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特許7592154原位置ステージ補正のためのアクティブレチクルキャリア
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-21
(45)【発行日】2024-11-29
(54)【発明の名称】原位置ステージ補正のためのアクティブレチクルキャリア
(51)【国際特許分類】
   G03F 1/84 20120101AFI20241122BHJP
   H01L 21/683 20060101ALI20241122BHJP
【FI】
G03F1/84
H01L21/68 N
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023514448
(86)(22)【出願日】2021-09-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-09-22
(86)【国際出願番号】 US2021048570
(87)【国際公開番号】W WO2022051310
(87)【国際公開日】2022-03-10
【審査請求日】2024-06-12
(31)【優先権主張番号】63/073,937
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/446,035
(32)【優先日】2021-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サフラニ アブネル
(72)【発明者】
【氏名】パヒマ アディ
(72)【発明者】
【氏名】ルドイ ロン
(72)【発明者】
【氏名】マーク シャイ
【審査官】田中 秀直
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-519593(JP,A)
【文献】特開2016-170310(JP,A)
【文献】特開2000-147747(JP,A)
【文献】特開昭60-195948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 1/00-1/86
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レチクル検査システムであって、
レチクルがその上に配置されるアクティブレチクルキャリアであって
キャリアベースと、
前記キャリアベースに回転可能に取り付けられた回転プレートと、
前記キャリアベース内に配置され、前記回転プレートを前記キャリアベースに対して回転させるように構成された圧電モータと、
を備えるアクティブレチクルキャリアと
前記アクティブレチクルキャリアがレチクルステージ上に配置されたときに前記レチクルの向きを決定するように構成された検査ツールと、
を備え、前記アクティブレチクルキャリアは、ローディングステーションと前記レチクルステージとの間で移動可能であり、前記アクティブレチクルキャリアが前記レチクルステージ上に配置されている間に前記レチクルの向きに基づいて前記レチクルを再配向するように前記レチクルを回転させるように構成されるレチクル検査システム。
【請求項2】
前記レチクルは、前記アクティブレチクルキャリアにクランプされる請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記アクティブレチクルキャリア上に配置され、前記レチクルにクランプ力を加えるように構成される電磁アクチュエータをさらに含む請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記アクティブレチクルキャリアは、前記キャリアベース上に配置され、前記圧電モータに電力を供給するように構成された再充電可能バッテリをさらに備え、移動ステージは、前記アクティブレチクルキャリアが前記移動ステージ上に配置されたときに前記再充電可能バッテリを再充電するように構成されている請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記アクティブレチクルキャリアは、
前記キャリアベース内に配置され、前記検査ツールと電子通信するプロセッサをさらに含み、前記プロセッサは、前記レチクルの向きに対応する向き情報を受信し、前記向き情報に基づいて前記回転プレートを回転させるように構成される請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アクティブレチクルキャリアは、前記キャリアベースが前記レチクルステージ上に配置されたときに前記レチクルステージの対応する窪みと係合する、前記キャリアベースの下面から突出する運動学的カップリングをさらに備える請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記アクティブレチクルキャリアは、前記回転プレートから上方に突出する少なくとも2つのレチクルポストをさらに備え、前記レチクルは、前記少なくとも2つのレチクルポスト上に、前記レチクルが前記回転プレートから離間するように配置される請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記キャリアベースは、前記キャリアベースの側壁から外向きに延在する第1のフランジを備え、
前記回転プレートは、前記回転プレートの底面から下方かつ内側に延びる第2のフランジを含み、
前記回転プレートは、前記第1のフランジが前記第2のフランジと前記回転プレートの底面との間に位置付けられるように、前記キャリアベースに回転可能に取り付けられる請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記レチクルは、EUV内部ポッド(EIP)内に配置され、前記EIPは、前記レチクルが前記アクティブレチクルキャリア上に配置される前にEIPベースを前記EIPのEIPカバーから分離することによって開かれる請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
レチクル検査システムにおいてレチクルを取り扱う方法であって、
ローディングステーションに配置されたアクティブレチクルキャリア上にレチクルを配置するステップであって、前記アクティブレチクルキャリアは、
キャリアベースと、
前記キャリアベースに回転可能に取り付けられた回転プレートと、
前記キャリアベース内に配置され、前記回転プレートを前記キャリアベースに対して回転させるように構成された圧電モータと、
を備え、
前記アクティブレチクルキャリアを前記ローディングステーションからレチクルステージ上に配置するステップと、
検査ツールによって、前記レチクルの向きを決定するステップと、
前記アクティブレチクルキャリアを使用して前記レチクルを回転させて、前記アクティブレチクルキャリアが前記レチクルステージ上に配置されている間に、前記レチクルの向きに基づいて前記レチクルを再配向するステップと、
を備える方法。
【請求項11】
前記アクティブレチクルキャリアを前記ローディングステーションから前記レチクルステージに位置付ける前に、前記レチクルを前記アクティブレチクルキャリアにクランプするステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
電磁アクチュエータによって前記レチクルに加えられるクランプ力を決定するステップであって、前記電磁アクチュエータは、前記アクティブレチクルキャリア上に配置される、ステップと、
前記レチクル上のクランプ力を検査ツールに伝達するステップと、
をさらに含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記アクティブレチクルキャリアは、
前記キャリアベース上に配置され、前記圧電モータに電力を供給するように構成された再充電可能バッテリをさらに含み、移動ステージは、前記アクティブレチクルキャリアが前記移動ステージ上に配置されたときに前記再充電可能バッテリを充電するように構成される請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記アクティブレチクルキャリアは、
キャリアベース内に配置され、検査ツールと電子通信するプロセッサをさらに含み、前記プロセッサは、前記レチクルの向きに対応する向き情報を受信し、前記圧電モータを使用して前記向き情報に基づいて前記回転プレートを回転させるように構成される請求項10に記載の方法。
【請求項15】
前記アクティブレチクルキャリアを前記ローディングステーションから前記レチクルステージ上に配置するステップは、前記キャリアベースの下面から突出する運動学的カップリングが前記レチクルステージ上の対応する窪みと係合するように、前記レチクルステージ上に前記キャリアベースを配置するステップを含む請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記アクティブレチクルキャリアは、前記回転プレートから上方に突出する少なくとも2つのレチクルポストをさらに備え、前記レチクルは、前記少なくとも2つのレチクルポスト上に、前記レチクルが前記回転プレートから離間するように配置される請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記キャリアベースは、前記キャリアベースの側壁から外向きに延在する第1のフランジを備え、
前記回転プレートは、前記回転プレートの底面から下方かつ内側に延びる第2のフランジを含み、
前記回転プレートは、前記第1のフランジが前記第2のフランジと前記回転プレートの底面との間に位置付けられるように、前記キャリアベースに回転可能に取り付けられる請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記レチクルは、EUV内部ポッド(EIP)内に配置され、前記レチクルを前記アクティブレチクルキャリア上に配置する前に、EIPベースを前記EIPのEIPカバーから分離することによって前記EIPを開くステップをさらに含む請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レチクル検査システムに関し、より詳細には、レチクル検査システム内でレチクルを取り扱うことに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願の参照
本出願は、2020年9月3日に出願され譲渡された米国仮特許出願63/073,937号に対する優先権を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
半導体製造産業の進化は、歩留まり管理に、特に計測および検査システムに、より大きな要求を課している。臨界寸法は縮小し続けるが、産業界は、高収率、高価値生産を達成するための時間を短縮する必要がある。歩留まり問題を検出してからそれを固定するまでの総時間を最小限に抑えることは、半導体製造業者に対する投資への復帰を決定する。
【0004】
論理デバイスおよびメモリデバイスなどの半導体デバイスを製造することは、典型的には、半導体デバイスの様々な特徴および複数のレベルを形成するために、多数の製造プロセスを使用して半導体ウェハまたはEUVマスクを処理することを含む。例えば、リソグラフィは、レチクルから半導体ウェハ上に配置されたフォトレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスのさらなる例は、化学機械研磨(CMP)、エッチング、堆積、およびイオン注入を含むが、これらに限定されない。複数の半導体デバイスは、個々の半導体デバイスに分離される単一の半導体ウェハ上に配置で製造され得る。
【0005】
検査プロセスは、製造プロセスにおけるより高い歩留りを促進し、したがってより高い利益を促進するために、ウェハ上の欠陥を検出するために半導体製造中の様々なステップで使用される。検査は、集積回路(IC)などの半導体デバイスを製造する上で常に重要な部分であった。しかしながら、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さい欠陥がデバイスの故障を引き起こし得るため、検査は、許容可能な半導体デバイスの製造の成功にとってさらに重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が縮小するにつれて、比較的小さい欠陥でさえも半導体デバイスにおいて望ましくない収差を引き起こし得るため、縮小サイズの欠陥の検出が必要になった。
【0006】
極紫外線(EUV)光の形態の電磁エネルギーを利用するリソグラフィプロセスが、レジストの選択的露光のために開発されている。EUV放射源によって生成されたEUV放射は、レチクル表面に向けられ、レチクル表面から反射され、清浄な真空環境においてウェハ上に投影される。レチクル表面はパターン化され、反射光はこのパターンをウェハ上に投影する。ますます小さいパターン化特徴サイズを達成するために、レチクルパターンの特徴サイズは縮小し続ける。その結果、レチクル表面上の粒子汚染要件は、より厳しくなり続ける。
【0007】
粒子汚染を低減するために、標準的なEUVポッド(SEMI標準E152-0709に準拠)が開発されている。EUVポッドは、一般にレチクルSMIFポッド(RSP)と呼ばれる外側キャリアと、一般にEUV内側ポッド(EIP)と呼ばれる内側ポッドとを含む。RSPは、異なる製造ステーション及びサイト間でEUVマスクを搬送するのに適している。EIPは、真空内およびレチクルステージの近くまでレチクルが保護環境内に留まることを可能にする保護エンクロージャである。真空へのポンプダウンまたは大気圧への通気中に、粒子を撹拌し、レチクル表面上に堆積させることができる。EIPは、レチクルが真空内およびステージの近くまで保護環境内に留まることを可能にする。いくつかの刊行物は、米国特許第9,851,643号を含むレチクルを保護するためのEUV内部ポッド(EIP)の開発を記載しており、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
従来、EIPは真空中で開かれ、レチクルを静電チャック上にロードすることを可能にする。静電チャックの使用は高価であり、レチクルの裏面に蓄積する多くの粒子を生成する。あるいは、レチクルは、クランプ機構を使用してレチクルステージ上に直接ロードされてもよい。これは多くの欠点を有する。第1に、クランププロセスは、かなりの数の粒子を生成する。EUVリソグラフィまたは検査処理に必要とされる清浄な真空環境では、これらの粒子の制御は困難である。さらに、処理環境におけるこれらの粒子の生成は望ましくない。第2に、EIPは、静電チャックを有するレチクルステージと共に使用するために特に開発された。EIP設計の制限は、レチクルを保持する異なる方法、すなわちクランプを用いる用途で使用することを困難にする。これは、ステージ設計を複雑にし、また、クランププロセス中に生成される粒子を制御することを困難にする。
【0009】
レチクルがレチクルステージにロードされると、アライメントエラーが検査ツールによって発見されることがある。これらの誤差を補正するために、レチクルは、レチクルステージから取り外され、パッシブレチクルキャリアからクランプ解除され、レチクルを再配向するためにレチクルローディングシステムに戻され、パッシブレチクルキャリアに再クランプされ、レチクルステージに再ルームされなければならない。これらのステップは、スループットを低下させ、複数のクランプステップを通してレチクルを粒子汚染にさらし、レチクルの複数のハンドオフを必要とする。さらに、損傷を引き起こすかまたはリソグラフィプロセスの精度に影響を及ぼす可能性があるレチクル上のクランプ力を測定する方法はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】米国特許出願公開第2013/0255407号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、レチクルがレチクルステージ上に配置されている間にレチクルの向きをその場で調整することができるレチクル検査システムが必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の実施形態は、レチクル検査システムを提供する。レチクル検査システムは、アクティブレチクルキャリアを備えることができる。レチクルは、アクティブレチクルキャリア上に配置することができる。レチクル検査システムは、検査ツールをさらに備えることができる。検査ツールは、アクティブレチクルキャリアがレチクルステージ上に配置されたときにレチクルの向きを判定するように構成することができる。アクティブレチクルキャリアは、ローディングステーションとレチクルステージとの間で移動可能であってもよく、アクティブキャリアがレチクルステージ上に配置されている間にレチクルの向きに基づいてレチクルを再配向するためにレチクルを回転させるように構成されてもよい。
【0013】
本開示の実施形態によれば、レチクルは、アクティブレチクルキャリアにクランプされ得る。電磁アクチュエータは、アクティブレチクルキャリア上に配置され、レチクルにクランプ力を加えるように構成され得る。
【0014】
本開示の実施形態によれば、アクティブレチクルキャリアは、キャリアベースと、キャリアベースに回転可能に取り付けられた回転プレートと、キャリアベース内に配置された圧電モータとを備え得る。圧電モータは、キャリアベースに対して回転プレートを回転させるように構成されてもよい。
【0015】
本開示の実施形態によれば、アクティブレチクルキャリアは、キャリアベース上に配置され、圧電モータに電力を供給するように構成された再充電可能バッテリをさらに備えることができる。システムの移動ステージは、アクティブレチクルキャリアが移動ステージ上に配置されたときに前記再充電可能バッテリを再充電するように構成することができる。
【0016】
本開示の実施形態によれば、アクティブレチクルキャリアは、キャリアベース内に配置され、検査ツールと電子通信するプロセッサをさらに備えることができる。プロセッサは、レチクルの向きに対応する向き情報を受信し、向き情報に基づいて回転プレートを回転させるように構成することができる。
【0017】
本開示の実施形態によれば、アクティブレチクルキャリアは、キャリアベースがレチクルステージ上に配置されたときにレチクルステージの対応する窪みと係合する、キャリアベースの下面から突出する運動学的カップリングをさらに備えてもよい。
【0018】
本開示の実施形態によれば、アクティブレチクルキャリアは、回転プレートから上方に突出する少なくとも2つのレチクルポストをさらに備えることができる。レチクルは、レチクルが回転プレートから離間されるように、少なくとも2つのレチクルポスト上に配置されてもよい。
【0019】
本開示の実施形態によれば、キャリアベースは、キャリアベースの側壁から外向きに延在する第1のフランジを備えてもよい。回転プレートは、回転プレートの底面から下方かつ内側に延在する第2のフランジを備えてもよい。回転プレートは、第1のフランジが、第2のフランジと回転プレートの底面との間に位置付けられるように、キャリアベースに回転可能に搭載されてもよい。
【0020】
本開示の実施形態によれば、レチクルは、レチクルがアクティブレチクルキャリア上に配置される前にEIPベースをEIPのEIPカバーから分離することによって開かれるEUV内部ポッド(EIP)内に置かれ得る。
【0021】
本開示の実施形態は、レチクル検査システムにおいてレチクルを取り扱う方法を提供する。この方法は、ローディングステーションに配置されたアクティブレチクルキャリア上にレチクルを配置することを含む。本方法は、アクティブレチクルキャリアをローディングステーションからレチクルステージ上に配置することをさらに含むことができる。この方法は、検査ツールによってレチクルの向きを決定することをさらに含む。本方法は、アクティブレチクルキャリアがレチクルステージ上に配置されている間に、アクティブレチクルキャリアを使用してレチクルを回転させて、レチクルの向きに基づいてレチクルの向きを変えさせるステップをさらに含むことができる。
【0022】
本開示の実施形態によれば、方法は、レチクルをアクティブレチクルキャリアにクランプすることをさらに含むことができる。本方法は、電磁アクチュエータによってレチクルに加えられるクランプ力を決定することをさらに含むことができる。電磁アクチュエータは、アクティブレチクルキャリア上に配置することができる。この方法は、レチクル上のクランプ力を検査ツールに伝達することをさらに含むことができる。
【0023】
本開示の実施形態によれば、ローディングステーションからレチクルステージ上にアクティブレチクルキャリアを配置するステップは、キャリアベースの下面から突出する運動学的カップリングがレチクルステージ上の対応する窪みと係合するように、キャリアベースをレチクルステージ上に配置するステップを含むことができる。
【0024】
本開示の実施形態によれば、レチクルは、EUV内部ポッド(EIP)内に配置することができる。レチクルをアクティブレチクルキャリアに配置する前に、この方法は、EIPのEIPカバーからEIPベースを分離することによってEIPを開くことをさらに含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の性質および目的をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照されたい。
図1A】本開示の一実施形態によるレチクル検査システムの概略図である。
図1B】本開示のシステムで使用されるEUVレチクルポッドの概略図である。
図2A】本開示の一実施形態によるアクティブレチクルキャリアの断面図である。
図2B】本開示の一実施形態によるアクティブレチクルキャリアの上面図である。
図3】本開示の一実施形態によるレチクル検査システムのレチクルローディングシステム内のローディングステーションに配置されたアクティブレチクルキャリアの概略図である。
図4】本開示の一実施形態によるレチクル検査システムの移送チャンバ内の移動ステージ上に配置されたアクティブレチクルキャリアの概略図である。
図5】本開示の一実施形態によるレチクル検査システムのレチクル検査チャンバ内のレチクルステージ上に配置されたアクティブレチクルキャリアの概略図である。
図6】本開示の一実施形態によるレチクル検査ステム内のレチクルを取り扱う方法のフローチャートである。
図7】本開示の別の実施形態によるレチクル検査システムにおいてレチクルを取り扱う方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特許請求される主題は、ある実施形態に関して説明されるが、本明細書に記載される利益および特徴の全てを提供しない実施形態を含む、他の実施形態もまた、本開示の範囲内である。様々な構造的、論理的、プロセスステップ、および電子的変更が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得る。したがって、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照することによってのみ定義される。
【0027】
本開示の実施形態は、レチクル検査システム100を提供する。図1Aに示されるように、システム100は、ポッド装填システム101と、レチクル装填システム102と、ロードロック103と、移送チャンバ104と、レチクル検査チャンバ105とを含み得る。破線は、概して、システム100を通る、ポッド装填システム101への入口からレチクル検査チャンバ105へのレチクル150の移動を図示し、再び戻る。
【0028】
レチクル150は、図1Bに示すEUVレチクルポッド10内に配置することができる。例えば、レチクル150は、EUV内部ポッド(EIP)14に配置されてもよい。EIP14は、EIPベース16及びEIPカバー15を含むことができる。レチクル150は、EIPベース16上にフェイスアップ又はフェイスダウンで保管することができる。EIPカバー15は、EIPベース16とEIPカバー15との間にレチクル150を効果的に挟むようにEIPベース16に固定されてもよい。EIP14は、レチクルSM1Fポッド(RSP)11と呼ばれることもある外側ポッドに収容されてもよい。RSP11は、RSPベース13及びRSPカバー12を含むことができる。RSPカバー12は、RSPベース13とRSPカバー12との間にEIP14を効果的に挟むようにRSPベース14に固定されてもよい。
【0029】
EIPベース16をEIPカバー15から分離することによるEIPからのレチクル150の抽出を含む、ポッド装填システム101を通るレチクル150の移動は、例えば、米国特許第9,851,643号で説明される。その開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0030】
図2図5を参照すると、システム100は、アクティブレチクルキャリア110を備えることができる。レチクル150は、図3に示すように、システム100のレチクルローディングシステム102内のアクティブレチクルキャリア110上に配置することができる。例えば、アクティブレチクルキャリア110は、レチクルローディングシステム102内のローディングステーション124上に配置することができる。ペリクル152をレチクル150上に配置することができる。ペリクル152の存在は、レチクル150がアクティブレチクルキャリア110上で上向きであるか下向きであるかを示すことができる。
【0031】
レチクル150は、アクティブレチクルキャリア110にクランプされてもよい。例えば、アクティブレチクルキャリア110は、図2A図2Bに示すように、アクチュエータ112a、112bによってアクティブレチクルキャリア110に対して移動可能なレチクルクランプ要素111を含むことができる。アクチュエータ112a、112bは、磁気的、またはレチクルクランプ要素111を移動させることができる任意の他の適切なアクチュエータであってもよい。例えば、第1のアクチュエータ112aは、レチクルクランプ要素111をアクティブレチクルキャリア110に対して内向き及び外向きに動かすことができ、第2のアクチュエータ112bは、レチクルクランプ要素112bを動かすことができ、レチクルクランプ要素111をアクティブレチクルキャリア110に対して上下に動かすことができる。レチクルクランプ要素111は、レチクル150の側面(図2Bに示すように)またはレチクル150の角に係合することができる。レチクル150がアクティブレチクルキャリア110上に配置されると、アクチュエータ112a、112bは、レチクルクランプ要素111を非係合位置から、レチクル150をアクティブレチクルキャリア110に効果的にクランプする係合位置に移動させることができる。
【0032】
アクティブレチクルキャリア110は、移送チャンバ104を介してレチクルローディングシステム102とレチクル検査チャンバ105との間で移動可能であり得る。例えば、アクティブレチクルキャリア110は、レチクルローディングシステム102(図3に示す)内のローディングステーション124から、移送チャンバ104(図4に示す)内の移動ステージ120へ、レチクル検査チャンバ105(図5に示す)内のレチクルステージ130へ移動可能であり得る。マニピュレータ(図示せず)は、レチクルローディングシステム102と、移送チャンバ104と、レチクル検査チャンバ105との間でアクティブレチクルキャリア110を移動させることができる。
【0033】
システム100は、検査ツール140をさらに備えることができる。検査ツール140は、光学系であってもよく、電子ビームまたはイオンビームを用いてもよい。検査ツール140は、アクティブレチクルキャリア110がレチクルステージ130上に配置されたときにレチクル150を検査するように構成することができる。例えば、検査140は、レチクル150の向きを決定するように構成することができる。本開示の実施形態によれば、レチクル150は、検査ツール140によって検査されるときにレチクル150の向きを決定するために使用され得るマーキングを含み得る。例えば、マーキングは、RPASマーク、SEMI P48マーキング、またはレチクル150の向きを決定するために使用される当技術分野で知られている他のマーキングとすることができる。
【0034】
アクティブレチクルキャリア110は、レチクル150を回転させるように構成することができる。特に、アクティブキャリア110は、回転軸の周りでレチクル150を回転させるように構成され得る。回転軸は、アクティブレチクルキャリア110に対して中心に配置されてもよい。アクティブレチクルキャリアは、アクティブキャリア110がレチクルステージ130上に配置されている間にレチクル150を回転させるように構成することができる。このようにして、アクティブレチクルキャリア110は、アクティブキャリア110がレチクル検査チャンバ105内のレチクルステージ130上に配置されている間にレチクル150を再配向することができる。従来のパッシブレチクルキャリアは、レチクル検査室105からレチクル150を取り出し、レチクルステージ130から離して再アライメントを行う。しかしながら、本開示の検査システム100では、アクティブレチクルキャリア110がレチクル検査チャンバ105内のレチクルステージ130上に配置される間、アクティブレチクルキャリア110はレチクル150をその場で再配向することができる。いくつかの実施形態では、アクティブレチクルキャリア110はまた、アクティブレチクルキャリアが移動ステージ120上に配置される間、またはレチクル検査システム100を通るレチクル150の移動の任意の他の部分において、レチクル150を再配向してもよい。
【0035】
図2Aに示すように、アクティブレチクルキャリア110は、キャリアベース113及び回転プレート115を含むことができる。図2Bに示すように、キャリアベース113及び回転プレート115は、環状の形状を有してもよい。例えば、開口151は、キャリアベース113及び回転プレート115の環状形状によって画定され得る。回転プレート115は、キャリアベース113に回転可能に取り付けられる。レチクルI50は、回転プレート115上に配置されてもよい。したがって、回転プレート115をキャリアベース113に対して回転させることによって、レチクル150の向きを調整することができる。
【0036】
キャリアベース113には圧電モータ160が配置される。圧電モータ160は、キャリアベース113に対して回転プレート115を回転させるように構成されてもよい。また、圧電モータ160は、環状であってもよい。圧電モータ160は、高い再現性および高い角度感度のための正確な位置決めシステムを有する圧電モータベースのステージであってもよい。例えば、圧電モータ160は、5マイクロラジアンの回転角感度及び180度の範囲を有することができる。
【0037】
キャリアベース113にはバッテリ170が配置される。バッテリ170は、圧電モータ160に電力を供給するように構成されてもよい。バッテリ170は、再充電可能なバッテリであってもよい。例えば、バッテリ170は無線再充電可能なバッテリであってもよい。移動ステージ120は、アクティブレチクルキャリア110が移動ステージ120上、またはシステム100の任意の他の部分に配置されたときにバッテリ170を再充電するように構成され得る。例えば、図4に示すように、移動ステージ120に充電器121を配置してもよい。充電器141は、誘導を介してバッテリ170を無線で再充電してもよく、またはバッテリ接点172と接触している移動ステージ120上の充電接点122を介してバッテリ170を直接再充電してもよい。本開示のアクティブレチクルキャリア110では、充電器121がバッテリ170を再充電することができるので、バッテリ170の交換を必要としない場合がある。バッテリ170の交換は、システム100のダウンタイムを増加させ得、バッテリ170を交換するためにアクティブレチクルキャリア110を取り出す間にシステム100の汚染のリスクがあり得ることが理解され得る。したがって、アクティブレチクルキャリア110は、これらの問題を回避することができる。
【0038】
プロセッサ180は、キャリアベース113に配置されてもよい。プロセッサ180は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または他のデバイスを含み得る。
【0039】
プロセッサ180は、プロセッサ180が出力を受信することができるように、任意の適切な様式(例えば、有線および/または無線伝送媒体を含むことができる1つまたは複数の伝送媒体を介する)でシステム100の構成要素に結合され得る。プロセッサ180は、出力を使用していくつかの機能を実行するように構成され得る。検査ツールは、プロセッサ180から命令または他の情報を受信することができる。プロセッサ180は、随意に、別の検査ツール、計測ツール、またはレビューツール(図示せず)と電子通信して、追加情報を受信するか、または命令を送信してもよい。
【0040】
プロセッサ180は、パーソナルコンピュータシステム、画像コンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワークアプライアンス、インターネットアプライアンス、または他のデバイスを含む、種々のシステムの一部であってもよい。サブシステムまたはシステムは、並列プロセッサなど、当技術分野で知られている任意の適切なプロセッサも含み得る。加えて、サブシステムまたはシステムは、スタンドアロンツールまたはネットワークツールのいずれかとして、高速処理およびソフトウェアを有するプラットフォームを含んでもよい。
【0041】
プロセッサ180は、システム100または別のデバイスの中に配置されるか、または別様にその一部であり得る。ある例では、プロセッサ180は、独立型制御ユニットの一部であってもよく、または集中型品質制御ユニットであってもよい。システム100の複数のサブシステムを定義する複数のプロセッサ180が使用されてもよい。
【0042】
プロセッサ180は、実際には、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって実装され得る。また、本明細書で説明されるようなその機能は、1つのユニットによって実行されてもよく、または異なる構成要素の間で分割されてもよく、その各々は、ハードウェア、ソフトウェア、およびファームウェアの任意の組み合わせによって順に実装されてもよい。プロセッサ180が様々な方法および機能を実装するためのプログラムコードまたは命令は、メモリなどの可読記憶媒体に記憶され得る。
【0043】
システム100が複数のサブシステムを含む場合、画像、データ、情報、命令などをサブシステム間で送信できるように、異なるプロセッサ180を互いに結合することができる。たとえば、1つのサブシステムは、当技術分野で知られている任意の適切な有線および/または無線伝送媒体を含み得る任意の適切な伝送媒体によって追加のサブシステムに結合され得る。そのようなサブシステムのうちの2つ以上はまた、共有コンピュータ可読記憶媒体(図示せず)によって効果的に結合されてもよい。
【0044】
プロセッサ180は、システム100の構成要素の出力または他の出力を使用して、いくつかの機能を実行するように構成され得る。たとえば、プロセッサ180は、出力を電子データ記憶ユニットまたは別の記憶媒体に送るように構成され得る。プロセッサ180は、本明細書で説明するようにさらに構成され得る。
【0045】
プロセッサ180は、欠陥レビューシステム、検査システム、計測システム、または何らかの他のタイプのシステムの一部とすることができる。したがって、本明細書で開示される実施形態は、異なる用途に多かれ少なかれ適している異なる能力を有するシステムのためにいくつかの方法で調整され得るいくつかの構成を説明する。
【0046】
プロセッサ180は、本明細書で説明される実施形態のいずれかに従って構成され得る。プロセッサ180はまた、システム100の出力を使用して、または他のソースからの画像もしくはデータを使用して、他の機能または追加のステップを行うように構成されてもよい。
【0047】
プロセッサ180は、当技術分野で知られている任意の方法で、システム100の様々な構成要素またはサブシステムのいずれかに通信可能に結合され得る。さらに、プロセッサ180は、有線および/または無線部分を含み得る伝送媒体によって、他のシステム(例えば、レビューツールなどの検査システムからの検査結果、設計データを含むリモートデータベースなど)からデータまたは情報を受信および/または取得するように構成され得る。このようにして、伝送媒体は、プロセッサ180とシステム100の他のサブシステムまたはシステム100の外部のシステムとの間のデータリンクとして機能し得る。本明細書で開示されるシステム100および方法の様々なステップ、機能、および/または動作は、以下のうちの1つまたは複数によって実行される:電子回路、論理ゲート、マルチプレクサ、プログラマブル論理デバイス、ASIC、アナログもしくはデジタル制御/スイッチ、マイクロコントローラ、またはコンピューティングシステム。本明細書で説明されるもの等の方法を実装するプログラム命令は、キャリア媒体を介して伝送されるか、またはキャリア媒体上に記憶されてもよい。キャリア媒体は、読取り専用メモリ、ランダムアクセスメモリ、磁気または光ディスク、不揮発性メモリ、ソリッドステートメモリ、磁気テープなどの記憶媒体を含み得る。キャリア媒体は、ワイヤ、ケーブル、またはワイヤレス伝送リンクなどの伝送媒体を含み得る。例えば、本開示全体にわたって説明される様々なステップは、単一のプロセッサ180(またはコンピュータサブシステム)、または代替として、複数のプロセッサ180(または複数のコンピュータサブシステム)によって実行され得る。さらに、システム100の異なるサブシステムは、1つ以上のコンピューティングまたは論理システムを含んでもよい。したがって、上記の説明は、本開示に対する限定として解釈されるべきではなく、単なる例示として解釈されるべきである。
【0048】
本開示の実施形態によれば、プロセッサ180は、バッテリ170から電力を引き出すことができる。プロセッサ180は、検査ツール140と電子通信することができる。例えば、プロセッサ180は、検査ツール140と無線通信してもよく、又は検査ツール140と有線通信してもよい。プロセッサ180は、レチクル150の向きに対応する向き情報を検査ツール140から受信するように構成することができる。プロセッサ180は、検査ツール140から受信した向き情報に基づいて回転プレート115を回転させるように圧電モータ160に命令するように構成され得る。このようにして、システム100は、レチクル150の向きを検査ツール140によって決定することができ、アクティブレチクルキャリア110がレチクル検査チャンバ105内のレチクルステージ130上に配置されている間に、アクティブレチクルキャリア110がレチクル150をその場で再配向することができる閉ループシステムとすることができる。
【0049】
本開示の実施形態によれば、第2のアクチュエータ112bは、アクティブレチクルキャリア110上に配置され得る。例えば、第2アクチュエータ112bは、回転プレート115に配置されてもよい。第2のアクチュエータ112bは、電磁アクチュエータであってもよく、プロセッサ180と電子通信してもよい。例えば、プロセッサ180は、第2アクチュエータ112bに既知の電圧を印加して電磁力を印加してもよい。電磁力は、レチクルクランプ要素111を上下に移動させて、レチクル150をアクティブレチクルキャリア110に効果的にクランプすることができる。例えば、レチクルクランプ要素111が係合解除位置(図3に示す)から係合位置(例えば図4に示す)に移動すると、レチクルクランプ要素は、レチクル150をアクティブレチクルキャリア110に効果的にクランプする。過度のクランプ力は、レチクル150を損傷するか、またはレチクル150の向きに影響を与え、走査の精度を低下させ得ることが理解されよう。したがって、既知の電圧を第2のアクチュエータ112bに印加することによって、レチクル150に対するクランプ力をプロセッサ180によって制御することができ、プロセッサ180は、閉ループ制御のためにクランプ力を検査ツール140に送信することができる。
【0050】
アクティブレチクルキャリア110は、キャリアベース113の下面から突出する運動学的カップリング116をさらに備えることができる。運動学的カップリング116は、アクティブレチクルキャリア110がローディングステーション124上に配置されたときに、ローディングステーション124内の対応する窪み125と係合することができる。運動学的カップリング116はまた、アクティブレチクルキャリア110が移動ステージ120上に配置されるときに、移動ステージ120内の対応する窪み126と係合することができる。運動学的カップリング116はまた、アクティブレチクルキャリア110がレチクルステージ130上に配置されたときに、レチクルステージ130の対応する窪み136と係合することができる。
【0051】
アクティブレチクルキャリア110は、回転プレート114から上方に突出する少なくとも2つのレチクルポスト117をさらに備えることができる。例えば、少なくとも2つのレチクルポスト117は、回転プレート115から上方に突出する弓形、円形、または多角形の構造であってもよい。レチクル150は、レチクル150が回転プレート115から離間されるように、少なくとも2つのレチクルポスト117上に配置され得る。例えば、レチクル150は、回転プレート115から約500μmの距離だけ離間していてもよい。
【0052】
図2Aに示される本開示の実施形態によれば、キャリアベース113は、第1のフランジ118を備え得る。第1のフランジは、キャリアベース113の側壁113aから外向きに延在してもよい。回転プレート115は、第2のフランジ119を備えてもよい。第2フランジ119は、回転プレート115の底面115aから下方かつ内側に延びている。したがって、回転プレート115は、第1フランジ118が第2フランジ119と回転プレート115の底面115aとの間に位置するように、キャリアベース113に回転可能に取り付けられてもよい。第1フランジ118と第2フランジ119との間、および第2フランジ119と回転プレート115の底面115aとの間には隙間があってもよい。第1のフランジ118および第2のフランジ119の配置は、回転プレート115がキャリアベース113に対して回転することを可能にし得、粒子がキャリアベース113から出てレチクル検査チャンバ105を汚染することを防止し得ることが理解され得る。
【0053】
本開示のシステム100によれば、レチクル検査プロセスを従来技術よりも改善することができる。例えば、アクティブレチクルキャリア110は、アクティブレチクルキャリア110がレチクルステージ130上に配置されている間にレチクル150を再配向することができるが、以前のシステムは、再アライメントを実行するためにレチクルをアンロードする必要がある。したがって、システム100は、従来技術のシステムと比較してスループットを高めることができる。加えて、レチクル150は、再配向中にアンクランプおよび再クランプされる必要がなく、したがって、粒子擾乱の確率が低減される。さらに、アクティブレチクルキャリア110は、検査ツール140と直接通信してレチクル150にクランプ力を提供することができ、検査ツール140から受信した向き情報に基づいてレチクル150を回転させることができる。
【0054】
本開示の実施形態は、レチクル検査システムにおいてレチクルを取り扱う方法200を提供する。本方法は、レチクル検査システム100に適用することができる。図6に示すように、方法200は、以下のステップを含むことができる。
【0055】
ステップ210において、レチクルをアクティブレチクルキャリア上に配置することができる。アクティブレチクルキャリアは、本明細書で開示されるものなどのレチクル検査システムのレチクルローディングシステム内のローディングステーション上に配置することができる。アクティブレチクルキャリアは、キャリアベースと回転プレートとを備えることができる。キャリアベース及び回転プレートは、環状の形状を有してもよい。回転プレートは、キャリアベースに回転可能に取り付けられてもよい。レチクルは、回転プレート上に配置されてもよい。したがって、回転プレートをキャリアベースに対して回転させることによって、レチクルの向きを調整することができる。
【0056】
アクティブレチクルキャリアは、回転プレートから上方に突出する少なくとも2つのレチクルポストをさらに備えることができる。例えば、少なくとも2つのレチクルポストは、回転プレートから上方に突出する弓形、円形、又は多角形の構造とすることができる。レチクルは、レチクルが回転プレートから離間されるように、少なくとも2つのレチクルポスト上に配置されてもよい。例えば、レチクルは、回転プレートから約500μmの距離だけ離間していてもよい。
【0057】
圧電モータがキャリアベースに配置されてもよい。圧電モータは、キャリアベースに対して回転プレートを回転させるように構成されてもよい。圧電モータはまた、環状の形状を有してもよい。圧電モータは、高い再現性および高い角度感度のための正確な位置決めシステムを有する圧電モータベースのステージであってもよい。例えば、圧電モータは、5マイクロラジアンの回転角感度及び180度の範囲を有することができる。
【0058】
バッテリは、キャリアベース内に配置されてもよい。バッテリは、圧電モータに電力を供給するように構成されてもよい。バッテリは、再充電可能バッテリであってもよい。例えば、バッテリは、無線再充電可能バッテリであってもよい。移動ステージは、アクティブレチクルキャリアが移動ステージ上に配置されたときにバッテリを再充電するように構成することができる。例えば、移動ステージに充電器を配置してもよい。充電器は、誘導を介してバッテリを無線で再充電してもよく、またはバッテリ接点と接触している移動ステージ上の充電接点を介してバッテリを直接再充電してもよい。
【0059】
本開示の実施形態によれば、キャリアベースは、第1のフランジを備えてもよい。第1のフランジは、キャリアベースの側壁から外向きに延在してもよい。回転プレートは、第2のフランジを備えてもよい。第2のフランジは、回転プレートの底面から下向きかつ内向きに延在してもよい。したがって、回転プレートは、第1のフランジが、第2のフランジと回転プレートの底面との間に位置付けられるように、キャリアベースに回転可能に搭載されてもよい。第1のフランジと第2のフランジとの間、および第2のフランジと回転プレートの底面との間に間隙が存在し得る。第1のフランジおよび第2のフランジの配置は、回転プレートがキャリアベースに対して回転することを可能にし得、粒子がキャリアベースを出てレチクル検査チャンバを汚染することを防止し得ることが理解され得る。
【0060】
ステップ220において、アクティブレチクルキャリアをローディングステーションからレチクルステージ上に配置することができる。レチクルステージは、レチクル検査システムのレチクル検査チャンバ内に配置することができる。アクティブレチクルキャリアは、キャリアベースの下面から突出する運動学的カップリングをさらに備えることができる。運動学的カップリングは、アクティブレチクルキャリアがレチクルステージ上に配置されたときに、レチクルステージの対応する窪みと係合することができる。
【0061】
ステップ230で、検査ツールはレチクルの向きを決定する。検査ツールは、光学システムであってもよく、または電子ビームもしくはイオンビームを使用してもよい。検査ツールは、アクティブレチクルキャリアがレチクルステージ上に配置されたときにレチクルを検査するように構成することができる。本開示の実施形態によれば、レチクルは、検査ツールによって検査されるときにレチクルの向きを決定するために使用され得るマーキングを含むことができる。例えば、マーキングは、RPASマーク、SEMI P48マーキング、またはレチクルの向きを決定するために使用される当技術分野で知られている他のマーキングとすることができる。
【0062】
プロセッサがキャリアベースに配置されてもよい。プロセッサは、バッテリから電力を引き出し得る。プロセッサは、検査ツールと電子通信することができる。例えば、プロセッサは、検査ツールと無線通信してもよく、又は検査ツールと有線通信してもよい。プロセッサを、レチクルの向きに対応する向き情報を検査ツールから受信するように構成することができる。
【0063】
ステップ240において、レチクルは、アクティブレチクルキャリアを使用して回転されて、アクティブレチクルキャリアがレチクルステージ上に配置されている間にレチクルの向きに基づいてレチクルを再配向することができる。アクティブレチクルキャリアは、アクティブキャリアがレチクル検査チャンバ内のレチクルステージ上に配置されている間にレチクルを再配向することができる。例えば、プロセッサは、検査ツールから受信した向き情報に基づいて回転プレートを回転させるように圧電モータに命令するように構成することができる。関連技術において使用されるパッシブレチクルキャリアは、再アライメントを実行するために、レチクル検査チャンバからレチクルステージからレチクルを除去することを必要とするであろうことが理解され得る。しかしながら、本開示の方法200では、アクティブレチクルキャリアがレチクル検査チャンバ内のレチクルステージ上に配置されている間、アクティブレチクルキャリアはレチクルをその場で再配向することができる。
【0064】
本開示の実施形態によれば、レチクルは、EUVレチクルポッド内に配置することができる。例えば、レチクルは、EUV内部ポッド(EIP)内に配置することができる。ステップ210でレチクルをアクティブレチクルキャリアに配置する前に、方法200は、EIPのEIPカバーからEIPベースを分離することによってEIPを開くことをさらに含むことができる。EUVレチクルポッドからのレチクルの抽出に関する特定の詳細は、例えば米国特許第9,851,643号に記載されている。
【0065】
本開示の実施形態によれば、ステップ220において、アクティブレチクルキャリアを移動ステージからレチクルステージに配置する前に、方法200は、図7に示すように、以下のステップをさらに含み得る。
【0066】
ステップ212で、レチクルをアクティブレチクルキャリアにクランプすることができる。例えば、アクティブレチクルキャリアは、アクチュエータによってアクティブレチクルキャリアに対して移動可能なレチクルクランプ要素を含むことができる。アクチュエータは、磁気アクチュエータであってもよく、又はレチクルクランプ要素を移動させることができる任意の他の適切なアクチュエータであってもよい。例えば、第1のアクチュエータは、レチクルクランプ要素をアクティブレチクルキャリアに対して内側及び外側に動かすことができ、第2のアクチュエータは、レチクルクランプ要素をアクティブレチクルキャリアに対して上下に動かすことができる。レチクルクランプ要素は、レチクルの側面またはレチクルの角に係合することができる。レチクルがアクティブレチクルキャリア上に配置されると、アクチュエータは、レチクルクランプ要素を非係合位置から、レチクルをアクティブレチクルキャリアに効果的にクランプする係合位置に移動させることができる。
【0067】
ステップ214において、第2のアクチュエータによってレチクルに加えられるクランプ力を決定することができる。第2のアクチュエータは、回転プレート上に配置されてもよい。第2のアクチュエータは、電磁アクチュエータであってもよく、プロセッサと電子通信してもよい。例えば、プロセッサは、電磁力を印加するために、既知の電圧を第2のアクチュエータに印加することができる。電磁力は、レチクルクランプ要素を上下に移動させてクランプ力を印加し、レチクルをアクティブレチクルキャリアに効果的にクランプすることができる。例えば、レチクルクランプ要素が係合解除位置から係合位置に移動すると、レチクルクランプ要素はレチクルをアクティブレチクルキャリアに効果的にクランプする。過度のクランプ力がレチクルに損傷を与えたり、レチクルの向きに影響を与えたりし、走査の精度を低下させ得ることが理解されよう。したがって、既知の電圧を第2のアクチュエータに印加することによって、レチクル上のクランプ力をプロセッサによって制御することができる。
【0068】
ステップ216で、レチクル上のクランプ力が検査ツールに伝達される。例えば、プロセッサは、クランプ力を検査ツールに伝達することができる。このようにして、クランプ力を監視して、レチクルへの過剰な力を回避することができる。
【0069】
本開示は、1つ以上の特定の実施形態に関して説明されたが、本開示の他の実施形態が、本開示の範囲から逸脱することなく行われ得ることが理解されるであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲及びその妥当な解釈によってのみ限定されると見なされる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7