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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-26
(45)【発行日】2024-12-04
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/01 20060101AFI20241127BHJP
   B41J 2/165 20060101ALI20241127BHJP
【FI】
B41J2/01 305
B41J2/165 101
B41J2/01 301
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020202328
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2021142745
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2023-10-11
(31)【優先権主張番号】P 2020042674
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【弁護士】
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】柳瀬 徳和
【審査官】岩本 太一
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-183768(JP,A)
【文献】特開2012-153132(JP,A)
【文献】特開2017-217806(JP,A)
【文献】特開2007-222190(JP,A)
【文献】特開2018-176519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドを保持し、往復移動可能なキャリッジと、
前記液体が付与される付与対象を支持して前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動可能な支持手段と、
前記ヘッドのノズル面を封止する封止部材と、を備え、
前記支持手段内に前記封止部材が配置されており、
前記封止部材は、前記支持手段が前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動するとき、前記支持手段とともに、前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動する
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
前記支持手段は、開口部と、シャッタ部材を有し、
前記封止部材が前記開口部を介して封止位置に移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項3】
液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドを保持し、往復移動可能なキャリッジと、
前記液体が付与される付与対象を支持して前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動可能な支持手段と、
前記ヘッドのノズル面を封止する封止部材と、を備え、
前記支持手段内に前記封止部材が配置されており、
前記支持手段は、開口部と、シャッタ部材を有し、前記ヘッドが前記開口部を通過し、前記封止部材が前記ヘッドを封止する位置まで移動可能である
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項4】
前記支持手段の前記付与対象を支持する面に対する平面視において、前記封止部材が前記開口部内にある
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の液体を吐出する装置。
【請求項5】
前記封止部材は、前記支持手段が支持する前記付与対象の搬送方向において、前記支持手段から離れて前記支持手段の外側まで移動可能である
ことを特徴とする請求項1に記載の液体を吐出する装置。
【請求項6】
装置本体内の空気を排気する排気手段を備え、
前記封止部材で前記ヘッドを封止するとき、前記付与対象の搬送方向において、前記支持手段、前記封止部材、前記排気手段の順に配置される
ことを特徴とする請求項に記載の液体を吐出する装置。
【請求項7】
前記支持手段は、前記封止部材が装置本体外に露出される位置まで移動可能である
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項8】
前記ヘッドと、前記封止部材と、を覆う筐体を有し、
前記筐体の少なくとも一部は開閉可能な開閉部であり、
前記開閉部から前記封止部材にアクセス可能である
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項9】
前記ヘッドと、前記封止部材と、を覆う筐体を有し、
前記筐体の少なくとも一部は開閉可能な開閉部であり、
前記開閉部から前記封止部材及び前記排気手段にアクセス可能である
ことを特徴とする請求項6に記載の液体を吐出する装置。
【請求項10】
装置設置状態における垂直方向上側から見たとき、
前記開閉部内に、前記封止部材が移動可能である
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の液体を吐出する装置。
【請求項11】
液体を吐出するヘッドと、
前記液体が付与される付与対象を支持して前記付与対象を搬送する方向に移動可能な支持手段と、
前記ヘッドのノズル面をキャッピングするキャップと、を備え、
前記支持手段内に前記キャップが配置されており、
前記キャップは、前記支持手段が前記付与対象を搬送する方向に移動するとき、前記支持手段とともに、前記付与対象を搬送する方向に移動する
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出するヘッドを使用する装置にあっては、ヘッドの性能を維持、回復するために、ノズル面を封止する封止部材、ノズル面を払拭する払拭部材などを含むメンテナンス手段(維持回復機構)を備える。
【0003】
従来、布地に印刷する印刷装置において、ヘッドを搭載したキャリッジの移動方向の一端部側で、布地を支持するステージの側方に、ヘッドのメンテナンスを行うメンテナンスユニットを配置し、メンテナンスユニットは、ノズル面を封止する封止部材などを備えているものが知られている(特許文献1)。
(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-137040号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、液体を付与する付与対象を支持する支持手段の側方にメンテナンス手段を配置すると、装置が大型化するという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、装置の小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る液体を吐出する装置は、
液体を吐出するヘッドと、
前記ヘッドを保持し、往復移動可能なキャリッジと、
前記液体が付与される付与対象を支持して前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動可能な支持手段と、
前記ヘッドのノズル面を封止する封止部材と、を備え、
前記支持手段内に前記封止部材が配置されており、
前記封止部材は、前記支持手段が前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動するとき、前記支持手段とともに、前記キャリッジの移動方向と直交する方向に移動する
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、装置の小型化を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例の外観斜視説明図である。
図2】同じく正面説明図である。
図3】同じく側面説明図である。
図4】本発明の第2実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
図5】本発明の第3実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
図6】本発明の第4実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
図7】本発明の第5実施形態の説明に供する平面説明図である。
図8】本発明の第6実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
図9】本発明の第7実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
図10】同じく正面説明図である。
図11】本発明の第8実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
図12】本発明の第9実施形態の説明に供する開閉部材を閉じた状態の側面説明図である。
図13】同じく開閉部材を開いた状態の側面説明図である。
図14】本発明の第10実施形態の説明に供する開閉部材を閉じた状態の側面説明図である。
図15】同じく開閉部材を開いた状態の側面説明図である。
図16】同じく開閉部材を開いた状態の側面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1は同実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の一例の外観斜視説明図、図2は同じく正面説明図、図3は同じく側面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、装置本体10内に、付与対象(印刷対象)である布地400(図2)を支持する支持手段300と、支持手段300で支持されて移動される布地400に印刷する印刷手段100とを備えている。
【0012】
印刷手段100は、液体を吐出する1又は複数のヘッド101と、ヘッド101を搭載したキャリッジ102とを備えている。キャリッジ102は案内部材であるガイド部材103により主走査方向(X方向)に往復移動可能に案内される。
【0013】
支持手段300は、布地400が載せ置かれるステージ301と、ステージ301を支持するスライダ302とを備えている。スライダ302とステージ301との間は、上ステージカバー303と、下ステージカバー304と、スライダカバー305で覆われている。
【0014】
支持手段300のスライダ302は、ガイド部材307に軸受け306を介して副走査方向(Y方向)に移動可能に支持されている。副走査方向(Y方向)は、支持手段300が支持する付与対象の搬送方向である。支持手段300は、付与対象である布地400を搬送する搬送手段でもある。
【0015】
そして、支持手段300内には、ステージ301の下方にメンテナンス手段500のキャップである封止部材501が配置されている。この場合、支持手段300の付与対象を支持する面を図2(a)の矢印A方向から見た平面視において、支持手段300の領域内にメンテナンス手段500の封止部材501が配置されていればよい。
【0016】
メンテナンス手段500は、各ヘッド101のノズル面(吐出面)101aをそれぞれ封止する(キャッピングする)複数の封止部材501を有している。複数の封止部材501は、上下動する封止部材ホルダ502に支持され、ノズル面101aに対して進退移動する。なお、メンテナンス手段500は、封止部材501の他、ノズル面101aを払拭する払拭部材なども備えることができる。
【0017】
ステージ301には、メンテナンス手段500の封止部材501の上方を開放する開口部310が設けられている。本実施形態では、開口部310はメンテナンス手段500の封止部材ホルダ502が通過可能な開口としている。
【0018】
また、主走査方向の両端部には、ヘッド101から吐出されて付与対象に付与されない液体を受ける空吐出受け520がそれぞれ配置されている。
【0019】
本実施形態において、ヘッド101のノズル面101aを封止部材501で封止するときには、例えば図2(a)及び図3(a)に示す位置にある支持手段300を副走査方向(Y方向)でY1方向に移動させる。
【0020】
そして、図2(b)及び図3(b)に示すように、メンテナンス手段500の封止部材501をヘッド101の下方に位置させる。その後、メンテナンス手段500の封止部材ホルダ502を、ステージ301の開口部310を介して上昇させ、封止部材501でヘッド101のノズル面101aを封止する。
【0021】
このように、メンテナンス手段500の封止部材501が支持手段300内に配置されている、つまり、平面視で支持手段300のステージ301の領域内にメンテナンス手段500の封止部材501が配置されていることで、主走査方向(X方向)の幅を小さく(短く)することができる。
【0022】
具体的には、主走査方向の幅としては、印刷領域の幅と、キャリッジ102の加減速距離の幅、空吐出受け520の幅でレイアウトすることができる。これにより、印刷領域外にメンテナンス手段500の封止部材501と空吐出受け520を配置する場合に比べて、装置本体の幅サイズを狭くでき、装置の小型化を図れる。
【0023】
次に、本発明の第2実施形態について図4を参照して説明する。図4は同実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
【0024】
本実施形態では、前記第1実施形態において、メンテナンス手段500の封止部材501の上方を開放するステージ301の開口部310を開閉するシャッタ部材311を備えている。シャッタ部材311は、開口部310を閉じる位置と開口部310を開放する位置との間で移動可能である。
【0025】
本実施形態において、ヘッド101のノズル面101aを封止部材501で封止するときには、例えば図4(a)の位置にある支持手段300を副走査方向(Y方向)でY1方向に移動させる。
【0026】
そして、図4(b)に示すように、メンテナンス手段500の封止部材501をヘッド101の下方に位置させ、また、シャッタ部材311を矢印方向に移動させて開口部310を開放する。その後、メンテナンス手段500の封止部材ホルダ502を、ステージ301の開口部310を介して上昇させ、封止部材501でヘッド101のノズル面101aを封止する。
【0027】
このように、支持手段300にはメンテナンス手段500の封止部材501の上方を開放する開口部310を開閉するシャッタ部材311を有し、メンテナンス手段500の封止部材501を使用するときにはシャッタ部材311で開口部310を開放する。
【0028】
これにより、支持手段300のステージ301上に載置して支持する付与対象がメンテナンス手段500の封止部材501と接触して、付与対象が汚れることを防止できる。
【0029】
次に、本発明の第3実施形態について図5を参照して説明する。図5は同実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
【0030】
本実施形態では、前記第2実施形態において、メンテナンス手段500は、ヘッド101のノズル面101aと封止部材501との周りを囲む汚れ防止部材503を備えている。汚れ防止部材503は、封止部材ホルダ502に支持されて、封止部材ホルダ502とともに上下動する。
【0031】
本実施形態においても、ヘッド101のノズル面101aを封止部材501で封止するときには、例えば図5(a)の位置にある支持手段300を副走査方向(Y方向)でY1方向に移動させる。
【0032】
そして、図5(b)に示すように、メンテナンス手段500の封止部材501をヘッド101の下方に位置させ、また、シャッタ部材311を矢印方向に移動させて開口部310を開放する。その後、メンテナンス手段500の封止部材ホルダ502を上昇させ、封止部材501でヘッド101のノズル面101aを封止する。
【0033】
このとき、汚れ防止部材503も上昇してヘッド101のノズル面101a及び封止部材501の周りを囲む。
【0034】
これにより、封止などに伴ってノズル面101aに付着している残留液体が飛散などしても支持手段300のステージ301が汚れることを防止できる。したがって、ステージ301の汚れによる付与対象(布地400)の汚れを防止できる。
【0035】
次に、本発明の第4実施形態について図6を参照して説明する。図6は同実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
【0036】
本実施形態では、前記第2実施形態において、支持手段300のステージ301の開口部310はキャリッジ102が通過可能な開口としている。
【0037】
そして、支持手段300は、ヘッド101がステージ301の開口部310を通過し、メンテナンス手段500の封止部材501がヘッド101のノズル面101aを封止する位置までステージ301を上昇可能としている。
【0038】
この場合、上ステージカバー303と下ステージカバー304との間に、下降時に下ステージカバー304内に収容されている中間ステージカバー313が配置されている。
【0039】
本実施形態においては、ヘッド101のノズル面101aを封止部材501で封止するときには、例えば図6(a)の位置にある支持手段300を副走査方向(Y方向)でY1方向に移動させる。
【0040】
そして、図6(b)に示すように、メンテナンス手段500の封止部材501をヘッド101の下方に位置させ、また、シャッタ部材311を矢印方向に移動させて開口部310を開放する。その後、支持手段300のステージ301を上昇させ、ステージ301の開口部310内にキャリッジ102を入り込ませ、メンテナンス手段500の封止部材ホルダ502を上昇させ、封止部材501でヘッド101のノズル面101aを封止する。
【0041】
このとき、ヘッド101のノズル面101aはステージ301の開口部310よりも下方まで下降している。
【0042】
これにより、封止などに伴ってノズル面101aに付着している残留液体が飛散などしても支持手段300のステージ301が汚れることを防止できる。したがって、ステージ301の汚れによる付与対象(布地400)の汚れを防止できる。
【0043】
次に、本発明の第5実施形態について図7を参照して説明する。図7は同実施形態の説明に供する平面説明図である。
【0044】
本実施形態では、支持手段300は、メンテナンス手段500の封止部材501が装置本体10の外に露出される位置まで移動可能である構成としている。つまり、メンテナンス手段500は、支持手段300のステージ301を、布地400をセットする位置にしたときに、装置本体10の外に露出する位置に配置されている。
【0045】
これにより、メンテナンス手段500の封止部材501を清掃することができ、封止部材501などを清浄化できる。
【0046】
この場合、支持手段300の付与対象を支持する面を図2(a)の矢印A方向から見た平面視において、装置本体10の領域外に封止部材501の少なくとも一部が露出されていればよい。
【0047】
次に、本発明の第6実施形態について図8を参照して説明する。図8は同実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
【0048】
本実施形態では、ヘッドメンテナンス手段500の封止部材501は、支持手段300の移動方向において、支持手段300の外側まで移動可能にしている。ここでは、支持手段300は、装置本体10内の後方側にヘッド101を封止可能な位置まで移動可能としている。
【0049】
つまり、ヘッドメンテナンス手段500の封止部材501は、支持手段300内に収容されている位置と、支持手段300から外側に出てヘッド101のノズル面101aを封止する位置との間で移動できる。
【0050】
本実施形態では、ヘッド101のノズル面101aを封止部材501で封止するときには、例えば図8(a)の収容位置にあるメンテナンス手段500を支持手段300から分離して副走査方向(Y方向)でY1方向に移動させる。
【0051】
そして、図8(b)に示すように、メンテナンス手段500の封止部材501をヘッド101の下方に位置させた後、メンテナンス手段500の封止部材ホルダ502を上昇させ、封止部材501でヘッド101のノズル面101aを封止する。
【0052】
これにより、支持手段300のステージ301に布地400をセットするときもノズル面101aの封止を継続することができ、ノズル面101のノズルの乾燥などを防止できる。
【0053】
また、本実施形態では、装置本体10の後方側に、装置本体10内の空気を外部に排気する排気手段としてのファン600が配置されている。
【0054】
このとき、メンテナンス手段500の封止部材501でノズル面101aを封止してメンテナンス動作を行うとき、支持手段300のステージ301、メンテナンス手段500の封止部材501、ファン600の順に並んで配置される。
【0055】
これにより、メンテナンス動作に伴って発生するミストがファン600で吸引されて排出されるので、支持手段300のステージ301の汚れを抑制することができる。
【0056】
次に、本発明の第7実施形態について図9及び図10を参照して説明する。図9は同実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図、図10は同じく正面説明図である。
【0057】
本実施形態では、メンテナンス手段500の封止部材501は支持手段300内ではなく、装置本体に取付けられている。
【0058】
メンテナンス手段500の封止部材501は、ヘッド走査範囲におけるヘッド101の液体吐出方向に配置される。メンテナンス手段500の封止部材501は昇降可能である。
【0059】
支持手段300は、ステージ301とスライダ303とでゲート状の移動部材を構成している。これにより、メンテナンス手段500の封止部材501と、ヘッド101が対向した状態で、メンテナンス手段500の封止部材501とヘッド101との間を、支持手段300の付与対象を支持する支持面(ステージ301)が移動可能である。
【0060】
このように、支持手段300が走査する範囲、かつ、ヘッド101が走査する範囲に、メンテナンス手段500の封止部材を配置することで、装置の小型化が可能となる。
【0061】
なお、ヘッド101のメンテナンスを実施するとき、支持手段300は装置本体前方(矢印方向)、或いは装置本体の後方に退避し、メンテナンス手段300の上方と重ならない位置に移動する。これにより、メンテナンス手段300用に装置本体内にスペースを確保する必要がなく、大型化を防ぐことができる。
【0062】
次に、本発明の第8実施形態について図11を参照して説明する。図11は同実施形態の説明に供する図3と同様な側面説明図である。
【0063】
本実施形態では、支持手段300は、メンテナンス手段500の封止部材501を支持手段300内ではなく、支持手段300の外側に備えている。例えば、下ステージカバー304上にメンテナンス手段500の封止部材501を配置している。
【0064】
この場合、メンテナンス手段500の封止部材501は、支持手段300の付与対象を支持する面(ステージ301)に対する平面視において、支持手段300の移動方向(矢印Y方向)と直交する方向におけるステージ301の幅内に配置されている。
【0065】
このように構成した場合でも、装置本体10の主走査方向(X方向)の幅を小さく(短く)することができる。
【0066】
次に、本発明の第9実施形態について図12及び図13を参照して説明する。図12は同実施形態の説明に供する開閉部材を閉じた状態の側面説明図、図13は同じく開閉部材を開いた状態の側面説明図である。
【0067】
印刷装置1は、少なくとも、ヘッド101と、封止部材501とを覆う筐体700を有している。本実施形態では、筐体700は、印刷装置100の外装であり、ヘッド101を含む印刷手段100及び封止部材501を含むメンテナンス手段500を覆っている。
【0068】
筐体700は、開閉部材702によって開閉可能な開口部701を有し、筐体700の少なくとも一部は開閉可能な開閉部となっている。開閉部材702は、軸703によって筐体700に回動可能に保持されている。
【0069】
ここで、開閉部材702によって開閉可能な開口部701は、メンテナンス手段500を矢印Y1方向に移動させることにより、封止部材501が開口部701に臨む位置に設けられている。本実施形態では、装置設置状態における垂直方向上側から見たとき、開閉部内、つまり、開口部701の直下に封止部材501を移動可能である。
【0070】
このように構成したので、封止部材501を清掃するときなどには、例えば、メンテナンス手段500を、図12の封止位置から図13の清掃位置に移動させ、封止部材501を開口部701に臨ませる。
【0071】
これにより、開閉部材702を開いて開口部701を開放することで、外部から封止部材501にアクセス可能となり、封止部材501を容易に清掃することができる。
【0072】
次に、本発明の第10実施形態について図14ないし図16を参照して説明する。図16は同実施形態の説明に供する開閉部材を閉じた状態の側面説明図、図15及び図16は同じく開閉部材を開いた状態の側面説明図である。
【0073】
印刷装置1は、少なくとも、ヘッド101と、封止部材501とを覆う筐体700を有している。本実施形態では、筐体700は、印刷装置100の外装であり、ヘッド101を含む印刷手段100及び封止部材501を含むメンテナンス手段500を覆っている。
【0074】
筐体700は、開閉部材702によって開閉可能な開口部701を有し、筐体700の少なくとも一部は開閉可能な開閉部となっている。開閉部材702は、軸703によって筐体700に回動可能に保持されている。
【0075】
ここで、開閉部材702によって開閉可能な開口部701は、メンテナンス手段500を矢印Y1方向に移動させることにより、封止部材501が開口部701に臨む位置に設けられている。また、開口部701の近傍には、開閉部材702を開いたときに開口部701に露出する排気手段600が配置されている。本実施形態では、装置設置状態における垂直方向上側から見たとき、開閉部内、つまり、開口部701の直下に封止部材501を移動可能である。
【0076】
このように構成したので、排気手段600を清掃などするときには、例えば、図15に示すように、開閉部材702を開いて開口部701を開放することで、外部から排気手段600にアクセス可能となり、排気手段600を容易に清掃することができる。
【0077】
また、封止部材501を清掃するときなどには、例えば、メンテナンス手段500を、図14の封止位置から図16の清掃位置に移動させ、封止部材501を開口部701に臨ませる。
【0078】
これにより、開閉部材702を開いて開口部701を開放することで、外部から封止部材501及び排気手段600にアクセス可能となり、封止部材501を容易に清掃することができるとともに、排気手段600も容易に清掃することができる。
【0079】
なお、上記実施形態においては、付与対象を布地とする装置で説明しているが、布地以外のシート材を付与対象とする液体を吐出する装置などにも同様に本発明を適用することができる。
【0080】
本願において、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備
え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置に
は、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけでなく、液体を
気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0081】
この「液体を吐出する装置」は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙に係わる手
段、その他、前処理装置、後処理装置なども含むことができる。
【0082】
例えば、「液体を吐出する装置」として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装
置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、粉体を層状に形
成した粉体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0083】
また、「液体を吐出する装置」は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像
が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパター
ン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0084】
上記「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着するすべてのものが含まれる。
【0085】
上記「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなど液体が一時的でも付着可能であればよい。
【0086】
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであればよく、特に限定されないが、常温、常圧下において、または加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、などを含む溶液、懸濁液、エマルジョンなどであり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0087】
また、「液体を吐出する装置」は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置などが含まれる。
【0088】
また、「液体を吐出する装置」としては他にも、用紙の表面を改質するなどの目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置などがある。
【符号の説明】
【0089】
1 印刷装置
10 装置本体
100 印刷手段
101 ヘッド
102 キャリッジ
300 支持手段
301 ステージ
302 スライダ
310 開口部
500 メンテナンス手段
501 封止部材(キャップ)
502 封止部材ホルダ
図1
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図16