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  • 特許-温度感知装置およびその校正方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-27
(45)【発行日】2024-12-05
(54)【発明の名称】温度感知装置およびその校正方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 15/00 20060101AFI20241128BHJP
【FI】
G01K15/00
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023139401
(22)【出願日】2023-08-30
(65)【公開番号】P2024152555
(43)【公開日】2024-10-25
【審査請求日】2023-08-30
(31)【優先権主張番号】112113966
(32)【優先日】2023-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】507185945
【氏名又は名称】創意電子股▲ふん▼有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】500262038
【氏名又は名称】台湾積體電路製造股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Taiwan Semiconductor Manufacturing Company,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.8, Li-Hsin Rd.6, Hsinchu Science Park, Hsinchu, TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】汪 鼎豪
(72)【発明者】
【氏名】呉 俊宛
(72)【発明者】
【氏名】林 倍如
【審査官】藤澤 和浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-173104(JP,A)
【文献】特開2017-9611(JP,A)
【文献】特開2013-51697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2023/0003589(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00-19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1条件に基づいて、周囲温度に対応する第1感知信号を生成し、第2条件に基づいて、前記周囲温度に対応する第2感知信号を生成するように構成され、前記第1感知信号が、前記第2感知信号と異なるセンサと、
前記センサに結合され、前記第1感知信号を第1デジタル感知値に変換し、前記第2感知信号を第2デジタル感知値に変換するように構成されたコンバータと、
前記コンバータに結合され、前記第1デジタル感知値、第1補償値、および前記第1デジタル感知値と前記第2デジタル感知値の間の感知差分値に基づいて、第1感知結果値を生成し、前記第2デジタル感知値、第2補償値、および前記感知差分値に基づいて、第2感知結果値を生成するように構成された感知結果生成回路と、
前記感知結果生成回路に結合され、第1基準値および第2基準値に基づいて、前記第1感知結果値および前記第2感知結果値から第1誤差および第2誤差を取得するように構成された誤差回路と、
前記誤差回路に結合され、前記第1誤差および前記第2誤差に基づいて、第1校正値および第2校正値を生成するように構成された校正回路と、
前記校正回路および前記コンバータに結合され、前記第1校正値に基づいて、第1校正補償値を生成し、前記第2校正値に基づいて、第2校正補償値を生成し、前記第1デジタル感知値、前記第2デジタル感知値、前記第1校正補償値、前記第2校正補償値、および前記感知差分値に基づいて、出力デジタルコード値を生成するように構成された出力回路と、
を含む温度感知装置。
【請求項2】
前記第1デジタル感知値が、前記第1基準値、前記第1誤差、および前記第2誤差を含み、前記第2デジタル感知値が、前記第2基準値および前記第1誤差を含む請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項3】
前記誤差回路が、前記第1感知結果値を前記第1基準値で除算して、第1商を生成し、前記第2感知結果値を前記第2基準値で除算して、第2商を生成し、前記第1商から前記第2商を減算することによって得られた差分値、前記第2基準値、前記第1補償値、および前記第2補償値に基づいて、前記第2誤差を決定する請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項4】
前記誤差回路が、前記第1感知結果値を前記第2感知結果値で除算して、第3商を生成し、前記第3商、前記第1基準値、前記第2基準値、および前記決定された第2誤差に基づいて、前記第1誤差を決定する請求項3に記載の温度感知装置。
【請求項5】
前記感知結果生成回路が、前記第1補償値を前記感知差分値で乗算して、第1積を生成し、前記第1デジタル感知値を前記第1積に加算して、前記第1感知結果値を生成し、
前記感知結果生成回路が、前記第2補償値を前記感知差分値で乗算して、第2積を生成し、前記第2デジタル感知値を前記第2積に加算して、前記第2感知結果値を生成する請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項6】
前記校正回路が、前記第1誤差、前記第2誤差、前記感知差分値、および前記第1補償値に基づいて、前記第1校正値および前記第2校正値を生成する請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項7】
前記出力回路が、前記第1校正補償値を前記感知差分値で乗算して、第1補償積を生成し、前記第1デジタル感知値から前記第1補償積を減算して、第1値を生成し、前記第2校正補償値を前記感知差分値で乗算して、第2補償積を生成し、前記第1デジタル感知値を前記第2補償積に加算して、第2値を生成し、前記第1値を前記第2値で除算して、前記出力デジタルコード値を生成する請求項1に記載の温度感知装置。
【請求項8】
温度感知装置に適した校正方法であって、
センサによって、第1条件に基づいて、周囲温度に対応する第1感知信号を生成し、前記センサによって、第2条件に基づいて、前記周囲温度に対応する第2感知信号を生成し、前記第1感知信号が、前記第2感知信号と異なることと、
前記第1感知信号を第1デジタル感知値に変換し、前記第2感知信号を第2デジタル感知値に変換することと、
前記第1デジタル感知値、第1補償値、および前記第1デジタル感知値と前記第2デジタル感知値の間の感知差分値に基づいて、第1感知結果値を生成し、前記第2デジタル感知値、第2補償値、および前記感知差分値に基づいて、第2感知結果値を生成することと、
第1基準値および第2基準値に基づいて、前記第1感知結果値および前記第2感知結果値から第1誤差および第2誤差を取得することと、
前記第1誤差および前記第2誤差に基づいて、第1校正値および第2校正値を生成することと、
前記第1校正値に基づいて、第1校正補償値を生成し、前記第2校正値に基づいて、第2校正補償値を生成し、前記第1デジタル感知値、前記第2デジタル感知値、前記第1校正補償値、前記第2校正補償値、および前記感知差分値に基づいて、出力デジタルコード値を生成することと、
を含む校正方法。
【請求項9】
前記第1デジタル感知値が、前記第1基準値、前記第1誤差、および前記第2誤差を含み、前記第2デジタル感知値が、前記第2基準値および前記第1誤差を含む請求項8に記載の校正方法。
【請求項10】
前記第1基準値および前記第2基準値に基づいて、前記第1感知結果値および前記第2感知結果値から前記第1誤差および前記第2誤差を取得するステップが、
前記第1感知結果値を前記第1基準値で除算して、第1商を生成することと、
前記第2感知結果値を前記第2基準値で除算して、第2商を生成することと、
前記第1商から前記第2商を減算することによって得られた差分値、前記第2基準値、前記第1補償値、および前記第2補償値に基づいて、前記第2誤差を決定することと、
を含む請求項8に記載の校正方法。
【請求項11】
前記第1基準値および前記第2基準値に基づいて、前記第1感知結果値および前記第2感知結果値から前記第1誤差および前記第2誤差を取得する前記ステップが、さらに、
前記第1感知結果値を前記第2感知結果値で除算して、第3商を生成することと、
前記第3商、前記第1基準値、前記第2基準値、および前記決定された第2誤差に基づいて、第1誤差を決定することと、
を含む請求項10に記載の校正方法。
【請求項12】
前記第1デジタル感知値、前記第1補償値、および前記感知差分値に基づいて、前記第1感知結果値を生成し、前記第2デジタル感知値、前記第2補償値、および前記感知差分値に基づいて、前記第2感知結果値を生成するステップが、
前記第1補償値を前記感知差分値で乗算して、第1積を生成し、前記第1デジタル感知値を前記第1積に加算して、前記第1感知結果値を生成することと、
前記第2補償値を前記感知差分値で乗算して、第2積を生成し、前記第2デジタル感知値を前記第2積に加算して、前記第2感知結果値を生成することと、
を含む請求項9に記載の校正方法。
【請求項13】
前記第1誤差および前記第2誤差に基づいて、前記第1校正値および前記第2校正値を生成するステップが、
前記第1誤差、前記第2誤差、前記感知差分値、および前記第1補償値に基づいて、前記第1校正値および前記第2校正値を生成することを含む請求項8に記載の校正方法。
【請求項14】
前記第1デジタル感知値、前記第2デジタル感知値、前記第1校正補償値、前記第2校正補償値、および前記感知差分値に基づいて、前記出力デジタルコード値を生成するステップが、
前記第1校正補償値を前記感知差分値で乗算して、第1補償積を生成することと、
前記第1補償積を前記第1デジタル感知値から減算して、第1値を生成することと、
前記第2校正補償値を前記感知差分値で乗算して、第2補償積を生成することと、
前記第1デジタル感知値を前記第2補償積に加算して、第2値を生成することと、
前記第1値を前記第2値で除算して、前記出力デジタルコード値を生成することと、
を含む請求項8に記載の校正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感知装置に関するものであり、特に、温度感知装置および温度感知装置の校正方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、温度感知装置は、センサを介して温度を感知し、温度に対応する少なくとも1つの感知信号を生成する。温度感知装置は、この感知信号を出力値に変換する。感知信号は、誤差を含む可能性がある。この誤差は、出力値に影響を与えるため、それにより、温度感知装置の感知精度を低下させる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、温度感知装置の感知精度を向上させることのできる温度感知装置および温度感知装置の校正方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの実施形態において、センサ、コンバータ、感知結果生成回路、誤差回路、校正回路、および出力回路を含む温度感知装置を提供する。センサは、第1条件に基づいて、周囲温度に対応する第1感知信号を生成し、第2条件に基づいて、周囲温度に対応する第2感知信号を生成し、第1感知信号は、第2感知信号と異なる。コンバータは、センサに結合される。ここで、コンバータは、第1感知信号を第1デジタル感知値に変換し、第2感知信号を第2デジタル感知値に変換する。感知結果生成回路は、コンバータに結合される。ここで、感知結果生成回路は、第1デジタル感知値、第1補償値、および第1デジタル感知値と第2デジタル感知値の間の感知差分値に基づいて、第1感知結果値を生成し、第2デジタル感知値、第2補償値、および感知差分値に基づいて、第2感知結果値を生成する。誤差回路は、感知結果生成回路に結合され、第1基準値および第2基準値に基づいて、第1感知結果値および第2感知結果値から第1誤差および第2誤差を取得する。校正回路は、誤差回路に結合され、第1誤差および第2誤差に基づいて、第1校正値および第2校正値を生成する。出力回路は、校正回路およびコンバータに結合される。ここで、出力回路は、第1校正値に基づいて、第1校正補償値を生成し、第2校正値に基づいて、第2校正補償値を生成し、第1デジタル感知値、第2デジタル感知値、第1校正補償値、第2校正補償値、および感知差分値に基づいて、出力デジタルコード値を生成する。
【0005】
本発明の1つの実施形態において、温度感知装置に適した校正方法を提供する。この校正方法は、以下のステップを含む。第1条件に基づいて、センサにより周囲温度に対応する第1感知信号を生成し、第2条件に基づいて、センサにより周囲温度に対応する第2感知信号を生成し、第1感知信号は、第2感知信号と異なる。第1感知信号を第1デジタル感知値に変換し、第2感知信号を第2デジタル感知値に変換する。第1デジタル感知値、第1補償値、および第1デジタル感知値と第2デジタル感知値の間の感知差分値に基づいて、第1感知結果値を生成し、第2デジタル感知値、第2補償値、および感知差分値に基づいて、第2感知結果値を生成する。第1基準値および第2基準値に基づいて、第1感知結果値および第2感知結果値から第1誤差および第2誤差を取得する。第1誤差および第2誤差に基づいて、第1校正値および第2校正値を生成する。第1校正値に基づいて、第1校正補償値を生成し、第2校正値に基づいて、第2校正補償値を生成し、第1デジタル感知値、第2デジタル感知値、第1校正補償値、第2校正補償値、および感知差分値に基づいて、出力デジタルコード値を生成する。
【発明の効果】
【0006】
以上のように、本発明の1つまたはそれ以上の実施形態において提供される温度感知装置は、第1感知結果値、第2感知結果値、第1基準値、および第2基準値に基づいて、第1感知信号の第1誤差および第2誤差を決定し、第1誤差および第2誤差に基づいて、第1補償値を校正することにより、温度感知装置の感知精度を向上させる。
【0007】
上記をより理解しやすくするために、以下、図面と併せたいくつかの実施形態について詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付の図面は、本発明の原理をさらに理解するために含まれており、本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成するものである。図面は、本発明の実施形態を例示しており、説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たしている。
【0009】
図1】本発明の第1実施形態に係る温度感知装置を示す概略図である。
図2】本発明の実施形態に係る第1基準信号、第2基準信号、基準差分値、第1基準値、第2基準値、および出力値を示す概略図である。
図3】本発明の実施形態に係るセンサの回路を示す概略図である。
図4】本発明の実施形態に係る校正方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明が提供するいくつかの実施形態について、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。以下の説明における参照番号は、同じ参照番号が異なる図面に現れた場合、同じ、または類似する要素を指すものと見なされる。これらの実施形態は、本発明の一部に過ぎず、本発明の可能なすべての実施を開示するものではない。より正確に説明すると、これらの実施形態は、請求項において提供される範囲内の方法および装置の例として機能する。
【0011】
図1を参照すると、本発明の第1実施形態に係る温度感知装置を示した概略図である。本実施形態において、温度感知装置100は、センサ110、コンバータ120、感知結果生成回路130、誤差回路140、校正回路150、および出力回路160を含む。センサ110は、周囲温度TAを感知する。センサ110は、第1条件に基づいて、周囲温度TAに対応する第1感知信号VBE1を生成し、第2条件に基づいて、周囲温度TAに対応する第2感知信号VBE2を生成する。
【0012】
本実施形態において、第1条件は、第2条件と同じではない。したがって、第1感知信号VBE1は、第2感知信号VBE2と異なる。第1条件および第2条件は、それぞれセンサ110の第1感知感度および第2感知感度である。センサ110の第1感知感度は、第2感知感度と異なるように設計される。本実施形態において、第1条件における感知感度は、第2条件における感知感度よりも高く設計される。例えば、この例示的実施形態において、第1感知信号VBE1および第2感知信号VBE2は、それぞれアナログ電圧信号であるが、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。いくつかの実施形態において、第1感知信号VBE1および第2感知信号VBE2は、それぞれアナログ電流信号である。
【0013】
本実施形態において、コンバータ120は、センサ110に結合される。コンバータ120は、センサ110から第1感知信号VBE1および第2感知信号VBE2を受信する。コンバータ120は、第1感知信号VBE1を第1デジタル感知値DVBE1に変換し、第2感知信号VBE2を第2デジタル感知値DVBE2に変換する。本実施形態に基づくと、コンバータ120は、アナログ・デジタル変換器(analog-to-digital converter, ADC)の形式で実施することができる。
【0014】
本実施形態において、感知結果生成回路130は、コンバータ120に結合される。感知結果生成回路130は、コンバータ120から第1デジタル感知値DVBE1および第2デジタル感知値DVBE2を受信する。さらに、感知結果生成回路130は、第1補償値K1および第2補償値K2を受信する。感知結果生成回路130は、第1デジタル感知値DVBE1と第2デジタル感知値DVBE2の間の感知差分値ΔVBEを取得する。第1デジタル感知値DVBE1、第1補償値K1、および感知差分値ΔVBEに基づいて、感知結果生成回路130は、第1感知結果値DVR1mを生成する。第2デジタル感知値DVBE2、第2補償値K2、および感知差分値ΔVBEに基づいて、感知結果生成回路130は、第2感知結果値DVR2mを生成する。本実施形態において、第1補償値K1および第2補償値K2は、事前にシミュレーションによって得られた所定の値である。言い換えると、第1補償値K1および第2補償値K2は、それぞれ理論値である。
【0015】
誤差回路140は、感知結果生成回路130に結合される。誤差回路140は、第1基準値DVR1、第2基準値DVR2、第1感知結果値DVR1m、および第2感知結果値DVR2mを受信する。誤差回路140は、第1基準値DVR1および第2基準値DVR2に基づいて、第1感知結果値DVR1mおよび第2感知結果値DVR2mから第1誤差e1および第2誤差e2を取得する。
【0016】
第1基準値DVR1は、第1条件に基づく第1感知理論値である。第2基準値DVR2は、誤差が発生しないときの第2条件に基づく第2感知理論値である。つまり、誤差が発生しない条件において、第1デジタル感知値DVBE1は、第1基準値DVR1と等しく、第2デジタル感知値DVBE2は、第2基準値DVR2と等しい。
【0017】
本実施形態において、第1デジタル感知値DVBE1および第2デジタル感知値DVBE2は、感知値の実際の結果である。第1デジタル感知値DVBE1は、第1誤差e1および第2誤差e2を含む。第2デジタル感知値DVBE2は、第1誤差e1を含む。つまり、第1誤差e1と第2誤差e2の合計は、第1デジタル感知値DVBE1と第1基準値DVR1の間の誤差である。第2誤差e2は、第2感知信号VSE2と第2基準値DVR2の間の誤差である。本実施形態において、第1誤差e1および第2誤差e2は、それぞれ装置の製造プロセス、周囲温度TA、および設計のうちの少なくとも1つと共に変化する誤差値である。
【0018】
本実施形態において、校正回路150は、誤差回路140に結合される。校正回路150は、第1誤差e1および第2誤差e2に基づいて、第1校正値CAおよび第2校正値CBを生成する。
【0019】
本実施形態において、出力回路160は、校正回路150およびコンバータ120に結合される。出力回路160は、第1校正値CAに基づいて、第1校正補償値K1’を生成し、第2校正値CBに基づいて、第2校正補償値K2’を生成する。出力回路160は、第1デジタル感知値DVBE1、第2デジタル感知値DVBE2、第1校正補償値K1’、第2校正補償値K2’、および感知差分値ΔVBEに基づいて、出力デジタルコード値DOUTを生成する。
【0020】
言及すべきこととして、温度感知装置100は、第1基準値DVR1および第2基準値DVR2に基づいて、第1感知結果値DVR1mおよび第2感知結果値DVR2mから第1誤差e1および第2誤差e2を取得し、決定された第1誤差e1および決定された第2誤差e2に基づいて、第1補償値K1を校正する。第1感知結果値DVR1mは、校正された第1補償値K1に応じて校正され、第1誤差e1および第2誤差e2を排除する。したがって、出力デジタルコード値DOUTの結果は、第1誤差e1および第2誤差e2に影響されないため、歪みがない。このようにして、温度感知装置100の感知精度を向上させることができる。
【0021】
図1および図2を参照すると、図2は、本発明の1つの実施形態に係る第1基準理論値、第2基準理論値、基準差分値、第1基準値、第2基準値、および出力値を示す概略図である。図2は、第1感知理論値VS1、第2感知理論値VS2、基準差分値ΔVS、第1基準値DVR1、第2基準値DVR2、および出力値VO(すなわち、出力デジタルコード値DOUT)の温度傾向を示す。第1感知理論値VS1は、第2感知理論値VS2と異なる。基準差分値ΔVSは、第1感知理論値VS1と第2感知理論値VS2の間の差分値である。本実施形態において、第1基準値DVR1は、第1補償値K1、第1感知理論値VS1、および基準差分値ΔVSに基づいて取得することができる。第2基準値DVR1は、第2補償値K2、第2感知理論値VS2、および基準差分値ΔVSに基づいて取得することができる。
【0022】
本実施形態において、第1感知理論値VS1および第2感知理論値VS2は、それぞれ周囲温度TAと負の線形相関を示す。第1感知理論値VS1および第2感知理論値VS2は、それぞれ周囲温度TAに応じて異なる値を有するため、基準差分値ΔVSは、0に等しくない差分値である。基準回路120は、式(1)に基づいて、第1基準値DVR1を得ることができ、式(2)に基づいて、第2基準値DVR2を得ることができる。
【0023】
【数1】
【0024】
本実施形態において、式(1)および式(2)を用いた計算は、外部のシミュレーション回路(図示せず)によって実行することができる。
【0025】
外部のシミュレーション回路は、第1補償値K1を基準差分値ΔVSに乗算して、第1積を生成し、第1積を第1感知理論値VS1に加算して、第1基準値DVR1を生成する。外部のシミュレーション回路は、第2補償値K2を基準差分値ΔVSに乗算して、第2積を生成し、第2積を第2感知理論値VS2に加算して、第2基準値VR2を生成する。本実施形態において、第1基準値DVR1および第2基準値VR2は、同じ固定値になるように設定される。したがって、第1補償値K1および第2補償値K2を決定することができる。
【0026】
図1に示した実施形態において示されるように、感知結果生成回路130は、第1デジタル感知値DVBE1、第2デジタル感知値DVBE2、第1補償値K1、および第2補償値K2を受信する。感知結果生成回路130は、式(3)に基づいて、第1感知結果値DVR1mを取得することができ、式(4)に基づいて、第2感知結果値DVR2mを取得することができる。
【0027】
【数2】
【0028】
感知結果生成回路130は、第1補償値K1を基準差分値ΔVBEに乗算して、第3積を生成し、第3積を第1デジタル感知値DVBE1に加算して、第1感知結果値DVR1mを生成する。感知結果生成回路130は、第2補償値K2を感知差分値ΔVBEに乗算して、第4積を生成し、第4積を第2デジタル感知値DVBE2に加算して、第2感知結果値DVR2mを生成する。また、式(3)および式(4)は、第3誤差dVを含む。第3誤差dVの存在は、第1感知結果値DVR1mおよび第2感知結果値DVR2mに影響を与える。いくつかの実施形態において、第3誤差dVは、存在しない。本発明の1つまたはそれ以上の実施形態において提供される式(3)および式(4)は、第3誤差dVを含むことに限定されない。
【0029】
本実施形態において、第1デジタル感知値DVBE1は、第1基準信号VBE1、第1誤差e1、および第2誤差e2を含む。第2感知信号VSE2は、第2基準信号VBE2および第1誤差e1を含む。第1デジタル感知値DVBE1は、式(5)において示される。第2感知信号VSE2は、式(6)において示される。
【0030】
【数3】
【0031】
したがって、式(5)を式(3)に代入して、式(7)を生成する。
【0032】
【数4】
【0033】
その後、式(1)に基づいて、式(7)を式(7’)に簡略化する。
【0034】
【数5】
【0035】
同様に、式(6)を式(4)に代入して、式(8)を生成する。
【0036】
【数6】
【0037】
式(2)に基づいて、式(8)を式(8’)に簡略化する。
【0038】
【数7】
【0039】
本実施形態において、第1誤差e1と第2誤差e2の和は、第1デジタル感知値DVBE1と第1感知理論値VS1の間の感知誤差値である。第2誤差e2は、例えば、感知差分値ΔVBEと基準差分値ΔVSの間の誤差値である。また、第3誤差dVは、例えば、バンドギャップ(bandgap)電圧の誤差値である。一般的に、第3誤差dVは、1よりもはるかに小さい。
【0040】
本実施形態において、誤差回路140は、第1感知結果値DVR1m、第2感知結果値DVR2m、第1基準値DVR1、および第2基準値DVR2に基づいて、第1誤差e1および第2誤差e2を決定する。誤差回路140は、式(9)に示すように、第1感知結果値DVR1mを第1基準値DVR1で除算して、第1商を生成する。つまり、式(9)は、式(7’)を第1基準値DVR1で除算した結果である。
【0041】
【数8】
【0042】
X1は、第1商を指す。また、第3誤差dVが1よりもはるかに小さいと仮定すると、式(9)は、式(9’)で近似することができる。
【0043】
【数9】
【0044】
誤差回路140は、式(10)に示すように、第2感知結果値DVR2mを第2基準値DVR2で除算して、第2商を生成する。つまり、式(10)は、式(8’)を第2基準値DVR2で除算した結果である。
【0045】
【数10】
【0046】
X2は、第2商を指す。同様にして、第3誤差dVが1よりもはるかに小さいと仮定すると、式(10)は、式(10’)で近似することができる。
【0047】
【数11】
【0048】
次に、誤差回路140は、式(11)に示すように、式(9’)から式(10’)を減算して、第2商を第1商から減算することによって算出される差分値を取得する。
【0049】
【数12】
【0050】
注意すべきこととして、上記の差分値(すなわち、X1-X2)、第1基準値DVR1、第2基準値DVR2、第1補償値K1、および第2補償値K2は、いずれも既知である。したがって、誤差回路140は、上記の差分値(すなわち、X1-X2)、第1基準値DVR1、第2基準値DVR2、第1補償値K1、および第2補償値K2に基づいて、第2誤差e2を決定することができる。また、例えば、第1基準値DVR1が第2基準値DVR2と等しい場合、式(11)は、式(11’)に簡略化される。
【0051】
【数13】
【0052】
上記の式(11)および(11’)を用いた計算に基づくと、第1誤差e1および第3誤差dVがいずれも排除されることに注意されたい。したがって、誤差回路140は、上記の差分値(すなわち、X1-X2)、第2基準値VR2、第1補償値K1、および第2補償値K2に基づいて、第2誤差e2を決定することができる。
【0053】
さらに、誤差回路140は、式(12)に示すように、第1感知結果値DVR1mを第2感知結果値DVR2mで除算して、第3商を生成する。つまり、式(12)は、式(7’)を式(8’)で除算した結果である。
【0054】
【数14】
【0055】
したがって、第1誤差e1の式は、式(13)で示した通りである。
【0056】
【数15】
【0057】
したがって、誤差回路140は、第3商、第1基準値VR1、第2基準値VR2、第1補償値K1、第2補償値K2、および決定された第2誤差e2に基づいて、第1誤差e1を決定する。
【0058】
第1補償値K1がまだ校正されていないとき、出力値生成回路250は、式(14)に基づいて、出力デジタルコード値DOUTを生成する。つまり、第1補償値K1が校正されていない場合、出力値生成回路250は、第1デジタル感知値DVBE1から第1補償値K1と感知差分値ΔVBEの積を減算することによって、第1値V1を生成する。出力値生成回路250は、また、第1デジタル感知値DVBE1を第1補償値K1および感知差分値ΔVBEに加算して、第2値V2を生成し、第1値を第2値V2で除算して、出力デジタルコード値DOUTを生成する。
【0059】
【数16】
【0060】
V1は、第1値を表し、V2は、第2値を表す。式(5)および(6)に基づくと、式(14)は、式(15)に展開される。
【0061】
【数17】
【0062】
式(15)からわかるように、第1誤差e1および第2誤差e2は、出力デジタルコード値DOUTに影響を与える。したがって、式(15)の第1補償値K1を校正して、第1誤差e1および第2誤差e2を排除すべきである。その結果、出力デジタルコード値DOUTは、第1誤差e1および第2誤差e2に影響されないため、歪みがない。
【0063】
本実施形態において、第1補償値K1を補償するために、式(15)を式(16)に調整し、校正回路150は、式(15)に基づいて、第1校正値CAおよび第2校正値CBを生成する。
【0064】
【数18】
【0065】
その結果、第1校正補償値K1’は、第1補償値K1と第1校正値CAの和に等しい(すなわち、K1’=K1+CA)。第2校正補償値K2’は、第1補償値K1と第2校正値CBの和に等しい(すなわち、K2’=K1+CB)。
【0066】
本実施形態において、式(16)は、式(17)~(19)に展開される。
【0067】
【数19】
【0068】
EAおよびEBは、それぞれ第1誤差e1および第2誤差e2に関連する変動部分である。注意すべきこととして、式(17)~(19)からわかるように、変動部分EAおよびEBが0に等しい場合、式(20)および(21)に示すように、出力デジタルコード値DOUTの変動誤差が排除される。したがって、変動部分EAおよびEBが0に等しい場合、出力デジタルコード値DOUTは、予期した理論値に近づく。その結果、校正回路150は、基準差分値ΔVS、決定された第1誤差e1、決定された第2誤差e2、および第1補償値K1に基づいて、第1校正値CAおよび第2校正値CBを取得する。
【0069】
【数20】
【0070】
上記に基づくと、第1校正値CAおよび第2校正値CBを使用して、第1補償値K1を校正することができるため、それにより、第1誤差e1および第2誤差e2によって引き起こされる不安定な出力を排除することができる。
【0071】
第1校正値CAおよび第2校正値CBがわかると、出力回路160は、第1補償値K1に第1校正値CAを加算して、第1校正補償値K1’を生成し、第1補償値K1に第2校正値CBを加算して、第2校正補償値K2’を生成する。出力回路160は、式(22)に基づいて、出力デジタルコード値DOUTを生成する。
【0072】
【数21】
【0073】
式(22)に基づくと、出力回路160は、第1校正補償値K1’を感知差分値ΔVBEに乗算して、第1補償積(すなわち、K1’×ΔVBE)を生成し、第1補償積を第1デジタル感知値DVBE1から減算して、第1値V1を生成し、第2校正補償値を感知差分値に乗算して、第2補償積(すなわち、K2’×ΔVBE)を生成し、第2補償積を第1デジタル感知値DVBE1に加算して、第2値V2を生成し、第1値V1を第2値V2で除算して、出力デジタルコード値DOUTを生成する。
【0074】
図1および図3を参照すると、図3は、本発明の1つの実施形態に係るセンサの回路を示した概略図である。本実施形態において、センサ110は、第1電流源IS1および第1バイポーラトランジスタQ1を含む。第1バイポーラトランジスタQ1のベースは、第1バイポーラトランジスタQ1のコレクタ、コンバータ120、および第1電流源IS1に結合される。第1バイポーラトランジスタQ1のエミッタは、基準低電位(例えば、接地)に結合される。本実施形態において、センサ110は、第1電流源IS1および第1バイポーラトランジスタQ1を構成することにより、第1条件を提供することができる。第1バイポーラトランジスタQ1のベースおよびコレクタは、センサ110の第1出力端子として共同して機能する。センサ110は、第1出力端子を介して、第1感知信号VBE1をコンバータ120に提供する。本実施形態において提供される第1バイポーラトランジスタQ1は、NPN型バイポーラトランジスタの形態で実施される。
【0075】
いくつかの実施形態において、第1バイポーラトランジスタQ1は、ダイオードに置き換えることができる。例えば、ダイオードのアノードは、第1電流源IS1およびコンバータ120に結合される。ダイオードのアノードは、センサ110の第1出力端子として機能する。ダイオードのカソードは、基準低電位に結合される。
【0076】
いくつかの実施形態において、第1バイポーラトランジスタQ1は、任意の形態のn型電界効果トランジスタに置き換えることができる。例えば、n型電界効果トランジスタのゲートは、n型電界効果トランジスタのドレイン、第1電流源IS1、およびコンバータ120に結合される。n型電界効果トランジスタのゲートおよびドレインは、センサ110の第1出力端子として共同して機能する。n型電界効果トランジスタのソースは、基準低電位に結合される。
【0077】
本実施形態において、センサ110は、さらに、第2電流源IS2および第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mを含む。第2バイポーラトランジスタQ2_1のベースは、第2バイポーラトランジスタQ2_1のコレクタ、コンバータ120、および第2電流源IS2に結合される。第2バイポーラトランジスタQ2_1のエミッタは、基準低電位に結合される。第2バイポーラトランジスタQ2_2のベースは、第2バイポーラトランジスタQ2_2のコレクタ、コンバータ120、および第2電流源IS2に結合される。第2バイポーラトランジスタQ2_2のエミッタは、基準低電位に結合され、残りは、それから推測することができる。つまり、第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mは、それぞれダイオード接続(diode-connected)の方式で互いに結合され、互いに並列に結合される。本実施形態において、センサ110は、第2電流源IS2および第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mを構成することにより、第1条件とは異なる第2条件を提供することができる。
【0078】
第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mのベースおよびコレクタは、センサ110の第2出力端子として共同して機能する。センサ110は、第2出力端子を介してコンバータ120に第2感知信号VBE2を提供する。本実施形態の第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mは、それぞれNPN型バイポーラトランジスタによって実現される。
【0079】
本実施形態において、第1電流源IS1によって提供される電流値は、第2電流源IS2によって提供される電流値より大きくてもよい。
【0080】
いくつかの実施形態において、第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mは、それぞれダイオードで置き換えることができる。例えば、ダイオードのアノードは、第1電流源IS1およびコンバータ120に共通して結合される。ダイオードのアノードは、センサ110の第2出力端子として共同して機能する。ダイオードのカソードは、基準低電位に共通して結合される。
【0081】
いくつかの実施形態において、第2バイポーラトランジスタQ2_1~Q2_mは、それぞれ任意の形式のn型電界効果トランジスタに置き換えることができる。例えば、n型電界効果トランジスタのゲートは、それぞれn型電界効果トランジスタのドレイン、第1電流源IS1、およびコンバータ120に結合される。n型電界効果トランジスタのゲートおよびドレインは、センサ110の第2出力端子として共同して機能する。n型電界効果トランジスタのソースは、基準低電位に結合される。
【0082】
説明のために、本実施形態において、第1バイポーラトランジスタQ1の数は、例えば、1として設定する。本発明の1つまたはそれ以上の実施形態に基づくと、第1バイポーラトランジスタの数は、複数であってもよく、第1バイポーラトランジスタの数は、第2バイポーラトランジスタの数よりも少ない。第1バイポーラトランジスタの数は、本実施形態において提供される数に限定されない。
【0083】
図1および図4を参照すると、図4は、本発明の1つの実施形態に係る校正方法を示したフローチャートである。本実施形態において、校正方法S100は、例えば、温度感知装置100に適している。ステップS110において、センサ110は、第1条件に基づいて、周囲温度TAに対応する第1感知信号VBE1を生成し、第2条件に基づいて、周囲温度TAに対応する第2感知信号VBE2を生成する。
【0084】
ステップS120において、コンバータ120は、第1感知信号VBE1を第1デジタル感知値DVBE1に変換し、第2感知信号VBE2を第2デジタル感知値DVBE2に変換する。
【0085】
ステップS130において、感知結果生成回路130は、第1デジタル感知値DVBE1と第2デジタル感知値DVBE2の間の感知差分値ΔVBEを取得する。感知結果生成回路130は、第1デジタル感知値DVBE1、第1補償値K1、および第1デジタル感知値DVBE1と第2デジタル感知値DVBE2の間の感知差分値ΔVBEに基づいて、第1感知結果値DVR1mを生成する。また、感知結果生成回路130は、第2デジタル感知値DVBE2、第2補償値K2、および感知差分値ΔVBEに基づいて、第2感知結果値DVR2mを生成する。
【0086】
ステップS140において、誤差回路140は、第1基準値DVR1および第2基準値DVR2に基づいて、第1感知結果値DVR1mおよび第2感知結果値DVR2mから第1誤差e1および第2誤差e2を取得する。
【0087】
ステップS150において、校正回路150は、第1誤差e1および第2誤差e2に基づいて、第1校正値CAおよび第2校正値CBを生成する。
【0088】
ステップS160において、出力回路160は、第1校正値CAに基づいて、第1校正補償値K1’を生成し、第2校正値CBに基づいて、第2校正補償値K2’を生成する。出力回路160は、第1デジタル感知値DVBE1、第2デジタル感知値DVBE2、第1校正補償値K1’、第2校正補償値K2’、および感知差分値ΔVBEに基づいて、出力デジタルコード値DOUTを生成する。
【0089】
ステップS110~S160の実施の詳細は、図1図3に示した実施形態において十分に教示されているため、以下ではさらに説明しない。
【0090】
以上のように、本発明の1つまたはそれ以上の実施形態において提供される温度感知装置は、第1感知結果値、第2感知結果値、第1基準値、および第2基準値に基づいて、第1誤差および第2誤差を決定する。温度感知装置は、第1誤差および第2誤差に基づいて、第1補償値を校正し、校正補償値を生成する。校正補償値に基づき、温度感知装置は、第1誤差および第2誤差を排除することができる。それにより、温度感知装置の感知精度を向上させることができる。
【0091】
本分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の範囲または精神から逸脱せずに、開示された実施形態に対して様々な修正および変更が可能であることが理解されよう。 これを考慮して、本発明は、以下の特許請求の範囲およびそれらの同等物の範囲内にある修正および変更を包含することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0092】
温度感知装置および温度感知装置の校正方法は、バイポーラトランジスタの誤差を校正するために適用することができる。
【符号の説明】
【0093】
100 温度感知装置
110 センサ
120 コンバータ
130 感知結果生成回路
140 誤差回路
150 校正回路
160 出力回路
CA 第1校正値
CB 第2校正値
DOUT 出力デジタルコード値
DVBE1 第1デジタル感知値
DVR1 第1基準値
DVR1m 第1感知結果値
DVBE2 第2デジタル感知値
DVR2 第2基準値
DVR2m 第2感知結果値
e1 第1誤差
e2 第2誤差
K1 第1補償値
K1’ 第1校正補償値
K2 第2補償値
K2’ 第2校正補償値
TA 周囲温度
VBE1 第1感知信号
VBE2 第2感知信号
ΔVBE 感知差分値
図1
図2
図3
図4