(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】イメージセンサ及びその形成方法
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20241128BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20241128BHJP
H01L 21/76 20060101ALI20241128BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L21/02 B
H01L21/76 L
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022009268
(22)【出願日】2022-01-25
【審査請求日】2022-01-25
(32)【優先日】2021-04-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】高 敏峰
(72)【発明者】
【氏名】楊 敦年
(72)【発明者】
【氏名】劉 人誠
(72)【発明者】
【氏名】郭 文昌
(72)【発明者】
【氏名】黄 詩涵
【審査官】渡邊 佑紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-012043(JP,A)
【文献】特開2017-212453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0096929(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0135789(US,A1)
【文献】特開2013-175494(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 21/02
H01L 21/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
イメージセンサであって、
表側及び前記表側の反対側の裏側を有するイメージセンシングダイと、
前記イメージセンシングダイ内において隣り合わせに配置され、第1のドープ型を有する第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素と、
前記第1のイメージセンシング要素及び前記第2のイメージセンシング要素に重ね合わせられるように、前記イメージセンシングダイの裏側に沿って配置され、第1の高誘電率層と、前記第1の高誘電率層の上方に配置され、且つ、前記第1の高誘電率層に直接接する、第2の高誘電率層とを備える画素誘電体スタックと、
前記第1のイメージセンシング要素及び前記第2のイメージセンシング要素の間に配置され、前記イメージセンシングダイの前記裏側から前記イメージセンシングダイ内の位置まで延設され、隔離誘電体スタックに包囲されるトレンチ充填層を備える裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造と、を備え、
前記画素誘電体スタックは、前記隔離誘電体スタックの第2の組成とは異なる第1の組成を有し、
前記第2の高誘電率層は、前記BDTI構造には存在しない、イメージセンサ。
【請求項2】
前記第1の高誘電率層は、前記隔離誘電体スタックの一部として、前記トレンチ充填層に沿って下方に延設される請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項3】
前記第2の高誘電率層は、前記BDTI構造の上面全体を被覆する請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項4】
前記第1の高誘電率層及び前記第2の高誘電率層は、前記隔離誘電体スタックの側壁で終わり、前記側壁に直接接触する請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項5】
前記隔離誘電体スタックは、隔離誘電体ライナを備え、
前記隔離誘電体ライナは、前記第1のイメージセンシング要素及び前記第2のイメージセンシング要素の上方には延設されていない、請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項6】
前記隔離誘電体スタックは、前記隔離誘電体ライナと前記トレンチ充填層との間に配置された隔離導電性ライナをさらに備え、前記トレンチ充填層は、誘電材料を含む、請求項5に記載のイメージセンサ。
【請求項7】
前記第1のイメージセンシング要素と前記第2のイメージセンシング要素との間に配置され、前記イメージセンシングダイの前記表側から前記イメージセンシングダイ内の位置まで延設される第2のドープ型のドープアイソレーションウェルをさらに備え、
前記ドープアイソレーションウェルは、前記BDTI構造によって凹んだ上面を有する請求項1に記載のイメージセンサ。
【請求項8】
イメージセンサであって、
表側及び前記表側の反対側の裏側を有するイメージセンシングダイと、
前記イメージセンシングダイ内に配置され、第1のドープ型を有するイメージセンシング要素と、
前記イメージセンシング要素を包囲し、前記イメージセンシングダイの前記裏側から前記イメージセンシングダイ内の位置まで延設された裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造であって、前記BDTI構造は、第1の高誘電率層に包囲されるトレンチ充填層を備え、前記第1の高誘電率層は、前記トレンチ充填層の底面及び側壁面に沿って配置され、さらに上方に延設されて前記イメージセンシング要素の横面を被覆する前記BDTI構造と、
前記第1の高誘電率層上に配置され、且つ、前記第1の高誘電率層に直接接し、横に延設されて前記トレンチ充填層の上面を被覆する第2の高誘電率層と、を備え、
前記第2の高誘電率層は、前記BDTI構造には存在しない、イメージセンサ。
【請求項9】
イメージセンサの形成方法であって、
イメージセンシングダイの表側から、基板内に、第1のドープ型でフォトダイオードドーピング層を形成することと、
前記イメージセンシングダイの裏側から、前記フォトダイオードドーピング層を第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素に分離するディープトレンチを形成することと、
前記ディープトレンチの底面及び側壁面に沿い、さらに前記第1のイメージセンシング要素及び前記第2のイメージセンシング要素の横面に沿って上方に延設される第1の高誘電率層及び隔離誘電体ライナを形成することと、
前記ディープトレンチの内側スペース内にトレンチ充填層を形成
して、前記第1の高誘電率層及び前記隔離誘電体ライナに包囲される前記トレンチ充填層を備える裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を形成することと、
前記第1の高誘電率層及び前記トレンチ充填層の上面上に、第2の高誘電率層を形成することであって、前記第1の高誘電率層の前記上面上に形成された前記第2の高誘電率層は、前記第1の高誘電率層に直接接し、前記BDTI構造には存在しない、前記第2の高誘電率層を形成すること
と、を備えるイメージセンサの形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、イメージセンサ及び同イメージセンサの形成方法全般に関連する。
【背景】
【0002】
今日の電子機器の多くは、イメージセンサを使用した光学撮像装置(例えば、デジタルカメラ)を備える。イメージセンサは、画素センサのアレイと、サポートロジックとを備えてもよい。画素センサは、入射する放射線(例えば、光)を測定してデジタルデータに変換し、サポートロジックは、この測定値の読み出しを促進する。1つの種別のイメージセンサとして、裏面照明型(BSI)イメージセンサ装置がある。BSIイメージセンサ装置は、基板の裏面(複数の金属・誘電層を含む相互接続構造が構築される基板の表側の反対)に向かって投射される光の量を感知するのに使用される。BSIイメージセンサ装置は、表面照明型(FSI)イメージセンサ装置と比較して、相殺的干渉が少ない。
【発明の概要】
【0003】
[技術的課題]
イメージセンサの複数の画素は、各々、隣接する画素間にディープトレンチの格子を形成してこのディープトレンチを埋めることで形成可能な裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を含んでもよい隔離構造により、互いに分離可能である。しかしながら、小型化されたイメージセンサにおいてアスペクト比の高いBDTI構造を形成するのは、難しい挑戦である。例えば、ディープトレンチが狭くなるほど、ディープインプラントを実施すること、又は、ディープトレンチを完全に埋めることは、困難になる。ディープトレンチを埋めるのが不完全になると、結果として、BDTIにボイドを存在させてしまい、イメージセンサの光学的性能及び電気的性能に悪影響を及ぼし得る。以上に鑑み、本開示は、少なくとも、イメージセンサのBDTI構造を形成するためにディープトレンチを埋めることを改善することを目指している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の目的を達成するために、本開示は、イメージセンサであって、表側及び表側の反対側の裏側を有するイメージセンシングダイと、イメージセンシングダイ内において隣り合わせに配置された第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素と、第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素に重ね合わせられるようにイメージセンシングダイの裏側に沿って配置された画素誘電体スタックと、第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素の間に配置され、イメージセンサダイの裏側からイメージセンサダイ内の位置まで延設された裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造と、を備えるイメージセンサを提供する。第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素は、第1のドープ型を有する。画素誘電体スタックは、第1の高誘電率層と、第1の高誘電率層の上方に配置された第2の高誘電率層と、を備える。BDTI構造は、隔離誘電体スタックに包囲されたトレンチ充填層を備える。画素誘電体スタックは、隔離誘電体スタックとの第2の組成とは異なる第1の組成を有する。
【0005】
以上の目的を達成するために、本開示は、イメージセンサであって、表側及び表側の反対側の裏側を有するイメージセンシングダイと、イメージセンシングダイ内に配置され、第1のドープ型を有するイメージセンシング要素と、イメージセンシング要素を包囲し、イメージセンサダイの裏側からイメージセンサダイ内の位置まで延設された裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造であって、BDTI構造は、第1の高誘電率層に包囲されるトレンチ充填層を備え、第1の高誘電率層は、トレンチ充填層の底面及び側壁面に沿って配置され、上方に延設されてイメージセンシング要素の横面を被覆するBDTI構造と、第1の高誘電率層上に配置され、横に延設されてトレンチ充填層の上面を被覆する第2の高誘電率層と、を備えるイメージセンサを提供する。
【0006】
以上の目的を達成するために、本開示は、イメージセンサの形成方法であって、イメージセンシングダイの表側から、基板内に、第1のドープ型でフォトダイオードドーピング層を形成することと、イメージセンシングダイの裏側から、フォトダイオードドーピング層を第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素に分離するディープトレンチを形成することと、ディープトレンチの底面及び側壁面に沿い、さらに第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素の横面に沿って上方に延設される第1の高誘電率層及び隔離誘電体ライナを形成することと、ディープトレンチの内側スペース内にトレンチ充填層を形成することと、第1の高誘電率層及びトレンチ充填層の上面に、第2の高誘電率層を形成することと、を備えるイメージセンサの形成方法を提供する。
【発明の効果】
【0007】
画素間のBDTI構造が各画素に重ね合わせられる画素誘電体スタックと異なる誘電体組成を有することで、BDTI構造を形成するためのディープトレンチがより良好に埋められ、画素誘電体スタックが、より高いフレキシビリティを備えるように形成可能である。結果として、イメージセンサの光学的性能及び電気的性能が改善される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本開示の態様は、以下の詳細な説明を添付の図面とともに読むことで最もよく理解される。なお、当分野の標準的な慣行により、種々の特徴が正寸でない。実際のところ、種々の特徴の寸法は、検討を明確に行うため、任意で増減され得る。
【
図1】
図1は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造に包囲されるイメージセンシング要素を備えるイメージセンサのいくつかの実施形態の横断面図を示している。
【
図2】
図2は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造に包囲されるイメージセンシング要素を備えるイメージセンサのいくつかの代替実施形態の横断面図を示している。
【
図3】
図3は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造に包囲されるイメージセンシング要素を備えるイメージセンサのいくつかの代替実施形態の横断面図を示している。
【
図4】
図4は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造に包囲されるイメージセンシング要素を備えるイメージセンサのいくつかの代替実施形態の横断面図を示している。
【
図5】
図5は、ともに接合されているイメージセンシングダイ及びロジックダイを備える集積チップのいくつかの実施形態の横断面図を示しており、ここでイメージセンシングダイは、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造に包囲されるイメージンシング要素を備える。
【
図6】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図7】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図8】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図9】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図10】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図11】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図12】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図13】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図14】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図15】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図16】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図17】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図18】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図19】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図20】
図6~
図20は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態を示している横断面図。
【
図21】
図21~25は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの代替実施形態を示している横断面図。
【
図22】
図21~25は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの代替実施形態を示している横断面図。
【
図23】
図21~25は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの代替実施形態を示している横断面図。
【
図24】
図21~25は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの代替実施形態を示している横断面図。
【
図25】
図21~25は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの代替実施形態を示している横断面図。
【
図26】
図26は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法のいくつかの実施形態のフロー図である。
【詳細な説明】
【0009】
以下の開示は、提供する主題の異なる特徴を実装するために、多数の異なる実施形態又は例を提供するものである。本開示を簡易化するために、部品及び配置の具体例を以下に説明する。当然のことながら、これらは単なる例であり、限定が意図されたものではない。例えば、以下の説明において、第2の特徴の上方又は上に第1の特徴を形成するということは、第1及び第2の特徴が直接接触するように形成される実施形態を含んでもよく、第1及び第2の特徴の間に追加の特徴が形成され、第1及び第2の特徴が直接接触しない実施形態も含んでよい。さらに、本開示は、種々の例において、参照番号、及び/又は、符号を繰り返すことがある。この繰り返しは、簡易化及び明確化を目的とするものであり、それ自体が、検討される種々の実施形態間、及び/又は、構成間の関係を示すものではない。
【0010】
さらに、図面に示されるように、1つの要素又は特徴の他の要素又は特徴に対する関係を説明する際、説明を簡単にするために、「下方」、「下」、「下側」、「上方」、「上側」等、空間的に相対的な用語が使用されることがある。これらの空間的に相対的な用語は、図中に描かれる向きに加え、使用中又は動作中の装置の異なる向きも包含することが意図される。装置は、他の向きであってもよく(90度又は他の向きに回転される)、本明細書中で使用される空間的に相対的な表現は、これに応じて同様に解釈されてもよい。
【0011】
集積回路(IC)技術は、常に、改良されてきている。このような改良は、多くの場合、製造コストの低減、素子集積密度の向上、スピードの向上、及びより良好な性能を達成するために、装置を小型化することに関与している。相補型金属酸化物半導体(CMOS)イメージセンサ(CIS)装置は、基板上又は基板内に配置された複数の画素を備える。画素は、イメージセンシング要素を有し、入射光を受光して、入射光を電気信号に変換する。装置の寸法のために、CIS装置の複数の画素は、より小型化され、互いにより接近するようになった。CISの量子効率を改善し、イメージセンサの隣り合う画素間の電気的及び光学的絶縁を改善するために、複数の画素は、隔離構造で互いに分離される。
【0012】
隔離構造は、イメージセンサの隣り合う画素間に裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造を備えてもよい。一種のイメージセンサ製造プロセスには、隣り合う画素間にディープアイソレーショントレンチの格子を形成した後、ディープトレンチを充填して画素の上方に延設される異なる材料の複数の層を形成することを含む。しかしながら、寸法調整したCIS装置に高アスペクト比のBDTI構造を形成することは、難しい挑戦である。例えば、ディープトレンチの横方向寸法を小さくするほど、ディープインプラントを実施したり、又は、ディープトレンチを完全に埋めることは困難になる。ディープトレンチの埋め込みが不完全になると、結果として、BDTI構造にボイドを存在させてしまい、CIS装置の光学的及び電気的な性能に悪影響を及ぼし得る。
【0013】
以上に鑑み、本開示は、裏面構造を備えるイメージセンサと、関連の形成方法とに関する。いくつかの実施形態において、裏面構造は、イメージセンサの隣り合う画素間の裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造と、イメージセンサの各画素に重ね合わせられる画素誘電体スタックと、を備える。画素誘電体スタックは、画素内の光吸収を向上するいくつかの誘電材料を含み、BDTI構造は、画素間のブルーミング及びクロストークを低減する何らか他の誘電材料を含む。画素間のBDTI構造と、各画素とに重ね合わせられる画素誘電体スタックとに、異なる誘電体組成を有することにより、BDTI構造は、より良好に充填可能であり、画素誘電体スタックは、より高いフレキシビリティを備えて形成可能である。結果として、CIS装置の光学的及び電気的性能が改善される。
【0014】
いくつかの実施形態において、イメージセンサは、表側及び表側の反対の裏側を有するイメージセンシングダイを備える。第1のドープ型を有する第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素は、イメージセンシングダイ内で互いに隣り合わせに配置される。画素誘電体スタックは、第1のイメージセンシング要素と第2のイメージセンシング要素とに重ね合わせられるようにイメージセンシングダイの裏側に沿って配置される。画素誘電体スタックは、第1の高誘電率層と、第1の高誘電率層の上方に配置される第2の高誘電率層と、を備える。BDTI構造は、第1のイメージセンシング要素と第2のイメージセンシング要素との間に配置され、イメージセンサダイの裏側からイメージセンサダイ内の位置まで延設される。BDTI構造は、隔離誘電体スタックに包囲されたトレンチ充填層を備える。以上に討論したとおり、画素誘電体スタックは、隔離誘電体スタックの第2の組成とは異なる第1の組成を有する。
【0015】
いくつかのさらなる実施形態において、第1の高誘電率層は、隔離誘電体スタックの一部として、トレンチ充填層に沿って下方に延設される。第2の高誘電率層は、第1の高誘電率層上に配置され、トレンチ充填層の上面を被覆するように横方向に延設されてもよい。いくつかの代替実施形態において、第1の高誘電率層及び第2の高誘電率層は、隔離誘電体スタックの側壁において終わり、これに直接接触する。隔離誘電体スタックは、二酸化ケイ素又は高誘電材料の隔離誘電体ライナを備えてもよい。隔離誘電体スタックは、隔離誘電体ライナとトレンチ充填層との間に配置される隔離導電性ライナをさらに備えてもよい。トレンチ充填層は、金属であってもよく、又は金属からなってもよい。
【0016】
図1は、イメージセンサ100の横断面図を示している。イメージセンサ100は、
図1に示される画素領域103a及び103b等、行、及び/又は、列を含むアレイに配置されてもよい複数の画素領域を有するイメージセンシングダイ134を備える。画素領域103a及び103bは、各々、入射した放射線(例えば、フォトン)を電気信号に変換するように構成された第1のイメージセンシング要素104aと第2のイメージセンシング要素104bとを備える。いくつかの実施形態において、イメージセンシング要素104a及び104bは、第1のドープ型(例えば、リン、砒素、アンチモン等のドーパントによるn型ドーピング)を有するフォトダイオードドーピング層130又はドーピングウェルのフォトダイオードドーピング列又は部分である。イメージセンシング要素104a及び104bは、第1のドープ型とは異なる第2のドープ型(例えば、ホウ素、アルミニウム、インジウム等のドーパントによるp型ドーピング)を有するドープ基板又はウェル等、隣の第2の領域(
図1では省略)上又はその内部に配置されてもよい。
【0017】
イメージセンシングダイ134は、表側122と、裏側124と、を有する。BDTI構造111は、第1のイメージセンシング要素104aと第2のイメージセンシング要素104bとの間に配置され、イメージセンシングダイ134の裏側124から、イメージセンシングダイ134内の位置まで延設される。いくつかの実施形態によると、BDTI構造111は、隔離誘電体スタック128に包囲されたトレンチ充填層112を備える。隔離誘電体スタック128は、トレンチ充填層112の底面及び側壁面をライニングする隔離誘電体ライナ118を備えてもよい。隔離誘電体スタック128は、画素領域103a及び103b間のブルーミング及びクロストークを低減する何らか他の共形の誘電体層をさらに備えてもよい。
【0018】
画素誘電体スタック126は、第1のイメージセンシング要素104a及び第2のイメージセンシング要素104bに重ね合わせられるようにイメージセンシングダイ134の裏側124に沿って配置される。画素誘電体スタック126は、隔離誘電体スタック128の第2の組成とは異なる第1の組成を有する。画素誘電体スタック126は、画素領域103a及び103b内の光吸収を向上する誘電材料を含み、より厚い厚さを有してもよい。BDTI構造111と画素誘電体スタック126とに異なる誘電体組成を有することにより、BDTI構造111は、より良好に充填可能となり、画素誘電体スタック126は、より高いフレキシビリティを備えて配置可能である。いくつかの実施形態において、平坦層120が、画素誘電体スタック126上に形成され、上面を平坦化する。いくつかの実施形態において、平坦層120、又は平坦層120の上方に配置された追加の誘電体層は、底部反射防止層(BARL)として機能し、入射したフォトンの反射を低減してもよい。いくつかの実施形態において、平坦層120は、例えば、酸窒化ケイ素、又は何らか他の好適な反射防止材料であるか、又はこれからなってもよい。結果として、イメージセンサ100の光学的及び電気的な性能が改善される。
【0019】
いくつかの実施形態において、画素誘電体スタック126は、第1の高誘電率層114と、第1の高誘電率層114の上方に配置された第2の高誘電率層116と、を備える。第2の高誘電率層116は、第1の高誘電率層114の直上に配置されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の高誘電率層114は、隔離誘電体スタック128の一部として、トレンチ充填層112の底面及び側壁面に沿って下方に延設される。第1の高誘電率層114は、共形の層であってもよい。第2の高誘電率層116は、トレンチ充填層112又はBDTI構造111の上面全体を被覆してもよい。第2の高誘電率層116には、BDTI構造111がなくてもよい。
【0020】
いくつかの実施形態において、第1の高誘電率層114は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、又は酸化ハフニウムアルミニウム(HfAlO)であるか、これからなる。第2の高誘電率層116は、酸化タンタル(Ta
2O
5)であるか、これからなる。他の適用可能な高誘電材料も、本開示の範囲内である。形成時にオーバーハングを生じやすい酸化タンタル(Ta
2O
5)又はその他同様の高誘電材料は、BDTI構造111には望ましくない。アイソレーショントレンチ内にこのような種別の材料を充填すると、BDTI構造111中にボイドを生じることがあり、イメージセンサ100の光学的及び電気的な性能に悪影響を及ぼしてしまう。隔離誘電体ライナ118は、二酸化ケイ素であるか、又はこれからなる。或いは、隔離誘電体ライナ118は、高誘電材料であるか、又はこれからなる。トレンチ充填層112は、アルミニウム、ルテニウム等の金属であるか、又はこれからなる。或いは、トレンチ充填層112は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び/又は、その他の適用可能な誘電材料等の誘電材料であるか、又はこれからなる。いくつかの実施形態において、第1の高誘電率層114は、約30Å~約500Å(一例として、120Å)の範囲内の厚さを有してもよい。隔離誘電体ライナ118は、約50Å~約3000Å(同一例において、200Å)の範囲内の厚さを有してもよい。第2の高誘電率層116は、約200Å~約1500Å(同一例において、400Å)の範囲内の厚さを有してもよい。いくつかの実施形態において、BDTI構造111は、約1.5μm~約5μmの範囲内の深さを有してもよい。BDTI構造111の横方向寸法は、約0.1μm~約0.3μmの範囲を有してもよい。BDTI構造111の横方向寸法は、(例えば、
図1~
図5に関連して説明したとおり)BDTI構造111内の誘電層及び導電層の形成を行うのに十分でなければならない。
【0021】
第1の高誘電率層114及び第2の高誘電率層116は、画素領域103a及び103b内の光吸収を促進する。第2の高誘電率層116は、第1の高誘電率層114よりも厚くてよい。いくつかの実施形態において、第2の高誘電率層116は、第1の高誘電率層114より約2倍以上厚い。第1の高誘電率層114がより薄く、より共形であるほど、ディープトレンチをより良好に充填し、より整合性の高いBDTI構造111を形成する助けとなる。第1の高誘電率層114は、トレンチのエッチングによって生じる表面損傷を防止する保護層としても作用してよい。隔離誘電体ライナ118は、入射光を吸収又は反射し、画素領域103a及び103b間のブルーミング及びクロストークを低減する助けとなってもよい。第2の高誘電率層116は、厚いほど、画素領域103a及び103b内の光吸収を向上する助けとなる。
【0022】
いくつかの実施形態において、複数のカラーフィルタ154が、イメージセンシングダイ134の裏側124上方に配置される。複数のカラーフィルタ154は、各々、入射した放射線のうち、特定の波長を通過させるように構成される。例えば、第1のカラーフィルタ(例えば、赤色のカラーフィルタ)は、第1の範囲内の波長を有する光を通過させてもよく、第2のカラーフィルタは、第1の範囲とは異なる第2の範囲内の波長を有する光を通過させてもよい。いくつかの実施形態において、これら複数のカラーフィルタ154は、画素領域103a及び103bのイメージングセンサ要素104a及び104bに重ね合わせられるように格子構造内に配置されてもよい。
【0023】
図2は、他のいくつかの実施形態に係る、BDTI構造111に包囲されたイメージセンシング要素104a及び104bを備えるイメージセンサ200の横断面図を示している。
図1に示されたイメージセンサ100の特徴と、その他の特徴とは、適用可能なときには、イメージセンサ200に組み込むこともできる。さらに、
図1の代替となるいくつかの実施形態において、画素誘電体スタック126は、隔離誘電体スタック128の側壁で終わり、これに直接接触する第1の高誘電率層114及び第2の高誘電率層116を備える。いくつかの実施形態において、隔離誘電体スタック128は、隔離誘電体ライナ118を備えてもよい。いくつかの実施形態において、隔離誘電体ライナ118は、二酸化ケイ素であるか、又はこれからなる。或いは、隔離誘電体ライナ118は、酸化アルミニウム(Al
2O
3)、酸化ハフニウム(HfO
2)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、又は酸化ハフニウムアルミニウム(HfAlO)であるか、又はこれからなる。形成時によりオーバーハングを生じやすい酸化タンタル(Ta
2O
5)又はその他同様の高誘電材料を使用して、第2の高誘電率層116を形成してもよいが、BDTI構造111内の隔離誘電体ライナ118には望ましくない。アイソレーショントレンチ内にこれらの種別の材料を埋め込むことで、BDTI構造111内にボイドを生じることがあり、イメージセンサ200の光学的及び電気的な性能に悪影響を与えてしまう。
【0024】
図3は、何らか他の実施形態に係る、BDTI構造111に包囲されたイメージセンシング要素104a及び104bを備えるイメージセンサ300の横断面図を示している。
図1及び
図2に示されるイメージセンサ100及び200と、他の図面に示されるイメージセンサとの特徴は、適用可能時、イメージセンサ300に組み込まれ得る。また
図1及び
図2の代替のいくつかの実施形態において、隔離誘電体スタック128は、隔離誘電体ライナ118とトレンチ充填層112との間に配置された隔離導電性ライナ302をさらに備える。隔離導電性ライナ302は、アルミニウム、ルテニウム等の金属であってもよいか、又はこれからなってもよい。トレンチ充填層112は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、及び/又は、その他の適用可能な誘電材料等の誘電材料であってもよく、又はこれからなってもよい。いくつかの実施形態において、動作中、隔離導電性ライナ302は、負にバイアス可能であり、正の電荷を誘発して、BDTI構造111の側壁への損傷を回復することで、性能を改善することができる。
【0025】
図4は、他のいくつかの実施形態に係る、BDTI構造111に包囲されたイメージセンシング要素104a及び104bを備えるイメージセンサ400の横断面図を示している。
図1~
図3に示されるイメージセンサ100~300と、他の図面に示されるイメージセンサとの特徴は、適用可能時、イメージセンサ400に組み込まれ得る。また
図1~
図3の代替のいくつかの実施形態において、BDTI構造111内のトレンチ充填層112は、上方に延設され、イメージセンシングダイ134の裏側124に沿って横に配置されてもよい。そして平坦層120は、入射したフォトンの反射を低減する底部反射防止層(BARL)として、トレンチ充填層112上に配置される。いくつかの実施形態において、平坦層120は、例えば、酸窒化ケイ素又は何らか他の好適な反射防止材料であってもよく、又はこれからなってもよい。
【0026】
図5は、何らか他の実施形態に係る、ともに接合されたイメージセンシングダイ134とロジックダイ136とを備える集積チップ500の横断面図を示しており、イメージセンシングダイ134は、BDTI構造111に包囲されたイメージセンシング要素104を有する。
図1~
図4に示されるイメージセンサ100~400と、他の図面に示されるイメージセンサとの特徴は、適用可能時、イメージセンシングダイ134に組み込まれ得る。いくつかの実施形態において、フォトダイオードドーピング層130は、アレイディープn型ウェル131と、n型フォトダイオード層132と、を備える。BDTI構造111は、
図1に示されるとおり、アレイディープn型ウェル131を通じて、イメージセンシングダイ134の裏側124から延設されてもよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、ドープシャローアイソレーションウェル110は、隣接する画素領域103a及び103bの間に配置され、これらを隔離し、イメージセンシングダイ134の表側122からフォトダイオードドーピング層130内の位置まで延設される。ドープシャローアイソレーションウェル110は、第2のドープ型(例えば、p型ドーピング)を有してもよい。いくつかの実施形態において、BDTI構造111の底部は、ドープシャローアイソレーションウェル110の凹んだ上面内に配置されてもよい。この場合、ドープシャローアイソレーションウェル110は、BDTI構造111の深さの半分未満、又は1/4未満に達してもよい。ドープシャローアイソレーションウェル110は、BDTI構造111と縦方向に並べられてもよい(例えば、共通中央線516を共有する)。BDTI構造111及びドープシャローアイソレーションウェル110は、まとめて、画素領域103a及び103bに対する隔離体として機能することで、画素領域103a及び103b間のクロストーク及びブルーミングが低減できるようにする。ドープシャローアイソレーションウェル110はまた、さらにp型ドーパントをイメージセンシング要素104に与えることにより、動作中、イメージセンシング要素104の空乏を促進し、ウェルの完全容量を向上するようにする。
【0028】
いくつかの実施形態において、フローティングディフュージョンウェル204は、イメージセンシングダイ134の表側122からフォトダイオードドーピング層130内の位置まで、隣接する画素領域103a及び103b間に配置される。いくつかの実施形態において、BDTI構造111は、フローティングディフュージョンウェル204に重なり合う位置まで延設される。BDTI構造111及びフローティングディフュージョンウェル204は、縦方向に並べられてもよい(例えば、共通中央線516を共有する)。トランスファーゲート202は、イメージセンシング要素104とフローティングディフュージョンウェル204との間の横方向位置にて、イメージセンシングダイ134の表側122に沿って配置される。トランスファーゲート202は、イメージセンシングダイ134の表側122からn型フォトダイオード層132内の位置まで延設されてもよい。動作中、トランスファーゲート202は、イメージセンシング要素104からフローティングディフュージョンウェル204までの電荷移送を制御する。フローティングディフュージョンウェル204内で電荷レベルが十分に高い場合、ソースフォロワトランジスタ(図示せず)が起動され、対応に使用される行選択トランジスタ(図示せず)の動作に応じて、電荷が選択的に出力される。リセットトランジスタ(図示せず)を使用して、露出期間の間でイメージセンシング要素104をリセットすることができる。
【0029】
シャロートレンチアイソレーション(STI)構造514は、イメージセンシングダイ134の表側122からフォトダイオードドーピング層130内の位置まで、隣接する画素領域103a及び103bの間に配置されてもよい。STI構造514及びBDTI構造111は、縦方向に並べられてもよい(例えば、共通中央線を共有し、これはドープシャローアイソレーションウェル110とは中央線を共有してもよく、共有しなくてもよい)。いくつかの実施形態において、ドープシャローアイソレーションウェル110は、イメージセンシングダイ134の表側122からフォトダイオードドーピング層130内の位置までまで延設され、STI構造514を包囲する。いくつかの代替実施形態において、ドープシャローアイソレーションウェル110は、STI構造514を、フォトダイオードドーピング層130、及び/又は、BDTI構造111から分離してもよい。BDTI構造111、ドープシャローアイソレーションウェル110、及びSTI構造514は、まとめて、画素領域103a及び103bの隔離体として機能することで、画素領域103a及び103bの間のクロストーク及びブルーミングを低減できるようにする。
【0030】
イメージセンシングダイ134は、画素領域103a及び103bの間に配置された複合体格子506をさらに備えてもよい。複合体格子506は、イメージセンシングダイ134の裏側124にて、互いに重ね合わせられた金属層502と誘電体層504とを備えてもよい。誘電体ライナ508は、複合体格子506の側壁及び上部をライニングする。金属層502は、タングステン、銅、アルミニウム銅、又は窒化チタニウムのうちの1つ以上の層であってもよく、又はこれからなってもよい。金属層502は、約100nm~約500nmの厚さ範囲を有してもよい。誘電体層504は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はこれらの組み合わせの1つ以上の層であってもよく、又はこれからなってもよい。誘電体層504は、約200nm~約800nmの厚さ範囲を有してもよい。誘電体ライナ508は、二酸化ケイ素等の酸化物であってもよく、又はこれからなってもよい。誘電体ライナ508は、約5nm~約50nmの厚さ範囲を有してもよい。他の適用可能な金属材料も、本開示の範囲内である。
【0031】
金属化スタック108は、イメージセンシングダイ134の表側122上に配置されてもよい。金属化スタック108は、1つ以上のレベル間誘電層(ILD層)106内に配置された複数の金属相互接続層を備える。ILD層106は、低誘電率層(すなわち、約3.9未満の誘電係数を有する誘電体)、超低誘電率層、又は酸化物(例えば、酸化ケイ素)のうちの1つ以上を備えてもよい。いくつかの代替実施形態において、BDTI構造111は、フォトダイオードドーピング層130を通じて延設され、ILD層106、又はトランスファーゲート202のゲート誘電体等のトランジスタ素子のゲート誘電体層に達してもよい。
【0032】
ロジックダイ136は、ロジック基板140上方に配置されたロジック素子142を備えてもよい。ロジックダイ136は、ロジック素子142の上側のILD層146内に配置された金属化スタック144をさらに備えてもよい。イメージセンシングダイ134及びロジックダイ136は、表側同士を向かい合わせて、表側と裏側を向かい合わせて、又は裏側同士を向かい合わせて接合されてもよい。一例として、
図5は、表側同士を向かい合わせた接合構造を示しており、中間接合誘電層138及び148の対と接合パッド150及び152とが、イメージセンシングダイ134とロジックダイ136との間に配置され、各々、融着又は共晶接合構造で金属化スタック108及び144を接合する。
【0033】
いくつかの実施形態において、複数のマイクロレンズ156は、複数のカラーフィルタ154の上方に配置される。各マイクロレンズ156は、カラーフィルタ154と横方向に並べられ、画素領域103a及び103b上に重ねられる。いくつかの実施形態において、複数のマイクロレンズ156は、複数のカラーフィルタ154に当接する略平坦な底面と、曲面状の上面と、を有する。曲面状の上面は、下地となる画素領域103a及び103bに向かって入射した放射線158を集束するように構成される。集積チップ500の動作中、入射した放射線158は、マイクロレンズ156により、下地となる画素領域103a及び103bに向かって集束される。十分なエネルギーの入射放射線又は入射光がイメージセンシング要素104にぶつかると、光電流を生じる電子-正孔対を生成する。なお、
図5中、イメージセンサ上に固定されるものとして複数のマイクロレンズ156が示されているが、イメージセンサは、マイクロレンズを備えなくてもよく、マイクロレンズは、別の製造活動において、イメージセンサに取り付けられてもよいことが理解される。
【0034】
図6~
図20は、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法を示した横断面
図600~2000のいくつかの実施形態を示している。いくつかの実施形態において、BDTI構造の形成は、イメージセンシングダイの裏側からディープトレンチを形成した後、ディープトレンチの側壁面及び底面に沿って隔離誘電体スタックを形成すること、ディープトレンチの残りのスペース内にトレンチ充填層を形成することと、を備える。画素誘電体スタックは、イメージセンシング要素に重ね合わせられるようにイメージセンシングダイの裏側に沿って形成される。異なる誘電体組成の画素誘電体スタックと隔離誘電体スタックとを形成することにより、ディープトレンチをより良好に埋めることができ、画素誘電体スタックは、より高いフレキシビリティを備えて形成可能である。結果として、CIS装置の光学的及び電気的な性能が改善される。
【0035】
図6の横断面
図600に示されるとおり、基板102を、イメージセンシングダイ134用に準備する。種々の実施形態において、基板102は、半導体ウェーハ又はウェーハ上の1つ以上のダイ等、任意の種別の半導体本体(例えば、シリコン/ゲルマニウム/CMOSバルク、SiGe、SOI等)と、その上、及び/又は、それに関連して形成された、他の任意の種別の半導体、及び/又は、エピタキシャル層と、を備えてもよい。一例として、画素領域103a及び103b内に形成された複数のイメージセンシング要素104を含む第1のドープ型のフォトダイオードドーピング層130が、ハンドリング基板上又はハンドリング基板内に形成される。いくつかの実施形態において、フォトダイオードドーピング層130は、p型基板又はウェル内にアレイディープn型ウェル131等のドーピングウェルを形成した後、アレイディープn型ウェル131上にn型フォトダイオード層132を形成することによって形成される。アレイディープn型ウェル131及びn型フォトダイオード層132は、例えば、イオン注入又は何らか他の好適なドーピングプロセスであってもよいか、又はこれからなってもよいドーピングプロセスによって形成されてもよい。いくつかの実施形態において、n型フォトダイオード層132は、フォトレジストを含むパターン化されたマスキング層(図示せず)に応じて、選択的に注入されてもよい。いくつかの代替実施形態において、フォトダイオードドーピング層130は、エピタキシャルプロセスにより、基板102上に形成される。
【0036】
図7の横断面
図700に示されるとおり、いくつかの実施形態において、ドーパント種が、基板102内に注入されて、ドープ領域を形成する。複数のドープシャローアイソレーションウェル110は、隣接する画素領域103a及び103bの間のフォトダイオードドーピング層130内にp型ドーパント種を注入することによって形成されてもよい。p型ピンニング層133は、n型フォトダイオード層132上に形成されてもよい。複数のドープシャローアイソレーションウェル110及びp型ピンニング層133は、イメージセンシングダイ134の表側122から形成されてもよい。
【0037】
図7にも示されるとおり、複数のSTI構造514は、イメージセンシングダイ134の表側122から、隣接する画素領域103a及び103bの境界、及び/又は、これらの間に形成されてもよい。1つ以上のSTI構造514は、イメージセンシングダイ134の表側122を選択的にエッチングすることでシャロートレンチを形成し、次いでシャロートレンチ内に酸化物を形成することにより、形成されてもよい。STI構造514は、各々、ドープシャローアイソレーションウェル110と中央に並べられてもよい。
【0038】
図8の横断面
図800に示されるとおり、いくつかの実施形態において、トランスファーゲート202は、イメージセンシングダイ134の表側122の上方に形成される。トランスファーゲート202は、ゲート誘電体層及びゲート電極層を堆積及びパターニングしてゲート誘電体802及びゲート電極804を形成することにより、形成されてもよい。いくつかの実施形態において、トレンチは、イメージセンシングダイ134の表側122からn型フォトダイオード層132内の位置まで延設されるように形成されてもよく、トランスファーゲート202は、次いで、トレンチ内、且つ、イメージセンシングダイ134の表側122の上方に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、注入プロセスは、イメージセンシングダイ134の表側122内で実施され、トランスファーゲート202の一方側又は、一対のトランスファーゲート202の両側に沿って、フローティングディフュージョンウェル204を形成する。
【0039】
図9の横断面
図900に示される通り、いくつかの実施形態において、金属化スタック108は、イメージセンシングダイ134の表側122上に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、金属化スタック108の形成は、ILD層106の形成を含んでもよい。ILD層106は、イメージセンシングダイ134の表側122上にILD材料の1つ以上の層を備える。次いで、ILD層106がエッチングされ、ビアホール、及び/又は、トレンチを形成する。ビアホール、及び/又は、トレンチには、その後、導電材料が埋め込まれ、複数の金属相互接続ビア510及び金属線512を形成する。いくつかの実施形態において、ILD層106は、物理気相堆積技術(例えば、PVD、CVD等)によって堆積されてもよい。複数の金属相互接続層は、堆積プロセス、及び/又は、めっきプロセス(例えば、電気めっき、無電解めっき等)を使用して形成されてもよい。種々の実施形態において、複数の金属相互接続層は、例えば、タングステン、銅、又はアルミニウム銅を含んでもよい。
【0040】
図10の横断面
図1000に示されるとおり、いくつかの実施形態において、イメージセンシングダイ134は、その後、1つ以上の他のダイに接合可能である。例えば、イメージセンシングダイ134は、ロジック素子142を含むために準備されたロジックダイ136に接合可能である。イメージセンシングダイ134及びロジックダイ136は、表側同士を向かい合わせて、表側と裏側とを向かい合わせて、又は裏側同士を向かい合わせて接合されてもよい。例えば、接合プロセスでは、一対の中間接合誘電体層138及び148と、接合パッド150及び152とを使用して、イメージセンシングダイ134及びロジックダイ136の金属化スタック108及び144を接合してもよい。接合プロセスは、融着又は共晶接合プロセスを含んでもよい。接合プロセスはまた、接合パッド150及び152の金属同士の接合と、中間接合誘電体層138及び148の誘電体同士の接合と、を含むハイブリッド接合プロセスも備えてもよい。ハイブリッド接合プロセスの後に、アニールプロセスが行われてもよく、このアニールプロセスは、例えば、約250℃~約450℃の温度範囲で、約0.5時間~約4時間の範囲の時間、実施されてもよい。
【0041】
図11の横断面
図1100に示されるとおり、いくつかの実施形態において、ディープトレンチ1202は、イメージセンシング要素104を横方向に分離するようにイメージセンシングダイ134の裏側124から形成される。いくつかの実施形態において、フォトダイオードドーピング層130は、イメージセンシングダイ134の裏側124上にマスキング層を形成し、フォトダイオードドーピング層130を、マスキング層で被覆されていない領域においてエッチング剤に露出することにより、エッチングされてもよい。いくつかの代替実施形態において、基板102又はフォトダイオードドーピング層130は、ディープトレンチ1202を形成するとき、深さ方向に完全にエッチングされ、ディープトレンチ1202は、基板102を通じて延設され、ILD層106に到達してもよく、完全な隔離が達成されるようにする。種々の実施形態において、マスキング層は、フォトリソグラフィプロセスを使用してパターニングされたフォトレジスト又は窒化物(例えば、SiN)を含んでもよい。マスキング層は、約200オングストローム(Å)~約1000オングストローム(Å)の厚さ範囲の原子層堆積(ALD)又はプラズマCVD酸化物層も含んでよい。種々の実施形態において、エッチング剤は、フッ素種(例えば、CF
4、CHF
3、C
4F
8等)を含むエッチングケミストリを有するドライエッチング剤、又はウェットエッチング剤(例えば、フッ化水素酸(HF)又はテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH))を含んでもよい。ディープトレンチ1202は、約1.5μm~約5μmの深さ範囲を有してもよい。横方向寸法は、約0.1μm~約0.3μmの範囲を有してもよい。ディープトレンチ1202を形成するエッチングプロセスは、ドライエッチングと、アンダーカットプロファイルを生じ得るウェットエッチングとを含む異方性エッチングプロセスを含んでもよい。いくつかの実施形態において、ディープトレンチ1202を形成するエッチングは、ディープトレンチ1202の上方側壁から、アレイディープn型ウェル131の横平面に直角な垂直線まで、約8°~15°の範囲の傾倒角度を有した傾倒先端部を、ディープトレンチ1202の上方角部に導入してもよい。いくつかの代替実施形態において、傾倒先端部は、約8°より小さい。傾倒先端部は、その後、洗浄プロセスで除去又は低減されて、ディープトレンチ1202に平滑な側壁と、傾倒の低減されたネックとを残してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態において、イメージセンシングダイ134が、ディープトレンチ1202の形成に先立って、裏側124上で薄化される。薄化プロセスでは、p型基板(
図10参照)を部分的又は完全に除去して、放射線がイメージセンシングダイ134の裏側124を通じてイメージセンシング要素104に到達できるようにしてもよい。いくつかの実施形態において、イメージセンシングダイ134は、薄化され、イメージセンシング要素104を露出することにより、放射線がより容易にフォトダイオード上に到達できるようにする。その後、後に形成されたBDTI構造(例えば、
図13のBDTI構造111を参照)が、イメージセンシング要素104の表面に到達するように形成されてもよい。薄化プロセスは、イメージセンシングダイ134の裏側124のエッチング又は機械研削によって実施されてもよい。エッチング剤の例として、フッ化水素/硝酸/酢酸(HNA)が含まれてもよい。その後、化学機械プロセス及びテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)ウェットエッチが続いて行われ、イメージセンシングダイ134をさらに薄化してもよい。
【0043】
図12の横断面
図1200に示されるとおり、いくつかの実施形態において、その後、ディープトレンチ1202には、誘電材料が埋め込まれる。いくつかの実施形態において、第1の高誘電率層114が、ディープトレンチ1202内に形成される。第1の高誘電率層114は、堆積技術によって形成されてもよく、酸化ケイ素より誘電係数の大きい酸化アルミニウム(AlO)、酸化ハフニウム(HfO)、又はその他の誘電材料を含んでもよい。第1の高誘電率層114は、ディープトレンチ1202の側壁面及び底面をライニングする。いくつかの実施形態において、第1の高誘電率層114は、共形、且つ、ディープトレンチ1202間のイメージセンシングダイ134の裏側124上方に延設されるように形成されてもよい。いくつかの実施形態において、その後、隔離誘電体ライナ118が、第1の高誘電率層114上に形成される。隔離誘電体ライナ118は、例えば、二酸化ケイ素で形成されてもよい。隔離誘電体ライナ118は、共形、且つ、イメージセンシングダイ134の裏側124上方に延設されるように形成されてもよい。第1の高誘電率層114及び隔離誘電体ライナ118は、原子層堆積(ALD)又はその他の適用可能な共形堆積技術で形成されてもよい。第1の高誘電率層114は、例えば、約30Å~約500Åの範囲の厚さを有してもよい。隔離誘電体ライナ118は、例えば、約50Å~約3000Åの範囲の厚さを有してもよい。形成時によりオーバーハングを起こしやすい誘電材料は、ディープトレンチ1202内にこの種の材料を埋めると、ディープトレンチ1202に閉じ込められたボイドを生じる可能性があり、イメージセンサの光学的及び電気的な性能に悪影響を及ぼしてしまうことがあるため、ディープトレンチ1202に埋め込まれる誘電材料としては望ましくない。
【0044】
図13の横断面
図1300に示されるとおり、いくつかの実施形態において、トレンチ充填層112は、ディープトレンチ1202の残りの部分を埋め込んで形成される。いくつかの実施形態において、トレンチ充填層112は、アルミニウム、ルテニウム等の金属であるか、又はこれからなる。トレンチ充填層112は、物理気相堆積技術又は化学気相堆積技術を使用して堆積されてもよい。トレンチ充填層112には、イメージセンシング要素104の直上のトレンチ充填層112の横部分を除去する平坦化プロセスが施されてもよい。結果として、BDTI構造111が、裏側124からフォトダイオードドーピング層130内の位置まで延びるように、基板102内に形成される。BDTI構造111は、隣接する画素領域103a及び103b間に形成され、これらを隔離する。
【0045】
図14の横断面
図1400に示されるとおり、いくつかの実施形態において、隔離誘電体ライナ118の横部分が、イメージセンシング要素104に重ね合わせられる領域から除去されてもよい。いくつかの実施形態において、隔離誘電体ライナ118は、例えば、希釈HFを使用して、ウェット浸漬により、部分的に除去される。第1の高誘電率層114及び隔離誘電体ライナ118は、画素領域103a及び103b間のブルーミング及びクロストークを低減する。
【0046】
図15の横断面
図1500に示されるとおり、いくつかの実施形態において、第2の高誘電率層116は、第1の高誘電率層114とトレンチ充填層112との上面上に形成される。いくつかの実施形態において、第2の高誘電率層116は、酸化タンタル(Ta
2O
5)であるか、又はこれからなる。第2の高誘電率層116は、各画素領域103a及び103b内の光吸収を向上する。第2の高誘電率層116は、第1の高誘電率層114より厚く形成されてもよい。
【0047】
図16の横断面
図1600に示されるとおり、いくつかの実施形態において、その後、平坦層120が、第2の高誘電率層116上に配置される。平坦層120は、入射したフォトンの反射を低減する底部反射防止層(BARL)として機能してもよい。いくつかの実施形態において、平坦層120は、例えば、酸窒化ケイ素、又は何らか他の好適な反射防止材料であってもよく、又はこれからなってもよい。
【0048】
図17~
図19は、イメージセンシング要素104aに重ね合わせられるカラーフィルタ154を形成する方法のいくつかの実施形態を示している。
図17の横断面
図1700に示されるとおり、金属層502及び誘電体層504は、イメージセンシングダイ134の裏側124に沿って、基板102の上方に積み重ねられる。金属層502は、タングステン、銅、アルミニウム銅、窒化チタニウムのうちの1つ以上の層であってもよく、又はこれからなってもよい。他の適用可能な金属材料も、本開示の範囲内である。誘電体層504は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上の層であってもよく、又はこれからなってもよい。誘電体層504は、硬質マスク層として機能してもよい。
【0049】
図18の横断面
図1800に示されるとおり、金属層502及び誘電体層504にエッチングが施され、複合体格子506を形成する。開口1802は、イメージセンシング要素104と中央に並べられてもよく、複合体格子506が、イメージセンシング要素104周辺でこれらの間に配置されるようにする。或いは、開口1802は、イメージセンシング要素104から少なくとも1つの方向で、横方向にシフト又はオフセットされてもよく、複合体格子506が少なくとも部分的にイメージセンシング要素104に重ね合わせられるようにする。その後、誘電体ライナ508は、複合体格子506の側壁及び上部をライニングし、開口1802をライニングするように形成される。誘電体ライナ508は、例えば、化学気相堆積(CVD)又は物理気相堆積(PVD)等の共形堆積技術を使用して形成されてもよい。誘電体ライナ508は、例えば、二酸化ケイ素等の酸化物で形成されてもよい。
【0050】
図19の横断面
図1900に示されるとおり、画素センサに対応するカラーフィルタ154が、対応する画素センサの開口1802内に形成される。カラーフィルタ層は、他の色の光をブロックしつつ、対応する色の光を通過させる材料で形成される。さらに、カラーフィルタ154は、割り当てられた色で形成されてもよい。例えば、カラーフィルタ154は、赤色、緑色、及び青色の割り当てられた色で交互に形成されてもよい。カラーフィルタ154は、複合体格子506と上面を並べられて形成されてもよい。カラーフィルタ154は、対応する画素センサのイメージセンシング要素104aから少なくとも1つの方向において、横方向シフト又はオフセットされてもよい。シフト又はオフセットの程度に応じて、カラーフィルタ154は、対応する画素センサの開口を部分的に埋め込んでもよく、対応する画素センサに隣接する画素センサの開口を部分的に埋め込んでもよい。或いは、カラーフィルタ154は、対応する画素センサのフォトダイオードの中央に並べられた縦軸について対称であってもよい。カラーフィルタ154の形成プロセスには、色割り当てにおける異なる各色について、カラーフィルタ層を形成することと、カラーフィルタ層をパターニングすることと、を含んでもよい。カラーフィルタ層は、形成に続いて平坦化されてもよい。パターニングは、カラーフィルタ層上方にパターンを備えたフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層のパターンに応じて、エッチング剤をカラーフィルタ層に当て、パターンフォトレジスト層を除去することによって実施されてもよい。
【0051】
図20に示されるとおり、画素センサに対応するマイクロレンズ156は、対応する画素センサのカラーフィルタ154上方に形成される。いくつかの実施形態において、複数のマイクロレンズは、複数のカラーフィルタ上方にマイクロレンズ材料を堆積することにより(例えば、スピンオン方法又は堆積プロセスにより)形成されてもよい。曲面状の上面を有するマイクロレンズテンプレートは、マイクロレンズ材料上方にパターニングされる。いくつかの実施形態において、マイクロレンズテンプレートは、分配する露光線量(例えば、負のフォトレジストに対しては、曲面の底では、より多くの光で露光し、曲面の頂上では、より少ない光で露光する)を使用して露光され、丸い形状を形成するように現像及び焼き付けられたフォトレジスト材料を含んでもよい。その後、マイクロレンズ156は、マイクロレンズテンプレートに応じて、マイクロレンズ材料を選択的にエッチングすることにより、形成される。
【0052】
図21~
図25は、画素誘電体スタックに重ね合わせられ、BDTI構造に包囲されるイメージセンシング要素を有し、イメージセンサを形成する方法のいくつかの代替実施形態を示している横断面図。
【0053】
図10に続いて、
図21の横断面
図2100に示されるとおり、いくつかの実施形態において、イメージセンシングダイ134は、裏側124において薄化され、基板102を除去する。薄化プロセスは、p型基板(
図10参照)を部分的又は完全に除去して、放射線がイメージセンシングダイ134の裏側124を通じてイメージセンシング要素104に到達するようにしてもよい。薄化プロセスは、イメージセンシングダイ134の裏側124のエッチング又は機械研削により、実施されてもよい。いくつかの実施形態において、画素誘電体スタック126は、ディープトレンチ1202の形成に先立って、イメージセンシングダイ134の裏側124に沿って形成される。画素誘電体スタック126は、第1の高誘電率層114と、第1の高誘電率層114の上面上に形成された第2の高誘電率層116と、を備えてもよい。硬質マスク層402は、画素誘電体スタック126の頂上部に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、第2の高誘電率層116は、酸化タンタル(Ta
2O
5)であるか、又はこれからなる。第2の高誘電率層116は、各画素領域103a及び103b内の光吸収を向上する。
【0054】
図22の横断面
図2200に示されるとおり、ディープトレンチ1202は、フォトダイオードドーピング層130を横方向に複数のイメージセンシング要素104に分離するように、画素誘電体スタック126を通じて、イメージセンシングダイ134の裏側124から形成される。ディープトレンチ1202は、パターニングされた硬質マスク層402に応じて、画素誘電体スタック126及びフォトダイオードドーピング層130をエッチングすることにより、形成されてもよい。
【0055】
図23の横断面
図2300に示されるとおり、いくつかの実施形態において、隔離誘電体ライナ118及びトレンチ充填層112は、ディープトレンチ1202を埋め込んで形成される。いくつかの実施形態において、隔離誘電体ライナ118は、Al
2O
3等の高誘電材料で作成される。或いは、隔離誘電体ライナ118は、二酸化ケイ素で作成される。いくつかの実施形態において、トレンチ充填層112は、アルミニウム、ルテニウム等の金属であるか、又はこれからなる。トレンチ充填層112は、物理気相堆積技術又は化学気相堆積技術を使用して、堆積されてもよい。
【0056】
図24の横断面
図2400に示されるとおり、いくつかの実施形態において、トレンチ充填層112及び隔離誘電体ライナ118には、各画素領域103a及び103bの直上のトレンチ充填層112及び隔離誘電体ライナ118の横部分を除去する平坦化プロセス又はその他のエッチングプロセスが施される。結果として、BDTI構造111は、裏側124からフォトダイオードドーピング層130内の位置まで延設するように、基板102内に形成される。BDTI構造111は、隣接する画素領域103a及び103bの間に形成され、これらを隔離する。
【0057】
図25の横断面
図2500に示されるとおり、
図17~
図19に示されるのと同様に、カラーフィルタ154が、画素領域103a及び103bに重ね合わせて形成される。いくつかの実施形態において、金属層502及び誘電体層504の複合体格子506は、イメージセンシングダイ134の裏側124に沿って、基板102上方に積み重ねられる。その後、誘電体ライナ508が、複合体格子506の側壁及び上部をライニングするように形成される。金属層502は、タングステン、銅、アルミニウム銅、又は窒化チタニウムの1つ以上の層であってもよく、又はこれからなってもよい。他の適用可能な金属材料も、本開示の範囲内である。誘電体層504は、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、又はこれらの組み合わせのうちの1つ以上の層であってもよく、又はこれからなってもよい。誘電体層504は、硬質マスク層として機能してもよい。
【0058】
図26は、BDTI構造に包囲されたイメージセンシング要素を有するイメージセンサを形成する方法2600のいくつかの実施形態のフロー図を示している。開示された方法2600は、一連の動作又はイベントとして、本明細書に図示及び説明されるが、このような動作又はイベントの順の図示の例は、限定の意味で解釈されるものでないと理解される。例えば、いくつかの動作は、本明細書に図示、及び/又は、記載のものとは別の動作又はイベントと異なる順、及び/又は、これと同時に発生してもよい。さらに、本明細書の記載の1つ以上の態様又は実施形態を実施するのに、図示の動作のすべてが実施される必要はない。さらに、本明細書に描かれた動作のうちの1つ以上が、1つ以上の別の動作、及び/又は、フェーズで実施されてもよい。
【0059】
動作2602において、イメージセンシングダイ用に基板が準備される。フォトダイオードドーピング層及びドープアイソレーションウェルが、イメージセンシングダイの表側から、基板内に形成されてもよい。いくつかの実施形態において、種々のエピタキシャル層が、フォトダイオードドーピング層として、基板上方に形成されてもよく、フォトダイオードドーピング列、及び/又は、ドープアイソレーションウェルは、ドーパント種をエピタキシャル層内に注入することにより、形成されてもよい。ドープアイソレーションウェルは、選択的な注入により形成され、フォトダイオードドーピング層内に延設された複数の列を形成してもよい。いくつかの実施形態において、基板を選択的にエッチングしてシャロートレンチを形成した後、シャロートレンチ内に誘電体(例えば、酸化物)を形成することにより、シャロートレンチアイソレーション領域が、イメージセンシングダイの表側内に形成されてもよい。
図6及び
図7は、動作2602に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0060】
動作2604において、トランスファーゲートが、イメージセンシングダイの表側に形成される。その後、金属化スタックが、トランスファーゲート上方に形成される。
図8及び
図9は、動作2604に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0061】
動作2606において、いくつかの実施形態では、イメージセンサが、ロジックダイ又は他のイメージセンシングダイ等、1つ以上の他のダイに接合される。
図10は、動作2606に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0062】
動作2608において、いくつかの実施形態では、基板は、隣接するセンシング画素領域間にディープトレンチを形成するように、裏側から選択的にエッチングされ、隔離誘電体が、ディープトレンチの側壁及び底面に沿って形成される。いくつかの実施形態において、ディープトレンチ及び隔離誘電体は、画素誘電体スタックの形成後に形成される。
図11及び
図12、又は
図22及び
図23は、動作2608に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0063】
動作2610において、ディープトレンチの残りのスペースには、誘電材料又は金属材料が埋め込まれる。
図13又は
図23は、動作2610に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0064】
動作2612において、画素誘電体スタックは、ディープトレンチの形成前、又は形成後に、イメージセンシングダイの裏側に沿って形成される。
図14及び
図15、又は
図21及び
図22は、動作2612に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0065】
動作2614において、反射防止層及び複合体格子が、イメージセンシングダイの裏側に形成される。
図16~
図18及び
図25は、動作2614に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0066】
動作2616において、カラーフィルタ及びマイクロレンズは、イメージセンシングダイの裏側に形成される。
図19、
図20、及び
図25は、動作2616に対応するいくつかの実施形態に対応する横断面図を示している。
【0067】
いくつかの実施形態において、本開示は、イメージセンサに関する。イメージセンシングダイは、表側と、表側の反対の裏側を有する。第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素は、イメージセンシングダイ内で隣り合わせに配置される。第1のイメージセンシング要素と第2のイメージセンシング要素とは、第1のドーピング型を有する。画素誘電体スタックは、第1のイメージセンシング要素と第2のイメージセンシング要素とに重ね合わせられるように、イメージセンシングダイの裏側に沿って配置される。画素誘電体スタックは、第1の高誘電率層と、第1の高誘電率層上方に配置された第2の高誘電率層とを備える。裏面ディープトレンチアイソレーション(BDTI)構造は、第1のイメージセンシング要素と第2のイメージセンシング要素との間に配置され、イメージセンサダイの裏側からイメージセンサダイ内の位置まで延設される。BDTI構造は、隔離誘電体スタックに包囲されるトレンチ充填層を備える。画素誘電体スタックは、隔離誘電体スタックの第2の組成とは異なる第1の組成を有する。いくつかの実施形態において、前記第2の高誘電率層は、前記BDTI構造には存在しない。いくつかの実施形態において、前記第1の高誘電率層は、前記隔離誘電体スタックの一部として、前記トレンチ充填層に沿って下方に延設される。いくつかの実施形態において、前記第2の高誘電率層は、前記BDTI構造の上面全体を被覆する。いくつかの実施形態において、前記第1の高誘電率層及び前記第2の高誘電率層は、前記隔離誘電体スタックの側壁で終わり、前記側壁に直接接触する。いくつかの実施形態において、前記隔離誘電体スタックは、隔離誘電体ライナを備える。いくつかの実施形態において、前記隔離誘電体ライナは、二酸化ケイ素からなる。いくつかの代替実施形態において、前記隔離誘電体ライナは、高誘電材料を含む。いくつかの実施形態において、前記隔離誘電体スタックは、前記隔離誘電体ライナと前記トレンチ充填層との間に配置された隔離導電性ライナをさらに備える。いくつかの実施形態において、前記トレンチ充填層は、金属である。いくつかの実施形態において、前記イメージセンサは、前記第1のイメージセンシング要素と前記第2のイメージセンシング要素との間に配置され、前記イメージセンシングダイの前記表側から前記イメージセンシングダイ内の位置まで延設される第2のドープ型のドープアイソレーションウェルをさらに備え、前記ドープアイソレーションウェルは、前記BDTI構造によって凹んだ底面を有する。いくつかの実施形態において、前記イメージセンサは、前記第1のイメージセンシング要素と前記第2のイメージセンシング要素との間に配置され、前記イメージセンシングダイの前記表側から前記イメージセンシングダイ内の位置まで延設されるシャロートレンチアイソレーション(STI)構造をさらに備える。いくつかの実施形態において、前記第1の高誘電率層は、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化ハフニウム(HfO2)、酸化ハフニウムシリコン(HfSiO)、又は酸化ハフニウムアルミニウム(HfAlO)を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の高誘電率層は、酸化タンタル(Ta2O5)を含む。いくつかの実施形態において、前記第2の高誘電率層は、前記第1の高誘電率層の2倍以上厚いである。
【0068】
いくつかの代替実施形態において、本開示は、イメージセンサに関する。イメージセンシングダイは、表側と、表側の反対の裏側とを有する。第1のドープ型のイメージセンシング要素は、イメージセンシングダイ内に配置される。BDTI構造は、イメージセンシング要素を包囲し、イメージセンサダイの裏側からイメージセンサダイ内の位置まで延設される。BDTI構造は、第1の高誘電率層に包囲されたトレンチ充填層を備える。第1の高誘電率層は、トレンチ充填層の底面及び側壁面に沿って配置され、さらに上方に延設されて、イメージセンシング要素の横面を被覆する。第2の高誘電率層は、第1の高誘電率層上に配置され、トレンチ充填層の上面を被覆するように、横方向に延設される。いくつかの実施形態において、前記第2の高誘電率層は、前記第1の誘電体層より少なくとも2倍厚いである。いくつかの実施形態において、前記イメージセンサは、前記第1の高誘電率層と前記トレンチ充填層との間に配置される隔離誘電体ライナをさらに備える。
【0069】
さらに他の実施形態において、本開示は、イメージセンサの形成方法に関する。この方法は、イメージセンシングダイの表側から基板内に第1ドープ型のフォトダイオードドーピング層を形成することと、イメージセンシングダイの裏側から、フォトダイオードドーピング層を第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素に分離するディープトレンチを形成することと、を備える。この方法はさらに、ディープトレンチの底面及び側壁面に沿い、さらに第1のイメージセンシング要素及び第2のイメージセンシング要素の横面に沿って上方に延設されるように、第1の高誘電率層及び隔離誘電体ライナを形成することをさらに備える。この方法は、ディープトレンチの内側スペースにトレンチ充填層を形成することと、第1の高誘電率層及びトレンチ充填層の上面上に、第2の高誘電率層を形成することと、をさらに備える。いくつかの実施形態において、前記第1の高誘電率層、前記隔離誘電体ライナ、及び前記トレンチ充填層は、一連の堆積プロセスを行った後、前記第1のイメージセンシング要素及び前記第2のイメージセンシング要素の直上の前記隔離誘電体ライナ及び前記トレンチ充填層の横部分を除去する平坦化プロセスを行う。
【0070】
以上、当業者が本開示の態様をより理解できるように、いくつかの実施形態の特徴の概要を示した。当業者は、本明細書で紹介した実施形態と同一の目的を実施し、及び/又は、同一の効果を達成するために、他のプロセス及び構造を設計又は修正する基礎として、本開示を容易に使用してよいことを理解しなければならない。当業者は、このような同等の構造が、本開示の要旨及び範囲から逸脱するものでないこと、また本開示の要旨及び範囲から逸脱することなく、種々の変更、置換、及び代替がなされてよいことも認識しなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本開示のイメージセンサとその形成方法は、デジタルカメラ及び携帯電話等、広範に亘る今日の電子機器に適用することができる。
【参照符号の説明】
【0072】
100、200、300、400:イメージセンサ
102:基板
103a、103b:画素領域
104:イメージセンシング要素
104a:第1のイメージセンシング要素
104b:第2のイメージセンシング要素
106、146:レベル間誘電層(ILD層)
108、144:金属化スタック
110:ドープシャローアイソレーションウェル
111:BDTI構造
112:トレンチ充填層
114:第1の高誘電率層
116:第2の高誘電率層
118:隔離誘電体ライナ
120:平坦層
122:イメージセンシングダイの表側
124:イメージセンシングダイの裏側
126:画素誘電体スタック
128:隔離誘電体スタック
130:フォトダイオードドーピング層
131:アレイディープn型ウェル
132:n型フォトダイオード層
133:p型ピンニング層
134:イメージセンシングダイ
136:ロジックダイ
138、148:中間接合誘電層
140:ロジック基板
142:ロジック素子
150、152:接合パッド
154:カラーフィルタ
156:マイクロレンズ
158:入射放射線
202:トランスファーゲート
204:フローティングディフュージョンウェル
302:隔離導電性ライナ
402:硬質マスク層
500:集積チップ
502:金属層
504:誘電層
506:複合体格子
508:誘電体ライナ
510:金属相互接続ビア
512:金属線
514:シャロートレンチアイソレーション(STI)構造
516:共通中央線
600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500:横断面図
802:ゲート誘電体
804:ゲート電極
1202:ディープトレンチ
1802:開口
2600:方法
2602~2616:動作