(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20241126BHJP
【FI】
H04M11/00 302
(21)【出願番号】P 2020132639
(22)【出願日】2020-08-04
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中村 滋
(72)【発明者】
【氏名】河崎 佑一
(72)【発明者】
【氏名】日野原 寛
(72)【発明者】
【氏名】本間 毅史
【審査官】山中 実
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-060305(JP,A)
【文献】特開2016-162051(JP,A)
【文献】特開2019-114123(JP,A)
【文献】特開2018-050285(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0321306(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0198534(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信端末と、前記第1の通信端末と複数の画像を共有する第2の通信端末と、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の通信を管理する通信管理装置と、を含む通信システムであって、
前記第1の通信端末は、
前記第1の通信端末の表示部に表示される、前記複数の画像の各画像が、ページ内の手前にあるのか、奥にあるのかを表す表示順序の変更を受け付ける受付部と、
前記受付部が前記表示順序の変更を受け付けたときに、
前記通信管理装置に、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による
編集のロックを要求する情報送信部と、
を有し、
前記通信管理装置は、前記編集のロックの要求に応じて、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による更新を制限する共有
情報管理部
を有し、
前記第2の通信端末は、前記第1の通信端末が送信する前記表示順序に関する情報に従って、前記第2の通信端末の表示部に表示される前記複数の画像の前記表示順序を変更する表示制御部
を有し、
前記情報送信部は、前記通信管理装置に前記編集のロックを要求した後に、前記表示順序に関する情報を前記第2の通信端末に送信する、通信システム。
【請求項2】
前記通信管理装置は、第1の通信端末が送信する前記表示順序に関する情報を、前記第2の通信端末に転送する送受信部を有し、
前記
情報送信部は、前記表示順序に関する情報を、前記通信管理装置を介して、前記第2の通信端末に送信する
、請求項
1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数の画像は、前記第1の通信端末又は前記第2の通信端末の利用者が描画したストローク画像を含む、請求項1
又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信管理装置は、前記第1の通信端末の表示部に表示している表示ページを含む1つ以上のページの情報を記憶する記憶部を有し、
前記情報送信部は、前記受付部が前記複数の画像の前記表示順序の変更を受け付けたときに、前記表示順序を示す情報を含む前記表示ページの情報を、前記第2の通信端末に送信する、請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信管理装置は、前記第1の通信端末の表示部に表示されるページごとに、前記複数の画像の情報と、前記複数の画像の前記表示順序を示す情報とを記憶する記憶部を有し、
前記情報送信部は、前記受付部が前記複数の画像の前記表示順序の変更を受け付けたときに、前記第1の通信端末の表示部に表示している表示ページに対応する前記複数の画像の前記表示順序を示す情報を、前記第2の通信端末に送信する、請求項1
乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記ストローク画像の情報と、前記表示順序に関する情報とに基づいて、前記複数の画像の前記表示順序の変更が不要と判断した場合、前記複数の画像の表示順序の変更を中止する、請求項
3に記載の通信システム。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記複数の画像のうち、重なり合う画像がストローク画像のみであり、かつ同一色である場合、前記複数の画像の前記表示順序の変更を中止する、請求項
3又は
6に記載の通信システム。
【請求項8】
第1の通信端末と、前記第1の通信端末と複数の画像を共有する第2の通信端末と、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の通信を管理する通信管理装置と、を含む通信システムに
おいて、
前記第1の通信端末が、前記第1の通信端末の表示部に表示される、前記複数の画像の各画像が、ページ内の手前にあるのか、奥にあるのかを表す表示順序の変更を受け付け
し、
前記第1の通信端末が、前記表示順序の変更を受け付けたときに、
前記通信管理装置に、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による
編集のロックを要求し、
前記通信管理装置が、前記編集のロックの要求に応じて、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による更新を制限し、
前記第1の通信端末が、前記編集のロックを要求した後に、前記表示順序に関する情報を、前記第2の通信端末に送信
し、
前記第2の通信端末が、前記
第1の通信端末が送信
する前記表示順序に関する情報に従って、前記第2の通信端末の表示部に表示される前記複数の画像の前記表示順序を変更する
、
通信方法。
【請求項9】
第1の通信端末と、前記第1の通信端末と複数の画像を共有する第2の通信端末と、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の通信を管理する通信管理装置と、を含む通信システムに
、
前記第1の通信端末が、前記第1の通信端末の表示部に表示される、前記複数の画像の各画像が、ページ内の手前にあるのか、奥にあるのかを表す表示順序の変更を受け付ける
処理と、
前記第1の通信端末が、前記表示順序の変更を受け付けたときに、
前記通信管理装置に、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による
編集のロックを要求する処理と、
前記通信管理装置が、前記編集のロックの要求に応じて、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による更新を制限する処理と、
前記第1の通信端末が、前記編集のロックを要求した後に、前記表示順序に関する情報を、前記第2の通信端末に送信する
処理と、
前記第2の通信端末が、前記
第1の通信端末が送信
する前記表示順序に関する情報に従って、前記第2の通信端末の表示部に表示される前記複数の画像の前記表示順序を変更する
処理と、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット等の通信ネットワークを介して、複数の通信端末の間で会議を行う会議システムが普及している。
【0003】
また、このような会議システムにおいて、ユーザが電子ペンや手等で描画したストローク画像を再生するためのストロークデータを、通信端末の間で送受信することにより、ストローク画像を共有する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に示されるような従来の通信端末では、ストローク画像等の複数の画像の配置を2次元平面上のX、Y座標で定義しており、例えば、他の通信端末と複数の画像を共有するときには、X、Y座標で定義されたコンテンツデータを送信する。
【0005】
しかし、このように、X、Y座標で定義されたコンテンツデータだけでは、各画像が手前にあるのか、奥にあるのかを表すことができないため、例えば、共有している複数の画像の表示順序を変更することができないという問題がある。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、複数の通信端末の間で複数の画像を共有する通信システムにおいて、共有している複数の画像の表示順序を変更することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態に係る通信システムは、第1の通信端末と、前記第1の通信端末と複数の画像を共有する第2の通信端末と、前記第1の通信端末と前記第2の通信端末との間の通信を管理する通信管理装置と、を含む通信システムであって、前記第1の通信端末は、前記第1の通信端末の表示部に表示される、前記複数の画像の各画像が、ページ内の手前にあるのか、奥にあるのかを表す表示順序の変更を受け付ける受付部と、前記受付部が前記表示順序の変更を受け付けたときに、前記通信管理装置に、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による編集のロックを要求する情報送信部と、を有し、前記通信管理装置は、前記編集のロックの要求に応じて、前記第1の通信端末、及び前記第2の通信端末が表示しているページの前記第2の通信端末による更新を制限する共有画像管理部を有し、前記第2の通信端末は、前記第1の通信端末が送信する前記表示順序に関する情報に従って、前記第2の通信端末の表示部に表示される前記複数の画像の前記表示順序を変更する表示制御部を有し、前記情報送信部は、前記通信管理装置に前記編集のロックを要求した後に、前記表示順序に関する情報を前記第2の通信端末に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、複数の通信端末の間で複数の画像を共有する通信システムにおいて、共有している複数の画像の表示順序を変更することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る通信システムにおける通信ルートの例を示す概略図である。
【
図2】一実施形態に係る電子黒板の使用イメージについて説明するための図である。
【
図3】一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。
【
図5】一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
【
図6】一実施形態に係る通信システムの機能構成の例を示す図である。
【
図7】一実施形態に係る認証管理テーブルの例を示す図である。
【
図8】一実施形態に係る端末管理テーブルの例を示す図である。
【
図9】一実施形態に係る宛先リスト管理テーブルの例を示す図である。
【
図10】一実施形態に係るセッション管理テーブルの例を示す図である。
【
図11】一実施形態に係る中継装置管理テーブルの例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。
【
図13】一実施形態に係る電子黒板が表示する宛先リストの画面例を示す図である。
【
図14】一実施形態に係るセッションの開始処理の例を示すシーケンス図である。
【
図15】一実施形態に係る背景画像、及びストローク画像の共有処理の例を示すシーケンス図(1)である。
【
図16】一実施形態に係る背景画像、及びストローク画像の共有処理の例を示すシーケンス図(2)である。
【
図17】一実施形態に係る電子黒板の表示画面の例を示す図である。
【
図18】第1の実施形態に係る共有情報のイメージを示す図である。
【
図19】第1の実施形態に係る表示順序の変更処理の例を示すシーケンス図である。
【
図20】第1の実施形態に係るストローク画像の表示順序の変更操作の例を示す図である。
【
図21】第2の実施形態に係る共有情報のイメージを示す図である。
【
図22】第2の実施形態に係る表示順序の変更処理の例を示すシーケンス図である。
【
図23】一実施形態に係る表示順序の更新処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
〔通信システムの概略〕
まず、
図1を用いて、複数の電子黒板1a、1b間で描画しながらビデオ会議を行うための通信システム100の概要について説明する。
図1は、本実施形態の通信ルートの例を示す概略図である。なお、「ビデオ会議」は、「テレビ会議」、「遠隔会議」、「会議」等と呼ばれる場合がある。
【0012】
なお、「ビデオ会議」、「テレビ会議」、「遠隔会議」等の会議は、複数の通信端末の間でストローク画像を共有するセッション(通信)の一例である。例えば、セッションは、遠隔授業、遠隔診療、打ち合わせ、単なる会話等を行う、会議以外のセッションであっても良い。
【0013】
通信システム100は、例えば、複数の電子黒板1a、1b、中継装置3、通信管理装置5、及び画像保存装置7等によって構築されている。
【0014】
電子黒板(通信端末)1a、1bは、通話用の映像データ及び音データ、共有用の画像データ、及びストロークデータ等のコンテンツデータの相互通信を行う端末装置であり、IWB(Interactive White Board)とも呼ばれる。
【0015】
なお、通信システム100は、2つの電子黒板1a、1bに限らず、3つ以上の電子黒板を有していても良い。また、以下の説明の中で、通信システム100に含まれる複数の電子黒板のうち、任意の電子黒板を示す場合、「電子黒板1」を用いる。
【0016】
なお、電子黒板1は、本実施形態に係る通信端末の一例である。通信端末は、通信機能、描画機能、表示機能等を備える他の通信端末であっても良い。例えば、通信端末は、通信システム100に対応するアプリケーションプログラムがインストールされた、PC(Personal Computer)、タブレット端末、スマートフォン等の情報端末であっても良い。
【0017】
ストロークデータは、ストローク画像を再生(再現)するために用いられるデータであり、例えば、座標データ、線の幅データ、線の色データ、ベクトルデータ等が含まれる。また、電子黒板1a、1bは、通話用の映像データ及び音データの送受信により、相手側の映像及び音を再生することで、ビデオ通話が可能となる。
【0018】
電子黒板1a、1bは、共有用の資料画像の画像データを送受信することにより、通信システム100を利用する利用者が、同じ資料画像を共有することができる。資料画像は、電子黒板1のディスプレイに表示される画像であり、例えば、会議の資料、ディスプレイに表示される背景画像、ディスプレイ画面をキャプチャされた場合のキャプチャ画面等の画像等が含まれ得る。
【0019】
また、電子黒板1a、1bは、共有用のストローク画像のストロークデータを送受信することにより、通信システムを利用する参加者が、同じストローク画像を共有することができる。ストローク画像は、利用者によって電子ペン等で手書きストロークにより描画された線等を示す画像である。ストローク画像は、ディスプレイ上の座標を特定する点を示すストロークデータによって表示される。
【0020】
図1では、電子黒板1a、1bの一例としてビデオ会議機能が搭載された電子黒板が示されている。なお、映像データの画像は、動画であっても良いし、静止画であっても良い。
【0021】
また、以下の説明において、ビデオ会議の開始を要求する要求元の電子黒板1を「開始端末」と呼び、要求先である宛先(中継先)の電子黒板1を「宛先端末」と呼ぶ場合がある。例えば、
図1において、電子黒板1aから電子黒板1bにビデオ会議の開始を要求する場合、電子黒板1aが開始端末となり、電子黒板1bが宛先端末となる。なお、各電子黒板1a、1bは、複数の事業所間での通信や、同じ事業所内の異なる部屋間での通信だけでなく、同じ部屋内での通信や、屋外と屋内又は屋外と屋外での通信で使われても良い。
【0022】
中継装置3は、コンピュータによって構成され、複数の電子黒板1a、1b間で、通話用のコンテンツデータを中継する処理を行う。
【0023】
通信管理装置5は、コンピュータによって構成され、例えば、電子黒板1aと電子黒板1bとの間の通信(セッション)を管理する。例えば、通信管理装置5は、電子黒板1a、1bからのログインの認証、電子黒板1a、1bの通信状況の管理、宛先リストの管理、及び中継装置3の通信状況等を一元的に管理する。また、通信管理装置5は、複数の電子黒板1a、1b間で、共有用のストロークデータを中継する。
【0024】
画像保存装置7は、コンピュータによって構成され、電子黒板1aからアップロードされた共有用の資料画像の画像データを保存して、電子黒板1bにダウンロードする。また、この逆も実行される。即ち、画像保存装置7は、電子黒板1bからアップロードされた画像データを保存して、電子黒板1aにダウンロードする。
【0025】
なお、中継装置3、通信管理装置5及び画像保存装置7は、単一のコンピュータによって構築されても良いし、各部(機能又は手段)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていても良い。
【0026】
また、通信システム100において、電子黒板1a、1bとの間では、通信管理装置5を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションsei(以下、「セッションsei」と呼ぶ)が確立される。また、電子黒板1a、1bとの間では、中継装置3を介して、例えば、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ、及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。
図1では、これら4つのセッションをまとめて、画像・音データ用セッションsed(以下、単に「セッション」と呼ぶ)として示している。なお、セッションは、必ずしも4つのセッションである必要はなく、4つのセッション数より少ない又は多いセッション数であっても良い。また、開始端末と宛先端末との間で、中継装置3を介さずに、直接、セッションを確立しても良い。
【0027】
さらに、通信システム100において、電子黒板1a、1bとの間では、セッションseiを利用して、ストロークデータの送受信を行うことができる。
【0028】
ここで、本実施形態で扱われる映像データの映像の解像度について説明する。低解像度の映像データは、例えば、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる。中解像度の映像データは、横が320画素、縦が240画素から成る。高解像度の映像データは、例えば、横が640画素、縦が480画素から成る。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の映像データのみから成る低画質の映像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の映像データ、及び中解像度の映像データから成る中画質の映像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画像となる低解像度の映像データ、中解像度の映像データ、及び高解像度の映像データから成る高画質の映像データが中継される。音データは、映像データに比べてデータ量が少ないため、狭帯域経路であっても中継される。
【0029】
<電子黒板の使用イメージ>
図2は、一実施形態に係る電子黒板の使用イメージについて説明するための図である。電子黒板1は、
図2に示すように、下部側に複数のキャスタが設けられた脚部151、脚部151の上部側に設けられた支柱152、支柱152上部側に設けられた電子黒板1の本体130、及び本体130の前面に設けられたディスプレイ160等を有している。本体130には、後述するCPU101等が内蔵されている。そして、利用者は、電子ペン140等を用いて、ディスプレイ160に文字等のストローク画像を入力(描画)することができる。
【0030】
〔ハードウェア構成〕
次に、本実施形態に係る各装置のハードウェア構成について説明する。
【0031】
<電子黒板のハードウェア構成>
図3は、一実施形態に係る電子黒板のハードウェア構成の例を示す図である。
図3に示されているように、電子黒板1は、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、SSD(Solid State Drive)104、ネットワークI/F(Interface)105、及び、外部機器接続I/F106等を備えている。
【0032】
これらのうち、CPU101は、電子黒板1全体の動作を制御する演算装置である。ROM102は、CPU101やIPL(Initial Program Loader)等のCPU101の起動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM103は、CPU101のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。SSD104は、電子黒板1用のプログラム等の各種データを記憶する大容量の記憶装置である。
【0033】
ネットワークI/F105は、電子黒板1を通信ネットワークに接続し、通信を行うための通信インタフェースである。外部機器接続I/F106は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ131、外付け機器(マイク132、スピーカ133、カメラ134)等が含まれる。
【0034】
また、電子黒板1は、キャプチャデバイス111、GPU(Graphics Processing Unit)112、ディスプレイコントローラ113、接触センサ114、センサコントローラ115、電子ペンコントローラ116、近距離通信回路119、及び近距離通信回路119のアンテナ119a、電源スイッチ117及び選択スイッチ類118等を備えている。
【0035】
これらのうち、キャプチャデバイス111は、外付けのPC(Personal Computer)150のディスプレイ等に表示されている表示画面等を、静止画、又は動画としてキャプチャ(取得)する。GPU112は、グラフィクスを専門に扱う半導体チップ(プロセッサ)である。ディスプレイコントローラ113は、GPU112からの出力画像をディスプレイ160等へ出力するために画面表示の制御及び管理を行う。接触センサ114は、ディスプレイ160上に電子ペン140やユーザの手H等が接触したことを検知する。センサコントローラ115は、接触センサ114の処理を制御する。
【0036】
接触センサ114は、例えば、赤外線遮断方式による座標の入力及び座標の検出を行う。この座標の入力及び座標の検出する方法は、ディスプレイ160の上側両端部に設置された2つ受発光装置が、ディスプレイ160に平行して複数の赤外線を放射し、ディスプレイ160の周囲に設けられた反射部材によって反射されて、受光素子が放射した光の光路と同一の光路上を戻って来る光を受光する方法である。接触センサ114は、物体によって遮断された2つの受発光装置が放射した赤外線のIDをセンサコントローラ115に出力し、センサコントローラ115が、物体の接触位置である座標位置を特定する。電子ペンコントローラ116は、電子ペン140と通信することで、ディスプレイ160へのペン先のタッチやペン尻のタッチの有無を判断する。近距離通信回路119は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。
【0037】
電源スイッチ117は、電子黒板1の電源のオン/オフを切り換えるためのスイッチである。選択スイッチ類118は、例えば、ディスプレイ160の表示の明暗や色合い等を調整するためのスイッチ群である。
【0038】
さらに、電子黒板1は、バスライン120を備えている。バスライン120は、
図3に示されているCPU101等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0039】
なお、接触センサ114は、赤外線遮断方式に限らず、静電容量の変化を検知することにより接触位置を特定する静電容量方式のタッチパネル、対向する2つの抵抗膜の電圧変化によって接触位置を特定する抵抗膜方式のタッチパネル等を用いても良い。また、接触センサ114は、接触物体が表示部に接触することによって生じる電磁誘導を検知して接触位置を特定する電磁誘導方式のタッチパネル等の種々の検出手段を用いても良い。さらに、電子ペンコントローラ116が、電子ペン140のペン先及びペン尻だけでなく、電子ペン140のユーザが握る部分や、その他の電子ペンの部分におけるタッチの有無を判断するようにしても良い。
【0040】
<管理装置、中継装置、画像保存装置、及びPC等のハードウェア構成>
通信管理装置5、中継装置3、画像保存装置7、及びPC170等は、例えば、
図4に示すようなコンピュータ400のハードウェア構成を備えている。或いは、通信管理装置5、中継装置3、及び画像保存装置7は、複数のコンピュータ400によって実現されるものであっても良い。
【0041】
図4は、一実施形態に係るコンピュータのハードウェア構成の例を示す図である。コンピュータ400は、例えば、CPU401、ROM402、RAM403、HD(Hard Disk)404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ405、ディスプレイ406、外部機器接続I/F407、ネットワークI/F408、キーボード409、ポインティングデバイス410、DVD-RW(Digital Versatile Disk ReWritable)ドライブ412、メディアI/F414、及び、バスライン415等を備えている。
【0042】
これらのうち、CPU401は、コンピュータ400の全体の動作を制御する演算装置である。ROM402は、例えば、IPL等のCPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する不揮発性のメモリである。RAM403は、例えば、CPU401のワークエリアとして使用される揮発性のメモリである。HD404は、例えば、OS(Operating System)やアプリケーション等のプログラムや、各種のデータ等を記憶する大容量の記憶装置である。HDDコントローラ405は、CPU401の制御にしたがってHD404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0043】
ディスプレイ406は、例えば、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F407は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。ネットワークI/F408は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするための通信インタフェースである。キーボード409は、例えば、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス410は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。
【0044】
DVD-RWドライブ412は、DVD-RW411に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。なお、DVD-RWドライブ412は、DVD-RW411とは異なるディスクに対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御しても良い。メディアI/F414は、フラッシュメモリ等のメディア413に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。バスライン415は、
図4に示されているCPU401等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバス、データバス、及び各種の制御信号等を含む。
【0045】
〔通信システムの全体構成〕
続いて、通信システム100の全体構成について説明する。
図5は、一実施形態に係る通信システムのシステム構成の例を示す図である。
【0046】
図5において、電子黒板1aは拠点A、電子黒板1bは拠点Bに設置されている。例えば、拠点Aは日本の東京事業所で、拠点Bは日本の大阪事業所等である。拠点Aでは利用者Aが電子黒板1aを利用し、拠点Bでは利用者B、及び利用者Cが電子黒板1bを利用しているものとする。なお、電子黒板1aは、第1の通信端末の一例であり、電子黒板1bは、第2の通信端末の一例である。
【0047】
また、電子黒板1a、1b、中継装置3、通信管理装置5、及び画像保存装置7は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク500を介して、相互にデータを送受信することができる。なお、通信ネットワーク500には、無線通信部分が含まれていても良い。なお、
図5において、電子黒板1a、1bは、会議映像を送受信可能な電子黒板であるものとする。
【0048】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る通信システム100の機能構成について説明する。
図6は、一実施形態に係る通信システムの機能構成の例を示す図である。
【0049】
<電子黒板の機能構成>
まず、
図6を用いて、電子黒板1a、1bの機能構成について説明する。なお、電子黒板1a、1bが有している機能は同様であるため、ここでは、電子黒板1が有している機能として説明する。
【0050】
各電子黒板1は、例えば、
図3のCPU101で所定のプログラムを実行することにより、送受信部11、受付部12、映像・音処理部13、表示制御部14、画像処理部15、情報送信部16、近距離通信部17、及び記憶・読出処理部18等を実現している。また、電子黒板1は、例えば、
図3のRAM103、SSD104等によって実現される記憶部1000を有している。なお、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0051】
送受信部11は、通信ネットワーク500を介して他の端末、装置又はシステムと各種のデータや情報の送受信を行う。また、送受信部11は、開始部としての役割も果たし、通信管理装置5等へのログイン処理や、他の通信端末と通信を開始する処理を行う。
【0052】
受付部12は、利用者から電子ペン140等による各種入力操作を受け付ける受付処理を実行する。例えば、受付部12は、ストローク画像の描画操作、各種の設定操作、選択操作等を受け付ける。また、本実施形態に係る受付部12は、ディスプレイ160等の表示部に表示される複数の画像(例えば、ストローク画像等)の表示順序の変更操作を受け付ける。
【0053】
映像・音処理部13は、ビデオ会議機能の主な処理を行う。例えば、映像・音処理部13は、マイク132の出力信号及びカメラ134の出力信号に共づき、映像データ及び音データのエンコード等のデジタル処理を行う。また、映像・音処理部13は、送受信部11で受信された映像データ及び音データに基づき、映像信号の生成、音信号の生成等を行う。さらに、映像・音処理部13は、解像度の異なる映像データを組み合わせる処理等も行う。
【0054】
表示制御部14は、ディスプレイ160等の表示部に映像信号(画像信号)等を出力して、表示画面を表示させるための制御を行う。また、本実施形態に係る表示制御部14は、通信中の他の電子黒板1が送信した複数の画像の表示順序に関する情報に従って、電子黒板1のディスプレイ160等の表示部に表示される複数の画像の表示順序を変更する表示制御処理を実行する。
【0055】
画像処理部15は、電子黒板機能の主な処理を行う。例えば、画像処理部15は、受付部12によって受け付けられた電子ペン190等のストロークに基づいてストローク画像及びストロークデータを作成する処理や、送受信部11によって受信されたストロークデータに基づいてストローク画像を作成する処理等を行う。また、画像処理部15は、送受信部11で受信された資料画像の画像データに基づき、画像信号を生成する処理等も行う。
【0056】
情報送信部16は、画像処理部15が作成したストロークデータを、通信管理装置5を介して、電子黒板1と通信中の他の電子黒板1に送信する情報送信処理を実行する。また、本実施形態に係る情報送信部16は、受付部12で変更された複数の画像の表示順序に関する情報を、通信管理装置5を介して、電子黒板1と通信している他の電子黒板1に送信する処理を実行する。なお、情報送信部16は、ストロークデータや、複数の画像の表示順序に関する情報等を、通信管理装置5を介さずに、通信中の他の電子黒板1に送信するものであっても良い。
【0057】
近距離通信部17は、近距離通信部を有する各端末との間で、近距離無線通信により、データの取得及び提供を行う。
【0058】
記憶・読出処理部18は、記憶部1000に各種データを記憶する処理、及び記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0059】
記憶部1000には、例えば、他の端末との通信を行う際に受信される映像データ及び音データが、受信される度に上書き記憶される。このうち、上書きされる前の映像データによってディスプレイ160に画像が表示され、上書きされる前の音データによってスピーカ150から音声が出力される。
【0060】
また、本実施形態に係る記憶部1000には、他の電子黒板1と共有する複数の画像に関する情報である共有情報1001等を記憶する。
【0061】
<通信管理装置の機能構成>
通信管理装置5は、例えば、
図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、送受信部51、認証部52、端末管理部53、セッション管理部54、中継装置管理部55、共有情報管理部56、生成部57、及び記憶・読出処理部58等を実現している。なお、上記の各機能構成は、複数のコンピュータ400で実行されるプログラムによって実現されるものであっても良い。また、上記の各機能構成のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0062】
また、通信管理装置5は、
図4のHD504、及びHDDコントローラ405等によって実現される記憶部5000を有している。記憶部5000には、例えば、認証管理DB(Database)5001、端末管理DB5002、宛先リスト管理DB5003、セッション管理DB5004、中継装置管理DB5005、及び共有情報5006等が記憶されている。
【0063】
(認証管理テーブル)
図7は、一実施形態に係る認証管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図7に示されるような認証管理テーブル700によって構成される認証管理DB5001が記憶されている。この認証管理テーブル700では、通信管理装置5によって管理される複数の電子黒板1の端末IDと、各端末IDに対応するパスワードとが関連付けられて管理される。例えば、
図7に示されている認証管理テーブル700において、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応するパスワードは、「aaaa」であることが示されている。
【0064】
なお、端末IDは、電子黒板(通信端末)1を識別する識別情報であり、通信管理装置5が電子黒板1等の通信端末を管理するための識別情報の一例である。例えば、通信管理装置5は、端末IDに代えて、利用者を識別する利用者ID、契約者を識別する契約ID、通信元を特定する通信ID等を用いて、電子黒板1を管理するものであっても良い。
【0065】
また、パスワードは、電子黒板1等の通信端末を認証するための認証情報の一例である。認証情報は、例えば、アクセストークンや電子証明書等のパスワード以外の認証情報であっても良い。
【0066】
(端末管理テーブル)
図8は、一実施形態に係る端末管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図8に示されるような端末管理テーブル800によって構成されている端末管理DB5002が記憶されている。この端末管理テーブル800では、各電子黒板1を識別するための端末ID毎に、各電子黒板1を宛先とした場合の宛先名、各電子黒板1の稼動状態、後述のログイン要求情報が通信管理装置5で受信された受信日時、及び各電子黒板1のIPアドレス等が関連付けられて管理される。
【0067】
例えば、
図8に示されている端末管理テーブル800において、端末IDが「01aa」の電子黒板1aは、端末名が「日本 東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「オンライン(通信可能)」であることが示されている。また、端末IDが「01aa」の電子黒板1aは、通信管理装置5でログイン要求情報が受信された日時が「20xx年4月10日の13時40分」で、IPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。なお、端末ID、宛先名、及び端末のIPアドレス等は、例えば、各電子黒板1が、通信管理装置5によるサービスの提供を受けるために事前登録する際等に記憶される。
【0068】
(宛先リスト管理テーブル)
図9は、一実施形態に係る宛先リスト管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図9に示されるような宛先リスト管理テーブル900によって構成されている宛先リスト管理DB5003が記憶されている。この宛先リスト管理テーブル900では、通信の開始を要求する電子黒板1(開始端末)の端末IDに対して、宛先となる電子黒板1(宛先端末)の候補として登録されている宛先端末の端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、
図9に示されている宛先リスト管理テーブル900において、端末IDが「01aa」である開始端末(電子黒板1a)から通信の開始を要求することができる宛先端末の候補には、端末IDが「01ba」の電子黒板1b等が含まれていることが示されている。この宛先端末の候補は、任意の開始端末から通信管理装置5に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
【0069】
(セッション管理テーブル)
図10は、一実施形態に係るセッション管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図10に示されているようなセッション管理テーブル1010によって構成されているセッション管理DB5004が記憶されている。このセッション管理テーブル1010では、セッション(通信)を識別するための識別情報であるセッションID毎に、使用する中継装置3の装置ID、開始端末の端末ID、宛先端末の端末ID等が関連付けて管理される。また、セッション管理テーブル1010では、例えば、宛先端末において映像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末から受信した受信日時等の情報が、さらに関連付けられて管理される。例えば、
図10に示すセッション管理テーブル1010において、セッションID「se01」のセッションは、中継装置ID「111a」の中継装置3が、端末ID「01aa」の開始端末と端末ID「01ba」の宛先端末との間の通信を中継している。また、セッションID「se01」のセッションにおいて、「20xx年4月10日の13時41分」時点における映像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。
【0070】
(中継装置管理テーブル)
図11は、一実施形態に係る中継装置管理テーブルの例を示す図である。記憶部5000には、例えば、
図11に示されるような中継装置管理テーブル1100によって構成される中継装置管理DB5005が記憶されている。この中継装置管理テーブル1100では、複数の中継装置3を識別する中継装置ID毎に、各中継装置3の稼動状態、稼動状態が示される状態情報を受信した受信日時、中継装置3のIPアドレス、及び、最大データ伝送速度(Mbps)等が関連付けられて管理される。例えば、
図11に示されている中継装置管理テーブル1100において、中継装置IDが「111a」の中継装置3は、稼動状態が「オンライン」で、通信管理装置5で状態情報が受信された日時が「20xx年4月10日の12時00分」であることが示されている。また、中継装置IDが「111a」の中継装置3は、この中継装置3のIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置3における最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
【0071】
(通信管理装置の各機能構成)
ここで、
図6に戻り、通信管理装置5の各機能構成について説明する。
【0072】
送受信部51は、通信ネットワーク500を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(または情報)の送受信を行う。例えば、送受信部51は、電子黒板1aが送信する、複数の画像のデータ(例えば、ストロークデータ)、複数の画像の表示順序に関する情報等を、電子黒板1bと通信中の他の電子黒板1bに転送(送信)する。
【0073】
認証部52は、送受信部51を介して受信されたログイン要求の認証を行う。例えば、認証部52は、電子黒板1から受信したログイン要求に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、
図7に示すような認証管理テーブル700に記憶されている場合、電子黒板1のログインを許可する。
【0074】
端末管理部53は、端末管理DB5002を管理し、例えば、電子黒板1の状態に応じて、
図8に示すような端末管理テーブル800における稼動状態、受信日時、端末のIPアドレス等の情報を更新する。
【0075】
また、端末管理部53は、宛先リスト管理テーブル900を管理し、例えば、電子黒板1からの要求に応じて、
図9に示すような宛先リスト管理テーブル900における宛先端末の端末IDを含む宛先リスト情報を提供する。
【0076】
セッション管理部54は、通信システム100で開催されるセッション(通信、会議等)を管理する。例えば、セッション管理部54は、電子黒板1から通信の開始を要求する開始要求情報に応じて、セッションを識別するためのセッションIDを生成する。また、セッション管理部54は、セッションIDに対応付けて、セッションに関する様々な情報を、例えば、
図10に示すようなセッション管理テーブル1010に記憶して管理する。
【0077】
中継装置管理部55は、中継装置管理DB5005を管理し、例えば、
図11に示すような中継装置管理テーブル1100を用いて、セッションの中継に用いる中継装置3を選択する。例えば、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1100に記憶されている各中継装置3のIPアドレスと、開始端末のIPアドレスとから、開始端末の近くにある中継装置3を選択するものであっても良い。或いは、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1100に記憶されている各中継装置3の最大データ伝送速度等に基づいて、中継装置3を選択するものであっても良い。
【0078】
なお、本実施形態では、セッションの中継に用いる中継装置3の選択方法は任意の方法であって良い。また、通信システム100は、1つの中継装置3を有し、各セッションで同じ中継装置3を利用するものであっても良い。
【0079】
共有情報管理部56は、セッション(通信、会議等)に参加している複数の電子黒板1が共有している複数の画像の情報、及び複数の画像の表示順序を示す情報等を、セッションを識別するセッションIDと対応付けて、共有情報5006に記憶して管理する。
【0080】
生成部57は、例えば、電子黒板1等の通信端末からの要求に応じて、資料画像の画像データの保存位置を示すURL等を生成する。
【0081】
記憶・読出処理部58は、記憶部5000に各種データを記憶する処理、及び記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0082】
<画像保存装置の機能構成>
画像保存装置7は、例えば、
図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、送受信部71、記憶・読出処理部72等を実現している。また、画像保存装置7は、例えば、
図4のRAM403、HD404、HDDコントローラ405等によって実現される記憶部7000を有している。
【0083】
送受信部71は、通信ネットワーク500を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データや情報等の送受信を行う。記憶・読出処理部72は、記憶部7000に各種データを記憶したり、記憶部7000に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。
【0084】
上記の構成により、画像保存装置7は、例えば、電子黒板1からアップロードされる画像データを、指定されたURL(Uniform Resource Locator)に記憶するとともに、電子黒板1からの要求に応じて、指定されたURLに記憶された画像データを提供する。
【0085】
<中継装置の機能構成>
中継装置3は、例えば、
図4のCPU401で所定のプログラムを実行することにより、送受信部(転送部)31、判断部32、及び記憶・読出処理部33等を実現している。また、中継装置3は、例えば、
図4のRAM403、HD404、HDDコントローラ405等によって実現される記憶部3000を有している。
【0086】
送受信部(転送部)31は、通信ネットワーク500を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データや情報等の送受信を行う。また、送受信部31は、転送部としての役割も果たし、例えば、電子黒板1から受信した映像データ及び音データ等を、電子黒板1と同じセッションに参加している他の電子黒板1に転送する。判断部32は、データの遅延状態等の判断等、各種の判断を行う。
【0087】
記憶・読出処理部33は、記憶部3000に各種データを記憶する処理、記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理等を行う。
【0088】
なお、
図6に例示した通信システム100の機能構成は一例であり、様々な変形や応用が可能である。例えば、通信管理装置5に含まれる各機能構成は、複数のコンピュータ400によって実現されるものであっても良い。また、通信管理装置5に含まれる各機能構成のうち、少なくとも一部は、電子黒板(通信端末)1が有していても良い。同様に、電子黒板1に含まれる各機能構成のうち、少なくとも一部は、通信管理装置5が有していても良い。
【0089】
また、画像保存装置7の機能は、通信システム100の外部(又は内部)のストレージサーバ等によって実現されるものであっても良い。さらに画像保存装置7、及び中継装置3の各機能構成のうち、少なくとも一部は、通信管理装置5に含まれていても良い。さらにまた、電子黒板1は、通信端末の一例であり、通信端末は、通信システム100に対応するアプリケーションを実行する情報端末等であっても良い。
【0090】
〔処理の流れ〕
続いて、本実施形態に係る通信方法の処理の流れについて説明する。
【0091】
<準備段階の処理>
図12は、一実施形態に係る準備段階の処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、通信システム100において、電子黒板1がセッション(通信、会議等)に参加する前に実行される準備段階の処理の例を示している。
【0092】
まず、電子黒板1aで電源スイッチ122がオンされると、受付部12aが、電源オンを受け付ける(ステップS22)。
【0093】
次に、送受信部11aは、通信ネットワーク500を介して通信管理装置5に、ログインを要求するログイン要求情報を送信する(ステップS23)。このログイン要求情報には、例えば、電子黒板1aの端末ID及びパスワード等が含まれる。
【0094】
次に、通信管理装置5の認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、
図7に示すような認証管理テーブル700を検索する。また、認証部52は、ログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、認証管理テーブル700で管理されている場合、電子黒板1aのログインを許可する(ステップS24)。ここで、ログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードの組合せが、認証管理テーブル700で管理されている場合、ステップS25以降の処理が実行される。
【0095】
電子黒板1aのログインが許可された場合、端末管理部53は、
図8に示すような端末管理テーブル800において、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応する情報を更新する。例えば、端末管理部53は、端末ID「01aa」に対応する「稼動状態」の情報を「オンライン(通信可能)」に変更するとともに、「受信日時」の情報を、ログイン要求情報を受信した日時に更新する(ステップS25)。なお、端末管理テーブル800の端末のIPアドレスの情報は、事前に登録されているのではなく、上記ステップS23で電子黒板1aから送信されたIPアドレスを用いるようにしても良い。この処理により、端末管理テーブル800には、例えば、
図8に示すように、端末ID「01aa」に、稼動状態「オンライン(通信可能)」、受信日時「20xx.4.10.13:40」及びIPアドレス「1.2.1.3」等が関連付けて管理される。
【0096】
次に、セッション管理部54は、上記のステップS23で受信した電子黒板1aの端末ID「01aa」を、「開始端末の端末ID」とする新しいレコードを、
図10に示すようなセッション管理テーブル1010に追加して管理する(ステップS26)。そして、通信管理装置5の送受信部51は、ステップ24の処理によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク500を介して、上記ログイン要求してきた電子黒板1aに送信する(ステップS27)。
【0097】
電子黒板1aの送受信部11aは、ログインが許可されたことを示す認証結果情報を受信すると、通信ネットワーク500を介して通信管理装置5へ、宛先リストを要求する旨が示された宛先リスト要求情報を送信する(ステップS28)。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、宛先リスト要求情報を受信する。
【0098】
次に、端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」を検索キーとして、
図9に示すような宛先リスト管理テーブル900を検索し、電子黒板1aと通信することができる宛先候補の端末IDを読み出す。また、端末管理部53は、
図8に示すような端末管理テーブル800から、宛先候補の端末IDに対応する宛先名を読み出す(ステップS29)。これにより、電子黒板1aの端末ID「01aa」に対応する宛先候補のそれぞれの端末IDと、これらに対応する宛先名が抽出される。
【0099】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、記憶・読出処理部58を介して、例えば、記憶部5000に記憶されている宛先リスト枠のデータ及び稼動状態を示すアイコンのデータ等を読み出す(ステップS30)。また、通信管理装置5の送受信部51は、読み出した宛先リスト枠及びアイコン、ステップS29で抽出した端末ID及び宛先名を含めた「宛先リスト情報(宛先リスト枠、アイコン、端末ID、宛先名)」を、電子黒板1aに送信する(ステップS31)。これにより、電子黒板1aは、送受信部11aが宛先リスト情報を受信し、記憶・読出処理部18aが記憶部1000aに、受信した宛先リスト情報を記憶する(ステップS32)。
【0100】
このように、本実施形態では、各電子黒板1で宛先リスト情報を管理するのではなく、通信管理装置5が全ての端末の宛先リスト情報を一元管理している。よって、通信管理装置5に新たな電子黒板1が登録された場合、既に含まれている電子黒板1に替えて新機種の通信端末が登録された場合、宛先リスト枠の見栄え等を変更する場合等でも、各電子黒板1側で宛先リスト情報の変更を行う手間を省くことができる。
【0101】
また、通信管理装置5の端末管理部53は、ステップS29で抽出した宛先候補の端末IDを検索キーとして、
図8に示すような端末管理テーブル800を検索し、宛先候補の端末ID毎に、対応する稼動状態を読み出す。これにより、端末管理部53は、宛先候補の端末IDに対応する各電子黒板1の稼動状態を取得する(ステップS33)。
【0102】
次に、通信管理装置5の送受信部51は、ステップS33で検索キーとして使用された端末IDと、対応する各宛先端末の稼動状態とが含まれた「端末の状態情報」を、通信ネットワーク500を介して、電子黒板1aに送信する(ステップS34)。
【0103】
次に、電子黒板1aの記憶・読出処理部18aは、順次、通信管理装置5から受信した端末の状態情報を記憶部1000に記憶する(ステップS35)。よって、電子黒板1aは、上記各電子黒板1の状態情報を受信することで、電子黒板1aと通信することができる宛先候補である電子黒板1b、1c等の現時点における稼動状態を取得することができる。
【0104】
次に、電子黒板1aの表示制御部14aは、記憶部1000aに記憶されている宛先リスト情報、及び端末の状態情報に基づいて、宛先候補としての端末の状態を反映させた、例えば、
図13に示すような宛先リスト1300を作成する。また、表示制御部14aは、作成した宛先リスト1300を、電子黒板1aのディスプレイ160等の表示部に表示させる(ステップS36)。この宛先リスト1300には、宛先候補毎に、稼動状態を示すアイコン、端末ID、及び宛先名が表示されている。また、
図13の例では、各通信端末の稼動状態を示したアイコンが、上から「オフライン」、「オンライン(通信可能)」として表示されている。
【0105】
一方、通信管理装置5の端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」に基づいて、
図8に示すような宛先リスト管理テーブル900を検索することにより、電子黒板1aを宛先候補として登録している他の端末の端末IDを抽出する(ステップS37)。
【0106】
次に、通信管理装置5の端末管理部53は、電子黒板1aの端末ID「01aa」に基づいて、
図7に示すような端末管理テーブル800を検索し、電子黒板1aの稼動状態を取得する(ステップS38)。
【0107】
そして、送受信部51は、ステップS37で抽出した端末IDのうち、端末管理テーブル800で稼動状態が「オンライン」となっている端末IDの電子黒板1に、電子黒板1aの端末IDと稼動状態とを含む「端末の状態情報」を送信する(ステップS39)。なお、送受信部51は、各電子黒板1に端末の状態情報を送信する際に、各端末IDに基づいて、端末管理テーブル800で管理されている各電子黒板1のIPアドレスを参照する。これにより、電子黒板1aを宛先候補として通信することができる各電子黒板1に、電子黒板1aの端末ID「01aa」、及び稼動状態「オンライン」を伝えることができる。これにより、宛先候補となる各電子黒板1においても、電子黒板1aの状態を表示させることができる(ステップS40)。
【0108】
<セッションの開始処理>
図14は、一実施形態に係るセッションの開始処理の例を示すシーケンス図である。この処理は、例えば、電子黒板1aが電子黒板1bに対して、セッション(通信)の開始を要求したときに通信システム100で実行されるセッションの開始処理の例を示している。
【0109】
ステップS1401において、開始端末である電子黒板1aが、利用者Aによる宛先選択を受け付けると、ステップS1402以降の処理が実行される。ここでは、利用者Aにより、宛先端末として電子黒板1bが選択されたものとする。
【0110】
ステップS1402において、電子黒板1aが、利用者Aによる宛先選択を受け付けると、電子黒板1aの送受信部11aは、セッションの開始を要求する開始要求情報を通信管理装置5に送信する。この開始要求情報には、例えば、開始端末である電子黒板1aの端末ID「01aa」、宛先端末である電子黒板1bの端末ID等「01ba」、及び開始端末である電子黒板1aのIPアドレス等が含まれる。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、開始要求情報を受信するとともに、送信元である開始端末(電子黒板1a)のIPアドレスを受信する。
【0111】
ステップS1403において、通信管理装置5の端末管理部53は、開始要求情報に含まれる開始端末の端末IDと宛先端末の端末IDとに基づいて、端末管理DB5002を更新する。例えば、端末管理部53は、開始要求情報に含まれる開始端末の端末ID「01aa」、宛先端末の端末ID「01ba」に基づき、端末管理テーブル800において、端末ID「01aa」、「01ba」に対応する「稼動状態」を「オンライン(通信中)」に更新する。なお、この状態では、開始端末である電子黒板1a、及び宛先端末である電子黒板1bは、セッションに参加していないが、通信中状態として管理する。
【0112】
ステップS1404において、通信管理装置5のセッション管理部54は、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で開催されるセッションを識別するためのセッションIDを生成する。ここでは、セッション管理部54が、セッションID「se01」を生成するものとする。
【0113】
ステップS1405において、セッション管理部54は、
図10に示すようなセッション管理テーブル1010に、生成したセッションID、開始端末の端末ID「01aa」、宛先端末の端末ID「01ba」等を、対応付けて記憶して管理する。
【0114】
ステップS1406において、通信管理装置5の中継装置管理部55は、開始端末(電子黒板1a)と宛先端末(電子黒板1b)との間のセッションを中継する中継装置3を選択する。例えば、中継装置管理部55は、中継装置管理テーブル1100において稼動状態が「オンライン」の中継装置3に係る装置IDのうち、端末管理テーブル800において開始端末(電子黒板1a)のIPアドレスに近いIPアドレスの中継装置3を選択する。ここでは、装置ID「111a」の中継装置3が選択されるものとする。
【0115】
ステップS1407a、S1407bにおいて、通信管理装置5のセッション管理部54は、送受信部51を介して、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)に、中継装置選択情報を送信する。この中継装置選択情報には、例えば、ステップS1406で選択された中継装置3のIPアドレス、ステップS1404で生成されたセッションID、及び通信管理装置5のIPアドレス等が含まれる。
【0116】
ステップS1408a、S1408bにおいて、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)の送受信部11は、中継装置選択情報を受信すると、中継装置選択情報を受信したことを示す受信完了情報を、通信管理装置5に送信する。この受信完了情報には、例えば、中継装置選択情報に含まれていたセッションID「se01」等が含まれる。
【0117】
ステップS1409a、S1409bにおいて、開始端末(電子黒板1a)、及び宛先端末(電子黒板1b)の送受信部11は、中継装置選択情報に含まれている、中継装置3の装置ID、及びセッションIDを用いて、中継装置3とセッションを確立する。これにより、電子黒板1a、電子黒板1bは、同じセッションID「se01」のセッションに参加し、会議映像等の映像データ、音データ等を、中継装置3を介して相互に送受信することができるようになる。
【0118】
上記の処理により、電子黒板1aの利用者Aと、電子黒板1bの利用者Bとの間で、会議映像等を送受信することができるようになる。
【0119】
<資料画像及びストローク画像の通信処理>
続いて、
図15乃至
図17を用いて、電子黒板1に表示されている資料画像及び入力されたストローク画像の通信処理について説明する。
【0120】
図15、16は、一実施形態に係る資料画像、及びストローク画像の共有処理の例を示すシーケンス図である。ここでは、電子黒板1a、1bで資料画像、及びストローク画像を共有する場合であって、電子黒板1aで表示された資料画像及び入力されたストローク画像を、電子黒板1bに表示する場合の処理の例について説明する。
【0121】
なお、
図15に示す処理の開始時点において、電子黒板1aと電子黒板1bは、例えば、
図14の処理により、同じセッション(通信、会議等)に参加しているものとする。また、電子黒板1aのディスプレイ160には、例えば、
図17(A)に示すような表示画面1710が表示されているものとする。
【0122】
図17(A)の例では、表示画面1710には、電子黒板1bから送信される拠点Bの会議映像1711、資料画像1712、及び「共有」ボタン1713等が表示されている。この状態で、電子黒板1aの利用者Aが「共有」ボタン1713を押下することにより、電子黒板1aの受付部12aが資料画像の共有操作を受け付けると(ステップS1501)、ステップS1502以降の処理が実行される。
【0123】
ステップS1502において、電子黒板1aの受付部12aは、送受信部11aを介して、通信管理装置5に、資料画像の画像データの保存位置を示すURL(Uniform Resource Locator)の取得を要求する取得要求を送信する。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、電子黒板1aから、画像データのURLの取得要求を受信する。なお、URLは保存位置情報の一例であり、例えば、URI(Uniform Resource Identifier)等であっても良い。
【0124】
ステップS1503において、通信管理装置5の生成部57は、電子黒板1aから受信した画像データのURLの取得要求に応じて、資料画像の画像データの保存位置を示す画像データURLを生成する。また、ステップS1504において、生成部57は、生成した画像データのURLを、送受信部51を介して、要求元の電子黒板1aに送信する。これにより、電子黒板1aの送受信部11は、画像データのURLを受信する。
【0125】
ステップS1505において、電子黒板1aの送受信部11aは、通信管理装置5に対して、資料画像の画像データのアップロードの開始通知を送信する。これにより、ステップS1506において、通信管理装置5の送受信部51は、電子黒板1aから受信した、資料画像の画像データのアップロードの開始通知を、電子黒板1aと通信中の他の電子黒板1bに転送(送信)する。これにより、電子黒板1bの送受信部11bは、開始通知を受信する。
【0126】
ステップS1507において、電子黒板1bの表示制御部14bは、電子黒板1bのディスプレイ160に、例えば、
図17(B)に示すような表示画面1720を表示させる。なお、表示画面1720には、もともと、電子黒板1aから送信される拠点Aの会議映像1721、及び「共有」ボタン1722等が表示されている。また、この表示画面1720には、ステップS1506で受信した開始通知に応じて資料画像の画像データのダウンロードの時間経過を視覚的に示す砂時計のアイコン1723が表示される。
【0127】
また、時間経過は、静止画の砂時計によって示したり、砂の動きがある動画の砂時計によって示したりすることができる。また、砂時計のアイコン1723は、画像データをダウンロードする予定である旨を示す予定情報の一例である。予定情報の他の例としては、砂時計以外のアイコン(例えば、時計のアイコン)であっても良いし、アイコンではなく文字(及び/又は「記号」)であっても良いし、アイコンと文字(及び/又は「記号」)の組み合わせであっても良い。また、予定情報は、音による通知であっても良い。この場合、表示制御部14bではなく、映像・音処理部13bによってスピーカ133等から音の出力が行われる。
【0128】
なお、電子黒板1aは、上記ステップS1505の処理後に上記ステップS1502の処理を行っても良い。また、通信管理装置5は、上記ステップS1505において画像データのアップロード開始通知を受信した後に、上記ステップS1504において画像データのURLを送信しても良い。
【0129】
ステップS1508において、電子黒板1aの送受信部11aは、ステップS1504で受信した画像保存装置7に係るURLに対して、資料画像の画像データのアップロードを行う。これにより、画像保存装置7の送受信部71は、資料画像の画像データを受信する。
【0130】
ステップS1509において、画像保存装置7の記憶・読出処理部72は、受信した資料画像の画像データを、記憶部7000のURLに対応する記憶領域に記憶する。
【0131】
ステップ1510において、電子黒板1aの受付部12aが、利用者Aが電子ペン180や手Hを用いて、電子黒板1aのディスプレイ160に描画したストローク画像の入力を受け付けると、ステップS1511以降の処理が実行される。
【0132】
ステップS1511において、電子黒板1aの画像処理部15aは、入力されたストローク画像を表すストロークデータ(例えば、座標データ、線の幅データ、線の色データ、ベクトルデータ等)を作成する。また、電子黒板1aの表示制御部14は、電子黒板1aのディスプレイ160等の表示部に、ストローク画像を表示させる。これにより、例えば、
図17(C)に示すように、電子黒板1aのディスプレイ160等の表示部に表示されている表示画面1710に、描画されたストローク画像1731が追加される。
【0133】
ステップS1512において、電子黒板1aの情報送信部16aは、送受信部11aを用いて、通信管理装置5を介して、通信中の他の電子黒板1bに、ステップS1511で作成したストロークデータを送信する。これにより、通信管理装置5の送受信部51は、電子黒板1aが送信したストロークデータを受信する。
【0134】
ステップS1513において、通信管理装置5の共有情報管理部56は、記憶・読出処理部58を介して、電子黒板1aから受信したストロークデータを、記憶部5000の共有情報5006に、セッションID「se01」と対応付けて記憶する。
【0135】
ステップS1514において、通信管理装置5の送受信部51は、例えば、ステップS1513の処理と並行して、電子黒板1aから受信したストロークデータを、電子黒板1aと通信中の他の電子黒板1bに転送(送信)する。これにより、電子黒板1bの送受信部11bは、電子黒板1aが送信したストロークデータを受信する。
【0136】
このように、本実施形態に係る通信システム100では、電子黒板1は、通信管理装置5を介して、当該電子黒板1と通信中の他の電子黒板1にストロークデータを送信することができる。
【0137】
ステップS1515において、電子黒板1bの画像処理部15bは、電子黒板1aから受信したストロークデータに基づいてストローク画像を作成する。また、電子黒板1bの表示制御部14bは、作成したストローク画像を、電子黒板1bのディスプレイ160等の表示部に表示させる。これにより、例えば、
図17(D)に示すように、電子黒板1aが表示しているストローク画像1731と同様のストローク画像1741が、電子黒板1bのディスプレイ160等の表示に表示される。
【0138】
続いて、
図16のステップS1601において、画像保存装置7の送受信部71は、例えば、
図15のステップ1510~S1515の処理と並行して、電子黒板1aに対して、資料画像の画像データのアップロードが完了した旨を示す完了通知を送信する。これにより、電子黒板1aの送受信部11aは、画像保存装置7から完了通知を受信する。
【0139】
ステップS1602、S1603において、電子黒板1aの送受信部11aは、通信管理装置5を介して、通信中の他の電子黒板1bに、資料画像の画像データのアップロードが完了した旨を示す完了通知を送信する。この完了通知には、例えば、ステップS1504で受信した画像データのURLが含まれる。このとき、通信管理装置5の送受信部51は、電子黒板1aが送信した完了通知を受信し、電子黒板1aと通信中の他の電子黒板1bに、完了通知を転送する。これにより、電子黒板1bの送受信部11bは、電子黒板1aが送信した完了通知を受信する。
【0140】
ステップS1604において、電子黒板1bの送受信部11bは、ステップS1603で受信した画像保存装置7に係るURLに対して、資料画像の画像データのダウンロードを要求する旨を示す要求情報を送信する。これにより、画像保存装置7の送受信部71は、電子黒板1bから要求情報を受信する。
【0141】
ステップS1605において、画像保存装置7の記憶・読出処理部72は、受信したURLに基づいて、記憶部7000から要求対象である資料画像の画像データを読み出す。また、ステップS1606において、画像保存装置の送受信部71は、要求元である電子黒板1bに対して、要求対象である資料画像の画像データを送信する。これにより、電子黒板1bの送受信部11b、画像データのダウンロード(受信)を行う。
【0142】
ステップS1607において、電子黒板1bの表示制御部14bは、ダウンロードした画像データを、電子黒板1bのディスプレイ160等の表示部に表示している表示画面1720に表示する。また、電子黒板1bの表示制御部14bは、それまで表示していた砂時計のアイコン1723を非表示にする。
【0143】
<表示順序の変更処理>
電子黒板1は、ディスプレイ160等の表示部における2次元平面上のX、Y座標でストローク画像等の複数の画像を定義しており、例えば、他の電子黒板1とストローク画像を共有するときには、X、Y座標を含むストロークデータを伝送する。
【0144】
しかし、このX,Y座標だけでは、各画像が手前にあるのか、奥にあるのかを表すことができないため、例えば、共有している複数の画像の表示順序を変更することができないという問題がある。例えば、電子黒板1aのディスプレイ160等の表示部に、画像A、画像B、画像Cの順に共有画像が表示されているものとする。この場合、従来の技術では、最背面に表示されている画像Aを最前面に移動して、画像B、画像C、画像Aの順に表示させることは困難である。
【0145】
このような問題を解決するため、本実施形態に係る電子黒板1は、他の電子黒板1と共有する複数の画像の表示順序に関する情報を送受信する機能を有している。これにより、本実施形態に係る通信システム100では、例えば、電子黒板1aと電子黒板1bとが共有している複数の画像の表示順序を、電子黒板1aで変更すると、電子黒板1bでも複数の画像の表示順序が、電子黒板1aと同じ表示順序に変更される。なお最前面とは、電子黒板1の使用者が電子黒板に向かって対面した際に、使用者に一番近い側の面を表す。また最背面とは、電子黒板1の使用者が電子黒板に向かって対面した際に、使用者に一番遠い側の面を表す。
【0146】
[第1の実施形態]
(共有情報)
図18は、第1の実施形態に係る共有情報のイメージを示す図である。第1の実施形態に係る通信システム100では、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で共有する複数の画像の情報を、例えば、
図18に示すような形式の共有情報1800で管理している。
【0147】
例えば、通信管理装置5の共有情報管理部56は、会議(セッション)ごとに、
図18に示すような形式の共有情報を、記憶部5000の共有情報5006等に記憶して管理する。
【0148】
また、会議に参加している電子黒板1a、1bは、それぞれ、
図18に示すような形式の共有情報を、自装置の記憶部1000の共有情報1001等に記憶して管理する。
【0149】
図18の例では、共有情報1800は、「会議」、「ページ(ページ1~3)」、「ストローク(ストローク1~5)」の階層構造を有している。
【0150】
「ストローク」は、本実施形態に係るストロークデータに対応しており、例えば、
図18に示すように、「ページ」ごとに管理される。例えば、ストローク1には、ストローク1を識別するストロークID(id=aaaaa)、親となるページ1を特定する情報(parent=gewaa)、描画データを識別するGid「g001」等が含まれる。また、ストローク1には、例えば、Gid「g001」に対応する描画データ等が含まれ得る。
【0151】
例えば、ストローク1が表すストローク画像に対して、移動等の操作が行われると、ストロークID(id=aaaaa)は、そのまま引き継がれるが、描画データ1を識別するGid「g001」と、Gid「g001」に対応する描画データ等は更新される。なお、描画データは、ストローク1を再現するためのデータであり、例えば、座標データ、線の幅データ、線の色データ、ベクトルデータ等を含む。
【0152】
電子黒板1は、ページの切り替えが可能であり、「ページ」は、電子黒板1が表示している表示ページを含む各ページに対応している。例えば、ページ1には、ページ1を識別するページID(id=gewaa)、親となる「会議」を特定するための情報(parent=abcdefg)等の情報が含まれる。また、ページ1には、例えば、ページ1に表示する資料画像のデータ等が含まれ得る。
【0153】
第1の実施形態では、この「ページ」に、各ページに表示される複数の画像(例えば、ストローク画像等)の表示順序を示す「orderList」の情報が含まれている。例えば、
図18のページ1に含まれる「orderList=aaaaa、bbbbb、ccccc」は、ストローク1~3を、ストローク1、ストローク2、ストローク3の順に描画することを示している。
【0154】
従って、例えば、最背面に描画されているストローク1を、最前面に描画したい場合には、「orderList」の情報を、「orderList=bbbbb、ccccc、aaaaa」と変更すれば良い。
【0155】
「会議」は、通信システム100が管理するセッション(通信、会議等)に対応しており、例えば、セッションを識別するセッションID(id=abcdefg)等によって管理される。
【0156】
例えば、電子黒板1の画像処理部15は、ストローク1~3を用いて、ページ1に描画された複数のストローク画像を再現することができる。
【0157】
<処理の流れ>
図19は、第1の実施形態に係る表示順序の変更処理の例を示すシーケンス図である。なお、
図19に示す処理の開始時点において、電子黒板1a、1bは、例えば、
図14のセッションの開始処理により同じ会議(セッション)に参加しているものとする。また、電子黒板1a、1bのディスプレイ160等の表示部には、例えば、
図20(A)に示すようにストローク画像2011、ストローク画像2012の順に、2つのストローク画像が表示されているものとする。
【0158】
ステップS1901において、電子黒板1aの受付部12は、利用者Aによるストローク画像の表示順序の変更操作を受け付ける。
【0159】
例えば、
図20(A)に示すような表示画面2000に表示されているストローク画像2011、ストローク画像2012のうち、ストローク画像2012の表示順序を変更するものとする。この場合、利用者Aは、電子ペン140、又は手H等で、変更対象となるストローク画像2012を選択して、例えば、長押し等の所定の操作を行う。これにより、例えば、
図20(B)に示すように、変更対象となるストローク画像2012の表示順序を変更するためのメニュー2021が、表示画面2000に表示される。利用者Aは、このメニュー2021から、例えば、「背面に配置」2022を選択することにより、
図20(C)に示すように、ストローク画像2012を、ストローク画像2011の背面に移動させることができる。
【0160】
これにより、例えば、
図18に示すような共有情報1800の「ページ」に含まれる「orderList」の情報が更新される。例えば、
図20(A)の表示画面2000が、
図18の共有情報1800の「ページ2」1801に対応しており、ストローク画像2011が「ストローク4」1802、ストローク画像2012が「ストローク5」1803に対応しているものとする。
【0161】
この状態から、
図20(C)に示すように、ストローク画像2011の背面にストローク画像2012を移動すると、「ページ2」1801のorderList={ddddd、eeeee}が、orderList={eeeee、ddddd}に更新される。
【0162】
ステップS1902において、電子黒板1aの情報送信部16aは、通信管理装置5に、電子黒板1a、1bが表示しているページ(例えば、ページ2)の編集のロックを要求する。これは、例えば、ページ2の情報を更新しているときに、他の電子黒板1bから、ストローク画像の更新等を受けてしまうと、他の電子黒板1bと操作の競合が発生してしまうためである。
【0163】
ステップS1903において、通信管理装置5の共有情報管理部56は、電子黒板1aからの要求に応じて、他の電子黒板1bによるページ2の更新を制限する。これにより、通信管理装置5の共有情報管理部56は、例えば、電子黒板1bからのページ2の更新、ストローク画像の更新等を拒否する。
【0164】
ステップS1904において、電子黒板1aの情報送信部16aは、通信管理装置5を介して、通信中の他の電子黒板1bに、ページ2の更新情報を送信する。このページ2の更新情報には、例えば、更新後のorderList(例えば、orderList={eeeee、ddddd})が含まれる。
【0165】
ステップS1905において、通信管理装置5の共有情報管理部56は、電子黒板1aから受信したページ2の更新情報により、ページ2の共有情報を更新する。例えば、共有情報管理部56は、
図18に示すような共有情報1800の「ページ2」1801に含まれるorderListを、更新後のorderList(例えば、orderList={eeeee、ddddd})に変更する。
【0166】
ステップS1906において、通信管理装置5の送受信部51は、例えば、ステップS1905の処理と並行して、電子黒板1aから受信したページ2の更新情報を、電子黒板1aと通信中の他の電子黒板1bに転送(送信)する。
【0167】
ステップS1907において、電子黒板1bの表示制御部14bは、受信したページ2の更新情報(複数の画像の表示順序に関する情報の一例)を用いて、電子黒板1bのディスプレイ160等の表示部に表示している複数の画像の表示を更新する。例えば、電子黒板1bの表示制御部14bは、表示部に表示している「ストローク4」1802、「ストローク5」1803の表示順序を、ページ2の更新情報に含まれる更新後のorderListに従って変更する。これにより、電子黒板1bの表示部にも、電子黒板1aの表示部と同様に、例えば、
図20(C)に示すような表示画面2000が表示される。
【0168】
ステップS1908において、電子黒板1aの情報送信部16aは、通信管理装置5に、ページ2の編集のロックの解除を要求する。これに応じて、ステップS1909において、通信管理装置5の共有情報管理部56は、ページ2の編集のロックを解除する。
【0169】
上記の処理により、複数の通信端末(電子黒板1)の間で複数の画像を共有する通信システム100において、共有している複数の画像(例えばストローク画像)の表示順序を変更することができるようになる。
【0170】
[第2の実施形態]
第1の実施形態により、電子黒板1aで表示部に表示している複数の画像(例えば、ストローク画像)の表示順序を変更すると、電子黒板1bで表示部に表示している複数の画像の表示順序も同様に変更される。
【0171】
しかし、この方法では、例えば、電子黒板1aで複数の画像の表示順序が変更された場合に、必ずページ情報の変更が必要になる。また、この方法では、ページ情報を更新中に別のユーザがストローク画像の編集を行うと操作の競合が発生するため、例えば、
図19のステップS1902に示したように、ページの編集をロックする必要がある。
【0172】
そこで、第2の実施形態では、複数の画像の表示順序を示す情報(orderList)と、ページ情報とは別に管理する場合の例について説明する。
【0173】
(共有情報)
図21は、第2の実施形態に係る共有情報のイメージを示す図である。第2の実施形態に係る通信システム100では、電子黒板1aと電子黒板1bとの間で共有する複数の画像の情報を、例えば、
図21に示すような形式の共有情報2100で管理している。
【0174】
例えば、通信管理装置5の共有情報管理部56は、会議(セッション)ごとに、例えば、
図21に示すような形式の共有情報を、記憶部5000の共有情報5006等に記憶して管理する。
【0175】
また、会議に参加している電子黒板1a、1bは、それぞれ、
図21に示すような形式の共有情報を、自装置の記憶部1000の共有情報1001等に記憶して管理する。
【0176】
第1の実施形態では、複数の画像の表示順序を示す「orderList」の情報が、「ページ」に含まれていたが、第2の実施形態では、「orderList」の情報が、「ページ」とは別に、「コンテンツ順序」(コンテンツ順序1~2)として管理されている。これにより、第2の実施形態では、例えば、電子黒板1aで、表示部に表示されている複数の画像の表示順序のみが変更された場合、「ページ」の情報の変更を伴わずに、「コンテンツ順序」の情報のみを変更することができる。
【0177】
<処理の流れ>
図22は、第2の実施形態に係る表示順序の変更処理の例を示すシーケンス図である。なお、
図22に示す処理の開始時点において、電子黒板1a、1bは、例えば、
図14のセッションの開始処理により同じセッション(会議、通信等)に参加しているものとする。また、電子黒板1a、1bのディスプレイ160等の表示部には、例えば、
図20(A)に示すようにストローク画像2011、ストローク画像2012の順に、2つのストローク画像が表示されているものとする。
【0178】
ステップS2201において、電子黒板1aの受付部12aは、第1の実施形態と同様にして、利用者Aによるストローク画像の表示順序の変更操作を受け付ける。
【0179】
ステップS2202において、電子黒板1aの情報送信部16aは、通信管理装置5を介して、通信中の他の電子黒板1bに、表示順序の更新情報を送信する。例えば、電子黒板1aの情報送信部16aは、
図21の「コンテンツ順序2」2101を、通信中の他の電子黒板1bに送信する。この表示順序の更新情報には、更新後のorderList(例えば、orderList={eeeee、ddddd})が含まれる。
【0180】
ステップS2203において、通信管理装置5の共有情報管理部56は、電子黒板1aから受信した表示順序の更新情報により、記憶部5000に記憶した共有情報5006を更新する。例えば、共有情報管理部56は、
図21に示すような共有情報2100の「コンテンツ順序2」2101に含まれるorderListを、更新後のorderList(例えば、orderList={eeeee、ddddd})に更新する。
【0181】
ステップS2204において、通信管理装置5の送受信部51は、例えば、ステップS2203の処理と並行して、電子黒板1aから受信した表示順序の更新情報を、電子黒板1aと通信中の他の電子黒板1bに転送(送信)する。
【0182】
ステップS2205において、電子黒板1bの表示制御部14bは、受信した表示順序の更新情報(複数の画像の表示順序に関する情報の別の一例)に従って、電子黒板1bのディスプレイ160等の表示部に表示している複数の画像の表示順序を変更する。例えば、電子黒板1bの表示制御部14bは、表示部に表示している「ストローク4」1802、「ストローク5」1803の表示順序を、表示順序の更新情報に含まれる更新後のorderListに従って変更する。これにより、電子黒板1bの表示部にも、電子黒板1aの表示部と同じ順序で、共有している複数の画像が表示される。
【0183】
このように、第2の実施形態では、電子黒板1a、1bが共有している複数の画像の表示順序を変更する際に、ページ情報の変更を伴わないため、「ページ」配下の編集を禁止するロック処理を行わなくても、複数の画像の表示順序を変更することができる。
【0184】
<表示順序の更新処理>
図23は、一実施形態に係る表示順序の更新処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、
図22のステップS2205において、電子黒板1bの表示制御部14が実行する複数の画像の表示順序を更新する処理の例を示している。なお、この処理は、例えば、
図19のステップS1907の処理にも適用することができる。
【0185】
ステップS2301において、電子黒板1bが、電子黒板1aと共有している複数の画像の表示順序に関する情報を受信すると、ステップS2302以降の処理が実行される。なお、複数の画像の表示順序に関する情報には、例えば、「orderList」を含む表示順序の更新情報(第2の実施形態)、又は「orderList」を含むページ情報(第1の実施形態)等が含まれる。
【0186】
ステップS2302において、電子黒板1bの表示制御部14bは、電子黒板1aと共有している複数の画像のうち、他の画像と重なりあう画像が、ストローク画像のみであるか否かを判断する。重なりあう画像がストローク画像のみでない場合、電子黒板1bの表示制御部14bは、処理をステップS2303に移行させる。一方、重なり合う画像がストローク画像のみである場合、電子黒板1bの表示制御部14bは、処理をステップS2304に移行させる。
【0187】
ステップS2303に移行すると、電子黒板1bの表示制御部14bは、複数の画像の表示順序に関する情報に従って、電子黒板1aと共有している複数の画像の表示順序を更新する。例えば、電子黒板1bの表示制御部14bは、「orderList」が示す表示順序で、電子黒板1aと共有している複数の画像を再描画する。
【0188】
一方、ステップS2304に移行すると、電子黒板1bの表示制御部14bは、重なり合うストローク画像が同一色であるか否かを判断する。重なり合うストローク画像が同一色でない場合、電子黒板1bの表示制御部14bは、処理をステップS2303に移行させる。一方、重なり合うストローク画像が同一色である場合、電子黒板1bの表示制御部14bは、処理をステップS2305に移行させる。
【0189】
ステップS2305に移行すると、電子黒板1bの表示制御部14bは、電子黒板1aと共有している複数の画像の表示順序を更新する処理を中止する。このように、電子黒板1bの表示制御部14は、重なり合う画像がストローク画像のみであり、かつ同一色である場合、表示順序を変更しても、見た目が変わらないので、複数の画像の表示順序を変更が不要であると判断しても良い。
【0190】
ページ情報や、表示順序の更新情報に従って、全ての画像を再描画すると処理負荷が高くなってしまうという問題がある。しかし、上記の処理により、再描画必要な場合のみ、再描画を行うため、電子黒板1bの処理の負荷を低減することができる。
【0191】
なお、上記の処理は一例であり、電子黒板1bの表示制御部14は、複数の画像の表示順序の変更が必要であるか、不要であるかを判断し、不要である場合に、複数の画像表示順序の変更を中止するものであれば良い。また、
図23の処理は、オプションであり、必須ではない。
【0192】
以上、本発明の各実施形態によれば、複数の通信端末(電子黒板1a、1b)の間で複数の画像を共有する通信システム100において、共有している複数の画像の表示順序を変更することができるようになる。
【0193】
<補足>
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0194】
また、上記の各実施形態では、通信端末が電子黒板1であるものとして説明を行ったが、通信端末は、例えば、通信システム100に対応するアプリケーションを実行するPC、スマートフォン、タブレット端末等の通信機能を有する情報端末であっても良い。また、通信端末は、通信システム100に対応するプロジェクタ、テレビ会議装置、デジタルサイネージ、医療機器、カーナビゲーション装置等の通信機能と表示機能とを有する様々な電子機器であっても良い。
【0195】
なお、電子黒板1、及び通信管理装置5のプログラムは、例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしても良い。また、電子黒板1、及び通信管理装置5のプログラムは、記録媒体だけではなく、例えば、サーバ(クラウドやオンプレミス)からダウンロードして、通信端末にインストール可能なもの等であっても良い。
【0196】
また、通信管理装置5は、
図4に示すようなコンピュータ400に限られず、例えば、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末、PDA(Personal data assistant)、及び、画像形成装置等の電子機器で実現しても良い。
【符号の説明】
【0197】
1a 電子黒板(第1の通信端末)
1b 電子黒板(第2の通信端末)
5 通信管理装置
12 受付部
14 表示制御部
16 情報送信部
51 送受信部(情報送信部の別の一例)
100 通信システム
160 ディスプレイ(表示部)
1000 記憶部
5000 記憶部
2011、2012 ストローク画像
【先行技術文献】
【特許文献】
【0198】