわち研磨面の再生を達成する。
【0024】
洗浄部30は、基板Wの洗浄を行う複数の基板洗浄装置31(31A,31B)と、洗浄した基板Wを乾燥させる基板乾燥装置32と、を備える。複数の基板洗浄装置31及び基板乾燥装置32は、基板搬送路3の長手方向に配列されている。基板洗浄装置31Aと基板洗浄装置31Bとの間には、第1搬送室33が設けられている。第1搬送室33には、基板搬送部40、基板洗浄装置31A、及び基板洗浄装置31Bの間で基板Wを搬送する搬送ロボット35が設けられている。また、基板洗浄装置31Bと基板乾燥装置32との間には、第2搬送室34が設けられている。第2搬送室34には、基板洗浄装置31Bと基板乾燥装置32との間で基板Wを搬送する搬送ロボット36が設けられている。
【0025】
基板洗浄装置31A及び基板洗浄装置31Bは、例えば、ロールスポンジ型の洗浄モジュールを備え、基板Wをスクラブ洗浄する。なお、基板洗浄装置31A及び基板洗浄装置31Bは、同一のタイプであっても、異なるタイプの洗浄モジュールであってもよく、例えば、ペンシルスポンジ型の洗浄モジュールや2流体ジェット型の洗浄モジュールであってもよい。基板乾燥装置32は、例えば、ロタゴニ乾燥(IPA(Iso-Propyl Alcohol)乾燥)を行う乾燥モジュールを備える。乾燥後は、基板乾燥装置32とロード/アンロード部10との間の隔壁に設けられたシャッタ1aが開かれ、搬送ロボット12によって基板乾燥装置32から基板Wが取り出される。
【0026】
基板搬送部40は、リフター41と、第1リニアトランスポータ42と、第2リニアトランスポータ43と、スイングトランスポータ44と、を備える。基板搬送路3には、ロード/アンロード部10側から順番に第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7が設定されている。
【0027】
リフター41は、第1搬送位置TP1で基板Wを上下に搬送する機構である。リフター41は、第1搬送位置TP1において、ロード/アンロード部10の搬送ロボット12から基板Wを受け取る。また、リフター41は、搬送ロボット12から受け取った基板Wを第1リニアトランスポータ42に受け渡す。第1搬送位置TP1とロード/アンロード部10との間の隔壁には、シャッタ1bが設けられており、基板Wの搬送時にはシャッタ1bが開かれて搬送ロボット12からリフター41に基板Wが受け渡される。
【0028】
第1リニアトランスポータ42は、第1搬送位置TP1、第2搬送位置TP2、第3搬送位置TP3、第4搬送位置TP4の間で基板Wを搬送する機構である。第1リニアトランスポータ42は、複数の搬送ハンド45(45A,45B,45C,45D)と、各搬送ハンド45を複数の高さで水平方向に移動させるリニアガイド機構46と、を備える。
搬送ハンド45Aは、リニアガイド機構46によって、第1搬送位置TP1から第4搬送位置TP4の間を移動する。この搬送ハンド45Aは、リフター41から基板Wを受け取り、それを第2リニアトランスポータ43に受け渡すためのパスハンドである。
【0029】
搬送ハンド45Bは、リニアガイド機構46によって、第1搬送位置TP1と第2搬送位置TP2との間を移動する。この搬送ハンド45Bは、第1搬送位置TP1でリフター41から基板Wを受け取り、第2搬送位置TP2で基板研磨装置21Aに基板Wを受け渡す。搬送ハンド45Bには、昇降駆動部が設けられており、基板Wを基板研磨装置21Aのトップリング24に受け渡すときは上昇し、トップリング24に基板Wを受け渡した後は下降する。なお、搬送ハンド45C及び搬送ハンド45Dにも、同様の昇降駆動部が設けられている。
【0030】
搬送ハンド45Cは、リニアガイド機構46によって、第1搬送位置TP1と第3搬送位置TP3との間を移動する。この搬送ハンド45Cは、第1搬送位置TP1でリフター41から基板Wを受け取り、第3搬送位置TP3で基板研磨装置21Bに基板Wを受け渡す。また、搬送ハンド45Cは、第2搬送位置TP2で基板研磨装置21Aのトップリング24から基板Wを受け取り、第3搬送位置TP3で基板研磨装置21Bに基板Wを受け渡すアクセスハンドとしても機能する。
【0031】
搬送ハンド45Dは、リニアガイド機構46によって、第2搬送位置TP2と第4搬送位置TP4との間を移動する。搬送ハンド45Dは、第2搬送位置TP2または第3搬送位置TP3で、基板研磨装置21Aまたは基板研磨装置21Bのトップリング24から基板Wを受け取り、第4搬送位置TP4でスイングトランスポータ44に基板Wを受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。
【0032】
スイングトランスポータ44は、第4搬送位置TP4と第5搬送位置TP5との間を移動可能なハンドを有しており、第1リニアトランスポータ42から第2リニアトランスポータ43へ基板Wを受け渡す。また、スイングトランスポータ44は、研磨部20で研磨された基板Wを、洗浄部30に受け渡す。スイングトランスポータ44の側方には、基板Wの仮置き台47が設けられている。スイングトランスポータ44は、第4搬送位置TP4または第5搬送位置TP5で受け取った基板Wを上下反転して仮置き台47に載置する。仮置き台47に載置された基板Wは、洗浄部30の搬送ロボット35によって第1搬送室33に搬送される。
【0033】
第2リニアトランスポータ43は、第5搬送位置TP5、第6搬送位置TP6、第7搬送位置TP7の間で基板Wを搬送する機構である。第2リニアトランスポータ43は、複数の搬送ハンド48(48A,48B,48C)と、各搬送ハンド45を複数の高さで水平方向に移動させるリニアガイド機構49と、を備える。搬送ハンド48Aは、リニアガイド機構49によって、第5搬送位置TP5から第6搬送位置TP6の間を移動する。搬送ハンド45Aは、スイングトランスポータ44から基板Wを受け取り、それを基板研磨装置21Cに受け渡すアクセスハンドとして機能する。
【0034】
搬送ハンド48Bは、第6搬送位置TP6と第7搬送位置TP7との間を移動する。搬送ハンド48Bは、基板研磨装置21Cから基板Wを受け取り、それを基板研磨装置21Dに受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。搬送ハンド48Cは、第7搬送位置TP7と第5搬送位置TP5との間を移動する。搬送ハンド48Cは、第6搬送位置TP6または第7搬送位置TP7で、基板研磨装置21Cまたは基板研磨装置21Dのトップリング24から基板Wを受け取り、第5搬送位置TP5でスイングトランスポータ44に基板Wを受け渡すためのアクセスハンドとして機能する。なお、説明は省略するが、搬送ハンド48の基板Wの受け渡し時の動作は、上述した第1リニアトランスポータ42の動作と同様である。
【0035】
図2は、一実施形態に係る基板洗浄装置31を示す概略構成図である。
基板洗浄装置31は、基板Wを回転させる回転機構80と、基板Wに接触して回転するロール洗浄部材81と、を備える。回転機構80は、基板Wの外周を保持して鉛直方向に延びる軸回りに回転させる複数の保持ローラ80aを備える。複数の保持ローラ80aは、モータ等の電気駆動部と接続されて水平回転する。また、複数の保持ローラ80aは、エアシリンダ等のエア駆動部によって上下に移動可能な構成となっている。なお、本明細書において、特に説明がない限り、「上」とは基板Wを起点として洗浄具(ロール洗浄部材81)が存在する方向を意味し、「下」とはその反対方向を意味する。また、洗浄具やこれを構成する構成物に関し、「上面」や「表面」とは洗浄具が基板に接触する側の面を意味する。
【0036】
ロール洗浄部材81は、基板Wの上面W1(研磨面)と接触する上部ロール洗浄部材81aと、基板Wの下面W2に接触する下部ロール洗浄部材81bと、を備える。上部ロール洗浄部材81a及び下部ロール洗浄部材81bは、モータ等の電気駆動部と接続されて回転する。また、上部ロール洗浄部材81aは、エアシリンダ等のエア駆動部(後述する図4に示す昇降装置70)によって上下に移動可能な構成となっている。なお、下部ロール洗浄部材81bは、一定の高さで保持されている。
基板Wをセットする際には、先ず、上部ロール洗浄部材81a及び複数の保持ローラ80aを上昇させる。次に、上昇した複数の保持ローラ80aに基板Wを水平姿勢で保持させ、その後、基板Wの下面W2が下部ロール洗浄部材81bに接触するまで下降させる。
最後に、上部ロール洗浄部材81aを下降させ、基板Wの上面W1に接触させる。
【0037】
ロール洗浄部材81は、水平方向に延びる円筒状のロールスポンジ82と、ロールスポンジ82を内側から支持するロールシャフト83と、を有する。ロールスポンジ82の周面82aには、複数の円柱状の突起部82bが形成されている。突起部82bは、ロールシャフト83が延びる回転軸L1に沿って列を成している。ロールスポンジ82の材質としては、多孔質のPVA製スポンジ、発泡ウレタン等を用いることができる。なお、ロール洗浄部材81は、ロールスポンジ82のみで製造、流通され、使用時にロールシャフト83を挿入されるものであってよく、あるいは、ロールシャフト83と一体に成形され、流通するものであっても良い。ロールスポンジ82は、乾燥状態で流通するものでも、湿潤状態で流通するものでもどちらでもよい。
【0038】
基板洗浄装置31は、図示しないノズルから薬液及び/または純水(アウターリンス)を基板Wの上面W1に向けて噴射し、上部ロール洗浄部材81a及び下部ロール洗浄部材81bの周面を基板Wに接触させて上部ロール洗浄部材81a及び下部ロール洗浄部材81bを回転させることで、基板Wを洗浄する。薬液としては、SC1(アンモニア/過酸化水素混合水溶液)等を用いることができる。また、基板洗浄装置31は、後述する図3に示すように、ロール洗浄部材81の内側から薬液及び/または純水(インナーリンス)を供給する液体供給装置90を備える。
【0039】
図3は、一実施形態に係るロール洗浄部材81の液体流路83a及び液体供給装置90を説明する概略図である。
図3に示すように、ロールシャフト83の中心には、液体流路83aが形成されている。液体流路83aは、軸方向に延びると共に、一端部が閉塞され、他端部が開放されている。液体流路83aの他端部には、液体供給装置90の液体供給継手91と接続されている。液体供給継手91からは、インナーリンスが液体流路83aに供給される。
【0040】
ロールシャフト83は、液体流路83aの一端部と他端部との間に、複数の液体吐出流路83bを備えている。液体吐出流路83bは、液体流路83aからロールシャフト83の周面まで半径方向に貫通している。液体吐出流路83bは、ロールシャフト83の軸方向に間隔をあけ、且つ、ロールシャフト83の周方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0041】
液体供給装置90は、制御装置50の制御の下、液体供給継手91を介して、ロールシャフト83の液体流路83aにインナーリンスを供給する。インナーリンスは、液体流路83aを流通し、複数の液体吐出流路83bからロールシャフト83の周面に吐出される。これにより、ロールシャフト83の周面に取り付けられたロールスポンジ82を、インナーリンスで内側から湿潤させることができる。
【0042】
図4は、一実施形態に係るロール洗浄部材81(上部ロール洗浄部材81a)の支持構造を示す正面図である。図5は、一実施形態に係るロール洗浄部材81の動きを示す側面図である。
図4に示すように、基板洗浄装置31は、ロール洗浄部材81の両端部(上述したロールシャフト83の液体吐出流路83bが形成されている円筒部分から、軸方向外側に延びる細い棒状の部分)を回転軸L1回りに回転自在に支持するホルダ60と、ホルダ60を昇降させる昇降装置70と、ホルダ60を水平移動させる水平移動装置71と、を有する。なお、上述した液体供給装置90は、不図示であるが、昇降装置70の昇降アーム70bやホルダ60の内部を通り、ロール洗浄部材81と接続されている。
【0043】
昇降装置70は、エアシリンダ等のエア駆動部によって昇降する昇降装置本体70aと、昇降装置本体70aに支持された昇降アーム70bと、を有する。昇降アーム70bは、昇降装置本体70aの上端部から水平方向に延び、その水平方向に延びた先端部にホルダ60を支持している。昇降装置70は、昇降装置本体70aによって昇降アーム70bを昇降させることで、ホルダ60及びロール洗浄部材81を昇降させる。
【0044】
ホルダ60は、昇降装置70の昇降アーム70bの先端部70cに吊り下げられている。ホルダ60は、水平方向に延在するホルダ本体61と、ホルダ本体61の延在方向両端部から下方に突出された一対のロール支持部62と、を有する。一対のロール支持部62には、図示しない軸受が収容され、ロール洗浄部材81の両端部を回転軸L1回りに回転自在に支持している。このホルダ60には、ロール洗浄部材81の片方の軸端部に接続されて、ロール洗浄部材81を回転駆動するモータ等の電気駆動部である回転装置63が取り付けられている。
【0045】
水平移動装置71は、図5に示すように、ロール洗浄部材81を基板Wの直上から、クリーニング装置100の直上に水平移動させるものである。この水平移動装置71は、周知のリニアスライダー等から構成されている。クリーニング装置100は、ロール洗浄部材81が押し付けられるクリーニング面100aを有する。クリーニング面100aは、例えば、石英等によって平面状に形成されている。なお、クリーニング面100aの材質および形状は、ロール洗浄部材81の材質および形状などに合わせて、適宜変更してもよい。例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)をクリーニング面100aの形成材質として採用してもよい。
【0046】
クリーニング面100a上には、図示しない薬液管、純水管などが配置されている。なお、薬液管から噴射される薬液は、基板洗浄装置31において基板Wの洗浄に用いられる薬液と同じものであることが好ましい。クリーニング装置100におけるロール洗浄部材81の洗浄は、ロール洗浄部材81を回転させつつクリーニング面100aに押し付け、薬液をロール洗浄部材81に向けて噴射することで、ロール洗浄部材81に付着した汚れを落とす。このように、ロール洗浄部材81を、クリーニング面100aに押し付けた状態で所定量回転させた後、ロール洗浄部材81を上昇させてクリーニング面100aから退避させ、純水をクリーニング面100a及びロール洗浄部材81に向けて噴射することで、クリーニング面100a及びロール洗浄部材81の汚れを落とすことができる。この処理をセルフクリーニングと称する。
【0047】
昇降装置70及び水平移動装置71は、図5に示す基板Wの直上の洗浄位置P1、基板Wへのタッチダウン位置P2、クリーニング装置100の直上の待機位置P3、及びクリーニング装置100へのタッチダウン位置P4に、ロール洗浄部材81を移動させる。ロール洗浄部材81の洗浄位置P1とタッチダウン位置P2との間の移動は、昇降装置70による下降動作M1及び昇降動作M2によって達成できる。ロール洗浄部材81の洗浄位置P1と待機位置P3との間の移動は、水平移動装置71による水平動作M3,M6によって達成できる。また、ロール洗浄部材81の待機位置P3とタッチダウン位置P4との間の移動は、昇降装置70による下降動作M4及び昇降動作M5によって達成できる。
【0048】
上述した昇降装置70及び水平移動装置71の動作は、制御装置50によって制御されている。制御装置50は、基板洗浄装置31の動作を統括的に制御するコンピュータである。この制御装置50は、図4に示すように、ホルダ60に取り付けられたセンサ72と接続されている。本実施形態のセンサ72は、ロールスポンジ82の押し付け荷重を測定し、目標の押し付け荷重になるようにフィードバック制御するためのロードセルであり、ロール洗浄部材81の回転軸L1と直交する直線L2上に配置され、昇降アーム70bの先端部70cにおいてホルダ60の荷重を測定する。なお、センサ72は、ロール洗浄部材81の回転時の振動に関する情報を測定するものであれば、ロードセルに限らず、加速度センサや、光学的にロール洗浄部材81の回転ブレを検出する光センサ、若しくはカメラなどであっても構わない。
【0049】
制御装置50は、センサ72の測定結果に基づいて、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する異常判定プログラムを備えている。制御装置50は、当該異常判定プログラムに基づいて、少なくとも、ホルダ60にロール洗浄部材81を装着後、基板Wを洗浄する前に、回転装置63によってロール洗浄部材81を回転させ、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する。
【0050】
図6は、一実施形態に係るロール洗浄部材81の異常の一例を示す説明図である。
ロール洗浄部材81は、回転する時、その外周が均一であることが望ましい。図6に示すように、ロール洗浄部材81の突起部82bが、ロール洗浄部材81の回転軸L1に平行なライン(ゲージラインともいう)に沿って一列に並んでいない場合、ロール洗浄部材81の偏心が生じる場合がある。このような場合に、ロール洗浄部材81を回転させると、ロール洗浄部材81が振動し、基板Wの洗浄性能に影響が出る可能性がある。
【0051】
図7は、一実施形態に係るセンサ72の測定結果の一例を示す説明図である。
上述したように、ロール洗浄部材81の形状が均一でないときや、また、仮にロール洗浄部材81のロールシャフト83の中心がずれてホルダ60に装着されたときには、ロール洗浄部材81の回転時に振動が発生する。センサ72は、ホルダ60にかかる荷重の振幅を測定する。例えば、図7の測定結果200Aに示すように、荷重の振幅が、ある規定値以下の場合、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81は正常であると判定できる。また、図7の測定結果200Bに示すように、荷重の振幅が、ある規定値を超える場合、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81は異常であると判定できる。なお、制御装置50は、荷重の位相の変化や、荷重の上下ピーク幅の変化などに基づいて、ロール洗浄部材81の異常の有無を判定しても構わない。
【0052】
以下、基板洗浄装置31の異常判定プログラムに基づく具体的な動作(基板洗浄装置31の異常判定方法)について説明する。
図8は、一実施形態に係るロール洗浄部材81の交換作業時の作業フローを示す図である。図9は、一実施形態に係るロール洗浄部材81の異常判定フローを示す図である。なお、図8および図9のフローにおいて、実際に基板Wが保持されている必要はない。
【0053】
先ず、図8に示すロール洗浄部材81の交換作業時の作業フローについて説明する。ロール洗浄部材81の交換作業を開始する場合(ステップS1)、ロール洗浄部材81を洗浄位置P1(図5参照)に移動させる(ステップS2)。洗浄位置P1とは、基板Wに接触可能なタッチダウン位置P2の直上の位置である。次に、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81を脱着する(ステップS3)。次に、新しいロール洗浄部材81をホルダ60に装着する(ステップS4)。
【0054】
新しいロール洗浄部材81をホルダ60に装着したら、ロール洗浄部材81を馴染み運転させる(ステップS5)。馴染み運転では、図3に示す液体供給装置90からロール洗浄部材81にインナーリンスを供給し、洗浄位置P1にて、インナーリンスで濡れたロール洗浄部材81を回転させる。これにより、ロールスポンジ82の全体に、均一にインナーリンスを浸透させる。最後に、ロール洗浄部材81を洗浄位置P1から待機位置P3に移動させる。待機位置P3とは、クリーニング装置100のクリーニング面100aに接触可能なタッチダウン位置P4の直上の位置である。
以上により、ロール洗浄部材81の一連の交換作業が終了する。
【0055】
次に、図9に示すロール洗浄部材81の異常判定フローについて説明する。なお、以下の説明において、特に断りが無い限り、ロール洗浄部材81の異常判定は、制御装置50主体となって行う。上述したステップS5(馴染み運転)にてロールスポンジ82にインナーリンスを均一に浸透させたら、ロール洗浄部材81の取り付け検査(異常判定:ステップS11)を行う。具体的には、インナーリンスで濡れたロール洗浄部材81を回転装置63により回転させる(ステップS12)。次に、ロール洗浄部材81の回転数が所定の回転数に至るまで待つ(ステップS13)。ロール洗浄部材81の回転数が安定したら、センサ72(ロードセル)によって、ホルダ60の荷重データの取得する(ステップS14)。
【0056】
そして、一定時間、ホルダ60にかかる荷重の振幅を測定する(ステップS15)。次に、荷重の振幅が、所定の規定値以内か否かを判定する(ステップS16)。荷重の振幅が、所定の規定値以内の場合(ステップS16が「YES」の場合)、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81は正常であると判定する(ステップS17)。一方、荷重の振幅が、所定の規定値以内でない場合(ステップS16が「NO」の場合)、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81は異常であると判定し(ステップS18)、作業者に通報したり、装置を停止させたりする。
以上のようにして、ロール洗浄部材81の異常判定が行われる。
【0057】
このように、上述した本実施形態の基板洗浄装置31は、基板Wを洗浄するロール洗浄部材81を着脱可能に装着するホルダ60と、ホルダ60に装着したロール洗浄部材81を回転させる回転装置63と、ロール洗浄部材81の回転時の振動に関する情報を測定するセンサ72と、センサ72の測定結果に基づいて、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する制御装置50と、を備える。この構成によれば、ロール洗浄部材81の形状不適合や、ロール洗浄部材81の芯ずれなどの異常の有無を判定できる。
【0058】
また、上記基板洗浄装置31においては、制御装置50は、ロール洗浄部材81の回転時の振幅に基づいて、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する。この構成によれば、ロール洗浄部材81の回転時の振幅が、所定の規定値以内か否かに基づいて、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を簡単に判定することができる。
【0059】
また、上記基板洗浄装置31においては、制御装置50は、ロール洗浄部材81を湿らせた状態で、回転装置63によってロール洗浄部材81を回転させ、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する。ロール洗浄部材81の馴染み運転が不十分でインナーリンスの浸透が不均一であると、それだけで荷重が変動するため、ロール洗浄部材81の異常の有無を判定する前に、ロール洗浄部材81を湿らせた状態で、回転装置63によってロール洗浄部材81を回転させる馴染み運転を行う。また、ロール洗浄部材81をインナーリンスで湿らせた状態で回転させることで、ロール洗浄部材81の遠心力が乾いている状態よりも大きくなり、センサ72がロール洗浄部材81の回転時の振動を測定し易くなる。
【0060】
また、上記基板洗浄装置31においては、制御装置50は、少なくとも、ホルダ60にロール洗浄部材81を装着後、基板Wを洗浄する前に、回転装置63によってロール洗浄部材81を回転させ、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する。この構成によれば、基板Wの洗浄性能に影響が出ることを未然に防ぐことができる。
【0061】
また、上記基板洗浄装置31においては、センサ72は、ホルダ60に取り付けられたロードセルである。この構成によれば、洗浄時に基板Wに対するロール洗浄部材81の押し付け荷重を測定するロードセルを流用して、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定することができる。
【0062】
また、上記基板洗浄装置31においては、ロール洗浄部材81は、周面82aに複数の突起部82bを有する。この構成によれば、突起部82bがロール洗浄部材81の回転軸L1に平行なライン(ゲージラインともいう)に沿って一列に並んでいない、ロール洗浄部材81の形状不適合などを含めた異常の有無を判定することができる。
【0063】
また、上記基板洗浄装置31においては、制御装置50は、ロール洗浄部材81の周面が物体に接触していない状態(洗浄位置P1)で、回転装置63によってロール洗浄部材81を回転させ、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する。この構成によれば、ロール洗浄部材81が中空で回転することで、物体との接触による外乱を受けないで、ロール洗浄部材81の振動に関する情報を測定することができる。
【0064】
また、上述した本実施形態の基板洗浄装置31の異常判定方法は、基板Wを洗浄するロール洗浄部材81を着脱可能に装着するホルダ60と、ホルダ60に装着したロール洗浄部材81を回転させる回転装置63と、ロール洗浄部材81の回転時の振動に関する情報を測定するセンサ72と、を備える基板洗浄装置31の異常判定方法であって、センサ72の測定結果に基づいて、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定する。この方法によれば、ロール洗浄部材81の形状不適合や、ロール洗浄部材81の芯ずれなどの異常の有無を判定できる。
【0065】
また、上述した本実施形態の基板洗浄装置31の異常判定プログラムは、基板Wを洗浄するロール洗浄部材81を着脱可能に装着するホルダ60と、ホルダ60に装着したロール洗浄部材81を回転させる回転装置63と、ロール洗浄部材81の回転時の振動に関する情報を測定するセンサ72と、を備える基板洗浄装置31の異常判定プログラムであって、基板洗浄装置31のコンピュータに、センサ72の測定結果に基づいて、ホルダ60に装着されたロール洗浄部材81の異常の有無を判定させる。この構成によれば、ロール洗浄部材81の形状不適合や、ロール洗浄部材81の芯ずれなどの異常の有無を判定できる。
【0066】
以上、本発明の好ましい実施形態を記載し説明してきたが、これらは本発明の例示的なものであり、限定するものとして考慮されるべきではないことを理解すべきである。追加、省略、置換、およびその他の変更は、本発明の範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、本発明は、前述の説明によって限定されていると見なされるべきではなく、特許請求の範囲によって制限されている。
【0067】
例えば、上記実施形態では、ロール洗浄部材81の異常判定を、ホルダ60にロール洗浄部材81を装着後、基板Wを洗浄する前に行うと説明したが、ロール洗浄部材81のセルフクリーニング後や、基板Wの1ロット洗浄後などに定期的に行っても構わない。
【0068】
また、例えば、上記実施形態では、ロール洗浄部材81の異常判定プログラムは、制御装置50に記憶されていたが、他の記憶媒体(例えば光ディスクや磁気ディスク等)に記憶されてもよい。
【0069】
また、例えば、上記実施形態では、ロール洗浄部材81の異常判定を、上部ロール洗浄部材81aに対して行うと説明したが、下部ロール洗浄部材81bに対して行っても構わない。
また、上記実施形態では水平に保持された基板Wに対して洗浄を行うロール洗浄部材81について述べたが、基板Wが保持される向きは垂直であっても、傾斜していてもよい。また、ロール洗浄部材81を基板Wに対して押し付ける方向と、重力方向とが、異なっていてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1…基板処理装置、20…研磨部、21…基板研磨装置、30…洗浄部、31…基板洗浄装置、50…制御装置、60…ホルダ、61…ホルダ本体、62…ロール支持部、63…回転装置、70…昇降装置、70a…昇降装置本体、70b…昇降アーム、70c…先端部、71…水平移動装置、72…センサ、80…回転機構、80a…保持ローラ、81…ロール洗浄部材、81a…上部ロール洗浄部材、81b…下部ロール洗浄部材、82…ロールスポンジ、82a…周面、82b…突起部、83…ロールシャフト、83a…液体流路、83b…液体吐出流路、90…液体供給装置、91…液体供給継手、100…クリーニング装置、100a…クリーニング面、200A…測定結果、200B…測定結果、P1…洗浄位置、P2…タッチダウン位置、P3…待機位置、P4…タッチダウン位置、W…基板、W1…上面、W2…下面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9