(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】情報処理システムおよび方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/24 20120101AFI20241126BHJP
G06Q 20/32 20120101ALI20241126BHJP
【FI】
G06Q20/24
G06Q20/32
(21)【出願番号】P 2020176095
(22)【出願日】2020-10-20
【審査請求日】2023-08-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】葛岡 春樹
【審査官】板垣 有紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-087076(JP,A)
【文献】特開2016-110462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理の実行後に、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いが電子決済により行われる情報処理装置
と、利用者端末と、電子決済サーバと、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記料金の支払いが完了するまで前記料金の支払い以外のユーザの電子決済の実行を不可能にさせるロック部と、
前記料金の支払い以外の前記ユーザの電子決済の実行が不可能になると、前記処理を実行する処理実行部と
を備え
、
前記情報処理装置は、前記情報処理装置の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にするよう求める要求を示すコードを生成して表示し、
前記利用者端末は、前記コードを読み取り、ロックを特定するための識別子を取得し、前記電子決済サーバへ前記識別子を送信し、
前記電子決済サーバは、前記利用者端末を用いた電子決済の実行を不可能にする、情報処理システム。
【請求項2】
処理の実行後に、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いが電子決済により行われる情報処理装置と、利用者端末と、電子決済サーバと、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記料金の支払いが完了するまで前記料金の支払い以外のユーザの電子決済の実行を不可能にさせるロック部と、
前記料金の支払い以外の前記ユーザの電子決済の実行が不可能になると、前記処理を実行する処理実行部と
を備え、
前記情報処理装置は、前記情報処理装置の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にするよう求める要求を示すコードを生成して表示し、
前記利用者端末は、前記コードを読み取り、ロックを特定するための識別子を取得し、
前記利用者端末は、前記利用者端末を用いた電子決済の実行を不可能にする、情報処理システム。
【請求項3】
前記料金の支払い以外の電子決済の実行が不可能である期間が所定の期間を越えると、
前記利用者端末が警告を出力する、請求項
1または2に記載の
情報処理システム。
【請求項4】
前記料金の支払い以外の電子決済の実行が不可能である期間中に、
前記利用者端末と前記情報処理装置との距離が所定の距離を越えると、前記利用者端末が警告を出力する、請求項
1または2に記載の
情報処理システム。
【請求項5】
前記ロック部は、
前記電子決済サーバにおける前記料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にさせる、請求項
1に記載の
情報処理システム。
【請求項6】
前記料金の支払いが完了した後、前記電子決済サーバは、前記ユーザの電子決済の実行を可能にする、請求項
5に記載の
情報処理システム。
【請求項7】
前記ロック部は、
前記利用者端末における前記料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にさせる、請求項
2に記載の
情報処理システム。
【請求項8】
前記料金の支払いが完了した後、前記利用者端末は、前記ユーザの電子決済の実行を可能にする、請求項
7に記載の
情報処理システム。
【請求項9】
前記処理が中断すると、前記料金の支払いが電子決済により行われる、請求項1から
8のいずれか一項に記載の
情報処理システム。
【請求項10】
処理の実行後に、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いが電子決済により行われる情報処理装置
と、利用者端末と、電子決済サーバと、を含む情報処理システムが実行する方法であって、
前記情報処理装置が、前記料金の支払いが完了するまで前記料金の支払い以外のユーザの電子決済の実行を不可能にさせるステップと、
前記情報処理装置が、前記料金の支払い以外の前記ユーザの電子決済の実行が不可能になると、前記処理を実行するステップと
を含
み、
前記電子決済の実行を不可能にさせるステップでは、
前記情報処理装置が、前記情報処理装置の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にするよう求める要求を示すコードを生成して表示し、
前記利用者端末が、前記コードを読み取り、ロックを特定するための識別子を取得し、前記電子決済サーバへ前記識別子を送信し、
前記電子決済サーバが、前記利用者端末を用いた電子決済の実行を不可能にする、方法。
【請求項11】
処理の実行後に、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いが電子決済により行われる情報処理装置と、利用者端末と、電子決済サーバと、を含む情報処理システムが実行する方法であって、
前記情報処理装置が、前記料金の支払いが完了するまで前記料金の支払い以外のユーザの電子決済の実行を不可能にさせるステップと、
前記情報処理装置が、前記料金の支払い以外の前記ユーザの電子決済の実行が不可能になると、前記処理を実行するステップと
を含み、
前記電子決済の実行を不可能にさせるステップでは、
前記情報処理装置が、前記情報処理装置の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にするよう求める要求を示すコードを生成して表示し、
前記利用者端末が、前記コードを読み取り、ロックを特定するための識別子を取得し、
前記利用者端末が、前記利用者端末を用いた電子決済の実行を不可能にする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザがコンビニエンスストア等に設置されたMFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)等の情報処理装置を有償で使用することができるサービスが知られている。ユーザは、情報処理装置で実行される印刷等の処理の内容に応じて、料金を支払う。課金方法に関して、特許文献1には、印刷ジョブデータの印刷量に応じた料金で課金を行うことが記載されている。
【0003】
このような情報処理装置の使用により生じる料金の支払いにおいて、ユーザは、現金を使わずに、電子決済により支払うことがある。具体的には、情報処理装置は、電子決済による支払いが完了した後に印刷等の処理を実行する(前払いの電子決済ともいう)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前払いの電子決済では、複数の処理(例えば、複数枚の印刷)の1処理(例えば、1枚の印刷)ごとに事前に料金を支払う仕組みであると、電子決済用にチャージされている金額が不足したときに一連の処理が中断してしまう。そのため、情報処理装置は、印刷等の処理を実行した後に、電子決済による支払いが行われるようにすることが考えられる(後払いの電子決済ともいう)。しかしながら、後払いの電子決済では、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いを逃れる不正が生じる可能性がある。
【0005】
そこで、本発明の一実施形態では、情報処理装置の使用により生じる料金が、電子決済により確実に支払われることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る情報処理装置は、処理の実行後に、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いが電子決済により行われる情報処理装置であって、前記料金の支払いが完了するまで前記料金の支払い以外のユーザの電子決済の実行を不可能にさせるロック部と、前記料金の支払い以外の前記ユーザの電子決済の実行が不可能になると、前記処理を実行する処理実行部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
情報処理装置の使用により生じる料金が、電子決済により確実に支払われる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの全体構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置(MFPの場合)のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る利用者端末(スマートフォンの場合)のハードウェア構成を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る電子決済サーバのハードウェア構成を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの機能ブロックを示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る後払いの電子決済の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る後払いの電子決済の処理の流れを示すシーケンス図(実施形態1)である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る後払いの電子決済の処理の流れを示すシーケンス図(実施形態2)である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省略する。
【0010】
<用語の説明>
本明細書において、「電子決済」とは、MFP等の情報処理装置の使用により生じる料金の決済を、現金ではなくデータの送受信によって行う仕組みである。例えば、「電子決済」は、スマートフォン等の利用者端末を用いた電子決済(モバイル決済とも呼ばれる)である。本明細書では、利用者端末が、情報処理装置が表示する(あるいは情報処理装置により印刷された)QRコード(登録商標)等のコードを読み取る方式(ユーザスキャン方式とも呼ばれる)での実施形態を説明する。ただし、本発明は、情報処理装置が、利用者端末が表示するQRコード等のコードを読み取る方式(ストアスキャン方式とも呼ばれる)にも適用することができる。なお、本発明は、ICチップが内蔵された利用者端末あるいはICカードと、情報処理装置と、が近距離無線通信により通信し決済を行う方式にも適用することができる。
【0011】
<システム構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の全体構成図である。
図1に示されているように、情報処理システム1は、情報処理装置10と、利用者端末20と、電子決済サーバ30と、を含む。情報処理装置10は、任意の通信ネットワークNを介して、電子決済サーバ30とデータを送受信することができる。利用者端末20は、任意の通信ネットワークNを介して、電子決済サーバ30とデータを送受信することができる。以下、それぞれについて説明する。
【0012】
情報処理装置10は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(以下、「ロックする」ともいう)よう、電子決済サーバ30または利用者端末20に対して要求する。例えば、情報処理装置10は、MFP等である。
【0013】
なお、情報処理装置10は、通信機能を備えた装置であれば、MFP等の画像形成装置に限られない。情報処理装置10は、例えば、PJ(Projector:プロジェクタ)、IWB(Interactive White Board:相互通信が可能な電子式の黒板機能を有する白板)、デジタルサイネージ等の出力装置、HUD(Head Up Display)装置、産業機械、撮像装置、集音装置、医療機器、ネットワーク家電、自動車(Connected Car)、ノートPC(Personal Computer)、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistant)、デジタルカメラ、ウェアラブルPCまたはデスクトップPC等であってもよい。
【0014】
利用者端末20は、利用者端末20を用いた電子決済を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされた端末である。利用者端末20は、情報処理装置10からの要求に応じて、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする。例えば、利用者端末20は、スマートフォン等である。
【0015】
電子決済サーバ30は、電子決済サービスを提供するサーバである。電子決済サーバ30は、利用者端末20から、決済に関する情報(具体的には、支払い元の情報、支払い先の情報、支払い金額)を受信して、支払いの処理を行う。電子決済サーバ30は、情報処理装置10からの要求に応じて、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする。
【0016】
なお、実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。ある実施形態では、電子決済サーバ30は、サーバクラスタといった複数のコンピューティングデバイスを含む。複数のコンピューティングデバイスは、ネットワークや共有メモリなどを含む任意のタイプの通信リンクを介して互いに通信するように構成されており、本明細書に開示された処理を実施する。
【0017】
<MFPのハードウェア構成>
図2は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置(MFPの場合)10のハードウェア構成を示す図である。
【0018】
図2に示されているように、情報処理装置(MFPの場合)10は、コントローラ110、近距離通信回路120、エンジン制御部130、操作パネル140、ネットワークI/F(Interface)150を備えている。
【0019】
これらのうち、コントローラ110は、コンピュータの主要部であるCPU101、システムメモリ(MEM-P)102、ノースブリッジ(NB)103、サウスブリッジ(SB)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)106、HDDコントローラ107、及び、記憶部であるHD108を有し、NB103とASIC105との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス121で接続した構成となっている。
【0020】
これらのうち、CPU101は、情報処理装置(MFPの場合)10の全体制御を行う制御部である。NB103は、CPU101と、MEM-P102、SB104、及びAGPバス121とを接続するためのブリッジであり、MEM-P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
【0021】
MEM-P102は、コントローラ110の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM102a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM102bとからなる。なお、RAM102bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0022】
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC105は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス121、PCIバス122、HDD107およびMEM-C106をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC105は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC105の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C106を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部131及びプリンタ部132との間でPCIバス122を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC105には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0023】
MEM-C106は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD108は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD108は、CPU101の制御にしたがってHD108に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス121は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0024】
また、近距離通信回路120には、近距離通信回路120aが備わっている。近距離通信回路120は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。
【0025】
更に、エンジン制御部130は、スキャナ部131及びプリンタ部132によって構成されている。また、操作パネル140は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部140a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル140bを備えている。コントローラ110は、情報処理装置(MFPの場合)10全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル140からの入力等を制御する。スキャナ部131又はプリンタ部132には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0026】
なお、情報処理装置(MFPの場合)10は、操作パネル140のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0027】
また、ネットワークI/F150は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路120及びネットワークI/F150は、PCIバス122を介して、ASIC105に電気的に接続されている。
【0028】
<スマートフォンのハードウェア構成>
図3は、本発明の一実施形態に係る利用者端末(スマートフォンの場合)20のハードウェア構成を示す図である。
【0029】
図3に示されているように、利用者端末(スマートフォンの場合)20は、CPU201、ROM202、RAM203、EEPROM204、CMOSセンサ205、撮像素子I/F206、加速度・方位センサ207、メディアI/F209、GPS受信部211を備えている。
【0030】
これらのうち、CPU201は、利用者端末(スマートフォンの場合)20全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201やIPL等のCPU201の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。EEPROM204は、CPU201の制御にしたがって、スマートフォン用プログラム等の各種データの読み出し又は書き込みを行う。CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ205は、CPU201の制御に従って被写体(主に自画像)を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。なお、CMOSセンサではなく、CCD(Charge Coupled Device)センサ等の撮像手段であってもよい。撮像素子I/F206は、CMOSセンサ205の駆動を制御する回路である。加速度・方位センサ207は、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパス、加速度センサ等の各種センサである。メディアI/F209は、フラッシュメモリ等の記録メディア208に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。GPS受信部211は、GPS衛星からGPS信号を受信する。
【0031】
また、利用者端末(スマートフォンの場合)20は、遠距離通信回路212、CMOSセンサ213、撮像素子I/F214、マイク215、スピーカ216、音入出力I/F217、ディスプレイ218、外部機器接続I/F(Interface)219、近距離通信回路220、近距離通信回路220のアンテナ220a、及びタッチパネル221を備えている。
【0032】
これらのうち、遠距離通信回路212は、通信ネットワークNを介して、他の機器と通信する回路である。CMOSセンサ213は、CPU201の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型の撮像手段の一種である。撮像素子I/F214は、CMOSセンサ213の駆動を制御する回路である。マイク215は、音を電気信号に変える内蔵型の回路である。スピーカ216は、電気信号を物理振動に変えて音楽や音声などの音を生み出す内蔵型の回路である。音入出力I/F217は、CPU201の制御に従ってマイク215及びスピーカ216との間で音信号の入出力を処理する回路である。ディスプレイ218は、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL(Electro Luminescence)などの表示手段の一種である。外部機器接続I/F219は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。近距離通信回路220は、NFC(Near Field Communication)やBluetooth(登録商標)等の通信回路である。タッチパネル221は、利用者がディスプレイ218を押下することで、利用者端末(スマートフォンの場合)20を操作する入力手段の一種である。
【0033】
また、利用者端末(スマートフォンの場合)20は、バスライン210を備えている。バスライン210は、
図3に示されているCPU201等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0034】
<電子決済サーバのハードウェア構成>
図4は、本発明の一実施形態に係る電子決済サーバ30のハードウェア構成を示す図である。
【0035】
図4に示されているように、電子決済サーバ30は、コンピュータによって構築されており、
図4に示されているように、CPU(Central Processing Unit)301、ROM(Read Only Memory)302、RAM(Random Access Memory)303、HD304、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ305、ディスプレイ306、外部機器接続I/F(Interface)307、ネットワークI/F(Interface)308、データバス309、キーボード310、ポインティングデバイス311、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ313、メディアI/F(Interface)315を備えている。
【0036】
これらのうち、CPU301は、電子決済サーバ30全体の動作を制御する。ROM302は、IPL等のCPU301の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。HD304は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ305は、CPU301の制御にしたがってHD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。ディスプレイ306は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F307は、各種の外部機器を接続するためのインターフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリやプリンタ等である。ネットワークI/F308は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。バスライン309は、
図4に示されているCPU301等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0037】
また、キーボード310は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス311は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ313は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW312に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F315は、フラッシュメモリ等の記録メディア314に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0038】
<情報処理システムの機能ブロック>
図5は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の機能ブロックを示す図である。
【0039】
<情報処理装置>
情報処理システム1の情報処理装置10は、制御部1001と、通信部1002と、入出力部1003と、処理実行部1004と、ロック部1005と、を備える。また、情報処理装置10は、プログラムを実行することで、制御部1001、通信部1002、入出力部1003、処理実行部1004、ロック部1005として機能する。
【0040】
ロック部1005は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(ロックする)よう、電子決済サーバ30または利用者端末20に対して要求する。具体的には、ロック部1005は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(ロックする)よう求める要求を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。
【0041】
処理実行部1004は、情報処理装置の機能(例えば、印刷等)を提供するための処理を実行する。処理実行部1004は、情報処理装置10が処理を実行してもよい旨の通知を電子決済サーバ30あるいは利用者端末20から取得すると、処理(例えば、印刷等)を開始する。
【0042】
制御部1001は、情報処理装置10の使用により生じる料金を計算する。また、制御部1001は、計算された料金を元に決済情報(具体的には、支払い先の情報、支払い金額)を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。
【0043】
入出力部1003は、入力(例えば、ユーザによって入力された、情報処理装置10が実行する処理の内容)を受け付けたり、データを出力(例えば、QRコード等のコードを表示)したりする。
【0044】
通信部1002は、利用者端末20および電子決済サーバ30とデータを送受信する。
【0045】
<利用者端末>
情報処理システム1の利用者端末20は、制御部2001と、通信部2002と、入出力部2003と、を備える。また、利用者端末20は、プログラムを実行することで、制御部2001、通信部2002、入出力部2003として機能する。
【0046】
制御部2001は、下記の<実施形態2>の場合に、情報処理装置10からの要求に応じて、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(つまり、ロックする)。また、制御部2001は、下記の<実施形態2>の場合に、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了すると、利用者端末20を用いた電子決済の実行を可能にする(つまり、ロックを解除する)。
【0047】
入出力部2003は、ユーザの操作や入力を受け付ける(例えば、QRコード等のコードを読み取る)。
【0048】
通信部2002は、情報処理装置10および電子決済サーバ30とデータを送受信する。
【0049】
<電子決済サーバ>
情報処理システム1の電子決済サーバ30は、制御部3001と、通信部3002と、課金ユーザ情報記憶部3003と、を備える。また、電子決済サーバ30は、プログラムを実行することで、制御部3001、通信部3002として機能する。
【0050】
制御部3001は、下記の<実施形態1>の場合に、情報処理装置10からの要求に応じて、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(つまり、ロックする)。また、制御部3001は、下記の<実施形態1>の場合に、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了すると、利用者端末20を用いた電子決済の実行を可能にする(つまり、ロックを解除する)。
【0051】
また、制御部3001は、課金ユーザ情報記憶部3003を参照して、支払い元(つまり、ユーザ)から支払い先への支払い金額分の支払いの処理を行う。
【0052】
課金ユーザ情報記憶部3003は、料金の支払い元および料金の支払い先の金銭に相当するデータに関する情報を記憶する。例えば、金銭に相当するデータに関する情報は、事前にチャージされた金額の情報、クレジットカードの情報等である。
【0053】
さらに、課金ユーザ情報記憶部3003は、電子決済サービスのユーザID等ごとに、利用者端末20を用いた電子決済の実行の可否の情報(つまり、「可能」または「不可能」)を記憶する。
【0054】
通信部3002は、情報処理装置10および利用者端末20とデータを送受信する。
【0055】
<処理方法>
図6を参照しながら、処理方法について説明する。さらに、より詳細に、
図7を参照しながら、電子決済サーバ30が、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にする実施形態(以下の<実施形態1>)を説明し、
図8を参照しながら、利用者端末20が、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にする実施形態(以下の<実施形態2>)を説明する。
【0056】
<実施形態1>
実施形態1では、電子決済サーバ30が、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にする。つまり、ユーザが利用者端末20を操作して電子決済サーバ30に支払いの処理を要求しても、電子決済サーバ30は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の処理を行わない。
【0057】
<実施形態2>
実施形態2では、利用者端末20が、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にする。つまり、ユーザは、利用者端末20において、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の処理の操作をすることができない。
【0058】
図6は、本発明の一実施形態に係る後払いの電子決済の処理の流れを示すフローチャートである。
【0059】
例えば、ユーザが、情報処理装置10の操作パネル等で、情報処理装置10が実行する処理の内容(例えば、印刷の設定等)、および、情報処理装置10の使用により生じる料金を電子決済により支払うことの指示を入力した後に、スタートボタン等を押下すると、以下のステップ1が開始される。
【0060】
ステップ1(S1)において、情報処理装置10は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(ロックする)よう、電子決済サーバ30または利用者端末20に対して要求する。具体的には、情報処理装置10は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いが完了するまでの間、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済(利用者端末20を用いた電子決済)の実行を不可能にする(ロックする)よう求める要求を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。次に、情報処理装置10は、生成されたコード(例えば、QRコード)を情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示する。その後、利用者端末20は、情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示されているコード(例えば、QRコード)を読み取る。
【0061】
ステップ2(S2)において、利用者端末20を用いた電子決済の実行が不可能になる。実施形態1では、電子決済サーバ30が電子決済の実行を不可能にし、実施形態2では、利用者端末20が電子決済の実行を不可能にする。
【0062】
ステップ3(S3)において、情報処理装置10は、情報処理装置10が処理を実行してもよい旨の通知を電子決済サーバ30あるいは利用者端末20から取得する。
【0063】
ステップ4(S4)において、情報処理装置10は、処理(例えば、印刷等)を開始する。
【0064】
ステップ5(S5)において、情報処理装置10の処理が終了したか否か、情報処理装置10にエラーが発生した等により処理が中断したか否かが判断される。情報処理装置10の処理が終了した場合あるいはエラー等により処理が中断した場合には、ステップ6へ進む。情報処理装置10の処理が終了しておらずかつエラー等により処理が中断していない場合には、ステップ4へ戻る。
【0065】
ステップ6(S6)において、情報処理装置10は、情報処理装置10の使用により生じる料金を計算する。次に、情報処理装置10は、計算された料金を元に決済情報(具体的には、支払い先の情報、支払い金額)を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。次に、情報処理装置10は、生成されたコード(例えば、QRコード)を情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示する。その後、利用者端末20は、情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示されているコード(例えば、QRコード)を読み取る。
【0066】
なお、処理が中断した場合、支払い金額は、正常に処理が実行された分の金額であってもよいし、0円であってもよい。このように、本発明の一実施形態では、情報処理装置10のエラーやユーザの操作等により処理が中断した場合、その時点で料金が決済される。そのため、ユーザは払い戻しをする必要がない。
【0067】
ステップ7(S7)において、電子決済サーバ30は、支払いの処理を行う。具体的には、電子決済サーバ30は、支払い元(つまり、ユーザ)から支払い先への支払い金額分の支払いの処理を行う。
【0068】
ステップ8(S8)において、利用者端末20を用いた電子決済の実行が可能になる(つまり、ロックを解除する)。実施形態1では、電子決済サーバ30が電子決済の実行を可能にし、実施形態2では、利用者端末20が電子決済の実行を可能にする(つまり、ロックを解除する)。
【0069】
図7は、本発明の一実施形態に係る後払いの電子決済の処理の流れを示すシーケンス図(実施形態1)である。
【0070】
ステップ101(S101)において、情報処理装置10のロック部1005は、利用者端末20を用いた電子決済の実行を不可能にする(ロックする)よう、利用者端末20に対して要求する。
【0071】
具体的には、情報処理装置10のロック部1005は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にするよう求める要求を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。次に、情報処理装置10の入出力部1003は、生成されたコード(例えば、QRコード)を情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示する。その後、利用者端末20の入出力部2003は、情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示されているコード(例えば、QRコード)を読み取る。例えば、このコード(例えば、QRコード)は、ロックを特定するための識別子を含むことができる。また、このコード(例えば、QRコード)は、情報処理装置10に関する情報(例えば、情報処理装置10の位置情報、Wi-Fi(登録商標)に関する情報等)を含むことができる。
【0072】
ステップ102(S102)において、利用者端末20の通信部2002は、利用者端末20を用いた電子決済の実行を不可能にするよう、電子決済サーバ30に対して要求する。例えば、利用者端末20の通信部2002は、ロックを特定するための識別子、および、電子決済サービスのユーザID(つまり、利用者端末20のユーザのユーザID)を電子決済サーバ30へ送信することができる。
【0073】
ステップ103(S103)において、電子決済サーバ30の制御部3001は、S102の要求に応じて、利用者端末20を用いた電子決済の実行を不可能にする。例えば、電子決済サーバ30の制御部3001は、課金ユーザ情報記憶部3003内で、S102で送信されたユーザIDでの利用者端末20を用いた電子決済の実行の可否を「不可能」に更新する。なお、電子決済サーバ30の制御部3001は、課金ユーザ情報記憶部3003を参照して、課金が可能である場合に、利用者端末20を用いた電子決済の実行を不可能にするようにしてもよい。
【0074】
ステップ104(S104)において、電子決済サーバ30の通信部3002は、情報処理装置10が処理を実行してもよい旨を情報処理装置10に通知する。そのため、情報処理装置10は、ロック後に処理を実行することができる。
【0075】
なお、電子決済サーバ30が、情報処理装置10が処理を実行してもよい旨を利用者端末20に通知し、利用者端末20がその旨を情報処理装置10に通知するようにしてもよい。
【0076】
ステップ105(S105)において、情報処理装置10の処理実行部1004は、印刷等の処理を実行する。
【0077】
ステップ106(S106)において、情報処理装置10の制御部1001は、情報処理装置10の使用により生じる料金を計算する。
【0078】
ステップ107(S107)において、情報処理装置10の制御部1001は、S106で計算された料金を元に決済情報(具体的には、支払い先の情報、支払い金額)を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。次に、情報処理装置10の入出力部1003は、生成されたコード(例えば、QRコード)を情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示する。その後、利用者端末20の入出力部2003は、情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示されているコード(例えば、QRコード)を読み取る。例えば、このコード(例えば、QRコード)は、S101の識別子と同一の識別子を含むことができる。
【0079】
ステップ108(S108)において、利用者端末20の通信部2002は、S107で取得された決済情報(具体的には、支払い先の情報、支払い金額)を、電子決済サーバ30に通知する。例えば、利用者端末20の通信部2002は、S107の識別子を電子決済サーバ30へ送信することができる。
【0080】
ステップ109(S109)において、電子決済サーバ30の制御部3001は、支払いの処理を行う。具体的には、電子決済サーバ30の制御部3001は、支払い元(つまり、ユーザ)から支払い先への支払い金額分の支払いの処理を行う。例えば、電子決済サーバ30の制御部3001は、S102およびS108で取得した識別子が一致すると、ロックの対象外の電子決済である(つまり、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いである)と判断することができる。
【0081】
ステップ110(S110)において、電子決済サーバ30の制御部3001は、料金の支払いが完了したことに応じて、S103のロックを解除する(つまり、利用者端末20を用いた電子決済の実行を可能にする)。
【0082】
図8は、本発明の一実施形態に係る後払いの電子決済の処理の流れを示すシーケンス図(実施形態2)である。
【0083】
ステップ201(S201)において、情報処理装置10のロック部1005は、利用者端末20を用いた電子決済の実行を不可能にする(ロックする)よう、利用者端末20に対して要求する。
【0084】
具体的には、情報処理装置10のロック部1005は、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払い以外の電子決済の実行を不可能にするよう求める要求を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。次に、情報処理装置10の入出力部1003は、生成されたコード(例えば、QRコード)を情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示する。その後、利用者端末20の入出力部2003は、情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示されているコード(例えば、QRコード)を読み取る。例えば、このコード(例えば、QRコード)は、ロックを特定するための識別子を含むことができる。また、このコード(例えば、QRコード)は、情報処理装置10に関する情報(例えば、情報処理装置10の位置情報、Wi-Fiに関する情報等)を含むことができる。
【0085】
ステップ202(S202)において、利用者端末20の制御部2001は、S201の要求に応じて、利用者端末20を用いた電子決済の実行を不可能にする。
【0086】
ステップ203(S203)において、利用者端末20の通信部2002は、情報処理装置10が処理を実行してもよい旨を情報処理装置10に通知する。そのため、情報処理装置10は、ロック後に処理を実行することができる。
【0087】
ステップ204(S204)において、情報処理装置10の処理実行部1004は、印刷等の処理を実行する。
【0088】
ステップ205(S205)において、情報処理装置10の制御部1001は、情報処理装置10の使用により生じる料金を計算する。
【0089】
ステップ206(S206)において、情報処理装置10の制御部1001は、S205で計算された料金を元に決済情報(具体的には、支払い先の情報、支払い金額)を示すコード(例えば、QRコード)を生成する。次に、情報処理装置10の入出力部1003は、生成されたコード(例えば、QRコード)を情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示する。その後、利用者端末20の入出力部2003は、情報処理装置10の操作パネル等の操作部に表示されているコード(例えば、QRコード)を読み取る。例えば、このコード(例えば、QRコード)は、S201の識別子と同一の識別子を含むことができる。
【0090】
ステップ207(S207)において、利用者端末20の通信部2002は、S206で取得された決済情報(具体的には、支払い先の情報、支払い金額)を、電子決済サーバ30に通知する。例えば、利用者端末20の制御部2001は、S201およびS206で取得した識別子が一致すると、ロックの対象外の電子決済である(つまり、情報処理装置10の使用により生じる料金の支払いである)と判断することができる。
【0091】
ステップ208(S208)において、電子決済サーバ30の制御部3001は、支払いの処理を行う。具体的には、電子決済サーバ30の制御部3001は、支払い元(つまり、ユーザ)から支払い先への支払い金額分の支払いの処理を行う。
【0092】
ステップ209(S209)において、電子決済サーバ30の通信部3002は、料金の支払いが完了した旨を利用者端末20に通知する。
【0093】
ステップ210(S210)において、利用者端末20の制御部2001は、料金の支払いが完了したことに応じて、S202のロックを解除する(つまり、利用者端末20を用いた電子決済の実行を可能にする)。
【0094】
<他の実施形態(期間による警告)>
本発明の一実施形態では、電子決済の実行が不可能である期間(つまり、ロック中の期間)が所定の期間を越えると、利用者端末20が警告を出力する(例えば、警告メッセージの表示、警告音の出力等)ようにしてもよい。具体的には、電子決済サーバ30は、ロックが開始してからの期間を管理し、該期間が所定の期間を越えると、利用者端末20に警告を出力するよう要求する。あるいは、利用者端末20が、ロックが開始してからの期間を管理し、該期間が所定の期間を越えると、警告を出力する。
【0095】
<他の実施形態(距離による警告)>
本発明の一実施形態では、電子決済の実行が不可能である期間中に(つまり、ロック中に)、利用者端末20と情報処理装置10との距離が所定の距離を越えると、利用者端末20が警告を出力する(例えば、警告メッセージの表示、警告音の出力等)ようにしてもよい。具体的には、電子決済サーバ30は、利用者端末20と情報処理装置10との距離をGPS(全地球測位システム)や電波強度等により管理し、該距離が所定の距離を越えると、利用者端末20に警告を出力するよう要求する。あるいは、利用者端末20が、利用者端末20と情報処理装置10との距離をGPS(全地球測位システム)や電波強度等により管理し、該距離が所定の距離を越えると、警告を出力する。なお、電子決済サーバ30および利用者端末20は、利用者端末20の位置情報と、情報処理装置10の位置情報と、に基づいて、利用者端末20と情報処理装置10との距離を管理することができる。また、電子決済サーバ30および利用者端末20は、情報処理装置10からのWi-Fiの電波の強度に基づいて、利用者端末20と情報処理装置10との距離を管理することができる。
【0096】
なお、上記の<他の実施形態(期間による警告)>と<他の実施形態(距離による警告)>を組み合わせてもよい。
【0097】
<効果>
このように、本発明の一実施形態では、MFP等の情報処理装置は、料金の支払いが済むまでの間、電子決済サーバ上での電子決済の実行を不可能にする、または、利用者端末上での電子決済の実行を不可能にすることができる。つまり、ユーザは、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いを逃れようとすると、利用者端末を用いた電子決済を使用することができなくなる。そのため、ユーザが、利用者端末を用いた電子決済の使用を再開できるように、情報処理装置の使用により生じる料金の支払いを済ませることが期待できる。このように、情報処理装置の使用により生じる料金が、電子決済により確実に支払われる。
【0098】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0099】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上述した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20 利用者端末
30 電子決済サーバ
1001 制御部
1002 通信部
1003 入出力部
1004 処理実行部
1005 ロック部
2001 制御部
2002 通信部
2003 入出力部
3001 制御部
3002 通信部
3003 課金ユーザ情報記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】