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特許7590591半導体デバイスの製造システム及び製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-18
(45)【発行日】2024-11-26
(54)【発明の名称】半導体デバイスの製造システム及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/02 20060101AFI20241119BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023551133
(86)(22)【出願日】2022-09-26
(86)【国際出願番号】 JP2022035648
(87)【国際公開番号】W WO2024069684
(87)【国際公開日】2024-04-04
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】501387839
【氏名又は名称】株式会社日立ハイテク
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐竹 真
(72)【発明者】
【氏名】趙 普社
(72)【発明者】
【氏名】一野 貴雅
(72)【発明者】
【氏名】森月 政博
【審査官】河合 俊英
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-213359(JP,A)
【文献】国際公開第2018/016384(WO,A1)
【文献】特表2018-522393(JP,A)
【文献】特開2021-009769(JP,A)
【文献】特開2006-058396(JP,A)
【文献】国際公開第2010/038384(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面にウエハが載置されるウエハステージとこのウエハステージ内部であって前記上面の複数の領域の下方に配置された複数のヒータとこれら複数のヒータに供給する複数のヒータ電源の出力を調節する制御器とを備えて前記ウエハを処理する半導体デバイス製造装置と、
前記ウエハの処理中の目標の温度を実現するために予め算出された前記複数のヒータ電源の第1の出力値が許容範囲内であるかを判定し、許容範囲外である場合に全ての前記第1の出力値が許容範囲内の値に補正された第2の出力値を算出するウエハ温度計算システムとを備えた半導体デバイスの製造システム。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体デバイスの製造システムであって、
前記第1の出力値に対応する前記ウエハの第1の温度分布または前記第2の出力値から算出された第2の温度分布が前記処理中の目標の温度分布として設定されて算出された処理レシピを用いて前記半導体デバイス製造装置において前記ウエハが処理される半導体デバイスの製造システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の半導体デバイスの製造システムであって、
前記複数のヒータ電源の少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が許容範囲外であると判定された場合に、当該少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が前記許容範囲内にされた前記第2の出力値から算出された第2の目標の温度の分布を目標の温度の分布として前記制御器が前記複数のヒータ電源の出力を調節する半導体デバイスの製造システム。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体デバイスの製造システムであって、
前記ウエハ温度計算システムは、前記複数のヒータ電源の少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が許容範囲外であると判定された場合に、当該少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が前記許容範囲内にされ、かつ所定の目的関数の値を最も小さくできる前記第2の目標の温度の分布を算出する半導体デバイスの製造システム。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体デバイスの製造システムであって、
前記ウエハ温度計算システムが、前記目的関数の値が最も小さくなるまで、前記複数のヒータ電源の各々について順次出力を増大または低減して前記第2の目標の温度の分布を算出する半導体デバイスの製造システム。
【請求項6】
請求項1または2に記載の半導体デバイスの製造システムにおいて、
前記ウエハ温度計算システムおよび半導体デバイス製造装置が通信可能に接続され、
前記複数のヒータ電源の出力値と前記ウエハの温度の分布との間の第1の相関関係と、前記ヒータ電源の出力の許容範囲の上限値及び下限値と、前記第1の相関関係から算出される前記ウエハの温度の許容範囲の上限値及び下限値とが、前記半導体デバイス製造装置と対応付けられて前記ウエハ温度計算システム内に記憶された半導体デバイスの製造システム。
【請求項7】
請求項1に記載した半導体デバイスの製造システムにおいて、
ウエハ温度計算システムは、前記複数のヒータ電源の少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が許容範囲外であると判定された場合に、当該少なくとも1つ以上のヒータ電源に対応する前記ヒータの領域を記憶し、当該ヒータの領域を表示する表示器とを備えた半導体デバイスの製造システム。
【請求項8】
上面にウエハが載置されるウエハステージとこのウエハステージ内部であって前記上面の複数の領域の下方に配置された複数のヒータとこれら複数のヒータに供給する複数のヒータ電源の出力を調節する制御器とを備えた半導体デバイス製造装置を用いて前記ウエハを処理する半導体デバイスの製造方法であって、
前記ウエハの処理中の目標の温度を実現するために予め算出された前記複数のヒータ電源の第1の出力値が許容範囲内であるかを判定し、許容範囲外である場合に全ての前記第1の出力値が許容範囲内の値に補正されて算出された第2の出力値になるように前記制御器が前記ヒータ電源を調節する半導体デバイスの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
前記第1の出力値に対応する前記ウエハの第1の温度分布または前記第2の出力値から算出された第2の温度分布が前記処理中の目標の温度分布として設定されて算出された処理レシピを用いて前記半導体デバイス製造装置において前記ウエハが処理される半導体デバイスの製造方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
前記複数のヒータ電源の少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が許容範囲外であると判定された場合に、当該少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が前記許容範囲内にされた前記第2の出力値から算出された第2の目標の温度の分布を目標の温度の分布として前記制御器が前記複数のヒータ電源の出力を調節する半導体デバイスの製造方法。
【請求項11】
請求項10に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
前記第2の目標の温度の分布は、前記複数のヒータ電源の少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が許容範囲外であると判定された場合に、当該少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が前記許容範囲内にされ、かつ所定の目的関数の値を最も小さくできるものである半導体デバイスの製造方法。
【請求項12】
請求項1に記載の半導体デバイスの製造方法であって、
前記目的関数の値が最も小さくなるまで、前記複数のヒータ電源の各々について順次出力を増大または低減して前記第2の目標の温度の分布を算出する半導体デバイスの製造方法。
【請求項13】
請求項10に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記半導体デバイス製造装置と対応付けられて記憶された前記複数のヒータ電源の出力値と前記ウエハの温度の分布との間の第1の相関関係および前記ヒータ電源の出力の許容範囲の上限値及び下限値、または前記第1の相関関係から算出される前記ウエハの温度の許容範囲の上限値及び下限値とを用いて前記第2の目標の温度の分布を算出する半導体デバイスの製造方法。
【請求項14】
請求項8または9に記載の半導体デバイスの製造方法において、
前記複数のヒータ電源の少なくとも1つ以上のヒータ電源の出力値が許容範囲外であると判定された場合に、当該少なくとも1つ以上のヒータ電源に対応する前記ヒータの領域を記憶し、当該ヒータの領域を表示する半導体デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ処理システムにおけるウエハ温度の設定法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイスの構造の三次元化に伴い、複雑なデバイス構造をウエハ面内に均一に作製する製造技術に対する要望が年々高まっている。半導体デバイスの製造では、露光装置、熱処理装置、ドライエッチング装置、ウェット洗浄装置、成膜装置、CMP(Chemical Mechanical Polishing)装置などの複数の半導体製造装置を用いたプロセスを繰り返すことでウエハ全面に目的のパターンが形成され、チップが作製される。
【0003】
また、作製したチップが目的の要求を満たした良品チップであることを確認するために、CD-SEM(Critical Dimension Scanning Electron Microscope)、OCD(Optical Critical Dimension)、STEM(Scanning Transmission Electron Microscope)、TEM(Transmission Electron Microscope)、光学式膜厚計、エリプソメーターなどの半導体検査装置を用いて、ウエハの表面に形成された複数層の膜のパターンの寸法や膜厚など特定の物理量の計測がおこなわれる。これらの半導体検査装置を用いた測定では、ウエハ面内から取得できるチップの良品数を検査するため、ウエハ面内の1ヵ所のみではなく、複数箇所を測定するのが一般的である。
【0004】
また、このように得られた寸法や膜厚さ等の測定の結果は、各半導体製造装置にフィードバックもしくはフィードフォワードしてウエハを処理する条件(プロセス条件)に反映される。所望の処理後のウエハ表面の形状を得ることのできる処理の条件に近づけるように半導体製造装置の動作を調節して、1つのウエハ面から取得できるチップの良品数をより大きくして処理の歩留まりを向上させている。このような各半導体製造装置には、計測されたデータに基づいてフィードバックもしくはフィードフォワードの制御が行われ、特定の物理量のウエハ面内についての分布を所望のものにできる装置の制御方法が備えられている。
【0005】
パターン寸法や膜厚などの特定の物理量のウエハ面内分布を所望のものに制御する方法の1つとして、半導体製造装置でウエハを処理する際にウエハの面内方向についての温度分布を制御することが従来から知られている。このような従来技術の例としては、特開2006-228816号公報(特許文献1)に開示のものが知られている。特許文献1では、露光装置でレジストパターンを露光した後にレジスト膜内の化学反応を促進させるポストエクスポージャーベーキング工程において、複数の領域に分かれて各々加熱する熱処理板の面内温度を制御し、熱処理板の上方に保持されたウエハの面内の方向のパターン寸法を制御する方法や、ウエハの面内方向についてのパターン寸法が均一に形成されるように予め取得した熱処理板の温度とパターン寸法の関係式からウエハ面内に均一なパターンが形成される目標となる面内方向についての温度分布を算出し、当該温度の分布となるように熱処理板の各領域の温度を設定する方法が開示されている。
【0006】
また、特開2009-302390号公報(特許文献2)では、ドライエッチング装置の1つであるプラズマエッチング装置において、試料台を冷却するための冷媒の温度と、試料台を加熱するために試料台の上面を覆う誘電体膜内に配置されたセンタ、ミドル、エッジの円形及びリング状の3つの領域に配置されたヒータの各電力と、試料台の温度を測定するために試料台に配置されたセンサの温度から、ウエハ面内の温度分布を算出するものが開示されている。さらに、特表2013-513967号公報(特許文献3)ではプラズマエッチング装置において、予め取得したウエハ温度とパターン寸法の関係式からウエハ面内に均一なパターンが形成される面内温度分布を算出し、目標の面内温度分布になるようにヒータ電力の出力を制御する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2006-228816号公報
【文献】特開2009-302390号公報
【文献】特表2013-513967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の従来技術では、次の点について考慮が不十分であったため、問題が生じていた。
【0009】
すなわち、上記従来技術では、予め取得したウエハの温度とパターンの寸法値、例えばCD(Critical Dimension)値との関係式から、ウエハ面内に所望の半導体デバイスの回路のパターンが形成される目標の面内温度分布を算出し、目標の面内温度分布になるようにヒータ電力の出力を調節することが行われている。しかし、実際には、ウエハの処理中において目標として算出された温度またはこれを実現するために求められるヒータへの電力の大きさが、プラズマ処理装置が実現できる範囲を超えた値になる場合がある。この場合には当該目標の温度を実現できず、形成される回路パターンが所期の性能を達成できないものとなってしまう等、処理の歩留まりが損なわれてしまうことが判った。
【0010】
このように、ウエハの目標の温度を実現するために必要となるウエハの温度やヒータの出力の値が装置の実現可能な範囲を超えた値に算出される原因の1つは、ウエハ内での熱伝達により、1つのウエハの領域の目標温度を実現するために必要となる熱の量が当該領域に対応するヒータの発熱量では物理的に実現が難しいことである。すなわち、1つの領域に対応するヒータから形成された熱の一部が隣接または近傍の他の領域に移動することにより、ウエハの当該1つの領域の温度を目標の値にするために必要となるヒータの発熱の量が可能な最大の値を超えてしまう場合があること、或いは逆に発熱量が0であっても当該領域の温度が目標の値を超えてしまうことになり、複数の領域に対応する複数のヒータへ供給する電力及びこれに拠る発熱の量を調節して目標のウエハの温度分布を実現することができなくなる場合があることが、発明者らの検討により判明した。
【0011】
このように、従来の技術では、処理中のウエハの温度の分布を初期のものにすることができずウエハの処理の歩留まりが損なわれていたという問題について、考慮されていなかった。
【0012】
本発明の目的は、処理の歩留まりを向上させた半導体デバイスの製造システムおよび半導体デバイスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の課題を解決するため、発明では、実現し難い目標となるウエハの温度の分布を実現可能な分布に補正する手段を提供する。
【0014】
すなわち、上記目的は、上面にウエハが載置されるウエハステージとこのウエハステージ内部であって前記上面の複数の領域の下方に配置された複数のヒータとこれら複数のヒータに供給する複数のヒータ電源の出力を調節する制御器とを備えて前記ウエハを処理する半導体デバイス製造装置と、前記ウエハの処理中の目標の温度を実現するために予め算出された前記複数のヒータ電源の第1の出力値が許容範囲内であるかを判定し、許容範囲外である場合に全ての前記第1の出力値が許容範囲内の値に補正された第2の出力値を算出するウエハ温度計算システムとを備えた半導体デバイスの製造システムにより、達成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、予め取得されたウエハ温度と特定の物理量との関係を用いて、ウエハの面内方向について所期の形状を形成することのできる目標の温度分布が算出された後に、当該目標の温度分布を実現できる複数のヒータへの電力の供給量が算出される。さらに、当該電力の供給量の値を用いてウエハが処理される前に実現の可否が判断され、その結果、ヒータ用の電源からの出力の値が実現できないと判断された場合に実現可能なヒータ電源の出力の中で目的関数を最小にできる第2の目標温度分布およびこれを実現できる複数のヒータへの電力の供給量が算出される。
【0016】
これにより、処理中におけるウエハの目標の温度分布が実現されないことが抑制され、ウエハ処理が停止することが低減される。また、ウエハの処理中の温度が所期のものから外れてしまうことが抑制され、処理の歩留まりが向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明の実施例に係る半導体デバイスの製造システムの構成を示す模式図である。
図2図2は、実施例に係る半導体デバイス製造装置が備えるウエハステージの構成を模式的に示す縦断面図である。
図3図3は、ウエハステージ上面のヒータゾーンの配置の例を模式的に示す平面図である。
図4図4は、半導体デバイス製造装置に接続された表示器に示された実施例に係るウエハ温度計算システムにおいて実現が不可能なものとして判断されたヒータゾーンを示す模式図である。
図5A図5Aは、実施例に係るウエハ温度計算システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図5B図5Bは、実施例に係るウエハ温度計算システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図6図6は、実施例に係るウエハ温度計算システムの動作の流れを示すフローチャートである。
図7図7は、図5に示す本実施例に追加された動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
同一あるいは同様の機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。また、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0020】
なお、本開示において、「面」とは、板状部材の面のみならず、板状部材に含まれる層について、板状部材の面と略平行な層の界面も指すことがある。また、「上面」、「下面」とは、板状部材や板状部材に含まれる層を図示した場合の、図面上の上方又は下方に示される面を意味する。なお、「上面」、「下面」については、「第1面」、「第2面」と称することもある。
【0021】
また、「上方」とは、板状部材又は層を水平に載置した場合の垂直上方の方向を意味する。また、上方に対向する方向を「下方」という。
また、「面内分布」とは、面内方向における分布を指す。「面内方向の分布」ともいう。
【0022】
[実施例1]
本発明の実施例について、図1乃至6を用いて説明する。
【0023】
図1は、本発明の実施例に係る半導体デバイスの製造システムの構成を示す模式図である。本図では、半導体デバイスの製造システムの全体の構成が模式的に示されており、エッチング処理装置等の半導体ウエハの処理装置であって、半導体ウエハを処理してウエハの面内方向における特定の物理量(例えば、ウエハ表面に形成される回路用のパターンの形状あるいは寸法)の分布を実現するための装置が示されている。
【0024】
本例の半導体デバイスの製造システムは、容器の内部に、上面にウエハが配置されて当該ウエハの面内方向における温度の分布を可変に調節する機能を有する試料台(ウエハステージ)を備えた、複数のエッチング処理装置等の半導体デバイス製造装置101(本図では、101a,101b・・・が示されている)と共に、ウエハの面内についての特定の物理量の分布を計測できる複数のウエハ計測装置102(102a~102z)と、半導体デバイス製造装置101で処理されるウエハの面内方向における温度の分布を算出するウエハ温度計算システム100とを備えている。さらに、これらのウエハ温度計算システム100、複数の半導体デバイス製造装置101及びウエハ計測装置102は、相互に信号を送受信できるように有線あるいは無線の通信手段で通信可能に接続されている。データを送受信する上では、ウエハ温度計算システム100、各半導体デバイス製造装置101と各ウエハ計測装置102が、Ethernet等の所謂ネットワークに接続され、当該ネットワークを介して通信可能に構成されていることが望ましいが、データを相互に送受信できる形態であれば良い。例えば、フロッピーディスク、USBメモリやSDカードなどのフラッシュメモリやCD、DVDやBlu-Rayディスク(登録商標)等の記録媒体を用いて、データが相互に授受可能に構成されていても良い。
【0025】
また、ウエハ温度計算システム100は、マイクロプロセッサ等の演算器103と、ウエハに関するデータや演算器103が駆動されるソフトウエアが読み書き可能に格納され記憶される記憶装置104と、ネットワークに通信可能に接続されデータを含む信号を送受信するインターフェース105を含み、これらが通信可能に構成されている。ウエハ温度計算システム100は、PCやサーバー等の所謂コンピュータの内部に演算器103と記憶装置104とインターフェース105が内蔵された構成でも良く、記憶装置104は通信可能に接続された遠隔された箇所に配置されていても良い。各半導体デバイス製造装置101と各ウエハ計測装置102は、同じ建屋の内部に配置されている必要はなく、各々が別の建屋や別の箇所に通信可能に配置されていれても良い。
【0026】
図2は、実施例に係る半導体デバイス製造装置が備えるウエハステージの構成を模式的に示す縦断面図である。本例の半導体デバイス製造装置101の各々は、図2に示すウエハステージ200を容器の内部の処理室内に有している。ウエハステージ200は、円筒形の形状を有した処理室の中心軸と中心軸を共通にする円板あるいは円筒形の形状を有しており、その金属製の基材の上面に沿った内部に配置された複数のヒータ201(201a~201j)、及びヒータ201の下方の基材の内部に多重の同心状あるいは螺旋状に配置されウエハを冷却するための冷媒が内部を通流する冷媒流路204を備えている。
【0027】
複数のヒータ201の発熱量の調節及び冷媒流路204の内部を通流する冷媒の温度の調節により、ウエハステージ200の上面を覆う誘電体膜上にウエハ205が載せられて保持された状態で、ウエハ205の面内方向における温度の分布が調節される。本例のウエハステージ200では、各ヒータ201はウエハ205が載せられるウエハステージ200の上面を半径方向あるいは周方向について分けられた複数のゾーンに対応して各々のゾーン下方に配置されており、各ヒータ201が複数のヒータゾーンを構成している。各々のヒータ201に電気的に接続されたヒータ電源202(202a~202j)は、これらと通信可能に接続されたヒータ制御部203からの指令信号を受信して、当該指令信号に基づいて出力される電力(電流または電圧)の値が調節されることで、各ヒータゾーンの発熱量および温度、ひいては載せられたウエハ205のヒータゾーンに対応する領域の温度が処理に適した範囲内の値に調節される。
【0028】
尚、図2には図示していないが、各ヒータゾーンに対応して、ゾーン下方の基材内部にウエハステージ200の基材の温度を検知する温度センサが配置されていても良い。さらに、温度センサからの出力は、ヒータ制御部203に送信され、検出された温度の情報がフィードバック或いはフィードフォワードされてヒータ電源202の出力が調節される構成とすることもできる。
【0029】
また、冷媒は、冷媒流路204と図示しない管路を介して接続された冷媒温度制御器との間で循環して通流し、冷媒温度制御器において予め定められた範囲の温度に調節される。必要であれば、複数の冷媒流路204の各々に異なる温度に設定された冷媒が供給されても良い。また、ウエハステージ200は、ウエハ面内での温度制御性が十分であれば冷媒流路204を省いた構成にすることもできる。
【0030】
図2では、冷媒を流す冷媒流路204がヒータ201の下方に配置されているが、冷媒流路204をヒータの上側に設置することもできる。また、ウエハステージ200には、図2では図示していないが、上面に載せられたウエハ205を保持して位置ずれを抑制できるメカニカルチャック、真空チャック、或いは静電チャック等の保持機構を備えている。
【0031】
図3に、ウエハステージ200上方から見た上面のヒータゾーンの例を示す。図3は、ウエハステージ上面のヒータゾーンの配置の例を模式的に示す平面図である。図3(a)では、ヒータゾーンを格子状に分割したパターンの例が、図3(b)には同心円上のパターンの例が、それぞれ示されている。
【0032】
本例では、ヒータ201の形状や位置あるいはヒータ電源202の出力が適切に選択されることにより、ウエハ205の面内方向における所望の温度の分布が実現される限りにおいて、ヒータゾーンの大きさや配置、その数は、図3に例示されるものに限られない。
【0033】
各半導体デバイス製造装置101において、各々に備えられた複数のヒータ201の出力(発熱量)あるいはヒータ電源202からの出力と冷媒の温度の値と、ウエハステージ200上に載置されたウエハ205の各ゾーンの温度との間には、特定の相関関係が成立する。本例では、このような相関関係を第1の相関関係として、予め算出または取得された第1の相関関係を示すデータと、ヒータ電源202の出力と冷媒の温度の設定値を用いて、ウエハ205の面内方向にける温度の分布を予測することができる。また、各ヒータゾーンの温度を検知するために温度センサが配置された場合には、温度センサの出力から得られる温度のデータも、第1の相関関係に含める、或いは第1の相関関係と共にウエハ205の温度の予測に使用することによって、その精度を高めることができる。
【0034】
第1の相関関係は、複数のヒータゾーンとウエハ205の複数の領域各々内の箇所の温度とを関連付ける上で、行列を用いて表すことができる。また、第1の相関関係は、連立微分方程式を用いて表すこともできる。
【0035】
本例の各半導体デバイス製造装置101が備える複数のヒータ電源202の出力の上限値及び下限値、および第1の相関関係を用いて得られるウエハ205の温度の上限値及び下限値とは、半導体デバイス製造装置101の各々の構成から決定されるため、半導体デバイス製造装置101に固有のものである。さらに、任意のウエハ205の処理中にヒータ電源202の出力または当該ウエハ205の温度が上記固有の値で定まる許容の範囲を外れた場合には、ウエハステージ200の機能の不全や損傷を回避するため、ウエハ205の処理が停止される。このため、ウエハ205を処理する際に、ヒータ電源202の出力およびウエハ205の温度は、上記の上下限値を超過しない許容範囲内の値に設定される必要がある。
【0036】
各半導体デバイス製造装置101で処理されたウエハ205は、複数のウエハ計測装置102(102a~102z)のいずれか一つに搬送され、ウエハ205の面内方向において、検出または評価の対象となる特定の物理量の分布が検出される。また、必要であれば、さらに各半導体デバイス製造装置101で処理前の特定の物理量の上記分布を、ウエハ計測装置102のいずれかで検出することもできる。但し、必ずしも各半導体デバイス製造装置101の各々で処理した直後に処理済のウエハ205の特定の物理量を検出しなくても良く、各半導体デバイス製造装置101で処理した後のウエハ205を、別の装置に搬送して少なくとも1つの処理を施した後のウエハ205をウエハ計測装置102に搬送して、ウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布を検出することもできる。
【0037】
また、一つの半導体デバイス製造装置101で処理されたウエハ205について複数のウエハ計測装置102を用いてその表面の計測をすることもできる。すなわち、半導体デバイス製造装置101aで処理したウエハ205をウエハ計測装置102a、引き続いてウエハ計測装置102bに搬送して、各々において1つ以上の特定の物理量のウエハ205表面の分布を検出することもできる。
【0038】
次に、ウエハ温度計算システム100を用いて、半導体デバイス製造装置101のうちのいずれかにおいて、ウエハ205の面内方向における目標となる温度の分布を算出する動作、および目標となる温度の分布が実現できないと判定された場合に、実現が可能となる目標の温度の分布に補正する動作について説明する。尚、以下の説明では目標の温度の分布を算出する対象として半導体デバイス製造装置101aを、特定の物理量を検出する装置としてウエハ計測装置102aを用いた場合を一例として記載するが、本発明の実施例では他の半導体デバイス製造装置またはウエハ計測装置を用いた場合についても同様の動作を行うことが可能である。
【0039】
ウエハ温度計算システム100は、各半導体デバイス製造装置101a乃至101z内の各ウエハステージ200において、各ヒータ電源202からの出力とウエハ205の温度の面内分布との間の第1の相関関係と、ヒータ電源202の出力可能な範囲およびウエハ205の温度の許容範囲のデータとを、各半導体デバイス製造装置101に、読み書き可能に格納し、必要に応じて各データを更新する機能を有している。これらのデータは、定期的にウエハ温度計算システム100と半導体デバイス製造装置101aとの間で送受信されて同じ内容のものが両者で保持され、ウエハステージ200のヒータ201やヒータ電源202を含むウエハステージ200の構造や冷媒の温度が変更された場合は、上記定期的なデータの送受信の際にその変更に係る情報がウエハ温度計算システム100で格納され記憶されてその動作に反映される。このことにより、任意のウエハ205について共有されたデータを用いて、目標の温度の分布を実現して精度の高いウエハ205の処理を行うことができる。
【0040】
次に、ウエハ温度計算システム100は、半導体デバイス製造装置101aでウエハ205を処理した処理レシピと、処理したウエハ205についてウエハ計測装置102aにおいて面内方向における特定の物理量の分布を計測したデータとを関連付ける機能を有している。ここで、処理レシピの中にはウエハステージ200で設定されるウエハ205の目標の温度の面内分布または温度センサを用いて実際の処理中に検出された温度の分布もしくは各ヒータ電源202の出力値のデータも含有されている。これにより、半導体デバイス製造装置101でのウエハ205の温度の分布と、ウエハ計測装置102で計測されたウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布を関連付けることができる。
【0041】
また、ウエハ温度計算システム100は、ウエハ205を半導体デバイス製造装置101aにおいて処理する前に、当該ウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布が検出された場合は、そのデータについても半導体デバイス製造装置101aの処理レシピと関連づける機能を有している。かかる構成とすることで、半導体デバイス製造装置101aでのウエハ205の面内方向における処理前後の特定の物理量の分布を関連付けることができ、処理前後のウエハ面内分布の差分から、半導体デバイス製造装置101aで設定したウエハ温度の面内分布と、特定の物理量の処理前後の変化量のウエハ面内分布を関連づけることができる。
【0042】
さらに、ウエハ温度計算システム100は、半導体デバイス製造装置101aにおけるウエハ205の面内方向における温度の分布の設定値と、当該ウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布との間の第2の相関関係を算出し、これを半導体デバイス製造装置101aに関するデータとして格納し記憶する機能を有している。当該第2の相関関係は、例えば、半導体デバイスを製造するためのウエハ205の処理に先立って、半導体デバイス製造装置101aにおいて、異なる温度の分布の設定を用いて2枚以上ウエハ205を処理した後に各ウエハ205をウエハ計測装置102aに搬送して特定の物理量を検出したデータを用いて算出することができる。
【0043】
つまり、第2の相関関係は、2つ以上のウエハ205についての設定された異なる温度の分布の条件と、ウエハ205各々についての面内方向における特定の物理量の分布の検出結果のデータとが対応付けされた結果を用いて、算出される。第2の相関関係を算出する方法としては、線形もしくは多項式近似を用いた最小二乗法を用いることができるが、他の方法を用いることもできる。
【0044】
次に、ウエハ温度計算システム100は、記憶した第2の相関関係を用いて、半導体デバイス製造装置101aのウエハステージ200における、特定の物理量を用いた目的関数を最小にする目標の温度の分布を算出する機能を有する。本実施例の目的関数としては、例えば、ウエハ205の面内方向における複数の座標上での特定の物理量の目標値を設定し、ウエハ205の面上でのある指定座標における目標値と、第2の相関関係を元に算出されるその指定座標における予測値の差を二乗したものを算出し、その二乗値を複数の指定座標で合算したものが挙げられる。
【0045】
このような目的関数を算出する際に使用する特定の物理量の目標値は、必ずしもウエハ205の面内方向において同一の値に設定されなくとも良い。ウエハ205の面内の方向について処理の結果、例えば処理後の形状を得ることのできるような座標毎に異なる目標値が設定されても良く、またウエハ205上の同じ座標であっても前後の処理の種類、内容や条件に応じて当該処理の工程での目標値が異なっていても良い。このように、本実施例では、適切な目的関数を設定し、設定された目的関数を最小とするウエハ205の面内方向における温度の分布が算出される。処理後に所望の物理量の分布が達成されるように、ウエハ205の処理中の目標となる温度の分布が算出される。
【0046】
さらに、ウエハ温度計算システム100は、半導体デバイス製造装置101aにおける第1の相関関係を用いて、算出された上記の目標の温度の分布を実現するための各ヒータゾーンに接続されたヒータ電源202の出力の予測値を算出する機能を有する。実際のウエハ205の処理に際しては、ヒータ電源202の出力は0以上の値に設定されるが、ここで算出される出力の予測値は第1の相関関係を外挿することで、物理的に実現不可能なマイナスの値であっても良い。すなわち、ウエハ205を介した複数のヒータゾーン間の熱伝達が在ることにより、実際には実現できないウエハ205の目標の温度の分布であっても、計算上はこれを実現できる複数のヒータ電源202の処理中の出力の値が算出されることになる。
【0047】
次に、ウエハ温度計算システム100は、半導体デバイス製造装置101aにおけるウエハ205の処理中の温度の許容範囲の上下限値およびヒータ電源202の出力可能な範囲の上下限値に基づいて、算出されたウエハステージ200の上記目標の温度の分布の実現の可否を判定する機能を有する。すなわち、ウエハ温度計算システム100において、算出された目標の温度の値およびヒータ電源202の出力の予測値と2つの上記上下限値とが比較される。ここで、既に算出されたウエハ205の処理中の目標の温度およびヒータ電源202の出力の予測値が全てのヒータゾーンで各々の上下限値を超過していない場合は、算出された目標の温度の分布が実現可能な目標の温度分布として、ウエハ温度計算システム100内に記録される。
【0048】
一方、目標の温度またはヒータ電源202の出力の予測値の少なくとも一方が、1つ以上のヒータゾーンで2つの上記上下限値を超過したと判定された場合は、実現が不可能な目標の温度分布として記録される。その際、目標の温度またはヒータ電源202の出力の予測値が実現できないヒータゾーンを対応する符号や番号等で特定して記録し、必要な際にその情報が確認できるようにされる。
【0049】
目標の温度分布を実現できないヒータゾーンを記録する際は、各ヒータゾーンに名称、符号あるいは番号を付け、実現できないヒータゾーンがウエハ温度計算システム100と通信可能接続されたディスプレイ等の表示器上に表示されるようにすることができる。図4に表示の例を示す。
【0050】
図4は、半導体デバイス製造装置に接続された表示器に示された実施例に係るウエハ温度計算システムにおいて実現が不可能なものとして判断されたヒータゾーンを示す模式図である。図4(a)または図4(b)の401で示すように、ウエハ温度計算システム100で実現できないと判定されたヒータゾーンが、図上の網掛けされたヒータゾーン401として、ウエハステージ200の上面の複数のヒータゾーン全体のなかでどの箇所に位置しているかが、GUI(Graphical User Interface)を用いて判定が容易に示されている。
【0051】
次に、ウエハ温度計算システム100は、目標の温度の分布が実現できないと判定された場合に、実現が可能な第2の目標の温度の分布を算出する。第2の目標の温度の分布としては、目標の温度またはヒータ電源202の出力の予測値が許容範囲外となったヒータゾーンのヒータ電源202の出力の予測値のみが変更されたものであっても良い。
【0052】
一方、ウエハ205における熱伝達により、上記許容範囲外となったヒータゾーンに対応するヒータ201のヒータ電源202の出力の予測値を変更しただけでは、ウエハ205の思わぬ指定座標における温度も変更されてしまい目的関数が大きくなり、却って目標の温度の分布が所期の処理の結果が得られるものから大きくズレてしまう場合がある。そこで、複数のヒータ電源202の出力値からウエハ205の温度の面内の分布を予測する第1の相関関係、およびウエハ205の温度の面内分布の設定値と当該ウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布との間の第2の相関関係を用いて、実現が可能な温度の分布の中で最も目的関数を最小にできるウエハ205の温度の分布を算出し、これを第2の目標温度分布として算出することができる。
【0053】
さらに、ウエハ温度計算システム100は、実現可能と判定された目標の温度の分布、もしくは第2の目標の温度の分布のどちらか一方を、半導体デバイス製造装置101aにおける処理の条件(処理レシピ)に反映させ、当該処理レシピを半導体デバイス製造装置101aに送信する。半導体デバイス製造装置101aはウエハ温度計算システム100で計算された後、送信された実現が可能な目標の温度の分布の情報を含む処理レシピを用いて対象のウエハ205を処理することができる。
【0054】
以上のように、本実施例のウエハ温度計算システム100を含む半導体デバイスの製造システムを用いることで、所期の処理の結果を得ることができるものとして算出された当初の目標の温度の分布は実現が不可能であっても、実現が可能な温度の分布の中で最も目的関数を最小にできる第2の目標温度分布が算出され、これに基づいて半導体デバイスの製造が行われ、製造の歩留まりの低下が抑制される。
【0055】
次に、図1の実施例に係るウエハ温度計算システム100の目標の温度分布の算出の動作について図5A乃至図6を用いて説明する。図5A乃至図6は、実施例に係るウエハ温度計算システムの動作の流れを示すフローチャートである。尚、本例においては、半導体デバイス製造装置101a、ウエハ計測装置102aを用いた例が記載されるが、他の半導体デバイス製造装置またはウエハ計測装置を用いても同様の動作を行い作用を得ることができる。
【0056】
図5A及び図5Bにおいて、ウエハ温度計算システム100による目標の温度の分布の設定値が算出される動作の一連の流れが示される。図6では、図5Bに示すステップ512のヒータ電源202の出力の値の設定の動作の流れがより詳細に示されている。本実施例のウエハ温度計算システム100は、ステップ501に示すように半導体デバイスの製造システムにネットワーク等の通信手段を介して接続された各半導体デバイス製造装置101のウエハステージ200について、各々の複数のヒータ電源202の出力値と冷媒流路204を通流する冷媒の温度からウエハ205の面内方向における温度の分布との関係を示す第1の相関関係、およびヒータ電源202の出力値とウエハ205の温度の許容範囲の値(許容量)とを半導体デバイス製造装置101a~101z毎に対応させて管理する機能を有している。これらのデータは定期的にウエハ温度計算システム100と各半導体デバイス製造装置、例えば半導体デバイス製造装置101aとの間で同期されて同じデータが双方で記憶され共有されており、ウエハステージ200の構造や冷媒の設定温度等の構成が変更された場合は、定期的に変更が反映されたデータ、情報がウエハ温度計算システム100にも伝達され記憶される。
【0057】
次に、ステップ502において、半導体デバイス製造装置101aでは、ウエハ205を処理する処理レシピと、処理レシピを用いてウエハを処理し、ウエハ計測装置102aにおいて検出された処理後のウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布のデータとを関連付ける。ここで、処理レシピの中にはウエハステージ200で設定されたウエハ205の処理中の温度の面内方向の分布、もしくは各ヒータ電源202の出力の値を示すデータも含有されている。これにより、半導体デバイス製造装置101で設定したウエハ205の温度の面内方向の分布と、ウエハ計測装置102により検出された特定の物理量のウエハ205の面内方向の分布が関連付けされる。
【0058】
また、ウエハ温度計算システム100は、半導体デバイス製造装置101aで処理する前に、ウエハ計測装置102aにおいて、ウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布を検出した場合は、そのデータも半導体デバイス製造装置101aの処理レシピと関連づける機能を有している。かかる構成とすることで、半導体デバイス製造装置101aでの処理の前後のウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布を関連付けることができ、面内方向における処理前後の特定の物理量の差の分布から、半導体デバイス製造装置101aで設定したウエハ205の面内方向における温度の分布と、面内方向における特定の物理量の処理前後の変化量の分布が関連づけされる。
【0059】
ここで、各ヒータ電源202にはN=1からヒータ電源の数だけ、数字が割り当てられ、本数字を元にどこのヒータゾーンに接続されたヒータ電源判断できるようにする。尚、ヒータ電源の名称は、各ヒータ電源が区別できれば特にどのような名称でもよいが、本実施例ではN=1以上の正の整数を割り当てることとする。
【0060】
次に、ウエハ温度計算システム100は、ステップ503において、半導体デバイス製造装置101aにおけるウエハ205の面内方向における温度の分布の設定値から、ウエハ205の面内方向における特定の物理量の分布を予測する第2の相関関係を算出する機能を有し、半導体デバイス製造装置101aに関するデータとして対応付けして内部の記憶装置104に記録し格納する機能を有している。第2の相関関係は、予め半導体デバイス製造装置101aを用い、面内方向における異なる温度の分布の条件で2枚以上のウエハ205を処理した後に、各々のウエハ205についてウエハ計測装置102aで特定の物理量を検出した際の値の面内方向における分布のデータを対応付けした結果を用いて算出される。
【0061】
つまり、2種類以上のウエハ205の面内方向における温度の分布の条件と、面内方向における特定の物理量の分布の検出の結果とを用いて、第2の相関関係が算出される。第2の相関関係は、線形もしくは多項式近似を用いた最小二乗法で算出されても良く、他の方法が用いられても良い。
【0062】
次に、ウエハ温度計算システム100は、ステップ504において記録された上記第2の相関関係を用い、特定の物理量から計算される目的関数を最小とする半導体デバイス製造装置101aにおける目標の温度の分布を算出する機能を有する。目的関数としては、例えば、ウエハ205の面内の複数の座標で特定の物理量の目標値を設定し、当該面内のある指定座標における目標値と、第2の相関関係を元に算出されるその指定座標における予測値の差を2乗したものを算出し、当該2乗値を複数の指定座標で合算したものが目的関数に設定されても良い。
【0063】
この目的関数を算出する際に使用する特定の物理量の目標値は、必ずしもウエハ面内で同一の目標値に設定する必要はなく、最終的にウエハ面内で所望の処理結果が得られる特定の物理量の値とその分布が実現されるものであれば良く、この前後の処理に応じて座標毎に目標値の値が変更されるものであっても良い。このように、適切な目的関数を設定し、その目的関数を最小とするウエハ205の温度の分布を算出することで、最終的にウエハ205の面内方向における所望の物理量の値とその分布を達成できる目標の温度の分布が算出される。
【0064】
次に、ウエハ温度計算システム100は、ステップ505において、半導体デバイス製造装置101aにおける第1の相関関係を用いて、目標温度分布を算出するための各ヒータゾーンに接続された複数のヒータ電源202の出力の予測値を算出する。実際のウエハ205の処理中では各ヒータ電源202の出力は0以上の値に設定されるが、ここで算出される出力の予測値は第1の相関関係を外挿することで、実現が不可能なマイナスの値であっても良い。これにより、実際にはウエハ205の熱伝達により実現できない値を含む目標の温度の分布であっても、これに計算上対応するヒータ電源202の出力値の集合が得られる。
【0065】
次に、ウエハ温度計算システムは、ステップ506において、ヒータ電源の出力予測値が制限条件を満たすか判断する。すなわち、半導体デバイス製造装置101aにおけるウエハ205の温度およびヒータ電源の出力の許容範囲の上下限値を比較した結果に基づいて、ステップ504で算出された目標の温度の分布の実現の可否を判断する。ここで、目標の温度およびヒータ電源202の出力の予測値が全てのヒータゾーンで許容範囲内である場合には、ENDステップに進み、算出された温度の分布は実現が可能な目標の温度の分布として、半導体デバイス製造装置101aにおける処理レシピに反映されると共にこれにデータとして含まれて、当該レシピが半導体デバイス製造装置101aにネットワーク106を介して送信される。また、半導体デバイス製造装置101aはウエハ温度計算システム100から送信された処理レシピを用いて、ウエハ205を処理することができる。
【0066】
一方、目標の温度またはヒータ電源202の出力の予測値の何れか一方が、少なくとも1つのヒータゾーンにおいて許容範囲外であると判定された場合には、ステップ504で算出された目標の温度の分布が実現不可能なものとして記憶装置104に記録され、ステップ507に進む。その際に、目標の温度またはヒータ電源202の出力の予測値が実現できないと判定されたヒータゾーンを記憶装置104に記録し、必要な際に当該ヒータゾーンの情報が確認可能にされる。
【0067】
次に、ステップ507において、出力の予測値が許容範囲を外れたヒータゾーンに対応するヒータ電源202のみ、その出力値を許容範囲内に収まるように変更する。すなわち、ヒータ電源の出力予測値が実現可能範囲を外れたヒータ電源の出力値を実現可能範囲内の値に変更する。また、全てのヒータ電源202の分布を初期分布として記録する。ステップ507により、全てのヒータ電源の出力が実現可能な初期分布を得ることができる。
【0068】
次に、ステップ508において、全てのヒータ電源202の現状の出力値をC分布として記録する。このC分布は図に示すフローに従って、適宜更新されるものとするが、ステップ507で算出されたヒータ電源202の出力を初期分布として記録する。
【0069】
次にステップ509において、N番目のヒータ電源の出力値を最小制御範囲で増減する。すなわち、ステップ502で正の整数が割り当てられている各ヒータ電源202の出力値を、予め定められた大きさの値で順次増減させる。この変化させる値の大きさは、半導体デバイス製造システムまたは半導体デバイス製造装置101aにおいて任意に選択できるが、ヒータ電源202において出力を変化させ得る最小の幅より大きい値に設定する必要がある。また、ヒータ電源202の構成によっては、同じウエハステージ200に使用するヒータ電源202であってもヒータ電源毎に変更することもできる。例えば、ステップ508で記録したC分布における任意のヒータ電源202の出力値が50W、そのヒータ電源202の最小の制御範囲が0.1Wのときは、最小の変化可能幅で増減させたヒータ電源202の出力値は50.1Wと49.9Wになる。
【0070】
次に、ステップ510では、ヒータ電源の出力値が制限条件を満たすか判定する。すなわち、ステップ509で増加または減少させたヒータ電源202の出力値によりヒータ電源202の出力またはウエハの温度が許容範囲内になるかを判定する。許容範囲の条件が満たされていると判定された場合には、ステップ509で増加、減少させたヒータ電源202の出力値を含む出力値の集合を実現可能な出力値の分布としてステップ511に進む。一方、上記許容範囲から外れていると判定された場合は、実現が不可能なヒータ電源202の出力の分布(出力値の集合)として、各ヒータ電源202に割り当てられている正の整数NをN+1に増加させた後で、ステップ509に戻り、異なるヒータ電源202についての検討に移る。
【0071】
次に、ステップ511では、各ヒータ電源202の出力値とウエハ205の温度の面内方向の分布との間の第1の相関関係と、ウエハ205の温度の面内方向の分布の設定値と特定の物理量のウエハ205の面内方向の分布との間の第2の相関関係とを用いて、ステップ510で出力された全てのヒータ電源202の出力の予測値を用いて目的関数の値を計算する。
【0072】
次のステップ512では、ステップ511で算出された目的関数の値に基づいてヒータ電源202の出力の値を更新し設定する。ステップ508で得られたC分布を用いて目的関数を算出し、さらにステップ509乃至511で増加あるいは減少させたヒータ電源202の出力値から算出される目的関数の値と比較して、その結果に応じてヒータ電源202の出力の値の分布(組合せ)を選択する。当該工程の詳細な動作の流れは、図6を用いて後述する。
【0073】
次にステップ513において、各ヒータ電源202に割り当てられた正の整数Nの値が確認され、Nの値が使用しているヒータ電源202の数と同じ、最も大きい値になっていれば、全てのヒータ電源を変更した(少なくとも1回調整した)と判定され、次のステップ514に進む。また、Nの値が使用しているヒータ電源202の数よりも小さいと判定された場合には、Nの値を1つ増加させてステップ509に戻る。
【0074】
次に、ステップ514では、上記目的関数とヒータ電源202の出力の分布の計算が収束したか否かを判定するため、ステップ512で設定された各ヒータ電源202の出力値(すなわち、現状の各ヒータ電源の出力値)の分布がC分布と同じかを判断する。C分布と異なっていた場合は、計算が収束していないことになり、Nの値を1に戻し、508のフローに戻る。一方、C分布と同じ値であると判定された場合には、計算が収束し第2の目標の温度の分布が算出されたと判断し、ステップ515に進む。
【0075】
ステップ515では、ステップ506もしくはステップ514で算出された目標の温度の分布を実現が可能なものとして、算出された目標の温度の分布を半導体デバイス製造装置101aにおける処理レシピに反映すると共に当該温度の分布のデータを処理レシピに含ませて、当該レシピを半導体デバイス製造装置101aに送信する。また、半導体デバイス製造装置101aは、ウエハ温度計算システム100で算出され送信された処理レシピを用いて、ウエハ205を処理することができる。
【0076】
以上の通り、図5AおよびBに示すウエハ温度計算システム100の動作により、所定の目的関数を最小とする目標の温度の分布が実現できるかどうかが判定され、目標の温度の分布が実現できないと判定された場合も、実現可能な温度分布の中で最も目的関数を最小にできる第2の目標の温度分布が算出されて、当該第2の目標の温度分布が反映された処理レシピに基づいてウエハ205の処理が実施される。このことにより、処理において、所期の処理結果を得られる面内方向における特定の物理量の分布が実現され、ウエハ205の処理の歩留まりが向上する。
【0077】
図6において、図5Bに示すステップ512の動作の流れをより詳細に説明する。まず、ステップ601において、ステップ511において算出された目的関数の値とステップ508のC分布の値を用いて算出された目的関数の値とが比較される。この比較の結果、ステップ602において何れか一方の目的関数の値のみが減少したと判定された場合は、ステップ604に進み、目的関数の値が減少した方のヒータ電源202の出力値の分布を、設定すべきヒータ電源202の出力値の分布(集合)と判定する。言い換えると、ヒータ電源の出力値を目的関数が減少したものに設定する。ステップ511で算出された目的関数の値が減少した場合には、当該目的関数に対応するヒータ電源202の出力値の分布が新たな分布として更新される。
【0078】
また、ステップ602において何れか一方の目的関数の値のみが減少したと判定されない場合は、ステップ603に進み、C分布から算出される目的関数の値とステップ511において算出された目的関数の値とが比較され、両方の目的関数において値が減少したか否かが判定される。両方の目的関数の値が減少したと判定された場合は、ステップ605に進み、目的関数の値の減少量がより大きい方に対応するヒータ電源202の出力値の分布を設定すべきヒータ電源202の出力値の分布(集合)と判定する。言い換えると、ヒータ電源の出力値を目的関数の減少量が大きいものに設定する。ステップ511で算出された目的関数の値がより大きく減少した場合には、当該目的関数に対応するヒータ電源202の出力値の分布が新たな分布として更新される。
【0079】
一方、ステップ603において両方の目的関数の値が減少したと判定されない場合は、両方の目的関数の値が増加あるいは変化していない場合と想定される。この場合には、ステップ606に進み、ヒータ電源202の出力値の分布はC分布から変更されない。以上の判定に基づいてヒータ電源202の出力の値の分布が更新されることで、C分布からヒータ電源202の出力を増減した結果、C分布から最も目的関数の値を小さくできるヒータ電源の出力値の分布に変更される。
【0080】
上記実施例において、ステップ506でヒータ電源202の出力値が許容範囲外と判定された場合に、計算時間を短縮するため、各ヒータ電源202に割り当てられている正の整数Nを再割り当てする工程を図7を用いて説明する。図7は、図5に示す本実施例に追加された動作の流れを示すフローチャートである。図7では、図5におけるステップ507とステップ508の間に実施される工程が記載されている。
【0081】
ステップ507では、複数のヒータ電源202の出力の予測値が許容範囲外となったヒータ電源202のみ、出力の値が許容範囲内に収まるように変更される。また、全てのヒータ電源202の分布初期分布として記録され。このステップ507において、現状の全てのヒータ電源202の出力が実現可能な初期分布として仮定される。
【0082】
次に、ステップ1001においては、ウエハ温度計算システム100は、ヒータ電源202の出力の予測値が許容範囲外となったヒータ電源202に接続されたヒータのゾーンの中心の座標を算出し記憶する。言い換えると、ヒータ電源の予測出力値が制限値を超過したヒータ電源に接続されたヒータゾーンの中心座標を算出し、記録する。次にステップ1002に進み、ウエハ温度計算システム100は、ヒータ電源202の出力の予測値が許容範囲外となったヒータ電源202に接続されたヒータゾーンにおける、目標の温度とステップ507で変更したヒータ電源202の出力値から算出されるウエハ205の温度との差を算出し記憶する。言い換えると、ヒータ電源の予測出力値が制限値を超過したヒータ電源に接続されたヒータゾーンにおいて、目標温度と507で変更したヒータ電源の出力値から算出されるウエハ温度の差分を記録する。当該温度の差は、例えば下記の(式1)により計算されるが、目標の温度とヒータ電源の出力値とから算出されるウエハ205の温度の差分の大きさを表す指標であれば(式1)に限られない。
【0083】
【数1】
【0084】
ここで、eはヒータ電源の予測出力が制限値を超過したヒータ電源に接続されたヒータゾーンに割り当てられる正の整数、E はヒータゾーンeにおけるウエハ温度の差分、Tt はヒータゾーンeにおける目標温度、Tp はヒータゾーンeにおける507で変更したヒータ電源の出力値から算出されるウエハ温度である。
【0085】
次に、ステップ1003において、ヒータ電源202の出力の予測値が許容範囲外となったヒータ電源202に接続されたゾーンの中心の座標と、他のヒータゾーンの中心の座標との間の距離D ie が計算される。言い換えると、ヒータ電源の予測出力値が制限値を超過したヒータ電源に接続されたヒータゾーンの中心座標と各ヒータゾーンの中心座標の距離を計算する。ここで、iは各ヒータゾーンに割り当てられた正の整数、eはヒータ電源の出力の予測値が許容範囲外となったヒータ電源202に接続されたヒータゾーンに割り当てられる正の整数である。
【0086】
次にステップ1004において、ウエハ温度計算システム100は、各ヒータゾーンにおける重みを計算する。各ヒータゾーンの重みは、例えば次の式より算出される。
【0087】
【数2】
【0088】
【数3】
【0089】
上記の数式において、N は上記ヒータ電源の予測出力が制限値を超過したヒータ電源に接続されたヒータゾーンの数量で、(式3)により各ヒータゾーンiにおける重みを計算することができる。
【0090】
次の1005のフローでは、(式3)で計算された重みが大きいものほど、各ヒータゾーンに接続されたヒータ電源に割り当てられている正の整数Nの小さい値に再度割り当てされる。
【0091】
次のステップ508では、ウエハ温度計算システム100は、各ヒータゾーンに接続されたヒータ電源202に1005で再割り当てされた正の整数Nを用いて、各ヒータ電源202の出力値をC分布として記録する。
【0092】
以上の動作により、目標の温度と予測される温度との間の差が大きいヒータ電源202ほど、小さい正の整数Nの値が割り当てられ、整数Nの小さいヒータ電源202から優先的に出力の予測値が計算されるため、目的関数値や出力の値の分布の計算時間が短縮される。尚、本例では中心座標を用いる例が記載されているが、ヒータゾーン内の座標であればその座標は限定されない。例えば、ヒータ電源202の入力端子が接続された箇所の直上の座標を計算に用いても良い。
【0093】
以上の実施例によれば、ウエハステージ200内部の複数のヒータ201を用いてウエハステージ200上に載置されたウエハ205の温度とその分布とを調節する半導体デバイス製造装置において、ウエハ205の処理の前に、予め処理後の特定の物理量の分布に係る目的関数の値を最小とする第1の目標の温度分布が算出される。さらに、その目標の温度分布を実現するための複数のヒータ201に接続されたヒータ電源202の出力値が算出され、算出された全てのヒータ電源202の出力値が許容範囲内であるか否かが判定され、複数のヒータ電源202の少なくとも1つのヒータ電源202の出力値が許容範囲外であって実現できないと判定された場合には、複数のヒータ電源202を用いて実現可能かつ目的関数値を最小にできる第2の目標の温度分布が算出され、ウエハステージ200の温度とその分布の設定値が第1の目標の温度分布に替えて更新され、所期の処理結果が得られる処理中のウエハ205の温度分布が実現され、処理の歩留まりが向上する。
【0094】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることも可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0095】
100・・・ウエハ温度計算システム、
101・・・半導体デバイス製造装置、
102・・・ウエハ計測装置、
200・・・ウエハステージ、
201・・・ヒータ、
202・・・ヒータ電源、
203・・・ヒータ制御部、
204・・・冷媒流路、
401・・・ヒータゾーン。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7