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特許7595599トポグラフィ半導体デバイスウェハの製造における位置ずれの測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-28
(45)【発行日】2024-12-06
(54)【発明の名称】トポグラフィ半導体デバイスウェハの製造における位置ずれの測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01B 11/00 20060101AFI20241129BHJP
   H01L 21/66 20060101ALI20241129BHJP
【FI】
G01B11/00 H
H01L21/66 J
【請求項の数】 46
(21)【出願番号】P 2021574301
(86)(22)【出願日】2020-02-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-01
(86)【国際出願番号】 US2020018200
(87)【国際公開番号】W WO2020168140
(87)【国際公開日】2020-08-20
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】62/805,737
(32)【優先日】2019-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/864,323
(32)【優先日】2019-06-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/870,264
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネグリ ダリア
(72)【発明者】
【氏名】マナッセン アムノン
(72)【発明者】
【氏名】ラレド ジラド
【審査官】信田 昌男
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-143690(JP,A)
【文献】特開2010-101878(JP,A)
【文献】特開2011-154042(JP,A)
【文献】米国特許第6992764(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法であって、
少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含んでいる、多層半導体デバイスウェハを供給することと、
前記第1の層と前記第2の層を、撮像装置を使用して、ある焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させ、前記第1の層と前記第2の層は、前記焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離されており、
前記少なくとも1つの平面における前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを、オフセット量子化器を使用して定量化して、それによって前記第1の層と前記第2の層の位置ずれを計算することと、を含む、
方法。
【請求項2】
前記撮像は、シングルグラブを含む請求項1に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項3】
前記第1の層及び前記第2の層の前記撮像は、少なくとも2つの異なる波長を有する光を使用して実行され、前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる、請求項2に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項4】
前記多層半導体デバイスウェハは少なくとも第3の層を含み、前記少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットは少なくとも第3の周期構造を前記少なくとも第3の層の上に含み、前記方法は、
前記第1の層及び前記第3の層を第2の焦点深度で、少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して撮像し、前記第1の層及び前記第3の層の両方の画像を、前記第2の焦点深度未満の垂直距離によって相互に分離された平面に出現させることを更に含む、
請求項1に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項5】
前記焦点深度は、開口数が0.3未満の場合、約50nmである、請求項1に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項6】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法であって、
少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、前記少なくとも第1の層と第2の層は2μmを超える垂直距離によって相互に分離している、多層半導体デバイスウェハを供給することと、
前記第1の層と前記第2の層を、撮像装置を使用して、ある焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させ、前記第1の層と前記第2の層は、前記焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離されており、
前記少なくとも1つの平面における前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを、オフセット量子化器を使用して測定し、それによって前記第1の層と前記第2の層の位置ずれを計算することとを、含む、
方法。
【請求項7】
前記第1の層の前記撮像は第1の撮像装置によって実行され、前記第2の層の前記撮像は第2の撮像装置によって実行される、請求項6に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項8】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、異なる波長で動作する、請求項7に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項9】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、同一の波長で動作する、請求項7に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項10】
前記第1の層の前記撮像と前記第2の層の前記撮像は、単一の撮像装置によって実行される、請求項6に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項11】
前記単一の撮像装置は、前記第1の層及び前記第2の層を前記単一の波長を有する光を用いて撮像する、請求項10に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項12】
前記単一の撮像装置は、前記第1の層及び前記第2の層を少なくとも2つの波長を有する光を用いて撮像する、請求項10に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項13】
前記単一の撮像装置は、前記第1の層及び前記第2の層をシングルグラブで撮像する、請求項12に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項14】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムであって、
少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる多層半導体デバイスウェハの少なくとも第1の層及び第2の層を撮像するように構成された撮像装置であって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、前記撮像装置が、ある焦点深度で、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させるように動作する撮像装置であり、前記第1の層及び前記第2の層は、前記焦点深度よりも大きい垂直距離によって相互に分離される、撮像装置と、
前記少なくとも1つの平面において、前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを測定し、それによって位置ずれを計算するように構成される、オフセット量子化器と、
を含む、
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項15】
前記撮像はシングルグラブを含む、請求項14に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項16】
前記撮像装置は、前記焦点深度で、少なくとも2つの異なる波長を有する光を使用して動作し、前記第1の層と前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる、請求項15に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項17】
前記多層半導体デバイスウェハは、少なくとも第3の層を含み、前記少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットは、前記少なくとも第3の層の上に少なくとも第3の周期構造を含み、ここで前記撮像装置はまた、前記第1の層及び前記第3の層を第2の焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して動作し、前記第1の層と前記第3の層の両方の画像を、前記第2の焦点深度未満の垂直距離によって相互に分離される平面に出現させる、請求項14に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項18】
前記焦点深度は、開口数が0.3未満の場合、約50nmである、請求項14に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項19】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムであって、半導体デバイスウェハは、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、前記少なくとも第1の層と第2の層は2μmを超える垂直距離で相互に分離している、多層半導体デバイスウェハを含み、システムは、
少なくとも1つの撮像装置であって、前記第1の層及び前記第2の層を少なくとも1つの焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させるように構成された、撮像装置であり、前記第1の層及び前記第2の層は、前記焦点深度よりも大きい垂直距離によって相互に分離される、撮像装置と、
前記少なくとも1つの平面において、前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを測定し、それによって位置ずれを計算するように構成された、オフセット量子化器と、を含む。
システム。
【請求項20】
前記少なくとも1つの撮像装置は、前記第1の層を前記少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して撮像する第1の撮像装置と、前記第2の層を少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して撮像する第2の撮像装置を含み、前記第1の層と前記第2の層の両方の画像を、前記焦点深度内の前記少なくとも1つの平面に出現させる、請求項19に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項21】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、異なる波長で動作する、請求項20に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項22】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、同一の波長で動作する、請求項20に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項23】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法であって、
少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含んでいる、多層半導体デバイスウェハを供給することと、
前記第1の層と前記第2の層を、撮像装置を使用して、ある焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させ、前記第1の層と前記第2の層は、前記焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離され、前記光は赤外線放射であり、
前記少なくとも1つの平面における前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを、オフセット量子化器を使用して定量化して、それによって前記第1の層と前記第2の層の位置ずれを計算することと、を含む、
方法。
【請求項24】
前記撮像はシングルグラブを含む、請求項23に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項25】
前記第1の層及び前記第2の層の前記撮像は、少なくとも2つの異なる波長を有する光を使用して実行され、前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる、請求項24に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項26】
前記多層半導体デバイスウェハは少なくとも第3の層を含み、前記少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットは少なくとも第3の周期構造を前記少なくとも第3の層の上に含み、前記方法は、
前記第1の層及び前記第3の層を焦点深度で、少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して撮像し、前記第1の層及び前記第3の層の両方の画像を、前記焦点深度未満の垂直距離によって相互に分離された平面に出現させることを更に含む、
請求項23に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項27】
前記焦点深度は、開口数が0.3未満の場合、約50nmである、請求項23に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項28】
前記垂直距離は30μmより大きい、請求項23に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項29】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法であって、
少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、前記少なくとも第1の層と第2の層は2μmを超える垂直距離によって相互に分離している、多層半導体デバイスウェハを供給することと、
前記第1の層と前記第2の層を、撮像装置を使用して、ある焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させ、前記第1の層と前記第2の層は、前記焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離され、前記光は赤外線放射であり、 前記少なくとも1つの平面における前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを、オフセット量子化器を使用して測定し、それによって前記第1の層と前記第2の層の位置ずれを計算することとを、含む、
方法。
【請求項30】
前記第1の層の前記撮像は第1の撮像装置によって実行され、前記第2の層の前記撮像は第2の撮像装置によって実行される、請求項29に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項31】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、異なる波長で動作する、請求項30に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項32】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、同一の波長で動作する、請求項30に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項33】
前記第1の層の前記撮像と前記第2の層の前記撮像は、単一の撮像装置によって実行される、請求項29に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項34】
前記単一の撮像装置は、前記第1の層及び前記第2の層を前記単一の波長を有する光を用いて撮像する、請求項33に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項35】
前記単一の撮像装置は、前記第1の層及び前記第2の層を少なくとも2つの波長を有する光を用いて撮像する、請求項33に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項36】
前記単一の撮像装置は、前記第1の層及び前記第2の層をシングルグラブで撮像する、請求項35に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法。
【請求項37】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムであって、
少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる多層半導体デバイスウェハの少なくとも第1の層及び第2の層を撮像するように構成された撮像装置であって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、前記撮像装置が、ある焦点深度で、前記第1の層及び前記第2の層を撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させるように動作し、前記第1の層と前記第2の層は、前記焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離され、前記光は赤外線放射である、撮像装置と、
前記少なくとも1つの平面において、前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを測定し、それによって位置ずれを計算するように構成される、オフセット量子化器と、を含む、
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項38】
前記撮像はシングルグラブを含む、請求項37に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項39】
前記撮像装置は、前記焦点深度で、少なくとも2つの異なる波長を有する光を使用して動作し、前記第1の層と前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる、請求項37に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項40】
前記多層半導体デバイスウェハは、少なくとも第3の層を含み、前記少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットは、前記少なくとも第3の層の上に少なくとも第3の周期構造を含み、ここで前記撮像装置はまた、前記第1の層及び前記第3の層を第2の焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して動作し、前記第1の層と前記第3の層の両方の画像を、前記第2の焦点深度未満の垂直距離によって相互に分離される平面に出現させる、請求項37に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項41】
前記焦点深度は、開口数が0.3未満の場合、約50nmである、請求項37に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項42】
前記垂直距離は30μmより大きい、請求項37に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項43】
半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムであって、半導体デバイスウェハは、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが前記第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、前記第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、前記少なくとも第1の層と第2の層は2μmを超える垂直距離で相互に分離している、多層半導体デバイスウェハを含み、システムは、
少なくとも1つの撮像装置であって、前記第1の層及び前記第2の層を少なくとも1つの焦点深度で撮像し、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して前記第1の層及び前記第2の層の両方の画像を前記焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させるように構成され、前記第1の層と前記第2の層は、前記焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離され、前記光は赤外線放射である、撮像装置と、
前記少なくとも1つの平面において、前記第1の層と前記第2の層の前記画像間のオフセットを測定し、それによって位置ずれを計算するように構成された、オフセット量子化器と、を含む。
システム。
【請求項44】
前記少なくとも1つの撮像装置は、前記第1の層を前記少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して撮像する第1の撮像装置と、前記第2の層を少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して撮像する第2の撮像装置を含み、前記第1の層と前記第2の層の両方の画像を、前記焦点深度内の前記少なくとも1つの平面に出現させる、請求項43に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項45】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、異なる波長で動作する、請求項44に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【請求項46】
前記第1の撮像装置及び前記第2の撮像装置は、同一の波長で動作する、請求項44に記載の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に、半導体デバイスの製造における位置ずれの測定に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連出願の相互参照)
2019年7月3日に出願され、「METHOD OF MEASURING MISREGISTRATION IN THE MANUFACTURE OF TOPOGRAPHIC SEMICONDUCTOR DEVICE WAFERS」と題された米国仮特許出願第62/870,264号、2019年2月14日に出願され、「TARGET DESIGN FOR TOPOGRAPHIC OVERLAY TARGETS」と題された米国仮特許出願第62/805,737号、及び、2019年6月20日に出願され、「METHOD FOR MEASURING MISREGISTRATION IN THE MANUFACTURE OF TOPOGRAPHIC SEMICONDUCTOR DEVICE WAFERS」と題された米国仮特許出願第62/864,323号を参照し、それらの開示の全体は参照により本明細書に組み込まれる。
以下の特許及び特許出願もまた参照され、それらは本出願の主題に関連し、それらの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
「TOPOGRAPHIC PHASE CONTROL FOR OVERLAY MEASUREMENT」と題され、2016年11月24日に公開された、出願人の国際公開第2016/187468号パンフレット、
「SYSTEM AND METHOD FOR GENERATING MULTI-CHANNEL TUNABLE ILLUMINATION FROM A BROAD-BAND SOURCE」と題され、2018年2月22日に公開された、出願人の国際公開第2018/034908号パンフレット、及び、
「SYSTEMS AND METHODS FOR METROLOGY WITH LAYER-SPECIFIC ILLUMINATION SPECTRA」と題され、2018年10月11日に公開された、出願人の国際公開第2018/187108号パンフレット。
【0003】
様々な方法及びシステムが、半導体デバイスの製造における位置ずれの測定に対して周知である。オーバレイ測定では、前のプロセス層と現在のレジスト層との間の位置ずれが測定される。3DNAND及びDRAMなどの多くのターゲットでは、これらの層間の垂直距離は数ミクロンであり得る。
【0004】
ダブルグラブ(double grab)は、オーバレイ測定のために以前に実行された。第1の層は、第1のグラブにおいて適切な焦点で撮像され、第2の層は、第2のグラブにおいて適切な焦点で撮像される。しかし、ダブルグラブで全測定不確かさ(TMU)要件をサポートするために、集束機構は完全にテレセントリックである必要があり、XYZステージはノイズレスであり、ドリフトがないことを要する。これらの仕様を満たすのは難しい場合があるため、仕様は通常、緩和される。
【0005】
別の以前の例では、集光開口数(NA)は減少されて、オーバレイ測定中の焦点深度を増加させた。しかし、集光NAを減らして焦点深度を増やすと、システムの解像度が低下し、より大きなピッチとターゲットサイズの増加が必要になる場合がある。加えて、光学システムを通過する光の透過率が低下する可能性があり、スループットを低下させる。
【0006】
位置ずれ測定の改善されたシステム及び方法が必要とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】国際公開第2016/187468号
【文献】国際公開第2018/034908号
【文献】国際公開第2018/187108号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、半導体デバイスの製造における位置ずれを測定するための改善された方法及びシステムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
したがって、本発明の一実施形態によれば、半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法が提供され、方法は、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含んでいる多層半導体デバイスウェハを供給することと、第1の層と第2の層を、焦点深度で、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して撮像し、第1の層及び第2の層の両方の画像を焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させることと、少なくとも1つの平面における第1の層の画像と第2の層の画像間のオフセットを定量化して、それによって第1の層と第2の層の位置ずれを計算することとを含む。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、第1の層と第2の層は、焦点深度を超える垂直距離によって相互に分離される。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、撮像はシングルグラブ(single grab)を含む。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、第1の層及び第2の層の撮像は、少なくとも2つの異なる波長を有する光を使用して実行され、第1の層及び第2の層の両方の画像を焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、多層半導体デバイスウェハは、少なくとも第3の層を含み、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットは、少なくとも第3の周期構造を少なくとも第3の層の上に含み、方法はまた、第1の層及び第3の層を焦点深度で、少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して撮像し、第1の層及び第3の層の両方の画像を、焦点深度未満の垂直距離によって相互に分離された平面に出現させることを含む。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、焦点深度は、開口数が0.3未満の場合、約50nmである。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法が更に提供され、方法は、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、少なくとも第1の層と第2の層は2μmを超える垂直距離で相互に分離している、多層半導体デバイスウェハを供給することと、第1の層と第2の層を、焦点深度で、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して撮像し、第1の層及び第2の層の両方の画像を焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させることと、少なくとも1つの平面における第1の層の画像と第2の層の画像間のオフセットを測定して、それによって第1の層と第2の層の位置ずれを計算することとを含む。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第1の層の撮像は、第1の撮像装置によって実行され、第2の層の撮像は、第2の撮像装置によって実行される。
【0017】
本発明の一実施形態によれば、第1の撮像装置及び第2の撮像装置は、異なる波長で動作する。
【0018】
本発明の一実施形態によれば、第1の撮像装置及び第2の撮像装置は、同一の波長で動作する。
【0019】
本発明の一実施形態によれば、第1の層の撮像と第2の層の撮像は、単一の撮像装置によって実行される。
【0020】
本発明の一実施形態によれば、単一の撮像装置は、第1の層及び第2の層を単一の波長を有する光を用いて撮像する。
【0021】
代替的に、本発明の一実施形態によれば、単一の撮像装置は、第1の層及び第2の層を少なくとも2つの波長を有する光を用いて撮像する。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、単一の撮像装置は、第1の層及び第2の層をシングルグラブで撮像する。
【0023】
本発明の更に別の実施形態によれば、半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムが更に提供され、システムは、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含む多層半導体デバイスウェハの少なくとも第1の層及び第2の層を撮像する撮像装置であって、ターゲットが第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、撮像装置が焦点深度で、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して動作し、第1の層及び第2の層の両方の画像を焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる、撮像装置と、少なくとも1つの平面において、第1の層の画像と第2の層の画像間のオフセットを測定し、それによって位置ずれを計算する、オフセット量子化器とを含む。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、第1の層及び第2の層は、焦点深度よりも大きい垂直距離によって相互に分離される。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、撮像はシングルグラブを含む。
【0026】
本発明の一実施形態によれば、撮像装置は、焦点深度で、少なくとも2つの異なる波長を有する光を使用して動作し、第1の層と第2の層の両方の画像を焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる。
【0027】
本発明の一実施形態によれば、多層半導体デバイスウェハは、少なくとも第3の層を含み、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットは、少なくとも第3の層の上に少なくとも第3の周期構造を含み、撮像装置はまた、第1の層及び第3の層を焦点深度で、少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して動作し、第1の層と第3の層の両方の画像を、焦点深度未満の垂直距離によって相互に分離される平面に出現させる。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、焦点深度は、開口数が0.3未満の場合、約50nmである。
【0029】
本発明の更に別の実施形態によれば、半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムが更に提供され、半導体デバイスウェハは、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲットを含んでいる少なくとも第1の層及び第2の層を含む多層半導体デバイスウェハであって、ターゲットが第1の層と一緒に形成されて第1のピッチを有する第1の周期構造及び、第2の層と一緒に形成されて第2のピッチを有する第2の周期構造を含み、少なくとも第1の層と第2の層は2μmを超える垂直距離で相互に分離している、多層半導体デバイスウェハを含み、システムは、少なくとも1つの撮像装置であって、第1の層及び第2の層を少なくとも1つの焦点深度で、少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して撮像し、第1の層及び第2の層の両方の画像を焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる撮像装置と、少なくとも1つの平面において、第1の層の画像と第2の層の画像間のオフセットを測定し、それによって位置ずれを計算するオフセット量子化器とを含む。
【0030】
本発明の実施形態によれば、少なくとも1つの撮像装置は、第1の層を少なくとも1つの第1の波長を有する光を使用して撮像する第1の撮像装置と、第2の層を少なくとも1つの第2の波長を有する光を使用して撮像する第2の撮像装置を含み、これにより、第1の層と第2の層の両方の画像を、焦点深度内の少なくとも1つの平面に出現させる。
【0031】
本発明の一実施形態によれば、第1の撮像装置及び第2の撮像装置は、異なる波長で動作する。
【0032】
代替的に、本発明の別の実施形態によれば、第1の撮像装置及び第2の撮像装置は、同一の波長で動作する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
本発明は、図面と併せて、以下の詳細な説明からより完全に理解及び評価されるであろう。
図1】半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムの一実施形態の簡略化された概略図である。
図2】半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムの更なる実施形態の簡略化された概略図である。
図3】半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する、図1又は図2の半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムに有用な方法を示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
ここで、図1及び図2を参照すると、これらは半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するためのシステムの実施形態の簡略化された概略図である。図1は、x軸、y軸、及びz軸によって示される3つの異なる次元の図を含み、3つの次元は、以後、それぞれ、x-y平面、x-z平面、及びy-z平面と呼ばれる。図1は一般的にx-y平面を示し、図1の拡大図A、B及びCはx-z平面に平行な平面を示していることに留意する。
【0035】
図1に見られるように、第1の実施形態では、システム100は、撮像装置110、x方向のオフセットを定量化するための第1のオフセット量子化器118、及びy方向のオフセットを定量化するための第2のオフセット量子化器120を含む。撮像装置110、オフセット量子化器118、及びオフセット量子化器120は、位置ずれ計測ツールに含まれる撮像装置及びオフセット量子化器であり得て、例えば、国際公開第2016/187468号パンフレット、国際公開第2018/034908号パンフレット、及び国際公開第2018/187108号パンフレットに記載されているものであり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。撮像装置110は、低照度の開口数、例えば0.3未満又は0.2未満を有することに留意する。図1に示される例示された実施形態では、第1のオフセット量子化器118及び第2のオフセット量子化器120はハードウェア構成要素として示されるが、それらはソフトウェア構成要素として実装される場合があることが理解される。
【0036】
一例では、撮像装置110は、計測デバイスの一部である。撮像装置110は、照明源を含んで照明ビームを生成し得る。照明ビームは、1つ以上の選択された波長の光を含み得て、限定するものではないが、真空紫外線(VUV)、深紫外線(DUV)、紫外線(UV)放射、可視光線、又は赤外線(IR)放射を含む。照明源は、選択された波長の任意の範囲を含む照明ビームを更に生成し得る。別の実施形態では、照明源は、スペクトル的に同調可能な照明源を含み得て、同調可能なスペクトルを有する照明ビームを生成する。
【0037】
撮像装置110はまた、照明経路を含むか、又はそれらと結合され得て、例えば、照明ビームを変更及び/又は調整するのに適した1つ以上のレンズ又は追加の光学部品を備える照明経路である。例えば、1つ以上の光学部品は、限定するものではないが、1つ以上の偏光子、1つ以上のフィルタ、1つ以上のビームスプリッタ、1つ以上の拡散器、1つ以上のホモジナイザ、1つ以上のアポダイザ、又は1つ以上のビームシェイパを含んでもよい。別の例として、1つ以上の光学部品は、サンプル上の照明の角度を制御するための開口絞り、及び/又はサンプル上の照明の空間的範囲を制御するための視野絞りを含み得る。多層半導体デバイスウェハは、サンプルステージ上に配置され得る。サンプルステージは、多層半導体デバイスウェハを配置するのに適した任意のデバイスを含み得る。例えば、サンプルステージは、線形並進ステージ、回転ステージ、傾き/傾斜ステージなどの任意の組み合わせを含み得る。
【0038】
別の実施形態では、撮像装置110は、多層半導体デバイスウェハから発する放射線を、集光経路を介してキャプチャするように構成された検出器を含むか、又は検出器と結合される。例えば、集光経路は、限定するものではないが、集光レンズ(例えば、対物レンズ)又は1つ以上の追加の集光経路レンズを含み得る。集光経路は、任意の数の光学要素を更に含み得て、対物レンズによって集められた照明を方向付け、及び/又は変更し、対物レンズは限定するものではないが、1つ以上の集光経路レンズ、1つ以上のフィルタ、1つ以上の偏光子、又は1つ以上のビームブロックを含む。加えて、集光経路は、検出器上に撮像されたサンプルの空間的範囲を制御するための視野絞り、又は検出器上で画像を生成するために使用されるサンプルからの照明の角度範囲を制御するための開口絞りを含み得る。別の例として、検出器は、多層半導体デバイスウェハから反射又は散乱された(例えば、鏡面反射、拡散反射などを介して)放射線を受け取ることができる。別の例として、検出器は、多層半導体デバイスウェハによって生成された放射線(例えば、照明ビームの吸収に関連する発光など)を受け取ることができる。
【0039】
検出器は、多層半導体デバイスウェハから受けとった照明を測定するのに適した当技術分野で既知の任意のタイプの光学検出器を含んでもよい。例えば、検出器は、限定するものではないが、CCD検出器、TDI検出器、光電子増倍管(PMT)、アバランシェフォトダイオード(APD)などを含み得る。別の実施形態では、検出器は、サンプルから発する放射線の波長を識別するのに適した分光検出装置を含み得る。別の実施形態では、撮像装置110は、複数の検出器(例えば、1つ以上のビームスプリッタによって生成される複数のビーム経路に関連付けられ、撮像装置110による複数の計測測定を容易にする)を含み得る。
【0040】
撮像装置110は、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲット130を含む多層半導体デバイスウェハの、少なくとも第1の層122及び第2の層124を撮像するように動作する。
【0041】
本発明の一実施形態では、第1の層122と第2の層124は、撮像装置110の焦点深度よりも大きいz方向の距離によって相互に分離され、この距離は、一例では、0μm~30μmの間である。z方向において第1の層122と第2の層124を分離する距離は、垂直距離であることに留意する。垂直距離は2μmより大きくてもよい。第1の層122と第2の層124との間の材料は、屈折率nを有し、少なくとも部分的に光子に対して透明である。本明細書で使用される場合、焦点深度は、撮像装置110の光学的焦点深度内の焦平面のセットを指し、適切な位置ずれ結果を付与することが理解される。
【0042】
図1の拡大図A、B及びCは、x-z平面に平行な平面におけるターゲット130の断面拡大を示す。ターゲット130が形成される半導体デバイスウェハの他の特徴は示されていないことに留意する。
【0043】
図1の拡大図Bに特に見られるように、位置ずれ測定ターゲット130は、第1の周期構造140を含み得て、それは第1の層122と一緒に形成され、第1のピッチNによって特徴付けられ、平面141にある。位置ずれ測定ターゲット130は、第2の周期構造142を更に含み、それは第2の層124と一緒に形成され、第2のピッチPによって特徴付けられ、平面144にある。明確にするために、図1では、平面141及び144が、それぞれ、第1及び第2の層122及び124の上面に示されるが、平面141及び144は、それぞれの層122及び124内にある任意の平面であり得て、それらはそれぞれ、第1及び第2の層122及び124の上面に平行であることが理解される。
【0044】
ターゲット130は、2つの周期構造セット146及び2つの周期構造セット148を含み得て、周期構造セット146及び148のそれぞれは、周期構造140及び142の両方を含むことに留意する。周期構造セット146及び148は、異なる相互に直交する方向でターゲット130に出現し、ターゲット130に回転対称性を与える。それらの方向に関して以外は、周期構造セット146及び148のそれぞれは、互いに同一であり得ることが理解される。
【0045】
撮像装置110は、焦点深度で動作し、少なくとも1つの波長λを有する光を使用して、特に図1の拡大図Bに見られるように、第1の周期構造140の少なくとも1つのタルボ画像150を、第1の周期構造140の直ぐ上で平面152に出現させる。平面152はx-y平面に平行であり、タルボ画像150は第1の周期構造140の直ぐ上で平面152にあるため、第1の周期構造140は、図1の中央領域では見られず、図1はx-y平面に平行にとったターゲット130の上図を示すことが理解される。
【0046】
本発明の一実施形態では、タルボ画像150を含む平面152は、タルボ効果のために、距離Dで、平面141からz方向に出現する。平面141と152をz方向に分離する距離Dは、垂直距離であることに留意する。図1の拡大図A及びBでは、タルボ画像150は厚みがあるものとして示されているが、タルボ画像150はz方向に厚みがないことが理解される。タルボ画像150は、第1の周期構造140の直ぐ上に出現するため、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第2の周期構造142と第1の周期構造140との間のオフセットは、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第2の周期構造142とタルボ画像150との間のオフセットと同一であることが更に理解される。
【0047】
第1の周期構造140の平面141とタルボ画像150の平面152との間の垂直距離Dは、撮像装置110によって使用される光の波長λによって、ならびに第1の周期構造140のピッチNによって、及び第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nによって決定される。垂直距離D、波長λ、ピッチN、及び屈折率nの間の関係は、方程式1で定義される。
【数1】
【0048】
本発明の一実施形態では、ピッチN及び波長λは、平面152及び144が、z方向において、撮像装置110の焦点深度未満の垂直距離156によって相互に分離されるように選択される。したがって、システム100は、タルボ画像150と第2の周期構造142の両方をシングルグラブで撮像するように動作する。本明細書で使用される場合、シングルグラブでの撮像は、撮像装置がその焦点を変えることなく撮像することを指すことが理解される。本発明の一実施形態では、第1及び第2の周期構造140と142との間にある、半導体デバイスウェハ上の特徴は、タルボ画像150の可視性への干渉を最小限に抑えるように形成される。本発明の一実施形態では、撮像装置110は、複数の波長の光を使用してターゲット130を撮像し、画像が撮影される焦平面を変えることがない。
【0049】
例えば、第1の層122と第2の層124が5.11μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nが1.46である場合、第1の周期構造140のピッチNは1.2μmであるように選択され、撮像装置110は、400nmの少なくとも1つの波長を有する光でターゲット130を撮像し、その結果、平面152は平面144と同じx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像150と第2の周期構造142は同じx-y平面においてシングルグラブで撮像される。
【0050】
別の例として、第1の層122及び第2の層124が17.84μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nが2.0である場合、第1の周期構造140のピッチNは、2.7μmであるように選択され、撮像装置110は、800nmの少なくとも1つの波長を有する光でターゲット130を撮像し、その結果、平面152は平面144の0.02μm下のx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像150及び第2の周期構造142は、撮像装置110と同じ焦点深度内に存在し、シングルグラブで撮像される。
【0051】
オフセット量子化器118及び120はそれぞれ、タルボ画像150の画像と第2の周期構造142の画像間の、x方向及びy方向のオフセットを測定し、したがって、第1の層122と第2の層124との間の位置ずれデータを計算するように動作する。
【0052】
代替的に、撮像装置110は、特に図1の拡大図Cに見られるように、焦点深度で、少なくとも1つの波長λを有する光を使用して動作し、第2の周期構造142の少なくとも1つのタルボ画像160を第2の周期構造142の直ぐ下で、平面162において出現させ得る。平面162はx-y平面に平行であり、タルボ画像160は第2の周期構造142に、平面162において直接重なるため、タルボ画像160は、図1の中央領域では見ることができず、図1はx-y平面に平行にとったターゲット130の上図を示すことが理解される。
【0053】
本発明の一実施形態では、タルボ画像160を含む平面162は、タルボ効果のために、平面144からz方向に距離Eで出現する。平面144と平面162をz方向に分離する距離Eは、垂直距離であることに留意する。図1の拡大図A及びCでは、タルボ画像160は厚みを有するものとして示されているが、タルボ画像160は、z方向に厚みがないことが理解される。タルボ画像160は、第2の周期構造142の直ぐ下に出現するため、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第1の周期構造140と第2の周期構造142との間のオフセットは、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第1の周期構造140とタルボ画像160との間のオフセットと同一であることが更に理解される。
【0054】
垂直距離Eは、撮像装置110によって使用される光の波長λによって、ならびに第2の周期構造142のピッチPによって、及び第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nによって決定される。垂直距離E、波長λ、ピッチP、及び屈折率nの間の関係は、方程式2で定義される。
【数2】
【0055】
本発明の一実施形態では、ピッチP及び波長λは、平面162及び141が、z方向において、撮像装置110の焦点深度未満である垂直距離166によって相互に分離されるように選択される。それにより、システム100は、タルボ画像160と第1の周期構造140の両方をシングルグラブで撮像するように動作する。本発明の一実施形態では、第1及び第2の周期構造140と142との間にある、半導体デバイスウェハ上の特徴は、タルボ画像160の可視性への干渉を最小限に抑えるように形成される。本発明の一実施形態では、撮像装置110は、複数の波長の光を使用してターゲット130を撮像し、画像が撮影される焦平面を変えることがない。
【0056】
例えば、第1の層122と第2の層124が5.11μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nが1.46である場合、第2の周期構造142のピッチPは1.2μmであるように選択され、撮像装置110は、400nmの少なくとも1つの波長を有する光でターゲット130を撮像し、その結果、平面162は平面141と同じx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像160と第1の周期構造140は、同じx-y平面にシングルグラブで撮像される。
【0057】
別の例として、第1の層122及び第2の層124が17.84μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nが2.0である場合、第2の周期構造142のピッチPは、2.7μmであるように選択され、撮像装置110は、800nmの少なくとも1つの波長を有する光でターゲット130を撮像し、その結果、平面162は平面144の0.02μmの上のx-y平面に出現する。したがって、タルボ160と第1の周期構造140は、撮像装置110と同じ焦点深度内に存在し、シングルグラブで撮像される。
【0058】
オフセット量子化器118及び120はそれぞれ、タルボ画像160の画像と第1の周期構造140の画像間のx方向及びy方向のオフセットを測定し、第1の層122と第2の層124との間の位置ずれを計算するように動作する。
【0059】
本発明の追加の実施形態では、ピッチN及びピッチPは、撮像装置110が焦点深度で動作し、少なくとも1つの波長λを使用する場合、タルボ画像150及び160が、それぞれ平面152及び162に出現するように選択され、これら平面は、それぞれ、第1及び第2の層122及び124からのそれぞれの垂直距離D及びEにある。そのような場合、垂直距離D及びEは、平面152及び162が、z方向において、撮像装置110の焦点深度未満の垂直距離168によって相互に分離されるように選択される。したがって、システム100は、タルボ画像150とタルボ画像160の両方をシングルグラブで撮像するように動作する。
【0060】
垂直距離D、波長λ、ピッチN、及び屈折率nの間の関係は、方程式3で定義される。
【数3】
【0061】
垂直距離E、波長λ、ピッチP、及び屈折率nの間の関係は、方程式4で定義される。
【数4】
【0062】
本発明の一実施形態では、第1及び第2の周期構造140と142との間にある、半導体デバイスウェハ上の特徴は、タルボ画像150及び160の可視性への干渉を最小限に抑えるように形成される。本発明の1つの実施形態では、撮像装置110は、複数の波長の光を使用してターゲット130を撮像し、画像が撮影される焦平面を変えることがない。
【0063】
例えば、第1の層122及び第2の層124が27.78μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nが1.46である場合、第1の周期構造140のピッチNは、2.5μmであるように選択され、第2の周期構造142のピッチPは、1.2μmであるように選択され、撮像装置110は、400nmの波長を有する光でターゲット130を撮像する。これによって、平面152は、10.6μmの垂直距離Dで第1の層122の上に出現し、平面162は、2.4μmの垂直距離Eで第2の層124の下に出現する。したがって、第1のタルボ画像150及び第2のタルボ画像160は、0.01μmだけ離れており、それは撮像装置110の焦点深度内であり、これによりタルボ画像150及びタルボ画像160は、シングルグラブで撮像される。
【0064】
追加の例として、第1の層122及び第2の層124が32.21μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層122と第2の層124との間の材料の屈折率nが2.0である場合、第1の周期構造140のピッチNは、2.1μmであるように選択され、第2の周期構造142のピッチPは、2.7μmであるように選択され、撮像装置110は、600nmの波長を有する光と800nmの波長を有する光の両方でターゲット130を撮像する。600nmの波長を有する光を用いて撮像されると、平面152は、3.5μmの距離Dで第1の層122の上に出現し、800nmの波長を有する光を用いて撮像されると、平面162は、4.5μmの距離Eで第2の層124の下に出現する。したがって、第1のタルボ画像150及び第2のタルボ画像160は、同じx-y平面にシングルグラブで撮像される。
【0065】
オフセット量子化器118及び120はそれぞれ、タルボ画像150の画像とタルボ画像160の画像間の、x方向及びy方向のオフセットを測定し、それによって、第1の層122と第2の層124との間の位置ずれを計算するように動作する。
【0066】
オフセット量子化器118及び120は、メモリ媒体上に維持されたプログラム命令を実行するように構成された1つ以上のプロセッサ上で実行されるソフトウェア構成要素であり得る。これに関して、1つ以上のプロセッサは、本開示全体を通して説明される様々なプロセスステップのいずれかを実行してもよい。更に、プロセッサは、データを受信するように構成され得て、データは、限定するものではないが、計測データ(例えば、アライメント測定結果、ターゲットの画像、瞳像など)又は計測メトリック(例えば、精度、ツールに起因するシフト、感度、回折効率など)を含む。例えば、プロセッサは、撮像装置110からデータを受信し得る。1つ以上のプロセッサは、当技術分野で周知の任意の処理要素を含んでもよい。この意味で、1つ以上のプロセッサは、アルゴリズム及び/又は命令を実行するように構成された任意のマイクロプロセッサタイプのデバイスを含み得る。一実施形態では、1つ以上のプロセッサは、デスクトップコンピュータ、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、画像コンピュータ、並列プロセッサ、又は撮像装置110を作動するように構成されたプログラムを実行するように構成される任意の別のコンピュータシステム(例えば、ネットワークコンピュータ)の一部であり得る。「プロセッサ」という用語は、1つ以上の処理要素を有する任意のデバイスを包含するように広く定義され得て、それは非一時的なメモリ媒体からプログラム命令を実行することが更に認識される。
【0067】
図1を参照して本明細書に記載されるシステム100は、3つ以上の層を有するターゲットも含み得ることを理解する。システム100が3つ以上の層を有するターゲットを含む場合、ターゲットの各層は、位置ずれが測定される半導体デバイスウェハの対応する層と一緒に形成された1つの周期構造を含む。そのようなターゲットは、2つの周期構造セットを含み得て、各周期構造セットは、ターゲット内のすべての周期構造を含むことに留意する。2つの周期構造セットのそれぞれは、異なる相互に直交する方向に出現され得て、ターゲットに回転対称性を付与する。それらの方向に関する以外に、周期構造セットのそれぞれは互いに同一であり得ることが理解される。そのような多層半導体デバイスウェハの任意の2つの層の位置ずれは、本明細書に記載されるように、それらの2つの層の上の周期構造の位置ずれを比較することでシステム100によって測定され得ることが理解される。
【0068】
ここで図2に目を向けると、図2は、x軸、y軸、及びz軸によって示される3つの異なる次元の図を含むことが分かり、これらの3つの次元は、以下、それぞれ、x-y平面、x-z平面、及びy-z平面と呼ばれる。図2は一般的にx-y平面を示し、図2の拡大図A、B及びCはx-z平面に平行な平面を示すことに留意する。
【0069】
図2に見られるように、第1の実施形態では、システム200は、第1の撮像装置210、第2の撮像装置212、x方向のオフセットを定量化するための第1のオフセット量子化器218、及びy方向のオフセットを定量化するための第2のオフセット量子化器220を含む。典型的な第1の撮像装置210、第2の撮像装置212、オフセット量子化器218、及びオフセット量子化器220は、位置ずれ計測ツールに含まれる撮像装置及びオフセット量子化器であり、例えば、PCT公開国際公開第2016/187468号パンフレット、国際公開第2018/034908号パンフレット、及び国際公開第2018/187108号パンフレットに記載されているものであり、これらの開示は参照により本明細書に組み込まれる。第1の撮像装置210及び第2の撮像装置212は両方とも、低照度の開口数、例えば0.3未満又は0.2未満を有することに留意する。図2に示される例示された実施形態では、第1のオフセット量子化器218及び第2のオフセット量子化器220はハードウェア構成要素として示されるが、それらはソフトウェア構成要素として実装される場合があることが理解され得る。第1の撮像装置210及び第2の撮像装置212は、撮像装置110に類似し得る。第1のオフセット量子化器218及び第2のオフセット量子化器220は、第1のオフセット量子化器118及び第2のオフセット量子化器120に類似し得る。
【0070】
第1の撮像装置210は、少なくとも1つの位置ずれ測定ターゲット230を含む多層半導体デバイスウェハの少なくとも第1の層222を撮像するように動作する。第2の撮像装置212は、少なくとも位置ずれ測定ターゲット230を含む多層半導体デバイスウェハの少なくとも第2の層224を撮像するように動作する。
【0071】
本発明の一実施形態では、第1の層222及び第2の層224は、第1の層222及び第2の層224の両方がそれぞれ第1の撮像装置210の焦点深度及び第2の撮像装置212の焦点深度内に入ることを可能にするには大きすぎるz方向の距離によって相互に分離され、一例では、距離は0μm~60μmの間の場合がある。第1の層222と第2の層224を分離するz方向の距離は垂直距離であることに留意する。垂直距離は2μmを超える場合がある。第1の層222と第2の層224との間の材料は、屈折率nを有し、光子に対して少なくとも部分的に透明である。本明細書で使用される場合、焦点深度は、それぞれ第1及び第2の撮像装置210及び212の光学焦点深度内の焦平面のセットを指し、適切な位置ずれの結果を与えることが理解される。
【0072】
図2の拡大図A、B及びCは、x-z平面に平行な平面におけるターゲット230の断面拡大を示す。ターゲット230が形成される半導体デバイスウェハの別の特徴は示されていないことに留意する。
【0073】
図2の拡大図Bで特に見られるように、位置ずれ測定ターゲット230は、第1の周期構造240を含み得て、それは第1の層222と一緒に形成され、第1のピッチQによって特徴付けられ、平面241にある。位置ずれ測定ターゲット230は、第2の周期構造242を更に含み、それは第2の層224と一緒に形成され、第2のピッチRによって特徴付けられ、平面244にある。明確にするために、図2では、平面241及び244が、それぞれ、第1及び第2の層222及び224の上面に示されるが、平面241及び244は、それぞれの層222及び224内にある任意の平面であってもよく、それらはそれぞれ、第1及び第2の層222及び224の上面に平行であることを理解する。
【0074】
ターゲット230は、2つの周期構造セット246及び2つの周期構造セット248を含み得て、周期構造セット246及び248のそれぞれは、周期構造240及び242の両方を含むことに留意する。周期構造セット246及び248は、異なる相互に直交する方向でターゲット230に出現し、ターゲット230に回転対称性を与える。それらの方向に関して以外は、周期構造セット246及び248のそれぞれは、互いに同一であり得ることが理解される。
【0075】
第1の撮像装置210は、焦点深度で動作し、少なくとも1つの波長λを有する光を使用して、第1の周期構造240の少なくとも1つのタルボ画像250を、第1の周期構造240の直ぐ上に平面252において出現させる。平面252はx-y平面に平行であり、タルボ画像250は第1の周期構造240に平面252において直接重なるため、第1の周期構造240は、図2の中央領域では見られず、図2はx-y平面に平行にとったターゲット230の上図を示すことが理解される。
【0076】
本発明の一実施形態では、タルボ画像250を含む平面252は、タルボ効果のために、垂直距離Fで、平面241からz方向に出現する。平面241と平面252をz方向に分離する距離Fは、垂直距離であることに留意する。図2の拡大図A及びBでは、タルボ画像250は厚みがあるものとして示されているが、タルボ画像250はz方向に厚みがないことが理解される。タルボ画像250は、第1の周期構造240の直ぐ上に出現するため、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第2の周期構造242と第1の周期構造240との間のオフセットは、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第2の周期構造242とタルボ画像250との間のオフセットと同一であることが更に理解される。
【0077】
第1の周期構造240の平面241とタルボ画像250の平面252との間の垂直距離Fは、第1の撮像装置210によって使用される光の波長λによって、ならびに第1の周期構造240のピッチQによって、及び第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nによって決定される。垂直距離F、波長λ、ピッチQ、及び屈折率nの間の関係は、方程式5で定義される。
【数5】
【0078】
本発明の一実施形態では、ピッチQ及び波長λは、平面252及び244がz方向に垂直距離256によって相互に分離されるように選択され、垂直距離256は、平面252及び244に対して、それらの両方を第1及び第2の撮像装置210及び212の焦点深度内とするために十分に小さい。したがって、システム200は、タルボ画像250と第2の周期構造242の両方をシングルグラブで撮像するように動作する。本発明の一実施形態では、第1の周期構造240と第2の周期構造242との間にある半導体デバイスウェハ上の特徴は、タルボ画像250の可視性への干渉を最小限に抑えるように形成される。
【0079】
例えば、第1の層222と第2の層224が5.11μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nが1.46である場合、第1の周期構造240のピッチQは1.2μmであるように選択され、第1の撮像装置210は、400nmの少なくとも1つの波長を有する光で第1の層222を撮像し、第2の撮像装置212は、任意の適切な波長を有する光で第2の層224を撮像し、その結果、平面252は平面244と同じx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像250と第2の周期構造242は、それぞれ、第1の撮像装置210と第2の撮像装置212によって、同じx-y平面のシングルグラブで撮像される。
【0080】
別の例として、第1の層222と第2の層224が18.82μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nが2.0である場合、第1の周期構造240のピッチQは2.7μmであるように選択され、第1の撮像装置210は、800nmの少なくとも1つの波長を有する光で第1の層222を撮像し、第2の撮像装置212は、任意の適切な波長を有する光で第2の層224を撮像し、その結果、平面252は平面244の1.0μm下のx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像250と第2の周期構造242は、それぞれ、第1の撮像装置210の焦点深度内と第2の撮像装置212の焦点深度内に存在し、シングルグラブで撮像される。
【0081】
オフセット量子化器218及び220はそれぞれ、第1の撮像装置210によって撮影されたタルボ画像250の画像と、第2の撮像装置212によって撮影された第2の周期構造242の画像との間のx方向及びy方向のオフセットを測定し、それによって、第1の層222と第2の層224との間の位置ずれを計算するように動作する。
【0082】
代替的に、第2の撮像装置212は、特に図2の拡大図Cに見られるように、焦点深度で、少なくとも1つの波長λを有する光を使用して動作し得て、第2の周期構造242の少なくとも1つのタルボ画像260を第2の周期構造242の直ぐ下で、平面262において出現させる。平面262はx-y平面に平行であり、タルボ画像260は第2の周期構造242の下に平面262で直接重なるため、タルボ画像260は、図2の中央領域では見ることができず、図2はx-y平面に平行にとったターゲット230の上図を示すことが理解される。
【0083】
本発明の一実施形態では、タルボ画像260を含む平面262は、タルボ効果のために、距離Gで、平面244からz方向に出現する。平面244と平面262をz方向に分離する距離Gは、垂直距離であることに留意する。図2の拡大図A及びCでは、タルボ画像260は厚みを有するものとして示されているが、タルボ画像260は、z方向に厚みがないことが理解される。タルボ画像260は、第2の周期構造242の直ぐ下に出現するため、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第1の周期構造240と第2の周期構造242との間のオフセットは、1つ以上のx-y平面で撮像された場合の、第1の周期構造240とタルボ画像260との間のオフセットと同一であることが更に理解される。
【0084】
垂直距離Gは、第2の撮像装置212によって使用される光の波長λによって、ならびに第2の周期構造242のピッチRによって、及び第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nによって決定される。垂直距離G、波長λ、ピッチR、及び屈折率nの間の関係は、方程式6で定義される。
【数6】
【0085】
本発明の一実施形態では、ピッチR及び波長λは、平面262及び241がz方向に垂直距離266によって相互に分離されるように選択され、垂直距離266は、平面262及び241に対して、それらの両方を第2及び第1の撮像装置212及び210の焦点深度内にするために十分に小さい。したがって、システム200は、タルボ画像260と第1の周期構造240の両方をシングルグラブで撮像するように動作する。本発明の一実施形態では、第1の周期構造240と第2の周期構造242との間にある半導体デバイスウェハ上の特徴は、タルボ画像260の可視性への干渉を最小限に抑えるように形成される。
【0086】
例えば、第1の層222と第2の層224が5.11μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nが1.46である場合、第2の周期構造242のピッチRは1.2μmであるように選択され、第2の撮像装置212は、400nmの少なくとも1つの波長を有する光で第2の層224を撮像し、第1の撮像装置210は、任意の適切な波長を有する光で第1の層222を撮像し、その結果、平面262は平面241と同じx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像260と第1の周期構造240は、それぞれ、第2の撮像装置212と第1の撮像装置210によって、同じx-y平面にシングルグラブで撮像される。
【0087】
別の例として、第1の層222と第2の層224が18.82μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nが2.0である場合、第2の周期構造242のピッチRは2.7μmであるように選択され、第2の撮像装置212は、800nmの少なくとも1つの波長を有する光で第2の層224を撮像し、第1の撮像装置210は、任意の適切な波長を有する光で第1の層222を撮像し、その結果、平面262は平面241の1.0μm上のx-y平面に出現する。したがって、タルボ画像260と第1の周期構造240は、それぞれ、第2の撮像装置212の焦点深度内と第1の撮像装置210の焦点深度内に存在し、シングルグラブで撮像される。
【0088】
オフセット量子化器218及び220はそれぞれ、第2の撮像装置212によって撮影されたタルボ画像260の画像と、第1の撮像装置210によって撮影された第1の周期構造240の画像との間のx方向及びy方向のオフセットを測定し、それによって、第1の層222と第2の層224との間の位置ずれを計算するように動作する。
【0089】
本発明の追加の実施形態では、ピッチQ及びピッチRは、第1の撮像装置210が焦点深度で動作し、波長λを使用し、第2の撮像装置212が焦点深度で動作し、波長λを使用する場合、タルボ画像250及び260が、それぞれ平面252及び262に出現するように選択され、これらの平面は、それぞれ、第1及び第2の層222及び224から、それぞれの垂直距離F及びGにある。そのような場合、垂直距離F及びGは、平面252及び262が、z方向に垂直距離268によって、相互に分離されるように選択され、垂直距離268は、平面252及び262に対して、それらの両方を第1及び第2の撮像装置210及び212の焦点深度内にするために十分に小さい。したがって、システム200は、タルボ画像250及びタルボ画像260の両方をシングルグラブで撮像するように動作する。本発明の一実施形態では、第1の周期構造240と第2の周期構造242との間にある半導体デバイスウェハ上の特徴は、タルボ画像250及び260の可視性への干渉を最小限に抑えるように形成される。
【0090】
例えば、第1の層222と第2の層224が27.97μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nが1.46である場合、第1の周期構造240のピッチQは2.5μmであるように選択され、第2の周期構造242のピッチRは1.2μmであるように選択され、第1の撮像装置210は、400nmの波長を有する光で第1の層222を撮像し、第2の撮像装置212は、400nmの波長を有する光で第2の層224を撮像する。これにより、平面252は10.6μmの距離Fで第1の層222の上に出現し、平面262は2.4μmの距離Gで第2の層224の下に出現する。これにより、第1のタルボ画像250と第2のタルボ画像260は、0.2μmだけ離れており、したがって、第1の撮像装置210と第2の撮像装置212のそれぞれの焦点深度内に存在し、シングルグラブで撮像される。
【0091】
更なる例のように、第1の層222と第2の層224が32.21μmの垂直距離によって相互に分離され、第1の層222と第2の層224との間の材料の屈折率nが2.0である場合、第1の周期構造240のピッチQは2.1μmであるように選択され、第2の周期構造242のピッチRは2.7μmであるように選択され、第1の撮像装置210は、600nmの波長を有する光で第1の層222を撮像し、第2の撮像装置212は、800nmの波長を有する光で第2の層224を撮像する。これにより、平面252は3.5μmの距離Fで第1の層222の上に出現し、平面262は4.5μmの距離Gで第2の層224の下に出現する。これにより、第1のタルボ画像250と第2のタルボ画像260は、同じx-y平面に撮像され、したがって、タルボ画像250とタルボ画像260は、それぞれ第1の撮像装置210と第2の撮像装置212によって、シングルグラブで撮像される。
【0092】
オフセット量子化器218及び220はそれぞれ、タルボ画像250の画像とタルボ画像260の画像との間のx方向及びy方向のオフセットを測定し、これによって、第1の層222と第2の層224との間の位置ずれデータを計算するように動作する。
【0093】
図2を参照して本明細書に記載されるシステム200はまた、3つ以上の層を有するターゲットを含み得ることを理解する。システム200が3つ以上の層を有するターゲットを含む場合、ターゲットの各層は、位置ずれが測定される半導体デバイスウェハの対応する層と一緒に形成された1つの周期構造を含む。そのようなターゲットは、2つの周期構造セットを含み得て、各周期構造セットは、ターゲット内のすべての周期構造を含むことに留意する。2つの周期構造セットのそれぞれは、異なる相互に直交する方向でターゲットに出現でき、ターゲットに回転対称性を付与する。それらの向きに関する以外に、周期構造セットのそれぞれは互いに同一であり得ることが理解される。そのような多層半導体デバイスウェハの任意の2つの層の位置ずれは、本明細書に記載されるように、それらの2つの層の上の周期構造の位置ずれを比較することにより、システム200によって測定され得ることが理解される。
【0094】
ここで、図3を参照すると、半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定する方法300を示す簡略化されたフローチャートであり、図1及び図2を参照して本明細書に記載されるように、半導体デバイスウェハの製造における位置ずれを測定するため、システム100又は200によって有用である。
【0095】
第1のステップ302に見られるように、少なくとも1つの適切なターゲット、例えば少なくとも第1の層と第2の層を含んでいる、ターゲット130又は230を有する多層半導体デバイスウェハが供給される。同様に、図1及び図2の代替の実施形態を参照して本明細書に記載されるように、3つ以上の層を有するターゲットが供給されてもよい。
【0096】
次のステップ304に見られるように、ステップ302で供給されたターゲットが、撮像される。図1及び図2を参照して本明細書に記載されるように、本発明の1つの実施形態では、ターゲット及びターゲットを撮像するために使用される光の特性は、少なくとも1つのタルボ画像が、撮像装置の焦点を変えることなく、両方の層の画像の測定に適した平面に出現するように選択される。本発明の別の実施形態では、ターゲット及びターゲットを撮像するために使用される光の特性は、少なくとも1つの層のタルボ画像が、別の層から、タルボ画像である実際の層よりも離れた平面に現れるように選択される。
【0097】
ステップ304に続いて、次のステップ306で、オフセットは、一方の層のタルボ画像と別の層の画像又はタルボ画像との間で測定され、それによって第1の層と第2の層との間の位置ずれが計算される。
【0098】
本発明が本明細書で特に示され、説明されたものに限定されないことは、当業者によって理解されるであろう。本発明の範囲は、本明細書に記載の様々な特徴の組み合わせ及びサブ組み合わせの両方、ならびにそれらの変更を含み、これらはすべて先行技術にはない。
図1
図2
図3