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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】遊興装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 9/02 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
A63F9/02 D
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023542107
(86)(22)【出願日】2021-08-18
(86)【国際出願番号】 JP2021030252
(87)【国際公開番号】W WO2023021629
(87)【国際公開日】2023-02-23
【審査請求日】2023-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大宮 陸
(72)【発明者】
【氏名】谷口 諒太郎
(72)【発明者】
【氏名】村上 友規
(72)【発明者】
【氏名】小川 智明
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 泰司
(72)【発明者】
【氏名】高野 佑紀奈
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-314995(JP,A)
【文献】登録実用新案第3090370(JP,U)
【文献】特開昭64-25887(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107798978(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/00 - 9/20
A63H 1/00 - 37/00
F41G 3/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光線を出射するレーザー照射部と、
前記レーザー照射部から出射されたレーザー光線を反射する反射板と、
前記レーザー照射部から出射されたレーザー光線を入射される標的となるレーザー受光部と、
を備える遊興装置であって、
前記レーザー照射部から出射されたレーザー光線を遮蔽可能な障害物をさらに備え、
前記レーザー照射部は、レーザー光線の出射方向をユーザの操作によって変更可能に構成され、
前記反射板は、反射面の向きをユーザの操作によって変更可能に構成され、
前記障害物は、ユーザの操作によって移動可能に構成されていることを特徴とする遊興装置。
【請求項2】
前記レーザー照射部の位置をユーザの操作によって変更可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の遊興装置。
【請求項3】
前記反射板の位置をユーザの操作によって変更可能に構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遊興装置。
【請求項4】
前記レーザー受光部の位置をユーザの操作によって変更可能に構成したことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の遊興装置。
【請求項5】
前記レーザー受光部の受光面の向きをユーザの操作によって変更可能に構成したことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の遊興装置。
【請求項6】
前記レーザー照射部の出射方向および前記反射板の向きを自動で制御する照射側自動制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の遊興装置。
【請求項7】
前記障害物の位置を自動で制御する障害物自動制御部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の遊興装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザー光線を用いた遊興装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザー光線を用いて電磁波の特性を理解させる知育ゲームが提案されている。このような知育ゲームを行う遊興装置として、例えば、非特許文献1には、盤上の反射板を回転させることにより、スタートの光源からゴールのセンサまでレーザー光線を導く展示装置が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】110 レーザー光反射ゲーム装置,[online],[令和 3年7月6日検索],インターネット,<URL:https://www.medico-tec.co.jp/device/000_24.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の非特許文献1に記載の装置においては、レーザー光線を出射する光源および反射板等のオブジェクトは固定されており、移動しない。上記の非特許文献1に記載の装置において、ユーザは、固定された反射板の回転操作のみを行う。上記の非特許文献1に記載の装置においては、ゲーム性が低いという課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものである。本発明の目的は、レーザー光線を用いた遊興装置において、よりゲーム性の高い遊興装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る遊興装置は、レーザー光線を出射するレーザー照射部と、レーザー照射部から出射されたレーザー光線を反射する反射板と、レーザー照射部から出射されたレーザー光線を入射される標的となるレーザー受光部と、を備える遊興装置であって、レーザー照射部から出射されたレーザー光線を遮蔽可能な障害物をさらに備えるものである。レーザー照射部は、レーザー光線の出射方向をユーザの操作によって変更可能に構成されている。反射板は、反射面の向きをユーザの操作によって変更可能に構成されている。障害物は、ユーザの操作によって移動可能に構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、レーザー光線を用いた遊興装置において、よりゲーム性の高い遊興装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る遊興装置の全体構成を模式的に示す図である。
図2】実施の形態1に係る遊興装置の主たる機能を示すブロック図である。
図3】実施の形態1に係る遊興装置の第1のユーザの操作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態1に係る遊興装置の第2のユーザの操作を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る遊興装置が備える制御部の各機能を実現するハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本発明は、以下の各実施の形態に限定されるものではない。本発明には、その趣旨を逸脱しない範囲において、以下の実施の形態によって開示される構成の種々の変形および組み合わせが含まれ得る。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る遊興装置の全体構成を模式的に示す図である。図2は、実施の形態1に係る遊興装置の主たる機能を示すブロック図である。
【0011】
本実施の形態に係る遊興装置は、第1のユーザと第2のユーザとによる対戦が可能なゲームを実現するものである。第1のユーザは、レーザー光線を標的に入射させることを目的としてゲームを行う。第2のユーザは、第1のユーザによるレーザー光線の標的への入射を妨害することを目的としてゲームを行う。
【0012】
本実施の形態に係る遊興装置は、レーザー光線を出射するレーザー照射部1と、レーザー照射部1から出射されたレーザー光線を入射される標的となるレーザー受光部2と、を備える。
【0013】
また、本実施の形態に係る遊興装置は、レーザー照射部1から出射されたレーザー光線を反射する反射板3を備える。反射板3は、反射面の向きをユーザの操作によって変更可能に構成されている。第1のユーザは、反射板3の向きを変更することで、レーザー照射部1から出射されたレーザー光線をレーザー受光部2へ導く。図1に示すように、反射板3は、複数備えられていてもよい。また、反射板3とは別に、向きが固定されている固定反射板4が備えられていてもよい。
【0014】
本実施の形態において、レーザー照射部1は、レーザー光線の出射方向をユーザの操作によって変更可能に構成されている。本実施の形態に係る遊興装置が備えるレーザー照射部1および反射板3等の各オブジェクトは、他のオブジェクトに対して独立して動くことができる。
【0015】
第1のユーザは、レーザー照射部1から出射されるレーザー光線をレーザー受光部2に入射させることを目的とした操作を行う。具体的には、第1のユーザは、レーザー照射部1によるレーザー光線の出射方向を変更する操作と、反射板3の反射面の向きを変更する操作を行う。
【0016】
また、本実施の形態に係る遊興装置は、レーザー照射部1から出射されたレーザー光線を遮蔽可能な障害物5をさらに備えている。そして、この障害物5は、ユーザの操作によって移動可能に構成されている。障害物5は、レーザー照射部1および反射板3等の他のオブジェクトに対して独立して動くことができる。障害物5は、予め決められた範囲で移動可能である。障害物5は、複数備えられていてもよい。また、障害物5とは別に、位置が固定されている固定障害物6が備えられていてもよい。
【0017】
第2のユーザは、レーザー照射部1から出射されるレーザー光線がレーザー受光部2へ入射されることを妨害することを目的とした操作を行う。具体的には、第2のユーザは、障害物5の位置を変更する操作を行うことで、当該障害物5によってレーザー光線を遮蔽する。一方で第1のユーザは、レーザー光線が障害物5を回避するように、レーザー照射部1および反射板3の操作を行う。
【0018】
以上に示した構成によれば、第1のユーザと第2のユーザとによる対戦要素を付加した知育ゲームを実現することができる。本実施の形態によれば、レーザー光線を用いた遊興装置において、よりゲーム性の高い遊興装置を提供することができる。
【0019】
図3は、実施の形態1に係る遊興装置の第1のユーザの操作を示すフローチャートである。図3に示すように、第1のユーザは、まず、レーザー照射部1からレーザー光線の照射を行う(ステップS101)。ステップS101の処理は、例えば、予め設定された任意のスイッチ等を操作することによって行われてもよいし、遊興装置の電源を入れた時点において自動で行われてもよい。
【0020】
レーザー照射部1によるレーザー光線の照射が開始したら、第1のユーザは、レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せるか判定する(ステップS102)。レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せる場合、第1のユーザは、レーザー照射部1によるレーザー光線の照射角度をレーザー受光部2の方向へ変更する(ステップS103)。
【0021】
ステップS103の処理の後、レーザー受光部2にレーザー光線が入射した場合には、第1のユーザの目的達成となってゲームが終了する。一方、ステップS103の処理の後、レーザー受光部2にレーザー光線が入射しなかった場合には、再びステップS102以降の処理を行う(ステップS104)。
【0022】
ステップS102において、レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せない場合、第1のユーザは、レーザー照射部1から見通し位置にあるまだ選択していない任意の反射板3を一つ選び、その反射板3の方向にレーザー光線の照射角度を変更する(ステップS105)。ステップS105の後、第1のユーザは、選択した反射板3からレーザー受光部2が見通せるか判定する(ステップS106)。
【0023】
選択した反射板3からレーザー受光部2が見通せる場合、レーザー照射部1からのレーザー光線が入射し、且つ、レーザー受光部2に反射光が当たるように、反射板3の角度を変更する(ステップS107)。レーザー受光部2にレーザー光線が入射した場合には、第1のユーザの目的達成となってゲームが終了する。一方、レーザー受光部2にレーザー光線が入射しなかった場合には、再びステップS106以降の処理を行う(ステップS108)。
【0024】
ステップS106において、選択した反射板3からレーザー受光部2が見通せない場合、第1のユーザは、直前に選択した反射板3から見通し位置にあるすべての反射板3に対してステップS106の処理と同様の試行を行ったか判定する(ステップS109)。ステップS106の処理と同様の試行とは、反射板3からレーザー受光部2が見通せるか否かの判定を意味する。ステップS109において、直前に選択した反射板3から見通し位置にあるすべての反射板3に対してステップS106の処理と同様の試行を行っている場合には、ステップS105以降の処理を再び行う。
【0025】
ステップS109において、直前に選択した反射板3から見通し位置にあるすべての反射板3に対してステップS106の処理と同様の試行を行っていない場合、第1のユーザは、直前に選択した反射板3から見通し位置にある反射板3
を一つ選び、その反射板3の方向にレーザー照射角度を変更する(ステップS110)。ステップS110の後、再びステップS106以降の処理を行う。
【0026】
図4は、実施の形態1に係る遊興装置の第2のユーザの操作を示すフローチャートである。レーザー受光部2にレーザーが入射した場合には、ゲーム終了となる。レーザー受光部2にレーザーが入射するまで、第2のユーザは、第1のユーザを妨害するように以降の操作を行う(ステップS201)。
【0027】
第2のユーザは、第1のユーザと同様、レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せるか判定する(ステップS202)。レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せる場合、レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せないように障害物5を移動可能か判定する(ステップS203)。レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せないように障害物5を移動できない場合には、ステップS201へ戻る。レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せないように障害物5を移動できる場合には、第2のユーザは、レーザー受光部2が見通せなくなる位置に障害物5を移動させる(ステップS204)。ステップS204の処理の後、ステップS201へ戻る。
【0028】
レーザー照射部1からレーザー受光部2が見通せない場合、第2のユーザは、レーザー照射部1から反射板3を経由してレーザー受光部2が見通せるか判定する(ステップS205)。ステップS205において、レーザー照射部1から反射板3を経由してレーザー受光部2が見通せない場合には、妨害が成功しているため、第2のユーザは特に別の操作をせずに、ステップS205の判定処理を継続する。
【0029】
レーザー照射部1から反射板3を経由してレーザー受光部2が見通せる場合、第2のユーザは、レーザー照射部1から反射板3を経由してレーザー受光部2が
見通せないように障害物5を移動可能か判定する(ステップS206)。レーザー受光部2が見通せないように障害物5を移動できない場合には、ステップS201へ戻る。レーザー受光部2が見通せないように障害物5を移動できる場合には、第2のユーザは、レーザー受光部2が見通せなくなる位置に障害物5を移動させる(ステップS207)。
【0030】
図3に示す第1のユーザによる操作は、例えば、自立的に行われてもよい。本実施の形態に係る遊興装置は、レーザー照射部1の出射方向および反射板3の向きを自動で制御する照射側自動制御部をさらに備えていてもよい。照射側自動制御部は、第1のユーザに代わって操作を行うものである。本例であれば、第2のユーザ単独でも、対戦ゲームを行うことができる。
【0031】
同様に、図4に示す第1のユーザによる操作は、例えば、自立的に行われてもよい。本実施の形態に係る遊興装置は、障害物5の位置を自動で制御する障害物自動制御部をさらに備えていてもよい。障害物自動制御部は、第2のユーザに代わって操作を行うものである。本例であれば、第1のユーザ単独でも、対戦ゲームを行うことができる。
【0032】
照射側自動制御部および障害物自動制御部の各機能は、例えば、各種のセンサ機器および処理回路等を用いて実現することができる。照射側自動制御部および障害物自動制御部の各機能は、一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)またはFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。無線通信システムの各機能は、専用のハードウェアとソフトウェアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、無線通信システムの各機能は、一部または全部がCPU等のプロセッサが実行するプログラムとして構成されてもよい。このプログラムは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体に記録されてもよい。
【0033】
例えば、照射側自動制御部および障害物自動制御部等の遊興装置が備える制御部の各機能は、コンピュータとプログラムとを用いて実現することができ、プログラムを記憶媒体に記録することも、ネットワークを通して提供することも可能である。
【0034】
図5は、実施の形態1に係る遊興装置が備える制御部の各機能を実現するハードウェア構成例を示す図である。図5に示すように、制御部の各機能は、例えば、入力部100、出力部110、通信部120、CPU130、メモリ140およびHDD150等によって実現される。入力部100、出力部110、通信部120、CPU130、メモリ140およびHDD150は、バス160を介して接続され、コンピュータとしての機能を備える。また、入力部100、出力部110、通信部120、CPU130、メモリ140およびHDD150等によって構成されるコンピュータは、コンピュータが読み取り可能な記憶媒体170との間でデータを入出力することができるようになっている。
【0035】
入力部100は、例えば、キーボードおよびマウス等である。出力部110は、例えば、ディスプレイなどの表示装置である。通信部120は、例えば、無線のネットワークインターフェースである。
【0036】
CPU130は、無線通信システムを構成する各部を制御し、所定の処理等を行う。メモリ140およびHDD150は、各種のデータ等を記憶する記憶部として機能する。
【0037】
記憶媒体170は、無線通信システムが有する各機能を実行させるプログラムを記憶する。なお、無線通信システムを構成するアーキテクチャは、図3に示した例に限定されない。
【0038】
また、ここでいう「コンピュータ」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体のことである。
【0039】
さらに「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短期間、動的にプログラムを保持するものであってもよい。また、「コンピュータが読み取り可能な記憶媒体」とは、サーバやクライアントとなるコンピュータ内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものであってもよい。
【0040】
なお、レーザー照射部1は、レーザー光線の出射方向だけでなく、位置を変更可能に構成されていてもよい。これにより、ユーザによる操作の自由度が上がり、よりゲーム性を高くすることが可能となる。
【0041】
同様に、反射板3は、向きだけでなく位置を変更可能に構成されていてもよい。また、レーザー受光部2は、位置および受光面の向きの少なくとも一方を変更可能に構成されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る遊興装置は、例えば、対戦ゲームの提供のために用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 レーザー照射部
2 レーザー受光部
3 反射板
4 固定反射板
5 障害物
6 固定障害物
100 入力部
110 出力部
120 通信部
130 CPU
140 メモリ
150 HDD
160 バス
170 記憶媒体
図1
図2
図3
図4
図5