IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社バンダイナムコゲームスの特許一覧

特許7592672ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法
<>
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図1
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図2
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図3
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図4
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図5
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図6
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図7
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図8
  • 特許-ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-22
(45)【発行日】2024-12-02
(54)【発明の名称】ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20241125BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20241125BHJP
   A63F 13/86 20140101ALI20241125BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20241125BHJP
   A63F 13/87 20140101ALI20241125BHJP
   A63F 13/803 20140101ALN20241125BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/79
A63F13/86
A63F13/69
A63F13/87
A63F13/803
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022144454
(22)【出願日】2022-09-12
(65)【公開番号】P2024039814
(43)【公開日】2024-03-25
【審査請求日】2023-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000134855
【氏名又は名称】株式会社バンダイナムコエンターテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(72)【発明者】
【氏名】石田 達志
【審査官】進藤 利哉
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-072735(JP,A)
【文献】特開2019-211845(JP,A)
【文献】特開2019-025080(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを実行するゲームシステムであって、
複数のユーザが参加する前記ゲームのイベントを開催するイベント処理部と、
前記イベントに参加する複数のユーザを設定するユーザ設定部と、
前記イベントの代表者である代表者ユーザを設定する代表者設定部と、
前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントでゲームプレイを行うユーザを選択する操作に基づいて、プレーヤ組み合わせを設定するプレーヤ設定部とを含み、
前記イベント処理部は、
所定のイベント開催条件が満たされた場合に、前記プレーヤ設定部で設定された前記プレーヤ組み合わせに基づいて前記イベントを開催可能にすることを特徴とするゲームシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記ゲームは、対戦ゲームであり、
前記プレーヤ設定部は、
前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントで対戦を行うユーザを選択する操作に基づいて、前記プレーヤ組み合わせを設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項3】
請求項1において、
前記代表者設定部は、
前記イベントを作成する操作を行ったユーザを前記代表者ユーザとして設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項4】
請求項1において、
前記プレーヤ設定部は、
前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から2名以上のユーザを選択する操作に基づいて、前記プレーヤ組み合わせを設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項5】
請求項1において、
前記イベント処理部は、
プレーヤ指定パートにおいて前記プレーヤ組み合わせが設定された場合に、ゲームプレイパートに移行して当該プレーヤ組み合わせによる前記ゲームを実行させ、当該ゲームが終了した場合に、前記プレーヤ指定パートに移行することを特徴とするゲームシステム。
【請求項6】
請求項1において、
前記プレーヤ設定部は、
前記プレーヤ組み合わせを設定する際に、前記複数のユーザに関する情報を前記代表者ユーザに対して提示することを特徴とするゲームシステム。
【請求項7】
請求項6において、
前記複数のユーザに関する情報は、前記ゲームにおける戦歴の情報を含むことを特徴とするゲームシステム。
【請求項8】
請求項6において、
前記プレーヤ設定部は、
前記複数のユーザに関する情報を前記代表者ユーザにのみ提示することを特徴とするゲームシステム。
【請求項9】
請求項1において、
前記イベント処理部は、
前記ゲームのゲーム画面を観客ユーザが視聴可能にすることを特徴とするゲームシステム。
【請求項10】
請求項9において、
前記イベント処理部は、
前記ゲームプレイを行うユーザとして選択されなかったユーザを前記観客ユーザとして設定することを特徴とするゲームシステム。
【請求項11】
請求項9において、
前記イベント処理部は、
前記イベントに対する評価を受け付け、受け付けた前記評価に基づいて少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与することを特徴とするゲームシステム。
【請求項12】
請求項9において、
前記イベント処理部は、
前記観客ユーザによって投稿された投稿情報を受け付け、受け付けた前記投稿情報を前記観客ユーザの端末に表示させることを特徴とするゲームシステム。
【請求項13】
請求項12において、
前記イベント処理部は、
前記観客ユーザの投稿状況に応じて、少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与することを特徴とするゲームシステム。
【請求項14】
請求項9において、
前記イベント処理部は、
前記観客ユーザの視聴状況に応じて、少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与することを特徴とするゲームシステム。
【請求項15】
請求項9において、
前記イベント処理部は、
前記観客ユーザによるゲーム結果の予想を受け付け、受け付けた前記予想に基づいて少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与することを特徴とするゲームシステム。
【請求項16】
請求項1において、
前記イベント処理部は、
前記プレーヤ組み合わせの設定結果に基づいて、前記イベントに参加しているユーザに対して所定の通知を行うことを特徴とするゲームシステム。
【請求項17】
請求項1において、
前記イベント処理部は、
前記イベントに参加するユーザの参加状況に応じて、少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与することを特徴とするゲームシステム。
【請求項18】
ゲームのためのプログラムであって、
複数のユーザが参加する前記ゲームのイベントを開催するイベント処理部と、
前記イベントに参加する複数のユーザを設定するユーザ設定部と、
前記イベントの代表者である代表者ユーザを設定する代表者設定部と、
前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントでゲームプレイを行うユーザを選択する操作に基づいて、プレーヤ組み合わせを設定するプレーヤ設定部としてコンピュータを機能させ、
前記イベント処理部は、
所定のイベント開催条件が満たされた場合に、前記プレーヤ設定部で設定された前記プレーヤ組み合わせに基づいて前記イベントを開催可能にすることを特徴とするプログラム。
【請求項19】
ゲームを実行するサーバが、端末からの要求に応じてゲームサービスを提供するゲームサービス提供方法であって、
前記サーバが、
複数のユーザが参加する前記ゲームのイベントを開催するイベント処理部と、
前記イベントに参加する複数のユーザを設定するユーザ設定部と、
前記イベントの代表者である代表者ユーザを設定する代表者設定部と、
前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントでゲームプレイを行うユーザを選択する操作に基づいて、プレーヤ組み合わせを設定するプレーヤ設定部とを含み、
前記イベント処理部が、
所定のイベント開催条件が満たされた場合に、前記プレーヤ設定部で設定された前記プレーヤ組み合わせに基づいて前記イベントを開催可能にする場合において、
前記端末において受け付けられた前記イベントへの参加を指示する操作に関する情報を前記サーバに送信することを特徴とするゲームサービス提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、主催者となるユーザが大会を開催して、大会に参加した複数のユーザ同士が勝敗を競うゲームが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-54503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のゲームでは、大会に参加したユーザがそれぞれ他のユーザに対戦申請を行うことで対戦を実行したり、コンピュータ側で対戦相手を決定したりしていた。しかしながら、このような方法で対戦相手を決定してしまうと、大会の主催者が把握できないうちに対戦が成立してしまったり、主催者の意図しない対戦相手の組み合わせで対戦が成立してしまったりすることがある。このため、大会の進行が煩雑になってしまったり、盛り上がらない対戦相手の組み合わせで対戦が実行されてしまったりすることで、大会自体がいまいち盛り上がりに欠けてしまうという問題があった。また、複数のユーザが協力プレイを行うゲームにおいても同様に、ユーザが勝手に協力者を選んでしまい、盛り上がらない組み合わせでゲームが実行されてしまったりすることがある。
【0005】
本発明は、以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、主催者であるユーザがイベントの進行をコントロールし易くし、主催者の手腕によって如何様にもイベントの盛り上がりどころや見せ場を演出することが可能なゲームシステム、プログラム及びゲームサービス提供方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、ゲームを実行するゲームシステムであって、複数のユーザが参加する前記ゲームのイベントを開催するイベント処理部と、前記イベントに参加する複数のユーザを設定するユーザ設定部と、前記イベントの代表者である代表者ユーザを設定する代表者設定部と、前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントでゲームプレイを行うユーザを選択する操作に基づいて、プレーヤ組み合わせを設定するプレーヤ設定部とを含み、前記イベント処理部は、所定のイベント開催条件が満たされた場合に、前記プレーヤ設定部で設定された前記プレーヤ組み合わせに基づいて前記イベントを開催可能にすることを特徴とするゲームシステムに関する。また本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記プログラムを記憶した情報記憶媒体に関する。
【0007】
また本発明は、ゲームを実行するサーバが、端末からの要求に応じてゲームサービスを提供するゲームサービス提供方法であって、前記サーバが、複数のユーザが参加する前記ゲームのイベントを開催するイベント処理部と、前記イベントに参加する複数のユーザを設定するユーザ設定部と、前記イベントの代表者である代表者ユーザを設定する代表者設定部と、前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントでゲームプレイを行うユーザを選択する操作に基づいて、プレーヤ組み合わせを設定するプレーヤ設定部とを含み、前記イベント処理部が、所定のイベント開催条件が満たされた場合に、前記
プレーヤ設定部で設定された前記プレーヤ組み合わせに基づいて前記イベントを開催可能にする場合において、前記端末において受け付けられた前記イベントへの参加を指示する操作に関する情報を前記サーバに送信することを特徴とするゲームサービス提供方法に関する。
【0008】
本発明によれば、イベントの代表者である代表者ユーザがプレーヤの組み合わせを指定できるようにすることで、代表者ユーザがイベントの進行をコントロールし易くし、イベントを盛り上げ易くすることができる。
【0009】
(2)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記ゲームは、対戦ゲームであり、前記プレーヤ設定部は、前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から前記イベントで対戦を行うユーザを選択する操作に基づいて、前記プレーヤ組み合わせを設定してもよい。
【0010】
(3)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記代表者設定部は、前記イベントを作成する操作を行ったユーザを前記代表者ユーザとして設定してもよい。
【0011】
(4)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記プレーヤ設定部は、前記代表者ユーザによる、前記複数のユーザの中から2名以上のユーザを選択する操作に基づいて、前記プレーヤ組み合わせを設定してもよい。
【0012】
(5)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、プレーヤ指定パートにおいて前記プレーヤ組み合わせが設定された場合に、ゲームプレイパートに移行して当該プレーヤ組み合わせによる前記ゲームを実行させ、当該ゲームが終了した場合に、前記プレーヤ指定パートに移行してもよい。
【0013】
(6)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記プレーヤ設定部は、前記プレーヤ組み合わせを設定する際に、前記複数のユーザに関する情報を前記代表者ユーザに対して提示してもよい。
【0014】
(7)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記複数のユーザに関する情報は、今回の前記ゲームにおける戦歴の情報を含んでもよい。
【0015】
(8)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記プレーヤ設定部は、前記複数のユーザに関する情報を前記代表者ユーザにのみ提示してもよい。
【0016】
(9)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記ゲームのゲーム画面を観客ユーザが視聴可能にしてもよい。
【0017】
(10)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記ゲームプレイを行うユーザとして選択されなかったユーザを前記観客ユーザとして設定してもよい。
【0018】
(11)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサー
ビス提供方法では、前記イベント処理部は、前記イベントに対する評価を受け付け、受け付けた前記評価に基づいて少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与してもよい。
【0019】
(12)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記観客ユーザによって投稿された投稿情報を受け付け、受け付けた前記投稿情報を前記観客ユーザの端末に表示させてもよい。
【0020】
(13)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記観客ユーザの投稿状況に応じて、少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与してもよい。
【0021】
(14)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記観客ユーザの視聴状況に応じて、少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与してもよい。
【0022】
(15)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記観客ユーザによるゲーム結果の予想を受け付け、受け付けた前記予想に基づいて少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与してもよい。
【0023】
(16)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記プレーヤ組み合わせの設定結果に基づいて、前記イベントに参加しているユーザに対して所定の通知を行ってもよい。
【0024】
(17)また本発明に係るゲームシステム、プログラム、情報記憶媒体及びゲームサービス提供方法では、前記イベント処理部は、前記イベントに参加するユーザの参加状況に応じて、少なくとも前記代表者ユーザに特典を付与してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本実施形態のゲームシステムを示す図。
図2】本実施形態のサーバの機能ブロックの一例を示す図。
図3】本実施形態の端末の機能ブロックの一例を示す図。
図4】本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面の一例を示す図。
図5】本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面の一例を示す図。
図6】本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面の一例を示す図。
図7】本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面の一例を示す図。
図8】本実施形態のゲームシステムで生成されるゲーム画面の一例を示す図。
図9】本実施形態のゲームシステムの処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必要構成要件であるとは限らない。
【0027】
1.構成
図1は、本実施形態のゲームシステムを示す。本実施形態では、複数の端末10とサーバ20(サーバ装置)とによって構成される。つまり、図1に示すように、本実施形態のゲームシステムは、サービスを提供するサーバ20と、端末10(10A、10B、10C・・・)とが、ネットワークに接続可能に構成される。
【0028】
サーバ20は、端末10からの要求に応じてオンラインゲームサービスを提供する情報処理装置である。サーバ20は、1又は複数のサーバ(認証サーバ、マッチングサーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。
【0029】
本実施形態では、ユーザの端末10においてゲーム(例えば、対戦ゲーム)が実行され、サーバ20では、ゲームのイベントの進行制御等が行われる。また、サーバ20では、ユーザのアカウント情報や、端末10で実行されるゲームのゲーム結果、当該ゲームで使用可能なゲーム媒体(キャラクタ、アイテム等)、当該ゲームで使用可能なゲーム内通貨などの情報が管理される。
【0030】
端末10は、携帯端末(スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)、パーソナルコンピュータ(PC)、ゲーム装置などの情報処理装置であり、インターネット(WAN)、LANなどのネットワークを介してサーバ20に接続可能な装置である。なお、端末10とサーバ20との通信回線は、有線でもよいし無線でもよい。
【0031】
図2に、本実施形態のサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。なお本実施形態のサーバは図2の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0032】
記憶部270は、処理部200の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部200のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。記憶部270は、格納部272(例えばデータベース)を含む。
【0033】
格納部272は、本実施形態のゲームシステムで実行されるオンラインゲームに参加する複数のユーザそれぞれのユーザ情報を格納する。例えば、格納部272は、複数のユーザそれぞれのユーザ識別情報(ユーザIDや、ユーザが使用する端末IDなど)に対応づけて、ユーザ名(ユーザアカウント)、パスワード、端末10の宛先情報(IPアドレス等)などを、ユーザ情報として格納する。また、格納部272は、ユーザとフレンド関係(所定の関係の一例)にある他のユーザを特定するための情報を、ユーザ情報として格納する。また、格納部272は、ユーザ識別情報に対応づけて、ユーザが所有するゲーム媒体やゲーム内通貨に関する情報を、ユーザ情報として格納する。
【0034】
通信部296は端末10や他のサーバとの間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0035】
処理部200(プロセッサ)は、端末10から送信され通信部296を介して受信したデータ、プログラムなどに基づいて、ユーザ情報の管理、ログイン/ログアウトに関する処理、通信制御処理などの各種処理を行う。処理部200は記憶部270をワーク領域として各種処理を行う。処理部200の機能は各種プロセッサ(CPU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部200は、イベント処理部210と、ユーザ設定部212と、代表者設定部214と、プレーヤ設定部216を含む。
【0036】
イベント処理部210は、複数のユーザが参加するゲーム(例えば、対戦ゲーム)のイベント(大会)を開催し、当該イベントの進行を制御する処理を行う。対戦ゲームは、ユーザとユーザが対戦するゲームであってもよいし、ユーザとNPCが対戦するゲームであってもよい。また、ゲームは、協力ゲームであってもよく、協力ゲームは、ユーザとユーザが協力するゲームであってもよいし、ユーザとNPCが協力するゲームであってもよい
。また、イベントは、所与のアルゴリズムに従って(CPUが)開催してもよいし、ユーザの操作に基づいて開催してもよい。
【0037】
ユーザ設定部212は、前記イベントに参加する複数のユーザを設定する。ここで、後述する代表者ユーザが他のユーザをイベントに招待し、招待されたユーザのうち招待を受諾したユーザを当該イベントに参加するユーザとして設定してもよいし、招待されたユーザを自動的に当該イベントに参加するユーザとして設定してもよい。また、代表者ユーザに招待されたユーザのみをイベントに参加するユーザとして設定してもよいし、代表者ユーザに招待されたユーザに加えて、自動的に(機械的に)決定したユーザや他のユーザに招待されたユーザをイベントに参加するユーザとして設定してもよい。また、イベントに参加するユーザの全てを自動的に決定してもよい。また、イベントにはユーザだけでなく、NPCが参加していてもよい。イベントに参加するNPCは、代表者ユーザが選択したものであってもよいし、自動で決定したものであってもよい。
【0038】
代表者設定部214は、イベントの代表者である代表者ユーザを設定する。代表者設定部214は、イベントを作成する操作を行った(イベントを主催する)ユーザを代表者ユーザとして設定してもよい。また、先ずユーザ設定部212がイベントに参加するユーザ(参加者ユーザ)を設定し、この参加者ユーザの中から代表者ユーザとして設定するユーザを選択してもよい。この場合、代表者ユーザとして設定するユーザを、各参加者ユーザのユーザ情報(レベルや過去の実績など)に基づいて決定してもよいし、複数の参加者ユーザによる多数決や参加者ユーザの推薦(他薦、自薦)により決定してもよい。また、代表者ユーザとして設定されたユーザの端末10とサーバ20の通信が断たれた場合や、当該ユーザがイベントから離脱した場合には、例えば当該イベントの参加者ユーザの中から他のユーザを新たな代表者ユーザとして設定してもよい。この場合、参加者ユーザの中からランダム或いはユーザ情報等に基づく優先順位に従って自動で代表者ユーザとして設定するユーザを決定してもよいし、各参加者ユーザによる多数決や推薦などにより決定してもよい。また、イベントから離脱する代表者ユーザが次の代表者ユーザとして設定するユーザを決定するようにしてもよい。また、イベントの実況を行う(共有されるゲーム画面において音声チャットやテキストチャットを行う)ユーザを、代表者ユーザとして設定してもよい。なお、イベントの実況処理は、ゲーム内の機能として実装してもよいし、外部の実況サービスを使用して行ってもよい。また、代表者ユーザを複数設定してもよい。例えば、チーム(東軍対西軍など)で対戦するゲームの場合、チーム毎に代表者ユーザを設定してもよい。なお、代表者ユーザは、ゲーム(対戦ゲーム、協力ゲーム)に参加できないようにしてもよいし、ゲームに参加できるようにしてもよい。
【0039】
プレーヤ設定部216は、代表者ユーザによる、複数のユーザ(複数の参加者ユーザ)の中からイベントでゲームプレイ(対戦、協力プレイ)を行うユーザを選択する操作に基づいて、プレーヤ組み合わせ(対戦者組み合わせ、協力者組み合わせ)を設定する。イベントに参加するユーザ同士で対戦や協力を行う場合、代表者ユーザは、対戦或いは協力させる2名以上のユーザを選択(指定)する。対戦は、一対一の対戦(個人戦)であってもよいし、多対多の対戦(チーム戦)であってもよい。例えば二対二のチーム戦の場合、代表者ユーザは、対戦する一方のチームの2名(ユーザ「A」とユーザ「B」)と他方のチームの2名(ユーザ「C」とユーザ「D」)をそれぞれ選択するようにしてもよいし、代表者ユーザは、対戦する一方のチームのユーザ「A」と他方のチームのユーザ「C」を選択し、ユーザ「A」がパートナーとなるユーザ「B」を選択し、ユーザ「C」がパートナーとなるユーザ「D」を選択するようにしてもよい。また、イベントに参加するユーザとNPCで対戦や協力を行う場合には、代表者ユーザは、対戦或いは協力させるユーザとNPCを選択する。この場合も、対戦は、多対多の対戦(チーム戦)であってもよい。また、代表者ユーザが複数設定されている場合、それぞれの代表者ユーザが対戦させるユーザを選択するようにしてもよいし、例えば代表者ユーザ「A」が最初の対戦で対戦させるユ
ーザを選択し、代表者ユーザ「B」が次の対戦で対戦させるユーザを選択させるといったように、交互に選択するようにしてもよい。また、チーム戦の場合、例えば代表者ユーザ「A」が一方のチームのユーザ「C」と他方のチームのユーザ「D」を選択し、代表者ユーザ「B」がユーザ「C」のパートナーとなるユーザ「E」とユーザ「D」のパートナーとなるユーザ「F」を選択するようにしてもよいし、代表者ユーザ「A」が一方のチームのユーザ「C」とユーザ「E」を選択し、代表者ユーザ「B」が他方のチームのユーザ「D」とユーザ「F」を選択するようにしてもよい。
【0040】
イベント処理部210は、所定のイベント開催条件が満たされた場合に、プレーヤ設定部216で設定されたプレーヤ組み合わせに基づいてイベントを開催可能にする(対戦者組み合わせによる対戦ゲームを実行させる、協力者組み合わせによる協力ゲームを実行させる)。ゲーム実行時においては、対戦プレイや協力プレイを行う一方のユーザの端末10からの操作情報を他方のユーザの端末10に送信するとともに、他方のユーザの端末10からの操作情報を一方のユーザの端末10に送信する。なお、イベント開催条件は、プレーヤ組み合わせが設定されてから所定の時間が経過したことであってもよいし、所定の期間(日時)が到来したことであってもよい。また、イベント開催条件は、イベントに参加するユーザの人数や、招待を受諾したユーザの人数や、後述する観客ユーザの人数が所定人数に達することであってもよい。また、イベント開催条件は、代表者ユーザによる所定の操作(開始操作)が行われたことであってもよい。
【0041】
イベントは、プレーヤ指定パート(対戦者指定パート、協力者指定パート)とゲームプレイパート(対戦プレイパート、協力プレイパート)に分かれていてもよい。この場合、プレーヤ設定部216は、プレーヤ指定パートにおいてプレーヤ組み合わせが設定された場合に、ゲームプレイパートに移行して当該プレーヤ組み合わせによるゲームを実行させ、当該ゲームが終了した場合に、プレーヤ指定パートに移行し、次のプレーヤ組み合わせを設定するようにしてもよい。また、ゲームを実行する前に、全てのプレーヤ組み合わせを設定するようにしてもよい。また、対戦は、トーナメント方式であってもよいし、総当たり方式であってもよい。
【0042】
プレーヤ設定部216は、プレーヤ組み合わせを設定する際に、イベントに参加する複数のユーザに関する情報を代表者ユーザに対して提示する(代表者ユーザの端末10に表示させる)ようにしてもよい。ユーザに関する情報は、今回のイベントが作成されてから現時点までのゲームにおける戦歴(勝敗数や成績(スコア、タイム等)、対戦相手等)や過去のイベントのゲームにおける戦歴(実績)、レベル、属性、使用しているキャラクタや乗り物や武器やアイテム等の情報を含んでいてもよい。プレーヤ設定部216は、複数のユーザに関する情報を代表者ユーザに対してのみ提示してもよいし、複数のユーザに関する情報をイベントに参加している全てのユーザに提示するようにしてもよい。また、複数のユーザに関する情報の一部を全てのユーザに提示し、その他の情報については代表者ユーザにのみ提示するようにしてもよい。
【0043】
イベント処理部210は、ゲームのゲーム画面(ゲームプレイを行ういずれか一人のユーザのゲーム画面)を観客ユーザが各自の端末10で視聴可能にしてもよい。イベント処理部210は、イベントに参加しているユーザのうちゲームプレイを行うユーザとして選択されなかったユーザを観客ユーザとして設定してもよいし、イベントに参加していないユーザを観客ユーザとして設定するようにしてもよい。
【0044】
イベント処理部210は、イベントに参加するユーザや観客ユーザによるイベントに対する評価(例えば、「いいね」等の投稿)を受け付け、受け付けた評価に基づいて、少なくとも代表者ユーザ(代表者ユーザのみ、或いは、代表者ユーザと観客ユーザ)に特典(キャラクタやアイテム等のゲーム媒体、ゲーム内通貨、ポイント等)を付与してもよい。
また、イベント処理部210は、観客ユーザによって投稿された投稿情報(投銭、スタンプ等のアイテム、応援のコメント等)を受け付け、受け付けた投稿情報を観客ユーザの端末10(観客ユーザが視聴しているゲーム画面)に表示させてもよい。この場合、イベント処理部210は、観客ユーザの投稿状況(投稿情報の質や量)に応じて、少なくとも代表者ユーザに特典を付与してもよい。また、イベント処理部210は、観客ユーザの視聴状況(視聴者数、視聴者数の変動)に応じて、少なくとも代表者ユーザに特典を付与してもよい。また、イベント処理部210は、観客ユーザによるゲーム結果の予想(対戦に勝利するユーザやチームの予想、成績の予想)を受け付け、受け付けた予想(受け付けた予想の数、予想の当たり外れ)に基づいて、少なくとも代表者ユーザに特典を付与してもよい。また、イベント処理部210は、イベントに参加するユーザの参加状況(参加者数、参加者のゲームでの成績、参加時間、参加満足度等)に応じて、少なくとも代表者ユーザに特典を付与してもよい。
【0045】
イベント処理部210は、プレーヤ組み合わせの設定結果に基づいて、イベントに参加しているユーザに対して所定の通知を行う(ユーザの端末10に通知情報を送信する)ようにしてもよい。例えば、イベント処理部210は、ゲームプレイを行うユーザとして選択されたユーザに対してその旨を通知するとともに、観客ユーザとして設定された(ゲームプレイを行うユーザとして選択されなかった)ユーザに対してその旨を通知する。
【0046】
図3に、本実施形態の端末10の機能ブロックの一例を示す。なお本実施形態の端末は図3の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0047】
入力部150は、ユーザからの入力情報を入力(検出)するための機器であり、ユーザの入力情報(操作情報)を処理部100に出力する。入力部150の機能は、タッチパネル、タッチパッド、マウス、方向キーやボタン、キーボード等の入力機器により実現することができる。
【0048】
記憶部170は、処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを記憶するとともに、処理部100のワーク領域として機能し、その機能はハードディスク、RAMなどにより実現できる。
【0049】
表示部190は、処理部100で生成されたゲーム画像を出力するものであり、その機能は、入力部150としても機能するタッチパネル、LCD或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などのディスプレイにより実現できる。
【0050】
音出力部192は、処理部100で生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0051】
通信部196はサーバ20や他の端末10との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0052】
なお、サーバ20が有する情報記憶媒体や記憶部に記憶されている処理部100の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラムや各種データを、ネットワークを介して受信し、受信したプログラムやデータを記憶部170に記憶してもよい。このようにプログラムや各種データを受信して端末を機能させる場合も本発明の範囲内に含む。
【0053】
処理部100(プロセッサ)は、入力部150からの入力情報(操作情報)、プログラム、通信部196を介して受信したデータなどに基づいて、ゲームを進行させる処理、画像生成処理、音生成処理、などの処理を行う。処理部100の機能は各種プロセッサ(C
PU、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。処理部100は、ゲーム制御部110、画像生成部120、音生成部130を含む。
【0054】
ゲーム制御部110は、ユーザの操作に基づいてゲームを実行する。例えば、ゲーム制御部110は、ゲームの実行時において、入力部150で入力された操作情報に基づいて自身のキャラクタや乗り物の動作を制御し、サーバ20を介して対戦相手や協力者の端末10から受信した操作情報に基づいて対戦相手や協力者のキャラクタや乗り物の動作を制御する。また、ゲーム制御部110は、ユーザがイベントの作成を指示する操作を行った場合や、ユーザが他のユーザをイベントに招待する操作を行った場合や、ユーザがイベントへの参加(招待の受諾)を指示する操作を行った場合や、ユーザがイベントでゲームプレイを行うユーザを選択する操作を行った場合や、ユーザが評価や投稿情報や予想の投稿を指示する操作を行った場合に、当該操作に関する操作情報をサーバ20に送信する。
【0055】
画像生成部120は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて描画処理を行い、これによりゲーム画像を生成し、表示部190に出力する。画像生成部120は、オブジェクト空間(ゲーム空間)内において仮想カメラ(所与の視点)から見える画像(いわゆる3次元画像)を生成してもよい。
【0056】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0057】
また、本実施形態のゲームシステムをサーバシステムとして構成してもよい。サーバシステムは、1又は複数のサーバ(認証サーバ、ゲーム処理サーバ、通信サーバ、課金サーバ、データベースサーバ等)により構成することができる。この場合には、サーバシステムは、ネットワークを介して接続された1又は複数の端末(例えば、スマートフォン、携帯電話、携帯型ゲーム機等)から送信された操作入力(端末の入力部に入力されたデータ)に基づいて、処理部100の各部の処理を行って、画像を生成するための画像生成用データを生成し、生成した画像生成用データを各端末に対して送信する。ここで、画像生成用データとは、本実施形態の手法により生成された画像を各端末において表示するためのデータであり、画像データそのものでもよいし、各端末が画像を生成するために用いる各種データ(オブジェクトデータ、ゲーム処理結果データ等)であってもよい。
【0058】
2.本実施形態の手法
次に本実施形態の手法について図面を用いて説明する。本実施形態のゲームシステムは、複数のユーザが参加する対戦ゲームのイベントを開催するように構成される。ユーザがイベント(ルーム)を作成する操作を行うと、当該ユーザは、当該イベントの代表者ユーザとして設定される。代表者ユーザは、他のユーザをイベントに招待する。例えば、代表者ユーザは、自身とフレンド関係にあるユーザの中からイベントに招待するユーザを選択する操作を行う。イベントに招待されたユーザにはその旨通知され、招待されたユーザが承諾する操作を行うと、当該ユーザはイベントに参加するユーザ(参加者ユーザ)として設定される。代表者ユーザは、イベントの参加者ユーザの中から当該イベントで対戦を行う2名のユーザを指定(選択)する。
【0059】
図4は、代表者ユーザの端末10の表示部190に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図4に示すゲーム画面GIは、対戦者組み合わせ(プレーヤ組み合わせの一例)を設定するための画面(対戦者指定パートの画面)であり、代表者ユーザと参加者ユーザの一覧であるユーザ一覧ULが表示されている。この例では、ユーザ一覧ULとして、代表者ユーザ(ホスト)であるユーザ「A」と、参加者ユーザであるユーザ「B」~「E」が表示されている。また、ユーザ一覧ULには、各ユーザのアイコンICが表示され、
また、各ユーザに関する情報として、レベル、戦闘力、対戦ゲーム(カーレースゲーム)で使用する車両の種類(車種)、及び、今回のイベントにおける戦歴(勝敗数)が表示されている。代表者ユーザは、これらの情報を参照して、ユーザ一覧ULの中の任意のユーザに関連付けられた対戦指名ボタンMBを押す操作を行うことで、当該ユーザを、対戦を行うユーザ(対戦ユーザ)として指定することができる。代表者ユーザは、対戦ユーザとして自身を指定することも可能である。
【0060】
図5に示す例では、代表者ユーザによって、対戦ユーザとしてユーザ「B」とユーザ「D」が指定されており、当該ユーザの対戦指名ボタンMBの表記が「対戦指名」から「対戦指名中」に変化している。代表者ユーザが2名のユーザを対戦ユーザとして指定する操作(対戦者組み合わせの指定操作)を完了すると、対戦ユーザとして指定されたユーザ(ここでは、ユーザ「B」とユーザ「D」)の端末10の表示部に、対戦ユーザとして指定された旨と対戦相手が表示され、所定時間(例えば、60秒)のカウントダウンが開始される。所定時間が経過した場合や、所定時間の経過前に代表者ユーザが準備完了ボタンRBを押す操作を行った場合、又は、対戦ユーザが同様の操作を行った場合に、イベント開催条件が満たされたとして対戦パートに移行し、対戦ユーザが対戦する対戦ゲームが開始される。
【0061】
一方、対戦ユーザとして指定されなかったユーザ(ここでは、ユーザ「C」とユーザ「E」)は、対戦ゲームを視聴(観戦)可能な観客ユーザとして設定され、当該ユーザの端末10の表示部190に、観客ユーザとなった旨と、対戦ユーザとして指定されたユーザが表示される。そして、対戦ゲームが開始されると、観客ユーザの端末10の表示部190に対戦ゲームのゲーム画面が表示される。観客ユーザの端末10には、対戦ユーザ(ユーザ「B」とユーザ「D」のいずれか)のゲーム画面が配信される。例えば、対戦ユーザとして最初に指定されたユーザ(例えば、ユーザ「B」)のゲーム画面を配信(共有)するようにしてもよいし、代表者ユーザがいずれの対戦ユーザのゲーム画面を共有するかを指定するようにしてもよい。
【0062】
図6は、対戦ユーザの端末10の表示部190に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。この例では、対戦ゲームは、ユーザの操作に基づき車両をコースに沿って走行させ、対戦相手の車両とレースを行うレースゲームである。図6に示すゲーム画面GIは、対戦ユーザであるユーザ「B」のゲーム画面であり、ユーザ「B」の車両VEが表示されている。このゲーム画面GIは、オブジェクト空間内の仮想カメラから見た画像であり、仮想カメラは、車両VEの後方に配置され、車両VEに追従して移動する。また、ゲーム画面GIには、対戦相手の対戦ユーザであるユーザ「D」のアイコンICと、ユーザ「B」が所定の操作(ドリフト操作)を行うためのハンドルボタンHBが表示されている。
【0063】
図7は、観客ユーザ(及び、対戦ユーザとして指定されていない代表者ユーザ)の端末10の表示部190に表示されるゲーム画面の一例を示す図である。図7に示すゲーム画面GIは、対戦ユーザであるユーザ「B」のゲーム画面(図6に示すゲーム画面)と同様のゲーム画面であるが、観戦中であることを示すアイコンが表示され、ハンドルボタンHBは表示されていない。
【0064】
観客ユーザは、対戦ゲームの観戦中に、投稿情報としてスタンプを投稿することができる。観客ユーザによって投稿されたスタンプは、観客ユーザのゲーム画面に表示されるが、対戦ユーザのゲーム画面には表示されない。図7に示すゲーム画面GIには、観客ユーザによって投稿された、対戦ユーザを応援するスタンプSTが表示されている。なお、観客ユーザが、投稿情報としてコメントを投稿できるようにしてもよいし、ゲーム内通貨を消費して投銭を行えるようにしてもよい。この場合、投稿されたスタンプSTと同様に、投稿されたコメントや投銭を示すオブジェクトが、観客ユーザのゲーム画面に表示される
。また、参加者ユーザが、イベントに対する評価を行えるようにしてもよい。この場合、評価結果(例えば、「いいね」の数)を観客ユーザのゲーム画面に表示するようにしてもよい。
【0065】
ここで、参加者ユーザによって行われた評価や観客ユーザの投稿状況に応じて、代表者ユーザ(及び、参加者ユーザや観客ユーザ)に特典を付与するようにしてもよい。例えば、イベントに対する「いいね」等の評価の数や投稿されたスタンプ/コメントの数や投銭の額が所定値に達した場合に、当該イベントの代表者ユーザに特典を付与してもよいし、「いいね」等の評価の数や投稿されたスタンプ/コメントの数や投銭の額が多いほど価値の高い特典(レアリティの高いゲーム媒体や、大きな額のゲーム内通貨等)を代表者ユーザに付与してもよい。また、観客ユーザの視聴状況に応じて、代表者ユーザ(及び、参加者ユーザや観客ユーザ)に特典を付与するようにしてもよい。例えば、対戦ゲームの視聴者数(観客ユーザの数)が所定数に達した場合や、視聴者数の変動がない(対戦ゲームの実行中に視聴者数が減少していない)場合に、代表者ユーザに特典を付与してもよいし、視聴者数が多いほど価値の高い特典を代表者ユーザに付与してもよい。
【0066】
また、対戦ゲームの実行前に、観客ユーザによる対戦結果(勝敗)の予想を受け付け、受け付けた予想に基づいて、対戦ゲームの実行後に、代表者ユーザ(及び、参加者ユーザや観客ユーザ)に特典を付与するようにしてもよい。例えば、観客ユーザによる予想数が所定値に達した場合に、代表者に特典を付与してもよいし、予想数が多いほど価値の高い特典を代表者ユーザに付与してもよい。また、予想が当たった観客ユーザの数が、予想が外れた観客ユーザの数を上回った場合に、代表者ユーザや観客ユーザに特典を付与してもよいし、予想が外れた観客ユーザの数が、予想が当たった観客ユーザの数を上回った場合に、イベントが盛り上がったとして、代表者ユーザや観客ユーザに特典を付与してもよい。また、予想が当たった観客ユーザに予想的中報酬として特典を付与してもよいし、予想が外れた観客ユーザに残念賞として特典を付与してもよい。
【0067】
また、参加者ユーザの参加状況に応じて、代表者ユーザ(及び、参加者ユーザや観客ユーザ)に特典を付与するようにしてもよい。例えば、参加者ユーザの数や参加率(招待を受けたユーザの数に対する招待を受諾したユーザの数)が所定値に達した場合に、代表者ユーザに特典を付与してもよいし、参加者ユーザの数が多い或いは参加率が高いほど価値の高い特典を代表者ユーザに付与してもよい。また、参加者ユーザの参加時間(イベントに参加してからイベントを離脱するまでの時間)の合計値や平均値が所定値に達した場合に、代表者ユーザに特典を付与してもよいし、参加時間の合計値や平均値が大きいほど価値の高い特典を代表者ユーザに付与してもよい。また、参加者ユーザのゲームでの成績が所定値に達した場合に、代表者ユーザに特典を付与してもよいし、成績が良いほど価値の高い特典を代表者ユーザに付与してもよい。また、参加者ユーザに満足度を回答してもらい、満足度の合計値や平均値が所定値に達した場合に、代表者ユーザに特典を付与してもよいし、満足度の合計値や平均値が大きいほど価値の高い特典を代表者ユーザに付与してもよい。
【0068】
対戦ユーザによる対戦ゲームが終了すると、代表者ユーザのゲーム画面は、対戦者指定パートの画面に移行し、代表者ユーザは、次の対戦ユーザを指定する操作を行う。図8に示すゲーム画面GIは、ユーザ「B」とユーザ「D」による対戦ゲームの終了後の代表者ユーザのゲーム画面であり、ユーザ「B」とユーザ「D」の戦歴が更新されている。ここでは、直前の対戦ゲームにおいてユーザ「B」が勝利したことを示している。
【0069】
本実施形態によれば、イベントの代表者である代表者ユーザが当該イベントで対戦を行うユーザを任意に選択して対戦者組み合わせを設定できるようにすることで、代表者ユーザがイベントの進行をコントロールし易くし、イベントを盛り上げ易くすることができる
。また、対戦者組み合わせを設定する際に、参加者ユーザの戦歴等の情報を代表者ユーザに対して提示することで、対戦者組み合わせを設定する際の判断材料を代表者ユーザに提供することができる。
【0070】
上記例では、イベントで対戦ゲームを行う場合について説明したが、本実施形態は、イベントで協力ゲーム(複数のユーザが協力プレイを行うゲーム)行う場合に適用することもできる。この場合、代表者ユーザは、参加者ユーザの中から協力プレイを行うユーザを選択して、プレーヤ組み合わせを設定する。例えば、代表者ユーザが、ユーザ「A」とユーザ「B」の組み合わせ(第1の組み合わせ)を指定して、第1の組み合わせで協力プレイを行うゲームを実行させ、その後、ユーザ「C」とユーザ「D」の組み合わせ(第2の組み合わせ)を指定して、第2の組み合わせで協力プレイを行うゲームを実行させる。この場合、第1の組み合わせと第2の組み合わせ間で協力プレイの結果(ゲームスコア等の成績や、ゲームクリアの有無)を競うようにしてもよいし、協力プレイの結果を競わずゲームプレイを楽しむだけのものであってもよい。上記のように第1の組み合わせと第2の組み合わせで順番にゲームプレイを行わせてもよいし、第1の組み合わせと第2の組み合わせで同時にゲームプレイを行わせてもよい。また、第1の組み合わせの指定と第2の組み合わせの指定を、ゲームプレイが始まる前に両方とも行うようにしてもよい。
【0071】
3.処理
次に、本実施形態のゲームシステム(サーバ20)の処理の一例について図9のフローチャートを用いて説明する。
【0072】
まず、イベント処理部210は、ユーザの端末10から受信した操作情報(イベントの作成を指示する操作情報)に基づいてイベントを作成し(ステップS10)、代表者設定部214は、当該ユーザを当該イベントの代表者ユーザとして設定する(ステップS11)。次に、ユーザ設定部212は、代表者ユーザの端末10から受信した操作情報(イベントへの招待を指示する操作情報)に基づいて、当該操作情報で指定された他のユーザの端末10に通知情報を送信し、イベントに招待された他のユーザから受信した通知情報(招待を受諾することを通知する情報)に基づいて、当該他のユーザをイベントに参加するユーザ(参加者ユーザ)として設定する(ステップS12)。
【0073】
次に、プレーヤ設定部216は、参加者ユーザとして設定された複数のユーザに関する情報を代表者ユーザの端末10に送信して、当該情報を当該端末10に表示させる(ステップS13)。次に、プレーヤ設定部216は、代表者ユーザの端末10から受信した操作情報(参加者ユーザの中から対戦を行うユーザを選択する操作情報)に基づいて、当該操作情報で選択された2名以上のユーザを対戦ユーザとして設定して、対戦者組み合わせを設定する(ステップS14)。次に、イベント処理部210は、参加者ユーザのうち対戦ユーザとして設定されなかったユーザを観客ユーザとして設定する(ステップS15)。次に、イベント処理部210は、対戦ユーザとして設定された各ユーザの端末10にその旨を通知する通知情報を送信するとともに、観客ユーザとして設定された各ユーザの端末10にその旨を通知する通知情報を送信する(ステップS16)。
【0074】
次に、イベント処理部210は、所定のイベント開催条件が満たされたか否かを判断し(ステップS17)、イベント開催条件が満たされた場合(ステップS17のY)には、ステップS14で設定された対戦者組み合わせに基づいて、2名以上の対戦ユーザが対戦を行う対戦ゲームを実行させる(ステップS18)。ステップS17では、イベント処理部210は、各対戦ユーザの端末10から受信した操作情報を他の対戦ユーザの端末10に転送する。また、イベント処理部210は、各対戦ユーザの端末10から受信した操作情報に基づいて対戦ゲームの観戦用のゲーム画像(動画像)を生成し、生成したゲーム画像を各観客ユーザの端末10に配信する(ステップS19)。なお、各対戦ユーザの端末
10から受信した操作情報を各観客ユーザの端末10に送信することで、各観客ユーザの端末10で観戦用のゲーム画像を生成させるようにしてもよい。ステップS19では、観客ユーザの端末10から受信した投稿情報に基づいて、当該投稿情報に基づくオブジェクトを観戦用のゲーム画像に表示せる制御を行ってもよい。
【0075】
次に、対戦ゲームの終了後、イベント処理部210は、イベントを継続するか否かを判断し(ステップS20)、イベントを継続する場合(ステップS20のY)には、ステップS13に移行し、イベントを終了する(例えば、代表者ユーザの端末10からイベントの終了を指示する操作情報を受信する)まで、ステップS13以降の処理を繰り返す。
【0076】
本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。
【符号の説明】
【0077】
10…端末、20…サーバ、100…処理部、110…ゲーム制御部、120…画像生成部、130…音生成部、150…入力部、170…記憶部、190…表示部、192…音出力部、196…通信部、200…処理部、210…イベント処理部、212…ユーザ設定部、214…代表者設定部、216…プレーヤ設定部、270…記憶部、272…格納部、296…通信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9