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特許7589179金属含有レジストのリソグラフィ性能を向上させるためのベーキング方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-15
(45)【発行日】2024-11-25
(54)【発明の名称】金属含有レジストのリソグラフィ性能を向上させるためのベーキング方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20241118BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20241118BHJP
   G03F 7/40 20060101ALI20241118BHJP
【FI】
H01L21/30 566
H01L21/30 568
G03F7/20 503
G03F7/20 521
G03F7/40
【請求項の数】 41
(21)【出願番号】P 2021576241
(86)(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2020070171
(87)【国際公開番号】W WO2020264556
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2023-05-29
(31)【優先権主張番号】62/868,708
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワイドマン・ティモシー・ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ウー・チェンガオ
(72)【発明者】
【氏名】ナルディ・ケイティ・リン
(72)【発明者】
【氏名】ヴォロスキー・ボリス
(72)【発明者】
【氏名】グ・ケヴィン・リー
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-098229(JP,A)
【文献】特表2015-513540(JP,A)
【文献】特開2005-123651(JP,A)
【文献】特開2019-095794(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上のフォトレジスト層をベーキングする方法であって、
処理チャンバに前記基板を受け入れ、前記基板は、その上に前記フォトレジスト層を備え、前記フォトレジスト層は、金属含有フォトレジスト材料を含み、
前記処理チャンバに2種以上の反応ガス種を流し、前記処理チャンバ内で前記基板を前記2種以上の反応ガス種に曝し、前記2種以上の反応ガス種のそれぞれは、水、水素、酸素、オゾン、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、亜酸化窒素、一酸化窒素、アセチルアセトン、蟻酸、塩化オキサリル、ピリジン、カルボン酸またはアミンを含み、
前記基板が前記2種以上の反応ガス種に曝されている間に前記フォトレジスト層をベーキングすること、
を備える、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、
前記フォトレジスト層は、極端紫外線(EUV)フォトレジスト材料を含む、方法。
【請求項3】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種の1つは、前記水を含む、方法。
【請求項4】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記水素および前記水を含む、方法。
【請求項5】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記酸素および前記水を含む、方法。
【請求項6】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記オゾンおよび前記水を含む、方法。
【請求項7】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記過酸化水素および前記水を含む、方法。
【請求項8】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記一酸化炭素および前記水を含む、方法。
【請求項9】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記二酸化炭素および前記水を含む、方法。
【請求項10】
請求項3に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記アンモニアおよび前記水を含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記フォトレジスト層をパターニングするために前記フォトレジスト層がEUV線に露光された後に生じ、以下のいずれかの条件が満たされる、
(i)前記処理チャンバは、前記フォトレジスト層をベーキングする間は大気圧に維持され、前記アンモニアは、約0.001~5(容量)%の濃度で提供される、および、
(ii)前記処理チャンバは、前記フォトレジスト層をベーキングする間は準大気圧に維持され、前記アンモニアは、約1~100mTorrの分圧で提供される、方法。
【請求項12】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記水および、前記亜酸化窒素および/または前記一酸化窒素を含む、方法。
【請求項13】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記アセチルアセトンおよび前記水を含む、方法。
【請求項14】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記蟻酸および前記水を含む、方法。
【請求項15】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記塩化オキサリルおよび前記水を含む、方法。
【請求項16】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記カルボン酸および前記水を含む、方法。
【請求項17】
請求項に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、前記アミンおよび前記水を含む、方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記アミンは、メチルアミン、ジメチルアミン、および/または、トリメチルアミンを含む、方法。
【請求項19】
請求項17に記載の方法であって、
前記アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、および/または、トリエチルアミンを含む、方法。
【請求項20】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種の少なくとも1つは、酸化性を有する、方法。
【請求項21】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種の少なくとも1つは、極性を有する、方法。
【請求項22】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記2種以上の反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層における架橋を促進する、方法。
【請求項23】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記2種以上の反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層の安定性を高める、方法。
【請求項24】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記2種以上の反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層の金属水素化物種を金属水酸化物種に酸化させる、方法。
【請求項25】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間に前記処理チャンバに真空を印加することを含む、方法。
【請求項26】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記処理チャンバ内の水分濃度が目標の水分濃度の範囲内に留まるように制御することを含む、方法。
【請求項27】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記処理チャンバ内の酸素濃度が目標の酸素濃度の範囲内に留まるように制御することを含む、方法。
【請求項28】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記処理チャンバは、前記フォトレジスト層をベーキングする間、大気圧以下に維持される、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、
前記処理チャンバは、前記フォトレジスト層をベーキングする間、大気圧未満に維持される、方法。
【請求項30】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記基板が設置された基板支持体の温度を上昇させることを含む、方法。
【請求項31】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記基板が設置された基板支持体の温度を低下させることを含む、方法。
【請求項32】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、さらに、
目標架橋度を実現するために、前記処理チャンバへの前記2種以上の反応ガス種の流れを制御することを含む、方法。
【請求項33】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板をホットプレート上で加熱することを備える、方法。
【請求項34】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板を赤外線および/または紫外線に露光することを備える、方法。
【請求項35】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板を上方から加熱することを備える、方法。
【請求項36】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板を下方から加熱することを備える、方法。
【請求項37】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層は前記基板に塗布されてもまだパターニングされず、前記ベーキングすることは塗布後ベーク(PAB)である、方法。
【請求項38】
請求項2から19のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層は、前記基板に塗布され、EUV線への部分露光によってパターニングされた結果、前記フォトレジスト層の露光部分および非露光部分が生じ、前記ベーキングすることは、露光後ベーク(PEB)である、方法。
【請求項39】
請求項38に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種の少なくとも1つは、極性および酸化性の分子を含む、方法。
【請求項40】
請求項39に記載の方法であって、
前記2種以上の反応ガス種は、過酸化水素および前記水を含む、方法。
【請求項41】
基板上のフォトレジスト層をベーキングするための装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバに反応ガス種を導入するための入口と、
前記処理チャンバから材料を除去するための出口と、
前記処理チャンバ内の基板支持体と、
伝導、対流、および/または、放射によって前記基板を加熱するように構成されているヒータと、
少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラと、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1から40の方法のいずれかを前記装置に行わせるよう制御するように構成されていること、
を備える、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
参照による援用
本願の一部として、本明細書と同時にPCT出願書が提出される。同時に出願されたPCT出願書に特定されている、本願が利益または優先権を主張する各出願は、その全てが全ての目的のために参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は一般に、半導体処理分野に関する。特定の態様では、本開示は、パターンマスクを形成するためのリソグラフィパターニングおよび膜現像に関連するフォトレジスト処理のためのプロセスおよび装置に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体製造が進歩するにつれてフィーチャサイズは縮小し続け、新しい処理方法が必要になる。進歩している1つの分野は、例えば、放射線への露光によってパターニングされるフォトレジスト材料を用いるパターニングに関連する。
【0004】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄だけでなく、出願時に先行技術に該当しない説明の態様に記載される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0005】
本明細書の様々な実施形態は、基板上のフォトレジスト層をベーキングするための方法、装置、およびシステムに関する。本開示の実施形態の一態様では、基板上のフォトレジスト層をベーキングする方法が提供され、この方法は、処理チャンバ内に基板を受け入れ、基板はその上にフォトレジスト層を備え、フォトレジスト層は金属含有フォトレジスト材料を含み、ガス源からガス供給ラインを通じて処理チャンバに反応ガス種を流し、処理チャンバ内で基板を反応ガス種に曝し、基板が反応ガス種に曝されている間にフォトレジスト層をベーキングすること、を備える。
【0006】
様々な実施形態において、フォトレジスト層は、極端紫外線(EUV)フォトレジスト材料を含む。いくつかの実施形態では、反応ガス種は、水、水素、酸素、オゾン、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、亜酸化窒素、一酸化窒素、アルコール、アセチルアセトン、蟻酸、塩化オキサリル、ピリジン、カルボン酸、アミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるガスを含む。いくつかの場合では、反応ガス種は水を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は水素を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は酸素を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種はオゾンを含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は過酸化水素を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は一酸化炭素を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は二酸化炭素を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種はアンモニアを含んでよい。いくつかのそのような場合では、フォトレジストのベーキングは、フォトレジストをパターニングするためにフォトレジストがEUV線に露光された後に起こり、以下のいずれかの条件が満たされる。(i)処理チャンバは、フォトレジストのベーキング中は大気圧に維持され、アンモニアは、約0.001~5(容積)%の濃度で提供される、および、(ii)処理チャンバは、フォトレジストのベーキング中は準大気圧に維持され、アンモニアは、約1~100mTorrの分圧で提供される。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は亜酸化窒素および/または一酸化窒素を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種はアルコールを含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種はアセチルアセトンを含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は蟻酸を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は塩化オキサリルを含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種はカルボン酸を含んでよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種はアミンを含んでよい。アミン類の例は、特定の場合では、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、および/または、トリエチルアミンを含んでよい。様々な実施形態において、反応ガス種は酸化性を有してよい。これらの場合または他の場合では、反応ガス種は極性を有してよい。
【0007】
特定の実施形態において、反応ガス種への基板の曝露は、フォトレジスト層における架橋を促進してよい。これらの実施形態または他の実施形態において、反応ガス種への基板の曝露は、フォトレジスト層内の低分子量種の除去を促進してよい。例えば、低分子量種は分子あたり、ゼロ、1つ、または2つの金属原子を含んでよい。いくつかの実施形態において、反応ガス種への基板の曝露は、フォトレジスト層内の金属水素化物種を金属水酸化物種に酸化させてよい。
【0008】
特定の実施形態において、この方法はさらに、フォトレジスト層をベーキングする間に処理チャンバに真空を印加することを備えてよい。これらの実施形態または他の実施形態において、この方法はさらに、フォトレジスト層をベーキングする間に処理チャンバ内の水分濃度が目標水分濃度の範囲内に留まるように制御することを備えてよい。同様にこの方法は、フォトレジスト層をベーキングする間に処理チャンバ内の酸素濃度が目標酸素濃度の範囲内に留まるように制御することを備えてよい。いくつかの実施形態において、処理チャンバは、フォトレジスト層をベーキングする間は大気圧以下に維持されてよい。例えばいくつかの場合では、処理チャンバは、フォトレジスト層をベーキングする間は大気圧未満に維持されてよい。
【0009】
基板が設置される支持体は、フォトレジスト層をベーキングする間に温度制御されてよい。例えばいくつかの実施形態において、この方法はさらに、フォトレジスト層をベーキングする間に、基板が設置された基板支持体の温度を上昇させることを備えてよい。これらの実施形態または他の実施形態において、この方法はさらに、フォトレジスト層をベーキングする間に、基板が設置された基板支持体の温度を低下させることを備えてよい。いくつかの場合では、この方法は、目標架橋度を達成するために処理チャンバへの反応種流を制御することを備えて。様々な異なる種類の熱が提供されてよい。いくつかの実施形態において、フォトレジストのベーキングは、基板をホットプレート上で加熱することを含む。いくつかの実施形態において、フォトレジスト層のベーキングは、基板を赤外線および/または紫外線に露光することを含む。いくつかの実施形態において、フォトレジスト層のベーキングは、基板を上方から加熱することを含んでよい。これらの実施形態または他の実施形態において、フォトレジスト層のベーキングは、基板を下方から加熱することを含んでよい。
【0010】
本明細書に記載の方法は、異なる用途に用いられてよい。いくつかの場合では、フォトレジスト層は基板に塗布されてもまだパターニングされず、ベーキングは塗布後ベーク(PAB)である。他の場合では、フォトレジスト層は基板に塗布され、EUV線への部分露光によってパターニングされることにより、フォトレジスト層の露光部分と非露光部分とが生じ、ベーキングは露光後ベーク(PEB)である。これらの実施形態または他の実施形態では、反応ガス種は極性および酸化性の分子を含んでよい。例えば、反応ガス種は過酸化水素を含んでよい。
【0011】
本開示の実施形態の別の態様では、基板上のフォトレジスト層をベーキングするための装置が提供される。この装置は、処理チャンバ、処理チャンバに反応ガス種を導入するための入口、処理チャンバから材料を除去するための出口、処理チャンバ内の基板支持体、伝導、対流、および/または放射によって基板を加熱するように構成されているヒータ、ならびに、少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラを備え、少なくとも1つのプロセッサは、本願の方法または本明細書に記載の方法をこの装置に行わせるよう制御するように構成されている。
【0012】
これらの態様および他の態様は、図面を参照して以下でさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】様々な実施形態によるリソグラフィパターニングプロセスを説明するフローチャート。
【0014】
図2】特定の実施形態による処理チャンバの簡略図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書では、本開示の特定の実施形態への詳細な参照がなされる。特定の実施形態の例は、添付の図面に示されている。本開示はこれらの特定の実施形態と共に説明されるが、本開示をかかる特定の実施形態に限定する意図はないことが理解されるだろう。これに対して、本開示はその精神および範囲に含まれうる代替物、変更、同等物を含むことが意図される。以下の説明では、本開示の十分な理解を提供するためにいくつかの特定の詳細が記載される。本開示は、これらの特定の詳細の一部または全てなしに実施されてよい。他の例では、本開示を必要以上に分かりにくくしないように、周知のプロセス動作は詳細には説明されていない。
【0016】
半導体処理における薄膜のパターニングは、半導体製造において重要な工程であることが多い。パターニングは、リソグラフィを伴う。従来のフォトリソグラフィ(193nmフォトリソグラフィなど)では、フォトマスクによって規定された選択領域においてフォトレジストを光子に露光することによりフォトレジストで化学反応が起こり、現像工程で利用できる化学的コントラストが形成され、フォトレジストの特定部分が除去されてパターンが形成されることにより、感光フォトレジスト膜上にパターンが印刷される。パターニングおよび現像されたフォトレジスト膜は次に、金属、酸化物などからなる下地膜にパターンを転写するためのエッチングマスクとして用いられうる。
【0017】
22nmノード、16nmノード、およびそれ以降のノードを含む先端技術ノード(国際半導体技術ロードマップによる定義)は、リソグラフィ解像度における継続的な向上を必要とする。例えば16nmノードでは、ダマシン構造におけるビアまたはラインの幅は通常、約30nm以下であり、単純な193nmフォトリソグラフィを用いては不可能である、またはそうでなければ複雑なマルチパターニング法を伴う。
【0018】
極端紫外線(EUV)リソグラフィは、従来のフォトリソグラフィ法で実現可能な画像ソース波長よりも短い画像ソース波長に移行することにより、リソグラフィ技術を拡大できる。約10~20nmまたは11~14nmの波長(例えば、13.5nmの波長)のEUV光源は、最先端リソグラフィツール(スキャナとも呼ばれる)に用いられうる。EUV線は、石英、水蒸気、および大気圧ガスを含む広範囲の固体物質および液体物質に強く吸収されるため、EUVスキャナは真空で動作する。
【0019】
EUVリソグラフィは、下地層のエッチングに用いるためのマスクを形成するために、EUV光を用いてパターニング可能なEUVレジストを活用する。EUVレジストは、液体スピンオン技術によって形成されたポリマ系化学増幅レジスト(CAR)であってよい。CARに代わるものは、直接フォトパターニングが可能な金属酸化物系EUVフォトレジスト(PR)膜である。そのようなPR膜は、(ウェット)スピンオン技術によって形成されてよく、オレゴン州コーバリスのInpriaから入手可能な膜であって、例えば、少なくともフォトパターニング可能な金属酸化物含有膜の開示について本明細書で参照により援用される、米国特許出願第US2017/0102612号および第US2016/0116839号に記載の膜、または、少なくともEUVレジストマスクを形成するために直接フォトパターニング可能な金属酸化物膜の組成およびパターニングに関する開示が本明細書に参照により援用される、2019年5月9日出願の、METHODS FOR MAKING EUV PATTERNABLE HARD MASKSと題したPCT出願第PCT/US19/31618号に記載されたドライ蒸着膜などがある。これらの直接フォトパターニング可能なEUVレジストは、高いEUV吸光度の金属、その有機金属酸化物/水酸化物、および他の誘導体からなってよい、またはこれらを含んでよい。EUV露光すると、EUV光子および生成された二次電子は、SnOx系レジスト(および、他の金属酸化物系レジスト)におけるベータH除去反応などの化学反応を誘発でき、レジスト膜における架橋および他の変化を促進する化学的機能を提供できる。これらの化学変化は、次に現像工程で活用されて、レジスト膜の露光領域または非露光領域を選択的に除去し、パターン転写のためのエッチングマスクを形成できる。
【0020】
本開示は、EUVリソグラフィによって例示されるリソグラフィパターニング技術および材料に関するが、他の次世代リソグラフィ技術にも適用可能なことを理解されたい。現在、使用および開発中の標準13.5nmEUV波長を伴うEUVに加えて、そのようなリソグラフィに最も関連のある放射源はDUV(深紫外線)であり、一般に248nmまたは193nmのエキシマレーザ源、X線(正式には、低エネルギ範囲のX線のEUVを含む)、および電子ビーム(広いエネルギ範囲を含みうる)の使用を意味する。特定の方法は、半導体基板および最終半導電性デバイスにおいて用いられる特定の材料および適用に依存してよい。よって本願に記載の方法は、本技術で用いられうる方法および材料の例にすぎない。
【0021】
フォトリソグラフィプロセスは通常、フォトレジストの露光領域と非露光領域との化学的コントラストを作り出すのに必要な化学反応を促進するための1つ以上のベーキング工程を含む。そのようなベーキング工程は通常、大量生産(HVM)のために飛跡に基づいて実施され、ウエハは雰囲気下、またはいくつかの場合ではN2流下において、所定温度のホットプレート上でベーキングされる。これらのベーキング工程中に、ベーキング雰囲気だけでなく、雰囲気への追加の反応ガス成分の導入をより徹底して制御することで、さらにドーズ要件を低減、および/または、パターン忠実性を向上するのに役立つことができる。
【0022】
本開示は、ベーキング雰囲気および反応ガス導入の徹底した制御、ならびに、場合によってはベーキング温度の昇温速度の徹底した制御を含む、新しいベーキング方法について説明する。かかる方法は、金属酸化物系EUVフォトレジスト(PR)に対して特に有効でありうる。有効な反応ガスの例は、水、水素、酸素、オゾン、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、亜酸化窒素、一酸化窒素、メチルアミン、ジメチルアミン、アルコール、アセチルアセトン、蟻酸、塩化オキサリル、カルボン酸、他のアミン類、これらの材料の置換体などを含む。反応ガスは気相で提供され、反応チャンバへの供給前に気化されてよい。様々な例示的なガスは、以下にさらに説明される。
【0023】
本開示は、動作の特定の論理または機構に限定されないが、これらの反応ガス分子が、非露光領域における架橋に限定的な影響を与えながら、酸化、配位、または酸塩基化学物質によってEUV露光領域(この例では、パターン膜の現像に続くマスク形成のために残る領域)において金属酸化物系EUVフォトレジストの架橋反応を加速させる可能性があることが理解される。あるいは、または加えて、場合によって反応ガス分子は、金属酸化物系EUVフォトレジストから揮発性種の除去を促進することで、さらにレジストの安定性を高めるかもしれない。
【0024】
図1は、様々な実施形態によるフローチャートを示す。動作101において、レジストは基板上に堆積される。レジストが堆積された基板は通常、レジストがパターニング/現像された後に最終的にはエッチングされる下地材料を含む。様々な実施形態では、レジストが堆積された基板は、非晶質カーボン、スピンオンカーボン(SoC)、スピンオングラス(SoG)、酸化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、シリコンオキシカーバイドなどの露光層を有してよい。多くの場合、露光層はアッシング可能ハードマスク(AHM)である。動作101で堆積されたレジストは、金属酸化物系EUVフォトレジストである。この堆積は、ウェットスピンオン技術、または、化学蒸着(CVD)および/もしくは原子層堆積(ALD)などのドライ蒸気ベースの技術によって生じてよく、それらの技術は、熱エネルギ、プラズマエネルギ、またはその両方によって動作されてよい。次に、動作103において基板は、塗布後ベーク(PAB)と呼ばれることが多い第1のベーキング工程において熱に曝される。動作105において、基板はレジストをパターニングするためにEUV線に露光されることで、レジストの露光領域および非露光領域が形成される。次に、動作107において基板は、露光後ベーク(PEB)と呼ばれることが多い第2のベーキング工程において熱に曝される。次に、動作109においてレジストは、非露光領域を選択的に除去するために現像される。本明細書の様々な実施形態では、基板が曝される大気は、動作103のPABの間および/または動作107のPEBの間に制御されてよい。例えば基板は、これらの工程の間に1つ以上の反応ガスに曝されてよい。各ベーキング工程については、以下でさらに説明される。
1.塗布後ベーク(PAB)
【0025】
塗布後ベークは、レジストが基板上に堆積された後であって、レジストがパターニングのためにEUV線に露光される前に実施される。図1の動作103を参照されたい。PABは、余剰溶剤(例えば、レジストがスピンオン法で堆積された場合)を除去し、他の低分子量種または揮発性種を除去し、レジストにおける所望の架橋度を促進するために実施されてよい。これらの特徴は、レジストの安定性を高めるように作用する。例えば、レジスト内の非結合または緩く結合しているだけの低分子量種または揮発性種を除去することにより、金属含有分子のガス放出は、許容可能な量(例えば、<1E10分子/(cm2×月))に低減できる。これらの材料は、除去されなければ下流のプロセス、装置、および基板を汚染する可能性があるため、これらを除去することは利点である。PABの間に実現した架橋もレジストの安定性を高めるが、多すぎる架橋はライン幅ラフネスの増加をもたらす可能性がある。そのため架橋は、PABの間は所望の程度に制御されてよい。
【0026】
本明細書の様々な実施形態において、基板はPABの間に反応ガスに曝されてよい。反応ガスは、低分子量種または揮発性種の除去を促進してよい。様々な実施形態において、PABの間に除去される低分子量種は、ゼロの金属原子、1つの金属原子、または2つの金属原子を有してよい。いくつかの場合では、除去される低分子量種は、二金属種を含んでよい。3つ以上の金属原子を有する分子は通常、比較的重い分子量を有し、比較的揮発性が低く、PABの間に実質的にレジストに残るかもしれない。反応ガスは、低分子量種の除去に加えて、レジスト内の所望架橋度を促進してよい。これらの特徴の結果、PAB中の反応ガスの使用は、レジストを安定させるのに役立ってよい。
【0027】
以下に、例示的な処理装置および反応ガスが提供される。様々な実施形態において基板は、PABの間にこれらの反応ガスの1つ以上に曝されてよい。特定の例において基板は、PABの間、不活性ガスと共に、制御された量の酸素および/または水分(例えば、水蒸気)を有する処理雰囲気に曝されてよい。いくつかの実施形態において、処理雰囲気の成分が所望範囲内に制御されていることを確実にするために、適したガスセンサおよびフィードバック機構が用いられてよい。
【0028】
様々な実施形態において、PABの間に1つ以上の処理条件が次のように制御されてよい。基板は、約100~170℃(例えば、いくつかの場合では約100~130℃)の高温に加熱されてよい。圧力は、約0.1~760Torr(例えば、いくつかの場合では約0.1~1Torr)に維持されてよい。基板は、約1~10分間(例えば、約2~5分間)高温に曝されてよい。不活性ガスは、約10~10,000sccmの速度で処理チャンバに流されてよい。特定の例では、処理チャンバ内の酸素(例えば、O2)濃度は、PAB中に制御されてよい。これらの実施形態または他の実施形態において、水分(例えば、H2O蒸気)濃度は、PAB中に制御されてよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、PABは省略されてよい。例えば、レジストがウェットスピンオン技術ではなくドライ蒸気ベースの技術で堆積された場合には、レジストを堆積するために用いられる余剰溶剤を除去する必要がないため、PABは必要でなくてよい。しかし、レジストがドライ蒸気ベースの技術で堆積された場合であっても、所望の架橋度を促進し、ウェットスピンオン技術よりもドライ蒸気ベースの堆積技術による方が大きな懸念となりうる低分子量種または非揮発性種を除去するためにPABを実施することは利点となりうる。いくつかの実施形態において、PABは従来型のPABであってよい。つまりPABは、基板を反応ガス種に曝すことなく、および/または、制御されていない雰囲気において生じてよい。そのような実施形態では、基板は、以下でさらに説明される曝露後ベークの間に反応ガス種に曝されてよい。
2.曝露後ベーク(PEB)
【0030】
曝露後ベークは、レジストがパターニングのためにEUV線に露光された後であって、レジストがその非露光部分を除去するために現像される前に実施される。図1の動作107を参照されたい。PEBは、例えば、1)EUV露光の間に生成された有機フラグメントの完全蒸発を促すこと、2)金属水素化物種(EUV露光中のベータH除去反応からの他の生成物)を金属水酸化物に酸化すること、および、3)隣り合う-OH基間の架橋を促進し、架橋金属酸化物ネットワークを形成すること、といういくつかの目的のために実施されてよい。
【0031】
ベーキング温度は、最適なEUVリソグラフィ性能を実現するために厳選される。PEB温度が低すぎると、有機フラグメントの除去が不完全になるだけでなく架橋が不十分になり、結果的に、所定量での現像のための化学的コントラストが不十分になるだろう。PEB温度が高すぎても、非露光領域(この例では、マスク形成のためにパターン膜の現像によって除去される領域)における深刻な酸化および膜収縮、ならびに、PRと下地層(UL)(通常、スピンオンカーボン材料)との間の界面における望ましくない相互拡散を含む悪影響をもたらし、いずれも化学的コントラストの減少、および、不溶性のくずによる欠陥密度の増加を招くだろう。ベーキング温度およびベーキング時間を唯一のノブとして有すれば、調整可能性およびプロセスウィンドウは極めて限定されることが多い。
【0032】
本明細書に記載のように、PEBプロセス中にベーキング雰囲気および反応ガス種の導入を徹底して制御することは、架橋プロセスを微調整するために追加の化学物質のノブを提供する。例えば露光領域は、アルキル基の喪失および水素化物/水酸化物成分の形成により非露光領域よりも極性が強い傾向にあるため、ベーキング工程中に存在するH22などの極性および酸化性の分子を有することで、露光領域における金属水素化物の酸化を促進できる。以下の反応ガス欄で説明されるような他のガスも同様に、酸化、酸塩基化学物質、配位化学物質、およびこれらの組み合わせによって、水素化物の酸化ならびに水酸化物架橋反応の速度を変化させてよい。反応ガスは、例えば以下のベーキング装置欄で説明される装置のいずれかを用いて、制御された雰囲気において提供されてよい。反応ガスは、N2、Ar、He、Ne、Kr、Xeなどの非反応性ガスと共に提供されてよい。いくつかの場合では、PEBの間に空気またはクリーンドライエアが雰囲気に提供されてよい。
【0033】
金属酸化物系EUVフォトレジスト材料における架橋反応の速度を調整する能力は、相互拡散および他の関連する欠陥形成機構を最小限にすることにより、リソグラフィ性能のさらなる最適化を可能にする、より広いプロセスウィンドウを提供する。例えば、反応ガスがベーキング温度要件を効率的に下げることができる場合、PR/UL界面における相互拡散の懸念は緩和されることができ、欠陥低減に有益だろう。
【0034】
特定の実施形態において、PEBの間に1つ以上の処理条件は次のように制御されてよい。基板は、約100~250℃(例えば、いくつかの場合では約120~200℃)の高温に加熱されてよい。圧力は、約0.1~760Torr(例えば、いくつかの場合では約0.1~1Torr)に維持されてよい。基板は、約1~10分間(例えば、約2~5分間)高温に曝されてよい。不活性ガスは、約10~10,000sccmの速度で処理チャンバに流されてよい。特定の例では、処理チャンバ内の酸素(例えば、O2)濃度は、PEBの間に制御されてよい。これらの実施形態または他の実施形態において、水分(例えば、H2O蒸気)濃度は、PEBの間に制御されてよい。
【0035】
特定の実施形態において、基板はPEB中にアンモニアに曝されてよい。いくつかの場合では、アンモニアはPEB中に存在する唯一の反応ガスであってよく、他の場合では、アンモニアと共に1つ以上の追加の反応ガスが提供されてよい。いくつかの実施形態において、アンモニアは約0.001~5.0(容量)%の濃度で提供されてよく、いくつかの場合では、大気圧で、または約1~100mTorrの分圧で、処理チャンバが真空下の場合は約1~10mTorrの分圧で、約0.001~0.5(容量)%の濃度で提供されてよい。PEBの継続期間(および/または、PEB中のアンモニアへの基板曝露期間)は、約5秒から約10分であってよく、場合によっては約5秒から1分であってよい。基板がアンモニアに曝された後に、処理チャンバは不活性ガスによってパージされてよい。様々な実施形態において、不活性ガスのパージ期間は、基板がアンモニアに曝される期間と同じ長さであってよい、またはそれよりも長くてよい。これらの工程は、M-OH凝縮/架橋のアルカリ触媒反応を促進して、比較的高い分子量の低揮発性種を形成させ、上記のようにより安定したフォトレジスト膜をもたらしてよい。これらの工程は、EUV線(または、他の種類のリソグラフィパターニング放射線)に露光された膜領域を硬化し、高密度化してもよく、同じ膜特性を実現するのに必要なベーキング温度よりも低いベーキング温度でこれらの効果を可能にしてよい。いくつかの実施形態において、これらの同じ反応条件がPAB中に用いられてよい。いくつかの場合において、これらの同じ反応条件は、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどの他の揮発性アミン類を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の代替反応ガスまたは追加反応ガスを用いて、PABおよび/またはPEB中に用いられてよい。
【0036】
いくつかの実施形態において、PEBは従来型のPEBであってよい。つまりPEBは、基板に反応ガスを提供することなく、および/または、制御されていない雰囲気において実施されてよい。そのような場合には、PABの間に1つ以上の反応ガスが基板に提供されてよい。
3.反応ガス
【0037】
本明細書の様々な実施形態において、基板は、フォトレジストベーキング動作中に1つ以上の反応ガスに曝されてよい。反応ガスは上記のように、所望の架橋度を促進し、低分子量種または揮発性種の除去を促進し、および/または、フォトレジストを安定させてよい。
【0038】
いくつかの異なる反応ガスが用いられてよい。有効な反応ガスの例は、水(H2O)、水素(H2)、酸素(O2)、オゾン(O3)、過酸化水素(H22)、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2)、アンモニア(NH3)、亜酸化窒素(N2O)、一酸化窒素(NO)、メチルアミン(CH3NH2)、ジメチルアミン((CH32NH)、トリメチルアミン(N(CH33)、エチルアミン(CH3CH2NH2)、ジエチルアミン((CH3CH22NH)、トリエチルアミン(N(CH2CH33)、アルコール(Cn2n+1OH(メタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノールを含むがこれらに限定されない))、アセチルアセトン(CH3COCH2COCH3)、蟻酸(HCOOH)、塩化オキサリル((COCl)2)、カルボン酸(Cn2n+1COOH)、および他の小分子アミン類(NR123(R1、R2、R3は各々、水素、ヒドロキシル、脂肪族、ハロ脂肪族、ハロヘテロ脂肪族、ヘテロ脂肪族、芳香族、脂肪族芳香族、ヘテロ脂肪族芳香族、またはこれらの組み合わせから独立して選択される))などを含む。これらの反応ガスの置換体が用いられてもよい。いくつかの場合では、基板はフォトレジストベーキング動作中に、2つ以上の反応ガスに曝されてよい。
【0039】
反応ガスは、酸化、配位、または酸塩基化学物質によってフォトレジストと相互作用してよい。反応ガスがPEB動作中に供給される場合には、反応ガスは、EUV線に露光された領域においてフォトレジストと優先的に相互作用してよい。この優先的相互作用は、EUV露光中に起こる化学変化(例えば、フォトレジストにおけるアルキル基の喪失)により生じてよい。
【0040】
PABおよび/またはPEB中の反応ガスへの基板の曝露に続いて、基板が処理されるチャンバは、例えば不活性ガスによって排気および/またはパージされてよい。いくつかの場合では、不活性ガスのパージ期間は、基板が反応ガスに曝される期間と少なくとも同じ長さであってよい。
4.温度勾配
【0041】
いくつかの実施形態において、基板温度が変化する速度は、ベーキング工程中に制御されてよい。いくつかの場合では、急速加熱および急速冷却は問題となりうる。基板温度が上下する速度を制御することにより、急速加熱および急速冷却に関する問題は避けられる。さらに、ベーキング温度が上昇および/または低下する速度は、レジストにおける架橋反応を微調整するために制御されてよい。
5.ベーキング装置
【0042】
本明細書に記載のベーキング動作は、様々な異なる種類の処理装置で生じてよい。いくつかの場合では、処理装置は、周囲環境から密閉された密閉チャンバを有してよい。他の場合には、処理装置は、周囲から密閉されていない開放チャンバを有してよい。開放チャンバが用いられる特定の場合には、基板は、連続的または非連続的に動作できる飛跡に基づいて処理されてよい。一般に密閉チャンバは、処理雰囲気に対してより優れた制御を提供し、潜在的に有害な反応性化学物質に対してさらなる安全を提供する。しかし、例えば大量生産で無害化学物質が用いられる場合には、開放チャンバが好まれるかもしれない。
【0043】
このチャンバは、所望の処理雰囲気を提供するための1つ以上の入口を備えてよい。所望の処理雰囲気は、上記のような1つ以上の反応ガスを含んでよい。そのため入口は、反応ガス源と流体接続されてよい。反応ガスは、反応ガス源からガス供給ラインを通り、入口を通ってチャンバ内に流れてよい。反応ガスが適切な温度の液体である場合は、液体として貯留され、ガス供給ライン/入口/チャンバへの供給前に気化されてよい。また、特定の実施形態では、空気および/または不活性ガス(例えば、N2、Ar、He、Ne、Kr、Xeなど)が処理雰囲気に提供されてよい。これらも同様に、ガス源からガス供給ラインを通り、入口を通ってチャンバ内に流れてよい。場合によっては、処理雰囲気は空気を含まなくてよい。
【0044】
チャンバは、チャンバから材料を除去するための1つ以上の出口も備えてよい。出口は、チャンバからのガス種の能動的除去を可能にするために真空源と流体接続されてよい。真空接続出口は、密閉チャンバおよび開放チャンバの両方で用いられてよい。密閉チャンバで用いられるときは、真空接続出口は準大気圧での処理が可能であってよい。処理チャンバが周囲から密閉されていない開放チャンバである場合には、出口は、ガスがチャンバから受動的に抜けることができる経路であってよい。
【0045】
上記のように、特定の実施形態において、チャンバ内の雰囲気はベーキング工程中に制御されてよい。いくつかの場合では、反応ガス(例えば、酸素および/または水および/または本明細書に記載の他の反応ガス)の濃度は、ベーキング工程中に能動的に制御されてよい。上記の入口および出口に加えて、チャンバはさらに、その雰囲気の成分を監視するためにセンサ(例えば、残留ガス分析計、フーリエ変換赤外分光センサなど)を備えてよい。これらのセンサは、ベーキング雰囲気の成分を能動的に制御するためのフィードバックを提供するために用いられてよい。
【0046】
フォトレジストをベーキングするために、チャンバは、基板を加熱するように構成された1つ以上の加熱素子を備える。加熱素子は、上方および/または下方から基板を加熱してよい。加熱素子は、基板の表側(例えば、半導体デバイス/構造が形成されている場所)および/または基板の裏側を加熱してよい。様々な異なる種類の加熱素子が、単体または互いに組み合わせて用いられてよい。加熱素子の例は、加熱基板支持体(例えば、台座、チャックなど)、ならびに、赤外線ランプおよび/または紫外線ランプなどの放射源を含んでよい。
【0047】
いくつかの実施形態において、チャンバは基板を冷却するように構成された1つ以上の冷却素子を備えてよい。例えば、基板支持体は基板を冷却するように構成されてよい。一実施形態では、基板支持体は、熱交換流体が流れることで基板を冷却する冷却流路を備えてよい。特定の適用のために、必要に応じて他の熱交換機器が用いられてよい。冷却素子は、ベーキング動作後に基板が冷却する速度を制御するのに特に有効であってよい。
【0048】
チャンバは、ベーキング動作中に基板および/または基板支持体の温度を監視するための温度センサも備えてよい。一例においてチャンバは、ベーキング中に基板表面の温度を測定するための高温計を備える。高温計または他の温度センサからの温度測定値は、ベーキング中に基板温度を能動的に制御するためにフィードバックとして用いられてよい。
【0049】
図2は、一実施形態による処理チャンバ200の簡略図を表す。この例では、処理チャンバ200は、制御可能な雰囲気を有する密閉チャンバである。基板201は、基板を加熱および/または冷却もできる基板支持体202の上に設置されてよい。場合によっては、代替または追加の加熱素子および冷却素子が提供されてよい。処理ガスは、入口203を通って処理チャンバ200に入る。材料は、真空源(図示せず)に接続されうる出口204を通じて処理チャンバ200から除去される。処理チャンバ200の動作は、以下でさらに説明されるコントローラ206によって制御されてよい。さらに、例えば処理チャンバ200の雰囲気の温度および/または成分を監視するために、センサ205が提供されてよい。センサ205からの値は、アクティブフィードバックループにおいてコントローラ206によって用いられてよい。
【0050】
ベーキングが行われるチャンバは、いくつかの形で構成されてよい。いくつかの実施形態において、このチャンバは、フォトレジストを堆積するのに用いられるチャンバと同じ、および/または、フォトレジストをEUV線に露光するのに用いられるチャンバと同じ、および/または、フォトレジストを現像するのに用いられるチャンバと同じである。いくつかの実施形態において、このチャンバは、堆積、エッチング、EUV露光、またはフォトレジスト現像などの他のプロセスには用いられない専用ベーキングチャンバである。このチャンバは、独立型チャンバであってよい、または、フォトレジストを堆積するのに用いられる堆積ツール、フォトレジストをEUV線に露光するのに用いられるEUV露光ツール、および/もしくは、フォトレジストを現像するのに用いられる現像ツールなどの、より大型の処理ツールと一体化されてよい。ベーキングに用いられるチャンバは、特定用途のために必要に応じてこれらのツールの1つ以上と組み合わされてよい。
【0051】
このチャンバは、コントローラを備えてもよい。いくつかの実施形態において、制御装置は、上記の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と統合されてよい。これらの電子機器は「コントローラ」と呼ばれてよく、システムの様々な構成部品または副部品を制御してよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、特定のシステムに接続もしくは結合されたツールおよび他の搬送ツール、ならびに/またはロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示のあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0052】
概して、コントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、ロジック、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を格納するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形式でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0053】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、またはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または実施の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更し、現行の処理に続く処理工程を設定し、または、新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータの形で命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが結合するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって上記のように、コントローラは、例えば互いにネットワーク接続される1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、または、リモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバのプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0054】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、ALDチャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0055】
上記のように、コントローラは、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
結論
【0056】
金属含有EUVレジストのEUVリソグラフィ性能を向上させるベーキング方法が開示されている。
【0057】
本明細書に記載の例および実施形態は例示目的のためであり、その観点からの様々な修正または変更は当業者に示唆されることが理解される。分かりやすくするために様々な詳細は省略されたが、様々な構想的変更が実施されてよい。よって本例は、制限的ではなく例示的とみなされるべきであり、本開示は本明細書に記載の詳細に限定されるべきではないが、本開示の範囲内で変更されてよい。
[適用例1]基板上のフォトレジスト層をベーキングする方法であって、
処理チャンバに前記基板を受け入れ、前記基板は、その上に前記フォトレジスト層を備え、前記フォトレジスト層は、金属含有フォトレジスト材料を含み、
ガス源からガス供給ラインを通じて前記処理チャンバに反応ガス種を流し、前記処理チャンバ内で前記基板を前記反応ガス種に曝し、
前記基板が前記反応ガス種に曝されている間に前記フォトレジスト層をベーキングすること、
を備える、方法。
[適用例2]適用例1に記載の方法であって、
前記フォトレジスト層は、極端紫外線(EUV)フォトレジスト材料を含む、方法。
[適用例3]適用例2に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、水、水素、酸素、オゾン、過酸化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、亜酸化窒素、一酸化窒素、アルコール、アセチルアセトン、蟻酸、塩化オキサリル、ピリジン、カルボン酸、アミン、およびこれらの組み合わせからなる群より選択されるガスを含む、方法。
[適用例4]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記水を含む、方法。
[適用例5]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記水素を含む、方法。
[適用例6]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記酸素を含む、方法。
[適用例7]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記オゾンを含む、方法。
[適用例8]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記過酸化水素を含む、方法。
[適用例9]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記一酸化炭素を含む、方法。
[適用例10]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記二酸化炭素を含む、方法。
[適用例11]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記アンモニアを含む、方法。
[適用例12]適用例11に記載の方法であって、
前記フォトレジストをベーキングすることは、前記フォトレジストをパターニングするために前記フォトレジストがEUV線に露光された後に生じ、以下のいずれかの条件が満たされる、
(i)前記処理チャンバは、前記フォトレジストをベーキングする間は大気圧に維持され、前記アンモニアは、約0.001~5(容量)%の濃度で提供される、および、
(ii)前記処理チャンバは、前記フォトレジストをベーキングする間は準大気圧に維持され、前記アンモニアは、約1~100mTorrの分圧で提供される、方法。
[適用例13]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記亜酸化窒素および/または前記一酸化窒素を含む、方法。
[適用例14]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記アルコールを含む、方法。
[適用例15]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記アセチルアセトンを含む、方法。
[適用例16]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記蟻酸を含む、方法。
[適用例17]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記塩化オキサリルを含む、方法。
[適用例18]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記カルボン酸を含む、方法。
[適用例19]適用例3に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、前記アミンを含む、方法。
[適用例20]適用例19に記載の方法であって、
前記アミンは、メチルアミン、ジメチルアミン、および/または、トリメチルアミンを含む、方法。
[適用例21]適用例19に記載の方法であって、
前記アミンは、エチルアミン、ジエチルアミン、および/または、トリエチルアミンを含む、方法。
[適用例22]適用例2~21のいずれかに記載の方法であって、
前記反応ガス種は、酸化性を有する、方法。
[適用例23]適用例2~22のいずれかに記載の方法であって、
前記反応ガス種は、極性を有する、方法。
[適用例24]適用例2~23のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層における架橋を促進する、方法。
[適用例25]適用例2~24のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層の安定性を高める、方法。
[適用例26]適用例2~25のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層内の低分子量種の除去を促進する、方法。
[適用例27]適用例26に記載の方法であって、
前記低分子量種は、分子あたりゼロ、1つ、または2つの金属原子を備える、方法。
[適用例28]適用例2~27のいずれかに記載の方法であって、
前記基板を前記反応ガス種に曝すことは、前記フォトレジスト層の金属水素化物種を金属水酸化物種に酸化させる、方法。
[適用例29]適用例2~28のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間に前記処理チャンバに真空を印加することを含む、方法。
[適用例30]適用例2~29のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記処理チャンバ内の水分濃度が目標の水分濃度の範囲内に留まるように制御することを含む、方法。
[適用例31]適用例2~30のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記処理チャンバ内の酸素濃度が目標の酸素濃度の範囲内に留まるように制御することを含む、方法。
[適用例32]適用例2~31のいずれかに記載の方法であって、
前記処理チャンバは、前記フォトレジスト層をベーキングする間、大気圧以下に維持される、方法。
[適用例33]適用例32に記載の方法であって、
前記処理チャンバは、前記フォトレジスト層をベーキングする間、大気圧未満に維持される、方法。
[適用例34]適用例2~33のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記基板が設置された基板支持体の温度を上昇させることを含む、方法。
[適用例35]適用例2~34のいずれかに記載の方法であって、さらに、
前記フォトレジスト層をベーキングする間、前記基板が設置された基板支持体の温度を低下させることを含む、方法。
[適用例36]適用例2~35のいずれかに記載の方法であって、さらに、
目標架橋度を実現するために、前記処理チャンバへの前記反応種の流れを制御することを含む、方法。
[適用例37]適用例2~36のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板をホットプレート上で加熱することを備える、方法。
[適用例38]適用例2~37のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板を赤外線および/または紫外線に露光することを備える、方法。
[適用例39]適用例2~38のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板を上方から加熱することを備える、方法。
[適用例40]適用例2~39のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層をベーキングすることは、前記基板を下方から加熱することを備える、方法。
[適用例41]適用例2~40のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層は前記基板に塗布されてもまだパターニングされず、前記ベーキングすることは塗布後ベーク(PAB)である、方法。
[適用例42]適用例2~41のいずれかに記載の方法であって、
前記フォトレジスト層は、前記基板に塗布され、EUV線への部分露光によってパターニングされた結果、前記フォトレジスト層の露光部分および非露光部分が生じ、前記ベーキングすることは、露光後ベーク(PEB)である、方法。
[適用例43]適用例42に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、極性および酸化性の分子を含む、方法。
[適用例44]適用例43に記載の方法であって、
前記反応ガス種は、過酸化水素を含む、方法。
[適用例45]基板上のフォトレジスト層をベーキングするための装置であって、
処理チャンバと、
前記処理チャンバに反応ガス種を導入するための入口と、
前記処理チャンバから材料を除去するための出口と、
前記処理チャンバ内の基板支持体と、
伝導、対流、および/または、放射によって前記基板を加熱するように構成されているヒータと、
少なくとも1つのプロセッサを有するコントローラと、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1~44の方法のいずれかを前記装置に行わせるよう制御するように構成されていること、
を備える、装置。
図1
図2