(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-25
(45)【発行日】2024-12-03
(54)【発明の名称】基板処理システムにおける不均一性のIN SITUリアルタイム感知および補償
(51)【国際特許分類】
H05H 1/46 20060101AFI20241126BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20241126BHJP
H01L 21/3065 20060101ALI20241126BHJP
【FI】
H05H1/46 L
H01L21/68 N
H01L21/302 101C
H05H1/46 R
(21)【出願番号】P 2022504527
(86)(22)【出願日】2020-07-21
(86)【国際出願番号】 US2020042843
(87)【国際公開番号】W WO2021016223
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2023-07-20
(32)【優先日】2019-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】592010081
【氏名又は名称】ラム リサーチ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジン・チャンギョウ
(72)【発明者】
【氏名】ウー・ベニー
(72)【発明者】
【氏名】ミハネンコ・オレクサンドル
(72)【発明者】
【氏名】ミトロヴィッチ・スロボダン
【審査官】後藤 慎平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0013222(US,A1)
【文献】特開2017-191940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/683
H01L 21/3065
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板処理システムであって、
処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成された基板支持体と、
前記基板支持体内に配置されたマトリクスヒータであって、マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に前記半導体基板の温度を制御するように構成されたマトリクスヒータと、
前記処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されたガス源と、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバにRF電力を供給するように構成されたRF発生器と、
前記マトリクスヒータの前記複数の発熱体に電力を供給するように構成された電源と、
コントローラであって、前記マトリクスヒータの前記複数の発熱体に既定電力を供給しながら、
前記プラズマを生成するために、前記処理ガスおよび前記RF電力を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記処理ガスの化学物質、前記処理ガスの流量、および前記RF電力からなる群より選択された1つのパラメータを変更して、固定の前記群からの他のパラメータを維持しながら前記プラズマを生成し続け、
前記1つのパラメータの変更に応答して、前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記プラズマの均一性を決定するように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記ガス源および前記RF発生器をオンする前に、
前記複数の発熱体に電力を供給することにより、前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体への前記電力を前記既定電力までNずつ増加させ、
各増加後に前記複数の発熱体の抵抗を決定し、Nは正整数であり、
前記複数の発熱体の前記加熱応答を決定した後に、前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記プラズマの前記均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記プラズマの前記均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の基板処理システムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記コントローラは、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの前記化学物質、
前記処理ガスの前記流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように構成されている、基板処理システム。
【請求項5】
基板処理システムであって、
処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成された基板支持体であって、
前記半導体基板の処理の間に、前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記第1のヒータから垂直に離れた第2のヒータであって、マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に前記半導体基板の温度を制御するように構成された第2のヒータと、を備える基板支持体と、
前記処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されたガス源と、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバにRF電力を供給するように構成されたRF発生器と、
コントローラであって、
前記プラズマを生成するために前記処理ガスおよび前記RF電力を供給し、
前記第1のヒータの第1の温度を示す、前記第1のヒータの第1の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の1つの第2の温度を示す、前記第2のヒータの前記複数の発熱体の前記1つの第2の抵抗を決定し、
前記第1の温度と前記第2の温度との差に基づいて、前記第1のヒータと前記複数の発熱体の前記1つとの間の熱流束を決定し、
前記熱流束に基づいて前記プラズマの均一性を決定するように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
【請求項6】
請求項5に記載の基板処理システムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記コントローラは、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように構成されている、基板処理システム。
【請求項7】
基板処理システムであって、
処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成された基板支持体であって、
前記半導体基板の処理の間に、前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するように構成された第1のヒータと、
マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に前記半導体基板の温度を制御するように構成された第2のヒータと、を備える基板支持体と、
前記第1のヒータおよび前記第2のヒータに電力を供給するように構成された電源と、
コントローラであって、前記第2のヒータの前記複数の発熱体に既定電力を供給しながら、
前記第1のヒータに第1の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記第1のヒータに第2の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、
前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記温度分布に基づいて、前記基板支持体の不均一性を決定するように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
【請求項8】
請求項7に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されたガス源と、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバにRF電力を供給するように構成されたRF発生器と、を備え、
前記コントローラは、前記基板支持体の前記不均一性を決定するまで、前記第1のヒータおよび前記第2のヒータに電力を供給する前に、前記ガス源および前記RF発生器をオフするように構成されている、基板処理システム。
【請求項9】
請求項7に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記第1のヒータに前記第1の電力量を供給する前に、
前記第2のヒータの前記複数の発熱体に電力を供給し、
前記複数の発熱体への前記電力を前記既定電力までNずつ増加させ、Nは正整数であり、
各増加後に、前記複数の発熱体の抵抗を決定し、
各増加後に決定された前記複数の発熱体の前記抵抗に基づいて、前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体の前記加熱応答を決定した後に、前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記基板支持体の前記不均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記第2のヒータの前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記基板支持体の前記不均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
【請求項11】
請求項7に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、前記基板支持体の前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給されるRF電力、
前記処理チャンバ内で前記プラズマを生成するために供給される処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように構成されている、基板処理システム。
【請求項12】
システムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときは、
半導体基板を支持するための基板支持体を備える処理チャンバへの処理ガスおよびRF電力の供給をオフし、
処理の間に前記半導体基板の温度を制御するために、前記基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体に電力を供給し、
前記複数の発熱体への前記電力を既定電力までNずつ増加させ、Nは正整数であり、
各増加後に、前記複数の発熱体の抵抗を決定し、
前記抵抗に基づいて前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体に前記既定電力を供給しながら、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために前記処理ガスおよび前記RF電力を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記処理ガスの化学物質、前記処理ガスの流量、および前記RF電力からなる群より選択された1つのパラメータを変更して、固定の前記群からの他のパラメータを維持しながら前記プラズマを生成し続け、
前記1つのパラメータの変更に応答して、前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記プラズマの均一性を決定するように前記プロセッサを設定する、メモリと、
を備える、システム。
【請求項13】
請求項12に記載のシステムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記命令は、さらに、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの前記化学物質、
前記処理ガスの前記流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように前記プロセッサを設定する、システム。
【請求項14】
システムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときは、
半導体基板の処理の間に前記半導体基板を支持するための基板支持体を備える処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバに処理ガスおよびRF電力を供給し、
前記半導体基板の処理の間に、前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するために、前記基板支持体に配置された第1のヒータの第1の抵抗を決定し、前記第1の抵抗は、前記第1のヒータの第1の温度を示し、
処理の間に前記半導体基板の温度を制御するために、前記基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体の1つの第2の抵抗を決定し、前記第2の抵抗は、前記複数の発熱体の前記1つの第2の温度を示し、
前記第1の温度と前記第2の温度との差に基づいて、前記第1のヒータと前記複数の発熱体の前記1つとの間の熱流束を決定し、
前記熱流束に基づいて前記プラズマの均一性を決定するように前記プロセッサを設定する、メモリと、
を備える、システム。
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記命令は、さらに、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように前記プロセッサを設定する、システム。
【請求項16】
システムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときは、
処理チャンバにおける半導体基板の処理の間に、基板支持体上に配置された前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するために、前記基板支持体に配置された第1のヒータへの電力の供給をオフし、
前記処理チャンバへの処理ガスおよびRF電力の供給をオフし、
処理の間に前記半導体基板の温度を制御するために、前記基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体に電力を供給し、
前記複数の発熱体への前記電力を既定電力までNずつ増加させ、Nは正整数であり、
各増加後に、前記複数の発熱体の抵抗を決定し、
前記抵抗に基づいて前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体に前記既定電力を供給しながら、
前記第1のヒータに第1の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記第1のヒータに第2の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記基板支持体
の不均一性を決定するように前記プロセッサを設定する、メモリと、
を備える、システム。
【請求項17】
請求項16に記載のシステムであって、
前記命令は、さらに、前記基板支持体の前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給される前記RF電力、
前記処理チャンバ内で前記プラズマを生成するために供給される前記処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように前記プロセッサを設定する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本願は、2019年7月25日出願の米国仮出願第62/878,548号の利益を主張する。上記出願の全ての開示は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、一般に基板処理システムに関し、特に、基板処理システムにおける様々な不均一性のin situ感知およびリアルタイム補償に関する。
【背景技術】
【0003】
本明細書に記載の背景技術の説明は、本開示の内容を一般的に提示するためである。現在挙げられている発明者の発明は、本背景技術欄だけでなく、出願時に先行技術に該当しない説明の態様に記載される範囲において、本開示に対する先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【0004】
基板処理システムは通常、半導体ウエハなどの基板の堆積、エッチング、および他の処理を実施するための複数の処理チャンバ(処理モジュールとも呼ばれる)を備える。基板上で実施されうるプロセスの例は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセス、化学強化プラズマ蒸着(CEPVD)プロセス、およびスパッタリング物理蒸着(PVD)プロセスを含むが、これらに限定されない。基板上で実施されうるプロセスのさらなる例は、エッチング(例えば、化学エッチング、プラズマエッチング、反応性イオンエッチングなど)プロセスおよび洗浄プロセスを含むが、これらに限定されない。
【0005】
処理の間、基板は、基板処理システムの処理チャンバ内の基板支持体(台座、静電チャック(ESC)など)に配置される。堆積の間、1つ以上の前駆体を含むガス混合物が処理チャンバに導入され、化学反応を活性化させるためにプラズマが点火される。エッチングの間、エッチングガスを含むガス混合物が処理チャンバに導入され、化学反応を活性化させるためにプラズマが点火される。通常、コンピュータ制御されたロボットが、基板が処理されるべき順序で1つの処理チャンバから別の処理チャンバに基板を搬送する。
【発明の概要】
【0006】
基板処理システムは、基板支持体、ガス源、RF発生器、電源、およびコントローラを備える。基板支持体は、処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成されている。基板支持体は、マトリクスヒータを備える。マトリクスヒータは、マトリクス状に配置された複数の発熱体を含み、処理の間に半導体基板の温度を制御するように構成されている。ガス源は、処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されている。RF発生器は、処理チャンバ内でプラズマを生成するために処理チャンバにRF電力を供給するように構成されている。電源は、マトリクスヒータの複数の発熱体に電力を供給するように構成されている。
【0007】
コントローラは、マトリクスヒータの複数の発熱体に既定電力を供給しながら、プラズマを生成するために処理ガスおよびRF電力を供給する動作と、複数の発熱体の第1の抵抗を決定する動作と、処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、およびRF電力からなる群より選択された1つのパラメータを変更して、その固定の群の他のパラメータを維持しながらプラズマを生成し続ける動作と、1つのパラメータの変更に応答して、複数の発熱体の第2の抵抗を決定する動作と、複数の発熱体の第1の抵抗および第2の抵抗に基づいてプラズマの均一性を決定する動作と、を実施するように構成されている。
【0008】
他の特徴では、コントローラは、ガス源およびRF発生器をオンする前に、複数の発熱体に電力を供給することにより、第2のヒータの複数の発熱体の加熱応答を決定する動作と、複数の発熱体への電力を既定電力までNずつ増加する動作と(Nは正整数)、各増加の後に複数の発熱体の抵抗を決定する動作と、を実施するように構成されている。コントローラは、第2のヒータの複数の発熱体の加熱応答を決定した後に、複数の発熱体の加熱応答ならびに第1の抵抗および第2の抵抗に基づいてプラズマの均一性を決定するように構成されている。
【0009】
他の特徴では、コントローラは、複数の発熱体の加熱応答ならびに第1の抵抗および第2の抵抗に基づいて、複数の発熱体にわたる温度分布を決定するように構成されている。コントローラは、複数の発熱体にわたる温度分布に基づいてプラズマの均一性を決定するように構成されている。
【0010】
他の特徴では、コントローラは、プラズマが不均一であることに応答して、プラズマの不均一性を補償するために、半導体基板処理の間に、RF電力、処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の温度、および、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の流量、のうちの1つ以上を調整するように構成されている。
【0011】
さらに他の特徴では、基板処理システムは、基板支持体、ガス源、RF発生器、およびコントローラを備える。基板支持体は、処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成されている。基板支持体は、第1のヒータおよび第2のヒータを備える。第1のヒータは、半導体基板処理の間、半導体基板に隣接する基板支持体の領域を加熱するように構成されている。第2のヒータは、第1のヒータから上下方向に離れている。第2のヒータは、マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に半導体基板の温度を制御するように構成されている。ガス源は、処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されている。RF発生器は、処理チャンバ内でプラズマを生成するために処理チャンバにRF電力を供給するように構成されている。
【0012】
コントローラは、プラズマを生成するために処理ガスおよびRF電力を供給し、第1のヒータの第1の温度を示す第1のヒータの第1の抵抗を決定し、第2のヒータの1つの発熱体の第2の温度を示す、その1つの発熱体の第2の抵抗を決定し、第1の温度と第2の温度との差に基づいて、第1のヒータとその1つの発熱体との間の熱流束を決定し、熱流束に基づいてプラズマの均一性を決定するように構成されている。
【0013】
他の特徴では、コントローラは、プラズマが不均一であることに応答して、プラズマの不均一性を補償するために、半導体基板処理の間に、RF電力、処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の温度、および、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の流量、のうちの1つ以上を調整するように構成されている。
【0014】
さらに他の特徴では、基板処理システムは、基板支持体、電源、およびコントローラを備える。基板支持体は、処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成されている。基板支持体は、第1のヒータおよび第2のヒータを備える。第1のヒータは、半導体基板処理の間、半導体基板に隣接する基板支持体の領域を加熱するように構成されている。第2のヒータは、マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に半導体基板の温度を制御するように構成されている。電源は、第1のヒータおよび第2のヒータに電力を供給するように構成されている。
【0015】
コントローラは、第2のヒータの複数の発熱体に既定電力を供給しながら、第1のヒータに第1の電力量を供給する動作と、複数の発熱体の第1の抵抗を決定する動作と、第1のヒータに第2の電力量を供給する動作と、複数の発熱体の第2の抵抗を決定する動作と、複数の発熱体の第1の抵抗および第2の抵抗に基づいて基板支持体の不均一性を決定する動作と、を実施するように構成されている。
【0016】
他の特徴では、基板処理システムはさらに、ガス源およびRF発生器を備える。ガス源は、処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されている。RF発生器は、処理チャンバ内でプラズマを生成するために、処理チャンバにRF電力を供給するように構成されている。コントローラは、基板支持体の不均一性を決定するまで、第1のヒータおよび第2のヒータに電力を供給する前に、ガス源およびRF発生器をオフするように構成されている。
【0017】
他の特徴では、コントローラは、第1のヒータに第1の電力量を供給する前に、第2のヒータの複数の発熱体に電力を供給する動作と、複数の発熱体への電力を既定電力までNずつ増加する動作と(Nは正整数)、各増加の後に複数の発熱体の抵抗を決定する動作と、各増加の後に決定された複数の発熱体の抵抗に基づいて、複数の発熱体の加熱応答を決定する動作と、を実施するように構成されている。コントローラは、複数の発熱体の加熱応答を決定した後に、複数の発熱体の加熱応答ならびに第1の抵抗および第2の抵抗に基づいて基板支持体の不均一性を決定するように構成されている。
【0018】
他の特徴では、コントローラは、第2のヒータの複数の発熱体の加熱応答ならびに第1の抵抗および第2の抵抗に基づいて、第2のヒータの複数の発熱体にわたる温度分布を決定するように構成されている。コントローラは、複数の発熱体にわたる温度分布に基づいて基板支持体の不均一性を決定するように構成されている。
【0019】
他の特徴では、コントローラは、基板支持体の不均一性を補償するために、半導体基板処理の間に、処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給されるRF電力、処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給される処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の温度、および、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の流量、のうちの1つ以上を調整するように構成されている。
【0020】
さらに他の特徴では、システムはプロセッサおよび命令を記憶するメモリを備え、命令は、プロセッサによって実行されるときは、半導体基板を支持するための基板支持体を備える処理チャンバへの処理ガスおよびRF電力の供給を停止するようにプロセッサを設定する。命令は、基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体に電力を供給するようにプロセッサを設定して、処理の間に半導体基板の温度を制御する。命令は、複数の発熱体への電力を既定電力までNずつ増加するようにプロセッサを設定する(Nは正整数)。命令は、各増加の後に複数の発熱体の抵抗を決定し、抵抗に基づいて複数の発熱体の加熱応答を決定するようにプロセッサを設定する。
【0021】
命令はさらに、複数の発熱体に既定電力を供給しながら、処理チャンバ内でプラズマを生成するために処理ガスおよびRF電力を供給する動作と、複数の発熱体の第1の抵抗を決定する動作と、処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、およびRF電力からなる群より選択された1つのパラメータを変更して、その固定の群の他のパラメータを維持しながらプラズマを生成し続ける動作と、1つのパラメータの変更に応答して複数の発熱体の第2の抵抗を決定する動作と、複数の発熱体の加熱応答ならびに第1の抵抗および第2の抵抗に基づいて、複数の発熱体にわたる温度分布を決定する動作と、複数の発熱体にわたる温度分布に基づいてプラズマの均一性を決定する動作と、を実施するようにプロセッサを設定する。
【0022】
他の特徴では、命令はさらに、プラズマが不均一であることに応答して、プラズマの不均一性を補償するために、半導体基板処理の間に、RF電力、処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の温度、および、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の流量、のうちの1つ以上を調整するようにプロセッサを設定する。
【0023】
さらに他の特徴では、システムはプロセッサおよび命令を記憶するメモリを備え、命令は、プロセッサによって実行されるときは、処理チャンバ内でプラズマを生成するために処理チャンバに処理ガスおよびRF電力を供給するようにプロセッサを設定する。処理チャンバは、半導体基板処理の間に半導体基板を支持するための基板支持体を備える。命令は、半導体基板処理の間に半導体基板に隣接する基板支持体の領域を加熱するために、基板支持体に配置された第1のヒータの第1の抵抗を決定するようにプロセッサを設定し、第1の抵抗は、第1のヒータの第1の温度を示す。命令は、処理の間に半導体基板の温度を制御するために、基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体の1つの第2の抵抗を決定するようにプロセッサを設定する。第2の抵抗は、複数の発熱体の1つの第2の温度を示す。命令は、第1の温度と第2の温度との差に基づいて、第1のヒータと複数の発熱体のその1つとの間の熱流束を決定するようにプロセッサを設定する。命令は、熱流束に基づいてプラズマの均一性を決定するようにプロセッサを設定する。
【0024】
他の特徴では、命令はさらに、プラズマが不均一であることに応答して、プラズマの不均一性を補償するために、半導体基板処理の間に、RF電力、処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の温度、および、温度制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の流量、のうちの1つ以上を調整するようにプロセッサを設定する。
【0025】
さらに他の特徴では、システムは、プロセッサおよび命令を記憶するメモリを備え、命令は、プロセッサによって実行されるときは、処理チャンバにおける半導体基板処理の間に、基板支持体に配置された半導体基板に隣接する基板支持体の領域を加熱するために、基板支持体に配置された第1のヒータへの電力供給をオフするようにプロセッサを設定する。命令は、処理チャンバへの処理ガスおよびRF電力の供給をオフするようにプロセッサを設定する。命令は、処理の間に半導体基板の温度を制御するために、基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体に電力を供給するようにプロセッサを設定する。命令は、複数の発熱体への電力を既定電力までNずつ増加するようにプロセッサを設定する(Nは正整数)。命令は、各増加の後に複数の発熱体の抵抗を決定し、抵抗に基づいて複数の発熱体の加熱応答を決定するようにプロセッサを設定する。
【0026】
命令はさらに、複数の発熱体に既定電力を供給しながら、第1のヒータに第1の電力量を供給する動作と、複数の発熱体の第1の抵抗を決定する動作と、第1のヒータに第2の電力量を供給する動作と、複数の発熱体の第2の抵抗を決定する動作と、複数の発熱体の加熱応答ならびに第1の抵抗および第2の抵抗に基づいて、複数の発熱体にわたる温度分布を決定する動作と、複数の発熱体にわたる温度分布に基づいて基板支持体の不均一性を決定する動作と、を実施するようにプロセッサを設定する。
【0027】
他の特徴では、命令はさらに、基板支持体の不均一性を補償するために、半導体基板処理の間に、処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給されるRF電力、処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給される処理ガスの化学物質、処理ガスの流量、複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、熱制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の温度、および、熱制御装置によって基板支持体に供給される冷媒の流量、のうちの1つ以上を調整するようにプロセッサを設定する。
【0028】
本開示のさらなる適用分野は、発明を実施するための形態、特許請求の範囲、および図面から明らかになるだろう。発明を実施するための形態および特定の例は、例示のみの目的を意図し、本開示の範囲を限定する意図はない。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示は、発明を実施するための形態および添付の図面からより深く理解されるだろう。
【0030】
【
図1】半導体ウエハなどの基板をエッチングするために誘導結合プラズマを用いる処理チャンバを備える基板処理システムの機能ブロック図。
【0031】
【
図2】
図1の基板処理システムの処理チャンバおよび他の構成部品を表す概略図。
【0032】
【0033】
【
図4A】基板支持体において用いられるマトリクスヒータの例。
【
図4B】基板支持体において用いられるマトリクスヒータの例。
【0034】
【
図5A】基板支持体において可能なマルチゾーンヒータおよびマトリクスヒータの配置。
【
図5B】基板支持体において可能なマルチゾーンヒータおよびマトリクスヒータの配置。
【0035】
【
図6】プラズマの不均一性を感知および補償するための第1の方法のフローチャート。
【0036】
【
図7A】プラズマの不均一性を感知および補償するための第2の方法のフローチャート。
【
図7B】プラズマの不均一性を感知および補償するための第2の方法のフローチャート。
【0037】
【
図8】基板支持体に内在する不均一性を感知および補償するための第3方法のフローチャート。
【0038】
【
図9A】本開示による例示的加熱システムの機能ブロック図。
【
図9B】本開示による例示的加熱システムの機能ブロック図。
【0039】
図面では、類似および/または同一の要素を識別するために、参照番号は繰り返し用いられてよい。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本開示は、基板処理システムにおける様々な不均一性のin situ感知およびリアルタイム補償のためのシステムならびに方法に関する。例えば、以下に詳しく説明されるように、プラズマの不均一性は、基板支持体に配置されたマトリクス状の複数のマイクロヒータ(以下、マトリクスヒータ)にわたる温度分布を決定することにより感知されうる。あるいは、プラズマの不均一性は、マトリクスヒータと、基板支持体の1つ以上のゾーンを加熱するのに用いられる1つ以上のヒータ(以下、マルチゾーンヒータ)とを用いて、基板支持体を通る熱流束を決定することにより感知されうる。プラズマの不均一性は、マトリクスヒータに供給される電力(以下、ヒータ電力)、プラズマを生成するために供給されるRF電力、プラズマを生成するために用いられるガスの化学物質および/または流量、熱制御装置(TCU)(チラーとも呼ばれる)のために用いられる設定などの、1つ以上のパラメータを調整することにより補償されうる。
【0041】
加えて、基板支持体に内在する不均一性(以下、ESCの不均一性)は、マルチゾーンヒータおよびマトリクスヒータを用いて感知され、上記の1つ以上のパラメータを調整することにより補償されうる。例えば、ESCの不均一性は、マルチゾーンヒータと関連する非線形性が原因で存在しうる。さらに、ESCの不均一性は、電子機器および電源を制御するために、基板支持体のヒータ、電極(例えば、クランプ電極)、センサ(例えば、温度センサ)などを接続するのに用いられる様々な接続(例えば、配線)が原因で存在しうる。以下に説明されるように、これらの不均一性を感知するためのシステムおよび方法は自己参照的であるため、通常用いられる様々な複雑な較正手順を不要にする。その自己参照的な特徴のため、このシステムおよび方法は、ばらつきを低減して歩留まりを向上させる、チャンバ間およびウエハ間の整合を提供する。
【0042】
一般に、処理温度の均一性は、エッチングツールにおける半導体ウエハ処理の間の加工用金型の歩留まりを決定する重要なパラメータの1つである。エッチングツールにおける不均一性には複数の発生源があり、静電チャック(ESC)、プラズマ関連の不均一性、およびウエハパターンを含む。ESCにおける不均一性は、ヒータ、ESCを通る熱流束に関連する不均一性、および冷却システムの不均一性が原因となりうる。プラズマは、制御および測定が難しい、かなりの不均一性をもたらしうる。プラズマの不均一性は、RFの不均一性およびガス注入の不均一性が原因となりうる。プロセスウエハは、処理ガスとの化学反応により温度の不均一性につながりうる特定のパターンを有してよい。これらの反応は、チャンバにおけるウエハ上の材料とガスとの化学反応の性質によって、発熱性か吸熱性のいずれかでありうる。ESCを通る熱流束を計算するために、ESCの2つの異なる深さにおいてセンサが用いられうる。温度に対する熱流束を測定することは、局所熱変化によって影響されない異なる測定方法という利点を有する。熱流束法は、プラズマの熱負荷を推定する直接的な方法を提供する。システムおよび方法のこれらの特徴および他の特徴は、以下により詳しく説明される。
【0043】
本開示は、次のように体系化される。本開示のシステムおよび方法を説明する前に、このシステムおよび方法が実施されうる基板処理システムおよび処理チャンバの例が、
図1を参照して示され説明される。本開示のシステムおよび方法によって解決される問題は、
図2に示される基板処理システムの処理チャンバおよび他の構成部品の概略図を用いて説明される。基板支持体に配置されるヒータの例は、
図3A~5Bを参照して示され説明される。本開示のシステムおよび方法によって提供される解決策は、
図6~9Bを参照して説明される。
【0044】
図1は、本開示による基板処理システム10の例を示す。基板処理システム10は、コイル駆動回路11を備える。いくつかの例では、コイル駆動回路11は、RF源12、パルス回路14、および同調回路(すなわち、整合回路)13を含む。パルス回路14は、RF源12によって生成されるRF信号のトランス結合プラズマ(TCP)エンベロープを制御し、動作中にTCPエンベロープのデューティサイクルを1%~99%で変更する。理解されうるように、パルス回路14およびRF源12は一体化されうる、または分離されうる。
【0045】
同調回路13は、誘導コイル16に直接接続されてよい。基板処理システム10は1つのコイルを用いるが、いくつかの基板処理システムは複数のコイル(例えば、内側コイルおよび外側コイル)を用いてよい。同調回路13は、RF源12の出力を所望の周波数および/または所望の位相に同調させ、コイル16のインピーダンスを整合させる。
【0046】
処理チャンバ28の上面に沿って誘電体窓24が配置されている。処理チャンバ28はさらに、基板34を支持するための基板支持体(または、台座)32を備える。基板支持体32は、静電チャック(ESC)、または機械式チャック、または他の種類のチャックを備えてよい。処理チャンバ28に処理ガスが供給され、処理チャンバ28の内部でプラズマ40が生成される。プラズマ40は、基板34の露出面をエッチングする。RF源50、パルス回路51、およびバイアス整合回路52を含むRF電源53は、動作中に基板支持体32をバイアスしてイオンエネルギを制御するために用いられてよい。
【0047】
処理チャンバ28に処理ガス混合物を供給するために、ガス供給システム56が用いられてよい。ガス供給システム56は、処理ガス・不活性ガス源57、弁およびマスフローコントローラなどのガス計量システム58、ならびにマニホールド59を備えてよい。ガス注入器63は、誘電体窓24の中央に配置されてよく、ガス供給システム56から処理チャンバ28にガス混合物を注入するために用いられる。加えてまたはあるいは、ガス混合物は、処理チャンバ28の側面から注入されてよい。
【0048】
ヒータ/クーラ64は、基板支持体32を既定温度に加熱/冷却するために用いられてよい。排気システム65は、処理チャンバ内の圧力を制御する、および/または、パージもしくは排気によって処理チャンバ28から反応物を除去するために、弁66およびポンプ67を備える。
【0049】
コントローラ54は、エッチングプロセスを制御するために用いられてよい。コントローラ54は、システムパラメータを監視し、ガス混合物の供給、プラズマの点火・維持・消弧、反応物の除去、冷却流体の供給、ヒータ/クーラ64の温度管理などを制御する。加えて、コントローラ54は、以下に記載されるように、コイル駆動回路11、RF源50、およびバイアス整合回路52などの様々な態様を制御してよい。
【0050】
ユーザインタフェース(UI)68は、コントローラ54および基板支持体32と接続してよい。UI68は、処理チャンバ28において実施されるプロセスを監視および制御するために用いられうる。例えば、UI68は、基板支持体32のセンサからデータを受信し、コントローラ54によってプロセスパラメータを設定することなどが可能である。UIは、基板34の温度を直接的に制御できる、またはコントローラ54によって間接的に制御できる。
【0051】
図2は、基板処理システム(例えば、
図1のシステム10)の処理チャンバ200(例えば、
図1の処理チャンバ28)ならびに他の構成部品(例えば、電源およびUI)の概略図を示す。例えば、処理チャンバ200は、基板204を支持するESC202を備える。ESC202は、1つ以上のクランプ電極206、ヒータ208、および1つ以上の温度センサ210を備える。例えば、ヒータ208は、各々個別に制御可能な、1つ以上のマルチゾーンヒータおよび複数のマトリクスヒータを含む。マルチゾーンヒータおよびマトリクスヒータの例は、
図3A~5Bを参照して示され説明される。
【0052】
処理チャンバ200はさらに、電力管理、ヒータ制御、および温度感知のための制御回路212を備える。ヒータ電源214は、RFフィルタ218および制御回路212を通じてヒータ208に電力を供給する。電源216は、RFフィルタ218を通じて制御回路212に電力を供給する。電源214および電源216は、別々のRFフィルタを用い、大抵は複数のRFフィルタを用いる。ユーザインタフェース(例えば、
図1のUI68)は、制御回路212と接続する。RF電源53は、プラズマ40を生成するためにRF電力を供給する。
【0053】
RFプラズマ40は、基板204を処理するために用いられる。処理を可能にするために、処理の間に非常に高いRF電圧(振幅および周波数の両方)が存在する、いわゆるRF高温環境またはRF高温領域が形成される。RF高温領域は、陽極、ESC202、およびESC制御回路212などのアセンブリを含む。RF高温領域の外側は、処理の間のRF電圧がRF高温領域と比べて比較的低い、いわゆるRF低温環境またはRF低温領域である。RF低温領域は、システムの電源および制御(例えば、電源214および電源216、ならびにUI68)などのアセンブリを含む。
【0054】
電源214および電源216によって供給された電力は、銅ケーブルを通じてESC202および制御回路212に伝送される。UI68は、光ファイバケーブルを通じて制御回路212と通信する。光は元々、RF干渉に影響されないため、光ファイバケーブルは一般に、RF高温領域およびRF低温領域全体への直接的なデータ通信のために用いられる。
【0055】
RF高温領域およびRF低温領域の電圧は通常、数KVから数十KVの振幅、および、数MHzから数十MHzの周波数に及びうる。電源214および電源216によるRFピックアップを防ぐために、RF高温領域からRF低温領域にわたる銅ケーブルは、RFフィルタ218によってフィルタリングされる。
【0056】
図3A~3Cは、マルチゾーンヒータを含む基板支持体のゾーンの様々な例を示す。特定の例が示されているが、他のゾーンレイアウトも用いられうる。
図3Aにおいて、基板支持体310(例えば、
図2のESC202)は、ゾーン1、ゾーン2、およびゾーン3を含む同心ゾーンを備える。各ゾーンは、抵抗ヒータ(例えば、
図2のヒータ208)を備える。
図3Bにおいて、基板支持体350(例えば、
図2のESC202)は、内側ゾーン360および外側ゾーン362を規定する抵抗ヒータコイル(例えば、
図2のヒータ208)を備える。
図3Cでは、基板支持体370において、内側ゾーン1は、円周外側ゾーン2、外側ゾーン3、外側ゾーン4、および外側ゾーン5によって囲まれている。各ゾーンは、抵抗ヒータ(例えば、
図2のヒータ208)を備える。理解されうるように、それぞれの抵抗ヒータを含む他のゾーンレイアウトが用いられうる。
【0057】
図4Aおよび
図4Bは、マトリクスヒータの例を示す。
図4Aでは、マトリクスヒータを形成するように、複数の抵抗ヒータ402(発熱体402とも呼ばれる)が基板支持体(例えば、
図2のESC202)にマトリクス状(すなわち、アレイ状またはグリッド状の配置)に配置されている。以下の説明を通して、マトリクスヒータの抵抗ヒータ(すなわち、発熱体)402は、読みやすさのために、また毎回「マトリクスヒータの発熱体402」と記載する必要性なしにマルチゾーンヒータと容易に区別するために、単にマトリクスヒータ402と呼ばれる。従って、以下のマトリクスヒータ402についての言及は、マトリクスヒータの発熱体402として理解されるべきである。以下のマトリクスヒータ402についての言及は、マトリクスヒータの発熱体402として理解されるべきである。
【0058】
マトリクスヒータ402は各々、独立して制御できる。マトリクスヒータ402の各々は、電源ライン404および電力戻りライン406に接続されている。同一対の電源ライン404および電力戻りライン406を共有する2つのマトリクスヒータ402はない。一対の電源ライン404および電力戻りライン406は、適した電気切替装置によって電源(例えば、
図2に示された要素214)に接続されている。よって、一対の電源ライン404および電力戻りライン406に接続された1つのマトリクスヒータ402のみが、任意の時点でオンされる。各マトリクスヒータ402の時間平均化加熱力は、時間分割多重化によって個々に調節できる。
【0059】
マトリクスヒータ402間のクロストークを防ぐために、各マトリクスヒータ402とそこに接続された電源ライン404との間(
図4Aに図示)、または各マトリクスヒータ402とそこに接続された電力戻りライン406との間(
図4Bに図示)に、整流器410(例えば、ダイオード)が直列に接続されてよい。整流器410は、マトリクスヒータ402を備える加熱プレートに、または任意の他の適した位置に設置されうる。あるいは、クロストークを防ぐために、固定スイッチなどの任意の他の電流ブロック装置が用いられうる。制御回路(例えば、
図2に示された要素212)は、1度に1つのマトリクスヒータ402を操作するために、一対の電源ライン404および電力戻りライン406を選択する。
【0060】
図5Aおよび
図5Bは、マルチゾーンヒータおよびマトリクスヒータの2つの可能な配置を示す。
図5Aでは、1つ以上のマルチゾーンヒータ502は、基板支持体(例えば、ESC202)において、基板204に平行な第1の平面に沿って配置されている。第1の平面は、処理の間に基板204が配置される基板支持体の上面から第1の距離の位置にある。複数のマトリクスヒータ402は、基板204に平行な第2の平面に配置されている。第2の平面は、処理の間に基板204が配置される基板支持体の上面から第2の距離の位置にある。つまり、マルチゾーンヒータ502は、マトリクスヒータ402よりも基板支持体の上面に近い。
【0061】
図5Bは、マルチゾーンヒータ502の位置とマトリクスヒータ402の位置とが反転した配置を示す。マルチゾーンヒータ502およびマトリクスヒータ402は、総じてヒータ208と呼ばれる。以下に記載されるように、ヒータ208のいずれの配置も、本開示により不均一性を感知および補償するのに適している。
【0062】
基板処理システム(例えば、
図1に示された要素10)において、プラズマエッチングの均一性(または、RFおよび処理ガスの均一性)は、ウエハ処理にとって重要なパラメータである。現在、プラズマの均一性測定は利用可能だが、in situおよびリアルタムで利用可能なものはほとんどない。例えば、プラズマの均一性を測定するためにラングミュアプローブが用いられうるが、商品開発時以外(すなわち、製造時)にはほとんど用いられない。製造時には、処理チャンバ全体の均一性(すなわち、プラズマの均一性と温度の均一性との組み合わせ)を評価し、調整のためのフィードバックを提供するために、プロセス結果(限界寸法、エッチング速度、およびエッチングの均一性など)のインライン検査が用いられる。あるいは、プラズマの均一性の指標として温度検出ウエハが用いられうる。
【0063】
これら既存のプラズマの均一性を測定する方法には欠点がある。例えば、インライン検査フィードバックは、リアルタイムではない。条件が検査点間で変わった場合には、歩留まり損失が生じうる。ラングミュアプローブは不十分な解決策であり、製造環境に適していない。温度検出ウエハは高価であり、特定のプラズマ化学物質には適さない可能性がある。ラングミュアプローブ同様に、温度検出ウエハもウエハ処理の間にリアルタイムフィードバックを提供しない。
【0064】
本開示は、プラズマおよび他の不均一性を感知するために、基板支持体(例えば、ESC)内部でヒータを用いることを提案する。プラズマは、ESC内のヒータを加熱する。ヒータの抵抗は、(抵抗率温度係数またはTCR効果により)温度と共に変化する。抵抗変化率は、温度変化に対して線形である。均一なプラズマは、マトリクスヒータの均一な加熱、そしてその後のマトリクスヒータの均一な抵抗変化率をもたらすことが予想される。あらゆるプラズマの不均一性は、マトリクスヒータの不均一な加熱を引き起こし、次にマトリクスヒータの不均一な抵抗変化率を引き起こしうる。従って、マトリクスヒータへのプラズマ加熱効果は、マトリクスヒータの抵抗を測定することにより測定されうる。マトリクスヒータの抵抗測定値は、空間温度測定に用いられる。空間温度測定値は、プラズマの均一性の近似値に用いられる。よって、プラズマ加熱効果は空間的に分析でき、プラズマ誘起温度変化またはプラズマの均一性の指標が推測できる。
【0065】
本開示のシステムおよび方法は、多くの利益を提供する。例えば、マトリクスヒータの抵抗測定値が利用可能であるため、それを抵抗測定に容易に用いることができ、追加のハードウェアまたは装置なしにそこからプラズマの均一性を測定できる。さらに、プラズマの均一性は、ウエハ位置の近くでin situで測定できる。つまり、ウエハの視点からすると、プラズマの均一性測定はより直接的である。さらに、プラズマの均一性測定は、リアルタイムに行われる。以下に説明されるように、RF電力、ガス化学物質、または他の不確定要素によって誘発されたプラズマの不均一性は、同じ方法で対処できる。加えて、プラズマの不均一性のための閉ループリアルタイム補償が実施でき、チャンバ間およびウエハ間の整合によりばらつきを低減して歩留まりを向上できる。
【0066】
プラズマの不均一性は、マトリクスヒータ402にわたる温度分布を決定することにより、または、ESC(例えば、ESC202)を通る熱流束を決定することにより感知できる。プラズマにおいて感知された全ての不均一性が感知され、以下に
図6~7Bを参照して説明されるように、1つ以上のパラメータを調節するためのフィードバックとして使用される。
図6に示された温度分布法を用いてプラズマの不均一性を決定するために、マトリクスヒータ402のみが用いられ、マルチゾーンヒータ502は用いられない。
図7Aおよび
図7Bに示された熱流束法を用いてプラズマの不均一性を決定するために、マトリクスヒータ402およびマルチゾーンヒータ502の両方が用いられる。以下に
図8を参照して説明されるように、ESCに内在する不均一性も同様に、マトリクスヒータ402およびマルチゾーンヒータ502の両方を用いて決定される。
【0067】
図6は、プラズマの不均一性を感知および補償するための例示的方法600を示す。方法600は、プラズマの不均一性を決定するためにマトリクスヒータにわたる温度分布を用いる。例えば方法600は、以下に記載の
図9Aおよび
図9Bに示されるコントローラ900によって実施される。602において、方法600はマルチゾーンヒータをオフする。加えて、処理チャンバへのガス供給およびRF電力もオフされる(すなわち、プラズマは生成されない)。
【0068】
604において方法600は、複数の段階的増加工程においてマトリクスヒータに電力を供給する。例えば、第1の工程では、方法600は全電力の5%をマトリクスヒータに供給し、第2の工程では、方法600は全電力の10%をマトリクスヒータに供給する。増加量は5%ずつである必要はなく、代わりに任意の他の割合量が用いられうる。
【0069】
606において方法600は、604で述べた各工程後にマトリクスヒータの抵抗を測定する。方法600は各工程の後に、マトリクスヒータを通る電流およびマトリクスヒータ全体の電圧を感知することにより、マトリクスヒータの抵抗を測定する。608において方法600は、604および606で述べた複数の工程で行われた抵抗測定に基づいて、プラズマなしにマトリクスヒータの基準加熱応答を決定する。
【0070】
610において方法600は、処理チャンバへのガス供給をオンする。612において方法600は、ガスの化学物質および流量を一定に保つ。614において方法600は、マトリクスヒータへの電力を604の最終増加工程(例えば、15%)に保持しながら、処理チャンバにおいてプラズマを生成するために第1のRF電力量を供給する。616において方法600は、マトリクスヒータを通る電流およびマトリクスヒータ全体の電圧を感知することにより、マトリクスヒータの抵抗を測定する。618において方法600は、マトリクスヒータへの電力を604の最終増加工程(例えば、15%)に保持しながら、第2のRF電力量を供給する。例えば、第2の量は第1の量よりも多くてよい。620において方法600は、マトリクスヒータを通る電流およびマトリクスヒータ全体の電圧を感知することにより、マトリクスヒータの抵抗を測定する。
【0071】
622において方法600は、第1のRF電力量および第2のRF電力量を供給する間に測定された抵抗の変化(すなわち、実際の抵抗値ではなくΔR)に基づいて、および、608で決定されたマトリクスヒータの加熱応答に基づいて、マトリクスヒータ全体の温度分布を決定する。624において方法600は、マトリクスヒータ全体の温度分布に基づいてプラズマの不均一性を決定する。626において方法600は、プラズマの不均一性を補償するために基板処理システムの1つ以上のパラメータが調整される必要がある量を決定する。
【0072】
例えば方法600は、RF電力、マルチゾーンヒータおよび/またはマトリクスヒータに供給される電力、プラズマを生成するために用いられるガスの化学物質および/または流量、ならびにTCU(チラー)(例えば、
図1に示された要素64)の設定、のうちの1つ以上を調整してよい。例えば、TCUの設定は、ESCの冷却流路(例えば、
図7Aに示された要素220)を通じてTCUによって循環される冷媒の温度および/または流量を含む。このようにして、基板を処理するために用いられるレシピについて決定された温度プロファイルにより、均一な温度が基板全体にわたって維持できる。
【0073】
方法600では、RF電力は例えのみのために変更される。いくつかの実施形態では、RF電力は一定であってよく、プラズマを生成するために用いられるガスの化学物質および/または流量は、代わりに614および618において変更されてよい。同様に、プラズマを生成するために用いられる他の変数またはパラメータも変更されてよい。
【0074】
さらに方法600では、604の段階的増加工程の数は、複数の工程を含んでよい。さらに、RF電力(または、プラズマの生成に影響を与える他の要因)が変更される回数は、2回よりも多くてよい。温度分布を測定する分解能およびプラズマの均一性を測定する分解能は、604の段階的増加工程の数を増やすことにより、および/または、プラズマの生成に影響を与える要因が変更される回数を増やすことにより増加できる。
【0075】
図7Aおよび
図7Bは、マトリクスヒータ402およびマルチゾーンヒータ502の両方を用いてESC202の熱流束を感知し、熱流束に基づいてプラズマの不均一性を補償するためのシステムならびに方法を示す。
図7Aは、ESC202内の2つの異なる深さに配置された2つのセンサ(例えば、マトリクスヒータ402およびマルチゾーンヒータ502)を備えるシステムを示す。例えば、第1のセンサ(例えば、マルチゾーンヒータ502)は、ESC202の上面近くに位置し、第2のセンサ(例えば、マトリクスヒータ402)は、ESC202の上面から離れて(すなわち、より深くに)位置する。
【0076】
ウエハ処理の間に、ESC202の上面に入射するプラズマはエネルギ源だが、ESC202はエネルギシンクである。ESC202がエネルギシンクなのは、ESC202から熱を引き出すためにTCU(例えば、
図1に示された要素64)が冷媒を流すESC202のベースプレートに配置された冷却流路220による。1つがエネルギ源近くに配置され、他方がエネルギシンク近くに配置された2つのセンサは、ESC202を通る熱流束を計算するのに用いられうる。温度に対する熱流束を測定することは、局所熱変化量によって影響されない差分測定という利点を有する。
【0077】
この方法は、プラズマの熱負荷を推定する直接的な方法を提供する。例えば、2つのセンサが
図7Aに示されるように位置1および位置2にあると仮定する。これらの位置を通って流れる熱は、熱流束で次のように表される。
【数1】
kは、2つのセンサが配置されたESCの材料の既知熱伝導率であり、dは、ESC内で2つのセンサを分離する垂直距離である。この例では、Φ
1はΦ
2よりも大きい絶対値を有し、位置1において位置2よりも高い熱負荷を示すだろう。
【0078】
ESC内の特定の位置における熱流束は、基板処理における目的のパラメータである。既知熱伝導率の材料によって分離された2つのセンサは、ESC内の特定の位置においてプラズマによって供給された電力量を決定し、供給電力への空間分解能を提供するために用いられうる。
【0079】
具体的には、第1のセンサ(例えば、マルチゾーンヒータ502)は、ESCの第1の位置(例えば、ESCの上面付近)で第1の温度を提供できる。第2のセンサ(例えば、マトリクスヒータ402)は、ESCの上面よりも遠い(すなわち、深い)ESCの第2の位置で第2の温度を提供できる。2つの位置間のこれら2つの温度間のデルタ(すなわち、差)、および、2つのセンサの2つの位置間の材料の熱伝導率を知ることにより、2つの位置間の熱流束が計算できる。熱流束は、チャンバの最適化および不均一性の補償を含む様々な目的のために使われうる。
【0080】
熱流束による方法は、ベクトル量であるエネルギ束に基づく。これに対して、方法600はスカラ量である温度に基づく。差分測定に基づくため、熱流束による方法は、ESCに内在する様々な不均一性を免れる(すなわち、その影響を受けない)。
【0081】
図7Bは、ESC内の熱流束を感知し、ESC内の熱流束を用いてプラズマの不均一性を補償するための方法700を示す。方法700は、ESCを通る熱流束を用いてプラズマの不均一性を決定する。例えば、方法700は、以下に記載の
図9Aおよび
図9Bに示されるコントローラ900によって実施される。702において、方法700は、処理チャンバの基板支持体(例えば、ESC)に配置された2つの温度センサを備える処理チャンバにおいてプラズマを生成する。例えば、第1の温度センサは、ESCの第1の平面に沿って配置された1つ以上のマルチゾーンヒータを備えてよく、第2の温度センサは、ESCの第2の平面に沿って配置された1つ以上のマトリクスヒータを備えてよい。第1の平面および第2の平面は、互いに平行であり、処理の間に基板が配置されうるESCの上面に平行である。
【0082】
2つの温度センサは、ESC内部の異なる深さに配置される。例えば、マルチゾーンヒータはESCの上面の近くにあってよく、マトリクスヒータはESCの上面からより遠く、またはより深くにあってよい。例えば、
図7Aに示されるように、2つのヒータ(すなわち、2つの温度センサ)は、2つの温度センサがある平面に垂直な軸に沿った距離dによって分離されている。基板処理の間にプラズマがESCの上面に入射されたとき、上ヒータまたは上部ヒータ(例えば、マルチゾーンヒータ)はプラズマからより多くのエネルギを吸収し、下ヒータまたは下部ヒータ(例えば、マトリクスヒータ)よりも高い温度まで熱くなる。
【0083】
704において方法700は、第1の温度センサを通る電流およびその電圧を測定することにより、第1の温度センサの第1の抵抗を測定する。第1の抵抗は、第1の温度センサの第1の温度を表す。706において方法700は、第2の温度センサを通る電流およびその電圧を測定することにより、第2の温度センサの第2の抵抗を測定する。第2の抵抗は、第2の温度センサの第2の温度を表す。
【0084】
708において方法700は、第1の温度センサおよび第2の温度センサの第1の温度と第2の温度との差を決定する。710において方法700は、第1の温度センサおよび第2の温度センサの第1の温度と第2の温度との差に基づいて、および、2つの温度センサ間のESCの材料の既知熱伝導率に基づいて、2つの温度センサ間の熱流束を決定する。
【0085】
712において方法700は、2つの温度センサ間の熱流束に基づいてプラズマの不均一性を決定する。714において方法700は、プラズマの不均一性を補償するために基板処理システムの1つ以上のパラメータが調整される必要がある量を決定する。
【0086】
例えば方法700は、プラズマを生成するために用いられるRF電力、マルチゾーンヒータおよび/またはマトリクスヒータに供給される電力、プラズマを生成するために用いられるガスの化学物質および/または流量、ならびにTCU(チラー)(例えば、
図1に示された要素64)の設定、のうちの1つ以上を調整してよい。例えば、TCUの設定は、ESCの冷却流路(例えば、
図7Aに示された要素220)を通じてTCUによって循環される冷媒の温度および/または流量を含む。このようにして、基板を処理するために用いられるレシピについて決定された温度プロファイルにより、均一な温度が基板全体にわたって維持できる。
【0087】
図8は、ESCの不均一性を感知および補償するための例示的方法800を示す。方法800は、ESCに内在する不均一性を感知するために、マトリクスヒータ402およびマルチゾーンヒータ502の両方を用いる。方法800を通して、プラズマは生成されない。802において、方法800はマルチゾーンヒータをオフする。加えて、処理チャンバへのガス供給およびRF電力もオフされる(すなわち、プラズマは生成されない)。
【0088】
804において方法800は、複数の段階的増加工程においてマトリクスヒータに電力を供給する。例えば、第1の工程では、方法800は全電力の5%をマトリクスヒータに供給し、第2の工程では、方法800は全電力の10%をマトリクスヒータに供給する。増加量は5%ずつである必要はなく、代わりに任意の他の割合量が用いられうる。
【0089】
806において方法800は、804で述べた各工程後にマトリクスヒータの抵抗を測定する。方法800は各工程の後に、マトリクスヒータを通る電流およびマトリクスヒータにわたる電圧を感知することにより、マトリクスヒータの抵抗を測定する。808において方法800は、804および806で述べた複数の工程で行われた抵抗測定に基づいて、マトリクスヒータの基準加熱応答を決定する。
【0090】
810において方法800は、マトリクスヒータへの電力供給を804の最終増加工程(例えば、15%)に保持しながら、マルチゾーンヒータへの第1の電力量を供給する。812において方法800は、マトリクスヒータを通る電流およびマトリクスヒータにわたる電圧を感知することにより、マトリクスヒータの抵抗を測定する。814において方法800は、マトリクスヒータへの電力供給を604の最終増加工程(例えば、15%)に保持しながら、第2の電力量をマルチゾーンヒータに供給する。例えば、第2の量は第1の量よりも多くてよい。816において方法800は、マトリクスヒータを通る電流およびマトリクスヒータにわたる電圧を感知することにより、マトリクスヒータの抵抗を測定する。
【0091】
818において方法800は、第1の電力量および第2の電力量をマルチゾーンヒータに供給する間に測定された抵抗の変化(すなわち、実際の抵抗値ではなくΔR)に基づいて、および、808で決定されたマトリクスヒータの加熱応答に基づいて、マトリクスヒータにわたる温度分布を決定する。820において方法800は、マトリクスヒータにわたる温度分布に基づいてESCの不均一性を決定する。822において方法800は、ESCの不均一性を補償するために基板処理システムの1つ以上のパラメータが調整される必要がある量を決定する。
【0092】
例えば方法800は、マルチゾーンヒータおよび/またはマトリクスヒータに供給される電力、ならびにTCU(チラー)の設定、のうちの1つ以上を調整してよい。例えば、TCUの設定は、ESCの冷却流路(例えば、
図7Aに示された要素220)を通じてTCUによって循環される冷媒の温度および/または流量を含む。このようにして、熱はESCから基板に均一に伝達されることができ、基板を処理するために用いられるレシピについて決定された温度プロファイルにより、均一な温度が基板全体にわたって維持できる。
【0093】
よって、本開示のシステムおよび方法は、実際のESCの不均一性およびRFに誘発された不均一性により、温度または熱流束の不均一性を検出でき、RF電力、ガス供給、ヒータ電力、およびTCU設定のうちの1つ以上を調整することにより、不均一性を補償できる。
【0094】
とりわけ本開示のシステムおよび方法は、様々な不均一性を感知するために自己参照的手順を用いる。つまり、上記の方法において基準温度は用いられない。むしろ、実際の温度ではなく温度変化が用いられる。従ってこれらの方法は、これらの不均一性を感知するために通常用いられる複雑な較正手順を大幅に簡素化する。これらの較正手順の複雑さは、これらの較正手順で用いられる較正ツールもまた較正される必要があるという事実によって悪化する。本開示のシステムおよび方法は、これらの問題を解消する。さらに、本開示のシステムおよび方法によって用いられる自己参照的プロセスにより、通常は複雑なタスクであるチャンバ間の整合が容易に実現できる。
【0095】
図9Aおよび
図9Bは、
図6~8の方法を実行することにより、マルチゾーンヒータ502およびマトリクスヒータ402(総称して、ヒータ208)を制御し、様々な不均一性を感知および補償するために用いられうるコントローラ900を示す。例えば、
図9Aおよび
図9Bに示されたコントローラ900は、
図1に示されたコントローラ54によって実装されてよい。
図9Aおよび
図9Bに示されたヒータ208以外の他の要素は、
図2に示された要素212、
図1に示されたコントローラ54、またはこれらの組み合わせによって実装されてよい。
【0096】
図9Aでは、ヒータドライバ902は、コントローラ900の制御下で、セレクタ906によって選択されたヒータ208に電力を供給するために用いられてよい。例えば、ヒータドライバ902は、
図2に示されたヒータ電源214を備えてよい。例えば、ヒータ208は、マルチゾーンヒータ502およびマトリクスヒータ402を含んでよい。電流センサ908は、ヒータドライバ902によってヒータ208に供給される電流を感知するために用いられてよい。電圧センサ910は、ヒータドライバ902によってヒータ208に供給される電圧を感知するために用いられてよい。コントローラ900は、電流センサ908および/または電圧センサ910からのそれぞれの電流測定値および/または電圧測定値に基づいて、ヒータ208の各々の抵抗を決定する。
【0097】
図9Bは、コントローラ900が、ヒータ208のデューティサイクルを監視し、対応するデューティサイクルに基づいてヒータ208の抵抗を推測するために、抵抗推測器912を用ることを示す。この例では、電圧または電流が一定値であり、電流または電圧のデューティサイクルが変化すると考えられる。つまり、コントローラ900は、既知の電圧または電流、および電流または電圧のデューティサイクルに基づいて抵抗を推測する。従って、この例では、電流センサ908および電圧センサ910は省かれている。
【0098】
方法600、方法700、または方法800は、1枚1枚のウエハを処理する前に、または複数のウエハを処理する前に適用されうる。方法600、方法700、または方法800をいつ適用するかの選択は、ウエハ処理スループットとリアルタイムの不均一性補償の能力とのトレードオフに基づく。方法600、方法700、または方法800は、完了するのにいくらかの時間がかかる。顧客は、実際のウエハ処理にかかる多くのツール時間がより多いスループットを有する(より利益が多い)ことを望むため、方法600、方法700、または方法800の適用をほとんど好まない可能性がある。顧客のレシピが不均一性に余り影響を受けやすくない場合、または不均一性の原因が変化しない場合は、方法600、方法700、または方法800を少ない頻度で適用することが重要である。そうでなければ顧客は、完成ウエハが不均一性の変化に影響されないように、方法600、方法700、または方法800をより頻繁に適用しなければならないだろう。このトレードオフは、レシピの作成中に決定されうる。
【0099】
さらに、方法600または方法800では、手順604~608または手順804~808は、マトリクスヒータ自体の不均一性が一定の場合は実施されなくてよい。ツール条件の間に、特定の時間間隔内にマトリクスヒータの動作の2セットの測定(例えば、電圧/電流)が行われる。2セットの測定が統計学的な差を示さない場合は、マトリクスヒータの不均一性は一定であると推測できる。
【0100】
電流および電圧を測定することによりマトリクスヒータの抵抗を測定する代わりに、マトリクスヒータの温度の直接感知は実用的ではないが、マトリクスヒータの各ヒータ内に直接温度センサが設置でき、温度測定値は方法600、方法700、または方法800において用いられうる。
【0101】
本開示のシステムおよび方法は、追加のハードウェア/コストを加えることなく、プラズマの均一性をin situで、リアルタイムに、ウエハ近くで測定する方法を提供する。既存の方法は、リアルタイムでないか、低分解能であるか、高価である。本開示のシステムおよび方法を用いて行われたプラズマの均一性測定は、基板処理システムのヘルスチェックを実施するために用いられうる。さらに、プラズマの不均一性の閉ループリアルタイム補償は、本開示のシステムおよび方法によって可能になる。かかるリアルタイム補償は、チャンバ間およびウエハ間の整合、ならびにウエハの歩留まりを向上させる。
【0102】
さらに、本開示のシステムおよび方法は、ESCのマルチゾーンヒータの制御、ガス注入などのウエハの熱不均一性に対する多くの他の原因を説明する。これらの原因のリアルタム補償は、基板処理システムの様々なサブアセンブリの製造プロセスを減らし、全てのシステムコストを低減する。本システムおよび本方法は、それぞれのサブアセンブリの設計を改善するためにエンジニア(例えば、RFエンジニア、ガス供給エンジニア、ESCエンジニア、など)に直接データを提供し、全ての性能が改善された基板処理システムを提供する。
【0103】
前述は本質的に単なる説明であり、本開示、その適用、または使用を決して限定する意図はない。本開示の広義の教示は、様々な形態で実施されうる。よって、本開示は特定の例を含むが、本図面、本明細書、および以下の特許請求の範囲を検討すると他の変更形が明らかになるため、本開示の真の範囲はそれほど限定されるべきでない。方法内の1つ以上の工程は、本開示の原理を変更することなく、異なる順序で(または、同時に)実行されてよいことを理解されたい。
【0104】
さらに、各実施形態は特定の特徴を有するように上述されているが、本開示の実施形態に関して説明されたそれらの特徴の任意の1つ以上は、他の実施形態において実施されうる、および/または、他の実施形態の特徴と組み合わせて(その組み合わせが明記されていない場合でも)実施されうる。つまり、記載の実施形態は互いに排他的でなく、1つ以上の実施形態の相互の並べ替えは、本開示の範囲内に留まる。
【0105】
要素間(例えば、モジュール間、回路素子間、半導体層間など)の空間的関係および機能的関係は、「接続された」、「係合された」、「結合された」、「隣接する」、「近接する」、「上に」、「上方」、「下方」、および「配置された」を含む様々な用語を用いて説明される。上記開示において第1の要素と第2の要素との関係が説明されるときは、「直接的」であると明記されない限り、その関係は、第1の要素と第2の要素との間に他の介在要素が存在しない直接的関係でありうるが、同時に、第1の要素と第2の要素との間に1つ以上の介在要素が(空間的または機能的に)存在する間接的関係でもありうる。
【0106】
本明細書で用いられる、A、B、およびCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いる論理(A OR B OR C)を意味すると解釈されるべきであり、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、およびCのうちの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきでない。
【0107】
いくつかの実施形態では、コントローラは、上述の例の一部でありうるシステムの一部である。かかるシステムは、処理ツール、チャンバ、処理用プラットフォーム、および/または、特定の処理部品(ウエハ台座、ガス流システムなど)を備える半導体処理装置を含みうる。これらのシステムは、半導体ウエハまたは基板の処理前、処理中、および処理後の動作を制御するための電子機器と一体化されてよい。
【0108】
これらの電子機器は、システムの様々な構成部品または副部品を制御できる「コントローラ」と呼ばれてよい。コントローラは、処理要件および/またはシステムの種類に応じて、処理ガスの供給、温度設定(例えば、加熱および/または冷却)、圧力設定、真空設定、電力設定、高周波(RF)発生器の設定、RF整合回路の設定、周波数設定、流量設定、流体供給設定、位置動作設定、ツールおよび他の搬送ツールおよび/または特定のシステムに接続もしくは結合されたロードロックに対するウエハ搬入出を含む、本明細書に開示されたあらゆるプロセスを制御するようにプログラムされてよい。
【0109】
概してコントローラは、命令を受信し、命令を発行し、動作を制御し、洗浄動作を可能にし、エンドポイント測定を可能にするなどの様々な集積回路、論理、メモリ、および/または、ソフトウェアを有する電子機器として定義されてよい。集積回路は、プログラム命令を記憶するファームウェア形式のチップ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)として定義されるチップ、および/または、プログラム命令(例えば、ソフトウェア)を実行する1つ以上のマイクロプロセッサもしくはマイクロコントローラを含んでよい。
【0110】
プログラム命令は、様々な個別設定(または、プログラムファイル)の形でコントローラに伝達される命令であって、特定のプロセスを半導体ウエハ上でもしくは半導体ウエハ向けに、またはシステムに対して実行するための動作パラメータを定義してよい。いくつかの実施形態では、動作パラメータは、1つ以上の層、材料、金属、酸化物、シリコン、二酸化シリコン、表面、回路、および/または、ウエハダイの製造時における1つ以上の処理工程を実現するために、プロセスエンジニアによって定義されるレシピの一部であってよい。
【0111】
いくつかの実施形態では、コントローラは、システムと統合もしくは結合された、そうでなければシステムにネットワーク接続された、もしくはこれらが組み合わされたコンピュータの一部であってよい、またはそのコンピュータに結合されてよい。例えばコントローラは、ウエハ処理のリモートアクセスを可能にする「クラウド」内にあってよい、またはファブホストコンピュータシステムの全てもしくは一部であってよい。コンピュータはシステムへのリモートアクセスを可能にして、製造動作の進捗状況を監視し、過去の製造動作の経歴を調査し、複数の製造動作から傾向または性能の基準を調査して、現行の処理のパラメータを変更してよい、または現行の処理に続く処理工程を設定してよい、または新しいプロセスを開始してよい。
【0112】
いくつかの例では、リモートコンピュータ(例えば、サーバ)は、ローカルネットワークまたはインターネットを含みうるネットワークを通じて、プロセスレシピをシステムに提供できる。リモートコンピュータは、次にリモートコンピュータからシステムに伝達されるパラメータおよび/もしくは設定のエントリまたはプログラミングを可能にするユーザインタフェースを含んでよい。いくつかの例では、コントローラは、1つ以上の動作中に実施される各処理工程のパラメータを特定するデータ形式の命令を受信する。パラメータは、実施されるプロセスの種類、および、コントローラが接続するまたは制御するように構成されたツールの種類に固有であってよいことを理解されたい。
【0113】
よって、上述のようにコントローラは、例えば互いにネットワーク接続された1つ以上の別々のコントローラを含むことと、本明細書に記載のプロセスや制御などの共通の目的に向けて協働することとによって分散されてよい。かかる目的で分散されたコントローラの例は、遠隔に(例えば、プラットフォームレベルで、またはリモートコンピュータの一部として)設置され、協働してチャンバにおけるプロセスを制御する1つ以上の集積回路と連通する、チャンバ上の1つ以上の集積回路だろう。
【0114】
制限するのではなく、例示のシステムは、プラズマエッチングチャンバまたはプラズマエッチングモジュール、堆積チャンバまたは堆積モジュール、スピンリンスチャンバまたはスピンリンスモジュール、金属めっきチャンバまたは金属めっきモジュール、洗浄チャンバまたは洗浄モジュール、ベベルエッジエッチングチャンバまたはベベルエッジエッチングモジュール、物理蒸着(PVD)チャンバまたはPVDモジュール、化学蒸着(CVD)チャンバまたはCVDモジュール、原子層堆積(ALD)チャンバまたはALDモジュール、原子層エッチング(ALE)チャンバまたはALEモジュール、イオン注入チャンバまたはイオン注入モジュール、トラックチャンバまたはトラックモジュール、ならびに、半導体ウエハの製作および/もしくは製造において関連もしくは使用しうる他の半導体処理システムを含んでよい。
【0115】
上述のようにコントローラは、ツールによって実施される処理工程に応じて、他のツール回路もしくはモジュール、他のツール部品、クラスタツール、他のツールインタフェース、隣接するツール、近接するツール、工場全体に設置されたツール、メインコンピュータ、別のコントローラ、または、半導体製造工場においてツール位置および/もしくはロードポートに対してウエハ容器を搬入出する材料搬送に用いられるツール、のうちの1つ以上と連通してよい。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
基板処理システムであって、
処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成された基板支持体と、
前記基板支持体内に配置されたマトリクスヒータであって、マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に前記半導体基板の温度を制御するように構成されたマトリクスヒータと、
前記処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されたガス源と、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバにRF電力を供給するように構成されたRF発生器と、
前記マトリクスヒータの前記複数の発熱体に電力を供給するように構成された電源と、
コントローラであって、前記マトリクスヒータの前記複数の発熱体に既定電力を供給しながら、
前記プラズマを生成するために、前記処理ガスおよび前記RF電力を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記処理ガスの化学物質、前記処理ガスの流量、および前記RF電力からなる群より選択された1つのパラメータを変更して、固定の前記群からの他のパラメータを維持しながら前記プラズマを生成し続け、
前記1つのパラメータの変更に応答して、前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記プラズマの均一性を決定するように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
適用例2:
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記ガス源および前記RF発生器をオンする前に、
前記複数の発熱体に電力を供給することにより、前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体への前記電力を前記既定電力までNずつ増加させ、
各増加後に前記複数の発熱体の抵抗を決定し、Nは正整数であり、
前記複数の発熱体の前記加熱応答を決定した後に、前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記プラズマの前記均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
適用例3:
適用例2に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記プラズマの前記均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
適用例4:
適用例1に記載の基板処理システムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記コントローラは、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの前記化学物質、
前記処理ガスの前記流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように構成されている、基板処理システム。
適用例5:
基板処理システムであって、
処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成された基板支持体であって、
前記半導体基板の処理の間に、前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するように構成された第1のヒータと、
前記第1のヒータから垂直に離れた第2のヒータであって、マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に前記半導体基板の温度を制御するように構成された第2のヒータと、を備える基板支持体と、
前記処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されたガス源と、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバにRF電力を供給するように構成されたRF発生器と、
コントローラであって、
前記プラズマを生成するために前記処理ガスおよび前記RF電力を供給し、
前記第1のヒータの第1の温度を示す、前記第1のヒータの第1の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の1つの第2の温度を示す、前記第2のヒータの前記複数の発熱体の前記1つの第2の抵抗を決定し、
前記第1の温度と前記第2の温度との差に基づいて、前記第1のヒータと前記複数の発熱体の前記1つとの間の熱流束を決定し、
前記熱流束に基づいて前記プラズマの均一性を決定するように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
適用例6:
適用例5に記載の基板処理システムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記コントローラは、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように構成されている、基板処理システム。
適用例7:
基板処理システムであって、
処理チャンバ内で半導体基板を支持するように構成された基板支持体であって、
前記半導体基板の処理の間に、前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するように構成された第1のヒータと、
マトリクス状に配置された複数の発熱体を備え、処理の間に前記半導体基板の温度を制御するように構成された第2のヒータと、を備える基板支持体と、
前記第1のヒータおよび前記第2のヒータに電力を供給するように構成された電源と、
コントローラであって、前記第2のヒータの前記複数の発熱体に既定電力を供給しながら、
前記第1のヒータに第1の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記第1のヒータに第2の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記基板支持体の不均一性を決定するように構成されたコントローラと、
を備える、基板処理システム。
適用例8:
適用例7に記載の基板処理システムであって、さらに、
前記処理チャンバに処理ガスを供給するように構成されたガス源と、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバにRF電力を供給するように構成されたRF発生器と、を備え、
前記コントローラは、前記基板支持体の前記不均一性を決定するまで、前記第1のヒータおよび前記第2のヒータに電力を供給する前に、前記ガス源および前記RF発生器をオフするように構成されている、基板処理システム。
適用例9:
適用例7に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記第1のヒータに前記第1の電力量を供給する前に、
前記第2のヒータの前記複数の発熱体に電力を供給し、
前記複数の発熱体への前記電力を前記既定電力までNずつ増加させ、Nは正整数であり、
各増加後に、前記複数の発熱体の抵抗を決定し、
各増加後に決定された前記複数の発熱体の前記抵抗に基づいて、前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体の前記加熱応答を決定した後に、前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記基板支持体の前記不均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
適用例10:
適用例9に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記第2のヒータの前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記基板支持体の前記不均一性を決定するように構成されている、基板処理システム。
適用例11:
適用例7に記載の基板処理システムであって、
前記コントローラは、前記基板支持体の前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給されるRF電力、
前記処理チャンバ内で前記プラズマを生成するために供給される処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように構成されている、基板処理システム。
適用例12:
システムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときは、
半導体基板を支持するための基板支持体を備える処理チャンバへの処理ガスおよびRF電力の供給をオフし、
処理の間に前記半導体基板の温度を制御するために、前記基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体に電力を供給し、
前記複数の発熱体への前記電力を既定電力までNずつ増加させ、Nは正整数であり、
各増加後に、前記複数の発熱体の抵抗を決定し、
前記抵抗に基づいて前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体に前記既定電力を供給しながら、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために前記処理ガスおよび前記RF電力を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記処理ガスの化学物質、前記処理ガスの流量、および前記RF電力からなる群より選択された1つのパラメータを変更して、固定の前記群からの他のパラメータを維持しながら前記プラズマを生成し続け、
前記1つのパラメータの変更に応答して、前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記プラズマの均一性を決定するように前記プロセッサを設定する、メモリと、
を備える、システム。
適用例13:
適用例12に記載のシステムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記命令は、さらに、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの前記化学物質、
前記処理ガスの前記流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように前記プロセッサを設定する、システム。
適用例14:
システムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときは、
半導体基板の処理の間に前記半導体基板を支持するための基板支持体を備える処理チャンバ内でプラズマを生成するために、前記処理チャンバに処理ガスおよびRF電力を供給し、
前記半導体基板の処理の間に、前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するために、前記基板支持体に配置された第1のヒータの第1の抵抗を決定し、前記第1の抵抗は、前記第1のヒータの第1の温度を示し、
処理の間に前記半導体基板の温度を制御するために、前記基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体の1つの第2の抵抗を決定し、前記第2の抵抗は、前記複数の発熱体の前記1つの第2の温度を示し、
前記第1の温度と前記第2の温度との差に基づいて、前記第1のヒータと前記複数の発熱体の前記1つとの間の熱流束を決定し、
前記熱流束に基づいて前記プラズマの均一性を決定するように前記プロセッサを設定する、メモリと、
を備える、システム。
適用例15:
適用例14に記載のシステムであって、
前記プラズマが不均一であることに応答して、前記命令は、さらに、前記プラズマの前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記RF電力、
前記処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように前記プロセッサを設定する、システム。
適用例16:
システムであって、
プロセッサと、
命令を記憶するメモリであって、前記命令は、前記プロセッサによって実行されるときは、
処理チャンバにおける半導体基板の処理の間に、基板支持体上に配置された前記半導体基板に隣接する前記基板支持体の領域を加熱するために、前記基板支持体に配置された第1のヒータへの電力の供給をオフし、
前記処理チャンバへの処理ガスおよびRF電力の供給をオフし、
処理の間に前記半導体基板の温度を制御するために、前記基板支持体にマトリクス状に配置された複数の発熱体に電力を供給し、
前記複数の発熱体への前記電力を既定電力までNずつ増加させ、Nは正整数であり、
各増加後に、前記複数の発熱体の抵抗を決定し、
前記抵抗に基づいて前記複数の発熱体の加熱応答を決定し、
前記複数の発熱体に前記既定電力を供給しながら、
前記第1のヒータに第1の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第1の抵抗を決定し、
前記第1のヒータに第2の電力量を供給し、
前記複数の発熱体の第2の抵抗を決定し、
前記複数の発熱体の前記加熱応答ならびに前記第1の抵抗および前記第2の抵抗に基づいて、前記複数の発熱体にわたる温度分布を決定し、
前記複数の発熱体にわたる前記温度分布に基づいて、前記基板支持体の前記不均一性を決定するように前記プロセッサを設定する、メモリと、
を備える、システム。
適用例17:
適用例16に記載のシステムであって、
前記命令は、さらに、前記基板支持体の前記不均一性を補償するために、前記半導体基板の前記処理の間に、
前記処理チャンバ内でプラズマを生成するために供給される前記RF電力、
前記処理チャンバ内で前記プラズマを生成するために供給される前記処理ガスの化学物質、
前記処理ガスの流量、
前記複数の発熱体の1つ以上に供給される前記電力、
熱制御装置によって前記基板支持体に供給される冷媒の温度、および、
前記熱制御装置によって前記基板支持体に供給される前記冷媒の流量、
の1つ以上を調整するように前記プロセッサを設定する、システム。