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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】PRMT5阻害剤を使用した癌の治療法
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/519 20060101AFI20241119BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20241119BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
A61K31/519
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/706
A61P43/00 121
【請求項の数】 36
(21)【出願番号】P 2021571834
(86)(22)【出願日】2020-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2020065639
(87)【国際公開番号】W WO2020245365
(87)【国際公開日】2020-12-10
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】62/858,076
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】19193850.5
(32)【優先日】2019-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397060175
【氏名又は名称】ヤンセン ファーマシューティカ エヌ.ベー.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100093676
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 純子
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100181168
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 智裕
(72)【発明者】
【氏名】クイン,ヒラリー ジョイ ミラー
(72)【発明者】
【氏名】パックマン,キャサリン エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ハディッシュ-ベルハン,ナホー
(72)【発明者】
【氏名】マネンス,ヘルト エス.ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ,ジュングオ
(72)【発明者】
【氏名】グレウェイ,アンソニー ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ブレハマー,ダーク
(72)【発明者】
【氏名】グオ,ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,トンフェイ
(72)【発明者】
【氏名】シエ,ホン
(72)【発明者】
【氏名】ローリン,ジョシュ
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-528946(JP,A)
【文献】SCIENTIFIC REPORTS,2018年,Vol.8, Artilce No.9711,pp.1-15
【文献】“History of Changes for Study: NCT02783300 Dose Escalation Study of GSK3326595 in Subjects With Solid Tumors and Non-Hodgkin's Lymphoma”,[online],2016年,[2024年4月18日検索],インターネット<URL:https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT02783300?A=1&B=20&C=Side-by-Side#StudyPageTop>
【文献】Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters,2019年03月,Vol.29,pp.1264-1269
【文献】Chemical and Pharmaceutical Bulletin,2019年04月,Vol.67, No.4,pp.382-388
【文献】“A Study of the Safety, Pharmacokinetics, and Pharmacodynamics of JNJ-64619178, an Inhibitor of Protein Arginine Methyltransferase 5 (PRMT5) in Participants With Advanced Cancers”,[online],2019年05月,[2024年4月18日検索],インターネット<URL:https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT03573310?A=1&B=5&C=Side-by-Side#StudyPageTop>
【文献】International Journal of Biology and Biotechnology,2017年,Vol.14,No.3 pp.311-317
【文献】FASEB Journal,2008年,Vol.22、No.3,p.659-661
【文献】Cancer Research,2017年, Vol.77, No.13_Supplement,Abstract DDT02-04
【文献】Cancer Research,2018年, Vol.78, No.13_Supplement,Abstract 4859
【文献】“薬剤師のための抗がん薬治療スキルアップテキスト”,一般財団法人長崎県薬剤師会,2015年,pp.1-5
【文献】医薬品情報学,2010年, Vol.11, No.4,pp.217-222
【文献】日本耳鼻咽喉科学会会報,2016年, Vol.119, No.5,pp.734-740
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるための、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を含む医薬組成物であって、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、医薬組成物。
【請求項2】
前記癌はスプライシング因子変異を特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
1日当たりの前記初回用量又は1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約1.5mg、又は少なくとも約2mgであるか;
1日当たりの前記初回用量又は1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、約0.5~約1mgであり;及び/又は
1日当たりの前記初回用量及び1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、又は約2mgである、
請求項1又は2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
(a) 前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量のそれぞれは1日1回投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量の両方は1日1回投与されるか;
(b) 前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量のそれぞれは分割用量で投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量の両方は分割用量で投与され;及び/又は
一方又は両方の分割用量は1日2回(BID)投与される、
請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項5】
前記初回投与期間は約7日間~約14日間であり;及び/又は
前記初回投与期間は、
(a) 約7日間であるか、
(b) 約14日間である、
請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項6】
(a) 前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔があり;及び/又は
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から約7日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから約7日間の時間的な間隔があるか;
(b) 各後続投与期間は約7日間~約14日間である、
請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項7】
各後続投与期間は約7日間である、請求項1~6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項8】
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、請求項1~5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項9】
各後続投与期間は約14日間である、請求項1~6又は8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項10】
(a) 前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量は経口投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は経口投与されるか;
(b) 前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量は非経口投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は非経口投与される、
請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項11】
(a) 前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は同一であるか;
(b) 前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は異なる、
請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項12】
(a) 前記癌は進行癌であるか;、及び/又は
(b) 前記癌は、聴神経腫、腺癌、腺様嚢胞癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆管癌、膀胱癌、乳癌、脳腫瘍、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、脊索腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管間質腫瘍、頭頸部癌、造血器癌、重鎖病、血管芽細胞腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌、肝癌、肺癌、平滑筋肉腫、肥満細胞症、骨髄異形成症候群、中皮腫、骨髄増殖性疾患、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腺癌、膵臓癌、陰茎癌、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脂腺癌、汗腺癌、滑液腫瘍、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、ぶどう膜黒色腫、膣癌、又は外陰癌である、
請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項13】
(a) 前記癌は固形癌であり;及び/又は
前記癌は非小細胞肺癌であるか;
前記癌は造血器癌である;
請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項14】
アジュバント療法を前記患者に施すことを更に含む、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項15】
有効性は、患者の疾患進行までの時間又は患者奏功率を決定することによって測定される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項16】
前記化合物は、
(a) (1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの薬学的に許容される付加塩であるか、
(b) (1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物であるか、
(c) (1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールである、
請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項17】
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるための、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を含む医薬組成物であって、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日当たり約0.5mg~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.5mg~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
(a) 第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔があるか;
(b) 第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、医薬組成物。
【請求項18】
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるための、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を含む医薬組成物であって、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
を含む、医薬組成物。
【請求項19】
(a)
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、を含むか;
(b)
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、を含むか;
(c)
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
を含む、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるための、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を含む医薬組成物であって、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、約1.5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を断続的に投与することを含み、
前記PRMT5阻害剤は、21日サイクルで、1日1回約14日間持続投与され、続いて約7日間休薬される、医薬組成物。
【請求項21】
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるための、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を含む医薬組成物であって、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、約1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を1日1回投与することを含む、医薬組成物。
【請求項22】
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日1回約1.5mgの初回用量の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を、約14日間の初回投与期間にわたって投与することと、
(ii)1日1回約1.5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の1回以上の後続投与期間にわたって投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、
請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日1回約1.5mgの初回用量の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を、約14日間の初回投与期間にわたって投与することと、
(ii)前記初回投与の後に、前記PRMT5阻害剤を、約7日間のオフ期間にわたって投与しないことと、
(iii)前記オフ期間の後に、1日1回約1.5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって投与することと、
(iv)前記後続投与期間の後に、前記PRMT5阻害剤を、約7日間のオフ期間にわたって投与しないことと
を含む、
請求項20に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記PRMT5阻害剤を、
(a)1日1回、約21日間の初期投与期間にわたって投与するか;あるいは、
(b)1日1回、約21日間の初期投与期間と、それぞれ約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって投与する、
請求項21に記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記癌はスプライシング因子変異を特徴とする、請求項20~24のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項26】
前記癌は進行癌である、請求項20~25のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項27】
前記PRMT5阻害剤が、経口投与される、請求項20~26のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項28】
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造におけるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、
前記薬剤は、前記PRMT5阻害剤を含み、
前記治療は、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を投与することを含み、前記投与は、下記(a)~(d)のいずれかの方法:
(a)
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含む方法であって、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、方法;
(b)
(i)1日当たり約0.5mg~約mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与すること、及び
(ii)1日当たり約0.5mg~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することを含む方法であって、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある方法;
(c)
(i)1日当たり約0.5mg~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与すること、及び
(ii)1日当たり約0.5mg~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することを含む方法であって、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある方法;あるいは、
(d)
(i)1日当たり約0.5~約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与すること、
(ii)前記初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないこと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり約0.5~約2mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与すること、並びに
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことを含む、方法;
によって実施される、使用。
【請求項29】
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造における、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、
前記薬剤は、前記PRMT5阻害剤を含み、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、約1.5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を断続的に投与することを含み、
前記PRMT5阻害剤は、21日サイクルで、約14日間持続投与され、続いて約7日間休薬される、
使用。
【請求項30】
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造における、PRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、
前記薬剤は、前記PRMT5阻害剤を含み、
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、約1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を1日1回投与することを含む、使用。
【請求項31】
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日1回約1.5mgの初回用量の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を、約14日間の初回投与期間にわたって投与することと、
(ii)1日1回約1.5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の1回以上の後続投与期間にわたって投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間が2回以上ある場合、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、
請求項29に記載の使用。
【請求項32】
前記治療が、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、
前記投与は、
(i)1日1回約1.5mgの初回用量の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤を、約14日間の初回投与期間にわたって投与することと、
(ii)前記初回投与の後に、前記PRMT5阻害剤を、約7日間のオフ期間にわたって投与しないことと、
(iii)前記オフ期間の後に、1日1回約1.5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって投与することと、
(iv)前記後続投与期間の後に、前記PRMT5阻害剤を、約7日間のオフ期間にわたって投与しないことと、
を含む、請求項29に記載の使用。
【請求項33】
前記PRMT5阻害剤を、
(a)1日1回、約21日間の初期投与期間にわたって投与するか;あるいは、
(b)1日1回、約21日間の初期投与期間と、それぞれ約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって投与する、
請求項30に記載の使用。
【請求項34】
前記癌はスプライシング因子変異を特徴とする、請求項29~33のいずれか一項に記載の使用。
【請求項35】
前記癌は進行癌である、請求項29~34のいずれか一項に記載の使用。
【請求項36】
前記PRMT5阻害剤が、経口投与される、請求項29~35のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年6月6日に出願された米国特許仮出願第62/858,076号及び2019年8月27日に出願された欧州特許出願公開第19193850.5号の利益を主張するものであり、これらの開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、PRMT5阻害剤を使用した癌の治療法に関する。
【背景技術】
【0003】
Hsl7、Jbp1、Skb1、Capsuleen、又はDart5としても記載されるタンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5(PRMT5)は、アルギニンのモノジメチル化及び対称性ジメチル化に関与する主要メチルトランスフェラーゼのうちの1つである。ヒストンタンパク質及び非ヒストンタンパク質上での翻訳後アルギニンメチル化は、ゲノム組織化、転写、分化、スプライオソーム機能、細胞周期信号のシグナル伝達及び制御、幹細胞、及びT細胞の運命など様々な生物学的プロセスにとって重要であると思われる。後生動物PRMT5は、Wdr77、アンドロゲン受容体コアクチベータp44及びValoisとも呼ばれるメチロソームタンパク質50(MEP50)と機能的複合体を形成する。PRMT5-MEP50のタンパク質濃度の上昇及び細胞質の蓄積の両方が癌の腫瘍形成に関与しており、臨床転帰の不良と相関している。PRMT5-MEP50複合体の触媒機能及び足場機能の両方に対処する細胞レスキュー実験は、包括的な酵素学的研究の他に、タンパク質濃度、局在化、及び酵素機能の間の発癌関連性を実証した。この相関性により、PRMT5は、癌及び他の疾患に対する重要な小分子薬物標的となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PRMT5は臨床関連標的と考えられるが、選択的なPRMT5阻害剤はほとんど開発されていない。したがって、癌の治療又は予防のためにPRMT5阻害剤を含む新たな治療レジメンに対する強いニーズが存在する。したがって、かかる方法を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
JNJ-64619178は、様々なヘム及び固形腫瘍細胞株にわたって強力かつ選択的な小分子阻害剤であり、特に他のPRMT5阻害剤と比較して、長い滞留時間でSAM補因子及び(PRMT5)4/(MEP50)4複合体(メチロソーム)の基質ポケットと同時に結合するという点で、潜在的な識別特性を有する。インビボデータは、耐用量で試験した全てのヒト異種移植モデルにおける退行/治癒を実証しており、ADME又は発現性の問題がなく、かつヒトにおける1日1回以下の経口投与に好適なPK及び毒性プロファイルを有することも実証している。
【0006】
特定の実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含む。これらの方法では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、及び/又は後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0007】
更なる実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含む。これらの方法では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、及び/又は後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0008】
他の実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含む。これらの方法では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、及び/又は後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある。
【0009】
更なる実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、(iv)後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む。
【0010】
他の実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)初回期間後に、約14日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、(iv)後続投与期間後に、約14日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む。
【0011】
更に他の実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、(iv)後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む。
【0012】
また更なる実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤を提供し、この投与は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0013】
更なる実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤を提供し、この投与は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0014】
他の実施形態では、本開示は、癌と診断されたヒト患者の治療法に用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を提供し、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含む。第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0015】
なお更なる実施形態では、本開示は、癌と診断されたヒト患者の治療法に用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を提供し、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0016】
他の実施形態では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、1日当たり最大約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の持続用量を、少なくとも約21日間の投与期間にわたって患者に投与することを含む。いくつかの態様では、持続用量は、1日当たり約1mg~約2mgのPRMT5阻害剤である。他の態様では、持続用量は、1日当たり約1mgのPRMT5阻害剤である。更なる態様では、持続用量は、1日当たり約2mgのPRMT5阻害剤である。
【0017】
更なる実施形態では、本開示は、癌と診断されたヒト患者の治療法に用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を提供し、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、1日当たり最大約2mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の持続用量を、少なくとも約21日間の投与期間にわたって患者に投与することを含む。いくつかの態様では、持続用量は、1日当たり約1mg~約2mgのPRMT5阻害剤である。他の態様では、持続用量は、1日当たり約1mgのPRMT5阻害剤である。更なる態様では、持続用量は、1日当たり約2mgのPRMT5阻害剤である。
【0018】
また更なる実施形態では、本開示は、治療的に有効な量の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の、癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤を提供し、この投与は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0019】
更なる実施形態では、本開示は、治療的に有効な量の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤を提供し、この投与は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0020】
他の実施形態では、本開示は、癌と診断されたヒト患者の治療法に用いる、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を提供し、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0021】
なお更なる実施形態では、本開示は、癌と診断されたヒト患者の治療法に用いる、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を提供し、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。
【0022】
更なる実施形態では、本開示は、癌と診断されたヒト患者の治療法に用いる、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を提供し、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、1日当たり最大約2mgのPRMT5阻害剤の持続用量を、少なくとも約21日間の投与期間にわたって患者に投与することを含む。いくつかの態様では、持続用量は、1日当たり約1mg~約2mgのPRMT5阻害剤である。他の態様では、持続用量は、1日当たり約1mgのPRMT5阻害剤である。更なる態様では、持続用量は、1日当たり約2mgのPRMT5阻害剤である。以下の節では、本開示の様々な態様及び実施形態をより詳細に定義する。そのように定義する各態様又は実施形態は、文脈による明らかな指示がない限り、任意の他の実施形態又は態様と組み合わせてよい。詳細には、好ましい又は有利であると示す任意の特徴を、好ましい又は有利であると示す任意の他の特徴(単数又は複数)と組み合わせてよい。
【0023】
癌と診断された患者(例えば、ヒト患者)の治療のための薬剤の製造におけるPRMT5阻害剤(例えば、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物)の使用に関する本発明の実施形態では、PRMT5阻害剤の「投与すること」及び「投与」への言及は、当該投与のために調製される薬剤を含む。例えば、「治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与すること」に関する実施形態と同様に、本発明はまた、「PRMT5が、治療的に有効な量で投与するために調製される」実施形態にも関する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】NCI-H1048腫瘍モデルにおける本開示の化合物の投与停止を使用した、拡大腫瘍の増殖阻害を示す線グラフである(ヒトSCLCマウス異種移植片におけるJNJ-64619178の投与停止後の腫瘍再増殖観察した)。
図2】本開示の化合物を用いたNCI-H1048細胞の治療後の長期薬力学的調節(28日間にわたって1日1回化合物を用いたヒトSCLCマウス異種移植片の平均腫瘍体積)を示す線グラフである。
図3】連続9日間にわたってNCI-H1048肺癌異種移植マウスにJNJ64619178(10mg/kg)を経口投与し(灰色部分)、続いて11日間治療を停止した後のSmD1/3-Me濃度を示す箱ひげ図である。ビヒクル処理群(100%として定義)と比較したSmD1/3-Me濃度のパーセンテージ(%)を、最小値から最大値までのひげを有する箱ひげ図として視覚化し、中央値を線で結んだ。点線のバーは、未処理試料中のSmD1/3-Meの濃度を表す。
図4】JNJ64619178(10mg/kg)の投与を連続28日間、又は7日間毎日の薬物治療、続いて7日間の投与休止期間というサイクルを2回(7+/7-、2サイクル)のいずれかでのNCI-H1048腫瘍モデルにおける、本開示の化合物の投与停止を用いた、拡張腫瘍の増殖阻害を示す線グラフである。それぞれ62%及び63%のビヒクル治療と比較した腫瘍増殖阻害(TGI、%)を28日目に計算した。
【発明を実施するための形態】
【0025】
JNJ-64619178は、表面プラズモン共鳴結合研究によって実証されるように、遅いオフレート結合速度を示すPRMT5/MEP50のS-アデノシルメチオニン(SAM)競合小分子阻害剤である。追加のインビトロ熱シフト実験は、JNJ-64619178の結合が、SAM結合と比較して、更に12℃でPRMT5/MEP50複合体を安定化させることを示す。PRMT5/MEP50によるJNJ-64619178の共結晶化は、結合がSAM結合ポケット内にあることを示す。タンパク質基質結合ポケットへのJNJ-64619178の更なる結合は、非活性状態のPRMT5/MEP50タンパク質複合体の全体を捕捉するように見え、これは、遅いオフレート結合速度の分子機構を説明する。この特異な結合様式は、非常に強力であり、かつ時間依存性のPRMT5酵素阻害を生み出す。
【0026】
本明細書に記載するように、本方法は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール(JNJ-64619178とも称されるPRMT5阻害剤)及び新たな投与スケジュールを使用することによって、癌と診断されたヒト患者を治療することを対象とする。特定の実施形態によると、「オン/オフ投与サイクル」を含む投与スケジュールは、(例えば、「オフ期間」が存在しない、持続投与サイクルと比較して)(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの同等又はより優れた有効性をもたらすだけではなく、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールが患者に投与されない期間中に長期薬力学的調節を提供してよい。したがって、特定の実施形態によると、腫瘍増殖は抑制され続け、血漿薬物濃度は、休薬期間(washout periods)、つまり「オフ期間」(「休薬期間」(off periods))中に維持される。好ましくは、「オフ期間」を伴う投与スケジュールは、「オフ期間」を伴わない持続投与スケジュールと比較して、低い毒性リスクを有し得る。「オフ期間」を伴う投与スケジュールはまた、又は代替的に、「オフ期間」を伴わない持続投与スケジュールを用いるときに見られる毒性からの回復と比較して、毒性からの早期の回復をもたらし得る。特定の実施形態によると、ある期間(例えば、3か月、6か月、9か月、12か月、18か月、又は24か月間)にわたる「オン/オフ投与サイクル」を含む投与スケジュールに従ってJNJ-64619178 PRMT5阻害剤を投与される患者は、同一期間にわたって、ただし「オフ期間」を伴わない「持続」投与スケジュールに従って同一用量のJNJ-64619178 PRMT5阻害剤を投与される患者と比較して、より少ない毒性を経験し得る。他の実施形態によると、ある期間(例えば、3か月、6か月、9か月、12か月、18か月、又は24か月間)にわたる「オン/オフ投与サイクル」を含む投与スケジュールに従ってJNJ-64619178 PRMT5阻害剤を投与される患者は、同一期間にわたって、ただし「オフ期間」を伴わない「持続」投与スケジュールに従って同一用量のJNJ-64619178 PRMT5阻害剤を投与される患者と比較して、より少ない投与中断を経験し得る。
【0027】
本明細書に記載するように、本開示は、癌と診断されたヒト患者を連続投与レジメンによって治療するための方法を提供する。かかる方法は「オフ期間」を欠いており、したがって一貫した毎日の薬物動態プロファイルを提供する。かかる方法は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の持続用量を投与することを含む。いくつかの実施形態では、投与期間は少なくとも約21日間である。いくつかの態様では、持続用量は、1日当たり約1mg~約2mgのPRMT5阻害剤である。他の態様では、持続用量は、1日当たり約1mgのPRMT5阻害剤である。更なる態様では、持続用量は、1日当たり約2mgのPRMT5阻害剤である。
【0028】
本開示の方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む。「治療的に有効な量」という用語は、酵素若しくはタンパク質活性の減少若しくは阻害、又は症状の改善、病態の緩和、疾患進行の速度低下若しくは遅れ、又は疾患の予防など、研究者、獣医、医師、又は他の臨床専門家が得ようとする、組織系、動物又はヒトにおける生物学的又は医薬的応答を誘発する(例えば、本開示の化合物など活性化合物又は医薬品の)量を指す。別の言い方をすれば、治療的に有効な量という用語は、特定の対象に投与されたとき、対象における疾患、病態、症候群、若しくは障害を阻害、軽減、若しくは治癒させることによって、あるいは疾患、病態、症候群、若しくは障害、又はこれらの症状の発症を予防的に阻害、防止、又は遅延させることによって治療効果を達成する量を指し得る。治療的に有効な量は、対象における疾患、病態、症候群、若しくは障害の1つ以上の症状をある程度緩和する;並びに/又は疾患、病態、症候群、若しくは障害に関連する若しくは原因となる1つ以上の生理学的若しくは生化学的パラメータを部分的若しくは完全に正常に戻す;並びに/又は疾患、病態、症候群、若しくは障害、又はこれらの症状の発症の可能性を低下させる量であり得る。
【0029】
本明細書で使用するとき、「PRMT5阻害剤」又は「タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5阻害剤」という用語は、タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5の酵素活性を阻害する化学化合物を指す。いくつかの実施形態では、PRMT5阻害剤は、本明細書に記載の化合物である。他の実施形態では、PRMT5阻害剤は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である。更なる実施形態では、PRMT5阻害剤は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールである。更に他の実施形態では、PRMT5阻害剤は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの塩である。また更なる実施形態では、PRMT5阻害剤は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物である。本明細書に記載のない限り、当業者は、後続投与で使用されるPRMT5阻害剤が、初回投与に使用されるPRMT5阻害剤と同一であることを理解するであろう。
【0030】
特定の実施形態によると、本明細書に記載の方法の有効性は、患者の疾患進行までの時間又は患者奏功率の決定などの技術によって測定される。したがって、有効性は、治療が継続され得る、又は中断され得るかどうかを判定するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、有効性は、患者の疾患進行、例えば、本開示の方法による治療に対して反応した、経時的な疾患進行の減少までの時間によって測定される。疾患進行は、癌細胞の増殖(局所的若しくは全身的)、及び/又は疾患の副作用の再発、及び/又は疾患の新たな副作用の発生によって測定され得る。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法は、望ましくは、方法開始前の患者の疾患進行に対して、患者の疾患進行までの時間を増加させる。
【0031】
他の実施形態では、有効性は、患者奏功率を決定することによって測定される。本明細書で使用するとき、「奏功率」は、治療に反応する患者数(有効性の実証による)と治療を受けている患者数との比率である。当業者は、特に、Lugano病期分類(表1を参照)及びResponse Evaluation Criteria in Solid Tumors(RECIST)が挙げられるが、これらに限定されない標準的な分類及び基準を使用して、患者の奏功率を容易に評価することが可能であろう。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Eisenhauer et al.,New response evaluation criteria in solid tumours:Revised RECIST guideline(version 1.1),European Journal of Cancer,45:228-247(2009)を参照されたい。本明細書に記載するように、完全奏効(CR)は、全ての標的病変の消失を含み、部分奏効(PR)は、ベースライン径和を基準として、標的病変の径和の少なくとも30%減少を含み、進行(PD)は、治験での最小径和を基準として、標的病変の径和の少なくとも20%の増加を含み(治験で最小の場合には、ベースライン和を含む)、また、安定(SD)は、治験の最小径和を基準として、PRに適した十分な収縮又はPDに適した十分な増加のいずれも含まない。
【0032】
【表1】
【0033】
特定の実施形態によると、本発明の方法は、RECIST基準に従って、患者における完全奏効(CR)、又は部分奏効(PR)、又は安定(SD)をもたらすのに効果がある。一実施形態では、本発明の方法は、RECIST基準に従って、患者における完全奏効(CR)をもたらすのに効果がある。一実施形態では、本発明の方法は、RECIST基準に従って、患者における部分奏効(PR)をもたらすのに効果がある。一実施形態では、本発明の方法は、RECIST基準に従って、患者における安定(SD)をもたらすのに有効であり、任意選択的に、疾患は6か月を超えて安定である。
【0034】
特定の実施形態によると、本開示の治療法の有効性は、癌細胞の増殖の減少(局所的又は全身的)、癌細胞の不在(局所的又は全身的)、疾患の副作用の減少、又は疾患の副作用の消失のうちの1つ以上によって測定され得る。いくつかの実施形態では、本発明の方法は、固形癌又は血液癌の治療に効果がある。
【0035】
いくつかの態様では、本方法は、例えば、患者の腫瘍体積を減少させることなどによって固形腫瘍を治療するのに効果がある。いくつかの実施形態では、患者の腫瘍体積は、治療後に、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、又は少なくとも約50%減少する。他の実施形態では、本方法は、腫瘍体積を少なくとも約30%又は約35%減少させるのに効果がある。
【0036】
他の態様では、本方法は、例えば、1つ以上の血液学的パラメータを安定させることによって血液癌を治療するのに効果的である。有効性を評価するために測定され得る血液学的パラメータの例としては、全血球数、例えば、赤血球(RBC)、白血球(好中球、好酸球、好塩基球、単球及びリンパ球)、血小板、ヘモグロビン、ヘマトクリット、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。血液癌の治療における特許請求された方法の有効性は、RBC輸血非依存(TI)率、全改善率(完全奏効、部分奏効、及び血液学的改善)、又はこれらの組み合わせによって測定され得る。いくつかの実施形態では、MDS患者の奏功基準は、International Working Group奏効基準(修正版)を使用して決定される。例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Cheson BD,Greenberg PL,Bennett JM,et al.Clinical application and proposal for modification of the International Working Group(IWG)response criteria in myelodysplasia,Blood,108:419-425,2006を参照されたい。
【0037】
他の実施形態では、本方法は、患者が安定した病態又は状態を維持すること、すなわち、癌が進行しない、ないしは別の方法で患者に悪影響を与えないことを可能にする。
【0038】
更なる実施形態によると、本治療法は、患者を癌から寛解させるのに効果がある。
【0039】
本明細書で詳述するように、本方法は、初回投与期間にわたってPRMT5阻害剤の初回用量を患者に、例えば毎日投与することを含む。いくつかの実施形態では、患者は、既にPRMT5阻害剤を毎日摂取している。他の実施形態では、患者は、PRMT5阻害剤をまだ投与されていない。本明細書で使用するとき、「初回投与期間」という用語は、PRMT5阻害剤の投与又は本明細書に記載する本方法の実施を開始する期間を指す。
【0040】
特定の実施形態によると、初回投与期間は、約5~約20日間又は約5~約21日間である。いくつかの実施形態では、初回投与期間は、約5間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、又は約21日間である。いくつかの実施形態では、初回投与期間は、約7日間~約14日間である。更なる実施形態では、初回投与期間は約7日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は、約14日間である。
【0041】
本方法はまた、患者に、1回以上の後続投与期間にわたってPRMT5阻害剤を患者に、例えば、毎日投与することを含む。いくつかの実施形態では、後続投与で使用されるPRMT5阻害剤は、初回投与に使用されるPRMT5阻害剤と同一である。本明細書で使用するとき、「後続投与期間」という用語は、初回投与期間に続く期間を指す。主治医又は別の臨床医は、治療効果又は臨床的利益をもたらすであろう後続投与期間の回数を決定することができてよい。主治医又は別の臨床医はまた、治療が中止され得る時期を判定することができてよい。望ましくは、後続投与期間は、患者が治療から1つ以上の臨床的利益を経験するという条件で継続する。いくつかの実施形態では、後続投与期間は、PRMT5阻害剤の投与を促した疾患又は病態、例えば癌から患者が寛解するまで継続し、寛解した場合には、PRMT5阻害剤の投与は中断され得る。他の実施形態では、後続投与期間は、患者が癌細胞及び/又は腫瘍体積の増加を呈するまで継続する。更なる実施形態では、後続投与期間は、治療が患者にとって許容可能であるという条件で継続する。例えば、後続投与期間は、PRMT5阻害剤の中断が有害事象の重症度を上回る有害事象を患者が呈するまで継続してよい。
【0042】
特定の実施形態によると、1回以上の後続投与期間は、それぞれ約5~約20日間又はそれぞれ約5~約21日間である。いくつかの実施形態では、1回以上の後続投与期間は、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、約14日間、約15日間、約16日間、約17日間、約18日間、約19日間、約20日間、又は約21日間である。いくつかの実施形態では、1回以上の後続投与期間は、約7日間~約14日間である。更なる実施形態では、1回以上の後続投与期間は約7日間である。更に他の実施形態では、1回以上の後続投与期間は約14日間である。
【0043】
第1の後続投与期間には、初回投与期間からある期間の間隔がある。この期間は、「第1の休薬期間」又は「オフ期間」とも称される。この第1の休薬期間中、PRMT5阻害剤は患者に投与されない。いくつかの実施形態では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の間隔がある。すなわち、第1の休薬期間は少なくとも約5日間である。いくつかの実施形態では、第1の後続投与期間は、約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、又は約14日間である。更なる実施形態では、第1の休薬期間は、約7日間~約14日間である。他の実施形態では、第1の休薬期間は約7日間である。なお更なる実施形態では、第1の休薬期間は約14日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は約14日間であり、第1の休薬期間は約7日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は約7日間であり、第1の休薬期間は約7日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は約7日間であり、第1の休薬期間は約14日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は約14日間であり、第1の休薬期間は約7日間であり、1回以上の後続投与期間は約14日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は約7日間であり、第1の休薬期間は約7日間であり、1回以上の後続投与期間は約7日間である。更に他の実施形態では、初回投与期間は約7日間であり、第1の休薬期間は約14日間であり、1回以上の後続投与期間は約7日間である。
【0044】
後続投与期間のそれぞれには、互いからある期間、すなわち「休薬期間」又は「オフ期間」の間隔がある。これらの後続休薬期間中、PRMT5阻害剤は患者に投与されない。いくつかの実施形態では、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある。更なる実施形態では、後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある。いくつかの実施形態では、後続投与期間には、互いから約3日間、約4日間、約5日間、約6日間、約7日間、約8日間、約9日間、約10日間、約11日間、約12日間、約13日間、又は約14日間の時間的な間隔がある。他の実施形態では、後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある。なお更なる実施形態では、後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある。
【0045】
特定の方法では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある。更なる実施形態では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から約7日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから約7日間の時間的な間隔がある。後続投与期間、後続オフ期間、又はそれらの組み合わせは、連続的に繰り返されてよい。
【0046】
用量のそれぞれ、すなわち初回用量又は後続用量は、投与経路、患者の年齢及び病態、並びに治療される特定の不調又は疾患など因子に応じて決定されてよい。初回用量及び少なくとも1回の後続用量は同一であってよい、又は異なっていてよい。特定の実施形態では、初回用量及び少なくとも1回の後続用量は同一である。他の実施形態では、初回用量及び少なくとも1回の後続用量は異なる。特定の実施形態では、初回用量及び後続用量は同一である。
【0047】
初回用量及び後続用量のそれぞれは、毎日投与されてよい。用量(初回用量及び各後続用量の両方)は、単回投与、すなわち1日1回として、又は分割用量として投与されてよい。いくつかの実施形態では、初回用量は、1日1回投与される。他の実施形態では、各後続用量は、1日1回投与される。更なる実施形態では、初回用量及び少なくとも1回の後続用量の両方は、1日1回投与される。用量はまた、分割用量であってよい。本明細書で使用するとき、「分割用量」という用語は、少なくとも1日2回の用量の投与を指す。したがって、例えば、「分割用量」は、1日当たり2回(BID)、1日当たり3回(TID)、又は1日当たり4回(QID)を指す。特定の実施形態では、初回用量は、分割用量である。他の実施形態では、後続用量のそれぞれは、分割用量である。更なる実施形態では、初回用量及び少なくとも1回の後続用量は、分割用量で投与される。分割用量の各用量は同一であってよい、又は異なっていてよい。いくつかの実施形態では、初回用量の分割用量は同一である、又は等しい。他の実施形態では、初回用量の分割用量は異なる。更なる実施形態では、各後続用量の分割用量は、同一である、又は等しい。更に他の実施形態では、各後続用量の分割用量は異なる。更なる実施形態では、初回用量及び各後続用量の分割用量は等しい。更に他の実施形態では、初回用量は、1日2回投与される。また更なる実施形態では、初回用量は、1日3回投与される。他の実施形態では、初回用量は、1日当たり4回投与される。更なる実施形態では、各後続用量は、1日2回投与される。更に他の実施形態では、各後続用量は、1日3回投与される。なお更なる実施形態では、各後続用量は、1日当たり4回投与される。他の実施形態では、初回用量又は少なくとも1回の後続用量のそれぞれは、分割用量で1日2回投与される。更なる実施形態では、初回用量及び少なくとも1回の後続用量の両方は、分割用量で1日2回投与される。
【0048】
1日当たりの初回用量、すなわち、1日用量は、独立して、少なくとも約0.1mgである。いくつかの実施形態では、1日当たりの初回用量は、少なくとも約0.1mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約1.5mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約5.5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約8mg、少なくとも約16mg、少なくとも約30mg、又は少なくとも約60mgである。なお更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、約0.5mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約1mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約1.5mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、約2mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約2.5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約3mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約3.5mgである。また更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、約4mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約4.5mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約5mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、約5.5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約6mgである。なお更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、約8mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約12.5mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は、約16mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量は、約25mgである。
【0049】
他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.1~約100mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約80mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約60mgである。なお更なる実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約30mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約16mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約8mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約4mgである。また更なる実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約2mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約0.5~約1mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約1~約8mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約1~約5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約1~約4mgである。また更なる実施形態では、1日当たりの初回用量のそれぞれは、約1~約2mgである。
【0050】
後続用量のそれぞれは、同一であってよい、又は異なっていてよい。いくつかの実施形態では、後続用量は、本方法中のある期間にわたって同一であってよく、その後、本方法中の別の期間に変化してよい。他の実施形態では、後続用量は、本方法の全体にわたって同一であってよい。したがって、1日当たりの後続用量のそれぞれ、すなわち、後続1日用量は、独立して、少なくとも約0.1mgである。いくつかの更なる実施形態では、1日当たりの後続用量は、少なくとも約0.1mgである。更なる実施形態では、後続用量は、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約1.5mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約5.5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約8mg、少なくとも約16mg、少なくとも約30mg、又は少なくとも約60mgである。なお更なる実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約0.5mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約1mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約1.5mgである。更なる実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約2mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約2.5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約3mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約3.5mgである。また更なる実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約4mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約4.5mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約5mgである。更なる実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約5.5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約6mgである。なお更なる実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約8mgである。他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約12.5mgである。更なる実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約16mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの各後続用量は、約25mgである。
【0051】
場合によっては、初回用量及び後続用量は同一である。いくつかの実施形態では、1日当たりの初回用量は約1.5mgであり、1日当たりの後続用量は約1.5mgである。他の実施形態では、1日当たりの初回用量は約1mgであり、1日当たりの後続用量は約1mgである。更なる実施形態では、1日当たりの初回用量は約2mgであり、1日当たりの後続用量は約2mgである。
【0052】
他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.1~約100mgである。更なる実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約80mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約60mgである。なお更なる実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約30mgである。他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約16mgである。更なる実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約8mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約4mgである。また更なる実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約2mgである。他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約0.5~約1mgである。更なる実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約1~約8mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約1~約5mgである。更に他の実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約1~約4mgである。また更なる実施形態では、1日当たりの後続用量のそれぞれは、約1~約2mgである。
【0053】
特定の態様では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mg(例えば、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約4mg、又は約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、又は約4.5mg、又は約5mgなど)の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5日間~約20日間(例えば、約7日間~約14日間)の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも少なくとも約0.1mg(例えば、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約4mg、又は約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、又は約4mg、又は約4.5mg、又は約5mgなど)のPRMT5阻害剤を、1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含む。これらの方法では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間(例えば、約7日間又は約10日間又は約14日間)の時間的な間隔があってよく、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間(例えば、約7日間又は約10日間又は約14日間)の時間的な間隔があってよい。
【0054】
特定の態様では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mg(例えば、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約4mg、又は約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、又は約4mg、又は約4.5mg、又は約5mgなど)の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5日間~約21日間(例えば、約7日間~約14日間)の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも少なくとも約0.1mg(例えば、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約4mg、又は約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、又は約4mg、又は約4.5mg、又は約5mgなど)のPRMT5阻害剤を、1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含む。これらの方法では、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間(例えば、約7日間又は約10日間又は約14日間)の時間的な間隔があってよく、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間(例えば、約7日間又は約10日間又は約14日間)の時間的な間隔があってよい。
【0055】
特定の態様では、本開示は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法を提供し、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mg(例えば、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約4mg、又は約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、又は約4mg、又は約4.5mg、又は約5mgなど)の、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間(例えば、約14日間)の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)初回期間後に、約7日間~約14日間(例えば、約7日間)のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、(ii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも少なくとも約0.1mg(例えば、約0.5mg~約5mg、又は約0.5mg~約4mg、又は約1mg、約1.5mg、約2mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、又は約4mg、又は約4.5mg、又は約5mgなど)のPRMT5阻害剤を、約7日間~約14日間(例えば、約14日間)の後続投与期間にわたって患者に投与することと、(iv)後続投与期間後に、約7日間~約14日間(例えば、約7日間)のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む。例えば、工程(v)は、工程(iii)及び工程(iv)を、少なくとも2回、少なくとも4回、少なくとも6回、少なくとも8回、少なくとも10回、少なくとも12回、少なくとも14回、少なくとも16回、少なくとも18回、少なくとも20回、少なくとも22回、少なくとも24回など連続的に繰り返すことを含んでよい。
【0056】
本明細書で使用するとき、「被検者」という用語は、本明細書に記載の治療の対象である動物、好ましくは哺乳類、例えば、ネコ、イヌ、霊長類、又はヒト、より好ましくはヒト、すなわち「ヒト患者」又は「ヒト被検者」を指す。好ましい実施形態では、「ヒト患者」又は「ヒト被験者」は、成人のヒト患者(すなわち、18歳以上のヒト)である。
【0057】
本明細書で使用するとき、「治療」という用語は、必ずしも全ての症状の完全な消失を示すものではないが疾患の進行を遅延、妨害、阻止、又は停止させ得る全てのプロセスを指すことを意図する。
【0058】
本明細書で使用するとき、「本開示の化合物」又は「本発明の化合物」という用語は、式(I)の(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールを指す。この化合物は、JNJ-64619178としても知られており、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2017/032840号に記載されている。
【0059】
【化1】
【0060】
当該化合物はまた、互変異性型で存在してよい。「互変異性体」又は「互変異性型」という用語は、低いエネルギー障壁を通って相互変換可能である、異なるエネルギーの構造異性体を指す。かかる型は、存在する限りにおいて、本開示の範囲内に含まれるものとする。
【0061】
任意の特定のキラル原子の立体化学が、本明細書に示す構造において指定されない場合、あらゆる立体異性体が、純粋な立体異性体として、又は2つ以上の立体異性体の混合物として想到され、含まれる。したがって、本明細書に記載の化合物は、立体異性体及び/又はその互変異性体を含むことを意味する。したがって、本開示の化合物としては、鏡像異性体、アトロプ異性体、又はジアステレオマー、ラセミ化合物、E異性体、Z異性体、シス異性体、トランス異性体、又はこれらの混合物など全ての立体異性体が挙げられる。
【0062】
また、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの塩も想到される。薬学的に許容される塩としては、酸付加塩及び塩基付加塩が挙げられる。かかる塩は、従来の手段によって、例えば、遊離酸形態又は遊離塩基形態を、適切な酸又は塩基の1つ以上の等価物と、任意に選択的に溶媒中で、又は塩が不溶性である媒体中で反応させ、続いて標準的な技術を使用して(例えば、真空で、凍結乾燥又は濾過によって)、当該溶媒又は当該媒体を除去することによって形成され得る。塩はまた、例えば好適なイオン交換樹脂を使用して、塩の形態の本開示の化合物の対イオンを別の対イオンと交換することによって調製されてよい。
【0063】
適切な酸は、ハロゲン化水素酸など無機酸、例えば、塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの酸;又は有機酸、例えば、酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわち、エタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわち、ブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、シクラム酸、サリチル酸、p-アミノサリチル酸、パモン酸などの酸を含む。逆に、上記塩基形態は、適切な塩基で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。酸性プロトンを含有する化合物又はその溶媒和物は、適切な有機塩基及び無機塩基による処理によって、それらの非毒性金属又はアミン付加塩形態に変換されてよい。
【0064】
適切な塩基塩形態は、例えば、アンモニウム塩、アルカリ及びアルカリ土類金属塩、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム塩など、有機塩基、例えば、一級、二級及び三級脂肪族を有する塩、並びに芳香族アミン、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、4つのブチルアミン異性体、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ-n-ブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、キヌクリジン、ピリジン、キノリン及びイソキノリン;ベンズアチン、N-メチル-グルカミン、ヒドラバミン塩、及びアミノ酸、例えばアルギニン、リジンなどを有する塩を含む。逆に、塩基形態は、酸で処理することによって、遊離塩基形態に変換されることができる。
【0065】
更に、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその塩のプロドラッグが想到される。「プロドラッグ」という用語は、インビボで代謝されて、実験により検出可能な量で当該化合物を形成する、任意の化合物を含む。いくつかの実施形態では、プロドラッグとしては、化合物中のヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基又はカルボニル基が、インビボで開裂されて、遊離ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基、カルボキシ基、又はカルボニル基をそれぞれ再生成し得る、任意の基に結合されている化合物が挙げられる。プロドラッグの例としては、ヒドロキシ官能基のエステル及びカルバメート、カルボキシル官能基のエステル基、N-アシル誘導体及びN-マンニッヒ塩基が挙げられるが、これらに限定されない。プロドラッグに関する一般的な情報は、例えば、Bundegaard,H.「Design of Prodrugs」p.1-92,Elsevier,New York-Oxford(1985)に見出すことができる。
【0066】
また、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその塩の溶媒和物が想到される。本明細書で使用するとき、「溶媒和物」という用語は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールが形成できる水和物及び溶媒添加形態、並びにその薬学的に許容される付加塩を含む。かかる形態の例は、例えば、水和物、アルコラートなどである。いくつかの実施形態では、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物が用いられる。他の実施形態では、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの水和物が用いられる。
【0067】
本明細書に記載の化合物の一般的な調製は、国際公開第2017/032840号及び特定の実施例に記載されており、一般に、市販されているか、又は当業者によって一般に使用される標準的な合成プロセスによって調製される出発物質から調製される。
【0068】
本明細書に記載の方法は、癌の治療に有用である。癌は、固形癌又は血液に影響を及ぼす癌、すなわち、血液癌であってよい。本明細書で使用するとき、「固形癌」という用語は、被験者の固形臓器に存在し得る、異常な細胞増殖を指す。いくつかの実施形態では、癌は、骨髄異形成症候群(MDS)などスプライシング因子変異を特徴とする。他の実施形態では、癌は固形癌である。他の実施形態では、癌は進行癌又は難治性癌である。他の実施形態では、癌は進行性又は難治性固形癌である。一実施形態では、癌は進行癌である。一実施形態では、癌は難治性癌である。更なる実施形態では、癌は血液癌である。癌は、ホルモン依存性又はホルモン非依存性であってよい。一実施形態では、本発明による癌の治療を受ける患者は、標準的な治療の選択肢を以前に受けたことがある、又は標準的な治療の選択肢に適さない。一実施形態において、本発明による癌の治療を受ける患者は、治療開始時にグレード0又は1のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Statusスコアを有する。
【0069】
癌は、被検者において任意の進行期にあってよい。いくつかの実施形態では、癌は早期又は初期、すなわち、腫瘍(「T」)期であり、癌は局所的である。他の実施形態では、癌は、進行期である、すなわち、進行癌である。本明細書で使用するとき、「進行期」という用語は、身体の1つ以上の領域に拡がった癌を指し得る。したがって、いくつかの態様では、癌は、リンパ節に拡がっており、リンパ節(「N」)期、例えば、リンパ節陽性(「N+」)期として知られている進行癌である。他の態様では、癌は、身体の他の部分に拡がっており、転移(「M」)期として知られている進行癌である。
【0070】
治療され得る癌の例としては、聴神経腫、腺癌、腺様嚢胞癌(ACC)、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆管癌、膀胱癌、乳癌、脳腫瘍、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、脊索腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫(endothelio sarcoma)、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管間質腫瘍、頭頸部癌、造血器癌、重鎖病、血管芽細胞腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌、肝癌、肺癌、平滑筋肉腫、肥満細胞症、骨髄異形成症候群(低リスクMDS及び高リスクMDSなどMDS)、中皮腫、骨髄増殖性疾患、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腺癌、耳下腺癌、膵臓癌、陰茎癌、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌若しくは腺管癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脂腺癌、汗腺癌、滑液腫瘍、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、膣癌、又は外陰癌が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、癌は唾液腺癌又は腺管癌、任意選択的に唾液腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は、腺様嚢胞癌(ACC)である。いくつかの実施形態では、癌は、リンパ肉腫、リンパ管内皮肉腫、又は血管肉腫(hemangio sarcoma)など血管肉腫(angiosarcoma)である。他の実施形態では、癌は胆管癌(cholangiocarcinoma)など胆管癌(biliary cancer)である。更なる実施形態では、乳房の腺癌、乳房の乳頭癌、乳癌(mammary cancer)、又は乳房の髄様癌など乳癌(breast cancer)である。また更なる実施形態では、乳癌は、トリプルネガティブ癌(TNBC)である。更に他の実施形態では、癌は、髄膜腫、神経膠腫、又は髄芽腫など脳腫瘍である。神経膠腫の例としては、星状細胞腫又は乏突起膠腫が挙げられる。更に別の実施形態では、癌は、子宮頸部腺癌など子宮頸癌である。他の実施形態では、癌は、結腸癌、直腸癌、又は結腸直腸腺癌など結腸直腸癌である。更なる実施形態では、癌は、カポジ肉腫又は多発性特発性出血性肉腫などの内皮肉腫である。更に他の実施形態では、癌は子宮癌又は子宮肉腫など子宮内膜癌である。なお更なる実施形態では、癌は、食道腺癌又はBarrett腺癌など食道癌である。他の実施形態では、癌は、眼内黒色腫又は網膜芽腫など眼癌である。いくつかの態様では、眼内黒色腫は、ブドウ膜黒色腫である。更なる実施形態では、癌は、胃腺癌など胃癌である。更に他の実施形態では、癌は、頭頸部扁平上皮癌など頭頸部癌である。また更なる実施形態では、癌は、口腔扁平上皮癌など口腔癌である。更なる実施形態では、癌は、耳下腺癌である。他の実施形態では、癌は咽頭癌、喉頭癌、鼻咽頭癌、又は中咽頭癌など咽喉癌である。更なる実施形態では、癌は造血器癌である。造血器癌の例としては、白血病、リンパ腫、骨髄増殖性腫瘍(MPN)、及び多発性骨髄腫が挙げられる。白血病の例としては、急性リンパ性白血病、急性骨髄球性白血病、慢性骨髄球性白血病、慢性骨髄単球性白血病(CMML)、又は慢性リンパ性白血病が挙げられる。リンパ腫の例としては、ホジキンリンパ腫及び非ホジキンリンパ腫(NHL)が挙げられる。いくつかの実施形態では、癌は非ホジキンリンパ腫である。他の例では、癌はMDSである。他の実施形態では、癌は、低リスクMDSである。他の実施形態では、癌は、赤血球(RBC)輸血依存性である患者における低リスクMDSである。他の実施形態では、癌は、再発性又は赤血球生成促進剤(ESA)治療が無効である患者における低リスクMDSである。他の実施形態では、癌は、赤血球(RBC)輸血依存性であり、かつ再発性又は赤血球生成促進剤(ESA)治療が無効である患者における低リスクMDSである。更なる実施形態では、癌は多発性骨髄腫である。一実施形態では、癌は、乳癌、前立腺癌、唾液腺導管癌、腺様嚢胞癌、又はブドウ膜黒色腫である。別の実施形態では、癌は、前立腺癌、唾液腺導管癌、又は腺様嚢胞癌(ACC)である。
【0071】
リンパ腫の例としては、B細胞NHLが挙げられる。急性リンパ性白血病の例としては、B細胞ALL及びT細胞ALLが挙げられる。急性骨髄球性白血病(AML)の例としては、低リスクAML及び高リスクAMLなどB細胞AML又はT細胞AMLが挙げられる。慢性骨髄球性白血病(CML)の例としては、B細胞CML又はT細胞CMLが挙げられる。慢性リンパ性白血病(CLL)の例としては、B細胞CLL又はT細胞CLLが挙げられる。ホジキンリンパ腫(HL)の例としては、B細胞HL及びT細胞HLが挙げられる。非ホジキンリンパ腫(NHL)の例としては、B細胞NHL及びT細胞NHLが挙げられる。B細胞NHLの例としては、びまん性大細胞型リンパ腫、濾胞性リンパ腫、慢性リンパ球性白血病/小リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、辺縁帯B細胞リンパ腫、縦隔原発B細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、リンパ形質細胞性リンパ腫、免疫芽球性大細胞型リンパ腫、有毛細胞白血病、前駆Bリンパ芽球性リンパ腫、及び原発性中枢神経系リンパ腫;並びに前駆Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、末梢性T細胞リンパ腫、又は多発性骨髄腫などT細胞NHLが挙げられる。一実施形態では、B細胞NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、又はマントル細胞リンパ腫である。びまん性大細胞型リンパ腫の例としては、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が挙げられる。末梢T細胞リンパ腫の例としては、皮膚T細胞リンパ腫、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、節外性ナチュラルキラーT細胞リンパ腫、腸症型T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、及び未分化大細胞リンパ腫が挙げられる。菌状息肉症(mycosis fungiodes)又はセザリー症候群など皮膚T細胞リンパ腫の例。辺縁帯B細胞リンパ腫の例としては、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、節性辺縁帯B細胞リンパ腫、又は脾辺縁帯B細胞リンパ腫が挙げられる。重鎖病の例としては、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、又はMu鎖病が挙げられる。T細胞NHLの例としては、Tリンパ芽球性リンパ腫/白血病、及び末梢T細胞リンパ腫が挙げられる。
【0072】
更に他の実施形態では、癌は、アルファ鎖病、ガンマ鎖病、又はMu鎖病など重鎖病である。更なる実施形態では、癌は、腎芽腫、すなわち、ウィルムス腫瘍など腎臓癌又は腎細胞癌である。更に他の実施形態では、癌は、肝細胞癌又は悪性肝腫など肝癌である。なお更なる実施形態では、癌は、気管支癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、扁平上皮肺癌、肺腺癌、ルイス肺癌、肺神経内分泌腫瘍、定型カルチノイド、非定型カルチノイド、小細胞肺癌、又は大細胞神経内分泌癌など肺癌である。いくつかの態様では、癌は、小細胞肺癌(SCLC)である。他の実施形態では、癌は、真性赤血球増加症、本態性血小板血症、原発性骨髄線維症(別名骨髄線維症(MF))、慢性特発性骨髄線維症、慢性骨髄性白血病、慢性好中球性白血病、又は好酸球増加症候群など骨髄増殖性疾患である。他の実施形態では、癌は、神経線維腫症1型若しくは2型、又は神経鞘腫症など神経線維腫である。更に他の実施形態では、癌は、胃腸膵管神経内分泌腫瘍又はカルチノイド腫瘍などの神経内分泌癌である。更なる実施形態では、癌は、嚢胞腺癌、卵巣胎児性癌、又は卵巣腺癌など卵巣癌である。他の実施形態では、癌は、膵臓腺癌、膵管内乳頭粘液性腫瘍、又は島細胞腫などの膵臓癌である。更なる実施形態では、癌は、陰茎及び陰嚢のパジェット病、松果体腫、又は未分化神経外胚葉性腫瘍など陰茎癌である。更に他の実施形態では、癌は、前立腺腺癌など前立腺癌である。なお更なる実施形態では、癌は、扁平上皮癌、角化棘細胞腫、黒色腫、又は基底細胞癌など皮膚癌である。更なる実施形態では、癌は、多形腺腫、粘膜上皮様癌、及び腺房細胞癌など唾液腺癌である。他の実施形態では、癌は、虫垂癌など小腸癌である。更なる実施形態では、癌は、悪性線維性組織球腫、脂肪肉腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、軟骨肉腫、線維肉腫、又は粘液肉腫などの軟部組織肉腫である。更に他の実施形態では、癌は、精上皮腫又は精巣胎児性癌など)精巣癌である。また更なる実施形態では、癌は、甲状腺の乳頭癌、甲状腺乳頭癌、又は甲状腺髄様癌など甲状腺癌である。他の実施形態では、癌は、外陰部のパジェット病などの外陰癌である。更なる実施形態では、癌は、明細胞癌、膨大細胞癌、又は多形性腺癌である。
【0073】
いくつかの実施形態では、本方法は、乳癌、肺癌、食道癌、膀胱癌、造血器癌、リンパ腫、髄芽腫、直腸腺癌、結腸腺癌、胃癌、膵臓癌、肝癌、腺様嚢胞癌、肺腺癌、頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)、脳腫瘍、肝細胞癌、腎細胞癌、黒色腫、乏突起膠腫、卵巣明細胞癌、ブドウ膜黒色腫、前立腺癌、及び卵巣漿液性嚢胞腺腫の治療に有用である。
【0074】
他の実施形態では、本方法は、癌再発のリスクを低減するのに有用である。
【0075】
本明細書に記載の方法は、任意の許容可能な経路を介してPRMT5阻害剤を投与することを可能にする。いくつかの実施形態では、PRMT5阻害剤は、経口的に、非経口的に(すなわち、液体の形態で)、直腸的に(すなわち、坐剤の形態で)、局所的に(すなわち、経皮パッチ、軟膏、又はクリームの形態で)、又は鼻腔内に投与される。非経口投与の例としては、静脈内(IV)注射、筋肉内(IM)注射、及び皮下(SC)注射が挙げられる。好ましくは、PRMT5阻害剤は経口投与される。他の実施形態では、PRMT5阻害剤は経口投与される。更なる実施形態では、PRMT5阻害剤は非経口投与される。経口投与される場合、PRMT5阻害剤は、摂食状態又は絶食状態の被験者に投与されてよい。好ましくは、PRMT5阻害剤は、絶食状態の被検者に経口投与される。
【0076】
活性成分を単独で、すなわち未希釈で投与することも可能であるが、医薬組成物中に存在してよい。したがって、本開示は、医薬組成物、及び活性成分として、本明細書に記載のPRMT5阻害剤を更に提供する。PRMT5阻害剤は、投与目的で、様々な医薬的形態に製剤化されてよい。
【0077】
PRMT5阻害剤が医薬組成物中に製剤化されるとき、当該組成物はまた、薬学的に許容される担体、希釈剤、及び/又は賦形剤を含む。特定の担体、希釈剤、及び/又は賦形剤は、投与経路に依存し、当業者によって決定され得る。担体、希釈剤、及び/又は賦形剤は、組成物の他の成分と適合性があり、かつその受益者に有害ではないという意味で「許容可能」でなければならない。賦形剤の例としては、希釈剤、潤滑剤、結合剤、及び崩壊剤、懸濁化剤、浸透促進剤、及び/又は好適な湿潤剤が挙げられる。賦形剤は、水、グリコール、油、若しくはアルコールなど液体、又はデンプン、糖、若しくはカオリンなど固体の形態であってよい。
【0078】
経口投与用に設計された医薬組成物は、固体又は液体の形態であってよい。いくつかの実施形態では、経口製剤は、懸濁液、シロップ、エリキシル、エマルション、又は溶液など液体製剤である。他の実施形態では、経口製剤は、錠剤(分割錠又はコーティング錠など)、カプセル、カプレット(分割カプレット又はコーティングカプレットなど)、ピル、粉末、又はウエハーなど固体製剤である。一実施形態では、経口製剤はカプセルである。一実施形態では、経口製剤は、0.5mgのPRMT5阻害剤(好ましくは、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物)を含むカプセルである。一実施形態では、経口製剤は、2mgのPRMT5阻害剤(好ましくは、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物)を含むカプセルである。
【0079】
医薬組成物を調製するために、有効量の特定の化合物は活性成分として、薬学的に許容される担体と組み合わされる。担体が、例えば、生理食塩水溶液、グルコース溶液、油、又は生理食塩水とグルコース溶液との混合物などこれらの混合物を含む液体溶液が調製されてよい。適切な油としては、落花生油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、大豆油、長鎖脂肪酸の合成グリセロールエステル、並びにこれら及び他の油の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0080】
癌又は癌関連病態を治療する又は予防するのに好適であり得る化合物は、単独で、又は1つ以上の追加の治療薬と組み合わせて投与され得る。併用療法は、本明細書に記載の化合物、薬学的に許容される付加塩、又はその溶媒和物、及び1つ以上の追加の治療薬を含有する単一の薬剤投与製剤を投与すること、並びにPRMT5阻害剤及び各追加の治療薬をそれ自身の別個の薬剤投与製剤で投与することを含む。例えば、PRMT5阻害剤及び治療薬は、錠剤若しくはカプセルなど単一の経口投与組成物で一緒に患者に投与されてよい、又は各薬剤は、別個の経口投与製剤で投与されてよい。
【0081】
本明細書に記載の方法で使用するために、化合物は、アジュバント療法と併せて投与されてよい。本明細書で使用するとき、「アジュバント療法」という用語は、1種以上の他の薬剤、より具体的には、他の化学療法、又は癌治療で使用され得る技術を施すことを指す。いくつかの実施形態では、アジュバント療法は放射線を含む。いくつかの実施形態では、アジュバント療法は化学療法剤を含む。更なる実施形態では、化学療法剤は、5-アザアシチジン又はデシタビンなどDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である。更に他の実施形態では、化学療法剤は5-アザアシチジンである。
【0082】
実施形態
実施形態1.治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤であって、この投与は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、PRMT5阻害剤。
【0083】
実施形態2.癌と診断されたヒト患者の治療法に用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤であって、本方法は、治療的に有効な量のPRMT5阻害剤をヒト患者に投与することを含み、本方法は、(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、PRMT5阻害剤。実施形態4.1日当たりの初回用量又は1日当たりの後続用量のそれぞれは、独立して、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約5.5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約8mg、少なくとも約16mg、少なくとも約30mg、又は少なくとも約60mgである、実施形態1~3のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0084】
実施形態5.1日当たりの初回用量又は1日当たりの後続用量のそれぞれは、独立して、約0.1~約100mg、約0.5~約80mg、約0.5~約60mg、0.5~約30mg、約0.5~約16mg、約0.5~約8mg、約0.5~約4mg、約0.5~約2mg、又は約0.5~約1mgである、実施形態1~4のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0085】
実施形態6.1日当たりの初回用量及び1日当たりの後続用量のそれぞれは、独立して、約0.5mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約8mg、約12.5mg、約16mg、約25mg、約30mg、約50mg、約60mg、約100mg、約200mg、約400mg、約600mg、約800mg、又は約1200mgである、実施形態1~5のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0086】
実施形態7.初回用量若しくは少なくとも1回の後続用量のそれぞれは1日1回投与される、又は初回用量及び少なくとも1回の後続用量の両方は1日1回投与される、実施形態1~6のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0087】
実施形態8.初回用量若しくは少なくとも1回の後続用量のそれぞれは分割用量で1日2回(BID)投与される、又は初回用量及び少なくとも1回の後続用量の両方は分割用量で1日2回投与される、実施形態1~7のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0088】
実施形態9.分割用量は等しい、実施形態8に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0089】
実施形態10.初回投与期間は約7日間~約14日間である、実施形態1~9のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0090】
実施形態11.初回投与期間は約7日間である、実施形態1~10のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0091】
実施形態12.初回投与期間は約14日である、実施形態1~11のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0092】
実施形態13.第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、実施形態1~12のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0093】
実施形態14.第1の後続投与期間には、初回投与期間から約7日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから約7日間の時間的な間隔がある、実施形態1~13のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0094】
実施形態15.各後続投与期間は約7日間~約14日間である、実施形態1~12のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0095】
実施形態16.各後続投与期間は約7日間である、実施形態1~15のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0096】
実施形態17.各後続投与期間は約14日間である、実施形態1~15のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0097】
実施形態18.初回用量若しくは少なくとも1回の後続用量は経口投与される、又は初回用量及び少なくとも1回の後続用量は経口投与される、実施形態1~17のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0098】
実施形態19.初回用量及び少なくとも1回の後続用量は同一である、実施形態1~18のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0099】
実施形態20.初回用量及び少なくとも1回の後続用量は異なる、実施形態1~18のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0100】
実施形態21.癌は進行癌である、実施形態1~20のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0101】
実施形態22.癌は、聴神経腫、腺癌、腺様嚢胞癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆管癌、膀胱癌、乳癌、脳腫瘍、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、脊索腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管間質腫瘍、頭頸部癌、造血器癌、重鎖病、血管芽細胞腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌、肝癌、肺癌、平滑筋肉腫、肥満細胞症、骨髄異形成症候群、中皮腫、骨髄増殖性疾患、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腺癌、膵臓癌、陰茎癌、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脂腺癌、汗腺癌、滑液腫瘍、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、膣癌、又は外陰癌である、実施形態1~21のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0102】
実施形態23.癌は固形癌である、実施形態1~22のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0103】
実施形態24.癌は非小細胞肺癌である、実施形態1~23のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0104】
実施形態25.癌は造血器癌である、実施形態1~22のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0105】
実施形態26.癌は非ホジキンリンパ腫である、実施形態25に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0106】
実施形態27.アジュバント療法を患者に施すことを更に含む、実施形態1~26のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0107】
実施形態28.アジュバント療法は、患者に放射線を施すことを含む、実施形態27に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0108】
実施形態29.アジュバント療法は、有効量の化学療法剤を患者に投与することを含む、実施形態27に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0109】
実施形態30.化学療法剤は、5-アザアシチジン又はデシタビン、好ましくは5-アザシチジンなどDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、実施形態29に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0110】
実施形態31.有効性は、患者の疾患進行までの時間又は患者奏功率を決定することによって測定される、実施形態1~30のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0111】
実施形態32.化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの薬学的に許容される付加塩である、実施形態1~31のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0112】
実施形態33.化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物である、実施形態1~32のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0113】
実施形態34.溶媒和物は水和物である、実施形態33に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0114】
実施形態35.化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールである、実施形態1~32のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0115】
実施形態36.治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤であって、この投与は、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、
式中、
第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、PRMT5阻害剤。
【0116】
実施形態37.治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の癌と診断されたヒト患者への投与によってヒト患者を治療するのに用いるPRMT5阻害剤であって、この投与は、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、
(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、
(iv)後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、PRMT5阻害剤。
【0117】
実施形態38.
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、
(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、
(iv)後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、実施形態37に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0118】
実施形態39.
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、
(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、
(iv)後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、実施形態37に従って用いるPRMT5阻害剤。
【0119】
実施形態40.工程(v)は、工程(iii)及び(iv)を少なくとも4回連続的に繰り返すことを含む、実施形態37~39のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0120】
実施形態41.1日当たり約0.5mg~約5mgのPRMT5阻害剤の初回用量を患者に投与することと、1日当たり約0.5mg~約5mgのPRMT5阻害剤の後続用量を患者に投与することと、を含む、実施形態37~40のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0121】
実施形態42.方法は、患者の腫瘍体積を減少させるのに効果がある、実施形態37~41のいずれか1つに従って用いるPRMT5阻害剤。
【0122】
態様
態様1.治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約20日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約20日間の1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、
式中、
第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、
後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、方法。
【0123】
態様3.1日当たりの初回用量又は1日当たりの後続投与のそれぞれは、独立して、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約5.5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約8mg、少なくとも約16mg、少なくとも約30mg、又は少なくとも約60mgである、態様1に記載の方法。
【0124】
態様4.1日当たりの初回用量又は1日当たりの後続用量のそれぞれは、独立して、約0.1~約100mg、約0.5~約80mg、約0.5~約60mg、0.5~約30mg、約0.5~約16mg、約0.5~約8mg、約0.5~約4mg、約0.5~約2mg、又は約0.5~約1mgである、態様1~3のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
態様5.1日当たりの初回用量及び1日当たりの後続用量のそれぞれは、独立して、約0.5mg、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約8mg、約12.5mg、約16mg、約25mg、約30mg、約50mg、約60mg、約100mg、約200mg、約400mg、約600mg、約800mg、又は約1200mgである、態様1~4のいずれか1つに記載の方法。
【0126】
態様6.初回用量若しくは少なくとも1回の後続用量のそれぞれは1日1回投与される、又は初回用量及び少なくとも1回の後続用量の両方は1日1回投与される、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
態様7.初回用量若しくは少なくとも1回の後続用量のそれぞれは分割用量で1日2回(BID)投与される、又は初回用量及び少なくとも1回の後続用量の両方は分割用量で1日2回投与される、態様1~5のいずれか1つに記載の方法。
【0128】
態様8.分割用量は等しい、態様7に記載の方法。
【0129】
態様9.初回投与期間は約7日間~約14日間である、態様1~8のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
態様10.初回投与期間は約7日間である、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
態様11.初回投与期間は約14日間である、態様1~9のいずれか1つに記載の方法。
【0132】
態様12.第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
態様13.第1の後続投与期間には、初回投与期間から約7日間の時間的な間隔があり、後続投与期間には、互いから約7日間の時間的な間隔がある、態様1~12のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
態様14.各後続投与期間は約7日間~約14日間である、態様1~11のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
態様15.各後続投与期間は約7日間である、態様1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
態様16.各後続投与期間は約14日間である、態様1~14のいずれか1つに記載の方法。
【0137】
態様17.初回用量若しくは少なくとも1回の後続用量は経口投与される、又は初回用量及び少なくとも1回の後続用量は経口投与される、態様1~16のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
態様18.初回用量及び少なくとも1回の後続用量は同一である、態様1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
態様19.初回用量及び少なくとも1回の後続用量は異なる、態様1~17のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
態様20.癌は進行癌である、態様1~19のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
態様21.癌は、聴神経腫、腺癌、腺様嚢胞癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆管癌、膀胱癌、乳癌、脳腫瘍、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、脊索腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管間質腫瘍、頭頸部癌、造血器癌、重鎖病、血管芽細胞腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌、肝癌、肺癌、平滑筋肉腫、肥満細胞症、骨髄異形成症候群、中皮腫、骨髄増殖性疾患、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腺癌、膵臓癌、陰茎癌、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脂腺癌、汗腺癌、滑液腫瘍、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、膣癌、又は外陰癌である、態様1~20のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
態様22.癌は固形癌である、態様1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
態様23.癌は非小細胞肺癌である、態様1~22のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
態様24.癌は造血器癌である、態様1~21のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
態様25.癌は非ホジキンリンパ腫である、態様24に記載の方法。
【0146】
態様26.アジュバント療法を患者に施すことを更に含む、態様1~25のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
態様27.アジュバント療法は、患者に放射線を施すことを含む、態様26に記載の方法。
【0148】
態様28.アジュバント療法は、有効量の化学療法剤を患者に投与することを含む、態様26に記載の方法。
【0149】
態様29.化学療法剤は、5-アザアシチジン又はデシタビン、好ましくは5-アザシチジンなどDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、態様28に記載の方法。
【0150】
態様30.有効性は、患者の疾患進行までの時間又は患者奏功率を決定することによって測定される、態様1~29のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
態様31.化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの薬学的に許容される付加塩である、態様1~30のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
態様32.化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物である、態様1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
態様33.溶媒和物は水和物である、態様32に記載の方法。
【0154】
態様34.化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールである、態様1~31のいずれか1つに記載の方法。
【0155】
態様35.治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって患者に投与することと、を含み、
式中、
第1の後続投与期間には、初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、方法。
【0156】
態様36.治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含む、癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、
(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、
(iv)後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、方法。
【0157】
態様37.
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、
(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、
(iv)後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、態様36に記載の方法。
【0158】
態様38.
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物であるPRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって患者に投与することと、
(ii)初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、PRMT5阻害剤を患者に投与しないことと、
(iii)オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgのPRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間の後続投与期間にわたって患者に投与することと、
(iv)後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、当該化合物を患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、態様36に記載の方法。
【0159】
態様39.工程(v)は、工程(iii)及び(iv)を少なくとも4回連続的に繰り返すことを含む、態様36~38のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
態様40.1日当たり約0.5mg~約5mgのPRMT5阻害剤の初回用量を患者に投与することと、1日当たり約0.5mg~約5mgのPRMT5阻害剤の後続用量を患者に投与することと、を含む、態様36~39のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
態様41.方法は、患者の腫瘍体積を減少させるのに効果がある、態様36~40のいずれか1つに記載の方法。
【0162】
【表2-1】
【0163】
【表2-2】
【実施例
【0164】
実施例1.製剤原料
本明細書に記載のインビボマウス研究及びヒト臨床治験において投与されるJNJ-64619178製剤原料は、483.37の分子量、C2223BrNの分子式、及び(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの化学名を有する。この製剤原料は、参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第2017/032840号に記載のように調製し、特性化された。
【0165】
実施例2.製剤
本明細書に記載の臨床治験用に供給されるJNJ-64619178製剤原料は、経口投与用に0.5mg及び2mgカプセルとして製剤した。この製剤原料に加えて、各カプセルは、流動化剤としてのコロイド状二酸化ケイ素と、硬ゼラチンカプセルシェル(0.5mgカプセルにはサイズ0、2.0mgカプセルにはサイズ3、各カプセルシェルは、例えば、ゼラチン及び二酸化チタンを含む)と、を含む。
【0166】
実施例3.インビボ肺癌モデル:確立したNCI-H1048 SCLCモデルにおけるJNJ-64619178の有効性
A.治験1
SCLCのNCI-H1048ヒト異種移植モデルにおける抗腫瘍活性についてJNJ-64619178を試験した。雄マウスの皮下にNCI-H1048細胞を埋め込み、腫瘍を14日間増殖させた。治療開始時の体積は、174±51mmに達した。マウスには、1、3、及び10mg/kgのJNJ-64619178、又は20%ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HP-β-CD)ビヒクル対照を、1日1回、最大28日間にわたって経口投与した。
【0167】
JNJ-64619178は、3及び10mg/kgで生物学的に有意な抗腫瘍活性を示した。10mg/kgの用量では、JNJ-64619178は、投与後最大14日間維持した腫瘍の完全奏効を誘発した。群平均腫瘍体積を図2に示す。ビヒクル対照と比較して、1、3、及び10mg/kgの用量のJNJ-64619178において統計的に有意な抗腫瘍活性が存在し、10mg/kgでは、埋め込み後42日目に99.1%腫瘍増殖阻害(TGI)を達成した。
【0168】
これらの結果は、第2のヒトSCLCマウス異種移植片治験において確認した。NCI H1048ヒトSCLC異種移植片を有するマウスを、10日間にわたる、JNJ-64619178(1、3、及び10mg/kg)又は20% HP β CDビヒクル対照の強制経口投与により処置し、腫瘍再増殖を更に10日間観察した。生物学的に有意なTGI(最大72.9%)は、10mg/kgのJNJ 64619178で観察され、投与後期間中の数日間にわたって継続した。
【0169】
図1は、10mg/kgのJNJ 64619178又はビヒクル対照による1日1回の治療の中止後に観察した個々の腫瘍再増殖を詳細に示す。10mg/kgのJNJ 64619178で処置した8匹全てのマウスにおいて、腫瘍再増殖は投与中止14日後に開始し、腫瘍は、埋め込み後92日目までに倫理的限界に達した。
【0170】
B.治験2
NCI-H1048肺癌異種移植マウスに、JNJ-64619178(10mg/kg)を連続9日間にわたって経口投与し、続いて治療を11日間中止した。投与後2時間(0、1、2、3、及び6日目)、及び治療中止後の毎日、腫瘍(n=3匹のヌードマウス/群)を収集し、SmD1/3-Meの濃度を免疫ブロット法によって評価し、ビヒクル(20% HP-β-CD)処理した腫瘍試料から測定した中央β-アクチンタンパク質濃度に正規化した。ビヒクル処理群(100%として定義)と比較したSmD1/3-Me濃度のパーセンテージ(%)を、最小値から最大値までのひげを有する箱ひげ図として図3に視覚化し、中央値を線で結んだ。灰色の影付き部分は投与期間を表し、点線のバーは、未処理試料中のSmD1/3-Meの濃度を表す。
【0171】
C.治験3
NCI-H1048異種移植片を有するマウス(n=8匹のマウス/群)に、連続28日間又は7日間毎日の薬剤治療、続いて7日間の投与休止期間というサイクルを2回(7+/7-、2サイクル)のいずれかにわたって、ビヒクル(20% HP-β-CD)又はJNJ-64619178(10mg/kg)を1日1回経口投与し、それぞれ62%及び63%のビヒクル治療と比較した腫瘍増殖阻害(TGI、%)を28日目に計算した。全ての異種移植片治験において、治療開始時の平均腫瘍体積は約150mmであり、各群の平均腫瘍体積(mm)±SEMを、図4に示すように経時的にグラフ化した。
【0172】
実施例4.進行癌を患う被験者における、JNJ-64619178の安全性、薬物動態、及び薬物動態の第I相非盲検治験
これは、以前に標準的な治療の選択肢を受けたことがある、若しくは標準的な治療の選択肢に適さない、進行性固形腫瘍若しくはB細胞非ホジキンリンパ腫を患う成人ヒト被検者、又は赤血球(RBC)輸血依存性であり、かつ再発性若しくは赤血球生成促進剤(ESA)治療が無効である、低リスク骨髄異形成症候群(MDS)を患う成人被検者のいずれかに投与されたJNJ-64619178単剤療法の安全性、薬物動態、薬物動態、及び予備臨床活性を評価するための、多部分、第1相、非盲検、多施設治験である。
【0173】
初回臨床結果
以下に記載の「第1相」試験において、様々な固形腫瘍(例えば、乳癌、前立腺癌、唾液腺導管癌、腺様嚢胞癌)を患う15人の参加者に、14日間の持続投与、続いて7日間の休止期間というスケジュール(21日サイクルで14日間オン/7日間オフ)で、0.5mg(第1群)、1mg(第2群)、2mg(第3群)、及び4mg(第4群)のJNJ-64619178を投与した。平均治療期間は、第4群の4週間(4mgで14日間オン/7日間オフ)~第2群の6か月(1mgで14日間オン/7日間オフ)の範囲であった。最初の3群で最も頻繁に報告された有害事象(AE)は、血液、胃腸、及び皮膚科学に関するものであった。非血液学的毒性はグレード1又は2であった。ただし、グレード3のうちのある事例では、嘔吐が24時間続いた。最初の3群では、用量制限毒性(DLT)を観察しなかった。第1部の治験は進行中である。
【0174】
後続臨床結果
以下に記載の「第1部」試験において、様々な固形腫瘍(例えば、乳癌、前立腺癌、唾液腺導管癌、腺様嚢胞癌、及びぶどう膜黒色腫)を患う54人の参加者に、14日間の持続投与、続いて7日間の休止期間というスケジュール(21日サイクルで14日間オン/7日間オフ)で、0.5mg(第1群)、1mg(第2群)、2mg(第3群)、4mg(第4群)、及び3mg(第5群)、又は21日間の持続投与というスケジュールで1mg(第6群)若しくは2mg(第7群)のJNJ-64619178を投与した。平均治療期間は3か月であり、0.4~22.4か月の範囲であった。参加者の20%未満で観察された有害事象(AE)は、胃腸疾患(悪心、嘔吐、下痢)、血液疾患(血小板減少症、貧血、好中球減少症)、一般的な疾患(倦怠感及び無力症)、及び味覚障害であった。第4群、第5群、及び第6群では、7日より長く続いた、グレード4又はグレード3の血小板減少症の投与制限毒性を観察した。最大耐量は、14日間オン/7日間オフのスケジュールで3mg、又は持続投与スケジュールで2mgと考えられた。有効性について評価可能な45人の参加者のうち、1人(4.3%)、24人(52%)、及び20人(43%)では、部分奏効、安定、及び進行の最良の全体奏効率をそれぞれ確認した。PRを確認した参加者は、第2群の参加者であった。
【0175】
JNJ64619178血漿Cmax及びAUCは、直線的に用量に比例した。血漿SDMAによって測定したように、強固な標的係合は、断続的投与でも達成された。確認した部分奏効(RECIST)は、ACCにおいて観察され、ACC、前立腺癌、唾液腺導管癌、及び他の腫瘍タイプの患者は、6か月を超えて安定を有した。1.5mgの断続的投与及び1mgのQDという2つの暫定RP2Dを選択した。
【0176】
このデータは、JNJ64619178が、選択した用量レベルにおいて管理可能な毒性及び抗腫瘍活性の予備的証拠を実証したことを示す。断続的投与も標的阻害を維持した。
【0177】
第1部及び第2部について、更なる臨床試験を以下に記載する。
【0178】
臨床プロトコル
【0179】
【表3】
【0180】
被験者集団
この実施例の目的のために、適格な被検者は、18歳以上であり、再発性又は難治性B細胞NHL(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、濾胞性リンパ腫、又はマントル細胞リンパ腫)、RBC輸血依存性かつESA再発性若しくは難治性低リスクMDS、又は進行性若しくは難治性固形腫瘍を患い、病気の組織学記録、固形腫瘍及びNHLについて少なくとも1つの測定可能な疾患部位、グレード0又は1のEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)Performance Statusスコア、並びに登録のための治験指定基準内の実験室値及び心臓パラメータを有する必要がある。
【0181】
投与量及び投与
JNJ-64619178の開始用量は、最も敏感な種としてのイヌにおいて重篤な毒性が発現しない最大用量(HNSTD)よりも保守的である、無毒性量(NOAEL)用量を使用して得られた毒物学的結果に基づくものである。既定の安全率である6(非げっ歯類のHNSTDに使用)を使用して、1日1回(QD)0.54mgの開始用量を得、これを0.5mgのQDに丸めた。第1部の薬物動態導入期で、1回用量の治験薬を投与する。治療期中、治験薬は、21日サイクルで、14日間持続投与し、続いて7日間休止した(14日間オン/7日間オフの投与)。代替的な投与スケジュール(例えば、持続投与、7日間オン/7日間オフ、及び7日間オン/14日間オフ)も評価する。
【0182】
この治験は、投与スケジュールA(14日間オフ/7日間オフの21日サイクルでの投与)で開始した。以下の表Bは、考えられる用量増加の例を提供する。治験薬投与の概要を表Cに提供する。
【0183】
【表4】
【0184】
【表5】
【0185】
治験薬投与スケジュールを表Dに示す。
【0186】
【表6】
【0187】
この治験は、スクリーニング期、薬物動態導入期、治療期、及び治療後フォローアップ期の最大4つの期間を有する、2つの部分に分けられる。治験薬投与スケジュールを上記の表Dに示す。
【0188】
薬物動態導入期
薬物動態導入期は、治療期における後続の1日用量投与に先立って、JNJ64619178の1回用量の薬物動態を評価する。被験者は、1日目に会場において1回用量の治験薬の投与を受け、薬物動態評価のために会場に少なくとも6時間留まる。1回用量の治験薬に続いて、6日間の休止期間(すなわち、2日目~7日目[5~10日間の範囲が許容される])が設けられ、薬物動態血液試料及びECGの収集が行われる。第1部の特定の被検者は、薬物動態導入期に参加しない場合がある。
【0189】
治療段階
治療期は、第1サイクルの1日目に治験薬の投与から始まり、治療終了時の来院の完了まで継続する。治療期中、JNJ-64619178の複数用量の薬物動態を評価する。第1サイクルの14日目に、第1部の被験者は、薬物動態及びECG評価のために、会場に治験薬投与後少なくとも8時間留まる。治験薬は、JNJ 64619178の薬物動態を正確に評価するために、毎日ほぼ同時刻に投与されるべきである。
【0190】
被験者は、治験薬の投与のために各サイクルの1日目に来場し、自宅で自己投与するのに十分な治験薬を受け取る。自宅での治験薬の摂取を記録するために、日記カードが提供される。自宅での自己投与に関する指示は、各来院時に強化される。被検者はまた、考えられる毒性について各来院時に評価される。
【0191】
治験薬は、疾患の進行まで(疾患特異的基準に従って)、又は治験薬中断基準のいずれかが満たされるまで投与され得る。第2部の被験者は、以前に治験中断基準を満たしていない限り、最短24週間の治療を受ける。臨床的利益の証拠を有する被検者は、疾患の進行又は血液学的奏効の喪失まで、治験薬を継続してよい。治験薬の中断時に、被検者はEOT来院を完了する。
【0192】
有害事象の報告
(i)有害事象:有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)を投与された臨床治験被検者における任意の好ましくない医療上の出来事である。有害事象は、必ずしも治験薬と因果関係を有するわけではない。したがって、有害事象とは、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)の使用と時間的に関連のある、あらゆる好ましくない、意図しない徴候(例えば、臨床検査値の異常)、症状又は疾患のことであり得、医薬品(治験用又は非治験用医薬品)との因果関係の有無は問わない。(医薬品規制調和国際会議([International Conference on Harmonisation、ICH]による定義)。これには、新たな発症又はベースライン状態からの重症度若しくは頻度における悪化である任意の発症、あるいは検査室試験の異常を含む診断手順の異常な結果が含まれる。
【0193】
(ii)重篤有害事象:ICH and EU Guidelines on Pharmacovigilance for Medicinal Products for Human Useに基づく重篤な有害事象は、下記の用量に関係なく、好ましくないあらゆる医療上の出来事である:
・死に至る
・生命に関わる
(被験者はその事象の時点において死の危険に曝されていたものである。仮にもっと重度であれば死を招いたかもしれないという意味ではない。)
・入院又は現行の入院期間の延長が必要となる
・永続的又は重大な障害/機能不全に至る
・先天異常/先天性欠損を来す
・医薬品を介した任意の感染因子の疑いのある伝播を来す
・医学的に重要である
直ちに生命を脅かしたり、又は死や入院に至らなくとも、緊急報告が、被験者を危険にさらす恐れがあったり、又は上記の定義に挙げられている他の結果のうちの1つを防止するための介入が必要となり得る重要な医学的事象などの他の状況においても適切であるかどうかを決定する際に、医学的及び科学的判断を実行する必要がある。これらは通常、重篤であるとみなされる必要がある。
【0194】
未記載の(予測できない)有害事象/安全に関する参考情報
性質又は重症度が適用可能な製品参照安全性情報と一致しない場合、有害事象は、記載されていないと考えられる。
【0195】
治験薬の使用に関連する有害事象
因果関係が考えられ、確率が高いか、又は非常に高い場合、有害事象が治験の使用に関連していると考えられる。
【0196】
(iii)帰属定義
関連しない:治験薬の使用に関連しない有害事象。
【0197】
疑わしい:代替的な説明の方の可能性が高い有害事象、例えば、併用薬剤、併発症、又は時間の関係は、因果関係がありそうもないことを示唆する。
【0198】
考えられる:治療薬の使用に起因し得る有害事象。代替的な説明、例えば、併用薬、併発症は決定的ではない。時間の関係は合理的であり、したがって、因果関係を除外することができない。
【0199】
確率が高い:治験薬の使用に起因し得る有害事象。時間の関係は、暗示的である(例えば、薬剤の投与中断によって確認される)。代替的な説明、例えば、併用薬、併発症は可能性が低い。
【0200】
非常に高い:有害事象は、可能な有害反応として列挙され、代替的な説明、例えば、併用薬、併発症によって合理的に説明することができない。時間の関係は、非常に暗示的である(例えば、薬剤の投与中断及び再開によって確認される)。
【0201】
(iv)重症度基準
重症度等級の評価は、NCI CTCAE Version 4.03に従って行われる。表Eを参照されたい。
【0202】
【表7】

本発明は、以下の態様を含む。
<1>
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤であって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、前記投与は、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、PRMT5阻害剤。
<2>
前記癌はスプライシング因子変異を特徴とする、<1>に記載のPRMT5阻害剤。
<3>
1日当たりの前記初回用量又は1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約1.5mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約5.5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約8mg、少なくとも約16mg、少なくとも約30mg、又は少なくとも約60mgである、<1>又は<2>に記載のPRMT5阻害剤。
<4>
1日当たりの前記初回用量又は1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、約0.1~約100mg、約0.5~約80mg、約0.5~約60mg、0.5~約30mg、約0.5~約16mg、約0.5~約8mg、約0.5~約4mg、約0.5~約2mg、又は約0.5~約1mgである、<1>又は<2>に記載のPRMT5阻害剤。
<5>
1日当たりの前記初回用量及び1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約8mg、約12.5mg、約16mg、約25mg、約30mg、約50mg、約60mg、約100mg、約200mg、約400mg、約600mg、約800mg、又は約1200mgである、<1>~<4>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<6>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量のそれぞれは1日1回投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量の両方は1日1回投与される、<1>~<5>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<7>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量のそれぞれは分割用量で投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量の両方は分割用量で投与される、<1>~<5>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<8>
前記分割用量は等しい、<7>に記載のPRMT5阻害剤。
<9>
一方又は両方の分割用量は1日2回(BID)である、<6>~<8>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<10>
前記初回投与期間は約7日間~約14日間である、<1>~<9>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<11>
前記初回投与期間は約7日間である、<1>~<10>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<12>
前記初回投与期間は約14日間である、<1>~<10>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<13>
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、<1>~<12>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<14>
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から約7日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから約7日間の時間的な間隔がある、<1>~<13>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<15>
各後続投与期間は約7日間~約14日間である、<1>~<12>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<16>
各後続投与期間は約7日間である、<1>~<15>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<17>
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、<1>~<12>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<18>
各後続投与期間は約14日間である、<1>~<15>又は<17>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<19>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量は経口投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は経口投与される、<1>~<18>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<20>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量は非経口投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は非経口投与される、<1>~<18>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<21>
前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は同一である、<1>~<20>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<22>
前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は異なる、<1>~<20>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<23>
前記癌は進行癌である、<1>~<22>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<24>
前記癌は、聴神経腫、腺癌、腺様嚢胞癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆管癌、膀胱癌、乳癌、脳腫瘍、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、脊索腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管間質腫瘍、頭頸部癌、造血器癌、重鎖病、血管芽細胞腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌、肝癌、肺癌、平滑筋肉腫、肥満細胞症、骨髄異形成症候群、中皮腫、骨髄増殖性疾患、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腺癌、膵臓癌、陰茎癌、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脂腺癌、汗腺癌、滑液腫瘍、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、ぶどう膜黒色腫、膣癌、又は外陰癌である、<1>~<23>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<25>
前記癌は固形癌である、<1>~<24>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<26>
前記癌は非小細胞肺癌である、<1>~<25>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<27>
前記癌は造血器癌である、<1>~<24>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<28>
前記癌は、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、骨髄腫、CMML、MDS、又はAMLである、<27>に記載のPRMT5阻害剤。
<29>
アジュバント療法を前記患者に施すことを更に含む、<1>~<28>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<30>
前記アジュバント療法は、前記患者に放射線を施すことを含む、<29>に記載のPRMT5阻害剤。
<31>
前記アジュバント療法は、有効量の化学療法剤を前記患者に投与することを含む、<29>に記載のPRMT5阻害剤。
<32>
前記化学療法剤は、5-アザアシチジン又はデシタビン、好ましくは5-アザシチジンなどDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、<31>に記載のPRMT5阻害剤。
<33>
有効性は、患者の疾患進行までの時間又は患者奏功率を決定することによって測定される、<1>~<32>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<34>
前記化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの薬学的に許容される付加塩である、<1>~<33>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<35>
前記化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物である、<1>~<31>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<36>
前記溶媒和物は水和物である、<35>に記載のPRMT5阻害剤。
<37>
前記化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールである、<1>~<34>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<38>
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤であって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、前記投与は、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、PRMT5阻害剤。
<39>
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤であって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、前記投与は、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、PRMT5阻害剤。
<40>
癌と診断されたヒト患者を治療するのに用いるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤であって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を前記ヒト患者に投与することを含み、前記投与は、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、PRMT5阻害剤。
<41>
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、<40に記載のPRMT5阻害剤。
<42>
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、<40に記載のPRMT5阻害剤。
<43>
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、<40に記載のPRMT5阻害剤。
<44>
工程(v)は、工程(iii)及び(iv)を少なくとも4回連続的に繰り返すことを含む、<40>~<43>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<45>
1日当たり約0.5mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の前記初回用量を前記患者に投与することと、1日当たり約0.5mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の前記後続用量を前記患者に投与することと、を含む、<40>~<44>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<46>
癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含み、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、方法。
<47>
前記癌はスプライシング因子変異を特徴とする、<46>に記載の方法。
<48>
1日当たりの前記初回用量又は1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、少なくとも約0.5mg、少なくとも約1mg、少なくとも約1.5mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約5.5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約8mg、少なくとも約16mg、少なくとも約30mg、又は少なくとも約60mgである、<46>又は<47>に記載の方法。
<49>
1日当たりの前記初回用量又は1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、約0.1~約100mg、約0.5~約80mg、約0.5~約60mg、0.5~約30mg、約0.5~約16mg、約0.5~約8mg、約0.5~約4mg、約0.5~約2mg、又は約0.5~約1mgである、<46>~<48>のいずれかに記載のPRMT5阻害剤。
<50>
1日当たりの前記初回用量及び1日当たりの前記後続用量のそれぞれは、独立して、約0.5mg、約1mg、約1.5mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約5.5mg、約6mg、約8mg、約12.5mg、約16mg、約25mg、約30mg、約50mg、約60mg、約100mg、約200mg、約400mg、約600mg、約800mg、又は約1200mgである、<46>~<49>のいずれかに記載の方法。
<51>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量のそれぞれは1日1回投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続投与の両方は1日1回投与される、<46>~<50>のいずれかに記載の方法。
<52>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量のそれぞれは分割用量で投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量の両方は分割用量で投与される、<46>~<50>のいずれかに記載の方法。
<53>
前記分割用量は等しい、<52>に記載の方法。
<54>
一方又は両方の分割用量は1日2回(BID)である、<51>~<53>のいずれかに記載の方法。
<55>
前記初回投与期間は約7日間~約14日間である、<46>~<54>のいずれかに記載の方法。
<56>
前記初回投与期間は約7日間である、<46>~<55>のいずれかに記載の方法。
<57>
前記初回投与期間は約14日間である、<46>~<55>のいずれかに記載の方法。
<58>
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、<46>~<57>のいずれかに記載の方法。
<59>
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から約7日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから約7日間の時間的な間隔がある、<46>~<58>のいずれかに記載の方法。
<60>
各後続投与期間は約7日間~約14日間である、<46>~<57>のいずれかに記載の方法。
<61>
各後続投与期間は約7日間である、<46>~<60>のいずれかに記載の方法。
<62>
前記第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、<46>~<57>のいずれかに記載の方法。
<63>
各後続投与期間は約14日間である、<46>~<60>、又は<62>のいずれかに記載の方法。
<64>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量は経口投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は経口投与される、<46>~<63>のいずれかに記載の方法。
<65>
前記初回用量若しくは少なくとも1回の前記後続用量は非経口投与される、又は前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は非経口投与される、<46>~<63>のいずれかに記載の方法。
<66>
前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は同一である、<46>~<65>のいずれかに記載の方法。
<67>
前記初回用量及び少なくとも1回の前記後続用量は異なる、<46>~<65>のいずれかに記載の方法。
<68>
前記癌は進行癌である、<46>~<67>のいずれかに記載の方法。
<69>
前記癌は、聴神経腫、腺癌、腺様嚢胞癌、副腎癌、肛門癌、血管肉腫、虫垂癌、良性単クローン免疫グロブリン症、胆管癌、膀胱癌、乳癌、脳腫瘍、気管支癌、カルチノイド腫瘍、子宮頸癌、脊索腫、絨毛癌、頭蓋咽頭腫、結腸直腸癌、上皮癌、上衣腫、内皮肉腫、子宮内膜癌、食道癌、ユーイング肉腫、眼癌、家族性過好酸球増加症、胆嚢癌、胃癌、消化管間質腫瘍、頭頸部癌、造血器癌、重鎖病、血管芽細胞腫、炎症性筋線維芽細胞性腫瘍、免疫球性アミロイドーシス、腎臓癌、肝癌、肺癌、平滑筋肉腫、肥満細胞症、骨髄異形成症候群、中皮腫、骨髄増殖性疾患、神経芽細胞腫、神経線維腫、神経内分泌癌、骨肉腫、卵巣癌、乳頭腺癌、膵臓癌、陰茎癌、松果体腫、未分化神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、直腸癌、横紋筋肉腫、唾液腺癌、皮膚癌、小腸癌、軟部組織肉腫、脂腺癌、汗腺癌、滑液腫瘍、精巣癌、甲状腺癌、尿道癌、ぶどう膜黒色腫、膣癌、又は外陰癌である、<46>~<68>のいずれかに記載の方法。
<70>
前記癌は固形癌である、<46>~<69>のいずれかに記載の方法。
<71>
前記癌は非小細胞肺癌である、<46>~<70>のいずれかに記載の方法。
<72>
前記癌は造血器癌である、<46>~<69>のいずれかに記載の方法。
<73>
前記癌は、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、骨髄腫、CMML、MDS、又はAMLである、<72>に記載の方法。
<74>
アジュバント療法を前記患者に施すことを更に含む、<46>~<73>のいずれかに記載の方法。
<75>
前記アジュバント療法は、前記患者に放射線を施すことを含む、<74>に記載の方法。
<76>
前記アジュバント療法は、有効量の化学療法剤を前記患者に投与することを含む、<74>に記載の方法。
<77>
前記化学療法剤は、5-アザアシチジン又はデシタビン、好ましくは5-アザシチジンなどDNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤である、<76>に記載の方法。
<78>
有効性は、患者の疾患進行までの時間又は患者奏功率を決定することによって測定される、<46>~<77>のいずれかに記載の方法。
<79>
前記化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの薬学的に許容される付加塩である、<46>~<78>のいずれかに記載の方法。
<80>
前記化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールの溶媒和物である、<46>~<76>のいずれかに記載の方法。
<81>
前記溶媒和物は水和物である、<80>に記載の方法。
<82>
前記化合物は、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオールである、<46>~<79>のいずれかに記載の方法。
<83>
癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含み、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、方法。
<84>
癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含み、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、方法。
<85>
癌と診断されたヒト患者を治療するための方法であって、治療的に有効な量のPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤を投与することを含み、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、方法。
<86>
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、<85>に記載の方法。
<87>
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、<85>に記載の方法。
<88>
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)前記初回期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないことと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないことと、
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことと、を含む、<85>に記載の方法。
<89>
工程(v)は、工程(iii)及び(iv)を少なくとも4回連続的に繰り返すことを含む、<85>~<88>のいずれかに記載の方法。
<90>
1日当たり約0.5mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の前記初回用量を前記患者に投与することと、1日当たり約0.5mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の前記後続用量を前記患者に投与することと、を含む、<85>~<89>のいずれかに記載の方法。
<91>
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造におけるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を投与すること、すなわち、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約5~約21日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与することと、
(ii)1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、それぞれ約5~約21日間の1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することと、を含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約5日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約5日間の時間的な間隔がある、使用。
<92>
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造におけるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与すること、及び
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することによって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を投与することを含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約7日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約7日間の時間的な間隔がある、使用。
<93>
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造におけるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、
(i)1日当たり約0.1mg~約5mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与すること、及び
(ii)1日当たり約0.1mg~約5mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、1回以上の後続投与期間にわたって前記患者に投与することによって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を投与することを含み、
第1の後続投与期間には、前記初回投与期間から少なくとも約14日間の時間的な間隔があり、
前記後続投与期間には、互いから少なくとも約14日間の時間的な間隔がある、使用。
<94>
癌と診断されたヒト患者を治療するための薬剤の製造におけるPRMT5(タンパク質アルギニンメチルトランスフェラーゼ5)阻害剤の使用であって、
(i)1日当たり少なくとも約0.1mgの、(1S,2R,3S,5R)-3-(2-(2-アミノ-3-ブロモキノリン-7-イル)エチル)-5-(4-アミノ-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-7-イル)シクロペンタン-1,2-ジオール又はその薬学的に許容される付加塩若しくは溶媒和物である前記PRMT5阻害剤の初回用量を、約7日間~約14日間の初回投与期間にわたって前記患者に投与すること、
(ii)前記初回期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記PRMT5阻害剤を前記患者に投与しないこと、
(iii)前記オフ期間後に、1日当たり少なくとも約0.1mgの前記PRMT5阻害剤の後続用量を、約7日間~約14日間の後続投与期間にわたって前記患者に投与すること、
(iv)前記後続投与期間後に、約7日間~約14日間のオフ期間にわたって、前記化合物を前記患者に投与しないこと、並びに
(v)任意選択的に、工程(iii)及び(iv)を連続的に繰り返すことによって、治療的に有効な量の前記PRMT5阻害剤を投与することを含む、使用。
図1
図2
図3
図4