(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】銅バリアCMPのための組成物および方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20241118BHJP
B24B 37/00 20120101ALI20241118BHJP
C09K 3/14 20060101ALI20241118BHJP
C09G 1/02 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H01L21/304 622D
B24B37/00 H
C09K3/14 550Z
C09K3/14 550D
C09G1/02
(21)【出願番号】P 2021532139
(86)(22)【出願日】2019-11-13
(86)【国際出願番号】 US2019061267
(87)【国際公開番号】W WO2020117441
(87)【国際公開日】2020-06-11
【審査請求日】2022-10-18
(32)【優先日】2018-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500397411
【氏名又は名称】シーエムシー マテリアルズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100195213
【氏名又は名称】木村 健治
(74)【代理人】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100202441
【氏名又は名称】岩田 純
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン クラフト
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンド フン ロウ
(72)【発明者】
【氏名】ローマン エー.イバノフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン グランビーン
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/056122(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/021599(WO,A1)
【文献】特表2009-503910(JP,A)
【文献】特表2010-503211(JP,A)
【文献】国際公開第2018/061656(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/143797(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
B24B 37/00
C09K 3/14
C09G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を研磨するための化学機械研磨組成物であって、前記研磨組成物が、
水系液体キャリアと、
前記液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、前記カチオン性シリカ研削粒子が、前記研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、
トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物と、を含み、
前記研磨組成物が、6超のpHを有
していて、
前記研磨組成物が、過化合物酸化剤(per-compound oxidizer)を実質的に含まず、
前記研磨組成物が、0.5mM~100mMの濃度でN-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、化学機械研磨組成物。
【請求項2】
前記トリアゾール化合物が、トリアゾールピリジン化合物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、または2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
50
~500ppmの前記トリアゾールピリジン化合物を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項6】
6~8のpHを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記カチオン性シリカ研削粒子が
、9超の等電点を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
前記カチオン性シリカ研削粒子が、6超のpHで少なくとも20mVの永久正電荷を有するコロイダルシリカ粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
2重量パーセント未満の前記カチオン性シリカ研削粒子を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を化学機械研磨するための方法であって、
(a)
(i)水系液体キャリア、
(ii)前記液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、前記カチオン性シリカ研削粒子が、少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子、
(iii)トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物、を含む研磨組成物と前記基板を接触させることであって、
前記研磨組成物が、6超のpHを有
していて、
前記研磨組成物が、過化合物酸化剤(per-compound oxidizer)を実質的に含まず、
前記研磨組成物が、0.5mM~100mMの濃度でN-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、前記基板を接触させることと、
(b)前記研磨組成物を前記基板に対して動かすことと、
(c)前記基板を研削して、前記基板から前記銅層の一部分を除去し、それによって前記基板を研磨することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記トリアゾール化合物が、トリアゾールピリジン化合物である、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、または2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンである、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである、請求項
11に記載の方法。
【請求項14】
前記研磨組成物が
、50
~500ppmの前記トリアゾールピリジン化合物を含む、請求項
11に記載の方法。
【請求項15】
前記研磨組成物が
、6~8のpHを有する、請求項
10に記載の方法。
【請求項16】
前記カチオン性シリカ研削粒子が
、9超の等電点を有する、請求項
10に記載の方法。
【請求項17】
前記カチオン性シリカ研削粒子が、6超のpHで少なくとも20mVの永久正電荷を有するコロイダルシリカ粒子を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項18】
2重量パーセント未満の前記カチオン性シリカ研削粒子を含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項19】
前記バリア
層が、窒化タンタル層を含み、(c)の前記研削が、前記基板から前記窒化タンタル層および前記誘電体層の一部分をも除去する、請求項
10に記載の方法。
【請求項20】
(c)の前記窒化タンタル層および前記誘電体層の除去速度が、(c)の銅の除去速度よりも高い、請求項
19に記載の方法。
【請求項21】
前記誘電体層が、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)である、請求項
19に記載の方法。
【請求項22】
銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を研磨するための化学機械研磨組成物であって、前記研磨組成物が、
水系液体キャリアと、
前記液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、前記カチオン性シリカ研削粒子が、前記研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、
トリアゾールピリジン化合物と、を含み、
前記研磨組成物が、6超のpHを有
していて、
前記研磨組成物が、過化合物酸化剤を実質的に含まず、
前記研磨組成物が、0.5mM~100mMの濃度でN-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、化学機械研磨組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
銅インターコネクトプロセスおよびデュアルダマシンプロセスは、従来の半導体デバイスのトランジスタを接続する金属ワイヤのネットワークを形成するために長い間用いられてきたバックエンド配線(BEOL)プロセスである。これらのプロセスでは、誘電体材料(例えば、TEOS)に形成された開口部に、銅の金属が堆積される。タンタルおよび/または窒化タンタルは、銅と誘電体材料との間のバリア層として一般に使用されている。CMPプロセスは、誘電体の表面から余分な銅層およびバリア層を除去して、銅配線を形成するために使用されている。
【0002】
銅CMPプロセスは、一般に、2つ以上の研磨ステップを使用し、その第1のステップは、過剰な銅の大部分を除去することを意図し、その後の(例えば、第2または第3の)ステップは、バリア材料を除去し、それによって下にある誘電体層を露出させることを意図する。高度なノード銅バリアCMP操作では、平面性要件が厳しい。これらの平面性要件は、銅層、バリア層、および誘電体層を同様の低い除去速度で研磨する、非選択的なスラリーの使用を介して満たすことができる場合がある。このようなスラリーは、一般に、過酸化水素酸化剤、および比較的高い充填量(例えば、約5重量パーセント)の研削粒子を用いる。
【0003】
過酸化水素の使用は、(例えば、スラリー中の有機成分の分解および反応によって)スラリー配合物のポットライフを低減する傾向があるという点で問題となり得る。過酸化水素はまた、銅配線の腐食を加速させ得る。高い研削材充填量(濃度)を使用すると、スラリーのコストの増加により、所有コストが増加する。
【0004】
当該技術分野で周知であるように、半導体産業は、継続的かつ深刻な値下げ圧力にさらされている。多くの場合、コスト低減の圧力は、必要な性能指標とは相反するので、このような価格設定の圧力は、スラリー配合者に困難をもたらす。例えば、研削材の充填量を低減することにより、スラリーのコストを低減することができる。しかしながら、ある特定の用途では、研削材の充填量を低減すると、スラリーの性能に深刻な悪影響を与え得る。業界では、性能を犠牲にすることなく全体的なコストを低減する、銅バリアスラリー配合物が実際に必要である。
【発明の概要】
【0005】
銅層および/またはバリア層を有する基板を研磨するための化学機械研磨組成物が、開示される。研磨組成物は、水系液体キャリアと、液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物と、を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなり、研磨組成物が、約6超のpHを有する。一実施形態では、シリカ研削粒子は、コロイダルシリカ粒子を含み、トリアゾール化合物は、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジンなどのトリアゾールピリジン化合物を含む。銅層、バリア層、および誘電体層を含む基板を化学機械研磨するための方法が、さらに開示される。方法は、上述の研磨組成物と基板を接触させることと、研磨組成物を基板に対して動かすことと、基板を研削して基板から銅層、バリア層、および誘電体層の一部分を除去し、それによって基板を研磨することと、を含み得る。
【発明を実施するための形態】
【0006】
銅層および/またはバリア層を有する基板を研磨するための化学機械研磨組成物が、開示される。研磨組成物は、水系液体キャリア、液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子、およびトリアゾール化合物を含むか、本質的にそれらからなるか、またはそれらからなる。研磨組成物は、約6超のpHを有し、カチオン性シリカ研削粒子は、研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する。トリアゾール化合物は、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない。一実施形態では、シリカ研削粒子は、アミノシラン化合物で処理されたコロイダルシリカ粒子を含み、トリアゾール化合物は、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジンなどのトリアゾールピリジン化合物を含む。
【0007】
開示のCMP組成物は、銅バフおよび/またはバリアCMP操作(銅バリアCMP操作とも呼ばれる)に、有利に利用することができる。このようなCMP操作では、銅層、誘電体層、およびバリア層の研磨速度が同様であることが望ましい場合がある。しかしながら、開示の実施形態は、この点に限定されないことが理解されるであろう。また、開示の実施形態は、銅バフおよび/または銅バリア操作に限定されないが、実質的に任意の好適な銅CMP操作で利用することができる。
【0008】
研磨組成物は、液体キャリア中に懸濁された金属酸化物粒子を含む研削材を含有する。研削材としては、例えば、コロイダルシリカ粒子および/またはヒュームドシリカ粒子を含む、実質的に好適な金属酸化物粒子を挙げることができる。本明細書で使用されるコロイダルシリカ粒子という用語は、一般に、構造的に異なる粒子を生成する熱処理プロセスまたは火炎加水分解プロセスではなく、むしろ湿式プロセスを介して調製されるシリカ粒子を指す。このようなコロイダルシリカ粒子は、凝集していても凝集していなくてもよい。非凝集粒子は、球形またはほぼ球形の形状の個別の粒子であるが、他の形状(通常、楕円形、正方形、または長方形の断面など)を有することもできる。凝集粒子は、複数の離散粒子がクラスター化または結合して、一般に不規則な形状の凝集体を形成する粒子である。
【0009】
コロイダルシリカは、ゾルゲル法またはケイ酸塩イオン交換などによる、当業者に既知の任意の方法を使用して調製することができる、沈殿または凝集-重合シリカであり得る。凝集-重合シリカ粒子は、多くの場合、Si(OH)4を凝集させて実質的に球形の粒子を形成することによって調製される。前駆体Si(OH)4は、例えば、高純度アルコキシシランの加水分解によって、またはケイ酸水溶液の酸性化によって得ることができる。このような研削粒子は、例えば、米国特許第5,230,833号に従って調製されてもよいか、または例えば、EKA Chemicals、Fuso Chemical Company、Nalco、DuPont、Bayer、Applied Research、Nissan Chemical、およびClariantを含む、多くの商業的供給業者のうちのいずれかから入手されてもよい。
【0010】
熱処理シリカは、好適な原料蒸気(四塩化ケイ素など)が水素および酸素の火炎で燃焼される、火炎加水分解プロセスを介して生成される。ほぼ球形の融解した粒子が燃焼プロセスで形成され、その直径は、プロセスパラメータを介して変動し得る。一般に一次粒子と呼ばれるこれらの融解した球体は、それらの接触点で衝突を受けることによって互いに融合して、分岐した三次元の鎖様の凝集体を形成する。ヒュームドシリカ研削材は、例えばCabot Corporation、Evonic、Wacker Chemieを含む、多くの供給業者から市販されている。
【0011】
研削粒子は、実質的に任意の好適な粒径を有し得る。液体キャリアに懸濁された粒子の粒径は、さまざまな手段を使用して業界で定義され得る。例えば、粒径は、粒子を取り囲む最小の球体の直径として定義され得、例えば、CPS Disc Centrifuge、Model DC24000HR(CPS Instruments、ルイジアナ州、プレーリービルから入手可能)またはMalvern Instruments(登録商標)から入手可能なZetasizer(登録商標)を含む多くの市販の機器を使用して測定され得る。研削粒子は、約5nm以上(例えば、約10nm以上、約20nm以上、または約30nm以上)の平均粒径を有し得る。研削粒子は、約200nm以下(例えば、約160nm以下、約140nm以下、約120nm以下、または約100nm以下)の平均粒径を有し得る。したがって、研削粒子は、前述の終点のうちのいずれか2つによって制限される範囲の平均粒径を有し得ることが理解されるであろう。例えば、研削粒子は、約5nm~約200nm(例えば、約10nm~約160nm、約20nm~約140nm、約20nm~約120nm、または約20nm~約100nm)の範囲の平均粒径を有し得る。
【0012】
研磨組成物は、実質的に任意の好適な量の研削粒子を含むことができる。研磨組成物が含む研削材が少なすぎる場合、組成物は十分な除去速度を呈さない可能性がある。対照的に、研磨組成物に含まれる研削材が多すぎる場合、研磨組成物は、望ましくない研磨性能を呈し得、かつ/または費用効果がない可能性があり、かつ/または安定性に欠ける可能性がある。研磨組成物は、約0.01重量%以上(例えば、約0.05重量%以上)の研削粒子を含み得る。研磨組成物は、約0.1重量%以上(例えば、約0.2重量%以上、約0.3重量%以上、または0.5重量%以上)の研削粒子を含み得る。研磨組成物中の研削粒子の濃度は、一般に、約20重量%未満、より典型的には約10重量%以下(例えば、約5重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、または約1.5重量%以下、または約1重量%以下)である。研削粒子は、前述の終点のうちのいずれか2つによって制限される濃度で、研磨組成物中に存在し得ることが理解されるであろう。例えば、研磨組成物中の研削粒子の濃度は、約0.01重量%~約20重量%、より好ましくは約0.05重量%~約10重量%(例えば、約0.1重量%~約5重量%、約0.1重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%、約0.2重量%~約2重量%、約0.2重量%~約1.5重量%、または約0.2重量%~約1重量%)の範囲であり得る。
【0013】
研削粒子がシリカ(コロイダルシリカまたは熱処理シリカなど)を含む実施形態では、シリカ粒子は、研磨組成物中で正電荷を有し得る。シリカ粒子などの分散粒子上の電荷は、当該技術分野では一般にゼータ電位(または界面動電位)と呼ばれている。粒子のゼータ電位とは、粒子を取り巻くイオンの電荷と研磨組成物のバルク溶液の電荷との間の電位差を指す(例えば、液体キャリアとその中に溶解した任意の他の成分)。したがって、正電荷を有するシリカ研削粒子(すなわち、カチオン性シリカ研削粒子)は、それらの動作pHで正のゼータ電位を有するであろう。ゼータ電位は通常、水性媒体のpHに依存する。所与の組成物では、粒子の等電点は、ゼータ電位がゼロになるpHとして定義される。等電点から離れてpHが増加または減少すると、それに応じて表面電荷(および、したがってゼータ電位)が減少または増加する(負または正のゼータ電位値に)。開示の研磨組成物中などに分散した研削粒子のゼータ電位は、Malvern Instrumentsから入手可能なZetasizer、Brookhaven Instrumentsから入手可能なZetaPlus Zeta Potential Analyzer、および/またはDispersion Technologies Inc.から入手可能な電気音響分光計などの市販の機器を使用して得ることができる。
【0014】
ある特定の実施形態では、カチオン性シリカ研削粒子は、pH7超の等電点を有する。例えば、研削粒子は、pH8超(例えば、pH8.5超またはpH9超)の等電点を有し得る。以下より詳述されるように、研削粒子は、アミノシラン化合物などの窒素含有化合物で処理されたコロイダルシリカ粒子を任意選択で含み得る。
【0015】
ある特定の実施形態では、カチオン性シリカ研削粒子は、研磨組成物中で、(例えば、約6超のpHで、または約6~約8の範囲のpHで)約10mV以上(例えば、約15mV以上、約20mV以上、約25mV以上、または約30mV以上)のゼータ電位を有する。カチオン性シリカ研削粒子は、研磨組成物中で、(例えば、約6超のpHで、または約6~約8の範囲のpHで)約50mV以下(例えば、約45mV以下、または約40mV以下)のゼータ電位を有し得る。カチオン性シリカ研削粒子は、前述の終点のうちのいずれか2つによって制限される範囲のゼータ電位を有し得ることが理解されるであろう。例えば、カチオン性シリカ研削粒子は、研磨組成物中で、(約6超のpHで、または約6~約8の範囲のpHで)約10mV~約50mV(例えば、約10mV~約45mV、または約20mV~約40mV)の範囲のゼータ電位を有し得る。
【0016】
ある特定の実施形態では、処理された研削粒子が研磨組成物中で(例えば、約6超、約7超、約7.5超、または約8超のpHで)約10mV以上(例えば、約15mV以上、約20mV以上、約25mV以上、または約30mV以上)のゼータ電位を有するように、カチオン性シリカ研削粒子は、アミノシラン化合物で処理されたコロイダルシリカ粒子を含み得る。ある特定のこれらの実施形態では、研削粒子は、第4級アミノシラン化合物で処理されたコロイダルシリカ粒子を含む。このようなカチオン性コロイダルシリカ粒子は、例えば、その各々は参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第7,994,057号および同第9,028,572号、または米国特許第9,382,450号に開示されるように、粒子を少なくとも1つのアミノシラン化合物で処理することによって得ることができる。また、研磨組成物中で約10mV以上のゼータ電位を有するコロイダルシリカ粒子は、参照により本明細書に完全に組み込まれる、同一出願人による米国特許第9,422,456号に開示されるように、コロイダルシリカ粒子にアミノシラン化合物などの化学種を組み込むことを介して得ることができる。
【0017】
例示的なカチオン性コロイダルシリカ粒子は、カチオン性コロイダルシリカ粒子を得るための任意の好適な処理方法を使用して処理することができることが理解されるであろう。例えば、第4級アミノシラン化合物およびコロイダルシリカを、研磨組成物の他の成分のうちの一部または全てと同時に添加してもよい。あるいは、コロイダルシリカは、研磨組成物中で他の成分と混合する前に、第4級アミノシラン化合物で(例えば、コロイダルシリカとアミノシランとの混合物を加熱することを介して)処理してもよい。
【0018】
ある特定の実施形態では、カチオン性シリカ研削粒子は、永久正電荷を有し得る。永久正電荷とは、例えば、フラッシング、希釈、濾過などによって、シリカ粒子の正電荷が容易に可逆的でないことを意味する。永久正電荷は、例えば、カチオン性化合物をコロイダルシリカと共有結合した結果であり得る。永久正電荷は、例えば、カチオン性化合物とコロイダルシリカ間の静電相互作用の結果であり得る可逆的な正電荷とは対照的である。
【0019】
それにもかかわらず、本明細書で使用される場合、少なくとも10mVの永久正電荷とは、コロイダルシリカ粒子のゼータ電位が、以下の3ステップの限外濾過試験後に10mV超のままであることを意味する。ある体積の研磨組成物(例えば、200ml)を、Millipore Ultracell再生セルロース限外濾過ディスク(例えば、100,000ダルトンのMWカットオフおよび6.3nmの細孔サイズを有する)に通過させる。残った分散液(限外濾過ディスクによって保持される分散液)を収集し、元の容量までpH調整した脱イオン水を補充する。硝酸などの好適な無機酸を使用して、脱イオン水により、研磨組成物を元のpHにpH調整する。合計3回の限外濾過サイクルで、この手順を繰り返す(各サイクルは、限外濾過ステップおよび補充ステップを含む)。次いで、三重に限外濾過し補充した研磨組成物のゼータ電位を測定し、元の研磨組成物のゼータ電位と比較する。この3ステップの限外濾過試験は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、同一出願人による米国特許第9,422,456号の実施例10にさらに詳述されている。
【0020】
液体キャリアを使用して、研磨される基板の表面への研削材および任意の任意選択の化学添加剤の塗布を促進する(例えば、平坦化)。液体キャリアは、低級アルコール(例えば、メタノール、エタノールなど)、エーテル(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、水、およびこれらの混合物を含む任意の好適なキャリア(例えば、溶媒)であり得る。好ましくは、液体キャリアは、水、より好ましくは脱イオン水を含むか、本質的にそれからなるか、またはそれからなる。
【0021】
研磨組成物は、一般に中性であり、約5~約9の範囲のpHを有する。例えば、研磨組成物は、1気圧および25℃で測定すると、約6以上(例えば、約6.5以上、約7以上、または約7.5以上)のpHを有し得る。研磨組成物は、さらに約9以下(例えば、約8以下、または約7.5以下)のpHを有し得る。したがって、研磨組成物は、上の任意の2つの終点によって制限される範囲のpHを有し得る。例えば、pHは、約6~約9(例えば、約6~約8、約6.5~約8、約7~約8.5、または約7~約8)の範囲であり得る。研磨組成物のpHは、任意の好適な手段により達成および/または維持され得る。研磨組成物は、実質的に任意の好適なpH調整剤または緩衝系を含み得る。例えば、好適なpH調整剤としては、硝酸、硫酸、リン酸など、ならびに酢酸および乳酸などの有機酸を挙げることができる。好適な緩衝剤としては、リン酸塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。
【0022】
研磨組成物は、銅エッチングおよび/または腐食の抑制剤をさらに含む。銅抑制剤は、CMP組成物中の銅金属の溶解(溶解)速度を低減することを意図する。ある特定の実施形態では、銅抑制剤は、トリアゾール化合物を含む。好ましいトリアゾール化合物としては、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、および2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンなどのトリアゾールピリジン(TAP)化合物が挙げられる。最も好ましい銅抑制剤は、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである。1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンの構造を以下に示す。
【化1】
【0023】
銅抑制剤は、トリアゾールピリジン化合物などのトリアゾール化合物を含み得るが、銅抑制剤は、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物(ベンゾトリアゾール、5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール、または1H-ベンゾトリアゾール-1-メタノールなど)を含まないことが理解されるであろう。ベンゾトリアゾール(BTA)は、市販の銅CMPスラリーで一般に使用されている、周知の非常に効果的な銅腐食抑制剤である。以下の実施例1に示されるように、BTAおよびある特定のBTA化合物は、CMP研磨組成物において銅抑制剤として機能し得る。しかしながら、BTAまたはBTA化合物の使用は、少なくとも以下の理由のために、CMP研磨組成物において不利であり得ることが見出されている。これらの化合物は、銅基板に強く付着する有機膜を形成すると考えられている(この膜は、おそらく銅の腐食を抑制する)。この強く付着した膜の存在は、(膜の除去が困難であることが証明されているので)CMP後の洗浄操作後にウェハ上に有機表面残留物の欠陥を大量に生じることが見出されている。アルカリ性洗浄剤を使用する、複数回のCMP後の洗浄ステップの後でさえも、表面欠陥が残ることが観察されている。
【0024】
上述のように、銅抑制剤は、好ましくはトリアゾールピリジン化合物を含む。トリアゾールピリジン化合物が、ピリジン環に結合したトリアゾール基を含むことを、当業者は容易に理解するであろう。ある特定の実施形態では、ピリジン環およびトリアゾール基は、第1および第2の炭素原子を共有する(およびしたがって、第1および第2の炭素原子で一緒に結合する)。対照的に、ベンゾトリアゾール化合物は、ベンゼン環に結合したトリアゾール基を含む。トリアゾールピリジン化合物は、ベンゼン環を含まない。
【0025】
銅抑制剤がベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物を含まないという上の開示は、研磨組成物がベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物を含んではならないことを意味することを意図するものではない。反対に、複数のトリアゾール化合物を含む実施形態では、トリアゾール化合物のうちの少なくとも1つが、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではないことが理解されるであろう。例えば、ある特定の実施形態では、研磨組成物は、上に列挙されたトリアゾール化合物銅抑制剤に加えて、低レベル(例えば、50ppm未満、または20ppm未満、または10ppm未満、またはさらには5ppm未満)のベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物を追加で含み得ることが理解されるであろう。
【0026】
研磨組成物中の銅抑制剤化合物の量は、使用される特定の化合物、酸化剤が使用されるかどうか、研磨組成物のpH、および他の要因に応じて変動し得る。好ましい銅抑制剤がトリアゾールピリジン化合物であり、組成物のpHが中性(例えば、約5~約9)であるとき、銅抑制剤は、組成物の総重量に基づいて、約10~約2000ppmの範囲の量で研磨組成物中に存在し得る。ある特定の実施形態では、研磨組成物は、約10ppm以上(例えば、約20ppm以上、約50ppm以上、または約100ppm以上)のトリアゾールピリジン化合物を含み得る。研磨組成物はまた、約2000ppm以下(例えば、約1000ppm以下、約700ppm以下、または約500ppm以下)のトリアゾールピリジン化合物を含み得る。したがって、トリアゾールピリジン銅エッチング抑制剤は、前述の終点のうちのいずれか2つによって制限される濃度で、研磨組成物中に存在し得ることが理解されるであろう。例えば、研磨組成物は、約20~約1000ppm(例えば、約50~約1000ppm、約50~約500、または約100~約500ppm)のトリアゾールピリジン化合物を含み得る。
【0027】
研磨組成物は、好ましくは過化合物(per-compound)を含む酸化剤を含まない。言い換えれば、過化合物が研磨組成物中に存在せず、これが研磨組成物に意図的に添加されないことが好ましい。このような実施形態では、研磨組成物中の過化合物酸化剤(per-compound oxidizing agent)の濃度は、本質的にゼロ(例えば、1重量ppm未満、0.3重量ppm未満、または0.1重量ppm未満)である。本明細書で定義される過化合物は、少なくとも1つのペルオキシ基(-O-O-)を含有する化合物、または最も高い酸化状態のハロゲン元素を含有する化合物である。少なくとも1つのペルオキシ基を含有する化合物の例としては、限定されないが、過酸化水素、ならびに尿素過酸化水素、過炭酸塩、過ホウ酸塩、過ホウ酸、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物、過酢酸、およびジ-t-ブチル過酸化物、モノ過硫酸塩(SO5
=)、二過硫酸塩(S2O8
=)、および過酸化ナトリウムなどの、その付加物が挙げられる。最も高い酸化状態のハロゲン元素を含有する化合物の例としては、限定されないが、過ヨウ素酸、過ヨウ素酸塩、過臭素酸、過臭素酸塩、過塩素酸、および過塩素酸塩が挙げられる。
【0028】
過化合物(過酸化水素およびその付加物を含む)は、前述の銅抑制剤化合物を含むトリアゾール化合物と化学的に反応することが知られている。したがって、このような過化合物の排除は、銅抑制剤の化学的安定性を改善し、研磨組成物のポットライフを有利に改善することができる。
【0029】
研磨組成物は、任意選択で(必ずしも必要ではないが)、過化合物を含まない酸化剤(非過化合物酸化剤)を含み得る。このような非過化合物酸化剤は、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、N-オキシド化合物、ヒドロキシアミン化合物、オキシム化合物、およびそれらの組み合わせなどの窒素含有有機酸化剤から選択することができる。例えば、任意選択の酸化剤としては、アリールニトロ化合物、アリールニトロソ化合物、アリールN-オキシド化合物、アリールオキシム化合物、ヘテロアリールニトロ化合物、ヘテロアリールニトロソ化合物、ヘテロアリールN-オキシド化合物、ヘテロアリールオキシム化合物、およびそれらの組み合わせを挙げることができる。
【0030】
非過酸化剤を含む任意選択の実施形態では、酸化剤は、実質的に任意の好適な濃度で存在し得る。酸化剤は、約0.5mM以上、例えば、約1mM以上、または約2mM以上の濃度で研磨組成物中に存在し得る。酸化剤はまた、約100mM以下、例えば、約50mM以下、約20mM以下、約10mM以下の濃度で研磨組成物中に存在し得る。酸化剤は、前述の終点のうちのいずれか2つによって制限される濃度で、研磨組成物中に存在し得ることが理解されるであろう。例えば、酸化剤は、約0.5mM~約100mM(例えば、約1~約50mM、約2mM~約50mM、約2mM~約20mM、または約2mM~約10mM)の範囲の濃度の濃度で研磨組成物中に存在し得る。
【0031】
研磨組成物は、任意選択で殺生物剤をさらに含んでもよい。殺生物剤は、任意の好適な殺生物剤、例えばDow Chemical Companyから入手可能なKordek(登録商標)殺生物剤などのイソチアゾリノン殺生物剤を含み得る。研磨組成物は、実質的に任意の好適な量の殺生物剤を含み得る。例えば、ある特定の実施形態は、約1~約1000ppm、例えば、約10~約500ppmの殺生物剤を含み得る。開示の実施形態は、任意の特定の殺生物剤化合物または濃度の使用を明確に限定しない。
【0032】
研磨組成物は、その多くが当業者には既知である任意の好適な技術を使用して調製することができる。研磨組成物は、バッチプロセスまたは連続プロセスで調製することができる。通常、研磨組成物は、その成分を任意の順序で組み合わせることによって調製することができる。本明細書で使用される「成分」という用語としては、個々の成分(例えば、研削粒子、銅抑制剤など)が挙げられる。
【0033】
例えば、コロイダルシリカおよび第4級アミノシラン化合物は、水性液体キャリア中で混合され得る。混合物を任意選択で(例えば、約50~80℃の温度まで)加熱して、アミノシラン化合物のコロイダルシリカへの結合を促進することができる。次いで、成分を研磨組成物に組み込むことが可能な任意の方法によって、銅抑制剤および殺生物剤などの他の成分を添加および混合してもよい。研磨組成物はまた、CMP操作中に基板の表面で(例えば研磨パッド上で)成分を混合することによっても調製することができる。
【0034】
本発明の研磨組成物はまた、使用前に適切な量の水で希釈されることを意図する濃縮物として提供することもできる。このような実施形態では、研磨組成物濃縮物は、適切な量の水で濃縮物を希釈すると、研磨組成物の各成分が各成分について上に列挙された適切な範囲内の量で研磨組成物中に存在するような量で、研削粒子、銅抑制剤、任意選択の殺生物剤、および水を含み得る。例えば、等量の水(例えば、それぞれ1等量の水、2等量の水、3等量の水、4等量の水、またはさらには9等量の水)で濃縮物を希釈すると、各成分が、各成分について上に記載した範囲内の量で研磨組成物中に存在するように、研削粒子および銅抑制剤は、各成分について上に列挙した濃度の約2倍(例えば、約3倍、約4倍、約5倍、または約10倍)の量で研磨組成物中に存在し得る。その上、当業者には理解されるように、濃縮物は、他の成分が少なくとも部分的にまたは完全に濃縮物中に溶解することを確実にするために、最終研磨組成物中に存在する水の適切な割合を含有することができる。
【0035】
本発明の研磨組成物を使用して、任意の基板を研磨することができるが、研磨組成物は、銅層、タンタルおよび/または窒化タンタルなどのバリア層、ならびに少なくとも1つの誘電体材料を含む基板を研磨するのに特に有用である。誘電体層は、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)、多孔質金属酸化物、多孔質もしくは非多孔質炭素ドープ酸化ケイ素、フッ素ドープ酸化ケイ素、ガラス、有機ポリマー、フッ素化有機ポリマーに由来する酸化ケイ素層などの金属酸化物、または他の好適な高もしくは低-k絶縁層であり得る。
【0036】
本発明の研磨方法は、化学機械研磨(CMP)装置とともに使用するのに特に好適である。通常、装置は、使用時に運動し、軌道運動、直線運動、または円運動から生じる速度を有するプラテンと、プラテンと接触し、運転時にプラテンとともに運動する研磨パッドと、研磨パッドの表面に対して接触し、それに対して動かすことにより、基板が研磨されるように保持するキャリアとを含む。基板の研磨は、研磨パッドおよび本発明の研磨組成物に基板が接触するように配置し、次いで研磨パッドを基板に対して動かして、基板の少なくとも一部分(本明細書に記載の銅層、バリア層、および誘電体材料など)を研削して基板を研磨することにより、行われる。
【0037】
ある特定の実施形態では、銅層、バリア層、および誘電体材料の研磨速度が同様であると、最適な平坦化を達成することができる。例えば、ある特定の実施形態では、銅対誘電体材料の選択性は、約1:5~約5:1(例えば、約1:3~約2:1)の範囲であり得る。ある特定の実施形態では、誘電体材料の研磨速度は、銅の研磨速度よりも高くてもよいので、銅対誘電体材料の選択性は、1:1未満(例えば、1:5~約1:1の範囲)であり得る。銅層対バリア層の選択性はまた、約1:5~約5:1(例えば、約1:3~約2:1)の範囲であり得る。
【0038】
基板は、任意の好適な研磨パッド(例えば、研磨表面)とともに化学機械研磨組成物で平坦化または研磨することができる。好適な研磨パッドには、例えば、織布および不織布の研磨パッドが含まれる。さらに、好適な研磨パッドは、さまざまな密度、硬度、厚さ、圧縮率、圧縮時に反発する能力、および圧縮弾性率の任意の好適なポリマーを含むことができる。好適なポリマーには、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニル、ナイロン、フルオロカーボン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン、それらの成形製品、およびそれらの混合物を含み得る。
【0039】
本発明は、以下の実施形態によってさらに説明される。
【0040】
実施形態(1)は、銅含有基板を研磨するための化学機械研磨組成物であって、研磨組成物が、(i)水系液体キャリアと、(ii)液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、カチオン性シリカ研削粒子が、少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、(iii)トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物と、を含み、研磨組成物が、6超のpHを有する、化学機械研磨組成物を提示する。
【0041】
実施形態(2)は、トリアゾール化合物が、トリアゾールピリジン化合物である、実施形態(1)に記載の組成物を提示する。
【0042】
実施形態(3)は、トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、または2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンである、実施形態(2)に記載の組成物を提示する。
【0043】
実施形態(4)は、トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである、実施形態(2)に記載の組成物を提示する。
【0044】
実施形態(5)は、約50~約500ppmのトリアゾールピリジン化合物を含む、実施形態(2)~(4)のいずれか1つに記載の組成物を提示する。
【0045】
実施形態(6)は、研磨組成物が、過化合物酸化剤を実質的に含まない、実施形態(1)~(5)のいずれか1つに記載の組成物を提示する。
【0046】
実施形態(7)は、N-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、実施形態(6)に記載の組成物を提示する。
【0047】
実施形態(8)は、約6~約8のpHを有する、実施形態(1)~(7)のいずれか1つに記載の組成物を提示する。
【0048】
実施形態(9)は、カチオン性シリカ研削粒子が、約9超の等電点を有する、実施形態(1)~(8)のいずれか1つに記載の組成物を提示する。
【0049】
実施形態(10)は、カチオン性シリカ研削粒子が、6超のpHで少なくとも20mVの永久正電荷を有するコロイダルシリカ粒子を含む、実施形態(1)~(9)のいずれか1つに記載の組成物を提示する。
【0050】
実施形態(11)は、約2重量パーセント未満のカチオン性シリカ研削粒子を含む、実施形態(1)~(10)のいずれか1つに記載の組成物を提示する。
【0051】
実施形態(12)は、銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を化学機械研磨する方法であって、(a)(i)水系液体キャリア、(ii)液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、カチオン性シリカ研削粒子が、少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子、(iii)トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物、を含む研磨組成物と基板を接触させることであって、研磨組成物が、6超のpHを有する、基板を接触させることと、(b)研磨組成物を基板に対して動かすことと、(c)基板を研削して基板から銅層の一部分を除去し、それによって基板を研磨することと、を含む、方法を提示する。
【0052】
実施形態(13)は、トリアゾール化合物が、トリアゾールピリジン化合物である、実施形態(12)に記載の方法を提示する。
【0053】
実施形態(14)は、トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、または2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンである、実施形態(13)に記載の方法を提示する。
【0054】
実施形態(15)は、トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである、実施形態(13)に記載の方法を提示する。
【0055】
実施形態(16)は、研磨組成物が、約50~約500ppmのトリアゾールピリジン化合物を含む、実施形態(13)~(15)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0056】
実施形態(17)は、研磨組成物が、過化合物酸化剤を実質的に含まない、実施形態(12)~(16)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0057】
実施形態(18)は、研磨組成物が、N-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、実施形態(17)に記載の方法を提示する。
【0058】
実施形態(19)は、研磨組成物が、約6~約8のpHを有する、実施形態(12)~(18)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0059】
実施形態(20)は、カチオン性シリカ研削粒子が、約9超の等電点を有する、実施形態(12)~(19)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0060】
実施形態(21)は、カチオン性シリカ研削粒子が、6超のpHで少なくとも20mVの永久正電荷を有するコロイダルシリカ粒子を含む、実施形態(12)~(20)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0061】
実施形態(22)は、約2重量パーセント未満のカチオン性シリカ研削粒子を含む、実施形態(12)~(21)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0062】
実施形態(23)は、バリア層が、窒化タンタル層を含み、(c)の研削が、基板から窒化タンタル層および誘電体層の一部分をも除去する、実施形態(12)~(22)のいずれか1つに記載の方法を提示する。
【0063】
実施形態(24)は、(c)の窒化タンタル層および誘電体層の除去速度が、(c)の銅の除去速度よりも高い、実施形態(23)に記載の方法を提示する。
【0064】
実施形態(25)は、誘電体層が、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)である、実施形態(23)に記載の方法を提示する。
【0065】
実施形態(26)は、銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を研磨するための、化学機械研磨組成物を提示する。研磨組成物は、水系液体キャリアと、液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、カチオン性シリカ研削粒子が、研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、トリアゾールピリジン化合物と、を含み、研磨組成物が、6超のpHを有する。
【0066】
以下の実施例は、本発明をさらに説明するが、もちろん、その範囲を限定するものとして決して解釈されるべきではない。
【実施例】
【0067】
実施例1
3つの研磨組成物を調製した(対照AおよびB、ならびに実施例組成物1)。カチオン性コロイダルシリカが、0.5重量パーセントの最終濃度を有するように、対応する混合物に50nmの平均粒径を有する適切な量のカチオン性コロイダルシリカ粒子を添加することによって、研磨組成物の各々を調製した。カチオン性コロイダルシリカ粒子は、米国特許第9,382,450号の実施例7に記載されるように調製された。最終組成物の各々は、2mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、および100ppmのKordek MLX殺生物剤をpH7.1でさらに含んでいた。対照Bは、250ppmのベンゾトリアゾール(BTA)を含み、実施例1は、250ppmのトリアゾールピリジン化合物H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジンを含んでいた。組成物の各々(対照AおよびB、ならびに実施例1)は、pH7.1で約25mVのゼータ電位を有した。
【0068】
上述の研磨組成物の各々の銅エッチング速度を評価した。各研磨組成物の銅エッチング速度を得るために、研磨組成物を最初に45℃まで加熱し、その後、銅層を有する2インチのウェハを研磨組成物に(銅側を上にして)5分間浸漬した。銅除去速度は、研磨組成物への浸漬の前後に行った抵抗測定を介して決定された。銅エッチング速度を、表1に示す。
【表1】
【0069】
表1に記載の結果から明らかなように、対照Bと実施例1はどちらも、対照Aと比較して、銅エッチング速度の顕著な低減を呈する。実施例1は、トリアゾールピリジン化合物が、中性またはほぼ中性のpHを有するCMP組成物中で、効果的な銅腐食抑制剤であり得ることを実証する。
【0070】
実施例2
この実施例では、4つの研磨組成物での銅、TEOS、TaN、およびブラックダイヤモンド(BD)の研磨速度を評価した。対照Cは、Cabot Microelectronicsから入手可能なB7601バリアスラリーであった。実施例2~4は、0.5重量パーセントの実施例1で上述したカチオン性シリカ研削粒子、2mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、250ppmの1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン、および100ppmのKordek MLX殺生物剤をpH7.1で含む点で実施例1と同様であった。実施例2には酸化剤を添加しなかった。実施例3は、5mMの有機酸化剤4-ニトロピリジン-N-オキシド(NPNO)をさらに含んでいた。実施例4は、1重量パーセントの過酸化水素をさらに含んでいた。
【0071】
対応するブランケットウェハを研磨することによって、銅、TEOS、TaN、およびブラックダイヤモンドの研磨速度を得た。1.5psiの下向きの力、93rpmのプラテン速度、および87rpmのヘッド速度で、Mirra(登録商標)CMP研磨ツールおよびFujibo H7000研磨パッドを使用して、ウェハを研磨した。スラリー流速は、200ml/分であった。
【0072】
この実施例は、酸化剤の添加の有無にかかわらず、トリアゾールピリジン化合物銅抑制剤を含む研磨組成物を使用して、前述の層の各々で、同様の研磨速度を達成することができることを実証する。銅、TEOS、TaN、およびブラックダイヤモンドの研磨速度を、表2に示す。
【表2】
【0073】
表2に記載の結果から明らかなように、例示的な研磨組成物2および3は、銅層、TEOS層、TaN層、およびブラックダイヤモンド層で同様の研磨除去速度を達成する。
【0074】
実施例3
この実施例では、実施例2で評価した4つの研磨組成物の各々の、酸化物侵食および配線の凹み(ディッシング)を評価した。酸化物侵食および配線の凹み値は、Mirra(登録商標)CMP研磨ツールを使用する3ステップの研磨プロセスで、パターンを付けたウェハ(Silyb MIT 854マスク-Cu BD 5.8k 200mm)を研磨することによって得た。C8917スラリー、ならびに3.2psiの下向きの力、85rpmのプラテン速度、および45rpmのヘッド速度でD100パッド(どちらもCabot Microelectronicsから入手可能)を使用する第1の研磨ステップ(P1)で、バルク銅を除去した)。P1研磨時間は、180ml/分のスラリー流速で45秒であった。第2の研磨ステップ(P2)は、C8917スラリー、ならびに1.2psiの下向きの力、61rpmのプラテン速度、および60rpmのヘッド速度でD100パッドを使用するバフ(またはエンドポイント)プロセスであった)。スラリー流速は200ml/分であった。第3の研磨ステップ(P3)は、対照B、ならびに実施例2、3、および4の研磨組成物をFujibo H7000研磨パッドと共に使用して行った。下向きの力は1.5psi、プラテン速度は93rpm、およびヘッド速度は87rpmであった。スラリー流速は200ml/分であった。パターンを付けた各ウェハは、酸化物ブランケット除去速度から計算した、300Åの酸化物除去まで研磨された。配線の凹み値は、原子間力顕微鏡(AFM)プロフィロメーター測定を使用して、4つの別個の形状:(i)1×1ミクロンの形状、(ii)10×10ミクロンの形状、(iii)9×1ミクロンの形状、および(iv)0.18×0.18ミクロンの形状にわたって得た。酸化物浸食および配線の凹み値を、表3に示す。
【表3】
【0075】
表3に記載の結果から明らかなように、研磨組成物2、3、および4は、ある範囲のパターンの種類および密度にわたって、低い酸化物侵食および配線の凹みを達成する。
【0076】
実施例4
この実施例では、銅の洗浄性を評価した。2つの研磨組成物(対照Cおよび実施例5)を評価した。各組成物は、実施例1に関して上述した0.5重量パーセントのカチオン性シリカ研削粒子、2mMのトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、180ppmのβ-アラニン、5mMのNPNO、100ppmのKordek MLX殺生物剤、および100ppmの銅腐食抑制剤を7.1のpHで含んでいた。対照Cは、100ppmのBTA銅腐食抑制剤を含み、実施例5は、100ppmの1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン銅腐食抑制剤を含んでいた。1.5psiの下向きの力、93rpmのプラテン速度、および87rpmのヘッド速度の、Mirra(登録商標)研磨ツールおよびFujibo H7000研磨パッドで、両方の組成物を使用して銅ウェハを研磨した。スラリー流速は200ml/分であった。各銅ウェハを、60秒間研磨した。研磨後、ONTRAKクリーナーでK8160-1(Cabot Microelectronicsから入手可能)を使用して、各2つのブラシボックス内で60秒間、銅ウェハを洗浄した。欠陥数は、0.16μmの閾値でSurfscan SP1を使用して収集された。走査型電子顕微鏡を使用して欠陥の画像を収集し、得られた画像を目視検査することを通じて欠陥の分類を完了した。観察された欠陥は、主に有機表面残留物であった。欠陥データを、表4に示す。
【表4】
【0077】
表4に記載した結果から明らかなように、トリアゾールピリジン銅腐食抑制剤を使用すると、銅表面上により少ない欠陥を生じ、CMP後の洗浄ステップで、これらの化合物が銅基板からより容易に除去されることを示している。ベンゾトリアゾール銅抑制剤を使用すると、銅の表面上に非常に多くの数の有機欠陥が生じた。複数のCMP後の洗浄ステップを用いても、欠陥数を低減することはできなかった。
【0078】
本明細書に引用された刊行物、特許出願および特許を含む全ての参考文献は、各参考文献が個々にかつ具体的に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載されているのと同じ程度まで参照により本明細書に組み込まれる。
【0079】
(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)本発明を説明する文脈における「a」および「an」および「the」という用語および同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数および複数形の両方を包含すると解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」および「含有する」という用語は、別段の記載がない限り、オープンエンド用語(すなわち、「含むがこれらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書において別段の指示がない限り、範囲内にある各別個の値を個々に参照する簡略方法としての役割を果たすことを単に意図しており、各別個の値は本明細書に個別に列挙されているかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、あらゆる好適な順序で実行することができる。本明細書において提供されるありとあらゆる実施例、または例示的な言葉(例えば、「~等」)の使用は、単に本発明をより明らかにすることを意図しており、別段の主張がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書中のいかなる言葉も、本発明の実施に必須であるとしていかなる特許請求されていない要素を示すものとして解釈されるべきではない。
【0080】
本発明を行うための本発明者らに既知の最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が本明細書に記載される。これらの好ましい実施形態の変形は、前述の説明を読むことにより当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者がこのような変形を適切なものとして用いることを期待しており、本発明者らは本発明が本明細書に具体的に記載されたとおりではなく別の方法で実行されることを意図する。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙された主題の全ての変形および同等物を含む。さらに、本明細書において別段の指示がない限り、または文脈で明らかに矛盾しない限り、それらの全ての可能な変形における上記の要素のあらゆる組み合わせが本発明に包含される。
本発明の実施形態としては、以下の実施形態を挙げることができる。
(付記1)
銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を研磨するための化学機械研磨組成物であって、前記研磨組成物が、
水系液体キャリアと、
前記液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、前記カチオン性シリカ研削粒子が、前記研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、
トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物と、を含み、
前記研磨組成物が、6超のpHを有する、化学機械研磨組成物。
(付記2)
前記トリアゾール化合物が、トリアゾールピリジン化合物である、付記1に記載の組成物。
(付記3)
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、または2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンである、付記2に記載の組成物。
(付記4)
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである、付記2に記載の組成物。
(付記5)
約50~約500ppmの前記トリアゾールピリジン化合物を含む、付記2に記載の組成物。
(付記6)
前記研磨組成物が、過化合物酸化剤(per-compound oxidizer)を実質的に含まない、付記1に記載の組成物。
(付記7)
N-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、付記6に記載の組成物。
(付記8)
約6~約8のpHを有する、付記1に記載の組成物。
(付記9)
前記カチオン性シリカ研削粒子が、約9超の等電点を有する、付記1に記載の組成物。
(付記10)
前記カチオン性シリカ研削粒子が、6超のpHで少なくとも20mVの永久正電荷を有するコロイダルシリカ粒子を含む、付記1に記載の組成物。
(付記11)
約2重量パーセント未満の前記カチオン性シリカ研削粒子を含む、付記1に記載の組成物。
(付記12)
銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を化学機械研磨するための方法であって、
(a)
(i)水系液体キャリア、
(ii)前記液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、前記カチオン性シリカ研削粒子が、少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子、
(iii)トリアゾール化合物であって、ベンゾトリアゾールまたはベンゾトリアゾール化合物ではない、トリアゾール化合物、を含む研磨組成物と前記基板を接触させることであって、
前記研磨組成物が、6超のpHを有する、前記基板を接触させることと、
(b)前記研磨組成物を前記基板に対して動かすことと、
(c)前記基板を研削して、前記基板から前記銅層の一部分を除去し、それによって前記基板を研磨することと、を含む、方法。
(付記13)
前記トリアゾール化合物が、トリアゾールピリジン化合物である、付記12に記載の方法。
(付記14)
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、1-アセチル-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジン、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-c]ピリジン、または2-(1,2,4-トリアゾール-3-イル)ピリジンである、付記13に記載の方法。
(付記15)
前記トリアゾールピリジン化合物が、1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5,b]ピリジンである、付記13に記載の方法。
(付記16)
前記研磨組成物が、約50~約500ppmの前記トリアゾールピリジン化合物を含む、付記13に記載の方法。
(付記17)
前記研磨組成物が、過化合物酸化剤を実質的に含まない、付記12に記載の方法。
(付記18)
前記研磨組成物が、N-オキシド化合物酸化剤をさらに含む、付記17に記載の方法。
(付記19)
前記研磨組成物が、約6~約8のpHを有する、付記12に記載の方法。
(付記20)
前記カチオン性シリカ研削粒子が、約9超の等電点を有する、付記12に記載の方法。
(付記21)
前記カチオン性シリカ研削粒子が、6超のpHで少なくとも20mVの永久正電荷を有するコロイダルシリカ粒子を含む、付記12に記載の方法。
(付記22)
約2重量パーセント未満の前記カチオン性シリカ研削粒子を含む、付記12に記載の方法。
(付記23)
前記バリアが、窒化タンタル層を含み、(c)の前記研削が、前記基板から前記窒化タンタル層および前記誘電体層の一部分をも除去する、付記12に記載の方法。
(付記24)
(c)の前記窒化タンタル層および前記誘電体層の除去速度が、(c)の銅の除去速度よりも高い、付記23に記載の方法。
(付記25)
前記誘電体層が、テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)である、付記23に記載の方法。
(付記26)
銅層、バリア層、および誘電体層を有する基板を研磨するための化学機械研磨組成物であって、前記研磨組成物が、
水系液体キャリアと、
前記液体キャリア中に分散されたカチオン性シリカ研削粒子であって、前記カチオン性シリカ研削粒子が、前記研磨組成物中で少なくとも10mVのゼータ電位を有する、カチオン性シリカ研削粒子と、
トリアゾールピリジン化合物と、を含み、
前記研磨組成物が、6超のpHを有する、化学機械研磨組成物。