(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241119BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20241119BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20241119BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 350
H04N1/00 127B
B41J29/38 203
G06F21/31
(21)【出願番号】P 2023130575
(22)【出願日】2023-08-10
(62)【分割の表示】P 2019138222の分割
【原出願日】2019-07-26
【審査請求日】2023-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松本 弘一
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-057073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G06F 21/30-21/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作パネルを有する情報処理装置であって、
前記操作パネルを介した宛先情報の
入力を受け付ける第1の受付手段と、
認証を解除するための解除情報を生成する生成手段と、
前記生成手段で生成した前記解除情報を、前記第1の受付手段で受け付けた前記宛先情報により示される宛先に送信する解除情報送信手段と、
前記宛先情報に送信する前記解除情報と、前記情報処理装置の機能を利用した利用回数と、を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記認証を解除させる解除情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付手段と、
前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報ではない場合、前記認証を解除しないように管理する管理手段と、
を有し、
前記管理手段は、前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報である場合、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達しているか否かを判断し、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達していない場合、前記認証を解除する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記管理手段は、前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報であり、且つ前記解除情報に対応付けて記憶されている前記利用回数が上限に達している場合、前記認証を解除しない
請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報であり、且つ前記解除情報に対応付けて記憶されている前記利用回数が上限に達している場合、前記利用回数が上限に達している旨を表示部に表示する表示制御部、
を更に有する請求項2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザによる前記機能の利用が終了したことを検知した場合に、前記機能を選択するメニュー画面を表示させる表示制御部、
を更に有する請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記管理手段は、前記ユーザによる前記機能の利用が終了したことを検知した場合に、前記認証を設定するように管理すること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、対応付けられた、前記宛先情報に送信した前記解除情報と、前記情報処理装置の機能の利用回数と、を所定期間の間記憶する
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記情報処理装置の機能の利用回数は、前記情報処理装置のコピー機能で使用したコピー枚数である
ことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
操作パネルを有する情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
前記操作パネルを介した宛先情報の
入力を受け付ける第1の受付ステップと、
認証を解除するための解除情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップで生成した前記解除情報を、前記第1の受付ステップで受け付けた前記宛先情報により示される宛先に送信する解除情報送信ステップと、
前記宛先情報に送信する前記解除情報と、前記情報処理装置の機能を利用した利用回数と、を対応付けて記憶する記憶ステップと、
前記認証を解除させる解除情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付ステップと、
前記第2の受付ステップにより受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信ステップにより送信された前記解除情報ではない場合、前記認証を解除しないように管理する管理ステップと、
を有し、
前記管理ステップは、前記第2の受付ステップにより受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信ステップにより送信された前記解除情報である場合、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達しているか否かを判断し、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達していない場合、前記認証を解除する、
情報処理方法。
【請求項9】
操作パネルを有する情報処理装置を、
前記操作パネルを介した宛先情報の
入力を受け付ける第1の受付手段、
認証を解除するための解除情報を生成する生成手段、
前記生成手段で生成した前記解除情報を、前記第1の受付手段で受け付けた前記宛先情報により示される宛先に送信する解除情報送信手段、
前記宛先情報に送信する前記解除情報と、前記情報処理装置の機能を利用した利用回数と、を対応付けて記憶する記憶手段、
前記認証を解除させる解除情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付手段、
前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報ではない場合、前記認証を解除しないように管理する管理手段、
として機能させ、
前記管理手段は、前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報である場合、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達しているか否かを判断し、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達していない場合、前記認証を解除する、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の印刷装置によりユーザがセキュリティの高いデータを印刷する際、ユーザがその印刷装置の設置場所に行き、その印刷装置で認証操作を行って初めて印刷を開始できるようにしたセキュリティプリント機能が知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
例えば地方自治体などにおいて職員が業務で利用する複合機は、セキュリティ性を確保するため、コピー機能などの利用に認証操作が必要な場合がある。職員は認証操作後に複合機の各種機能を利用可能となる。
【0004】
ところで、地方自治体などでは、住民サービスの一環としてコピーサービスを提供したい場合がある。しかしながら、認証操作が不要な住民サービス専用の複合機を用意することは費用の面から困難な場合があった。一方、職員が業務で利用する複合機を住民サービス用の複合機として流用する場合は、コピーサービスを利用する住民が認証操作を行うために必要なICカード等を用意しておき、そのICカード等の貸出などを行わなければならなかった。
【0005】
本発明の一実施形態は、認証を解除して機能を利用させることが可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を達成するため、本発明の一実施形態は、操作パネルを有する情報処理装置であって、前記操作パネルを介した宛先情報の入力を受け付ける第1の受付手段と、認証を解除するための解除情報を生成する生成手段と、前記生成手段で生成した前記解除情報を、前記第1の受付手段で受け付けた前記宛先情報により示される宛先に送信する解除情報送信手段と、前記宛先情報に送信する前記解除情報と、前記情報処理装置の機能を利用した利用回数と、を対応付けて記憶する記憶手段と、前記認証を解除させる解除情報の入力をユーザから受け付ける第2の受付手段と、前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報ではない場合、前記認証を解除しないように管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、前記第2の受付手段により受け付けた前記解除情報が、前記解除情報送信手段により送信された前記解除情報である場合、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達しているか否かを判断し、前記解除情報に対応付けられている前記利用回数が上限に達していない場合、前記認証を解除する、情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、認証を解除して機能を利用させることが可能な情報処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るスマートフォンの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る複合機の一例のハードウェア構成図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
【
図7】本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
【
図8】本実施形態に係る情報処理システムの一例の画面遷移図である。
【
図9】エラー系のメッセージが表示された一例の画面イメージ図である。
【
図10】コピー機能の認証を解除する処理の一例のイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態では、地方自治体の職員が業務に利用している複合機を、住民に利用させる例を説明するが、地方自治体、職員、及び住民に限定するものではない。例えば店舗の店員が業務に利用している複合機を、顧客に利用させる実施形態であってもよい。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1の情報処理システム1は、携帯端末10、複合機12、及びネットワーク14を含む。ネットワーク14はデータ通信可能な携帯電話網、LAN(Local Area Network)やインターネットなどである。
【0011】
複合機12はMFP(Multifunction Peripheral)とも呼ばれ、画像形成装置の一例である。また、画像形成装置はユーザに機能を提供する情報処理装置の一例である。このように複合機12はユーザに機能を提供する情報処理装置の一例である。ユーザに機能を提供する情報処理装置は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0012】
複合機12は職員が業務に利用しており、セキュリティ性を確保するため、コピーなどの機能の利用に、ICカードによる認証や、操作パネルへのID及びパスワードの入力による認証など、の認証操作が必要となっている。複合機12は認証操作が正常に終了した後で職員にコピー機能などの各種機能を提供する。
【0013】
携帯端末10は例えば地方自治体の役所に訪れた住民が操作する端末であって、携帯番号やメールアドレスなどの住民と対応する宛先情報に基づき、複合機12から後述の解除コードを受信して表示や出力が可能なPC、タブレット端末、又はスマートフォンなどである。住民は携帯端末10が受信した解除コードを後述のように使用することで、複合機12のコピー機能を利用できるようになる。この際、複合機12は職員がコピー機能などの機能を利用するための認証操作を課すことなく、住人にコピー機能を提供する。
【0014】
なお、
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば複合機12の機能の少なくとも一部は、他の情報処理装置で実現する構成であってもよい。さらに、複合機12の機能の少なくとも一部は、携帯端末10に備える構成であってもよい。
【0015】
<ハードウェア構成>
《スマートフォン》
図1の携帯端末10は、例えば
図2に示すハードウェア構成のスマートフォン400により実現される。
図2は、スマートフォン400の一例のハードウェア構成図である。
図2に示されているように、スマートフォン400は、CPU401、ROM402、RAM403、EEPROM404、CMOSセンサ405、撮像素子I/F406、加速度・方位センサ407、メディアI/F409、GPS受信部411を備えている。
【0016】
これらのうち、CPU401は、スマートフォン400全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401やIPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。EEPROM404は、CPU401の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。
【0017】
CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ405は、CPU401の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F406は、CMOSセンサ405の駆動を制御する回路である。
【0018】
加速度・方位センサ407は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F409は、フラッシュメモリ等の記録メディア408に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部411は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0019】
また、スマートフォン400は、遠距離通信回路412、CMOSセンサ413、撮像素子I/F414、マイク415、スピーカ416、音入出力I/F417、ディスプレイ418、外部機器接続I/F(Interface)419、近距離通信回路420、近距離通信回路420のアンテナ420a、及びタッチパネル421を備えている。
【0020】
これらのうち、遠距離通信回路412は、ネットワーク14を介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ413は、CPU401の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F414は、CMOSセンサ413の駆動を制御する回路である。マイク415は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ416は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F417は、CPU401の制御に従ってマイク415及びスピーカ416との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ418は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。
【0021】
外部機器接続I/F419は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路420は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル421は、住民などの利用者がディスプレイ418を押下することで、スマートフォン400を操作する入力手段の一種である。また、スマートフォン400は、バスライン410を備えている。バスライン410は、
図2に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0022】
《複合機》
情報処理システム1に含まれる複合機12のハードウェア構成は例えば
図3に示すようになる。
図3は本実施形態に係る複合機12の一例のハードウェア構成図である。
図3に示されているように、複合機12は、コントローラ910、近距離通信回路920、エンジン制御部930、操作パネル940、ネットワークI/F950を備えている。
【0023】
これらのうち、コントローラ910は、コンピュータの主要部であるCPU901、システムメモリ(MEM-P)902、ノースブリッジ(NB)903、サウスブリッジ(SB)904、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)906、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)907、HDDコントローラ908、及び、記憶部であるHD909を有し、NB903とASIC906との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス921で接続した構成となっている。
【0024】
これらのうち、CPU901は、複合機12の全体制御を行う制御部である。NB903は、CPU901と、MEM-P902、SB904、及びAGPバス921とを接続するためのブリッジであり、MEM-P902に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0025】
MEM-P902は、コントローラ910の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM902a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM902bとからなる。なお、RAM902bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0026】
SB904は、NB903とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC906は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス921、PCIバス922、HDD908およびMEM-C907をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
【0027】
このASIC906は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C907を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部931及びプリンタ部932との間でPCIバス922を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC906には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0028】
MEM-C907は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD909は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD909は、CPU901の制御にしたがってHD909に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス921は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P902に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。また、近距離通信回路920には、近距離通信回路920aが備わっている。近距離通信回路920は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0029】
更に、エンジン制御部930は、スキャナ部931及びプリンタ部932によって構成されている。また、操作パネル940は、設定画面や選択画面、コピー開始指示等を受け付けるスタートキー等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部940a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー等からなる操作パネル940bを備えている。コントローラ910は、複合機12全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル940からの入力等を制御する。スキャナ部931又はプリンタ部932には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0030】
なお、複合機12は、操作パネル940のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0031】
また、ネットワークI/F950は、ネットワーク14を利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路920及びネットワークI/F950は、PCIバス922を介して、ASIC906に電気的に接続されている。
【0032】
なお、複合機12はICカードによる認証を利用する場合、ICカードリーダが内蔵又は外付けされている。複合機12はICカードに埋め込まれたRFタグからICカードに固有の識別情報を無線通信で読み取る。なお、ICカードはスマートフォン400などのスマートデバイスが内蔵するものでもよい。また、複合機12はICカードリーダ以外を利用してもよく、生体認証装置(指紋、掌紋、虹彩、顔など)やバーコード読み取り装置等を利用してもよい。
【0033】
<機能構成>
第1の実施形態に係る情報処理システム1は、例えば
図4に示す機能構成により実現される。
図4は本実施形態に係る情報処理システムの一例の機能構成図である。
図4の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0034】
携帯端末10は、解除コード受信部20及び解除コード表示部22を有する。携帯端末10の解除コード受信部20は複合機12から解除コードを受信する。解除コード表示部22は複合機12から受信した解除コードをディスプレイ418に表示する。
【0035】
複合機12は、基本機能部30及び拡張機能部50を有する。基本機能部30は複合機12の基本機能を提供する。また、拡張機能部50は拡張アプリケーションの一例である住民サービスアプリケーション(住民サービスアプリ)を実行することで実現される拡張機能を提供する。
【0036】
基本機能部30は、認証処理部32、認証管理部34、コピー機能部36、コピー機能認証SW部38、ファクス機能部40、ファクス機能認証SW部42、スキャナ機能部44、スキャナ機能認証SW部46、拡張機能起動制御部48を有する。
【0037】
認証処理部32はICカードによる認証や、操作パネル940へのID及びパスワードの入力による認証など、認証操作に関する処理を行う。認証管理部34はコピー機能などの機能を利用するために課す認証操作を管理している。
【0038】
コピー機能部36は、コピー機能に関する処理を行う。コピー機能認証SW部38はコピー機能部36を利用する為に課す認証操作のON(設定)及びOFF(解除)を、認証管理部34からの要求により切り替える。コピー機能認証SW部38がON(設定)であれば、コピー機能部36はコピー機能の利用のために認証操作を課す。また、コピー機能認証SW部38がOFF(解除)であれば、コピー機能部36はコピー機能の利用のために認証操作を課さない。
【0039】
ファクス機能部40は、ファクス機能に関する処理を行う。ファクス機能認証SW部42はファクス機能部40を利用する為に課す認証操作のON(設定)及びOFF(解除)を、認証管理部34からの要求により切り替える。ファクス機能認証SW部42がON(設定)であれば、ファクス機能部40はファクス機能の利用のために認証操作を課す。また、ファクス機能認証SW部42がOFF(解除)であれば、ファクス機能部40はファクス機能の利用のために認証操作を課さない。
【0040】
スキャナ機能部44は、スキャナ機能に関する処理を行う。スキャナ機能認証SW部46はスキャナ機能部44を利用する為に課す認証操作のON(設定)及びOFF(解除)を、認証管理部34からの要求により切り替える。スキャナ機能認証SW部46がON(設定)であれば、スキャナ機能部44はスキャナ機能の利用のために認証操作を課す。また、スキャナ機能認証SW部46がOFF(解除)であれば、スキャナ機能部44はスキャナ機能の利用のために認証操作を課さない。
【0041】
拡張機能起動制御部48は、後述する住民サービスボタンの押下など、操作パネル940に対する住民サービスアプリの起動操作を受け付け、住民サービスアプリを実行することで、拡張機能部50を起動させる制御を行う。
【0042】
拡張機能部50は、拡張機能UI制御部52、携帯番号入力受付部54、解除コード生成部56、解除コード記憶部58、解除コード送信部60、認証解除判断部62、認証解除要求部64、コピー機能起動要求部66、認証設定要求部68を有する。
【0043】
拡張機能UI制御部52は住民サービスアプリの画面UIを操作パネル940に表示させる制御を行う。携帯番号入力受付部54は住民サービスアプリの画面UIに対する携帯番号の入力を受け付ける。携帯番号は、住民の宛先情報の一例である。解除コード生成部56は認証操作を課すことなくコピー機能を利用させるための解除コードを生成する。
【0044】
解除コード記憶部58は、所定期間(例えば1日)の間に、住民から入力を受け付けた携帯番号と、その携帯番号に送信した解除コードと、を対応付けて記憶する。解除コード送信部60は、住民から入力を受け付けた携帯番号に、SMS(Short Message Service)通信を利用して解除コードを送信する。
【0045】
認証解除判断部62は、解除コード送信部60が送信した解除コードが、住民サービスアプリの画面UIに対して入力された場合に、コピー機能に対する認証を解除すると判断する。また、認証解除判断部62は、住民によるコピー機能の利用が終了したことを検知した場合に、コピー機能に対する認証を設定すると判断する。
【0046】
認証解除要求部64は、認証解除判断部62によるコピー機能に対する認証を解除するという判断に基づき、コピー機能の認証解除を基本機能部30の認証管理部34に要求する。コピー機能起動要求部66は基本機能部30のコピー機能部36にコピーアプリの起動を要求する。認証設定要求部68は、例えばコピージョブの終了や、住民による終了ボタンの押下など、住民によるコピー機能の利用が終了したことを検知した場合に、コピー機能の認証設定を基本機能部30の認証管理部34に要求する。
【0047】
図5は認証管理情報の一例の構成図である。
図5の認証管理情報は例えば基本機能部30の認証管理部34が管理する。認証管理情報は、機能名と、認証状態と、を対応付けている。認証管理情報の認証状態は、機能名が示す機能が、機能の利用のために認証操作を課さない認証解除の状態か、機能の利用のために認証操作を課す認証設定の状態かを示している。したがって、
図5の認証管理情報の場合、コピー機能は利用のために認証操作を課されない。
【0048】
図6は解除コード情報の一例の構成図である。
図6の解除コード情報は拡張機能部50の解除コード記憶部58に記憶され、所定期間の間に、住民から入力を受け付けた携帯番号と、その携帯番号に送信した解除コードと、を対応付けて記憶する。
図6の解除コード情報は一例であって、例えば解除コードを送信した日時の情報、その解除コードによるコピー機能の利用有無の情報など、を含んでいてもよい。
【0049】
<処理>
本実施形態に係る情報処理システム1は、例えば
図7に示す手順で、ICカードによる認証や操作パネル940へのID及びパスワードの入力による認証などの認証操作を課すことなく、複合機12のコピー機能を住人に利用させる。
図7は本実施形態に係る情報処理システムの処理の一例のシーケンス図である。
図8は本実施形態に係る情報処理システムの一例の画面遷移図である。また、
図9はエラー系のメッセージが表示された一例の画面イメージ図である。
【0050】
起動された複合機12は、例えば
図8のメニュー画面1000を操作パネル940に表示する。
図8のメニュー画面1000には、職員がID及びパスワードの入力による認証を行う表示欄の他、利用者である住人が住民サービスアプリを起動するための住民サービスボタンが設けられている。
【0051】
ステップS10において、住人は住民サービスボタンを押下する。住民サービスボタンの押下を受け付けると、複合機12の拡張機能起動制御部48はステップS12に進み、住民サービスアプリを実行することで、拡張機能部50を起動させる。
【0052】
ステップS14に進み、拡張機能部50の拡張機能UI制御部52は住民サービスアプリの画面UIの一例としての例えば
図8の住民サービスアプリ画面1100aを操作パネル940に表示させる制御を行う。住民サービスアプリ画面1100aは、携帯番号の入力欄と、SMS送信ボタンと、解除コードの入力欄と、OKボタンと、が含まれる。
【0053】
ステップS16において、住民は例えば
図8の住民サービスアプリ画面1100bのように携帯番号の入力欄に、自分の携帯端末10の携帯番号を入力し、SMS送信ボタンを押下する。拡張機能部50の携帯番号入力受付部54は住民サービスアプリ画面1100bに対する携帯番号の入力と、SMS送信ボタンの押下と、を受け付ける。
【0054】
ステップS18に進み、拡張機能部50の解除コード生成部56は解除コードを生成すると共に、その解除コードと、住民サービスアプリ画面1100bに入力された携帯番号とを対応付けて解除コード記憶部58に記憶させる。ステップS20に進み、解除コード送信部60は、住民サービスアプリ画面1100bに入力された携帯番号に、SMS通信を利用して解除コードを送信する。
【0055】
SMS通信により解除コードを受信した携帯端末10は解除コードが表示された画面1200をディスプレイ418に表示する。また、SMS通信により解除コードを携帯端末10に送信した複合機12はステップS22に進み、例えば
図8の解除コード入力待ちの住民サービスアプリ画面1100cを操作パネル940に表示させる制御を行う。
【0056】
ステップS24において、住民は自分の携帯端末10に表示された画面1200で解除コードを確認できる。ステップS26において、住民は自分の携帯端末10に表示された解除コードを、例えば
図8の住民サービスアプリ画面1100dのように入力して、OKボタンを押下する。
【0057】
ステップS28において、拡張機能部50の認証解除判断部62は、
図8の住民サービスアプリ画面1100dのように入力された解除コードが、ステップS20で住民の携帯番号に送信した解除コードであるか確認する。また、認証解除判断部62は
図6に示した解除コード情報を参照し、住民サービスアプリによるコピー機能の利用回数の上限に達しているか否かを確認する。
【0058】
例えば認証解除判断部62は、住民サービスアプリによるコピー機能の利用回数の上限を例えば3回などに制限することにより、使用制限を加えながらコピー機能を住民に提供できる。また、
図6に示した解除コード情報に使用したコピー枚数を対応付けて記憶しておくことで、認証解除判断部62は住民サービスアプリによるコピー機能の利用枚数の上限を例えば30枚などに制限することもできる。
【0059】
認証解除判断部62は、入力された解除コードが、ステップS20で住民の携帯番号に送信した解除コードであり、且つ、住民サービスアプリによるコピー機能の利用回数の上限に達していなければ、コピー機能に対する認証を解除すると判断する。認証解除判断部62によるコピー機能に対する認証を解除するという判断に基づき、認証解除要求部64はステップS32において、コピー機能の認証解除を基本機能部30の認証管理部34に要求する。
【0060】
ステップS34において、認証管理部34はコピー機能の認証解除をコピー機能認証SW部38に要求し、コピー機能部36を利用する為に認証操作を課すON(設定)からコピー機能部36を利用する為に認証操作を課さないOFF(解除)に切り替える。
【0061】
ステップS36において、拡張機能部50のコピー機能起動要求部66は基本機能部30のコピー機能部36にコピーアプリの起動を要求する。ステップS38に進み、複合機12の基本機能部30は住民にコピー機能を提供する。ステップS40において、住民は複合機12のコピー機能を利用してコピーを行う。
【0062】
ステップS42において、拡張機能部50の認証設定要求部68は例えば印刷完了の状態を、住民によるコピー機能の利用が終了した状態としてポーリングで基本機能部30に確認する。ステップS44において、印刷完了の状態を検知すると、コピー機能の認証設定を基本機能部30の認証管理部34に要求する。ステップS48において、認証管理部34はコピー機能の認証設定をコピー機能認証SW部38に要求し、コピー機能部36を利用する為に認証操作を課さないOFF(解除)からコピー機能部36を利用する為に認証操作を課すON(設定)に切り替える。ステップS50において、複合機12は例えば
図8のメニュー画面1000を操作パネル940に表示する。
【0063】
なお、ステップS30において住民サービスアプリによるコピー機能の利用回数の上限に達していれば、認証解除判断部62は
図9の住民サービスアプリ画面1100eを操作パネル940に表示し、住民サービスアプリによるコピー機能の利用回数の上限を超えたことを住民に認識させる。また、入力された解除コードが、ステップS20で住民の携帯番号に送信した解除コードでなければ、認証解除判断部62は
図9の住民サービスアプリ画面1100fを操作パネル940に表示し、解除コードが間違っていることを住民に認識させる。
【0064】
図10はコピー機能の認証を解除する処理の一例のイメージ図である。
図10に示すように、コピー機能認証SW部38のOFFにより、コピー機能部36は利用する為に認証操作が課されない認証解除(認証OFF)の状態となる。また、コピー機能認証SW部38のONにより、コピー機能部36は利用する為に認証操作が課される認証設定(認証ON)の状態となる。
【0065】
コピー機能認証SW部38のON/OFFの切替は、認証管理部34が行う。拡張機能部50は認証管理部34にコピー機能の認証解除要求を行うことにより、コピー機能部36を、利用する為に認証操作が課されない認証解除(認証OFF)の状態とすることができる。また、拡張機能部50は認証管理部34にコピー機能の認証設定要求を行うことにより、コピー機能部36を、利用する為に認証操作が課される認証設定(認証ON)の状態とすることができる。
【0066】
拡張機能部50はSMS通信モジュール104により解除コード送信部60を実現することができる。拡張機能部50は認証コード生成モジュール106により解除コード生成部56を実現することができる。また、拡張機能部50は印刷エンジン102から印刷完了の状態を検知できる。複合機プラットフォーム100は複合機12のアプリケーションなどのソフトウェアが動作する環境であり、例えばアプリケーションが共通的に必要とするハードウェア資源の管理、実行制御並びに画像形成処理等を行う。
【0067】
<その他の実施形態>
なお、本実施形態では、宛先情報が携帯番号の例を説明したが、宛先情報がメールアドレスであっても同様に実現できる。宛先情報がメールアドレスの場合は、メールにより解除コードが送信される。住民はメールで送信された解除コードを確認し、例えば
図8の住民サービスアプリ画面1100dのように入力して、OKボタンを押下できる。
【0068】
また、本実施形態では、複合機12の操作パネル940に表示されたメニュー画面1000の住民サービスボタンが押下されたあとに解除コードが生成されているが、この例に限定されない。例えば役所に訪れた住民が、その住民と対応付けられたカードにより受け付けを行い、受付番号などがプリントされた紙の発行手続きがあるのであれば、この段階で解除コードを生成し、紙に解除コードを合わせてプリントしておいてもよい。
【0069】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0070】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。
【0071】
解除コード生成部56は特許請求の範囲に記載した生成手段の一例である。解除コード送信部60は解除情報送信手段の一例である。認証管理部34は管理手段の一例である。住民はユーザの一例である。
【符号の説明】
【0072】
1 情報処理システム
10 携帯端末
12 複合機
14 ネットワーク
20 解除コード受信部
22 解除コード表示部
30 基本機能部
32 認証処理部
34 認証管理部
36 コピー機能部
38 コピー機能認証SW部
40 ファクス機能部
42 ファクス機能認証SW部
44 スキャナ機能部
46 スキャナ機能認証SW部
48 拡張機能起動制御部
50 拡張機能部
52 拡張機能UI制御部
54 携帯番号入力受付部
56 解除コード生成部
58 解除コード記憶部
60 解除コード送信部
62 認証解除判断部
64 認証解除要求部
66 コピー機能起動要求部
68 認証設定要求部
1000 メニュー画面
1100a~1100f 住民サービスアプリ画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】