(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】プロテクタ
(51)【国際特許分類】
H02G 3/04 20060101AFI20241126BHJP
F16L 57/00 20060101ALI20241126BHJP
B60R 16/02 20060101ALN20241126BHJP
【FI】
H02G3/04 087
H02G3/04 018
F16L57/00 A
B60R16/02 623T
(21)【出願番号】P 2021027598
(22)【出願日】2021-02-24
【審査請求日】2023-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005290
【氏名又は名称】古河電気工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】391045897
【氏名又は名称】古河AS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】川上 昭
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第04209499(DE,A1)
【文献】実開平05-067128(JP,U)
【文献】特表平03-504795(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/04
F16L 57/00
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部及び一対の対向する側壁部を有する断面凹状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の開口を開閉自在に閉塞するカバーとが備えられ、内部を挿通する電線を保護するプロテクタであって、
前記プロテクタ本体は、
少なくとも一方の前記側壁部と前記底面部とを枢動可能に連結する底部枢動部と、
前記プロテクタ本体の開口の閉塞に伴い前記カバーの端部が近接する前記側壁部の上部に、対向する側壁部へ向けて突設されるとともに、内部に挿通する前記電線のはみ出しを規制する規制部とが設けられ
、
前記一対の側壁部を、第1側壁部及び第2側壁部として、
前記第1側壁部と前記カバーとを枢動可能に連結するカバー枢動部が設けられ、
前記規制部は、
前記第2側壁部の上部に設けられ、
前記カバーは、
前記プロテクタ本体の開口を閉塞した状態において、前記第2側壁部の外側面に重なり合う延出部が設けられ、
前記第2側壁部の外側面と前記延出部とを固定する固定部が設けられ、
前記底部枢動部は、前記底面部と前記第2側壁部とを連結する構成であり、
前記プロテクタ本体の開口を閉塞する前記カバーと前記規制部とが重なり合う
プロテクタ。
【請求項2】
前記規制部が、前記一対の側壁部の間に略同じ長さで形成された
請求項
1に記載のプロテクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、内部に挿通する電線を保護するプロテクタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両に搭載されている電子機器類同士は、車両に配索されている電線を介して電気的に接続されている。この車両に配索されている電線は、配索経路に設置されている他の部材との干渉により損傷しないように、プロテクタに挿通させて保護することがある。
【0003】
このようなプロテクタとして、従来、例えば、底面部と一対の側壁部とで断面凹状に構成されたプロテクタ本体の開口から電線を挿入し、開口を塞ぐようにカバーで覆うことにより、内部に挿通された電線を保護するものがある(特許文献1参照)。
【0004】
近年、安全性や操作性の向上を目的として、電気的な制御に伴う電気機器類や電子部品が増加しているため、車両に配索される電線も増加している。さらに、電動モーターを駆動力とする電動車では、より多くの電線が用いられている。
【0005】
その一方で、車両の居住性を向上させるために車室空間を確保したいといった要望がある。このため、プロテクタを大きくすることなく、多数の電線をプロテクタに挿入する必要があり、挿入作業が困難となるといった問題が生じている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明は、上述の問題に鑑み、内部に電線を容易に挿通できるプロテクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明は、底面部及び一対の対向する側壁部を有する断面凹状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の開口を開閉自在に閉塞するカバーとが備えられ、内部を挿通する電線を保護するプロテクタであって、前記プロテクタ本体は、少なくとも一方の前記側壁部と前記底面部とを枢動可能に連結する底部枢動部と、前記プロテクタ本体の開口の閉塞に伴い前記カバーの端部が近接する前記側壁部の上部に、対向する側壁部へ向けて突設されるとともに、内部に挿通する前記電線のはみ出しを規制する規制部とが設けられ、前記一対の側壁部を、第1側壁部及び第2側壁部として、前記第1側壁部と前記カバーとを枢動可能に連結するカバー枢動部が設けられ、前記規制部は、前記第2側壁部の上部に設けられ、前記カバーは、前記プロテクタ本体の開口を閉塞した状態において、前記第2側壁部の外側面に重なり合う延出部が設けられ、前記第2側壁部の外側面と前記延出部とを固定する固定部が設けられ、前記底部枢動部は、前記底面部と前記第2側壁部とを連結する構成であり、前記プロテクタ本体の開口を閉塞する前記カバーと前記規制部とが重なり合うことを特徴とする。
【0009】
前記カバーは、前記プロテクタ本体と一体又は別体に構成されたものを含む。
前記規制部は、内部に挿通する電線が開口からはみ出すことを規制できればよく、例えば、側壁部の上部において、電線の長手方向に沿って連続して設けられた場合や、電線の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置されている場合を含む。
前記延出部は、閉塞状態において電線の長手方向に沿って連続して設けられた場合や、電線の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置されている場合を含む。
【0010】
この発明によると、底部枢動部を介して側壁部を枢動させることができることから、電線を挿通させる際、プロテクタ本体の開口を大きく拡げることができる。このため、開口から電線を容易に挿通させることができる。
【0011】
さらに、プロテクタ本体の開口の閉塞に伴って、カバーの端部が近接する側壁部の上部に規制部を設けたことにより、少なくとも規制部が設けられた側壁部側から電線がはみ出すことを規制できるため、カバーと側壁部とで電線を噛み込むことを防止できる。これにより、プロテクタ本体の開口をカバーで覆う際に電線が損傷することを防止できる。
【0012】
さらにまた、電線にプロテクタを組み付ける組み付け作業は、開口を拡げるように側壁部を枢動させて電線を挿入し、開口を狭めるように側壁部を枢動させて開口をカバーで覆うだけであるため、複雑な工程を行うことがない。したがって、作業者に負担をかけることなく、簡単にプロテクタの組み付け作業を行うことができる。
【0013】
また、前記一対の側壁部を、第1側壁部及び第2側壁部として、前記第1側壁部と前記カバーとを枢動可能に連結するカバー枢動部が設けられ、前記規制部は、前記第2側壁部の上部に設けられている。
【0014】
この構成により、第1側壁部に連結するカバーと、第2側壁部に設けられた規制部とにより、電線が開口からはみ出すことを規制できるため、電線が第2側壁部とカバーとの間にはみ出して噛み込まれることを防止できる。これにより、開口をカバーで覆う際に電線が損傷することを確実に防止できる。
また、カバーを枢動させるだけでプロテクタ本体に容易に組付けられるため、プロテクタ本体とカバーとが別体の場合に比べてカバーの組付け性を向上することができる。
【0015】
また、前記カバーは、前記プロテクタ本体の開口を閉塞した状態において、前記第2側壁部の外側面に重なり合う延出部が設けられている。
【0016】
この構成により、閉塞状態において、カバーに設けられた延出部が第2側壁部の外側面に重なり合うため、延出部で第2側壁部の外側面を支持することができる。これにより、第2側壁部が外側に倒れることを防止でき、電線が外部に露出することを防止できる。
【0017】
また、前記第2側壁部の外側面と前記延出部とを固定する固定部が設けられている。
この構成により、カバーに設けられた延出部と第2側壁部とが支持固定されるため、第2側壁部がプロテクタ本体の内側に倒れることを防止できる。
【0018】
これにより、底部枢動部が設けられた第2側壁部に外力が作用したとしても、第2側壁部が内側に倒れて電線と干渉し、電線が損傷することを防止できる。
さらに、第2側壁部に対して外力が作用した際、第2側壁部が枢動することがないため、開口をカバーで確実に覆うことができる。これにより、プロテクタの内部に異物が侵入することを防止でき、確実に電線を保護することができる。
【0019】
また、前記底部枢動部は、前記底面部と前記第2側壁部とを連結する構成である。
この構成により、第2側壁部の枢動によってプロテクタ本体の開口が拡がることにより、電線の挿入を容易に行うことができる。
【0020】
さらに、第1側壁部が固定されているため、第1側壁部と連結するカバーと、第2側壁部との位置合わせを容易に行うことができる。したがって、容易に電線を挿入することができるとともに、電線にプロテクタを組み付ける組み付け作業を容易に行うことができる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記底部枢動部は、前記底面部と前記第1側壁部とを連結する構成であってもよい。
この構成によると、底面部に対して第1側壁部を枢動させるだけで、第1側壁部に連結されたカバーをプロテクタ本体の開口から離間させることができる。これにより、カバーが電線の挿入を妨げることなく、より容易に電線を挿入できる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記底部枢動部は、前記底面部及び前記第1側壁部を連結する第1底部枢動部と、前記底面部及び前記第2側壁部を連結する第2底部枢動部とで構成されてもよい。
この構成により、プロテクタ本体の開口をより拡げることができる。また、底面部に対して第1側壁部を枢動させるだけで、第1側壁部に連結されたカバーをプロテクタ本体の開口から離間させることができる。これにより、カバーが電線の挿入を妨げることなく、また開口がより広くなっているため、より容易に電線を挿入できる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記カバーは、前記プロテクタ本体に対して着脱自在に構成され、前記規制部は、一対の側壁部の上部にそれぞれ設けられてもよい。
この構成により、より確実に開口から電線がはみ出すことを規制できるため、カバーと側壁部との間に電線が配置されることを確実に規制し、電線の噛み込みを防止できる。
【0024】
またこの発明の態様として、前記カバーは、前記プロテクタ本体の開口を閉塞した状態において、前記一対の側壁部の各外側面に重なり合う延出部が設けられてもよい。
前記延出部は、閉塞状態において電線の長手方向に沿って連続して設けられた場合や、電線の長手方向に沿って所定の間隔を隔てて複数配置されている場合を含む。
【0025】
この構成によると、閉塞状態において、カバーに設けられた延出部が側壁部の外側面に重なり合うことから、延出部で側壁部の外側面を支持することができる。これにより、側壁部が外側に倒れることを防止でき、電線が外部に露出することを防止できる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記側壁部の外側面と前記延出部とを固定する固定部が設けられてもよい。
この構成によると、カバーに設けられた延出部と側壁部とが支持固定されるため、側壁部がプロテクタ本体の内側に倒れることを防止できる。これにより、底部枢動部が設けられた側壁部に外力が作用したとしても、側壁部が内側に倒れて電線と干渉し、電線が損傷することを防止できる。
【0027】
さらに、側壁部に対する外力の作用により、側壁部が枢動することがないため、開口をカバーで確実に覆うことができる。これにより、プロテクタの内部に異物が侵入することを防止でき、確実に電線を保護することができる。
【0028】
またこの発明の態様として、前記規制部が、前記一対の側壁部の間に略同じ長さで形成されてもよい。
上記規制部は、一対の側壁部の間に略同じ長さで一方の側壁部から突出した規制部、または一対の側壁部の間に略同じ長さとなるように、一対の側壁部からそれぞれ突出した規制部のこという。
【0029】
この構成によると、規制部が一対の側壁部の間に略同じ長さで形成されているため、規制部によって側壁部の位置を規制することができる。したがって、側壁部がプロテクタ本体の内側に倒れることを規制できる。さらに、一対の側壁部の間に略同じ長さで一方の側壁部から突出した規制部の場合には、規制部が対向する側壁部に当接することで側壁部の位置が規制されるため、カバーを容易にプロテクタ本体に取り付けることができる。
【発明の効果】
【0030】
この発明により、内部に電線を容易に挿通できるプロテクタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】ワイヤーハーネスを挿通した状態におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【
図2】カバー及び第2側壁部の開閉状態の概略を正面視で説明する説明図。
【
図3】カバー及び第2側壁部が開いた状態の外観を示す外観斜視図。
【
図4】
図1中のA-A矢視における固定部の断面形状を示す断面図。
【
図5】実施例2におけるプロテクタの概略を正面視で説明する説明図。
【
図6】展開状態におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【
図7】第2側壁部が起立した状態におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【
図8】実施例3におけるプロテクタの概略を正面視で説明する説明図。
【
図9】展開状態におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【
図10】実施例4におけるプロテクタの概略を正面視で説明する説明図。
【
図11】分解状態におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【
図12】実施例5におけるプロテクタの概略を正面視で説明する説明図。
【
図13】分解状態におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【
図14】実施例6におけるプロテクタの外観を示す外観斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0032】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0033】
実施例1のプロテクタ1は、ワイヤーハーネスWを挿通可能な内部空間を備えた閉断面形状のプロテクタである。このようなプロテクタ1について、
図1から
図4を用いて説明する。
なお、
図1はワイヤーハーネスWを挿通した状態におけるプロテクタ1の外観斜視図を示している。
【0034】
さらに、
図2はカバー30及び第2側壁部13の開閉状態の概略を正面視で説明する説明図であり、
図2(a)は組付け状態におけるプロテクタ1の正面図を示し、
図2(b)はカバー30及び第2側壁部13が開いた状態におけるプロテクタ1の正面図を示している。
加えて、
図3はカバー30及び第2側壁部13が開いた状態の外観斜視図を示し、
図4は
図1中のA-A矢視断面における固定部50の断面図を示している。
【0035】
また、
図1中の上側をプロテクタ1の上方側、
図1中の下側をプロテクタ1の下方側として、図中の矢印Xはプロテクタ1の内部に挿通されたワイヤーハーネスWの長手方向に沿った方向(以降、長手方向Xと呼ぶ)を示し、矢印Yは長手方向Xに平面視直交する方向(以降、短手方向Yと呼ぶ)を示している。
また、図示を明確にするため、複数の電線を束ねて構成されたワイヤーハーネスWの外形を二点鎖線で図示している。
【0036】
実施例1のプロテクタ1は、
図1に示すように、長手方向Xに延びる断面凹状のプロテクタ本体10と、プロテクタ本体10における上方の開口を覆うカバー30とを備えている。
さらに、プロテクタ1は、
図1に示すように、プロテクタ本体10に対してカバー30を枢動可能にするカバー枢動部40と、プロテクタ本体10に対してカバー30を固定する固定部50とを備えている。
【0037】
そして、プロテクタ1は、
図1に示すように、プロテクタ本体10にカバー30が固定されることで、正面視略矩形の閉断面形状を形成するとともに、閉断面形状の内部空間にワイヤーハーネスWを収容して、ワイヤーハーネスWを保護している。
【0038】
具体的には、プロテクタ本体10は、
図1に示すように、プロテクタ本体10の底部をなす底面部11と、底面部11を挟んで短手方向Yで対向する第1側壁部12及び第2側壁部13とを備えている。
【0039】
さらに、プロテクタ本体10は、
図1に示すように、底面部11に対して第2側壁部13を枢動可能に連結する底部枢動部14と、内部を挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する規制部15とを備えている。
【0040】
底面部11は、
図1から
図3に示すように、上下方向に厚みを有するとともに、長手方向Xに長い平面視略矩形の平板状に形成されている。この底面部11は、
図2(a)に示すように、ワイヤーハーネスWの直径に略同じ短手方向Yの長さに形成されている。
【0041】
また、第1側壁部12及び第2側壁部13は、
図1から
図3に示すように、短手方向Yに厚みを有するとともに、底面部11と略同じ長手方向Xの長さの略平板状に形成されている。この第1側壁部12及び第2側壁部13は、
図2(a)に示すように、ワイヤーハーネスWの直径に略同じ短手方向Yの間隔を隔てて対向配置されている。
【0042】
より詳しくは、第1側壁部12は、
図1から
図3に示すように、短手方向Yにおける底面部11の一端から略直角に上方へ向けて延設されている。
一方、第2側壁部13は、
図1から
図3に示すように、底面部11とは別体で構成され、短手方向Yにおける底面部11の他端に、底部枢動部14を介して連結されている。
【0043】
また、底部枢動部14は、
図2に示すように、底面部11と第2側壁部13とを枢動可能に連結している。この底部枢動部14は、
図2及び
図3に示すように、第2側壁部13側の底面部11の縁端に設けた軸筒14aと、第2側壁部13の下端に設けた軸筒14bと、底面部11の軸筒14aと第2側壁部13の軸筒14bに挿通される軸体14cとで回転自在に構成されている。
【0044】
また、規制部15は、
図2に示すように、プロテクタ本体10の開口の閉塞に伴って、カバー30の端部が近接する第2側壁部13の上端に一体形成されている。
より詳しくは、規制部15は、
図2示すように、第2側壁部13の上端から対向する第1側壁部12へ向かって突出するように、第2側壁部13の上端を第1側壁部12へ向けて略直角に折り返して形成している。
【0045】
この規制部15は、
図2及び
図3に示すように、上下方向に厚みを有する略平板状であって、長手方向Xの長さが第2側壁部13に略同じで、短手方向Yの長さが底面部11の半分未満の平面視略矩形に形成されている。
【0046】
また、カバー30は、
図1から
図3に示すように、プロテクタ本体10に連結され、プロテクタ本体10における上方の開口を覆う略平板状のカバー本体31と、カバー本体31から延出した延出部32とで構成されている。
カバー本体31は、
図2及び
図3に示すように、上下方向に厚みを有する略平板状であって、底面部11に略同じ大きさに形成されている。
【0047】
延出部32は、
図2(a)に示すように、カバー本体31がプロテクタ本体10の開口を覆った状態において、第2側壁部13の外側面13aに短手方向Yで重なり合うように形成されている。
【0048】
より詳しくは、延出部32は、第2側壁部13側のカバー本体31の縁端から略直角に下方へ向けて延設した略平板状に形成されている。なお、延出部32は、第2側壁部13の上端近傍に短手方向Yで重なり合う上下方向の長さで延設されている。
【0049】
また、カバー枢動部40は、
図2及び
図3に示すように、第1側壁部12の上端に設けた軸筒40aと、第1側壁部12側のカバー本体31の縁端に設けた軸筒40bと、第1側壁部12の軸筒40aとカバー30の軸筒40bに挿通される軸体40cとで回転自在に構成されている。
【0050】
また、固定部50は、
図1、
図3、及び
図4に示すように、カバー30に設けた2つの係合孔51と、プロテクタ本体10に設けた2つの係合爪52とで構成されている。
より詳しくは、係合孔51は、
図1及び
図3に示すように、短手方向Yから見て略矩形の貫通孔であって、カバー30の延出部32に開口形成されている。この係合孔51は、長手方向Xに所定間隔を隔てて2つ形成されている。
【0051】
一方、係合爪52は、
図4に示すように、第2側壁部13の上部における外側面13aに突設されるとともに、カバー30の係合孔51に上方から係合可能な形状で形成されている。この係合爪52は、
図1に示すように、係合孔51に略同じ長手方向Xの間隔を隔てて2つ形成されている。
【0052】
次に、上述した構成のプロテクタ1に、ワイヤーハーネスWを収容して挿通状態となるように組付ける工程について簡単に説明する。
なお、ワイヤーハーネスWは、複数の電線を束ねて構成している。
まず、作業者または組立装置は、
図2(b)及び
図3に示すように、第2側壁部13及びカバー30が開いた状態のプロテクタ1に対して、ワイヤーハーネスWを底面部11に載置する。
【0053】
その後、作業者または組立装置は、
図2(a)に示すように、底面部11に対して起立するように第2側壁部13を正面視反時計回りに枢動させる。さらに、作業者または組立装置は、
図2(a)に示すように、底面部11に対向するようにカバー30を正面視時計回りに枢動させる。
【0054】
そして、作業者または組立装置は、カバー30の係合孔51にプロテクタ本体10の係合爪52を係合させて、プロテクタ本体10にカバー30を固定することで、プロテクタ1の内部へのワイヤーハーネスWの挿通を完了する。
【0055】
以上のように、実施例1のプロテクタ1は、底面部11及び一対の対向する側壁部(第1側壁部12、第2側壁部13)を有する断面凹状のプロテクタ本体10と、プロテクタ本体10の開口を開閉自在に閉塞するカバー30とが備えられ、内部を挿通するワイヤーハーネスWを保護している。
【0056】
このプロテクタ1のプロテクタ本体10は、第2側壁部13と底面部11とを枢動可能に連結する底部枢動部14が設けられている。
さらに、プロテクタ本体10は、プロテクタ本体10の開口の閉塞に伴いカバー30の端部が近接する第2側壁部13の上部に、第1側壁部12へ向けて突設されるとともに、内部に挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する規制部15が設けられたものである。
【0057】
これによると、底部枢動部14を介して第2側壁部13を枢動させることができることから、ワイヤーハーネスWを挿通させる際、プロテクタ本体10の開口を大きく拡げることができる。このため、開口からワイヤーハーネスWを容易に挿通させることができる。
【0058】
さらに、プロテクタ本体10の開口の閉塞に伴って、カバー30の端部が近接する第2側壁部13の上部に規制部15を設けたことにより、少なくとも規制部15が設けられた第2側壁部13側からワイヤーハーネスW、あるいはワイヤーハーネスWを構成する電線がはみ出すことを規制できる。
【0059】
このため、プロテクタ1は、カバー30と第2側壁部13とでワイヤーハーネスWを噛み込むことを防止できる。これにより、プロテクタ本体10の開口をカバー30で覆う際にワイヤーハーネスW、あるいはワイヤーハーネスWを構成する電線が損傷することを防止できる。
【0060】
さらにまた、ワイヤーハーネスWにプロテクタ1を組み付ける組み付け作業は、開口を拡げるように第2側壁部13を枢動させてワイヤーハーネスWを挿入し、開口を狭めるように第2側壁部13を枢動させて開口をカバー30で覆うだけであるため、複雑な工程を行うことがない。したがって、作業者に負担をかけることなく、簡単にプロテクタ1の組み付け作業を行うことができる。
【0061】
また、プロテクタ1は、第1側壁部12とカバー30とを枢動可能に連結するカバー枢動部40が設けられたものである。そして、規制部15は、第2側壁部13の上部に設けられたものである。
【0062】
この構成によれば、第1側壁部12に連結するカバー30と、第2側壁部13に設けられた規制部15とにより、ワイヤーハーネスWが開口からはみ出すことを規制できるため、ワイヤーハーネスWやワイヤーハーネスWを構成する電線が第2側壁部13とカバー30との間にはみ出して噛み込まれることを防止できる。
【0063】
これにより、開口をカバー30で覆う際にワイヤーハーネスWが損傷することを確実に防止できる。
また、カバー30を枢動させるだけでプロテクタ本体10に容易に組付けられるため、プロテクタ本体10とカバー30とが別体の場合に比べてカバー30の組付け性を向上することができる。
【0064】
また、カバー30は、プロテクタ本体10の開口を閉塞した状態において、第2側壁部13の外側面13aに重なり合う延出部32が設けられたものである。
この構成によると、閉塞状態において、カバー30に設けられた延出部32が第2側壁部13の外側面13aに重なり合うため、延出部32で第2側壁部13の外側面13aを支持することができる。これにより、第2側壁部13が外側に倒れることを防止でき、ワイヤーハーネスWが外部に露出することを防止できる。
【0065】
また、プロテクタ1は、第2側壁部13の外側面13aと延出部32とを固定する固定部50が設けられたものである。
この構成によると、カバー30に設けられた延出部32と第2側壁部13とが支持固定されるため、第2側壁部13がプロテクタ本体10の内側に倒れることを防止できる。
【0066】
これにより、底部枢動部14が設けられた第2側壁部13に外力が作用したとしても、第2側壁部13が内側に倒れてワイヤーハーネスWと干渉し、ワイヤーハーネスWが損傷することを防止できる。
さらに、第2側壁部13に対して外力が作用した際、第2側壁部13が枢動することがないため、開口をカバー30で確実に覆うことができる。これにより、プロテクタ1の内部に異物が侵入することを防止でき、確実にワイヤーハーネスWを保護することができる。
【0067】
また、底部枢動部14は、底面部11と第2側壁部13とを連結する構成である。
この構成によれば、第2側壁部13の枢動によってプロテクタ本体10の開口が拡がることにより、ワイヤーハーネスWの挿入を容易に行うことができる。
【0068】
さらに、第1側壁部12が固定されているため、第1側壁部12と連結するカバー30と、第2側壁部13との位置合わせを容易に行うことができる。したがって、容易にワイヤーハーネスWを挿入することができるとともに、ワイヤーハーネスWにプロテクタ1を組み付ける組み付け作業を容易に行うことができる。
【実施例2】
【0069】
実施例2のプロテクタ2は、実施例1に対して、底部枢動部が2つ設けられている点が異なる。このような実施例2のプロテクタ2について、
図5から
図7を用いて説明する。
なお、上述した実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0070】
また、
図5は実施例2におけるプロテクタ2の概略を正面視で説明する説明図であり、
図5(a)は組付け状態におけるプロテクタ2の正面図を示し、
図5(b)は展開状態におけるプロテクタ2の正面図を示している。
さらに、
図6は展開状態におけるプロテクタ2の外観斜視図を示し、
図7は第2側壁部13が起立した状態におけるプロテクタ2の外観斜視図を示している。
【0071】
実施例2のプロテクタ2は、
図5及び
図6に示すように、長手方向Xに延びる断面凹状のプロテクタ本体10と、プロテクタ本体10の開口を覆うカバー30とを備えている。
さらに、プロテクタ2は、
図5に示すように、プロテクタ本体10に対してカバー30を枢動可能にするカバー枢動部40と、プロテクタ本体10に対してカバー30を固定する固定部50とを備えている。
【0072】
具体的には、プロテクタ本体10は、
図5に示すように、プロテクタ本体10の底部をなす底面部11と、底面部11を挟んで短手方向Yで対向する第1側壁部16及び第2側壁部13とを備えている。
【0073】
さらに、プロテクタ2は、
図5に示すように、底面部11に対して第1側壁部16を枢動可能に連結する第1底部枢動部17と、底面部11に対して第2側壁部13を枢動可能に連結する第2底部枢動部18と、内部を挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する規制部15とを備えている。
【0074】
また、カバー30は、
図5に示すように、カバー枢動部40を介してプロテクタ本体10の第1側壁部16に連結され、プロテクタ本体10における上方の開口を覆う略平板状のカバー本体31と、カバー本体31から延出した延出部32とで構成されている。
また、固定部50は、
図6及び
図7に示すように、カバー30に設けた2つの係合孔51と、プロテクタ本体10に設けた2つの係合爪52とで構成されている。
【0075】
ここで、実施例1とは異なる構成である第1側壁部16、第1底部枢動部17、及び第2底部枢動部18について、さらに詳述する。
まず、第1側壁部16は、
図5及び
図6に示すように、底面部11とは別体で構成され、短手方向Yにおける底面部11の一端に、第1底部枢動部17を介して連結されている。
【0076】
また、第1底部枢動部17は、
図5に示すように、底面部11と第1側壁部16とを枢動可能に連結している。この第1底部枢動部17は、
図5及び
図6に示すように、底面部11における短手方向Yの縁端に設けた第1軸筒17aと、第1側壁部16の下端に設けた第1軸筒17bと、底面部11の第1軸筒17aと第1側壁部16の第1軸筒17bに挿通される第1軸体17cとで回転自在に構成されている。
【0077】
また、第2底部枢動部18は、
図5に示すように、底面部11と第2側壁部13とを枢動可能に連結している。この第2底部枢動部18は、
図5及び
図6に示すように、底面部11における短手方向Yの縁端に設けた第2軸筒18aと、第2側壁部13の下端に設けた第2軸筒18bと、底面部11の第2軸筒18aと第2側壁部13の第2軸筒18bに挿通される第2軸体18cとで回転自在に構成されている。
【0078】
次に、上述した構成のプロテクタ2に、ワイヤーハーネスWを収容して挿通状態となるように組付ける工程について簡単に説明する。
まず、作業者または組立装置は、
図5(b)及び
図6に示すように、第1側壁部16、第2側壁部13、及びカバー30が開いた状態のプロテクタ2に対して、ワイヤーハーネスWを底面部11に載置する。
【0079】
その後、作業者または組立装置は、
図7に示すように、底面部11に対して起立するように第2側壁部13を正面視反時計回りに枢動させる。さらに、作業者または組立装置は、
図5(a)に示すように、底面部11に対して起立するように第1側壁部16を正面視時計回りに枢動させるとともに、底面部11に対向するようにカバー30を正面視時計回りに枢動させる。
【0080】
そして、作業者または組立装置は、カバー30の係合孔51にプロテクタ本体10の係合爪52を係合させて、プロテクタ本体10にカバー30を固定することで、プロテクタ2の内部へのワイヤーハーネスWの挿通を完了する。
【0081】
以上のような構成のため、実施例2のプロテクタ2は、上述の実施例1と同様の効果を奏することができる。さらに、底部枢動部が、底面部11及び第1側壁部16を連結する第1底部枢動部17と、底面部11及び第2側壁部13を連結する第2底部枢動部18とで構成されたことにより、プロテクタ本体10の開口をより拡げることができる。
【0082】
また、底面部11に対して第1側壁部16を枢動させるだけで、第1側壁部16に連結されたカバー30をプロテクタ本体10の開口から離間させることができる。これにより、カバー30がワイヤーハーネスWの挿入を妨げることなく、また開口がより広くなっているため、より容易にワイヤーハーネスWを挿入できる。
【実施例3】
【0083】
実施例3のプロテクタ3は、実施例1に対して、底部枢動部が設けられる位置が異なる。このような実施例3のプロテクタ3について、
図8及び
図9を用いて説明する。
なお、上述した実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0084】
また、
図8は実施例3におけるプロテクタ3の概略を正面視で説明する説明図を示し、
図9は展開状態におけるプロテクタ3の外観斜視図を示している。
【0085】
実施例3のプロテクタ3は、
図8及び
図9に示すように、長手方向Xに延びる断面凹状のプロテクタ本体10と、プロテクタ本体10の開口を覆うカバー30とを備えている。
さらに、プロテクタ3は、
図8に示すように、プロテクタ本体10に対してカバー30を枢動可能にするカバー枢動部40と、プロテクタ本体10に対してカバー30を固定する固定部50とを備えている。
【0086】
具体的には、プロテクタ本体10は、
図8に示すように、プロテクタ本体10の底部をなす底面部11と、底面部11を挟んで短手方向Yで対向する第1側壁部19及び第2側壁部20とを備えている。
【0087】
さらに、プロテクタ本体10は、
図8に示すように、底面部11に対して第1側壁部19を枢動可能に連結する底部枢動部21と、内部を挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する規制部15とを備えている。
【0088】
また、カバー30は、
図8に示すように、カバー枢動部40を介してプロテクタ本体10の第1側壁部19に連結され、プロテクタ本体10における上方の開口を覆う略平板状のカバー本体31と、カバー本体31から延出した延出部32とで構成されている。
また、固定部50は、
図8及び
図9に示すように、カバー30に設けた2つの係合孔51と、プロテクタ本体10に設けた2つの係合爪52とで構成されている。
【0089】
ここで、実施例1とは異なる構成である第1側壁部19、第2側壁部20、及び底部枢動部21について、さらに詳述する。
まず、第1側壁部19は、
図8及び
図9に示すように、底面部11とは別体で構成され、短手方向Yにおける底面部11の一端に、底部枢動部21を介して連結されている。
一方、第2側壁部20は、
図8及び
図9に示すように、短手方向Yにおける底面部11の他端から略直角に上方へ向けて延設されている。
【0090】
また、底部枢動部21は、
図8に示すように、底面部11と第1側壁部19とを枢動可能に連結している。この底部枢動部21は、
図8及び
図9に示すように、底面部11における短手方向Yの縁端に設けた軸筒21aと、第1側壁部19の下端に設けた軸筒21bと、底面部11の軸筒21aと第1側壁部19の軸筒21bに挿通される軸体21cとで回転自在に構成されている。
【0091】
次に、上述した構成のプロテクタ3に、ワイヤーハーネスWを収容して挿通状態となるように組付ける工程について簡単に説明する。
まず、作業者または組立装置は、
図8(b)及び
図9に示すように、第1側壁部19及びカバー30が開いた状態のプロテクタ3に対して、ワイヤーハーネスWを底面部11に載置する。
【0092】
その後、作業者または組立装置は、
図8(a)に示すように、底面部11に対して起立するように第1側壁部19を正面視時計回りに枢動させる。さらに、作業者または組立装置は、
図8(a)に示すように、底面部11に対向するようにカバー30を正面視時計回りに枢動させる。
【0093】
そして、作業者または組立装置は、カバー30の係合孔51にプロテクタ本体10の係合爪52を係合させて、プロテクタ本体10にカバー30を固定することで、プロテクタ3の内部へのワイヤーハーネスWの挿通を完了する。
【0094】
以上のような構成のため、実施例3のプロテクタ3は、上述した実施例1と同様の効果を奏することができる。さらに、底部枢動部21が、底面部11と第1側壁部19とを連結する構成であるため、底面部11に対して第1側壁部19を枢動させるだけで、第1側壁部19に連結されたカバー30をプロテクタ本体10の開口から離間させることができる。これにより、カバー30がワイヤーハーネスWの挿入を妨げることなく、より容易にワイヤーハーネスWを挿入できる。
【実施例4】
【0095】
実施例4のプロテクタ4は、実施例1に対して、カバーがプロテクタ本体に連結されていない点が異なる。このような実施例4のプロテクタ4について、
図10及び
図11を用いて説明する。
なお、上述した実施例1と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0096】
また、
図10は実施例4におけるプロテクタ4の概略を正面視で説明する説明図であり、
図10(a)は組付け状態におけるプロテクタ4の正面図を示し、
図10(b)は分解状態におけるプロテクタ4の正面図を示している。
さらに、
図11は分解状態におけるプロテクタ4の外観斜視図を示している。
【0097】
実施例4のプロテクタ4は、
図10及び
図11に示すように、長手方向Xに延びる断面凹状のプロテクタ本体60と、プロテクタ本体60の開口を覆うカバー80と、プロテクタ本体60に対してカバー80を固定する固定部90とを備えている。
【0098】
そして、プロテクタ4は、
図10(a)に示すように、プロテクタ本体60にカバー80が固定されることで、正面視略矩形の閉断面形状を形成するとともに、閉断面形状の内部空間にワイヤーハーネスWを収容して、ワイヤーハーネスWを保護している。
【0099】
具体的には、プロテクタ本体60は、
図10に示すように、プロテクタ本体60の底部をなす底面部61と、底面部61を挟んで短手方向Yで対向する第1側壁部62及び第2側壁部63とを備えている。
【0100】
さらに、プロテクタ本体60は、
図10に示すように、底面部61に対して第2側壁部63を枢動可能に連結する底部枢動部64と、内部を挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する第1規制部65及び第2規制部66とを備えている。
【0101】
底面部61は、
図10及び
図11に示すように、上下方向に厚みを有するとともに、長手方向Xに長い平面視略矩形の平板状に形成されている。この底面部61は、
図10(a)に示すように、ワイヤーハーネスWの直径に略同じ短手方向Yの長さに形成されている。
【0102】
また、第1側壁部62及び第2側壁部63は、
図10及び
図11に示すように、短手方向Yに厚みを有するとともに、底面部61と略同じ長手方向Xの長さの略平板状に形成されている。この第1側壁部62及び第2側壁部63は、
図10(a)に示すように、ワイヤーハーネスWの直径に略同じ短手方向Yの間隔を隔てて対向配置されている。
【0103】
より詳しくは、第1側壁部62は、
図10及び
図11に示すように、短手方向Yにおける底面部61の一端から略直角に上方へ向けて延設されている。
一方、第2側壁部63は、
図10及び
図11に示すように、底面部61とは別体で構成され、短手方向Yにおける底面部61の他端に、底部枢動部64を介して連結されている。
【0104】
また、底部枢動部64は、
図10に示すように、底面部61と第2側壁部63とを枢動可能に連結している。この底部枢動部64は、
図11に示すように、底面部61における短手方向Yの縁端に設けた軸筒64aと、第2側壁部63の下端に設けた軸筒64bと、底面部61の軸筒64aと第2側壁部63の軸筒64bに挿通される軸体64cとで回転自在に構成されている。
【0105】
また、第1規制部65は、
図10に示すように、プロテクタ本体60の開口の閉塞に伴って、カバー80の端部が近接する第1側壁部62の上端に一体形成されている。
より詳しくは、第1規制部65は、
図10に示すように、第1側壁部62の上端から対向する第2側壁部63へ向かって突出するように、第1側壁部62の上端を第2側壁部63へ向けて略直角に折り返して形成している。
【0106】
なお、第1規制部65は、
図10及び
図11に示すように、上下方向に厚みを有する略平板状であって、長手方向Xの長さが第1側壁部62に略同じで、短手方向Yの長さが底面部61の半分未満の平面視略矩形に形成されている。
【0107】
また、第2規制部66は、
図10に示すように、プロテクタ本体60の開口の閉塞に伴って、カバー80の端部が近接する第2側壁部63の上端に一体形成されている。
より詳しくは、第2規制部66は、
図10示すように、第2側壁部63の上端から対向する第1側壁部62へ向かって突出するように、第2側壁部63の上端を第1側壁部62へ向けて略直角に折り返して形成されている。
なお、第2規制部66は、
図10及び
図11に示すように、第1規制部65に略同じ大きさの平面視略矩形に形成されている。
【0108】
また、カバー80は、
図10及び
図11に示すように、プロテクタ本体60とは別体で構成され、プロテクタ本体60における上方の開口を覆う略平板状のカバー本体81と、カバー本体81から延出した第1延出部82及び第2延出部83とで構成されている。
【0109】
カバー本体81は、
図10及び
図11に示すように、上下方向に厚みを有する略平板状であって、底面部61に略同じ大きさに形成されている。
第1延出部82は、
図10に示すように、カバー本体81がプロテクタ本体60の開口を覆った状態において、第1側壁部62の外側面62aに短手方向Yで重なり合うように形成されている。
【0110】
より詳しくは、第1延出部82は、第1側壁部62側のカバー本体81の縁端から略直角に下方へ向けて延設した略平板状に形成されている。なお、第1延出部82は、第1側壁部62の上端近傍に短手方向Yで重なり合う上下方向の長さで延設されている。
【0111】
第2延出部83は、
図10に示すように、カバー本体81がプロテクタ本体60の開口を覆った状態において、第2側壁部63の外側面63aに短手方向Yで重なり合うように形成されている。
【0112】
より詳しくは、第2延出部83は、第2側壁部63側のカバー本体81の縁端から略直角に下方へ向けて延設した略平板状に形成されている。なお、第2延出部83は、第1延出部82に略同じ大きさに形成されている。
【0113】
また、固定部90は、
図11に示すように、カバー80に設けた4つの係合孔91と、プロテクタ本体60に設けた4つの係合爪92とで構成されている。
より詳しくは、係合孔91は、短手方向Yから見て略矩形の貫通孔であって、カバー80の第1延出部82及び第2延出部83にそれぞれ2つ開口形成されている。この係合孔91は、長手方向Xに所定間隔を隔てて形成されている。
【0114】
一方、係合爪92は、第1側壁部62の上部における外側面62a、及び第2側壁部63の上部における外側面63aに、係合孔91に略同じ長手方向Xの間隔を隔ててそれぞれ2つ突設されている。なお、係合爪92は、カバー80の係合孔91に上方から係合可能な形状で形成されている。
【0115】
次に、上述した構成のプロテクタ4に、ワイヤーハーネスWを収容して挿通状態となるように組付ける工程について簡単に説明する。
まず、作業者または組立装置は、
図10(b)及び
図11に示すように、カバー80が取外されるとともに、第1側壁部62が開いた状態のプロテクタ本体60に対して、ワイヤーハーネスWを底面部61に載置する。
【0116】
その後、作業者または組立装置は、
図10(a)に示すように、底面部61に対して起立するように第2側壁部63を正面視反時計回りに枢動させる。
そして、作業者または組立装置は、上方からプロテクタ本体60にカバー80を被せて、カバー80の係合孔91にプロテクタ本体60の係合爪92を係合させて、プロテクタ本体60にカバー80を固定することで、プロテクタ4の内部へのワイヤーハーネスWの挿通を完了する。
【0117】
以上のように、実施例4のプロテクタ4は、底面部61及び一対の対向する側壁部(第1側壁部62、第2側壁部63)を有する断面凹状のプロテクタ本体60と、プロテクタ本体60の開口を開閉自在に閉塞するカバー80とが備えられ、内部を挿通するワイヤーハーネスWを保護している。
このプロテクタ4のプロテクタ本体60は、第2側壁部63と底面部61とを枢動可能に連結する底部枢動部64が設けられている。
【0118】
そして、プロテクタ本体60は、プロテクタ本体60の開口の閉塞に伴いカバー80の端部が近接する側壁部(第1側壁部62、第2側壁部63)の上部に、対向する側壁部へ向けて突設されるとともに、内部に挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する規制部(第1規制部65、第2規制部66)が設けられたものである。
これにより、実施例4のプロテクタ4は、上述の実施例1と同様の効果を奏することができる。
【0119】
さらに、実施例4のプロテクタ4は、カバー80がプロテクタ本体60に対して着脱自在に構成されたものである。そして、規制部(第1規制部65及び第2規制部66)は、第1側壁部62の上部及び第2側壁部63の上部にそれぞれ設けられたものである。
【0120】
これにより、より確実に開口からワイヤーハーネスWがはみ出すことを規制できるため、カバー80と第1側壁部62との間、並びにカバー80と第2側壁部63との間にワイヤーハーネスWやワイヤーハーネスWを構成する電線が配置されることを確実に規制して、ワイヤーハーネスWの噛み込みを防止できる。
【0121】
また、カバー80は、プロテクタ本体60の開口を閉塞した状態において、第1側壁部62の外側面62a、及び第2側壁部63の外側面63aにそれぞれ重なり合う延出部(第1延出部82及び第2延出部83)が設けられたものである。
【0122】
この構成によると、閉塞状態において、カバー80に設けられた第1延出部82が第1側壁部62の外側面62aに重なり合い、カバー80に設けられた第2延出部83が第2側壁部63の外側面63aに重なり合うことになる。
【0123】
このため、第1延出部82で第1側壁部62の外側面62aを支持し、第2延出部83で第2側壁部63の外側面63aを支持することができる。これにより、第1側壁部62及び第2側壁部63が外側に倒れることを防止でき、ワイヤーハーネスWが外部に露出することを防止できる。
【0124】
また、第1側壁部62の外側面62aと第1延出部82とを固定し、かつ第2側壁部63の外側面63aと第2延出部83とを固定する固定部90が設けられたものである。
この構成によると、カバー80に設けられた第2延出部83と第2側壁部63とが支持固定されるため、第2側壁部63がプロテクタ本体60の内側に倒れることを防止できる。
【0125】
これにより、底部枢動部64が設けられた第2側壁部63に外力が作用したとしても、第2側壁部63が内側に倒れてワイヤーハーネスWと干渉し、ワイヤーハーネスWが損傷することを防止できる。
【0126】
さらに、第2側壁部63に対する外力の作用により、第2側壁部63が枢動することがないため、開口をカバー80で確実に覆うことができる。これにより、プロテクタ4の内部に異物が侵入することを防止でき、確実にワイヤーハーネスWを保護することができる。
【実施例5】
【0127】
実施例5のプロテクタ5は、実施例4に対して、底部枢動部が2つ設けられている点が異なる。このような実施例5のプロテクタ5について、
図12及び
図13を用いて説明する。
なお、上述した実施例4と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0128】
また、
図12は実施例5におけるプロテクタ5の概略を正面視で説明する説明図であり、
図12(a)は組付け状態におけるプロテクタ5の正面図を示し、
図12(b)は分解状態におけるプロテクタ5の正面図を示している。
さらに、
図13は分解状態におけるプロテクタ5の外観斜視図を示している。
【0129】
実施例5のプロテクタ5は、
図12及び
図13に示すように、長手方向Xに延びる断面凹状のプロテクタ本体60と、プロテクタ本体60の開口を覆うカバー80と、プロテクタ本体60に対してカバー80を固定する固定部90とを備えている。
【0130】
具体的には、プロテクタ本体60は、
図12に示すように、プロテクタ本体60の底部をなす底面部61と、底面部61を挟んで短手方向Yで対向する第1側壁部67及び第2側壁部63と、底面部61に対して第1側壁部67を枢動可能に連結する第1底部枢動部68とを備えている。
【0131】
さらに、プロテクタ本体60は、
図12に示すように、底面部61に対して第2側壁部63を枢動可能に連結する第2底部枢動部69と、内部を挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する第1規制部65及び第2規制部66とを備えている。
【0132】
また、カバー80は、
図12及び
図13に示すように、プロテクタ本体60とは別体で構成され、プロテクタ本体60における上方の開口を覆う略平板状のカバー本体81と、カバー本体81から延出した第1延出部82及び第2延出部83とで構成されている。
また、固定部90は、
図13に示すように、カバー80に設けた4つの係合孔91と、プロテクタ本体60に設けた4つの係合爪92とで構成されている。
【0133】
ここで、実施例4とは異なる構成である第1側壁部67、第1底部枢動部68、及び第2底部枢動部69について、さらに詳述する。
まず、第1側壁部67は、
図12及び
図13に示すように、底面部61とは別体で構成され、短手方向Yにおける底面部61の一端に、第1底部枢動部68を介して連結されている。
【0134】
また、第1底部枢動部68は、
図12に示すように、底面部61と第1側壁部67とを枢動可能に連結している。この第1底部枢動部68は、
図13に示すように、底面部61における短手方向Yの縁端に設けた第1軸筒68aと、第1側壁部67の下端に設けた第1軸筒68bと、底面部61の第1軸筒68aと第1側壁部67の第1軸筒68bに挿通される第1軸体68cとで回転自在に構成されている。
【0135】
また、第2底部枢動部69は、
図12に示すように、底面部61と第2側壁部63とを枢動可能に連結している。この第2底部枢動部69は、
図13に示すように、底面部61における短手方向Yの縁端に設けた第2軸筒69aと、第2側壁部63の下端に設けた第2軸筒69bと、底面部61の第2軸筒69aと第2側壁部63の第2軸筒69bに挿通される第2軸体69cとで回転自在に構成されている。
【0136】
次に、上述した構成のプロテクタ5に、ワイヤーハーネスWを収容して挿通状態となるように組付ける工程について簡単に説明する。
まず、作業者または組立装置は、
図12(b)及び
図13に示すように、カバー80が取外されるとともに、第1側壁部67及び第2側壁部63が開いた状態のプロテクタ5に対して、ワイヤーハーネスWを底面部61に載置する。
【0137】
その後、作業者または組立装置は、
図12(a)に示すように、底面部61に対して起立するように第1側壁部67を正面視時計回りに枢動させるとともに、底面部61に対して起立するように第2側壁部63を正面視反時計回りに枢動させる。
【0138】
そして、作業者または組立装置は、上方からプロテクタ本体60にカバー80を被せて、カバー80の係合孔91にプロテクタ本体60の係合爪92を係合させて、プロテクタ本体60にカバー80を固定することで、プロテクタ5の内部へのワイヤーハーネスWの挿通を完了する。
以上のような構成のため、実施例5のプロテクタ5は、上述した実施例1及び実施例4と同様の効果を奏することができる。
【実施例6】
【0139】
実施例6のプロテクタ6は、実施例4に対して、規制部の形状が異なる。このような実施例6のプロテクタ6について、
図14を用いて説明する。
なお、上述した実施例4と同じ構成は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
また、
図14は実施例6におけるプロテクタ6の外観斜視図を示している。
【0140】
実施例6のプロテクタ6は、
図14に示すように、長手方向Xに延びる断面凹状のプロテクタ本体60と、プロテクタ本体60の開口を覆うカバー80と、プロテクタ本体60に対してカバー80を固定する固定部90とを備えている。
【0141】
具体的には、プロテクタ本体60は、
図14に示すように、プロテクタ本体60の底部をなす底面部61と、底面部61を挟んで短手方向Yで対向する第1側壁部62及び第2側壁部63とを備えている。
【0142】
さらに、プロテクタ本体60は、
図14に示すように、底面部61に対して第2側壁部63を枢動可能に連結する底部枢動部64と、内部を挿通するワイヤーハーネスWのはみ出しを規制する第1規制部70及び第2規制部71とを備えている。
【0143】
また、カバー80は、
図14に示すように、プロテクタ本体60とは別体で構成され、プロテクタ本体60における上方の開口を覆う略平板状のカバー本体81と、カバー本体81から延出した第1延出部82及び第2延出部83とで構成されている。
また、固定部90は、
図14に示すように、カバー80に設けた4つの係合孔91と、プロテクタ本体60に設けた4つの係合爪92とで構成されている。
【0144】
ここで、実施例4とは異なる構成である第1規制部70及び第2規制部71について、さらに詳述する。
第1規制部70及び第2規制部71は、
図14に示すように、第1側壁部62と第2側壁部63との間における上方の開口を覆うように、第1側壁部62及び第2側壁部63との間に略同じ短手方向Yの長さに形成されている。
【0145】
第1規制部70は、
図14に示すように、プロテクタ本体60の開口の閉塞に伴って、カバー80の端部が近接する第1側壁部62の上端に一体形成されている。
より詳しくは、第1規制部70は、
図14に示すように、第1側壁部62の上端から対向する第2側壁部63へ向かって突出するように、第1側壁部62の上端を第2側壁部63へ向けて略直角に折り返して形成している。
【0146】
なお、第1規制部70は、
図14に示すように、上下方向に厚みを有する略平板状であって、長手方向Xの長さが第1側壁部62に略同じで、短手方向Yの長さが底面部61の半分未満の平面視略矩形に形成されている。
【0147】
一方、第2規制部71は、
図14に示すように、プロテクタ本体60の開口の閉塞に伴って、カバー80の端部が近接する第2側壁部63の上端に一体形成されている。この第2規制部71は、
図14に示すように、短手方向Yに長い平面視略矩形の平板を、長手方向Xの両端及び中央に並置した形状に形成されている。
【0148】
より詳しくは、第2規制部71は、
図14に示すように、第2側壁部63の上端から対向する第1側壁部62へ向かって突出するように、第2側壁部63の上端を第1側壁部62へ向けて略直角に折り返して形成している。
【0149】
さらに、第2規制部71は、底面部61に対して第2側壁部63が起立するように枢動した状態において、その先端が第1規制部70の端面に当接する短手方向Yの長さで第2側壁部63から延設されている。
【0150】
以上のような構成のため、プロテクタ6は、上述した実施例1及び実施例4と同様の効果を奏することができる。さらに、第1規制部70及び第2規制部71が、第1側壁部62と第2側壁部63との間に略同じ短手方向Yの長さで形成されたため、プロテクタ6は、第1規制部70及び第2規制部71の協働によって第2側壁部63の位置を規制することができる。
したがって、第2側壁部63がプロテクタ本体60の内側に倒れることを規制できる。
【0151】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の一対の対向する側壁部は、実施形態の第1側壁部12,16,19,62,67、及び第2側壁部13,20,63に対応し、
以下同様に、
電線は、ワイヤーハーネスWに対応し、
底部枢動部は、底部枢動部14,21,64、第1底部枢動部17,68、及び第2底部枢動部18,69に対応し、
規制部は、規制部15、第1規制部65,70、及び第2規制部66,71に対応し、
延出部は、延出部32、第1延出部82、及び第2延出部83に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0152】
例えば、上述した実施形態において、複数の電線を束ねて構成したワイヤーハーネスWを内部に挿通するプロテクタ1,2,3,4,5,6としたが、これに限定せず、1本の電線を内部に挿通するプロテクタ、あるいは複数のワイヤーハーネスをまとめて挿通するプロテクタであってもよい。
【0153】
また、上述した実施例1において、カバー30の延出部32に設けた係合孔51と、プロテクタ本体10の第2側壁部13に設けた係合爪52とで固定部50を構成したが、これに限定せず、プロテクタ本体10にカバー30を固定可能であれば適宜の構成であってもよい。
【0154】
例えば、プロテクタ本体10の第2側壁部13に開口形成した係止孔と、カバー30の延出部32に突設した係止爪とで構成された固定部であってもよい。
同様に、実施例2から実施例6においても、適宜の構成の固定部としてもよい。
【0155】
また、上述した実施例1において、第2側壁部13の上端に規制部15を設けたが、これに限定せず、内部に挿通するワイヤーハーネスWがプロテクタ本体10の上方の開口からはみ出すことを規制できれば、第2側壁部13の上端ではなく、第2側壁部13の上部であってもよい。
【0156】
より詳しくは、規制部は、例えば第2側壁部13の上端よりも僅かに下方の位置であってもよい。同様に、実施例2から実施例6においても、側壁部の上部に形成された規制部であればよい。
【0157】
また、上述した実施例1において、第2側壁部13に略同じ長手方向Xの長さで形成された規制部15としたが、これに限定せず、内部に挿通するワイヤーハーネスWがプロテクタ本体10の上方の開口からはみ出すことを規制できれば、適宜の形状であってもよい。例えば、実施例6の第2規制部71のように、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置された規制部であってもよい。同様に、実施例2から実施例5においても、適宜の形状の規制部としてもよい。
【0158】
また、上述した実施例1において、カバー本体31に略同じ長手方向Xの長さで形成されたカバー30の延出部32としたが、これに限定せず、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置された延出部であってもよい。同様に、実施例2から実施例6においても、長手方向Xに所定間隔を隔てて配置された延出部としてもよい。
【0159】
また、上述した実施例4において、カバー80の第1延出部82及び第2延出部83を略同じ形状としたが、これに限定せず、異なる形状の第1延出部及び第2延出部であってもよい。同様に、実施例5及び実施例6においても、異なる形状の第1延出部及び第2延出部であってもよい。
【0160】
また、上述した実施例6において、第1側壁部62と第2側壁部63との間に略同じ短手方向Yの長さとなるように、第1規制部70及び第2規制部71を形成したが、これに限定しない。
【0161】
例えば、第1側壁部62と第2側壁部63との間に略同じ短手方向Yの長さで、第2側壁部63から突出した規制部のみを備えたプロテクタ本体60であってもよい。この場合であっても、規制部が対向する第1側壁部62に当接することで、第2側壁部63の位置が規制されるため、カバー80を容易にプロテクタ本体60に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0162】
1,2,3,4,5,6…プロテクタ
10,60…プロテクタ本体
11,61…底面部
12,16,19,62,67…第1側壁部
13,20,63…第2側壁部
13a,62a,63a…外側面
14,21,64…底部枢動部
15…規制部
17,68…第1底部枢動部
18,69…第2底部枢動部
30,80…カバー
32…延出部
40…カバー枢動部
50,90…固定部
65,70…第1規制部
66,71…第2規制部
82…第1延出部
83…第2延出部
W…ワイヤーハーネス