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特許7592017パターン形成のための低Tgオリゴマーの存在下での増強された誘導自己集合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】パターン形成のための低Tgオリゴマーの存在下での増強された誘導自己集合
(51)【国際特許分類】
   C08L 53/00 20060101AFI20241122BHJP
   C08L 25/14 20060101ALI20241122BHJP
   C08L 33/04 20060101ALI20241122BHJP
   C09D 153/00 20060101ALI20241122BHJP
   C09D 125/14 20060101ALI20241122BHJP
   C09D 133/04 20060101ALI20241122BHJP
   C08F 293/00 20060101ALI20241122BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241122BHJP
   B05D 3/10 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
C08L53/00
C08L25/14
C08L33/04
C09D153/00
C09D125/14
C09D133/04
C08F293/00
H01L21/302 105A
B05D3/10 C
【請求項の数】 30
(21)【出願番号】P 2021541212
(86)(22)【出願日】2020-01-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-08
(86)【国際出願番号】 EP2020050856
(87)【国際公開番号】W WO2020148305
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2023-01-12
(31)【優先権主張番号】62/793,436
(32)【優先日】2019-01-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/943,326
(32)【優先日】2019-12-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100139527
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 克礼
(74)【代理人】
【識別番号】100164781
【弁理士】
【氏名又は名称】虎山 一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】バスカラン・ドゥライラジュ
(72)【発明者】
【氏名】モンリアル・ヴィクター
【審査官】中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-231233(JP,A)
【文献】特開2016-138245(JP,A)
【文献】特開2013-166933(JP,A)
【文献】特表2018-502967(JP,A)
【文献】特開2015-061905(JP,A)
【文献】特開2019-172806(JP,A)
【文献】特開2013-129836(JP,A)
【文献】特開2010-144120(JP,A)
【文献】特許第5710546(JP,B1)
【文献】特許第5642731(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 53/00
C08L 25/14
C08L 33/04
C09D 153/00
C09D 125/14
C09D 133/04
C08F 293/00
H01L 21/302
B05D 3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分a)、b)及びc)を含む組成物:
a)は、一種のブロックコポリマー成分、または少なくとも二種のブロックコポリマーのブレンドであり、
前記成分a)は、ABA型トリブロックコポリマーa-1t)、ABA型トリブロックコポリマーa-2t)、及びABA型トリブロックコポリマーa-1t)とABA型トリブロックコポリマーa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるABA型トリブロックコポリマー成分であり、但し、
a-1t)は、スチレン系構造(I)を有する繰り返し単位の中間B)スチレン系ブロックセグメントと、構造(II)を有する等しい長さの二つの末端アクリル系ブロックA)セグメントとを含むABA型トリブロックコポリマーであり、式中、R 及びR は、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、R はHまたはC1~C8アルキルであり、R はC1~C8アルキルであり、及び
構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(I)の繰り返し単位では40モル%~80モル%であり、構造(II)の繰り返し単位では20モル%~60モル%であり、及び
構造(I)及び(II)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び
前記トリブロックコポリマーa-1t)は、1.0~1.1の多分散性を有し、及び70,000g/モル~350,000g/モルのMnを有し、
【化1】
a-2t)は、スチレン系構造(Ia)を有する繰り返し単位の中間B)ブロックセグメントと、アクリル系構造(IIa)を有する等しい長さの二つの末端ブロックA)セグメントとを含むABA型トリブロックコポリマーであり、式中、R 1a 及びR 3a は、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、R 2a はHまたはC1~C8アルキルであり、R 4a はC1~C8アルキルであり、
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ia)の繰り返し単位では40モル%~80モル%であり、構造(IIa)の繰り返し単位では20モル%~60モル%であり、及び
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び、
前記トリブロックコポリマーa-2t)は、1.0~1.1の多分散性を有し、及び70,000g/モル~350,000g/モルのMnを有する、
【化2】
あるいは、
前記成分a)は、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)、及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であり、但し
a-1)は、スチレン系構造(I)を有するスチレン系繰り返し単位を含むブロックA)及びアクリル系構造(II)を有する繰り返し単位を含むブロックB)のジブロックコポリマーであり、但し、R 及びR は、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、R はHまたはC1~C8アルキルであり、R はC1~C8アルキルであり、及び構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(I)の繰り返し単位では40モル%~80モル%であり、構造(II)の繰り返し単位では20モル%~60モル%であり、
構造(I)及び(II)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び
前記ジブロックコポリマーa-1)は、1.0~1.1の多分散性を有し、及び93,000g/モル~150,000g/モルのMnを有し、
【化3】
a-2)は、スチレン系構造(Ia)を有する繰り返し単位を含むブロックA-a)及びアクリル系構造(IIa)を有する繰り返し単位を含むブロックB-a)のジブロックコポリマーであり、但し、R 1a 及びR 3a は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R 2a はHまたはC1~C8アルキルであり、C 4a はC1~C8アルキルであり、そして
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ia)の繰り返し単位では40モル%~80モル%であり、構造(IIa)の繰り返し単位では20モル%~60モル%であり、及び
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び、
前記ジブロックコポリマーa-2)は、1.0~1.1の多分散性を有し、及び30,000g/モル~90,000g/モルのMnを有する;
【化4】
b)は、
オリゴランダムコポリマーb-1)、
オリゴジブロックコポリマーb-2)、
オリゴジブロックコポリマーb-3)、及び
これらの混合物、
からなる群から選択される低Tg添加剤であり、但し、
b-1)は、構造(Ib)及び構造(IIb)を有する二つの繰り返し単位のオリゴランダムコポリマーであり、式中、R1b及びR3bは、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R2bはHまたはC1~C8アルキルであり、R4bはC1~C8アルキルであり、そして
構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ib)の繰り返し単位では40モル%~80モル%であり、構造(IIb)の繰り返し単位では20モル%~60モル%であり、及び
構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び更に、
前記オリゴランダムコポリマーb-1)は、0℃~90℃のTgを有し、及び
1000g/モル~5,000g/モルのMnを有し、及び
1.3~1.8の多分散性を有し、
【化5】
b-2)は、1,000~35,000のMn及び1.0~1.1の多分散性を有する、ブロックA-b)及びブロックB-b)のオリゴジブロックコポリマーであり、但し、
ブロックA-b)は、構造(III)及び(IV)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてブロックB-b)は、構造(V)及び(VI)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、及び
、R、R、及びR11は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、RはC7~C10直鎖アルキルであり、RはHまたはC1~C4アルキルであり、R10はC1~C4アルキルであり、R12及びR13は、個別に、C2~C5アルキレンから選択され、そしてR14はC1~C4アルキルであり、及び前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、0℃~95℃の値を有するTgを有し、
【化6】
b-3)は、構造(Ic)を有する繰り返し単位を含むブロックA-c)及び構造(IIc)を有する繰り返し単位を含むブロックB-c)のオリゴジブロックコポリマーであり、但し、R1c及びR3cは、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R2cはHまたはC1~C8アルキルであり、R4cはC1~C8アルキルであり、そして構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ic)の繰り返し単位では36モル%~74モル%であり、構造(IIc)の繰り返し単位では26モル%~64モル%であり、そして構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され、及び
前記オリゴジブロックコポリマーb-3)は、1000g/モル~30,000g/モルのMn、1.0~1.1の多分散性、及び0℃~115℃のTgを有し、
【化7】
c)は、スピンキャスト用有機溶剤であり、
前記ガラス転移温度(Tg)は、窒素下に10℃/分の加熱速度を用いたDSC測定によって、吸熱性転移の中間点として0から300℃までの第一の加熱走査でTgを求めることで、決定したものであり、及び
Mn及び多分散性は、溶離液としてTHF溶剤及びキャリブレーションにポリスチレンポリマー標準を用いて、100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを装備したゲル浸透クロマトグラフィにより決定したものであり、
但し、前記ジブロックコポリマーa-2)と前記オリゴジブロックコポリマーb-3)とを組み合わせて含む組成物は除く
【請求項2】
前記成分a)が、単一のトリブロックコポリマー及び少なくとも二種のトリブロックコポリマーのブレンド、または単一のジブロックコポリマー及び少なくとも二種のジブロックコポリマーのブレンドのいずれかから選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記成分a)が、構造(ABA-1)のトリブロックコポリマー、構造(ABA-2)のトリブロックコポリマー、及びこれらの二種のブロックコポリマーの混合物から選択されるトリブロックコポリマーであり、式中、mt、mta、nt及びntaは繰り返し単位の数であり、R1s、R1sa、R2s、及びR2saは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、及びSi(R5sから選択され、ここでR3s、R4s及びR5sは独立してC1~C4アルキルから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【化8】
【請求項4】
、R1a、R、R2a並びにR1s及びR2sがHであり及びR3、3a、、及びR4aがメチルである、請求項に記載の組成物。
【請求項5】
、R1a、R及びR2aがHであり、及びR3、3a、、及びR4aがメチルである、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項6】
ジブロックコポリマーa-1)及びa-2)が、それぞれ、構造(I-S)及び構造(I-S-a)を有し、但し、R1s、R1sa、R2s、及びR2saは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、及びSi(R5sから選択され、ここでR3s、R4s及びR5sは、独立して、C1~C4アルキルから選択される、請求項1または2に記載の組成物。
【化9】
【請求項7】
1s、R2s、R1sa及びR2saが水素である、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
前記オリゴジブロックコポリマーb-2)及びb-3)が、それぞれ構造(I-S-b)及び構造(I-S-c)に示されるようにブロックA-b)とブロックB-b)との間にまたはブロックA-c)とブロックB-c)との間にそれぞれスペーサ部分を有し、但し、R1sb、R1sc、R2sb、及びR2scは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、Si(R5sから選択され、ここでR3s、R4s及びR5sは、独立して、C1~C4アルキルから選択される、請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【化10】
【請求項9】
1sb、R2sb、R1sc及びR2scが水素である、請求項に記載の組成物。
【請求項10】
成分a)について、前記ジブロックコポリマー成分a-1)が、1.00~1.03の多分散性、及び/または93,000g/モル~105,300g/モルのMnを有する、請求項のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項11】
成分a)の前記ジブロックコポリマー成分a-1)について、構造(I)の繰り返し単位のモル%値が、40モル%~60モル%であり、構造(II)の繰り返し単位のモル%値が40モル%~60モル%である、あるいは
構造(I)の繰り返し単位のモル%値が、60モル%~75モル%であり、構造(II)の繰り返し単位のモル%値が25モル%~40モル%である、
請求項のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項12】
成分a)について、前記ジブロックコポリマー成分a-2)が、1.00~1.03の多分散性及び/または40,800g/モル~61,200g/モルのMnを有する、請求項のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項13】
成分a)について、単一のブロックコポリマーa-1)もしくはa-2)のいずれかでまたはa-1)とa-2)とのブレンドにおいて、構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位の全モル%値が40モル%~60モル%であり、及び構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル%値が40モル%~60モル%である、あるいは
成分a)について、単一のブロックコポリマーa-1)もしくはa-2)のいずれかでまたはa-1)とa-2)とのブレンドにおいて、構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位の全モル%値が60モル%~75モル%であり、及び構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル%値が25モル%~40モル%である、
請求項のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項14】
成分a)が、全組成物の0.5重量%~2.0重量%である、請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項15】
成分b)としてのオリゴランダムコポリマーb-1)が、R1b及びR2bがHであり、及びR3b及びR4bがメチルであるものである、及び/あるいは
オリゴジブロックコポリマーb-2)が、R、R及びRがHであり、Rがn-オクチルまたはn-ノニルであり、R及びR11がメチルであり、R10がメチルまたはエチルであり、R12及びR13が独立してエチレンまたはプロピレンであり、及びR14がメチルまたはエチルであるものである、及び/あるいは
オリゴジブロックコポリマーb-3)が、R1c及びR2cがHであり、R3c及びR4cがメチルであるものである、
請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項16】
がn-オクチルであり、R10がメチルであり、R12及びR13がエチレンであり、及びR14がメチルである、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
成分b)について、オリゴランダムコポリマーb-1)が、1.3~1.5の多分散性、及び/または50℃~90℃のTgを有する、請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項18】
成分b)のオリゴジブロックコポリマーb-2)について、これが、
構造(IV)の繰り返し単位の前記モル%が25モル%~50モル%であり、及び
構造(V)の繰り返し単位の前記モル%が40モル%~60モル%である、あるいは
構造(III)の繰り返し単位の前記モル%が、構造(IV)の繰り返し単位のモル%の20%~30%であり、及び構造(VI)の繰り返し単位についてそのモル%が、構造(V)の繰り返し単位のモル%の12%~20%であり、
構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるように、それらの各々の範囲から選択される、
ものである、
請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項19】
成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-2)が、1.03~1.08の多分散性、及び/または15000g/モル~32000g/モルのMn、及び/または50℃~90℃のTgを有する、請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項20】
成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-3)が、15,000~30,000g/モルのMn、及び/または1.02~1.08の多分散性、及び/または50℃~90℃のTgを有する、請求項1~のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項21】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)であり、そしてこれが、
構造(Ic)の繰り返し単位の前記モル%が40モル%~60モル%であり、及び構造(IIc)の繰り返し単位の前記モル%が40モル%~60モル%であるものである、請求項1~のいずれか一つ記載の組成物。
【請求項22】
成分a)が、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であるか、またはトリブロックコポリマーa-1t)、トリブロックコポリマーa-2t)及びa-1t)とa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるトリブロックコポリマー成分であり、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%が45モル%~75モル%であり、構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%が25モル%~55モル%であり、及び成分b)がオリゴランダムコポリマーb-1)、オリゴジブロックコポリマーb-2)またはオリゴジブロックコポリマーb-3)である、請求項1~7のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項23】
成分a)が、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)、及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であるか、またはトリブロックコポリマーa-1t)、トリブロックコポリマーa-2t)及びa-1t)とa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるトリブロックコポリマー成分であり、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%が60モル%~75モル%であり、更に、構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%が25モル%~40モル%であり、及び成分b)がオリゴランダムコポリマーb-1)、オリゴジブロックコポリマーb-2)、またはオリゴジブロックコポリマーb-3)である、請求項のいずれか一つに記載の組成物。
【請求項24】
次のステップ:
i)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
ii)請求項1~23のいずれか一つに記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ii)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、240℃~260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iii)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む方法。
【請求項25】
ライン・アンド・スペースアレイを形成するための方法であって:
ia)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iia)請求項22に記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
iiia)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、240℃~260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iva)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項26】
コンタクトホールアレイを形成する方法であって:
ib)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iib)請求項23に記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
iiib)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、240℃~260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
ivb)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項27】
請求項1~23のいずれか一つに定義されるオリゴジブロックコポリマーb-2)。
【請求項28】
構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)を有する繰り返し単位の全モル数を基準にして繰り返し単位(III)及び(IV)のモル%の合計のモル%が40モル%~80モル%であり、及び繰り返し単位(V)及び(VI)のモル%の合計のモル%が20モル%~60モル%の範囲であり、更にここで、繰り返し単位(III)のモル%が2モル%~64モル%の範囲であり、そして繰り返し単位(VI)のモル%が1モル%~48モル%の範囲であり、及び更に、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値が、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択される、請求項27に記載のオリゴジブロックコポリマー。
【請求項29】
造(IV)の繰り返し単位の前記モル%が25モル%~50モル%であり、及び構造(V)の繰り返し単位の前記モル%が40モル%~60モル%であり、
構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるように、それらの各々の範囲から選択される、
請求項27に記載のオリゴジブロックコポリマー。
【請求項30】
自己集合膜を基材上に調製するための、請求項1~23のいずれか一つに記載の組成物または請求項2729のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマーの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックコポリマー及びブロックコポリマー組成物、並びにコンタクトホールまたはライン・アンド・スペースのアレイを形成するのに有用な自己集合形状を形成するための自己集合性ブロックコポリマー(BCP)のマイクロドメインを整列させるために該ブロックコポリマー組成物を使用する新規方法に関する。これらの組成物及び方法は、電子デバイスの製造に有用である。
【背景技術】
【0002】
ブロックコポリマーの自己集合は、ナノスケールオーダーの図形の微小寸法(CD)を達成できる、微細電子デバイスの製造のためのより一層小さなパターン化された図形を生成するために有用な方法である。自己集合方法は、コンタクトホールまたはポストのアレイなどの繰り返し図形のためのマイクロリソグラフィ技術の解像能力を拡張するために望ましい。慣用のリソグラフィ法では、基材または積層基材上にコーティングされたフォトレジスト層に対してマスクを介して露光するために紫外線(UV)を使用し得る。ポジ型もしくはネガ型フォトレジストが有用であり、そしてこれらは、慣用の集積回路(IC)プラズマ加工技術を用いた乾式現像を可能とするようにケイ素などの耐熱性元素を含むこともできる。ポジ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線は、フォトレジスト中で光化学的反応を引き起こして、露光された領域が、現像剤溶液でまたは慣用のICプラズマ加工によって除去されるようになる。これとは反対に、ネガ型フォトレジストでは、マスクを通過したUV放射線が、放射線に曝された領域を現像剤溶液を用いてまたは慣用のICプラズマ加工では除去され難くする。ゲート、ビアまたはインターコネクタなどの集積回路図形が次いで基材または層状基材中にエッチングされ、そして残ったフォトレジストは除去される。慣用のリソグラフィ露光プロセスを用いると、集積回路図形の図形寸法には限界がある。パターン寸法の更なる縮小は、収差、焦点、プロキシミティ効果、達成可能な最小露光波長及び達成可能な最大開口数に関連した制限の故に放射線露光を用いては達成が困難である。大規模集積へのニーズの故に、デバイスの回路寸法及び図形は絶え間なく縮小されてきた。過去には、図形の最終の解像度は、それ自体に限界のある、フォトレジストの露光に使用される光の波長に依存してきた。基材上のパターン化された領域を使用するブロックコポリマー画像形成を用いたグラフォエピタキシ及びケモエピタキシなどの誘導(別称ではガイド)自己集合技術は、CD変動を減少しながら解像度を向上するために使用される非常に望ましい技術である。これらの技術は、慣用のUVリソグラフィ技術を増強するか、あるいはEUV、電子線、ディープUVまたは液浸リソグラフィを使用する方策において更により高い解像度及びCDコントロールを可能とするために使用することができる。誘導自己集合ブロックコポリマーは、エッチング耐性のコポリマー性単位のブロックと、エッチングされやすいコポリマー性単位のブロックを含み、このブロックコポリマーは、基材上でコーティング、整列及びエッチングされた時に、非常に高密度のパターンの領域を与える。
【0003】
それ故、パターン化または非パターン化基材領域上でのブロックコポリマー膜の誘導(ガイド)または非ガイド自己集合のためには、典型的には、このブロックコポリマー層の自己集合プロセスは、中性層を覆うこの膜のアニールの間に起こる。半導体基材上のこの中性層は、非パターン化中性層であってよいか、またはケモエピタキシもしくはグラフォエピタキシでは、この中性層は、(上記のUVリソグラフィ技術を介して形成された)グラフォエピタキシもしくはケモエピタキシガイド図形を含み得る。ブロックコポリマー膜のアニールの間、下にある中性層は、ブロックコポリマードメインのナノ相分離を誘導する。一つの例は、下にある中性層表面に対して垂直なラメラまたはシリンダである相分離したドメイン形成である。これらのナノ相分離ブロックコポリマードメインは、プリパターン(例えばライン・アンド・スペースL/S)を形成し、これは、エッチングプロセス(例えばプラズマエッチング)を介して基材中に転写することができる。グラフォエピタキシまたはケモエピタキシでは、これらのガイド図形は、パターン調整及びパターン増倍の両方を誘導する。非パターン化中性層の場合は、これは、例えばL/SまたはCHの繰り返しアレイを生成する。例えば、両方のブロックがBCP-空気界面で類似の表面エネルギーを持つポリ(スチレン-b-メチルメタクリレート)(P(S-b-MMA))などの慣用のブロックコポリマーでは、これは、ポリマー-基材界面のところでグラフトもしくは架橋されている非優先的もしくは中性材料の層上にブロックコポリマーをコーティング及び熱アニールすることによって達成できる。
【0004】
グラフォエピタキシ誘導自己集合方法では、ブロックコポリマーは、慣用のリソグラフィ(紫外線、ディープUV、電子線、極端紫外線(EUV)露光源)を用いてプリパターン化されてライン/スペース(L/S)またはコンタクトホール(CH)パターンなどの繰り返しのトポグラフィ図形が形成されている基材の周りに自己組織化する。L/S誘導自己集合アレイの一例では、ブロックコポリマーは、予めパターン化されたライン間のトレンチ中に異なるピッチの並行なライン-スペースパターンを形成できる自己整列したラメラ領域を形成して、トポグラフィカルライン間のトレンチ中の空間をより微細なパターンに分割することによりパターン解像度を増強することができる。例えば、ミクロ相分離することができ、かつプラズマエッチングに耐性のある炭素を豊富に含むブロック(例えばスチレンや、またはSi、Ge、Tiのような何らかの他の元素を含むもの)とプラズマエッチングまたは除去性が高いブロックとを含むジブロックコポリマーまたはトリブロックコポリマーは、高解像度のパターン画定を供することができる。高エッチング性ブロックの例には、酸素を豊富に含みかつ耐熱性元素を含まず、更に高エッチング性ブロックを形成することができるモノマー、例えばメチルメタクリレートを含み得る。自己集合パターンを画定するエッチングプロセスに使用されるプラズマエッチングガスは、典型的には、集積回路(IC)の製造に用いられるプロセスに使用されるガスである。このようにして、慣用のリソグラフィ技術によって画定可能であったものと比べて非常に微細なパターンを典型的なIC基材に生成でき、そうしてパターンの増倍が達成される。同様に、慣用のリソグラフィによって画定されるコンタクトホールまたはポストのアレイの周りでの誘導自己集合によって適当なブロックコポリマーがそれ自体で整列するグラフォエピタキシを用い、そうしてエッチングした時にコンタクトホールのより密度の高いアレイを与えるエッチング可能なドメイン及び耐エッチング性のドメインの領域のより密度の高いアレイを形成することによってコンタクトホールなどの図形もより密度高く生成できる。その結果、グラフォエピタキシは、パターン調整及びパターン増倍の両方を提供する可能性を持つ。
【0005】
化学エピタキシまたはピン止め化学エピタキシでは、ブロックコポリマーの自己集合は、ガイド図形が異なる化学親和性の領域であるが、誘導自己集合プロセスを決定するトポグラフィを持たないかまたは僅かにしか持たない(別称では、非ガイド性トポグラフィ)表面上に形成される。例えば、基材の表面を、慣用のリソグラフィ(UV、ディープUV、電子線、EUV)を用いてパターン化して、表面ケミストリーが放射線により変性された露光された領域が、未露光で化学的変化を示さない領域と交互している異なる化学的親和性の表面をライン・アンド・スペース(L/S)パターンで生成することができる。これらの領域はトポグラフィの差異は供しないが、ブロックコポリマーセグメントの自己集合を誘導する表面化学的差異またはピン止めを供する。具体的には、耐エッチング性の繰り返し単位(例えばスチレン繰り返し単位)及び高速エッチング性の繰り返し単位(例えばメチルメタクリレート繰り返し単位)を含むブロックセグメントを持つブロックコポリマーの誘導自己集合は、パターン上での耐エッチング性ブロックセグメントと高エッチング性のブロックセグメントの正確な配置を可能とするだろう。この技術は、これらのブロックコポリマーを正確に配置すること、及びその後に、プラズマまたはウェットエッチング加工の後に基材にパターンをパターン転写することを可能にする。化学的エピタキシは、これを、化学的差異の変化によって微調整して、ラインエッジラフネス及びCDコントロールの向上を助けて、パターンの調整を可能とすることができるという利点を有する。繰り返しコンタクトホール(CH)アレイなどの他のタイプのパターンも、ケモエピタキシを用いてパターン調整することができる。
【0006】
これらの中性層は、誘導自己集合に使用されたブロックコポリマーのいずれのブロックセグメントにも親和性を持たない、基材上の層または処理された基材の表面である。ブロックコポリマーの誘導自己組織化のグラフォエピタキシ法では中性層が有用である、というのも、これらは、基材に対する耐エッチング性ブロックポリマーセグメント及び高エッチング性ブロックポリマーセグメントの適切な配置をもたらす誘導自己集合のためのブロックポリマーセグメントの適切な配置または配向を可能とするからである。例えば、慣用の放射線リソグラフィで画定されたライン・アンド・スペース図形を含む表面では、中性層は、ブロックセグメントが基材の表面に対して垂直に配向するようにブロックセグメントを配向することを可能とするが、このような配向は、慣用のリソグラフィで画定されるライン間の長さに対するブロックコポリマー中のブロックセグメントの長さに依存してパターン調整とパターン増倍の両方に理想的な配向である。基材が、ブロックセグメントのうちの一つとあまりに強く相互作用すると、このセグメントがその表面上に平坦に横たわって、セグメントと基材との間の接触面が最大化されるだろう;このような表面は、慣用のリソグラフィにより生成された図形に基づいたパターンの調整またはパターンの増倍のいずれかを達成するために使用できる望ましい垂直な整列を乱すことになるであろう。基材の選択された小さな領域を変性またはピン止めして、これらを、ブロックコポリマーの一つのブロックと強く相互作用するようにし、基材の残部は中性層でコーティングされた状態で残すことは、ブロックコポリマーのドメインを所望の方向に整列させるのに有用であり得、そしてこれは、パターン増倍のために使用されるピン止めケモエピタキシまたはグラフォエピタキシの基本となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Macromolecules 2019,52,2987-2994
【文献】Macromol.Rapid Commun.2018,39,1800479
【文献】A.Deiter Shluter et al Synthesis of Polymers,2014,Volume 1,p315
【文献】Encyclopedia of Polymer Science and Technology,2014,Vol 7,p.625
【文献】J.B.Kruger,et al,“VLSI Electronics,Microstructure Science”Chapter 5,Academic Press,p.91-136,1984
【文献】“Etch considerations for directed self-assembly patterning using capacitively coupled plasma”Vinayak Rastogi et al,Journal of Vacuum Science & Technology A36,031301,2018
【文献】David Uhrig and Jimmy Mays,“Techniques in High-Vacuum Anionic Polymerization”, Journal of Polymer Science:Part A: Polymer Chemistry,Vol.43,6179-6222(2005)
【文献】Makmrnol.Chem.191,2309-2318(1990)
【文献】Adv.Polym.Sci.86,147(1988)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ポリスチレン-b-ポリメチルメタクリレート(PS-b-PMMA)を用いた自己集合は、リソグラフィにおける次世代のパターン化材料として広く使用されており、ナノ相分離集合プロセスは、ドメインの良好に整列したアレイを生成するが、これは、膜厚が50nmを超えるとかなりの量の欠陥の形成を伴って起こる。これらの欠陥は、コンタクトホール及びライン/スペース増倍プロセスにおいて顕著であり、誘導自己集合を用いる商業的に実効可能な任意のIC製造においてデバイス収量を改善するためには大きく減少させる必要がある。欠陥の原因の一つは、位置ずれ、ブリッジ、網状構造及びラインまたはシリンダの崩壊などの欠陥を生じさせるブロックセグメントの不十分な拡散である。それ故、このような厚膜の場合でさえ誘導自己集合に影響を与え得る新規の材料及び方法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、新規のブロックコポリマー組成物を形成する添加剤として使用でき、かつ50nmを超える膜厚の場合でもこれらの欠陥を大きく減少された数でしか含まないブロックコポリマードメインの自己集合を起こすことができる、一連の低Tgオリゴマー性材料を見出した。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】オリゴ(S-co-MMA)添加剤[合成例5]を含むかまたは含まないスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合膜のコンタクトホールアレイのトップダウンSEM検証:膜厚50nm(約1Lo);中性層の膜上にキャストされた膜。中性層は、中性調合物例1(74%PS)をケイ素ウェハ上にキャストしそしてそれを240℃/5分間でベークし、その後、PGMEAでの30秒間の洗浄及び110℃で1分間のベークを行って形成した。調合物1~3(Form.Ex.1~3)の膜は、PGMEA中で1.5重量%の固形物を含み、そしてP(S-b-MMA)と、PGMEA中0~20重量%のオリゴ(S-co-MMA)(表1記載)とのブレンドを、この中性層の上面に1500rpmでスピンコートして膜(Lo=45.3/FT 50nm)を形成し、これを次いで、窒素下に250℃で5分間ベークして自己集合を起こし、そして50及び70秒間酸素プラズマでエッチングした。
図2】オリゴ(S-co-MMA)添加剤[合成例5]を含むまたは含まないスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合膜のコンタクトホールアレイのX断面SEM検証:膜厚50nm(約1Lo);中性層の膜上にキャストされた膜。中性層は、中性調合物例1(74%PS)をケイ素ウェハ上にキャストしそしてそれを240℃/5分間でベークし、その後、PGMEAでの30秒間の洗浄及び110℃で1分間のベークを行って形成した。調合物2及び3(Form.Ex.2及び3)(表1記載)の膜はPGMEA中に1.5重量%の固形物を含み、そしてP(S-b-MMA)とPGMEA中10~20重量%のオリゴ(S-co-MMA)(表1記載)とのブレンドを、この中性層の上面に1500rpmでスピンコートして膜(Lo=45.3/FT50nm)を形成し、これを次いで窒素下に250℃で5分間ベークして自己集合を起こし、そして50秒間酸素プラズマでエッチングした。
図3】オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)添加剤[合成例8]を含むまたは含まないスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合膜のコンタクトホールのトップダウンSEM検証:膜厚は50nm(約1Lo)であった;中性層の膜上にキャスト。中性層は、中性調合物例1(74%PS)をケイ素ウェハ上にキャストしそしてそれを240℃/5分間でベークし、その後、PGMEAでの30秒間の洗浄及び110℃で1分間のベークを行って形成した。調合物1、4及び5(Form.Ex.1、4及び5)の膜はPGMEA中1.5重量%の固形物を含み、そしてP(S-b-MMA)と、PGMEA中0~20重量%のオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(Synth.Ex.8)(表1記載)とのブレンドを中性層の上面に1500rpmでスピンコートして膜(Lo=45.3/FT50nm)を形成し、これを次いで窒素下に250℃で5分間ベークして自己集合を起こし、そして50及び70秒間酸素プラズマでエッチングした。
図4】オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)添加剤[合成例9]を含むまたは含まないスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合膜のライン・アンド・スペースのトップダウンSEM検証:膜厚50nm(約1L);中性層の膜上にキャストした膜。中性層は、中性調合物例1(74%PS)をケイ素ウェハ上にキャストしそしてそれを240℃/5分間でベークし、その後、PGMEAでの30秒間の洗浄及び110℃で1分間のベークを行って形成した。調合物6、10、11及び12(Form.Ex.6、10、11及び4)の膜はPGMEA中1.5重量%の固形物を含み、そしてP(S-b-MMA)と、PGMEA中0~20重量%のオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(Synth.Ex.9)(表3記載)とのブレンドを中性層の上面に1500rpmでスピンコートして膜(Lo=45.3/FT50nm)を形成し、これを次いで窒素下に250℃で5分間ベークして自己集合を起こし、次いで50及び70秒間酸素プラズマでエッチングした。
図5】オリゴ(S-b-MMA)添加剤[合成例8]を含むかまたは含まないスチレンとメチルメタクリレートとのブロックコポリマーの自己集合膜のL/SのトップダウンSEM検証:膜厚は50nm(約1Lo)であった;酸素プラズマでエッチングした後の中性層の膜上にキャスト。中性層は、中性調合物例1(74%PS)をケイ素ウェハ上にキャストしそしてそれを240℃/5分間でベークし、その後、PGMEAでの30秒間の洗浄及び110℃で1分間のベークを行って形成した。調合物6(0重量%)、13(10重量%)及び14(20重量%)(Form.Ex.6、13及び14)の膜はPGMEA中で1.5重量%の固形物を含み、そしてブロックコポリマーとしてのP(S-b-MMA)P(S-b-MMA)(42K-47K)及びPGMEA中0~20重量%のオリゴ(S-b-MMA)(Synth.Ex.7)(表3記載)を前記中性層の上面に1500rpmでスピンコートして膜(Lo=45.3/FT50nm)を形成し、これを次いで窒素下に250℃で5分間ベークして自己集合を起こし、次いで30秒間酸素プラズマでエッチングした。
図6】オリゴマーを含まないトリブロックコポリマー比較調合物4[合成例4a(50K-88k-50k)]、20重量%のオリゴマー[合成例9]または20重量%のオリゴマー[合成例7a]を含む調合物例15の自己集合膜のL/SのトップダウンSEM検証。
【0011】
本発明の一つの観点は、成分a)、b)及びc)を含む組成物に関し、ここでa)は、一種のブロックコポリマー成分であるか、または少なくとも二種のブロックコポリマーのブレンドであり、b)は、オリゴランダムコポリマーb-1)、オリゴジブロックコポリマーb-2)、オリゴジブロックコポリマーb-3)及びこれらの混合物からなる群から選択される低Tg添加剤であり、ここでb-1)、b-2)及びb-3)は次の通りであり、そしてc)はスピンキャスト用溶剤である:
【0012】
b-1)は、構造(Ib)及び構造(IIb)を有する二つの繰り返し単位のオリゴランダムコポリマーであり、これらの式中、R1b及びR3bは独立してHまたはC1~C4アルキルから選択され、R2bはHまたはC1~C8アルキルであり、R4bはC1~C8アルキルであり、そして構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ib)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、そして構造(IIb)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び更に前記オリゴランダムコポリマーb-1)は、約0℃~約80℃のTgを有し、及び約1000g/モル~約8,000g/モルのMnを有し、及び約1.3~約1.8の多分散性を有する:
【0013】
【化1】
b-2)は、約1,000~35,000のMn及び1.0~約1.1の多分散性を有する、ブロックA-b)及びブロックB-b)のオリゴジブロックコポリマーであり、ここでブロックA-b)は、構造(III)及び(IV)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてブロックB-b)は、構造(V)及び(VI)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてR、R、R、及びR11は独立してHまたはC1~C4アルキルから選択され、RはC7~C10直鎖アルキルであり、RはC1~C4アルキルであり、R10はC1~C4アルキルであり、R12及びR13は独立してC2~C5アルキレンから選択され、そしてR14はC1~C4アルキルであり、そして前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、約0℃~約95℃の値を有するTgを有する。
【0014】
【化2】
b-3)は、構造(Ic)を有する繰り返し単位を含むブロックA-c)と構造(IIc)を有する繰り返し単位を含むブロックB-c)とのオリゴジブロックコポリマーであり、これらの式中、R1c及びR3cは独立してHまたはC1~C4アルキルから選択され、R2cはHまたはC1~C8アルキルであり、R4cはC1~C8アルキルであり、そして構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ic)の繰り返し単位では約36モル%~約74モル%であり、そして構造(IIc)の繰り返し単位では約26モル%~約64モル%であり、及び構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、約1000g/モル~約30,000g/モルのMn及び約1.0~約1.1の多分散性及び約0℃~約115℃のTgを有する:
【0015】
【化3】
本発明の他の観点の一つは、前記組成物を自己集合プロセスに使用し、次いでその自己集合パターンを基材中にパターン転写する方法である。
【0016】
本発明の更に別の観点の一つは、上記のブロックA-b)及びブロックB-b)を有する新規オリゴジブロックコポリマーb-2)である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
前記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は双方とも例示、説明のためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を減縮するものではないと理解するべきである。本願において、他に具体的に記載がなければ、単数形の使用は複数を包含し、単数形は「少なくとも一つ」を意味し、そして「または」の使用は「及び/または」を意味する。更に、「含む」という記載、並びに「含まれる」などの他の動詞形の使用は限定的ではない。また、「要素」または「成分」などの記載は、他に具体的に記載がなければ、一つの構成単位を含む要素及び成分、並びに1つ超の構成単位を含む要素または成分の両方を包含する。他に指示が無ければ、ここで使用する「及び」という接続詞は包括的であることを意図しており、「または」という接続詞は排他的であることを意図していない。例えば、「またはその代わりに」というフレーズは、排他的であることを意図している。ここで使用する「及び/または」という記載は、単一要素の使用も含む、前述される要素の任意の組み合わせを指す。
【0018】
C1~C4アルキルという用語は、メチル及びC2~C4直鎖アルキル及びC3~C4分岐アルキル部分の総称であり、例えばメチル(-CH)、エチル(-CH-CH)、n-プロピル(-CH-CH-CH)、イソプロピル(-CH(CH、n-ブチル(-CH-CH-CH-CH)、tert-ブチル(-C(CH)、イソブチル(CH-CH(CH、2-ブチル(-CH(CH)CH-CH)である。同様に、「C1~C8」という用語は、メチル、C2~C8直線アルキル、C3~C8分岐アルキル、C4~C8シクロアルキル(例えばシクロペンチル、シクロヘキシルなど)またはC5-C8アルキレンシクロアルキル(例えば、-CH-シクロヘキシル、CH-CH-シクロペンチルなど)の総称である。
【0019】
「C2~C5アルキレン」という用語は、C2~C5直線アルキレン部分(例えば、エチレン、プロピレンなど)及びC3~C5分岐アルキレン部分(例えば、-CH(CH)-、-CH(CH)-CH-など)の総称である。
【0020】
ここに記載の本発明による組成物中の成分として有用なスチレン系及びアクリル系部分のジブロック及びトリブロックコポリマーは、様々な方法、例えばアニオン重合、原子移動ラジカル重合(ATRP)、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合、リビングラジカル重合及び類似法(Macromolecules 2019,52,2987-2994(非特許文献1);Macromol.Rapid Commun.2018,39,1800479(非特許文献2);A.Deiter Shluter et al Synthesis of Polymers,2014,Volume 1,p315(非特許文献3);Encyclopedia of Polymer Science and Technology,2014,Vol 7,p.625(非特許文献4))によって製造し得る。
【0021】
ランダムコポリマーのポリ(スチレン-co-メチルメタクリレート)は「P(S-co-MMA)」として略され、そしてこの材料のオリゴマー型はオリゴ(S-co-MMA)と略される。同様に、ブロックコポリマーのポリ(スチレン-ブロック-メチルメタクリレート)はP(S-b-MMA)と略され、他方で、この材料のオリゴマーはオリゴ(S-b-MMA)と略される。オリゴマーのオリゴ(スチレン-co-p-オクチルスチレン)-ブロック-(メチルメタクリレート-co-ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)は、ブロックコポリマー要素を指示するために同じ略語を使用し、具体的にはオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(S=スチレン、p-OS=パラ-オクチルスチレン、MMA=メタクリレート、DEGMEMA=ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)は、二つのブロックがランダムコポリマーであるこのブロックコポリマー中の繰り返し単位を指示する。
【0022】
「g/モル」という記載は、1モル当たりのグラム数の略語である。
【0023】
FOVは、本願のSEM図面1、3、4及び5のトップダウン走査電子顕微鏡(SEM)に関しての観察視野の略語であり、この例では観察視野は2μmである。図2に示した断面電子顕微鏡(X-SEM)は250Kの倍率を有する。観察視野。「CH」という用語は、コンタクトホールリソグラフィ図形の略語であり、「L/S」という用語は、ライン・アンド・スペースリソグラフィ図形の略語である。
【0024】
以下の記載において、「Synth」は「synthesis」(合成)の略語であり;そして「Comp」は「comparative」(比較)の略語であり;そして「Ex」という用語は「Example」(例)の略語である。
【0025】
低Tg添加剤を指すためにここで使用するオリゴマー、オリゴ及びオリゴマー性ポリマーという用語は、ここに示す添加剤タイプに対して特異的な分子量範囲を有する低分子量ポリマーを指す。
【0026】
ここで使用する「アクリル系」という用語は、一般的にはアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位、例えば以下の構造を有するアクリレート誘導体から誘導される繰り返し単位を包含する。下記式中、Alkyl部分は、C1~C8アルキルであってよく、XacrylはHまたはC1~C4アルキルのいずれかである:
【0027】
【化4】
ここで使用する「スチレン系」という用語は、一般的にはスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位、例えば以下の構造を有するスチレン誘導体から誘導される繰り返し単位を包含する。下記式中、Xsty部分は、HまたはC1~C4アルキルであり、そしてRstyはHまたはC1~C8部分である:
【0028】
【化5】
本発明の一つの観点は、成分a)、b)及びc)を含む本発明による組成物に関し、ここでa)は、一種のブロックコポリマー成分であるか、または少なくとも二種のブロックコポリマーのブレンドであり、b)は、オリゴランダムコポリマーb-1)、オリゴジブロックコポリマーb-2)、オリゴジブロックコポリマーb-3)及びこれらの混合物からなる群から選択される低Tg添加剤であり、ここでb-1)、b-2)及びb-3)は次の通りであり、そしてc)はスピンキャスト用溶剤である:
【0029】
b-1)は、構造(Ib)及び構造(IIb)を有する二つの繰り返し単位のオリゴランダムコポリマーであり、これらの式中、R1b及びR3bは独立してHまたはC1~C4アルキルから選択され、R2bはHまたはC1~C8アルキルであり、R4bはC1~C8アルキルであり、そして構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ib)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、そして構造(IIb)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び更に前記オリゴランダムコポリマーb-1)は、約0℃~約80℃のTgを有し、及び約1000g/モル~約8,000g/モルのMnを有し、及び約1.3~約1.8の多分散性を有する。
【0030】
【化6】
b-2)は、約1,000~35,000のMn及び1.0~約1.1の多分散性を有する、ブロックA-b)及びブロックB-b)のオリゴジブロックコポリマーであり、ここでブロックA-b)は、構造(III)及び(IV)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてブロックB-b)は、構造(V)及び(VI)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてR、R、R、及びR11は独立してHまたはC1~C4アルキルから選択され、RはC7~C10直鎖アルキルであり、RはC1~C4アルキルであり、R10はC1~C4アルキルであり、R12及びR13は独立してC2~C5アルキレンから選択され、そしてR14はC1~C4アルキルであり、そして前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、約0℃~約95℃の値を有するTgを有する。
【0031】
【化7】
b-3)は、構造(Ic)を有する繰り返し単位を含むブロックA-c)と、構造(IIc)を有する繰り返し単位を含む構造B-c)とのオリゴジブロックコポリマーであり、ここでR1c及びR3cは、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R2cはHまたはC1~C8アルキルであり、R4cはC1~C8アルキルである。構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ic)の繰り返し単位では約36モル%~約74モル%であり、そして構造(IIc)の繰り返し単位では約26モル%~約64モル%であり、及び構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され、及び前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、約1000g/モル~約30,000g/モルのMn、約1.0~約1.1の多分散性及び約0℃~約115℃のTgを有する。
【0032】
【化8】
ここに記載の成分a)、b)及びc)を含む本発明の組成物の他の観点の一つは、前記の成分a)が、単一のトリブロックコポリマー及び少なくとも二種のトリブロックコポリマーのブレンド、または単一のジブロックコポリマー及び少なくとも二種のジブロックコポリマーのブレンドから選択される態様である。
【0033】
成分a)は、トリブロックコポリマーである。
【0034】
成分a)、b)及びc)を含む記載の本発明による組成物の他の観点の一つは、前記成分a)が、ABA型トリブロックコポリマー成分a-1t)、ABA型トリブロックコポリマーa-2t)、及びABA型トリブロックコポリマーa-1t)とABA型トリブロックコポリマーa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるABA型トリブロックコポリマー成分である態様である。
【0035】
上記の態様では、a-1t)は、スチレン系構造(I)を有する繰り返し単位の中間Bスチレン系ブロックセグメントと、構造(II)を有する等しい長さの二つの末端アクリル系ブロックA)セグメントとを含むABA型トリブロックコポリマーであり、ここでR及びRは独立してH及びC1~C4アルキルから選択され、RはHまたはC1~C8アルキルであり、RはC1~C8アルキルである。更に、この態様では、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(I)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、そして構造(II)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び構造(I)及び(II)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され、及び前記トリブロックコポリマーa-1t)は、約1.0~約1.1の多分散性を有し、及び約70,000g/モル~約350,000g/モルのMnを有する。この態様の一つの観点では、部分Rは、パラ結合を介して、スチレン系単位の芳香族環に結合している。
【0036】
【化9】
上記の態様において、a-2t)は、アクリル系構造(Ia)を有する繰り返し単位の中間B)ブロックセグメントと、スチレン系構造(IIa)を有する等しい長さの二つの末端ブロックB)セグメントとを含むABA型トリブロックコポリマーであり、ここでR1a及びR3aは独立してH及びC1~C4アルキルから選択され、R2aはHまたはC1~C8アルキルであり、R4aはC1~C8アルキルであり、そして構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ia)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、そして構造(IIa)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び前記トリブロックコポリマーa-2t)は、約1.0~約1.1の多分散性を有し、約70,000g/モル~約350,000g/モルのMnを有する。この態様の一つの観点では、部分R2aは、パラ結合を介して、スチレン系単位の芳香族環に結合している。
【0037】
【化10】
本発明による組成物の他の観点の一つでは、成分a)は、a-1t)、a-2t)、または構造(I)、(II)、(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位においてこれらのブレンドから選択されるABA型トリブロックコポリマーである。この態様の他の観点の一つでは、R1a、R及びR2aはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aは、独立して、C1~C4アルキルから選択される。この態様の更に別の観点の一つでは。この態様の他の観点の一つでは、R1a、R及びR2aはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aはメチルである。この態様の更に別の観点の一つでは、R、R1a、R及びR2aはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aはメチルである。
【0038】
成分a)がABA型トリブロックコポリマーである本発明による組成物の他の観点の一つでは、これは、構造(ABA-1)のトリブロックコポリマー、構造(ABA-2)のトリブロックコポリマー、及びこれらの二種のブロックコポリマーの混合物から選択されるトリブロックコポリマーである。この態様では、mt、mta、nt及びntaは、繰り返し単位の数であり、R1s、R1sa、R2s、及びR2saは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、及びSi(R5sから選択され、ここでR3s、R4s及びR5sは、独立して、C1~C4アルキルから選択される。この態様のより具体的な観点の一つでは、R、R1a、R、R2a及びR1s及びR2sはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aは、独立して、C1~C4アルキルから選択される。この態様の他のより具体的な観点の一つでは、R、R1a、R、R2a及びR1s及びR2sはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aはメチルである。
【0039】
【化11】
成分a)は、ジブロックコポリマーである。
【0040】
ここに記載の本発明による組成物の他の観点の一つでは、成分a)はジブロックコポリマーであるか、または少なくとも二種のジブロックコポリマーのブレンドである。この態様の一つの観点では、これは、以下に記載のジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)、及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択される:
【0041】
a-1)は、構造(I)を有する繰り返し単位を含むブロックA)と、構造(II)を有する繰り返し単位を含む構造B)とのジブロックコポリマーであり、ここでR及びRは、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、RはHまたはC1~C8アルキルであり、RはC1~C8アルキルである。更に、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(I)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、そして構造(II)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%である。更に、構造(I)及び(II)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され、そして前記ジブロックコポリマーa-1)は、約1.0~約1.1の多分散性を有し、及び約50,000g/モル~約150,000g/モルのMnを有する。この態様の一つの観点では、部分Rは、パラ結合を介して、スチレン系部分の芳香族環に結合している。
【0042】
【化12】
a-2)は、構造(Ia)を有する繰り返し単位を含むブロックA-a)と、構造(IIa)を有する繰り返し単位を含むブロックB-a)とのジブロックコポリマーである。R1a及びR3aは、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R2aはHまたはC1~C8アルキルであり、C4aはC1~C8アルキルである。構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ia)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、そして構造(IIa)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%である。更に、構造(Ia)及び構造(IIa)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ia)及び構造(IIa)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択される。更に、前記ジブロックコポリマーa-2)は、約1.0~約1.1の多分散性を有し、及び約30,000g/モル~約90,000g/モルのMnを有する。この態様の一つの観点では、部分R2aは、パラ結合を介して、スチレン系部分の芳香族環に結合している。これらのジブロックコポリマーの態様のより具体的な観点の一つでは、R、R1a、R及びR2aはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aは、独立して、C1~C4アルキルから選択される。これらの態様のより具体的な観点の一つでは、R、R1a、R及びR2aはHであり、そしてR、R3a、R、及びR4aはメチルである。
【0043】
【化13】
上記の本発明による組成物の他の観点の一つでは、前記ジブロックコポリマー成分a-1)及びa-2)は、R、R1a、R及びR2aがHであり、及びR、R3a、R、及びR4aが、独立して、C1~C4アルキルから選択されるものである。この態様のより具体的な観点の一つでは、R、R1a、R及びR2aはHであり、そしてR、R3a、R及びR4aは独立してメチルである。
【0044】
成分a)が前記ジブロックコポリマー成分a-1)及びa-2)である本発明による組成物では、いずれの場合も、これは、1,1-ジフェニルエチレン誘導体から誘導された部分であるスペーサ部分が、二つのブロックの間に存在するものである。この態様では、a-1)及びa-2)は、それぞれ、構造(I-S)及び構造(I-S-a)を有し、ここで、R1s、R1sa、R2s、及びR2saは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、及びSi(R5sから選択され、ここでR3s、R4s及びR5sは、独立して、C1~C4アルキルから選択される。この態様の他の観点の一つでは、R1s、R2s、R1sa、及びR2saは水素である。前記構造(I-S)及び(I-S-a)におけるポリマーブロックのブロックA)及びブロックA-a)(別称ではスチレン系ブロック)では、これらのブロック鎖は、第二級の位置(別の言い方では、RまたはR1a=水素の時)または第三級の位置(別の言い方では、RまたはR2a=C1~C4アルキルの時)を介して、これらのスペーサ部分に末端結合している。それに応じて、ポリマーブロックのブロックB)及びブロックB-a)は、これらのブロックの末端における「アクリル系」繰り返し単位上の第一級位置(別の言い方では、CH部分)を介して、スペーサ部分(I-S)及び(I-S-a)にそれぞれ末端結合している。
【0045】
【化14】
成分a)がジブロックコポリマー成分a-1)を含む本発明による組成物の上記の観点では、いずれの場合も、この成分は、約1.00~約1.03の多分散性を有する。この態様の他の観点の一つでは、成分a-1)は、約93,000g/モル~約105,300g/モルのMnを有する。
【0046】
本発明による組成物の他の観点では、成分a)としてのジブロックコポリマー成分a-1)において、構造(I)の繰り返し単位のモル%は、約60モル%~約80モル%であり、構造(II)の繰り返し単位では、約20モル%~約40モル%である。
【0047】
成分a)が、ジブロックコポリマーである態様の他の観点の一つでは、構造(I)の繰り返し単位は約60モル%~約75モル%であり、構造(II)の繰り返し単位では、約25モル%~約40モル%である。本発明による組成物の一つの観点では、成分a)としてのジブロックコポリマー成分a-1)において、構造(I)のモル%は約40モル%~約60モル%であり、そして構造(II)の繰り返し単位は約40モル%~約60モル%である。
【0048】
本発明による組成物の上記の観点では、いずれの場合も、これは、成分a)に関して、ジブロックコポリマー成分a-2)が約1.00~約1.03の多分散性を有するものである。
【0049】
成分a)としてのジブロックコポリマーが成分a-2)を含む本発明による組成物の上記の観点では、いずれの場合も、この成分は、約40,800g/モル~約61,200g/モルのMnを有する。
【0050】
本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、成分a)に関して、全モル%値が、単一のブロックコポリマーa-1)もしくはa-2)においても、またはa-1)とa-2)とのブレンドにおいても、構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位については約40モル%~約60モル%であり、そして構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位については約40モル%~約60モル%であるものである。
【0051】
本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、成分a)に関して、全モル%値が、単一のブロックコポリマーa-1)もしくはa-2)においても、またはa-1)とa-2)とのブレンドにおいても、構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位については約60モル%~約75モル%であり、そして構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位については約25モル%~約40モル%であるものである。
【0052】
上記の本発明による組成物の一つの観点では、成分a)はa-1)とa-2)とのブレンドであってよい。
【0053】
上記の本発明による組成物の一つの観点では、成分a)はa-1)またはa-2)のいずれかである。
【0054】
上記の本発明による組成物の一つの観点では、成分a)がジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)またはa-1)とa-2)とのブレンドのいずれかである場合に、成分a)中に存在する構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位の(全ての繰り返し単位の全モル数を基準にした)全モル%値は約45モル%~約75モル%であり、そして相応して、構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位のモル%の合計は約25モル%~約55モル%である。
【0055】
本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、成分a)の重量%は、成分a)がジブロックコポリマー(複数可)またはトリブロックコポリマー(複数可)を含む場合も、組成物全体の全重量の約0.5重量%~約2.00重量%である。
【0056】
成分b)
オリゴジブロックコポリマー成分b-2)及びb-3)をそれぞれ含む本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これらは、それぞれ構造(I-S-b)及び構造(I-S-c)に示すように、ブロックA-b)とブロックB-b)との間にまたはブロックA-c)とブロックB-c)との間にそれぞれスペーサ部分を有してよく、ここでR1sb、R1sc、R2sb、及びR2scは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、Si(R5sから選択され、ここでR3s、R4s及びR5sは独立してC1~C4アルキルから選択される。この態様の他の観点の一つでは、R1sb、R2sb、R1sc、及びR2scは水素である。
【0057】
構造(I-S-b)及び(I-S-c)におけるポリマーブロックのブロックA-b)及びブロックA-c)(別称では、スチレン系ブロック)では、これらのブロック鎖は、第二級の位置(別の言い方では、RまたはR=水素の時)または第三級の位置(別の言い方では、RまたはR=C1~C4アルキルの時)を介して、これらのスペーサ部分に末端結合している。それに応じて、ポリマーブロックのブロックB-b)及びブロックB-c)は、これらのブロックの末端における「アクリル系」繰り返し単位上の第一級位置(別の言い方では、CH部分)を介して、スペーサ部分(I-S-b)及び(I-S-c)にそれぞれ末端結合している。
【0058】
【化15】
オリゴランダムコポリマーb-1)を含む本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、R1b及びR2bがHであり、及びR3b及びR4bがメチルであるものである。
【0059】
オリゴランダムコポリマーb-1)を含む本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、約1.3~約1.5の多分散性を有するものである。
【0060】
本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、成分b)に関して、オリゴランダムコポリマーb-1)が、約1000g/モル~約5000g/モルのMnを有するものである。
【0061】
本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、成分b)に関して、オリゴランダムコポリマーb-1)が約1.3~約1.6の多分散性を有するものである。
【0062】
本発明による組成物の上記の観点のいずれにおいても、これは、成分b)がオリゴランダムコポリマーb-1)を含み、そしてこの成分が約50℃~約90℃のTgを有するものである。
【0063】
上記の本発明による組成物の一つの観点では、成分b)はオリゴランダムコポリマーb-1)である。
【0064】
本発明による組成物の上記の観点では、成分b)はオリゴジブロックコポリマーb-2)を含み、ここで、R、R及びRはHであり、Rはn-オクチルまたはn-ノニルであり、R及びR11はメチルであり、R10はメチルまたはエチルであり、R12及びR13は独立してエチレンまたはプロピレンであり、そしてR14はメチルまたはエチルである。この態様の他の観点の一つでは、オリゴジブロックコポリマーb-2)は、Rがn-オクチルであり、R10がメチルであり、R12及びR13がエチレンであり、そしてR14がメチルであるものである。
【0065】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-2)である上記の本発明による組成物のいずれにおいても、一つの観点では、これは、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)を有する繰り返し単位の全モル数を基準とした繰り返し単位(III)及び(IV)のモル%の合計のモル%が約40モル%~約80モル%であり、そして繰り返し単位(V)及び(VI)のモル%の合計が約20モル%~約60モル%の範囲であり、更にここで、繰り返し単位(III)のモル%が約2モル%~約80モル%の範囲であり、そして繰り返し単位(VI)のモル%が約1モル%~約80モル%の範囲であるものである。この態様の他の観点の一つでは、繰り返し単位(III)のモル%は約2モル%~約64モル%である。この態様の他の観点の一つでは、(VI)のモル%は約2モル%~約48モル%の範囲である。
【0066】
オリゴジブロックコポリマーb-2)についてここに記載した全ての態様において、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択される。
【0067】
本発明による組成物の他の観点では、オリゴジブロックコポリマーb-2)は、構造(IV)の繰り返し単位の前記モル%が約25モル%~約50モル%であり、そして構造(V)の繰り返し単位の前記モル%が、約40モル%~約60モル%であるものである。
【0068】
本発明による組成物の他の観点の一つでは、オリゴジブロックコポリマーb-2)は、構造(III)の繰り返し単位に関して、それのモル%が、構造(IV)の繰り返し単位のモル%の約20%~約30%であり、そして構造(VI)の繰り返し単位に関して、それのモル%が、構造(V)の繰り返し単位のモル%の約12%~約20%であるものである。
【0069】
上記の本発明による組成物の他の観点の一つでは、これは、成分a)が、上述のようにジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)、またはa-1)とa-2)とのブレンドのいずれの場合も、オリゴジブロックコポリマーb-2)に関して、ブロックA-b)及びブロックB-b)のモル%組成は、全体としての該ジブロックコポリマー成分a)の相形態学的ウインドウに依存して様々である。具体的には、一例として、ブロックA-b)中の構造(III)及び(IV)の繰り返し単位の合計のモル%が約40モル%~約80モル%から選択される場合には、この範囲で選択される具体的な合計値は、成分a)がジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)またはa-1)とa-2)とのブレンドのいずれかの時に、成分a)中に存在する構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位の全モル%値に一致する。相応して、ブロックB-b)においては、構造(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の合計が約25モル%~約55モル%である場合には、この範囲で選択される具体的な合計値は、成分a)がジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)またはa-1)とa-2)とのブレンドのいずれかの時に、成分a)中に存在する構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル%値に一致する。
【0070】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-2)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、約1.03~約1.08の多分散性を有する。
【0071】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-2)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、約15000g/モル~約32000g/モル、例えば約15000g/モル~約30000g/モルのMnを有する。
【0072】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-2)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、約50℃~約90℃のTgを有する。
【0073】
上記の本発明による組成物の一つの観点では、成分b)はオリゴジブロックコポリマーb-2)である。
【0074】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)を含む本発明による組成物のいずれか一つの組成物は、R1c及びR2cがHであり、そしてR3c及びR4cが独立してC1~C4アルキルから選択されるものである。この態様の他の観点の一つでは、R1c及びR2cはHであり、そしてR3c及びR4cはメチルである。
【0075】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、約15,000~約30,000g/モルのMnを有する。
【0076】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、約1.02~約1.08の多分散性を有する。
【0077】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、構造(Ic)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約70モル%であり、構造(IIc)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約70モル%であるものである。
【0078】
成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)を含む本発明による組成物の上記の観点では、これは、約50℃~約90℃のTgを有する。
【0079】
上記の本発明による組成物の一つの態様では、成分b)はジブロックコポリマーb-3)である。
【0080】
L/S用途に適し得る上記の本発明による組成物の一つの態様では、ジブロックコポリマー成分a-1)において、構造(I)の繰り返し単位のモル%値は約40モル%~約60モル%であり、そして構造(II)の繰り返し単位では、約40モル%~約60モル%である。
【0081】
CH用途に適し得る上記の本発明による組成物の一つの態様では、ジブロックコポリマー成分a-1)において、構造(I)の繰り返し単位のモル%値は約60モル%~約75モル%であり、そして構造(II)の繰り返し単位では、約25モル%~約40モル%である。
【0082】
成分b)の上記の態様のいずれにおいても、この成分は、スピンキャスト用溶剤も含めた組成物の全重量の約0.05重量%~約0.5重量%であってよい。この態様の他の観点の一つでは、これは約0.08重量%~約0.4重量%である。この態様の他の観点の一つでは、これは約1重量%~約0.4重量%である。この態様の他の観点の一つでは、これは約0.15重量%~約0.4重量%である。この態様の更に別の観点の一つでは、これは約0.2重量%~約0.3重量%である。この態様の更に別の観点の一つでは、成分b)はb-1)である。この態様の他の観点の一つでは、成分b)はb-2)である。更に別の態様の一つでは、成分b)はb-3)である。この態様の更に別の観点の一つでは、成分b)は、b-1)、b-2)及びb-3)からなる群から選択される少なくとも二種の成分b)の混合物である。
【0083】
成分c)
成分c)のスピンキャスト用有機溶剤のためには、上記の本発明による組成物を溶解するための適した溶剤には、グリコールエーテル誘導体、例えばエチルセロソルブ、メチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、またはジエチレングリコールジメチルエーテル;グリコールエーテルエステル誘導体、例えばエチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA);カルボキシレート、例えばエチルアセテート、n-ブチルアセテート及びアミルアセテート;二塩基性酸のカルボキシレート、例えばジエチルオキシレート及びジメチルマロネート;グリコール類のジカルボキシレート、例えばエチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテート;及びヒドロキシカルボキシレート、例えば乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、グリコール酸エチル、及び3-ヒドロキシプロピオン酸エチル;ケトンエステル、例えばピルビン酸メチルまたはピルビン酸エチル;アルコキシカルボン酸エステル、例えば3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオン酸エチル、またはエトキシプロピオン酸メチル;ケトン誘導体、例えばメチルエチルケトン、アセチルアセトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンまたは2-ヘプタノン;ケトンエーテル誘導体、例えばジアセトンアルコールメチルエーテル;ケトンアルコール誘導体、例えばアセトールまたはジアセトンアルコール;ケタールまたはアセタール、例えば1,3ジオキサラン及びジエトキシプロパン;ラクトン、例えばブチロラクトン;アミド誘導体、例えばジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド、アニソール及びこれらの混合物などが挙げられる。
【0084】
加えて、前記の本発明による組成物は、界面活性剤、無機含有ポリマー;小分子、無機含有分子、界面活性剤、光酸発生剤、熱酸発生剤、クエンチャ、硬化剤、架橋剤、鎖延長剤、及び類似物などを包含する添加剤;並びに前記の少なくとも一つを含む組み合わせからなる群から選択される添加剤を更に含むことができ、ここで前記追加の成分及び/または添加剤の一種以上は、ブロックコポリマーと一緒に集合して、ブロックコポリマーアセンブリを形成する。
【0085】
本発明の方法
ここに記載の本発明による組成物は、非ガイド自己集合プロセスにおいて図形のアレイを生成するために使用し得るかまたは誘導(別の言い方ではガイド)自己集合プロセス、例えばグラフォエピタキシまたはケモエピタキシにおいて、ケモエピタキシまたはグラフォエピタキシガイド図形のパターン調整またはパターン増倍のいずれかを起こすために使用し得る。
【0086】
自己集合の後は、これらのパターンは、プラズマを使用することによって、下にある基材中に転写し得る。一般的に、レジストをエッチングするために使用されるような酸素含有プラズマを用いた異方性エッチング(例えば、J.B.Kruger,et al,“VLSI Electronics,Microstructure Science”Chapter 5,Academic Press,p.91-136,1984(非特許文献5))が、メチルメタクリレート及びポリスチレンのブロックコポリマーの自己集合膜を用いた半導体基材のエッチングにマスクとして最も常用されている(例えば、“Etch considerations for directed self-assembly patterning using capacitively coupled plasma”Vinayak Rastogi et al,Journal of Vacuum Science & Technology A36,031301,2018(非特許文献6))。ここに記載の新規組成物は、このようなブロックコポリマーを含むために、本発明による組成物の自己集合膜の基材中へのパターン転写を行うために、これらの一般的なタイプの条件を使用し得る。
【0087】
この発明の態様の一つは、次のステップ:
i)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
ii)前記の本発明による組成物のいずれかの組成物を前記中性層上にコーティングして膜を形成するステップ、
ii)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iii)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む。
【0088】
本発明の他の観点の一つは、ライン・アンド・スペースアレイを形成するための方法であって、次のステップ
ia)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iia)L/S用途に適した前記の本発明による組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
iiia)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iva)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写して、L/Sアレイを形成するステップ、
を含む。
【0089】
この発明の他の観点の一つは、グラフォエピタキシプロセスを介してライン・アンド・スペースL/Sパターンを形成する方法であって:
ia’)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iia’)中性層のコーティングの上面にフォトレジストをコーティングして、フォトレジスト膜を形成するステップ、
iiia’)フォトレジストをパターン化して、L/Sパターン化フォトレジストを生成するステップ、
iva’)L/S用途に適した前記の本発明による組成物を、前記のパターン化フォトレジスト上にコーティングして、L/SパターンがL/S用に適した前記の本発明による組成物で充填され及びフォトレジストの表面と面一な膜を生成するステップ、
va’)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
via’)前記基材をプラズマでエッチングして、前記の自己集合膜を基材中にパターン転写して、L/Sパターンを形成するステップ、
を含む、前記方法である。
【0090】
この発明の他の観点の一つは、ケモエピタキシプロセスを介してライン・アンド・スペースL/Sパターンを形成する方法であって:
ia’’)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iia’’)中性層のコーティングの上面にフォトレジストをコーティングして、フォトレジスト膜を形成するステップ、
iiia’’)フォトレジストをパターン化して、L/Sパターン化フォトレジスト膜を生成するステップ、
iva’’)下にある中性層を、パターン化されたフォトレジスト膜をマスクとして使用してエッチングするステップ、
va’’)レジストを剥離して、顕著なトポグラフィを持たないケモエピタキシパターンであるパターン化された中性層を形成するステップ、
via’’)L/S用途に適した前記の本発明による組成物を、前記パターン化された中性層上にコーティングして、ブロックコポリマー膜を形成するステップ、
viia’)前記ブロックコポリマー膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
viiia’’)前記基材をプラズマでエッチングして、前記の自己集合膜を基材中にパターン転写して、L/Sパターンを形成するステップ、
を含む、前記方法である。
【0091】
本発明の他の観点の一つは、コンタクトホール(CH)アレイを形成するための方法であって、
ib)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iib)CH用途に適した前記の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
iiib)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
ivb)前記基材をプラズマでエッチングして、前記の自己集合膜を基材中にパターン転写して、CHアレイを形成するステップ、
を含む、前記方法である。
【0092】
この発明の他の観点の一つは、グラフォエピタキシプロセスを介してコンタクトホール(CH)パターンを形成する方法であって:
ib’)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iib’)中性層のコーティングの上面にフォトレジストをコーティングして、フォトレジスト膜を形成するステップ、
iiib’)フォトレジストをパターン化して、CHパターン化フォトレジストを生成するステップ、
ivb’)CH用途に適した前記の本発明による組成物を、前記のパターン化フォトレジスト上にコーティングして、L/SパターンがL/S用に適した前記の本発明による組成物で充填され及びフォトレジストの表面と面一な膜を生成するステップ、
vib’)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
viib’)前記基材をプラズマでエッチングして、前記の自己集合膜を基材中にパターン転写して、CHパターンを形成するステップ、
を含む、前記方法である。
【0093】
この発明の他の観点の一つは、ケモエピタキシプロセスを介してライン・アンド・スペースを形成する方法であって:
ib’’)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iib’’)中性層のコーティングの上面にフォトレジストをコーティングして、フォトレジスト膜を形成するステップ、
iiib’’)フォトレジストをパターン化して、CHパターン化フォトレジストを生成するステップ、
ivb’’)下にある中性層を、パターン化されたフォトレジストをマスクとして使用してエッチングするステップ、
vb’’)レジストを剥離して、顕著なトポグラフィを持たないケモエピタキシパターンであるパターン化された中性層を形成するステップ、
vib’’)CH用途に適した前記の本発明による組成物を、前記パターン化された中性層上にコーティングして、ブロックコポリマー膜を形成するステップ、
viib’’)前記ブロックコポリマー膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
viiib’’)前記基材をプラズマでエッチングして、前記の自己集合膜を基材中にパターン転写して、CHパターンを形成するステップ、
を含む、前記方法である。
【0094】
前記の本発明による方法において、本発明による組成物を基材上にコーティングしてコーティングを形成する際に、別個の分離ステップにおいてスピンキャスト用溶剤を除去するために、自己集合膜を生成するための加熱ステップの前に任意選択的にこれを追加のステップにおいて加熱してもよい。この追加のステップのためには、膜を約100℃~約150℃の範囲の温度または約120℃~約150℃の範囲の温度で加熱することができる。
【0095】
典型的な膜厚は、加熱後に約25nm~約70nm、または約40nm~約60nm、または約45nm~約55nm、または約45nm~約52nmの範囲である。
【0096】
また、CHまたはL/S用に適した前記の該新規組成物は、他のケモエピタキシ及びグラフォエピタキシプロセスにまたはこれらの二つを組み合わせたハイブリッドプロセスにも使用し得ることも期待される。例えば、ケモエピタキシでは、代替的に、ガイドピン止め図形は、未被覆の裸の半導体基材の単なる一領域である代わりに、パターン化された別個の有機ピン止め層であることもできる。例えば、このパターン化されたピン止め層は中性層を覆うことができるか、またはパターン化されたピン止め層の下にあることもできる。
【0097】
コンタクトホールアレイの形成に使用し得る本発明による組成物は、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分である成分a)を含むものであり、但し、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%は約60モル%~約75モル%であり、及び構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%は約40モル%~約60モル%であり、ここで、成分b)は、コポリマーb-1)、コポリマーb-2)、例えばオリゴジブロックコポリマーb-2)またはコポリマーb-3)及びこれらの混合物から選択し得る。この態様の一つの観点では、成分b)は、オリゴランダムコポリマーb-1)のみであり、他では、これはコポリマーb-2)のみであり、更に他では、これはコポリマーb-3)のみである。
【0098】
ライン・アンド・スペース(L/S)アレイの形成のために使用し得る本発明による組成物は、成分a)が、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であるものであり、但し、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%は約60モル%~約75モル%であり、及び更に、構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位のその全モル%は約25モル%~約40モル%であり、成分b)はコポリマーb-1)、例えばオリゴランダムコポリマーb-1)、コポリマーb-2)、例えばオリゴジブロックコポリマーb-2)、またはコポリマーb-3)、例えばオリゴジブロックコポリマーb-3)である。この態様の一つの観点では、成分b)は、オリゴランダムコポリマーb-1)のみであり、他では、これはコポリマーb-2)のみであり、更に他では、これはコポリマーb-3)のみである。
【0099】
ライン・アンド・スペース(L/S)アレイの形成のために使用し得る本発明による組成物は、成分a)が、トリブロックコポリマー成分a-1t)、トリブロックコポリマーa-2t)及びa-1t)とa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるものであり、但し、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%は約60モル%~約75モル%であり、そして構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%は約40モル%~約60モル%であり、及び成分b)は、コポリマーb-2)またはコポリマーb-3)、例えばオリゴジブロックコポリマーb-3)である。この態様の一つの観点では、成分b)はコポリマーb-2)のみであり、更に他ではこれはコポリマーb-3)のみである。
【0100】
コンタクトホールアレイの形成のために使用し得る本発明による組成物は、成分a)が、トリブロックコポリマー成分a-1t)、トリブロックコポリマーa-2t)及びa-1t)とa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるものであり、但し、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%は約60モル%~約75モル%であり、及び更に、構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%は約25モル%~約40モル%であり、及び成分b)は、コポリマーb-2)、例えばオリゴジブロックコポリマーb-2)、またはコポリマーb-3)、例えばオリゴジブロックコポリマーb-3)である。この態様の一つの観点では、成分b)はコポリマーb-2)のみであり、更に他ではこれはコポリマーb-3)のみである。
【0101】
この発明の他の観点の一つは、コンタクトホールアレイを形成するための方法であって、
i)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
ii)コンタクトホールアレイの形成に適した前記のジブロックコポリマーを含む組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ii)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iii)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む方法である。
【0102】
この態様の一つの観点では、成分b)は、オリゴランダムコポリマーb-1)であり、他の観点の一つでは、成分b)はコポリマーb-2)であり、更に他では、成分b)はコポリマーb-3)である。
【0103】
この発明の他の観点の一つは、L/Sアレイを形成するための方法であって、
ib)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iiib)L/Sアレイの形成に適した前記のジブロックコポリマーを含む組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ivb)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
vb)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む方法である。
【0104】
この態様の一つの観点では、成分b)は、オリゴランダムコポリマーb-1)であり、他の観点の一つでは、成分b)はコポリマーb-2)であり、更に他では、成分b)はコポリマーb-3)である。
【0105】
ライン・アンド・スペースアレイを形成するための方法であって:
ic)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iiic)L/Sアレイの形成に適した前記のトリブロックコポリマーを含む組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ivc)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
vc)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む方法。
【0106】
コンタクトホールアレイを形成する方法であって:
ic)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iiid)コンタクトホールアレイの形成に適した前記のトリブロックコポリマーを含む組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ivd)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
vd)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む方法。
【0107】
本発明によるオリゴジブロックコポリマー
この発明の他の観点の一つは、約1,000~35,000g/モルのMn及び1.0~約1.1の多分散性を有する、ブロックA-b)及びブロックB-b)を含む本発明によるジブロックコポリマーである。この本発明による材料では、ブロックA-b)は、構造(III)及び(IV)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてブロックB-b)は、構造(V)及び(VI)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーである。更に、この新規オリゴジブロックコポリマーでは、R、R、R及びR11は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、RはC7~C10直鎖アルキルであり、RはC1~C4アルキルであり、R10はC1~C4アルキルであり、R12及びR13は、独立して、C2~C5アルキレンから選択され、そしてR14はC1~C4アルキルであり、R、R、R、及びR11は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、RはC7~C10直鎖アルキルであり、RはC1~C4アルキルであり、R10はC1~C4アルキルであり、R12及びR13は、独立して、C2~C5アルキレンから選択され、そしてR14はC1~C4アルキルであり、及び更に、本発明によるオリゴジブロックコポリマーは、約0℃~約95℃の値を有するTgを有する。
【0108】
【化16】
本発明によるオリゴジブロックコポリマーの一つの観点では、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数を基準にしたモル%値は次の通りである:
構造(IV)の繰り返し単位では、そのモル%は約10モル%~約50モル%であり、
構造(V)の繰り返し単位では、そのモル%は約20モル%~約60モル%であり、
構造(III)の繰り返し単位では、そのモル%は、構造(IV)の繰り返し単位のモル%の約10%~約0%であり、
構造(VI)の繰り返し単位では、そのモル%は、構造(V)の繰り返し単位のモル%の約10%~約40%であり、そして構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択される。
【0109】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、構造(I-S-b)に示すようにブロックA-b)とブロックB-b)との間にスペーサ部分を有し、ここでR1sb及びR2sbは、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R3s、-OR4s、Si(R5sから選択され、ここで、R3s、R4s及びR5sは、独立して、C1~C4アルキルから選択される。この態様の他の観点の一つでは、R1sb及びR2sbは水素である。
【0110】
【化17】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、R、R及びRがHであり、RがC8~C9直鎖アルキルであり、R及びR11がメチルであり、R10がメチルまたはエチルであり、R12及びR13が独立してエチレンまたはプロピレンであり、そしてR14がメチルまたはエチルであるものである。この態様の他の観点の一つでは、Rはn-オクチルであり、R10がメチルであり、R12及びR13がエチレンであり、及びR14がメチルである。
【0111】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、約15,000~約25,000g/モルのMnを有する。
【0112】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、構造(IV)の繰り返し単位の前記モル%が約25モル%~約50モル%であり、及び構造(V)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約60モル%である。
【0113】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)を有する繰り返し単位の全モル数を基準にして繰り返し単位(III)及び(IV)のモル%の合計のモル%が約40モル%~約80モル%であり、及び繰り返し単位(V)及び(VI)のモル%の合計が約20モル%~約60モル%の範囲であり、更にここで、繰り返し単位(III)のモル%が約2モル%~約80モル%の範囲であり、そして繰り返し単位(VI)のモル%が約1モル%~約80モル%の範囲であり、及び更に、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値が、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択されるものである。
【0114】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、繰り返し単位(III)のモル%が約2モル%~約64モル%であるものである。
【0115】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、(VI)のモル%が約2モル%~約48モル%であるものである。
【0116】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、構造(III)の繰り返し単位のモル%が、構造(IV)の繰り返し単位のモル%の約20%~約30%であり、そして構造(VI)の繰り返し単位では、そのモル%が、構造(V)の繰り返し単位のモル%の約12%~約20%であるものである。
【0117】
該新規オリゴジブロックコポリマーについてここに記載した全ての態様において、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるように、ここに記載のそれらの各々の範囲から選択される。
【0118】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、前記オリゴジブロックコポリマーが、約1.03~約1.08の多分散性を有するものである。
【0119】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、前記オリゴジブロックコポリマーが、約15,000g/モル~約32,000g/モルのMnを有する。
【0120】
上記の本発明によるオリゴジブロックコポリマーの他の観点の一つでは、これは、前記オリゴジブロックコポリマーが、約50℃~約90℃のTgを有するものである。
【0121】
この発明の更に別の観点の一つは、基材上に自己集合膜を調製するための、本発明による組成物の使用または本発明によるオリゴジブロックコポリマーの使用である。
【実施例
【0122】
化学品
別段の表示がない限り、全ての化学品は、Sigma Aldrich(3050 Spruce St.,St.Louis,MO63103)から購入した。アニオン重合で使用した化学品は、文献記載のように精製した(例えば、David Uhrig and Jimmy Mays,“Techniques in High-Vacuum Anionic Polymerization”, Journal of Polymer Science:Part A: Polymer Chemistry,Vol.43,6179-6222(2005)(非特許文献7))。
【0123】
全ての合成実験はN雰囲気中で行った。リソグラフィ実験は、本明細書に記載のように行った。コポリマーの分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィを用いて測定した。100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲル(ultrastyragel)カラムを装備したゲル浸透クロマトグラフィ。
【0124】
リソグラフィ実験は、TEL Clean ACT8トラックを用いて行った。SEM写真は、アプライドマテリアルズ社製NanoSEM 3Dを用いて撮影した。走査電子顕微鏡写真は、1FOV倍率または2FOV倍率(観察視野(FOV)=5μmまたは)のいずれかで示す。
【0125】
エッチング実験は、メチルメタクリレートとスチレンとの自己集合膜ブロックコポリマーにとって標準的な等方性酸素エッチング条件を用いて行った。
【0126】
他に記載がなければ、分子量測定(別称ではMn多分散性)は、100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを用いたゲル浸透クロマトグラフィ(PSS Inc.独国)によって溶離液としてTHF溶剤を用いて行った。ポリスチレンポリマー標準をキャリブレーションに使用した。
【0127】
ガラス遷移温度のDSC測定は、窒素下に10℃/分の加熱速度を用いてTAインストルメント社製DSC Q1000を用いて行った。ガラス転移温度(Tg)は、0から300℃まで第一の加熱走査で測定した。吸熱性転移の中間点を考慮した。
【0128】
H NMRは、ブルカー社製Advanced III 400MHzスペクトロメータを用いて記録した。
【0129】
合成例1:PS-co-PMMA中性層材料の合成
温度制御器、加熱ジャケット及び磁気撹拌機を備えた250ml容積のフラスコをセットアップした。26.04グラム(0.25モル)のスチレン、24.03グラム(0.24モル)のメチルメタクリレート、1.42グラム(0.10モル)のグリシジルメタクリレート、0.41グラム(0.0025モル)のアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤及び100グラムのアニソールを前記フラスコに添加した。攪拌機のスイッチを入れ、約400rpmに設定した。次いで、この反応溶液を、室温で約30分間、この溶液中に窒素を激しくバブリングすることによって脱気した。30分脱気した後、加熱ジャケットのスイッチを入れ、そして温度制御器を70℃に設定し、そして攪拌された反応混合物をこの温度で20時間維持した。この時間の後、加熱マントルのスイッチを切り、そしてこの反応溶液を約40℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を1.5Lのイソプロパノール中に注ぎ入れ、この際、この添加中、機械的攪拌によって攪拌した。この添加中、ポリマーが析出した。析出したポリマーを濾過して集めた。集められたポリマーを減圧炉中で40℃で乾燥した。約36グラムのポリマーが得られた。この乾燥したポリマーを300グラムのTHF中に溶解し、次いで0.2μmナイロンフィルタに通して濾過した。次いで、この濾過された溶液を、1.5Lメタノールの攪拌された溶液中で再び析出させ、析出したポリマーを集め、そして前述したように40℃で真空下に乾燥した。このようにして、26グラム(収率50%)のポリマーが乾燥後に得られた。このポリマーは、約36kのMw及び1.5の多分散性(PDI)を有していた。
【0130】
合成例2:P(S-b-MMA)(78K-b-39K)の合成
スチレン及びメチルメタクリレートモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、700mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、0.2mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、20g(0.192モル)のスチレンを、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は、その色が黄橙色に変化し、そして反応を30分間にわたって攪拌した。次いで、2.5mlの無水トルエン中の0.06g(0.0003モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)を、アンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(9.98g、0.0998モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の5倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に55℃で12時間乾燥して、66モル%のポリスチレンブロック及び34モル%のポリメチルメタクリレートブロックからなる28gのP(S-b-MMA)(94%収率)を与えた。
【0131】
100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを用いたゲル浸透クロマトグラフィは、第一のP(SDPE)ブロックが、PSキャリブレーション標準に対して、64,622g/モルのMn(GPC)及び1.02のMw/Mnを有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,PS-b-PMMA=107,150g/モルであり、そしてMw/Mn=1.01である。
【0132】
合成例3:P(S-b-MMA)(34K-17K)の合成
PS-PMMA(34-17K)を、例2に記載のものと同じ手順を用いて合成した。PSブロック及びPMMAブロックの目的のMnを達成するために、sec-ブチルリチウムの1.4M溶液0.42mLを、スチレン及びMMAの量を例2の場合と同一に維持しつつ加えた。
【0133】
100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル浸透クロマトグラフィは、第一のP(SDPE)ブロックが、PSキャリブレーション標準に対して、34,872g/モルのMn(GPC)及び1.03のMw/Mnを有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,PS-b-PMMA=49,240g/モルであり、そしてMw/Mn=1.02である。H NMRは、66.1モル%のポリスチレンブロック及び33.9モル%のポリメチルメタクリレートブロックを示した。
【0134】
合成例4 P(S-b-MMA)(45k-b-51k)の合成
P(S-b-MMA)(45K-b-51K)を、例2に記載のと同じ手順を用いて合成した。PS及びPMMAブロックの目的のMn及び組成を達成するために、開始剤の量及びモノマー量を変化させた。簡単に言えば、20g(0.192モル)のスチレンを、0.32mL(1.4M溶液)のsec-ブチルリチウムを用いて重合した。次いで、2.5mlの無水トルエン中の0.095g(0.0005モル)の1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)をアンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、メチルメタクリレート(22.85g、0.23モル)をアンプルを介して加えた。この反応を30分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のイソプロパノール(ポリマー溶液の5倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に55℃で12時間乾燥して、46.9モル%のポリスチレンブロック及び53.1モル%のポリメチルメタクリレートブロックからなる40gのP(S-b-MMA)(94%収率)を与えた。
【0135】
100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル浸透クロマトグラフィは、第一のP(SDPE)ブロックが、PSキャリブレーション標準に対して、45,048g/モルのMn(GPC)及び1.04のMw/Mnを有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,PS-b-PMMA=88,348g/モルであり、そしてMw/Mn=1.02である。
【0136】
合成例4a トリブロックコポリマーMMA-S-MMA、50k-88k-50kの合成
トリブロックポリマーMMA-S-MMAは、開始剤としてナフタレンカリウムを利用して、文献(Makmrnol.Chem.191,2309-2318(1990)(非特許文献8)及びAdv.Polym.Sci.86,147(1988)(非特許文献9))に記載の手順を用いて、THF溶液として調製した。PSカルバニオンによるMMAのエステル基への攻撃を避けるために、1,1-ジフェニルエチレン(DPE)を導入して、活性部位の求核性を低下させた。二つのブロック間のコポリマー中の単一のDPEの存在は、その性質に影響を全く及ぼさない。低温下(-70℃)での良好な条件下でのMMAの重合を実施するために。この方式で調製したポリマーは、ゲル浸透クロマトグラフィGPCにより測定して、1.04の多分散性を持ってPMMA(50A)-PS(88K)-PMMA(50K)のMwを有していた。
【0137】
合成例5:コンタクトホール集合用添加剤のための、スチレン及びメチルメタクリレートからなる統計的コポリマー(P(S-co-MMA))のオリゴマーの合成
反応は、凝縮器、窒素入口及び磁気スターラーバーを備えた250ml容積のフラスコ中で窒素下に行った。スチレン18.23グラム(0.17モル)、メチルメタクリレート7.5グラム(0.075モル)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤2グラム(0.012モル、全モノマーに対して5%)、1-ブタンチオール0.7グラム(0.0075モル)、及びアニソール50グラムをこのフラスコに仕込んだ。次いで、反応液を、凍結乾燥法を用いて真空/窒素サイクルにより3回脱気し、そして最後に窒素を充填した。次いで、この反応を、オイルバッチ中で、撹拌下に85℃で15時間維持した。この時間の経過後、この反応液を約25℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を、100mLのテトラヒドロフランで希釈し、そして添加中に機械的撹拌により攪拌した700mLのイソプロパノール中にゆっくりと注ぎ入れた。析出したポリマーを濾過して集めた。集めたポリマーを、減圧炉中で40℃で乾燥した。収率は45%であり、そしてこのコポリマーは、ポリスチレンキャリブレーション標準に対して、Mn,GPC=4,700g/モル、Mw,GPC=6,500g/モル及び1.38の多分散性インデックス(PDI)を有していた。このコポリマーはTg=86℃を有し、そしてH NMRにより、このコポリマーが、ポリスチレン及びポリメチルメタクリレートをそれぞれ63モル%及び37モル%有することが確認された。
【0138】
合成例6:ライン・アンド・スペース集合用添加剤のための、スチレン及びメチルメタクリレートからなる統計的コポリマー(P(S-co-MMA))のオリゴマーの合成
反応は、凝縮器、窒素入口及び磁気スターラーバーを備えた250ml容積のフラスコ中で窒素下に行った。スチレン13グラム(0.12モル)、メチルメタクリレート13.7グラム(0.14モル)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)開始剤2グラム(0.012モル、全モノマーに対して5%)、1-ブタンチオール0.7グラム(0.0075モル)、及びアニソール50グラムをこのフラスコに仕込んだ。次いで、反応液を、凍結乾燥法を用いて真空/窒素サイクルにより3回脱気し、そして最後に窒素を充填した。次いで、この反応を、オイルバッチ中で、撹拌下に85℃で15時間維持した。この時間の経過後、この反応液を約25℃まで放冷した。次いで、この反応混合物を、100mLのテトラヒドロフランで希釈し、そして添加中に機械的撹拌により攪拌した700mLのイソプロパノール中にゆっくりと注ぎ入れた。析出したポリマーを濾過して集めた。集めたポリマーを、減圧炉中で40℃で乾燥した。収率は45%であり、そしてこのコポリマーは、ポリスチレンキャリブレーション標準に対して、Mn,GPC=2,300g/モル、Mw,GPC=4,300g/モル及び1.82の多分散性インデックス(PDI)を有していた。このコポリマーはTg=53℃を有し、そしてH NMRにより、このコポリマーが、ポリスチレン及びポリメチルメタクリレートをそれぞれ42モル%及び58モル%有することが確認された。
【0139】
比較合成例1:ライン・アンド・スペース集合用添加剤のための、スチレン及びメチルメタクリレートからなる高分子量統計的コポリマー(P(S-co-MMA))の合成
合成例5に記載したものと類似の手順に従い、11,529のMn及び19,600KのMw(PDI-1.7)の高分子量も、比較の目的のために、1-ブタンチオールの不在下に製造し、これは、コポリマー中にポリスチレン及びポリメチルメタクリレートをそれぞれ45モル%及び55モル%を有し、及び108℃のTgを示した。
【0140】
合成例7:L/S集合用添加剤のための、スチレン及びメチルメタクリレートからなるオリゴブロックコポリマーの合成
必要なモノマーを、脱水剤の存在下にキャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、400mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、1.4mL(0.00189モル)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、スチレン(18.8g)を、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。反応溶液は橙色に変化し、そして反応を10分間攪拌した。次いで、無水トルエン3ml中の0.4gの1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)をアンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、少量のトリエチルアルミニウム(トルエン中1M)の存在下に蒸留したメチルメタクリレート(MMA)19.4グラムをアンプルを介して加えた。この反応を15分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のメタノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に55℃で12時間乾燥して、37gのP(S-b-MMA)を得た(収率97%)。
【0141】
100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)は、第一のPSブロックが、PSキャリブレーション標準に対して、10,400g/モルのMn,PS(GPC)及び1.06のMw/Mnを有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,P(S-b-MMA)=23,400g/モルであり、そしてMw/Mn=1.09である。Mn,PS(GPC)ブロックに基づいた-OCHプロトン及び芳香族プロトンのNMR強度によって計算したPMMAブロックの分子量はMn,PMMA(NMR)=11,000g/モルである。これは、ジブロックコポリマーではVf-PS=0.51に相当する。このトリブロックコポリマーも、GPCにより測定した。
【0142】
合成例7a:L/S集合用添加剤のための、スチレン及びメチルメタクリレートからなるオリゴブロックコポリマーの合成
このオリゴブロックコポリマー(S-b-MMA)(20K-23K)は、合成例7に記載したものと類似の方法で合成した。目的の分子量を達成するために、S-BuLi及びモノマーの比率を調節した。100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル透過クロマトグラフィは、第一のPSブロックが、PSキャリブレーション標準に対してMn,PS(GPC)=20,253g/モル及びMw/Mn=1.02を有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,P(S-b-MMA)=41,098g/モルであり、そしてMw/Mn=1.02である。NMRにより決定された体積分率はVf-PS=0.506であった。
【0143】
合成例8:コンタクトホール用添加剤のための、オリゴ(スチレン-co-p-オクチルスチレン)-b-(メチルメタクリレート-co-ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)の合成
全てのモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、400mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、1.2mL(0.0016モル)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、スチレン(8.92g、S)とp-オクチルスチレン(3g、OS)との混合物を、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。この反応溶液は黄橙色に変化し、そして反応を10分間攪拌した。次いで、無水トルエン2.5ml中の0.35gの1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)をアンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、それぞれ少量のトリエチルアルミニウム(トルエン中1M)及びCaHの存在下に蒸留したメチルメタクリレート(4.82g、MMA)及びジ(エチレングリコール)メチルエチルメタクリレート(1.6g、DEGMEMA)の混合物をアンプルを介して加えた。この反応を15分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のメタノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に55℃で12時間乾燥して、ポリスチレンブロック中のOS25モル%及びポリメチルメタクリレートブロック中のDEGMEMA25モル%からなる17gのオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)を得た(収率94%)。100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを装備したゲル浸透クロマトグラフィは、第一のP(S-co-OS)ブロックが、PSキャリブレーション標準に対して、13,000g/モルのMn(GPC)及び1.015のMw/Mnを有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,P(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)=19,500g/モルであり、そしてMw/Mn=1.04である。非極性ブロックと極性ブロックとの理論供給比は、該ジブロックコポリマーにおいてVf-P(S-co-OS)=0.70に相当する。このブロックコポリマーは、Tg=79℃を示した。
【0144】
合成例9:L/S集合用添加剤のための、オリゴ(スチレン-co-p-オクチルスチレン)-b-(メチルメタクリレート-co-ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)(オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA))の合成
全てのモノマーを、脱水剤の存在下に、キャリブレートしたアンプル中に蒸留しそしてN下に保管した。液体を、アンプルを介してまたはステンレススチールカニューレを用いてN下に反応器中に移した。アンプルを接続するためのサイドアーム、磁気スターラーバー、窒素/真空三方向隔膜アダプタを備えた乾燥1L容積丸底反応器中に、400mLの無水テトラヒドロフランを加えた。この反応器の温度を、ドライアイス-アセトン浴を用いて-78℃に低下した。次いで、不純物を滴定した後に、1.0mL(0.0013モル)のsec-ブチルリチウムをこの反応器中に加えた。次いで、スチレン(10.64g、S)及びp-オクチルスチレン(1.76g、OS)の混合物を、高速に攪拌しながらアンプルから反応器中に加えた。この反応溶液は黄橙色に変化し、そして反応を10分間攪拌した。次いで、無水トルエン2.5ml中の0.32gの1,1’-ジフェニルエチレン(DPE)をアンプルを介して反応器中に加えた。この反応混合物の橙色は暗い赤煉瓦色に変化した。これは、スチリルリチウム活性センターが、非局在化DPE付加カルボアニオンに転化したことを示唆する。2分間の攪拌後、少量(2mL)の反応混合物を、PSブロック分子量分析のために採取した。次いで、それぞれ少量のトリエチルアルミニウム(トルエン中1M)及びCaHの存在下に蒸留したメチルメタクリレート(13.75ml、12.87g、MMA)及びジ(エチレングリコール)メチルエチルメタクリレート(2g、DEGMEMA)の混合物をアンプルを介して加えた。この反応を15分後に1mLの脱気したメタノールを用いて停止した。10%の水を含む過剰のメタノール(ポリマー溶液の五倍)中に析出させてブロックコポリマーを回収し、濾過し、そして真空下に55℃で12時間乾燥して、ポリスチレンブロック中のOS15モル%及びポリメチルメタクリレートブロック中のDEGMEMA14モル%からなる17gのオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)を得た(収率94%)。100Å、500Å、10Å、10Å及び10Åμ-ウルトラスチラゲルカラムを備えたゲル浸透クロマトグラフィは、第一のP(S-co-OS)ブロックが、PSキャリブレーション標準に対して、10,800g/モルのMn(GPC)及び1.14のMw/Mnを有することを示した。GPCから得たジブロックコポリマー分子量はMn,P(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)=30,000g/モルであり、そしてMw/Mn=1.07である。非極性ブロックと極性ブロックとの理論供給比は、該ジブロックコポリマーにおいてVf-P(S-co-OS)=0.50に相当する。このブロックコポリマーは、Tg=90℃を示した。
【0145】
調合物例1~5(Form.Ex.1-5)
表1は、コンタクトホール(CH)アレイの形成に使用するための、スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマーP(S-b-MMA)の調合物に関する。調合物1~5は、それぞれ、添加剤を含まない(Form.Ex.1)、スチレン及びメチルメタクリレートのオリゴマー性ランダムコポリマーを含む(Form.Ex.2及び3)またはオリゴマー(スチレン-co-p-オクチルスチレン)-b-(メチルメタクリレート-co-ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート)[オリゴ(P(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA))]を含む(Form.Ex.4及び5)。これらの調合物は、ブロックコポリマーP(S-b-MMA)(78k-39k)(合成例2)及びP(S-b-MMA)(34K-17K)(合成例3)を個別にプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PGMEA)中に溶解して、2.0重量%の溶液とすることによって調製した。次いで、これらの溶液を組み合わせ、そしてPGMEAを用いて1.5重量%に希釈した。添加剤を含まない調合物例1では、溶液を次いでPTFEメンブランを用いて濾過した。調合物2~5では、添加剤としてのオリゴ(S-co-MMA)(Form.Ex.2及び3)またはオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(Form.Ex.4及び5)を、PTFEメンブランで濾過する前に、表1に示すように加えた。
【0146】
調合物例6~9及び比較調合物1~3
表2は、コンタクトホール(CH)自己集合の形成に使用するための、スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマーP(S-b-MMA)の調合物に関する。調合物6~9は、それぞれ、添加剤を含まない(Form.Ex.6)、または添加剤としてのオリゴ(S-co-MMA)を含む(Form.Ex.7、8及び9)、または比較用調合物例1~3では、スチレン及びメチルメタクリレートのランダム高分子量コポリマーP(MMA-co-S)を含む[Comp.Form.Ex.1、2及び3]。これらの調合物は、スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマーP(S-b-MMA)(42K-47K)(合成例4)をPGMEA中に溶解して2.0重量%溶液とすることによって調製した。次いで、この溶液を組み合わせ、そしてPGMEAを用いて1.5重量%に希釈した。添加剤を含まない調合物例6では、溶液を次いでPTFEメンブランを用いて濾過した。調合物例7~9(Form.Ex.7~9)では、添加剤としてオリゴP(S-co-MMA)(合成例9)を、または比較例1~3(Comp.Ex.1~9)では、スチレン及びメチルメタクリレートの高分子量ランダムコポリマーP(S-co-MMA)(比較合成例1)(Comp.Synth.Ex.1)を、PTFEメンブランで濾過する前に、表2に記載のようにそれぞれ加えた。
【0147】
調合物例6、10~14
表3は、コンタクトホールライン・アンド・スペース(L/S)アレイの形成に使用するための、スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマーP(S-b-MMA)の調合物に関する。これらの調合物は、スチレン及びメチルメタクリレートのブロックコポリマーP(S-b-MMA)(42K-47K)(合成例4)をPGMEA中に溶解して2.0重量%溶液とすることによって調製した。次いで、これらの溶液を組み合わせ、そしてPGMEAを用いて1.5重量%に希釈した。添加剤を含まない調合物例6では、溶液を次いでPTFEメンブランを用いて濾過した。調合物例10~12(Form.Ex.10~12)では、添加剤としてオリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)を、調合物例13~14では、スチレン及びメチルメタクリレートのオリゴマー性ブロックコポリマー(オリゴ(S-b-MMA))を、PTFEメンブランで濾過する前に、表3に記載のようにそれぞれ加えた。
【0148】
調合物例15、16及び比較調合物4
原溶液の調製
ABA型トリブロックコポリマーの第一の原溶液(3.2重量%)を、0.6gの合成例4aを18gのPGMEA中に溶解し、そしてこの溶液を濾過することによって調製した。
【0149】
合成例9のオリゴマー性ブロックコポリマーの第二の原溶液(3.2重量%)を、0.6gのこの材料を18gのPGMEA中に溶解し、そしてこの溶液を濾過することによって調製した。
【0150】
合成例7aのオリゴマー性ブロックコポリマーの第三の原溶液を、0.83gのこの材料を25gのPGMEA中に溶解し、そしてこの溶液を濾過することによって調製した。
【0151】
比較調合物例4
前記の第一の原溶液は比較例4として使用した。すなわち、トリブロックコポリマーのみの溶液を、オリゴマー性添加剤成分を添加していないこのトリブロックコポリマーの自己集合の間に観察された欠陥レベルを確立するために使用した。
【0152】
調合物例15
この調合物は、合成例4aを含む前記第一の原溶液4.6gを、前記第二の原溶液0.92gと組み合わせることによって調製した。この溶液を、トリブロックコポリマーの自己集合中に観察される欠陥レベルに対する、成分タイプ2-b)のオリゴマー性ブロックコポリマー(合成例9)の影響を示すために使用した。
【0153】
調合物例16
この調合物は、合成例4aを含む前記第一の原溶液5.4gを、前記第二の原溶液1.08gと組み合わせることによって調製した。この溶液を、トリブロックコポリマーの自己集合中に観察される欠陥レベルに対する、成分タイプ3-b)のオリゴマー性ブロックコポリマー(合成例4a)の影響を示すために使用した。
【0154】
比較例4、調合物例15及び調合物例16の加工処理
これらの調合物は、コーティングの前に、0.2μmテフロンフィルターに通して濾過した。コーティングは、中性層(以下参照)を予めコーティングした8インチケイ素ウェハ上にTEL ACT8トラックを用いて行い、次いで110℃で1分間ソフトベークし、そして250℃で1時間ハードベークした。
【0155】
中性層
全てのブロックコポリマー調合物を試験するにあたっては、ケイ素ウェハを、先ず、中性層調合物として「中性層調合物1」でコーティングした。この中性層調合物は、合成例1のポリマーをPGMEA中に溶解して中性層調合物とすることによって調製したものであり、これを、以下のように、オーバーコートしたウェハをコーティングするために使用した。中性層は、中性調合物例1(74%PS)をケイ素ウェハ上にキャストし、そしてこれを240℃/5分間でベークし、その後、PGMEAで30秒間洗浄し、そして110℃で1分間ベークすることによって形成した。
【0156】
自己集合膜加工
他に記載がなければ、ここに記載の自己集合用調合物は、中性層の上面に1500rpmでスピンコートして、約50nmの厚さを有する膜を形成し、次いで、窒素下に250℃で5分間ベークして、自己集合させた。自己集合の後に、次いでこれらの膜を、特定の図面及び表に示すように0秒間から70秒間の間の時間で酸素プラズマを用いてエッチングした。この酸素エッチングは、ノードソン・マーチ社のエッチング装置を用いて、RF電力=50(W)、ベース圧=50(mTorr)、プロセス圧=90(mTorr)、O=15(sccm)で行った。
【0157】
自己集合及びエッチングの結果
CH用調合物の結果
表1中の例に示すようにオリゴマー添加剤を30重量%まで含むP(S-b-MMA)ポリマーブレンドの調合物は、これらの添加剤を含まない参照用サンプルと比較して、3回までの酸素プラズマエッチングの後に観察される欠陥が減少した。
【0158】
具体的には、図1は、表1に記載のポリ(スチレン-ブロック-メチルメタクリレート)のCH用ブロックコポリマー調合物[P(S-b-MMA)(78K-b-39K)及び(34K-b-17K)のブレンド]を中性層上に膜としてキャストした時の、自己集合及びエッチングのトップダウンSEM検証(2μmFOV)を示す。これらの結果は、これらを中性層上にコーティングし、自己集合を誘発するために250℃でアニールし、そしてエッチングした時のこれらの調合物の50nm膜(約1L)における、添加剤としてのオリゴ(S-co-MMA)を0~20重量%添加する効果を示した。これらのフィルムは、酸素プラズマで50秒間または70秒間のいずれかでエッチングした。これらのエッチングされた自己集合膜では、観察された欠陥数は、このオリゴマー性添加剤の添加量を高めると大きく減少する。これとは対照的に、この添加剤のいずれも含まない調合物は、かなりより多数の欠陥を示した。
【0159】
同様に、図2は、20秒間エッチングした後のこのCH用調合物の自己集合膜のx断面SEM観察(250倍率)を示し、この場合、この添加剤の添加量が10重量%から20重量%に増えるにつれ欠陥数が減少した。
【0160】
図3は、図1について先に記載の検証と同様のトップダウンSEM CH欠陥を示す。しかし、この例では、使用した添加剤は、オリゴ(S-co-MMA)ではなく、オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(Synth.Ex.8)であった。オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)の使用もまた、図3に示すように添加量を0重量%から20重量%まで増やすにつれ、欠陥数の大きな減少が観察されることが分かった。
【0161】
L/S用調合物の結果
図4は、オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)は用いずに、またはこの添加剤[Synth.Ex.9]を10重量%、20重量%もしくは30重量%用いて処方したブロックコポリマーP(S-b-MMA)(45.4k-b-51K)を中性層上にキャストした時の、自己集合膜のトップダウンSEM L/S検証を示す。これらの調合物は、それぞれ表3中の調合物6、7、8及び9である。これらの自己集合膜を30秒間、50秒間または70秒間、酸素プラズマでエッチングした後、添加剤を用いていないサンプルは多数の欠陥を示し、他方で、これとは対照的に、この添加剤を10重量%または20重量%用いたサンプルは、70秒間エッチングした後にも、殆ど欠点を示さなかった。
【0162】
図5は、オリゴ(S-b-MMA)を用いずに(別の言い方では0重量%)、またはこの添加剤(Synth.Ex.7)のオリゴ(S-b-MMA)(10重量%または20重量%)を用いて処方したブロックコポリマーP(S-b-MMA)(45.4k-b-51k)を中性層上にキャストした時の、自己集合膜のトップダウンSEM L/S検証を示す。これらの調合物は、それぞれ表3中の調合物6(0重量%)、13(10重量%)及び14(20重量%)である。これらの自己集合膜を30秒間、酸素プラズマでエッチングした後、添加剤を用いていない(0重量%)サンプルは多数の欠陥を示し、他方で、これとは対照的に、この添加剤を10重量%または20重量%用いたサンプルは、30秒間エッチングした後にも、顕著な欠点を示さなかった。
【0163】
表4及び5は、表2に記載のL/S調合物について、自己集合及びエッチングの後に得られた欠陥の結果を纏めて記す。表4及び5は、それぞれ、10重量%~30重量%の範囲の添加量で高Tg高分子量添加剤P(S-co-MMA)[Comp.Synth.Ex.1](Form.Comp.1、2及び3)を同じ添加量で含む調合物からキャストされた膜と比較して、低Tg添加物としてのオリゴ(S-co-MMA)(Comp.Synth.Ex.6)を含む中性層上にキャストされたブロックコポリマーP(S-b-MMA)(45.4k-b-51k)の調合物(Form.Ex.7、8及び9)の膜について自己集合及び酸素プラズマエッチングの後に得られた欠陥を対比する。これは、驚くべきことに、オリゴ(S-co-MMA)[Synth.Ex.7]が、P(S-co-MMA)[Comp.Synth.Ex.1]を含む調合物よりも、1ミクロン当たりでかなりより少ない数平均ネットワーク集合欠陥(network assembly defect)を与えることを示した。
【0164】
図6は、添加剤を用いずに(別の言い方では0重量%)、あるいはこの添加剤[Synth.Ex.9]の(オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)(20重量%)を用いてまたはこの添加剤[Synth.Ex.7a]のオリゴ(S-b-MMA)(20重量%)を用いて処方したブロックコポリマーP(MMA-b-S-b-MMA)(50k-88k-50k)を中性層上にキャストした時の、自己集合膜のトップダウンSEM L/S検証を示す。上記の後の二つの調合物は、それぞれ表3中の調合物15(20重量%)及び16(20重量%)である。これらの自己集合膜を、酸素プラズマで30秒間エッチングした。3L0自己集合膜を持つこれらの3LoFTの欠陥数は、日立DSA APPSソフトウェアを用いて得た。添加剤を用いていない(0重量%)サンプルは多数の欠陥(101個の欠陥)を示し、他方、これとは対照的に、20重量%の(オリゴ(S-co-p-OS)-b-P(MMA-co-DEGMEMA)または20重量%のオリゴ(S-b-MMA)を用いたサンプルは、それぞれ7及び15の欠陥レベルしか示さなかった。
【0165】
【表1】
【0166】
【表2】
【0167】
【表3】
【0168】
【表4】
【0169】
【表5】
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1. 次の成分a)、b)及びc)を含む組成物:
a)は、一種のブロックコポリマー成分、または少なくとも二種のブロックコポリマーのブレンドであり、
b)は、
オリゴランダムコポリマーb-1)、
オリゴジブロックコポリマーb-2)、
オリゴジブロックコポリマーb-3)、及び
これらの混合物、
からなる群から選択される低Tg添加剤であり、但し、
b-1)は、構造(Ib)及び構造(IIb)を有する二つの繰り返し単位のオリゴランダムコポリマーであり、式中、R 1b 及びR 3b は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R 2b はHまたはC1~C8アルキルであり、R 4b はC1~C8アルキルであり、そして
構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ib)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、構造(IIb)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び
構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ib)及び(IIb)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び更に、
前記オリゴランダムコポリマーb-1)は、約0℃~約80℃のTgを有し、及び
約1000g/モル~約8,000g/モルのMnを有し、及び
約1.3~約1.8の多分散性を有し、
【化18】
b-2)は、約1,000~35,000のMn及び1.0~約1.1の多分散性を有する、ブロックA-b)及びブロックB-b)のオリゴジブロックコポリマーであり、但し、
ブロックA-b)は、構造(III)及び(IV)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、そしてブロックB-b)は、構造(V)及び(VI)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、及び
、R 、R 、及びR 11 は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R はC7~C10直鎖アルキルであり、R はC1~C4アルキルであり、R 10 はC1~C4アルキルであり、R 12 及びR 13 は、個別に、C2~C5アルキレンから選択され、そしてR 14 はC1~C4アルキルであり、及び前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、約0℃~約95℃の値を有するTgを有し、
【化19】
b-3)は、構造(Ic)を有する繰り返し単位を含むブロックA-c)及び構造(IIc)を有する繰り返し単位を含むブロックB-c)のオリゴジブロックコポリマーであり、但し、R 1c 及びR 3c は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R 2c はHまたはC1~C8アルキルであり、R 4c はC1~C8アルキルであり、そして構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ic)の繰り返し単位では約36モル%~約74モル%であり、構造(IIc)の繰り返し単位では約26モル%~約64モル%であり、そして構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ic)及び(IIc)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択され、及び
前記オリゴジブロックコポリマーb-2)は、約1000g/モル~約30,000g/モルのMn、約1.0~約1.1の多分散性、及び約0℃~約115℃のTgを有し、
【化20】
c)は、スピンキャスト用有機溶剤である。
2. 前記成分a)が、単一のトリブロックコポリマー及び少なくとも二種のトリブロックコポリマーのブレンド、または単一のジブロックコポリマー及び少なくとも二種のジブロックコポリマーのブレンドのいずれかから選択される、前記1.に記載の組成物。
3. 前記成分a)が、ABA型トリブロックコポリマーa-1t)、ABA型トリブロックコポリマーa-2t)、及びABA型トリブロックポリマーa-1t)とABA型トリブロックコポリマーa-2t)とのブレンドからなる群から選択されるABA型トリブロックコポリマー成分であり、但し、
a-1t)は、スチレン系構造(I)を有する繰り返し単位の中間B)スチレン系ブロックセグメントと、構造(II)を有する等しい長さの二つの末端アクリル系ブロックA)セグメントとを含むABA型トリブロックコポリマーであり、式中、R 及びR は、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、R はHまたはC1~C8アルキルであり、R はC1~C8アルキルであり、及び
構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(I)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、構造(II)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び
構造(I)及び(II)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び
前記トリブロックコポリマーa-1t)は、約1.0~約1.1の多分散性を有し、及び約70,000g/モル~約350,000g/モルのMnを有し、
【化21】
a-2t)は、アクリル系構造(Ia)を有する繰り返し単位の中間B)ブロックセグメントと、スチレン系構造(IIa)を有する等しい長さの二つの末端ブロックB)セグメントとを含むABA型トリブロックコポリマーであり、式中、R 1a 及びR 3a は、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、R 2a はHまたはC1~C8アルキルであり、R 4a はC1~C8アルキルであり、
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ia)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、構造(IIa)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び、
前記トリブロックコポリマーa-2t)は、約1.0~約1.1の多分散性を有し、
約70,000g/モル~約350,000g/モルのMnを有する、
【化22】
前記1.または2.に記載の組成物。
4. R 、R 1a 、R 及びR 2a がHであり、及びR 3、 3a、 、及びR 4a がメチルである、前記3.に記載の組成物。
5. 成分a)が、構造(ABA-1)のトリブロックコポリマー、構造(ABA-2)のトリブロックコポリマー、及びこれらの二種のブロックコポリマーの混合物から選択されるトリブロックコポリマーであり、式中、mt、mta、nt及びntaは繰り返し単位の数であり、R 1s 、R 1sa 、R 2s 、及びR 2sa は、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R 3s 、-OR 4s 、及びSi(R 5s から選択され、ここでR 3s 、R 4s 及びR 5s は独立してC1~C4アルキルから選択される、前記1.~4.のいずれか一つに記載の組成物。
【化23】
6. R 、R 1a 、R 、R 2a 及びR 1s 及びR 2s がHであり、及びR 3、 3a、 、及びR 4a がメチルである、前記5.に記載の組成物。
7. a)が、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)、及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であり、但し
a-1)は、スチレン系構造(I)を有するスチレン系繰り返し単位を含むブロックA)及びアクリル系構造(II)を有するブロックB)のジブロックコポリマーであり、但し、R 及びR は、独立して、H及びC1~C4アルキルから選択され、R はHまたはC1~C8アルキルであり、R はC1~C8アルキルであり、及び
構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(I)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、構造(II)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、
構造(I)及び(II)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(I)及び(II)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び
前記ジブロックコポリマーa-1)は、約1.0~約1.1の多分散性、及び約50,000g/モル~約150,000g/モルのMnを有し、
【化24】
a-2)は、スチレン系構造(Ia)を有する繰り返し単位を含むブロックA-a)及びアクリル系構造(IIa)を有する繰り返し単位を含むブロックB-a)のジブロックコポリマーであり、但し、R 1a 及びR 3a は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R 2a はHまたはC1~C8アルキルであり、C 4a はC1~C8アルキルであり、そして
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数を基準としたモル%値は、構造(Ia)の繰り返し単位では約40モル%~約80モル%であり、構造(IIa)の繰り返し単位では約20モル%~約60モル%であり、及び
構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位のモル%の個々の値は、構造(Ia)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%となるようにそれらの各々の範囲から選択され;及び、
前記ジブロックコポリマーa-2)は、約1.0~約1.1の多分散性、及び約30,000g/モル~約90,000g/モルのMnを有する、
【化25】
前記1.または2.に記載の組成物。
8. 成分a)が、R 、R 1a 、R 及びR 2a がHであり及びR 3、 3a、 、及びR 4a がメチルであるものである、前記6.に記載の組成物。
9. ジブロックコポリマーa-1)及びa-2)が、それぞれ、構造(I-S)及び構造(I-S-a)を有し、但し、R 1s 、R 1sa 、R 2s 、及びR 2sa は、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R 3s 、-OR 4s 、及びSi(R 5s から選択され、ここでR 3s 、R 4s 及びR 5s は、独立して、C1~C4アルキルから選択される、前記7.または8.に記載の組成物。
【化26】
10. R 1s 、R 2s 、R 1sa 及びR 2sa が水素である、前記9.に記載の組成物。
11. 前記オリゴジブロックコポリマー成分b-2)及びb-3)が、それぞれ構造(I-S-b)及び構造(I-S-c)に示されるようにブロックA-b)とブロックB-b)との間にまたはブロックA-c)とブロックB-c)との間にそれぞれスペーサ部分を有し、但し、R 1sb 、R 1sc 、R 2sb 、及びR 2sc は、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R 3s 、-OR 4s 、Si(R 5s から選択され、ここでR 3s 、R 4s 及びR 5s は、独立して、C1~C4アルキルから選択される、前記1.及び2.及び7.~10.のいずれか一つに記載の組成物。
【化27】
12. R 1sb 、R 2sb 、R 1sc 及びR 2sc が水素である、前記11.に記載の組成物。
13. 成分a)について、前記ジブロックコポリマー成分a-1)が、約1.00~約1.03の多分散性を有する、前記1.及び2.及び7.~12.のいずれか一つに記載の組成物。
14. 成分a)について、前記ジブロックコポリマー成分a-1)が、約93,000g/モル~約105,300g/モルのMnを有する、前記1.及び2.及び7.~13.のいずれか一つに記載の組成物。
15. 成分a)の前記ジブロックコポリマー成分a-1)について、構造(I)の繰り返し単位のモル%値が、約40モル%~約60モル%であり、構造(II)の繰り返し単位のモル%値が約40モル%~約60モル%である、前記1.及び2.及び7.~14.のいずれか一つに記載の組成物。
16. 成分a)の前記ジブロックコポリマー成分a-1)について、構造(I)の繰り返し単位のモル%値が、約60モル%~約75モル%であり、構造(II)の繰り返し単位のモル%値が約25モル%~約40モル%である、前記1.及び2.及び7.~14.のいずれか一つに記載の組成物。
17. 成分a)について、前記ジブロックコポリマー成分a-2)が、約1.00~約1.03の多分散性を有する、前記1.及び2.及び8.~16.のいずれか一つに記載の組成物。
18. 成分a)について、前記ジブロックコポリマー成分a-2)が、約40,800g/モル~約61,200g/モルのMnを有する、前記1.及び2.及び8.~17.のいずれか一つに記載の組成物。
19. 成分a)について、単一のブロックコポリマーa-1)もしくはa-2)のいずれかでまたはa-1)とa-2)とのブレンドにおいて、構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位の全モル%値が約40モル%~約60モル%であり、及び構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル%値が約40モル%~約60モル%である、前記1.及び2.及び8.~18.のいずれか一つに記載の組成物。
20. 成分a)について、単一のブロックコポリマーa-1)もしくはa-2)のいずれでもまたはa-1)とa-2)とのブレンドにおいて、構造(I)及び(Ia)の繰り返し単位の全モル%値が約60モル%~約75モル%であり、及び構造(II)及び(IIa)の繰り返し単位の全モル%値が約25モル%~約40モル%である、前記1.及び2.及び8.~18.のいずれか一つに記載の組成物。
21. 成分a)が、a-1)とa-2)とのブレンドである、前記1.及び2.及び8.~20.のいずれか一つに記載の組成物。
22. 成分a)が、a-1)またはa-2)のいずれかである、前記1.及び2.及び8.~20.のいずれか一つに記載の組成物。
23. 成分a)が、全組成物の約0.5重量%~約2.0重量%である、前記1.~22.のいずれか一つに記載の組成物。
24. 成分b)としてのオリゴランダムコポリマーb-1)が、R 1b 及びR 2b がHであり、及びR 3b 及びR 4b がメチルであるものである、前記1.~23.のいずれか一つに記載の組成物。
25. 成分b)について、前記オリゴランダムコポリマーb-1)が、約1.3~約1.5の多分散性を有する、前記1.~24.のいずれか一つに記載の組成物。
26. 成分b)について、前記オリゴランダムコポリマーb-1)が、約1000g/モル~約5000g/モルのMnを有する、前記1.~25.のいずれか一つに記載の組成物。
27. 成分b)について、前記オリゴランダムコポリマーb-1)が、約50℃~約90℃のTgを有する、前記1.~26.のいずれか一つに記載の組成物。
28. 成分b)がオリゴランダムコポリマーb-1)である、前記1.~27.のいずれか一つに記載の組成物。
29. 成分b)のオリゴジブロックコポリマーb-2)について、これが、R 、R 及びR がHであり、R がn-オクチルまたはn-ノニルであり、R 及びR 11 がメチルであり、R 10 がメチルまたはエチルであり、R 12 及びR 13 が独立してエチレンまたはプロピレンであり、及びR 14 がメチルまたはエチルであるものである、前記1.~27.のいずれか一つに記載の組成物。
30. 成分b)のオリゴジブロックコポリマーb-2)について、これが、R がn-オクチルであり、R 10 がメチルであり、R 12 及びR 13 がエチレンであり、及びR 14 がメチルであるものである、前記1.~27.及び29.のいずれか一つに記載の組成物。
31. 成分b)のオリゴジブロックコポリマーb-2)について、これが、
構造(IV)の繰り返し単位の前記モル%が約25モル%~約50モル%であり、及び
構造(V)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約60モル%である、
ものである、前記1.~27.及び29.及び30.のいずれか一つに記載の組成物。
32. 成分b)のオリゴジブロックコポリマーb-2)について、これが、
構造(III)の繰り返し単位の前記モル%が、構造(IV)の繰り返し単位のモル%の約20%~約30%であり、及び
構造(VI)の繰り返し単位についてのそのモル%が、構造(V)の繰り返し単位のモル%の約12%~約20%である、
ものである、前記1.~27.及び29.~31.のいずれか一つに記載の組成物。
33. 成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-2)が、約1.03~約1.08の多分散性を有する、前記1.~27.及び29.~32.のいずれか一つに記載の組成物。
34. 成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-2)が、約15000g/モル~約32000g/モルのMnを有する、前記1.~27.及び29.~33.のいずれか一つに記載の組成物。
35. 成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-2)が、約50℃~約90℃のTgを有する、前記1.~27.及び29.~34.のいずれか一つに記載の組成物。
36. 成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-2)である、前記1.~27.及び29.~35.のいずれか一つに記載の組成物。
37. 成分b)において、前記オリゴジブロックコポリマーb-3)が、R 1c 及びR 2c がHであり、及びR 3c 及びR 4c がメチルである、前記1.~27.、29.~35.のいずれか一つに記載の組成物。
38. 成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-3)が、約15,000~約30,000g/モルのMnを有する、前記1.~27.及び29.~35.及び37.のいずれか一つに記載の組成物。
39. 成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-3)が、約1.02~約1.08の多分散性を有する、前記1.~27.及び29.~35.及び37.及び38.のいずれか一つに記載の組成物。
40. 成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)であり、そしてこれが、
構造(Ic)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約70モル%であり、及び構造(IIc)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約70モル%であるものである、前記1.~26.及び29.~35.及び37.~41.のいずれか一つ記載の組成物。
41. 成分b)について、前記オリゴジブロックコポリマーb-3)が、約50℃~約90℃のTgを有する、前記1.~26.及び29.~35.及び37.~39.のいずれか一つに記載の組成物。
42. 成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-3)である、前記1.~26.及び28.~35.及び37.~40.のいずれか一つに記載の組成物。
43. 成分a)が、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であり、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%が約60モル%~約75モル%であり、構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%が約40モル%~約60モル%であり、及び成分b)がコポリマーb-1)、オリゴジブロックコポリマーb-2)またはコポリマーb-3)である、前記1.、7.~26.及び29.~35.及び37.~42.のいずれか一つに記載の組成物。
44. 成分a)が、ジブロックコポリマーa-1)、ジブロックコポリマーa-2)、及びa-1)とa-2)とのブレンドからなる群から選択されるジブロックコポリマー成分であり、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%が約60モル%~約75モル%であり、更に、構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%が約25モル%~約40モル%であり、及び成分b)がオリゴランダムコポリマーb-1)、オリゴジブロックコポリマーb-2)、またはオリゴジブロックコポリマーb-3)である、前記1.、7.~26.及び29.~35.及び37.~43.のいずれか一つに記載の組成物。
45. 成分a)が、トリブロックコポリマー成分a-1t)、トリブロックコポリマーa-2t)、及びa-1t)とa-2t)とのブレンドからなる群から選択され、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%が約60モル%~約75モル%であり、及び構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%が約40モル%~約60モル%であり、及び成分b)がコポリマーb-2またはオリゴジブロックコポリマーb-3)である、前記1.~6.及び23.~42.のいずれか一つに記載の組成物。
46. 成分a)が、トリブロックコポリマー成分a-1t)、トリブロックコポリマーa-2t)、及びa-1t)とa-2t)とのブレンドからなる群から選択され、構造(I)及び(Ia)のスチレン系繰り返し単位の全モル%が約60モル%~約75モル%であり、更に構造(II)及び(IIa)のアクリル系繰り返し単位の全モル%が約25モル%~約40モル%であり、及び成分b)がオリゴジブロックコポリマーb-2)またはオリゴジブロックコポリマーb-3)である、前記1.~6.及び23.~42.のいずれか一つに記載の組成物。
47. 次のステップ:
i)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
ii)前記1.~44.のいずれか一つに記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ii)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iii)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む方法。
48. ライン・アンド・スペースアレイを形成するための方法であって:
ia)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iia)前記43.に記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
iiia)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
iva)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む、前記方法。
49. コンタクトホールアレイを形成する方法であって:
ib)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iib)前記44.に記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
iiib)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
ivb)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む、前記方法。
50. ライン・アンド・スペースアレイを形成するための方法であって:
ic)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iiic)前記45.に記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ivc)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
vc)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む、前記方法。
51. コンタクトホールアレイを形成する方法であって:
id)基材上に中性層のコーティングを形成するステップ、
iiid)前記46.に記載の組成物を前記中性層上にコーティングして、膜を形成するステップ、
ivd)前記膜を、不活性ガス雰囲気中で、約240℃~約260℃から選択される温度でベークして、自己集合膜を形成するステップ、及び
vd)前記基材をプラズマでエッチングして、前記自己集合膜を基材中にパターン転写するステップ、
を含む、前記方法。
52. 約1,000~35,000g/モルのMn及び1.0~約1.1の多分散性を有する、ブロックA-b)及びブロックB-b)を含むオリゴジブロックコポリマーであって、但し、
ブロックA-b)は、構造(III)及び(IV)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、及び
ブロックB-b)は、構造(V)及び(VI)を有する繰り返し単位のランダムコポリマーであり、及び
、R 、R 、及びR 11 は、独立して、HまたはC1~C4アルキルから選択され、R はC7~C10直鎖アルキルであり、R はC1~C4アルキルであり、R 10 はC1~C4アルキルであり、R 12 及びR 13 は、独立して、C2~C5アルキレンから選択され、及びR 14 はC1~C4アルキルであり、及び
前記オリゴジブロックコポリマーは、約0℃~約95℃の値を有するTgを有する、
前記オリゴジブロックコポリマー。
【化28】
53. 前記オリゴジブロックコポリマーが、構造(I-S-b)に示されるようにブロックA-b)とブロックB-b)との間にスペーサ部分を有し、但し、R 1sb 及びR 2sb は、独立して、水素、C1~C8アルキル、-N(R 3s 、-OR 4s 、Si(R 5s から選択され、ここでR 3s 、R 4s 及びR 5s は独立してC1~C4アルキルから選択される、前記52.に記載のオリゴジブロックコポリマー。
【化29】
54. R 1sb 及びR 2sb が水素である、前記53.に記載のオリゴジブロックコポリマー。
55. R 、R 及びR がHであり、R がC8~C9直鎖アルキルであり、R 及びR 11 がメチルであり、R 10 がメチルまたはエチルであり、R 12 及びR 13 が独立してエチレンまたはプロピレンであり、及びR 14 がメチルまたはエチルである、前記52.~54.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
56. R がn-オクチルであり、R 10 がメチルであり、R 12 及びR 13 がエチレンであり、及びR 14 がメチルであるものである、前記52.~55.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
57. 構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)を有する繰り返し単位の全モル数を基準にして繰り返し単位(III)及び(IV)のモル%の合計のモル%が約40モル%~約80モル%であり、及び繰り返し単位(V)及び(VI)のモル%の合計のモル%が約20モル%~約60モル%の範囲であり、更にここで、繰り返し単位(III)のモル%が約2モル%~約80モル%の範囲であり、そして繰り返し単位(VI)のモル%が約1モル%~約80モル%の範囲であり、及び更に、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位のモル%の個々の値が、構造(III)、(IV)、(V)及び(VI)の繰り返し単位の全モル数が合計して100モル%になるようにそれらの各々の範囲から選択される、前記52.~56.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
58. 繰り返し単位(III)のモル%が約2モル%~約64モル%である、前記52.~57.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
59. (VI)のモル%が約2モル%~約48モル%の範囲である、前記52.~58.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
60. 前記52.~59.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマーであって、
構造(IV)の繰り返し単位の前記モル%が約25モル%~約50モル%であり、及び
構造(V)の繰り返し単位の前記モル%が約40モル%~約60モル%であるものである、
前記オリゴジブロックコポリマー。
61. 約1.03~約1.08の多分散性を有する、前記53.~60.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
62. 約15,000g/モル~約32,000g/モルのMnを有する、前記53.~61.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
63. 約50℃~約90℃のTgを有する、前記53.~62.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマー。
64. 自己集合膜を基材上に調製するための、前記1.~46.のいずれか一つに記載の組成物または前記52.~63.のいずれか一つに記載のオリゴジブロックコポリマーの使用。
図1
図2
図3
図4
図5
図6