(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】受信装置、視聴履歴管理装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/462 20110101AFI20241122BHJP
H04L 67/02 20220101ALI20241122BHJP
H04N 21/437 20110101ALI20241122BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20241122BHJP
【FI】
H04N21/462
H04L67/02
H04N21/437
H04N21/442
(21)【出願番号】P 2020173860
(22)【出願日】2020-10-15
【審査請求日】2023-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000004352
【氏名又は名称】日本放送協会
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100171446
【氏名又は名称】高田 尚幸
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100171930
【氏名又は名称】木下 郁一郎
(72)【発明者】
【氏名】阿部 晋矢
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 徹
(72)【発明者】
【氏名】関根 大輔
(72)【発明者】
【氏名】藤沢 寛
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-149624(JP,A)
【文献】特開2009-038547(JP,A)
【文献】国際公開第2004/045221(WO,A1)
【文献】特開2008-010002(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
H04L 67/00 - 67/75
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのコンテンツについて複数の配信方法を含んだコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得部と、
前記コンテンツの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、
前記コンテンツ情報取得部が取得した前記コンテンツ情報に含まれる配信方法と、前記視聴履歴取得部が取得した前記視聴履歴に基づく再生方法とを決定する再生方法決定部と、
前記再生方法決定部が決定した前記配信方法および前記再生方法を用いて、受信したコンテンツを提示するコンテンツ提示部と、
を備える受信装置。
【請求項2】
前記コンテンツ提示部が前記コンテンツを提示する状況に基づいた視聴履歴を、視聴履歴管理装置に登録する状態管理部、
をさらに備え、
前記視聴履歴取得部は、前記視聴履歴管理装置から前記視聴履歴を取得する、
請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記視聴履歴は、前記コンテンツを再生した際の、再生の終了位置についての情報を含み、
前記再生方法決定部は、前記再生方法の少なくとも一部として、取得した前記視聴履歴に含まれる前記終了位置の情報に基づく、新たな再生の際の開始位置を決定する、
請求項1または2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記視聴履歴は、さらに、前記コンテンツを再生した際の、再生の開始位置についての情報を含み、
前記再生方法決定部は、前記視聴履歴に含まれる再生の前記開始位置および前記終了位置の情報に基づいて、当該コンテンツの、まだ視聴されていない位置の再生を、提示する、
請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、前記コンテンツを視聴した際の配信方法と、前記コンテンツを視聴した際の再生の終了位置についての情報とを少なくとも含む視聴履歴を記憶する視聴履歴管理データベースと、
受信装置から前記視聴履歴の登録の要求を受け付けた際には前記視聴履歴を前記視聴履歴管理データベースに書き込み、受信装置から前記視聴履歴の取得の要求を受け付けた際には前記視聴履歴管理データベースから読み出した前記視聴履歴を前記受信装置に送信するインターフェース部と、
を備える視聴履歴管理装置。
【請求項6】
1つのコンテンツについて複数の配信方法を含んだコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得部と、
前記コンテンツの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、
前記コンテンツ情報取得部が取得した前記コンテンツ情報に含まれる配信方法と、前記視聴履歴取得部が取得した前記視聴履歴に基づく再生方法とを決定する再生方法決定部と、
前記再生方法決定部が決定した前記配信方法および前記再生方法を用いて、受信したコンテンツを提示するコンテンツ提示部と、
を備える受信装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【請求項7】
コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、前記コンテンツを視聴した際の配信方法と、前記コンテンツを視聴した際の再生の終了位置についての情報とを少なくとも含む視聴履歴を記憶する視聴履歴管理データベースと、
受信装置から前記視聴履歴の登録の要求を受け付けた際には前記視聴履歴を前記視聴履歴管理データベースに書き込み、受信装置から前記視聴履歴の取得の要求を受け付けた際には前記視聴履歴管理データベースから読み出した前記視聴履歴を前記受信装置に送信するインターフェース部と、
を備える視聴履歴管理装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置、視聴履歴管理装置、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
視聴者に対してコンテンツを配信する方法として、複数の方式を用いる技術が存在している。ここで、複数の方式とは、放送や通信である。また、複数の方式として、生放送(ライブストリーミング)やビデオオンデマンド(VOD)を使い分けることも可能である。特許文献1、特許文献2、特許文献3に記載されている技術では、単一のコンテンツの配信に関して上記のような複数の方式(配信方法)を一元的に管理し、視聴者の受信装置側でそのときの状況に応じた方法でコンテンツの配信を受けることができるようにしている。このような従来技術により、視聴者は、複数の方式を使い分けることが容易になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-149624号公報
【文献】特開2016-149625号公報
【文献】特開2016-149626号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来技術は、コンテンツの視聴履歴を管理しない。したがって、従来技術では、視聴者は、複数の配信方法にまたがって、視聴履歴に応じてコンテンツを視聴することができないという問題がある。
【0005】
本発明は、上記の課題認識に基づいて行なわれたものであり、複数の配信方法にまたがって視聴履歴に応じたコンテンツの再生を可能とするための受信装置、視聴履歴管理装置、およびプログラムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]上記の課題を解決するため、本発明の一態様による受信装置は、1つのコンテンツについて複数の配信方法を含んだコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得部と、前記コンテンツの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、前記コンテンツ情報取得部が取得した前記コンテンツ情報に含まれる配信方法と、前記視聴履歴取得部が取得した前記視聴履歴に基づく再生方法とを決定する再生方法決定部と、前記再生方法決定部が決定した前記配信方法および前記再生方法を用いて、受信したコンテンツを提示するコンテンツ提示部と、を備えるものである。
【0007】
[2]また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記コンテンツ提示部が前記コンテンツを提示する状況に基づいた視聴履歴を、視聴履歴管理装置に登録する状態管理部、をさらに備え、前記視聴履歴取得部は、前記視聴履歴管理装置から前記視聴履歴を取得するものである。
【0008】
[3]また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記視聴履歴は、前記コンテンツを再生した際の、再生の終了位置についての情報を含み、前記再生方法決定部は、前記再生方法の少なくとも一部として、取得した前記視聴履歴に含まれる前記終了位置の情報に基づく、新たな再生の際の開始位置を決定するものである。
【0009】
[4]また、本発明の一態様は、上記の受信装置において、前記視聴履歴は、さらに、前記コンテンツを再生した際の、再生の開始位置についての情報を含み、前記再生方法決定部は、前記視聴履歴に含まれる再生の前記開始位置および前記終了位置の情報に基づいて、当該コンテンツの、まだ視聴されていない位置の再生を、提示するものである。
【0010】
[5]また、本発明の一態様による視聴履歴管理装置は、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、前記コンテンツを視聴した際の配信方法と、前記コンテンツを視聴した際の再生の終了位置についての情報とを少なくとも含む視聴履歴を記憶する視聴履歴管理データベースと、受信装置から前記視聴履歴の登録の要求を受け付けた際には前記視聴履歴を前記視聴履歴管理データベースに書き込み、受信装置から前記視聴履歴の取得の要求を受け付けた際には前記視聴履歴管理データベースから読み出した前記視聴履歴を前記受信装置に送信するインターフェース部と、を備えるものである。
【0011】
[6]また、本発明の一態様は、1つのコンテンツについて複数の配信方法を含んだコンテンツ情報を取得するコンテンツ情報取得部と、前記コンテンツの視聴履歴を取得する視聴履歴取得部と、前記コンテンツ情報取得部が取得した前記コンテンツ情報に含まれる配信方法と、前記視聴履歴取得部が取得した前記視聴履歴に基づく再生方法とを決定する再生方法決定部と、前記再生方法決定部が決定した前記配信方法および前記再生方法を用いて、受信したコンテンツを提示するコンテンツ提示部と、を備える受信装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【0012】
[7]また、本発明の一態様は、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、前記コンテンツを視聴した際の配信方法と、前記コンテンツを視聴した際の再生の終了位置についての情報とを少なくとも含む視聴履歴を記憶する視聴履歴管理データベースと、受信装置から前記視聴履歴の登録の要求を受け付けた際には前記視聴履歴を前記視聴履歴管理データベースに書き込み、受信装置から前記視聴履歴の取得の要求を受け付けた際には前記視聴履歴管理データベースから読み出した前記視聴履歴を前記受信装置に送信するインターフェース部と、を備える視聴履歴管理装置、としてコンピューターを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、あるコンテンツが複数の配信方法で配信される場合に、そのコンテンツについての視聴履歴を、複数の配信方法にまたがって一元的に管理することができる。また、ある配信方法での配信を行う際に、そのように複数の配信方法にまたがって管理される視聴履歴が表す状況応じた配信を行うことができるようになる。一例として、コンテンツを配信・再生する際に、視聴履歴に応じた再生位置の再生を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1実施形態によるシステムの概略機能構成を示すブロック図である。
【
図2】第1実施形態による配信装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【
図3】第1実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【
図4】第1実施形態による受信装置の再生方法決定部が配信装置に対して送信する、コンテンツ取得要求の構成およびそのデータ内容の例を示す概略図である。
【
図5】第1実施形態による受信装置の状態管理部が視聴履歴管理装置に対して送信する、視聴履歴のデータの構成およびそのデータ内容の例を示す概略図である。
【
図6】第1実施形態による視聴履歴管理装置の概略機能構成を示すブロック図である。
【
図7】第1実施形態による視聴履歴管理データベースの構成を示す概略図である。
【
図8】第2実施形態によるシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図9】第2実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順1)を示すシーケンス図(その1)である。
【
図10】第2実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順1)を示すシーケンス図(その2)である。
【
図11】第2実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順1)を示すシーケンス図(その3)である。
【
図12】第2実施形態による配信装置のコンテンツ管理部が保持しているコンテンツ情報の構成および例を示す概略図である。
【
図13】第2実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その1)である。
【
図14】第2実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その2)である。
【
図15】第3実施形態によるシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図16】第3実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順2)を示すシーケンス図(その1)である。
【
図17】第3実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順2)を示すシーケンス図(その2)である。
【
図18】第3実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順2)を示すシーケンス図(その3)である。
【
図19】第3実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順2)を示すシーケンス図(その4)である。
【
図20】第3実施形態による配信装置のコンテンツ管理部が保持しているコンテンツ情報の構成および例を示す概略図である。
【
図21】第3実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その1)である。
【
図22】第3実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その2)である。
【
図23】第3実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その3)である。
【
図24】第3実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その4)である。
【
図25】第4実施形態によるシステムの機能構成を示すブロック図である。
【
図26】第4実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順3)を示すシーケンス図(その1)である。
【
図27】第4実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順3)を示すシーケンス図(その2)である。
【
図28】第4実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順3)を示すシーケンス図(その3)である。
【
図29】第4実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順3)を示すシーケンス図(その4)である。
【
図30】第4実施形態によるシステムの動作手順の例(処理手順3)を示すシーケンス図(その5)である。
【
図31】第4実施形態による配信装置のコンテンツ管理部が保持しているコンテンツ情報の構成および例を示す概略図である。
【
図32】第4実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その1)である。
【
図33】第4実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その2)である。
【
図34】第4実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その3)である。
【
図35】第4実施形態による視聴履歴管理装置が管理する視聴履歴の例を示す概略図(その4)である。
【
図36】各実施形態における、受信装置や、視聴履歴管理装置や、配信装置の内部構成の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の複数の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0016】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態によるシステムの概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、システム10は、受信装置1と、視聴履歴管理装置2と、視聴者装置3と、配信装置7と、通信ネットワーク9と、を含んで構成される。システム10は、視聴履歴管理装置2が管理する視聴履歴を利用して、視聴者(ユーザー)にコンテンツを提示する。コンテンツは、放送信号として配信されたり、インターネット等の通信ネットワークを介して配信されたりするものである。このように複数の配信方法で配信される同一のコンテンツについて、視聴履歴管理装置2は、統一的に視聴者の視聴履歴を管理する。
【0017】
受信装置1と、視聴履歴管理装置2と、視聴者装置3と、配信装置7の各々は、例えば、コンピューターと、プログラムとで実現することが可能である。また、各装置は、必要に応じて、記憶手段を有する。記憶手段は、例えば、プログラム上の変数や、プログラムの実行によりアロケーションされるメモリーである。また、必要に応じて、磁気ハードディスク装置やソリッドステートドライブ(SSD)といった不揮発性の記憶手段を用いるようにしてもよい。また、各装置の少なくとも一部の機能を、プログラムではなく専用の電子回路として実現してもよい。
【0018】
なお、
図1に示すそれぞれの「装置」は、システムを構成する機能を表すものである。ここで示している複数の装置(例えば、受信装置1と視聴履歴管理装置2)が、物理的には、1つの装置(筐体)内にまとめて実装されていてもよい。後で説明する実施形態(第2実施形態以後)では、物理的に1つの装置(例えば、スマートフォン)が、受信装置1の機能と視聴履歴管理装置2の機能とを併せ持つ場合を説明する。
【0019】
受信装置1は、コンテンツを受信して、視聴者に提示するものである。受信装置1は、放送信号で配信されるコンテンツを受信したり、通信(例えば、インターネットプロトコルを用いた有線または無線の通信)で配信されるコンテンツを受信したりする機能を持つ。受信装置1は、配信装置7や、視聴履歴管理装置2との間で通信を行うことができる。受信装置1は、コンテンツの視聴履歴を視聴履歴管理装置2に送信(登録)したり、コンテンツの過去の視聴履歴を視聴履歴管理装置2から受信(取得)したりすることができる。受信装置1は、視聴履歴管理装置2から取得する過去の視聴履歴に基づいて、コンテンツの視聴開始位置を決定することができる。
【0020】
視聴履歴管理装置2は、受信装置1からコンテンツの視聴履歴を受信して、その視聴履歴を管理する。視聴履歴管理装置2は、内部のデータベースに視聴履歴の情報を保持する。ある特定のコンテンツについて、そのコンテンツが複数の配信方法で配信される場合にも、視聴履歴管理装置2は、それら複数の配信方法にまたがって統一的に視聴者の視聴履歴を管理する。なお、コンテンツは、コンテンツIDによって識別される。ある配信方法で配信されるコンテンツと、他の配信方法で配信されるコンテンツとが、同一のコンテンツであるか否かは、コンテンツIDに基づいてわかるようにする。なお、視聴履歴管理装置2は、受信装置1等から要求を受けた際には、保持している視聴履歴の情報をその要求元に送信する。
【0021】
視聴者装置3は、受信装置1に対して指示を与えるための装置である。視聴者装置3は、視聴者のボタン操作等の操作に基づいて、指示信号を受信装置1に対して送信する。指示信号は、例えば、赤外線信号や、電波による信号であってよい。受信装置1がいわゆる「テレビ」である場合、視聴者装置3は、例えばテレビリモコンであってよい。また、視聴者装置3は、スマートフォン等の、通信機能を持つ端末装置であってもよい。例えばスマートフォンのアプリケーションプログラムとして視聴者装置3が実現されていてもよい。この場合、スマートフォンからテレビに対して指示信号を送信する形態であってもよい。また、受信装置1の機能と視聴者装置3の機能の両方がスマートフォン内に実現される場合には、視聴者装置3から受信装置1への指示信号は、スマートフォン内部の電気信号であってもよい。
【0022】
配信装置7は、コンテンツを配信する装置である。配信装置7は、コンテンツ情報を内部で管理し、要求された場合にはそのコンテンツ情報を応答する。配信装置7は、放送によってコンテンツを配信したり、インターネット等の通信ネットワークを用いた通信によってコンテンツを配信したりする。通信によるコンテンツの配信の場合には、配信装置7は、ライブストリーミングによる配信の形態や、ビデオオンデマンド(視聴者からの要求に基づく配信)の形態での配信を行うことができる。配信装置7は放送設備を含んでいてもよいし、配信装置7の外に放送設備を設けるようにしてもよい。配信装置7は、例えば、放送局等のコンテンツ配信事業者によって運用される。
【0023】
通信ネットワーク9は、配信装置7と受信装置1との間の通信を可能にするネットワークである。通信ネットワーク9は、例えば、インターネットを含む。
【0024】
図2は、本実施形態による配信装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、配信装置7は、コンテンツ管理部71と、配信方法決定部76と、通信配信部77と、放送配信部78と、を含んで構成される。各部の機能は、次に説明する通りである。
【0025】
コンテンツ管理部71は、配信するためのコンテンツを管理する。コンテンツ管理部71は、コンテンツを管理するための情報(コンテンツ情報)として、コンテンツID、コンテンツ名、コンテンツ長、配信方法(放送あるいは通信)、URL、配信開始時刻といった情報を保持する。コンテンツ管理部71は、コンテンツ情報として、上記の各項目の情報の他に、配信終了時刻、配信者といった情報をさらに持つようにしてもよい。なお、コンテンツ情報の具体例については、第2、第3、第4実施形態において説明する。コンテンツ管理部71は、配信方法に依存しないコンテンツの識別子として、上記のコンテンツIDを用いた管理を行う。これにより、コンテンツ管理部71は、あるコンテンツについて、複数の配信方法にまたがった一元的な管理を行うことが可能となる。コンテンツ管理部71は、受信装置1からコンテンツ情報の要求を受けたときには、保持しているコンテンツ情報を読み出して、受信装置1に提供する。コンテンツ管理部71は、配信方法決定部76を経由して受信装置1からのコンテンツ取得要求を受けた場合には、指定された配信方法でのコンテンツの配信が行えるように、通信配信部77や放送配信部78に対して指示を行う。これにより、要求されたコンテンツは、通信配信部77や放送配信部78から配信される。ただし、放送による配信の場合や、通信によるライブ配信の場合には、コンテンツ管理部71は、受信装置1からの個別の要求に依存せず、予め決められた配信スケジュールにしたがってコンテンツの配信を行うよう、指示を行ってもよい。
【0026】
配信方法決定部76は、受信装置1から、コンテンツ取得要求を受信する。このコンテンツ取得要求では、配信方式が指定されている。配信方法決定部76は、受信したコンテンツ取得要求に基づいて、コンテンツ管理部71に対して、コンテンツ配信方法を通知する。
【0027】
通信配信部77は、インターネット等の通信ネットワークを介して、コンテンツを配信する。
【0028】
放送配信部78は、放送信号(電波等)を利用して、コンテンツを配信する。
【0029】
図3は、本実施形態による受信装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、受信装置1は、再生方法決定部11と、コンテンツ情報取得部12と、視聴履歴取得部13と、通信受信部14と、放送受信部15と、コンテンツ提示部16と、状態管理部17と、を含んで構成される。各部の機能は、次に説明する通りである。
【0030】
再生方法決定部11は、コンテンツ情報取得部12が取得したコンテンツ情報や、視聴履歴取得部13が取得した視聴履歴に基づいて、コンテンツの再生方法を決定する。具体的には、再生方法決定部11は、コンテンツ情報取得部12が取得したコンテンツ情報に含まれる配信方法と、視聴履歴取得部13が取得した視聴履歴に基づく再生方法とを決定する。再生方法決定部11は、必要に応じて、再生方法の候補を視聴者に提示してもよい。ここでの再生方法の候補は、1つであってもよいし、複数であってもよい。再生方法決定部11は、候補の提示に対する視聴者からの応答(操作入力等)に基づいて、再生方法を決定してもよい。再生方法決定部11は、決定した再生方法でのコンテンツ取得要求を配信装置7に送信する。再生方法決定部11は、コンテンツ取得を要求する際には、コンテンツIDおよびURLを指定する。コンテンツIDやURLは、コンテンツ情報取得部12が取得したコンテンツ情報に含まれている。また、再生方法決定部11は、視聴開始時刻(コンテンツ内の相対時刻)を指定できる。再生方法決定部11は、視聴履歴取得部13が取得した視聴履歴に基づいて、既に視聴済みの部分の続きから再生するように視聴開始時刻を指定することができる。つまり、視聴履歴は、コンテンツを再生した際の、再生の終了位置についての情報(相対的な終了時刻)を含んでいる。視聴開始時刻と視聴時間との和は、再生の終了位置についての情報である。再生方法決定部11は、再生方法の少なくとも一部として、取得した視聴履歴に含まれる終了位置の情報に基づき、新たな再生の際の開始位置(視聴開始位置)を決定する。
【0031】
また、再生方法決定部11は、通信によってコンテンツを受信する場合には、通信受信部14に対して、コンテンツを受信するよう指示する。また、再生方法決定部11は、放送によってコンテンツを受信する場合には、放送受信部15に対して、コンテンツを受診するよう指示する。また、再生方法決定部11は、通信受信部14または放送受信部15が受信したコンテンツを視聴者に提示するよう、コンテンツ提示部16に指示する。
【0032】
なお、受信装置1側が要求したタイミングで任意の再生位置からコンテンツの再生を行えるのは、ビデオオンデマンドの配信方法の場合である。放送や、再放送や、ライブストリーミングの配信方法の場合には、受信装置1は、任意のタイミングあるいは任意の再生位置からコンテンツを受信して再生することはできない。再生方法決定部11が配信方法を選択する際には、任意のタイミングでの任意の再生位置の配信を必要とするものであるか否かに基づく判断を行う。任意のタイミングでの任意の再生位置の配信を必要とする場合には、再生方法決定部11は、ビデオオンデマンドの配信方法を決定する。
【0033】
コンテンツ情報取得部12は、通信によって、配信装置7から、配信装置7に登録されているコンテンツ情報を取得する。このコンテンツ情報は、1つのコンテンツについて複数の配信方法を含んだコンテンツ情報である。つまり、コンテンツ情報を参照することによって、そのコンテンツの配信方法を把握することができる。コンテンツ情報取得部12は、特定のコンテンツについてのコンテンツ情報を取得する場合には、コンテンツIDを指定する。
【0034】
視聴履歴取得部13は、視聴履歴管理装置2から視聴履歴を取得する。視聴履歴取得部13は、必要時に、視聴履歴管理装置2に対して視聴履歴を要求することができる。視聴履歴取得部13は、例えばコンテンツIDを指定することによって、必要なコンテンツについての視聴履歴のみを視聴履歴管理装置2から取得することができる。
【0035】
通信受信部14は、再生方法決定部11からの指示にしたがい、通信によるコンテンツを受信する。通信受信部14は、受信したコンテンツをコンテンツ提示部16に渡す。
【0036】
放送受信部15は、再生方法決定部11からの指示にしたがい、放送によるコンテンツを受信する。放送受信部15は、受信したコンテンツをコンテンツ提示部16に渡す。
【0037】
コンテンツ提示部16は、通信受信部14や放送受信部15からコンテンツを受け取り、デコードする。コンテンツ提示部16は、デコード済みのコンテンツ(映像や音声)を視聴者に提示する。コンテンツ提示部16は、映像を不図示のディスプレイ装置に表示させたり、音声を不図示のスピーカー等から出力したりする。つまり、コンテンツ提示部16は、再生方法決定部11が決定した配信方法および再生方法を用いて、通信受信部14または放送受信部15が受信したコンテンツを提示するものである。コンテンツ提示部16は、再生位置(コンテンツ内の相対時刻)の情報を、状態管理部17に渡す。
【0038】
状態管理部17は、受信装置1内の各部から情報を取得して受信装置1の状態を管理する。具体的には、状態管理部17は、再生方法決定部11から、再生しているコンテンツのコンテンツIDや再生方法といった情報を取得する。また、状態管理部17は、コンテンツ提示部16からコンテンツの再生位置(相対時刻)の情報を取得する。状態管理部17は、取得した情報に基づいて視聴履歴を生成し、視聴履歴管理装置2に登録する。視聴履歴は、コンテンツID、URL、視聴開始時刻(相対時刻)、視聴時間(視聴開始時刻からの視聴経過時間)といった情報を含んでよい。つまり、状態管理部17は、コンテンツ提示部16がコンテンツを提示する状況に基づいた視聴履歴を、視聴履歴管理装置2に登録するものである。
【0039】
図4は、受信装置1の再生方法決定部11が配信装置7に対して送信する、コンテンツ取得要求の構成およびそのデータ内容の例を示す概略図である。図示するように、コンテンツ取得要求は、コンテンツID、URL(uniform resource location)、視聴開始時刻といったデータ項目を含む。なお、コンテンツ取得要求がその他のデータ項目を含むようにしてもよい。コンテンツIDは、コンテンツの種類を一意に識別するための識別情報である。コンテンツIDは、例えば、映画のタイトルや、ドラマのタイトルおよび放送回などを特定できる情報である。URLは、受信装置がコンテンツの配信を受けるためのロケーション情報である。通信による配信の場合も、放送による配信の場合も、URLによってコンテンツのロケーションを表すことができる。視聴開始時刻は、コンテンツ内の、要求される視聴開始位置(相対時刻)である。本例では、視聴開始時刻は、分(minute)単位の数値として表される。なお、放送によるコンテンツの取得を要求する場合や、通信でのライブ配信(生中継)のコンテンツの取得を要求する場合には、コンテンツ取得要求における視聴開始時刻のデータが無効として扱われてもよい。
【0040】
図5は、受信装置1の状態管理部17が視聴履歴管理装置2に対して送信する、視聴履歴のデータの構成およびそのデータ内容の例を示す概略図である。図示するように、視聴履歴は、コンテンツID、URL、視聴開始時刻、視聴時間といったデータ項目を含む。なお、視聴履歴がその他のデータ項目を含むようにしてもよい。コンテンツIDは、コンテンツの種類を一意に識別するための識別情報である。URLは、コンテンツを提示する際に受信装置1がアクセスした先のロケーションを示す情報である。視聴開始時刻は、当該コンテンツの当該配信方法による視聴を開始した時刻(コンテンツ内の相対時刻)である。視聴開始時刻は、例えば、分単位の数値で表わされる。視聴時間は、上記の視聴開始時刻から継続している視聴時間である。視聴時間は、例えば、分単位の数値で表わされる。なお、視聴履歴は、1回の視聴中に繰り返して複数回送信され得るものである。つまり、1回の視聴中に、視聴履歴の送信の都度、上記の視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0041】
なお、
図5に示す形態の視聴履歴は、コンテンツを再生した際の、再生の終了位置についての情報(相対的な終了時刻)を含んでいる。つまり、視聴開始時刻と視聴時間との和は、再生の終了位置についての情報である。
【0042】
図6は、本実施形態による視聴履歴管理装置の概略機能構成を示すブロック図である。図示するように、視聴履歴管理装置2は、インターフェース部21と、視聴履歴管理データベース22とを含む。
【0043】
インターフェース部21は、外部装置に対するインターフェースの機能を実行する。インターフェース部21は、例えば受信装置1から、視聴履歴の登録を受け付ける。視聴履歴の登録を受け付けた場合、インターフェース部21は、その視聴履歴を視聴履歴管理データベース22に保存させる。また、インターフェース部21は、例えば受信装置1から、視聴履歴取得の要求を受け付ける。視聴履歴取得の要求を受け付けた場合、インターフェース部21は、求められている視聴履歴を、要求元の装置に送信する。
【0044】
つまり、インターフェース部21は、受信装置1から視聴履歴の登録の要求を受け付けた際には視聴履歴を視聴履歴管理データベース22に書き込む。インターフェース部21は、受信装置1から視聴履歴の取得の要求を受け付けた際には視聴履歴管理データベース22から読み出した視聴履歴をその受信装置1に送信する。
【0045】
視聴履歴管理データベース22は、受信装置1から送られてくる視聴履歴を蓄積し、管理する。視聴履歴管理データベース22は、受信装置1からの読み出し(視聴履歴の取得)の要求に基づいて、適宜、読み出される。視聴履歴管理データベース22は、コンテンツを識別するためのコンテンツIDと、コンテンツを視聴した際の配信方法と、コンテンツを視聴した際の再生の終了位置についての情報とを少なくとも含む視聴履歴を記憶するものである。
【0046】
図7は、本実施形態による視聴履歴管理データベースの構成を示す概略図である。図示するように、視聴履歴管理データベースは、表形式のデータとして構成され得るものであり、登録日時、コンテンツID、URL、視聴開始時刻(相対時刻)、視聴時間の項目を含むように構成される。
である。これらの項目のうち、コンテンツID、URL、視聴開始時刻(相対時刻)、視聴時間の各項目は、
図5を参照しながら説明した通りのデータである。つまり、視聴履歴管理データベースは、受信装置1から送信された視聴履歴(
図5)に登録日時のデータを付加したデータを保持し、管理する。
この登録日時は、当該行の視聴履歴が登録された日時を表す。登録日時は、受信装置1側において視聴履歴が発生した日時とほぼ等しいと考えることができる。
【0047】
既に説明した受信装置1の視聴履歴取得部13は、例えば、視聴履歴管理データベースが持つ全体の視聴履歴を取得することもできる。また、視聴履歴取得部13は、コンテンツIDや、登録日時などのデータ項目に関する検索条件を指定して、その条件にしたがって抽出された視聴履歴を取得することもできる。
【0048】
以上説明したように、第1実施形態では、受信装置1は、コンテンツを受信して再生したときの状況に基づき、視聴履歴を、視聴履歴管理装置2に登録する。また、受信装置1は、コンテンツを再生しようとする際に、視聴履歴管理装置2からそのコンテンツの視聴履歴を取得することができる。これにより、受信装置1は、過去の視聴の状況についての情報を得る。したがって、受信装置1は、その状況に基づいて当該コンテンツの再生を行うことできる。例えば、視聴履歴は、コンテンツの再生を終了した位置(コンテンツ内の相対的な時間位置)を含むことができる。受信装置1は、過去に同一コンテンツを再生した際の、再生終了位置を把握することができる。したがって、受信装置1は、その再生終了位置に依存した位置(例えば、過去の再生終了位置そのもの)から、再生を開始するよう制御することができる。このとき、ある時のコンテンツの配信方法と、他の時の同一コンテンツの配信方法とが異なっていてもよい。例えば、あるときには放送による配信で、他のときにはビデオオンデマンド(通信)による配信であってもよい。つまり、本実施形態では、視聴履歴管理装置2が複数の配信方法にまたがって同一コンテンツの視聴履歴を保持するため、受信装置1は、前回と今回とで配信方法が異なっていても、前回の視聴履歴に依存した形で、今回のコンテンツの再生を行うことができる。
【0049】
[第1実施形態の変形例]
第1実施形態で説明した受信装置1は、コンテンツの再生方法を決定するための情報の一つとして視聴履歴管理装置から視聴履歴を取得し、且つ、コンテンツの再生時にはその状況に基づく視聴履歴を視聴履歴管理装置に登録するものであった。変形例として、受信装置1が、視聴履歴の取得のみを行い、視聴履歴の登録を行わないものであってもよい。その場合には、受信装置1は、取得した視聴履歴に基づいてコンテンツの再生方法を決定することができる。また、受信装置1が、視聴履歴の登録のみを行い、視聴履歴の取得を行わないものであってもよい。その場合には、受信装置1が登録した視聴履歴に依存する形で、他の受信装置1が再生方法を決定することができる。これらの変形例は、第2実施形態から第4実施形態においても、適用可能である。
【0050】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。なお、前実施形態において既に説明した事項については以下において説明を省略する場合がある。ここでは、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。第2実施形態では、1台のテレビが、第1実施形態で説明した受信装置1の機能と、視聴履歴管理装置2の機能とを備える。
【0051】
図8は、本実施形態によるシステムの機能構成を示すブロック図である。図示するように、本実施形態におけるシステムは、配信装置7と、テレビ51と、視聴者装置3とを含んで構成される。配信装置7は、例えば、放送局の設備の一部として設けられる。また、テレビ51は、内部に、受信装置1と視聴履歴管理装置2との機能を備える。視聴者装置3は、例えば、テレビのリモコン装置である。あるいは、視聴者装置3は、テレビと連携する機能(例えば、ハイブリッドキャストコネクトの機能)を備えたスマートフォン等の携帯端末であってもよい。視聴者装置3は、視聴者の操作等に基づいて、テレビ51に対して指示を送信することができる。
【0052】
図9、
図10、
図11は、本実施形態におけるシステムの動作手順の例を示すシーケンス図である。
図9~
図11とは、一連のシーケンスを示している。以下、このシーケンス図に沿って、システムの動作を説明する。
【0053】
[処理手順1:第1回目の視聴]
図9のステップS101において、視聴者装置3は、視聴者の操作に基づいて、コンテンツIDが「xxx001」であるコンテンツの視聴を開始する旨の指示を、受信装置1に送る。具体的には、一例として、視聴者がテレビのリモコン装置を操作することにより、表示された番組表の中から、コンテンツID「xxx001」を受信・再生するための指示を、リモコン装置が受信装置1に送る。なお、本例では、当該コンテンツの視聴開始の日時は、「2020/10/01 08:00:00」であることを想定している。
【0054】
次に、ステップS102において、受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、ステップS101における指示に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0055】
次に、ステップS103において、配信装置7のコンテンツ管理部71は、受信装置1からの要求に基づいて、コンテンツ情報を受信装置1に送信する。このコンテンツ情報については、後で
図12を参照しながら説明する。
【0056】
次に、ステップS104において、受信装置1の視聴履歴取得部13は、視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。本例において、この時点では、視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx001」についての視聴履歴は存在しない。
【0057】
次に、ステップS105において、視聴履歴管理装置2は、ステップS104における視聴履歴の要求に対して返答する。ただし、この返答における視聴履歴は空データである。
【0058】
次に、ステップS106において、受信装置1の放送受信部15は、コンテンツID「xxx001」に対応する放送の受信を開始する。なお、受信装置1の再生方法決定部11は、ステップS103で受信したコンテンツ情報に基づいて、放送によってコンテンツを受信することを決定している。当該放送を受信するためのURLもそのコンテンツ情報に含まれている。
【0059】
次に、ステップS107において、受信装置1のコンテンツ提示部16は、コンテンツを再生する。即ち、コンテンツ提示部16は、コンテンツをデコードし、視聴者に提示する。
【0060】
コンテンツの再生開始後、ステップS108、ステップS109、ステップS110、・・・において、受信装置1の状態管理部17は、視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。コンテンツの受信および再生が行われている間、状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。また、視聴履歴管理装置2において、視聴履歴の中の再生時間のデータが繰り返し更新される。つまり、コンテンツの受信および再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0061】
本例では、コンテンツの視聴開始時点から10分経過後に、視聴者装置3が、受信装置1に対してコンテンツの視聴の停止を要求することを想定している。つまり、ステップS121において、視聴者装置3は、受信装置1に対して停止要求を送信する。具体例としては、視聴者がテレビのリモコン装置を操作することにより、視聴していたコンテンツの受信および再生を停止させる。
【0062】
次に、ステップS122において、ステップS121での視聴停止の指示を受けて、受信装置1の状態管理部17は、視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0063】
次に、ステップS123において、視聴履歴管理装置2は、ステップS122で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関する視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、受信装置1の状態管理部17に対して返送する。なお、この時点での日時は「2020/10/01 08:10:00」である。つまり、当該コンテンツの視聴を開始してから10分が経過した時点である。
【0064】
以上の、ステップS101からS123までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、1回目のコンテンツ視聴にあたるものである。
【0065】
[処理手順1:第2回目の視聴]
次に
図10に移って、当該コンテンツの2回目の視聴のための手順を行う。まずステップS131において、視聴者は、視聴者装置を操作して、テレビ51を再度起動するとともに、コンテンツID「xxx001」のコンテンツの視聴を指示する。視聴者装置3は、受信装置1に対して、コンテンツID「xxx001」の視聴開始の指示を送信する。受信装置1は、この指示を受信する。
【0066】
次に、ステップS132において、ステップS102と同様に、受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、視聴者装置3からの指示の信号に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0067】
次に、ステップS133において、ステップS103と同様に、配信装置7のコンテンツ管理部71は、コンテンツ情報を受信装置1に送信する。
【0068】
次に、ステップS134において、ステップS104と同様に、受信装置1の視聴履歴取得部13は、視聴履歴管理装置2に対して、コンテンツID「xxx001」に関する視聴履歴を要求する。この時点では、視聴履歴管理装置2は、前記のステップステップS108に、ステップS109、ステップS110、・・・で受け付けた視聴履歴の情報を保持している。
【0069】
次に、ステップS135において、ステップS105と同様に、視聴履歴管理装置2は、ステップS134における視聴履歴の要求に対して返答する。この時点では、視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx001」について最後に更新された情報に基づいた視聴履歴を受信装置1に送信する。
【0070】
次に、ステップS136において、受信装置1の再生方法決定部11は、視聴履歴として残っている最新の再生位置からの続きで、ビデオオンデマンドによる再生を行う選択肢と、その際のURLとを、視聴者に提示する。具体的には、再生方法決定部11は、再生再開位置に関する情報と、配信方法(ビデオオンデマンド配信)に関する情報とをテレビ51の画面に表示して、視聴者装置からの指示を待つ。なお、このとき、再生方法決定部11は、当該コンテンツのビデオオンデマンドによる配信を、途中からではなくコンテンツの冒頭から行う選択肢を同時に視聴者に対して提示してもよい。
【0071】
次に、ステップS137において、視聴者装置3は、視聴者の操作に基づいて、オンデマンドで続きの再生位置から再生することを承認することを表す信号を、受信装置1に送信する。受信装置1の再生方法決定部11は、オンデマンド配信によって前回再生終了位置の続きから再生することを決定する。なお、本例において、ステップS137の指示が行われる日時は、「2020/10/01 08:15:00」であることが想定されている。
【0072】
次に、ステップS138において、受信装置1は、配信装置7に対して、通信によるオンデマンドコンテンツの配信を要求する。このとき、受信装置1は、コンテンツ取得要求(
図4参照)を送信する。ここで指定される視聴開始時刻(相対時刻)は「10」(単位は、分)である。
【0073】
次に、ステップS139において、配信装置7は、受信装置1に対して、通信によるオンデマンドコンテンツを返答する。
【0074】
次に、ステップS140において、受信装置1の通信受信部14は、続きの再生位置からのオンデマンドコンテンツの受信を開始する。また、受信装置1のコンテンツ提示部16は、受信したコンテンツの提示を開始する。なお本例において、再生開始日時は、「2020/10/01 08:15:00」が想定されている。
【0075】
通信によるコンテンツの再生開始後、ステップS141、ステップS142、ステップS143、・・・において、受信装置1の状態管理部17は、視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。コンテンツの受信および再生が行われている間、状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。コンテンツの再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0076】
次に
図11に移って、ステップS151において、再生していたコンテンツが終了する。配信装置7は、受信装置1に対して、通信オンデマンドコンテンツの終了を通知する。
【0077】
次に、ステップS152において、ステップS151でのコンテンツ配信の終了の通知を受けて、受信装置1の状態管理部17は、視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0078】
次に、ステップS153において、視聴履歴管理装置2は、ステップS152で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関して視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、受信装置1の状態管理部17に対して返送する。なお、ステップS153の処理が完了した日時は、「2020/10/01 08:15:00」が想定されている。
【0079】
以上の、ステップS131からS153までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、2回目のコンテンツ視聴(コンテンツの途中からの通信による配信)にあたるものである。
【0080】
図12は、上記の処理手順の例における、配信装置7のコンテンツ管理部71が保持しているコンテンツ情報の構成と、その例とを示す概略図である。図示するように、コンテンツ情報は、コンテンツIDと、コンテンツ名と、コンテンツ長と、配信方法と,URLと、配信開始日時との各項目を含む。なお、コンテンツ情報の構成として、1つのコンテンツが、複数の配信方法を持てる形態であってよい。
【0081】
それぞれのデータ項目の意味は、次の通りである。コンテンツIDは、コンテンツを一意に識別することのできる識別情報である。コンテンツ名は、そのコンテンツの名称(タイトル等)である。コンテンツ長は、そのコンテンツを再生したときの長さである。本実施形態では、コンテンツ情報は、分単位の数値として、コンテンツ長の情報を保持している。配信方法は、そのコンテンツの配信方法である。配信方法ごとに、URLや配信開始日時が異なっていてもよい。URLは、そのコンテンツの、その配信方法での所在場所を示す情報である。配信開始日時は、そのコンテンツの、その配信方法での配信開始日時を表す情報である。本実施形態では、配信開始日時は、年月日および時分秒(YYYY/MM/DD hh:mm:ss)の形式で表わされる。オンデマンド形式の配信(VOD等)の場合には、配信開始日時は、その日時以後に視聴者が配信を要求できることを表している。オンデマンド形式以外の配信(放送や、ライブストリーミング等)の場合には、配信開始日時は、その配信方法によって配信が始まる日時を表している。
【0082】
図12に示す例において、コンテンツIDは「xxx001」である。また、そのコンテンツのコンテンツ名は、「連続テレビ小説「〇〇〇」第1話」である。また、そのコンテンツ長は、「15」(分)である。また、配信方法として、「放送」と、「放送(再放送)」と、「ライブストリーミング」と、「VOD」とが登録されている。配信方法が「放送」である場合のURLは「arib://aaaaa」である。この「arib://」を用いた記法は、特定の放送サービスに対応するものである。配信方法が「放送(再放送)」である場合のURLは「arib://bbbbb」である。配信方法が「ライブストリーミング」である場合のURLは「https://ccccc」である。配信方法が「VOD」である場合のURLは「https://ddddd」である。なお、配信方法が「放送(再放送)」以外である場合の配信開始日時として「2020/10/01 08:00:00」が登録されている。また、配信方法が「放送(再放送)」である場合には、配信開始日時として「2020/10/01 12:45:00」が登録されている。図示するように、コンテンツ情報は、単一のコンテンツ(単一のコンテンツID)に関して、複数の配信方法を一元的に管理可能としている。
【0083】
図13は、本実施形態の、
図9から
図11で示した処理手順内における視聴履歴の例を示す概略図である。具体的には、ここに示す視聴履歴は、上記処理手順内の、第1回目のコンテンツの再生が終了した時点(ステップS123の処理の完了時点)において視聴履歴管理装置2が持つ視聴履歴である。図示するように、この視聴履歴の登録日時は、「2020/10/01 08:10:00」である。またコンテンツIDは「xxx001」である。また、URLは「arib://aaaaa」である。また、この第1回目の視聴の際には、当該コンテンツが最初から視聴されたものであるため、視聴開始時刻(相対時刻)は「0」(分)である。また、この時点での視聴時間は「10」(分)である。
【0084】
図14は、本実施形態の、
図9から
図11で示した処理手順内における視聴履歴の例を示す概略図である。具体的には、ここに示す視聴履歴は、上記処理手順内の、
図13で示した視聴履歴に加えて、第2回目のコンテンツの再生が終了した時点(ステップS153の処理の完了時点)において視聴履歴管理装置2が持つ視聴履歴である。図示するように、この視聴履歴の登録日時は、「2020/10/01 08:20:00」である。またコンテンツIDは「xxx001」である。また、URLは「https://ddddd」である。また、この第2回目の視聴の際には、第1回目の視聴の際の再生終了の位置から視聴されたものであるため、視聴開始時刻(相対時刻)は「10」(分)である。また、第2回目の視聴が終了したのは、未試聴の状態で残っていたコンテンツが終了した時であるので、第2回の視聴における視聴時間は「5」(分)である。
【0085】
図13や
図14に示した通り、
図9から
図11で示した処理手順においては、「2020/10/01」の時刻「08:00:00」から「08:10:00」までの間に、10分間の第1回視聴(放送での視聴)が行われた。また、同日の時刻「08:15:00」から「08:20:00」までの間に、5分間の第2回視聴(通信でのオンデマンドによる視聴)が行われた。つまり、これら両者を合わせて、合計15分間のコンテンツが視聴された。視聴履歴管理装置2は、このような形で視聴履歴の情報を保持する。
【0086】
以上説明したように、第2実施形態では、1台のテレビの中に、受信装置1の機能と、視聴履歴管理装置2の機能とを含むように構成している。つまり、1台のテレビを用いて、第1実施形態で説明した構成、作用、効果を実現することができる。一例として、1台のテレビを用いて、同一のコンテンツについて、放送による配信と、通信による配信とで、またがってそれらの視聴履歴を管理することができる。この場合、1台のテレビで、例えば放送でコンテンツを視聴し、その視聴を一旦中断した後に、通信(オンデマンド)で同一のコンテンツを視聴する際に、例えば、自動的に、その中断した位置(再生位置)からコンテンツの視聴を再開することが可能となる。
【0087】
[第3実施形態]
次に、第3実施形態について説明する。なお、前実施形態までにおいて既に説明した事項については以下において説明を省略する場合がある。ここでは、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。第3実施形態では、テレビ52および53のそれぞれが、第1実施形態で説明した受信装置1の機能と、視聴履歴管理装置2の機能とを備える。これらのテレビ52および53は、予め相互に対応付けられており、相互に相手側のテレビの視聴履歴を参照することができるようになっている。なお、テレビ52をテレビ(TV)Aと呼ぶ場合があり、テレビ53をテレビ(TV)Bと呼ぶ場合がある。
【0088】
図15は、本実施形態によるシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、本実施形態におけるシステムは、配信装置7と、テレビ52および53と、視聴者装置3とを含んで構成される。配信装置7は、例えば、放送局の設備の一部として設けられる。また、テレビ52および53のそれぞれは、内部に、受信装置1と視聴履歴管理装置2との機能を備える。テレビ52内の受信装置1は、テレビ52内の視聴履歴管理装置2だけではなくテレビ53内の視聴履歴管理装置2にもアクセスできるように構成されている。同様に、テレビ53内の受信装置1は、テレビ53内の視聴履歴管理装置2だけではなくテレビ52内の視聴履歴管理装置2にもアクセスできるように構成されている。視聴者装置3は、例えば、テレビのリモコン装置である。あるいは、視聴者装置3は、テレビと連携する機能(例えば、ハイブリッドキャストコネクトの機能)を備えたスマートフォン等の携帯端末であってもよい。視聴者装置3は、視聴者の操作等に基づいて、テレビ52と53のそれぞれに対して指示を送信することができる。
【0089】
図16、
図17、
図18、
図19は、本実施形態におけるシステムの動作手順の例を示すシーケンス図である。
図16~
図19は、一連のシーケンスを示している。以下、このシーケンス図に沿って、システムの動作を説明する。
【0090】
[処理手順2:第1回目の視聴]
図16のステップS201において、視聴者装置3は、視聴者の操作に基づいて、コンテンツIDが「xxx002」であるコンテンツの視聴(受信および再生)を開始する旨の指示を、テレビ52(TV-A)の受信装置1に送る。なお、本例では、当該コンテンツの視聴開始の日時は、「2020/10/01 21:00:00」であることを想定している。
【0091】
次に、ステップS202において、TV-Aの受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、ステップS201における指示に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0092】
次に、ステップS203において、配信装置7のコンテンツ管理部71は、TV-Aの受信装置1からの要求に基づいて、コンテンツ情報をTV-Aの受信装置1に送信する。このコンテンツ情報については、後で
図20を参照しながら説明する。
【0093】
次に、ステップS204において、TV-Aの受信装置1の視聴履歴取得部13は、自テレビ(TV-A)の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。本例において、この時点では、TV-Aの視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx002」についての視聴履歴は存在しない。
【0094】
次に、ステップS205において、TV-Aの視聴履歴管理装置2は、ステップS204における視聴履歴の要求に対して返答する。ただし、この返答における視聴履歴は空データである。
【0095】
次に、ステップS206において、TV-Aの受信装置1の視聴履歴取得部13は、相手側テレビ(TV-B)の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。本例において、この時点では、TV-Bの視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx002」についての視聴履歴は存在しない。
【0096】
次に、ステップS207において、TV-Bの視聴履歴管理装置2は、ステップS206における視聴履歴の要求に対して返答する。ただし、この返答における視聴履歴は空データである。
【0097】
次に、ステップS208において、TV-Aの受信装置1の放送受信部15は、コンテンツID「xxx002」に対応する放送の受信を開始する。なお、TV-Aの受信装置1の再生方法決定部11は、ステップS203で受信済みのコンテンツ情報に基づいて、放送によってコンテンツを受信することを決定している。当該放送を受信するためのURLもそのコンテンツ情報に含まれている。
【0098】
次に、ステップS209において、TV-Aの受信装置1のコンテンツ提示部16は、コンテンツを再生する。即ち、コンテンツ提示部16は、コンテンツをデコードし、視聴者に提示する。
【0099】
TV-Aの受信装置1でのコンテンツの再生開始後、ステップS210、ステップS211、ステップS212、・・・において、TV-Aの受信装置1の状態管理部17は、TV-Aの視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。コンテンツの受信および再生が行われている間、TV-A内の状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、TV-Aの視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。TV-Aの視聴履歴管理装置2において、視聴履歴の中の再生時間のデータが繰り返し更新される。つまり、コンテンツの受信および再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0100】
本例の想定では、コンテンツの視聴を開始してから60分後の「2020/10/01 22:00:00」において、視聴者は、TV-Aの部屋からTV-Bの部屋に移るために、一旦TV-Aでのコンテンツの視聴を中止する。そのため、システムは次の手順を続けて実行する。
【0101】
図17に移って、ステップS221において、視聴者装置3は、TV-Aに対して、コンテンツの視聴を停止するための指示(例えば、TV-Aの電源断など)を送信する。これにより、TV-Aの受信装置1は、コンテンツの受信および再生を停止する。
【0102】
次に、ステップS222において、ステップS221での視聴の停止を受けて、TV-Aの受信装置1の状態管理部17は、TV-Aの視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0103】
次に、ステップS223において、TV-Aの視聴履歴管理装置2は、ステップS222で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関する視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、TV-Aの視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、TV-Aの受信装置1の状態管理部17に対して返送する。
【0104】
以上の、ステップS201からS223までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、第1回目のコンテンツ視聴にあたるものである。
【0105】
[処理手順2:第2回目の視聴]
次に
図18に移って、ステップS231において、視聴者装置3は、第2回目の再生として、テレビ53(TV-B)の受信装置1に対して、コンテンツID「xxx002」のコンテンツの視聴開始を指示する。
【0106】
次に、ステップS232において、TV-Bの受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、ステップS231における指示に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0107】
次に、ステップS233において、配信装置7のコンテンツ管理部71は、TV-Bの受信装置1からの要求に基づいて、コンテンツ情報をTV-Bの受信装置1に送信する。このコンテンツ情報は、後で
図20を参照しながら説明するものである。
【0108】
次に、ステップS234において、TV-Bの受信装置1の視聴履歴取得部13は、自テレビ(TV-B)の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。この時点では、TV-Bの視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx002」についての視聴履歴は存在しない。
【0109】
次に、ステップS235において、TV-Bの視聴履歴管理装置2は、ステップS234における視聴履歴の要求に対して返答する。ただし、この返答における視聴履歴は空データである。
【0110】
次に、ステップS236において、TV-Bの受信装置1の視聴履歴取得部13は、相手側テレビ(TV-A)の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。本例において、この時点でTV-Aの視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx002」に関して、ステップS210からS223までの間に登録された視聴履歴を保持している。
【0111】
次に、ステップS237において、TV-Aの視聴履歴管理装置2は、ステップS236における視聴履歴の要求に対して返答する。この返答に含まれる視聴履歴は、上記の、ステップS210からS223までの間に登録された視聴履歴に相当するものである。
【0112】
次に、ステップS238において、TV-Bの受信装置1の再生方法決定部11は、視聴履歴(本例では、TV-Aでの視聴履歴)として残っている最新の再生位置からの続きで、ビデオオンデマンドによる再生を行う選択肢と、その際のURL(https://ggggg)とを、視聴者に提示する。具体的には、再生方法決定部11は、再生再開位置に関する情報と、配信方法(ビデオオンデマンド配信)に関する情報とをテレビ53(TV-B)の画面に表示して、視聴者装置からの指示を待つ。なお、このとき、再生方法決定部11は、当該コンテンツのビデオオンデマンドによる配信を途中からではなくコンテンツの冒頭から行う選択肢や、放送中のコンテンツ(URLは、arib://eeeee)を視聴する選択肢を、同時に視聴者に対して提示してもよい。
【0113】
次に、ステップS239において、視聴者装置3は、視聴者の操作に基づいて、オンデマンドで続きの再生位置から再生することを承認することを表す信号を、TV-Bの受信装置1に送信する。TV-Bの受信装置1の再生方法決定部11は、オンデマンド配信によって前回再生終了位置(相対時刻が60分)の続きから再生することを決定する。なお、本例において、ステップS139の指示が行われる日時は、「2020/10/01 22:10:00」であることが想定されている。
【0114】
次に、ステップS240において、TV-Bの受信装置1は、配信装置7に対して、通信によるオンデマンドコンテンツの配信を要求する。このとき、受信装置1は、コンテンツ取得要求を送信する。ここで指定される視聴開始時刻(相対時刻)は「60」(単位は、分)である。
【0115】
次に、ステップS241において、配信装置7は、TV-Bの受信装置1に対して、通信によるオンデマンドコンテンツを返答する。
【0116】
次に、ステップS242において、TV-Bの受信装置1の通信受信部14は、続きの再生位置からのオンデマンドコンテンツの受信を開始する。また、受信装置1のコンテンツ提示部16は、受信したコンテンツの提示を開始する。
【0117】
TV-Bの受信装置1でのコンテンツの再生開始後、ステップS243、ステップS244、ステップS245、・・・において、TV-Bの受信装置1の状態管理部17は、TV-Bの視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。TV-Bの受信装置1においてコンテンツの受信および再生が行われている間、TV-B内の状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、TV-Bの視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。TV-Bの視聴履歴管理装置2において、視聴履歴の中の再生時間のデータが繰り返し更新される。つまり、コンテンツの受信および再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴履歴内の視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0118】
ステップS242においてオンデマンドコンテンツの再生を開始してから60分後に、当該コンテンツは終了する。
【0119】
次に
図19に移って、ステップS251において、再生していたコンテンツが終了するのに伴い、配信装置7は、TV-Bの受信装置1に対して、通信オンデマンドコンテンツの終了を通知する。
【0120】
次に、ステップS252において、ステップS251でのコンテンツ配信の終了の通知を受けて、TV-Bの受信装置1の状態管理部17は、TV-Bの視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0121】
次に、ステップS253において、TV-Bの視聴履歴管理装置2は、ステップS252で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関して視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、TV-Bの視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、TV-Bの受信装置1の状態管理部17に対して返送する。なお、本例においてステップS253の処理が完了した日時は、「2020/10/01 23:10:00」であることが想定されている。
【0122】
以上の、ステップS231からS253までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、2回目のコンテンツ視聴(コンテンツの途中からの通信によるオンデマンドコンテンツの配信)にあたるものである。
【0123】
図20は、上記の処理手順の例における、配信装置7のコンテンツ管理部71が保持しているコンテンツ情報の構成と、その例とを示す概略図である。コンテンツ情報が持つデータ項目については、既に
図12を参照しながら説明した通りである。
【0124】
図20は、2種類のコンテンツのコンテンツ情報を、例として示している。そのうちの第1のコンテンツのコンテンツIDは、「xxx001」である。このコンテンツID「xxx001」については
図12を参照しながら説明した通りであるので、ここでの説明を省略する。また、第2のコンテンツのコンテンツIDは「xxx002」である。このコンテンツID「xxx002」のコンテンツ情報の内容は、次の通りである。
【0125】
図20において、コンテンツID「xxx002」に対応するコンテンツ名は、「ロードショー「△△△の冒険」」である。また、そのコンテンツ長は、「120」(分)である。また、配信方法として、「放送」と、「ライブストリーミング」と、「VOD」とが登録されている。配信方法が「放送」である場合のURLは「arib://eeeee」である。配信方法が「ライブストリーミング」である場合のURLは「https://fffff」である。配信方法が「VOD」である場合のURLは「https://ggggg」である。また、すべての配信方法について、配信開始日時として「2020/10/01 21:00:00」が登録されている。このように、コンテンツ情報は、単一のコンテンツ(単一のコンテンツID)に関して、複数の配信方法を一元的に管理可能としている。
【0126】
次に、
図21、
図22、
図23、
図24を参照しながら、本実施形態の、
図16から
図19で示した処理手順内における視聴履歴の例を説明する。なお、視聴履歴が、登録日時と、コンテンツIDと、URLと、視聴開始時刻(相対時刻)と、視聴時間の各項目を持つことは、既に説明した通りである。
【0127】
図21は、テレビ52(TV-A)の視聴履歴管理装置2が保持する視聴履歴のデータの、処理手順の開始時(ステップS201の前)から、第1回目の再生によって視聴履歴を登録し始める前(ステップS210の前)までにおける内容を示す概略図である。図示するように、当該期間において、TV-Aの視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx002」についての視聴履歴を持たない。
【0128】
図22は、テレビ52(TV-A)の視聴履歴管理装置2が保持する視聴履歴のデータの、第1回目の再生の終了後(ステップS223より後)における内容を示す概略図である。図示するように、当該期間において、TV-Aの視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx002」について1件の視聴履歴のレコードを持つ。その視聴履歴の登録日時は、「2020/10/01 22:00:00」である。この日時は、第1回目の再生において最後に視聴履歴が登録されたタイミングを表している。また、コンテンツIDは、「xxx002」である。また、URLは、「arib://eeeee」である。このURLは、放送による視聴であったことを表している。また、視聴開始時刻(相対時刻)は、「0」(分)である。これは、放送によって当該コンテンツが最初から視聴されたことを表している。また、視聴時間は、「60」(分)である。これは、視聴開始から60分後に再生が終了したこと(ステップS221の停止要求)を表している。
【0129】
図23は、テレビ53(TV-B)の視聴履歴管理装置2が保持する視聴履歴のデータの、処理手順の開始時(ステップS201の前)から、第2回目の再生によって視聴履歴を登録し始める前(ステップS243の前)までにおける内容を示す概略図である。図示するように、当該期間において、TV-Bの視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx002」についての視聴履歴を持たない。
【0130】
図24は、テレビ53(TV-B)の視聴履歴管理装置2が保持する視聴履歴のデータの、第2回目の再生の終了後(ステップS253より後)における内容を示す概略図である。図示するように、当該期間において、TV-Bの視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx002」について1件の視聴履歴のレコードを持つ。その視聴履歴の登録日時は、「2020/10/01 23:10:00」である。この日時は、第2回目の再生において最後に視聴履歴が登録されたタイミングを表している。また、コンテンツIDは、「xxx002」である。また、URLは、「https://ggggg」である。このURLは、オンデマンド配信のためのURLである。また、視聴開始時刻(相対時刻)は、「60」(分)である。これは、オンデマンド配信によるコンテンツが、途中(先頭から60分経過後の位置)から視聴されたことを表している。また、視聴時間は、「60」(分)である。これは、視聴開始から60分後に再生が終了したこと(ステップS251の通信オンデマンドコンテンツ終了)を表している。
【0131】
以上説明したように、第3実施形態では、複数台のテレビが、相互に関連付けられている。これにより、あるテレビの受信装置1は、自テレビの視聴履歴管理装置2と、他のテレビの視聴履歴管理装置2とから、視聴履歴を取得することができる。つまり、あるテレビの受信装置1は、自テレビの視聴履歴管理装置2で管理される視聴履歴だけではなく、他のテレビの視聴履歴管理装置2で管理される視聴履歴にも依存する形で、コンテンツの再生を行うことが可能となる。このような第3実施形態により、複数のテレビ間で、再生再開の位置を自動的に引き継ぐことが可能となる。また、そのとき、第1のテレビにおける再生のときの配信方法と、第2のテレビにおける再生のときの配信方法とが、異なっていてもよい。例えば、ある空間に設置されたテレビで、放送での配信によってコンテンツを再生した後に、異なる空間に設置された他のテレビで、ビデオオンデマンド(通信)によって、先の視聴履歴に依存する形で(例えば、再生位置を引き継ぐ形で)コンテンツを再生することができる。
【0132】
[第3実施形態の変形例1]
第3実施形態では、TV-AとTV-Bとが、それぞれ視聴履歴管理装置2を持っていた。変形例として、TV-Aの視聴履歴管理装置2の機能と、TV-Bの視聴履歴管理装置2の機能とを、いずれか一方のテレビに統合してもよい。また、TV-AまたはTV-Bのいずれのテレビでもない第3の装置として視聴履歴管理装置2を設けてもよい。
【0133】
[第3実施形態の変形例2]
第3実施形態の処理手順の例では、2台のテレビが連携する場合を説明した。テレビの台数は2台に限られず、変形例として、3台以上のテレビが総合に関連付けられて、相互の視聴履歴を参照および利用しあえるようにしてもよい。
【0134】
[第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。なお、前実施形態までにおいて既に説明した事項については以下において説明を省略する場合がある。ここでは、本実施形態に特有の事項を中心に説明する。第4実施形態では、複数台のテレビのそれぞれが、第1実施形態で説明した受信装置1の機能を備える。また、それらのテレビとは別に、スマートフォン(携帯型端末装置)が、受信装置1の機能と、視聴履歴管理装置2の機能とを備える。
【0135】
図25は、本実施形態によるシステムの構成を示すブロック図である。図示するように、本実施形態におけるシステムは、配信装置7と、テレビ54および55と、スマートフォン56と、視聴者装置3とを含んで構成される。配信装置7は、例えば、放送局の設備の一部として設けられる。また、テレビ54および55のそれぞれは、内部に、受信装置1の機能を備える。視聴者装置3は、例えば、テレビのリモコン装置である。リモコン装置は、例えば、赤外線信号を用いて、テレビへの指示を送信する。あるいは、視聴者装置3は、テレビと連携する機能(例えば、ハイブリッドキャストコネクトの機能)を備えたスマートフォン等の携帯端末であってもよい。視聴者装置3は、視聴者の操作等に基づいて、テレビ54と55のそれぞれに対して指示を送信することができる。
【0136】
図25に示すスマートフォン56は、通信および情報処理の機能を備えた、個人用の小型携帯端末の一種である。スマートフォン56は、画面に映像等を表示することができる。スマートフォン56の画面にはタッチパネルが設けられており、スマートフォン56のユーザーは、スマートフォン56に情報を入力したり、画面に表示されたボタンを押下したりするなどの方法でスマートフォン56に指示を送ることができる。スマートフォン56は、受信装置1の機能と、視聴履歴管理装置2の機能とを備えている。また、スマートフォン56は、視聴者装置3Cの機能を備えている。視聴者装置3Cは、前述の視聴者装置3と同等の機能を備えている。視聴者装置3Cは、ユーザー(視聴者)の操作等に基づいて、スマートフォン56内の受信装置1に対して、電気信号による指示を送ることができる。なお、スマートフォン56内の視聴者装置3Cが、視聴者装置3の機能を備えるようにしてもよく、この場合には、スマートフォン56内の視聴者装置3Cが、テレビ54や55に指示信号を送ることができるようにする。
【0137】
図25に示す構成において、テレビ54と、テレビ55と、スマートフォン56とは、予め相互に関連付けられている。テレビ54の受信装置1と、テレビ55の受信装置1と、スマートフォン56の受信装置1とは、スマートフォン56内の視聴履歴管理装置2を共有して使用することができる。言い換えれば、テレビ54の受信装置1と、テレビ55の受信装置1と、スマートフォン56の受信装置1とのそれぞれは、スマートフォン56の視聴履歴管理装置2に、視聴履歴を登録することができる。また、テレビ54の受信装置1と、テレビ55の受信装置1と、スマートフォン56の受信装置1とのそれぞれは、スマートフォン56の視聴履歴管理装置2から、視聴履歴を取得することができるように構成されている。
【0138】
なお、以下において、テレビ54を「TV-A」と呼び、テレビ55を「TV-B」と呼び、スマートフォン56を「スマートフォンC」と呼ぶ場合がある。なお、「TV」はテレビジョンの略であり、「テレビ」と同等の意味を持つ。
【0139】
図26、
図27、
図28、
図29、
図30は、本実施形態におけるシステムの動作手順の例を示すシーケンス図である。
図26~
図30は、一連のシーケンスを示している。以下、このシーケンス図に沿って、システムの動作を説明する。
【0140】
[処理手順3:第1回目の視聴]
まず
図26のステップS301において、視聴者装置3は、視聴者の操作に基づいて、コンテンツIDが「xxx003」であるコンテンツの視聴(受信および再生)を開始する旨の指示を、TV-Aの受信装置1に送る。なお、本例では、当該コンテンツの視聴開始の日時は、「2020/10/03 18:00:00」であることを想定している。
【0141】
次に、ステップS302において、TV-Aの受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、ステップS301における指示に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0142】
次に、ステップS303において、配信装置7のコンテンツ管理部71は、TV-Aの受信装置1からの要求に基づいて、コンテンツ情報をTV-Aの受信装置1に送信する。このコンテンツ情報については、後で
図31を参照しながら説明する。
【0143】
次に、ステップS304において、TV-Aの受信装置1の視聴履歴取得部13は、スマートフォンC内の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。本例において、この時点では、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx003」についての視聴履歴は存在しない。
【0144】
次に、ステップS305において、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、ステップS304における視聴履歴の要求に対して返答する。ただし、この返答における視聴履歴は空データである。
【0145】
次に、ステップS306において、TV-Aの受信装置1の放送受信部15は、コンテンツID「xxx003」に対応する放送の受信を開始する。なお、TV-Aの受信装置1の再生方法決定部11は、ステップS303で受信済みのコンテンツ情報に基づいて、放送によってコンテンツを受信することを決定している。当該放送を受信するためのURLもそのコンテンツ情報に含まれている。
【0146】
次に、ステップS307において、TV-Aの受信装置1のコンテンツ提示部16は、放送で受信したコンテンツを再生する。即ち、コンテンツ提示部16は、コンテンツをデコードし、視聴者に提示する。
【0147】
TV-Aの受信装置1でのコンテンツの再生開始後、ステップS308、ステップS309、ステップS310、・・・において、TV-Aの受信装置1の状態管理部17は、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。コンテンツの受信および再生が行われている間、TV-A内の状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。スマートフォンCの視聴履歴管理装置2において、視聴履歴の中の再生時間のデータが繰り返し更新される。つまり、コンテンツの受信および再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0148】
本例の想定では、コンテンツの視聴を開始してから30分後の「2020/10/03 18:30:00」において、視聴者は、TV-Aの部屋からTV-Bの部屋に移るために、一旦TV-Aでのコンテンツの視聴を中止する。そのため、システムは以下の手順を続けて実行する。
【0149】
次に
図27に移って、ステップS321において、視聴者装置3は、TV-Aの受信装置1に対して、コンテンツの視聴を停止するための指示(例えば、TV-Aの電源断など)を送信する。これにより、TV-Aの受信装置1は、コンテンツの受信および再生を停止する。
【0150】
次に、ステップS322において、ステップS321での視聴の停止の要求を受けて、TV-Aの受信装置1の状態管理部17は、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0151】
次に、ステップS323において、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、ステップS322で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関する視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、TV-Aの受信装置1の状態管理部17に対して送信する。本例では、この時点での日時は「2020/10/03 18:30:00」であることが想定されている。
【0152】
以上の、ステップS301からS323までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、第1回目のコンテンツ視聴にあたるものである。
【0153】
[処理手順3:第2回目の視聴]
次に
図28に移って、ステップS331において、視聴者装置3は、第2回目の再生として、TV-Bの受信装置1に対して、コンテンツID「xxx003」のコンテンツの視聴開始を指示する。
【0154】
次に、ステップS332において、TV-Bの受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、ステップS331における指示に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0155】
次に、ステップS333において、配信装置7のコンテンツ管理部71は、TV-Bの受信装置1からの要求に基づいて、コンテンツ情報をTV-Bの受信装置1に送信する。このコンテンツ情報は、後で
図31を参照しながら説明するものである。
【0156】
次に、ステップS334において、TV-Bの受信装置1の視聴履歴取得部13は、スマートフォンC内の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。この時点では、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx003」について、上記の第1回目の視聴の結果に基づく履歴が存在している。
【0157】
次に、ステップS335において、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、ステップS334における視聴履歴の要求に対して返答する。つまり、視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx003」についてのTV-Aにおける視聴の履歴の情報を、TV-Bの受信装置1の視聴履歴取得部13に送信する。このTV-Bの視聴履歴取得部13は、TV-Aによる視聴履歴を取得する。
【0158】
次に、ステップS336において、TV-Bの受信装置1の再生方法決定部11は、ステップS333で得られているコンテンツ情報と、ステップS335で得られている視聴履歴等に基づいて、再生方法に関する複数の選択肢を、視聴者に提示する。具体的には、TV-Bの受信装置1の再生方法決定部11は、コンテンツID「xxx003」のコンテンツを、通信によるビデオオンデマンド(URLは、https://jjjjj)で途中から(第1回目の視聴で終了した再生位置から)視聴するか、ビデオオンデマンド(URLは、https://jjjjj)で最初から視聴するか、放送(URLは、arib://hhhhh)で視聴するか、という選択肢をTV-Bの画面に表示する。また、受信装置1の再生方法決定部11は、この画面への表示に対応する、視聴者装置3からの指示を待つ。
【0159】
本例では次に、ステップS337において、視聴者装置3が、視聴者の操作に基づいて、放送受信(上記のarib://hhhhhによる受信)によるコンテンツの視聴を指示するための信号を、TV-Bの受信装置1に送信する。この指示により、TV-Bの受信装置1の再生方法決定部11は、放送中のコンテンツを受信して再生することを決定する。なお、本例において、ステップS337の指示が行われる日時は、「2020/10/03 18:40:00」であることが想定されている。
【0160】
次に、ステップS338において、TV-Bの受信装置1の放送受信部15は、コンテンツID「xxx003」に対応する放送の受信を開始する。なお、TV-Bの受信装置1の再生方法決定部11は、前述の通り、放送によってコンテンツを受信することを決定している。当該放送を受信するためのURLは、ステップS333でTV-Bの受信装置1の再生方法決定部11取得したコンテンツ情報に含まれている。
【0161】
次に、ステップS339において、TV-Bの受信装置1のコンテンツ提示部16は、放送受信部15が受信したコンテンツを再生する。即ち、コンテンツ提示部16は、コンテンツをデコードし、視聴者に提示する。
【0162】
TV-Bの受信装置1でのコンテンツの再生開始後、ステップS340、ステップS341、ステップS342、・・・において、TV-Bの受信装置1の状態管理部17は、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。コンテンツの受信および再生が行われている間、TV-B内の状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。スマートフォンCの視聴履歴管理装置2において、視聴履歴の中の再生時間のデータが繰り返し更新される。つまり、コンテンツの受信および再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0163】
本例の想定では、この第2回目のコンテンツの視聴を開始してから140分後(当初の放送コンテンツの開始からは180分後)の「2020/10/03 21:00:00」に、コンテンツ「xxx003」の放送が終了する。
【0164】
次に、ステップS343において、上記の放送の終了という事象をトリガーとして、TV-Bの受信装置1の状態管理部17は、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0165】
次に、ステップS344において、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、ステップS343で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関する視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、TV-Bの受信装置1の状態管理部17に対して送信する。
【0166】
以上の、ステップS331からS244までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、第2回目のコンテンツ視聴にあたるものである。本例では、コンテンツ「xxx003」の、相対時刻30分から40分までの10分間は、視聴されなかった。視聴者は、コンテンツ内容が気になり、再度同一コンテンツの視聴を行うことを決定し、そのためにスマートフォンCを起動する。
【0167】
[処理手順3:第3回目の視聴]
次に
図29に移って、ステップS351において、スマートフォンCの視聴者装置3Cは、スマートフォンCの受信装置1に対して、コンテンツID「xxx003」のコンテンツの視聴開始を指示する。
【0168】
次に、ステップS352において、スマートフォンCの受信装置1のコンテンツ情報取得部12は、ステップS351における指示に基づいて、配信装置7に対して、コンテンツ情報要求を送信する。
【0169】
次に、ステップS353において、配信装置7のコンテンツ管理部71は、スマートフォンCの受信装置1からの要求に基づいて、コンテンツ情報をスマートフォンCの受信装置1に送信する。このコンテンツ情報は、後で
図31を参照しながら説明するものである。
【0170】
次に、ステップS354において、スマートフォンCの受信装置1の視聴履歴取得部13は、スマートフォンC内の視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴を要求する。この時点では、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2には、コンテンツID「xxx003」について、上記の第1回目および第2回目の視聴の結果に基づく履歴が蓄積されている。
【0171】
次に、ステップS355において、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、ステップS354における視聴履歴の要求に対して返答する。つまり、視聴履歴管理装置2は、コンテンツID「xxx003」についてのTV-Aにおける視聴履歴およびTV-Bにおける視聴履歴を、スマートフォンCの受信装置1の視聴履歴取得部13に送信する。このスマートフォンCの視聴履歴取得部13は、TV-AおよびTV-Bを用いて行われた当該コンテンツの視聴の履歴を取得する。
【0172】
次に、ステップS356において、スマートフォンCの受信装置1の再生方法決定部11は、ステップS353で得られているコンテンツ情報と、ステップS355で得られている視聴履歴等に基づいて、再生方法についての情報を視聴者に提示する。具体的には、スマートフォンCの受信装置1の再生方法決定部11は、コンテンツID「xxx003」のコンテンツを、通信によるビデオオンデマンド(URLは、https://jjjjj)で、途中から(第1回目の視聴にも第2回目の視聴にも含まれていない再生位置(相対位置で、30分の位置)から視聴可能であることを提示する。なお、再生方法決定部11は、通信によるビデオオンデマンド(URLは、https://jjjjj)で最初から再生するという選択肢を同時に提示してもよい。スマートフォンCの受信装置1の再生方法決定部11は、この画面への表示に対応する、視聴者装置3Cからの指示を待つ。なお、本ステップの処理において、取得済みの視聴履歴は、視聴開始時刻0(分)且つ視聴時間30(分)のレコードと、視聴開始時刻40(分)且つ視聴時間140(分)のレコードとを持つ(
図34も参照)。この視聴履歴の情報からは、再生方法決定部11は、視聴開始時刻30(分)からの10分間が未視聴であることが容易に求められる。
【0173】
つまり、ここでは、再生方法決定部11は、視聴履歴に含まれる再生の開始位置および終了位置の情報に基づいて、当該コンテンツの、まだ視聴されていない位置の再生を、提示する。
【0174】
本例では、次に、ステップS357において、視聴者装置3Cは、視聴者の操作に基づいて、ビデオオンデマンド(URLは、https://jjjjj)によって視聴開始位置30(分)のポイントから当該コンテンツを視聴するための信号を、スマートフォンCの受信装置1に送信する。この指示により、スマートフォンCの受信装置1の再生方法決定部11は、ビデオオンデマンドで、視聴開始時刻「30」(分)としてコンテンツを受信して再生することを決定する。
【0175】
次に、ステップS358において、スマートフォンCの受信装置1は、配信装置7に対して、通信によるオンデマンドコンテンツの配信を要求する。このとき、受信装置1は、コンテンツ取得要求を送信する。ここで指定される視聴開始時刻(相対時刻)は「30」(単位は、分)である。
【0176】
次に、ステップS359において、配信装置7は、スマートフォンCの受信装置1に対して、通信によるオンデマンドコンテンツを返答する。
【0177】
次に、ステップS360において、スマートフォンCの受信装置1の通信受信部14は、続きの再生位置からのオンデマンドコンテンツの受信を開始する。また、スマートフォンCの受信装置1のコンテンツ提示部16は、受信したコンテンツの提示を開始する。
【0178】
通信によるコンテンツの再生開始後、ステップS361、ステップS362、ステップS363、・・・において、スマートフォンCの受信装置1の状態管理部17は、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2に視聴履歴を登録する。コンテンツの受信および再生が行われている間、スマートフォンCの状態管理部17は、その状態を把握し、繰り返し視聴履歴の更新を行う。これにより、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2には、当該コンテンツの視聴履歴が登録される。コンテンツの再生の処理の経過に伴って、記録されている視聴時間の値が徐々に増えていく。
【0179】
第3回目の視聴の開始から10分経過した時点で、視聴者がまだ視聴していなかった区間の再生は終了する。本例では、その時点で、視聴者が再生を停止することを決定し、視聴者装置3Cを操作する。
【0180】
次に
図30に移って、ステップS371において、視聴者装置3Cは、スマートフォンCの受信装置1に対して、停止要求の信号を送信する。
【0181】
次に、ステップS372において、配信装置7は、スマートフォンCの受信装置1に対して、オンデマンドコンテンツの終了を通知する。これらにより、スマートフォンCの受信装置1は、コンテンツの受信および再生を停止する。
【0182】
次に、ステップS373において、スマートフォンCの受信装置1の状態管理部17は、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2に対して、視聴履歴登録終了を送信する。
【0183】
次に、ステップS374において、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、ステップS373で受信した視聴履歴登録終了に基づいて、当該コンテンツIDに関する視聴履歴管理データベースの更新を停止する。また、スマートフォンCの視聴履歴管理装置2は、視聴履歴登録完了のメッセージを、スマートフォンCの受信装置1の状態管理部17に対して返送する。
【0184】
以上の、ステップS351からS374までの一連の処理は、本実施形態の動作例の中の、第3回目のコンテンツ視聴にあたるものである。
【0185】
図31は、上記の処理手順の例における、配信装置7のコンテンツ管理部71が保持しているコンテンツ情報の構成と、その例とを示す概略図である。コンテンツ情報が持つデータ項目については、既に
図12を参照しながら説明した通りである。図示するように、コンテンツ管理部71が保持するコンテンツ情報は、コンテンツIDが「xxx003」であるものを含む。そのコンテンツ情報の内容は、次の通りである。
【0186】
図31において、コンテンツID「xxx003」に対応するコンテンツ名は、「野球中継 東京vs台北」である。また、そのコンテンツ長は、「180」(分)である。また、配信方法として、「放送」と、「ライブストリーミング」と、「VOD」とが登録されている。配信方法が「放送」である場合のURLは「arib://hhhhh」である。配信方法が「ライブストリーミング」である場合のURLは「https://iiiii」である。配信方法が「VOD」である場合のURLは「https://jjjjj」である。また、すべての配信方法について、配信開始日時として「2020/10/03 18:00:00」が登録されている。本実施形態においても、コンテンツ情報は、単一のコンテンツに関して、複数の配信方法を一元的に管理可能としている。
【0187】
図32、
図33、
図34、
図35は、
図26から
図30までを参照しながら説明した処理手順における、視聴履歴管理装置2が保持する視聴履歴の推移を表す概略図である。視聴履歴に含まれるデータ項目については、
図7等を参照しながら既に説明した通りである。
【0188】
図32は、処理手順における第1回目の視聴が開始される前(より具体的には、ステップS308における視聴履歴の登録が行われる前)の、視聴履歴管理データベース22の状態を示す概略図である。図示するように、この段階では、視聴履歴管理データベース22は、コンテンツID「xxx003」についての視聴履歴のレコードを持たない。
【0189】
図33は、処理手順における第1回目の視聴が完了した時点(具体的には、ステップS323の処理が終了した時点)の、視聴履歴管理データベース22の状態を示す概略図である。図示するように、この段階では、視聴履歴管理データベース22は、コンテンツID「xxx003」についての、1件の視聴履歴のレコードを持つ。そのレコードに関して、登録日時は「2020/10/03 18:30:00」である。また、コンテンツIDは「xxx003」である。また、URLは「arib://hhhhh」である。また、視聴開始時刻(相対時刻)は0(分)である。また、視聴時間は30(分)である。つまり、このレコードは、当該コンテンツの第1回目の視聴が、放送による視聴であり、コンテンツの最初の位置から30分間の視聴であったことを表している。
【0190】
図34は、処理手順における第2回目の視聴が完了した時点(具体的には、ステップS344の処理が終了した時点)の、視聴履歴管理データベース22の状態を示す概略図である。図示するように、この段階では、視聴履歴管理データベース22は、コンテンツID「xxx003」についての、2件の視聴履歴のレコードを持つ。そのうちの1件は、
図33において説明したレコードである。他の1件のレコードに関して、登録日時は「2020/10/03 21:00:00」である。また、コンテンツIDは「xxx003」である。また、URLは「arib://hhhhh」である。また、視聴開始時刻(相対時刻)は40(分)である。また、視聴時間は140(分)である。つまり、このレコードは、当該コンテンツの第2回目の視聴が、放送による視聴であり、コンテンツの相対時刻40分の位置から140分間の視聴であったことを表している。なお、このレコードの登録日時の「21:00:00」は、放送によるコンテンツの配信の終了の時刻である。
【0191】
処理手順の中でも説明した通り、受信装置1は、
図34の視聴履歴を取得して参照することにより、当該コンテンツの相対時刻30分から40分までの10分間については、視聴されていなかったことを把握できる。
【0192】
図35は、処理手順における第3回目の視聴が完了した時点(具体的には、ステップS374の処理が終了した時点)の、視聴履歴管理データベース22の状態を示す概略図である。図示するように、この段階では、視聴履歴管理データベース22は、コンテンツID「xxx003」についての、3件の視聴履歴のレコードを持つ。そのうちの2件は、
図33と
図34において説明したレコードである。他の1件のレコードに関して、登録日時は「2020/10/03 21:10:00」である。また、コンテンツIDは「xxx003」である。また、URLは「https://jjjjj」である。また、視聴開始時刻(相対時刻)は30(分)である。また、視聴時間は10(分)である。つまり、このレコードは、当該コンテンツの第3回目の視聴が、VODによる視聴であり、コンテンツの相対時刻30分の位置から10分間の視聴であったことを表している。また、視聴履歴により、第3回目の視聴は、放送が終了した直後の21:00:00からの10分間であったことがわかる。
【0193】
以上説明したように、第4実施形態では、1台のスマートフォンが視聴履歴管理装置2を持ち、当該スマートフォンの受信装置1だけではなく、他の2台のテレビの受信装置1における視聴履歴をも管理するようにした。これにより、テレビが視聴履歴管理装置2の機能を持たずに、テレビの受信装置1が、視聴履歴を登録したり、過去の視聴履歴を参照してその視聴履歴に依存する形でのコンテンツの再生を行ったりすることが可能となる。
【0194】
[第4実施形態の変形例1]
第4実施形態では、スマートフォンが1台、テレビが2台で構成されたシステムを説明した。変形例として、テレビの台数は、2台に限られず、1台、あるいは3台以上であってもよい。
【0195】
[第4実施形態の変形例2]
スマートフォンが受信装置1を持たないようにしてもよい。ただし、その場合も、スマートフォンは、視聴履歴管理装置2の機能を持つようにする。
【0196】
図36は、上で説明した各実施形態における、受信装置や、視聴履歴管理装置や、配信装置の内部構成の例を示すブロック図である。なお、視聴者装置を
図36に示す構成を用いて実現することもできる。図示するように、各装置は、コンピューターを用いて実現され得る。そのコンピューターは、中央処理装置901と、RAM902と、入出力ポート903と、入出力デバイス904や905等と、バス906と、を含んで構成される。コンピューター自体は、既存技術を用いて実現可能である。中央処理装置901は、RAM902等から読み込んだプログラムに含まれる命令を実行する。中央処理装置901は、各命令にしたがって、RAM902にデータを書き込んだり、RAM902からデータを読み出したり、算術演算や論理演算を行ったりする。RAM902は、データやプログラムを記憶する。RAM902に含まれる各要素は、アドレスを持ち、アドレスを用いてアクセスされ得るものである。なお、RAMは、「ランダムアクセスメモリー」の略である。入出力ポート903は、中央処理装置901が外部の入出力デバイス等とデータのやり取りを行うためのポートである。入出力デバイス904や905は、入出力デバイスである。入出力デバイス904や905は、入出力ポート903を介して中央処理装置901との間でデータをやりとりする。バス906は、コンピューター内部で使用される共通の通信路である。例えば、中央処理装置901は、バス906を介してRAM902のデータを読んだり書いたりする。また、例えば、中央処理装置901は、バス906を介して入出力ポートにアクセスする。
【0197】
なお、上述した実施形態における受信装置や、視聴履歴管理装置や、配信装置や、視聴者装置の少なくとも一部の機能をコンピューターで実現することができる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピューター読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピューターシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピューターシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、DVD-ROM、USBメモリー等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。つまり、「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、非一過性の(non-transitory)コンピューター読み取り可能な記録媒体であってよい。さらに「コンピューター読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、一時的に、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバーやクライアントとなるコンピューターシステム内部の揮発性メモリーのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピューターシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0198】
以上、この発明の実施形態(変形例を含む)について、図面を参照しながら詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0199】
本発明は、例えば、視聴者がコンテンツを視聴するためのシステムとして利用することができる。但し、本発明の利用範囲はここに例示したものには限られない。
【符号の説明】
【0200】
1 受信装置
2 視聴履歴管理装置
3 視聴者装置
7 配信装置
9 通信ネットワーク
10 システム
11 再生方法決定部
12 コンテンツ情報取得部
13 視聴履歴取得部
14 通信受信部
15 放送受信部
16 コンテンツ提示部
17 状態管理部
21 インターフェース部
22 視聴履歴管理データベース
51,52,53,54,55 テレビ
56 スマートフォン
71 コンテンツ管理部
76 配信方法決定部
77 通信配信部
78 放送配信部
901 中央処理装置
902 RAM
903 入出力ポート
904,905 入出力デバイス
906 バス