(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】リソグラフィ装置の一部を洗浄するためのシステム
(51)【国際特許分類】
G03F 7/20 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
G03F7/20 521
G03F7/20 501
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023159343
(22)【出願日】2023-09-25
(62)【分割の表示】P 2022521359の分割
【原出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-10-20
(32)【優先日】2019-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503195263
【氏名又は名称】エーエスエムエル ホールディング エヌ.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ロダーク,ダニエル,ポール
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-013308(JP,A)
【文献】特開2009-147227(JP,A)
【文献】特表2015-531890(JP,A)
【文献】国際公開第2009/116625(WO,A1)
【文献】特開2005-072404(JP,A)
【文献】特開2015-029922(JP,A)
【文献】特開2002-050667(JP,A)
【文献】国際公開第2007/074757(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0022049(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リソグラフィ装置の一部を洗浄するためのシステムであって、
前記リソグラフィ装置に第1の形態で挿入され、前記リソグラフィ装置のツールハンドラにより係合され、前記リソグラフィ装置の前記一部を洗浄するのに使用される洗浄ツールを備え、
前記洗浄ツールは、前記ツールハンドラによる係合の後に、前記リソグラフィ装置の前記一部を洗浄するために使用されるときに拡張した第2の形態になるように、前記第1の形態から前記第2の形態に移行し、
前記洗浄ツールは、少なくとも部分的に洗浄材料で覆われた洗浄面と、前記洗浄ツールの前記洗浄面に対して反対側にある識別面と、前記洗浄面と前記識別面の間に位置する、前記識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部と、を備え、
前記洗浄ツールは、前記洗浄ツールの内部の前記洗浄面と前記識別面の間に位置する照明源であって、前記1つ以上の識別特徴部が前記識別面を通して見えるように照明を提供するように構成された照明源を更に備える、システム。
【請求項2】
前記照明源は、発光ダイオード(LED)を含む、請求項1のシステム。
【請求項3】
前記照明源は、照明をLEDから前記1つ以上の識別特徴部に向けて、かつ前記識別面を通して誘導するように構成された照明ガイドを更に備える、請求項2のシステム。
【請求項4】
前記照明源は、周囲光を前記洗浄ツールの下から前記洗浄ツールの内部を通って前記1つ以上の識別特徴部に向けて、かつ前記識別面を通って誘導するように構成された1つ以上のミラーを備える、請求項1のシステム。
【請求項5】
前記第1の形態にある前記洗浄ツールを保持し、前記リソグラフィ装置内に収まるコンテナを更に備え、
前記洗浄ツールは、前記リソグラフィ装置内の前記コンテナに挿入され、洗浄のために前記ツールハンドラによって前記コンテナから移動され、洗浄後に前記ツールハンドラによって前記コンテナに戻される、請求項1のシステム。
【請求項6】
前記コンテナは、前記洗浄ツールが洗浄後に前記コンテナに戻されるときの、前記洗浄ツールの前記第2の形態から前記第1の形態への収縮を促進する1つ以上の収縮コンポーネントを有する、請求項5のシステム。
【請求項7】
リソグラフィ装置の一部を洗浄ツールを用いて洗浄する方法であって、方法が、
前記洗浄ツールを前記リソグラフィ装置に第1の形態で挿入することと、
前記洗浄ツールを前記リソグラフィ装置のツールハンドラと係合させることと、
前記洗浄ツールを第1の形態から拡張した第2の形態に移行させることと、
前記洗浄ツールが拡張した前記第2の形態にある間に、前記洗浄ツールを用いて前記リソグラフィ装置の一部を洗浄することと、
少なくとも部分的に洗浄材料で覆われている前記洗浄ツールに洗浄面を設けることと、
前記洗浄ツールの前記洗浄面に対して反対側にある識別面を前記洗浄ツールに設けることと、
前記洗浄面と前記洗浄ツールの1つ以上の内部面上の前記識別面の間に位置し、前記識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部を前記洗浄ツールに設けることと、
前記洗浄ツールの内部の前記洗浄面と前記識別面の間に位置し、前記1つ以上の識別特徴部が前記識別面を通して見えるように照明を提供するように構成された照明源を設けることと、
を含む、方法。
【請求項8】
前記第1の形態にある前記洗浄ツールをコンテナ内に保持することと、
前記洗浄ツールを前記リソグラフィ装置内のコンテナに挿入することと、
洗浄のために前記洗浄ツールを前記コンテナから前記ツールハンドラを用いて移動させることと、
洗浄後に前記ツールハンドラを用いて前記洗浄ツールを前記コンテナに戻すことと、
を更に含む、請求項7の方法。
【請求項9】
前記洗浄ツールが洗浄のために前記ツールハンドラによって前記コンテナから移動されるとき、前記洗浄ツールを前記第1の形態から前記第2の形態に移行させることを更に含む、請求項
8の方法。
【請求項10】
前記洗浄ツールが洗浄後に前記ツールハンドラによって前記コンテナに戻されるときに、前記洗浄ツールを前記第2の形態から前記第1の形態に移行させることを更に含む、請求項
8又は9の方法。
【請求項11】
前記洗浄ツールが洗浄後に前記コンテナに戻されることに応答して、収縮コンポーネントを用いて、前記洗浄ツールを拡張した前記第2の形態から収縮させることを更に含む、請求項
8から10の何れか一項の方法。
【請求項12】
前記リソグラフィ装置の一部は、レチクルステージレチクルクランプを含む、請求項7から11の何れか一項の方法。
【請求項13】
前記洗浄ツールは、洗浄レチクルを含む、請求項7から12の何れか一項の方法。
【請求項14】
前記ツールハンドラは、レチクルハンドラタレットグリッパを含む、請求項7から13の何れか一項の方法。
【請求項15】
前記リソグラフィ装置は、深紫外(DUV)放射用に構成される、請求項7から14の何れか一項の方法。
【請求項16】
前記移行は、前記洗浄ツール内でヒンジジョイントにより結合され、前記第1の形態と前記第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上のリンクによって促進される、請求項7から15の何れか一項の方法。
【請求項17】
前記移行は、前記第1の形態と前記第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、前記洗浄ツールの1つ以上の可撓性部によって促進される、請求項7から16の何れか一項の方法。
【請求項18】
前記移行は、前記第1の形態と前記第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、前記洗浄ツールの1つ以上の回転部によって促進される、請求項7から17の何れか一項の方法。
【請求項19】
コンピュータによって実行されるときに、請求項7から18の何れか一項の方法を実行する命令を記録させた、非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2019年11月7日出願の米国仮特許出願第62/931,864号の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記述は、概してリソグラフィ装置の一部を洗浄するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 例えば集積回路(IC)の製造にリソグラフィ(例えば投影)装置を使用することができる。このような場合、パターニングデバイス(例えばマスク)が、ICの個々の層に対応するパターン(「設計レイアウト」)を含む又は提供することがあり、このパターンは、ターゲット部分をパターニングデバイス上のパターンを介して照射することなどの方法によって、放射感応性材料(「レジスト」)の層でコーティングされた基板(例えばシリコンウェーハ)上の(例えば1つ以上のダイを含む)ターゲット部分上に転写することができる。一般に、単一の基板には、リソグラフィ投影装置によるパターンの転写が1つずつ連続して行われる複数の隣接したターゲット部分が含まれる。リソグラフィ投影装置の1つのタイプでは、パターニングデバイス全体のパターンは1つのターゲット部分上に一工程で転写される。このような装置は一般にステッパと呼ばれている。一般にステップアンドスキャン装置と呼ばれる別の装置では、投影ビームがパターニングデバイスを所与の基準方向(「スキャン」方向)にスキャンする一方、基板をこの基準方向と平行又は逆平行に同期的に移動させる。パターニングデバイス上のパターンの異なる部分が、漸次1つのターゲット部分に転写される。一般に、リソグラフィ投影装置は縮小率M(例えば4)を有するため、基板が移動する速度Fは、投影ビームがパターニングデバイスをスキャンする速度の1/M倍になる。本明細書で説明されるリソグラフィデバイスに関するより多くの情報は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,046,792号から得ることができる。
【0004】
[0004] パターンをパターニングデバイスから基板に転写する前に、基板はプライミング、レジストコーティング及びソフトベークなどの様々な手順を経ることがある。露光後、基板はポストベーク(PEB)、現像、ハードベーク及び転写されたパターンの計測/検査などの他の手順(「露光後手順」)にさらされることがある。この一連の手順は、デバイス、例えばICのデバイスの個々の層を製造する基礎として使用される。次に、基板はエッチング、イオン注入(ドーピング)、金属化、酸化、化学機械研磨などの、その全てがデバイスの個々の層を完成させることを目的とする様々なプロセスを経ることがある。デバイスにいくつかの層が必要な場合は、手順全体、又はその変形手順が各層に対して繰り返される。最終的に、デバイスは基板上の各ターゲット部分内に存在することになる。これらのデバイスは、次にダイシングやソーイングなどの技術によって互いに分離され、その結果、個々のデバイスをキャリアに取り付けたり、ピンに接続したりすることができる。
【0005】
[0005] 半導体デバイスのようなデバイスの製造は、典型的に複数の製造プロセスを用いて基板(例えば半導体ウェーハ)を処理して、デバイスの様々なフィーチャ及び多数の層を形成することを含む。そのような層及びフィーチャは通常、例えば堆積、リソグラフィ、エッチ、化学機械研磨、イオン注入、及び/又はその他のプロセスを用いて製造及び処理される。多数のデバイスを基板上の複数のダイに製造し、次いで個々のデバイスに分離することがある。このデバイス製造プロセスをパターニングプロセスと見なすことがある。パターニングプロセスは、リソグラフィ装置においてパターニングデバイスを使用してパターニングデバイス上のパターンを基板に転写する、光学リソグラフィ及び/又はナノインプリントリソグラフィなどのパターニングステップを含み、典型的に任意選択的にではあるが、現像装置によるレジスト現像、ベークツールを使用する基板のベーキング、エッチ装置を使用するパターンを用いたエッチングなどの、1つ以上の関連したパターン処理ステップを伴う。典型的にはパターニングプロセスに1つ以上のメトロロジプロセスが含まれる。
【0006】
[0006] リソグラフィは、ICなどのデバイスの製造の工程であり、基板上に形成されたパターンが、マイクロプロセッサ、メモリチップなどのデバイスの機能素子を画定する。フラットパネルディスプレイ、マイクロ電子機械システム(MEMS)及びその他のデバイスの形成にも同様のリソグラフィ技術が用いられる。
【0007】
[0007] 半導体製造プロセスが進歩し続けるにつれて、機能素子の寸法は絶えず小型化されているが、その一方で、1つのデバイス当たりのトランジスタなどの機能素子の数は、一般に「ムーアの法則」と呼ばれる傾向に従って数十年にわたり着実に増加している。現状の技術では、デバイスの層は、深紫外照明源からの照明を使用して基板上に設計レイアウトを投影するリソグラフィ投影装置を使用して製造され、100nmをかなり下回る、すなわち照明源(例えば193nmの照明源)からの放射の波長の半分より小さい寸法を有する個別の機能素子が生成される。
【0008】
[0008] リソグラフィ投影装置の従来の限界解像度よりも小さい寸法のフィーチャを印刷するこのプロセスは、一般に解像式CD=k1×λ/NAに従う低k1リソグラフィとして知られている。ここで、λは使用される放射の波長(現在、大抵の場合、248nm又は193nm)であり、NAはリソグラフィ投影装置における投影光学系の開口数であり、CDは「クリティカルディメンション」、すなわち一般には印刷される最小フィーチャサイズであり、k1は経験的解像度係数である。一般に、k1が小さければ小さいほど、特定の電気的機能性及び性能を達成するために設計者が計画した形状及び寸法に類似するパターンを基板上に再現することはより難しくなる。このような困難を克服するために、リソグラフィ投影装置、設計レイアウト、又はパターニングデバイスに、洗練された微調整ステップが適用される。これらには、限定ではないが、例えばNA及び光学コヒーレンス設定の最適化、カスタマイズされた照明スキーム、位相シフトパターニングデバイスの使用、設計レイアウトにおける光近接効果補正(OPC:optical proximity correction、「光学及びプロセス補正」と呼ばれることもある)、又は一般に「解像度向上技術」(RET:resolution enhancement techniques)と定義される他の方法が含まれる。本明細書で用いられる「投影光学系」という用語は、例えば屈折光学系、反射光学系、アパーチャ及び反射屈折光学系を含む様々なタイプの光学システムを包含するものと広義に解釈すべきである。また、「投影光学系」という用語は、放射の投影ビームを誘導、整形又は制御するため、これらの設計タイプのいずれかに従って集合的に又は単独で動作するコンポーネントを含むことがある。「投影光学系」という用語は、リソグラフィ投影装置の光路上のどこに配置されているかにかかわらず、リソグラフィ投影装置内のいかなる光学コンポーネントも含むことがある。投影光学系は、放射源からの放射がパターニングデバイスを通過する前にこの放射を整形、調整及び/又は投影するための光学コンポーネント、及び/又は、放射がパターニングデバイスを通過した後にこの放射を整形、調整及び/又は投影するための光学コンポーネントを含むことがある。一般に、投影光学系には放射源及びパターニングデバイスは含まれない。
【発明の概要】
【0009】
[0009] ある実施形態によれば、リソグラフィ装置の一部を洗浄するためのシステムが提供される。システムは洗浄ツール、及び/又は他のコンポーネントを備える。洗浄ツールは、リソグラフィ装置に第1の形態で挿入され、リソグラフィ装置のツールハンドラによって係合され、リソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用されるように構成される。洗浄ツールは、ツールハンドラによる係合の後に、リソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用されるときに拡張した第2の形態になるように、第1の形態から第2の形態に移行するように構成される。
【0010】
[0010] ある実施形態では、システムは、第1の形態にある洗浄ツールを保持し、リソグラフィ装置内に収まるように構成されたコンテナを更に備える。洗浄ツールは、リソグラフィ装置内のコンテナに挿入され、洗浄のためにツールハンドラによってコンテナから移動され、洗浄後にツールハンドラによってコンテナに戻されるように構成される。
【0011】
[0011] ある実施形態では、洗浄ツールは、洗浄のためにツールハンドラによってコンテナから移動されるときに、第1の形態から第2の形態に移行するように構成される。
【0012】
[0012] ある実施形態では、洗浄ツールは、洗浄後にツールハンドラによってコンテナに戻されるときに、第2の形態から第1の形態に移行するように構成される。
【0013】
[0013] ある実施形態では、コンテナは、洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されるときの、洗浄ツールの第2の形態から第1の形態への収縮を促進するように構成された1つ以上の収縮コンポーネントを備える。ある実施形態では、1つ以上の収縮コンポーネントは、洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されるときに洗浄ツールを押し付けるように構成されたリッジをコンテナ内に備える。
【0014】
[0014] ある実施形態では、リソグラフィ装置の一部はレチクルステージレチクルクランプを含む。
【0015】
[0015] ある実施形態では、洗浄ツールは洗浄レチクルを含む。
【0016】
[0016] ある実施形態では、ツールハンドラはレチクルハンドラタレットグリッパを含む。
【0017】
[0017] ある実施形態では、リソグラフィ装置は深紫外(DUV)放射用に構成される。
【0018】
[0018] ある実施形態では、第1の形態は第2の形態と比べて収縮した形態を含む。
【0019】
[0019] ある実施形態では、洗浄ツールは、ヒンジジョイントにより結合され、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上のリンクを備える。ある実施形態では、洗浄ツールは、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上の可撓性部を備える。ある実施形態では、洗浄ツールは、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上の回転部を備える。
【0020】
[0020] ある実施形態では、洗浄ツールは、第1の形態にあるか第2の形態にあるかにかかわらず、ツールハンドラに対応する位置及び向きにとどまるように構成された1つ以上のツールハンドラ係合面を備える。
【0021】
[0021] ある実施形態では、洗浄ツールは、第1及び第2の形態間を移行するときに、1つ以上のツールハンドラ係合面に対して移動するように構成された1つ以上の洗浄面を備える。ある実施形態では、1つ以上の洗浄面は、洗浄ツールが第2の形態にあるときに、洗浄するためにリソグラフィ装置の一部の1つ以上のターゲット面と接触するように構成される。ある実施形態では、1つ以上の洗浄面は、洗浄ツールが第2の形態にあるときに1つ以上のターゲット面に平行であるように構成される。ある実施形態では、1つ以上のターゲット面は、リソグラフィ装置の1つ以上の膜表面を含む。
【0022】
[0022] ある実施形態では、洗浄ツールは、少なくとも部分的に洗浄材料で覆われた洗浄面と、洗浄ツールの洗浄面に対して反対側にある識別面と、洗浄面と識別面の間に位置する、識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部と、を備える。
【0023】
[0023] ある実施形態では、洗浄面は不透明であり、識別面は透明である。
【0024】
[0024] ある実施形態では、洗浄ツールは、洗浄面と識別面の間に1つ以上の内部面を備える。1つ以上の識別特徴部は1つ以上の内部面上に位置する。
【0025】
[0025] ある実施形態では、1つ以上の識別特徴部は、バーコード及びアライメントマークの一方又は両方を含む。
【0026】
[0026] ある実施形態では、洗浄ツールは、洗浄ツールの内部の洗浄面と識別面の間に位置する照明源を備える。照明源は、1つ以上の識別特徴部が識別面を通して見えるように照明を提供するように構成される。
【0027】
[0027] ある実施形態では、照明源は発光ダイオード(LED)を含む。ある実施形態では、照明源は、照明をLEDから1つ以上の識別特徴部に向けて、かつ識別面を通して誘導するように構成された照明ガイドを備える。
【0028】
[0028] ある実施形態では、照明源は、周囲光を洗浄ツールの下から洗浄ツールの内部を通って1つ以上の識別特徴部に向けて、かつ識別面を通って誘導するように構成された1つ以上のミラーを備える。
【0029】
[0029] 別の実施形態によれば、リソグラフィ装置の一部を洗浄ツールを用いて洗浄する方法が提供される。方法は、洗浄ツールをリソグラフィ装置に第1の形態で挿入すること、洗浄ツールをリソグラフィ装置のツールハンドラと係合させること、洗浄ツールを第1の形態から拡張した第2の形態に移行させること、及び、洗浄ツールをリソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用すること、を含む。洗浄ツールは、リソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用されるとき第2の形態にある。
【0030】
[0030] ある実施形態では、方法は、第1の形態にある洗浄ツールをコンテナ内に保持すること、洗浄ツールをリソグラフィ装置内のコンテナに挿入すること、洗浄のために洗浄ツールをコンテナからツールハンドラを用いて移動させること、及び、洗浄後にツールハンドラを用いて洗浄ツールをコンテナに戻すこと、を含む。
【0031】
[0031] ある実施形態では、洗浄ツールは、洗浄のためにツールハンドラによってコンテナから移動されるとき、第1の形態から第2の形態に移行するように構成される。
【0032】
[0032] ある実施形態では、洗浄ツールは、洗浄後にツールハンドラによってコンテナに戻されるときに、第2の形態から第1の形態に移行するように構成される。
【0033】
[0033] ある実施形態では、コンテナは1つ以上の収縮コンポーネントを備える。方法は、洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されるときの、洗浄ツールの第2の形態から第1の形態への収縮を、収縮コンポーネントを用いて促進することを含む。
【0034】
[0034] ある実施形態では、リソグラフィ装置の一部はレチクルステージレチクルクランプを含む。
【0035】
[0035] ある実施形態では、洗浄ツールは洗浄レチクルを含む。
【0036】
[0036] ある実施形態では、ツールハンドラはレチクルハンドラタレットグリッパを含む。
【0037】
[0037] ある実施形態では、リソグラフィ装置は深紫外(DUV)放射用に構成される。
【0038】
[0038] ある実施形態では、移行は、洗浄ツール内でヒンジジョイントにより結合され、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上のリンクによって促進される。一部の実施形態では、移行は、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、洗浄ツールの1つ以上の可撓性部によって促進される。一部の実施形態では、移行は、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、洗浄ツールの1つ以上の回転部によって促進される。
【0039】
[0039] ある実施形態では、方法は、少なくとも部分的に洗浄材料で覆われている洗浄ツールに洗浄面を設けること、洗浄ツールの洗浄面に対して反対側にある識別面を洗浄ツールに設けること、洗浄面と洗浄ツールの1つ以上の内部面上の識別面の間に位置し、識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部を洗浄ツールに設けること、洗浄ツールの内部の洗浄面と識別面の間に位置し、1つ以上の識別特徴部が識別面を通して見えるように照明を提供するように構成された照明源を設けること、を含む。
【0040】
[0040] 別の実施形態によれば、コンピュータによって実行されるときに上記の方法のいずれかを実行する命令を記録させた、非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
[0041] 本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付図面は、1つ以上の実施形態を示し、記述と相俟ってこれらの実施形態を説明する。これより本発明の実施形態が、対応する参照符号が対応する部品を示す添付の概略図を参照して単なる例として説明される。
【0042】
【
図1】[0042] ある実施形態に係るリソグラフィ装置を概略的に示す。
【
図2】[0043] ある実施形態に係るリソグラフィセル又はクラスタの実施形態を概略的に示す。
【
図3A】[0044] ある実施形態に係る、洗浄ツール、洗浄ツールコンテナ、レチクルハンドラタレットグリッパ、レチクルステージレチクルクランプ、及び/又はその他のコンポーネントを備えたリソグラフィ装置を示す。
【
図3B】[0045] ある実施形態に係る、
図3Aに示したリソグラフィ装置の一部の拡大図である。
【
図4】[0046] ある実施形態に係る、
図3Aのリソグラフィ装置のレチクルハンドラロボットグリッパのクランプ部、洗浄ツールコンテナ、洗浄ツール(例えばレチクル)、及び/又はその他のコンポーネントを示す。
【
図5】[0047] ある実施形態に係る、洗浄ツールコンテナ又は洗浄ツールのないレチクルハンドラロボットグリッパのクランプ部を示す。
【
図6】[0048] ある実施形態に係る、収縮形態にある洗浄ツールを洗浄ツールコンテナ内に把持するレチクルハンドラタレットグリッパを示す。
【
図7】[0049] ある実施形態に係る、洗浄ツールを洗浄ツールコンテナの外へ移動させるレチクルハンドラタレットグリッパを示す。
【
図8】[0050] ある実施形態に係る、収縮形態にある洗浄ツールをコンテナ内に把持するレチクルハンドラタレットグリッパの足部の側面図である。
【
図9】[0051] ある実施形態に係る、(拡張形態にある)洗浄ツールの洗浄面を移動させて、1つ以上のクランプを備えたターゲット面、リソグラフィ装置の関連する膜表面、及び/又は洗浄のためのその他のターゲット面と接触させるレチクルハンドラタレットグリッパを示す。
【
図10】[0052] ある実施形態に係る、レチクルステージ、レチクルクランプ、及び/又は関連する膜の俯瞰図を示す。
【
図11】[0053] ある実施形態に係る洗浄ツール(例えばレチクル)の例を示す。
【
図12】[0054] ある実施形態に係る、洗浄ツール越しに見(上げ)たタレットグリッパ及びタレットグリッパの足部の図を示す。
【
図13】[0055] ある実施形態に係る、照明源が洗浄ツールの内部の洗浄ツールの洗浄面と識別面の間に位置する、積層バージョンの洗浄ツールの例示的な実施形態を示す。
【
図14】[0056] ある実施形態に係る、リソグラフィ装置の一部を洗浄する方法を示す。
【
図15】[0057] ある実施形態に係る、例示的なコンピュータシステムのブロック図である。
【
図16】[0058] ある実施形態に係る、
図1と類似しているリソグラフィ投影装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
[0059] 一般に、マスク又はレチクルは、異なる不透明材料により画定されたパターンで覆われる透明な材料のブロックである場合がある。様々なマスクがリソグラフィ装置内に供給され、半導体デバイスの層を形成するのに使用される。所与のマスク又はレチクル上に画定されたパターンは、半導体デバイスの1つ以上の層に生成されたフィーチャに対応する。複数のマスク又はレチクルが製造中に自動的にリソグラフィ装置内に供給され、半導体デバイスの対応する層を形成するのに使用されることがよくある。リソグラフィ装置内のクランプ(例えばレチクルステージレチクルクランプ)を使用して、処理中にマスク又はレチクルを固定する。これらのクランプは定期的な洗浄を必要とする。通常、洗浄にはリソグラフィ装置及び製造プロセスの停止が必要である。洗浄は技術者によって手動で行われ、完了するのに数時間必要である。
【0044】
[0060] 有利には、本システム及び方法は、リソグラフィ装置が動作し続ける間に、クランプ及び/又はリソグラフィ装置の関連する膜をインシチュで洗浄するのに使用されるように構成された洗浄ツールを提供する。クランプは、チャック本体を支持し、チャック本体に接続を提供するように構成されるいくつかのコンポーネントを備える。膜はクランプのレチクルと接触している部分である。洗浄ツールは、他のマスク又はレチクルがリソグラフィ装置に自動的に挿入され、リソグラフィ装置によって取り扱われるのと全く同じように、リソグラフィ装置に自動的に挿入され、リソグラフィ装置によって取り扱われるように構成される。本洗浄ツールを用いてリソグラフィ装置を洗浄することで、従来の洗浄方法に伴うダウンタイムの時間が節約される。また一部の実施形態では、本システムは、以下で説明されるように、洗浄された(レチクルステージレチクル)クランプ及び/又はこれらに関連する膜から除去された物質でリソグラフィ装置の他の部品(例えばレチクルハンドラロボットグリッパ)を汚染するのを防ぐように構成される。
【0045】
[0061] 一部の実施形態では、洗浄ツールは、内部照明源を有するように構成された洗浄レチクルを備える。照明源は、内部洗浄レチクル識別特徴部を照明するように構成される。識別特徴部は、洗浄レチクルの位置を特定し追跡するリソグラフィ装置のカメラによって使用される。有利には、照明源及び内部識別特徴部は、カメラから識別特徴部を見えなくすることなく、洗浄材料が洗浄レチクルの洗浄面を十分に覆うことを可能にする。また、洗浄レチクルの洗浄面と反対側の外面は、リソグラフィ装置による把持のために平滑なままである場合がある。
【0046】
[0062] 本文において集積回路(IC)の製造について具体的な言及がなされることがあるが、本明細書の記述が多数の他の可能な用途を有することが理解されるべきである。例えば、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンスパターン及び検出パターン、液晶ディスプレイパネル、薄膜磁気ヘッドなどの製造に採用されることがある。当業者にとっては当然のことであるが、そのような代替的な用途との関連で、本文における「レチクル」、「ウェーハ」又は「ダイ」という用語の使用は、それぞれより一般的な「マスク」、「基板」及び「ターゲット部分」という用語と置き換え可能であるとみなすべきである。また、本明細書における「レチクル」又は「マスク」という用語の使用は、より一般的な用語である「パターニングデバイス」と同義と見なされることがある。
【0047】
[0063] 初めに、
図1は、本システム及び/又は方法に含まれ得る、及び/又は本システム及び/又は方法と関連し得るリソグラフィ装置LAのある実施形態を概略的に示している。装置は、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータ)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに接続された支持構造(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板を正確に位置決めするように構成された第2のポジショナPWに結合された基板テーブル(例えばウェーハテーブル)WT(例えば、WTa、WTb又はその両方)と、パターニングデバイスMAにより放射ビームBに付与されたパターンを基板Wの(例えば1つ以上のダイを備え、フィールドと呼ばれることも多い)ターゲット部分C上に投影するように構成された投影システム(例えば屈折投影レンズシステム)PSと、を備える。投影システムは基準フレーム(RF)に支持される。
【0048】
[0064] 図示されるように、装置は、(例えば透過型マスクを用いる)透過型である。代替的に、装置は、(例えば、上述の形式のプログラマブルミラーアレイ、又は反射型マスクを用いる)反射型である場合がある。
【0049】
[0065] イルミネータILは放射源SOから放射ビームを受ける。放射源とリソグラフィ装置とは、例えば放射源がエキシマレーザである場合には、別体である場合がある。このような場合、放射源はリソグラフィ装置の一部を構成するとはみなされず、放射ビームは、例えば適当な誘導ミラー及び/又はビームエキスパンダを備えるビームデリバリシステムBDの助けを借りて放射源SOからイルミネータILへと受け渡される。放射源が例えば水銀ランプである場合などの他の場合には、放射源は装置の不可欠の部分である場合がある。放射源SO及びイルミネータILは、必要とされる場合はビームデリバリシステムBDと合わせて放射システムと呼ばれることがある。
【0050】
[0066] イルミネータILは、ビームの強度分布を変化させることがある。イルミネータは、強度分布がイルミネータILの瞳面内の環状領域内で非ゼロとなるように、放射ビームの半径範囲を制限するように配置されることがある。付加的又は代替的に、イルミネータILは、瞳面内における複数の等間隔のセクタ内で強度分布が非ゼロとなるように、瞳面内のビームの分布を制限するように動作可能である場合がある。イルミネータILの瞳面内の放射ビームの強度分布は照明モードと呼ばれることがある。
【0051】
[0067] イルミネータILは、ビームの(角度/空間)強度分布を調整するように構成されたアジャスタADを備えることがある。一般には、イルミネータの瞳面における強度分布の少なくとも外側及び/又は内側半径範囲(一般にそれぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を調整することができる。イルミネータILは、ビームの角度分布を変化させるように動作可能である場合がある。例えば、イルミネータは、強度分布が非ゼロである瞳面内のセクタの数及び角度範囲を変化させるように動作可能である場合がある。イルミネータの瞳面内のビームの強度分布を調整することによって、様々な照明モードが達成されることがある。例えば、イルミネータILの瞳面内の強度分布の半径範囲及び角度範囲を制限することによって、強度分布は、例えば、双極、四極又は六極分布などの多極分布を有することがある。所望の照明モードが、例えば、その照明モードを提供する光学部品をイルミネータILに挿入することによって、又は空間光変調器を使用することによって得られることがある。
【0052】
[0068] イルミネータILは、ビームの偏光を変更するように動作可能である場合があり、アジャスタADを用いて偏光を調整するように動作可能である場合がある。イルミネータILの瞳面にわたる放射ビームの偏光状態は、偏光モードと呼ばれることがある。様々な偏光モードを用いることで、基板W上に形成される画像により大きなコントラストが得られることがある。放射ビームは非偏光である場合がある。代替的に、イルミネータは、放射ビームを直線的に偏光させるように配置されることがある。放射ビームの偏光方向は、イルミネータILの瞳面にわたって変化することがある。放射の偏光方向は、イルミネータILの瞳面内の異なる領域で異なる場合がある。放射の偏光状態は、照明モードに依存して選ばれることがある。多極照明モードの場合、放射ビームの各極の偏光は、イルミネータILの瞳面におけるその極の位置ベクトルに概ね垂直である場合がある。例えば、双極照明モードの場合、放射は、双極の2つの対向するセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線的に偏光されることがある。放射ビームは、X偏光状態及びY偏光状態と呼ばれ得る、2つの異なる直交方向のうちの一方に偏光されることがある。四極照明モードでは、各極のセクタ内の放射は、そのセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線的に偏光されることがある。この偏光モードはXY偏光と呼ばれることがある。同様に、六極照明モードでは、各極のセクタ内の放射は、そのセクタを二等分する線に実質的に垂直な方向に直線的に偏光されることがある。この偏光モードは、TE偏光と呼ばれることがある。
【0053】
[0069] また、イルミネータILは一般に、インテグレータIN及びコンデンサCOなどのその他の各種コンポーネントを備える。照明システムは、放射を誘導、整形、又は制御するための、屈折、反射、磁気、電磁、静電又は他の種類の光学コンポーネントなどの各種の光学コンポーネント、又はこれらの任意の組み合わせを含むことがある。こうして、イルミネータは、ビーム断面に所望の均一性及び強度分布を有する、調節された放射ビームBを提供する。
【0054】
[0070] 支持構造MTは、パターニングデバイスの向き、リソグラフィ装置の設計、及び、例えばパターニングデバイスが真空環境に保持されているか否かなどのその他の条件に応じた方法でパターニングデバイスを支持する。支持構造は、パターニングデバイスを保持するために、機械的、真空、静電又はその他のクランプ技術を用いることがある。支持構造は、例えば、必要に応じて固定される又は移動可能であり得るフレーム又はテーブルである場合がある。支持構造は、パターニングデバイスが、例えば投影システムに対して所望の位置にあることを保証することがある。
【0055】
[0071] 本明細書で使用される「パターニングデバイス」という用語は、基板のターゲット部分にパターンを付与するのに使用可能ないかなるデバイスをも指すものと広く解釈されるべきである。ある実施形態において、パターニングデバイスは、基板のターゲット部分にパターンを生成するために、放射ビームの断面にパターンを付与するのに使用可能な任意のデバイスである。例えばパターンが位相シフトフィーチャ又はいわゆるアシストフィーチャを含む場合、放射ビームに与えられるパターンは、基板のターゲット部分に所望されるパターンと厳密には一致しないことがあることに留意されたい。一般には、放射ビームに付与されるパターンは、集積回路などのデバイスのターゲット部分に生成されるデバイスにおける特定の機能層に対応することになる。
【0056】
[0072] パターニングデバイスは透過型又は反射型である場合がある。パターニングデバイスの例としては、マスク、プログラマブルミラーアレイ、及びプログラマブルLCDパネルがある。マスクはリソグラフィの分野では周知であり、バイナリマスク、レベンソン型位相シフトマスク、及びハーフトーン型位相シフトマスク、更に各種のハイブリッド型マスクが含まれる。プログラマブルミラーアレイの一例としては、小型のミラーのマトリックス配置であって、各ミラーが入射してくる放射ビームを様々な方向に反射するように個別に傾斜可能であるものが採用される。これらの傾斜ミラーは、ミラーマトリックスで反射される放射ビームにパターンを付与する。
【0057】
[0073] 本明細書で使用される「投影システム」という用語は、屈折光学系、反射光学系、反射屈折光学系、磁気光学系、電磁光学系及び静電光学系、又はこれらの任意の組み合わせを含むものであり、使用される露光放射に関して又は液浸液の使用又は真空の使用などの他の要因に関して適切とされるいかなるタイプの投影システムをも包含するものと広く解釈されるべきである。本明細書における「投影レンズ」なる用語の使用はいずれも、より一般的な用語である「投影システム」と同義であるとみなされることがある。
【0058】
[0074] 投影システムPSは、不均一であり得る光学伝達関数を有し、これは基板W上に結像されるパターンに影響を与える可能性がある。非偏光の放射に関して、このような影響は、2つのスカラマップによってかなりよく記述することができ、これらは、投影システムPSを出る放射の透過(アポダイゼーション)及び相対位相(収差)をその瞳面における位置の関数として記述するものである。透過マップ及び相対位相マップと呼ばれ得るこれらのスカラマップは、一式の基底関数の線形結合として表されることがある。便利なセットは、ゼルニケ多項式であり、これは単位円に定義される直交多項式のセットを形成する。各スカラマップの決定には、こうした展開における係数の決定が含まれることがある。ゼルニケ多項式は単位円上で直交しているため、ゼルニケ係数は、測定されるスカラマップと各ゼルニケ多項式の内積を順番に計算し、これをそのゼルニケ多項式のノルムの二乗で割ることによって決定されることがある。
【0059】
[0075] 透過マップ及び相対位相マップは、フィールド及びシステムに依存する。つまり、一般的に各投影システムPSは、フィールドポイントごとに(すなわち、その像面内の空間的位置ごとに)異なるゼルニケ展開を有することになる。投影システムPSのその瞳面における相対位相は、放射を、例えば投影システムPSの対物面(すなわち、パターニングデバイスMAの平面)内の点状の放射源から投影システムPSを介して投影し、シヤリング干渉計を用いて波面(すなわち、同じ位相をもつ点の軌跡)を測定することによって決定されることがある。シヤリング干渉計は共通経路干渉計であり、したがって、有利なことに、波面を測定するのに二次参照ビームを必要としない。シヤリング干渉計は、投影システムの像面(すなわち基板テーブルWTa又はWTb)における回折格子、例えば二次元グリッドと、投影システムPSの瞳面と共役な平面における干渉パターンを検出するように配置された検出器とを備えることがある。この干渉パターンは、瞳面におけるシヤリング方向の座標についての放射の位相の導関数に関連している。検出器は、例えば電荷結合素子(CCD)などのセンシング要素のアレイを備えることがある。
【0060】
[0076] リソグラフィ装置の投影システムPSは目に見える縞を生成しないことがあるため、波面の決定の精度は、例えば回折格子を移動するなどの位相ステッピング技術を用いて高めることができる。ステッピングは、回折格子の平面において測定の走査方向に垂直な方向に行われることがある。ステッピング範囲は1つの格子周期である場合があり、少なくとも3つの(均等に分布した)位相ステップが用いられることがある。よって、例えば、3回の走査測定がy方向に行われ、各走査測定がx方向の異なる位置に対して行われることがある。この回折格子のステッピングは、位相変化を強度変化に効果的に変換し、位相情報を決定することを可能にする。格子は、検出器を較正するために、回折格子に垂直な方向(z方向)にステップされることがある。
【0061】
[0077] 回折格子は、投影システムPSの座標系の軸(x及びy)と一致し得る、又はこれらの軸に対して45度のような角度であり得る、2つの垂直方向に順次スキャンされることがある。スキャンは、整数個の格子周期、例えば1つの格子周期にわたって行われることがある。スキャンは、一方の方向の位相変化を平均し、もう一方の方向の位相変化を再構築することを可能にする。これによって波面を両方向の関数として決定することができる。
【0062】
[0078] 投影システムPSのその瞳面における透過(アポダイゼーション)は、放射を、例えば投影システムPSの対物面(すなわち、パターニングデバイスMAの平面)内の点状の放射源から投影システムPSを介して投影し、検出器を用いて投影システムPSの瞳面と共役な平面における放射の強度を測定することによって決定されることがある。収差を決定するために波面を測定するのに使用されるものと同じ検出器が使用されることがある。
【0063】
[0079] 投影システムPSは、複数の光学(例えばレンズ)素子を備えることがあり、収差(フィールド全体の瞳面にわたる位相変化)を補正するために光学素子の1つ以上を調整するように構成された調整機構を更に備えることがある。これを達成するために、調整機構は、投影システムPS内の1つ以上の光学(例えばレンズ)素子を1つ以上の異なる方法で操作するように動作可能である場合がある。投影システムは、その光軸がz方向に延びる座標系を有することがある。調整機構は、1つ以上の光学素子の変位、1つ以上の光学素子の傾斜、及び/又は1つ以上の光学素子の変形からなる任意の組み合わせを行うように動作可能である場合がある。光学素子の変位は、任意の方向(x、y、z又はこれらの組み合わせ)である場合がある。光学素子の傾斜は、典型的には、x及び/又はy方向に軸周りに回転することによって光軸に垂直な平面外となるが、非回転対称の非球面光学素子に関してはz軸周りの回転が用いられることがある。光学素子の変形は、低周波形状(例えば非点収差)、及び/又は高周波形状(例えば自由形式の非球面)を含むことがある。光学素子の変形は、例えば1つ以上のアクチュエータを用いて光学素子の1つ以上の側面に力を及ぼすことによって、及び/又は1つ以上の加熱素子を用いて光学素子の1つ以上の選択された領域を加熱することによって行われることがある。一般的に、アポダイゼーション(瞳面にわたる透過率変化)を補正するために投影システムPSを調整することは可能でない場合がある。投影システムPSの透過マップは、リソグラフィ装置LAのためのパターニングデバイス(例えばマスク)MAを設計する際に用いられることがある。計算機リソグラフィ技術を用いて、少なくとも部分的にアポダイゼーションを補正するようにパターニングデバイスMAが設計されることがある。
【0064】
[0080] リソグラフィ装置は、2つ(デュアルステージ)又はそれより多くのテーブル(例えば、2つ以上の基板テーブルWTa、WTb、2つ以上のパターニングデバイステーブル、基板テーブルWTa及び、例えば測定及び/又は洗浄を促進することに特化した、投影システム下方にある基板を含まないテーブルWTbなど)を有するタイプである場合がある。このような「マルチステージ」マシンでは、追加のテーブルは並行して使用されることがあるか、又は1つ以上のテーブルで準備工程を実行しながら他の1つ以上のテーブルが露光のために使用されることがある。例えば、アライメントセンサASを用いたアライメント測定、及び/又はレベルセンサLSを用いたレベル(高さ、傾斜など)測定が行われることがある。
【0065】
[0081] また、リソグラフィ装置は、基板の少なくとも一部が、例えば水などの比較的高い屈折率を有する液体で覆われて投影システムと基板の間の空間を満たすようなタイプである場合がある。液浸液が、例えばパターニングデバイスと投影システムの間のリソグラフィ装置内の他の空間に適用されることもある。投影システムの開口数を増大させるための液浸技術が本分野においてよく知られている。本明細書で使用される「液浸」という用語は、基板などの構造体が液体に浸されなければならないことを意味するのではなく、液体が投影システムと基板の間に露光中に位置することを意味するにすぎない。
【0066】
[0082] リソグラフィ装置の動作において、放射ビームは、照明システムILによって調節され提供される。放射ビームBは、支持構造(例えばマスクテーブル)MTに保持されるパターニングデバイス(例えばマスク)MAに入射し、パターニングデバイスによってパターン形成される。パターニングデバイスMAを横切った放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合焦せる。第2のポジショナPWと位置センサIF(例えば、干渉計デバイス、リニアエンコーダ、2次元エンコーダ又は静電容量センサ)の助けを借りて、例えば放射ビームBのパスに様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと別の位置センサ(
図1には明示せず)とは、放射ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを、例えばマスクライブラリからの機械的な取り出し後、又はスキャン中に、正確に位置決めするために使用することができる。一般に支持構造MTの移動は、第1のポジショナPMの一部を構成するロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現されることがある。同様に、基板テーブルWTの移動は、第2のポジショナPWの一部を構成するロングストロークモジュール及びショートストロークモジュールを使用して実現されることがある。ステッパの場合(スキャナとは異なり)、支持構造MTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されることがある、又は固定されることがある。パターニングデバイスMAと基板Wとは、パターニングデバイスアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせされることがある。図に示す基板アライメントマークは専用のターゲット部分を占拠しているが、ターゲット部分間のスペースに位置することがある(これらはスクライブラインアライメントマークとして知られている)。同様に、パターニングデバイスMA上に2つ以上のダイが設けられる状況では、パターニングデバイスアライメントマークはダイ間に位置することがある。
【0067】
[0083] 図示された装置は、次のモードのうち少なくとも1つのモードで使用されることがある。1.ステップモードにおいて、放射ビームに付与されたパターンが1回でターゲット部分Cに投影される間、支持構造MT及び基板テーブルWTは実質的に静止状態に保たれる(すなわち単一静的露光)。そして基板テーブルWTは、異なるターゲット部分Cを露光できるようにX方向及び/又はY方向に移動する。ステップモードでは、露光フィールドの最大サイズは単一静的露光で結像されるターゲット部分Cのサイズを制限する。2.スキャンモードにおいて、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、支持構造MT及び基板テーブルWTは同期してスキャンされる(すなわち単一動的露光)。支持構造MTに対する基板テーブルWTの速度及び方向は、投影システムPSの拡大(縮小)特性及び像反転特性によって決定されることがある。スキャンモードでは、露光フィールドの最大サイズは単一動的露光でのターゲット部分の(非スキャン方向の)幅を制限するのに対して、スキャン運動の長さはターゲット部分の(スキャン方向の)高さを決定する。3.別のモードにおいて、支持構造MTはプログラマブルパターニングデバイスを保持しながら実質的に静止状態に保たれ、放射ビームに付与されたパターンがターゲット部分Cに投影される間、基板テーブルWTは移動又はスキャンされる。このモードでは、一般にパルス放射源が用いられ、プログラマブルパターニングデバイスは、基板テーブルWTの毎回の移動後、又はスキャン中の連続放射パルス間に必要に応じて更新される。この動作モードは、上述のタイプのプログラマブルミラーアレイなどのプログラマブルパターニングデバイスを利用するマスクレスリソグラフィに容易に適用することができる。
【0068】
[0084] また、上記の使用モードの組み合わせ及び/又は変形例又は全く異なる使用モードが用いられることもある。
【0069】
[0085] 本明細書で言及される基板は、露光前又は露光後に、例えばトラック(通常はレジストの層を基板に塗布し、露光したレジストを現像するツール)、メトロロジツール又は検査ツールで処理されることがある。適用可能な場合、本明細書の開示は、これら及びその他の基板処理ツールに適用されることがある。更に、基板は、例えば多層ICを生成するために、2回以上処理されることがあり、したがって本明細書で使用される基板という用語は、すでに複数の処理された層を含む基板を指すこともある。
【0070】
[0086] 本明細書で使用される「放射」及び「ビーム」という用語は、紫外(UV)又は深紫外(DUV)放射(例えば365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長を有する)及び極端紫外(EUV)放射(例えば5~20nmの範囲の波長を有する)を含むあらゆる種類の電磁放射、更にはイオンビームや電子ビームなどの粒子ビームを包含する。
【0071】
[0087] パターニングデバイス上の、又はパターニングデバイスにより提供される様々なパターンが、異なるプロセスウィンドウ、すなわち、パターンが規格内で生成されることになる処理変数の空間を有することがある。潜在的な系統的欠陥に関連するパターン規格の例としては、ネッキング、ラインプルバック、細線化、CD、エッジ配置、オーバーラップ、レジストトップロス、レジストアンダーカット及び/又はブリッジングのチェックが挙げられる。パターニングデバイス又はそのある領域上のパターンのプロセスウィンドウは、個々のパターンそれぞれのプロセスウィンドウをマージ(例えば、オーバーラップ)することによって得られることがある。一群のパターンのプロセスウィンドウの境界には、いくつかの個々のパターンのプロセスウィンドウの境界が含まれる。換言すれば、これら個々のパターンは、一群のパターンのプロセスウィンドウを制限する。これらのパターンは、本明細書で互換的に使用される「ホットスポット」又は「プロセスウィンドウ制限パターン(PWLP)」と呼ぶことができる。パターニングプロセスの一部を制御するとき、ホットスポットに着目することは可能であり、経済的である。ホットスポットが不良ではない場合、他のパターンが不良ではない可能性が高い。
【0072】
[0088]
図2に示されるように、リソグラフィ装置LAは、リソセル又はクラスタと呼ばれることもあるリソグラフィックセルLCの一部を形成することがあり、これは露光前及び露光後プロセスを基板に行う装置も含む。従来、これらは、1つ以上のレジスト層を堆積させる1つ以上のスピンコータSC、露光されたレジストを現像するための1つ以上のデベロッパ、1つ以上の冷却プレートCH及び/又は1つ以上のベークプレートBKを含む。基板ハンドラ又はロボットROは、入出力ポートI/O1、I/O2から1つ以上の基板を取り出し、それらを異なるプロセス装置間で移動させ、それらをリソグラフィ装置のローディングベイLBに引き渡す。これらの装置は、多くの場合トラックと総称され、トラック制御ユニットTCUの制御下にある。これはそれ自体が監視制御システムSCSによって制御され、また、リソグラフィ制御ユニットLACUを介してリソグラフィ装置を制御する。こうして、スループット及び処理効率を最大化するために、様々な装置を動作させることができる。
【0073】
[0089] リソグラフィ装置により露光される基板が正確かつ一貫して露光されるように、及び/又は少なくとも1つのパターン転写ステップ(例えば光リソグラフィステップ)を含むパターニングプロセス(例えばデバイス製造プロセス)の一部をモニタするために、基板又はその他のオブジェクトを検査して、アライメント、オーバーレイ(例えば、重なり合う層の構造間、又は同じ層内の、例えばダブルパターニングプロセスによってその層に別々に設けられた構造間についてのものであり得る)、線幅、クリティカルディメンジョン(CD)、フォーカスオフセット、材料特性などの1つ以上の特性を測定又は決定することが望ましい。例えば、(例えば本明細書に記載される)レチクルクランプの汚染は、そのような汚染の上からレチクルをクランプすることがレチクルを歪めることになるため、オーバーレイに悪影響を及ぼすことがある。したがって、リソセルLCが配置される製造施設は、典型的にはリソセルで処理された基板W(
図1)の一部又は全て、又はリソセル内の他のオブジェクトを測定するメトロロジシステムも含む。メトロロジシステムは、リソセルLCの一部である場合があり、例えば(アライメントセンサAS(
図1)などの)リソグラフィ装置LAの一部である場合がある。
【0074】
[0090] 測定される1つ以上のパラメータは、例えば、アライメント、パターン形成された基板の内部又は上に形成された連続する層間のオーバーレイ、例えばパターン形成された基板の内部又は上に形成されたフィーチャのクリティカルディメンジョン(CD)(例えばクリティカルライン幅)、光リソグラフィステップのフォーカス又はフォーカス誤差、光リソグラフィステップのドーズ又はドーズ誤差、光リソグラフィステップの光学収差などを含むことがある。この測定は、製品基板のターゲット自体に、及び/又は基板上に設けられた専用のメトロロジターゲットに対して行われることがある。この測定は、レジストの現像後でエッチングの前、エッチング後、堆積後、及び/又はそれ以外のときに行うことができる。
【0075】
[0091] パターニングプロセスで形成された構造の測定を行うための、走査電子顕微鏡、画像ベースの測定ツール及び/又は様々な専門ツールの使用を含む様々な技術が存在する。以上で考察したように、高速かつ非侵襲的な形態の専門メトロロジツールは、放射ビームを基板表面上のターゲットに向け、散乱した(回折/反射した)ビームの特性を測定するものである。基板で散乱した放射の1つ以上の特性を評価することによって、基板の1つ以上の特性を決定することができる。これは回折ベースのメトロロジと呼ばれることがある。この回折ベースのメトロロジの1つの適用例は、ターゲット内のフィーチャ非対称性の測定である。これは例えばオーバーレイの測度として使用することができるが、他の適用例も知られている。例えば非対称性は、回折スペクトルの反対側の部分同士を比較する(例えば、周期格子の回折スペクトルにおける-1次と+1次を比較する)ことによって測定することができる。これは上述のように、また、例えばその全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2006-066855号に記載されるように行うことができる。回折ベースのメトロロジの別の適用例は、ターゲット内のフィーチャ幅(CD)の測定である。
【0076】
[0092] このように、デバイス製造プロセス(例えば、パターニングプロセス、リソグラフィプロセスなど)において、基板又は他のオブジェクトは、プロセス中又はプロセス後に様々なタイプの測定を受けることがある。測定は、特定の基板に欠陥があるかどうかを判断することがあり、プロセス及びプロセスで使用される装置の調整(例えば、基板上の2つの層を位置合わせすること、又はパターニングデバイスを基板に位置合わせすること)を確立することがあり、プロセス及び装置の性能を測定することがあり、又はその他の目的のためである場合がある。測定の例としては、光学イメージング(例えば、光学顕微鏡)、非イメージング光学測定(例えば、ASMLのYieldStarメトロロジツール、ASMLのSMASHメトロロジシステムなどの回折に基づく測定)、機械的測定(例えば、スタイラスを用いたプロファイリング、原子間力顕微鏡(AFM))、及び/又は非光学イメージング(例えば、走査電子顕微鏡(SEM))が挙げられる。SMASH(SMart Alignment Sensor Hybrid)システムは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,961,116号に記載されており、アライメントマーカーの2つの重なり合う相対回転した像を生成し、像のフーリエ変換が干渉させられる瞳面内における強度を検出し、干渉された次数の強度変化として現れる2つの像の回折次数間の位相差から位置情報を抽出する自己参照干渉計を採用している。
【0077】
[0093] メトロロジ結果は、監視制御システムSCSに直接又は間接的に提供されることがある。誤差が検出される場合、後続の基板の露光に対して(特にバッチの1つ以上の他の基板をさらに露光できるほどすぐにかつ迅速に検査を行うことができる場合)、及び/又は露光された基板の後続の露光に対して調整が行われることがある。また、既に露光された基板は、歩留まりを向上するように剥離及び再加工が行われ、又は廃棄されることがあり、それによって、欠陥があると分かっている基板に対して更なる処理を行うことが回避される。基板の一部のターゲット部分にのみ欠陥がある場合には、仕様を満たすターゲット部分のみに更なる露光が行われることがある。
【0078】
[0094] メトロロジシステムMETにおいて、メトロロジ装置は、基板の1つ以上の特性、特に、異なる基板の1つ以上の特性がどのように変化するか、又は同じ基板の異なる層が層ごとにどのように変化するかを判断するのに使用される。上述のように、メトロロジ装置は、リソグラフィ装置LA又はリソセルLCに組み込まれることがある、又はスタンドアロンデバイスである場合がある。
【0079】
[0095] メトロロジを可能にするために、1つ以上のターゲットを基板上に設けることができる。ある実施形態では、ターゲットは、特別に設計され、周期構造を備えることがある。ある実施形態では、ターゲットは、デバイスパターンの一部、例えばデバイスパターンの周期構造である。ある実施形態では、デバイスパターンは、メモリデバイスの周期構造(例えば、バイポーラトランジスタ(BPT)、ビットラインコンタクト(BLC)などの構造)である。
【0080】
[0096] ある実施形態では、基板上のターゲットは、1つ以上の1次元周期構造(例えば格子)を含むことがあり、これは、現像後に周期構造フィーチャが固体レジストラインから形成されるように印刷される。ある実施形態では、ターゲットは、1つ以上の2次元周期構造(例えば格子)を含むことがあり、これは、現像後に1つ以上の周期構造が固体レジストピラー又はレジストのビアから形成されるように印刷される。代替的に、バー、ピラー、又はビアは、基板内に(例えば、基板の1つ以上の層内に)エッチングされることがある。
【0081】
[0097] ある実施形態では、パターニングプロセスの関心パラメータの1つはオーバーレイである。オーバーレイは、0次回折(鏡面反射に対応する)が遮蔽され、より高次のものだけが処理される暗視野スキャトロメトリを用いて測定することができる。暗視野メトロロジの例は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるPCT特許出願公開第2009/078708号及び第2009/106279号に見ることができる。この技術の更なる発展が、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2011-0027704号、第2011-0043791号及び第2012-0242970号に記載されている。回折次数の暗視野検出を使用する回折ベースのオーバーレイは、より小さなターゲットのオーバーレイ測定を可能にする。これらのターゲットは、照明スポットよりも小さい可能性があり、基板上のデバイス製品構造によって取り囲まれることがある。ある実施形態では、複数のターゲットを一度の放射捕獲で測定することができる。
【0082】
[0098] リソグラフィノードが縮小し続けるにつれて、ますます複雑なウェーハ設計が実施されることがある。様々なツール及び/又は技術が設計者によって用いられて、複雑なデザインが確実に物理ウェーハに正確に転写されることがある。これらのツール及び技術には、マスク最適化、光源マスク最適化(SMO)、OPC、制御用設計、及び/又はその他のツール及び/又は技術が含まれることがある。例えば、光源マスク最適化プロセスが、その全体が参照により組み込まれる、「Optimization Flows of Source, Mask and Projection Optics」と題する米国特許第9,588,438号に記載されている。
【0083】
[0099] 本システム及び/又は方法は、複雑なデザインの物理ウェーハへの正確な転写を向上させるために、スタンドアロンのツール及び/又は技術として用いられる、及び/又は他の半導体製造プロセスと併用して用いられることがある。
【0084】
[00100] 以上に記載したように、本システムは、リソグラフィ装置が動作し続ける間に、リソグラフィ装置の一部をインシチュで洗浄するのに使用されるように構成された洗浄ツールを備える。例えば、洗浄ツールは、リソグラフィ装置に挿入された典型的なレチクルを単に置き換えることがある。リソグラフィ装置は、リソグラフィ装置が動作中に洗浄ツールの特別な調整をする必要がないように、置き換えられたレチクルの典型的な動き及び/又は位置を通じて洗浄ツールを移動させることがある。一部の実施形態では、リソグラフィ装置の洗浄対象の部分は、レチクルステージレチクルクランプ、関連する膜、及び/又はリソグラフィ装置のその他の部分を含む。洗浄ツールは、任意の他のマスク又はレチクルがリソグラフィ装置に自動的に挿入され、リソグラフィ装置によって取り扱われるのと全く同じように、リソグラフィ装置に自動的に挿入され、リソグラフィ装置によって取り扱われる(例えば移動、回転などが行われる)ように構成される。本洗浄ツールを用いてリソグラフィ装置を洗浄することで、従来の洗浄方法に伴うダウンタイムの時間が節約される。また、本システムは、以下で説明されるように、洗浄された(レチクルステージレチクル)クランプから除去された物質でリソグラフィ装置の他の部品(例えばレチクルハンドラロボットグリッパ)を汚染するのを防ぐように構成される。洗浄ツールは、収縮した第1の形態でリソグラフィ装置内のコンテナに挿入され、リソグラフィ装置のツールハンドラによって係合され、リソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用されるように構成される。洗浄ツールは、ツールハンドラによる係合の後、洗浄ツールがリソグラフィ装置の一部を洗浄するために使用されるときに第2の形態になるように、収縮形態からコンテナの外で拡張した第2の形態に移行するように構成される。
【0085】
[00101] 一部の実施形態では、本システムは、洗浄ツール、洗浄ツールを保持するように構成されたコンテナ、及び/又は他のコンポーネントを備える。非限定的な例として、
図3A及び
図3Bは、(例えば
図1に示したリソグラフィ装置と類似した又は同じ)リソグラフィ装置300(の一部)を示している。
図3Aは、洗浄ツール302、及び洗浄ツールコンテナ304、及び/又は他のコンポーネントを備えた本システム301と、ツールハンドラ306、307、308、レチクルステージ310レチクルクランプ312(
図3Aでは片側しか見えていない)、及び/又は他のコンポーネントを含むリソグラフィ装置300の様々なコンポーネントとを示している。一部の実施形態では、リソグラフィ装置300は深紫外線(DUV)リソグラフィ用に構成されている。一部の実施形態では、洗浄ツール302は洗浄レチクル及び/又は他のコンポーネントを備える。一部の実施形態では、ツールハンドラ306、307、308は、レチクルハンドラタレットグリッパ306、レチクルハンドラロボットグリッパ307(レチクルを把持するための関連クランプ308などを有する)、及び/又は他のコンポーネントを含む。レチクルハンドラロボットグリッパ307は、例えばレチクルを(例えばユーザがレチクルをポッド320内に置いた後に)ポッド320から移動させることがある。レチクルハンドラタレットグリッパ306は、例えばレチクルをレチクルハンドラロボットグリッパ307からレチクルクランプ312に移動させることがある。リソグラフィ装置300は、洗浄ツール302及び/又は洗浄ツールコンテナ304のリソグラフィ装置300を介した動き及び制御を促進するように構成された他の様々な機械コンポーネント322(並進機構、仰角機構、回転機構、モータ、発送電コンポーネント、構造コンポーネントなど)を備えることがある。
【0086】
[00102] 洗浄ツール302は、リソグラフィ装置300が動作し続ける間に、リソグラフィ装置300のクランプ312及び/又は関連する膜(例えば、クランプのレチクルの下側と接触する膜)をインシチュで洗浄するのに使用されるように構成される。コンテナ304は洗浄ツール302を保持するように構成される。洗浄ツール302及びコンテナ304は、任意の他のマスク又はレチクル316がリソグラフィ装置300に自動的に挿入され、リソグラフィ装置300によって取り扱われるのと全く同じように、リソグラフィ装置300に自動的に挿入され、リソグラフィ装置300によって取り扱われるように構成される。例えば、洗浄ツール302及び/又は洗浄ツールコンテナ304は、任意の他のレチクル316がリソグラフィ装置300に挿入されることになるのと全く同じように、典型的な挿入方法を用いて典型的な挿入ポイント318でリソグラフィ装置300に挿入されるようなサイズ及び形状である。
【0087】
[00103]
図3Bは装置300の一部の拡大図である。
図3Bは、洗浄ツール302、洗浄ツールコンテナ304、レチクルハンドラタレットグリッパ306、レチクルステージ310、レチクルステージレチクルクランプ312(
図3Bでは片側しか見えていない)、機械コンポーネント322、レチクルハンドラロボットグリッパ307、及び/又は他のコンポーネントを示している。
図3Bに示すように、レチクルハンドラタレットグリッパ306は、クランプ312をインシチュで洗浄するのに洗浄ツール302を使用できるように、洗浄ツール302及び/又はコンテナ304をレチクルハンドラロボットグリッパ307からレチクルステージ310レチクルクランプ312に移動させるように構成される。洗浄ツール302を移動させることは、洗浄ツールを水平方向、垂直方向、及び/又はその他の方向にクランプ312に近づいたりクランプ312から離れたりするように移動させることを含む。レチクルハンドラタレットグリッパ306及び/又はレチクルハンドラロボットグリッパ307は、種々のモータ、並進機構、回転コンポーネント、クランプ、クリップ、電源、送電コンポーネント、真空機構、及び/又は洗浄ツール302及び/又はコンテナ304の動きを促進する他のコンポーネントを含むことがある。
【0088】
[00104] レチクルハンドラロボットグリッパ307内の容積制約、及びレチクルステージ310レチクルクランプ312を洗浄するのに必要とされる洗浄面の大きさのために、洗浄ツール302は、コンテナ304の内容積及び/又は外周よりも大きい、洗浄のための拡張形態を有するように構成される。例えば、典型的なレチクルはクランプ312間に収まり、レチクルハンドラロボットグリッパ307とタレットグリッパ306のクランプ部内にも収まる。しかしながら、洗浄ツール302は、リソグラフィ装置300によるハンドリングのためにグリッパ306と307のクランプ部内に収まる必要があり、また、洗浄のためにクランプ312の少なくとも一部(その間に収まらない)を覆う必要もある。
【0089】
[00105] 洗浄ツール302は、収縮した(第1の)形態を有するように構成され、その結果、コンテナ304内に収納する(また任意の他のレチクルのように装置300内を移動する)ことができる。洗浄ツール302は、洗浄のためにレチクルハンドラタレットグリッパ306によってコンテナ304から除去されるように構成される。洗浄ツール302は、レチクルハンドラタレットグリッパ306によってコンテナ304から一旦除去されると、洗浄手順に適切な大きさを有する拡張した(第2の)形態に移行するように構成される。換言すれば、洗浄ツール302は、洗浄ツール302が洗浄のためにグリッパ306、すなわちツールハンドラの一部によってコンテナ304から移動するときに、第1の形態から第2の形態に移行するように構成される。洗浄ツール302は、リソグラフィ装置300内への収納、及び/又はリソグラフィ装置300からの除去のために、レチクルハンドラロボットグリッパ307によってコンテナ304内の収縮形態に戻るように構成される。コンテナ304は、洗浄中、レチクルハンドラロボットグリッパ307内にとどまる。洗浄ツール302は、洗浄後、レチクルハンドラタレットグリッパ306によってコンテナ304に戻されるように構成される。言い換えれば、洗浄ツール302は、洗浄ツール302が洗浄後にグリッパ306(ツールハンドラの別の部分)によってコンテナ304に戻されたとき、第2の形態から第1の形態に移行するように構成される。
【0090】
[00106]
図4は、レチクルハンドラロボットグリッパ307のクランプ部400、洗浄ツールコンテナ304、洗浄ツール(例えばレチクル)302、及び/又は他のコンポーネントを示している。以上で説明したように、レチクルハンドラロボットグリッパ307は、ユーザがコンテナ304を洗浄ツール302とともにポッド320内に置いた後に、コンテナ304を洗浄ツール302(又は別のレチクル)とともにポッド320(
図3A)からレチクルハンドラタレットグリッパ306(
図3A、
図3B)に移動させるように構成される。クランプ部400はコンテナ304を把持するクランプ308を備える。コンテナ304は、洗浄ツール302が収縮した(第1の)形態にあるときに洗浄ツール302を保持し、リソグラフィ装置300(
図3A、
図3B)(のポッド)内に収まるように構成される。洗浄ツール302は、
図4においてコンテナ304内で収縮した形態で示されている。洗浄ツール302がコンテナ304内で収縮した形態にある状態で、洗浄ツール302は、任意の他のレチクルのようにリソグラフィ装置300(
図3A、
図3B)内を移動することがある。洗浄ツール302は、リソグラフィ装置300内のコンテナ304に挿入され、洗浄のためにツールハンドラ(タレットグリッパ)306によってコンテナ304から移動し、洗浄後にツールハンドラ(タレットグリッパ)306によってコンテナ304に戻されるように構成される。
【0091】
[00107]
図5は、洗浄ツールコンテナ(例えば、
図4に示した304)又は洗浄ツール(例えば、
図4に示した302)のない、レチクルハンドラロボットグリッパ(例えば、
図3A及び
図3Bに示した307)のクランプ部400の2つの
図500、502を示している。
図502は、クランプ部400の1つのアーム506を回転させた(505)(アーム506の内側エッジを拡大表示する)図である。
図500及び502は、クランプ部400のバンキング面510を示す。バンキング面510は、クランプ部400のコンテナ304及び/又は他のレチクルに接触するように構成された面である場合がある。洗浄ツールコンテナ304は、レチクルハンドラロボットグリッパ307のクランプ部400のバンキング面510を、洗浄ツール(例えばレチクル)302の洗浄面との接触から保護するように構成される。システム301(
図3A、
図3B、及び
図4)は、レチクルハンドラロボットグリッパ307のクランプ部400のバンキング面510がコンテナ304の外面と接触するように構成される。洗浄ツール302が洗浄後にコンテナ304に戻されるとき、洗浄ツール302により捕捉された汚染物質はコンテナ304内部にとどめられ、バンキング面510を含む、装置300(
図3A及び
図3B)の他の部分に広がらない。これによって、装置300内の他の(例えばカスタマー)レチクルを汚染する可能性、及び/又はレチクルステージ310(
図3A)、クランプ312(
図3B)、及び/又は他のコンポーネントを再汚染する可能性が低下する及び/又は実質的になくなる。
【0092】
[00108]
図4に戻ると、一部の実施形態では、洗浄ツール302は1つ以上のツールハンドラ係合面402及び/又は他のコンポーネントを備える。係合面402は、洗浄ツール302が収縮した(例えば第1の)形態にあるか拡張した(例えば第2の)形態にあるかにかかわらず、ツールハンドラ(例えばグリッパ306)に対応する位置及び向きにとどまるように構成される。一部の実施形態では、洗浄ツール302は、洗浄面を有する1つ以上の洗浄部404を備える(洗浄部404の下側又は底部側は
図4では見えていない)。洗浄部404及び/又は洗浄面は、洗浄ツール302が収縮した(例えば第1の)形態と拡張した(例えば第2の)形態の間で移行するとき、ツールハンドラ係合面402に対して移動するように構成される。一部の実施形態では、移動は相対的回転、及び/又は他の移動である場合がある。一部の実施形態では、洗浄面は、洗浄ツール302が拡張形態にあるときに、洗浄するためにリソグラフィ装置の一部の1つ以上のターゲット面(例えば、
図3A及び
図3Bに示したクランプ312及び/又は関連する膜)と接触するように構成される。一部の実施形態では、洗浄面は、洗浄ツール302が拡張形態にあるときに1つ以上のターゲット面に平行になるように構成される。一部の実施形態では、1つ以上のターゲット面は、1つ以上のクランプ312、リソグラフィ装置の関連する膜の表面、及び/又は他のターゲット面を含む。
【0093】
[00109]
図6及び
図7は更なる例証を提供する。
図6は、(収縮形態にある)洗浄ツール302をコンテナ304内に把持するレチクルハンドラタレットグリッパ306を示している。
図7は、レチクルハンドラタレットグリッパ306が洗浄ツール302をコンテナ304から移動させる様子を示している。洗浄ツール302は、コンテナ304から移動されたことに応答して拡張形態に拡張している。係合面402は、洗浄ツール302が収縮した(例えば
図6に示される)形態にあるか拡張した(例えば
図7に示される)形態にあるかにかかわらず、グリッパ306のグリップ足600に対応する位置及び向きにとどまるように構成される。この例では、面402は、互いから足600間の距離に対応する一定の距離が保たれる。面402はまた、足600によるグリップを促進するように足600に対して垂直に保たれる。洗浄部404は洗浄面700を有する(洗浄部404の下側又は底部側は
図7では見えていない)。洗浄部404及び/又は洗浄面700は、洗浄ツール302が収縮した(例えば
図6)形態と拡張した(例えば
図7)形態の間で移行するとき、ツールハンドラ係合面402に対して移動する(
図6から
図7への移行参照)ように構成される。一部の実施形態では、洗浄面700は、(例えばコーティング、ボンディング、及び/又は他の操作を介して)より大きいレチクル構造に固定されることがある。一部の実施形態では、洗浄面700は、取り外し可能な及び/又は交換可能な別個の部分である場合がある。一部の実施形態では、洗浄面700は、洗浄ツール302が拡張形態にあるときに(
図7)、リソグラフィ装置300(
図3A及び
図3B)の1つ以上のターゲット面に平行になるように構成される。
【0094】
[00110] 一部の実施形態では、
図7に示すように、洗浄ツール302は、洗浄ツール302のコーナー又はその近くにエラストマー731及び/又は他の材料を含むことがある。エラストマー731は、洗浄ツール302に結合された弾力材/制振材である場合がある。エラストマー731は、洗浄中の洗浄ツール302の移動を制限すること、レチクルバッファ、レチクルハンドラタレットグリッパ306の各部、コンテナ304の各部と洗浄ツール302の衝撃を和らげること、及び/又は他の目的を有することがある。
【0095】
[00111]
図8は、コンテナ304内の(収縮形態にある)洗浄ツール302を把持するレチクルハンドラタレットグリッパ306の足600の側面図を示している。洗浄ツール302がコンテナ304から移動するとき、洗浄ツール302は、洗浄ツール302の寸法820がコンテナ304の境界線824を超えて拡張する(822)ように拡張する。
図9は、洗浄するために(拡張形態にある)洗浄ツール302の洗浄面700を移動させて、1つ以上のクランプ312、リソグラフィ装置の関連する膜の表面、及び/又は他のターゲット面を含むターゲット面と接触させるレチクルハンドラタレットグリッパ306を示している。
図9に示すように、洗浄ツール302は、洗浄するために接触するときにクランプ312に実質的に平行である場合がある。洗浄するためにクランプ312と接触するときに、グリッパ306の質量及び/又は他の力が、洗浄ツール302とクランプ312との接触を維持することに役立つことがある。
【0096】
[00112] 一部の実施形態では、
図8及び
図9に示すように、洗浄ツール302は、ヒンジジョイント802により結合され、(収縮した)第1の形態と(拡張した)第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上のリンク800を備える。一部の実施形態では、洗浄ツール302は、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上の可撓性部を備える。一部の実施形態では、洗浄ツール302は、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上の回転部を備える。他の実施形態も考えられる。これらの実施形態は、本明細書に記載されているように、いかなる拡張、収縮、変形、屈曲、形状変化、及び/又は、洗浄ツール302がコンテナ304内に収まるサイズからレチクルステージ310レチクルクランプ312及び/又は関連する膜を洗浄するのに適切なサイズに移行することを可能にする他の動きも可能にすることがある。洗浄ツール302がコンテナ304から移動するとき(
図8)、例えば、重力、ばね、磁石、及び/又は洗浄ツール302に含まれる若しくは作用する動きを誘発する他の機構によって、洗浄ツール302が収縮形態から拡張形態に移行することがある。
【0097】
[00113]
図10は、レチクルステージ310、レチクルクランプ312、及び/又は関連する膜1052の俯瞰
図1050、1060、及び1070を示している。一部の実施形態では、クランプ312及び/又は関連する膜1052は、例えば洗浄ツール302により洗浄されるターゲット面である場合がある。通常、膜1052は、バーコード(及び/又は他の識別データ)が印刷された領域においてレチクルの底部と接触している。印刷はクロム、MoSi、又はその他の材料で施される。レチクルが真空を介してクランプされ、次いで(例えば識別目的で)スキャンされるとき、高い接触圧がレチクル材料とクランプ312の材料との間の分子レベルの結合を開始することができる。分離したとき、レチクル材料の小さな部分が引き出され、膜1052の表面にとどまる。そこで洗浄が必要になる。実際には、レチクルハンドラタレットグリッパ306(
図10に示されていない)は、拡張形態にある洗浄ツール(レチクル)302をクランプ312及び/又は関連する膜1052上に(例えば紙面奥に)下げることになる。
【0098】
[00114]
図1060は、
図1050の一部分の拡大図である。
図1050及び1060は、クランプ312で保持された典型的なレチクルのサイズ1054を示している。
図1070は、拡張形態にある洗浄ツール(例えば洗浄レチクル)302(前図にも示されている)のサイズ1072を示している。サイズ1072は、洗浄するためにクランプ312及び/又は膜1052と接触するのに十分な大きさである。洗浄ツール302は、サイズ1054とサイズ1072の間で、及び/又は他のサイズの間で拡張及び収縮するように構成される。一部の実施形態では、
図10に示されるように、洗浄ツール302は、1次元(例えば、
図10の向きによる「x」又は水平次元で)拡張するように構成される。しかしながら、一部の実施形態では、洗浄ツール302は、ターゲット洗浄面に適切に係合するように2つ以上の次元で(例えば「x」及び「y」次元で)拡張するように構成されることがある。収縮したサイズ1054において、洗浄ツール302は、洗浄ツール302がリソグラフィ装置300内のコンテナ304に取り込まれ、その中を移動できるようにコンテナ304内に収まるように構成されること(前図に示されている)に留意されたい。典型的なレチクルが(例えばレチクルハンドラタレットグリッパ306、レチクルハンドラロボットグリッパ307、クランプ308などを介して)行うように、及び/又は他のコンポーネント。
【0099】
[00115]
図7に戻ると、一部の実施形態では、コンテナ304はトレイ、パン、及び/又は他の構造物を備える。一部の実施形態では、コンテナ304は、
図7に示すように形状が概ね長方形又は正方形である。一部の実施形態では、コンテナは、コンテナ304が上記のようにリソグラフィ装置300(
図3A及び
図3B)内に収まるように構成された長さ722及び/又は幅724を有する。一部の実施形態では、コンテナ304は、ベース面720、側壁726、及び/又は他のコンポーネントを有する。一部の実施形態では、ベース面720は実質的に平面である場合がある。一部の実施形態では、
図7に示すように、ベース面720は1つ以上の異なる深さ730を有するように構成されることがある。深さ730は、例えばコンテナ304が洗浄ツール302を保持するように、洗浄ツール302の1つ以上の実施形態を収容することがある。深さ730は、コンテナ304がリソグラフィ装置300内に収まるように構成されることがある。一部の実施形態では、コンテナ304は金属、ポリマー、セラミック、及び/又はその他の材料から形成される。
【0100】
[00116] 一部の実施形態では、コンテナ304は、洗浄ツール302が洗浄後に(例えば
図6に示したように)コンテナ304に戻されるときに、洗浄ツール302の拡張形態から収縮形態への収縮を促進するように構成された1つ以上の収縮コンポーネント702を備える。一部の実施形態では、1つ以上の収縮コンポーネント702は、洗浄ツール302が洗浄後にコンテナ304に戻されるときに洗浄ツール302を押し付けるように構成されたリッジをコンテナ304内に備える。一部の実施形態では、他の拡張手段が、これらに限定されるわけではないが、真空手段、空気的手段、電気機械的手段、及び/又はその他の手段により作動されるバネ式アセンブリを含む。コンテナ304、洗浄レチクル(ツール)302、及び/又はタレットグリッパ306に結合された磁石が含まれ、洗浄レチクル302を磁場を介して拡張及び/又は収縮する原動力を提供することがある。このコンテナ304の記述が限定的であることを意図しないことに留意されたい。コンテナ304は、任意の寸法及び/又は特徴部を含む任意の形状を有し、本明細書に記載されるように機能することを可能にする任意の材料から作られることがある。
【0101】
[00117]
図11は、洗浄ツール(例えばレチクル)302のある例を示している。以上で説明したように、一部の実施形態では、洗浄ツール302は、1つ以上のツールハンドラ係合面及び/又は互いに対して移動する洗浄面を有する洗浄部、ヒンジジョイントにより結合された1つ以上のリンク、1つ以上の可撓性部、1つ以上の回転部、及び/又は収縮した(第1の)形態と拡張した(第2の)形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された他のコンポーネントを備える。簡潔にするため、そして以下の考察を容易にするために、
図11は、洗浄ツールを直方体に成形された単一の材料ブロックとして示す。これは限定的であることを意図しない。以下に記載される原理及び/又は特徴は、
図3A、3B、4、及び6~10に示された洗浄ツール302の実施形態に適用されることがある、及び/又は洗浄ツール302の別の実施形態に含まれることがある。
【0102】
[00118] 一部の実施形態では、洗浄ツール302の1つ以上の部分(例えば、係合面、洗浄部など)は、超低熱膨張石英(SFS)などの透明又はほぼ透明な材料及び/又は他の材料から形成されることがある。ただし、この要件はリソグラフィでの使用のためのものである。洗浄レチクル(ツール)302の製造は、いくつもの材料を使用して、「硬質表面フォトマスク基板のためのSEMI規格P1」に適合する外形寸法及び質量を提供することができる。一部の実施形態では、(
図11に示される)洗浄ツール302は、(上記の洗浄面700と類似した及び/又は同じ)洗浄面1100、識別面1102、1つ以上の側面1104、及び/又は他のコンポーネントを備える。識別面は、
図11に示されるように、洗浄ツール302の洗浄面1100に対して反対側で、かつ見える(識別)面1102の下にある。一部の実施形態では、洗浄ツール302は1つ以上の識別特徴部1106、1108も備える。識別特徴部1106及び1108は、プリアライメントマーク1106、バーコード1108、及び/又はその他の識別特徴部を含むことがある。洗浄ツール302は、識別特徴部1106及び1108が識別面1102を通して見えるように構成される。
【0103】
[00119] 一部の実施形態では、識別特徴部1106及び1108は、
図11に示すように洗浄面1100上に位置することがある。このような実施形態では、洗浄面1100は部分的に洗浄材料で覆われる。一部の実施形態では、洗浄材料は1つ以上の異なる材料を含む。膜を洗浄するのに使用される材料は、除去すべき汚染物質によって異なる可能性がある。洗浄材料は、スパッタリング/蒸着、ボンディング、及び/又は他の操作によって工具レチクルに永久的に塗布することができる。光学/電子/医療デバイスに使用される市販の洗浄材料は、除去及び交換ができるように構成された方法で結合あるいは付着可能である。材料の例として、これらに限定されるわけではないが、織物ポリエステル、織物レーヨン、連続若しくは独立気泡ポリエチレンフォームなど、及び/又はこれらの一部の組み合わせが挙げられる。「ばらばらになった」粒子を除去するために、両面テープ、カプトンテープ、アキレステープなどを使用する「粘着性」表面を利用することができる。洗浄材料は、上記のようにレチクルステージ310(
図3A及び
図3B)レチクルクランプ312(
図3A及び
図3B)、及び/又は関連する膜と接触し、洗浄するように構成される。このような実施形態では、洗浄面1100は、例えば識別特徴部1106及び1108の位置に対応するギャップを洗浄材料内に有するように構成されることがある。ギャップは、識別特徴部1106及び1108の位置に対応する領・BR>謔フ洗浄材料を切断及び/又は除去することによって生成されることがある。洗浄材料内のギャップは、洗浄材料が概ね不透明又はほぼ不透明であるために残されることがあり、識別特徴部1106及び1108は、洗浄ツール302の洗浄面1100側から洗浄ツール302に入り、識別面1102から洗浄ツール302を出ていく照明を使用して、リソグラフィ装置300(
図3A及び
図3B)内のカメラによって読み取られるように構成される。洗浄面1100の全てを覆った洗浄材料なら、照明がこの実施形態の洗浄ツール302に入るのを妨げることになる。(プリアライメントマーク1106の代わりに貫通孔を使用すること、及びバーコード1108ではなく洗浄材料内のギャップの必要性を軽減することが可能であり得ることに留意されたい。)
【0104】
[00120] 一部の実施形態では、洗浄面1100の実質的に全てが洗浄材料で覆われることがある。有利には、これによって洗浄面1100により洗浄される領域が最大化される。このような実施形態では、洗浄ツール302は、内部照明源、並びに洗浄面1100と識別面1102の間に位置する識別特徴部1106及び1108を有するように構成され、その結果、識別特徴部1106及び1108は、内部照明源からの光を使用して識別面を通して見えることがある。例えば、一部の実施形態では、洗浄ツール302は、洗浄面1100と識別面1102の間に1つ以上の内部面を備える。識別特徴部1106及び1108は、これらの内部面の1つ以上の上に位置することがある。
【0105】
[00121] 非限定的な例として、ガラス層が識別面1102を形成することがある。このガラス層は、識別特徴部1106及び/又は1108が、ガラス層の内(洗浄面100が面している)側に印刷及び/又は形成された薄いレチクルである場合がある。これは、タレットグリッパ306(
図3A及び
図3B)のためのガラス層の滑らかで連続的な対向(又は外)面1100を提供することがある。洗浄ツール302の残りの容積が、ボンディング、光学接触、機械的組立、及び/又は、他の層及び/又は識別特徴部1106及び/又は1108を照明するための照明源を保持するように構成された領域を提供するための他の操作を介して層状構造を組み立てることによって満たされることがある。次に洗浄材料は、識別特徴部1106及び/又は1108を読み取るのに必要とされる照明を妨げないため、洗浄面1100の任意の部分上の洗浄ツール(例えばレチクル)302に取り付けられることがある。
【0106】
[00122] 有利には、識別特徴部1106、1108、及び/又は他の特徴部を内部面上に配置することは、タレットグリッパ306(
図3A及び
図3B)による把持のために識別面1102を滑らか及び/又は連続に保つ。例えば、タレットグリッパ306は、足600が洗浄ツール(例えばレチクル)302まで降下されたときに確実に適切に着座するようにするため、足600(
図7から
図9)と洗浄ツール302との特定の摩擦係数を必要とすることがある。タレットグリッパ306は、真空を引くときに密閉して洗浄ツール(例えばレチクル)302を持ち上げる及び/又は移動させる連続面を必要とすることもある。滑らかな識別面1102がこれら及び他の問題を解決することがある。
【0107】
[00123] 例として、
図12は、洗浄ツール302越しに見(上げ)たタレットグリッパ306及び足600の
図1200を示している。
図12は、(一例として)識別特徴部1106に対して位置決めされた足600の拡大
図1202及び1204も示している。以上で説明したように、タレットグリッパ306の足600は、真空を引くときに密閉して洗浄ツール(例えばレチクル)302を持ち上げる及び/又は移動させる連続面を必要とすることがある。
【0108】
[00124]
図13は、洗浄ツール302の内部1302の洗浄面1100と識別面1102の間に照明源1300が位置する、積層バージョンの洗浄ツール302の例示的な実施形態を示している。照明源1300は、1つ以上の識別特徴部1106及び/又は1108が識別面1102を通して見えるように照明を提供するように構成される。一部の実施形態では、照明源1300は発光ダイオード(LED)を含む。一部の実施形態では、照明源1300は、照明をLEDから1つ以上の識別特徴部1106及び/又は1108に向けて、かつ識別面1102を通して誘導するように構成された照明ガイド1304を備える。例えば
図13に示すように、照明ガイド1304は、識別特徴部1106及び/又は1108に近接して配置された1つ以上のキャビティ1305を備えることがある。照明ガイド1304は、光を識別特徴部1106及び/又は1108を通過し、識別面1102から出るように誘導するように構成された様々なチャネル、反射面などを備えることもある。
【0109】
[00125] 一部の実施形態では、LEDの代わりに及び/又はLEDに加えて、照明源1300は、周囲光を(例えば洗浄ツール302下方の)周囲雰囲気から洗浄ツール302の内部1302を通って1つ以上の識別特徴部1106及び/又は1108に向けて、かつ識別面1102を通して誘導するように構成された1つ以上のミラー及び/又は他の反射面を備えることがある。一部の実施形態では、内部1302は、照明源1300用のバッテリ1320などの電気エネルギー貯蔵デバイス及び/又は他の電源、バッテリ1320を照明源1300に結合する配線1322、内部1302へのユーザアクセスを提供するように構成された取り外し可能なアクセスカバー、及び/又は洗浄ツール302が本明細書に記載されるように機能することを可能にするように構成された他のコンポーネントを含むことがある。一部の実施形態では、照明源1300は、レチクルの(覆われていない)中心からの照明を取り込み、ミラー、レンズ、プリズム、及び/又は他の光学素子を介して識別マークを通って上に向かわせるように構成され得るパッシブ照明手段である、及び/又はこれを含むことがある。一部の実施形態では、照明は、「暗闇で光る」塗料、又はトリチウムのバイアル及び/又は他の材料などの他の類似の生成物によって提供することもできる。
【0110】
[00126]
図14は、リソグラフィ装置の一部を洗浄する方法1400を示している。方法1400は、例えば洗浄システムを用いて実行されることがある。一部の実施形態では、洗浄システムは、洗浄ツール、コンテナ、及び/又は他のコンポーネントを備える。以下に示される方法1400の操作は、例示であることが意図される。一部の実施形態では、方法1400は、記載されていない1つ以上の追加の操作を用いて、及び/又は考察される操作の1つ以上を用いることなく達成されることがある。また、方法1400の操作が
図14に示され、以下に記載される順番は限定することを意図していない。
【0111】
[00127] 一部の実施形態では、方法1400の1つ以上の部分は、1つ以上の処理デバイス(例えば、デジタルプロセッサ、アナログプロセッサ、情報を処理するように設計されたデジタル回路、情報を処理するように設計されたアナログ回路、状態機械、及び/又は情報を電子的に処理するための他の機構)で実行される、及び/又はこれによって制御されることがある。1つ以上の処理デバイスは、電子記憶媒体に電子的に記憶された命令に応じて方法1400の操作の一部又は全てを実行する1つ以上のデバイスを含むことがある。1つ以上の処理デバイスは、方法1400の操作の1つ以上の実行のために特別に設計されるハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを介して構成された1つ以上のデバイスを含むことがある(例えば、以下の
図15に関連した考察を参照)。例えば、1つ以上の処理デバイスは、本明細書に記載の操作の1つ以上を実行させる洗浄プログラムを実行するように構成された(例えばASML Twinscan)ソフトウェアを実行することがある。
【0112】
[00128] 操作1402において、洗浄ツールはリソグラフィ装置に挿入される。一部の実施形態では、リソグラフィ装置はDUV放射用に構成される。一部の実施形態では、洗浄ツールは洗浄レチクルを含む。洗浄ツールは、リソグラフィ装置に挿入されるときに収縮した第1の形態にある。洗浄ツールは、リソグラフィ装置に挿入されるときにコンテナ内にある。一部の実施形態では、操作1402は、リソグラフィ装置のツールハンドラ(例えば、
図3A及び
図3Bに示され、本明細書に記載されたレチクルハンドラロボットグリッパ307)及び/又は他のコンポーネントによって実行される。
【0113】
[00129] 操作1404において、洗浄ツールは、リソグラフィ装置のツールハンドラの第2の部分によって係合及び移動される。一部の実施形態では、ツールハンドラの第2の部分は、レチクルハンドラタレットグリッパ及び/又は他のコンポーネントである場合がある。一部の実施形態では、操作1404は、(
図3A及び
図3Bに示され、本明細書に記載された)タレットグリッパ306と同じ又は類似のレチクルハンドラタレットグリッパによって実行される。
【0114】
[00130] 操作1406において、洗浄ツールは第1の形態から拡張した第2の形態に移行する。一部の実施形態では、操作1406は、洗浄ツールがツールハンドラ(例えばタレットグリッパ)の第2の部分によってコンテナから持ち上げられることに応答して行われる。一部の実施形態では、移行は、洗浄ツール内でヒンジジョイントにより結合され、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上のリンクによって促進される。一部の実施形態では、移行は、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、洗浄ツールの1つ以上の可撓性部によって促進される。一部の実施形態では、移行は、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、洗浄ツールの1つ以上の回転部によって促進される。一部の実施形態では、操作1406は、以上で説明したような洗浄ツール(例えば、
図3A及び
図3Bに示し、本明細書で説明した洗浄ツール302)によって行われる。
【0115】
[00131] 操作1408において、洗浄ツールはリソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用される。洗浄ツールは、リソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用されるとき、拡張した第2の形態にある。一部の実施形態では、リソグラフィ装置の一部はレチクルステージレチクルクランプを含む。一部の実施形態では、操作1408は、以上で説明したような洗浄ツール(例えば、
図3A及び
図3Bに示し、本明細書で説明した洗浄ツール302)によって行われる。
【0116】
[00132] 操作1410において、洗浄ツールはコンテナに戻される。洗浄ツールは、ツールハンドラの第2の部分によってコンテナに戻される。洗浄ツールは、洗浄ツールが洗浄後にツールハンドラの第2の部分によってコンテナに戻されるときに、第2の(拡張した)形態から第1の(収縮した)形態に移行するように構成される。一部の実施形態では、コンテナは1つ以上の収縮コンポーネントを備える。操作1410は、洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されるときの第2の形態から第1の形態への洗浄ツールの収縮を、収縮コンポーネントを用いて促進することを含む。洗浄ツールをコンテナに戻すことは、ツールハンドラ(例えばタレットグリッパ)の第2の部分によって行われる。一部の実施形態では、ツールハンドラの第2の部分は、(
図3A及び
図3Bに示し、本明細書で説明した)タレットグリッパ306と同じ又は類似している場合がある。
【0117】
[00133] 一部の実施形態では、方法1400は、(例えば
図11から
図13に関連して以上で説明したように)少なくとも部分的に洗浄材料で覆われている洗浄ツールに洗浄面を設けること、洗浄ツールの洗浄面に対して反対側にある識別面を洗浄ツールに設けること、洗浄面と洗浄ツールの1つ以上の内部面上の識別面の間に位置し、識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部を洗浄ツールに設けること、洗浄ツールの内部の洗浄面と識別面の間に位置し、1つ以上の識別特徴部が識別面を通して見えるように照明を提供するように構成された照明源を設けること、及び/又は他の操作を含む。
【0118】
[00134]
図15は、本明細書に開示される方法、フロー、又はシステムを実施することを支援し得るコンピュータシステム100を示すブロック図である。コンピュータシステム100は、情報を伝達するためのバス102又は他の通信機構と、バス102で結合され、情報を処理するためのプロセッサ104(又は複数のプロセッサ104及び105)とを備える。コンピュータシステム100は、バス102に結合され、情報とプロセッサ104により実行される命令とを記憶するための、ランダムアクセスメモリ(RAM)や他の動的記憶デバイスなどのメインメモリ106も備える。メインメモリ106はまた、プロセッサ104により実行される命令の実行中にテンポラリ変数又は他の中間情報を記憶するのに使用されることがある。コンピュータシステム100は更に、バス102に結合され、静的情報及びプロセッサ104用の命令を記憶するための読み取り専用メモリ(ROM)108又は他の静的記憶デバイスを備える。磁気ディスクや光ディスクなどの記憶デバイス110が、情報及び命令を記憶するために設けられ、バス102に結合される。
【0119】
[00135] コンピュータシステム100は、バス102を介して、情報をコンピュータユーザに表示するための、陰極線管(CRT)又はフラットパネル若しくはタッチパネルディスプレイなどのディスプレイ112に結合されることがある。英数字及び他のキーを含む入力デバイス114が、情報及びコマンド選択をプロセッサ104に通信するためにバス102に結合される。別のタイプのユーザ入力デバイスは、プロセッサ104に方向情報及びコマンド選択を通信するため、及びディスプレイ112上でカーソルの移動を制御するための、マウス、トラックボール、又はカーソル方向キーなどのカーソル制御部116である。この入力デバイスは、一般的に2つの軸(第1の軸(例えばx)及び第2の軸(例えばy))において、デバイスがある面内で位置を特定することを可能にする2つの自由度を有する。タッチパネル(スクリーン)ディスプレイが、入力デバイスとして使用されることもある。
【0120】
[00136] 一実施形態によれば、本明細書に記載の1つ以上の方法の各部分は、プロセッサ104がメインメモリ106に含まれる1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを実行することに応答して、コンピュータシステム100によって行われることがある。このような命令は、記憶デバイス110などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ106に読み込まれることがある。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ104に本明細書に記載のプロセスステップを行わせる。メインメモリ106に含まれる命令のシーケンスを実行するために、多重処理構成の1つ以上のプロセッサが用いられることもある。代替的な実施形態では、ソフトウェア命令の代わりに又はソフトウェア命令と一緒に、配線回路が使用されることがある。従って、本明細書の記載は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0121】
[00137] 本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ104に命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。このような媒体は、限定されないが、不揮発性媒体、揮発性媒体、及び伝送媒体を含む多くの形態をとることがある。不揮発性媒体は、例えば記憶デバイス110などの光又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ106などの動的メモリを含む。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線及び光ファイバ(バス102を含むワイヤを含む)を含む。伝送媒体は、無線周波数(RF)及び赤外線(IR)データ通信中に生成されるものなどの、音波又は光波の形態をとることもできる。コンピュータ可読媒体の一般的形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、その他の磁気媒体、CD-ROM、DVD、その他の光媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有したその他の物理媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下に記載されるような搬送波、又はコンピュータが読み取り可能なその他の媒体を含む。
【0122】
[00138] コンピュータ可読媒体の様々な形態が、実行のためにプロセッサ104に1つ以上の命令の1つ以上のシーケンスを運ぶことに関与することがある。例えば、命令は、最初はリモートコンピュータの磁気ディスク上にある場合がある。リモートコンピュータは、命令をその動的メモリにロードし、モデムを使用して電話回線を介してその命令を送信することができる。コンピュータシステム100にローカルなモデムが、電話回線上のデータを受信し、赤外線送信機を用いてデータを赤外線信号に変換することができる。バス102に結合された赤外線検出器が、赤外線信号で搬送されたデータを受信し、そのデータをバス102にのせることができる。バス102は、データをメインメモリ106に搬送し、そこからプロセッサ104は命令の読み出し及び実行を行う。メインメモリ106により受信された命令は、任意選択的にプロセッサ104による実行の前又は後に、記憶デバイス110に記憶されることがある。
【0123】
[00139] コンピュータシステム100は、バス102に結合された通信インターフェース118を備えることもある。通信インターフェース118は、ローカルネットワーク122に接続されるネットワークリンク120に結合する双方向データ通信を提供する。例えば、通信インターフェース118は、対応するタイプの電話回線にデータ通信接続を提供するデジタル総合サービス網(ISDN)カード又はモデムである場合がある。別の例として、通信インターフェース118は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するローカルエリアネットワーク(LAN)カードである場合がある。無線リンクが実装されることもある。このような実装形態において、通信インターフェース118は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを搬送する電気、電磁又は光信号の送信及び受信を行う。
【0124】
[00140] ネットワークリンク120は、一般的に1つ以上のネットワークを通して他のデータデバイスにデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク120は、ローカルネットワーク122を通して、ホストコンピュータ124又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)126により操作されるデータ機器への接続を提供することがある。ISP126は次に、ワールドワイドパケットデータ通信ネットワーク(現在、一般に「インターネット」128と呼ばれる)によるデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク122及びインターネット128は共に、デジタルデータストリームを搬送する電気、電磁又は光信号を使用する。コンピュータシステム100に、及びコンピュータシステム100からデジタルデータを搬送する、様々なネットワークを通る信号、及びネットワークリンク120上の通信インターフェース118を通る信号は、情報を運ぶ搬送波の例示的な形態である。
【0125】
[00141] コンピュータシステム100は、1つ以上のネットワーク、ネットワークリンク120、及び通信インターフェース118を通して、メッセージを送信すること、及びプログラムコードを含むデータを受信することができる。インターネットの例では、サーバ130が、インターネット128、ISP126、ローカルネットワーク122及び通信インターフェース118を通して、アプリケーションプログラムの要求コードを送信する場合がある。そのようなダウンロードされた1つのアプリケーションが、例えば本明細書に記載の方法の全て又は一部を提供することがある。受信されたコードは、受信された際にプロセッサ104によって実行される、及び/又は後で実行するために記憶デバイス110又は他の不揮発性ストレージに記憶されることがある。このようにして、コンピュータシステム100は、搬送波の形態のアプリケーションコードを取得することがある。
【0126】
[00142]
図16は、
図1、
図3A、及び/又は
図3Bに示した装置と類似している、及び/又は同じ、本明細書に記載の技術と組み合わせて使用できる例示的なリソグラフィ投影装置1000を概略的に示している。装置1000は概ね、例えばツインスキャン構成を含むDUV装置を表すことがある(この例は限定することを意図していない)。装置は、以下を備える。
-放射ビームBを調節するための照明システムIL。この特定のケースでは、照明システムは放射源SOも含む。
-パターニングデバイスMA(例えばレチクル)を保持するためのパターニングデバイスホルダを備え、かつアイテムPSに対してパターニングデバイスを正確に位置決めするための第1のポジショナに接続された第1のオブジェクトテーブル(例えばパターニングデバイステーブル)MT。
-基板W(例えばレジストコートシリコンウェーハ)を保持するための基板ホルダを備え、かつアイテムPSに対して基板を正確に位置決めするための第2のポジショナに接続された第2のオブジェクトテーブル(基板テーブル)WT。
-パターニングデバイスMAの照射部分を基板Wのターゲット部分C(例えば1つ以上のダイを含む)上に結像する投影システム(「レンズ」)PS(例えば、屈折型、反射型又は反射屈折型光学システム)。
【0127】
[00143] 本明細書に示されるように、本装置は透過型である(すなわち、透過型パターニングデバイスを有する)。ただし一般に、本装置は、例えば(反射型パターニングデバイスを有する)反射型である場合もある。本装置は、従来のマスクとは異なる種類のパターニングデバイスを用いることがあり、例として、プログラマブルミラーアレイ又はLCDマトリックスが含まれる。
【0128】
[00144] 放射源SO(例えば、水銀ランプ又はエキシマレーザ、LPP(レーザ生成プラズマ)EUV源)は、放射ビームを生成する。このビームは、照明システム(イルミネータ)IL内に、そのまま又は、例えばビームエキスパンダExなどの調節手段を横断した後に供給される。イルミネータILは、ビームの強度分布の外側及び/又は内側半径範囲(一般的に、それぞれσ-outer及びσ-innerと呼ばれる)を設定するための調整手段を備えることがある。またイルミネータILは、一般にインテグレータ及びコンデンサなどの様々な他のコンポーネントを備えることになる。このようにして、パターニングデバイスMAに衝突するビームBは、断面に所望の均一性及び強度分布を有する。
【0129】
[00145]
図16に関して、放射源SOは、リソグラフィ投影装置のハウジング内にある場合があるが(大抵の場合、放射源SOが、例えば水銀ランプのとき)、リソグラフィ投影装置から離れ、それが生成する放射ビームが(例えば、適切な誘導ミラーの助けを借りて)装置内に導かれることがあることに留意されたい。この後者のシナリオは、放射源SOがエキシマレーザ(例えば、KrF、ArF又はF
2レージングに基づく)であるケースが多い。
【0130】
[00146] 続いてビームは、パターニングデバイステーブルMT上に保持されるパターニングデバイスMAを遮断する。ビームBは、パターニングデバイスMAを横断した後、ビームBの焦点を基板Wのターゲット部分Cに合焦させるレンズPLを通過する。第2の位置決め手段(及び干渉測定手段)の助けを借りて、例えば異なるターゲット部分Cをビームのパス内に位置決めするように、基板テーブルWTを正確に移動することができる。同様に、例えば、パターニングデバイスライブラリからのパターニングデバイスMAの機械的な取り出し後に、又はスキャン中に、第1の位置決め手段を用いて、ビームBのパスに対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。一般に、オブジェクトテーブルMT、WTの移動は、明示的に示されていないロングストロークモジュール(粗動位置決め)及びショートストロークモジュール(微動位置決め)の助けを借りて実現されることになる。ただし、ステッパの場合は(ステップアンドスキャンツールとは対照的に)、パターニングデバイステーブルMTは、ショートストロークアクチュエータのみに接続されることがあるか、又は固定されることがある。
【0131】
[00147] 示されたツールは、2つの異なるモードで使用することができる。
-ステップモードでは、パターニングデバイステーブルMTは、基本的に静止したままであり、パターニングデバイス像全体が、一回の操作(すなわち、単一の「フラッシュ」)でターゲット部分C上に投影される。次いで、異なるターゲット部分Cをビームによって照射できるように、基板テーブルWTはx及び/又はy方向にシフトされる。
-スキャンモードでは、所与のターゲット部分Cが単一の「フラッシュ」で露光されないことを除き、基本的に同じシナリオが適用される。代わりに、パターニングデバイステーブルMTは、投影ビームBにパターニングデバイス像をスキャンさせるように、速度vで所与の方向(いわゆる「スキャン方向」、例えば、y方向)に移動可能である。同時に、基板テーブルWTは、速度V=Mv(Mは、レンズPLの倍率である(一般的に、M=1/4又は1/5))で、同じ又は反対方向に同時に移動する。このようにして、解像度を妥協する必要なしに、比較的大きなターゲット部分Cを露光することができる。
【0132】
[00148] 実施形態は以下の条項を使用して、更に記述されることがある。
1.リソグラフィ装置の一部を洗浄するためのシステムであって、 リソグラフィ装置に第1の形態で挿入され、リソグラフィ装置のツールハンドラにより係合され、リソグラフィ装置の一部を洗浄するのに使用される洗浄ツールを備え、
洗浄ツールが、ツールハンドラによる係合の後に、リソグラフィ装置の一部を洗浄するために使用されるときに拡張した第2の形態になるように、第1の形態から第2の形態に移行するシステム。
2.第1の形態にある洗浄ツールを保持し、リソグラフィ装置内に収まるコンテナを更に備え、洗浄ツールが、リソグラフィ装置内のコンテナに挿入され、洗浄のためにツールハンドラによってコンテナから移動され、洗浄後にツールハンドラによってコンテナに戻される、条項1のシステム。
3.洗浄ツールが、洗浄のためにツールハンドラによってコンテナから移動されるときに、第1の形態から第2の形態に移行する、条項2のシステム。
4.洗浄ツールが、洗浄後にツールハンドラによってコンテナに戻されるときに、第2の形態から第1の形態に移行する、条項2又は3のシステム。
5.コンテナが、洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されるときの、洗浄ツールの第2の形態から第1の形態への収縮を促進する1つ以上の収縮コンポーネントを備える、条項2から4のいずれかのシステム。
6.1つ以上の収縮コンポーネントが、洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されるときに、洗浄ツールを押し付けるリッジをコンテナ内に備える、条項5のシステム。
7.リソグラフィ装置の一部がレチクルステージレチクルクランプを含む、条項1から6のいずれかのシステム。
8.洗浄ツールが洗浄レチクルを含む、条項1から7のいずれかのシステム。
9.ツールハンドラがレチクルハンドラタレットグリッパを含む、条項1から8のいずれかのシステム。
10.リソグラフィ装置が深紫外(DUV)放射用である、条項1から9のいずれかのシステム。
11.第1の形態が、第2の形態と比べて収縮した形態を含む、条項1から10のいずれかのシステム。
12.洗浄ツールが、ヒンジジョイントにより結合され、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進する1つ以上のリンクを備える、条項1から11のいずれかのシステム。
13.洗浄ツールが、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進する1つ以上の可撓性部を備える、条項1から12のいずれかのシステム。
14.洗浄ツールが、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進する1つ以上の回転部を備える、条項1から13のいずれかのシステム。
15.洗浄ツールが、第1の形態にあるか第2の形態にあるかにかかわらず、ツールハンドラに対応する位置及び向きにとどまる1つ以上のツールハンドラ係合面を更に備える、条項1から14のいずれかのシステム。
16.洗浄ツールが、第1及び第2の形態間を移行するときに、1つ以上のツールハンドラ係合面に対して移動する1つ以上の洗浄面を更に備える、条項15のシステム。
17.1つ以上の洗浄面が、洗浄ツールが第2の形態にあるときに、洗浄するためにリソグラフィ装置の一部の1つ以上のターゲット面と接触する、条項16のシステム。
18.1つ以上の洗浄面が、洗浄ツールが第2の形態にあるときに1つ以上のターゲット面に平行である、条項17のシステム。
19.1つ以上のターゲット面が、リソグラフィ装置の1つ以上の膜表面を含む、条項18のシステム。
20.洗浄ツールが、
少なくとも部分的に洗浄材料で覆われた洗浄面と、
洗浄ツールの洗浄面に対して反対側にある識別面と、
洗浄面と識別面の間に位置する、識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部とを備える、条項1から19のいずれかのシステム。
21.洗浄面が不透明であり、識別面が透明である、条項20のシステム。
22.洗浄ツールが、洗浄面と識別面の間に1つ以上の内部面を更に備え、1つ以上の識別特徴部が1つ以上の内部面上に位置する、条項20又は21のシステム。
23.1つ以上の識別特徴部が、バーコード及びアライメントマークの一方又は両方を含む、条項20から22のいずれかのシステム。
24.洗浄ツールが、洗浄ツールの内部の洗浄面と識別面の間に位置する照明源であって、1つ以上の識別特徴部が識別面を通して見えるように照明を提供するように構成された照明源を更に備える、条項20から23のいずれかのシステム。
25.照明源が発光ダイオード(LED)を含む、条項24のシステム。
26.照明源が、照明をLEDから1つ以上の識別特徴部に向けて、かつ識別面を通して誘導するように構成された照明ガイドを更に備える、条項25のシステム。
27.照明源が、周囲光を洗浄ツールの下から洗浄ツールの内部を通って1つ以上の識別特徴部に向けて、かつ識別面を通って誘導するように構成された1つ以上のミラーを備える、条項24のシステム。
28.リソグラフィ装置の一部を洗浄ツールを用いて洗浄する方法であって、方法が、
洗浄ツールをリソグラフィ装置に第1の形態で挿入すること、
洗浄ツールをリソグラフィ装置のツールハンドラと係合させること、
洗浄ツールを第1の形態から拡張した第2の形態に移行させること、及び
洗浄ツールが拡張した第2の形態にある間に、洗浄ツールを用いてリソグラフィ装置の一部を洗浄することを含む方法。
29.第1の形態にある洗浄ツールをコンテナ内に保持すること、洗浄ツールをリソグラフィ装置内のコンテナに挿入すること、洗浄のために洗浄ツールをコンテナからツールハンドラを用いて移動させること、及び洗浄後にツールハンドラを用いて洗浄ツールをコンテナに戻すことを更に含む、条項28の方法。
30.洗浄ツールが洗浄のためにツールハンドラによってコンテナから移動されるとき、洗浄ツールを第1の形態から第2の形態に移行させることを更に含む、条項29の方法。
31.洗浄ツールが洗浄後にツールハンドラによってコンテナに戻されるときに、洗浄ツールを第2の形態から第1の形態に移行させることを更に含む、条項28から30のいずれかの方法。
32.洗浄ツールが洗浄後にコンテナに戻されることに応答して、収縮コンポーネントを用いて、洗浄ツールを拡張した第2の形態から収縮させることを更に含む、条項28から31のいずれかの方法。
33.リソグラフィ装置の一部がレチクルステージレチクルクランプを含む、条項28から32のいずれかの方法。
34.洗浄ツールが洗浄レチクルを含む、条項28から34のいずれかの方法。
35.ツールハンドラがレチクルハンドラタレットグリッパを含む、条項28から34のいずれかの方法。
36.リソグラフィ装置が深紫外(DUV)放射用に構成される、条項28から35のいずれかの方法。
37.移行が、洗浄ツール内でヒンジジョイントにより結合され、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された1つ以上のリンクによって促進される、条項28から36のいずれかの方法。
38.移行が、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、洗浄ツールの1つ以上の可撓性部によって促進される、条項28から37のいずれかの方法。
39.移行が、第1の形態と第2の形態の間の拡張又は収縮を促進するように構成された、洗浄ツールの1つ以上の回転部によって促進される、条項28から38のいずれかの方法。
40.少なくとも部分的に洗浄材料で覆われている洗浄ツールに洗浄面を設けること、
洗浄ツールの洗浄面に対して反対側にある識別面を洗浄ツールに設けること、
洗浄面と洗浄ツールの1つ以上の内部面上の識別面の間に位置し、識別面を通して見える1つ以上の識別特徴部を洗浄ツールに設けること、及び
洗浄ツールの内部の洗浄面と識別面の間に位置し、1つ以上の識別特徴部が識別面を通して見えるように照明を提供するように構成された照明源を設けることを更に含む、条項28から39のいずれかの方法。
41.コンピュータによって実行されるときに、条項28から40のいずれかの方法を実行する命令を記録させた、非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品。
【0133】
[00149] 本明細書に開示された概念は、シリコンウェーハなどの基板上のウェーハ製造に使用されることがあるが、開示された概念は、あらゆるタイプの製造システム(例えば、シリコンウェーハ以外の基板上の製造に使用されるもの)に使用されることがあることが理解されるものとする。また、開示された要素の組み合わせ及び部分的組み合わせは、別個の実施形態を含むことがある。例えば、拡張及び収縮する洗浄ツール(
図3Aから
図10)、及び内照式洗浄ツール(例えば
図11から
図13)は別個の実施形態を含むことがある、及び/又はこれらの特徴は同じ実施形態で一緒に用いられることがある。
【0134】
[00150] 上記の記載は、説明のためのものであり、限定するものではないことが意図される。従って、当業者には、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、説明したように変更が行われ得ることが明らかとなるであろう。