(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-20
(45)【発行日】2024-11-28
(54)【発明の名称】エッジリングの高度管理のための二重リフト機構を備える半導体処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20241121BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241121BHJP
【FI】
H01L21/31 A
H01L21/302 101G
(21)【出願番号】P 2022550738
(86)(22)【出願日】2021-02-22
(86)【国際出願番号】 US2021019099
(87)【国際公開番号】W WO2021173498
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2024-02-16
(32)【優先日】2020-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドルウェリー・ジョン・スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】タッパン・ジェームス・イー.
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-146472(JP,A)
【文献】特開平07-074155(JP,A)
【文献】特開2005-203490(JP,A)
【文献】特開2014-232884(JP,A)
【文献】特開平09-162258(JP,A)
【文献】特開2014-165182(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
半導体処理チャンバと、
前記半導体処理チャンバ内に位置するウエハ支持面と、
1つ以上の二重リフト機構を、を備え、
各二重リフト機構は、
第1の接触面を有する第1のリフタ構造体と、
第2の接触面を有する第2のリフタ構造体と、
共通フランジ構造体と、
1つ以上のアクチュエータと、を含み、
各二重リフト機構の前記1つ以上のアクチュエータは、各々、その二重リフト機構の前記共通フランジ構造体に取り付けられ、
各二重リフト機構の前記1つ以上のアクチュエータは、
前記第1のリフタ構造体の前記第1の接触面が、第1の高度と第2の高度との間で動くように、その二重リフト機構のその第1のリフタ構造体を前記ウエハ支持面に垂直な第1の軸に沿って移動させ、
前記第2のリフタ構造体の前記第2の接触面が、第3の高度と第4の高度との間で動くように、その二重リフト機構のその第2のリフタ構造体を前記第1の軸に沿って移動させ、
その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記第1の軸に沿った同時移動なしに、その二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体が前記第1の軸に沿って少なくとも部分的に動かされることを可能にするように作動可能に構成され、
前記ウエハ支持面は、一定の外周を有し、
各二重リフト機構は、その前記第1のリフタ構造体および前記第2のリフタ構造体が前記外周の外側に位置するように配置されている、装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置であって、さらに、
上部エッジリングおよび下部エッジリングを備え、
前記上部エッジリングは、前記第1の軸に沿って見たときに、前記下部エッジリングと重なり、
前記上部エッジリングは、前記下部エッジリングと同心であり、
前記上部エッジリングは、前記ウエハ支持面の外径よりも大きい内径を有し、
各二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記第1の接触面は、その二重リフト機構がその前記第1の接触面を前記第1の高度にするように動作するときは、前記下部エッジリングと接触し、
各二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体の前記第2の接触面は、その二重リフト機構がその前記第2の接触面を前記第4の高度にするように動作するときは、前記上部エッジリングと接触する、装置。
【請求項3】
請求項1に記載の装置であって、
前記第1の高度と前記第2の高度との間の第1の距離は、前記第3の高度と前記第4の高度との間の第2の距離よりも短い、装置。
【請求項4】
請求項1に記載の装置であって、
各二重リフト機構は、その前記共通フランジ構造体によって前記半導体処理チャンバに接続されている、装置。
【請求項5】
請求項1に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、
その二重リフト機構の前記1つ以上のアクチュエータは、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを含み、
その二重リフト機構の前記第1のアクチュエータは、作動されたときに前記第1のリフタ構造体を前記第1の軸に沿って移動させるように構成され、
その二重リフト機構の前記第2のアクチュエータは、作動されたときに前記第2のリフタ構造体を前記第1の軸に沿って移動させるように構成され、
その二重リフト機構の前記共通フランジ構造体は、第1の側面であって、前記第1の側面を貫通して延びる第1の開口部および前記第1の側面を貫通して延びる第2の開口部を含む第1の側面を有し、
その二重リフト機構の前記共通フランジ構造体の前記第1の側面は、前記半導体処理チャンバの一部と嵌合され、
その二重リフト機構の前記第1のアクチュエータは、その二重リフト機構の前記共通フランジ構造体の前記第1の開口部内に位置し、
その二重リフト機構の前記第2のアクチュエータは、その二重リフト機構の前記共通フランジ構造体の前記第2の開口部内に位置する、装置。
【請求項6】
請求項5に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、
その二重リフト機構の前記第1のアクチュエータは、電気機械式アクチュエータであり、
その二重リフト機構の前記第2のアクチュエータは、空気圧式アクチュエータである、装置。
【請求項7】
請求項5に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、その二重リフト機構の前記第1のアクチュエータは、電気モータによって駆動されるねじアクチュエータである、装置。
【請求項8】
請求項5に記載の装置であって、
前記ウエハ支持面を取り囲む円に沿って配置された3つの二重リフト機構がある、装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置であって、
各二重リフト機構は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体およびその二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体の両方が、前記円と同心の環状領域であって、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体およびその二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体と外接する最小円の直径よりも小さい環状径方向幅を有する前記環状領域内にあるように配向されている、装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置であって、
各二重リフト機構は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体およびその二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体を通る第1の基準面が、前記円に接する、前記第1の軸に平行な第2の基準面に平行になるように配向されている、装置。
【請求項11】
請求項1に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体および前記第2のリフタ構造体は、互いに同軸である、装置。
【請求項12】
請求項11に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、
その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体は、貫通して前記第1の軸に沿って延びる孔を有し、
その二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記孔を通る、装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置であって、
各二重リフト機構は、ばねを備え、各二重リフト機構について、
その二重リフト機構の前記ばねは、前記第1のリフタ構造体の前記第1の接触面が前記第1の高度から前記第2の高度に移動するように動かされたときに、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体によって動かされた距離の少なくともいくらかの部分について、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体に対して力を加えるように構成され、
その二重リフト機構の前記ばねによって加えられた前記力は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体を前記第2の高度に向けて付勢する、装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、その二重リフト機構の前記ばねは、前記第1のリフタ構造体の前記第1の接触面が前記第1の高度から前記第2の高度に移動するように動かされたときに、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体によって動かされた前記距離の全てについて、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体に対して力を加えるように構成されている、装置。
【請求項15】
請求項12に記載の装置であって、
各二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体が、その二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体に対する第1の位置を通過することを防ぐようにサイズ決めされた停止面を備える、装置。
【請求項16】
請求項12に記載の装置であって、
各二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体が、前記共通フランジ構造体に対する第1の位置を通過することを防ぐようにサイズ決めされた停止面を備える、装置。
【請求項17】
請求項11に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、
その二重リフト機構は、ばねをさらに備え、
その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体は、フランジ付き端部を有する管であり、
その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体は、第1の内径を有する前記管を通る孔を有し、
その二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記第1の内径よりも大きい第1の直径を有する第1の部分と、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記第1の内径よりも小さい第2の直径を有する第2の部分とを有する筒状の棒であり、
その二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体の前記第2の部分は、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記孔、および、その二重リフト機構の前記ばねを通る、装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、
各二重リフト機構の前記ばねは、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体の前記第1の接触面が前記第1の高度から前記第2の高度に移動するように、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体および前記第2のリフタ構造体が動かされたときに、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体が、その二重リフト機構の前記第2のリフタ構造体の前記第1の部分と継続して押圧されて接するように、その二重リフト機構の前記第1のリフタ構造体と前記共通フランジ構造体に固定された表面との間で圧縮される、装置。
【請求項19】
請求項11に記載の装置であって、
各二重リフト機構について、その二重リフト機構の前記1つ以上のアクチュエータは、単一アクチュエータである、装置。
【請求項20】
請求項19に記載の装置であって、
前記単一アクチュエータは、電気モータによって駆動されるねじアクチュエータである、装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[関連出願]
本願の一部としてPCT申請書が本明細書と同時に提出される。本出願が、同時に提出されたPCT申請書において特定された利益または優先権を主張する各出願は、その全体が、あらゆる目的のために、参照により本明細書に援用される。
【0002】
いくつかの半導体処理チャンバは、エッジリングであって、一般に環状形状であり、半導体処理チャンバが処理するように構成されたウエハの直径よりもわずかに大きく、または小さくサイズ決めされた円形開口部を中央に有するエッジリングを用いる。かかるエッジリングは通常、ウエハの処理中に生じうるエッジ位置の不均一性を管理またはより上手く制御するように設けられる。
【0003】
半導体処理チャンバは、半導体ウエハなどの基板上で処理を実施する(「基板」、「ウエハ」、および「半導体ウエハ」は、本明細書において同義で用いられてよい)。基板処理の例は、堆積、アッシング、エッチング、洗浄、および/または他の処理を含む。基板を処理するために、処理ガス混合物が処理チャンバに供給されてよい。プラズマは、ガスを点火して化学反応を促進するために用いられてよい。
【0004】
処理の間、基板は、基板支持体またはウエハ支持体の上に配置される。エッジリングは、基板の最外端の周囲に隣接して設置されてよい。エッジリングは、プラズマを基板上に形成する、または集中させるために用いられてよい。動作中に、基板およびエッジリングの露出面は、プラズマによってエッチングされる。その結果、エッジリングは摩耗し、プラズマに対するエッジリングの効果は時間と共に変化する。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の発明を実施するための形態に記載される。他の特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0006】
いくつかの新型の半導体処理システム(例えば、米国仮特許出願第62/882,890号(2019年8月5日出願)および第62/976,088号(2020年2月13日出願)に記載の半導体処理システム)(いずれの出願も、その全てが参照により本明細書において援用される)では、半導体処理システムは、複数のエッジリング(チャンバあたり、またはステーションあたり)を含む半導体処理チャンバを備えてよい。かかるシステムでは、処理チャンバ環境に直接露出した上面エッジリングまたは上部エッジリングが設けられてよく、上部エッジリングに対して動くことができる第2のエッジリング(例えば、下部エッジリングまたは底部エッジリング)も設けられて、下部エッジリング、上部エッジリング、およびウエハ支持体によって、下部エッジリングと上部エッジリングとの間の容量結合の微調整が可能になってよい。
【0007】
いくつかのかかるシステムにおける上部エッジリングは、ウエハ処理環境への曝露により摩耗するため、定期的に交換されてよい。かかる交換は、上部エッジリングが通常、複数のリフトピンまたは他の同様のリフタ構造体を用いて置かれうるウエハ支持体の一部(または、周囲構造体)からの上部エッジリングの取り外しを伴ってよい。リフタ構造体は通常、垂直軸に沿って伸長または収縮できる(通常、非導電性材料または誘電体材料で作られる)長細いピンによって提供される。上部エッジリングのリフタ構造体は、通常、ウエハ支持領域の中心にあり、かかるシステムによって処理されるウエハの直径よりも大きく、その上部エッジリングの公称外径よりも小さい円に沿って、3つのほぼ等間隔位置(必ずしも等間隔である必要はないが、上部エッジリングを持ち上げるために安定した支持を提供する任意の3つ以上の地点が用いられてよい)に位置する。各かかるリフタ構造体は、アクチュエータと接続されてよく、アクチュエータは次に、かかるリフタ構造体を一緒に上向きまたは下向きに動かすように制御されてよい。上部エッジリングの取り外しおよび交換動作の間、上部エッジリングのリフタ構造体は、これらのリフタ構造体の接触面が上部エッジリングの裏面と接触し、ウエハ搬送ロボットが上部エッジリングの下(例えば、持ち上げられた上部エッジリングとウエハ支持体またはウエハ台座との間)にエンドエフェクタを挿入するよう制御できるのに十分な距離によって、上部エッジリングを垂直方向上向きに押すように動作してよい。上部エッジリングのリフタ構造体は、次に収縮され、上部エッジリングがウエハ搬送ロボットのエンドエフェクタ上に降ろされてよい。これと同じプロセスは、取り外した上部エッジリングの位置で新しい上部エッジリングを交換するために、逆の順序で実施されてよい。
【0008】
かかるシステムは、下部エッジリングを異なる高さの間で動かすために用いられうる別のリフタ構造体を提供してもよい。かかる垂直移動は、通常、上部エッジリングの交換中に上部エッジリングに対して実施される垂直移動よりも規模がずっと小さく、使用中の半導体処理ステーションの様々な動作パラメータ(例えば、エッジリングとウエハ支持体との間の容量結合の程度)を微調整するために実施される。かかる微調整移動は、ごくわずかな移動(例えば、約5mm未満)のみを含んでよく、上部エッジリングの下の環状領域内で生じ、上部エッジリングによって制限されてよい。よって、下部エッジリングは、上部エッジリングおよびウエハ支持体の両方に対して、それらの構成部品のいずれも動かすことなく、上下に動かされてよい。いくつかの例では、下部エッジリングは通常、処理チャンバの正常動作中に定期交換を必要としないため、リフタ構造体は、上部エッジリングのリフタ構造体の移動範囲を求めなくてよい。
【0009】
本発明者は、かかるシステムと共に用いるための二重リフタ機構を思い付いた。かかる二重リフタ機構は、各々が下部エッジリングまたは上部エッジリングをそれぞれ動かすように構成された、第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体という2つの異なるリフタ構造体のための単一装着接合部分を提供する。いくつかの実施形態では、単一装着接合部分は、半導体処理チャンバの1つの位置に取り付けられるが両方のリフタ構造体に漏出防止シールを提供する、共通のフランジ構造体によって提供されてよい。これにより、両方のリフタ構造体を支持するのに必要な格納体積を低減し、誤った部品装着による漏出機会を低減する。いくつかの実施形態では、かかる二重リフト機構の2つのリフタ構造体は、下部エッジリングの細かい位置決めに用いられるリフタ構造体を作動させるときに用いる、正確な線形移動制御が可能な電気機械的駆動リニアアクチュエータと、交換のために上部エッジリングを高位置に動かすために用いられる空気圧駆動リニアアクチュエータとの、2つの異なるアクチュエータが備えられてよい。かかる実施形態では、空気圧駆動アクチュエータは一般に、最伸長または最収縮の両極端の間で動くように正確に制御されるだけでよい。上部エッジリングの交換動作では、垂直高度の正確な制御は一般に必要ないため、かかる目的のために空気圧駆動リフタ構造体を用いることは、必要な垂直移動を得るための費用対効果の良い解決策かもしれない。しかし、かかるリフタ構造体の動作のために、下部エッジリングの高度の微調整に用いられるリフタ構造体を作動させるために用いられうる技術などの他の技術(例えば、電気機械式アクチュエータ)が用いられてよいことが認識されるだろう。
【0010】
本明細書に記載される主題の1つ以上の実施形態の詳細は、添付の図面および以下の発明を実施するための形態に記載される。他の特徴、態様、および利点は、発明を実施するための形態、図面、および特許請求の範囲から明らかになるだろう。
【0011】
用いられる可能性のある別の二重リフト機構は、二重リフト機構が1つのアクチュエータを用いて、上部エッジリングおよび下部エッジリングの両方のリフタ構造体を作動させる機構である。かかる実施形態では、リフタ構造体は、一体型アセンブリの一部であってよく、上部エッジリングのリフタ構造体のいくらかの移動部分について、両方のリフタ構造体が一緒に動くように、また、上部エッジリングのリフタ構造体の別の移動部分について、上部エッジリングのリフタ構造体が単独で(すなわち、下部エッジリングのリフタ構造体の移動なしで)動くことができるように構成されてよい。いくつかのかかる二重リフト機構は、ある時点において2つのエッジリングのうちの1つのみが動くように構成されてよいが、他のかかる二重リフト機構は、両方のエッジリングが同時に動いているときに生じるリフタ構造体のいくらかの動作範囲があるように構成されてよい。
【0012】
いくつかの実施形態では、半導体処理チャンバ、半導体処理チャンバ内に位置するウエハ支持面、および、1つ以上の二重リフト機構を備える装置が提供されてよい。各二重リフト機構は、第1の接触面を有する第1のリフト構造体、第2の接触面を有する第2のリフタ構造体、共通フランジ構造体、および、1つ以上のアクチュエータを備えてよい。かかる装置では、各二重リフト機構の1つ以上のアクチュエータは各々、その二重リフト機構の共通フランジ構造体に取り付けられてよく、各二重リフト機構の1つ以上のアクチュエータは、第1のリフタ構造体の第1の接触面が第1の高度と第2の高度との間で動くように、その二重リフト機構のその第1のリフタ構造体をウエハ支持面に垂直な第1の軸に沿って移動させ、第2のリフタ構造体の第2の接触面が第3の高度と第4の高度との間で動くように、その二重リフト機構のその第2のリフタ構造体を第1の軸に沿って移動させ、第1の軸に沿ったその二重リフト機構の第1のリフタ構造体の同時移動なしに、その二重リフト機構の第2のリフタ構造体が少なくとも部分的に第1の軸に沿って移動できるように動作可能に構成されてよい。かかる実施形態では、ウエハ支持面は一定の外周を有してもよく、各二重リフト機構は、その第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体が外周の外側に位置するように設置されてよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、この装置は、上部エッジリングおよび下部エッジリングをさらに備えてよい。かかる実施形態では、上部エッジリングは、第1の軸に沿って見たときに下部エッジリングと同心で重なってよく、上部エッジリングは、ウエハ支持面の外径よりも大きい内径を有してよく、各二重リフト機構の第1のリフタ構造体の第1の接触面は、その二重リフト機構がその第1の接触面を第1の高度にするように動作したときに、下部エッジリングと接触してよく、各二重リフト機構の第2のリフタ構造体の第2の接触面は、その二重リフト機構がその第2の接触面を第4の高度にするように動作したときに、上部エッジリングと接触してよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、第1の高度と第2の高度との間の第1の距離は、第3の高度と第4の高度との間の第2の距離よりも短い。
【0015】
いくつかの実施形態では、各二重リフト機構は、その共通フランジ構造体によって半導体処理チャンバに接続されてよい。
【0016】
いくつかの実施形態では、各二重リフト機構の1つ以上のアクチュエータは、第1のアクチュエータおよび第2のアクチュエータを含んでよく、その二重リフト機構の第1のアクチュエータは、動作したときに第1の軸に沿って第1のリフタ構造体を動かすように構成されてよく、その二重リフト機構の第2のアクチュエータは、動作したときに第1の軸に沿って第2のリフタ構造体を動かすように構成されてよく、その二重リフト機構の共通フランジ構造体は、第1の側面であって、前記第1の側面を貫通する第1の開口部および前記第1の側面を貫通する第2の開口部を含む第1の側面を有してよく、その二重リフト機構の共通フランジ構造体の第1の側面は、半導体処理チャンバの一部に嵌合されてよく、その二重リフト機構の第1のアクチュエータは、その二重リフト機構の共通フランジ構造体の第1の開口部内に位置してよく、その二重リフト機構の第2のアクチュエータは、その二重リフト機構の共通フランジ構造体の第2の開口部内に位置してよい。
【0017】
いくつかのかかる実施形態では、各二重リフト機構の第1のアクチュエータは、電気機械式アクチュエータであってよく、その二重リフト機構の第2のアクチュエータは、空気圧式アクチュエータである。
【0018】
この装置のいくつかの他のまたは追加のかかる実施形態では、各二重リフト機構の第1のアクチュエータは、電気モータによって駆動されるねじアクチュエータであってよい。
【0019】
この装置のいくつかの実施形態では、ウエハ支持面を取り囲む円に沿って3つの二重リフト機構が配置されてよい。
【0020】
いくつかのかかる実施形態では、各二重リフト機構は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体およびその二重リフト機構の第2のリフタ構造体の両方が、円と同心の環状領域であって、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体およびその二重リフト機構の第2のリフタ構造体に外接する最小円の直径よりも小さい環状径方向幅を有する環状領域内にあるように配向されてよい。
【0021】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体およびその二重リフト機構の第2のリフタ構造体を通る第1の基準面が、円に接し、第1の軸に平行な第2の基準面に平行になるように配向されてよい。
【0022】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構の第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体は、互いに同軸であってよい。
【0023】
いくつかのかかる実施形態では、各二重リフト機構の第1のリフタ構造体は、第1の軸に沿って貫通する孔を有してよく、その二重リフト機構の第2のリフタ構造体は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体の孔を通ってよい。
【0024】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構はばねを備えてよく、各二重リフト機構について、その二重リフト機構のばねは、第1のリフタ構造体の第1の接触面が第1の高度から第2の高度に移動するように動かされたときは、その二重リフト機構のその第1のリフタ構造体が移動する少なくともいくらの距離部分について、その二重リフト機構の第1のリフタ構造に力を加えるように構成され、その二重リフト機構のねじによって加えられた力は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体を第2の高度に向けて付勢してよい。
【0025】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機能のばねは、第1のリフタ構造体の第1の接触面が第1の高度から第2の高度に移動するように動かされたときは、その二重リフト機構のその第1のリフタ構造体が移動する全距離について、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体に力を加えるように構成されてよい。
【0026】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構の第2のリフタ構造体は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体が、その二重リフト機構の第2のリフタ構造体に対する第1の位置を通過することを防ぐようにサイズ決めされた停止面を備えてよい。
【0027】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構の第1のリフタ構造体は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体が、共通フランジ構造体に対する第1の位置を通過することを防ぐようにサイズ決めされた停止面を備えてよい。
【0028】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構は、ばねをさらに備えてよく、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体は、フランジ付き端部を有する管であってよく、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体は、第1の内径を有する管を通る孔を有してよく、その二重リフト機構の第2のリフタ構造体は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体の第1の内径よりも大きい第1の直径を有する第1の部分と、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体の第1の内径よりも小さい第2の直径を有する第2の部分とを有する筒状の棒であってよく、その二重リフト機構の第2のリフタ構造体の第2の部分は、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体の孔、および、その二重リフト機構のばねを通ってよい。
【0029】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構のばねは、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体の第1の接触面が第1の高度から第2の高度に移動するように、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体が動かされたときに、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体が、その二重リフト機構の第2のリフタ構造体の第1の部分と継続して圧接されるように、その二重リフト機構の第1のリフタ構造体と共通フランジ構造体に固定された表面との間に圧縮されてよい。
【0030】
この装置のいくつかの実施形態では、各二重リフト機構の1つ以上のアクチュエータは、単一アクチュエータであってよい。
【0031】
この装置のいくつかのかかる実施形態では、各二重リフト機構の単一アクチュエータは、対応する電気モータによって駆動されるねじアクチュエータであってよい。
【0032】
二重リフト機構のこれらの態様および他の態様は、図に関連して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1-1】例示的な空気圧式リフタ構造アクチュエータ。
【0034】
【
図1-2】例示的な電気機械式リフタ構造アクチュエータ。
【0035】
【
図1-3】共通フランジ構造体、空気圧式リフタ構造アクチュエータ、および電気機械式リフタ構造アクチュエータを特徴とする、例示的な二重リフト機構。
【0036】
【0037】
【
図3】二重リフト機構を有する例示的な半導体処理チャンバの部分断面図。
【0038】
【
図4】
図3の例示的な半導体処理チャンバの別の部分断面図。
【0039】
【
図5】
図3の例示的な半導体処理チャンバのさらなる部分断面図。
【0040】
【
図6】同様に
図3の例示的な半導体処理チャンバの部分断面図。
【0041】
【
図7】例示的な上部エッジリング、下部エッジリング、および二重リフト機構の上面図。
【0042】
【
図8】別の例示的な二重リフト機構を有する別の例示的な半導体処理チャンバの部分断面図。
【0043】
【
図9】
図8の例示的な半導体処理チャンバの別の部分断面図。
【0044】
【
図10】
図8の例示的な半導体処理チャンバのさらに別の部分断面図。
【0045】
【
図11】図の例示的な二重リフト機構の変形形態を有する
図8の例示的な半導体処理チャンバの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0046】
図1-1は、例示的な空気圧式リフタ構造アクチュエータを表す。図から分かるように、例示的な空気圧式リフタ構造アクチュエータ134は、上面に、二孔/留め具装着フランジ、環状Oリンググランド/溝、および、空気圧式リフタ構造アクチュエータ内のピストンまたはプランジャと嵌合するように挿入されうる、軸を受け入れるための管状容器(リフタ構造体など)を含む接合部分を有する。加圧ガス(例えば、空気)は、空気入口を通じて空気圧式アクチュエータに導入されてよい。
【0047】
図1-2は、例示的な電気機械式リフタ構造アクチュエータを表す。電気機械式リフタ構造アクチュエータ132は、空気圧式リフタ構造アクチュエータ134と同様に、上面に、二孔/留め具装着フランジ、環状Oリンググランド/溝、および、電気機械式リフタ構造アクチュエータ内のピストンまたはプランジャと嵌合するように挿入されうる、軸を受け入れるための管状容器(リフタ構造体など)を含む接合部分を有してよい。電気機械式リフタ構造アクチュエータ132は、管状容器内に取り付けられうるリフタ構造体を伸長または収縮させるように動作できるモータ152も備えてよい。
【0048】
図1-3は、共通フランジ構造体、空気圧式リフタ構造アクチュエータ、および電気機械式リフタ構造アクチュエータを特徴とする、例示的な二重リフト機構を表す。
図1-3から分かるように、リフタ構造体用のアクチュエータを受け入れるための2つの接合部分(例えば、開口部)を有する共通フランジ構造体116が設けられてよい。図の例では、空気圧式リフタ構造アクチュエータ134は、共通フランジ構造体116の開口部の1つに嵌合し、電気機械式リフタ構造アクチュエータ132は、共通フランジ構造体116の別の開口部に嵌合している。共通フランジ構造体116は、半導体処理チャンバの表面に嵌合するように構成された第1の側面140を有すると同時に、半導体処理チャンバ構造のねじ孔に挿通され、共通フランジ構造体116を半導体処理チャンバの表面に固定するために用いられうる留め具を受け入れるための2つ(以上)の貫通孔(
図1-3では、留め具はかかる孔に挿通した状態で示されている)も有してよい。Oリングは、漏出防止シールを提供するために、共通フランジ構造体116と、電気機械式リフタ構造アクチュエータ132および空気圧式リフタ構造アクチュエータ134の管状容器との間に形成された環状溝に設置されてよい。
【0049】
図2-1および
図2-2はそれぞれ、共通フランジ構造体の上面図および側面図を表す。
図2-1および
図2-2が示すように、共通フランジ構造体216は、第1の開口部236および第2の開口部238を備えてよく、第1の開口部236は、第1のアクチュエータ(例えば、下部エッジリングの高さを調節するのに用いられるリフタ構造体向け)を受け入れて取り付けるために用いられてよく、第2の開口部238は、第2のアクチュエータ(例えば、上部エッジリングの高さを調節するのに用いられるリフタ構造体向け)を受け入れて取り付けるために用いられてよい。この例では、開口部は単純な貫通孔であるが、アクチュエータがどのように取り付けられるかによって他の形態を取ってもよい。この場合、アクチュエータは、開口部236および238の中に軽く圧入されてよい。いくつかの例では、共通フランジ構造体216内のアクチュエータのさらなる固定を提供するために、係止要素(例えば、アクチュエータの外部および共通フランジ構造体の両方の要素と係合できる、横方向に挿入されるピン)が用いられてよい。
【0050】
図3は、二重リフト機構を有する例示的な半導体処理チャンバの部分断面図である。
図3(
図4~6も同様)は、半導体処理チャンバ302で処理されうるウエハ346の中心軸に垂直な方向に沿った断面図を示す。ウエハ346は、ウエハ支持体360(例えば、ウエハチャックまたは台座)によって半導体処理チャンバ302内に支持されてよく、ウエハ支持体360は、ウエハ支持面304を提供するトッププレート358を有してよい。いくつかの実施形態では、その代わりに、ウエハ支持面304は、ウエハ支持体360によって直接提供されてよい。半導体処理チャンバ302は、必要に応じて、半導体処理チャンバ302の内壁を処理ガスおよび他の潜在的に有害な条件への曝露から保護するのに役立ちうるライナ348を備えてよい。
【0051】
図3が示すように、半導体処理チャンバ302は、上部エッジリング342および下部エッジリング344を備えてもよく、下部エッジリング344は、いくつかの例では、下部エッジリング344が十分な量で上向きに動かされたときに上部エッジリング342の裏面の環状溝に受け入れ可能な上部を有してよい。
【0052】
半導体処理チャンバ302は、1つ以上(この場合は、3つ)の二重リフト機構306を備えてもよく、その各々は、電気機械式アクチュエータ332および空気圧式アクチュエータ334(
図3には示されていないため、
図5を参照)を収容する共通フランジ構造体316を備えてよい。電気機械式アクチュエータ332および空気圧式アクチュエータ334は、シール350を用いて半導体処理チャンバ302に対して密閉されてよい。
【0053】
電気機械式アクチュエータ332は、第1のリフタ構造体308と接続されてよく、空気圧式アクチュエータ334は、第2のリフタ構造体312と接続されてよい。この例では、電気機械式アクチュエータ332は、リードねじアクチュエータであり、モータ352、リードねじ354、およびリードねじナット356を有する。リードねじナット356は、リードねじ354と係合してよく、リードねじ354が(例えば、モータ352の作動によって)回転したときに、リードねじナット356が第1の軸(例えば、ウエハ346の中心軸にほぼ平行な軸)に沿って移動するように、電気機械式アクチュエータ332の他の部分と係合してよい。本明細書に記載のねじ駆動アクチュエータに、ボールねじを含む他の種類のねじ駆動アクチュエータが用いられてもよいことが理解されるだろう。
【0054】
第1のリフタ構造体308は、下部エッジリング344の裏面に接触し、下部エッジリング344の移動中に下部エッジリング344を支持するようにされうる第1の接触面310を有してよい。第1のリフタ構造体308は、電気機械式アクチュエータ332の作動によって、第1の高度322から1つ以上の他の高度に移動可能であってよい。
【0055】
第2のリフタ構造体312は、上部エッジリング342の下面に接触し、上部エッジリング342を、ウエハ支持体360、トッププレート358、ライナ348、または、上部エッジリング342を支持できる全ての構造体から上向きに持ち上げるようにできる、第2の接触面314を有してよい。
【0056】
図4は、
図3の例示的な半導体処理チャンバの別の部分断面図である。
図4では、モータ352が作動されて、リードねじ354を回転させ、リードねじナット356および第1のリフタ構造体308を上向きに移動させて、第1の接触面310が第2の高度324まで動かされた。図から分かるように、これにより下部エッジリング344は、その一部が上部エッジリング342の裏面の環状溝に受け入れられるように上向きに動かされる。モータ352は、リードねじ354を必要なだけ多くまたは少なく回転させ、下部エッジリング344が非常に少しずつ上向きまたは下向きに動かされて、下部エッジリング344の垂直位置を所望の位置に微調整できるように制御されてよいことが分かるだろう。
【0057】
図5は、
図3の例示的な半導体処理チャンバのさらなる部分断面図である。
図5では、第1のアクチュエータ332、第1のリフタ構造体308、および下部エッジリング344は、点線で描かれているか、示されていない。電気機械式アクチュエータ332ではなく空気圧式アクチュエータ334の中心を通る断面も、
図3および
図4で用いられた断面とはいくらか異なっている。図から分かるように、空気圧式アクチュエータ334は、その本体を通るピストン362を備えてよく、加圧ガスが空気入口368を通ってプレナム364に導入されたときに、加圧ガスがピストン362を上向きに押し上げ、それにより第2のリフタ構造体312も上向きに動かされるように、プレナム364を通って延びる円盤状構造体を備える。加圧ガスが除去(例えば、排気)されたときは、ばね366は、ピストン362および第2のリフタ構造体312を再び下向きに移動させてよい。
【0058】
図の構成では、第2のリフタ構造体312は、第2の接触面314が第3の高度326の位置にある。空気圧式アクチュエータ334が空気入口368を通ったガスによって加圧されたときは、第2のリフタ構造体312は上向きに移動し、
図6に示すように、第2の接触面を第3の高度326から第4の高度328まで動かしてよい。これにより第2の接触面314は、ウエハ支持体360、トッププレート358、ライナ348、または、上部エッジリング342を支持できるあらゆる他の構造体から、上部エッジリング342を持ち上げる。
【0059】
電気機械式アクチュエータ332および空気圧式アクチュエータ334は独立して動作でき、第1のリフタ構造体308および第2のリフタ構造体312が独立して(すなわち、他方の動きを生じさせることなく)動作することを可能にする。他の実施形態では、第1のリフタ構造体308の作動と第2のリフタ構造体312の作動との間に、第2のリフタ構造体のいくらかの移動部分だけそれらが一緒に動かされるいくらかの相互作用があるかもしれないが、その場合、第1のリフタ構造体が移動しない、少なくともいくらかの第2のリフタ構造体の移動部分もあるだろう。
【0060】
図7は、例示的な上部エッジリング、下部エッジリング、および二重リフト機構の上面図である。図から分かるように、下部エッジリング344は、上部エッジリング342と同心であり、上から上部エッジリング342に重なっている。また、エッジリング/ウエハ支持面/ウエハを中心とする円374の周りに、3つの二重リフト機構306が120°離れた位置で配置されていることが分かる。かかる二重リフト機構306の他の周方向の位置決め(例えば、非等間隔の二重リフト機構)が用いられてもよいことが分かるだろう。図から分かるように、二重リフト機構306は、第1のリフタ構造体308および第2のリフタ構造体312がいずれも、円374と同心で、二重リフト機構306の1つの第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体を取り囲む(すなわち、接触する)最小円の直径よりも小さい環状径方向幅を有する環状領域内に位置するように配置されてよい。つまり、二重リフト機構306の所定の1つの第1のリフタ構造体308および第2のリフタ構造体312の中心線を通る線が円374の中心を通らないように、二重リフト機構306が配置されてよい。これにより、二重リフト機構がより少ない径方向空間を占めるように配置されることが可能になり、半導体処理チャンバの省収納および省体積が可能になる。より極端な例では、
図7に示すように、所定の二重リフト機構306の第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体の両方を通る平面は、円374に接して第1の軸(または、中心軸)に平行な基準面に平行であってよい。さらに極端な例では、所定の二重リフト機構306の第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体の中心を通る線または平面376は、
図7が示すように円に接してよい。いくつかのかかる実施形態では、下部エッジリング344は、第2のリフタ構造体312が下部エッジリング付近を通ることを可能にしながら、第1のリフタ構造体308の第1の接触面310に接触するように機能できる、図のようなタブを有してよい。他の実施形態では、下部エッジリングは単に、第1の接触面に接触するようにその全周囲を通るフランジを有してよく、代わりにかかるフランジは、第2のリフタ構造体がそこを通ることを可能にする貫通孔または径方向のノッチを有してよい。
【0061】
本明細書では、空気圧式および電気機械式のアクチュエータが二重リフト機構で用いられることが示されているが、第1のリフタ構造体および第2のリフタ構造体の垂直移動を提供するために、任意の適したアクチュエータが用いられてよいことがさらに分かるだろう。従って、単に、第1のリフタ構造体の垂直移動をもたらすための第1のアクチュエータ、および、第2のリフタ構造体の垂直移動をもたらすための第2のアクチュエータに対する記載がなされてよい。
【0062】
上記は、二重リフト機構に備えられた各リフタ構造体のための別々のアクチュエータを特徴とする二重リフト機構に注目しているが、単一アクチュエータ駆動システムを特徴とする二重リフト機構を用いていくつかの重複する機能が提供されてよい。かかる単一アクチュエータの変形形態は、各リフタ構造体を互いから完全には独立して動かせないという点で自由度は低いが、かかる装置のアクチュエータ要件の低さ、および、かかる二重リフト機構を制御するためのコントローラ能力の必要性の低さから、高価ではないことを示すだろう。
【0063】
図8は、別の例示的な二重リフト機構を有する別の例示的な半導体処理チャンバの部分断面図である。
図8(
図9および
図10も同様)は、半導体処理チャンバ802内で処理されうるウエハ846の中心軸に垂直な方向に沿った断面図を示す。
図3~6の類似の処理チャンバと同様に、ウエハ846は、ウエハ支持面804を提供するトッププレート858を有しうるウエハ支持体860(例えば、ウエハチャックまたは台座)によって半導体処理チャンバ802内部で支持されてよい(
図3~6の処理チャンバと同様に、トッププレート858は任意であってよく、ウエハ支持面804は、ウエハ支持体860によって直接提供されてよい)。半導体処理チャンバ802は、必要に応じて、その内壁を処理ガスおよび他の潜在的な有害条件への曝露から保護するのに役立つことができるライナ848を備えてよい。
【0064】
半導体処理チャンバ802は、前述の上部エッジリング342および下部エッジリング344と目的および構造が同じ上部エッジリング842および下部エッジリング844も備えてよい。下部エッジリング844は、ウエハ支持体860および上部エッジリング842に対して上下に動いて、エッジリングとウエハ支持体860との間の容量結合の程度を微調整してよい。上部エッジリング842は、半導体処理チャンバ802で実施される半導体処理動作の間、ウエハ846の端部および下部エッジリング844を望ましくないエッチングまたは堆積から保護するように機能してよい。上部エッジリング342と同様に、新しい上部エッジリング842の交換のために、後に上部エッジリング842がエンドエフェクタ上に降ろされ、半導体処理チャンバ802から取り出されることが可能になるように、上部エッジリング842は、ウエハ/エッジリング搬送ロボットのエンドエフェクタが上部エッジリング842とウエハ支持体860との間に挿入されることを可能にするためにウエハ支持体860から定期的に持ち上げられる。
【0065】
図8には、第1のリフタ構造体808および第2のリフタ構造体812を備える二重リフト機構806が示されている。この例では、第1のリフタ構造体808は、半導体処理チャンバ802の壁(必要に応じて用いられる場合は、ライナ848)を通って(例えば、半導体処理チャンバ802の壁を貫通する開口部を通じて)延びるほぼ管状の構成部品(例えば、筒状スリーブ)である。これに対し、第2のリフタ構造体812は、第1のリフタ構造体808を通って延びるもっと長い構成部品(例えば、棒)である。この例では、第1のリフタ構造体808および第2のリフタ構造体812は、共に軸対称(例えば、ほぼ筒状の外観)であるが、第1のリフタ構造体808および/または第2のリフタ構造体812は、用いられる特定の構造によって非円形の断面形状を有してもよい(このことは、
図3~6に関して説明されたリフタ構造体にも当てはまる)。
【0066】
図8から明らかなように、第2のリフタ構造体812は一般に、第1のリフタ構造体808と同軸として説明されてよい。
図8が示す構造体の非同軸配置も同様の効果のために用いられ、本開示の範囲内と見なされてよいことが理解されるだろう。二重リフト機構806は、ばね866も備えてよく、ばね866は、第1のリフタ構造体808に上向きの力を加えることにより、第1のリフタ構造体808を上部エッジリング842に向かって上向きに付勢するように構成されてよい。ばね866は、例えば、二重リフト機構806の一部である共通フランジ構造体816であって、二重リフト機構806を半導体処理チャンバ802に取り付けるのに用いられる共通フランジ構造体816に対して固定される1つ以上の表面によって一端が支持されてよい。この場合、共通フランジ構造体816は、(2つのリフタ構造体に対して別々の貫通孔を提供する共通フランジ構造体316と比べて)2つのリフタ構造体に対して1つの貫通孔のみを特徴としてよい。共通フランジ構造体316と同様に、共通フランジ構造体816は、共通フランジ構造体816を半導体処理チャンバ802の外面に密閉するシール850を備えてよい。ばね866のもう一端は、例えば、第1のリフタ構造体808の底面に当接してよい。同時に、第2のリフタ構造体812は、ばね866の中心を通って延びることで、ばね866が倒れて傾く可能性を防いでよい、または、望ましくない位置に動くことを防いでよい。図のコイルまたは圧縮ばね866の代わりに、他のばね(例えば、板ばね)が用いられてよいことが分かるだろう。
【0067】
図8から分かるように、第2のリフタ構造体812は、第1のリフタ構造体808の内径(または、断面形状)よりも大きい直径(または、断面形状)を有する第1の部分と、第1のリフタ構造体808の内径(または、断面形状)よりも小さい直径(または、断面形状)を有する第2の部分とを有してよい。よって、第2のリフタ構造体812の第2の部分は、第1のリフタ構造体808を通って挿入され、そこを通じて自由に移動できるが、第2のリフタ構造体812の第1の部分と第2の部分との間の、第2のリフタ構造体のサイズ変化は、第1のフィルタ構造体808が通過することを防ぐ停止面872(
図10参照)(例えば、環状レッジ)を提供するように機能してよい。
【0068】
下部エッジリングは、例えば、第2のリフタ構造体812の第2の部分が、必ずしも下部エッジリング844に接触する必要なしにそこを通ることができるようにサイズ決めされるが、第1のリフタ構造体808がそこを通らないようにもサイズ決めまたは構成されるその外周囲の位置に、開口またはノッチを有してよい。例えば、
図8に示す下部エッジリング844は、円筒面(例えば、一端(上端)から径方向内向きに延びるフランジと、もう一端から径方向外向きに延びる別のフランジとを有する管状構造体)によって結合された、2つの垂直に間隔の空いた、ほぼ環状の表面を有する。径方向外向きに延びるフランジは、例えば、第2のリフタ構造体812の第2の部分よりもわずかに大きく、第1のリフタ構造体808の最上面よりもわずかに小さくなるようにサイズ決めされた(
図8が示すような)貫通孔を有してよい。
【0069】
二重リフト機構806は、第2のリフタ構造体812が進むことができる少なくともいくらかの移動量だけ、ばね866が第1のリフタ構造体808を第2のリフタ構造体812の停止面872と接触するよう押し上げるように構成されてよい。よって、ばね866は、第2のリフタ構造体812の移動の少なくとも一部について、第1のリフタ構造体808および第2のリフタ構造体812を一緒に動かすように機能してよい。
【0070】
例えば、
図8が示す構成では、第2のリフタ構造体812は、例えば、ねじナット856を駆動するためにモータ852がねじ854を作動させることによって動かされて、第1のリフタ構造体808を下部エッジリング844の一部の裏面に接触させた。下部エッジリング844の裏面に接触する第1のリフタ構造体808の部分は、第1の接触面810を提供する。第1の接触面810は、例えば、第1の高度822に位置してよい。同時に、第2のリフタ構造体812の第2の接触面814は、第3の高度826に位置してよい。
【0071】
図9は、
図8の例示的な半導体処理チャンバの別の部分断面図である。
図8では、第1のリフタ構造体808の第1の接触面810が第2の高度824まで上向きに動かされることで、下部エッジリング844も対応する量だけ上向きに動くように、モータ852は、ねじ854を回転させ、ねじナット856および付着した第2のリフタ構造体812を上向きに駆動するように作動された。
図8および
図9に示す位置間の任意の中間位置に第2のリフタ構造体812を動かすことにより、下部エッジリング844は、
図8および
図9に示す2つの位置間の任意の対応する位置に動かされてよいことが分かるだろう。ばね866は、ばね力と、第1のリフタ構造体808が少なくとも
図8に示す位置にあるときに(および、下部エッジリング844の高度を調節するときに第1のリフタ構造体808がある位置の範囲にわたって)圧縮予圧とを有するように選択されてよく、圧縮予圧は、ばね866の予圧圧縮を克服することなく、すなわち、第1リフタ構造体808と第2リフタ構造体812の停止面872との間に隙間が空かないように、第1リフタ構造体808および下部エッジリング844の荷重を支持するのに十分である。
【0072】
二重リフト機構806は、さらに、第2のリフタ構造体812の上向き動作中のある時点で第1のリフタ構造体808が停止するように構成されてよい。例えば、いくつかの実施形態では、第2のリフタ構造体812の停止面872によって、第1のリフタ構造体808に加えられた下向きの力によってばね866がこれ以上能動的に圧縮されなくなるように、第1のリフタ構造体808は十分に上向きに動かされてよく、その時点で、第1のリフタ構造体808は、第2のリフタ構造体812と共に動くのを停止してよい。
図8~10に示す実施形態などの他の実施形態では、第1のリフタ構造体808も停止面870(
図8を参照)(
図8~10に示す環状フランジなど)を有してよく、停止面870は、共通フランジ構造体816に固定された1つ以上の表面と係合して、例えば、第1のリフタ構造体808の第1の接触面810が第2の高度824になる地点を第1のリフタ構造体808が越えて動くことを防いでよい。よって、第2のリフタ構造体812のさらなる垂直移動は、第1のリフタ構造体808の付随する垂直移動なしで実施されてよい。
【0073】
図10は、
図8の例示的な半導体処理チャンバのさらに別の部分断面図である。
図10は、第1のリフタ構造体808の付随する上向きの移動を伴わない、第2のリフタ構造体812のさらなる上向きの移動を示す。
図10に示すように、第2のリフタ構造体812の第2の接触面814は、第2のリフタ構造体812が十分上向きに動かされたときに、最終的には上部エッジリング842の裏面に接触してよい。よって、第2のリフタ構造体812のさらなる上向きの動きは、ウエハ支持体860および/またはトッププレート858から上部エッジリング842を上向きに押し上げてよい。第2のリフタ構造体812は、例えば、第2の接触面814が第4の高度828になるまで上向きに駆動され、それにより、エンドエフェクタが上部エッジリング842の下に挿入できるほど十分に高く、上部エッジリング842がウエハ支持体860および/またはトッププレート858よりも上に持ち上げられてよい。
【0074】
図から分かるように、二重リフト機構806のような二重リフト機構は、その作動ストロークのある部分について上部エッジリング842の大きな移動を提供しながら、その作動ストロークの別の部分について、下部エッジリング844の限定的移動および微調整を実施するために用いることができる小型機構を可能にする。
【0075】
以前の図が示す下部エッジリングは、全体に単一(一体型)構造であったが、本明細書に記載の概念の他の実施形態は、複数の構成部品を備える下部エッジリングを用いてよいことが理解されるだろう。
図11は、複数部品を有する下部エッジリングを用いる、図の例示的な二重リフト機構の変形形態を備えた、
図8の例示的な半導体処理チャンバの断面図である。
【0076】
図11では、以前の図のエッジリング844は、上部844aおよび下部844bを有する2部品のエッジリングに置き換えられている。この例では、上部844aは、ほぼ平坦な環状リング形状であり、この例では、第1の接触面810が当接する表面を提供するように、底端から径方向外向きに延びるフランジまたは径方向突起部を備える、ほぼ管状形状を有する下部844bの上にある。かかる構造は、上部844aを下部844bから独立して交換することを可能にすることで、例えば、一定の大きなサイズおよびより複雑な形状を製造するために費用がかかりうる下部844bを交換する必要なしに、摩耗した上部844aを新しい部分844aと交換することを可能にしてよい。また、異なる構成の上部844aが同じ下部844bと共に用いられてよい(例えば、異なる断面形状、寸法、および/または材料の上部844)。本開示および本特許請求の範囲におけるエッジリングについての記載は、一体型エッジリングおよび多部品型エッジリングの両方を含んでよく、後者の場合には、多部品型エッジリングは、実際にウエハ処理の均一性に直接の影響がほとんどない、または全くないであろういくつかの構成部品であって、例えば、かかるエッジリングの上部にリフタ構造体の上向きまたは下向きの動きを単独で伝えるように機能できるいくつかの構成部品を含んでよいことが理解されるだろう。
【0077】
本明細書に記載の二重リフト機構は、上述の例を含みうるシステムの一部であってよいコントローラであって、様々な弁、マスフローコントローラ、ポンプなどと動作可能に接続されて、かかる装置から情報を受信し、および/または、かかる装置を制御することができるコントローラによって制御されてよい。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または特定の処理構成部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を含む半導体処理装置を含むことができる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。これらの電子機器は、システムの様々な構成部品または副部品を制御できる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、様々なガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、流量設定、流体供給設定、ならびに位置動作設定を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0078】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。プログラム命令は、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義する様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であってよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハ金型の製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0079】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータは、システムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能基準を調査して、現在の処理のパラメータを変更してよい、または現在の処理に続く処理工程を設定してよい、または新しいプロセスを開始してよい。いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。よって上述のように、コントローラは、例えば互いにネットワーク接続された1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0080】
制限するものではないが、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0081】
上述のように、コントローラは、ツールによって実施されるプロセス工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
【0082】
「1つ以上の<項目>の各<項目>について」、「1つ以上の<項目>の各<項目>」などの表現は、本明細書で使用される場合、単一項目群および複数項目群の両方を含む。すなわち、「各~について」という表現は、言及される項目のあらゆる母集団の各項目を指すようにプログラミング言語で使用されるという意味で用いられることを理解されたい。例えば、言及された項目の母集団が単一項目である場合、「各」はその単一項目のみを指し(「各」の辞書定義は、「2つ以上のものの1つ1つ」を意味する用語を定義することが多いという事実はあるが)、少なくとも2つのそれらの項目がなければならないことを意味するものではない。同様に、「セット」または「サブセット」という用語は、それ自体が必ずしも複数の項目を包含するものとして見られるべきではなく、セットまたはサブセットは、(文脈が他を意味しない限り)1つの部材のみまたは複数の部材を包含することができることが理解されるだろう。
【0083】
本開示および特許請求の範囲において序数指標、例えば、(a)、(b)、(c)~などがある場合は、その使用は、そのような順序または順番が明示される範囲を除いて、特定の順序または順番を伝えるものではないことを理解されたい。例えば、(i)、(ii)、および(iii)と分類された3つの工程がある場合、これらの工程は、別段の指示がない限り、任意の順序で(または、別段の禁忌がない場合、同時に)実施されてよいことを理解されたい。例えば、工程(ii)が、工程(i)で作成された要素の処理を含む場合、工程(ii)は、工程(i)の後のある時点で起こると見なされてよい。同様に、工程(i)が、工程(ii)で作成された要素の処理を含む場合、その逆を理解されたい。
【0084】
「約」、「およそ」、「実質的に」、「名目上の」などの用語は、量または同様の定量化可能な特性に関して使用されるときは、別段の指示がない限り、指定の値または関係の±10%以内の値を含む(特定の実際の値または関係も含む)ことを理解されたい。
【0085】
前述の概念の全ての組合せ(そのような概念が相互に矛盾しないことを条件として)は、本明細書で開示される発明の主題の一部であると考えられることを認識されたい。特に、本開示の末尾にある本願の主題の全ての組み合わせは、本明細書に開示される本発明の主題の一部であると考えられる。同様に、本明細書で明示的に用いられ、参照として援用されている任意の開示にも見られる専門用語は、本明細書に開示された特定の概念と最も一致する意味を有するものとすることも認識されたい。
【0086】
上記の開示は、特定の例示的な実施形態に注目しているが、記載の例のみに限定されず、同様の変形形態および機構にも適用でき、かかる同様の変形形態および機構も本開示の範囲内にあると見なされることをさらに理解されたい。