(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】半電導性発光ナノ粒子を含む組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 83/04 20060101AFI20241202BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20241202BHJP
C08K 3/10 20180101ALI20241202BHJP
C09K 11/88 20060101ALI20241202BHJP
C09K 11/08 20060101ALI20241202BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20241202BHJP
B82Y 20/00 20110101ALI20241202BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
C08L83/04
C08L101/00
C08K3/10
C09K11/88 ZNM
C09K11/08 G
H01L33/50
B82Y20/00
G02B5/20
(21)【出願番号】P 2020529569
(86)(22)【出願日】2018-11-20
(86)【国際出願番号】 EP2018081880
(87)【国際公開番号】W WO2019105798
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-11-19
(32)【優先日】2017-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】591032596
【氏名又は名称】メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D-64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003971
【氏名又は名称】弁理士法人葛和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平山裕樹
(72)【発明者】
【氏名】後藤智久
(72)【発明者】
【氏名】岸本匡史
(72)【発明者】
【氏名】鈴木成嘉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木照晃
【審査官】三宅 澄也
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-126596(JP,A)
【文献】国際公開第2017/117162(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/116820(WO,A1)
【文献】特開2014-174406(JP,A)
【文献】特開2011-080067(JP,A)
【文献】特表2018-512614(JP,A)
【文献】特開2003-286292(JP,A)
【文献】国際公開第2006/027956(WO,A1)
【文献】特表2012-507588(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08K
C08L
C09K
G02B
H01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、ポリマー、およびポリシロキサンを含む組成物であって、
ナノ粒子が、少なくともコア、任意に1以上のシェル層を含み、
ポリマーが、少なくとも以下の化学式(I)
【化1】
で表されるホスファート基から選択されるアタッチング基、
および、
以下の化学式(II)または(III)、
【化2】
【化3】
式中、
「
*」は、連結点を表し、「n」は、整数であり、
で表される第1の繰り返し単位を含む、
ことを特徴とする、該組成物。
【請求項2】
ポリマーが、以下の化学式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)または(VIII)、
【化4】
【化5】
式中、
R
1は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、2~40個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子を有するアラルキレン基、これらは各場合において1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH
2基は、R
aC=CR
a、C≡C、Si(R
a)
2、Ge(R
a)
2、Sn(R
a)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
a、P(=O)(R
a)、SO、SO
2、NR
a、OS、またはCONR
aによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、これらは1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよい、から選択され、
R
aは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基R
aは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
R
2は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、2~40個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子を有するアラルキレン基、これらは、各場合において1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH
2基は、R
aC=CR
a、C≡C、Si(R
a)
2、Ge(R
a)
2、Sn(R
a)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
a、P(=O)(R
a)、SO、SO
2、NR
a、OS、またはCONR
aによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよい、から選択され、
R
3は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子を有するアラルキル基、これらは、各場合において1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH
2基は、R
aC=CR
a、C≡C、Si(R
a)
2、Ge(R
a)
2、Sn(R
a)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
a、P(=O)(R
a)、SO、SO
2、NR
a、OS、またはCONR
aによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、これらは1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよい、から選択され、
R
4は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子を有するアラルキル基、これらは、各場合において1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH
2基は、R
aC=CR
a、C≡C、Si(R
a)
2、Ge(R
a)
2、Sn(R
a)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
a、P(=O)(R
a)、SO、SO
2、NR
a、OS、またはCONR
aによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、これらは1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよい、から選択され、
R
5は、水素原子またはメチルであり、
R
6は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子を有する線状のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子を有する分枝のアルキル基またはアルコキシル基、3~40個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子を有するアルケニル基、3~40個の炭素原子を有するアリール基、3~40個の炭素原子を有するヘテロアリール基、および、4~40個の炭素原子を有するアラルキル基、これらは各場合において1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH
2基は、R
aC=CR
a、C≡C、Si(R
a)
2、Ge(R
a)
2、Sn(R
a)
2、C=O、C=S、C=Se、C=NR
a、P(=O)(R
a)、SO、SO
2、NR
a、OS、またはCONR
aによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO
2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、これらは1以上のラジカルR
aによって置換されていてもよい、から選択され、
「
*」は、連結点を表し、「n」は、整数であり、
および、
第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とは相互に異なり、
で表される第2の繰り返し単位をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ポリマーが、以下の式(X)
A(B)
xC(D)
yEF (X)
式中、記号Aは、アタッチング基であり;記号Bは、第1のリンカーであり;記号Cは、第1の繰り返し単位であり;記号Dは、第2のリンカーであり;記号Eは、第2の繰り返し単位であり;記号Fは、ポリマーの尾(tail)であり;xは、0または1であり;yは、0または1である、
で表される、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
第1の繰り返し単位が、式(III)で表され、および、第2の繰り返し単位が、式(II)で表される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
シェル層の少なくとも1つが、周期表の12族の第1の元素である、および、周期表の16族の第2の元素を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
少なくとも1つのシェル層が、以下の式(XI)
ZnS
xSe
yTe
z、 - (XI)
式中、
0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、およびx+y+z=1、で表される、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
半電導性発光ナノ粒子のシェル層が、ダブルシェル層である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
組成物が、少なくとも1つの追加の材料、ここで追加の材料は、有機発光材料、無機発光材料、電荷輸送材料、散乱粒子、光学的に透明なポリマー、抗酸化剤、ラジカルクエンチャー、重合開始剤、および追加のリガンドからなる群から選択される、をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
組成物が、複数の半電導性発光ナノ粒子を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
半電導性発光ナノ粒子の総量が、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%までの範囲である、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
ポリマーの総量が、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%までの範囲である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物、および、溶媒、ここで溶媒は
、エチレングリコールモノアルキルエーテル
;ジエチレングリコールジアルキルエーテル
;プロピレングリコールモノアルキルエーテル
;エチレングリコールアルキルエーテルアセタート
;プロピレングリコールアルキルエーテルアセタート
;ケトン
;アルコール
;エステル
;環状エステル;
および塩素化炭化水素からなる群の1以上の要素から選択される、を含む配合物。
【請求項13】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物または請求項12に記載の配合物の、電子デバイス、光学デバイスにおける、生物医学デバイスにおける、または、電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイスを作製するための使用。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物または請求項12に記載の配合物を含む、光学媒体。
【請求項15】
請求項14に記載の光学媒体を含む光学デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、半電導性発光ナノ粒子を含む組成物、配合物、組成物の使用、配合物の使用、光学媒体、および光学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術
WO 2014/129067 A1には、表1および表2において、樹脂AからKまでから選択される樹脂、表1および表2において、AからDまでから選択される半導体量子ドット、および、表1および表2において、溶媒1から6までから選択される溶媒からなる配合物が開示される。
【0003】
WO 2012/059931A1には、ナノロッド、ポリビニルブチラールのモノマー溶液、およびトルエンの混合物が記載される。
EP 01403355 Aには、蛍光体混合物およびポリマーマトリックスの組成物が開示される。
EP 02056158 Aには、蛍光体粒子およびバインダー(エチルセルロースまたはシリコーン樹脂)の混合物が記載される。
WO 2010/143461 A1には、蛍光体およびアクリル樹脂などの樹脂の混合物が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】WO 2014/129067 A1
【文献】WO 2012/059931 A1
【文献】EP 01403355 A
【文献】EP 02056158 A
【文献】WO 2010/143461 A1
【発明の概要】
【0005】
本発明の概要
しかしながら、本発明者らは、以下に列挙されるとおり、改善が所望される1以上の重大な問題が、なお存在することを新しく見出した。
1.1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、シリコーン樹脂において該半電導性発光ナノ粒子の改善された分散性を表す新規な組成物が所望される。
2.1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、保管するときシリコーン樹脂の重合を減少または防止する新規な組成物が要求される。
3.1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、長期安定性、および組成物または配合物において半電導性発光ナノ粒子の安定した量子収率を表す新規な組成物が要求される。
4.1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、より高い濃度にて半電導性発光ナノ粒子のよりよい分散性を表す新規な組成物が要求される。
【0006】
発明者らは、上述の問題1~4の1以上を解決することを目指した。
次いで、少なくともコア、任意に1以上のシェル層を含む少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、
ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、ホスファート基、ホスホナート基、チオール基、カルボキシル基、ヘテロ環基、シラン基、スルホン酸、ヒドロキシル基、およびホスホン酸、好ましくは、ホスホナート基、ホスファート基、カルボキシル基、およびチオール基、より好ましくは、以下の化学式(I)
【化1】
で表されるホスファート基、からなる群の1以上の要素から選択されるアタッチング基を少なくとも、
【0007】
および、
以下の化学式(II);(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)または(VIII)
【化2】
【化3】
【0008】
式中、
R1は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0009】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0010】
R2は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0011】
R3は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0012】
R4は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0013】
R5は、水素原子またはメチレンであり、
R6は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0014】
「*」は、連結点を表し、「n」は、整数であり、好ましくはnは、1~1000、好ましくは5~500、より好ましくは10~100であり、
で表される第1の繰り返し単位を含む、本質的にからなる、またはからなるポリマー、
【0015】
および、ポリシロキサン、好ましくは該ポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンであり、より好ましくはポリシロキサンが、以下の化学式(IX):
(R7SiO1.5)x - (IX)
式中、R7は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0016】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0017】
記号xは、整数であり、好ましくは、1~1000、より好ましくは、5~500、なおより好ましくは、5~100の範囲である、
で表されるシルセスキオキサン単位を少なくとも含む、
を含む、本質的にからなる、またはからなる新規組成物を見出した。
【0018】
別の側面において、本発明は、組成物を少なくとも、および、溶媒、好ましくは溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、およびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル;メチルセロソルブアセタートおよびエチルセロソルブアセタートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセタート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセタートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノンなどのケトン;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、およびグリセリンなどのアルコール;エチル3-エトキシプロピオナート、メチル3-メトキシプロピオナートおよびエチルラクタートなどのエステル;およびガンマ-ブチロ-ラクトンなどの環状エステル;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素からなる群の1以上の要素から選択され、好ましくは該溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、アルキルアセタート、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、およびプロピレングリコールモノアルキルエーテルであり、より好ましくは溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)などのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、ブチルアセタートなどのアルキルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、または、メトキシプロパノールなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群の1以上の要素から選択され、より好ましくは溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタートから選択される、を含む配合物に関する。
【0019】
別の側面において、本発明はまた、組成物または配合物の、電子デバイス、光学デバイスにおける、生物医学デバイスにおける、または、電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイスを作製するための使用に関する。
別の側面において、本発明はさらに、該組成物または配合物を含む光学媒体に関する。
別の側面において、本発明はさらに、該光学媒体を含む光学デバイスに関する。
【0020】
本発明の詳細な説明
本発明に従って、
少なくともコア、任意に1以上のシェル層を含む少なくとも1つの半電導性発光ナノ粒子、
【0021】
ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、ホスファート基、ホスホナート基、チオール基、カルボキシル基、ヘテロ環基、シラン基、スルホン酸、ヒドロキシル基、およびホスホン酸、好ましくは、ホスホナート基、ホスファート基、カルボキシル基、およびチオール基、より好ましくは、以下の化学式(I)
【化4】
で表されるホスファート基、からなる群の1以上の要素から選択されるアタッチング基を少なくとも、
【0022】
および、
以下の化学式(II);(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)または(VIII)
【化5】
【化6】
【化7】
【0023】
式中、
R1は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0024】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0025】
R2は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0026】
R3は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0027】
R4は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0028】
R5は、水素原子またはメチレンであり、
R6は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0029】
「*」は、連結点を表し、「n」は、整数であり、好ましくはnは、1~1000、好ましくは5~500、より好ましくは10~100であり、
で表される第1の繰り返し単位を含む、本質的にからなる、またはからなるポリマー、
【0030】
および、ポリシロキサン、好ましくは該ポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンであり、より好ましくはポリシロキサンが、以下の化学式(IX):
(R7SiO1.5)x - (IX)
式中、R7は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0031】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0032】
記号xは、整数であり、好ましくは、1~1000、より好ましくは、5~500、なおより好ましくは、5~100の範囲である、
で表されるシルセスキオキサン単位を少なくとも含む、
を含む、本質的にからなる、またはからなる組成物。
【0033】
-ポリマー
本発明に従って、下記に記載されるアタッチング基を少なくとも、および第1の繰り返し単位を含む、多種多様の公知のポリマーが、好ましくは使用され得る。
【0034】
よって、本発明のいくつかの態様において、組成物のポリマーは、ホスフィン基、ホスフィンオキシド基、ホスファート基、ホスホナート基、チオール基、カルボキシル基、ヘテロ環基、シラン基、スルホン酸、ヒドロキシル基、およびホスホン酸、好ましくは、ホスホナート基、ホスファート基、カルボキシル基、およびチオール基、より好ましくは、以下の化学式(I)
【化8】
で表されるホスファート基、からなる群の1以上の要素から選択されるアタッチング基を少なくとも、
【0035】
および、
以下の化学式(II);(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)または(VIII)
【化9】
【化10】
【化11】
【0036】
式中、
R1は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0037】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0038】
R2は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0039】
R3は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0040】
R4は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0041】
R5は、水素原子またはメチレンであり、
R6は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0042】
「*」は、連結点を表し、「n」は、整数であり、好ましくはnは、1~1000、好ましくは5~500、より好ましくは10~100であり、
で表される第1の繰り返し単位を含む。
【0043】
本発明のいくつかの態様において、組成物は、複数の半電導性発光ナノ粒子を含む。
本発明の好ましい態様において、ポリマーは、以下の化学式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)または(VIII)、
【化12】
【化13】
【化14】
式中、
【0044】
R1は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0045】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0046】
R2は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0047】
R3は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0048】
R4は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0049】
R5は、水素原子またはメチレンであり、
R6は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0050】
「*」は、連結点を表し、「n」は、整数であり、好ましくはnは、1~1000、好ましくは5~500、より好ましくは10~100であり、
および、
第1の繰り返し単位と第2の繰り返し単位とは相互に異なり、好ましくはxは、1~1000、より好ましくは、5~500、なおより好ましくは、5~100の範囲である、
で表される第2の繰り返し単位をさらに含む。
【0051】
本発明のさらに好ましい態様において、ポリマーは、以下の式(X)
A(B)xC(D)yEF (X)
式中、記号Aは、アタッチング基であり;記号Bは、第1のリンカーであり、好ましくは第1のリンカーは、1~25個の炭素原子を有する線状のアルキレン基または1~25個の炭素原子を有する線状のアルケニレン基であり;記号Cは、第1の繰り返し単位であり;記号Dは、第2のリンカーであり、好ましくは第2のリンカーは、1~25個の炭素原子を有する線状のアルキレン基または1~25個の炭素原子を有する線状のアルケニレン基であり;記号Eは、第2の繰り返し単位であり;記号Fは、ポリマーの尾(tail)であり、好ましくは水素原子、1~25個の炭素原子を有する線状のアルキル基、1~25個の炭素原子を有する線状のアルコキシ基、および1~25個の炭素原子を有する線状のアルケニル基からなる群から選択され、好ましくは水素原子または1~25個の炭素原子を有する線状のアルキル基であり;xは、0または1であり;yは、0または1である、
で表される。
【0052】
さらにまたより好ましくは、該第1の繰返し単位は、式(III)で表され、および、第2の繰返し単位は、化学式(II)で表される。
【0053】
好ましくは、記号Bは、以下の表1の群から選択される。
【表1】
およびここで、「
*」は、基AおよびCへの連結点を表す。
好ましくは、記号Dは、以下の表2の群から選択される。
【0054】
【0055】
およびここで、「*」は、基CおよびDへの連結点を表す。
さらにより好ましくは、該第1の繰返し単位は、式(III)で表され、および、第2の繰返し単位は、化学式(II)で表される。
【0056】
例えば、DISPERBYK(登録商標)-118、111、110、106、103、102、より好ましくは110、118、および103が、好ましくはポリマーとして使用され得る。
【0057】
-半電導性発光ナノ粒子
本発明に従って、用語「半導体」は、室温にて、伝導体(銅など)のそれと絶縁体(ガラスなど)のそれとの間の程度の電気伝導率を有する材料を意味する。好ましくは、半導体は、電気伝導率が温度とともに上昇する材料である。
【0058】
用語「ナノサイズの」は、0.1nmと999nmとの間の、好ましくは1nm~150nm、より好ましくは、3nm~50nmにおけるサイズを意味する。
よって、本発明に従って、「半電導性発光ナノ粒子」は、サイズが、0.1nmと999nmとの間の、好ましくは1nm~150nm、より好ましくは、3nm~50nmにおける、室温にて、伝導体(銅など)のそれと絶縁体(ガラスなど)のそれとの間の程度の電気伝導率を有する発光材料、好ましくは半導体は、電気伝導率が温度とともに上昇する、および、サイズは0.1nmと999nmとの間の、好ましくは0.5nm~150nm、より好ましくは、1nm~50nmである材料を意味するために採用される。
【0059】
本発明に従って、用語「サイズ」は、半電導性ナノサイズ発光粒子の最長軸の平均直径を意味する。
本発明の好ましい態様において、本発明の半電導性発光ナノ粒子は、量子サイズ材料である。
本発明に従って、用語「量子サイズ」は、リガンドも別の表面修飾もなしの半電導性材料自体のサイズを意味し、例えばISBN:978-3-662-44822-9などに記載されるとおりの量子閉じ込め効果を表し得る。
【0060】
一般に、量子サイズ材料は、「量子閉じ込め」効果に起因して、調節可能な、シャープな、および鮮明な色の光を放出し得る。
本発明のいくつかの態様において、量子サイズ材料の全体構造のサイズは、1nmから50nmまで、より好ましくは、それは、1nmから30nmまで、なおより好ましくは、それは、5nmから15nmまでである。
本発明に従って、半電導性発光ナノ粒子の該コアは、多様であり得る。
【0061】
例えば、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnSeS、ZnTe、ZnO、GaAs、GaP、GaSb、HgS、HgSe、HgSe、HgTe、InAs、InP、InPS、InPZnS、InPZn、InPZnSe、InCdP、InPCdS、InPCdSe、InGaP、InGaPZn、InSb、AlAs、AlP、AlSb、Cu2S、Cu2Se、CuInS2、CuInSe2、Cu2(ZnSn)S4、Cu2(InGa)S4、TiO2合金、およびこれらの任意の組み合わせが使用され得る。
【0062】
本発明の好ましい態様において、コアは、周期表の13族の元素の1つ、および周期表の15族の元素の1つを含み、好ましくは13族の元素はInであり、および、15族の元素はPであり、より好ましくはコアは、以下の式(XII)、または式(XII´)
In1-xGaxZnzP (XII)
式中0≦x≦1、0≦z≦1で表され、なおより好ましくはコアは、InP、InxZnzP、またはIn1-xGaxPである。
【0063】
当業者は、コアの中または周りに、カウンターイオンがあり、よって化学式(I)は電気的に中性であることを容易に理解し得る。
In1-x-2/3zGaxZnzP (XII´)
式中0≦x≦1、0≦z≦1、なおより好ましくはコアは、InP、In1-2/3zZnzP、またはIn1-xGaxPである。
In1-2/3zZnzPの場合、xは、0、および0<z≦1である。および、Zn原子は、直接的にコアの表面上にあり得る、または、InPで合金され得る。ZnとInとの間の比率は、0.05と5との間の範囲である。好ましくは、0.07と1との間である。
【0064】
本発明に従って、半電導性発光ナノ粒子のコアの形状、および、合成される半電導性発光ナノ粒子の形状のタイプは、具体的に限定されない。
本発明のいくつかの態様において、コアは、InP、InP:Zn、InPZnS、およびInGaPからなる群から選択される。
【0065】
本発明に従って、半電導性発光ナノ粒子のコアの形状、および、合成される半電導性発光ナノ粒子の形状のタイプは、具体的に限定されない。
例えば、球状の形状、細長い形状、星の形状、多面体の形状、ピラミッドの形状、テトラポッドの形状、四面体の形状、プレートレットの形状、円錐の形状、および不規則の形状のコア、および/または半電導性発光ナノ粒子が合成され得る。
本発明のいくつかの態様において、コアの平均直径は、1.5nmから3.5nmまでの範囲である。
【0066】
コアの平均直径は、Tecnai G2 Spirit Twin T-12 Transmission Electron MicroscopeによりつくられるTEM画像において、100の半電導性発光ナノ粒子に基づき計算される。
本発明のいくつかの態様において、シェル層は、周期表の12族の第1の元素、および周期表の16族の第2の元素を含むまたはからなり、好ましくは、第1の元素はZnであり、および第2の元素はS、Se、またはTeである。
【0067】
本発明の好ましい態様において、シェル層は、以下の式(XI)、
ZnSxSeyTez、-(XI)
式中、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、およびx+y+z=1で表され、好ましくは、シェル層は、ZnSe、ZnSxSey、ZnSeyTezまたはZnSxTezである。
本発明のいくつかの態様において、該シェル層は、合金シェル層または傾斜シェル層であり、好ましくは該傾斜シェル層は、ZnSxSey、ZnSeyTez、またはZnSxTez、より好ましくはそれは、ZnSxSeyである。
【0068】
y/xの比率は、好ましくは0.5より大きく、より好ましくは1より大きく、なおより好ましくは2より大きい。
y/zの比率は、好ましくは1より大きく、より好ましくは2より大きく、なおより好ましくは4より大きい。
本発明のいくつかの態様において、半電導性発光ナノ粒子は、第2のシェル層を該シェル層上にさらに含み、好ましくは第2のシェル層は、周期表の12族の第3の元素、および周期表の16族の第4の元素を含むまたはからなり、より好ましくは第3の元素はZnであり、および第4の元素はS、Se、またはTeであり、ただし第4の元素と第2の元素とは同じではない。
【0069】
本発明の好ましい態様において、第2のシェル層は、以下の式(XI´)
ZnSxSeyTez、 - (XI´)
式中、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、およびx+y+z=1により表され、好ましくはシェル層は、ZnSe、ZnSxSey、ZnSeyTez、またはZnSxTezであり、ただしシェル層と第2のシェル層とは同じでない。
本発明のいくつかの態様において、該第2のシェル層は、合金シェル層であり得る。
本発明のいくつかの態様において、半電導性発光ナノ粒子は、1以上の追加のシェル層を、第2のシェル層上に、マルチシェルとしてさらに含み得る。
【0070】
本発明に従って、用語「マルチシェル」は、3つ以上のシェル層からなる積層シェル層を表す。
例えば、CdSe/CdS、CdSeS/CdZnS、CdSeS/CdS/ZnS、ZnSe/CdS、CdSe/ZnS、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/ZnSe/ZnS、InZnP/ZnS、InZnP/ZnSe、InZnP/ZnSe/ZnS、InGaP/ZnS、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnSe/ZnS、InZnPS/ZnS、InZnPSZnSe、InZnPS/ZnSe/ZnS、ZnSe/CdS、ZnSe/ZnSまたはこれらの任意の組み合わせが使用され得る。好ましくは、InP/ZnS、InP/ZnSe、InP/ZnSexS1-x、InP/ZnSexS1-x/ZnS、InP/ZnSe/ZnS、InZnP/ZnS、InP/ZnSexTe1-x/ZnS、InP/ZnSexTe1-x、InZnP/ZnSe、InZnP/ZnSe/ZnS、InGaP/ZnS、InGaP/ZnSe、InGaP/ZnSe/ZnS。
【0071】
本発明のいくつかの態様において、組成物は、2つ以上の半電導性発光ナノ粒子を含む。
本発明のいくつかの態様において、組成物は、複数の半電導性発光ナノ粒子を含む。
本発明のいくつかの態様において、半電導性発光ナノ粒子の総量は、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%まで、好ましくは5wt.%から70wt.%までの、より好ましくは10wt.%から50wt.%までの範囲である。
【0072】
コアおよび少なくとも1つのシェル層を含む、かかる半電導性発光ナノ粒子は、先行技術文献において知られている。
例えば、Chem.materials、2015, 27, 4893-4898, Jeong et al., Applied Physics Letters, 2012, 101, 7, 073107、Char et al.、ACS Nano, 2016,10(4), pp 4754-4762, US 9109163 B2, ACS Nano, 2013, 7(10), pp 9019-9026, Chem. Mater., 2011, 23(20), pp 4459-4463、およびWO 2016/146719 A1において記載される。
本発明のいくつかの態様において、ポリマーの総量は、組成物の総量に基づき、0.1wt.%から90wt.%まで、好ましくは5wt.%から70wt.%まで、より好ましくは10wt.%から50wt.%までの範囲である。
【0073】
-ポリシロキサン
本発明に従って、ポリシロキサンとして、多種多様の公知のポリシロキサン、好ましくはオルガノポリシロキサンが使用され得る。
【0074】
より好ましくは、ポリシロキサンは、以下の化学式(IX)
(R7SiO1.5)x - (IX)
式中、R7は、各出現にて同一または異なり、1~40個の炭素原子、好ましくは1~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する線状のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは1~15個の炭素原子を有する分枝のアルキレン基またはアルコキシレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子、より好ましくは3~15個の炭素原子を有するシクロアルカン基、2~40個の炭素原子、好ましくは2~25個の炭素原子を有するアルケニレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するアリーレン基、3~40個の炭素原子、好ましくは3~25個の炭素原子を有するヘテロアリーレン基、および、4~40個の炭素原子、好ましくは4~25個の炭素原子を有するアラルキル基、ここで各場合において1以上のラジカルRaによって置換されていてもよく、ここで1以上の非隣接するCH2基は、RaC=CRa、C≡C、Si(Ra)2、Ge(Ra)2、Sn(Ra)2、C=O、C=S、C=Se、C=NRa、P(=O)(Ra)、SO、SO2、NRa、OS、またはCONRaによって置き換えられてもよく、およびここで1以上のH原子は、D、F、Cl、Br、I、CNまたはNO2によって置き換えられていてもよい、からなる群の1以上の要素、または、5~60個の芳香環原子を有する芳香族またはヘテロ芳香環系、ここで1以上のラジカルRaによって置換されていてもよい、から選択され、
【0075】
Raは、各出現にて同一にまたは異なって、H、D、または1~20個の炭素原子を有するアルキル基、3~40個の炭素原子を有する環状アルキルまたはアルコキシ基、5~60個の炭素環原子を有する芳香環系、または、5~60個の炭素原子を有するヘテロ芳香環系、ここでH原子はD、F、Cl、Br、Iによって置き換えられていてもよく、ここにおいて2以上の隣接する置換基Raは、相互に、モノ-または多環式、脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香環系を形成してもよい、であり、
【0076】
記号xは、整数であり、好ましくはxは、1~1000、より好ましくは、5~500、なおより好ましくは、5~100の範囲である、
で表されるシルセスキオキサン単位を少なくとも含む。
【0077】
これは、フィルムの改善された湿気、UV耐性、および/または可視光のより高い透過性の観点から好適である。
アルキル基は、特段定義されない限り、好ましくは、1~15個のC原子をもつアルキル基である。アラルキル基は、-アルキル-アリールを表し、および好ましくはベンジル基である。アリールは、好ましくはベンゼンまたはナフタレンから選択され、および最も好ましくは、ベンゼン環、ここでこれらの基は、Cl、F、1-7個のCアルキル、1-7個のCアルコキシ、CN、-(CO)アルキル、-(CO)O-アルキルで任意に置換されてもよい。
【0078】
本発明の好ましい態様において、R7は、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、t-ブチル、n-ヘキシル、n-デシル、n-ブチル、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピル、シクロヘキシル、フェニル、トリル、およびナフチル基からなる群から選択される。
理論によって拘束されることは望まないが、R7がフェニル基の場合、それはポリシロキサンの溶媒中のよりよい可溶性へつながり、および作製されるフィルムにおける亀裂を減少させ得る、および、R7がメチル基の場合、原材料は市場から容易に得ることができ、および作製されるフィルムのより高い硬度およびよりよい化学安定性へつながり得ると考えられている。
【0079】
例えばJP 2014-114176、WO 2012/157696 A1、WO 2013/151166 Aなどに記載されるかかるポリシロキサン、およびSR-7010、OE-4705、OE-6630、OE-6635、OE-6665樹脂(Dow Corning(登録商標))が、本発明のポリシロキサンとして好ましくは使用され得る。より好ましくは、OE-6630、OE-6635、またはOE-6665樹脂(Dow Corning(登録商標))が使用される。
【0080】
-追加のリガンド
本発明のいくつかの態様において、任意に、半電導性発光ナノ粒子は、リガンドを含み得る。
よって、本発明のいくつかの態様において、半電導性発光ナノ粒子のコアまたはシェル層の最外表面は、1つ以上のリガンドで、所望される場合、少なくともアタッチング基および第1の繰り返し単位を含むポリマーとともに、オーバーコート(over coated)され得る。
【0081】
1つ以上の該リガンドが、半電導性発光ナノ粒子のコアまたはシェル層の最外表面上に、ポリマーとともにアタッチされる場合、ポリマーの量は、シェル層の最外表面上にアタッチされる全リガンドの30wt.%から99.9wt%までの範囲、好ましくは50wt%から95wt%までの範囲、より好ましくはそれは60wt.%から90wt.%までの範囲である。
理論によって拘束されることは望まないが、かかる表面リガンドは、溶媒中のナノサイズの 蛍光材料のより容易な分散につながると考えられている。
【0082】
一般的な使用における表面リガンドは、トリオクチルホスフィンオキシド(TOPO)、トリオクチルホスフィン(TOP)、およびトリブチルホスフィン(TBP)などのホスフィンおよびホスフィンオキシド;ドデシルホスホン酸(DDPA)、トリデシルホスホン酸(TDPA)などのホスホン酸、オレイルアミン、デデシルアミン(DDA)、テトラデシルアミン(TDA)、ヘキサデシルアミン(HDA)、およびオクタデシルアミン(ODA)、オレイルアミン(OLA)、1-オクタデセン(ODE)などのアミン、ヘキサデカンチオールおよびヘキサンチオールなどのチオール;メルカプトプロピオン酸およびメルカプトウンデカノイック酸などのメルカプトカルボン酸;オレイン酸、ステアリン酸、ミリスチン酸;酢酸などのカルボン酸、およびこれらの任意の組み合わせを包含する。さらにまた、リガンドは、Zn-オレアート、酢酸Zn、Zn-ミリスタート、Zn-ステアラート、Zn-ラウラート、および他のZn-カルボキシラートを包含し得る。および、ポリエチレンイミン(PEI)もまた好ましくは使用され得る。
【0083】
表面リガンドの例は、例えば国際特許出願公報No.WO 2012/059931Aに記載される。
本発明のいくつかの態様において、組成物は、1つ以上の追加の材料をさらに含み得る。
好ましくは、追加の材料は、有機発光材料、無機発光材料、電荷輸送材料、散乱粒子、マトリックス材料、好ましくは光学的に透明なポリマー、抗酸化剤、ラジカルクエンチャー、光開始剤および界面活性剤、および追加のリガンドからなる群から選択される。
【0084】
例えば、該アクチベーターは、Sc3+,Y3+、La3+、Ce3+、Pr3+、Nd3+、Pm3+、Sm3+、Eu3+、Gd3+、Tb3+、Dy3+、Ho3+、Er3+、Tm3+、Yb3+、Lu3+、Bi3+、Pb2+、Mn2+、Yb2+、Sm2+、Eu2+、Dy2+、Ho2+およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてもよく、および、無機蛍光体などの該無機発光材料は、スルフィド、チオガラート、ニトリド、オキシニトリド、シリカート、アルミナート、アパタイト、ボラート、オキシド、ホスファート、ハロホスファート、スルファート、タングステナート、タンタラート、バナダート、モリブダート、ニオバート、チタナート、ゲルミナート、ハロゲン化物に基づく蛍光体、およびこれらの任意の組み合わせからなる群から選択されてもよい。
【0085】
本発明の組成物においてコンバータとして採用されてもよい蛍光体は、例えば:
【化15】
【化16】
【化17】
【化18】
【0086】
上に記載される好適な無機蛍光体材料は、周知の蛍光体であり、phosphors handbook, 2nd edition (CRC Press、2006), pp.155 - pp.338 (W.M.Yen、S.ShionoyaおよびH.Yamamoto)、WO2011/147517A、WO2012/034625A、およびWO2010/095140Aに記述されるなどのナノサイズの蛍光体、量子サイズ材料を包含する。
【0087】
本発明に従って、該有機発光材料として、電荷輸送材料、任意のタイプの公知の材料が好ましくは使用され得る。例えば、周知の有機蛍光材料、有機ホスト材料、有機染料、有機電子輸送材料、有機金属錯体、および有機ホール輸送材料。
散乱粒子の例として、SiO2、SnO2、CuO、CoO、Al2O3 TiO2、Fe2O3、Y2O3、ZnO、MgOなどの無機オキシドの小粒子、ポリマー化ポリスチレン、ポリマー化PMMAなどの有機粒子、多孔のシリカなどの無機多孔オキシド、またはこれらの任意の組み合わせが好ましくは使用され得る。
本発明のいくつかの態様において、該散乱粒子および該蛍光体は、本発明の組成物に添加され得る。
【0088】
-透明なポリマー
本発明に従って、光学デバイスのために好適な多種多様の公知の透明なポリマーが好ましくは使用され得る。
本発明に従って、用語「透明な」は、光学媒体において使用される厚さにて、および、光学媒体の操作の間に使用される波長または波長範囲にて、入射光の少なくともほぼ60%を意味する。好ましくはそれは、70%より大きく、より好ましくは75%より大きく、最も好ましくはそれは80%より大きい。
【0089】
本発明の好ましい態様において、例えば、WO 2016/134820Aに記載される、任意のタイプの公知の透明なポリマーが使用され得る。
本発明に従って、用語「ポリマー」は、繰り返し単位を有する、および重量平均分子量(Mw)1000g/mol以上を有する材料を意味する。
分子量Mwは、ポリスチレン内部標準に対し、GPC(=ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて決定される。
【0090】
本発明のいくつかの態様において、透明なポリマーのガラス転移温度(Tg)は、70℃以上および250℃以下である。
Tgは、http://pslc.ws/macrog/dsc.htm;Rickey J Seyler、Assignment of the Glass Transition、ASTM 刊行物コードナンバー (PCN) 04-012490-50において記載されるなどの、示差走査比色分析において観測される熱容量における変化に基づき測定される。
例えば、透明なマトリックス材料のための透明なポリマーとして、ポリ(メタ)アクリラート、エポキシ、ポリウレタン、ポリシロキサンが好ましくは使用され得る。
【0091】
本発明の好ましい態様において、透明なマトリックス材料としてのポリマーの重量平均分子量(Mw)は、1,000から300,000g/molまでの範囲、より好ましくはそれは10,000から250,000g/molまでの範囲である。
【0092】
-配合物
別の側面において、本発明は、組成物、および、少なくとも1つの溶媒、好ましくは溶媒は、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、およびエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、およびジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノエチルエーテル、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル;メチルセロソルブアセタートおよびエチルセロソルブアセタートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセタート;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセタート、およびプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセタートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート;メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、およびシクロヘキサノンなどのケトン;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、およびグリセリンなどのアルコール;エチル3-エトキシプロピオナート、メチル3-メトキシプロピオナートおよびエチルラクタートなどのエステル;およびガンマ-ブチロ-ラクトンなどの環状エステル;クロロホルム、ジクロロメタン、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンなどの塩素化炭化水素からなる群の1以上の要素から選択され、好ましくは該溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、アルキルアセタート、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、およびプロピレングリコールモノアルキルエーテルであり、好ましくは溶媒は、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート(PGMEA)などのプロピレングリコールアルキルエーテルアセタート、ブチルアセタートなどのアルキルアセタート、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコール、または、メトキシプロパノールなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテルからなる群の1以上の要素から選択され、より好ましくは溶媒は、プロピレングリコールアルキルエーテルアセタートから選択される、を含む、本質的にからなる、またはからなる配合物に関する。
【0093】
いくつかの態様において、配合物は、追加の材料をさらに含み得る。追加の材料の詳細は、「追加の材料」のセクションに記載される。
-使用
別の側面において、本発明は、組成物または配合物の、電子デバイス、光学デバイスにおける、生物医学デバイスにおける、または、電子デバイス、光学デバイスまたは生物医学デバイスを作製するための使用に関する。
【0094】
-光学媒体
別の側面において、本発明はさらに、組成物または配合物を含む光学媒体に関し、好ましくは光学媒体は組成物を含む。
本発明のいくつかの態様において、光学媒体は、光学シート、例えばカラーフィルタ、色変換フィルム、リモート蛍光体テープ、または別のフィルムまたはフィルタであり得る。
本発明に従って、用語「シート」は、フィルムおよび/または構造化された媒体などの層を包含する。
【0095】
半電導性発光ナノ粒子を含む光学媒体、例えば量子サイズ材料を含む光学フィルムからのアウトカップリング効率を向上させるため、フィルムおよび/または隣接するフィルムにおける散乱粒子を組み込む、多孔のシリカ粒子を導入することによりフィルムの屈折率を減少させる、および好適な形状の構造体(Proceedings of SPIE、P.184、5519-33、2004)を設置するなどの、数個の方法が提案されている。それらの中で、構造化されたフィルムを量子材料を含むフィルム上に設置することは、ハイダイナミックレンジを達成するためにローカルディミング技術が適用される大きなTVの用途のために最も好適である。散乱光は色ぼけを引き起こし、および実用的なレベルにフィルムの屈折率を充分に減少させることは多孔のシリカ粒子の限られた体積のために困難であるため、散乱粒子は、ディミング技術に弊害がある。屈折率を減少させることと構造化されたフィルムを設置することとの組み合わせもまた適用され得る。
【0096】
-光学デバイス
別の側面において、本発明は、光学媒体を含む光学デバイスにさらに関する。
本発明のいくつかの態様において、光学デバイスは、液晶ディスプレーデバイス(LCD)、有機発光ダイオード(OLED)、光学ディスプレーのためのバックライトユニット、発光ダイオードデバイス(LED)、微小電気機械システム(以後「MEMS」)、エレクトロウェッティングディスプレー、または電気泳動ディスプレー、照明デバイス、および/または太陽電池であり得る。
用語「放出」は、原子および分子における電子遷移による電磁波の放出を意味する。
【0097】
本発明の技術効果
1.本発明は、1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、シリコーン樹脂において該半電導性発光ナノ粒子の改善された分散性を表す新規な組成物を提供する。
2.本発明は、1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、保管するときシリコーン樹脂の重合を減少または防止する新規な組成物を提供する。
3.本発明は、1以上の半電導性発光ナノ粒子およびシリコーン樹脂を含む、長期安定性および組成物または配合物において半電導性発光ナノ粒子の安定した量子収率を表す新規な組成物を提供する。
4.本発明は、1以上の半電導性発光ナノ粒子を含む、より高い濃度にて半電導性発光ナノ粒子のよりよい分散性を表す新規な組成物を提供する。
以下の実施例1~7は、本発明の記載ならびにそれらの作製の詳細な記載を提供する。
【0098】
実施例
実施例1:半電導性発光ナノ粒子を含む組成物の作製
1-1.OE-6630partBにおける赤QM分散体の調製
5mlのCHCl3中のCdベースの赤量子材料(以後「QM」)(Najingから)の0.221gの溶液を、0.22gの分散剤(DISPERBYK-118)の、10mlのCHCl3における溶液へ滴下で添加する。この混合物を磁気撹拌器により60deg.Cにて18時間窒素雰囲気下で撹拌する。その後、この混合物へ、0.733gのOE-6630partBを添加し、およびCHCl3をロータリーエバポレーターにより蒸発させ、1.13gのクリアなOE-6630partB中の赤QMの分散体を与えた。
【0099】
1-2.赤量子材料の包埋されたシリコーンフィルムの作製
1-1で得られた、0.5gのOE-6630partB中の赤QM分散体へ、0.08gのOE-6630partAを添加し、および磁気撹拌器により室温にて撹拌した。得られた複合物材料分散体を、ガラス基質にバーコーターを使用してコートする。その後、コートされた分散体のウェットフィルムに、別のガラス基質を設置し、および150deg.Cにて雰囲気において1時間ホットプレートで、硬化のために加熱する。
【0100】
実施例2:半電導性発光ナノ粒子を含む組成物の作製
2-1.OE-6630partBにおける緑QM分散体の調製
5mlのCHCl3中の0.25gの緑QMの溶液を、10mlのCHCl3中の0.245gの分散剤(DISPERBYK-118)の溶液へ滴下で添加する。この混合物を磁気撹拌器により60deg.Cにて18時間窒素雰囲気下で撹拌した。その後、この混合物へ、0.818gのOE-6630partBを添加し、およびCHCl3をロータリーエバポレーターにより蒸発させ、1.261gのクリアなOE-6630partB中の緑QM分散体を与えた。
【0101】
1-2.緑QMの包埋されたシリコーンフィルムの作製
2-1で得られた、0.5gのOE-6630partB中の緑QM分散体へ、0.08gのOE-6630partAを添加し、および磁気撹拌器により室温にて撹拌した。得られた複合物材料分散体を、ガラス基質にバーコーターを使用してコートする。その後、コートされた分散体のウェットフィルムに、別のガラス基質を設置し、および150deg.Cにて雰囲気において1時間ホットプレートで、硬化のために加熱する。
【0102】
実施例3:量子収率計算
実施例1、2において得られた試料の絶対量子収率を、絶対PL量子収率測定システムC9920-02(Hamamatsu)で、室温にて計算し、および以下の式を使用する。
量子収率(QY)=試料から放出された光子数/試料の吸収された光子数。
表3は、QY測定の結果を表す。
【0103】
【0104】
比較例1:半電導性発光ナノ粒子を含む組成物の作製
3-1.OE-6630partBにおける赤量子材料分散体の調製
5mlのCHCl3中の0.203gのCdベースの赤量子材料(以後「QM」)(Najingから)の溶液を、10mlのCHCl3中の0.358gの分散剤(DISPERBYK-163)の溶液へ滴下で添加する。この混合物を磁気撹拌器により60deg.Cにて18時間窒素雰囲気下で撹拌した。その後、この混合物へ、0.843gのOE-6630partBを添加し、およびCHCl3をロータリーエバポレーターにより蒸発させ、1.209gの生成物を与えた。この生成物は不均一であり、および2相に分離され、その1つは赤色をもつ難溶性ポリマーであり、および別のものは色のない液体材料である。
【0105】
3-2.OE-6630partBにおける緑QM分散体の調製
21mlのCHCl3中の0.839gの赤QMの溶液を、42mlのCHCl3中の1.454gの分散剤(DISPERBYK-163)の溶液へ滴下で添加する。この混合物を磁気撹拌器により60deg.Cにて19時間窒素雰囲気下で撹拌した。その後、この混合物へ、3.456gのOE-6630partBを添加し、およびCHCl3をロータリーエバポレーターにより蒸発させ、5.56gの生成物を与えた。この生成物は不均一であり、および2相に分離され、その1つは赤色をもつ難溶性ポリマーであり、および別のものは色のない液体材料である。
【0106】
実施例4:分散性の観測
表4は、シリコーン樹脂中のQMの分散性を表す。
【0107】
【0108】
表5は、実施例1および2においてそれぞれ得られた熱硬化処理後のシリコーンフィルムの顕微鏡画像観測を表す。フィルムにおけるQMの濃度は17wt.%である。それらは、QMがシリコーンフィルム中に均一に分散することを明らかに表す。
【0109】
【0110】
実施例5:組成物の調製
OE-6630partB中の赤QM分散体を、組成物の総量に基づき5wt%の赤量子材料を添加したこと以外は実施例1-1と同じやり方で得る。次いでそれを、OE-6630partAおよびYAG蛍光体Y3Al5O12:Ce3+と混合させる。得られた組成物における使用される材料の量は、表6において開示される。
【0111】
【0112】
実施例6:組成物の調製
OE-6630partB中の赤QM分散体を、組成物の総量に基づき12wt%の赤量子材料を添加したこと以外は実施例1-1と同じやり方で得る。次いでそれを、OE-6630partAおよびYAG蛍光体Y3Al5O12:Ce3+と混合させる。得られた組成物における使用される材料の量は、表7において開示される。
【0113】
【0114】
実施例7:組成物の調製
OE-6630partB中の赤QM分散体を、組成物の総量に基づき19wt%の赤量子材料を添加したこと以外は実施例1-1と同じやり方で得る。次いでそれを、OE-6630partAおよびYAG蛍光体Y3Al5O12:Ce3+と混合させる。得られた組成物における使用される材料の量は、表8において開示される。
【0115】