(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】基板処理システム用のチラー開閉コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01L 21/3065 20060101AFI20241122BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
H01L21/302 101G
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2022552518
(86)(22)【出願日】2021-02-25
(86)【国際出願番号】 US2021019566
(87)【国際公開番号】W WO2021178192
(87)【国際公開日】2021-09-10
【審査請求日】2024-02-20
(32)【優先日】2020-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マーカッチ・アレクサンダー・チャールズ
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-93087(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0091871(US,A1)
【文献】特開平8-162518(JP,A)
【文献】特表2006-522452(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/683
H01L 21/31
C23C 16/44
C23F 4/00
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
処理チャンバの基板支持体及びRFバイアスアセンブリが前記処理チャンバの他の構成要素に対してドッキング位置から非ドッキング位置まで摺動することを可能にするように構成されたヒンジアセンブリと、
前記基板支持体及び前記RFバイアスアセンブリのうちの少なくとも1つに流体を供給するように構成された開閉コネクタであって、
第1の導管に接続された第1の流体通路を含む第1の部分と、
第2の導管に接続された第2の流体通路を含む第2の部分と、
前記第1の部分を前記第2の部分に取り外し可能に接続する締結具と、を備える、開閉コネクタと、を備え、
前記第1の部分における前記第1の流体通路は、前記第2の部分における前記第2の流体通路に流体的に連通し、
前記第1の部分は、前記処理チャンバの前記第2の部分及び他の部分に対して、前記基板支持体及び前記RFバイアスアセンブリと共に摺動するように構成され、
前記第1の部分は、前記ドッキング位置から前記非ドッキング位置に摺動する方向に対して、前記第2の部分から内側に位置している、
基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記開閉コネクタが前記ドッキング位置にあるとき、前記第1の部分は前記第2の部分に接続されている、基板処理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記開閉コネクタが前記非ドッキング位置にあるとき、前記第1の部分は前記第2の部分から接続解除されている、基板処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理システムであって、前記ヒンジアセンブリは、前記基板支持体及び前記RFバイアスアセンブリが前記ドッキング位置から前記非ドッキング位置まで摺動し、次いで、90°よりも大きいあらかじめ定められた角度まで旋回するように構成されている、基板処理システム。
【請求項5】
請求項1に記載の基板処理システムであって、筐体を更に備え、前記開閉コネクタは前記筐体の内部に配置されている、基板処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の基板処理システムであって、前記筐体は、ガス供給源に接続され、動作時にパージされる、基板処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の基板処理システムであって、前記ガス供給源は、分子窒素によりパージされる、基板処理システム。
【請求項8】
請求項6に記載の基板処理システムであって、前記ガス供給源は、清浄な乾燥空気によりパージされる、基板処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記第1の部分は、第3の導管に接続された第3の流体通路を含み、
前記第2の部分は、第4の導管に接続された第4の流体通路を含み、
前記第1の部分における前記第3の流体通路は、前記第2の部分における前記第4の流体通路に流体的に連通している、基板処理システム。
【請求項10】
ツールであって、
装置フロントエンドモジュール(EFEM)と、
基板搬送モジュールと、
前記EFEMと前記基板搬送モジュールとの間に配置されたロードロックと、請求項1に記載の2N個の基板処理システムと、を備え、Nは1~5の整数であり、
前記2N個の基板処理システムの半分は前記基板搬送モジュールの一方の側に配置され、前記2N個の基板処理システムの他の半分は前記基板搬送モジュールの反対側に配置されている、ツール。
【請求項11】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記開閉コネクタの前記第1の部分は、複数の孔を含み、
前記開閉コネクタの前記第2の部分は、前記第1の部分が前記第2の部分に接続されているときに、前記複数の孔とそれぞれ嵌合する複数の位置合わせピンを含む、基板処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月2日に出願された米国仮特許出願第62/984,081号の利益を主張する。上記で参照された出願の開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
技術分野
本開示は、基板処理システムに関し、より詳細には、チラーを処理チャンバに接続するシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書で提供される「背景技術」の記載は、本開示の背景を全般的に提示することを目的としている。本明細書の「背景技術」に記載されている範囲における、本明細書にて名前を挙げた発明者の業績、並びに、出願時点で先行技術と見なされないかも知れない本明細書の態様は、明示的にも暗黙的にも本開示に対する先行技術として認められていない。
【0004】
半導体ウェハーなどの基板を処置するために、基板処理システムを使用する場合がある。基板上で実施できるプロセスの例には、化学蒸着(CVD)、原子層堆積(ALD)、導電体エッチング、及び/又は他のエッチング、堆積、若しくはクリーニングプロセスが含まれるが、これらに限定されない。基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の、ペデスタル、静電チャック(ESC)などの基板支持体上に配置されてよい。エッチング中に、1つ以上の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバ内へと導入されてよく、プラズマを使用して化学反応を開始してよい。
【発明の概要】
【0005】
基板処理システムが、処理チャンバの基板支持体及びRFバイアスアセンブリが処理チャンバの他の構成要素に対してドッキング位置から非ドッキング位置まで摺動することを可能にするように構成されたヒンジアセンブリを含む。開閉コネクタが、基板支持体及びRFバイアスアセンブリのうちの少なくとも1つに流体を供給するように構成されている。開閉コネクタは、第1の導管に接続された第1の流体通路を含む第1の部分を含む。第2の部分が、第2の導管に接続された第2の流体通路を含む。第1の部分における第1の流体通路は、第2の部分における第2の流体通路に流体的に連通している。締結具が、第1の部分を第2の部分に取り外し可能に接続する。第1の部分は、処理チャンバの第2の部分及び他の部分に対して、基板支持体及びRFバイアスアセンブリと共に摺動するように構成されている。第1の部分は、ドッキング位置から非ドッキング位置まで摺動する方向に対して、第2の部分から内側に位置している。
【0006】
他の特徴では、開閉コネクタがドッキング位置にあるとき、第1の部分は第2の部分に接続されている。開閉コネクタが非ドッキング位置にあるとき、第1の部分は第2の部分から接続解除されている。ヒンジアセンブリは、基板支持体及びRFバイアスアセンブリがドッキング位置から非ドッキング位置まで摺動し、次いで、90°よりも大きいあらかじめ定められた角度まで旋回するように構成されている。
【0007】
他の特徴では、開閉コネクタは、筐体の内側に配置されている。筐体は、ガス供給源に接続され、動作時にパージされる。ガス供給源は、分子窒素又は清浄な乾燥空気である。
【0008】
他の特徴では、第1の部分は、第3の導管に接続された第3の流体通路を含む。第2の部分は、第4の導管に接続された第4の流体通路を含む。第1の部分における第3の流体通路は、第2の部分における第4の流体通路に流体的に連通している。
【0009】
ツールは、装置フロントエンドモジュール(EFEM)、基板搬送モジュール、EFEMと基板搬送モジュールとの間に配置されたロードロック、及び請求項1に記載の2N個の基板処理システムを含み、Nは1~5の整数である。2N個の基板処理システムの半分は基板搬送モジュールの一方の側に配置され、2N個の基板処理システムの他の半分は基板搬送モジュールの反対側に配置されている。
【0010】
他の特徴では、開閉コネクタの第1の部分は、複数の孔を含む。開閉コネクタの第2の部分は、第1の部分が第2の部分に接続されているときに、複数の孔とそれぞれ嵌合する複数の位置合わせピンを含む。
【0011】
本開示の適用可能な更なる領域が、「発明を実施するための形態」、「特許請求の範囲」、及び図面から明らかとなるであろう。「発明を実施するための形態」及び具体例は、例示のみを目的としており、開示の範囲を限定することを意図していない。
【0012】
本開示は、詳細な説明及び添付の図面からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、例示的な摺動及び旋回アセンブリを含む2つのツールの一部分の斜視図である。
【0014】
【
図2】
図2は、
図1のツールのうちの一方の一部分の上面図である。
【0015】
【
図3】
図3は、
図1のツールのうちの一方の一部分の側面図である。
【0016】
【
図4A】
図4Aは、摺動及び旋回アセンブリを含む基板処理ステーションの実施例の上面図である。
【0017】
【
図4B】
図4Bは、基板支持体の実施例の簡略化した断面図である。
【0018】
【
図5】
図5は、本開示による、開閉流体コネクタのための筐体を含む処理ステーションのうちの1つの実施例の側面図である。
【0019】
【
図6】
図6は、本開示による、処理ステーションに送達される冷却流体のための開閉コネクタのための筐体の実施例の斜視図である。
【0020】
【
図7】
図7は、本開示による、カバーが取り外された筐体の実施例の斜視図である。
【0021】
【
図8】
図8は、本開示による、接続位置にある開閉コネクタの実施例の側面図である。
【
図9】
図9は、本開示による、接続解除位置にある開閉コネクタの実施例の側面図である。
【0022】
【
図10】
図10は、本開示による、接続解除位置にある開閉コネクタの実施例の側面断面図である。
【0023】
【
図11】
図11は、開閉コネクタの位置合わせピンの様々な図を示す。
【
図12】
図12は、開閉コネクタの位置合わせピンの様々な図を示す。
【
図13】
図13は、開閉コネクタの位置合わせピンの様々な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面において、参照番号は、類似の及び/又は同一の要素を識別するために再利用される場合がある。
【0025】
半導体製造(ファブ)ルームは、複数のツールを含み、その各々が複数の基板処理ステーション(以下「ステーション」と称する)を含むことができる。ステーションの各々が、導電体エッチングプロセス、誘電体エッチングプロセス、又は他の基板処理を実施するように構成することができる。ファブルーム内の空間は限定されており、したがって、ステーションに対して保守及び/又は整備を実施するためにツールの各々にアクセスするために利用可能な空間の量が限定されている。ツールのステーションは、星形パターン又は線形パターンで構成されてよい。
【0026】
星形パターンの場合、ステーションはロボットを含む中央に位置する基板搬送モジュールの周りに配置される。ロボットは、基板を、ロードロックチャンバから基板処理ステーションの各々に、そして再びロードロックへと移動させる。ステーションのこの構成では、ステーション間に幾分のアクセス空間が提供されるが、ステーションの密度は、線形パターンで構成された場合の密度よりも小さい。
【0027】
線形パターンでは、ステーションは横並びで構成され、2列のステーションが形成される。列は、大気圧又は真空で動作してよい基板搬送モジュールの両側に位置する。線形構成は、より多くのステーションを専用のフットプリント内に配置することを可能にするが、線形構成では、ステーションの側部へのアクセスが制限される。
【0028】
保守性を改善するために、処理ステーションは、摺動及び旋回アセンブリを含んでよく、処理チャンバ(処理チャンバの正面又は通路に面した壁、基板支持体、及びRFバイアスアセンブリを含む)の下部がすべり出て、次いで旋回して隣接するツール間に入ることができる。いくつかの実施例では、基板支持体は、基板支持体と、その上に配置された基板との温度を制御するための流体を流す冷却剤チャネルを有するベースプレートを含む。上部のプレートアセンブリは、整備、保守、又は交換のために取り外すことができる。処理チャンバの残りの部分は、同じ位置のままである。
【0029】
摺動及び旋回アセンブリを保守位置に移動させる前に、基板支持体及びRFバイアスアセンブリへの接続部を接続解除する必要がある。いくつかの実施例では、基板支持体及び/又はRFバイアスアセンブリは、流体により冷却される場合がある。したがって、摺動及び旋回アセンブリを保守位置へと移動させる前に、流体接続部が接続解除される必要がある。いくつかの実施例では、硬質導管及び可撓性導管の組み合わせが使用される。流体送達構成要素のある部分は、処理チャンバの残りの部分と共に所定位置に残ったままであり、流体送達構成要素の他の部分は、摺動及び旋回アセンブリと共に移動する。理解できるように、バイアスアセンブリの下の比較的限定された空間に、信頼性が高い開閉流体接続部を設けることは困難である。
【0030】
図1及び
図2は、ファブルームにおいて横並びに配置された2つのツール100、102(一方が100で示す実線、他方が102で示す破線)の一部分を示す。ツールの各々は、2列のステーションを含む(ツールの各々に対して1列を示している)。ステーションは、基板搬送モジュールに隣接して位置している(明確にするため、
図1では示していない)。ツール100、102の間の空間は限定されている。ツール100、102の間の通路の幅はWとして示される。幅Wは、ステーションの処理チャンバを開け、プロセスモジュール及び対応する処理チャンバの内部にアクセスするための、ツール100、102の間の最小量の空間を提供する。
【0031】
本明細書で記述される実施例は、摺動及び旋回アセンブリを含み、これらは対応する処理チャンバから引き出され、処理チャンバから離れるように旋回されて、通路において保守又は整備を実施することが可能になる。摺動及び旋回アセンブリは、完全ドッキング状態から完全非ドッキング状態に、そして同じ完全ドッキング場所へと繰り返し移動されるように構成されている。一例として、摺動及び旋回アセンブリは、プロセスモジュールバイアスアセンブリを完全ドッキング状態から±25マイクロメートル(μm、ミクロンと称する)以内の位置に戻すように構成されている。摺動及び旋回アセンブリは、プロセスモジュールバイアスアセンブリの重荷重を取り扱い補償するように構成されている。プロセスモジュールバイアスアセンブリ、並びに対応する摺動及び旋回アセンブリの全体重量の例は、約300キログラム(kg)である。
【0032】
ツール100、102は、前開き一体型ポッド(FOUP)104、装置フロントエンドモジュール(EFEM)及びロードロック106、無線周波数生成器107及びガスボックス108を有するステーション、並びにパワーロックアウト及びタグアウトパネル110、を含む。ステーションは、プロセスモジュールバイアスアセンブリ112を更に含み、これらは、それぞれの摺動及び旋回アセンブリを含む(
図4に示す)。
【0033】
ステーションの各々は、単独で又は組み合わせて、基板処理システムと称されてよい。ステーションの各々を使用して、例えば無線周波数(RF)プラズマを使用して、基板をエッチングしてよい。各ステーションは、誘導結合プラズマ(ICP)チャンバ、又は伝導結合プラズマ(CCP)チャンバなどの処理チャンバを含む。ステーションは、例えば、導電体エッチングプロセス若しくは誘電体エッチングプロセス、又は他の基板処理を実施してよい。
【0034】
図2は、ツール100の平面図を示す。ツール100は、FOUP104、EFEM及びロードロック106、ステーション109、並びにパワーロックアウト及びタグアウトパネル110を含む。ツールは、全体としてのフットプリント220を有する。ツールは、基板をステーション109に及びステーション109から搬送するための基板搬送モジュール222を更に含む。基板搬送モジュール222は、ロボット224、226、及び基板の一時的な格納のためのバッファ228を含んでよい。ロボット224、226は、基板をステーション109及びバッファ228に、又はステーション109及びバッファ228から搬送する。いくつかの実施例では、基板搬送モジュール222は、真空又は大気圧で動作する。
【0035】
図3は、ツール100の側面図を示す。ツール100は、FOUP104、EFEM及びロードロック106、ステーション109、並びにパワーロックアウト及びタグアウトシステム110を含む。ステーションは、RF発振器及びガスボックス(集合的に300と称される)、並びに摺動及び旋回アセンブリ112を有するプロセスモジュールバイアスアセンブリを含む。RF発振器は、ステーションの基板支持体の電極にRF電力を供給してよい。ガスボックスは、ステーションの処理チャンバにガスを供給する。基板搬送モジュール222も示される。
【0036】
装填されて処理される基板が、FOUP104内に格納される。基板は、ロボット224、226により、FOUP104から、EFEM及びロードロック106を介して、それぞれの装填ポート302を介して、ステーション109に搬送される。いくつかの実施例では、RF発振器及びガスボックス300は、ステーション109の上方に配置されて、RF電力及びプロセスガスをステーション109のプロセスモジュールに供給する。
【0037】
図4Aは、摺動及び旋回アセンブリ402を含む基板処理ステーション400を示す。摺動及び旋回アセンブリ402は、プロセスモジュールバイアスアセンブリ406が、処理チャンバ404の残りの構成要素に対して摺動し旋回することを可能にする。摺動及び旋回アセンブリ402は、プロセスモジュールバイアスアセンブリ406が、処理チャンバ404から引き出されて、処理チャンバ404の前面に対してあらかじめ定められた角度に至るまで旋回することを可能にする。プロセスモジュールバイアスアセンブリ406は、ハウジング408、プロセスバイアスボウル412を含むプロセスモジュールの一部分410を含む。プロセスモジュールバイアスアセンブリ406は、プロセスバイアスボウル412に加えて、
図4Bで示すような静電チャック及び/又はその他の基板支持体、並びに上部プレートアセンブリを含んでよい。
【0038】
ステーション400と、対向するステーションとの間の通路の例示的な幅Wは、プロセスモジュールバイアスアセンブリ406が通路内にすべり出て旋回することが可能なことを表すように示されている。これにより、ウェットクリーニングを含む保守及び整備の目的のために、技術者がプロセスバイアスボウル412と処理チャンバ404の内部とにアクセスするための開放空間414が、摺動及び旋回アセンブリ402の右側に提供される。プロセスバイアスボウル412と処理チャンバ404の内部とは、干渉することなく、プロセスモジュールバイアスアセンブリ406の右側からアクセスされる。例えば、開放空間414には、スライド、レール、及び/又は他の構成要素が位置していないので、それらが、処理チャンバの内部にアクセスしている技術者に干渉することはない。プロセスモジュールバイアスアセンブリ406は左に旋回するように示されているが、プロセスモジュール及びバイアスアセンブリが引き出され処理チャンバに対して右に旋回するように、摺動及び旋回アセンブリが処理チャンバの右側に構成され取り付けられてよい。
【0039】
図4Bは、静電電極472及び/又はRFバイアス電極474を含む加熱層470を含む基板支持体460を示す。加熱層470は、セラミック又は他の材料でできていてよく、接合層によりベースプレート482に接合されている。ベースプレート482は、典型的にはアルミニウムで作製され、冷却剤チャネル480、並びに流体通路484及び486を含んで、ベースプレート482に冷却剤を供給し、及びベースプレート482から冷却剤を受け取る。冷却剤は、処理中に、基板支持体及び基板の温度を制御することを手助けする。
【0040】
ここで
図5を参照すると、通路から内向きに見たステーションのうちの1つが示される。ステーションは、上部510及び下部514を含む。上部510は、プロセスモジュールバイアスアセンブリと、摺動及び旋回アセンブリ112を有する基板支持体とを含む。上部510の摺動及び旋回アセンブリ112は、プロセスモジュールが通路に向かって外側へと摺動し、次いで旋回して、クリーニング、整備、又は他の保守のためのアクセスを可能にしている。いくつかの実施例では、上部510の摺動及び旋回アセンブリは外向きに90°以上旋回して、処理チャンバへのより大きなアクセスを可能にしている。下部514は同じ位置のままであり、取り外し可能なカバー524を有する筐体520を含む。処理モジュールの他の構成要素518(例えば他の流体及び/又は電気構成要素及び/又は筐体)が、下部514の筐体と上部510の下側エッジとの間に配置されている。いくつかの実施例では、筐体の壁、及び/又は筐体内又は筐体外の導管は、凝結を防止するために断熱することができる。
【0041】
以下で更に説明するように、筐体520内に収容されている開閉コネクタ(
図7を参照)の内側部分は、摺動及び旋回アセンブリ112と共に外向きに摺動して通路に入る。摺動又は旋回する前に、開閉流体コネクタの外側部分が、外向きに、そして下向きに引っ張られて、内側部分が遮られることがなく移動することを可能にしている。(第2の部分が第1の部分に対して外側に位置している)この構成を使用することにより、第1の部分への第2の部分の位置合わせ及び接続が、(第2の部分が第1の部分の内側に位置している場合と比較して)より容易になる。更には、可撓性ラインを部分的に使用することにより、硬質ラインだけを使用した流体送達の場合に生じるであろう公差の累積が回避される。
【0042】
ここで
図6を参照すると、ステーションに送達される冷却流体のための開閉コネクタのための筐体520が更に詳細に示される。筐体520は、垂直ハウジングセクション610と、垂直ハウジングセクション610に接続している水平ハウジングセクション612とを含む。筐体520の垂直ハウジングセクション610及び水平ハウジングセクション612は、開閉コネクタ(
図7を参照)及び他の構成要素を収容する内容積を画定する。
【0043】
カバー524は、締結具614により、側壁616、618、620、622及び筐体520の上面624に接続される。いくつかの実施例では、カバー524は、通路に面する垂直面626と、通路に面する表面626に対して90°などの角度で内向きに延びる上面630とを含む。上面630は、開口部634を含んで、流体導管638及びコネクタ640が通過することを可能にしている。可撓性封止材料641が、上面630と側壁616の上面との間に配置されて、流体導管638の周囲に封止を形成している。いくつかの実施例では、可撓性封止材料641は、発泡材料を含み、発泡材料は、孔、及び/又は孔から可撓性封止材料641の一端まで延びるスリットを有して、流体導管638の取り付けを可能にしている。
【0044】
水平ハウジングセクション612は、カバー650、側壁652、底面654を含む。側壁652及び可撓性封止材料658(上述したような、孔及びスリットを有する発泡体)における開口部656を使用して、流体及び/又は電気コネクタを含むことができるコネクタ660用に可撓性封止を提供することができる。
【0045】
ここで
図7を参照すると、カバー524(
図6を参照)を取り外された筐体520が示される。開閉コネクタ720が、筐体520内に位置しており、1つ以上の締結具724により第2の部分726に接続されている第1の部分722を含む。いくつかの実施例では、締結具724は、ねじ付きボルトを含む。
図11~
図13を参照して以下に示され説明されるように、第2の部分726は、2つの(又はより多くの)位置合わせピン728、732を含む。位置合わせピンは、第1の部分722における対応する孔736、738を貫通して、第1の部分722を第2の部分726上に取り付けることを容易にする。
【0046】
第1の部分722は通路に隣接して位置しており、第2の部分726は、第1の部分722に対して、基板搬送モジュールに向かって内側に配置されている。導管730及び744の端部は、第1の部分722に接続されている。導管734及び746の端部は、導管730及び744の反対側の端部に接続されている。いくつかの実施例では、導管730及び744は硬質ラインであり、導管734及び746は可撓性ラインである。例としてのみ、導管730及び744は、図示するように、マイタージョイントによりそれぞれ導管734及び746に接合される。その代わりに、導管730及び734は、丸い湾曲部を有する管により接合されてよい。加えて、筐体520の高さが許容する場合、導管744及び746もまた、丸い湾曲部を有する管により接合されてよい。
【0047】
導管760が、第2の部分726に接続されている。いくつかの実施例では、導管760は、硬質ライン及び/又は可撓性ラインを含む。筐体520は、その側部から内向きに延びるフランジ750を含む。フランジ750は、締結具を受け取ってカバー524を筐体520に取り付けるための孔を含む。カバー524が取り付けられる場合、筐体520の上部エッジにあるタブ770を使用して、カバー524の上部及び内側端部にある突起と連結させることができる。
【0048】
ここで
図8~
図10を参照すると、接続位置(
図8を参照)、及び接続解除位置(
図9及び
図10)にある開閉コネクタ720が示される。これらの図では、位置合わせピン728、732及び孔736、738は、開閉コネクタ720の他のフィーチャを図示するために省略されている。第1の部分722は、その側部822上の流路810及び812に流体接続されている開口部を含む。流路810及び812は、導管730及び744(
図7を参照)の端部に位置合わせされている。流路810及び812は、第1の部分722内へと延び、次いで、第2の部分726に当接している、第1の部分722の側部826に向かって90°曲がっている(流路870及び872をそれぞれ参照)。第2の部分726における流路874及び876は、流路870及び872に流体的に連通している。流路870及び872と流路874及び876との間の流体接続部の周囲における、第1の部分722と第2の部分726との間の当接面上に、シール(例えば溝862内に配置されるOリング860)が配置されてよい。流路874は、上向き方向に90°曲がり、第2の部分726の上面から出る。流路874の一端は、導管760に接続している。流路876は、第2の部分726の背面壁を通って水平方向に延び、導管830に流体的に連通する一端を含む。
【0049】
第1の部分722における孔840と、第2の部分726におけるねじ付き孔842とが、ねじ付き締結具を受け取り、第1の部分722と第2の部分726とを一緒に接続する。摺動及び旋回アセンブリを、閉位置から保守位置まで移動させる必要がある場合、開閉コネクタの第1の部分722と第2の部分726とは引き離され、第1の部分722は、
図9に示すように、前方に、そして下方に引っ張られる。理解できるように、導管734及び導管746は可撓性を有して、曲がることが可能である。
【0050】
換言すれば、締結具724(
図7を参照)が取り外され、第1の部分722は、通路に向かって、外向きに、そして矢印890で示す下向き方向に引っ張られる。第1の部分722の背後に位置する第2の部分726は、摺動及び旋回アセンブリと共に留まり、矢印892で示す方向に移動する。
【0051】
いくつかの実施例では、
図10に示すように、筐体520は、導管及び任意選択の弁1014により筐体520に接続されているガス供給源1010によりパージされることができる。筐体520は、導管及び任意選択の弁1020により、排気システム1022に接続されてよい。いくつかの実施例では、ガス供給源は、分子窒素(N
2)などの不活性ガスを供給する。他の実施例では、清浄な乾燥空気(CDA)が使用される。パージされた筐体の使用により、筐体520での凝結が低減される。
【0052】
図11~
図13は、開閉コネクタ720の位置合わせピン728、732の様々な図を示す。
図11は、開閉コネクタ720の断面図を示す。この図では、開閉コネクタ720の第2の部分726にある位置合わせピン732、及び開閉コネクタ720の第1の部分722にある対応する孔738だけが見える。この図では、開閉コネクタ720の第1及び第2の部分720、726は、嵌合していることが示される。したがって、第2の部分726の位置合わせピン728、732は、第1の部分722における対応する孔736、738内に挿入されている(すなわち、嵌合している)ことが示される。第1の部分720を第2の部分726上に取り付ける場合、位置合わせピン728、732が取り付けを誘導し、対応する孔840内への締結具の挿入及び締結を容易にする。
【0053】
図12は、開閉コネクタ720の上面図を示す。この図では、第2の部分726の位置合わせピン728、732、及び第1の部分722における対応する孔736、738が見える。この図では、第1及び第2の部分720、726は、ここでも嵌合していることが示される。したがって、第2の部分726の位置合わせピン728、732は、第1の部分722における対応する孔736、738内に挿入されている(すなわち、嵌合している)ことが示される。
【0054】
図13は、第2の部分726の上面図を示し、位置合わせピン728、732が見えている。位置合わせピン728、732及び対応する孔736、738は、例としてのみ、丸みを帯びた形状で示されていることに留意されたい。代わりに、位置合わせピン728、732及び対応する孔736、738は、いかなる他の形状(例えば、正方形、六角形など)でもあり得る。
【0055】
前述の説明は本質的に単なる例示に過ぎず、本開示、その適用又は使用を限定することは決して意図されていない。本開示の広範な教示は、様々な形で実現され得る。したがって、本開示は特定の例を含むが、図面、明細書、及び以下の特許請求の範囲を検討すると、他の修正形態が明らかになるであろうから、本開示の真の範囲はそのように限定されるべきではない。方法における1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(又は同時に)実行されてよいことを理解すべきである。更に、実施形態の各々は、特定の特徴を有するものとして上述されているが、本開示の任意の実施形態に関して記載されているこれらの特徴のうちのいずれか1つ以上を、他の実施形態のいずれかに実装することができ、及び/又は、他の実施形態のいずれかの特徴と組み合わせることができ、その組み合わせは、たとえ明示的に説明されていなくてよい。換言すれば、記載した実施形態は相互排他的ではなく、1つ以上の実施形態の順序を互いに並べ換えることは、本開示の範囲内に留まる。
【0056】
要素間の空間的及び機能的関係(例えば、モジュール間、回路要素間、半導体層間など)は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「隣の」、「上の」、「上方の」、「下方の」、「配置された」を含む様々な用語を使用して説明される。「直接」であると明示的に記載されていない限り、上述した開示に、第1の要素と第2の要素との間の関係が記載されている場合、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的な関係であり得るが、1つ以上の介在要素が(空間的又は機能的のいずれかで)第1の要素と第2の要素との間に存在する間接的な関係でもあり得る。本明細書で使用する場合、A、B、及びCのうちの少なくとも1つ、という語句は、非排他的論理和ORを使用した論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、及びCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。