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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】プラテンシールド洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   B24B 55/06 20060101AFI20241119BHJP
   B24B 37/10 20120101ALI20241119BHJP
   B24B 37/34 20120101ALI20241119BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241119BHJP
【FI】
B24B55/06
B24B37/10
B24B37/34
H01L21/304 621D
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2022580033
(86)(22)【出願日】2021-06-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-31
(86)【国際出願番号】 US2021038296
(87)【国際公開番号】W WO2021262612
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2022-12-23
(31)【優先権主張番号】16/909,947
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ガジル シャンタヌ ラジヴ
(72)【発明者】
【氏名】パタンカー サミット スバーシュ
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィス ネイサン アロン
(72)【発明者】
【氏名】ダンブラ アレン エル
【審査官】亀田 貴志
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2005-0063346(KR,A)
【文献】特開2019-059915(JP,A)
【文献】特開2010-149238(JP,A)
【文献】特開2019-188480(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104985523(CN,A)
【文献】特開2006-229100(JP,A)
【文献】特開2001-319902(JP,A)
【文献】特開2000-263417(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 55/06
B24B 37/00 - 37/34
H01L 21/304
B23Q 11/08
B08B 1/00 - 1/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能なプラテンと、
前記プラテンを取り囲み、間隙によって前記プラテンから離間されたプラテンシールドと、
前記プラテンに取り付けられ、前記間隙に位置するスポンジホルダと、
前記スポンジホルダによって保持されたスポンジであって、前記スポンジの外面が前記プラテンシールドの内面に押し付けられるように保持された、スポンジと、
を備え
前記スポンジホルダが前記回転可能なプラテンに取り外し可能に固定されるように構成されたアダプタをさらに備え、前記アダプタが前記スポンジを前記プラテンシールドの前記内面に押し付けるように構成されている、アセンブリ。
【請求項2】
前記アダプタがプラテンから延出するプラグに取り外し可能に固定されるように構成されたラッチをさらに備える、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記スポンジが複数のばねによって前記プラテンシールドの内面に押し付けられる、請求項に記載のアセンブリ。
【請求項4】
化学機械研磨システムのプラテンに取り外し可能に固定されるように構成されたアダプタと、
前記アダプタに接続され、スポンジを受け、前記プラテンを取り囲むプラテンシールドの内面に対して前記スポンジを保持するように構成された外面を有するスポンジホルダと、
を備え
前記アダプタが、前記スポンジホルダを押し出し、前記スポンジを前記プラテンシールドの前記内面に押し付けるように構成されている、プラテンシールド洗浄システム。
【請求項5】
前記アダプタがプラテンから延出するプラグに取り外し可能に固定されるように構成されたラッチをさらに備える、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項6】
前記アダプタが、前記アダプタが回転するのを防止するために、前記プラテンの頂面に当接するように構成された支持フランジをさらに備える、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項7】
複数のばねが前記アダプタと前記スポンジホルダとの間に介在して、前記スポンジを前記プラテンシールドの前記内面に接触させる、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項8】
複数のコッタピンが複数のばねを前記アダプタおよび前記スポンジホルダに保持する、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項9】
前記スポンジホルダに結合されたスポンジをさらに備える、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項10】
前記スポンジが、マジックテープ式固定具によって前記スポンジホルダに結合されている、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項11】
前記スポンジが乾燥スポンジである、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項12】
前記スポンジが湿潤スポンジである、請求項に記載のプラテンシールド洗浄システム。
【請求項13】
プラテンとプラテンシールドとの間の間隙にスポンジおよびスポンジホルダを据え付けるステップであって、前記スポンジが前記スポンジホルダに取り付けられ、前記スポンジホルダが前記プラテンに取り外し可能に取り付けられ、前記スポンジホルダが前記スポンジを前記プラテンシールドの内面に押し付けて前記プラテンシールドを洗浄する、ステップと、
前記スポンジを前記プラテンシールドの内面に接触させるステップと、
前記スポンジを前記プラテンシールドに接触させて、前記プラテンと前記スポンジホルダと、前記スポンジとを回転させるステップと、
を含み、
前記スポンジホルダと前記スポンジが、前記プラテンの回転によって回転する、プラテンシールド洗浄方法。
【請求項14】
前記プラテンと前記プラテンシールドとの間の前記間隙に前記スポンジおよび前記スポンジホルダを取り付けるステップが、
前記スポンジと前記スポンジホルダとの間に介在する複数のばねを圧縮して、前記スポンジと前記スポンジホルダを互いにより近づけるステップと、
前記スポンジと前記スポンジホルダとの間に介在する前記複数のばねを解放して、前記スポンジと前記スポンジホルダを互いに遠ざけるステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記プラテンと前記プラテンシールドとの間の前記間隙に前記スポンジおよび前記スポンジホルダを取り付けるステップが、前記プラテン上のプラグの上に前記スポンジホルダ上のラッチを配置するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
プラテンとプラテンシールドとの間の間隙にスポンジおよびスポンジホルダを据え付けるステップが、前記プラテンの頂面に当接するように構成された支持フランジを配置するステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記プラテンシールドを乾燥スポンジで擦るステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
洗浄溶液を含む湿潤スポンジで前記プラテンシールドを湿らせるステップと、
前記湿潤スポンジで前記プラテンシールドを擦るステップと、
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、化学機械研磨に関し、より詳細には、プラテンを取り囲むシールドの洗浄に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、典型的には、シリコンウエハ上に導電層、半導体層、または絶縁層を順次堆積させることによって基板上に形成される。1つの製造ステップは、非平面上に充填層を堆積させることと、充填層を平坦化することとを含む。特定の用途では、充填層は、パターニングされた層の頂面が露出するまで平坦化される。例えば、パターニングされた絶縁層上に導電性充填層を堆積させ、絶縁層のトレンチまたは孔を充填することができる。平坦化後、絶縁層の隆起パターン間に残っている導電層の部分が、基板上の薄膜回路間の導電性経路を提供するビア、プラグ、および線を形成する。酸化物研磨などの他の用途では、充填層は、非平面上に所定の厚さが残るまで平坦化される。加えて、基板表面の平坦化は、通常、フォトリソグラフィのために必要である。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、1つの受け入れられている平坦化方法である。この平坦化方法は、典型的には、基板をキャリアまたは研磨ヘッドに装着することが必要である。基板の露出面は、典型的には、回転する研磨パッドに対して配置されている。キャリアヘッドは、基板に制御可能な荷重を加えて、基板を研磨パッドに押し付ける。研磨パッドの表面には、典型的には、研磨液が供給される。
【0004】
研磨パッドは、典型的には、回転可能なプラテン上に支持されている。プラテンと研磨パッドが回転すると、遠心力が研磨液を研磨パッドから押し出そうとする傾向がある。プラテンシールドをプラテンの周りに配置して、研磨パッドから振り飛ばされる研磨液が作業領域を汚染するのを防止することができる。
【発明の概要】
【0005】
一態様では、プラテンシールド洗浄システムは、化学機械研磨システムのプラテンシールドを洗浄するためのプラテンシールド洗浄アセンブリを含む。プラテンシールド洗浄アセンブリは、回転可能なプラテンとプラテンシールドとの間の間隙において回転可能なプラテンに据え付けられる。アセンブリは、回転可能なプラテンに取り付けられたスポンジホルダと、スポンジとを含む。スポンジは、スポンジの外面がプラテンシールドの内面に押し付けられるように、スポンジホルダによって保持される。
【0006】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0007】
スポンジホルダは、回転可能なプラテンに取り外し可能に固定されるように構成されたアダプタを含むことができる。アダプタは、スポンジをプラテンシールドの内面に押し付けるように構成されている。アダプタは、プラテンから延出するプラグに取り外し可能に固定されるように構成されたラッチを含むことができる。スポンジは、複数のばねによってプラテンシールドの内面に押し付けられてもよい。
【0008】
スポンジホルダは、ラッチおよび裏当て片を含むことができる。ラッチは、プラテンから延出するプラグに取り外し可能に固定されるように構成されてもよい。裏当て片は、ラッチに接続され、スポンジを受けるように構成された外面を有する。外面は、スポンジをプラテンシールドの内面プロファイルに適合させるように湾曲している。スポンジは、マジックテープ式固定具によって、スポンジホルダの外面に取り付けられてもよい。スポンジホルダは、複数のばねによって裏当て片に結合されてもよい。ばねは、複数の締め具によって裏当て片およびスポンジホルダに結合されてもよい。
【0009】
プラテンシールド洗浄システムは、アダプタおよびスポンジホルダを含むことができる。アダプタは、化学機械研磨システムのプラテンに取り外し可能に固定されるように構成されてもよい。スポンジホルダは、アダプタに接続されてもよく、スポンジを受け、プラテンを取り囲むプラテンシールドの内面に対してスポンジを保持するように構成された外面を有することができる。アダプタは、プラテンから延出するプラグに取り外し可能に固定されるように構成されたラッチを含むことができる。アダプタは、アダプタが回転するのを防止するために、プラテンの頂面に当接するように構成された支持フランジを含むことができる。
【0010】
プラテンシールド洗浄システムは、アダプタとスポンジホルダとの間に介在する、スポンジをプラテンシールドの内面に接触させる複数のばねを含むことができる。複数のコッタピンが、ばねをアダプタおよびスポンジホルダに保持することができる。
【0011】
プラテンシールド洗浄システムは、スポンジホルダに結合されたスポンジを含むことができる。スポンジは、マジックテープ式固定具によってスポンジホルダに結合されてもよい。スポンジは、乾燥スポンジであってもよい。スポンジは、湿潤スポンジであってもよい。
【0012】
別の態様では、プラテンシールドを洗浄する方法は、プラテンとプラテンシールドとの間の間隙にスポンジおよびスポンジホルダを据え付けるステップと、スポンジをプラテンシールドに接触させるステップと、スポンジがプラテンシールドに接触している間に、プラテンおよびプラテン、スポンジホルダ、ならびにスポンジを回転させるステップと、を含む。
【0013】
実施態様は、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0014】
スポンジおよびスポンジホルダを据え付けるステップは、スポンジとスポンジホルダとの間に介在する複数のばねを圧縮してスポンジとスポンジホルダを互いにより近づけるステップと、スポンジとスポンジホルダとの間に介在するばねを解放してスポンジとスポンジホルダを互いに遠ざけるステップと、を含むことができる。スポンジおよびスポンジホルダを据え付けるステップは、プラテン上のプラグの上にスポンジホルダ上のラッチを配置するステップを含むことができる。スポンジおよびスポンジホルダを据え付けるステップは、アダプタが回転するのを防止するために、プラテンの頂面に当接するように構成された支持フランジを配置するステップを含むことができる。
【0015】
プラテンシールドは、乾燥スポンジで擦ることができる。プラテンシールドは、洗浄溶液を含む湿潤スポンジで湿らされてもよく、プラテンシールドは、湿潤スポンジで擦られてもよい。
【0016】
実施態様は、任意に、以下の利点のうちの1つまたは複数を含むことができるが、これらに限定されない。研磨品質を改善することができ、例えば、研磨プロセス中にプラテンシールドから剥離する研磨スラリ蓄積物からの乾燥した研磨粒子によって生成される引っかき傷および欠陥が少なくなる。さらに、欠陥に起因して廃棄されるウエハの量を減らすことができる。研磨システムのメンテナンス休止時間を大幅に短縮することができる。これにより、研磨システムの生産性が改善され、プラテンシールド洗浄プロセスに充てられる時間が短くなるため、オペレータ時間が短縮される。異なる洗浄モード(すなわち、乾式洗浄と湿式洗浄)間の切り替えがより容易になる。洗浄プロセスは、プラテンシールドとのツール圧力係合を調整することによって迅速に修正することができる。
【0017】
1つまたは複数の実施態様の詳細が、添付の図面および以下の説明に記載される。他の態様、特徴、および利点は、説明および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1A】化学機械研磨システムの概略断面図である。
図1B図1の化学機械研磨システムに据え付けられたプラテンシールド洗浄システムの概略断面図である。
図2図1の化学機械研磨システムに据え付けられた図2のプラテンシールド洗浄システムの斜視図である。
図3図2のプラテンシールド洗浄システムの分解正面斜視図である。
図4図2のプラテンシールド洗浄システムの分解背面斜視図である。
図5】プラテンシールドを洗浄する方法である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
様々な図面における同様の参照番号および記号表示は、同様の要素を示す。
【0020】
化学機械研磨の間、研磨液、例えば研磨剤研磨スラリが研磨パッドの表面に供給される。プラテンおよび研磨パッドが回転すると、研磨剤研磨、研磨液がプラテンから振り飛ばされる。プラテンの周囲に配置されたプラテンシールドは、研磨液が研磨システムの周囲領域を汚染するのを防止するためのバリアとして機能することができる。
【0021】
研磨液の一部は、シールドから流れ落ち、槽に収集され得るが、研磨液の一部は、乾燥してプラテンシールド上に蓄積し得る。時間の経過とともにプラテンシールド上に乾燥した研磨液が蓄積することは、複数の有害な影響を有する。例えば、研磨液中の研磨粒子は、除去されて研磨面に戻り得る凝集物を形成する可能性があり、したがって、引っかき傷および欠陥の危険性が生じる。乾燥した研磨液の蓄積を防止するためにプラテンシールドを洗浄するには、かなりの量の非生産的な時間が必要である。
【0022】
プラテンに容易に取り付けることができ、装置の分解を必要としないプラテンシールド洗浄ツールは、これらの悪影響を軽減することができる。
【0023】
図1Aは、基板10を研磨するように動作可能な研磨システム20を示す。研磨システム20は、主研磨パッド30が位置する回転可能なプラテン24と、回転可能なプラテン24を取り囲み、環状間隙22によってプラテン24から分離されたプラテンシールド26と、を含む。図1Bに示すように、プラテンシールド洗浄システム50は、回転可能なプラテン24に機械的に結合され、回転可能なプラテン24とプラテンシールド26との間に介在することができる。プラテンシールドは円形であり、回転可能なプラテン26を取り囲んでいる。プラテンシールドは、垂直円筒形部分26aを含むことができ、プラテンシールドの頂部は、内向きに湾曲してリップ26bを形成することができる。リップ26bは、プラテン24の表面の垂直面よりも上方に配置することができる。
【0024】
回転可能なプラテン24は、軸28の周りを回転するように動作可能である。例えば、モータ30は、駆動シャフト32を回して、回転可能なプラテン24を回転させることができる。
【0025】
研磨システム20は、基板10を研磨パッド30に対して保持するように動作可能なキャリアヘッド70を含む。キャリアヘッド70は、支持構造72、例えば、カルーセルまたはトラックから吊り下げられており、キャリアヘッドが軸71の周りを回転することができるように、キャリア駆動シャフト74によってキャリアヘッド回転モータ76に接続されている。加えて、キャリアヘッド70は、例えば、アクチュエータによって駆動されるカルーセル72の半径方向のスロット内を移動することによって、モータによって駆動されるカルーセルの回転によって、またはアクチュエータによって駆動されるトラックに沿って前後に移動することによって、研磨パッド30を横切って横方向に振動することができる。動作において、プラテン24は、その中心軸25の周りを回転し、キャリアヘッドは、その中心軸71の周りを回転し、研磨パッド30の頂面を横切って横方向に並進する。
【0026】
研磨システム20は、研磨液供給アーム34を含むことができる。研磨中、アーム34は、研磨液36を吐出するように動作可能である。研磨液36は、研磨粒子を含むスラリとすることができる。研磨液36は、複数の名称、例えば、研磨剤研磨スラリ、研磨剤研磨液、または研磨スラリによって言及される可能性がある。あるいは、研磨システム20は、研磨液36を主研磨パッド30上に吐出するように動作可能なポートをプラテン24に含むことができる。プラテン24が回転すると、研磨剤研磨、研磨液36がプラテン24から振り飛ばされる。プラテン24の周囲に配置されたプラテンシールド26は、研磨液36が研磨システム20の周囲領域を汚染するのを阻止するためのバリアとして機能することができる。研磨液36の一部は、プラテンシールド26から流れ落ち、研磨システム20の下方に収集され得るが、研磨液36の一部は、プラテンシールド26上に蓄積し得る。その後の研磨動作により、プラテンシールド26上に研磨液36が堆積し続け、研磨液36は、乾燥し、プラテンシールド26上にさらに蓄積し得る。
【0027】
プラテン24の円筒形外面44の凹部42にプラグ60が据え付けられている。プラグ60は、凹部42から取り外し可能である。プラグ60は、外面44から間隙22内に延出する。プラグは、プラスチックまたは金属とすることができる。プラグ60は、プラテンシールド洗浄システム50(図2に示す)に機械的に結合するように構成されている。
【0028】
図1Bは、研磨システム20に据え付けられたプラテンシールド洗浄システム50を示す。プラテンシールド洗浄システム50は、スポンジホルダ52およびスポンジ54を含む。スポンジホルダ52は、スポンジ54をプラテンシールド26の内面38に対して付勢して、プラテンシールド26を洗浄する。スポンジ54は、プラテンシールド26の内面38を洗浄する外面56を有する。
【0029】
スポンジ54は、柔らかく多孔性の吸収性材料で作られている。スポンジ54は、天然由来の材料または合成材料で作ることができる。例えば、スポンジ54は、植物性セルロース、動物の海綿、麻、または木質繊維などの天然由来の材料から形成することができる。あるいは、スポンジ54は、例えば、ポリエステルまたはポリウレタンなどの合成材料から形成することができる。
【0030】
スポンジホルダ52は、プラテン24に取り外し可能に取り付けられ、プラテン24とプラテンシールド26との間の間隙22に位置する。スポンジ54は、例えば、スポンジの一方の表面にコーティングされた弱接着剤層によって、または機械的締め具によって、スポンジホルダに取り外し可能に取り付けられている。
【0031】
スポンジ54は、スポンジ54の外面56がプラテンシールド24の内面38に押し付けられるように、スポンジホルダ52によって保持されている。動作において、回転可能なプラテン24およびプラテンシールド洗浄システム50は、スポンジ54がプラテンシールド26の内面38に係合した状態で、軸28の周りを回転する。プラテンシールド26の内面38の周りのスポンジ54の円形掃引は、研磨液36の蓄積を掻き落とすことができる。
【0032】
プラテンシールド26の洗浄を容易にするために、洗浄化学物質をスポンジ54に塗布することができる。化学物質をスポンジ54に塗布して、その後の研磨液36がプラテンシールド26の内面38に蓄積するのをさらに防止することができる。例えば、脱イオン水、イソプロピルアルコール、または水酸化カリウムをスポンジに塗布することができる。
【0033】
図2は、化学機械研磨システム20に据え付けられたプラテンシールド洗浄システム50の斜視図を示す。プラテンシールド洗浄システム50は、回転可能なプラテン24に機械的に結合され、回転可能なプラテン24とプラテンシールド26との間に介在する。
【0034】
図3は、図1のプラテンシールド洗浄システム50の分解斜視図を示す。図4は、プラテンシールド洗浄システム50の背面分解斜視図を示す。図1図3および図4を参照すると、プラテンシールド洗浄システム50は、プラテン24に取り外し可能に固定されるように構成されたアダプタ66と、アダプタ66に接続され、スポンジ54を受けるように構成された外面64を有する裏当て片62を備えたスポンジホルダ52と、を含む。
【0035】
裏当て片62の外面64は、スポンジ54をプラテンシールド26の内面38に適合させるように湾曲している。裏当て片62は、垂直セクション84と、傾斜セクション86と、垂直セクション84を傾斜セクション86に接続する湾曲セクション88と、を有することができる。この構成は、スポンジ54をプラテンシールド26の垂直セクション26aおよび内側に湾曲したリップ26bに適合させる。
【0036】
スポンジホルダ52は、スポンジホルダをプラグ60に取り外し可能に固定するためのラッチ機構58を含む。例えば、プラテン24に隣接するアダプタ66の背面100は、プラグ60が嵌合することができる凹部92を含むことができる。
【0037】
アダプタ66は、プラテンの円筒形外面に寄りかかる略垂直の本体90と、本体90の上縁部から水平に延在し、パッドまたはプラテン24の頂面40に当接するように構成された支持フランジ68と、を含む。支持フランジ68は、プラテンシールドに対するスポンジの摩擦によるトルクの影響下で、アダプタ66が回転するのを防止することができる。アダプタ66は、凹部92を備えた背面100を有する。凹部92は、プラグ60を収容するように構成されている。凹部92は、プラグ60にラッチするように構成されたリッジ102を有する。プラグ60は、リッジ102によって拘束されるまで、凹部92内を垂直に摺動する。あるいは、クランプがプラテン26を把持し、次いでアダプタ66がクランプに固定されてもよい。
【0038】
本体90は、凹部96に接続されたボイド104を有する。ボイド104は、締め具82を収容するようにサイズ決めされている。
【0039】
スポンジホルダ52は、背面106から垂直に突出する圧縮ピン94を含む。圧縮ピン94は、ばね80をアダプタ66の前面102の凹部96に圧入する。圧縮ピン94は、圧縮ピン94を通って延在する垂直スリット98を有することができる。垂直スリット98は、締め具82を収容するようにサイズ決めされている。
【0040】
スポンジホルダは、金属またはプラスチックで作ることができる。例えば、スポンジホルダは、スチール、アルミニウム、高密度ポリエチレン、または複合材料とすることができる。
【0041】
スポンジ54は、マジックテープ式固定具によってスポンジホルダ52に取り外し可能に取り付けることができる。マジックテープ式固定具の半分は、接着剤によって外面64に取り付けられている。マジックテープ式固定具の他の半分は、接着剤によってスポンジ54に取り付けられている。スポンジ54は、乾燥スポンジまたは湿潤スポンジとすることができる。乾燥スポンジは、いかなる流体化学物質もスポンジに添加されていない。湿潤スポンジは、流体がスポンジに添加されている。湿潤スポンジを使用して、乾燥研磨液36の蓄積を掻き落とすか、乾燥研磨液36の蓄積を軟化させてほぐすか、またはプラテンシールドに化学物質を塗布することができる。例えば、化学物質をプラテンシールドに塗布して、さらなる乾燥研磨液36の蓄積を低減または防止することができる。例えば、洗浄流体をスポンジに添加することができる。
【0042】
プラテンシールド洗浄システム50は、アダプタ66とスポンジホルダ52との間に介在して、スポンジ54をプラテンシールド26の内面38に接触させるばね80を含む。ばね80は、アダプタ66の凹部96に嵌合する。ばね80は、スポンジホルダ52に結合し、圧縮ピン94によって圧縮される。ばね80は、恒久的に取り付けられるか、または取り外し可能に固定されてもよい。ばね80は、例えば、溶接または接着によって恒久的に取り付けることができる。ばね80は、ピンのような締め具82によって取り外し可能に固定することができる。例えば、締め具82は、コッタピンとすることができる。プラテンシールド洗浄システム50は、ばね80をアダプタ66およびスポンジホルダ52に保持するための締め具82を含むことができる。ばね80は、アダプタ66の凹部96に配置される。スポンジホルダ54の圧縮ピン94は、ばね80に結合される。スポンジホルダ54に力を加えて、ばね80を凹部96に圧入する。圧縮ピン94の垂直スリット98は、アダプタ66のボイド104と位置合わせされる。コッタピン82は、ボイド104および垂直スリット98を貫いて配置され、ばね80を捕捉する。
【0043】
特に、アダプタ66をプラテン24に取り付けるために、プラグ60は、プラテン24の円筒形外面44の凹部42の内側に位置合わせされて配置される。次いで、アダプタ66の背面100がプラテン24の外面44に位置合わせされる。アダプタ凹部92がプラグ60に位置合わせされる。アダプタ凹部92が凹部92に結合される。アダプタ66は、プラグ60および凹部92によって拘束されて垂直に摺動する。プラグ60がラッチ機構58のリッジ102に接触する。アダプタ66は、動きが拘束される。スポンジホルダ54が解放される。スポンジホルダ54は、完全に伸びた位置に移動する。
【0044】
図5は、プラテンシールドを洗浄する方法500を示す。502では、スポンジとスポンジホルダとの間に介在する複数のばねが圧縮されて、スポンジとスポンジホルダを互いにより近づけるように移動させる。504では、スポンジおよびスポンジホルダがプラテンとプラテンシールドとの間の間隙に据え付けられる。506では、スポンジホルダ上のラッチが、プラテン上のプラグの上に配置される。508では、アダプタが回転するのを防止するために、プラテンの頂面に当接するように構成された支持フランジがプラテンの頂面に配置される。510では、スポンジとスポンジホルダとの間に介在する複数のばねが解放されて、スポンジとスポンジホルダを互いに遠ざけるように移動させる。512では、スポンジは、プラテンシールドと接触するように付勢される。514では、プラテンおよびプラテンと、スポンジホルダとは、スポンジとともにプラテンシールドと接触して回転する。スポンジは、乾燥スポンジまたは液体で湿らせた湿潤スポンジとすることができる。液体は、洗浄溶液または蓄積防止溶液とすることができる。
【0045】
主題の特定の実施形態について説明した。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲の範囲内にある。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5