(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】電力使用量を管理するために人工知能を使用するデータ処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 12/00 20060101AFI20241125BHJP
G06F 12/06 20060101ALI20241125BHJP
【FI】
G06F12/00 550E
G06F12/06 522A
(21)【出願番号】P 2020119607
(22)【出願日】2020-07-13
【審査請求日】2023-06-22
(31)【優先権主張番号】10-2019-0169428
(32)【優先日】2019-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】310024033
【氏名又は名称】エスケーハイニックス株式会社
【氏名又は名称原語表記】SK hynix Inc.
【住所又は居所原語表記】2091, Gyeongchung-daero,Bubal-eub,Icheon-si,Gyeonggi-do,Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 峻瑞
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-167700(JP,A)
【文献】特開2013-037746(JP,A)
【文献】特開2008-257690(JP,A)
【文献】特開2014-182696(JP,A)
【文献】特開2012-027934(JP,A)
【文献】特開2014-078251(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03282364(EP,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0122778(US,A1)
【文献】特開2018-156573(JP,A)
【文献】国際公開第2018/193608(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0244960(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 12/00
G06F 12/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性特性を有する第1のメモリ装置を備え、ホストから伝達された複数の累積コマンド及びそれに対応する複数の累積アドレスに対する動作パターンを分析するために、人工知能(AI)演算を行って分析情報を生成する少なくとも1つ以上の第1のメモリシステムと、
前記第1のメモリ装置より遅い動作速度
及び揮発性特性を有する第2のメモリ装置を備え、前記分析情報に応答して前記第2のメモリ装置に対するアクセスを選択的に遮断する少なくとも1つ以上の第2のメモリシステムと、
前記第2のメモリ装置より遅い動作速度及び不揮発性特性を有する第3のメモリ装置を備え、前記分析情報に応答して前記第3のメモリ装置に対する電力供給を選択的に遮断する少なくとも1つ以上の第3のメモリシステムと、
を備え
、
前記第1のメモリシステムは、不揮発性特性を有する第4のメモリ装置をさらに備え、 前記ホストから前記第1ないし第3のメモリシステムの各々に伝達されたコマンド及びアドレスに対するソース情報を前記第4のメモリ装置に累積格納して前記累積コマンド及び前記累積アドレスを生成し、前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行って前記分析情報を生成し、生成された前記分析情報を前記第4のメモリ装置に格納するデータ処理システム。
【請求項2】
前記第1のメモリシステムは、
前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記ホストとのデータ送信帯域幅(bandwidth)が第1基準以下である第1の区間と予測される場合、前記第2のメモリシステムが前記第2のメモリ装置に対するアクセスを遮断するように値が設定された前記分析情報を生成する請求項
1に記載のデータ処理システム。
【請求項3】
前記第1のメモリシステムは、
前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記ホストとのデータ送信帯域幅が前記第1基準を超過する第2の区間と予測される場合、前記第2のメモリシステムが前記第2のメモリ装置に対するアクセスを許容するように値が設定された前記分析情報を生成する請求項
2に記載のデータ処理システム。
【請求項4】
前記第1のメモリシステムは、
前記第1及び第2の区間の各々で前記ホストから伝達されたコマンド及びアドレスに応答して前記ホストからのアクセス要請データを前記第1のメモリ装置で処理する請求項
3に記載のデータ処理システム。
【請求項5】
前記第2のメモリシステムは、
前記第1の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記第2のメモリ装置に格納されたデータを維持させる動作を行う休眠(sleep)モードに進入した後、前記休眠モードの進入を前記ホストに通知する請求項
4に記載のデータ処理システム。
【請求項6】
前記第2のメモリシステムは、
前記第2の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記休眠モードから脱出した後、前記休眠モードの脱出を前記ホストに通知し、前記ホストから伝達されたコマンド及びアドレスに応答して前記ホストからのアクセス要請データを前記第2のメモリ装置で処理する請求項
5に記載のデータ処理システム。
【請求項7】
前記第1のメモリシステムは、
前記第1の区間で前記第1のメモリ装置に格納されたデータの中で前記ホストからのアクセス頻度(access frequency)が第2基準以下である第1のコールド(cold)データが確認される場合、前記第2のメモリシステムが前記第2のメモリ装置に対するアクセスを第3の区間の間、許容するように値が設定された前記分析情報を生成し、前記第3の区間で前記第1のコールドデータを前記第2のメモリシステムに伝達した後、前記第1のコールドデータを前記第1のメモリ装置から削除する請求項
6に記載のデータ処理システム。
【請求項8】
前記第2のメモリシステムは、
前記第3の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記休眠モードから脱出した後、前記第1のメモリシステムから伝達された前記第1のコールドデータを前記第2のメモリ装置に格納し、前記第1のコールドデータの格納が完了することに応答して前記休眠モードに進入し、前記第3の区間で行う前記休眠モードの脱出/進入を前記ホストに通知しない請求項
7に記載のデータ処理システム。
【請求項9】
前記第1のメモリシステムは、
前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記第3のメモリシステムに対する前記ホストからのアクセス頻度が第3基準以下である第4の区間と予測される場合、前記第3のメモリシステムが前記第3のメモリ装置に対する電力供給を遮断するように値が設定された前記分析情報を生成する請求項
8に記載のデータ処理システム。
【請求項10】
前記第1のメモリシステムは、
前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記第3のメモリシステムに対する前記ホストからのアクセス頻度が第3基準超過である第5の区間と予測される場合、前記第3のメモリシステムが前記第3のメモリ装置に対する電力供給を許容するように値が設定された前記分析情報を生成する請求項
9に記載のデータ処理システム。
【請求項11】
前記第3のメモリシステムは、
前記第4の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記第3のメモリ装置に対する電力供給を遮断する節電モードに進入し、前記第5の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記第3のメモリ装置に対する電力供給を許容する正常モードに進入し、
前記節電モードに進入した状態で前記ホストからコマンド及びアドレスが伝達される場合、伝達されたコマンド及びアドレスに対応するアクセス要請データを前記第3のメモリ装置で処理する間のみ前記節電モードから脱出し、処理後、前記節電モードに再度進入する請求項1
0に記載のデータ処理システム。
【請求項12】
前記第1のメモリシステムは、
前記第1の区間と前記第4の区間とが重なる第6の区間で前記第1のメモリ装置に格納されたデータの中で前記ホストからのアクセス頻度が第4基準以下である第2のコールドデータが確認される場合、前記第2のメモリ装置に対するアクセスと前記第3のメモリ装置に対する電力供給を前記第2及び第3のメモリシステムの各々が第7の区間の間、許容するように値が設定された前記分析情報を生成し、前記第7の区間で前記第2のコールドデータを前記第3のメモリシステムに伝達した後、前記第2のコールドデータを前記第1のメモリ装置から削除する請求項1
1に記載のデータ処理システム。
【請求項13】
前記第2のメモリシステムは、
前記第7の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記休眠モードから脱出した後、前記第2のメモリ装置に格納されたデータの中で前記第2のコールドデータが確認される場合、前記第2のコールドデータを前記第3のメモリシステムに伝達した後、前記第2のコールドデータを前記第2のメモリ装置から削除し、前記第2のコールドデータの削除が完了することに応答して前記休眠モードに進入し、前記第7の区間で行う前記休眠モードの脱出/進入を前記ホストに通知しない請求項1
2に記載のデータ処理システム。
【請求項14】
前記第3のメモリシステムは、
前記第7の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記節電モードから脱出した後、前記第1及び第2のメモリシステムのうち、少なくとも1つのシステムから伝達された前記第2のコールドデータを前記第3のメモリ装置に格納し、前記第2のコールドデータの格納が完了することに応答して前記節電モードに進入する請求項1
3に記載のデータ処理システム。
【請求項15】
前記第1のメモリシステムで初めて前記分析情報が生成される前の前記第1及び第2の区間の各々は、絶対的な時間の流れ及び前記ホストの要請に応じて進入可否が各々決定され、
以後の前記第1及び第2の区間の各々は、人工知能演算の実行結果及び前記ホストの要請に応じて進入可否が各々決定される請求項1
4に記載のデータ処理システム。
【請求項16】
前記第1のメモリシステムで初めて前記分析情報が生成される前の前記第4及び第5の区間の各々は、前記第3のメモリシステムの遊休(idle)状態可否及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定され、
以後の前記第4及び第5の区間の各々は、人工知能演算の実行結果及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定される請求項1
5に記載のデータ処理システム。
【請求項17】
前記ソース情報は、
前記ホストから前記第1ないし第3のメモリシステムの各々に伝達されたコマンドの種類情報と関係情報と入力時点情報及び入力順序情報を含み、前記ホストから前記第1ないし第3のメモリシステムの各々に伝達されたアドレスの位置情報と位置間隔情報及び位置変動情報を含む請求項
1に記載のデータ処理システム。
【請求項18】
前記第1のメモリシステムは、
自らに対する前記ホストからのアクセス頻度が第5基準以下と予測される第8の区間で前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行って前記分析情報を生成する請求項1
7に記載のデータ処理システム。
【請求項19】
前記第1のメモリシステムで初めて前記分析情報が生成される前の前記第8の区間は、前記第1のメモリシステムの遊休(idle)状態可否及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定され、
以後の前記第8の区間は、人工知能演算の実行結果及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定される請求項
18に記載のデータ処理システム。
【請求項20】
前記第1ないし第3のメモリシステムの各々は、
第1及び第2のインターフェースを備え、
前記第1のインターフェースを介して前記ホストと連結され、
前記第2のインターフェースを介して互いに連結される請求項
19に記載のデータ処理システム。
【請求項21】
前記第1のメモリシステムは、
第3のインターフェースをさらに備え、
前記第3のインターフェースを介して前記第4のメモリ装置と連結される請求項2
0に記載のデータ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリシステムに関し、具体的に、電力使用量を管理するために人工知能演算を使用するデータ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能(artificial intelligence、AI)は、人間の知能により可能な思考、学習、自己啓発などをコンピュータにより可能なようにすることができる方法を研究するコンピュータ工学及び情報技術の1つの分野であって、コンピュータが人間の知能的な行動を摸倣できるようにすることを意味する。
【0003】
このような人工知能の実現のために、データマイニング(Data Mining)のような学習アルゴリズムを使用してマシンラーニング(machine learning)動作を行う方式が使用され得る。
【0004】
ここで、データマイニングは、保有したデータを様々な観点で分析し、その結果を有用な情報に組み合わせる動作を意味する。例えば、データマイニングを介して膨大なデータ中に隠れていたパターンと相関性を統計的手法で識別して価値を与えることにより、膨大な量のデータ中に隠された情報や知識を導き出すことが可能である。
【0005】
また、マシンラーニングは、データマイニングのような学習アルゴリズムを使用して情報や知識を抽出した後、抽出された情報や知識を経験基盤として類似した状況の未来事件の結果を予測する動作を意味する。このとき、マシンラーニングは、種々の自体学習アルゴリズムを使用し、データが累積され、時間が経過するにつれて経験を蓄積しつつ、作業性能が向上することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、ホストから複数のメモリシステムの各々に伝達されるコマンド及びアドレスに対して人工知能演算を行って複数のメモリシステムの各々の動作を予測し、予測結果に応じて複数のメモリシステムの各々の動作モードを制御し、複数のメモリシステムの全体の電力使用量を管理できるデータ処理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係るデータ処理システムは、第1のメモリ装置を備え、ホストから伝達された複数の累積コマンド及びそれに対応する複数の累積アドレスに対する動作パターンを分析するために、人工知能(AI)演算を行って分析情報を生成する少なくとも1つ以上の第1のメモリシステムと、前記第1のメモリ装置より遅い動作速度を有する第2のメモリ装置を備え、前記分析情報に応答して前記第2のメモリ装置に対するアクセスを選択的に遮断する少なくとも1つ以上の第2のメモリシステムとを備えることができる。
【0008】
また、前記第1及び第2のメモリ装置は、揮発性特性を有し、前記第2のメモリ装置より遅い動作速度及び不揮発性特性を有する第3のメモリ装置を備え、前記分析情報に応答して前記第3のメモリ装置に対する電力供給を選択的に遮断する少なくとも1つ以上の第3のメモリシステムをさらに備えることができる。
【0009】
また、前記第1のメモリシステムは、前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記ホストとのデータ送信帯域幅(bandwidth)が第1基準以下である第1の区間と予測される場合、前記第2のメモリシステムが前記第2のメモリ装置に対するアクセスを遮断するように値が設定された前記分析情報を生成できる。
【0010】
また、前記第1のメモリシステムは、前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記ホストとのデータ送信帯域幅が前記第1基準を超過する第2の区間と予測される場合、前記第2のメモリシステムが前記第2のメモリ装置に対するアクセスを許容するように値が設定された前記分析情報を生成できる。
【0011】
また、前記第1のメモリシステムは、前記第1及び第2の区間の各々で前記ホストから伝達されたコマンド及びアドレスに応答して前記ホストからのアクセス要請データを前記第1のメモリ装置で処理することができる。
【0012】
また、前記第2のメモリシステムは、前記第1の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記第2のメモリ装置に格納されたデータを維持させる動作を行う休眠(sleep)モードに進入した後、前記休眠モードの進入を前記ホストに通知することができる。
【0013】
また、前記第2のメモリシステムは、前記第2の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記休眠モードから脱出した後、前記休眠モードの脱出を前記ホストに通知し、前記ホストから伝達されたコマンド及びアドレスに応答して前記ホストからのアクセス要請データを前記第2のメモリ装置で処理することができる。
【0014】
また、前記第1のメモリシステムは、前記第1の区間で前記第1のメモリ装置に格納されたデータの中で前記ホストからのアクセス頻度(access frequency)が第2基準以下である第1のコールド(cold)データが確認される場合、前記第2のメモリシステムが前記第2のメモリ装置に対するアクセスを第3の区間の間、許容するように値が設定された前記分析情報を生成し、前記第3の区間で前記第1のコールドデータを前記第2のメモリシステムに伝達した後、前記第1のコールドデータを前記第1のメモリ装置から削除することができる。
【0015】
また、前記第2のメモリシステムは、前記第3の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記休眠モードから脱出した後、前記第1のメモリシステムから伝達された前記第1のコールドデータを前記第2のメモリ装置に格納し、前記第1のコールドデータの格納が完了することに応答して前記休眠モードに進入し、前記第3の区間で行う前記休眠モードの脱出/進入を前記ホストに通知しないことができる。
【0016】
また、前記第1のメモリシステムは、前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記第3のメモリシステムに対する前記ホストからのアクセス頻度が第3基準以下である第4の区間と予測される場合、前記第3のメモリシステムが前記第3のメモリ装置に対する電力供給を遮断するように値が設定された前記分析情報を生成できる。
【0017】
また、前記第1のメモリシステムは、前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行った結果、前記第3のメモリシステムに対する前記ホストからのアクセス頻度が第3基準超過である第5の区間と予測される場合、前記第3のメモリシステムが前記第3のメモリ装置に対する電力供給を許容するように値が設定された前記分析情報を生成できる。
【0018】
また、前記第3のメモリシステムは、前記第4の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記第3のメモリ装置に対する電力供給を遮断する節電モードに進入し、前記第5の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記第3のメモリ装置に対する電力供給を許容する正常モードに進入し、前記節電モードに進入した状態で前記ホストからコマンド及びアドレスが伝達される場合、伝達されたコマンド及びアドレスに対応するアクセス要請データを前記第3のメモリ装置で処理する間のみ前記節電モードから脱出し、処理後、前記節電モードに再度進入することができる。
【0019】
また、前記第1のメモリシステムは、前記第1の区間と前記第4の区間とが重なる第6の区間で前記第1のメモリ装置に格納されたデータの中で前記ホストからのアクセス頻度が第4基準以下である第2のコールドデータが確認される場合、前記第2のメモリ装置に対するアクセスと前記第3のメモリ装置に対する電力供給を前記第2及び第3のメモリシステムの各々が第7の区間の間、許容するように値が設定された前記分析情報を生成し、前記第7の区間で前記第2のコールドデータを前記第3のメモリシステムに伝達した後、前記第2のコールドデータを前記第1のメモリ装置から削除することができる。
【0020】
また、前記第2のメモリシステムは、前記第7の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記休眠モードから脱出した後、前記第2のメモリ装置に格納されたデータの中で前記第2のコールドデータが確認される場合、前記第2のコールドデータを前記第3のメモリシステムに伝達した後、前記第2のコールドデータを前記第2のメモリ装置から削除し、前記第2のコールドデータの削除が完了することに応答して前記休眠モードに進入し、前記第7の区間で行う前記休眠モードの脱出/進入を前記ホストに通知しないことができる。
【0021】
また、前記第3のメモリシステムは、前記第7の区間の進入に対応する前記分析情報に応答して前記節電モードから脱出した後、前記第1及び第2のメモリシステムのうち、少なくとも1つのシステムから伝達された前記第2のコールドデータを前記第3のメモリ装置に格納し、前記第2のコールドデータの格納が完了することに応答して前記節電モードに進入することができる。
【0022】
また、前記第1のメモリシステムで初めて前記分析情報が生成される前の前記第1及び第2の区間の各々は、絶対的な時間の流れ及び前記ホストの要請に応じて進入可否が各々決定され、以後の前記第1及び第2の区間の各々は、人工知能演算の実行結果及び前記ホストの要請に応じて進入可否が各々決定され得る。
【0023】
また、前記第1のメモリシステムで初めて前記分析情報が生成される前の前記第4及び第5の区間の各々は、前記第3のメモリシステムの遊休(idle)状態可否及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定され、以後の前記第4及び第5の区間の各々は、人工知能演算の実行結果及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定され得る。
【0024】
また、前記第1のメモリシステムは、不揮発性特性を有する第4のメモリ装置をさらに備え、前記ホストから前記第1ないし第3のメモリシステムの各々に伝達されたコマンド及びアドレスに対するソース情報を前記第4のメモリ装置に累積格納して前記累積コマンド及び前記累積アドレスを生成し、前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行って前記分析情報を生成し、生成された前記分析情報を前記第4のメモリ装置に格納することができる。
【0025】
また、前記ソース情報は、前記ホストから前記第1ないし第3のメモリシステムの各々に伝達されたコマンドの種類情報と関係情報と入力時点情報及び入力順序情報を含み、前記ホストから前記第1ないし第3のメモリシステムの各々に伝達されたアドレスの位置情報と位置間隔情報及び位置変動情報を含むことができる。
【0026】
また、前記第1のメモリシステムは、自らに対する前記ホストからのアクセス頻度が第5基準以下と予測される第8の区間で前記累積コマンド及び前記累積アドレスに対して人工知能演算を行って前記分析情報を生成できる。
【0027】
また、前記第1のメモリシステムで初めて前記分析情報が生成される前の前記第8の区間は、前記第1のメモリシステムの遊休(idle)状態可否及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定され、以後の前記第8の区間は、人工知能演算の実行結果及び前記ホストの要請に応じて進入可否が決定され得る。
【0028】
また、前記第1ないし第3のメモリシステムの各々は、第1及び第2のインターフェースを備え、前記第1のインターフェースを介して前記ホストと連結され、前記第2のインターフェースを介して互いに連結されることができる。
【0029】
また、前記第1のメモリシステムは、第3のインターフェースをさらに備え、前記第3のインターフェースを介して前記第4のメモリ装置と連結されることができる。
【発明の効果】
【0030】
本技術は、ホスト及び複数のメモリシステムを備えるデータ処理システムにおいて、ホストから複数のメモリシステムの各々に伝達されるコマンド及びアドレスを累積した後、累積されたコマンド及びアドレスに対して人工知能演算を行ってホストから複数のメモリシステムの各々に伝達されるコマンド及びアドレスの未来動作パターンを予測できる。予測された結果に基づいて複数のメモリシステムの各々の動作モードを制御し、複数のメモリシステム全体で使用される電力使用量を最小化できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】メモリ装置で使用される複数のコマンドに対する動作パターンを説明するために示した図である。
【
図2A】本発明の実施形態に係るデータ処理システムの一例を示した図である。
【
図2B】本発明の実施形態に係るデータ処理システムの他の例を示した図である。
【
図3A】
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第1のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【
図3B】
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第1のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【
図3C】
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第1のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【
図4】
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第2のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【
図5】
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第3のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を説明する。しかしながら、本発明は、以下において開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で構成されることができ、ただし、本実施形態は、本発明の開示が完全なようにし、通常の知識を有する者に本発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。
【0033】
図1は、メモリ装置で使用される複数のコマンドに対する動作パターンを説明するために示した図である。
【0034】
まず、
図1において例示されたメモリ装置は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)であり、SRAM(Static RAM)などのような揮発性メモリ装置と、ROM(Read Only Memory)、MROM(Mask ROM)、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable ROM)、FRAM(登録商標)(Ferromagnetic ROM)、PRAM(Phase change RAM)、MRAM(Magnetic RAM)、RRAM(登録商標)(Resistive RAM)、フラッシュメモリなどのような不揮発性メモリ装置も
図1において例示されたDRAMと同様に複数のコマンドが使用され得る。
【0035】
図1に示すように、メモリ装置で使用されるコマンドの種類は、リフレッシュコマンド(REF)と、アクティブコマンド(ACT)と、リードコマンド(RD)と、ライトコマンド(WR)と、プリチャージコマンド(PRE)とがありうる。ここで、リフレッシュコマンド(REF)は、DRAMのリフレッシュ動作を制御するためのコマンドでありうる。また、アクティブコマンド(ACT)及びプリチャージコマンド(PCG)は、DRAMのアクティブ動作及びプリチャージ動作を制御するためのコマンドでありうる。また、リードコマンド(RD)及びライトコマンド(WR)は、DRAMの読み出し動作及び書き込み動作を制御するためのコマンドでありうる。
【0036】
そして、複数のコマンドの各々は、クロック(CLOCK)の値(2792171000、2792177340、2792177357、2792177414、2792177672、2792177689)に応じてコマンドの入力時点と入力順序に関する情報を分かることができる。例えば、コマンドの入力時点と入力順序に関する情報は、2つのコマンドが互いに異なる時点に入力されることを基準に、図面のような複数のパラメータ(tRFC、tRAS、tRRD、tRCD、tCCDL、tWR、tRP)を介して定義されることができる。
【0037】
そして、複数のコマンドの各々には、対応するアドレス情報(ADDRESS FIELDS)が含まれ得る。このとき、アドレス情報(ADDRESS FIELDS)の値(0、--、--/0、6、1730/0、6、400/0、6、400/0、6、--/0、6、1730)を介してアドレスが指す位置と位置間隔及び位置変動に関する情報を分かることができる。ここで、アドレス情報が「--」に表現された部分は、コマンドの種類によって特定アドレス情報が含まれないこともあるということを意味する。
【0038】
前述したように、メモリ装置で使用される複数のコマンドは、どの時点でどの種類がどの順序で入力されるかによって非常に様々な動作パターンに区分することができる。また、複数のコマンドに対応するアドレス情報の値を介して、複数のコマンドの各々がメモリ装置のどの位置にアクセスするためのコマンドであり、入力時点の差によって位置間隔及び位置変動がどのように発生したかを非常に様々な動作パターンに区分することができる。
【0039】
このように、複数のコマンドを介して分類可能な様々な動作パターンは、その個数が非常に多いだけでなく、メモリ装置の動作環境によって予測不可能な方式に拡張されるか、変わることができる。例えば、メモリ装置の寿命によってリフレッシュ動作の繰り返し回数または繰り返し間隔などが変わることができる。
【0040】
そのため、複数のコマンドを累積した後、累積されたコマンドに対する動作パターンを分析してメモリ装置の未来動作を予測しようとする試みは続いていたが、設計者によって予め定義された方式で複数の累積されたコマンドに対する動作パターンを分析することは限界があった。
【0041】
したがって、本発明では、人工知能演算を介して複数の累積されたコマンドに対する動作パターンを分析してメモリ装置の未来動作を予測し、それにより、メモリ装置を備えるメモリシステム及び複数のメモリシステムを備えるデータ処理システムの電力使用量を管理する動作を提案する。
【0042】
一方、本発明において提案する人工知能演算には、クラスタリング(clustering)アルゴリズムを使用することができる。すなわち、メモリ装置でコマンドの個数が十分に累積されれば、累積されたコマンドのうち、類似した特性を有するコマンドを人工知能演算を介して群集化して複数の群集に区分することができる。このとき、累積されたコマンドに対する複数の群集は、累積されたコマンドに対する複数の動作パターンに対応すると見ることができる。
【0043】
このように、複数の群集を区分した後には、新しく入力されるコマンドの動作パターンがどの群集に含まれるか、またはどの群集に近いかなどを確認できる。すなわち、人工知能演算を介して累積されたコマンドに対する動作パターンを複数の群集に区分することができ、それ以後には、新しく入力されるコマンドの動作パターンを複数の群集を基準に把握することが可能である。
【0044】
例えば、11340個のコマンド動作パターンを含むメモリ装置の場合、11340個のコマンド動作パターンに対してk-平均クラスタリング(k-means clustering)を行って97個の群集に区分することができ、97個の群集に区分された後、新しく入力されたコマンドの動作パターンがどの群集に含まれるか、または近いかなどを把握してメモリ装置の未来動作を予測できる。
【0045】
参考として、本発明において提案する人工知能演算でクラスタリング動作は、k-平均クラスタリング(k-means clustering)だけでなく、階層的クラスタリング(Hierarchical Clustering)のような他の方式のクラスタリング動作もいくらでも含むことができる。また、本発明において提案する人工知能演算は、クラスタリング動作に限定されず、他の方式の人工知能演算もいくらでも使用可能である。
【0046】
そして、
図1において例示されたコマンドの種類、すなわち、リフレッシュコマンド(REF)と、アクティブコマンド(ACT)と、リードコマンド(RD)と、ライトコマンド(WR)と、プリチャージコマンド(PRE)とは、メモリ装置の種類がDRAMということを仮定して例示したものである。そのため、メモリ装置の種類がDRAMでない他の種類である場合、コマンドの種類も大きく変わることができる。ただし、いかなる種類のメモリ装置であるとしても、使用されるコマンドの種類は、
図1に例示されたように複数個でありうる。したがって、人工知能演算を介して複数の累積されたコマンドに対する動作パターンを分析し、メモリ装置の未来動作を予測する本発明のアイデアは、メモリ装置の種類に限定されないことができる。
【0047】
図2Aは、本発明の実施形態に係るデータ処理システムの一例を示した図である。
【0048】
図2Bは、本発明の実施形態に係るデータ処理システムの他の例を示した図である。
【0049】
まず、
図2Aに示すように、本発明の実施形態に係るデータ処理システムは、ホスト10及び複数のメモリシステム20、30、40を備えることができる。ここで、複数のメモリシステム20、30、40は、少なくとも1つ以上の第1のメモリシステム20と、少なくとも1つ以上の第2のメモリシステム30、及び少なくとも1つ以上の第3のメモリシステム40を備えることができる。参考として、図面では、データ処理システムに1個の第1のメモリシステム20と1個の第2のメモリシステム30、及び1個の第3のメモリシステム40が備えられたことと例示されたが、これは、説明の便宜のためのものであり、実際には、より多くの個数の第1ないし第3のメモリシステム20、30、40がデータ処理システムに備えられることができる。
【0050】
具体的に、第1のメモリシステム20は、第1のメモリ装置202を備え、ホスト10から伝達された複数の累積コマンドSCMD<1:3>及びそれに対応する累積アドレスSADD<1:3>に対する動作パターンを分析するために、人工知能(artificial intelligence、AI)演算を行って分析情報ANSDTを生成できる。
【0051】
そして、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302を備え、第1のメモリシステム20で生成された分析情報ANSDTに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを選択的に遮断することができる。
【0052】
そして、第3のメモリシステム40は、第3のメモリ装置402を備え、第1のメモリシステム20で生成された分析情報ANSDTに応答して第3のメモリ装置402に対する電力供給を選択的に遮断することができる。
【0053】
より具体的に、第1のメモリシステム20は、第1のコントローラ201と、第4のメモリ装置205と、第1のホストインターフェース203と、第1のシステムインターフェース204とをさらに備えることができる。
【0054】
そして、第2のメモリシステム30は、第2のコントローラ301と、第2のホストインターフェース303と、第2のシステムインターフェース304とをさらに備えることができる。
【0055】
そして、第3のメモリシステム40は、第3のコントローラ401と、第3のホストインターフェース403と、第3のシステムインターフェース404とをさらに備えることができる。
【0056】
ここで、第1のメモリシステム20に備えられた第1のコントローラ201は、ホスト10からの要請に応答して第1のメモリ装置202の動作を制御できる。例えば、第1のコントローラ201は、ホスト10から伝達されたリードコマンドに応答して第1のメモリ装置202から読み出されたデータをホスト10に伝達し、ホスト10から伝達されたライトコマンドに応答してホスト10から伝達されたデータを第1のメモリ装置202に格納することができる。
【0057】
同様に、第2のメモリシステム30に備えられた第2のコントローラ301は、ホスト10からの要請に応答して第2のメモリ装置302の動作を制御できる。例えば、第2のコントローラ301は、ホスト10から伝達されたリードコマンドに応答して第2のメモリ装置302から読み出されたデータをホスト10に伝達し、ホスト10から伝達されたライトコマンドに応答してホスト10から伝達されたデータを第2のメモリ装置302に格納することができる。
【0058】
また、第3のメモリシステム40に備えられた第3のコントローラ401は、ホスト10からの要請に応答して第3のメモリ装置402の動作を制御できる。例えば、第3のコントローラ401は、ホスト10から伝達されたリードコマンドに応答して第3のメモリ装置402から読み出されたデータをホスト10に伝達し、ホスト10から伝達されたライトコマンドに応答してホスト10から伝達されたデータを第3のメモリ装置402に格納することができる。
【0059】
そして、第1のメモリシステム20に備えられた第1のメモリ装置202は、第2のメモリシステム30に備えられた第2のメモリ装置302より速い動作速度を有することができる。すなわち、第1のメモリ装置202は、第2のメモリ装置302より速い速度でデータを書き込み及び読み出しすることができる。また、第2のメモリ装置302は、第3のメモリシステム40に備えられた第3のメモリ装置402より速い動作速度を有することができる。すなわち、第2のメモリ装置302は、第3のメモリ装置402より速い速度でデータを書き込み及び読み出しすることができる。このとき、第1及び第2のメモリ装置202、302は、揮発性メモリ装置でありうる。そして、第3のメモリ装置402は、不揮発性メモリ装置でありうる。
【0060】
例えば、第1及び第2のメモリ装置202、302は、DRAM及びSRAMなどのような揮発性メモリ装置でありうる。そして、第3のメモリ装置402は、ROM、MROM、PROM、EPROM、EEPROM、FRAM、PRAM、MRAM、RRAM、フラッシュメモリなどのような不揮発性メモリ装置でありうる。
【0061】
そして、第1のメモリシステム20に備えられた第1のホストインターフェース203は、第1のメモリシステム20をホスト10と連結するための構成要素であって、ホスト10との間でコマンドCMD1と、アドレスADD1、及びデータDATA1などを伝達する動作を行うことができる。
【0062】
同様に、第2のメモリシステム30に備えられた第2のホストインターフェース303は、第2のメモリシステム30をホスト10と連結するための構成要素であって、ホスト10との間でコマンドCMD2と、アドレスADD2、及びデータDATA2などを伝達する動作を行うことができる。
【0063】
また、第3のメモリシステム40に備えられた第3のホストインターフェース403は、第3のメモリシステム40をホスト10と連結するための構成要素であって、ホスト10との間でコマンドCMD3と、アドレスADD3、及びデータDATA3などを伝達する動作を行うことができる。
【0064】
そして、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40は、互いに直接的に連結されて、ホスト10を経ずに、種々の情報またはデータANSDT、SCDT<2:3>、CLDT<1:2>を伝達できる。
【0065】
すなわち、第1のメモリシステム20に備えられた第1のシステムインターフェース204は、第1のメモリシステム20を第2のメモリシステム30及び第3のメモリシステム40と連結するための構成要素であって、第2及び第3のメモリシステム30、40との間で分析情報ANSDTと、ソース情報SCDT<2:3>、及びコールドデータCLDT<1:2>などを伝達する動作を行うことができる。
【0066】
同様に、第2のメモリシステム30に備えられた第2のシステムインターフェース304は、第2のメモリシステム30を第1のメモリシステム20及び第3のメモリシステム40と連結するための構成要素であって、第1及び第3のメモリシステム20、40との間で分析情報ANSDTと、ソース情報SCDT<2:3>、及びコールドデータCLDT<1:2>などを伝達する動作を行うことができる。
【0067】
また、第3のメモリシステム40に備えられた第3のシステムインターフェース404は、第3のメモリシステム40を第1のメモリシステム20及び第2のメモリシステム30と連結するための構成要素であって、第1及び第2のメモリシステム20、30との間で分析情報ANSDTと、ソース情報SCDT<2:3>、及びコールドデータCLDT<1:2>などを伝達する動作を行うことができる。
【0068】
そして、第1のメモリシステム20に備えられた第1のコントローラ201は、人工知能演算を行うことができる装置または回路またはプログラムを内蔵できる。例えば、図面に直接図示されてはいないが、第1のコントローラ201には、人工知能演算を行うことができるプロセッサが内蔵されていることができる。すなわち、第1のコントローラ201は、人工知能演算を行うことができる装置または回路またはプログラムを内蔵することにより、ホスト10から伝達された複数の累積コマンドSCMD<1:3>及びそれに対応する累積アドレスSADD<1:3>に対する動作パターンを分析するために人工知能演算を行うことができる。このとき、人工知能演算の対象である複数の累積コマンドSCMD<1:3>と累積アドレスSADD<1:3>とは、ホスト10から第1のメモリシステム20に伝達されるコマンドCMD1とアドレスADD1に対するソース情報SCDT<1>、ホスト10から第2のメモリシステム30に伝達されるコマンドCMD2とアドレスADD2に対するソース情報SCDT<2>、ホスト10から第3のメモリシステム40に伝達されるコマンドCMD3とアドレスADD3に対するソース情報SCDT<3>を累積して生成することができる。すなわち、第1のコントローラ201は、ホスト10から自らが含まれた第1のメモリシステム20に伝達されたコマンドCMD1とアドレスADD1に対するソース情報SCDT<1>だけでなく、ホスト10から第2及び第3のメモリシステム30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<2:3>とアドレスADD<2:3>に対するソース情報SCDT<2:3>とを累積して累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>を生成した後、生成された累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>に対する動作パターンを分析するために人工知能演算を行うことができる。このとき、第2及び第3のメモリシステム30、40の各々は、ホスト10から伝達されたコマンドCMD<2:3>とアドレスADD<2:3>に対するソース情報SCDT<2:3>を第1のコントローラ201に提供することができる。
【0069】
ここで、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドに対するソース情報SCDT<1:3>は、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>の種類を表す種類情報と、伝達されたコマンドが他のコマンドとどの関係であるかを表す関係情報と、伝達されたコマンドが入力された絶対的なまたは相対的な時点を表す入力時点情報と、伝達されたコマンドが入力された絶対的なまたは相対的な順序を表す入力順序情報とを含むことができる。このとき、伝達されたコマンドと他のコマンドとの関係は、伝達されたコマンドが入力される時点の以前時点または以後時点で入力されるコマンドでありうる。
【0070】
また、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドに対するソース情報SCDT<1:3>は、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたアドレスが指す絶対的なまたは相対的な位置を表す位置情報と、伝達されたアドレスが他のアドレスと絶対的にまたは相対的にある程度の位置差を有するかを表す位置間隔情報と、伝達されたアドレスが他のアドレスと絶対的にまたは相対的にある程度位置変動があったかを表す位置変動情報とを含むことができる。このとき、伝達されたアドレスと他のアドレスとの関係は、伝達されたアドレスが入力される時点の以前時点または以後時点で入力されるアドレスでありうる。
【0071】
まとめると、第1のコントローラ201は、ホスト10からの要請に応じて第1のメモリ装置202の動作を制御する動作を行うことができるだけでなく、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40に伝達された複数のコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>に対するソース情報SCDT<1:3>を累積して累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>を生成でき、累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>に対する動作パターンを分析するために、人工知能演算を行って分析情報ANSDTを生成できる。
【0072】
そして、第1のメモリシステム20に備えられた第4のメモリ装置205は、第1のコントローラ201で人工知能演算を行うとき、ソース(source)になるデータ、すなわち、累積コマンドSCMD<1:3>と累積アドレスSADD<1:3>とを格納するために使用されることができる。また、第1のメモリシステム20に備えられた第4のメモリ装置205は、第1のコントローラ201で人工知能演算を行った結果生成されたデータ、すなわち、分析情報ANSDTを格納するために使用されることができる。このとき、第1のコントローラ201は、ホスト10の要請と関係なく、第4のメモリ装置205の動作を制御できる。すなわち、第4のメモリ装置205は、第1のコントローラ201で独占的に使用されるメモリ装置であって、ホスト10では、第4のメモリ装置205の存在を知らないことがある。
【0073】
そして、第4のメモリ装置205は、不揮発性特性を有するメモリ装置でありうる。すなわち、第1のメモリシステム20の電源がオフ(off)される場合にも、第4のメモリ装置205に格納された人工知能演算で使用される情報またはデータANSDT、CMD<1:3>、ADD<1:3>は削除されないことができる。したがって、人工知能演算で使用される情報またはデータANSDT、CMD<1:3>、ADD<1:3>は、第1のメモリシステム20の電源のオン/オフ(on/off)と関係なく、動作時間が長くなるほど、より多く生成されて、第4のメモリ装置205に累積格納されることができる。
【0074】
図2Bに示すように、
図2Aとは異なり、第4のメモリ装置205が第1のメモリシステム20の外部から連結されることが分かる。すなわち、第1のメモリシステム20は、内部に別のインターフェース206を備え、これを介して第4のメモリ装置205と連結されることができる。
【0075】
まとめると、第4のメモリ装置205は、
図2Aに例示されたように、第1のメモリシステム20の内部に備えられて動作することができ、
図2Bに例示されたように、第1のメモリシステム20の外部から第1のメモリシステム20に連結されて動作することもできる。
【0076】
一方、第1のコントローラ201で生成された分析情報ANSDTは、第2のコントローラ301及び第3のコントローラ401に伝達されることができる。第2のコントローラ301は、分析情報ANSDTに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを選択的に遮断することができる。第3のコントローラ401は、分析情報ANSDTに応答して第3のメモリ装置402に対する電力供給を選択的に遮断することができる。
【0077】
ここで、第2のメモリ装置302は、揮発性特性を有するメモリ装置であるため、第2のコントローラ301で第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断する動作を介して第2のメモリ装置302で消費する電力を減らすことができる。例えば、第2のコントローラ301は、第2のメモリ装置302を休眠(sleep)モードに進入させる動作を介して第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断できる。このとき、休眠モードに進入した第2のメモリ装置302の場合、内部に格納されたデータを維持する動作のみ、例えば、リフレッシュ(refresh)動作のみ行い、データを読み出し/書き込みするアクセス動作を行うことに比べて消費される電力が非常に小さいことがある。
【0078】
また、第3のメモリ装置402は、不揮発性特性を有するメモリ装置であるため、第3のコントローラ401で第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断する動作を介して第3のメモリ装置402で電力を消費しないようにすることができる。このとき、第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断した状態でデータを読み出し/書き込みするアクセス動作を行うためには、電力供給をさらに再開するなどの追加的な動作が必要であるため、電力供給を遮断しなかった状態でアクセス動作を行うことより、さらに長い時間が必要でありうる。
【0079】
図3A~
図3Cは、
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第1のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【0080】
まず、
図3A~
図3Cに共に示すように、データ処理システムに備えられた第1のメモリシステム20は、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>に対するソース情報SCDT<1:3>を累積して累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>を生成した後、累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>に対する動作パターンを分析するために、人工知能演算を行って分析情報ANSDTを生成できる(S11)。
【0081】
前述した説明のように、第1のメモリシステム20は、累積コマンドSCMD<1:3>と累積アドレスSADD<1:3>とを先に生成した後、生成された累積コマンドSCMD<1:3>と累積アドレスSADD<1:3>とを使用して分析情報ANSDTを生成できる。また、第1のメモリシステム20は、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>のソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されたとき、累積コマンドSCMD<1:3>と累積アドレスSADD<1:3>とを生成できる。したがって、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>のソース情報SCDT<1:3>が十分に累積される前には、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTを生成できないことがある。
【0082】
また、第1のメモリシステム20で人工知能演算を行って分析情報ANSDTが生成されたとは、人工知能演算を介して第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の未来動作を予測するということを意味できる。したがって、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTを生成した後には、人工知能演算を介して予測された未来動作を基準に、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々の動作が制御され得る。
【0083】
それに対し、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTを生成できなかったとは、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の未来動作を予測できないことを意味できる。したがって、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTを生成する前には、予め約束された順序またはパターンまたは条件によって第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々の動作が制御され得る。
【0084】
具体的に、
図3Aに示すように、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成できなかった状態(S11のいいえ)で、ホスト10から入力された第1のコマンドCMD1及び第1のアドレスADD1に応答して内部に備えられた第1のメモリ装置202の動作を制御できる。
【0085】
特に、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成できなかった状態(S11のいいえ)で、ホスト10からいかなるアクセス要請も受けられない状態、例えば、遊休(idle)状態になることができる。したがって、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成できなかった状態(S11のいいえ)で自らが遊休状態であるか否かを確認(S32)し、その結果に応じて人工知能演算を行うか否かを選択できる。すなわち、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成できなかった状態(S11のいいえ)で自らが遊休状態と確認(S32のはい)される場合、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>のソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されたか否かを確認(S34)できる。
【0086】
仮に、ソース情報SCDT<1:3>が十分に累積された場合(S34のはい)、第1のメモリシステム20は、累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>を生成した後、それに対して人工知能演算を行って(S35)、分析情報ANSDTを生成できる。逆に、ソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されなかった場合(S34のいいえ)、第1のメモリシステム20は、何らの動作も行わないことができる。
【0087】
また、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成できなかった状態(S11のいいえ)で自らが遊休状態でない状態、すなわち、ホスト10からアクセス要請を受ける状態であると確認(S32のいいえ)される場合、ホスト10からのアクセス要請を処理しなければならないので、人工知能演算を行うことができない。
【0088】
そして、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成した状態(S11のはい)で、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の未来動作を予測できる。特に、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成した状態(S11のはい)で自らに対するアクセス頻度(frequency)が決められた第5基準以下と予測されるか否かを確認(S31)できる。すなわち、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成した状態(S11のはい)であるとき、分析情報ANSDTを参照して現在時点を含んで、予定された未来時点までの特定動作区間でホスト10からのアクセス要請が決められた第5基準以下と予測されるか否かを確認(S31)できる。このとき、第1のメモリシステム20でホスト10からのアクセス要請が決められた第5基準以下と予測されるか否かを確認(S31)する動作は、予定された過去時点から現在時点までホスト10から第1のメモリシステム20に伝達された複数の第1のコマンドCMD1及び第1のアドレスADD1の動作パターンが分析情報ANSDTを介して予測された動作パターンとどの形態で、ある程度一致するか否かを判断する動作でありうる。例えば、ホスト10からのアクセス要請を予測する特定動作区間の長さは、予定された過去時点から現在時点までホスト10から伝達された複数の第1のコマンドCMD1及び第1のアドレスADD1の動作パターンが分析情報ANSDTを介して予測された動作パターンと比較的多く一致する場合、相対的にさらに長い長さを有する形態になることができる。
【0089】
自らに対するアクセス頻度が決められた基準以下であろうと予測する場合(S31のはい)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第8の区間と定義し、第8の区間の間、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>のソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されたか否かを確認(S34)できる。仮に、ソース情報SCDT<1:3>が十分に累積された場合(S34のはい)、第1のメモリシステム20は、累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>を生成した後、それに対して人工知能演算を行って(S35)、既存に生成された分析情報ANSDTを更新(update)して生成することができる。逆に、ソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されなかった場合(S34のいいえ)、第1のメモリシステム20は、第8の区間の間、何らの動作も行わないことができる。この場合、既存に生成された分析情報ANSDTがそのまま維持されるであろう。
【0090】
このとき、分析情報ANSDTを更新して生成するとは、更新以前に生成された分析情報ANSDTよりさらに多くの累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>に対して人工知能演算を行ったということを意味できる。したがって、更新して生成された分析情報ANSDTは、更新以前に生成された分析情報ANSDTよりさらに正確に第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の未来動作を予測する可能性が高いことができる。
【0091】
そして、自らに対するアクセス頻度が決められた基準以下であろうと予測する場合(S31のいいえ)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間の間、ホスト10からアクセス要請が発生することを対比しなければならないので、何らの動作も行わないことができる。
【0092】
そして、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTの生成可否と関係なく、ホスト10から人工知能演算の実行可否を確認(S33)されることができる。例えば、ホスト10は、第1のメモリシステム20が人工知能演算を行うことができるということを予め知っていることができる。このような場合、ホスト10で主導的に人工知能演算の実行を第1のメモリシステム20に要請することができる(S33)。すなわち、ホスト10で第1のメモリシステム20に人工知能演算の実行を要請(S33の許容)または遮断を要請(S33の遮断)できる。他の場合、第1のメモリシステム20で主導的に人工知能演算の実行可否をホスト10から確認されることができる。第1のメモリシステム20は、要請結果として、ホスト10から人工知能演算の実行を許容(S33の許容)されるか、または拒否(S33の遮断)されることができる。
【0093】
ホスト10で人工知能演算の実行が要請されるか、または実行を許容する場合(S33の許容)、第1のメモリシステム20は、ホスト10から第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々に伝達されたコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>のソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されたか否かを確認(S34)できる。仮に、ソース情報SCDT<1:3>が十分に累積された場合(S34のはい)、第1のメモリシステム20は、累積コマンドSCMD<1:3>及び累積アドレスSADD<1:3>を生成した後、それに対して人工知能演算を行って(S35)、分析情報ANSDTを生成できる。このとき、分析情報ANSDTが既に生成された状態でホスト10の要請または許容によって人工知能演算を行った(S35)場合、既存に生成された分析情報ANSDTを更新して生成することができる。逆に、ソース情報SCDT<1:3>が十分に累積されなかった場合(S34のいいえ)、第1のメモリシステム20は、何らの動作も行わないことができる。このとき、分析情報ANSDTが既に生成された状態でホスト10から人工知能演算の実行に対する要請または許容があった場合であれば、既存に生成された分析情報ANSDTがそのまま維持されるであろう。
【0094】
ホスト10で人工知能演算の実行が遮断されるか、または実行を拒否する場合(S33の遮断)、第1のメモリシステム20は、何らの動作も行わないことができる。このとき、分析情報ANSDTが既に生成された状態でホスト10から人工知能演算の実行に対する遮断または拒否があった場合であれば、既存に生成された分析情報ANSDTがそのまま維持されるであろう。
【0095】
図3Bに示すように、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成した状態(S11のはい)であるとき、分析情報ANSDTを参照して、現在時点を含んで、予定された未来時点までの特定動作区間でホスト10とのデータ送信帯域幅(bandwidth)が決められた第1基準以下と予測されるか否かを確認(S12)できる。このとき、第1のメモリシステム20でホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測されるか否かを確認(S12)する動作は、予定された過去時点から現在時点までホスト10から伝達される複数のコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>の動作パターンが分析情報ANSDTを介して予測された動作パターンとどの形態で、ある程度一致するか否かを判断する動作でありうる。例えば、ホスト10とのデータ送信帯域幅を予測する特定動作区間の長さは、予定された過去時点から現在時点までホスト10から伝達される複数のコマンドCMD<1:3>及びアドレスADD<1:3>の動作パターンが分析情報ANSDTを介して予測された動作パターンと比較的多く一致する場合、相対的にさらに長い長さを有する形態になることができる。
【0096】
仮に、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測される場合(S12のはい)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第1の区間と定義し、第1の区間の間、分析情報ANSDTの第1値を遮断と設定(S13)することができる。このように、第1のメモリシステム20で第1の区間の間、分析情報ANSDTの第1値を遮断と設定(S13)する場合、第2のメモリシステム30は、第1の区間の間、内部に備えられた第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断できる。逆に、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準超過と予測される場合(S12のいいえ)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第2の区間と定義し、第2の区間の間、分析情報ANSDTの第1値を許容と設定(S14)することができる。このように、第1のメモリシステム20で第2の区間の間、分析情報ANSDTの第1値を許容と設定(S14)する場合、第2のメモリシステム30は、第2の区間の間、内部に備えられた第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容することができる。前述したように、第1のメモリシステム20は、ホスト10とのデータ送信帯域幅を予測した結果に応じて、分析情報ANSDTの第1値を調整して第2のメモリシステム30で第2のメモリ装置302に対するアクセス動作を制御、すなわち、第2のメモリシステム30で消費する電力を調整することができる。
【0097】
ここで、ホスト10とのデータ送信帯域幅の値が意味することは、ホスト10との間で1回に送信されるデータの量またはデータサイズがある程度であるかを意味できる。例えば、ホスト10との間で送信予定のデータのサイズが10ギガビット(Giga Bit)であり、ホスト10との間で最大送信処理サイズが5ギガビットであることを仮定できる。このような場合、送信予定のデータのサイズが最大送信処理サイズより大きいので、データ送信帯域幅は、最大送信処理サイズである5ギガビットになることができる。他の例を挙げると、ホスト10との間で伝達予定のデータのサイズが3ギガビットであり、ホスト10との間で最大送信処理サイズが5ギガビットであることを仮定できる。このような場合、送信予定のデータのサイズより最大送信処理サイズがより大きいので、データ送信帯域幅は、最大送信処理サイズより小さい3ギガビットになることができる。
【0098】
図2A及び
図2Bに示すように、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40は、ホスト10と並列に連結されることができる。すなわち、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々は、ホスト10と独立的にデータを入出力することができる。したがって、第1ないし第3のメモリシステム20、30、40の各々が、ホスト10との間で独立的な最大送信処理サイズが設定され得る。ここで、最大送信処理サイズは、一定時間の間、書き込みまたは読み出し可能なデータ最大サイズを意味できる。例えば、最も速度が速く、揮発性特徴を有する第1のメモリ装置202を備える第1のメモリシステム20の場合、読み出し及び書き込み動作で全て5ギガビットの最大送信処理サイズを有することができる。第1のメモリ装置202より遅いが、揮発性特徴を有する第2のメモリ装置302を備える第2のメモリシステム30の場合、読み出し及び書き込み動作で全て3ギガビットの最大送信処理サイズを有することができる。不揮発性特徴を有する第3のメモリ装置402を備える第3のメモリシステム40の場合、読み出し動作で2ギガビットの最大送信処理サイズを有し、書き込み動作で128メガビット(Mega Bit)の最大送信処理サイズを有することができる。
【0099】
さらに、
図3Bに示すように、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測される場合(S12のはい)が意味することは、特定動作区間の間、ホスト10との間で送信予定のデータのサイズが第1のメモリシステム20の最大送信処理サイズより小さいことと予測される場合を意味できる。すなわち、特定動作区間の間、ホスト10との間で送信予定のデータを第1のメモリシステム20で単独処理してもデータ処理が遅延(delay)されるなどの問題なしに処理が可能でありうる。したがって、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測される場合(S12のはい)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第1の区間と定義し、第1の区間の間、分析情報ANSDTの第1値を遮断と設定(S13)することにより、第1の区間の間、第2のメモリシステム30で第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断できる。これを介して、第1のメモリシステム20は、特定動作区間において第2のメモリシステム30で消費される電力を最小化しながらも、ホスト10との間で処理予定のデータを問題なしに処理することができる。
【0100】
逆に、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準超過と予測される場合(S12のいいえ)が意味することは、特定動作区間の間、ホスト10との間で送信予定のデータのサイズが第1のメモリシステム20の最大送信処理サイズより大きいことと予測される場合を意味できる。すなわち、特定動作区間の間、ホスト10との間で送信予定のデータを第1のメモリシステム20で単独処理する場合、データ処理が遅延(delay)されるなどの問題が発生し得る。したがって、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準超過と予測される場合(S12のいいえ)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第2の区間と定義し、第2の区間の間、分析情報ANSDTの第1値を許容と設定(S14)することにより、第2の区間の間、第2のメモリシステム30で第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容することができる。これを介して、特定動作区間で第1のメモリシステム20は、第2のメモリシステム30とともに、ホスト10との間で処理予定のデータを問題なしに処理することができる。
【0101】
一方、第1のメモリシステム20は、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測して(S12のはい)、特定動作区間を第1の区間と定義するか、ホスト10とのデータ送信帯域幅が決められた第1基準超過と予測して(S12のいいえ)、特定動作区間を第2の区間と定義するかに関係なく、ホスト10からのアクセス要請に対応しなければならない。すなわち、第1のメモリシステム20は、第1及び第2の区間の各々でホスト10から伝達された第1のコマンドCMD1及び第1のアドレスADD1に応答してホスト10からのアクセス要請データを第1のメモリ装置202で処理することができる。
【0102】
そして、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTの第1値を遮断と設定(S13)した状態、すなわち、特定動作区間が第1の区間と定義された状態で第1のメモリ装置202に格納されたデータ中にホスト10からのアクセス頻度(access frequency)が決められた第2基準以下である第1のコールドデータCLDT1が含まれるか否かを確認(S15)できる。
【0103】
仮に、第1のメモリ装置202に格納されたデータ中に第1のコールドデータCLDT1が含まれる場合(S15のはい)、第1のメモリシステム20は、第2のメモリシステム30が第2のメモリ装置302に対するアクセスを第3の区間の間、許容するように分析情報の第2値を許容と設定することができる(S16)。続いて、第1のメモリシステム20は、第3の区間で第1のメモリ装置202に格納された第1のコールドデータCLDT1を第2のメモリシステム30に伝達した後、第1のメモリ装置202から第1のコールドデータCLDT1を削除できる(S17)。すなわち、第1のメモリシステム20は、ホスト10との送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測される第1の区間で第1のメモリ装置202に第1のコールドデータCLDT1が格納されたことと確認されれば、第1のコールドデータCLDT1を第2のメモリ装置302に移動させるために、分析情報ANSDTの第2値を許容と設定し、第1の区間のうち、第3の区間の間、第2のメモリシステム30が第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容させることができる。
【0104】
このように、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTの第2値を許容と設定(S16)する場合、第2のメモリシステム30は、第3の区間の間、内部に備えられた第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容することができる。すなわち、第2のメモリシステム30は、第1の区間の進入により、遮断していた第2のメモリ装置302に対するアクセスを第3の区間の間、許容することができる。言い換えれば、第2のメモリシステム30は、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTの第2値が許容と設定されることに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容することにより第3の区間に進入することができる。その後、第2のメモリシステム30は、第3の区間で第1のメモリシステム20から伝達される第1のコールドデータCLDT1を第2のメモリ装置302に格納することができる。また、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302に第1のコールドデータCLDT1を格納する動作を完了することに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断する休眠モードに進入することにより第3の区間から脱出することができる。
【0105】
逆に、第1の区間で第1のメモリ装置202に格納されたデータ中に第1のコールドデータCLDT1が含まれない場合(S15のいいえ)、第1のメモリシステム20は、第1の区間で分析情報ANSDTの第1値を遮断と設定(S13)した状態を維持し続けることができる。
【0106】
図3Cに示すように、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTを生成した状態(S11のはい)であるとき、分析情報ANSDTを参照して現在時点を含んで、予定された未来時点までの特定動作区間で第3のメモリシステム40に対するアクセス頻度が決められた第3基準以下と予測されるか否かを確認(S21)できる。このとき、第1のメモリシステム20で第3のメモリシステム40に対するアクセス頻度が決められた第3基準以下と予測されるか否かを確認(S21)する動作は、予定された過去時点から現在時点までホスト10から伝達される複数の第3のコマンドCMD3及び第3のアドレスADD3の動作パターンが分析情報ANSDTを介して予測された動作パターンとどの形態で、ある程度一致するか否かを判断する動作でありうる。例えば、ホスト10とのデータ送信帯域幅を予測する特定動作区間の長さは、予定された過去時点から現在時点までホスト10から伝達される複数の第3のコマンドCMD3及びアドレスADD3の動作パターンが分析情報ANSDTを介して予測された動作パターンと比較的多く一致する場合、相対的にさらに長い長さを有する形態になることができる。
【0107】
仮に、第3のメモリシステム40に対するアクセス頻度が決められた第3基準以下と予測される場合(S21のはい)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第4の区間と定義し、第4の区間の間、分析情報ANSDTの第3値を遮断と設定(S22)することができる。このように、第1のメモリシステム20で第4の区間の間、分析情報ANSDTの第3値を遮断と設定(S22)する場合、第3のメモリシステム40は、第4の区間の間、内部に備えられた第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断できる。逆に、第3のメモリシステム40に対するアクセス頻度が決められた第3基準超過と予測される場合(S21のいいえ)、第1のメモリシステム20は、特定動作区間を第5の区間と定義し、第5の区間の間、分析情報ANSDTの第3値を許容と設定(S23)することができる。このように、第1のメモリシステム20で第5の区間の間、分析情報ANSDTの第3値を許容と設定(S23)する場合、第3のメモリシステム40は、第5の区間の間、内部に備えられた第3のメモリ装置402に対する電力供給を許容することができる。前述したように、第1のメモリシステム20は、第3のメモリシステム40のアクセス頻度を予測した結果に応じて、分析情報ANSDTの第3値を調整して第3のメモリシステム40で第3のメモリ装置402に対する電力供給動作を制御、すなわち、第3のメモリシステム40で消費する電力を調整できる。
【0108】
ここで、第3のメモリシステム40に備えられた第3のメモリ装置402は、不揮発性特性を有するメモリ装置であるため、電力供給が遮断された状態でも内部に格納されたデータをそのまま維持することができる。もちろん、第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断した状態でデータを読み出し/書き込みするアクセス動作を行うためには、電力供給をさらに再開するなどの追加的な動作が必要なので、電力供給を遮断しなかった状態でアクセス動作を行うことよりさらに長い時間が必要でありうる。
【0109】
そして、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTの第3値を遮断と設定(S22)した状態で分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定(
図3BのS13)された状態であるかを確認(S24)できる。すなわち、第1のメモリシステム20は、分析情報ANSDTの第1値及び第3値が全て遮断と設定された状態、すなわち、第2のメモリシステム30のための特定動作区間が第1の区間と定義され、第3のメモリシステム40のための特定動作区間が第4の区間と定義された状態であるかを確認(S24)できる。このとき、第1の区間と第4の区間とが重なった特定動作区間を第6の区間と定義することができる。
【0110】
分析情報ANSDTの第1値及び第3値が全て遮断と設定された第6の区間(S24のはい)で、第1のメモリシステム20は、第1のメモリ装置202に格納されたデータ中にホスト10からのアクセス頻度が決められた第4基準以下である第2のコールドデータCLDT2が含まれるか否かを確認(S25)できる。ここで、第2のコールドデータCLDT2は、
図3Bで説明した第1のコールドデータCLDT1とは異なるデータでありうる。例えば、第1のコールドデータCLDT1が第2のコールドデータCLDT2よりホスト10からのアクセス頻度がさらに高いデータでありうる。すなわち、第1のコールドデータCLDT1を確認するための第2基準によるホスト10からのアクセス頻度より第2のコールドデータCLDT2を確認するための第4基準によるホスト10からのアクセス頻度がより低いことがある。
【0111】
仮に、第6の区間で第1のメモリ装置202に格納されたデータ中に第2のコールドデータCLDT2が含まれる場合(S25のはい)、第1のメモリシステム20は、第2のメモリ装置302に対するアクセスと第3のメモリ装置402に対する電力供給を第2及び第3のメモリシステム30、40の各々が第7の区間の間、許容するように分析情報ANSDTの第4値を許容と設定することができる(S26)。続いて、第1のメモリシステム20は、第7の区間で第1のメモリ装置202に格納された第2のコールドデータCLDT2を第3のメモリシステム40に伝達した後、第1のメモリ装置202から第2のコールドデータCLDT2を削除できる(S27)。すなわち、第1のメモリシステム20は、ホスト10との送信帯域幅が決められた第1基準以下と予測され、第3のメモリシステム40に対するアクセス頻度が決められた第3基準以下と予測される第6の区間で第1のメモリ装置202に第2のコールドデータCLDT2が格納されたことと確認されれば、第2のコールドデータCLDT2を第3のメモリ装置402に移動させるための分析情報ANSDTの第4値を許容と設定して、第6の区間のうち、第7の区間の間、第3のメモリシステム40が第3のメモリ装置402に対する電源供給を許容させることができる。
【0112】
このように、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTの第4値を許容と設定(S26)する場合、第2のメモリシステム30は、第7の区間の間、内部に備えられた第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容することができる。すなわち、第2のメモリシステム30は、第1の区間の進入により遮断していた第2のメモリ装置302に対するアクセスを第7の区間の間、許容することができる。言い換えれば、第2のメモリシステム30は、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTの第4値が許容と設定されることに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容することにより第7の区間に進入することができる。また、第2のメモリシステム30は、第7の区間で第2のメモリ装置302に第2のコールドデータCLDT2が格納されたか否かを確認できる。仮に、第2のメモリ装置302に第2のコールドデータCLDT2が格納された場合、第2のメモリシステム30は、第2のコールドデータCLDT2を第3のメモリシステム40に伝達した後、第2のコールドデータCLDT2を第2のメモリ装置302で削除することができる。また、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302で第2のコールドデータCLDT2の削除を完了することに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断する休眠モードに進入することによって第7の区間から脱出することができる。
【0113】
このように、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTの第4値を許容と設定(S26)する場合、第3のメモリシステム40は、第7の区間の間、内部に備えられた第3のメモリ装置302に対する電源供給を許容することができる。すなわち、第3のメモリシステム40は、第4の区間の進入により遮断していた第3のメモリ装置402に対する電源供給を第7の区間の間、許容することができる。言い換えれば、第3のメモリシステム40は、第1のメモリシステム20で分析情報ANSDTの第4値が許容と設定されることに応答して第3のメモリ装置402に対する電源供給を許容することによって第7の区間に進入することができる。その後、第3のメモリシステム40は、第7の区間で第1及び第2のメモリシステム20、30のうち、少なくとも1つのシステムから伝達される第2のコールドデータCLDT2を第3のメモリ装置402に格納することができる。また、第3のメモリシステム40は、第3のメモリ装置402に第2のコールドデータCLDT2を格納する動作を完了することに応答して第3のメモリ装置402に対する電源供給を遮断することによって第7の区間から脱出することができる。
【0114】
逆に、第6の区間で第1のメモリ装置202に格納されたデータ中に第2のコールドデータCLDT2が含まれない場合(S25のいいえ)、第1のメモリシステム20は、第6の区間で分析情報ANSDTの第4値を許容しない状態を維持し続けることができる。
【0115】
参考として、前述した説明において分析情報ANSDTを参照してメモリシステム20、30、40の動作を予測するために使用された「決められた基準」を第1基準、第2基準、第3基準、第4基準、第5基準のうち、いずれか1つと様々に定義したことがある。このように、「決められた基準」を第1ないし第5基準に様々に定義した理由は、予測する動作の種類によって「決められた基準」の条件が全て変わることができるためであり、第1ないし第5基準の各々が相互間にいかなる連関関係があることを意味しない。
【0116】
図4は、
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第2のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【0117】
図4に示すように、第2のメモリシステム30は、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されたか否かを確認(S41)できる。仮に、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されなかった場合(S41のいいえ)、第2のメモリシステム30は、ホスト10から入力された第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2に応答して内部に備えられた第2のメモリ装置302の動作を制御できる。
【0118】
一方、第2のメモリシステム30は、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されなかった状態(S41のいいえ)で、絶対的な現在時間を確認できる(S43)。このとき、絶対的な現在時間は、物理的に絶対的な時間の流れのうちの現在時点を表すことができる。例えば、一日24時間のうち、現在時間である15時を絶対的な現在時間といえる。
【0119】
仮に、絶対的な現在時間が許容時間範囲に含まれる場合(S43の許容時間範囲)、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容するために休眠モードから脱出した後、これをホスト10に通知することができる(S47)。このとき、第2のメモリシステム30で休眠モードの脱出をホスト10に通知したので、ホスト10は、第2のメモリシステム30が休眠モードから脱出した状態であることを認知できる。したがって、ホスト10は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を第2のメモリシステム30に伝達し、第2のメモリシステム30は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2に応答して内部に備えられた第2のメモリ装置302の動作を制御できるであろう。
【0120】
逆に、絶対的な現在時間が遮断時間範囲に含まれる場合(S43の遮断時間範囲)、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断するために休眠モードに進入した後、これをホスト10に通知することができる(S47)。このとき、第2のメモリシステム30で休眠モードの進入をホスト10に通知したので、ホスト10は、第2のメモリシステム30が休眠モードに進入した状態であることを認知できる。したがって、ホスト10は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を第2のメモリシステム30に伝達しないことができ、第2のメモリシステム30は、休眠モードに進入した状態を維持できるであろう。
【0121】
そして、第2のメモリシステム30は、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達された状態(S41のはい)で、分析情報ANSDTの第1値を確認できる(S42)。
【0122】
仮に、分析情報ANSDTの第1値が許容と設定された場合(S42の許容)、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容するために休眠モードから脱出した後、これをホスト10に通知することができる(S45)。このとき、第2のメモリシステム30で休眠モードの脱出をホスト10に通知したので、ホスト10は、第2のメモリシステム30が休眠モードから脱出した状態であることを認知できる。したがって、ホスト10は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を第2のメモリシステム30に伝達し、第2のメモリシステム30は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2に応答して内部に備えられた第2のメモリ装置302の動作を制御できるであろう。
【0123】
逆に、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定された場合(S42の遮断)、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断するために休眠モードに進入した後、これをホスト10に通知することができる(S48)。このとき、第2のメモリシステム30で休眠モードの進入をホスト10に通知したので、ホスト10は、第2のメモリシステム30が休眠モードに進入した状態であることを認知できる。したがって、ホスト10は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を第2のメモリシステム30に伝達しないことができ、第2のメモリシステム30は、休眠モードに進入した状態を維持できるであろう。
【0124】
一方、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定されたことによって休眠モードに進入した場合、分析情報ANSDTの第2値を確認できる(S49)。
【0125】
仮に、分析情報ANSDTの第2値が許容と設定された場合(S49の許容)、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容するために休眠モードから脱出した後、これをホスト10に通知しないことができる(S51)。このように、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第2値が許容と設定されることに応答して休眠モードから脱出することができ、その後、第1のメモリシステム20から伝達される第1のコールドデータCLDT1を第2のメモリ装置302に格納することができる。また、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302に第1のコールドデータCLDT1を格納する動作を完了することに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断する休眠モードに進入した後、これをホスト10に通知しないことができる(S55)。
【0126】
ここで、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定されたことによって休眠モードに進入した状態で分析情報ANSDTの第2値が許容と設定される場合、休眠モードから脱出することができ、このとき、休眠モードの脱出は、ホスト10に通知しないことができる。また、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第2値が許容と設定されたことによって休眠モードから脱出した後、さらに休眠モードに進入するとき、休眠モードの進入をホスト10に通知しないことができる。このように、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第2値により脱出/進入する休眠モードに関する情報をホスト10に通知しないことができるので、ホスト10では、第2のメモリシステム30が続けて休眠モードに進入した状態であることと認知することができる。したがって、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第2値により休眠モードを脱出/進入する間、ホスト10から第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を伝達されないことができる。
【0127】
逆に、分析情報ANSDTの第2値が遮断と設定された場合(S49の遮断)、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定されたことによって休眠モードに進入した状態を維持し続けることができる。
【0128】
一方、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定されたことによって休眠モードに進入した場合、分析情報ANSDTの第4値を確認できる(S50)。
【0129】
仮に、分析情報ANSDTの第4値が許容と設定された場合(S50の許容)、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容するために休眠モードから脱出した後、これをホスト10に通知しないことができる(S52)。このように、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第4値が許容と設定されることに応答して休眠モードから脱出することができ、その後、第2のメモリ装置302に格納されたデータ中にホスト10からのアクセス頻度が決められた第4基準以下である第2のコールドデータCLDT2が含まれるか否かを確認(S53)できる。
【0130】
仮に、第2のメモリ装置302に格納されたデータ中に第2のコールドデータCLDT2が含まれる場合(S53のはい)、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302に格納された第2のコールドデータCLDT2を第3のメモリシステム40に伝達した後、第2のメモリ装置302から第2のコールドデータCLDT2を削除できる(S56)。次いで、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302から第2のコールドデータCLDT2を削除する動作を完了することに応答して第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断する休眠モードに進入した後、これをホスト10に通知しないことができる(S57)。
【0131】
逆に、第2のメモリ装置302に格納されたデータ中に第2のコールドデータCLDT2が含まれない場合(S53のいいえ)、第2のメモリシステム30は、第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断する休眠モードに進入した後、これをホスト10に通知しないことができる(S57)。
【0132】
ここで、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定されたことによって休眠モードに進入した状態で分析情報ANSDTの第4値が許容と設定される場合、休眠モードから脱出することができ、このとき、休眠モードの脱出は、ホスト10に通知しないことができる。また、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第4値が許容と設定されたことによって休眠モードから脱出した後、さらに休眠モードに進入するとき、休眠モードの進入をホスト10に通知しないことができる。このように、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第4値により脱出/進入する休眠モードに関する情報をホスト10に通知しないことができるので、ホスト10では、第2のメモリシステム30が続けて休眠モードに進入した状態であることと認知することができる。したがって、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第4値により休眠モードを脱出/進入する間、ホスト10から第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を伝達されないことができる。
【0133】
逆に、分析情報ANSDTの第4値が遮断と設定された場合(S50の遮断)、第2のメモリシステム30は、分析情報ANSDTの第1値が遮断と設定されたことによって休眠モードに進入した状態を維持し続けることができる。
【0134】
一方、絶対的な現在時間または第1のメモリシステム20から伝達された分析情報ANSDTによって第2のメモリシステム30が休眠モードに進入したとして、ホスト10で第2のメモリシステム30にデータをアクセスできないことは、データ処理システムの立場で非常に非効率的でありうる。したがって、ホスト10は、絶対的な現在時間または第1のメモリシステム20から伝達された分析情報ANSDTの値と関係なく、第2のメモリシステム30の休眠モード進入/脱出を要請(S44)できる。
【0135】
仮に、第2のメモリシステム30は、ホスト10から休眠モードの脱出が要請(S44の許容)される場合、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを許容するために休眠モードから脱出した後、これをホスト10に通知することができる(S47)。このとき、第2のメモリシステム30で休眠モードの脱出をホスト10に通知したので、ホスト10は、第2のメモリシステム30が休眠モードから脱出した状態であることを認知できる。したがって、ホスト10は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を第2のメモリシステム30に伝達し、第2のメモリシステム30は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2に応答して内部に備えられた第2のメモリ装置302の動作を制御できるであろう。
【0136】
逆に、第2のメモリシステム30は、ホスト10から休眠モードの進入が要請(S44の遮断)される場合、第2のメモリシステム30は、内部の第2のメモリ装置302に対するアクセスを遮断するために休眠モードに進入した後、これをホスト10に通知することができる(S46)。このとき、第2のメモリシステム30で休眠モードの進入をホスト10に通知したので、ホスト10は、第2のメモリシステム30が休眠モードに進入した状態であることを認知できる。したがって、ホスト10は、第2のコマンドCMD2及び第2のアドレスADD2を第2のメモリシステム30に伝達しないことができ、第2のメモリシステム30は、休眠モードに進入した状態を維持できるであろう。
【0137】
図5は、
図2A及び
図2Bに示された本発明の実施形態に係るデータ処理システムの構成要素のうち、第3のメモリシステムの動作を説明するために示した順序図である。
【0138】
図5に示すように、第3のメモリシステム40は、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されたか否かを確認(S61)できる。仮に、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されなかった場合(S61のいいえ)、第3のメモリシステム40は、ホスト10から入力された第3のコマンドCMD3及び第3のアドレスADD3に応答して内部に備えられた第3のメモリ装置402の動作を制御できる。
【0139】
一方、第3のメモリシステム40は、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されなかった状態(S61のいいえ)で、自らがホスト10からいかなるアクセス要請も受けられない状態、例えば、遊休(idle)状態であるか否かを確認できる(S63)。
【0140】
仮に、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されなかった状態(S61のいいえ)で第3のメモリシステム40が遊休状態でないことと確認される場合(S63のいいえ)、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を許容するために節電モードから脱出することができる(S67)。逆に、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達されなかった状態(S61のいいえ)で第3のメモリシステム40が遊休状態と確認される場合(S63のはい)、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断するために節電モードに進入することができる(S66)。
【0141】
ここで、第3のメモリシステム40は、節電モードの進入/脱出と関係なく、ホスト10から伝達された第3のコマンドCMD3及び第3のアドレスADD3に応答して内部に備えられた第3のメモリ装置402の動作を制御できるであろう。ただし、第3のメモリシステム40が節電モードに進入した状態でホスト10から伝達された第3のコマンドCMD3及び第3のアドレスADD3に応答して内部に備えられた第3のメモリ装置402の動作を制御するためには、先に第3のメモリ装置402に電力供給を再開するなどの追加的な動作が必要でありうる。
【0142】
そして、第3のメモリシステム40は、第1のメモリシステム20から分析情報ANSDTが伝達された状態(S61のはい)で、分析情報ANSDTの第3値を確認できる(S62)。仮に、分析情報ANSDTの第3値が許容と設定された場合(S62の許容)、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を許容するために節電モードから脱出することができる(S65)。逆に、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定された場合(S62の遮断)、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断するために節電モードに進入することができる(S68)。
【0143】
一方、第3のメモリシステム40は、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した状態でホスト10からアクセス要請が発生し得る(S69)。
【0144】
仮に、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した状態でホスト10からアクセス要請が発生する場合(S69のはい)、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を許容するために節電モードから脱出することができる(S71)。このように、第3のメモリシステム40は、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した状態でホスト10からアクセス要請が発生することに応答して節電モードから脱出することができ、その後、ホスト10からのアクセス要請、例えば、第3のメモリ装置402に対する読み出し/書き込み動作を処理できる。また、第3のメモリシステム40は、ホスト10からのアクセス要請に対する処理を完了することに応答して第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断する節電モードに進入することができる(S75)。
【0145】
逆に、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した状態でホスト10からアクセス要請が発生しない場合(S69のいいえ)、第3のメモリシステム40は、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した状態を維持し続けることができる。
【0146】
一方、第3のメモリシステム40は、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した場合、分析情報ANSDTの第4値を確認できる(S70)。
【0147】
仮に、分析情報ANSDTの第4値が許容と設定された場合(S70の許容)、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を許容するために節電モードから脱出することができる(S72)。このように、第3のメモリシステム40は、分析情報ANSDTの第4値が許容と設定されることに応答して節電モードから脱出することができ、その後、第1及び第2のメモリシステム20、30のうち、少なくとも1つのシステムから伝達された第2のコールドデータCLDT2を第3のメモリ装置402に格納することができる(S74)。続いて、第3のメモリシステム40は、第3のメモリ装置402に第2のコールドデータCLDT2を格納する動作を完了することに応答して第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断する節電モードに進入することができる(S76)。
【0148】
逆に、分析情報ANSDTの第4値が遮断と設定された場合(S70の遮断)、第3のメモリシステム40は、分析情報ANSDTの第3値が遮断と設定されたことによって節電モードに進入した状態を維持し続けることができる。
【0149】
一方、第3のメモリシステム40の遊休状態可否または第1のメモリシステム20から伝達された分析情報ANSDTによって第3のメモリシステム40が節電モードに進入したとして、ホスト10で第3のメモリシステム40にデータをアクセスするとき、正常モードであるときより第3のメモリシステム40の動作が遅くなることは、データ処理システムの立場で非常に非効率的でありうる。したがって、ホスト10は、第3のメモリシステム40の遊休状態可否または第1のメモリシステム20から伝達された分析情報ANSDTの値と関係なく、第3のメモリシステム40の節電モード進入/脱出を要請(S64)できる。
【0150】
仮に、第3のメモリシステム40は、ホスト10から節電モードの脱出が要請(S64の正常)される場合、第3のメモリシステム40は、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を許容するために節電モードから脱出することができる(S67)。逆に、第3のメモリシステム40は、ホスト10から節電モードの進入が要請(S64の節電)される場合、内部の第3のメモリ装置402に対する電力供給を遮断するために節電モードに進入することができる(S66)。
【0151】
以上で説明した本発明は、前述した実施形態及び添付された図面により限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で様々な置換、変形、及び変更が可能であるということが本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明らかであろう。