(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】切削装置
(51)【国際特許分類】
B24B 45/00 20060101AFI20241125BHJP
B24B 27/06 20060101ALI20241125BHJP
B24B 49/10 20060101ALI20241125BHJP
B24B 49/12 20060101ALI20241125BHJP
B23Q 17/24 20060101ALI20241125BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20241125BHJP
B23Q 3/155 20060101ALI20241125BHJP
H01L 21/301 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
B24B45/00 A
B24B27/06 M
B24B49/10
B24B49/12
B23Q17/24 Z
B23Q17/00 B
B23Q3/155 F
B23Q3/155 K
H01L21/78 F
(21)【出願番号】P 2021101357
(22)【出願日】2021-06-18
【審査請求日】2024-04-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000134051
【氏名又は名称】株式会社ディスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100075384
【氏名又は名称】松本 昂
(74)【代理人】
【識別番号】100172281
【氏名又は名称】岡本 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100206553
【氏名又は名称】笠原 崇廣
(74)【代理人】
【識別番号】100189773
【氏名又は名称】岡本 英哲
(74)【代理人】
【識別番号】100184055
【氏名又は名称】岡野 貴之
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【氏名又は名称】今藤 敏和
(72)【発明者】
【氏名】蘇 志博
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-098536(JP,A)
【文献】特開2021-050777(JP,A)
【文献】実開昭60-186127(JP,U)
【文献】特開2013-079950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 45/00
B24B 27/06
B24B 49/10
B24B 49/12
B23Q 17/24
B23Q 17/00
B23Q 3/155
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を切削する切削装置であって、
スピンドルと、該スピンドルの先端部に固定されるブレードマウントとを有し、該ブレードマウントに装着される切削ブレードで該被加工物を切削する切削ユニットと、
該ブレードマウントからの該切削ブレードの取り外しと、該ブレードマウントへの該切削ブレードの装着とを行うブレード交換ユニットと、
センサと、
判定部と、
報知部と、を備え、
該ブレードマウントは、
雄ねじ部を有し該切削ブレードに設けられた貫通孔に挿入されるボス部と、
該ボス部の端部から突出し該切削ブレードを支持するフランジ部と、
該雄ねじ部に螺合され該切削ブレードを該フランジ部と挟持する固定ナットと、を含み、
該ブレード交換ユニットは、
該切削ブレードを保持するブレード保持部と、
該固定ナットを保持する固定ナット保持部と、
該固定ナット保持部を回転させるモータと、
該ブレード保持部及び該固定ナット保持部を移動させる移動部と、を含み、
該センサは、該ボス部の軸線方向における該固定ナット保持部の位置を検出し、
該判定部は、該固定ナット保持部によって保持された該固定ナットを該モータによって回転させて該雄ねじ部に螺合させた際における該固定ナットの螺合状態を、該センサによって検出された該固定ナット保持部の位置に基づいて判定し、
該報知部は、該判定部による判定の結果を報知することを特徴とする切削装置。
【請求項2】
該判定部は、該モータのトルクが閾値に達した際に該センサによって検出された該固定ナット保持部の位置に基づいて、該固定ナットが該切削ブレードの固定に適した位置に到達しているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の切削装置。
【請求項3】
該センサは、光学式センサ又はスイッチであることを特徴とする請求項1又は2に記載の切削装置。
【請求項4】
該ブレード交換ユニットは、該固定ナット保持部を該ボス部の軸線方向に沿って移動させる直動アクチュエータを有し、
該直動アクチュエータは、該固定ナットが該ボス部に接触した際に該固定ナット保持部を該ボス部の軸線方向に沿って自由に移動可能な状態にすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の切削装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被加工物を切削する切削装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のデバイスが形成されたウェーハを分割して個片化することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。また、複数のデバイスチップを所定の基板上に実装し、実装されたデバイスチップを樹脂でなる封止材(モールド樹脂)で被覆することにより、パッケージ基板が得られる。パッケージ基板を分割して個片化することにより、パッケージ化された複数のデバイスチップをそれぞれ備える複数のパッケージデバイスが製造される。デバイスチップやパッケージデバイスは、携帯電話、パーソナルコンピュータ等の様々な電子機器に組み込まれる。
【0003】
ウェーハ、パッケージ基板等の被加工物を分割する際には、切削装置が用いられる。切削装置は、被加工物を保持するチャックテーブルと、被加工物に切削加工を施す切削ユニットとを備える。切削ユニットは、スピンドルと、スピンドルの先端部に固定されるブレードマウントとを備えており、ブレードマウントに被加工物を切削する環状の切削ブレードが装着される。
【0004】
切削装置で被加工物を切削する際には、固定ナットによって切削ブレードがブレードマウントに固定される(特許文献1参照)。そして、ブレードマウントに切削ブレードが装着された状態でスピンドルを回転させ、回転する切削ブレードをチャックテーブルによって保持された被加工物に切り込ませることにより、被加工物が切削され、分割される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
切削ユニットに装着された切削ブレードは、被加工物の加工によって摩耗するため、定期的に交換される。切削ブレードを交換する際は、まず、切削ブレードを固定している固定ナットを緩めて取り外し、使用済みの切削ブレードをブレードマウントから取り外す。その後、交換用の切削ブレード(未使用の切削ブレード)をブレードマウントに装着し、固定ナットで固定する。
【0007】
切削ブレードの交換を手作業で行うと、手間がかかる上、作業中に切削ブレードや固定ナットが誤って落下するおそれがある。そこで、切削装置には、切削ブレードを自動で着脱して交換するブレード交換ユニットが搭載されることがある。ブレード交換ユニットは、切削ブレードを保持する複数のブレード保持部と、固定ナットを保持する固定ナット保持部とを備えている。
【0008】
ブレード交換ユニットで切削ユニットに切削ブレードを装着する際には、まず、ブレード保持部によって保持された切削ブレードがブレードマウントに装着される。次に、固定ナット保持部によって保持された固定ナットが、ブレードマウントの正面に位置付けられる。その後、固定ナット保持部を回転させると、固定ナットが回転してブレードマウントに螺合し、切削ブレードがブレードマウントと固定ナットとによって挟持される。
【0009】
しかしながら、固定ナットをブレードマウントの正面に位置付ける際、様々な要因によって固定ナットが意図せずブレードマウントに対して僅かに傾いた状態で配置されることがある。この場合、固定ナットを回転させても固定ナットがブレードマウントに適切に螺合せず、固定ナットを切削ブレードの固定に適した位置(固定位置)まで締め付けることが困難になる。
【0010】
切削ブレードが固定位置に到達しないと、切削ブレードがブレードマウントに確実に固定されていない状態となる。そして、切削ブレードの固定が不十分な状態のままで被加工物の切削加工が続行されると、被加工物の加工不良や切削ブレードの破損が発生するおそれがある。
【0011】
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであり、切削ブレードの固定が不十分な状態で切削加工が実施されることを防止可能な切削装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、被加工物を切削する切削装置であって、スピンドルと、該スピンドルの先端部に固定されるブレードマウントとを有し、該ブレードマウントに装着される切削ブレードで該被加工物を切削する切削ユニットと、該ブレードマウントからの該切削ブレードの取り外しと、該ブレードマウントへの該切削ブレードの装着とを行うブレード交換ユニットと、センサと、判定部と、報知部と、を備え、該ブレードマウントは、雄ねじ部を有し該切削ブレードに設けられた貫通孔に挿入されるボス部と、該ボス部の端部から突出し該切削ブレードを支持するフランジ部と、該雄ねじ部に螺合され該切削ブレードを該フランジ部と挟持する固定ナットと、を含み、該ブレード交換ユニットは、該切削ブレードを保持するブレード保持部と、該固定ナットを保持する固定ナット保持部と、該固定ナット保持部を回転させるモータと、該ブレード保持部及び該固定ナット保持部を移動させる移動部と、を含み、該センサは、該ボス部の軸線方向における該固定ナット保持部の位置を検出し、該判定部は、該固定ナット保持部によって保持された該固定ナットを該モータによって回転させて該雄ねじ部に螺合させた際における該固定ナットの螺合状態を、該センサによって検出された該固定ナット保持部の位置に基づいて判定し、該報知部は、該判定部による判定の結果を報知する切削装置が提供される。
【0013】
なお、好ましくは、該判定部は、該モータのトルクが閾値に達した際に該センサによって検出された該固定ナット保持部の位置に基づいて、該固定ナットが該切削ブレードの固定に適した位置に到達しているか否かを判定する。また、好ましくは、該センサは、光学式センサまたはタッチスイッチである。また、好ましくは、該ブレード交換ユニットは、該固定ナット保持部を該ボス部の軸線方向に沿って移動させる直動アクチュエータを有し、該直動アクチュエータは、該固定ナットが該ボス部に接触した際に該固定ナット保持部を該ボス部の軸線方向に沿って自由に移動可能な状態にする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様に係る切削装置は、ブレードマウントのボス部に形成された雄ねじ部に固定ナットを螺合させた際における、固定ナットの螺合状態を判定する判定部を備える。これにより、切削装置で被加工物を加工する際に、切削ブレードが固定ナットによって適切に固定されているか否かを確認することが可能となる。その結果、切削ブレードの固定が不十分な状態で切削加工が実施されることを回避でき、被加工物の加工不良や切削ブレードの破損の発生が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図5】
図5(A)はブレード着脱ユニットを示す斜視図であり、
図5(B)はナット着脱ユニットを示す斜視図である。
【
図8】
図8(A)は切削ユニット及びナット着脱ユニットを示す一部断面正面図であり、
図8(B)は固定ナット保持部が初期位置に位置付けられた状態の切削ユニット及びナット着脱ユニットを示す一部断面正面図である。
【
図9】
図9(A)は固定ナット保持部が固定位置に到達した状態の切削ユニット及びナット着脱ユニットを示す一部断面正面図であり、
図9(B)は固定ナット保持部が固定位置に到達していない状態の切削ユニット及びナット着脱ユニットを示す一部断面正面図である。
【
図10】
図10(A)は固定ナット保持部が固定位置に到達する場合における固定ナット保持部の位置とモータのトルクとの関係を示すグラフであり、
図10(B)は固定ナット保持部が固定位置に到達しない場合における固定ナット保持部の位置とモータのトルクとの関係を示すグラフである。
【
図12】固定ナットの螺合状態の判定方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明の一態様に係る実施形態を説明する。まず、本実施形態に係る切削装置の構成例を説明する。
図1は、切削装置2を示す斜視図である。なお、
図1において、X軸方向(加工送り方向、第1水平方向、前後方向)とY軸方向(割り出し送り方向、第2水平方向、左右方向)とは、互いに垂直な方向である。また、Z軸方向(鉛直方向、上下方向、高さ方向)は、X軸方向及びY軸方向と垂直な方向である。
【0017】
切削装置2は、切削装置2を構成する各構成要素を支持及び収容する基台4を備える。基台4の前方側の角部には、矩形状の開口4aが設けられている。また、開口4aの内部には、昇降機構(不図示)によって昇降するカセット保持台6が設けられている。カセット保持台6の上面上には、複数の被加工物11を収容可能なカセット8が配置される。なお、
図1ではカセット8の輪郭を二点鎖線で示している。
【0018】
例えば被加工物11は、シリコン等の半導体材料でなる円盤状のウェーハであり、互いに概ね平行な表面及び裏面を含む。また、被加工物11は、互いに交差するように格子状に配列された複数のストリート(分割予定ライン)によって、複数の矩形状の領域に区画されている。ストリートによって区画された領域の表面(上面)側にはそれぞれ、IC(Integrated Circuit)、LSI(Large Scale Integration)、LED(Light Emitting Diode)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイス等のデバイスが形成されている。被加工物11をストリートに沿って切削して分割することにより、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップが製造される。
【0019】
ただし、被加工物11の材質、形状、構造、大きさ等に制限はない。例えば被加工物11は、シリコン以外の半導体(GaAs、InP、GaN、SiC等)、ガラス、セラミックス、樹脂、金属等でなるウェーハであってもよい。また、被加工物11に形成されるデバイスの種類、数量、形状、構造、大きさ、配置等にも制限はなく、被加工物11にはデバイスが形成されていなくてもよい。さらに、被加工物11は、CSP(Chip Size Package)基板、QFN(Quad Flat Non-leaded package)基板等のパッケージ基板であってもよい。
【0020】
被加工物11の裏面(下面)側には、被加工物11よりも直径が大きい円形のテープ(ダイシングテープ)13が貼付される。テープ13としては、円形に形成されたフィルム状の基材と、基材上に設けられた粘着層(糊層)とを有するシートを用いることができる。例えば、基材はポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂でなり、粘着層はエポキシ系、アクリル系、又はゴム系の接着剤等でなる。また、粘着層は、紫外線の照射によって硬化する紫外線硬化型の樹脂であってもよい。
【0021】
テープ13の外周部は、環状のフレーム15に貼付される。フレーム15はSUS(ステンレス鋼)等の金属等でなり、フレーム15の中央部にはフレーム15を厚さ方向に貫通する円柱状の開口が設けられている。フレーム15の開口の直径は被加工物11の直径よりも大きく、被加工物11はフレーム15の開口の内側に配置される。
【0022】
テープ13の中央部が被加工物11に貼付されるとともにテープ13の外周部がフレーム15に貼付されると、被加工物11がテープ13を介してフレーム15によって支持される。そして、被加工物11はフレーム15によって支持された状態でカセット8に収容される。
【0023】
開口4aの側方には、長手方向がX軸方向に沿う矩形状の開口4bが設けられている。開口4bの内部には、平板状の移動テーブル10aを備えるボールねじ式の移動機構10が設けられている。また、移動テーブル10aの前後には、X軸方向に伸縮可能な蛇腹状の防塵防滴カバー12が設けられている。移動テーブル10a及び防塵防滴カバー12は、開口4bの内部に設けられている移動機構10の構成要素(ボールねじ等)を覆うように配置されている。
【0024】
移動テーブル10a上には、被加工物11を保持するチャックテーブル(保持テーブル)14が設けられている。チャックテーブル14にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、回転駆動源はチャックテーブル14をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させる。また、移動機構10はチャックテーブル14を移動テーブル10aとともにX軸方向に沿って移動させる。
【0025】
チャックテーブル14の上面は、水平方向(XY平面方向)と概ね平行な平坦面であり、被加工物11を保持する保持面14aを構成している。保持面14aは、チャックテーブル14の内部に形成された吸引路(不図示)、バルブ(不図示)等を介して、エジェクタ等の吸引源(不図示)に接続されている。また、チャックテーブル14の周囲には、被加工物11を支持しているフレーム15を把持して固定する複数のクランプ16が設けられている。
【0026】
開口4bの上方には、Y軸方向に沿って配置された一対のガイドレール18が設けられている。一対のガイドレール18は、フレーム15を下方から支持する支持面と、支持面に概ね垂直な側面とを備えており、Y軸方向と概ね平行な状態を維持しつつ互いに接近及び離隔するように移動する。一対のガイドレール18は、フレーム15を挟み込むことによって被加工物11及びフレーム15の位置合わせを行う。
【0027】
基台4の上方には、門型の第1支持構造20が開口4bを跨ぐように配置されている。第1支持構造20の前面側(ガイドレール18側)には、レール22がY軸方向に沿って固定されている。レール22には、被加工物11を保持する保持ユニット26が移動機構24を介して連結されている。
【0028】
移動機構24は、保持ユニット26をレール22に沿ってY軸方向に移動させる。また、移動機構24はエアシリンダを備えており、エアシリンダはZ軸方向に沿って昇降するロッドを内蔵している。そして、エアシリンダのロッドの下端部に、保持ユニット26が固定されている。
【0029】
保持ユニット26は、一対のガイドレール18によって位置合わせが行われたフレーム15を保持して、チャックテーブル14上に搬送する。例えば保持ユニット26は、フレーム15の上面側を吸引して保持する複数の吸引パッドを備える。吸引パットでフレーム15を吸引することにより、被加工物11及びフレーム15が保持ユニット26によって吸引保持される。
【0030】
また、保持ユニット26の開口4a側(カセット保持台6側)の端部には、フレーム15を把持する把持機構26aが設けられている。カセット8に収容されたフレーム15を把持機構26aで把持した状態で、保持ユニット26をY軸方向に沿ってカセット8から離れる方向に移動させることにより、被加工物11及びフレーム15がカセット8から一対のガイドレール18上に引き出される。また、一対のガイドレール18上に配置されたフレーム15を把持機構26aで把持した状態で、保持ユニット26をY軸方向に沿ってカセット8側に移動させることにより、被加工物11及びフレーム15がカセット8に収容される。
【0031】
さらに、第1支持構造20の前面側には、レール28がY軸方向に沿って固定されている。レール28には、被加工物11を保持する保持ユニット32が移動機構30を介して連結されている。移動機構30は、保持ユニット32をレール28に沿ってY軸方向に移動させる。また、移動機構30はエアシリンダを備えており、エアシリンダはZ軸方向に沿って昇降するロッドを内蔵している。エアシリンダのロッドの下端部に、保持ユニット32が固定されている。保持ユニット32の構成は、保持ユニット26と同様である。
【0032】
第1支持構造20の後方には、門型の第2支持構造34が開口4bを跨ぐように配置されている。第2支持構造34の前面側(第1支持構造20側)の両端部には、一対の移動機構36A,36Bが固定されている。また、移動機構36Aの下部には切削ユニット38Aが固定され、移動機構36Bの下部には切削ユニット38Bが固定されている。
【0033】
移動機構36Aは、切削ユニット38AをY軸方向及びZ軸方向に沿って移動させるボールねじ式の移動機構である。移動機構36Aによって、切削ユニット38AのY軸方向及びZ軸方向における位置が制御される。また、移動機構36Bは、切削ユニット38BをY軸方向及びZ軸方向に沿って移動させるボールねじ式の移動機構である。移動機構36Bによって、切削ユニット38BのY軸方向及びZ軸方向における位置が制御される。
【0034】
図2は、切削ユニット38Aを示す分解斜視図である。切削ユニット38Aには、環状の切削ブレード44が装着される。切削ユニット38Aは、切削ブレード44を回転させて被加工物11に切り込ませることにより、被加工物11を切削する。
【0035】
切削ユニット38Aは、筒状のハウジング40を備える。ハウジング40には、Y軸方向に沿って配置された円柱状のスピンドル42が収容されている。スピンドル42の先端部(一端側)はハウジング40の外部に露出しており、スピンドル42の先端部にはねじ穴42aが設けられている。また、スピンドル42の基端部(他端側)にはモータ等の回転駆動源が連結されている。
【0036】
スピンドル42の先端部には、切削ブレード44が装着される。例えば切削ブレード44は、金属等でなる環状の基台46と、基台46の外周縁に沿って形成された環状の切り刃48とが一体となって構成されたハブタイプの切削ブレード(ハブブレード)である。切削ブレード44の中央部には、切削ブレード44(基台46)を厚さ方向に貫通する円柱状の貫通孔(開口)44aが設けられている。
【0037】
基台46は、互いに概ね平行な表面(第1面)46aと裏面(第2面)46bとを備える。また、基台46の裏面46b側には切り刃48が設けられている。切り刃48は、基台46の外周縁から基台46の半径方向外側に向かって突出するように形成されている。例えば切り刃48は、ダイヤモンド等でなる砥粒がニッケルめっき層等の結合材によって固定された電鋳砥石によって構成される。
【0038】
スピンドル42の先端部には、ブレードマウント50が固定される。ブレードマウント50は、円柱状のボス部(支持軸)52と、ボス部52の端部(基端部)に接続された円盤状のフランジ部54とを含む。フランジ部54は、ボス部52の端部からボス部52の半径方向外側に向かって突出するように形成されている。すなわち、ボス部52はフランジ部54よりも直径が小さく、フランジ部54の表面54aの中央部から突出するように形成されている。また、ボス部52及びフランジ部54には、ボス部52の中央部及びフランジ部54の中央部を貫通する円柱状の貫通孔(開口)50aが設けられている。
【0039】
ボス部52の先端部の外周面には、雄ねじ部(ねじ溝)52aが設けられている。また、フランジ部54の外周部には、フランジ部54の表面54aから突出する環状の凸部54bが設けられている。凸部54bの先端面は、表面54aと概ね平行な平坦面であり、切削ブレード44を支持する環状の支持面54cを構成している。
【0040】
また、ブレードマウント50は、切削ブレード44をブレードマウント50に固定する環状の固定ナット56を含む。固定ナット56は、ボス部52に形成されている雄ねじ部52aに螺合され、締結される。
【0041】
固定ナット56の中央部には、固定ナット56を厚さ方向に貫通する円柱状の貫通孔(開口)56aが設けられている。貫通孔56aは、ボス部52と概ね同径に形成されている。また、貫通孔56aで露出する固定ナット56の側面(内周面)には、ボス部52の雄ねじ部52aに対応する雌ねじ部(ねじ溝)が設けられている。さらに、固定ナット56には、固定ナット56を厚さ方向に貫通する複数(
図2では4個)の円柱状の貫通孔56bが、固定ナット56の周方向に沿って概ね等間隔に形成されている。
【0042】
ねじ58を、ブレードマウント50の貫通孔50aを介してスピンドル42のねじ穴42aに挿入し、ねじ穴42aに螺合させて締め付けることにより、ブレードマウント50がスピンドル42の先端部に固定される。また、切削ブレード44の貫通孔44aにボス部52を挿入すると、切削ブレード44がブレードマウント50に装着される。この状態で、ボス部52の雄ねじ部52aに固定ナット56を螺合させて締め付けると、切削ブレード44がフランジ部54の支持面54cと固定ナット56とによって挟持され、ブレードマウント50に固定される。そして、切削ブレード44は、回転駆動源からスピンドル42及びブレードマウント50を介して伝達される動力によって、Y軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。
【0043】
なお、上記では切削ユニット38Aについて説明したが、切削ユニット38B(
図1参照)の構成も切削ユニット38Aと同様である。そして、切削ユニット38Aに装着された切削ブレード44と切削ユニット38Bに装着された切削ブレード44とは、互いに対面するように配置される。
【0044】
また、切削ユニット38A,38Bには、ワッシャータイプの切削ブレード(ワッシャーブレード)が装着されてもよい。ワッシャーブレードは、ダイヤモンド等の砥粒がメタルボンド、レジンボンド、ビトリファイドボンド等の結合材で固定された環状の切り刃のみによって構成される。
【0045】
図1に示すように、切削ユニット38A,38Bに隣接する位置にはそれぞれ、チャックテーブル14によって保持された被加工物11等を撮像する撮像ユニット60が設けられている。例えば撮像ユニット60として、可視光を受光して電気信号に変換する撮像素子を備える可視光カメラや、赤外線を受光して電気信号に変換する撮像素子を備える赤外線カメラが用いられる。チャックテーブル14上の被加工物11を撮像ユニット60で撮像することによって取得された画像に基づいて、被加工物11と切削ユニット38A,38Bとの位置合わせ等が行われる。
【0046】
開口4bの開口4aとは反対側の側方には、円形の開口4cが設けられている。開口4cの内部には、被加工物11を洗浄する洗浄ユニット62が設けられている。洗浄ユニット62は、被加工物11を保持して回転するスピンナテーブル64を備えている。スピンナテーブル64には、スピンナテーブル64をZ軸方向と概ね平行な回転軸の周りで回転させるモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
【0047】
スピンナテーブル64の上方には、スピンナテーブル64によって保持された被加工物11に向かって洗浄用の流体(洗浄流体)を噴射するノズル66が配置されている。洗浄流体としては、純水等の液体や、液体(純水等)と気体(エアー等)とが混合された流体(混合流体)を用いることができる。被加工物11を保持したスピンナテーブル64を回転させつつ、ノズル66から被加工物11に向かって流体を滴下することにより、被加工物11が洗浄される。
【0048】
第2支持構造34の後方(裏面側)には、切削ユニット38A,38Bに装着されている切削ブレード44を交換するブレード交換ユニット68が設けられている。ブレード交換ユニット68は、ブレードマウント50(
図2参照)からの切削ブレード44の取り外しと、ブレードマウント50への切削ブレード44の装着とを行う。なお、ブレード交換ユニット68の詳細については後述する。
【0049】
また、切削装置2は表示部(表示ユニット、表示装置)70を備える。表示部70は、各種のディスプレイによって構成され、切削装置2に関する情報(加工条件、加工状況、被加工物11の画像等)を表示する。
【0050】
表示部70としては、例えばタッチパネルが用いられる。この場合、表示部70には切削装置2を操作するための操作画面が表示され、切削装置2のオペレーターは表示部70のタッチ操作によって切削装置2に情報を入力できる。すなわち、表示部70は切削装置2に情報を入力するための入力部(入力ユニット、入力装置)としても機能し、ユーザーインターフェースとして用いられる。ただし、入力部は表示部70とは別途独立して設けられたマウス、キーボード等であってもよい。
【0051】
また、切削装置2は表示灯(警告灯)72を備える。例えば表示灯72は、切削装置2で異常が発生した際に所定の色又はパターンで点灯する。また、切削装置2には、音又は音声を発するスピーカー(不図示)が搭載されていてもよい。
【0052】
表示部70に表示された情報、表示灯72の点灯色又は点灯パターンに対応する情報、スピーカーが発する情報は、オペレーターに報知される。すなわち、表示部70、表示灯72及びスピーカーは、オペレーターに情報を報知する報知部(報知ユニット、報知装置)に相当する。
【0053】
さらに、切削装置2は、切削装置2を制御する制御部(制御ユニット、制御装置)74を備える。制御部74は、切削装置2を構成する各構成要素(移動機構10、チャックテーブル14、クランプ16、ガイドレール18、移動機構24、保持ユニット26、移動機構30、保持ユニット32、移動機構36A,36B、切削ユニット38A,38B、撮像ユニット60、洗浄ユニット62、ブレード交換ユニット68、表示部70、表示灯72等)に接続されている。制御部74は、切削装置2の各構成要素の動作を制御するための制御信号を生成し、切削装置2の稼働を制御する。
【0054】
例えば制御部74は、コンピュータによって構成される。具体的には、制御部74は、切削装置2の稼働に必要な演算を行うCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサと、切削装置2の稼働に用いられる各種の情報(データ、プログラム等)を記憶するROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリとを含んで構成される。
【0055】
被加工物11を切削装置2で加工する際は、まず、加工の対象となる複数の被加工物11がカセット8に収容される。そして、カセット8がカセット保持台6の上面上に載置される。
【0056】
カセット8に収容された被加工物11は、保持ユニット26によってカセット8から搬出される。具体的には、保持ユニット26は把持機構26aでフレーム15の端部を把持した状態で、カセット8から離れるようにY軸方向に沿って移動する。これにより、被加工物11がカセット8から引き出され、一対のガイドレール18上に配置される。そして、フレーム15が一対のガイドレール18によって挟み込まれ、被加工物11及びフレーム15の位置合わせが行われる。
【0057】
次に、フレーム15の上面側が保持ユニット26によって保持され、被加工物11がチャックテーブル14上に搬送される。被加工物11は、チャックテーブル14上にテープ13を介して配置される。また、フレーム15が複数のクランプ16によって固定される。この状態で、保持面14aに吸引源の吸引力(負圧)を作用させると、被加工物11がテープ13を介してチャックテーブル14によって吸引保持される。
【0058】
そして、切削ユニット38A,38Bに装着された切削ブレード44が回転しながら被加工物11に切り込む。これにより、被加工物11に切削加工が施される。例えば被加工物11は、切削ブレード44によってストリートに沿って切削され、デバイスをそれぞれ備える複数のデバイスチップに分割される。
【0059】
被加工物11の加工が完了すると、フレーム15の上面側が保持ユニット32によって保持され、被加工物11がチャックテーブル14から洗浄ユニット62に搬送される。そして、洗浄ユニット62によって被加工物11の洗浄が行われる。
【0060】
被加工物11の洗浄が完了すると、フレーム15の上面側が保持ユニット26によって保持され、一対のガイドレール18上に搬送される。そして、フレーム15が一対のガイドレール18によって挟み込まれ、被加工物11及びフレーム15の位置合わせが行われる。その後、保持ユニット26は把持機構26aでフレーム15を把持した状態でカセット8側に向かって移動し、被加工物11をカセット8に収容する。
【0061】
上記のように、被加工物11が切削装置2によって加工される。なお、制御部74には、切削装置2の一連の動作を記述するプログラムが記憶されている。そして、オペレーターが切削装置2に被加工物11の加工を指示すると、制御部74はプログラムを読み出して実行し、切削装置2の各構成要素の動作を制御するための制御信号を順次生成する。これにより、被加工物11の加工が自動で実施される。
【0062】
切削ユニット38A,38Bに装着された切削ブレード44は、被加工物11を切削することによって徐々に摩耗するため、定期的に交換される。切削装置2においては、ブレード交換ユニット68によって切削ブレード44の交換が自動で実施される。
【0063】
図3は、ブレード交換ユニット68を示す斜視図である。ブレード交換ユニット68は、移動部80と、切削ブレード44の交換を行う交換装置(交換機構)90とを備える。移動部80は、交換装置90をX軸方向に沿って移動させる移動機構(移動ユニット)であり、交換装置90に連結されている。
【0064】
移動部80は、水平方向(XY平面方向)に沿って配置された板状の基台82を備える。基台82の下面側には、X軸方向に沿って配置されたボールねじ84が固定されている。ボールねじ84の端部には、ボールねじ84を回転させるパルスモータ(不図示)が接続されている。また、基台82のY軸方向における両端部には、X軸方向に沿う一対のガイドレール86が、基台82の下面から下方に突出するように設けられている。そして、移動部80の下側に交換装置90が装着されている。
【0065】
図4は、交換装置90を示す斜視図である。交換装置90は、移動部80(
図3参照)に連結される基台92を備える。基台92は、水平方向(XY平面方向)に沿って配置された板状の上壁92aと、上壁92aの後方側の端部から下方に向かって突出する柱状の側壁92bと、側壁92bの下端部から前方側に突出し上壁92aと概ね平行に配置された板状の支持台92cとを含む。
【0066】
上壁92aの上面には、直方体状の移動ブロック94が固定されている。移動ブロック94は、ボールねじ84(
図3参照)が螺合されるナット部94aを備えている。また、上壁92aのY軸方向における両端部には、X軸方向に沿う一対の接続部96が設けられている。一対の接続部96は、正面視でL字状に形成され、上壁92aの上面に固定されている。
【0067】
移動ブロック94のナット部94aにボールねじ84(
図3参照)を螺合させるとともに、一対の接続部96を一対のガイドレール86(
図3参照)に嵌め込むことにより、交換装置90が移動部80に装着される。そして、パルスモータによってボールねじ84を回転させると、交換装置90が一対のガイドレール86に沿ってX軸方向に移動する。
【0068】
支持台92c上には、切削ブレード44及び固定ナット56(
図2参照)の着脱を行う着脱ユニット(着脱機構)100が設けられている。着脱ユニット100は、切削ブレード44の着脱を行う一対のブレード着脱ユニット(ブレード着脱機構)110A,110Bと、ブレード着脱ユニット110A,110Bの前方に設けられ固定ナット56の着脱を行う一対のナット着脱ユニット(ナット着脱機構)140A,140Bとを備える。
【0069】
ブレード着脱ユニット110A,110Bは、支持台92cのY軸方向における両端部に固定されており、Y軸方向において互いに離隔している。ブレード着脱ユニット110Aは、切削ユニット38A(
図1参照)からの切削ブレード44の取り外しと、切削ユニット38Aへの切削ブレード44の装着とを行う。一方、ブレード着脱ユニット110Bは、切削ユニット38B(
図1参照)からの切削ブレード44の取り外しと、切削ユニット38Bへの切削ブレード44の装着とを行う。
【0070】
ナット着脱ユニット140A,140Bは、支持台92cのY軸方向における両端部に固定されており、Y軸方向において互いに離隔している。ナット着脱ユニット140Aは、切削ユニット38A(
図1参照)からの固定ナット56(
図2参照)の取り外しと、切削ユニット38Aへの固定ナット56の装着とを行う。一方、ナット着脱ユニット140Bは、切削ユニット38B(
図1参照)からの固定ナット56(
図2参照)の取り外しと、切削ユニット38Bへの固定ナット56の装着とを行う。
【0071】
図5(A)は、ブレード着脱ユニット110Aを示す斜視図である。ブレード着脱ユニット110Aは、回転駆動源を構成するモータ112を備える。モータ112は、ロータ、ステータ等の構成要素を収容する筐体114と、Y軸方向に沿って配置されロータに接続された円柱状の回転軸(出力軸)116とを備える。回転軸116の先端部は、筐体114から露出している。
【0072】
また、ブレード着脱ユニット110Aは、支持台92c(
図4参照)上に固定された柱状のガイドレール118を備える。ガイドレール118はY軸方向に沿って配置されており、モータ112はガイドレール118に装着されている。モータ112に外力が付与されると、モータ112がガイドレール118に沿ってY軸方向に移動する。
【0073】
回転軸116の先端部には、切削ブレード44を保持するブレード保持部(ブレード保持ユニット)120が装着されている。ブレード保持部120は、側面視で長円状に形成され回転軸116の先端部に固定された板状の支持部材122と、支持部材122のモータ112とは反対側を向く面側に設けられたブレード把持部(ブレード把持ユニット)124A,124Bとを備える。ブレード把持部124A,124Bは、互いに離隔するように支持部材122の両端部に設けられている。
【0074】
ブレード把持部124A,124Bはそれぞれ、支持部材122に固定された円柱状の保持部126を備える。保持部126は、モータ112とは反対側を向く表面126aを備える。また、保持部126には、表面126aから突出する柱状の位置決めピン128が設けられている。位置決めピン128は、その先端部がスピンドル42に固定されたねじ58の凹部58a(
図2参照)に挿入可能に形成されている。
【0075】
保持部126の周囲には、切削ブレード44を把持する複数の把持部材130が、保持部126の周方向に沿って概ね等間隔に配置されている。把持部材130はそれぞれ柱状に形成され、把持部材130の基端部(一端側)は保持部126の外周面に固定されている。また、把持部材130の先端部(他端側)は保持部126の表面126aから突出している。
図5(A)には、切削ブレード44を四方から把持する4本の把持部材130が設けられている例を示している。
【0076】
把持部材130の先端部は、例えば保持部126の内部に収容されたアクチュエータ(不図示)によって、保持部126の半径方向に沿って移動する。このアクチュエータは、把持部材130の先端部が切削ブレード44の基台46(
図2参照)と接触して切削ブレード44が把持される状態(閉状態)と、把持部材130の先端部が閉状態の際よりも保持部126の半径方向外側に配置され切削ブレード44の基台46の把持が解除される状態(開状態)とを切り替える。
【0077】
また、モータ112には、筐体114の側面からX軸方向に突出する直方体状の接続部材132が設けられている。そして、接続部材132には、直動アクチュエータ134が接続されている。直動アクチュエータ134は、モータ112及びブレード保持部120をY軸方向と概ね平行な直線状の経路に沿って移動させる移動機構である。
【0078】
例えば直動アクチュエータ134は、ロッドを内蔵するエアシリンダによって構成され、ロッドの先端部が接続部材132に固定される。直動アクチュエータ134を駆動してロッドをY軸方向に沿って進退させると、モータ112及びブレード保持部120がガイドレール118に沿ってY軸方向に移動する。
【0079】
なお、上記ではブレード着脱ユニット110Aの構成について説明したが、ブレード着脱ユニット110B(
図4参照)もブレード着脱ユニット110Aと同様に構成される。そして、切削ユニット38A,38Bに装着された切削ブレード44を交換する際には、ブレード着脱ユニット110A,110Bによって切削ブレード44が保持される。なお、切削ブレード44の交換時におけるブレード着脱ユニット110A,110Bの具体的な動作については後述する。
【0080】
図5(B)は、ナット着脱ユニット140Aを示す斜視図である。ナット着脱ユニット140Aは、回転駆動源を構成するモータ142を備える。モータ142は、ロータ、ステータ等の構成要素を収容する筐体144と、Y軸方向に沿って配置されロータに接続された円柱状の回転軸(出力軸)146とを備える。回転軸146の先端部は、筐体144から露出している。
【0081】
また、ナット着脱ユニット140Aは、支持台92c(
図4参照)上に固定された柱状のガイドレール148を備える。ガイドレール148はY軸方向に沿って配置されており、モータ142はガイドレール148に装着されている。モータ142に外力が付与されると、モータ142がガイドレール148に沿ってY軸方向に移動する。
【0082】
回転軸146の先端部には、固定ナット56(
図2参照)を保持する固定ナット保持部(固定ナット保持ユニット)150が固定されている。固定ナット保持部150は、回転軸146の先端部に固定された円柱状の回転部材152を備える。回転部材152にはばね等の付勢部材が連結されており、回転部材152は外力の付与によってY軸方向に沿って移動できる。また、回転部材152は、モータ142とは反対側を向く表面152aを備える。
【0083】
回転部材152には、表面152aから突出する複数の保持ピン154が設けられている。保持ピン154は、固定ナット56の貫通孔56b(
図2参照)の位置及び大きさに対応して形成されており、貫通孔56bに挿入可能となっている。なお、保持ピン154の数は、貫通孔56bの数に応じて適宜設定される。
【0084】
また、回転部材152の周囲には、固定ナット56を把持する複数の把持部材156が、回転部材152の周方向に沿って概ね等間隔に配置されている。把持部材156はそれぞれ柱状に形成されており、把持部材156の基端部(一端側)は回転部材152の外周面に固定されている。
図5(B)には、固定ナット56の外周面を四方から把持する4本の把持部材156が設けられている例を示している。
【0085】
把持部材156の先端部(他端側)は回転部材152の表面152aから突出しており、この先端部には、回転部材152の中心側に向かって屈曲した爪部156aが形成されている。また、把持部材156にはばね等の付勢部材が連結されており、爪部156aは外力の付与によって回転部材152の半径方向に沿って移動できる。
【0086】
さらに、回転部材152の周囲には、中空の円柱状に形成されたカバー158が設けられている。回転部材152と把持部材156の基端部とは、カバー158の内部に収容されている。回転部材152がカバー158の内側に向かって押圧されると、回転部材152を付勢している付勢部材(ばね)が縮み、回転部材152が複数の把持部材156とともにカバー158の内側に押し込まれる。
【0087】
回転部材152がカバー158の内側に押し込まれると、複数の把持部材156の先端側(爪部156a側)がカバー158の内壁と接触して押圧され、把持部材156を付勢している付勢部材(ばね)が縮む。これにより、把持部材156の先端側が回転部材152の半径方向内側に向かって移動する。そして、複数の把持部材156は、その長さ方向がカバー158の内壁に沿うように配置された状態となる。このとき、把持部材156の爪部156aは、例えば回転部材152の外周縁よりも回転部材152の半径方向内側に配置される(閉状態)。
【0088】
一方、回転部材152の押圧が解除されると、回転部材152がカバー158の外側に向かって移動し、把持部材156の先端側がカバー158の内壁によって押圧された状態が解除される。これにより、複数の把持部材156の先端側が回転部材152の半径方向外側に向かって移動する。そして、把持部材156の先端側が、閉状態の際よりも回転部材152の半径方向外側に配置された状態となる。このとき、把持部材156の爪部156aは、例えば回転部材152の外周縁よりも回転部材152の半径方向外側に配置される(開状態)。
【0089】
固定ナット保持部150は、固定ナット56を保持して回転する。具体的には、まず、固定ナット56の貫通孔56b(
図2参照)に回転部材152の保持ピン154が挿入されるように、固定ナット56が回転部材152の表面152aと接触する。この状態で回転部材152がカバー158の内側に押し込まれると、複数の把持部材156が閉状態となって爪部156aが固定ナット56の外周面と接触し、固定ナット56が把持される。
【0090】
複数の把持部材156によって固定ナット56が保持された状態でモータ142を駆動させると、モータ142の動力が回転軸146を介して回転部材152に伝達され、回転部材152がY軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。これにより、固定ナット56の取り外し及び装着が行われる。
【0091】
ただし、複数の把持部材156の閉状態と開状態とを切り替える方法は上記に限定されない。例えば固定ナット保持部150は、カバー158を回転部材152の長さ方向に沿って移動させるアクチュエータを備えていてもよい。この場合、カバー158の往復によって複数の把持部材156の閉状態と開状態とが切り替えられる。また、固定ナット保持部150は、複数の把持部材156を回転部材152の径方向に沿って移動させて閉状態と開状態とを切り替えるアクチュエータを備えていてもよい。
【0092】
モータ142には、筐体144の側面からX軸方向に突出する直方体状の接続部材160が設けられている。そして、接続部材160には、直動アクチュエータ162が接続されている。直動アクチュエータ162は、モータ142及び固定ナット保持部150をY軸方向と概ね平行な直線状の経路に沿って移動させる移動機構である。
【0093】
例えば直動アクチュエータ162は、ロッドを内蔵するエアシリンダによって構成され、ロッドの先端部が接続部材160に固定される。直動アクチュエータ162を駆動してロッドをY軸方向に沿って進退させると、モータ142及び固定ナット保持部150がガイドレール148に沿ってY軸方向に移動する。
【0094】
図6は、直動アクチュエータ162を示す断面図である。直動アクチュエータ162は、Y軸方向に沿って配置された筒状のシリンダ164を備える。シリンダ164には、シリンダ164の内部をシリンダ164の長さ方向に沿って移動可能なピストン166が収容されている。シリンダ164の内部の空間は、ピストン166によって第1室168Aと第2室168Bとに区画されている。
【0095】
第1室168Aには、第1室168Aに供給される気体及び第1室168Aから排出される気体が流れる第1流路170Aが接続されている。また、第2室168Bには、第2室168Bに供給される気体及び第2室168Bから排出される気体が流れる第2流路170Bが接続されている。第1流路170A及び第2流路170Bはそれぞれ、バルブ(不図示)を介して、エアー等の気体を供給する気体供給源(不図示)に接続されている。
【0096】
ピストン166の第2室168B側には、円柱状のロッド172がY軸方向に沿って設けられている。ロッド172の基端部はピストン166に固定され、ロッド172の先端部はシリンダ164の側壁の設けられた開口164aを介してシリンダ164の外部に露出している。そして、ロッド172の先端部はモータ142に連結された接続部材160(
図5(B)参照)に固定される。
【0097】
気体供給源から第1流路170Aを介して第1室168Aに気体を供給するとともに、第2室168Bを大気開放して第2室168B内の気体を第2流路170Bを介して外部に排出すると、ピストン166が第2室168B側に移動し、ロッド172がシリンダ164から射出される方向に移動する。これにより、モータ142及び固定ナット保持部150(
図5(B)参照)がY軸方向に沿って前進する。
【0098】
一方、第1室168Aを大気開放して第1室168A内の気体を第1流路170Aを介して外部に排出するとともに、気体供給源から第2流路170Bを介して第2室168Bに気体を供給すると、ピストン166が第1室168A側に移動し、ロッド172がシリンダ164に収容される方向に移動する。これにより、モータ142及び固定ナット保持部150(
図5(B)参照)がY軸方向に沿って後退する。
【0099】
また、第1室168A及び第2室168Bを大気開放すると、ピストン166がY軸方向に沿って自由に移動可能な状態となる。これにより、ロッド172に接続されたモータ142及び固定ナット保持部150(
図5(B)参照)もY軸方向に沿って自由に移動可能な状態となる。
【0100】
第1室168A及び第2室168Bへの気体の供給や、第1室168A及び第2室168Bの大気開放は、第1流路170Aに接続されたバルブ及び第2流路170Bに接続されたバルブを制御部74(
図1参照)で開閉させることによって制御できる。このようにして、モータ142及び固定ナット保持部150のY軸方向における移動が、直動アクチュエータ162によって制御される。
【0101】
なお、上記ではナット着脱ユニット140Aの構成について説明したが、ナット着脱ユニット140B(
図4参照)もナット着脱ユニット140Aと同様に構成される。また、
図6に示す直動アクチュエータ162の構成は、ブレード着脱ユニット110A,110Bの直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)にも適用できる。
【0102】
固定ナット保持部150で固定ナット56(
図2参照)を保持して回転させることにより、切削ユニット38A,38Bに装着された切削ブレード44の交換を行う際の、固定ナット56の締め付け及び取り外しを自動で行うことができる。なお、切削ブレード44の交換時における固定ナット保持部150の具体的な動作については後述する。
【0103】
上記のブレード交換ユニット68によって、切削ユニット38A,38Aに装着されている切削ブレード44の交換が行われる。また、切削装置2には、交換用の切削ブレード44(未使用の切削ブレード44)や使用済みの切削ブレード44を保管するブレード保管部が搭載されている。そして、ブレード交換ユニット68は、ブレードマウント50(
図2参照)に装着されている使用済みの切削ブレード44と、ブレード保管部に保管されている交換用の切削ブレード44とを交換する。
【0104】
図7は、一対のブレード保管部(ブレードラック)180A,180Bを示す斜視図である。ブレード保管部180A,180Bはそれぞれ複数の切削ブレード44を保持可能であり、Y軸方向に沿って互いに対向するように配置される。例えばブレード保管部180A,180Bは、第2支持構造34(
図1参照)の後方に設けられ、基台4の上面に固定される。ただし、ブレード保管部180A,180Bの設置場所に制限はない。
【0105】
ブレード保管部180A,180Bはそれぞれ、Z軸方向に沿って配置された柱状の支持構造182を備える。支持構造182には、Y軸方向に沿って配置された円柱状の回転軸184が収容されている。回転軸184の先端部(一端側)は支持構造182の側面から露出しており、回転軸184の基端部(他端側)にはモータ等の回転駆動源(不図示)が連結されている。
【0106】
回転軸184の先端部には、円盤状の支持部材186が固定されている。支持部材186は、互いに概ね平行な表面186a及び裏面186bを有し、回転軸184の先端部は支持部材186の裏面186b側の中心部に固定されている。支持部材186は、回転駆動源から回転軸184を介して伝達される動力により、Y軸方向と概ね平行な回転軸の周りを回転する。
【0107】
支持部材186の表面186a側には、切削ブレード44が保管される領域に相当する複数の保管部188が、支持部材186の周方向に沿って概ね等間隔に設けられている。例えば保管部188には、支持部材186の表面186aから突出する円柱状のボス部(支持軸)190が設けられている。ボス部190は、その径が切削ブレード44の貫通孔44aの径に対応するように形成されており、貫通孔44aに挿入可能となっている。切削ブレード44の貫通孔44aにボス部190が挿入されると、切削ブレード44が支持部材186の表面186aとボス部190とによって支持され、保管部188で保管される。
【0108】
次に、切削ブレード44の交換時におけるブレード交換ユニット68の動作の具体例を、
図7等を参照しつつ説明する。以下では一例として、切削ユニット38A(
図1参照)に装着されている使用済みの切削ブレード44と、ブレード保管部180Aに保管されている交換用の切削ブレード44とが交換される場合について説明する。
【0109】
まず、移動部80(
図3参照)によって交換装置90をX軸方向に沿って移動させ(
図7参照)、ブレード着脱ユニット110Aのブレード把持部124Aを、ブレード保管部180Aに保持されている交換用の切削ブレード44に対向させる。そして、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124AをY軸方向に沿って前進させ、ブレード保管部180Aに接近させる。
【0110】
次に、複数の把持部材130(
図5(A)参照)で切削ブレード44を把持する。これにより、交換用の切削ブレード44がブレード把持部124Aによって保持される。その後、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124AをY軸方向に沿って後退させ、ブレード保管部180Aから離隔させる。
【0111】
次に、移動部80(
図3参照)によって交換装置90をX軸方向に沿って移動させ、第1支持構造20及び第2支持構造34(
図1参照)の下側を介して交換装置90を切削ユニット38Aに対向する位置に配置する。このとき、ナット着脱ユニット140Aの固定ナット保持部150が、切削ユニット38Aのブレードマウント50(
図2参照)と対向するように位置付けられる。
【0112】
そして、直動アクチュエータ162(
図5(B)参照)によって固定ナット保持部150をY軸方向に沿って前進させ、固定ナット保持部150をブレードマウント50(
図2参照)に接近させる。これにより、固定ナット保持部150が備える複数の保持ピン154(
図5(B)参照)が、固定ナット56の貫通孔56b(
図2参照)に挿入される。また、固定ナット56が回転部材152の表面152a(
図5(B)参照)に押し付けられる。
【0113】
回転部材152が固定ナット56によって押圧されると、回転部材152がカバー158の内側に押し込まれ、複数の把持部材156が閉状態となる。これにより、固定ナット56が複数の把持部材156の爪部156aによって把持される。
【0114】
次に、モータ142(
図5(B)参照)の動力によって回転軸146を回転させ、固定ナット保持部150を第1の方向に回転させる。これにより、固定ナット保持部150によって把持された固定ナット56が回転して緩み、ボス部52(
図2参照)から取り外される。
【0115】
その後、直動アクチュエータ162(
図5(B)参照)によって固定ナット保持部150をY軸方向に沿って後退させ、ブレードマウント50(
図2参照)から離隔させる。このとき、回転部材152はカバー158の内側に押し込まれた状態に維持され、固定ナット56はボス部52から取り外された後も固定ナット保持部150によって保持される。
【0116】
次に、移動部80(
図3参照)によって交換装置90をX軸方向に沿って移動させ、ブレード着脱ユニット110Aのブレード把持部124Bを、切削ユニット38Aのブレードマウント50(
図2参照)と対向するように位置付ける。そして、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124BをY軸方向に沿って前進させ、ブレードマウント50に接近させる。
【0117】
次に、複数の把持部材130(
図5(A)参照)で切削ブレード44を把持する。これにより、使用済みの切削ブレード44がブレード把持部124Bによって保持される。その後、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124BをY軸方向に沿って後退させ、ブレードマウント50から離隔させる。これにより、切削ユニット38Aから使用済みの切削ブレード44が取り外される。
【0118】
次に、モータ112(
図5(A)参照)の動力によって回転軸116及び支持部材122を180°回転させる。これにより、ブレード把持部124Aの位置とブレード把持部124Bの位置とが入れ替わる。そして、交換用の切削ブレード44を保持しているブレード把持部124Aが、切削ユニット38Aのブレードマウント50に対向するように位置付けられる。
【0119】
次に、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124AをY軸方向に沿って前進させることにより、ブレード把持部124Aをブレードマウント50に接近させる。これにより、ブレード把持部124Aによって保持されている交換用の切削ブレード44の貫通孔44a(
図2参照)に、ブレードマウント50のボス部52が挿入される。
【0120】
そして、複数の把持部材130(
図5(A)参照)による切削ブレード44を把持が解除される。その結果、交換用の切削ブレード44がブレードマウント50(
図2参照)に装着される。その後、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124AをY軸方向に沿って後退させ、ブレードマウント50から離隔させる。
【0121】
次に、移動部80(
図3参照)によって交換装置90をX軸方向に沿って移動させ、固定ナット56(
図2参照)を保持した状態の固定ナット保持部150を、切削ユニット38Aのブレードマウント50(
図2参照)と対向するように位置付ける。そして、直動アクチュエータ162(
図5(B)参照)によって固定ナット保持部150をY軸方向に沿って前進させ、ブレードマウント50(
図2参照)に接近させる。これにより、固定ナット保持部150によって保持された固定ナット56が、ブレードマウント50のボス部52(
図2参照)の先端部に位置付けられる。
【0122】
次に、モータ142(
図5(B)参照)の動力によって回転軸146を回転させ、固定ナット保持部150を第2の方向に回転させる。これにより、固定ナット保持部150によって把持された固定ナット56が回転してボス部52の雄ねじ部52a(
図2参照)に螺合し、雄ねじ部52aに締め付けられる。その結果、交換用の切削ブレード44がフランジ部54の支持面54c(
図2参照)と固定ナット56とによって挟持され、切削ユニット38Aに固定される。
【0123】
その後、直動アクチュエータ162(
図5(B)参照)によって固定ナット保持部150をY軸方向に沿って後退させ、ブレードマウント50(
図2参照)から離隔させる。このとき、回転部材152(
図5(B)参照)がカバー158の外側に向かって移動し、複数の把持部材156が開状態となる。これにより、複数の把持部材156による固定ナット56の把持が解除される。
【0124】
次に、移動部80(
図3参照)によって交換装置90をX軸方向に沿って移動させ、使用済みの切削ブレード44を保持しているブレード把持部124Bを、ブレード保管部180Aと対向させる。そして、直動アクチュエータ134(
図5(A)参照)によってブレード把持部124BをY軸方向に沿って前進させ、ブレード保管部180Aに接近させる。これにより、ブレード把持部124Bによって保持された使用済みの切削ブレード44の貫通孔44a(
図2参照)にボス部190が挿入され、使用済みの切削ブレード44がブレード保管部180Aに保管される。
【0125】
上記のように、ブレード交換ユニット68によって切削ブレード44の交換が行われる。なお、上記では切削ユニット38Aに装着されている使用済みの切削ブレード44と、ブレード保管部180Aに保管されている交換用の切削ブレード44とが、ブレード着脱ユニット110A及びナット着脱ユニット140Aによって交換される場合の動作について説明した。ただし、切削ユニット38Bに装着されている使用済みの切削ブレード44と、ブレード保管部180Bに保管されている交換用の切削ブレード44とが、ブレード着脱ユニット110B及びナット着脱ユニット140Bによって交換される場合の動作も同様である。
【0126】
次に、固定ナット56の装着時におけるナット着脱ユニット140A,140Bの動作の詳細について説明する。
図8(A)は、切削ユニット38A及びナット着脱ユニット140Aを示す一部断面正面図である。以下では代表例として、ナット着脱ユニット140Aが切削ユニット38Aに固定ナット56を装着する場合の動作について説明する。ただし、ナット着脱ユニット140Bが切削ユニット38Bに固定ナット56を装着する場合の動作も同様である。
【0127】
固定ナット56の装着時、ブレードマウント50には交換用の切削ブレード44が装着されている。また、固定ナット保持部150は固定ナット56を保持しており、固定ナット56は切削ブレード44と接触して切削ブレード44を支持する支持面56cを備えている。
【0128】
なお、
図8(A)に示すように、ナット着脱ユニット140Aには、固定ナット保持部150の位置を検出するセンサ200が設けられている。例えば、ガイドレール148の前端部には、モータ142の前進を制止する制止部148aがガイドレール148の上面から上方に突出するように設けられている。そして、制止部148aのモータ142側に、センサ200が筐体114と対向するように設置されている。
【0129】
センサ200は、モータ142の筐体144がセンサ200に接近又は接触したことを検出する。例えばセンサ200は、筐体144を検出する光学式センサであり、筐体144がセンサ200に近づくと筐体144を検出する。また、センサ200は、タッチスイッチ、押しボタン等のスイッチであってもよい。この場合、筐体144がスイッチに接触すると、スイッチが作動して筐体144が検出される。
【0130】
モータ142の筐体144と固定ナット保持部150との位置関係は、ナット着脱ユニット140Aの寸法(回転軸146の長さ、固定ナット保持部150の厚さ等)に応じて予め決定されている。そのため、モータ142の筐体144がセンサ200によって検出されるか否かに基づいて、固定ナット保持部150の位置を確認することができる。すなわち、センサ200は固定ナット保持部150の位置を検出する検出器として機能する。
【0131】
なお、センサ200の種類や設置場所は、固定ナット保持部150の位置の検出が可能であれば制限はない。例えばセンサ200は、固定ナット保持部150を直接検知してもよい。また、センサ200として、モータ112の筐体114や固定ナット保持部150の位置を測定可能な変位センサを用いることもできる。
【0132】
固定ナット56をブレードマウント50に装着する際には、まず、移動部80(
図3参照)によって固定ナット保持部150の位置が制御され、固定ナット保持部150によって保持された固定ナット56がブレードマウント50のボス部52に対面するように位置付けられる。このとき固定ナット56は、ボス部52の先端面と同心円状に位置付けられる。
【0133】
次に、直動アクチュエータ162を作動させ、モータ142及び固定ナット保持部150を前進させる。これにより、固定ナット保持部150がボス部52の軸線方向(ボス部52の長さ方向)に沿って移動し、固定ナット56がボス部52の先端部に接触する。これにより、固定ナット保持部150及び固定ナット56が初期位置に配置される。
【0134】
図8(B)は、固定ナット保持部150が初期位置に位置付けられた状態の切削ユニット38A及びナット着脱ユニット140Aを示す一部断面正面図である。固定ナット保持部150が初期位置に配置されて固定ナット56がボス部52に接触すると、直動アクチュエータ162は、固定ナット保持部150をボス部52の軸線方向に沿って自由に移動可能な状態にする。具体的には、直動アクチュエータ162の第1室168A及び第2室168B(
図6参照)が大気開放され、ロッド172がY軸方向に沿って自由に移動可能な状態となる。
【0135】
次に、モータ142の動力によって固定ナット保持部150を回転させる。これにより、固定ナット56がボス部52の雄ねじ部52aに螺合し、回転しながら切削ブレード44側に移動する。なお、このときモータ142及び固定ナット保持部150は進退自由な状態であるため、固定ナット56の螺合の進行に伴い、モータ142及び固定ナット保持部150も固定ナット56に追従してボス部52の軸線方向に沿って前進する。
【0136】
固定ナット保持部150は、切削ブレード44の固定に適した固定位置に到達するまで回転する。具体的には、固定ナット保持部150は、固定ナット56の支持面56cが切削ブレード44(基台46の表面46a)に接触するまで回転し、固定ナット56をボス部52に締め付ける。
【0137】
図9(A)は、固定ナット保持部150が固定位置に到達した状態の切削ユニット38A及びナット着脱ユニット140Aを示す一部断面正面図である。固定ナット保持部150が固定位置に到達すると、切削ブレード44がフランジ部54と固定ナット56とによって挟持される。これにより、切削ブレード44がブレードマウント50に固定される。
【0138】
なお、固定ナット保持部150を初期位置に位置付ける際、移動部80(
図3参照)の経年劣化等の様々な要因によって、固定ナット56が意図せずボス部52の先端面に対して僅かに傾いた状態、すなわち、固定ナット56の径方向とボス部52の径方向とがずれた状態で配置されることがある。この場合、固定ナット56を回転させても固定ナット56がボス部52の雄ねじ部52aに適切に螺合せず、固定ナット56の締め付けが阻害されることがある。
【0139】
図9(B)は、固定ナット保持部150が固定位置に到達していない状態の切削ユニット38A及びナット着脱ユニット140Aを示す一部断面正面図である。固定ナット56がボス部52の先端面に対して傾斜した状態で固定ナット56が回転すると、ボス部52の雄ねじ部52aと固定ナット56の雌ねじ部とが適切に噛み合わず、固定ナット56の回転が妨げられる。その結果、固定ナット保持部150が固定位置に到達する前に固定ナット56が回転しなくなる。
【0140】
固定ナット保持部150が固定位置に到達しないと、切削ブレード44が固定ナット56によってブレードマウント50に確実に固定されていない状態となる。そして、切削ブレード44の固定が不十分な状態のままで被加工物11の切削加工が続行されると、被加工物11の加工不良や切削ブレード44の破損が発生しやすくなる。
【0141】
そこで、本実施形態においては、固定ナット56を回転させてボス部52の雄ねじ部52aに螺合させた際における固定ナット56の螺合状態を、センサ200によって検出された固定ナット保持部150の位置に基づいて判定する。これにより、切削ブレード44の固定が不十分であることに気づかないまま被加工物11の加工が開始されることを防止できる。
【0142】
図10(A)は、固定ナット保持部150が固定位置に到達する場合における固定ナット保持部150(固定ナット56)の回転時間とモータ142のトルクとの関係を示すグラフである。固定ナット保持部150が初期位置に配置された状態で(
図8(B)参照)、固定ナット保持部150をモータ142によって回転させると、固定ナット56が所定の回転速度で回転し始める(時刻t
0)。そして、固定ナット56がボス部52の雄ねじ部52aに螺合する位置に固定ナット保持部150が到達して固定ナット56と雄ねじ部52aとが噛み合うまで(時刻t
1)、モータ142のトルクが徐々に増加する。
【0143】
その後、固定ナット56は雄ねじ部52aと噛み合った状態で回転しながらフランジ部54側に移動し、切削ブレード44に接近する。そして、固定ナット56の支持面56cが切削ブレード44に接触する位置に固定ナット保持部150が到達すると、切削ブレード44がフランジ部54と固定ナット56とによって挟まれ(
図9(A)参照)、モータ142のトルクが急増する(時刻t
2)。
【0144】
また、固定ナット保持部150が固定位置に到達又は近接すると、モータ142の筐体144がセンサ200によって検出される(
図9(A)参照)。すなわち、センサ200は、固定ナット保持部150が固定位置に到達し又は近接した際に筐体144を検出可能な位置に設置されている。そのため、センサ200によって固定ナット保持部150が固定位置に到達又は近接したことが検出される。
【0145】
ここで、時刻t1におけるトルクの値と時刻t2におけるトルクの値との間の値(例えば、時刻t2の直前におけるトルクの値)、又は、時刻t2におけるトルクの値が、トルクの閾値Tthに設定される。そして、固定ナット56が初期位置に正しく配置され、ボス部52の雄ねじ部52aに正常に螺合する場合には、モータ142のトルクが閾値Tthに達し、センサ200によって筐体144が検出される。
【0146】
図10(B)は、固定ナット保持部150が固定位置に到達しない場合における固定ナット保持部150(固定ナット56)の回転時間とモータ142のトルクとの関係を示すグラフである。固定ナット56がボス部52の先端面に対して傾いた状態でボス部52の雄ねじ部52aに螺合した場合にも、固定ナット56の回転開始(時刻t
0)から固定ナット56と雄ねじ部52aとが噛み合うまで(時刻t
1)、
図10(A)と同様にモータ142のトルクが徐々に増加する(時刻t
1)。
【0147】
しかしながら、固定ナット56がボス部52の雄ねじ部52aに不適切に螺合するため、固定ナット56が雄ねじ部52aに到達した後、固定ナット56の回転が妨げられる。その結果、固定ナット保持部150が固定位置に到達する前に、固定ナット56の回転が停止し、モータ142のトルクが急増して閾値Tthに達する(時刻t3)。
【0148】
また、固定ナット56の回転が停止すると、モータ142の筐体144がセンサ200によって検出される前にモータ142及び固定ナット保持部150の前進が停止する(
図9(B)参照)。すなわち、センサ200によって固定ナット保持部150が固定位置に到達又は近接していないことが検出される。
【0149】
従って、モータ142のトルクが閾値Tthに達した際に、センサ200によって筐体144が検出されたか否か、すなわち、センサ200によって検出された固定ナット保持部150の位置に基づいて、固定ナット56がボス部52の雄ねじ部52aに適切に螺合しているか否かを判定できる。
【0150】
ナット着脱ユニット140Aの動作の制御及び固定ナット56の螺合状態の判定は、制御部74によって行われる。
図11は、制御部74を示すブロック図である。なお、
図11には、制御部74の機能的な構成を示すブロックに加えて、切削装置2の一部の構成要素(表示部70、表示灯72、モータ142、センサ200)を示すブロックを図示している。制御部74は、固定ナット56の螺合状態を判定する判定部210と、判定部210による判定に用いられる情報(データ、プログラム等)を記憶する記憶部212とを含む。
【0151】
固定ナット56を回転させてボス部52の雄ねじ部52aに螺合させる際には、モータ142から制御部74にモータ142のトルクの値が逐次入力される。また、記憶部212は、モータ142のトルクの閾値T
th(
図10(A)及び
図10(B)参照)を記憶する閾値記憶部212aを含む。
【0152】
判定部210は、モータ142のトルクと閾値Tthとを比較するトルク比較部210aを含む。トルク比較部210aには、モータ142からトルクの測定値が入力されるとともに、閾値記憶部212aからトルクの閾値Tthが入力される。そして、トルク比較部210aは、トルクの測定値と閾値Tthとを比較することにより、モータ142のトルクが閾値Tthに達しているか否かを判定する。
【0153】
また、判定部210は、固定ナット56の螺合状態を判定する螺合判定部210bを含む。固定ナット保持部150の回転が開始すると、センサ200が駆動する。そして、センサ200によってモータ142の筐体144(
図9(A)及び
図9(B)参照)が検出されたか否かの情報を含む信号(検出信号)が、センサ200から螺合判定部210bに入力される。
【0154】
モータ142のトルクが閾値Tthに達すると、トルク比較部210aはトルクが閾値Tthに達した旨を示す信号(閾値到達信号)を螺合判定部210bに出力する。そして、螺合判定部210bに閾値到達信号が入力されると、螺合判定部210bは検出信号に基づいて固定ナット56の螺合状態を判定する。
【0155】
具体的には、固定ナット56の回転が停止した際にモータ142の筐体144がセンサ200によって検出されている場合には、トルク比較部210aから螺合判定部210bに閾値到達信号が入力されるとともに、センサ200から螺合判定部210bに筐体144の検出を示す検出信号が入力される。この場合、螺合判定部210bは、固定ナット56の螺合が適切であり、固定ナット56が切削ブレード44の固定に適した位置に到達していると判定する。
【0156】
一方、固定ナット56の回転が停止した際にモータ142の筐体144がセンサ200によって検出されていない場合には、トルク比較部210aから螺合判定部210bに閾値到達信号が入力されるとともに、センサ200から螺合判定部210bに筐体144の非検出を示す検出信号が入力される。この場合、螺合判定部210bは、固定ナット56の螺合が不適切であり、固定ナット56が切削ブレード44の固定に適した位置に到達していないと判定する。
【0157】
判定部210(螺合判定部210b)による固定ナット56の螺合状態の判定の結果は、制御部74に含まれる報知部214及び報知制御部216に出力される。そして、報知部214は、判定部210による判定の結果を外部のコンピュータ、サーバ等に送信することにより、判定結果を報知する。
【0158】
また、報知制御部216は、表示部70及び表示灯72を制御して、判定部210による判定の結果を表示部70及び表示灯72に報知させる。例えば報知制御部216は、表示部70に判定結果を示すメッセージ等を表示させるための制御信号を生成し、表示部70に出力する。また、報知制御部216は、表示灯72を判定結果に対応する色又はパターンで点灯させるための制御信号を生成し、表示灯72に出力する。また、前述の通り、切削装置2にはスピーカーが搭載されていてもよい。この場合には、報知制御部216は、スピーカーに判定結果を示す音又は音声を発させるための制御信号を生成し、スピーカーに出力する。これにより、表示部70、表示灯72及びスピーカーが、固定ナット56の螺合状態をオペレーターに報知する報知部として機能する。
【0159】
なお、モータ142のトルクの値、センサ200によって検出された情報、判定部210による判定の結果及び判定時刻等は、記憶部212や外部のサーバ等に記憶されてもよい。これにより、固定ナット56の螺合状態に関する情報が蓄積され、被加工物11の加工不良や切削ブレード44の破損が生じた際における原因究明に活用することができる。
【0160】
図12は、固定ナット56の螺合状態の判定方法を示すフローチャートである。以下、主に
図11及び
図12を参照しつつ、固定ナット56の螺合状態を判定する手順について説明する。
【0161】
まず、固定ナット保持部150を初期位置に配置する(ステップS1)。具体的には、固定ナット保持部150によって保持された固定ナット56がブレードマウント50のボス部52の先端面と対向するように配置された後(
図8(A)参照)、直動アクチュエータ134によって固定ナット保持部150が前進して初期位置に位置付けられる(
図8(B)参照)。その後、固定ナット保持部150はボス部52の軸線方向(長さ方向)に沿って自由に移動可能な状態となる。
【0162】
次に、固定ナット保持部150の回転を開始する(ステップS2)。これにより、固定ナット保持部150によって保持されている固定ナット56が所定の回転数で回転する。また、固定ナット保持部150の回転が開始すると、モータ142のトルクの計測も開始され(ステップS3)、トルクの計測値がトルク比較部210aに入力される。
【0163】
次に、モータ142のトルクと閾値Tthとがトルク比較部210aによって比較される(ステップS4)。そして、モータ142のトルクが閾値Tthに達していない場合は(ステップS4でNO)、固定ナット保持部150の回転とモータ142のトルクの計測とが継続される。一方、モータ142のトルクが閾値に達している場合には(ステップS4でYES)、トルク比較部210aから螺合判定部210bに閾値到達信号が入力され、螺合判定部210bによって固定ナット56の螺合状態が判定される(ステップS5)。
【0164】
固定ナット56の螺合状態が正常であり、固定ナット56が切削ブレード44の固定に適した位置に到達していると判定されると(ステップS5でYES)、固定ナット56の螺合状態が正常である旨が、表示部70、表示灯72、報知部214等によって報知され(ステップS6)、固定ナット56の装着が完了する。
【0165】
一方、固定ナット56の螺合状態が異常であり、固定ナット56が切削ブレード44の固定に適した位置に到達していないと判定されると(ステップS5でNO)、固定ナット保持部150の回転が緊急停止される(ステップS7)。これにより、ボス部52に適切に螺合していない固定ナット56の締め付けが継続されてボス部52の雄ねじ部52a及び固定ナット56の雌ねじ部が損傷することを回避できる。そして、固定ナット56の螺合状態が異常である旨が、表示部70、表示灯72、報知部214等によって報知される(ステップS8)。
【0166】
固定ナット56の螺合状態が異常であることが報知されると、固定ナット56の異常な螺合を解消する措置がとられる(ステップS9)。例えば、切削装置2のオペレーターは、切削ユニット38Aを点検し、必要に応じて固定ナット56を手作業で取り外す。なお、固定ナット保持部150を固定ナット56の締め付け時とは逆方向に回転させることにより、固定ナット56をボス部52から取り外してもよい。
【0167】
固定ナット56の異常な螺合が解消された後、改めて固定ナット保持部150が初期位置に配置され(ステップS1)、固定ナット56の装着が再開される。また、固定ナット56がオペレーターの手作業によって取り外された場合には、オペレーターは続けて固定ナット56を手作業でボス部52に正しく螺合させてもよい。
【0168】
以上の通り、本実施形態に係る切削装置2は、ブレードマウント50のボス部52に形成された雄ねじ部52aに固定ナット56を螺合させた際における、固定ナット56の螺合状態を判定する制御部74(判定部210)を備える。これにより、切削装置2で被加工物11を加工する際に、切削ブレード44が固定ナット56によって適切に固定されているか否かを確認することが可能となる。その結果、切削ブレード44の固定が不十分な状態で切削加工が実施されることを回避でき、被加工物11の加工不良や切削ブレード44の破損の発生が防止される。
【0169】
なお、上記実施形態においては、モータ142のトルクが閾値Tthに達した際にセンサ200によって検出された情報に基づいて固定ナット56の螺合状態が判定される場合について説明した。ただし、判定部210は他の情報に基づいて固定ナット56の螺合状態を判定することもできる。
【0170】
例えば、固定ナット保持部150及び固定ナット56の回転は、ボス部52に正常に螺合した固定ナット56が固定位置に到達したとき、又は、ボス部52に適切に螺合していない固定ナット56が雄ねじ部52aに締め付けられた際に、強制的に停止される。そのため、固定ナット56の回転が停止した際(モータ142の回転速度がゼロになった際)にセンサ200が検出した情報に基づいて、固定ナット56の螺合状態を判定することもできる。
【0171】
その他、上記実施形態に係る構造、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
【符号の説明】
【0172】
11 被加工物
13 テープ(ダイシングテープ)
15 フレーム
2 切削装置
4 基台
4a,4b,4c 開口
6 カセット保持台
8 カセット
10 移動機構
10a 移動テーブル
12 防塵防滴カバー
14 チャックテーブル(保持テーブル)
14a 保持面
16 クランプ
18 ガイドレール
20 第1支持構造
22 レール
24 移動機構
26 保持ユニット
26a 把持機構
28 レール
30 移動機構
32 保持ユニット
34 第2支持構造
36A,36B 移動機構
38A,38A 切削ユニット
40 ハウジング
42 スピンドル
42a ねじ穴
44 切削ブレード
44a 貫通孔(開口)
46 基台
46a 表面(第1面)
46b 裏面(第2面)
48 切り刃
50 ブレードマウント
50a 貫通孔(開口)
52 ボス部(支持軸)
52a 雄ねじ部(ねじ溝)
54 フランジ部
54a 表面
54b 凸部
54c 支持面
56 固定ナット
56a 貫通孔(開口)
56b 貫通孔
56c 支持面
58 ねじ
58a 凹部
60 撮像ユニット
62 洗浄ユニット
64 スピンナテーブル
66 ノズル
68 ブレード交換ユニット
70 表示部(表示ユニット、表示装置)
72 表示灯(警告灯)
74 制御部(制御ユニット、制御装置)
80 移動部
82 基台
84 ボールねじ
86 ガイドレール
90 交換装置(交換機構)
92 基台
92a 上壁
92b 側壁
92c 支持台
94 移動ブロック
94a ナット部
96 接続部
100 着脱ユニット(着脱機構)
110A,110B ブレード着脱ユニット(ブレード着脱機構)
112 モータ
114 筐体
116 回転軸(出力軸)
118 ガイドレール
120 ブレード保持部(ブレード保持ユニット)
122 支持部材
124A,124B ブレード把持部(ブレード把持ユニット)
126 保持部
126a 表面
128 位置決めピン
130 把持部材
132 接続部材
134 直動アクチュエータ
140A,140B ナット着脱ユニット(ナット着脱機構)
142 モータ
144 筐体
146 回転軸(出力軸)
148 ガイドレール
148a 制止部
150 固定ナット保持部(固定ナット保持ユニット)
152 回転部材
152a 表面
154 保持ピン
156 把持部材
156a 爪部
158 カバー
160 接続部材
162 直動アクチュエータ
164 シリンダ
164a 開口
166 ピストン
168A 第1室
168B 第2室
170A 第1流路
170B 第2流路
172 ロッド
180A,180B ブレード保管部(ブレードラック)
182 支持構造
184 回転軸
186 支持部材
186a 表面
186b 裏面
188 保管部
190 ボス部(支持軸)
200 センサ
210 判定部
210a トルク比較部
210b 螺合判定部
212 記憶部
212a 閾値記憶部
214 報知部
216 報知制御部