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特許7588660段階的な横方向ドーピングを有する半導体パワーデバイスおよびそのようなデバイスを形成する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-14
(45)【発行日】2024-11-22
(54)【発明の名称】段階的な横方向ドーピングを有する半導体パワーデバイスおよびそのようなデバイスを形成する方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241115BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20241115BHJP
【FI】
H01L29/78 301S
H01L29/78 301P
H01L29/78 301D
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022574362
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-10
(86)【国際出願番号】 US2021027259
(87)【国際公開番号】W WO2021247147
(87)【国際公開日】2021-12-09
【審査請求日】2023-01-25
(31)【優先権主張番号】16/892,604
(32)【優先日】2020-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592054856
【氏名又は名称】ウルフスピード インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】WOLFSPEED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スタインマン、フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ブラント、エドワード
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジェ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ダシカ、ヴァイシュノ
【審査官】石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-064970(JP,A)
【文献】特開2004-158813(JP,A)
【文献】特開2000-294799(JP,A)
【文献】特開平05-090289(JP,A)
【文献】特開2011-100911(JP,A)
【文献】国際公開第2012/120899(WO,A1)
【文献】特開2010-141006(JP,A)
【文献】特開平08-148679(JP,A)
【文献】特開平08-213601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース/ドレイン領域を含む半導体層構造と、
前記半導体層構造上のゲート誘電体層と、
前記ゲート誘電体層上のゲート電極と、
を備える、半導体デバイスであって、
前記ソース/ドレイン領域は、第1のドーパント濃度を含む第1の部分と、第2のドーパント濃度を含む第2の部分とを含み、
前記第2のドーパント濃度は、前記第1のドーパント濃度よりも低く、
前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分は、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分よりも前記ゲート電極の中心に近く、
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分上にある前記ゲート誘電体層の第1の部分は、前記ゲート電極と、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分との間にある前記ゲート誘電体層の第2の部分よりも厚い、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記ゲート電極が、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分上に延在する、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分の側方境界が、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分の側方境界から50Å~2000Åの距離だけ横方向にオフセットされている、請求項1または請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分の前記第1のドーパント濃度が、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分の前記第2のドーパント濃度よりも1~3桁大きい、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分と前記第2の部分との間の界面をさらに備え
前記ゲート誘電体層の第2の部分の厚さは、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分から前記界面まで実質的に均一である、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記ゲート電極の縁部が、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分と前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分との間の前記界面から横方向に1000Å~5000Å離れている、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分の第1の底面が、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分の第2の底面とは異なるレベルにある、請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
記半導体層構造が、炭化ケイ素を含む基板を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
半導体層構造を備える半導体デバイスであって、前記半導体層構造は、
第1の導電型のドリフト層と、
前記ドリフト層内の第2の導電型のウェル領域と、
前記ウェル領域内の前記第1の導電型のソース/ドレイン領域であって、前記ソース/ドレイン領域は、前記ソース/ドレイン領域の第1の部分の第1のドーピング濃度と、前記第1の部分から横方向にオフセットされている前記ソース/ドレイン領域の第2の部分の、前記第1のドーピング濃度とは異なる第2のドーピング濃度とを有する、ソース/ドレイン領域と
前記ソース/ドレイン領域上のゲート誘電体層であって、前記ソース/ドレイン領域の第1の部分上にあるゲート誘電体層の第1の部分は、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分上にあるゲート誘電体層の第2の部分よりも厚い、ゲート誘電体層と
を含む、半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスを形成する方法であって、
基板上にドリフト層を設けるステップと、
第1のドーパントドーズ量での前記ドリフト層内のソース/ドレイン領域の第1の部分のイオン注入を実行するステップと、
前記第1のドーパントドーズ量とは異なる第2のドーパントドーズ量での、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分内の前記ソース/ドレイン領域の第2の部分のイオン注入を実行するステップと、
前記ソース/ドレイン領域上にゲート誘電体層を提供するステップであって、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分上にあるゲート誘電体層の第1の部分は、ソース/ドレイン領域の第2の部分上にあるゲート誘電体層の第2の部分よりも厚い、提供するステップと
を含む、方法。
【請求項11】
前記第1のドーパントドーズ量が、1×1012ドーパント/cm~1×1015ドーパント/cmであり、および/または、
前記第2のドーパントドーズ量が、5×1014ドーパント/cm~5×1016ドーパント/cmである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分の前記イオン注入の前に、前記ソース/ドレイン領域の導電型とは反対の導電型を有するウェル領域の前記ドリフト層のイオン注入をさらに含み、
随意的に、前記ウェル領域の前記イオン注入が、1×1012ドーパント/cm~1×1014ドーパント/cmの第3のドーパントドーズ量で実行される、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分の側方境界が、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分の側方境界から50Å~2000Åの距離だけ横方向にオフセットされている、請求項10または請求項12に記載の方法。
【請求項14】
記ゲート電極の縁部は、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分と前記第2の部分との界面から横方向に5000Å以下離れている、
請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記ゲート電極が、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分と重なる、請求項14に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
ソース/ドレイン領域、チャネル領域、およびドリフト層を含む炭化ケイ素(SiC)半導体層構造であって、前記ソース/ドレイン領域は、前記ソース/ドレイン領域の第1の部分において第1のドーピング濃度を有し、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分から横方向にオフセットされた第2の部分において前記第1のドーピング濃度とは異なる第2のドーピング濃度を有する、炭化ケイ素(SiC)半導体層構造と、
前記SiC半導体層構造上のゲート誘電体層と、
前記ゲート誘電体層上のゲート電極と、
を備える、半導体デバイスであって、
前記ゲート電極と、前記ソース/ドレイン領域の前記第1の部分との間にある前記ゲート誘電体層の第1の部分は第1の厚さを有し、
記ゲート電極と、前記SiC半導体層構造の前記チャネル領域上にある前記ゲート誘電体層の第2の部分は第2の厚さを有し、
前記第1の厚さは、前記第2の厚さの15%以内であり、
前記ゲート電極と、前記ソース/ドレイン領域の前記第2の部分との間にある前記ゲート誘電体層の第3の部分は、前記第1の厚さよりも大きい第3の厚さを有する、
半導体デバイス。
【請求項17】
前記ゲート誘電体層の前記第1の部分における半導体格子損傷誘起欠陥の第1の濃度が、前記ゲート誘電体層の前記第2の部分における半導体格子損傷誘起欠陥の第2の濃度の10%以内である、請求項16に記載の半導体デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体デバイスに関し、より詳細には、パワー半導体スイッチングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
金属絶縁半導体電界効果トランジスタ(MISFET)は、スイッチングデバイスとして使用され得る周知のタイプの半導体トランジスタである。MISFETは、ゲート、ドレインおよびソース端子と、半導体本体とを有する3端子デバイスである。チャネル領域によって分離された半導体本体内にソース領域およびドレイン領域が形成され、ゲート電極(ゲート端子として作用してもよく、またはゲート端子に電気的に接続されてもよい)がチャネル領域に隣接して配置される。ゲート電極にバイアス電圧を印加することにより、MISFETはオン/オフにされ得る。MISFETがオンにされると(すなわち、「オン状態」であると)、ソース領域とドレイン領域との間のMISFETのチャネル領域を介して電流が導通する。バイアス電圧がゲート電極から除去される(または閾値レベル未満に低減される)と、電流はチャネル領域を通って流れなくなる。一例として、n型MISFETは、n型のソース領域およびドレイン領域と、p型チャネルとを有する。したがって、n型MISFETは「n-p-n」設計を有する。n型MISFETは、n型のソース領域とドレイン領域とを電気的に接続するp型チャネル領域内に導電性n型反転層を形成するのに十分なゲートバイアス電圧がゲート電極に印加されるとオンになり、それによってそれらの間の多数キャリア伝導が可能になる。
【0003】
パワーMISFETのゲート電極は、典型的には、薄いゲート誘電体層によってチャネル領域から離れている。ほとんどの場合、ゲート誘電体層は酸化物層(例えば、酸化シリコン層)である。酸化物ゲート誘電体層を有するMISFETは、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)と呼ばれる。酸化物ゲート誘電体層はその優れた特性のために頻繁に使用されるので、本明細書の説明は、MISFETとは対照的にMOSFETに焦点を当てるが、本明細書に記載される本発明の実施形態による技術は、酸化物以外の材料で形成されたゲート誘電体層を有するデバイスにも等しく適用可能であることが理解されよう。
【0004】
MOSFETのゲート電極はゲート誘電体層によってチャネル領域から絶縁されているため、MOSFETをオン状態に維持するため、またはMOSFETをオン状態とオフ状態との間で切り替えるために必要なゲート電流は最小限である。ゲートがチャネル領域とキャパシタを形成するため、ゲート電流はスイッチング中に小さく保たれる。したがって、スイッチング中に必要とされる充電および放電電流は最小限であり、より複雑でないゲート駆動回路およびより速いスイッチング速度を可能にする。MOSFETは、独立型デバイスであってもよく、または他の回路デバイスと組み合わされてもよい。例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)は、MOSFETと、バイポーラ接合トランジスタ(BJT)との両方を含む半導体デバイスであり、これは、BJTによって提供され得る小さいオン状態導通損失を有するMOSFETの高インピーダンスゲート電極を組み合わせる。IGBTは、例えば、入力に高電圧nチャネルMOSFETを含み、出力にBJTを含むダーリントン対として実装されてもよい。BJTのベース電流はMOSFETのチャネルを介して供給され、それにより、(駆動回路はMOSFETのゲート電極のみを充電および放電するので)外部駆動回路を簡素化することができる。
【0005】
大電流を「オン」状態で流し、大電圧(例えば、数千ボルト)を逆阻止状態で阻止することができる高出力半導体スイッチングデバイスに対する需要が高まっている。高電流密度をサポートし、そのような高電圧を阻止するために、パワーMOSFETおよびIGBTは、典型的には、より高い電圧レベルを阻止するために、厚い半導体層構造の両側にソースおよびドレインを有する垂直構造を有する。超高出力用途では、半導体スイッチングデバイスは、典型的には、例えば、高い電界破壊強度、高い熱伝導率、高い融点、および高い飽和電子ドリフト速度を含むいくつかの有利な特性を有する、例えば炭化ケイ素(SiC)などのワイドバンドギャップ半導体材料システム(本明細書において、用語「ワイドバンドギャップ半導体」は、少なくとも1.4eVのバンドギャップを有する任意の半導体を包含する)内に形成される。例えばシリコンなどの他の半導体材料を使用して形成されたデバイスと比較して、炭化ケイ素を使用して形成された電子デバイスは、より高い温度、高い電力密度、より高速、より高い電力レベル、および/または高い放射線密度で動作する能力を有し得る。
【0006】
パワーMOSFETの1つの故障メカニズムは、ゲート誘電体層のいわゆる「絶縁破壊」である。パワーMOSFETの阻止動作中に逆バイアスが増加すると、ゲート誘電体層に印加される高電界により、デバイスにリーク電流が流れる可能性がある。このリーク電流は、ゲート誘電体(例えば、ゲート酸化物)の品質が低い場合、より低い逆バイアス値で発生する可能性がある。例えば、低品質の誘電体は、電荷のためのトラップを形成することができるゲート誘電体の材料内の結合を弱め、および/または破壊する可能性がある。このようなトラップは、逆バイアス中のリーク電流に寄与する可能性があり、これによりパワーMOSFETが早期に故障する可能性がある。
【発明の概要】
【0007】
本発明の実施形態によれば、半導体デバイスは、ソース/ドレイン領域を含む半導体層構造と、半導体層構造上のゲート誘電体層と、ゲート誘電体層上のゲート電極と、を含む。ソース/ドレイン領域は、第1のドーパント濃度を含む第1の部分と、第2のドーパント濃度を含む第2の部分とを含み、第2のドーパント濃度は第1のドーパント濃度よりも低く、第2の部分は第1の部分よりもゲート電極の中心に近い。
【0008】
いくつかの実施形態では、ゲート電極は、ソース/ドレイン領域の第2の部分上に延在する。
【0009】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第1の部分の側方境界は、ソース/ドレイン領域の第2の部分の側方境界から50Å~2000Åの距離だけ横方向にオフセットされている。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の部分の第1のドーパント濃度は、第2の部分の第2のドーパント濃度よりも1~3桁大きい。
【0011】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスは、ソース/ドレイン領域の第1の部分と第2の部分との間の界面をさらに含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、ゲート電極の縁部は、ソース/ドレイン領域の第1の部分と第2の部分との間の界面から横方向に1000Å~5000Å離れている。
【0013】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第1の部分の第1の底面は、ソース/ドレイン領域の第2の部分の第2の底面とは異なるレベルにある。
【0014】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第2の部分の上のゲート誘電体層の厚さは実質的に均一である。
【0015】
いくつかの実施形態では、半導体層構造は、炭化ケイ素を含む基板を備える。
【0016】
本発明の実施形態によれば、半導体デバイスは、第1の導電型のドリフト層と、ドリフト層内の第2の導電型のウェル領域と、ウェル領域内の第1の導電型のソース/ドレイン領域と、を備える半導体層構造を含み、ソース/ドレイン領域は、ソース/ドレイン領域の第1の部分の第1のドーピング濃度と、第1の部分から横方向にオフセットされているソース/ドレイン領域の第2の部分の、第1のドーピング濃度とは異なる第2のドーピング濃度とを有する。
【0017】
いくつかの実施形態では、半導体層構造は、炭化ケイ素を含む基板をさらに備える。
【0018】
いくつかの実施形態では、第1の部分の第1のドーパント濃度は、第2の部分の第2のドーパント濃度よりも1~3桁大きい。
【0019】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第2の部分は、ソース/ドレイン領域の第1の部分とウェル領域との間にある。
【0020】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第1の部分の第1の底面は、ソース/ドレイン領域の第2の部分の第2の底面とは異なるレベルにある。
【0021】
いくつかの実施形態では、半導体デバイスは、半導体層構造上のゲート誘電体層と、ゲート誘電体層上のゲート電極とをさらに含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、ゲート電極は、ソース/ドレイン領域の第1の部分ではなく、ソース/ドレイン領域の第2の部分に重なる。
【0023】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第2の部分の上のゲート誘電体層の厚さは実質的に均一である。
【0024】
本発明の実施形態によれば、半導体デバイスを形成する方法は、基板上にドリフト層を設けるステップと、第1のドーパントドーズ量でのドリフト層内のソース/ドレイン領域の第1の部分のイオン注入と、第1のドーパントドーズ量とは異なる第2のドーパントドーズ量での、ソース/ドレイン領域の第1の部分内のソース/ドレイン領域の第2の部分のイオン注入と、を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のドーパントドーズ量は、1×1012ドーパント/cm~1×1015ドーパント/cmである。
【0026】
いくつかの実施形態では、第2のドーパントドーズ量は、5×1014ドーパント/cm~5×1016ドーパント/cmである。
【0027】
いくつかの実施形態では、方法は、ソース/ドレイン領域の第1の部分のイオン注入の前に、ソース/ドレイン領域の導電型とは反対の導電型を有するウェル領域のドリフト層におけるイオン注入をさらに含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、ウェル領域のイオン注入は、1×1012ドーパント/cm~1×1014ドーパント/cmの第3のドーパントドーズ量で実行される。
【0029】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第1の部分の側方境界は、ソース/ドレイン領域の第2の部分の側方境界から50Å~2000Åの距離だけ横方向にオフセットされている。
【0030】
いくつかの実施形態では、方法は、ドリフト層上にゲート誘電体層を形成するステップと、ゲート誘電体層上にゲート電極を形成するステップと、をさらに含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、ゲート電極の縁部は、ソース/ドレイン領域の第1の部分と第2の部分との間の界面から横方向に1000Å~5000Å離れている。
【0032】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第1の部分の上のゲート誘電体層の厚さは実質的に均一である。
【0033】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層を形成するステップは、ゲート誘電体層を熱成長させるステップを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層は二酸化ケイ素を含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第1の部分のイオン注入は、ドリフト層上にマスク層を堆積させるステップと、マスク層をパターニングおよびエッチングするステップと、を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、マスク層をパターニングおよびエッチングするステップは、ドリフト層上に存在するマスク層の第1の部分を残すステップを含み、ソース/ドレイン領域の第1の部分のイオン注入は、マスク層の第1の部分を通してイオンを注入するステップをさらに含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、マスク層の第1の部分は、50Å~500Åの厚さを有する。
【0038】
本発明の実施形態によれば、半導体デバイスは、ソース/ドレイン領域を含む半導体層構造と、半導体層構造上のゲート誘電体層と、ゲート誘電体層上のゲート電極と、を含む。ソース/ドレイン領域は、第1のドーパント濃度を含む第1の部分と、第2のドーパント濃度を含む第2の部分とを含み、ゲート電極の縁部は、ソース/ドレイン領域の第1の部分と第2の部分との間の界面から横方向に5000Å以下離れている。
【0039】
いくつかの実施形態では、ゲート電極はソース/ドレイン領域の第2の部分と重なる。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の部分の第1のドーパント濃度は、第2の部分の第2のドーパント濃度よりも1~3桁大きい。
【0041】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域の第2の部分の上のゲート誘電体層の厚さは実質的に均一である。
【0042】
いくつかの実施形態では、半導体層構造は、第2の導電型のウェル領域をさらに含み、ソース/ドレイン領域の第2の部分は、ソース/ドレイン領域の第1の部分とウェル領域との間にある。
【0043】
本発明の実施形態によれば、半導体デバイスは、ソース/ドレイン領域、チャネル領域、およびドリフト層を含む炭化ケイ素(SiC)半導体層構造と、SiC半導体層構造上のゲート誘電体層と、ゲート誘電体層上のゲート電極と、を含む。ゲート電極およびソース/ドレイン領域上にあるゲート誘電体層の第1の部分は第1の厚さを有し、SiC半導体層構造のゲート電極およびチャネル領域上にあるゲート誘電体層の第2の部分は第2の厚さを有し、第1の厚さは第2の厚さの15%以内である。
【0044】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層の第1の部分における半導体格子損傷誘起欠陥の第1の濃度は、ゲート誘電体層の第2の部分における半導体格子損傷誘起欠陥の第2の濃度の10%以内である。
【0045】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層は、ゲート電極およびソース/ドレイン領域上にある、第2の部分とは異なる第3の部分をさらに含み、第3の部分の第3の厚さは、第1の部分の第1の厚さよりも大きい。
【0046】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域は第1のソース/ドレイン領域であり、半導体層構造は第2のソース/ドレイン領域をさらに含み、ドリフト層は第1のソース/ドレイン領域と第2のソース/ドレイン領域との間で第1の方向に延在し、第1の方向におけるゲート誘電体層の第1の部分の幅は、第1の方向におけるゲート誘電体層の第3の部分の幅よりも大きい。
【0047】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層の第3の部分における半導体格子損傷誘起欠陥の第3の濃度は、ゲート誘電体層の第2の部分における半導体格子損傷誘起欠陥の第2の濃度とは10%超異なる。
【0048】
いくつかの実施形態では、ソース/ドレイン領域は、第1のドーパント濃度を含む高濃度領域と、第2のドーパント濃度を含む低濃度領域とを含み、第1のドーパント濃度は第2のドーパント濃度よりも高い。
【0049】
いくつかの実施形態では、ゲート電極の縁部は、ソース/ドレイン領域の高濃度領域と低濃度領域との間の界面から横方向に5000Å以下離れている。
【0050】
いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層の第1の部分は、ソース/ドレイン領域の低濃度領域上にある。
【図面の簡単な説明】
【0051】
図1A】本明細書に記載のいくつかの実施形態に従って関心領域が特定された、従来の半導体デバイスのユニットセルの概略断面図である。
図1B図1Aの領域Aの概略断面図である。
図2A】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの概略断面図である。
図2B図2Aの領域Bの概略断面図である。
図2C】本発明のいくつかの追加の実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの概略断面図である。
図2D図2Aの領域Bの追加の概略断面図である。
図2E図2Aの領域Bの追加の概略断面図である。
図3】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明する概略断面図である。
図4】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明する別の概略断面図である。
図5】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図6】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図7】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図8】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図9】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図10】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図11】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図12】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図13】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図14】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの追加の製造方法を説明する概略断面図である。
図15】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの追加の製造方法を説明する別の概略断面図である。
図16】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの追加の製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図17】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの追加の製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
図18】本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセルの追加の製造方法を説明するさらに別の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
パワー炭化ケイ素系MOSFETは、今日、高電圧阻止を必要とする用途に使用されている。例として、600Vを超える電圧を阻止する300A/cm以上の電流密度に定格された炭化ケイ素MOSFETが市販されている。このようなデバイスを形成するために、典型的には、複数の「ユニットセル」が形成され、各ユニットセルはMOSFETトランジスタを含む。高出力用途では、典型的には、これらのユニットセルが半導体基板上に多数(例えば、数百または数千)設けられ、すべてのユニットセルのゲート電極として機能するゲート電極層が半導体基板の上面に形成される。半導体基板の反対側(底側)は、デバイスのすべてのユニットセルの共通のドレインとして機能する。複数のソースコンタクトが、ゲート電極層内の開口内に露出している半導体層構造内のソース領域上に形成される。これらのソース接点も、互いに電気的に接続され、共通のソースとして機能する。結果として得られるデバイスは、3つの端子、すなわち、共通のソース端子、共通のドレイン端子、および共通のゲート電極を有し、これらの端子は、数百または数千の個々のユニットセルトランジスタのための端子として機能する。上記の説明は、n型MOSFETに関するものであることが理解されよう。ドレインおよびソースの位置は反転され、デバイスのn型およびp型領域の導電型は、p型MOSFETのために交換され得る。
【0053】
本発明の実施形態によれば、寿命の延長を示す改善されたゲート誘電体層を有する半導体デバイスが提供される。MOSFETがその「オン」状態または導通状態にあるとき、電界がデバイスのゲート誘電体層内に生成される。一般的に言えば、この電界の強度は、ゲート電極の角にあるゲート誘電体層の部分において特に高い。上述したように、ゲート誘電体層の寿命は、ゲート誘電体層内の電界の強度の関数である。したがって、ゲート電極の角にあるゲート誘電体層の部分は最も高い電界を受けるため、これらは通常最初に絶縁破壊を受ける領域である。
【0054】
残念ながら、オン状態動作中に最高の電界値を受けるゲート誘電体層の部分は、MOSFETデバイスの半導体構造を形成するために使用される従来のプロセスの結果として損傷を受けやすい部分でもある。例えば、半導体構造のソース領域(例えば、n型MOSFETの場合、またはp型MOSFETの場合はドレイン領域)を形成するために使用されるイオン注入およびエッチングステップは、半導体構造を損傷する可能性がある。例えば、イオン注入は、イオン注入が実行される構造を損傷させる可能性がある。同様に、半導体構造の露出部分に対して行われるプラズマガスなどによるエッチングは、露出部分を損傷する可能性がある。半導体構造のこの損傷部分の上に続いて提供される(例えば、成長する)酸化物などの誘電体は、より低い品質を有し得る。低品質の誘電体は、例えば、半導体格子損傷誘起欠陥(例えば、トラップ、再結合中心、破壊原子価、および/または他の酸化物欠陥)を含むことができる。その結果、ソース領域(またはドレイン領域)を直接覆うゲート誘電体層の部分は、従来のデバイスでは絶縁破壊されやすく、ゲート電極とソース領域(またはドレイン領域)との間の短絡および早期のデバイス故障をもたらす可能性がある。
【0055】
本明細書に記載の実施形態は、デバイスのゲート誘電体層の品質で絶縁破壊電圧を改善するデバイスおよびそのようなデバイスを製造するための方法を提供する。本明細書に記載の実施形態は、イオン注入および/またはエッチングによって損傷を受ける可能性があるソース/ドレインの領域をデバイスのチャネル領域から離間させ得る。損傷(例えば、イオン注入および/またはエッチングによる)を有する可能性がある領域をチャネル領域から離間させることによって、本明細書に記載のデバイスおよび方法は、チャネル領域に隣接する改善されたゲート誘電体の形成を可能にし、それは早期故障を低減し、パワーMOSFETデバイスのデバイス性能を改善することができる。
【0056】
図1Aは、本明細書に記載のいくつかの実施形態に従って関心領域が特定された、従来の半導体デバイスのユニットセル100の概略断面図である。図1Bは、図1Aの領域Aの概略断面図である。説明を簡単にするために、図1Aは、単一のユニットセル100のみを示す。
【0057】
図1Aに示すように、ユニットセル100は、n型の炭化ケイ素半導体基板110を用いて形成されたトランジスタ(例えば、MOSFET)であってもよいし、それを含んでもよい。基板110は、例えば、n型不純物を有する高濃度にドープされた単結晶4H-SiC基板(すなわち、n+炭化ケイ素基板)を含み得る。基板110上には、低濃度にドープされたn型(例えば、n-)炭化ケイ素ドリフト層120が設けられている。n型炭化ケイ素ドリフト層120の上部をイオン注入によりp型にドープしてpウェル130を形成してもよい。各pウェル130は、イオン注入によって形成されてもよいが、本明細書に記載の実施形態はこれに限定されない。
【0058】
高濃度にドープされた(n+)n型炭化ケイ素ソース領域140がpウェル130の上部に形成されてもよい。n型のソース領域140は、イオン注入により形成されてもよい。高濃度にドープされた(n+)n型炭化ケイ素領域140は、ユニットセル100のソース領域として機能する。ドリフト層120および基板110は共に、ユニットセル100の共通のドレイン領域として機能する。n型炭化ケイ素基板110、n型炭化ケイ素ドリフト層120、pウェル130、およびその中に形成されたn型ソース領域140は共に、ユニットセル100の半導体層構造150を含み得る。
【0059】
上記の説明はn型MOSFETに関するものであることが理解されよう。p型デバイスでは、ソースおよびドレインコンタクトの位置を反転させてもよく、他のn型およびp型領域の導電型を交換してもよい。したがって、ソース領域140を「ソース/ドレイン領域」140と呼ぶことができる。
【0060】
当業者に知られているように、イオン注入は、炭化ケイ素層の一部を選択的にドープするための柔軟で便利な方法である。イオン注入プロセスでは、ドーパントイオンは、通常はkeVまたはMeVで表される高エネルギーに加速され、半導体格子に向けられる。インプラントは格子を貫通し、格子内のどこかに静止するようになる。ドーズ量と呼ばれる、半導体層に注入されるイオンの数は、通常、平方センチメートル(cm-2)当たりのイオンを単位として表される。選択的注入は、イオンが層のマスキングされた部分に侵入するのを防ぐために、層の部分をマスキングすることによって行われる。マスクの作成は、マスキング層のパターニングおよびその後のエッチングを組み込んでもよい。
【0061】
n型またはp型ドーパントなどのイオンは、所望のイオン種をイオン化し、イオン注入ターゲットチャンバ内の半導体層の表面に向かってイオンビームとして所定の運動エネルギーでイオンを加速することによって、半導体層または領域に注入されてもよい。所定の運動エネルギーに基づいて、所望のイオン種が半導体層に浸透する可能性がある。イオンは、所定の運動エネルギーが深さの関数として様々なイオン濃度を有するインプラント「プロファイル」を提供するように、半導体層に異なる深さで注入される。
【0062】
半導体層構造150の上面にゲート誘電体層170が形成されてもよい。ゲート誘電体層170は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)層を含んでもよいが、SiO、Si、Alなどの他の絶縁材料を使用してもよい。ゲート誘電体層170は、1つまたは複数の層であってもよい。ゲート電極180は、半導体層構造150に対向するゲート誘電体層170上に形成されてもよい。ゲート電極180は、例えば、ポリシリコンまたはドープシリコン層を含んでもよい。
【0063】
共通ソースコンタクトとして機能するn+ソース領域140上にはソースコンタクト190(例えば、金属層)が設けられ、n+炭化ケイ素基板110の裏面側には、ユニットセル100の共通ドレインコンタクトとして機能するドレインコンタクト195(例えば、別の金属層)が設けられる。ソース領域140とドリフト層120との間の各pウェル130には、チャネル領域145が設けられる。典型的には、ユニットセル100などの数百またはより一般的には数千のユニットセルが半導体基板上に形成され、電気的に並列に接続されてパワーMOSFETデバイスを提供する。
【0064】
図1Bは、図1Aの領域Aを概略的に示す。図1Bに示すように、ゲート誘電体層170は、ゲート誘電体層170の残りの部分に対して増加した厚さを有する部分170p(破線の楕円で識別される)を含み得る。図1Bにおいて、ゲート誘電体層170の部分170pの形状は、本質的に概略的であり、本開示を限定することを意図していない。本明細書で説明するように、ソース領域140は、イオン注入により形成されてもよい。高濃度にドープされた(n+)n型ソース領域140のイオン注入は、ソース領域140の高濃度ドープ特性を達成するために高ドーズ量のドーパントの注入を含み得る。高ドーズ量インプラントは、ソース領域140の上面を損傷する可能性がある。
【0065】
ソース領域140の上面の損傷の結果として、その上に形成されるゲート誘電体層170は、わずかに厚く、低品質に形成される可能性がある。例えば、厚肉部170pは、例えば、半導体格子損傷誘起欠陥(例えば、トラップ、再結合中心、破壊原子価、および/または他の酸化物欠陥)を含んでもよい。例えば、厚肉部170pのより低品質の誘電体は、ゲート電極180の中央部分とドリフト層120(例えば、デバイスのJFET領域の上の)および/またはチャネル領域145との間にある誘電体層170の部分における同様の欠陥の濃度よりも15%超高い半導体格子損傷誘起欠陥(例えば、トラップ、再結合中心、破壊原子価、および/または他の酸化物欠陥)の濃度を有してもよい。ソース領域140上の厚肉部170pのより低い品質の誘電体は、ユニットセル100の早期故障をもたらす可能性がある。図1Bでは、厚肉部170pがソース領域140内に延在している例を示しているが、本発明の実施形態はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、厚肉部170pは、ゲート電極180の下の誘電体層170の延伸または「膨出部」をもたらし、ゲート電極180の縁部をゲート電極180の中心よりも半導体層構造150の上面から遠くすることができる。いくつかの実施形態では、厚肉部170pは、ソース領域140内への延伸、ならびにゲート電極180の縁部におけるゲート電極180と半導体層構造150との間の分離の増加の両方をもたらし得る。
【0066】
上述の問題は、シリコン(Si)で形成されたデバイスなどの他のデバイスと比較して、SiCデバイスについて特に深刻であり得る。イオン注入されたドーパントのSiCにおける活性化プロセスは、1400℃から1700℃の間、および1800℃もの高さであり得る。その結果、SiC系デバイス(例えば、ゲート電極180)のゲート構造は、活性化の温度に起因するゲート電極180への損傷を回避するために、ソース領域のイオン注入およびドーパント活性化の後に形成され得る。対照的に、イオン注入されたSi系デバイスのドーパントの活性化は、900℃~1100℃の温度で起こり得る。したがって、Si系デバイスは、活性化による損傷のリスクなしに、イオン注入中に所定の位置にゲート構造(例えば、ゲート電極およびゲート誘電体層)を有し得る。これにより、ソース領域がゲートに対して自己整合することができる。SiCでは、ソース領域140の注入後にゲート電極180を形成すると、ゲート電極180がソース領域140に対して自己整合せず、ソース領域140と重なることになり、イオン注入による表面損傷を受ける可能性がある。したがって、図1Aのユニットセル100などのSiC系デバイスのゲート誘電体層170は、より低い品質の部分を有するゲート誘電体層170の形成に対して特に脆弱であり得る。しかしながら、本発明はSiC系デバイスに限定されず、他の半導体材料を使用して形成された半導体デバイスは、本明細書に記載の実施形態から利益を得ることができる。
【0067】
図2Aは、本発明のいくつかの実施形態による、半導体デバイスのユニットセル200の概略断面図である。図2Bは、図2Aの領域Bの概略断面図である。図2Aは、ユニットセル200が、互いに隣接する複数のユニットセルのうちの1つであってもよいことを示す。
【0068】
図2Aおよび図2Bの要素のうち、図1Aおよび図1Bの要素と同一または類似の要素については、簡潔にするために説明を省略する。したがって、図2Aの説明は、前述のデバイスとの違いに焦点を当てる。
【0069】
図2Aに示すように、本明細書に記載のいくつかの実施形態による半導体デバイスのユニットセル200は、基板110を含み得る。基板110は、例えば、n型不純物を有する高濃度にドープされた単結晶4H-または6H-SiC基板(すなわち、n+炭化ケイ素基板)を含み得る。他の実施形態では、基板110は、異なる半導体材料(例えば、III族窒化物系材料、Si、GaAs、ZnO、InP)または非半導体材料(例えば、サファイア)であってもよく、またはそれらを含み得る。ドリフト層120が基板110上に形成されてもよく、pウェル130がドリフト層120内に形成され得る。いくつかの実施形態では、ドリフト層120の上部を含むn型炭化ケイ素電流拡散層が形成され得る。ソース/ドレイン領域240は、pウェル130内に形成され得る。基板110、ドリフト層120、pウェル130、およびその中に形成されたソース/ドレイン領域240は、共にユニットセル200の半導体層構造250を含み得る。ソースコンタクト190およびドレインコンタクト195は、半導体層構造250上に形成され得る。
【0070】
半導体層構造250の上面にゲート誘電体層270が形成され得る。いくつかの実施形態では、ゲート誘電体層270は、その下の半導体よりも約2eV大きいバンドギャップを有する任意の安定な誘電体とすることができる。ゲート誘電体層270は、多層材料スタックまたは単一の誘電体化合物もしくは合金とすることができる。ゲート誘電体層270は、例えば、二酸化ケイ素(SiO)層を含んでもよいが、他の絶縁材料、SiO、Si、Alなどの他の絶縁材料を使用してもよい。ゲート電極280は、半導体層構造250に対向するゲート誘電体層270上に形成され得る。ゲート電極280は、例えば、シリサイド、ドープされた多結晶シリコン(poly-Siまたはpoly)、および/または安定な導体を含み得る。
【0071】
ソース/ドレイン領域240は、2つのn型領域、すなわち低濃度ソース/ドレイン領域240Lおよび高濃度ソース/ドレイン領域240Hから形成され得る。低濃度ソース/ドレイン領域240Lは、高濃度ソース/ドレイン領域240から(例えば、図2Aおよび図2Bの水平方向に)横方向にオフセットされていてもよい。低濃度ソース/ドレイン領域240Lは、高濃度ソース/ドレイン領域240Hよりもn型ドーパントのドーパント濃度が低くてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーパント濃度は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lのドーパント濃度よりも少なくとも2桁大きくてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーパント濃度は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lのドーパント濃度より1~3桁大きくてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーパント濃度は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lのドーパント濃度と同じ桁~4桁大きくてもよい。いくつかの実施形態では、低濃度ソース/ドレイン領域240Lおよび高濃度ソース/ドレイン領域240Hが同じ大きさの桁を有する場合、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーピング濃度は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lのドーピング濃度の少なくとも2倍であってもよい。
【0072】
高濃度ソース/ドレイン領域240Hの幅(例えば、図2Aの水平方向において)は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの幅よりも狭くてもよい。いくつかの実施形態では、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの少なくとも一部は、低濃度ソース/ドレイン領域240L内にあってもよい。例えば、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの一方または両方の側縁および/または境界の部分は、低濃度ソース/ドレイン領域240L内にあってもよい。低濃度ソース/ドレイン領域240Lの内側縁(例えば、ゲート電極280の中心に最も近い低濃度ソース/ドレイン領域240Lの側縁)は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの一部が高濃度ソース/ドレイン領域240Hとドリフト層120および/またはpウェル130との間にあるように、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの内側縁を超えて延在してもよい。
【0073】
本明細書で使用される場合、領域の側縁および/または境界は、領域の濃度が隣接する領域の濃度に実質的に移行する位置を指すために使用され得る。例えば、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの側縁は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーピング濃度が低濃度ソース/ドレイン領域240Lのドーピング濃度に実質的に移行する半導体層構造250上の位置を指してもよい。例えば、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの外側縁は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーピング濃度が、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーピング濃度と低濃度ソース/ドレイン領域240Lのドーピング濃度との中間未満の量まで減少した、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの側縁上の位置を指してもよい。別の例として、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの外側縁は、半導体層構造250の導電型が低濃度ソース/ドレイン領域240Lのn型(n型MOSFET用)からpウェル130のp型に変換され得る、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの側縁上の位置を指してもよい。
【0074】
各pウェル130における低濃度ソース/ドレイン領域240Lとドリフト層120との間には、チャネル領域245が設けられる。低濃度ソース/ドレイン領域240Lとドリフト層120との間のチャネル領域245の幅は、0.2ミクロン~2ミクロンの範囲であってもよい。いくつかの実施形態では、チャネル領域245の幅は、0.5ミクロン~1ミクロンの範囲であってもよい。低濃度ソース/ドレイン領域240Lの一部は、チャネル領域245と高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間であってもよい。高濃度ソース/ドレイン領域240Hは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lよりも高い(例えば、基板110からより遠く)底面を有するものとして示されているが、本発明はこれに限定されないことが理解されよう。いくつかの実施形態では、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの底面は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの底面と同一平面上にあり、および/またはそれより低くてもよい(例えば、基板110により近い)。例えば、図2Cは、本発明のいくつかの追加の実施形態による、半導体デバイスのユニットセル200’の概略断面図を示す。図2Cに示すように、高濃度ソース/ドレイン領域240H’の底面は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの底面よりも低くてもよい(例えば、基板110により近い)。
【0075】
図2Bを参照して、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの内側縁は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの内側縁から第1の距離W1だけオフセットされていてもよい。いくつかの実施形態では、第1の距離W1は、50オングストローム(Å)~2000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の距離W1は、75Å~1000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、第1の距離W1は、125Å~500Åであってもよい。ゲート電極280は、ソース/ドレイン領域240の一部(例えば、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの組み合わせ)にわたって第2の距離W2だけ延在してもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離W2は、W1より大きくてもよい。すなわち、いくつかの実施形態では、ゲート電極280は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hにわたって延在してもよい。いくつかの実施形態では、第2の距離W2は、100nm(1000Å)~500nm(5000Å)だけW1を超えてもよい。したがって、第2の距離W2は、1050Å~7000Åであってもよい。図2Aおよび図2Bに示す実施形態では、ゲート電極280が高濃度ソース/ドレイン領域240Hにわたって延在しているデバイスを例示したが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、例えば図2Dに示すように、第1の距離W1と第2の距離W2とは等しくてもよい(例えば、50Å~2000Å)。いくつかの実施形態では、例えば図2Eに示すように、第1の距離W1は、第2の距離W2よりも大きくてもよい。言い換えれば、いくつかの実施形態では、ゲート電極280は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hではなく、低濃度ソース/ドレイン領域240Lにわたってのみ延在してもよい。
【0076】
いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部280Eは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iの近くに位置してもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部280Eは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iの100nm(1000Å)~500nm(5000Å)内に重なってもよい。別の言い方をすれば、半導体層構造250の上面に垂直に延び、ゲート電極280の縁部280Eに接する仮想線は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iの100nm~500nm内にあってもよい。低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの界面240Iは、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの内側縁と低濃度ソース/ドレイン領域240Lとの間に位置してもよい。ゲート電極280の縁部280Eは、高濃度ソース/ドレイン領域240Hおよび低濃度ソース/ドレイン領域240Lのいずれに重なっていてもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部280Eは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iの500Å内に重なってもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部280Eは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iの100Å内に重なってもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部280Eは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iの真上に重なってもよい。したがって、本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、ゲート電極280の縁部280Eは、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの間の界面240Iから横方向に5000Å以下離れている。
【0077】
いくつかの実施形態では、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの形成に使用されるドーパントドーズ量は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hのドーパントドーズ量よりも低くてもよい。その結果、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの表面損傷は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの表面損傷よりも小さくてもよい。図2Aおよび図2Bに示すように、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの一部(およびそれに関連する表面損傷)は、ゲート電極280が重なるソース/ドレイン領域240および/またはチャネル領域245の一部から物理的に離れていてもよい。図1Aの従来のデバイスの実施形態と同様に、本明細書に記載の実施形態によるゲート誘電体層270は、いくつかの実施形態では、依然として厚肉部270p(図2Bの破線の楕円内に概略的に示されている)を有してもよい。しかしながら、ゲート電極280からの高濃度ソース/ドレイン領域240Hのオフセットに起因して、ゲート電極280とソース/ドレイン領域240との間にあるゲート誘電体層270の部分270_b(例えば、ゲート電極280および低濃度ソース/ドレイン領域240Lの両方の上にある)およびゲート電極280とチャネル領域245との間の部分270_a(例えば、ゲート電極280およびチャネル領域245の両方の上にある)は、実質的に均一な厚さ(例えば、実質的に一定の厚さを有する)であってもよく、および/または高品質であってもよい。
【0078】
例えば、いくつかの実施形態では、ゲート電極280とソース/ドレイン領域240との間にあるゲート誘電体層270の部分270_bは、ゲート電極280とチャネル領域245との間にあるゲート誘電体層270の部分270_aの厚さから15%を超えて変化しない実質的に均一な厚さを有してもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280とソース/ドレイン領域240との間にあるゲート誘電体層270の部分270_bは、ゲート電極280とチャネル領域245との間にあるゲート誘電体層270の部分270_aの厚さから20%を超えて変化しない実質的に均一な厚さを有してもよい。すなわち、ゲート誘電体層270の変形(部分270pなど)は、チャネル領域245から実質的に離れたゲート誘電体層270の部分で発生する可能性がある。図2Bにおいて、ゲート誘電体層270の部分270pの形状は、本質的に概略的であり、本開示を限定することを意図していない。
【0079】
同様に、いくつかの実施形態では、ゲート電極280とソース/ドレイン領域240との間にあるゲート誘電体層270の部分270_bは、ゲート電極280とチャネル領域245との間にあるゲート誘電体層270の部分270_aの類似の欠陥の濃度から10%を超えて変化しない半導体格子損傷誘起欠陥(例えば、トラップ、再結合中心、破壊原子価、および/または他の酸化物欠陥)の濃度を有してもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280とソース/ドレイン領域240との間にあるゲート誘電体層270の部分270_bは、ゲート電極280とチャネル領域245との間にあるゲート誘電体層270の部分270_aの類似の欠陥の濃度から20%を超えて変化しない半導体格子損傷誘起欠陥(例えば、トラップ、再結合中心、破壊原子価、および/または他の酸化物欠陥)の濃度を有してもよい。すなわち、ゲート誘電体層270(部分270pなど)内の欠陥の濃度の増加は、チャネル領域245から実質的に離れたゲート誘電体層270の部分で発生する可能性がある。
【0080】
ゲート電極280とソース/ドレイン領域240および/またはチャネル領域245との間に均一に厚く高品質のゲート誘電体層270を維持することによって、従来のデバイスで発生し得るゲート絶縁破壊に関連する問題を低減および/または回避することができる。本発明によるデバイスは、改善された信頼性およびより高い性能を有してもよい。
【0081】
図2Aおよび図2Bの半導体層構造250は単なる例であり、本明細書に記載の実施形態から逸脱することなく、半導体層構造250の他の構成を使用してもよい。例えば、本明細書に記載の実施形態は、いくつか例を挙げると、MOSFET、MISFET、またはIGBTデバイスなどの、金属酸化物および/または金属絶縁体界面を利用するゲート電極によって制御される半導体層構造250を含む、ゲート制御される半導体デバイスにおいて利用され得る。したがって、半導体層構造250は、本明細書に記載の実施形態から逸脱することなく、複数の他の形態をとることができることが理解されよう。
【0082】
図3図13は、本発明のいくつかの実施形態による半導体デバイスのユニットセルの製造方法を説明する概略断面図である。
【0083】
図3を参照すると、基板110が設けられ、ドリフト層120がエピタキシャル成長によって基板110上に形成される。いくつかの実施形態では、基板110は、高濃度にドープされた(n)n型炭化ケイ素基板であり、ドリフト層120は、低濃度にドープされた(n)炭化ケイ素ドリフト層120であるが、本明細書に記載の実施形態はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、ドリフト層120の上部を含むn型炭化ケイ素電流拡散層が形成され得る。
【0084】
図4を参照すると、ドリフト層120上にハードマスク410が形成され得る。ハードマスク410は、例えば、フォトレジストおよび/または酸化物により形成され得る。ハードマスク410は、ドリフト層120の表面上にハードマスク材料の層を堆積し、次いでハードマスク材料をパターニング/エッチングして、ドリフト層120の表面の領域を露出させるハードマスク410を形成することによって形成され得る。いくつかの実施形態では、ハードマスク410は、形成されるユニットセルの活性領域に対応するドリフト層120の位置の上に形成されてもよい。図4は、ドリフト層120の隣接部分の上に形成され得る追加のハードマスクを示していない。
【0085】
図5を参照すると、イオン注入動作510が実行され得る。イオン注入動作510は、p型ドーパントをドリフト層120に注入してpウェル130を形成し得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作510は、1×1013ドーパント/cm~1.5×1013ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、イオン注入動作510は、1×1012ドーパント/cm~1×1014ドーパント/cmの範囲のドーズ量で実行されてもよい。pウェル130は、図5に示す形成されるユニットセルのハードマスク410と、図示しない隣接するユニットセルとの間に形成されてもよい。
【0086】
図6を参照すると、マスク材料610の層がハードマスク410ならびにドリフト層120およびpウェル130の上面上に形成されてもよい。マスク材料610は、酸化物および/またはフォトレジストから形成されてもよい。マスク材料610の堆積は、マスク材料610の層に0.2ミクロン~2ミクロンの厚さを与えるように制御されてもよいが、本発明はこれに限定されない。図6は、マスク材料610の部分610pが、隣接するユニットセルのための隣接するハードマスク(図示せず)上に形成され得ることを示している。
【0087】
図7を参照すると、図6のマスク材料610は、pウェル130の上面を露出させる第1のスペーサ層710を形成するために、(例えば、異方的に)パターニングおよびエッチングされ得る。第1のスペーサ層710は、ハードマスク410の上面および側壁に形成され得る。第1のスペーサ層710は、ハードマスク410の側壁上に0.2ミクロン~2ミクロンの厚さを有するスペーサを形成し得る。
【0088】
図8を参照すると、イオン注入動作810が実行され得る。イオン注入動作810は、n型ドーパントをpウェル130に注入して低濃度ソース/ドレイン領域240Lを形成し得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作810は、3×1013ドーパント/cm~4.5×1013ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、イオン注入動作810は、1×1012ドーパント/cm~1×1015ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン注入動作810は、図5に関して説明したpウェル130のイオン注入動作510で使用されるドーズ量の2~3倍のドーズ量で実行され得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作810は室温で実行されてもよい。
【0089】
図9を参照すると、マスク材料910の層が、第1のスペーサ層710、ドリフト層120の上面、pウェル130、および低濃度ソース/ドレイン領域240L上に形成されてもよい。マスク材料910は、酸化物および/またはフォトレジストから形成されてもよい。マスク材料910の堆積は、50Å~2000Åの厚さを有するマスク材料910の層を提供するように制御されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、マスク材料910の厚さは、75Å~1000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、マスク材料910の厚さは、125Å~500Åであってもよい。
【0090】
図10を参照すると、図9のマスク材料910は、第2のスペーサ層1010を形成するために、(例えば、異方的に)パターニングおよびエッチングされ得る。第2のスペーサ層1010は、第1のスペーサ層710の上面および側壁、ならびに、pウェル130および低濃度ソース/ドレイン領域240Lの上面に形成され得る。第2のスペーサ層1010は、第1のスペーサ層710の側壁に50Å~2000Åの厚さを有するスペーサを形成し得る。スペーサの幅は、図2Bに関して本明細書で説明した第1の距離W1に対応し得る。第2のスペーサ層1010は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第1の部分を露出させ得る。第2のスペーサ層1010の厚さに起因して、幅が約50Å~2000Åである低濃度ソース/ドレイン領域240Lのそれぞれの内側縁に隣接する(例えば、ハードマスク410に隣接する)低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第2の部分は、第2のスペーサ層1010によって覆われ得る。いくつかの実施形態では、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第2の部分の幅は、75Å~1000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第2の部分の幅は、125Å~500Åであってもよい。
【0091】
図11を参照すると、イオン注入動作1110が実行され得る。イオン注入動作1110は、n型ドーパントを低濃度ソース/ドレイン領域240Lに注入して高濃度ソース/ドレイン領域240Hを形成し得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1110は、1×1015ドーパント/cm~5×1015ドーパント/cm、またはそれ以上のドーズ量で実行されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1110は、5×1014ドーパント/cm~5×1016ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1110は、300℃~600℃で実行されてもよい。高濃度ソース/ドレイン領域240Hおよび低濃度ソース/ドレイン領域240Lは、共にソース/ドレイン領域240を形成し得る。ソース/ドレイン領域240、pウェル130、ドリフト層120、および基板110は、半導体層構造250を形成し得る。
【0092】
図12を参照すると、ハードマスク410、第1のスペーサ層710、および第2のスペーサ層1010が、(例えば、リフトオフプロセスを介して)除去され得る。いくつかの実施形態では、イオン注入されたドーパントを活性化するために活性化操作が実行され得る。次に、ゲート誘電体材料1270の層が、半導体層構造250の上面に形成され得る。いくつかの実施形態では、ゲート誘電体材料1270は二酸化ケイ素(SiO)層であってもよく、または二酸化ケイ素(SiO)層を含んでもよいが、SiO、Si、Alなどの他の絶縁材料を使用してもよい。いくつかの実施形態では、ゲート誘電体材料1270の品質は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lにわたって、高濃度ソース/ドレイン領域240Hにわたってより高くてもよい(例えば、トラップ、再結合中心、破壊原子価、および/または他の酸化物欠陥などの半導体格子損傷誘起欠陥が少ない)。ゲート誘電体材料1270は、単一または複数の層であってもよい。いくつかの実施形態では、ゲート誘電体材料1270を熱成長させてもよい。ゲート電極層1280は、ゲート誘電体材料1270の層上に形成され得る。
【0093】
図13を参照すると、ゲート誘電体材料1270およびゲート電極層をパターニングおよびエッチングして、ゲート誘電体層270およびゲート電極280を形成し得る。ゲート誘電体層270およびゲート電極280は、pウェル130のうちの隣接するものの間のドリフト層120の上に形成され得、pウェル130およびn型ソース/ドレイン領域240の縁部上に延在し得る。いくつかの実施形態では、ゲート電極280は、特定の距離(例えば、図2B図2D、および図2Eに関して説明した第2の距離W2)についてソース/ドレイン領域240の一部(例えば、低濃度ソース/ドレイン領域240Lと高濃度ソース/ドレイン領域240Hとの組み合わせ)にわたって延在し得る。いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部は、高濃度ソース/ドレイン領域240Hの内側縁が低濃度ソース/ドレイン領域240Lと交わる界面の1000Å~5000Å以内にあってもよい。いくつかの実施形態では、ゲート電極280の縁部は、界面から500Å以内、または100Å以内であってもよい。ゲート電極280およびゲート誘電体層270は、同一平面上の側壁を有するものとして示されているが、本明細書に記載の実施形態はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、例えば、ゲート誘電体層270は、エッチングされたゲート電極280から延在し得る。
【0094】
再び図2Aおよび図2Bを参照すると、ゲート電極280およびゲート誘電体層270上に保護層が配置され得る。いくつかの実施形態では、保護層は窒化物および/または酸化物であってもよい。保護層は、ゲート電極280を、適用されるソースコンタクト190との短絡から保護するために、ゲート電極280の側壁を越えて延在し得る。保護層および/またはゲート誘電体層270をパターニング/エッチングして、高濃度ソース/ドレイン領域240Hを露出させるソースコンタクトホールを形成し得る。
【0095】
ソースコンタクト190(例えば、金属層)は、ゲート電極280およびソース/ドレイン領域240上に適用され得る。ソースコンタクト190の少なくとも一部は、ソース/ドレイン領域240の高濃度ソース/ドレイン領域240Hに接触し得る。基板110の裏面側には、ドレインコンタクト195(例えば、別の金属層)が設けられてもよい。
【0096】
本明細書に記載の実施形態は、半導体デバイスのゲート電極の下のチャネル領域の近くの半導体層構造の表面において、イオン注入によって引き起こされる損傷が低減および/または除去され得るメカニズムに対処している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。本明細書に記載の実施形態によって有利に対処することができる他のタイプの表面損傷がある。
【0097】
例えば、半導体層構造の露出した表面上で行われるプラズマエッチングなどのエッチング手順もまた、表面を損傷する可能性がある。図7を参照すると、第1のスペーサ層710を形成するためのマスク材料610の層のエッチングはまた、半導体層構造250の表面を損傷し得る。そのような事例では、半導体層構造250の表面への損傷は、最終的にチャネル層245に隣接し得る半導体層構造250の部分(図2Aおよび図2B参照)にあり得る。したがって、本明細書で前述した実施形態は、イオン注入に起因する低濃度ソース/ドレイン領域240Lの表面上の表面損傷を低減し得るが、デバイスの処理中にパターンエッチングの結果として生じ得る損傷をさらに低減する追加の改善を行ってもよい。
【0098】
図14図18は、本発明のいくつかの実施形態による半導体デバイスのユニットセルの追加製造方法を説明する概略断面図である。
【0099】
図14図18の方法によれば、デバイスの処理は、図3図6に示した処理と同様に発生し得るので、重複する説明は省略する。図14を参照すると、図6のマスク材料610の層は、第1のスペーサ層1410を形成するために、(例えば、異方的に)パターニングおよびエッチングされ得る。第1のスペーサ層1410は、ハードマスク410の上面および側壁に形成された第1の部分1410aを有してもよい。第1のスペーサ層1410の第1の部分1410aは、ハードマスク410の側壁上に0.2ミクロン~2ミクロン(すなわち、2000Å~20000Å)の厚さを有するスペーサを形成し得る。また、第1のスペーサ層1410は、pウェル130の上面に形成された第2の部分1410bを有してもよい。第2の部分1410bの厚さは、約100Åであり得るいくつかの実施形態では、第2の部分1410bの厚さは、50Å~500Åであり得る。いくつかの実施形態では、第1のスペーサ層1410の第2の部分1410bは、時限異方性エッチングによって形成され得る。第1のスペーサ層1410の残部(例えば、第2の部分1410b)をpウェル130上に残すことにより、pウェル130の上面の損傷が低減され得る。
【0100】
図15を参照すると、イオン注入動作1510が実行され得る。イオン注入動作1510は、第1のスペーサ層1410の第2の部分1410bを介してpウェル130にn型ドーパントを注入して低濃度ソース/ドレイン領域240Lを形成し得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1510は、3×1013ドーパント/cm~4.5×1013ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1510は、1×1012ドーパント/cm~1×1015ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1510は、図5に関して本明細書で説明したpウェル130のイオン注入動作510で使用されるドーズ量の2~3倍のドーズ量で実行され得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1510は、残留マスクなしで実行される注入のエネルギーよりも高いエネルギーで実行されてもよい(例えば、図8に関して本明細書で説明したものなど)。
【0101】
図16を参照すると、マスク材料1610の層が、第1のスペーサ層1410の第1の部分1410aおよび第2の部分1410b上に形成され得る。マスク材料1610は、酸化物および/またはフォトレジストから形成されてもよい。マスク材料1610の堆積は、50Å~2000Åの厚さを有するマスク材料1610の層を提供するように制御されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、マスク材料1610の厚さは、75Å~1000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、マスク材料1610の厚さは、125Å~500Åであってもよい。
【0102】
図17を参照すると、図16のマスク材料1610の層は、第2のスペーサ層1710を形成するために、(例えば、異方的に)パターニングおよびエッチングされ得る。マスク材料1610のエッチングは、低濃度ソース/ドレイン領域240L上にあるマスク材料1610の部分および第1のスペーサ層1410の第2の部分1410bをエッチングし得る。第2のスペーサ層1710は、第1のスペーサ層1410の第1の部分1410aの上面および側壁上に、ならびに、pウェル130の上面および低濃度ソース/ドレイン領域240Lにある、第1のスペーサ層1410の第2の部分1410bの残りの部分上に形成され得る。第2のスペーサ層1710は、第1のスペーサ層1410の第1の部分1410aの側壁に、50Å~2000Åの厚さを有するスペーサを形成し得る。スペーサの幅は、図2Bに関して本明細書で説明した第1の距離W1に対応し得る。第2のスペーサ層1710は、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第1の部分を露出させ得る。第2のスペーサ層1710の厚さに起因して、幅が約50Å~2000Åである低濃度ソース/ドレイン領域240Lのそれぞれの内側縁に隣接する(例えば、ハードマスク410に隣接する)低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第2の部分は、第2のスペーサ層1710によって覆われ得る。いくつかの実施形態では、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第2の部分の幅は、75Å~1000Åであってもよい。いくつかの実施形態では、低濃度ソース/ドレイン領域240Lの第2の部分の幅は、125Å~500Åであってもよい。いくつかの実施形態では、第2のスペーサ層1710を形成するためのマスク材料1610の層のエッチングは、図14に関して本明細書で説明したように、マスク層610の層のエッチングで残った残留部分を残さなくてもよい。
【0103】
図18を参照すると、イオン注入動作1810が実行され得る。イオン注入動作1810は、n型ドーパントを低濃度ソース/ドレイン領域240Lに注入して高濃度ソース/ドレイン領域240Hを形成し得る。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1810は、1×1015ドーパント/cm~5×1015ドーパント/cm、またはそれ以上のドーズ量で実行されてもよいが、本発明はこれに限定されない。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1810は、5×1014ドーパント/cm~5×1016ドーパント/cmのドーズ量で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、イオン注入動作1810は、300℃~600℃で実行されてもよい。高濃度ソース/ドレイン領域240Hおよび低濃度ソース/ドレイン領域240Lは、共にソース/ドレイン領域240を形成し得る。ソース/ドレイン領域240、pウェル130、ドリフト層120、および基板110は、半導体層構造250を形成し得る。
【0104】
次に、ハードマスク410、第1の部分1410aおよび第2の部分1410bを含む第1のスペーサ層1410、ならびに第2のスペーサ層1610は(例えば、リフトオフプロセスを介して)除去されてもよく、デバイスの処理は、図12および図13に関して本明細書で説明したように継続してもよい。
【0105】
図14図18に関連して説明された方法に従って作製された半導体デバイスは、高濃度ソース/ドレイン領域240Hと低濃度ソース/ドレイン領域240Lとの間の半導体層構造250の表面における損傷をさらに低減し得る。低濃度ソース/ドレイン領域240Lを作製するために使用されるマスクのエッチングは、半導体層構造250の表面を完全には露出させなかったので、エッチングプロセスによる損傷が低減および/または回避され得る。
【0106】
本開示は、ゲート電極の下にあり得るソース/ドレイン領域の部分に対する損傷を低減および/または排除する手法を記載する。低濃度ソース/ドレイン領域内に高濃度ソース/ドレイン領域を設けることによって、本明細書に記載の実施形態は、ゲート電極とソース領域との間および/またはゲート電極とチャネル領域との間により高品質のゲート絶縁層の形成を可能にし得る。これは、パワートランジスタ(例えば、MOSFET、MISFET、またはIGBT)のゲート領域を改善するのに特に有用であり得る。
【0107】
上述の実施形態のうちの様々な実施形態は、nチャネルMOSFETのユニットセルの構造を示しているが、本発明のさらなる実施形態によれば、各デバイスの半導体層の各々の極性は、対応するpチャネルMOSFETを提供するように反転され得ることが理解されよう。
【0108】
本発明は、本発明の実施形態が示されている添付の図面を参照して上述されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具体化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。図面において、層および領域のサイズおよび相対サイズは、明確にするために誇張されている場合がある。ある要素または層が別の要素または層に対して「上にある(on)」、「接続される(connected to)」、または「結合される(coupled to)」と言及される場合、それは他の要素または層に対して直接上にある、接続される、または結合され得るか、または介在する要素または層が存在し得ることが理解されよう。対照的に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上にある」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合、介在する要素または層は存在しない。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。同様の符号は、全体を通して同様の要素を指す。
【0109】
第1および第2という用語は、本明細書では様々な領域、層および/または要素を説明するために使用されるが、これらの領域、層および/または要素はこれらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、ある領域、層または要素を別の領域、層または要素と区別するためにのみ使用される。したがって、以下に説明する第1の領域、層、または要素は、第2の領域、層、または要素と呼ぶことができ、同様に、第2の領域、層、または要素は、本発明の範囲から逸脱することなく、第1の領域、層、または要素と呼ぶことができる。
【0110】
「下部」または「底部」および「上部」または「頂部」などの相対的な用語は、本明細書では、図面に示されるように、ある要素と別の要素との関係を説明するために使用され得る。相対的な用語は、図面に示された向きに加えて、デバイスの異なる向きを包含することが意図されていることが理解されよう。例えば、図面のデバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下部」側にあると記載された要素は、他の要素の「上部」側に向けられる。したがって、例示的な用語「下部」は、図の特定の向きに応じて、「下部」および「上部」の両方の向きを包含することができる。同様に、図のうちの1つのデバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下に(below)」または「下方に(beneath)」と記載された要素は、他の要素の「上方に(above)」向けられる。したがって、例示的な用語「下に」または「下方に」は、上方および下方の両方の向きを包含することができる。
【0111】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むことが意図される。「備える」、「備えている」、「含む」、および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、要素、および/または構成要素の存在を特定するが、1つまたは複数の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではないことがさらに理解されよう。
【0112】
本発明の実施形態は、概略図である断面図を参照して本明細書で説明される。したがって、例えば製造技術および/または公差の結果としての図の形状からの変形が予想される。したがって、本発明の実施形態は、本明細書に示される領域の特定の形状に限定されると解釈されるべきではなく、例えば製造から生じる形状の偏差を含むべきである。例えば、長方形として示されている注入領域は、典型的には、注入領域から非注入領域へのバイナリ変化ではなく、その縁部に丸みを帯びたもしくは湾曲した特徴および/または注入濃度の勾配を有する。したがって、図に示される領域は、本質的に概略的であり、それらの形状は、デバイスの領域の実際の形状を示すことを意図しておらず、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0113】
本発明のいくつかの実施形態は、層および/または領域内の多数キャリア濃度を指すn型またはp型などの導電型を有することを特徴とする半導体層および/または領域を参照して説明される。したがって、n型材料は負に帯電した電子の大部分の平衡濃度を有し、p型材料は正に帯電した正孔の大部分の平衡濃度を有する。一部の材料は、別の層または領域と比較して相対的に大きい(「+」)または小さい(「-」)多数キャリア濃度を示すために、(n+、n-、p+、p-、n++、n--、p++、p--などと同様に)「+」または「-」で指定され得る。しかしながら、そのような表記法は、層または領域内の多数キャリアまたは少数キャリアの特定の濃度の存在を意味するものではない。
【0114】
本明細書に開示された実施形態を組み合わせることができることが理解されよう。したがって、第1の実施形態に関して図示および/または説明される特徴は、同様に第2の実施形態に含まれてもよく、逆もまた同様である。
【0115】
上記の実施形態は特定の図を参照して説明されているが、本発明のいくつかの実施形態は、追加のおよび/または介在する層、構造、または要素を含んでもよく、および/または特定の層、構造、または要素を削除してもよいことを理解されたい。本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明したが、当業者であれば、本発明の新規な教示および利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの修正が可能であることを容易に理解されよう。したがって、そのような修正はすべて、特許請求の範囲に定義される本発明の範囲内に含まれることが意図されている。したがって、上記は本発明の例示であり、開示された特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではなく、開示された実施形態に対する修正および他の実施形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されたい。本発明は、以下の特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲の均等物が含まれる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18