(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-19
(45)【発行日】2024-11-27
(54)【発明の名称】樹脂、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 220/10 20060101AFI20241120BHJP
C08F 212/14 20060101ALI20241120BHJP
G03F 7/038 20060101ALI20241120BHJP
G03F 7/039 20060101ALI20241120BHJP
G03F 7/004 20060101ALI20241120BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20241120BHJP
【FI】
C08F220/10
C08F212/14
G03F7/038 601
G03F7/039 601
G03F7/004 501
G03F7/004 503A
G03F7/20 521
(21)【出願番号】P 2023183144
(22)【出願日】2023-10-25
(62)【分割の表示】P 2019153684の分割
【原出願日】2019-08-26
【審査請求日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】P 2018162639
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002093
【氏名又は名称】住友化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】弁理士法人新樹グローバル・アイピー
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】永田 俊次郎
(72)【発明者】
【氏名】市川 幸司
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-076060(JP,A)
【文献】特開2018-115157(JP,A)
【文献】特開2014-009319(JP,A)
【文献】特開平11-282163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08C 19/00 - 19/44
C08F 6/00 -246/00
C08F301/00
G03C 3/00
G03F 7/004- 7/04
G03F 7/06
G03F 7/075- 7/115
G03F 7/16 - 7/18
G03F 7/20 - 7/24
G03F 9/00 - 9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される構造単位と、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a1-2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と、式(a2-A)で表される構造単位と、式(a3-1)で表される構造単位、式(a3-2)で表される構造単位、式(a3-3)で表される構造単位及び式(a3-4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位とを含む樹脂であって、
前記樹脂の全構造単位の合計に対して、
式(I)で表される構造単位の含有率が5~70モル%、
式(a1-1)で表される構造単位及び式(a1-2)で表される構造単位の合計含有率が7~75モル%、
式(a2-A)で表される構造単位の含有率が10~70モル%、
式(a3-1)で表される構造単位、式(a3-2)で表される構造単位、式(a3-3)で表される構造単位及び式(a3-4)で表される構造単位の合計含有率が1~65モル%である樹脂。
[式(I)中、
R
1は、水素原子又はメチル基を表す。
R
2及びR
3は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基を表す。
R
4は、ハロゲン原子又は炭素数1~8のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)を表す。
mは、0~8のいずれかの整数を表す。
nは、0又は1を表す。]
[式(a1-1)及び式(a1-2)中、
L
a1及びL
a2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CH
2)
k1-CO-O-を表し、k1は1~7の整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
R
a4及びR
a5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a6及びR
a7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。
m1は、0~14のいずれかの整数を表す。
n1は、0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
[式(a2-A)中、
R
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基を表す。
R
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6のアルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
A
a50は、単結合又は*-X
a51-(A
a52-X
a52)
nb-を表し、*は-R
a50が結合する炭素原子との結合部位を表す。
A
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
X
a51及びX
a52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複数のR
a51は互いに同一であっても異なってもよい。]
[式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)及び式(a3-4)中、
L
a4、L
a5及びL
a6は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CH
2)
k3-CO-O-(k3は1~7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
L
a7は、-O-、*-O-L
a8-O-、*-O-L
a8-CO-O-、*-O-L
a8-CO-O-L
a9-CO-O-又は*-O-L
a8-O-CO-L
a9-O-を表す。
L
a8及びL
a9は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合部位を表す。
R
a18、R
a19及びR
a20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a24は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲン原子を表す。
R
a21は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
R
a22、R
a23及びR
a25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
X
a3は、-CH
2-又は酸素原子を表す。
p1は、0~5のいずれかの整数を表す。
q1は、0~3のいずれかの整数を表す。
r1は、0~3のいずれかの整数を表す。
w1は、0~8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のR
a21、R
a22、R
a23及び/又はR
a25は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。]
【請求項2】
請求項1記載の樹脂と、酸発生剤とを含むレジスト組成物。
【請求項3】
酸発生剤が、式(B1)で表される塩を含む請求項2記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Q
b1及びQ
b2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基を表す。
L
b1は、炭素数1~24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S(O)
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
Z
+は、有機カチオンを表す。]
【請求項4】
酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさらに含有する請求項2又は3記載のレジスト組成物。
【請求項5】
(1)請求項2~4のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂、レジスト組成物及びレジスト組成物を用いるレジストパターンの製造
方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、下記構造単位を有する樹脂を含有するレジスト組成物が記載されてい
る。
特許文献2には、下記構造単位を有する樹脂を含有するレジスト組成物が記載されてい
る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-009319号公報
【文献】特開2014-186269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記樹脂を含有するレジスト組成物によって形成されたレジストパターンよ
りも、CD均一性(CDU)が良好なレジストパターンを形成する樹脂を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の発明を含む。
[1]式(I)で表される構造単位と、式(a1-1)で表される構造単位及び式(a
1-2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と、式(
a2-A)で表される構造単位とを含む樹脂。
[式(I)中、
R
1は、水素原子又はメチル基を表す。
R
2及びR
3は、それぞれ独立に、炭素数1~4のアルキル基を表す。
R
4は、ハロゲン原子又は炭素数1~8のアルキル基(該アルキル基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。)を表す。
mは、0~8のいずれかの整数を表す。
nは、0又は1を表す。]
[式(a1-1)及び式(a1-2)中、
L
a1及びL
a2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CH
2)
k1-CO-O
-を表し、k1は1~7の整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
R
a4及びR
a5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a6及びR
a7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。
m1は、0~14のいずれかの整数を表す。
n1は、0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
[式(a2-A)中、
R
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6
のアルキル基を表す。
R
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
A
a50は、単結合又は*-X
a51-(A
a52-X
a52)
nb-を表し、*は-R
a50が結合す
る炭素原子との結合部位を表す。
A
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
X
a51及びX
a52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のR
a51は互いに同一であっても異なってもよい。]
[2][1]記載の樹脂と、酸発生剤とを含むレジスト組成物。
[3]酸発生剤が、式(B1)で表される塩を含む[2]記載のレジスト組成物。
[式(B1)中、
Q
b1及びQ
b2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロア
ルキル基を表す。
L
b1は、炭素数1~24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に
含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~1
8の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-
S(O)
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
Z
+は、有機カチオンを表す。]
[4]酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩をさらに含有する[
2]又は[3]記載のレジスト組成物。
[5](1)[2]~[4]のいずれかに記載のレジスト組成物を基板上に塗布する工
程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程、
を含むレジストパターンの製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明の樹脂を含有するレジスト組成物を用いることにより、良好なCD均一性(CD
U)でレジストパターンを製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書において、特筆しない限り、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート
及びメタクリレートからなる群から選ばれる少なくとも一種」を意味する。「(メタ)ア
クリル酸」や「(メタ)アクリロイル」等の表記も、同様の意味を有する。「CH2=C
(CH3)-CO-」又は「CH2=CH-CO-」を有する構造単位が例示されている場
合には、双方の基を有する構造単位が同様に例示されているものとする。「組み合わせた
基」とは、例示した基を2種以上結合させた基を意味し、それら基の価数は結合形態によ
って適宜変更してもよい。また、立体異性体が存在する場合は、全ての立体異性体を包含
する。
本明細書において、「レジスト組成物の固形分」とは、レジスト組成物の総量から、後
述する溶剤(E)を除いた成分の合計を意味する。
【0008】
〔樹脂〕
本発明の樹脂は、式(I)で表される構造単位(以下、構造単位(I)という場合があ
る。)と、(a1-1)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-1)という場合が
ある。)及び式(a1-2)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-2)という場
合がある。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と、式(a2-A)で表
される構造単位(以下、構造単位(a2-A)という場合がある。)とを含む樹脂(以下
「樹脂(A)」という場合がある。)である。
【0009】
〈構造単位(I)〉
式(I)において、R1は、好ましくはメチル基である。
R2及びR3におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イ
ソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
R2及びR3は、好ましくは、それぞれ独立にメチル基又はエチル基である。
R4におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられ
る。
R4におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。好ましくは、炭素数1~
4のアルキル基であり、より好ましくは炭素数1~4の直鎖のアルキル基である。
R4で表されるアルキル基に含まれる-CH2-は、-O-又は-CO-に置き換わっ
ている場合、置き換わる前の炭素数を該アルキル基の総炭素数とする。また、R4は、ヒ
ドロキシ基(メチル基中に含まれる-CH2-が、-O-に置き換わった基)、カルボキ
シル基(エチル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、
炭素数1~7のアルコキシ基(炭素数2~8のアルキル基中に含まれる-CH2-が、-
O-に置き換わった基)、炭素数2~7のアルコキシカルボニル基(炭素数3~8のアル
キル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-O-CO-に置き換わった基)、炭素数2~
8のアルキルカルボニル基(炭素数2~8のアルキル基中に含まれる-CH2-が、-C
O-に置き換わった基)、炭素数2~7のアルキルカルボニルオキシ基(炭素数3~8の
アルキル基中に含まれる-CH2-CH2-が、-CO-O-に置き換わった基)を有して
いてもよい。
mは、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
nは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
【0010】
構造単位(I)としては、以下に記載の構造単位が挙げられる。
【0011】
【0012】
式(I-1)~式(I-20)で表される構造単位において、R1に相当するメチル基
が水素原子に置き換わった構造単位も、構造単位(I)の具体例として挙げることができ
る。なかでも、式(I-1)~式(I-6)で表される構造単位が好ましく、式(I-1
)~式(I-5)で表される構造単位がより好ましく、式(I-1)、式(I-3)、式
(I-5)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0013】
樹脂(A)中の構造単位(I)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは3~80
モル%であり、より好ましくは5~70モル%であり、さらに好ましくは5~60モル%
、より一層好ましくは5~55モル%である。
【0014】
〈構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)〉
構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)は、以下の式で表される。
[式(a1-1)及び式(a1-2)中、
L
a1及びL
a2は、それぞれ独立に、-O-又は*-O-(CH
2)
k1-CO-O
-を表し、k1は1~7のいずれかの整数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
R
a4及びR
a5は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a6及びR
a7は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基又はこれらを組合せた基を表す。
m1は、0~14のいずれかの整数を表す。
n1は、0~10のいずれかの整数を表す。
n1’は、0~3のいずれかの整数を表す。]
【0015】
Ra4及びRa5は、好ましくはメチル基である。
La1及びLa2は、好ましくは酸素原子又は*-O-(CH2)k01-CO-O-
であり(但し、k01は、好ましくは1~4のいずれかの整数、より好ましくは1である
。)、より好ましくは酸素原子である。
Ra6及びRa7におけるアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合せた基とし
ては、後述する式(1)のRa1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様の基が挙げられる
。
Ra6及びRa7におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6であり、より好まし
くはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
Ra6及びRa7の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは3~8であり、より好ま
しくは3~6である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素
基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
Ra6及びRa7は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメ
チル基、エチル基又はイソプロピル基であり、さらに好ましくはエチル基又はイソプロピ
ル基である。
m1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1は、好ましくは0~3のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
n1’は、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である
。
【0016】
構造単位(a1-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-1-1)~式(a1
-1-4)のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-1)におけるR
a4に相
当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が好ましく、式(a1-1-1)~式
(a1-1-4)のいずれかで表される構造単位がより好ましい。
【0017】
樹脂(A)中の構造単位(a1-1)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5
~60モル%であり、より好ましくは5~50モル%であり、さらに好ましくは10~4
0モル%であり、さらにより好ましくは10~30モル%である。
【0018】
構造単位(a1-2)としては、式(a1-2-1)~式(a1-2-6)のいずれか
で表される構造単位及び構造単位(a1-2)におけるR
a5に相当するメチル基が水素
原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-2-2)、式(a1-2-5)及び
式(a1-2-6)で表される構造単位が好ましい。
【0019】
樹脂(A)中の構造単位(a1-2)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5
~60モル%であり、より好ましくは5~50モル%であり、さらに好ましくは10~4
0モル%であり、さらにより好ましくは10~35モル%である。
【0020】
構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)の合計含有率は、樹脂(A)の全構造
単位に対して、通常5~90モル%であり、好ましくは7~75モル%であり、より好ま
しくは7~70モル%であり、さらに好ましくは10~65モル%であり、さらにより好
ましくは10~60モル%である。
【0021】
〈構造単位(a2-A)〉
構造単位(a2-A)は、以下の式で表される。
[式(a2-A)中、
R
a50は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のア
ルキル基を表す。
R
a51は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
A
a50は、単結合又は*-X
a51-(A
a52-X
a52)
nb-を表し、*は-R
a50が結合す
る炭素原子との結合部位を表す。
A
a52は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
X
a51及びX
a52は、それぞれ独立に、-O-、-CO-O-又は-O-CO-を表す。
nbは、0又は1を表す。
mbは0~4のいずれかの整数を表す。mbが2以上のいずれかの整数である場合、複
数のR
a51は互いに同一であっても異なってもよい。]
【0022】
Ra50におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げら
れる。
Ra50におけるハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基としては、トリ
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2
-トリフルオロエチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフ
ルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペル
フルオロブチル基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル
基、ペルフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペン
チル基、ペンチル基、ヘキシル基及びペルフルオロヘキシル基が挙げられる。
Ra50は、水素原子又は炭素数1~4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基又
はエチル基がより好ましく、水素原子又はメチル基がさらに好ましい。
Ra51におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基が挙げ
られる。
Ra51におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソ
プロポキシ基、ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基が挙げられる。
炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メ
トキシ基がさらに好ましい。
Ra51におけるアルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチ
リル基等が挙げられる。
Ra51におけるアルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニ
ルオキシ基及びブチリルオキシ基が挙げられる。
Ra51は、メチル基が好ましい。
*-Xa51-(Aa52-Xa52)nb-としては、*-O-、*-CO-O-、*-O-C
O-、*-CO-O-Aa52-CO-O-、*-O-CO-Aa52-O-、*-O-Aa52
-CO-O-、*-CO-O-Aa52-O-CO-、*-O-CO-Aa52-O-CO-、
が挙げられる。なかでも、*-CO-O-、*-CO-O-Aa52-CO-O-又は*-
O-Aa52-CO-O-が好ましい。
アルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、
プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基
、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,
3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基及
び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
Aa52は、メチレン基又はエチレン基であることが好ましい。
Aa50は、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-Aa52-CO-O-であることが
好ましく、単結合、*-CO-O-又は*-CO-O-CH2-CO-O-であることが
より好ましく、単結合又は*-CO-O-であることがさらに好ましい。
mbは0、1又は2が好ましく、0又は1がより好ましく、0が特に好ましい。
ヒドロキシ基は、ベンゼン環のo-位又はp-位に結合することが好ましく、p-位に
結合することがより好ましい。
【0023】
構造単位(a2-A)としては、特開2010-204634号公報、特開2012-
12577号公報に記載されているモノマー由来の構造単位が挙げられる。
構造単位(a2-A)としては、式(a2-2-1)~式(a2-2-6)で表される
構造単位及び、式(a2-2-1)~式(a2-2-6)で表される構造単位において、
構造単位(a2-A)におけるR
a50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構
造単位が挙げられる。構造単位(a2-A)は、式(a2-2-1)で表される構造単位
、式(a2-2-3)で表される構造単位、式(a2-2-6)で表される構造単位、及
び式(a2-2-1)で表される構造単位、式(a2-2-3)で表される構造単位、又
は式(a2-2-6)で表される構造単位において、構造単位(a2-A)におけるR
a
50に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位であることが好ましい。
【0024】
樹脂(A)中の構造単位(a2-A)の含有率は、全構造単位に対して、好ましくは5
~80モル%であり、より好ましくは10~70モル%であり、さらに好ましくは10~
65モル%であり、さらにより好ましくは10~45モル%である。
構造単位(a2-A)は、例えば後述する構造単位(a1-4)を用いて重合した後、
p-トルエンスルホン酸等の酸で処理することにより、樹脂(A)に含ませることができ
る。また、アセトキシスチレン等を用いて重合した後、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド等のアルカリで処理することにより、構造単位(a2-A)を樹脂(A)に含ませ
ることができる。
【0025】
本発明の樹脂(A)は、構造単位(I)、構造単位(a1-1)、構造単位(a1-2
)及び構造単位(a2-A)以外の構造単位を1以上含むポリマーであってもよい。構造
単位(I)、構造単位(a1-1)、構造単位(a1-2)及び構造単位(a2-A)以
外の構造単位としては、、構造単位(a1-1)、構造単位(a1-2)、構造単位(I
)以外の酸不安定基を有する構造単位(以下「構造単位(a1)」という場合がある)、
酸不安定基を有する構造単位以外の構造単位であってハロゲン原子を有する構造単位(以
下「構造単位(a4)」という場合がある)、構造単位(a2-A)以外の酸不安定基を
有さない構造単位(以下「構造単位(s)」という場合がある)、非脱離炭化水素基を有
する構造単位(以下「構造単位(a5)」という場合がある)等が挙げられる。ここで、
酸不安定基とは、脱離基を有し、酸との接触により脱離基が脱離して、親水性基(例えば
、ヒドロキシ基又はカルボキシ基)を形成する基を意味する。
【0026】
〈構造単位(a1)〉
構造単位(a1)は、酸不安定基を有するモノマー(以下「モノマー(a1)」という
場合がある)から導かれる。
樹脂(A)に含まれる酸不安定基は、式(1)で表される基(以下、基(1)とも記す
)及び/又は式(2)で表される基(以下、基(2)とも記す)が好ましい。
[式(1)中、R
a1、R
a2及びR
a3は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基
、炭素数3~20の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表すか、R
a1及びR
a2は互いに結合してそれらが結合する炭素原子とともに炭素数3~20の脂環式炭化水素
基を形成する。
ma及びnaは、それぞれ独立して、0又は1を表し、ma及びnaの少なくとも一方
は1を表す。
*は結合部位を表す。]
[式(2)中、R
a1’及びR
a2’は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~1
2の炭化水素基を表し、R
a3’は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、R
a2’及
びR
a3’は互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに炭素数3~20の
複素環基を形成し、該炭化水素基及び該複素環基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-
S-で置き換わってもよい。
Xは、酸素原子又は硫黄原子を表す。
na’は、0又は1を表す。
*は結合部位を表す。]
【0027】
R
a1、R
a2及びR
a3におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。
R
a1、R
a2及びR
a3における脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれで
もよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基が挙げられる。多環式の脂環式
炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記
の基(*は結合部位を表す。)等が挙げられる。R
a1、R
a2及びR
a3の脂環式炭化
水素基の炭素数は、好ましくは3~16である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基としては、例えば、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロへキシル基、メチルノルボルニル基、シクロヘキシルメチル基
、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボルニルエチル基等が挙げられ
る。
好ましくは、maは0であり、naは1である。
R
a1及びR
a2が互いに結合して脂環式炭化水素基を形成する場合の-C(R
a1)(R
a2
)(R
a3)としては、下記の基が挙げられる。脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3
~12である。*は-O-との結合部位を表す。
【0028】
R
a1’、R
a2’及びR
a3’における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭
化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げ
られる。
アルキル基及び脂環式炭化水素基は、R
a1、R
a2及びR
a3で挙げた基と同様のも
のが挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェニル基、
フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
(例えばシクロアルキルアルキル基)、アラルキル基(ベンジル基等)、アルキル基を有
する芳香族炭化水素基(p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリ
ル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル
-6-エチルフェニル基等)、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロ
ヘキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等)、アリール-シクロアルキル基(
フェニルシクロヘキシル基等)が挙げられる。
R
a2’及びR
a3’が互いに結合してそれらが結合する炭素原子及びXとともに複素
環基を形成する場合、-C(R
a1’)(R
a3’)-X-R
a2’としては、下記の基が挙げ
られる。*は、結合部位を表す。
R
a1’及びR
a2’のうち、少なくとも1つは水素原子であることが好ましい。
na’は、好ましくは0である。
【0029】
基(1)としては、以下の基が挙げられる。
式(1)においてR
a1、R
a2及びR
a3がアルキル基であり、ma=0であり、n
a=1である基。当該基としては、tert-ブトキシカルボニル基が好ましい。
式(1)において、R
a1、R
a2が、これらが結合する炭素原子と一緒になってアダマン
チル基を形成し、R
a3がアルキル基であり、ma=0であり、na=1である基。
式(1)において、R
a1及びR
a2がそれぞれ独立してアルキル基であり、R
a3がアダマ
ンチル基であり、ma=0であり、na=1である基。
基(1)としては、具体的には以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0030】
基(2)の具体例としては、以下の基が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0031】
モノマー(a1)は、好ましくは、酸不安定基とエチレン性不飽和結合とを有するモノ
マー、より好ましくは酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーである。
酸不安定基を有する(メタ)アクリル系モノマーのうち、好ましくは、炭素数5~20
の脂環式炭化水素基を有するものが挙げられる。脂環式炭化水素基のような嵩高い構造を
有するモノマー(a1)に由来する構造単位を有する樹脂(A)をレジスト組成物に使用
すれば、レジストパターンの解像度を向上させることができる。
【0032】
基(1)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位として、好ましくは
、式(a1-0)で表される構造単位(以下、構造単位(a1-0)という場合がある。
)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
[式(a1-0)中、
L
a01は、-O-又は
*-O-(CH
2)
ka-CO-O-を表し、kaは1~7の整
数を表し、*は-CO-との結合部位を表す。
R
a01は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a02、R
a03及びR
a04は、それぞれ独立に、炭素数1~8のアルキル基、炭素数5~
18の脂環式炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表す。]
【0033】
Ra01は、好ましくはメチル基である。
La01は、好ましくは酸素原子又は*-O-(CH2)k0a-CO-O-であり(但
し、k0aは、好ましくは1~4のいずれかの整数、より好ましくは1である。)、より
好ましくは酸素原子である。
Ra02、Ra03、及びRa04におけるアルキル基、脂環式炭化水素基及びこれらを組合せ
た基としては、基(1)のRa1、Ra2及びRa3で挙げた基と同様の基が挙げられる
。
Ra02、Ra03及びRa04のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、n
-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基等が挙
げられる。
Ra02、Ra03、及びRa04におけるアルキル基は、好ましくは炭素数1~6であり、よ
り好ましくはメチル基又はエチル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
Ra02、Ra03、及びRa04の脂環式炭化水素基の炭素数は、好ましくは5~12であり
、より好ましくは5~10である。
アルキル基と脂環式炭化水素基とを組合せた基は、これらアルキル基と脂環式炭化水素
基とを組合せた合計炭素数が、18以下であることが好ましい。
Ra02及びRa03は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくはメチ
ル基又はエチル基である。
Ra04は、好ましくは炭素数1~6のアルキル基又は炭素数5~12の脂環式炭化水素
基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキシル基又はアダマンチル基で
ある。
【0034】
構造単位(a1-0)としては、例えば、式(a1-0-1)~式(a1-0-12)
のいずれかで表される構造単位及び構造単位(a1-0)におけるR
a01に相当するメ
チル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられ、式(a1-0-1)~式(a1-
0-10)のいずれかで表される構造単位が好ましい。
【0035】
樹脂(A)が構造単位(a1-0)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常5~60モル%であり、好ましくは5~50モル%であり、より好まし
くは10~40モル%である。
【0036】
構造単位(a1)において基(2)を有する構造単位としては、式(a1-4)で表さ
れる構造単位(以下、「構造単位(a1-4)」という場合がある。)が挙げられる。
[式(a1-4)中、
R
a32は、水素原子、ハロゲン原子、又は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6
のアルキル基を表す。
R
a33は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1~6のアルキル基、炭素数1~6の
アルコキシ基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、炭素数2~4のアルキルカルボニ
ルオキシ基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を表す。
laは0~4のいずれかの整数を表す。laが2以上である場合、複数のR
a33は互い
に同一であっても異なってもよい。
R
a34及びR
a35はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~12の炭化水素基を表し、
R
a36は、炭素数1~20の炭化水素基を表すか、R
a35及びR
a36は互いに結合してそれ
らが結合する-C-O-とともに炭素数2~20の2価の炭化水素基を形成し、該炭化水
素基及び該2価の炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-S-で置き換わって
もよい。]
【0037】
Ra32及びRa33におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等が挙げられる。該アルキル基は、炭
素数1~4のアルキル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、メチル基が
さらに好ましい。
Ra32及びRa33におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等
が挙げられる。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基としては、トリフルオロメチル
基、ジフルオロメチル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロ
エチル基、1,1,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル
基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル
基、1,1,2,2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオ
ロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチ
ル基、ヘキシル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基及びヘキシルオキシ基等が挙げられる。なかでも、炭素数1~4のアルコキシ
基が好ましく、メトキシ基又はエトキシ基がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい
。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基が挙げら
れる。
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基等が挙げられる。
Ra34、Ra35及びRa36における炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基
、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせた基が挙げられ、アルキル基及び脂環式炭化
水素基としては、Ra02、Ra03、Ra04、Ra6及びRa7におけるアルキル基及び脂環
式炭化水素基と同様の基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p-メチルフェ
ニル基、p-tert-ブチルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基、トリル基、キ
シリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、2,6-ジエチ
ルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等のアリール基等が挙げられる。
組み合わせた基としては、上述したアルキル基と脂環式炭化水素基とを組み合わせた基
、ベンジル基等のアラルキル基、フェニルシクロヘキシル基等のアリール-シクロヘキシ
ル基等が挙げられる。特に、Ra36としては、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~
18の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせる
ことにより形成される基が挙げられる。
【0038】
式(a1-4)において、Ra32としては、水素原子が好ましい。
Ra33としては、炭素数1~4のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基及びエトキシ基
がより好ましく、メトキシ基がさらに好ましい。
laとしては、0又は1が好ましく、0がより好ましい。
Ra34は、好ましくは、水素原子である。
Ra35は、好ましくは、炭素数1~12のアルキル基又は脂環式炭化水素基であり、よ
り好ましくはメチル基又はエチル基である。
Ra36の炭化水素基は、好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~18の
脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせることに
より形成される基であり、より好ましくは、炭素数1~18のアルキル基、炭素数3~1
8の脂環式炭化水素基又は炭素数7~18のアラルキル基である。Ra36におけるアルキ
ル基及び脂環式炭化水素基は、無置換であることが好ましい。Ra36における芳香族炭化
水素基は、炭素数6~10のアリールオキシ基を有する芳香環が好ましい。
構造単位(a1-4)における-OC(Ra34)(Ra35)-O-Ra36は、酸(例えば
p-トルエンスルホン酸)と接触して脱離し、ヒドロキシ基を形成する。
【0039】
構造単位(a1-4)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマー由来の構造単位が挙げられる。好ましくは、式(a1-4-1)~式(a1
-4-12)でそれぞれ表される構造単位及び構造単位(a1-4)におけるR
a32に
相当する水素原子がメチル基に置き換わった構造単位が挙げられ、より好ましくは、式(
a1-4-1)~式(a1-4-5)、式(a1-4-10)でそれぞれ表される構造単
位が挙げられる。
【0040】
樹脂(A)が、構造単位(a1-4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構
造単位の合計に対して、5~60モル%であることが好ましく、5~50モル%であるこ
とがより好ましく、10~40モル%であることがさらに好ましい。
【0041】
基(2)を有する(メタ)アクリル系モノマーに由来する構造単位としては、式(a1
-5)で表される構造単位(以下「構造単位(a1-5)」という場合がある)も挙げら
れる。
式(a1-5)中、
R
a8は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハロゲ
ン原子を表す。
Z
a1は、単結合又は*-(CH
2)
h3-CO-L
54-を表し、h3は1~4のいずれか
の整数を表し、*は、L
51との結合部位を表す。
L
51、L
52、L
53及びL
54は、それぞれ独立に、-O-又は-S-を表す。
s1は、1~3のいずれかの整数を表す。
s1’は、0~3のいずれかの整数を表す。
【0042】
ハロゲン原子としては、フッ素原子及び塩素原子が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フルオロメ
チル基及びトリフルオロメチル基が挙げられる。
式(a1-5)においては、Ra8は、水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基が
好ましい。
L51は、酸素原子が好ましい。
L52及びL53のうち、一方が-O-であり、他方が-S-であることが好ましい。
s1は、1が好ましい。
s1’は、0~2のいずれかの整数が好ましい。
Za1は、単結合又は*-CH2-CO-O-が好ましい。
【0043】
構造単位(a1-5)としては、例えば、特開2010-61117号公報に記載され
たモノマー由来の構造単位が挙げられる。中でも、式(a1-5-1)~式(a1-5-
4)でそれぞれ表される構造単位が好ましく、式(a1-5-1)又は式(a1-5-2
)で表される構造単位がより好ましい。
【0044】
樹脂(A)が、構造単位(a1-5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構
造単位に対して、1~50モル%が好ましく、3~45モル%がより好ましく、5~40
モル%がさらに好ましく、5~30モル%がさらにより好ましい。
【0045】
構造単位(a1)としては、例えば、式(a1-0X)で表される構造単位(以下、構
造単位(a1-0X)という場合がある。)も挙げられる。
[式(a1-0X)中、
R
x1は、水素原子又はメチル基を表す。
R
x2及びR
x3は、互いに独立に、炭素数1~6の飽和炭化水素基を表す。
Ar
x1は、炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表す。]
【0046】
Rx2及びRx3の飽和炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基及びこれ
らの組合せることにより形成される基が挙げられる。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ
る。
脂環式炭化水素基は、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化水素基
としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等
が挙げられる。
Arx1の芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等の炭
素数6~36のアリール基が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、好ましくは炭素数6~24であり、より好ましくは炭素数6~1
8であり、さらに好ましくは、フェニル基である。
Arx1は、好ましくは炭素数6~18の芳香族炭化水素基であり、より好ましくはフ
ェニル基又はナフチル基であり、さらに好ましくは、フェニル基である。
Rx1、Rx2及びRx3は、それぞれ独立に、メチル基又はエチル基であることが好
ましく、メチル基であることがより好ましい。
【0047】
構造単位(a1-0X)としては、以下に記載の構造単位及び構造単位(a1-0X)
におけるR
x1に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。構
造単位(a1-0X)は、構造単位(a1-0X-1)~構造単位(a1-0X-3)で
あることが好ましい。
【0048】
樹脂(A)が、構造単位(a1-0X)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)にお
ける全モノマーに対して、5~60モル%であることが好ましく、5~50モル%である
ことがより好ましく、10~40モル%であることがさらに好ましい。
樹脂(A)は、構造単位(a1-0X)を2種以上含有していてもよい。
【0049】
また、構造単位(a1)としては、以下の構造単位も挙げられる。
【0050】
樹脂(A)が上記構造単位を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単位に対し
て、5~60モル%が好ましく、5~50モル%がより好ましく、10~40モル%がさ
らに好ましい。
【0051】
〈構造単位(s)〉
構造単位(s)を導くモノマーは、レジスト分野で公知の酸不安定基を有さないモノマ
ーを使用できる。
構造単位(s)としては、ヒドロキシ基又はラクトン環を有するのが好ましい。ヒドロ
キシ基を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構造単位(a2)」という場
合がある)及び/又はラクトン環を有し、かつ酸不安定基を有さない構造単位(以下「構
造単位(a3)」という場合がある)を有する樹脂を本発明のレジスト組成物に使用すれ
ば、レジストパターンの解像度及び基板との密着性を向上させることができる。
【0052】
〈構造単位(a2)〉
構造単位(a2)が有するヒドロキシ基としては、アルコール性ヒドロキシ基が挙げら
れ、構造単位(a2)としては、後述する構造単位(a2-1)が挙げられる。構造単位
(a2)としては、1種を単独で含んでいてもよく、2種以上を含んでいてもよい。
構造単位(a2)においてアルコール性ヒドロキシ基を有する構造単位としては、式(
a2-1)で表される構造単位(以下「構造単位(a2-1)」という場合がある。)が
挙げられる。
式(a2-1)中、
L
a3は、-O-又は
*-O-(CH
2)
k2-CO-O-を表し、
k2は1~7のいずれかの整数を表す。*は-CO-との結合部位を表す。
R
a14は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a15及びR
a16は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基又はヒドロキシ基を表す。
o1は、0~10のいずれかの整数を表す。
【0053】
式(a2-1)では、La3は、好ましくは、-O-、-O-(CH2)f1-CO-O-
であり(前記f1は、1~4のいずれかの整数を表す)、より好ましくは-O-である。
Ra14は、好ましくはメチル基である。
Ra15は、好ましくは水素原子である。
Ra16は、好ましくは水素原子又はヒドロキシ基である。
o1は、好ましくは0~3のいずれかの整数、より好ましくは0又は1である。
【0054】
構造単位(a2-1)としては、例えば、特開2010-204646号公報に記載さ
れたモノマーに由来する構造単位が挙げられる。式(a2-1-1)~式(a2-1-6
)のいずれかで表される構造単位が好ましく、式(a2-1-1)~式(a2-1-4)
のいずれかで表される構造単位がより好ましく、式(a2-1-1)又は式(a2-1-
3)で表される構造単位がさらに好ましい。
【0055】
樹脂(A)が構造単位(a2-1)を含む場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常1~45モル%であり、好ましくは1~40モル%であり、より好まし
くは1~35モル%であり、さらに好ましくは1~20モル%であり、さらにより好まし
くは1~10モル%である。
【0056】
〈構造単位(a3)〉
構造単位(a3)が有するラクトン環は、β-プロピオラクトン環、γ-ブチロラクト
ン環、δ-バレロラクトン環のような単環でもよく、単環式のラクトン環と他の環(炭化
水素環又は複素環)との縮合環でもよい。好ましくは、γ-ブチロラクトン環、アダマン
タンラクトン環、又は、γ-ブチロラクトン環構造を含む橋かけ環(例えば下式(a3-
2)で表される構造単位)が挙げられる。
構造単位(a3)は、好ましくは、式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)
又は式(a3-4)で表される構造単位である。これらの1種を単独で含有してもよく、
2種以上を含有してもよい。
[式(a3-1)、式(a3-2)、式(a3-3)及び式(a3-4)中、
L
a4、L
a5及びL
a6は、それぞれ独立に、-O-又は
*-O-(CH
2)
k3-
CO-O-(k3は1~7のいずれかの整数を表す。)で表される基を表す。
L
a7は、-O-、
*-O-L
a8-O-、
*-O-L
a8-CO-O-、
*-O-L
a8-CO-O-L
a9-CO-O-又は
*-O-L
a8-O-CO-L
a9-O-を表
す。
L
a8及びL
a9は、それぞれ独立に、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
*はカルボニル基との結合部位を表す。
R
a18、R
a19及びR
a20は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を表す。
R
a24は、ハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のアルキル基、水素原子又はハ
ロゲン原子を表す。
R
a21は炭素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
R
a22、R
a23及びR
a25は、それぞれ独立に、カルボキシ基、シアノ基又は炭
素数1~4の脂肪族炭化水素基を表す。
X
a3は、-CH
2-又は酸素原子を表す。
p1は0~5のいずれかの整数を表す。
q1は、0~3のいずれかの整数を表す。
r1は、0~3のいずれかの整数を表す。
w1は、0~8のいずれかの整数を表す。
p1、q1、r1及び/又はw1が2以上のとき、複数のR
a21、R
a22、R
a2
3及び/又はR
a25は互いに同一であってもよく、異なっていてもよい。]
【0057】
Ra21、Ra22、Ra23及びRa25における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基及びtert-ブチル基
等のアルキル基が挙げられる。
Ra24におけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素
原子が挙げられる。
Ra24におけるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピ
ル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基及びヘキシル基等
が挙げられ、好ましくは炭素数1~4のアルキル基が挙げられ、より好ましくはメチル基
又はエチル基が挙げられる。
Ra24におけるハロゲン原子を有するアルキル基としては、トリフルオロメチル基、
ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフ
ルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペ
ルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチ
ル基、トリヨードメチル基等が挙げられる。
La8及びLa9におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロ
パン-1,3-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペ
ンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、
2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペン
タン-1,4-ジイル基及び2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられる。
【0058】
式(a3-1)式(a3-3)において、L
a4~L
a6は、それぞれ独立に、好まし
くは-O-又は、*-O-(CH
2)
k3-CO-O-において、k3が1~4のいずれ
かの整数である基、より好ましくは-O-及び、*-O-CH
2-CO-O-、さらに好
ましくは酸素原子である。
R
a18~R
a21は、好ましくはメチル基である。
R
a22及びR
a23は、それぞれ独立に、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメ
チル基である。
p1、q1及びr1は、それぞれ独立に、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、
より好ましくは0又は1である。
式(a3-4)において、R
a24は、好ましくは水素原子又は炭素数1~4のアルキ
ル基であり、より好ましくは水素原子、メチル基又はエチル基であり、さらに好ましくは
水素原子又はメチル基である。
R
a25は、好ましくはカルボキシ基、シアノ基又はメチル基である。
L
a7は、好ましくは-O-又は
*-O-L
a8-CO-O-であり、より好ましくは
-O-、-O-CH
2-CO-O-又は-O-C
2H
4-CO-O-である。
w1は、好ましくは0~2のいずれかの整数であり、より好ましくは0又は1である。
特に、式(a3-4)は、式(a3-4)’が好ましい。
(式中、R
a24、L
a7は、上記と同じ意味を表す。)
【0059】
構造単位(a3)としては、特開2010-204646号公報に記載されたモノマー
、特開2000-122294号公報に記載されたモノマー、特開2012-41274
号公報に記載されたモノマーに由来の構造単位が挙げられる。構造単位(a3)としては
、式(a3-1-1)、式(a3-1-2)、式(a3-2-1)、式(a3-2-2)
、式(a3-3-1)、式(a3-3-2)及び式(a3-4-1)~式(a3-4-1
2)のいずれかで表される構造単位及び、前記構造単位において、式(a3-1)~式(
a3-4)におけるRa18、Ra19、Ra20及びRa24に相当するメチル基が水
素原子に置き換わった構造単位が好ましい。
【0060】
【0061】
樹脂(A)が構造単位(a3)を含む場合、その合計含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、通常1~70モル%であり、好ましくは1~65モル%であり、より好まし
くは1~50モル%である。
また、構造単位(a3-1)、構造単位(a3-2)、構造単位(a3-3)又は構造
単位(a3-4)の含有率は、それぞれ、樹脂(A)の全構造単位に対して、1~60モ
ル%が好ましく、1~55モル%がより好ましく、1~50モル%がさらに好ましい。
【0062】
〈構造単位(a4)〉
構造単位(a4)としては、以下の構造単位が挙げられる。
[式(a4)中、
R
41は、水素原子又はメチル基を表す。
R
42は、炭素数1~24のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-COに置き換わっていてもよい。]
R
42で表される飽和炭化水素基は、鎖式炭化水素基及び単環又は多環の脂環式炭化水素
基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
【0063】
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘキサ
デシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、アダ
マンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式
炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げら
れ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アル
カンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0064】
構造単位(a4)としては、式(a4-0)、式(a4-1)、式(a4-2)、式(
a4-3)及び式(a4-4)からなる群から選択される少なくとも1つで表される構造
単位が挙げられる。
[式(a4-0)中、
R
5aは、水素原子又はメチル基を表す。
L
4aは、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル基を表す。
L
3aは、炭素数1~8のペルフルオロアルカンジイル基又は炭素数3~12のペルフ
ルオロシクロアルカンジイル基を表す。
R
6aは、水素原子又はフッ素原子を表す。]
【0065】
L4aにおけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基、エタン-1,1
-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,3-ジイル基、2-メチルプロ
パン-1,3-ジイル基及び2-メチルプロパン-1,2-ジイル基等の分岐状アルカン
ジイル基が挙げられる。
L3aにおけるペルフルオロアルカンジイル基としては、ジフルオロメチレン基、ペル
フルオロエチレン基、ペルフルオロプロパン-1,1-ジイル基、ペルフルオロプロパン
-1,3-ジイル基、ペルフルオロプロパン-1,2-ジイル基、ペルフルオロプロパン
-2,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,4-ジイル基、ペルフルオロブタン-2
,2-ジイル基、ペルフルオロブタン-1,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-1,
5-ジイル基、ペルフルオロペンタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロペンタン-3,
3-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-1,6-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-2,
2-ジイル基、ペルフルオロヘキサン-3,3-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-1,
7-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-3,
4-ジイル基、ペルフルオロヘプタン-4,4-ジイル基、ペルフルオロオクタン-1,
8-ジイル基、ペルフルオロオクタン-2,2-ジイル基、ペルフルオロオクタン-3,
3-ジイル基、ペルフルオロオクタン-4,4-ジイル基等が挙げられる。
L3aにおけるペルフルオロシクロアルカンジイル基としては、ペルフルオロシクロヘ
キサンジイル基、ペルフルオロシクロペンタンジイル基、ペルフルオロシクロヘプタンジ
イル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
L4aは、好ましくは単結合、メチレン基又はエチレン基であり、より好ましくは、単
結合、メチレン基である。
L3aは、好ましくは炭素数1~6のペルフルオロアルカンジイル基であり、より好ま
しくは炭素数1~3のペルフルオロアルカンジイル基である。
【0066】
構造単位(a4-0)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(
a4-0)におけるR
5aに相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げ
られる。
【0067】
【0068】
[式(a4-1)中、
R
a41は、水素原子又はメチル基を表す。
R
a42は、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基を表し、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
A
a41は、置換基を有していてもよい炭素数1~6のアルカンジイル基又は式(a-g
1)で表される基を表す。ただし、A
a41及びR
a42のうち少なくとも1つは、置換
基としてハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)を有する。
〔式(a-g1)中、
sは0又は1を表す。
A
a42及びA
a44は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の
飽和炭化水素基を表す。
A
a43は、単結合又は置換基を有していてもよい炭素数1~5の2価の脂肪族炭化水素
基を表す。
X
a41及びX
a42は、それぞれ独立に、-O-、-CO-、-CO-O-又は-O-CO
-を表す。
ただし、A
a42、A
a43、A
a44、X
a41及びX
a42の炭素数の合計は7以下である。〕
*は結合部位であり、右側の*が-O-CO-R
a42との結合部位である。]
【0069】
R
a42における飽和炭化水素基としては、鎖式飽和炭化水素基及び単環又は多環の脂環
式飽和炭化水素基、並びに、これらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられ
る。
鎖式飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基、ヘ
キサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基が挙げられる。
単環又は多環の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基
、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等のシクロアルキル基;デカヒドロナフチル基、
アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂
環式飽和炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の飽和脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙
げられ、-アルカンジイル基-飽和脂環式炭化水素基、-飽和脂環式炭化水素基-アルキ
ル基、-アルカンジイル基-飽和脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
R
a42が有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子及び式(a-g3)で表され
る基からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。ハロゲン原子としては、フ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子である
。
[式(a-g3)中、
X
a43は、酸素原子、カルボニル基、**-O-CO-又は**-CO-O-を表す(
**はR
a42との結合部位を表す。)。
A
a45は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す
。
*は結合部位を表す。]
ただし、R
a42-X
a43-A
a45において、R
a42がハロゲン原子を有しない場合は、A
a4
5は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す
。
A
a45における脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ペンタ
デシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基;シクロ
ペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等の単環式の脂環
式炭化水素基;並びにデカヒドロナフチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基及び下記
の基(*は結合部位を表す。)等の多環式の脂環式炭化水素基が挙げられる。
組み合わせにより形成される基としては、1以上のアルキル基又は1以上のアルカンジ
イル基と、1以上の脂環式炭化水素基とを組み合わせることにより形成される基が挙げら
れ、-アルカンジイル基-脂環式炭化水素基、-脂環式炭化水素基-アルキル基、-アル
カンジイル基-脂環式炭化水素基-アルキル基等が挙げられる。
【0070】
Ra42は、ハロゲン原子を有していてもよい飽和炭化水素基が好ましく、ハロゲン原子
を有するアルキル基及び/又は式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基がよ
り好ましい。
Ra42がハロゲン原子を有する飽和炭化水素基である場合、好ましくはフッ素原子を有
する飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルキル基又はペルフルオロシ
クロアルキル基であり、さらに好ましくは炭素数が1~6のペルフルオロアルキル基であ
り、特に好ましくは炭素数1~3のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキ
ル基としては、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基
、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基、ペルフル
オロヘプチル基及びペルフルオロオクチル基等が挙げられる。ペルフルオロシクロアルキ
ル基としては、ペルフルオロシクロヘキシル基等が挙げられる。
Ra42が、式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、式(a-
g3)で表される基に含まれる炭素数を含めて、Ra42の総炭素数は、15以下が好まし
く、12以下がより好ましい。式(a-g3)で表される基を置換基として有する場合、
その数は1個が好ましい。
【0071】
R
a42が式(a-g3)で表される基を有する飽和炭化水素基である場合、R
a42は、さ
らに好ましくは式(a-g2)で表される基である。
[式(a-g2)中、
A
a46は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を
表す。
X
a44は、**-O-CO-又は**-CO-O-を表す(**はA
a46との結合部位を
表す。)。
A
a47は、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~17の脂肪族炭化水素基を表す
。
ただし、A
a46、A
a47及びX
a44の炭素数の合計は18以下であり、A
a46及びA
a47の
うち、少なくとも一方は、少なくとも1つのハロゲン原子を有する。
*はカルボニル基との結合部位を表す。]
【0072】
A
a46の飽和炭化水素基の炭素数は1~6が好ましく、1~3がより好ましい。
A
a47の脂肪族炭化水素基の炭素数は4~15が好ましく、5~12がより好ましく、
A
a47は、シクロヘキシル基又はアダマンチル基がさらに好ましい。
式(a-g2)で表される基の好ましい構造は、以下の構造である(*はカルボニル基
との結合部位である)。
【0073】
Aa41におけるアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,
3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1
,6-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1
,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、1-メチルブタン-1,4-
ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基が挙げられ
る。
Aa41のアルカンジイル基における置換基としては、ヒドロキシ基及び炭素数1~6の
アルコキシ基等が挙げられる。
Aa41は、好ましくは炭素数1~4のアルカンジイル基であり、より好ましくは炭素数
2~4のアルカンジイル基であり、さらに好ましくはエチレン基である。
【0074】
式(a-g1)で表される基におけるA
a42、A
a43及びA
a44の表す2価の飽和炭化水
素基としては、直鎖又は分岐のアルカンジイル基及び単環又は多環の2価の脂環式炭化水
素基、並びに、アルカンジイル基及び2価の脂環式炭化水素基を組合せることにより形成
される基等が挙げられる。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジ
イル基、プロパン-1,2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、1-メチルプロパン
-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1
,2-ジイル基等が挙げられる。
A
a42、A
a43及びA
a44の表す2価の飽和炭化水素基の置換基としては、ヒドロキシ基
及び炭素数1~6のアルコキシ基等が挙げられる。
sは、0であることが好ましい。
式(a-g1)で表される基において、X
a42が-O-、-CO-、-CO-O-又は
-O-CO-である基としては、以下の基等が挙げられる。以下の例示において、*及び
**はそれぞれ結合部位を表わし、**が-O-CO-R
a42との結合部位である。
【0075】
式(a4-1)で表される構造単位としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中
の式(a4-1)で表される構造単位におけるR
a41に相当するメチル基が水素原子に置
き換わった構造単位が挙げられる。
【0076】
【0077】
式(a4-1)で表される構造単位としては、式(a4-2)で表される構造単位が好
ましい。
[式(a4-2)中、
R
f5は、水素原子又はメチル基を表す。
L
44は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる-C
H
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
R
f6は、炭素数1~20のフッ素原子を有する飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
44及びR
f6の合計炭素数の上限は21である。]
【0078】
L44のアルカンジイル基は、Aa41で例示したものと同様の基が挙げられる。
Rf6の飽和炭化水素基は、Ra42で例示したものと同様の基が挙げられる。
L44におけるアルカンジイル基としては、炭素数2~4のアルカンジイル基が好まし
く、エチレン基がより好ましい。
式(a4-2)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1-1)~式(a4
-1-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-2)における
Rf5に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-2)で表され
る構造単位として挙げられる。
【0079】
[式(a4-3)中、
R
f7は、水素原子又はメチル基を表す。
L
5は、炭素数1~6のアルカンジイル基を表す。
A
f13は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表
す。
X
f12は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はA
f13との結合部位を表す。
)。
A
f14は、フッ素原子を有していてもよい炭素数1~17の飽和炭化水素基を表す。
但し、A
f13及びA
f14の少なくとも1つは、フッ素原子を有し、L
5、A
f13及びA
f14
の合計炭素数の上限は20である。]
【0080】
L5におけるアルカンジイル基としては、Aa41のアルカンジイル基で例示したものと同
様の基が挙げられる。
Af13におけるフッ素原子を有していてもよい2価の飽和炭化水素基としては、好まし
くはフッ素原子を有していてもよい2価の鎖式飽和炭化水素基及びフッ素原子を有してい
てもよい2価の脂環式飽和炭化水素基であり、より好ましくはペルフルオロアルカンジイ
ル基である。
フッ素原子を有していてもよい2価の鎖式炭化水素基としては、メチレン基、エチレン
基、プロパンジイル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基;ジ
フルオロメチレン基、ペルフルオロエチレン基、ペルフルオロプロパンジイル基、ペルフ
ルオロブタンジイル基及びペルフルオロペンタンジイル基等のペルフルオロアルカンジイ
ル基等が挙げられる。
フッ素原子を有していてもよい2価の脂環式炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれ
でもよい。単環式の基としては、シクロヘキサンジイル基及びペルフルオロシクロヘキサ
ンジイル基等が挙げられる。多環式の基としては、アダマンタンジイル基、ノルボルナン
ジイル基、ペルフルオロアダマンタンジイル基等が挙げられる。
Af14の飽和炭化水素基及びフッ素原子を有していてもよい飽和炭化水素基は、Ra42で
例示したものと同様の基が挙げられる。なかでも、トリフルオロメチル基、ジフルオロメ
チル基、メチル基、ペルフルオロエチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、1,1
,2,2-テトラフルオロエチル基、エチル基、ペルフルオロプロピル基、2,2,3,
3,3-ペンタフルオロプロピル基、プロピル基、ペルフルオロブチル基、1,1,2,
2,3,3,4,4-オクタフルオロブチル基、ブチル基、ペルフルオロペンチル基、2
,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基
、ペルフルオロヘキシル基、ヘプチル基、ペルフルオロヘプチル基、オクチル基及びペル
フルオロオクチル基等のフッ化アルキル基、シクロプロピルメチル基、シクロプロピル基
、シクロブチルメチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ペルフルオロシクロヘ
キシル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルジメチル基、ノルボル
ニル基、ノルボルニルメチル基、ペルフルオロアダマンチル基、ペルフルオロアダマンチ
ルメチル基等が好ましい。
【0081】
式(a4-3)において、L5は、エチレン基が好ましい。
Af13の2価の飽和炭化水素基は、炭素数1~6の2価の鎖式炭化水素基及び炭素数3
~12の2価の脂環式炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数2~3の2価の鎖式炭化水
素基がさらに好ましい。
Af14の飽和炭化水素基は、炭素数3~12の鎖式炭化水素基及び炭素数3~12の脂
環式炭化水素基を含む基が好ましく、炭素数3~10の鎖式炭化水素基及び炭素数3~1
0の脂環式炭化水素基を含む基がさらに好ましい。なかでも、Af14は、好ましくは炭素
数3~12の脂環式炭化水素基を含む基であり、より好ましくは、シクロプロピルメチル
基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基及びアダマンチル基である。
【0082】
式(a4-3)で表される構造単位としては、例えば、式(a4-1´-1)~式(a
4-1´-11)でそれぞれ表される構造単位が挙げられる。構造単位(a4-3)にお
けるRf7に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位も式(a4-3)で表
される構造単位として挙げられる。
【0083】
構造単位(a4)としては、式(a4-4)で表される構造単位も挙げられる。
[式(a4-4)中、
R
f21は、水素原子又はメチル基を表す。
A
f21は、-(CH
2)
j1-、-(CH
2)
j2-O-(CH
2)
j3-又は-(CH
2)
j4-
CO-O-(CH
2)
j5-を表す。
j1~j5は、それぞれ独立に、1~6のいずれかの整数を表す。
R
f22は、フッ素原子を有する炭素数1~10の飽和炭化水素基を表す。]
【0084】
Rf22の飽和炭化水素基は、Ra42で表される飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
Rf22は、フッ素原子を有する炭素数1~10のアルキル基又はフッ素原子を有する炭
素数1~10の脂環式炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~10のアル
キル基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1~6のアルキル基がさらに好ましい
。
式(a4-4)においては、Af21としては、-(CH2)j1-が好ましく、エチレン
基又はメチレン基がより好ましく、メチレン基がさらに好ましい。
【0085】
式(a4-4)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位及び以下の式で
表される構造単位において、構造単位(a4-4)におけるR
f21に相当するメチル基が
水素原子に置き換わった構造単位が挙げられる。
【0086】
樹脂(A)が、構造単位(a4)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、1~20モル%が好ましく、2~15モル%がより好ましく、3~10モル
%がさらに好ましい。
【0087】
〈構造単位(a5)〉
構造単位(a5)が有する非脱離炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状の炭化水素
基を有する基が挙げられる。なかでも、構造単位(a5)は、脂環式炭化水素基を有する
基が好ましい。
構造単位(a5)としては、例えば、式(a5-1)で表される構造単位が挙げられる
。
[式(a5-1)中、
R
51は、水素原子又はメチル基を表す。
R
52は、炭素数3~18の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる水
素原子は炭素数1~8の脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい。
L
55は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基
に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。]
【0088】
R52における脂環式炭化水素基としては、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式
の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペン
チル基及びシクロヘキシル基が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、例えば
、アダマンチル基及びノルボルニル基等が挙げられる。
炭素数1~8の脂肪族炭化水素基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソ
プロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、オクチル基及び2-エチルヘキシル基等のアルキル基が挙げられる。
置換基を有する脂環式炭化水素基としては、3-メチルアダマンチル基などが挙げられ
る。
R52は、好ましくは、無置換の炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり、より好まし
くは、アダマンチル基、ノルボルニル基又はシクロヘキシル基である。
L55における2価の飽和炭化水素基としては、2価の鎖式飽和炭化水素基及び2価の脂
環式飽和炭化水素基が挙げられ、好ましくは2価の鎖式飽和炭化水素基である。
2価の鎖式飽和炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロパンジイ
ル基、ブタンジイル基及びペンタンジイル基等のアルカンジイル基が挙げられる。
2価の脂環式飽和炭化水素基は、単環式及び多環式のいずれでもよい。単環式の脂環式
飽和炭化水素基としては、シクロペンタンジイル基及びシクロヘキサンジイル基等のシク
ロアルカンジイル基が挙げられる。多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基としては、アダ
マンタンジイル基及びノルボルナンジイル基等が挙げられる。
【0089】
L
55の表す2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-又は-CO-で置き
換わった基としては、例えば、式(L1-1)~式(L1-4)で表される基が挙げられ
る。下記式中、*及び**は各々結合部位を表し、*は酸素原子との結合部位を表す。
式(L1-1)中、
X
x1は、*-O-CO-又は*-CO-O-を表す(*はL
x1との結合部位を表す。)
。
L
x1は、炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x2は、単結合又は炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x1及びL
x2の合計炭素数は、16以下である。
式(L1-2)中、
L
x3は、炭素数1~17の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x4は、単結合又は炭素数1~16の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x3及びL
x4の合計炭素数は、17以下である。
式(L1-3)中、
L
x5は、炭素数1~15の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
L
x6及びL
x7は、それぞれ独立に、単結合又は炭素数1~14の2価の脂肪族飽和炭化
水素基を表す。
ただし、L
x5、L
x6及びL
x7の合計炭素数は、15以下である。
式(L1-4)中、
L
x8及びL
x9は、単結合又は炭素数1~12の2価の脂肪族飽和炭化水素基を表す。
W
x1は、炭素数3~15の2価の脂環式飽和炭化水素基を表す。
ただし、L
x8、L
x9及びW
x1の合計炭素数は、15以下である。
【0090】
Lx1は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、
メチレン基又はエチレン基である。
Lx2は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合である。
Lx3は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
Lx4は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
Lx5は、好ましくは、炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好ましくは、
メチレン基又はエチレン基である。
Lx6は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、メチレン基又はエチレン基である。
Lx7は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基である。
Lx8は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合又はメチレン基である。
Lx9は、好ましくは、単結合又は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基、より好
ましくは、単結合又はメチレン基である。
Wx1は、好ましくは、炭素数3~10の2価の脂環式飽和炭化水素基、より好ましくは
、シクロヘキサンジイル基又はアダマンタンジイル基である。
【0091】
式(L1-1)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0092】
式(L1-2)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0093】
式(L1-3)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0094】
式(L1-4)で表される基としては、例えば、以下に示す2価の基が挙げられる。
【0095】
L55は、好ましくは、単結合又は式(L1-1)で表される基である。
【0096】
構造単位(a5-1)としては、以下に示す構造単位及び下記構造単位中の構造単位(
a5-1)におけるR
51に相当するメチル基が水素原子に置き換わった構造単位が挙げら
れる。
【0097】
樹脂(A)が、構造単位(a5)を有する場合、その含有率は、樹脂(A)の全構造単
位に対して、1~30モル%が好ましく、2~20モル%がより好ましく、3~15モル
%がさらに好ましい。
【0098】
<構造単位(II)>
樹脂(A)は、さらに、露光により分解して酸を発生する構造単位(以下、「構造単位
(II)」という場合がある)を含有してもよい。構造単位(II)としては、具体的に
は特開2016-79235号公報に記載の構造単位が挙げられ、側鎖にスルホナート基
若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位又は側鎖にスルホニオ基
と有機アニオンとを有する構造単位であることが好ましい。
【0099】
側鎖にスルホナート基若しくはカルボキシレート基と有機カチオンとを有する構造単位
は、式(II-2-A’)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-2-A’)中、
X
III3は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含
まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ハロゲン原子を有していてもよい炭素数
1~6のアルキル基又はヒドロキシ基で置き換わっていてもよい。
A
x1は、炭素数1~8のアルカンジイル基を表し、該アルカンジイル基に含まれる水
素原子は、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアルキル基で置換されていてもよ
い。
RA
-は、スルホナート基又はカルボキシレート基を表す。
R
III3は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有していてもよい炭素数1
~6のアルキル基を表す。
ZA
+は、有機カチオンを表す。]
【0100】
R
III3で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨ
ウ素原子等が挙げられる。
R
III3で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基とし
ては、R
a8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同
じものが挙げられる。
A
x1で表される炭素数1~8のアルカンジイル基としては、メチレン基、エチレン基
、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル
基、ヘキサン-1,6-ジイル基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイ
ル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-
ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイ
ル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等が挙げられ
る。
A
x1に置換されていてもよい炭素数1~6のペルフルオロアルキル基としては、トリ
フルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソ
プロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブ
チル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
X
III3で表される炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基としては、直鎖又は分岐
状アルカンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環飽和炭化水素基が挙げられ、これら
の組み合わせてあってもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、プロパン-1,
2-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1
,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-
1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ド
デカン-1,12-ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;ブタン-1,3-ジイル基、
2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペン
タン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイ
ル基;シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘ
キサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイ
ル基;ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタ
ン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の2価の多環式脂環式飽和炭
化水素基等が挙げられる。
飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わった
ものとしては、例えば式(X1)~式(X53)で表される2価の基が挙げられる。ただ
し、飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が、-O-、-S-又は-CO-で置き換わる
前の炭素数はそれぞれ17以下である。下記式において、*及び**は結合部位を表し、
*はA
x1との結合部位を表す。
【0101】
X3は、2価の炭素数1~16の飽和炭化水素基を表す。
X4は、2価の炭素数1~15の飽和炭化水素基を表す。
X5は、2価の炭素数1~13の飽和炭化水素基を表す。
X6は、2価の炭素数1~14の飽和炭化水素基を表す。
X7は、3価の炭素数1~14の飽和炭化水素基を表す。
X8は、2価の炭素数1~13の飽和炭化水素基を表す。
【0102】
ZA+で表される有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、例えば有機スルホニ
ウムカチオン、有機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、有機ベンゾチア
ゾリウムカチオン及び有機ホスホニウムカチオンなどが挙げられ、有機スルホニウムカチ
オン及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好
ましい。
式(II-2-A’)中のZA+は、後述の酸発生剤(B1)における有機カチオンZ
+と同様のものが挙げられる。
【0103】
式(II-2-A’)で表される構造単位は、式(II-2-A)で表される構造単位
であることが好ましい。
[式(II-2-A)中、R
III3、X
III3及びZA
+は、上記と同じ意味を表
す。
z2Aは、0~6のいずれかの整数を表す。
R
III2及びR
III4は、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は炭素数1
~6のペルフルオロアルキル基を表し、z2Aが2以上のとき、複数のR
III2及びR
III4は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
Q
a及びQ
bは、それぞれ独立して、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロアル
キル基を表す。]
R
III2、R
III4、Q
a及びQ
bで表される炭素数1~6のペルフルオロアルキ
ル基としては、後述のQ
b1で表される炭素数1~6のペルフルオロアルキル基と同じも
のが挙げられる。
【0104】
式(II-2-A)で表される構造単位は、式(II-2-A-1)で表される構造単
位であることが好ましい。
[式(II-2-A-1)中、
R
III2、R
III3、R
III4、Q
a、Q
b及びZA
+は、上記と同じ意味を表す
。
R
III5は、炭素数1~12の飽和炭化水素基を表す。
z2A1は、0~6のいずれかの整数を表す。
X
I2は、炭素数1~11の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素基に含まれ
る-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該飽和炭化水
素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。]
【0105】
RIII5で表される炭素数1~12の飽和炭化水素基としては、メチル基、エチル基
、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基及
びドデシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
XI2で表される2価の飽和炭化水素基としては、XIII3で表される2価の飽和炭
化水素基と同様のものが挙げられる。
【0106】
式(II-2-1)で表される構造単位としては、式(II-2-A-2)で表される
構造単位が好ましい。
[式(II-2-A-2)中、R
III3、R
III5及びZA
+は、上記と同じ意味
を表す。
m及びnは、互いに独立に、1又は2を表す。]
【0107】
式(II-2-A’)で表される構造単位としては、例えば、以下の構造単位、R
III3
のメチル基又は水素原子に相当する基が、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)又はハロ
ゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基(例えば、トリフルオロメチル基
等)に置き換わった構造単位及び国際公開第2012/050015号記載の構造単位が
挙げられる。ZA
+は、有機カチオンを表す。
【0108】
【0109】
側鎖にスルホニオ基を有するカチオンと有機アニオンとを有する構造単位は、式(II
-1-1)で表される構造単位であることが好ましい。
[式(II-1-1)中、
A
II1は、単結合又は2価の連結基を表す。
R
II1は、炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基を表す。
R
II2及びR
II3は、それぞれ独立して、炭素数1~18の炭化水素基を表し、R
II2及びR
II3は互いに結合してそれらが結合する硫黄原子とともに環を形成してい
てもよい。
R
II4は、水素原子、ハロゲン原子又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1~6のア
ルキル基を表す。
A
-は、有機アニオンを表す。]
R
II1で表される炭素数6~18の2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基
及びナフチレン基等が挙げられる。
R
II2及びR
II3で表される炭化水素基としては、アルキル基、脂環式炭化水素基
、芳香族炭化水素基及びこれらを組み合わせることにより形成される基等が挙げられる。
R
II4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ
素原子等が挙げられる。
R
II4で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基として
は、R
a8で表されるハロゲン原子を有していてもよい炭素数1~6のアルキル基と同じ
ものが挙げられる。
A
II1で表される2価の連結基としては、例えば、炭素数1~18の2価の飽和炭化
水素基が挙げられ、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又
は-CO-で置き換わっていてもよい。具体的には、X
III3で表される炭素数1~1
8の2価の飽和炭化水素基と同じものが挙げられる。
【0110】
式(II-1-1)中のカチオンを含む構造単位としては、以下で表される構造単位及
びR
II4のメチル基又は水素原子に相当する基が、フッ素原子、トリフルオロメチル等に
置き換わった構造単位などが挙げられる。
【0111】
【0112】
A-で表される有機アニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオ
ン、スルホニルメチドアニオン及びカルボン酸アニオン等が挙げられる。A-で表される
有機アニオンは、スルホン酸アニオンが好ましく、スルホン酸アニオンとしては、後述す
る式(B1)で表される塩に含まれるアニオンであることがより好ましい。
【0113】
A
-で表されるスルホニルイミドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0114】
スルホニルメチドアニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0115】
カルボン酸アニオンとしては、以下のものが挙げられる。
【0116】
式(II-1-1)で表される構造単位としては、以下で表される構造単位などが挙げ
られる。
【0117】
樹脂(A)中に、構造単位(II)を含有する場合の構造単位(II)の含有率は、樹
脂(A)の全構造単位に対して、好ましくは1~20モル%であり、より好ましくは2~
15モル%であり、さらに好ましくは3~10モル%である。
【0118】
樹脂(A)は、上述の構造単位以外の構造単位を有していてもよく、このような構造単
位としては、当技術分野で周知の構造単位が挙げられる。
【0119】
樹脂(A)は、好ましくは、構造単位(I)と構造単位(a1-1)及び構造単位(a
1-2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と構造単位(a2-A)とか
らなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1-1)と構造単位
(a1-2)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1
-1)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1-2)
とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1-1)と構造
単位(a1-2)と構造単位(s)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-
A)と構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群より選ばれる少なくと
も1種の構造単位と構造単位(s)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-
A)と構造単位(a1-1)と構造単位(a1-2)と構造単位(s)と構造単位(a4
)及び/又は構造単位(a5)とからなる樹脂、あるいは、構造単位(I)と構造単位(
a2-A)と構造単位(a1-1)と構造単位(a1-2)と構造単位(a4)のみから
なる樹脂であり、より好ましくは、構造単位(I)と構造単位(a1-1)及び構造単位
(a1-2)からなる群より選ばれる少なくとも1種の構造単位と構造単位(a2-A)
とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1-1)と構造
単位(a1-2)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(
a1-1)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1-
2)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a2-A)と構造単位(a1-1)と
構造単位(a1-2)と構造単位(s)とからなる樹脂、構造単位(I)と構造単位(a
2-A)と構造単位(a1-1)及び構造単位(a1-2)からなる群より選ばれる少な
くとも1種の構造単位と構造単位(s)とからなる樹脂である。
【0120】
構造単位(s)は、好ましくは構造単位(a2)及び構造単位(a3)からなる群から
選ばれる少なくとも一種である。構造単位(a2)は、好ましくは構造単位(a2-1)
である。構造単位(a3)は、好ましくは式(a3-1)で表される構造単位、式(a3
-2)で表される構造単位及び式(a3-4)で表される構造単位からなる群から選ばれ
る少なくとも一種である。
【0121】
樹脂(A)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、
これら構造単位を導くモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)によっ
て製造することができる。樹脂(A)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いるモノ
マーの使用量で調整できる。
樹脂(A)の重量平均分子量は、好ましくは2,000以上(より好ましくは2,50
0以上、さらに好ましくは3,000以上)、50,000以下(より好ましくは30,
000以下、さらに好ましくは15,000以下)である。
本明細書において、重量平均分子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーに
より求めた値である。ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーは、実施例に記載の分
析条件により測定することができる。
【0122】
〔レジスト組成物〕
本発明のレジスト組成物は、樹脂(A)と、酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という
場合がある)とを含有する。
酸発生剤としては、レジスト分野で公知の酸発生剤が挙げられる。
本発明のレジスト組成物は、さらに、樹脂(A)以外の樹脂を含有してもよい。
本発明のレジスト組成物は、酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する
塩等のクエンチャー(以下「クエンチャー(C)」という場合がある)を含有することが
好ましく、溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある)を含有することが好ましい。
【0123】
<樹脂(A)以外の樹脂>
樹脂(A)以外の樹脂としては、構造単位(I)、及び構造単位(a2-A)を含まな
い樹脂であればよい。このような樹脂としては、例えば、樹脂(A)から構造単位(I)
を除いた樹脂(以下「樹脂(AY)」という場合がある)、樹脂(A)から構造単位(a
2-A)を除いた樹脂(以下「樹脂(AZ)」という場合がある)、構造単位(a4)と
構造単位(a5)とのみからなる樹脂(以下、樹脂(X)という場合がある)等が挙げら
れる。
【0124】
樹脂(X)としては、なかでも、構造単位(a4)を含む樹脂が好ましい。つまり、フ
ッ素原子を有する構造単位を含む樹脂であることが好ましい。
樹脂(X)において、構造単位(a4)の含有率は、樹脂(X)の全構造単位の合計に
対して、30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好まし
く、45モル%以上であることがさらに好ましい。
樹脂(X)がさらに有していてもよい構造単位としては、構造単位(a2)、構造単位
(a3)及びその他の公知のモノマーに由来する構造単位が挙げられる。中でも、樹脂(
X)は、構造単位(a4)及び/又は構造単位(a5)のみからなる樹脂であることが好
ましい。
【0125】
樹脂(X)を構成する各構造単位は、1種のみ又は2種以上を組合せて用いてもよく、
これら構造単位を誘導するモノマーを用いて、公知の重合法(例えばラジカル重合法)に
よって製造することができる。樹脂(X)が有する各構造単位の含有率は、重合に用いる
モノマーの使用量で調整できる。
樹脂(AY)、樹脂(AZ)及び樹脂(X)の重量平均分子量は、それぞれ独立して、
好ましくは6,000以上(より好ましくは7,000以上)、80,000以下(より
好ましくは60,000以下)である。樹脂(AY)、樹脂(AZ)及び樹脂(X)の重
量平均分子量の測定手段は、樹脂(A)の場合と同様である。
本発明のレジスト組成物が、樹脂(AY)及び/又は樹脂(AZ)を含む場合、その合
計含有量は、樹脂(A)100質量部に対して、通常、1~2500質量部(より好まし
くは10~1000質量部)である。
また、レジスト組成物が樹脂(X)を含む場合、その含有量は、樹脂(A)100質量
部に対して、好ましくは1~60質量部であり、より好ましくは1~50質量部であり、
さらに好ましくは1~40質量部であり、特に好ましくは1~30質量部であり、特に好
ましくは1~8質量部である。
【0126】
本発明のレジスト組成物において樹脂(A)は、樹脂(A)以外の樹脂を併用してもよ
く、樹脂(A)以外の樹脂を併用する場合、酸不安定基を有する構造単位を含む樹脂及び
/又はフッ素原子を有する構造単位を含む樹脂を併用することが好ましく、樹脂(AY)
、樹脂(AZ)及び/又は樹脂(X)を併用することがより好ましい。
レジスト組成物における樹脂(A)の含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、8
0質量%以上99質量%以下であることが好ましく、90~99質量%がより好ましい。
また、樹脂(A)以外の樹脂を含む場合は、樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂との合計
含有率は、レジスト組成物の固形分に対して、80質量%以上99質量%以下であること
が好ましく、90~99質量%がより好ましい。レジスト組成物の固形分及びこれに対す
る樹脂の含有率は、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィー等の公知の分析
手段で測定することができる。
【0127】
<酸発生剤(B)>
酸発生剤(B)は、非イオン系又はイオン系のいずれを用いてもよい。非イオン系酸発
生剤としては、スルホネートエステル類(例えば2-ニトロベンジルエステル、芳香族ス
ルホネート、オキシムスルホネート、N-スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケ
トン、ジアゾナフトキノン 4-スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケト
スルホン、スルホニルジアゾメタン)等が挙げられる。イオン系酸発生剤としては、オニ
ウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム
塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニ
オン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等が挙げられる。
酸発生剤(B)としては、特開昭63-26653号、特開昭55-164824号、
特開昭62-69263号、特開昭63-146038号、特開昭63-163452号
、特開昭62-153853号、特開昭63-146029号、米国特許第3,779,
778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第
126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用することができる
。また、公知の方法で製造した化合物を使用してもよい。酸発生剤(B)は、2種以上を
組み合わせて用いてもよい。
【0128】
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)
で表される塩(以下「酸発生剤(B1)」という場合がある。)である。
[式(B1)中、
Q
b1及びQ
b2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1~6のペルフルオロア
ルキル基を表す。
L
b1は、炭素数1~24の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に
含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよく、該2価の飽和炭
化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基で置換されていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよいメチル基又は置換基を有していてもよい炭素数3~1
8の脂環式炭化水素基を表し、該脂環式炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-、-
S(O)
2-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
Z
+は、有機カチオンを表す。]
【0129】
Qb1及びQb2の表すペルフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペ
ルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフル
オロブチル基、ペルフルオロsec-ブチル基、ペルフルオロtert-ブチル基、ペル
フルオロペンチル基及びペルフルオロヘキシル基等が挙げられる。
Qb1及びQb2は、それぞれ独立に、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であるこ
とが好ましく、ともにフッ素原子であることがより好ましい。
Lb1における2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アル
カンジイル基、単環式又は多環式の2価の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基
のうち2種以上を組合せることにより形成される基でもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4
-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1
,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1
,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、
トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-
1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基及びヘプタデカン-1,17-
ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル
基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-
1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル
基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサ
ン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等のシクロアルカンジイル基
である単環式の2価の脂環式飽和炭化水素基;
ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-
1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂環式飽和炭化
水素基等が挙げられる。
Lb1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-又は-CO-で
置き換わった基としては、例えば、式(b1-1)~式(b1-3)のいずれかで表され
る基が挙げられる。なお、式(b1-1)~式(b1-3)で表される基及びそれらの具
体例である式(b1-4)~式(b1-11)で表される基において、*及び**は結合
部位を表し、*は-Yとの結合部位を表す。
【0130】
[式(b1-1)中、
L
b2は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b3は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、L
b2とL
b3との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-2)中、
L
b4は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b5は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、L
b4とL
b5との炭素数合計は、22以下である。
式(b1-3)中、
L
b6は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
L
b7は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく、該飽和
炭化水素基に含まれる-CH
2-は、-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
ただし、L
b6とL
b7との炭素数合計は、23以下である。]
【0131】
式(b1-1)~式(b1-3)で表される基においては、飽和炭化水素基に含まれる
-CH2-が-O-又は-CO-に置き換わっている場合、置き換わる前の炭素数を該飽
和炭化水素基の炭素数とする。
2価の飽和炭化水素基としては、Lb1の2価の飽和炭化水素基と同様のものが挙げら
れる。
【0132】
Lb2は、好ましくは単結合である。
Lb3は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
Lb4は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基であり、該2価の飽和炭化
水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Lb5は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
Lb6は、好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基であり、該飽和
炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
Lb7は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、該飽
和炭化水素基に含まれる水素原子はフッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよく
、該2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH2-は-O-又は-CO-に置き換わってい
てもよい。
【0133】
L
b1で表される2価の飽和炭化水素基に含まれる-CH
2-が-O-又は-CO-で
置き換わった基としては、式(b1-1)又は式(b1-3)で表される基が好ましい。
式(b1-1)で表される基としては、式(b1-4)~式(b1-8)でそれぞれ表
される基が挙げられる。
[式(b1-4)中、
L
b8は、単結合又は炭素数1~22の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい。
式(b1-5)中、
L
b9は、炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基に
含まれる-CH
2-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
L
b10は、単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい
。
ただし、L
b9及びL
b10の合計炭素数は20以下である。
式(b1-6)中、
L
b11は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b12は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい
。
ただし、L
b11及びL
b12の合計炭素数は21以下である。
式(b1-7)中、
L
b13は、炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b14は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる-CH
2-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
L
b15は、単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい
。
ただし、L
b13~L
b15の合計炭素数は19以下である。
式(b1-8)中、
L
b16は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和炭化水素基
に含まれる-CH
2-は-O-又は-CO-に置き換わっていてもよい。
L
b17は、炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b18は、単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基を表し、該2価の飽和
炭化水素基に含まれる水素原子は、フッ素原子又はヒドロキシ基に置換されていてもよい
。
ただし、L
b16~L
b18の合計炭素数は19以下である。]
【0134】
Lb8は、好ましくは炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
Lb9は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
Lb10は、好ましくは単結合又は炭素数1~19の2価の飽和炭化水素基であり、よ
り好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
Lb11は、好ましくは炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
Lb12は、好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
Lb13は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
Lb14は、好ましくは単結合又は炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
Lb15は、好ましくは単結合又は炭素数1~18の2価の飽和炭化水素基であり、よ
り好ましくは単結合又は炭素数1~8の2価の飽和炭化水素基である。
Lb16は、好ましくは炭素数1~12の2価の飽和炭化水素基である。
Lb17は、好ましくは炭素数1~6の2価の飽和炭化水素基である。
Lb18は、好ましくは単結合又は炭素数1~17の2価の飽和炭化水素基であり、よ
り好ましくは単結合又は炭素数1~4の2価の飽和炭化水素基である。
【0135】
式(b1-3)で表される基としては、式(b1-9)~式(b1-11)でそれぞれ
表される基が挙げられる。
式(b1-9)中、
L
b19は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b20は、単結合又は炭素数1~23の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH
2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b19及びL
b20の合計炭素数は23以下である。
式(b1-10)中、
L
b21は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b22は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b23は、単結合又は炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH
2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b21、L
b22及びL
b23の合計炭素数は21以下である。
式(b1-11)中、
L
b24は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子に置換されていてもよい。
L
b25は、炭素数1~21の2価の飽和炭化水素基を表す。
L
b26は、単結合又は炭素数1~20の2価の飽和炭化水素基を表し、該飽和炭化水素
基に含まれる水素原子は、フッ素原子、ヒドロキシ基又はアルキルカルボニルオキシ基に
置換されていてもよい。該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる-CH
2-は、-O-
又は-CO-に置き換わっていてもよく、該アルキルカルボニルオキシ基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基に置換されていてもよい。
ただし、L
b24、L
b25及びL
b26の合計炭素数は21以下である。
なお、式(b1-9)で表される基から式(b1-11)で表される基においては、飽
和炭化水素基に含まれる水素原子がアルキルカルボニルオキシ基に置換されている場合、
置き換わる前の炭素数を該飽和炭化水素基の炭素数とする。
【0136】
アルキルカルボニルオキシ基としては、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブ
チリルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基、アダマンチルカルボニルオキシ基
等が挙げられる。
【0137】
式(b1-4)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0138】
式(b1-5)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0139】
式(b1-6)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0140】
式(b1-7)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0141】
式(b1-8)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0142】
式(b1-2)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0143】
式(b1-9)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0144】
式(b1-10)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0145】
式(b1-11)で表される基としては、以下のものが挙げられる。
【0146】
Yで表される脂環式炭化水素基としては、式(Y1)~式(Y11)、式(Y36)~
式(Y38)で表される基が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-が-O-、-S(O)2-又は-
CO-で置き換わる場合、その数は1つでもよいし、2以上でもよい。そのような基とし
ては、式(Y12)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y41)で表される基が挙げら
れる。
【0147】
Yで表される脂環式炭化水素基としては、好ましくは式(Y1)~式(Y20)、式(
Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y39)~式(Y41)の
いずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y15)、式(Y16
)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(Y
39)又は式(Y40)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)、式(Y1
5)、式(Y20)、式(Y26)、式(Y27)、式(Y30)、式(Y31)、式(
Y39)又は式(Y40)で表される基である。
Yで表される脂環式炭化水素基が式(Y28)~式(Y35)、式(Y39)~式(Y
40)等のスピロ環である場合には、2つの酸素原子間のアルカンジイル基は、1以上の
フッ素原子を有することが好ましい。また、ケタール構造に含まれるアルカンジイル基の
うち、酸素原子に隣接するメチレン基には、フッ素原子が置換されていないのが好ましい
。
【0148】
Yで表されるメチル基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数3~1
6の脂環式炭化水素基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、グリシジルオキシ基、-(
CH2)ja-CO-O-Rb1基又は-(CH2)ja-O-CO-Rb1基(式中、
Rb1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭素数6
~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表し、該アルキル基及び該脂環
式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-SO2-又は-CO-に置き換わって
いてもよく、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれる水素
原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原子に置き換わっていてもよい。jaは、0~4のいず
れかの整数を表す。)等が挙げられる。
Yで表される脂環式炭化水素基の置換基としては、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、ヒド
ロキシ基で置換されていてもよい炭素数1~12のアルキル基、炭素数3~16の脂環式
炭化水素基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数6~18の芳香族炭化水素基、炭素
数7~21のアラルキル基、炭素数2~4のアルキルカルボニル基、グリシジルオキシ基
、-(CH2)ja-CO-O-Rb1基又は-(CH2)ja-O-CO-Rb1基(
式中、Rb1は、炭素数1~16のアルキル基、炭素数3~16の脂環式炭化水素基、炭
素数6~18の芳香族炭化水素基又はこれらを組み合わせた基を表し、該アルキル基及び
該脂環式炭化水素基に含まれる-CH2-は、-O-、-SO2-又は-CO-に置き換
わっていてもよく、該アルキル基、該脂環式炭化水素基及び該芳香族炭化水素基に含まれ
る水素原子は、ヒドロキシ基又はフッ素原子に置き換わっていてもよい。jaは、0~4
のいずれかの整数を表す。)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、メチルシ
クロヘキシル基、ジメチルシクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノ
ルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、ビフェ
ニル基、フェナントリル基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭
化水素基又は脂環式炭化水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化
水素基としては、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル
基、p-tert-ブチルフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-
エチルフェニル基等が挙げられ、脂環式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基としては、
p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチルフェニル基等が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブ
チル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基
、2-エチルヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基
等が挙げられる。
ヒドロキシ基で置換されているアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシ
エチル基等のヒドロキシアルキル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、ナフチルメ
チル基及びナフチルエチル基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、例えば、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基
等が挙げられる。
【0149】
【0150】
【0151】
Yは、好ましくは置換基を有していてもよい炭素数3~18の脂環式炭化水素基であり
、より好ましく置換基を有していてもよいアダマンチル基であり、該脂環式炭化水素基又
はアダマンチル基を構成する-CH
2-は-CO-、-S(O)
2-又は-CO-に置き
換わっていてもよい。Yは、さらに好ましくはアダマンチル基、ヒドロキシアダマンチル
基、オキソアダマンチル基又は下記で表される基である。
【0152】
酸発生剤(B1)におけるアニオンとしては、式(B1-A-1)~式(B1-A-5
5)で表されるアニオン〔以下、式番号に応じて「アニオン(B1-A-1)」等という
場合がある。〕が好ましく、式(B1-A-1)~式(B1-A-4)、式(B1-A-
9)、式(B1-A-10)、式(B1-A-24)~式(B1-A-33)、式(B1
-A-36)~式(B1-A-40)、式(B1-A-47)~式(B1-A-55)の
いずれかで表されるアニオンがより好ましい。
【0153】
【0154】
【0155】
【0156】
【0157】
【0158】
ここでR
i2~R
i7は、互いに独立に、例えば、炭素数1~4のアルキル基、好まし
くはメチル基又はエチル基である。R
i8は、例えば、炭素数1~12の脂肪族炭化水素
基、好ましくは炭素数1~4のアルキル基、炭素数5~12の脂環式炭化水素基又はこれ
らを組合せることにより形成される基、より好ましくはメチル基、エチル基、シクロヘキ
シル基又はアダマンチル基である。L
A4は、単結合又は炭素数1~4のアルカンジイル
基である。
Q
b1及びQ
b2は、上記と同じ意味を表す。
酸発生剤(B1)におけるアニオンとしては、具体的には、特開2010-20464
6号公報に記載されたアニオンが挙げられる。
【0159】
好ましい酸発生剤(B1)におけるアニオンとしては、式(B1a-1)~式(B1a
-34)でそれぞれ表されるアニオンが挙げられる。
【0160】
【0161】
【0162】
なかでも、式(B1a-1)~式(B1a-3)及び式(B1a-7)~式(B1a-
16)、式(B1a-18)、式(B1a-19)、式(B1a-22)~式(B1a-
30)のいずれかで表されるアニオンが好ましい。
【0163】
Z+の有機カチオンとしては、有機オニウムカチオン、有機スルホニウムカチオン、有
機ヨードニウムカチオン、有機アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン及び
有機ホスホニウムカチオン等が挙げられる。これらの中でも、有機スルホニウムカチオン
及び有機ヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好まし
い。具体的には、式(b2-1)~式(b2-4)のいずれかで表されるカチオン(以下
、式番号に応じて「カチオン(b2-1)」等という場合がある。)が挙げられる。
【0164】
式(b2-1)~式(b2-4)において、
R
b4~R
b6は、それぞれ独立に、炭素数1~30の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の
脂環式炭化水素基又は炭素数6~36の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素基に含
まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1~12のアルコキシ基、炭素数3~12の脂
環式炭化水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環
式炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数1~18の脂肪族炭化水素基
、炭素数2~4のアルキルカルボニル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく
、該芳香族炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基又は炭素数1
~12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
R
b4とR
b5とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成し
てもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わっても
よい。
R
b7及びR
b8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0~5のいずれかの整数を表す。
m2が2以上のとき、複数のR
b7は同一でも異なってもよく、n2が2以上のとき、複
数のR
b8は同一でも異なってもよい。
R
b9及びR
b10は、それぞれ独立に、炭素数1~36の鎖式炭化水素基又は炭素数3~
36の脂環式炭化水素基を表す。
R
b9とR
b10とは、互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって環を形成
してもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わって
もよい。
R
b11は、水素原子、炭素数1~36の鎖式炭化水素基、炭素数3~36の脂環式炭化
水素基又は炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表す。
R
b12は、炭素数1~12の鎖式炭化水素基、炭素数3~18の脂環式炭化水素基又は
炭素数6~18の芳香族炭化水素基を表し、該鎖式炭化水素に含まれる水素原子は、炭素
数6~18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基に含まれる
水素原子は、炭素数1~12のアルコキシ基又は炭素数1~12のアルキルカルボニルオ
キシ基で置換されていてもよい。
R
b11とR
b12とは、互いに結合してそれらが結合する-CH-CO-を含めて環を形成
していてもよく、該環に含まれる-CH
2-は、-O-、-S-又は-CO-に置き換わ
ってもよい。
R
b13~R
b18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1~12の脂肪族炭化水素基
又は炭素数1~12のアルコキシ基を表す。
L
b31は、硫黄原子又は酸素原子を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0~5のいずれかの整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0~4のいずれかの整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のR
b13は同一又は相異なり、p2が2以上のとき、複数の
R
b14は同一又は相異なり、q2が2以上のとき、複数のR
b15は同一又は相異なり、r2
が2以上のとき、複数のR
b16は同一又は相異なり、s2が2以上のとき、複数のR
b17は
同一又は相異なり、t2が2以上のとき、複数のR
b18は同一又は相異なる。
脂肪族炭化水素基とは、鎖式炭化水素基及び脂環式炭化水素基を表す。
鎖式炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル
基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び
2-エチルヘキシル基のアルキル基が挙げられる。
特に、R
b9~R
b12の鎖式炭化水素基は、好ましくは炭素数1~12である。
脂環式炭化水素基としては、単環式又は多環式のいずれでもよく、単環式の脂環式炭化
水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシ
ル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデシル基等のシクロアルキル基が挙
げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、デカヒドロナフチル基、アダマンチル基
、ノルボルニル基及び下記の基等が挙げられる。
特に、R
b9~R
b12の脂環式炭化水素基は、好ましくは炭素数3~18、より好ましく
は炭素数4~12である。
水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された脂環式炭化水素基としては、メチルシクロヘ
キシル基、ジメチルシクロへキシル基、2-メチルアダマンタン-2-イル基、2-エチ
ルアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル基、メチルノル
ボルニル基、イソボルニル基等が挙げられる。水素原子が脂肪族炭化水素基で置換された
脂環式炭化水素基においては、脂環式炭化水素基と脂肪族炭化水素基との合計炭素数が好
ましくは20以下である。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル
基等のアリール基等が挙げられる。芳香族炭化水素基は、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化
水素基を有していてもよく、鎖式炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(トリル基、キシ
リル基、クメニル基、メシチル基、p-エチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニ
ル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等)及び脂環式
炭化水素基を有する芳香族炭化水素基(p-シクロへキシルフェニル基、p-アダマンチ
ルフェニル基等)等が挙げられる。
なお、芳香族炭化水素基に、鎖式炭化水素基又は脂環式炭化水素基が含まれる場合は、
炭素数1~18の鎖式炭化水素基及び炭素数3~18の脂環式炭化水素基が好ましい。
水素原子がアルコキシ基で置換された芳香族炭化水素基としては、p-メトキシフェニ
ル基等が挙げられる。
水素原子が芳香族炭化水素基で置換された鎖式炭化水素基としては、ベンジル基、フェ
ネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等の
アラルキル基が挙げられる。
【0165】
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基
及びドデシルオキシ基等が挙げられる。
アルキルカルボニル基としては、アセチル基、プロピオニル基及びブチリル基等が挙げ
られる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられ
る。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニル
オキシ基、プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、ブチルカル
ボニルオキシ基、sec-ブチルカルボニルオキシ基、tert-ブチルカルボニルオキ
シ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニル
オキシ基及び2-エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
R
b4とR
b5とが互いに結合してそれらが結合する硫黄原子と一緒になって形成する環は
、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい
。この環は、炭素数3~18の環が挙げられ、好ましくは炭素数4~18の環である。ま
た、硫黄原子を含む環は、3員環~12員環が挙げられ、好ましくは3員環~7員環であ
り、例えば下記の環が挙げられる。*は結合部位を表す。
【0166】
Rb9とRb10とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性
、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ
、好ましくは3員環~7員環である。例えば、チオラン-1-イウム環(テトラヒドロチ
オフェニウム環)、チアン-1-イウム環、1,4-オキサチアン-4-イウム環等が挙
げられる。
Rb11とRb12とが一緒になって形成する環は、単環式、多環式、芳香族性、非芳香族性
、飽和及び不飽和のいずれの環であってもよい。この環は、3員環~12員環が挙げられ
、好ましくは3員環~7員環である。オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環
、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環等が挙げられる。
【0167】
カチオン(b2-1)~カチオン(b2-4)の中でも、好ましくは、カチオン(b2
-1)である。
カチオン(b2-1)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0168】
【0169】
カチオン(b2-2)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0170】
カチオン(b2-3)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0171】
カチオン(b2-4)としては、以下のカチオンが挙げられる。
【0172】
【0173】
酸発生剤(B)は、上述のアニオン及び上述の有機カチオンの組合せであり、これらは
任意に組合せることができる。酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1a-1)~
式(B1a-3)及び式(B1a-7)~式(B1a-16)、式(B1a-18)、式
(B1a-19)、式(B1a-22)~式(B1a-34)のいずれかで表されるアニ
オンと、カチオン(b2-1)又はカチオン(b2-3)との組合せが挙げられる。
【0174】
酸発生剤(B)としては、好ましくは式(B1-1)~式(B1-48)でそれぞれ表
されるものが挙げられる、中でもアリールスルホニウムカチオンを含むものが好ましく、
式(B1-1)~式(B1-3)、式(B1-5)~式(B1-7)、式(B1-11)
~式(B1-14)、式(B1-20)~式(B1-26)、式(B1-29)、式(B
1-31)~式(B1-48)で表されるものがとりわけ好ましい。
【0175】
【0176】
【0177】
【0178】
【0179】
【0180】
本発明のレジスト組成物においては、酸発生剤の含有率は、樹脂(A)100質量部に
対して、好ましくは1質量部以上40質量部以下、より好ましくは3質量部以上35質量
部以下、さらに好ましくは10質量部以上35質量部以下である。本発明のレジスト組成
物は、酸発生剤(B)の1種を単独で含有してもよく、複数種を含有してもよい。
【0181】
<溶剤(E)>
溶剤(E)の含有率は、レジスト組成物中、通常90質量%以上99.9質量%以下で
あり、好ましくは92質量%以上99質量%以下であり、より好ましくは94質量%以上
99質量%以下である。溶剤(E)の含有率は、例えば液体クロマトグラフィー又はガス
クロマトグラフィー等の公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及び
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類
;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢
酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルイソブチ
ルケトン、2-ヘプタノン及びシクロヘキサノン等のケトン類;γ-ブチロラクトン等の
環状エステル類;等を挙げることができる。溶剤(E)の1種を単独で使用してもよく、
2種以上を使用してもよい。
【0182】
<クエンチャー(C)>
クエンチャー(C)としては、酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を
発生する塩、及び塩基性の含窒素有機化合物が挙げられる。クエンチャー(C)の含有量
は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01~5質量%程度であることが好ましく
、0.01~3質量%程度であることがより好ましい。
【0183】
<酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩>
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩における酸性度は、
酸解離定数(pKa)で示される。酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸
を発生する塩は、該塩から発生する酸の酸解離定数が、通常-3<pKaの塩であり、好
ましくは-1<pKa<7の塩であり、より好ましくは0<pKa<5の塩である。
酸発生剤(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩としては、下記式で
表される塩、特開2015-147926号公報記載の式(D)で表される塩(以下、「
弱酸分子内塩(D)」という場合がある。)、並びに特開2012-229206号公報
、特開2012-6908号公報、特開2012-72109号公報、特開2011-3
9502号公報及び特開2011-191745号公報記載の塩が挙げられる。酸発生剤
(B)から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩として好ましくは、弱酸分子内
塩(D)である。
【0184】
弱酸分子内塩(D)としては、以下の塩が挙げられる。
【0185】
塩基性の含窒素有機化合物としては、アミン及びアンモニウム塩が挙げられる。アミン
としては、脂肪族アミン及び芳香族アミンが挙げられる。脂肪族アミンとしては、第一級
アミン、第二級アミン及び第三級アミンが挙げられる。
アミンとしては、1-ナフチルアミン、2-ナフチルアミン、アニリン、ジイソプロピ
ルアニリン、2-,3-又は4-メチルアニリン、4-ニトロアニリン、N-メチルアニ
リン、N,N-ジメチルアニリン、ジフェニルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン
、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、
ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルア
ミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、
トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、
トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン
、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、
メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチ
ルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン
、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘ
キシルメチルアミン、トリス〔2-(2-メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソ
プロパノールアミン、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジア
ミン、4,4’-ジアミノ-1,2-ジフェニルエタン、4,4’-ジアミノ-3,3’
-ジメチルジフェニルメタン、4,4’-ジアミノ-3,3’-ジエチルジフェニルメタ
ン、2,2’-メチレンビスアニリン、イミダゾール、4-メチルイミダゾール、ピリジ
ン、4-メチルピリジン、1,2-ジ(2-ピリジル)エタン、1,2-ジ(4-ピリジ
ル)エタン、1,2-ジ(2-ピリジル)エテン、1,2-ジ(4-ピリジル)エテン、
1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン、1,2-ジ(4-ピリジルオキシ)エタン、ジ(
2-ピリジル)ケトン、4,4’-ジピリジルスルフィド、4,4’-ジピリジルジスル
フィド、2,2’-ジピリジルアミン、2,2’-ジピコリルアミン、ビピリジン等が挙
げられ、好ましくはジイソプロピルアニリン等の芳香族アミンが挙げられ、より好ましく
は2,6-ジイソプロピルアニリンが挙げられる。
アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピ
ルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシル
アンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメ
チルアンモニウムヒドロキシド、3-(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド、テトラ-n-ブチルアンモニウムサリチラート及びコリン等が挙げ
られる。
【0186】
〈その他の成分〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、上述の成分以外の成分(以下「その他の成
分(F)」という場合がある。)を含有していてもよい。その他の成分(F)に特に限定
はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば、増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定
剤、染料等を利用できる。
【0187】
〈レジスト組成物の調製〉
本発明のレジスト組成物は、本発明の樹脂(A)、酸発生剤(B)及び酸発生剤から発
生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩、並びに、必要に応じて、樹脂(AX)、樹
脂(X)、クエンチャー(C)、溶剤(E)及びその他の成分(F)を混合することによ
り調製することができる。混合順は任意であり、特に限定されるものではない。混合する
際の温度は、10~40℃から、樹脂等の種類や樹脂等の溶剤(E)に対する溶解度等に
応じて適切な温度を選ぶことができる。混合時間は、混合温度に応じて、0.5~24時
間の中から適切な時間を選ぶことができる。なお、混合手段も特に制限はなく、攪拌混合
等を用いることができる。
各成分を混合した後は、孔径0.003~0.2μm程度のフィルターを用いてろ過す
ることが好ましい。
【0188】
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、及び
(5)加熱後の組成物層を現像する工程を含む。
レジスト組成物を基板上に塗布するには、スピンコーター等、通常、用いられる装置に
よって行うことができる。基板としては、シリコンウェハ等の無機基板が挙げられる。レ
ジスト組成物を塗布する前に、基板を洗浄してもよく、基板上に反射防止膜等が形成され
ていてもよい。
塗布後の組成物を乾燥することにより、溶剤を除去し、組成物層を形成する。乾燥は、
例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させること(いわゆるプリベー
ク)により行うか、あるいは減圧装置を用いて行う。加熱温度は、50~200℃である
ことが好ましく、加熱時間は、10~180秒間であることが好ましい。また、減圧乾燥
する際の圧力は、1~1.0×105Pa程度であることが好ましい。
得られた組成物層に、通常、露光機を用いて露光する。露光機は、液浸露光機であって
もよい。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマ
レーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレ
ーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を
波長変換して遠紫外域または真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、電子線や、超
紫外光(EUV)を照射するもの等、種々のものを用いることができる。尚、本明細書に
おいて、これらの放射線を照射することを総称して「露光」という場合がある。露光の際
、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源が電子
線の場合は、マスクを用いずに直接描画により露光してもよい。
露光後の組成物層を、酸不安定基における脱保護反応を促進するために加熱処理(いわ
ゆるポストエキスポジャーベーク)を行う。加熱温度は、通常50~200℃程度、好ま
しくは70~150℃程度である。
加熱後の組成物層を、通常、現像装置を用いて、現像液を利用して現像する。現像方法
としては、ディップ法、パドル法、スプレー法、ダイナミックディスペンス法等が挙げら
れる。現像温度は、例えば、5~60℃であることが好ましく、現像時間は、例えば、5
~300秒間であることが好ましい。現像液の種類を以下のとおりに選択することにより
、ポジ型レジストパターン又はネガ型レジストパターンを製造できる。
【0189】
本発明のレジスト組成物からポジ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として
アルカリ現像液を用いる。アルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水
溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2-ヒドロキシ
エチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
アルカリ現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。
現像後レジストパターンを超純水で洗浄し、次いで、基板及びパターン上に残った水を
除去することが好ましい。
本発明のレジスト組成物からネガ型レジストパターンを製造する場合は、現像液として
有機溶剤を含む現像液(以下「有機系現像液」という場合がある)を用いる。
有機系現像液に含まれる有機溶剤としては、2-ヘキサノン、2-ヘプタノン等のケト
ン溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエ
ステル溶剤;酢酸ブチル等のエステル溶剤;プロピレングリコールモノメチルエーテル等
のグリコールエーテル溶剤;N,N-ジメチルアセトアミド等のアミド溶剤;アニソール
等の芳香族炭化水素溶剤等が挙げられる。
有機系現像液中、有機溶剤の含有率は、90質量%以上100質量%以下が好ましく、
95質量%以上100質量%以下がより好ましく、実質的に有機溶剤のみであることがさ
らに好ましい。
中でも、有機系現像液としては、酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンを含む現像液が
好ましい。有機系現像液中、酢酸ブチル及び2-ヘプタノンの合計含有率は、50質量%
以上100質量%以下が好ましく、90質量%以上100質量%以下がより好ましく、実
質的に酢酸ブチル及び/又は2-ヘプタノンのみであることがさらに好ましい。
有機系現像液には、界面活性剤が含まれていてもよい。また、有機系現像液には、微量
の水分が含まれていてもよい。
現像の際、有機系現像液とは異なる種類の溶剤に置換することにより、現像を停止して
もよい。
現像後のレジストパターンをリンス液で洗浄することが好ましい。リンス液としては、
レジストパターンを溶解しないものであれば特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶
液を使用することができ、好ましくはアルコール溶剤又はエステル溶剤である。
洗浄後は、基板及びパターン上に残ったリンス液を除去することが好ましい。
【0190】
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエ
キシマレーザ露光用のレジスト組成物、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又はEU
V露光用のレジスト組成物として好適であり、電子線(EB)露光用のレジスト組成物又
はEUV露光用のレジスト組成物としてより好適であり、半導体の微細加工に有用である
。
【実施例】
【0191】
実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す
「%」及び「部」は、特記しないかぎり質量基準である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで下記条件により求めた
値である。
装置:HLC-8120GPC型(東ソー社製)
カラム:TSKgel Multipore HXL-M x 3 + guardcolumn(東ソー社製)
溶離液:テトラヒドロフラン
流量:1.0mL/min
検出器:RI検出器
カラム温度:40℃
注入量:100μl
分子量標準:標準ポリスチレン(東ソー社製)
また、化合物の構造は、質量分析(LCはAgilent製1100型、MASSはA
gilent製LC/MSD型)を用い、分子イオンピークを測定することで確認した。
以下の実施例ではこの分子イオンピークの値を「MASS」で示す。
【0192】
樹脂の合成
樹脂の合成において使用した化合物(モノマー)を下記に示す。
以下、これらのモノマーを式番号に応じて「モノマー(a1-1-3)」等という。
【0193】
実施例1〔樹脂A1の合成〕
モノマーとして、アセトキシスチレン、モノマー(a1-1-3)、モノマー(a1-
2-6)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比〔アセトキシスチレン:モノマー(
a1-1-3):モノマー(a1-2-6):モノマー(I-1)〕が、38:24:2
8:10の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計
質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol
%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、
重合反応液に、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加え、12時間攪
拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ
過・回収することにより、重量平均分子量が約5.6×10
3である樹脂A1(共重合体
)を収率72%で得た。この樹脂A1は、以下の構造単位を有するものである。
【0194】
実施例2〔樹脂A2の合成〕
モノマーとして、アセトキシスチレン、モノマー(a1-2-6)及びモノマー(I-
1)を用い、そのモル比〔アセトキシスチレン:モノマー(a1-2-6):モノマー(
I-1)〕が、38:28:34の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合
物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合し
た。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モ
ル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで
重合を行った。その後、重合反応液に、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液を加え、12時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに
注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.6×10
3で
ある樹脂A2(共重合体)を収率88%で得た。この樹脂A2は、以下の構造単位を有す
るものである。
【0195】
実施例3〔樹脂A3の合成〕
モノマーとして、アセトキシスチレン、モノマー(a1-1-3)及びモノマー(I-
1)を用い、そのモル比〔アセトキシスチレン:モノマー(a1-1-3):モノマー(
I-1)〕が、38:24:38の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合
物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合し
た。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モ
ル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで
重合を行った。その後、重合反応液に、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水
溶液を加え、12時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに
注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.7×10
3で
ある樹脂A3(共重合体)を収率59%で得た。この樹脂A3は、以下の構造単位を有す
るものである。
【0196】
実施例4〔樹脂A4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a1-2-6)、モノマー(a3-1-1)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比
〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):モノマー(a1-2-6):
モノマー(a3-1-1):モノマー(I-1)〕が、38:20:29:3:10の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるよう
に添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、p-トルエン
スルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量のn
-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.
9×10
3である樹脂A4(共重合体)を収率61%で得た。この樹脂A4は、以下の構
造単位を有するものである。
【0197】
実施例5〔樹脂A5の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-2)、モノマー(
a3-1-1)、モノマー(a3-2-1)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比
〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-2):モノマー(a3-1-1):
モノマー(a3-2-1):モノマー(I-1)〕が、30:20:10:10:30の
割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対し
て、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モ
ノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約
5時間加熱した。その後、重合反応液を23℃まで冷却した後、p-トルエンスルホン酸
水溶液を加え、3時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量のn-ヘプタン
に注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.9×10
3
である樹脂A5を収率59%で得た。この樹脂A5は、以下の構造単位を有するものであ
る。
【0198】
実施例6〔樹脂A6の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a2-1-1)、モノマー(a3-1-1)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比
〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):モノマー(a2-1-1):
モノマー(a3-1-1):モノマー(I-1)〕が、34:25:3:3:35の割合
となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、
1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてア
ゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマ
ー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時
間加熱した。その後、重合反応液を23℃まで冷却した後、p-トルエンスルホン酸水溶
液を加え、3時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量のn-ヘプタンに注
ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.6×10
3であ
る樹脂A6を収率56%で得た。この樹脂A6は、以下の構造単位を有するものである。
【0199】
実施例7〔樹脂A7の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a1-2-6)、モノマー(a2-1-3)、モノマー(a3-4-2)及びモノマー(
I-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):
モノマー(a1-2-6):モノマー(a2-1-3):モノマー(a3-4-2):モ
ノマー(I-1)〕が、32:20:25:3:10:10の割合となるように混合し、
さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチル
イソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1
.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、
重合反応液を23℃まで冷却した後、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、3時間攪拌
した後、分液した。回収された有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ
過・回収することにより、重量平均分子量が約5.7×10
3である樹脂A7を収率59
%で得た。この樹脂A7は、以下の構造単位を有するものである。
【0200】
実施例8〔樹脂A8の合成〕
モノマーとして、アセトキシスチレン、モノマー(a1-1-3)、モノマー(a1-
2-6)及びモノマー(I-3)を用い、そのモル比〔アセトキシスチレン:モノマー(
a1-1-3):モノマー(a1-2-6):モノマー(I-3)〕が、38:24:2
8:10の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計
質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol
%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、
重合反応液に、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加え、12時間攪
拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ
過・回収することにより、重量平均分子量が約5.4×10
3である樹脂A8(共重合体
)を収率66%で得た。この樹脂A8は、以下の構造単位を有するものである。
【0201】
実施例9〔樹脂A9の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a1-2-6)、モノマー(a3-1-1)及びモノマー(I-3)を用い、そのモル比
〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):モノマー(a1-2-6):
モノマー(a3-1-1):モノマー(I-3)〕が、38:20:29:3:10の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるよう
に添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、p-トルエン
スルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量のn
-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.
5×10
3である樹脂A9(共重合体)を収率57%で得た。この樹脂A9は、以下の構
造単位を有するものである。
【0202】
実施例10〔樹脂A10の合成〕
モノマーとして、アセトキシスチレン、モノマー(a1-1-3)、モノマー(a1-
2-6)及びモノマー(I-5)を用い、そのモル比〔アセトキシスチレン:モノマー(
a1-1-3):モノマー(a1-2-6):モノマー(I-5)〕が、38:24:2
8:10の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計
質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol
%となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、
重合反応液に、25%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を加え、12時間攪
拌した後、分液した。得られた有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ
過・回収することにより、重量平均分子量が約5.5×10
3である樹脂A10(共重合
体)を収率61%で得た。この樹脂A10は、以下の構造単位を有するものである。
【0203】
実施例11〔樹脂A11の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a1-2-6)、モノマー(a3-1-1)及びモノマー(I-5)を用い、そのモル比
〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):モノマー(a1-2-6):
モノマー(a3-1-1):モノマー(I-5)〕が、38:20:29:3:10の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるよう
に添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、p-トルエン
スルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量のn
-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.
2×10
3である樹脂A11(共重合体)を収率59%で得た。この樹脂A11は、以下
の構造単位を有するものである。
【0204】
実施例12〔樹脂A12の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a1-2-6)、モノマー(a2-1-3)、モノマー(a3-4-2)及びモノマー(
I-3)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):
モノマー(a1-2-6):モノマー(a2-1-3):モノマー(a3-4-2):モ
ノマー(I-3)〕が、32:20:25:3:10:10の割合となるように混合し、
さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチル
イソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1
.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、
重合反応液を23℃まで冷却した後、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、3時間攪拌
した後、分液した。回収された有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ
過・回収することにより、重量平均分子量が約5.4×10
3である樹脂A12を収率5
5%で得た。この樹脂A12は、以下の構造単位を有するものである。
【0205】
実施例13〔樹脂A13の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a1-1-3)、モノマー(
a1-2-6)、モノマー(a2-1-3)、モノマー(a3-4-2)及びモノマー(
I-5)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3):
モノマー(a1-2-6):モノマー(a2-1-3):モノマー(a3-4-2):モ
ノマー(I-5)〕が、32:20:25:3:10:10の割合となるように混合し、
さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチル
イソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニト
リル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1
.2mol%及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、
重合反応液を23℃まで冷却した後、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、3時間攪拌
した後、分液した。回収された有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ
過・回収することにより、重量平均分子量が約5.4×10
3である樹脂A13を収率5
7%で得た。この樹脂A13は、以下の構造単位を有するものである。
【0206】
合成例1〔樹脂AX1の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-1-2)、モノマー(a3-1-1)、モノマー(
a3-2-1)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-1-2)
:モノマー(a3-1-1):モノマー(a3-2-1):モノマー(I-1)〕が、2
0:20:30:30の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モ
ノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られ
た混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4-ジメチル
バレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加
し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、重合反応液を、大量のn-ヘプタンに
注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.7×10
3で
ある樹脂AX1を収率89%で得た。この樹脂AX1は、以下の構造単位を有するもので
ある。
【0207】
合成例2〔樹脂AX2の合成〕
モノマーとして、モノマー(a2-1-1)、モノマー(a3-1-1)及びモノマー
(I-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a2-1-1):モノマー(a3-1-1)
:モノマー(I-1)〕が、20:45:35の割合となるように混合し、さらに、この
モノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケ
トンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾ
ビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%
及び3.6mol%添加し、これらを73℃で約5時間加熱した。その後、重合反応液を
、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子
量が約5.9×10
3である樹脂AX2を収率89%で得た。この樹脂AX2は、以下の
構造単位を有するものである。
【0208】
合成例3〔樹脂AX3の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)及びモノマー(a1-1-3)を用い、そ
のモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-1-3)〕が、38:62の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるよう
に添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、p-トルエン
スルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、大量のn
-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.
1×10
3である樹脂AX3(共重合体)を収率53%で得た。この樹脂AX3は、以下
の構造単位を有するものである。
【0209】
合成例4〔樹脂AX4の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)及びモノマー(a1-2-6)を用い、そ
のモル比〔モノマー(a1-4-2):モノマー(a1-2-6)〕が、38:62の割
合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して
、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤として
アゾビスイソブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、それぞれ、7mol%
となるように添加し、これを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重
合反応液に、p-トルエンスルホン酸水溶液を加え、6時間攪拌した後、分液した。回収
された有機層を、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより
、重量平均分子量が約5.9×10
3である樹脂AX4(共重合体)を収率85%で得た
。この樹脂AX4は、以下の構造単位を有するものである。
【0210】
合成例5〔樹脂AX5の合成〕
モノマーとして、アセトキシスチレン及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比〔ア
セトキシスチレン:モノマー(I-1)〕が、38:62の割合となるように混合し、さ
らに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイ
ソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリ
ルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、これを85℃で
約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液に、25%テトラメチルアン
モニウムヒドロキシド水溶液を加え、12時間攪拌した後、分液した。得られた有機層を
、大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子
量が約5.8×10
3である樹脂AX5(共重合体)を収率82%で得た。この樹脂AX
5は、以下の構造単位を有するものである。
【0211】
合成例6〔樹脂AX6の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-2-6)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル
比〔モノマー(a1-2-6):モノマー(I-1)〕が、66:34の割合となるよう
に混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマーの合計質量に対して、1.5質量
倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混合物に、開始剤としてアゾビスイソ
ブチロニトリルを全モノマーの合計モル数に対して、7mol%となるように添加し、こ
れを85℃で約5時間加熱することで重合を行った。その後、重合反応液を、大量のn-
ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量が約5.2
×10
3である樹脂AX6(共重合体)を収率62%で得た。この樹脂AX6は、以下の
構造単位を有するものである。
【0212】
合成例7〔樹脂AX7の合成〕
モノマーとして、モノマー(a1-4-2)、モノマー(a2-1-1)、モノマー(
a3-1-1)及びモノマー(I-1)を用い、そのモル比〔モノマー(a1-4-2)
:モノマー(a2-1-1):モノマー(a3-1-1):モノマー(I-1)〕が、3
4:3:3:50の割合となるように混合し、さらに、このモノマー混合物に、全モノマ
ーの合計質量に対して、1.5質量倍のメチルイソブチルケトンを混合した。得られた混
合物に、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル及びアゾビス(2,4-ジメチルバレ
ロニトリル)を全モノマー量に対して各々、1.2mol%及び3.6mol%添加し、
これらを73℃で約5時間加熱した。その後、重合反応液を23℃まで冷却した後、p-
トルエンスルホン酸水溶液を加え、3時間攪拌した後、分液した。回収された有機層を、
大量のn-ヘプタンに注ぎ樹脂を析出させ、ろ過・回収することにより、重量平均分子量
が約5.7×10
3である樹脂AX7を収率86%で得た。この樹脂AX7は、以下の構
造単位を有するものである。
【0213】
<レジスト組成物の調製>
表1に示す各成分を混合して溶解することにより得られた混合物を孔径0.2μmのフ
ッ素樹脂製フィルターで濾過し、レジスト組成物を調製した。
【表1】
【0214】
<樹脂>
A1~A13、AX1~AX7:樹脂A1~樹脂A13、樹脂AX1~樹脂AX7
<酸発生剤(B)>
B1-43:式(B1-43)で表される塩(特開2016-47815号公報の実施
例に従って合成)
<クエンチャー(C)>
(酸発生剤から発生する酸よりも酸性度の弱い酸を発生する塩)
D1:特開2011-39502号公報記載の方法で合成
<溶剤>
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 150部
γ-ブチロラクトン 5部
【0215】
(レジスト組成物の電子線露光評価:アルカリ現像)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラザ
ンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成物
層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプレ
ート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。ウ
ェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS-F1
25 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させてコンタクトホールパターン
(ホールピッチ40nm/ホール径17nm)を直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポ
ジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶
液で60秒間のパドル現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、形成したホール径が17nmとなる露光
量を実効感度とした。
【0216】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径17nmで形成したパターンのホール径を、一つのホール
につき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の
、ホール径17nmで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集
団として標準偏差を求めた。
その結果を表2に示す。表内の数値は各例におけるCDUの標準偏差(nm)を示す。
【表2】
比較組成物1、2、参考組成物1~5と比較して、組成物1~13での標準偏差が小さ
く、CD均一性(CDU)評価が良好であった。
【0217】
(レジスト組成物の電子線露光評価:酢酸ブチル現像)
6インチのシリコンウェハを、ダイレクトホットプレート上で、ヘキサメチルジシラ
ザンを用いて90℃で60秒処理した。このシリコンウェハに、レジスト組成物を、組成
物層の膜厚が0.04μmとなるようにスピンコートした。その後、ダイレクトホットプ
レート上で、表1の「PB」欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。
ウェハ上に形成された組成物層に、電子線描画機〔(株)エリオニクス製の「ELS-F
125 125keV」〕を用い、露光量を段階的に変化させて、現像後にコンタクトホ
ールパターン(ホールピッチ50nm/ホール径23nm)になるように直接描画した。
露光後、ホットプレート上にて表1の「PEB」欄に示す温度で60秒間ポストエキスポ
ジャーベークを行った。次いで、このシリコンウェハ上の組成物層を、現像液として酢酸
ブチル(東京化成工業(株)製)を用いて、23℃で20秒間ダイナミックディスペンス
法によって現像を行うことにより、レジストパターンを得た。
現像後に得られたレジストパターンにおいて、形成したホール径が23nmとなる露光
量を実効感度とした。
【0218】
<CD均一性(CDU)評価>
実効感度において、ホール径23nmで形成したパターンのホール径を、一つのホール
につき24回測定し、その平均値を一つのホールの平均ホール径とした。同一ウェハ内の
、ホール径23nmで形成したパターンの平均ホール径を400箇所測定したものを母集
団として標準偏差を求めた。
その結果を表3に示す。表内の数値は各例におけるCDUの標準偏差(nm)を示す。
【表3】
比較組成物1、2、参考組成物1~5と比較して、組成物5~8、12、13での標準
偏差が小さく、CD均一性(CDU)評価が良好であった。
【産業上の利用可能性】
【0219】
本発明の樹脂及びそれを含むレジスト組成物は、良好なCD均一性(CDU)を有する
レジストパターンを得られるため、半導体の微細加工に好適であり、産業上極めて有用で
ある。