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特許7596505パルス電圧および高周波電力を使用するプラズマ処理
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-11-29
(45)【発行日】2024-12-09
(54)【発明の名称】パルス電圧および高周波電力を使用するプラズマ処理
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20241202BHJP
   H01L 21/3065 20060101ALI20241202BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20241202BHJP
【FI】
H05H1/46 R
H05H1/46 M
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
H01L21/302 101G
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2023503421
(86)(22)【出願日】2021-07-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-30
(86)【国際出願番号】 US2021040380
(87)【国際公開番号】W WO2022026127
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2023-03-10
(31)【優先権主張番号】63/059,533
(32)【優先日】2020-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/150,529
(32)【優先日】2021-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/315,234
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/315,256
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/315,259
(32)【優先日】2021-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ドルフ, レオニド
(72)【発明者】
【氏名】ディンサ, ラジンダー
(72)【発明者】
【氏名】ロジャーズ, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】ビョン, ダニエル サング
(72)【発明者】
【氏名】カメネツキー, エヴゲニー
(72)【発明者】
【氏名】クオ, ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ラーマスワーミ, カーティク
(72)【発明者】
【氏名】トドロウ, ヴァレンティン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ルエール, オリヴィエ
【審査官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-035266(JP,A)
【文献】特開2014-082449(JP,A)
【文献】特開2008-244063(JP,A)
【文献】特開2019-197890(JP,A)
【文献】特表2004-531880(JP,A)
【文献】特開2009-187975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05H 1/00-1/54
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
前記第1のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって負電圧源に接続され、
前記第1のパルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部の間、実質的に一定である、方法。
【請求項2】
前記第2の時間間隔が前記一連の繰返し周期の各サイクルの少なくとも50%を占める、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
前記第1のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、第1の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって正電圧源に接続され、
前記第1のパルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部の間、実質的に一定である、方法。
【請求項4】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
前記第1のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、第1の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって正電圧源に接続され、
前記第2の時間間隔が前記第1の時間間隔よりも長い、方法。
【請求項5】
前記第1の時間間隔が前記一連の繰返し周期の各サイクルの15%未満を占める、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
前記第1の高周波フィルタアセンブリを介してバイアス電極に結合されたチャッキングモジュールと、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力を前記チャッキングモジュールに結合する第1のジェネレータ出力結合アセンブリであって、前記第1のジェネレータ出力結合アセンブリと前記バイアス電極との間に配設された阻止キャパシタに結合されている第1のジェネレータ出力結合アセンブリと
を使用して、前記基板と前記バイアス電極との間に電圧降下を確立することにより、前記基板を前記基板支持アセンブリにチャッキングすることをさらに含む、方法。
【請求項7】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
(a)第1の期間にわたって、前記バイアス電極にパルス電圧波形の第1のバーストを確立することであって、パルス電圧波形の前記第1のバーストが前記第1のパルス電圧波形を含む、第1のバーストを確立することと、
(b)第2の期間にわたって、パルス電圧波形の前記第1のバーストの前記確立を中断することと、
(a)および(b)を少なくとも1回以上繰り返すことと
をさらに含む、方法。
【請求項8】
(c)第3の期間にわたって、前記バイアス電極に、パルス電圧波形の第2のバーストを確立することであって、前記パルス電圧波形の前記第2のバーストが前記第1のパルス電圧波形とは異なる第2のパルス電圧波形を含む、パルス電圧波形の第2のバーストを確立することと、
(d)第4の期間にわたって、パルス電圧波形の前記第2のバーストの前記確立を中断することと、
(c)および(d)を少なくとも1回以上繰り返すことと
をさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
(a)、(b)、(c)および(d)を少なくとも1回順次に繰り返すことをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって負電圧源に接続され、
前記第1のパルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部の間、実質的に一定である、
請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、第1の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって正電圧源に接続され、
前記第1のパルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部の間、実質的に一定である、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記第2の誘電体層が有限の抵抗率を有する材料を含む、請求項1、3、4、6又は7に記載の方法。
【請求項13】
前記第2の誘電体層の厚さが0.1mm~1mmである、請求項1、3、4、6又は7に記載の方法。
【請求項14】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと、
第2のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたエッジ制御電極に第2のパルス電圧波形を確立することであって、前記第2のパルス電圧波形ジェネレータが第2の高周波フィルタアセンブリを介して前記エッジ制御電極に電気的に結合されている、エッジ制御電極に第2のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
前記エッジ制御電極が前記バイアス電極の少なくとも一部を囲み、
前記第1のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって負電圧源に接続され、
前記第1のパルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部を通じて実質的に一定である、方法。
【請求項15】
前記第2のパルス電圧波形が一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第2のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって負電圧源に接続され、
前記第2のパルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部の間、実質的に一定である、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法であって、
高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することであって、前記高周波電源がパルス電圧フィルタアセンブリを介して前記支持ベースに電気的に結合されている、支持ベースに高周波信号を供給することと、
第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することであって、前記第1のパルス電圧波形ジェネレータが第1の高周波フィルタアセンブリを介して前記バイアス電極に電気的に結合されている、バイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと、
第2のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、前記基板支持アセンブリの内部に配設されたエッジ制御電極に第2のパルス電圧波形を確立することであって、前記第2のパルス電圧波形ジェネレータが第2の高周波フィルタアセンブリを介して前記エッジ制御電極に電気的に結合されている、エッジ制御電極に第2のパルス電圧波形を確立することと
を含む方法であって、
前記バイアス電極が前記支持ベースと前記基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されており、
前記支持ベースと前記バイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、
前記バイアス電極と前記基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、
前記エッジ制御電極が前記バイアス電極の少なくとも一部を囲み、
(a)第1の期間にわたって、前記バイアス電極にパルス電圧波形の第1のバーストを確立することであって、前記第1のバーストの前記パルス電圧波形が前記第1のパルス電圧波形を含む、第1のバーストを確立することと、
(b)第2の期間にわたって、パルス電圧波形の前記第1のバーストの前記確立を中断することと、
(a)および(b)を少なくとも1回以上繰り返すことと
をさらに含む、方法。
【請求項17】
前記第1のパルス電圧波形および前記第2のパルス電圧波形がそれぞれ一連の繰返し周期を含み、
各サイクルの中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有し、
正電圧パルスが、前記第1の時間間隔のうち少なくとも一部の間にのみ存在し、
前記第1のパルス電圧波形ジェネレータの出力が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって負電圧源に接続され、
前記第1パルス電圧波形及び前記第2パルス電圧波形が、前記第2の時間間隔のうち少なくとも一部の間、実質的に一定である、
請求項16に記載の方法。
【請求項18】
(c)第3の期間にわたって、前記バイアス電極に、パルス電圧波形の第2のバーストを確立することであって、パルス電圧波形の前記第2のバーストが前記第1のパルス電圧波形とは異なる第2のパルス電圧波形を含む、パルス電圧波形の第2のバーストを確立することと、
(d)第4の期間にわたって、パルス電圧波形の前記第2のバーストの前記確立を中断することと、
(c)および(d)を少なくとも1回以上繰り返すことと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で説明される実施形態は、一般に半導体デバイス製造のハードウェアおよび処理に関し、より具体的には、半導体製造において使用されるプラズマ処理チャンバの中で形成されるプラズマに対する電力の供給を制御する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高アスペクト比のフィーチャを確実に生成することは、次世代半導体デバイスの超大規模集積(VLSI)および極超大規模集積(ULSI)に関する重要な技術課題の1つである。高アスペクト比フィーチャを形成する方法の1つには、基板の誘電体層などの材料層に高アスペクト比の開口を形成するために反応性イオンエッチ(RIE)プラズマプロセスなどのプラズマ支援エッチングプロセスを使用するものがある。一般的なRIEプラズマプロセスでは、RIE処理チャンバの中でプラズマが形成され、基板表面に形成されているマスク層の下に配設された材料層に開口を形成するために、プラズマからのイオンが基板の表面に向けて加速される。
【0003】
一般的な反応性イオンエッチ(RIE)プラズマ処理チャンバは、通常は「カソード」と称される、「静電チャック」(ESC)アセンブリに隣接して配置された金属板などの「電源電極」(たとえばバイアス電極)にRF電圧を供給する高周波(RF)バイアス電源を含む。電源電極は、ESCアセンブリの一部である誘電材料(たとえばセラミック材)の厚い層を介して処理システムのプラズマに容量結合され得る。容量結合ガス放電では、プラズマは、RF整合回路網を介してRF電極に結合された(「RF整合」)高周波(RF)電源を使用することによって生成され、RF整合回路網は、反射電力を最小化して電力供給効率を最大化するために、見かけ上の負荷を50Ωに調整する。電源電極にRF電圧を印加すると、処理中にESCアセンブリの基板支持面に配置された基板の処理面にわたって電子供与性プラズマシース(「カソードシース」とも称される)が形成される。印加されたRF場が、プラズマシースのダイオードに似た非線形な性質によって整流され、基板とプラズマとの間に直流(DC)電圧降下すなわち「自己バイアス」が出現して、基板電位がプラズマ電位に対して負になる。この電圧降下により、基板に向かって加速されるプラズマイオンの平均エネルギーが決定され、したがってエッチ異方性も決定される。より具体的には、マスクおよびストップ層に対するイオンの方向性、フィーチャプロファイル、およびエッチ選択性は、イオンエネルギー分布関数(IEDF)によって制御される。RFバイアスを伴うプラズマでは、IEDFは、一般的には、低エネルギーと高エネルギーとの2つの非離散的ピーク、および2つのピークの間にわたる範囲のエネルギーを有するイオン集団を有する。IEDFの2つのピークの中間のイオン集団の存在は、基板とプラズマとの間の電圧降下がRFバイアス周波数で振動するという事実を反映している。より高い自己バイアス電圧を実現するためにより低い周波数のRFバイアス電源を使用すると、これら2つのピーク間のエネルギーの差がかなり大きくなり得、しかも、低いエネルギーピークのイオンによるエッチプロファイルは、より等方性であるため、エッチングされたフィーチャの壁が撓んでしまう可能性がある。低エネルギーのイオンは、エッチングされたフィーチャの底部において、(たとえば帯電効果によって)高エネルギーのイオンほど効果的にコーナーに到達することができず、マスク材料のスパッタリングが不足する。これは、硬質マスク開口または誘導体の型エッチなどの高アスペクト比のエッチの用途では重要なことである。フィーチャサイズが小さくなり続け、アスペクト比が増大する一方で、フィーチャプロファイルの制御要件がより厳格になっているので、処理中に、基板表面において適切に制御されたIEDFを得ることがより望ましくなっている。
【0004】
他の従来のプラズマプロセスおよび処理チャンバの設計においても、プラズマ密度、イオンエネルギー、および/またはプラズマ化学などの様々なプラズマ特性を制御するために、プラズマ処理チャンバ内の電極のうち1つまたは複数に多種多様なRF周波数が供給され得ることが判明している。しかしながら、それぞれが異なるRF周波数を供給するように構成された2つ以上のRF源からの複数の従来の正弦波形の供給では、シース特性を、適切に、または望ましく制御することができず、望ましくないアーク発生問題が生じてしまうことが判明している。なおまた、処理中のRF源の間の直接結合または容量結合のために、各RF源がRF電流を誘導し得、これが、接続されている他のRF源の出力に供給されて(たとえば「クロストーク」と称されることも多い)、電力が、意図された負荷(プラズマ)からそれるばかりでなく、場合により、RF源の各々に被害を与える。
【0005】
したがって、この技術分野において、ほぼ一定のシース電圧を維持することにより、基板の表面に反復可能な望ましいIEDFを生成して、IEDFの形状にわたる正確な制御を可能にし、場合によっては基板の表面にフィーチャのエッチプロファイルを形成することも可能にする、斬新で、頑健かつ確実なプラズマ処理およびバイアス方法が必要である。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、一般に、基板支持アセンブリを備えるプラズマ処理チャンバと、パルス電圧波形ジェネレータと、第1のフィルタアセンブリと、高周波(RF)電源と、第2のフィルタアセンブリとを含む。基板支持アセンブリは、基板支持面と、支持ベースと、支持ベースと基板支持面との間に配設されたバイアス電極とを含み、支持ベースとバイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、バイアス電極と基板表面との間に第2の誘電体層が配設されている。パルス電圧波形を含むパルス電圧信号を発生するように構成されたパルス電圧波形ジェネレータが、バイアス電極に電気的に結合されている。第1のフィルタアセンブリは、パルス電圧波形ジェネレータとバイアス電極との間に電気的に結合されている。高周波(RF)電源は、高周波波形を含むRF信号を発生するように構成され、支持ベースまたはバイアス電極に電気的に結合されている。第2のフィルタアセンブリは、高周波電源と支持ベースまたはバイアス電極との間に電気的に結合されている。いくつかの構成では、第2のフィルタアセンブリは高周波電源と高周波整合との間に電気的に結合されており、高周波整合は、高周波電源と支持ベースまたはバイアス電極との間に電気的に結合されている。いくつかの他の構成では、高周波整合は、第2のフィルタアセンブリと支持ベースまたはバイアス電極との間に配設される。
【0007】
本開示の実施形態は、プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法をさらに提供し得、この方法は、パルス電圧フィルタアセンブリを介して支持ベースに電気的に結合された高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することと、第1の高周波フィルタアセンブリを介してバイアス電極に電気的に結合された第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することとを含む。バイアス電極は、支持ベースと基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されている。支持ベースとバイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、バイアス電極と基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されている。
【0008】
本開示の実施形態は、プラズマ処理チャンバ内の基板を処理する方法をさらに提供し得、この方法は、パルス電圧フィルタアセンブリを介して支持ベースに電気的に結合された高周波電源を使用して、基板支持アセンブリの内部に配設された支持ベースに高周波信号を供給することと、第1の高周波フィルタアセンブリを介してバイアス電極に電気的に結合された第1のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、基板支持アセンブリの内部に配設されたバイアス電極に第1のパルス電圧波形を確立することと、第2の高周波フィルタアセンブリを介してエッジ制御電極に電気的に結合された第2のパルス電圧波形ジェネレータを使用して、基板支持アセンブリの内部に配設されたエッジ制御電極に第2のパルス電圧波形を確立することとを含む。バイアス電極は、支持ベースと基板支持アセンブリの基板支持面との間に配設されている。支持ベースとバイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、バイアス電極と基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されており、エッジ制御電極がバイアス電極の少なくとも一部を囲む。
【0009】
本開示の実施形態は、基板支持アセンブリと、パルス電圧波形ジェネレータと、高周波フィルタアセンブリと、高周波電源と、パルス電圧フィルタアセンブリとを含むプラズマ処理チャンバをさらに提供し得る。基板支持アセンブリは、基板支持面と、支持ベースと、支持ベースと基板支持面との間に配設された第1のバイアス電極とを含み、支持ベースと第1のバイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、第1のバイアス電極と基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されている。パルス電圧波形ジェネレータは、第1のバイアス電極にパルス電圧波形を確立するように構成され、第1の導電体を介して第1のバイアス電極に電気的に結合されている。高周波フィルタアセンブリは、パルス電圧波形ジェネレータと第1の導電体との間に電気的に結合されている。高周波電源は、支持ベースまたは第1のバイアス電極に高周波電圧波形を確立するように構成され、第2の導電体を介して支持ベースまたは第1のバイアス電極に電気的に結合されている。パルス電圧フィルタアセンブリは、高周波電源と第2の導電体との間に電気的に結合されている。
【0010】
本開示の実施形態は、基板支持アセンブリと、第1のパルス電圧波形ジェネレータと、第1の高周波フィルタアセンブリと、第2のパルス電圧波形ジェネレータと、第2の高周波フィルタアセンブリと、高周波電源と、パルス電圧フィルタアセンブリとを含むプラズマ処理チャンバをさらに提供し得る。基板支持アセンブリは、基板支持面と、支持ベースと、支持ベースと基板支持面との間に配設された第1のバイアス電極と、エッジ制御電極とを含み、支持ベースと第1のバイアス電極との間に第1の誘電体層が配設されており、第1のバイアス電極と基板支持面との間に第2の誘電体層が配設されている。第1のパルス電圧波形ジェネレータは、第1のバイアス電極にパルス電圧信号波形を確立するように構成され、第1の導電体を介して第1のバイアス電極に電気的に結合されている。第1の高周波フィルタアセンブリは、第1のパルス電圧波形ジェネレータと第1の導電体との間に電気的に結合されている。第2のパルス電圧波形ジェネレータは、エッジ制御電極にパルス電圧波形を確立するように構成され、第2の導電体を介してエッジ制御電極に電気的に結合されている。第2の高周波フィルタアセンブリは、第2のパルス電圧波形ジェネレータと第2の導電体との間に電気的に結合されている。高周波電源は、支持ベースまたは第1のバイアス電極に高周波波形を確立するように構成され、第3の導電体を介して支持ベースまたは第1のバイアス電極に電気的に結合されている。パルス電圧フィルタアセンブリは、高周波電源と第3の導電体との間に電気的に結合されている。
【0011】
本開示の実施形態は、パルス電圧発生ユニット筐体および接合箱筐体を備えるパルス電圧サブシステムアセンブリを提供し得る。パルス電圧発生ユニット筐体は、第1のジェネレータ出力結合アセンブリに電気的に結合された第1のパルス電圧波形ジェネレータを含み得る。接合箱筐体は第1のバイアス補償モジュール区画および高周波フィルタ区画を含み得る。第1のバイアス補償モジュール区画は、第1のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリと第1のジェネレータ出力結合アセンブリとの間に電気的に結合された第1の阻止キャパシタを含み、第1の直流電源は、第1のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリに電気的に結合された正端子および負端子を有する。高周波フィルタ区画は、第1の高周波フィルタ出力結合アセンブリと第1のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリとの間に電気的に結合された第1の高周波フィルタアセンブリを含む。パルス電圧サブシステムアセンブリは、プラズマ処理チャンバに結合するように構成されている。第1の高周波フィルタ出力結合アセンブリは、プラズマ処理チャンバ内に配設された第1の電極に電気的に結合するように構成されている。
【0012】
本開示の実施形態は、パルス電圧発生ユニット筐体および接合箱筐体を含むパルス電圧サブシステムアセンブリをさらに提供し得る。パルス電圧発生ユニット筐体は、第1のジェネレータ出力結合アセンブリに電気的に結合された第1のパルス電圧波形ジェネレータと、第2のジェネレータ出力結合アセンブリに電気的に結合された第2のパルス電圧波形ジェネレータとを含む。接合箱筐体は第1のバイアス補償モジュール区画と、第2のバイアス補償モジュール区画と、高周波フィルタ区画とを含む。第1のバイアス補償モジュール区画は、第1のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリと第1のジェネレータ出力結合アセンブリとの間に電気的に結合された第1の阻止キャパシタを含み、第1の直流電源は、第1のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリに電気的に結合された正端子および負端子を有する。第2のバイアス補償モジュール区画は、第2のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリと第2のジェネレータ出力結合アセンブリとの間に電気的に結合された第2の阻止キャパシタを含み、第2の直流電源は、第2のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリに電気的に結合された正端子および負端子を有する。高周波フィルタ区画は、第1の高周波フィルタ出力結合アセンブリと第1のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリとの間に電気的に結合された第1の高周波フィルタアセンブリと、第2の高周波フィルタ出力結合アセンブリと第2のバイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリとの間に電気的に結合された第2の高周波フィルタアセンブリとを含む。パルス電圧サブシステムアセンブリは、プラズマ処理チャンバに結合するように構成されている。第1の高周波フィルタ出力結合アセンブリは、プラズマ処理チャンバ内に配設された第1の電極と第2の電極とに電気的に結合されるように構成されている。
【0013】
上記で列挙された本開示の特徴が詳細に理解され得るように、上記で簡単に要約された本開示のより詳細な説明が、実施形態を参照することによって得られるはずであり、実施形態のうちいくつかが添付図に示されている。しかしながら、添付図は例示的な実施形態を示すのみであり、したがって例示的な実施形態の範囲を限定するものと見なされるべきではなく、他の同等に有効な実施形態の余地があることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】一実施形態による、本明細書で説明された方法を実施するように構成された処理チャンバの概略断面図である。
図1B】一実施形態による、本明細書で説明された方法を実施するように構成された処理チャンバの概略断面図である。
図1C】一実施形態による、処理チャンバに結合されたパッケージングアセンブリの概略断面図である。
図1D】一実施形態による、処理チャンバに結合されたパッケージングアセンブリの代替バージョンの概略断面図である。
図2】一実施形態による、図1Aまたは図1Bに示された処理チャンバとともに使用され得るバイアス方式の簡素化した概略図である。
図3A】一実施形態による、図1Aまたは図1Bに示された処理チャンバ内で実行され得る負パルスバイアス方式の機能的等価回路図である。
図3B】一実施形態による、図1Aまたは図1Bに示された処理チャンバ内で実行され得る正パルスバイアス方式の機能的等価回路図である。
図3C】一実施形態による、図1Aまたは図1Bに示された処理チャンバ内で使用され得るクーロン静電チャック(ESC)の機能的等価回路図である。
図3D】一実施形態による、図1Aまたは図1Bに示された処理チャンバ内で使用され得るJohnsen-Rahbek型ESCの機能的等価回路図である。
図4A】一実施形態による、バイアス電極および基板に確立された負パルス電圧(PV)波形の一例を示す図である。
図4B】1つまたは複数の実施形態による、一連のパルス電圧(PV)波形バーストの一例を示す図である。
図4C】1つまたは複数の実施形態による、一連のパルス電圧(PV)波形バーストの一例を示す図である。
図4D】1つまたは複数の実施形態による、一連のパルス電圧(PV)波形バーストによって形成されたイオンエネルギー分布関数(IEDF)の一例を示す図である。
図5A】一実施形態による、バイアス電極に確立された負パルス電圧(PV)波形の一例を示す図である。
図5B】一実施形態による、バイアス電極に確立された成形パルス電圧(PV)波形の一例を示す図である。
図5C】一実施形態による、バイアス電極に確立された正パルス電圧(PV)波形の一例を示す図である。
図5D】一実施形態による、処理中に基板に確立された負パルス電圧(PV)波形と正パルス電圧(PV)波形との比較を示す図である。
図6A】一実施形態による、高周波(RF)波形の一例を示す図である。
図6B】一実施形態による、パルス高周波(RF)波形の一例を示す図である。
図6C】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数の電極に供給され得る高周波(RF)波形およびパルス電圧(PV)波形の一例を示す図である。
図6D】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数の電極に供給され得る高周波(RF)波形およびパルス電圧(PV)波形の例を示す図である。
図6E】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数の電極に供給され得る高周波(RF)波形およびパルス電圧(PV)波形の例を示す図である。
図6F】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数の電極に供給され得る高周波(RF)波形およびパルス電圧(PV)波形の例を示す図である。
図6G】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数の電極に供給され得る高周波(RF)波形およびパルス電圧(PV)波形の例を示す図である。
図6H】1つまたは複数の実施形態による、1つまたは複数の電極に供給され得る高周波(RF)波形およびパルス電圧(PV)波形の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
理解を容易にするために、各図に共通の同一要素を示すのに、可能なところでは同一の参照数字が用いられている。1つの実施形態の要素および特徴は、さらなる詳述なしで、他の実施形態の中に有益に組み込まれ得ることが企図されている。
【0016】
本明細書で提供される本開示の実施形態は、処理チャンバ内の基板をプラズマ処理するための装置および方法を含む。より具体的には、本開示の実施形態は、RF電源からの高周波(RF)波形を処理チャンバ内の1つまたは複数の電極に供給し、1つまたは複数のパルス電圧(PV)ジェネレータから供給されたパルス電圧(PV)波形を処理チャンバ内の1つまたは複数の電極に供給するように構成されたバイアス方式を説明するものである。一般に、生成された高周波波形は、処理チャンバの内部にプラズマを確立して維持するように構成され、供給されるPV波形は、基板の表面にわたってほぼ一定のシース電圧を確立するように構成されるので、処理チャンバ内で実行される1つまたは複数のプラズマ処理ステップ中に、基板の表面に望ましいイオンエネルギー分布関数(IEDF)をもたらす。本明細書で開示されたプラズマプロセスは、処理中に、IEDFの形状を制御して、基板の表面とプラズマとの相互作用を制御するように使用され得る。いくつかの構成では、本明細書で開示されたプラズマプロセスは、処理中に基板の表面に形成されるフィーチャのプロファイルを制御するように使用される。いくつかの実施形態では、パルス電圧波形は、プラズマ処理チャンバ内に配設された基板支持アセンブリ内に配設されたバイアス電極に電気的に結合されたPV電源によって確立される。
【0017】
いくつかの半導体プラズマプロセス中に、イオンは、基板支持アセンブリ136(図1A図1C)の最上部に置かれた基板の上に生じる電子供与性シースの電圧降下により、基板に向かって意図的に加速される。本明細書で提供される本開示の範囲の限定を意図することなく、基板支持アセンブリ136は、本明細書では、大抵の場合「カソードアセンブリ」または「カソード」と称される。いくつかの実施形態では、基板支持アセンブリ136は基板支持体105および支持ベース107を含む。基板支持体105は、基板受け面105A上に基板をチャッキングする(たとえば保持する)ように構成された静電チャック(ESC)アセンブリを含み得る。
【0018】
本明細書で提供される本開示のいくつかの実施形態では、処理チャンバは、RF整合回路網(「RF整合」)を介してRF電極に結合されたRF電源を含むRF電源アセンブリを使用することによってプラズマが生成されるように、容量結合ガス放電をもたらすように構成される。RF整合回路網は、反射電力を最小化して電力供給効率を最大化するために、見かけ上の負荷を50Ωに調整するように構成されている。いくつかの実施形態では、RF電極は、基板のプラズマ対向面に対して平行に配置された金属板を含む。
【0019】
加えて、本明細書で開示されたプラズマ処理方法の間、基板支持アセンブリ136内に配設された1つまたは複数のバイアス電極104(図1A図1B)にパルス電圧波形を確立するように構成されたパルス電圧(PV)ジェネレータを使用することによって、一般に、プラズマ処理中にイオン加速カソードのシースが形成される。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のバイアス電極104は、基板支持アセンブリ136(たとえば静電チャック(ESC)アセンブリ)内に形成された誘電材料の薄層によって基板から分離されたチャッキング電極と、基板103が基板支持アセンブリ136の基板支持面105Aに配設されたとき基板103を囲むエッジリング114内に、またはその下に配設される、任意選択のエッジ制御電極とを含む。このパルス電圧波形(PVWF)は、以下でさらに論じられるように、PV波形のパルス周期の相当な大きさの部分用にほぼ一定のシース電圧(たとえばプラズマ電位と基板電位との間の差)が形成されるように構成され得、相当な大きさの部分は、パルス周期のこの部分の間に基板に到達するイオンのイオンエネルギー分布関数(IEDF)を含有している単一の(狭い)ピークに対応し、この単一のピークは、本明細書では「イオン電流相」とも称される。
【0020】
しかしながら、前述のように、処理中の、RF電源アセンブリとPVジェネレータアセンブリとの間の直接結合または容量結合のために、RF電源からの出力とPVジェネレータからの出力との間の相互作用により、電力が、意図された(プラズマ)負荷からそれるばかりでなく、場合により、本明細書で開示されたフィルタリング方式および/または処理方法を使用しなくても、RF源およびPV源の各々に被害を与える。したがって、本明細書で開示される装置および方法は、少なくとも、1つまたは複数の波形依存のフィルタアセンブリが、それぞれのRF電源およびPVジェネレータからプラズマへの電力供給を大幅に妨害することのないように、それぞれのジェネレータを、1つまたは複数の波形依存のフィルタアセンブリを介してそのそれぞれの電極に結合することにより、RF電力とPV電力とを、プラズマ処理チャンバの1つまたは複数の電極(たとえばカソード)に組み合わせる方法を提供するように構成されている。
【0021】
プラズマ処理チャンバの例
図1Aは、プラズマ処理中に複合負荷130(図3A図3B)が形成される処理チャンバ100の概略断面図である。図3A図3Bは、処理チャンバ100の構成要素を使用して実行され得るパルス電圧およびRFバイアス方式の簡素化された電気回路140のそれぞれの例である。処理チャンバ100は、本明細書で提案された1つまたは複数の実施形態によるバイアス方式のうち1つまたは複数を実施するように構成されている。一実施形態では、処理チャンバは、反応性イオンエッチ(RIE)プラズマチャンバなどのプラズマ処理チャンバである。いくつかの他の実施形態では、処理チャンバは、たとえばプラズマ助長の化学気相堆積(PECVD)チャンバといったプラズマ助長の堆積チャンバ、プラズマ助長の物理的気相堆積(PEPVD)チャンバ、またはプラズマ助長の原子層堆積(PEALD)チャンバである。いくつかの他の実施形態では、処理チャンバは、プラズマ処理チャンバ、またはたとえばプラズマドーピング(PLAD)チャンバといったプラズマベースのイオン注入チャンバである。いくつかの実施形態では、プラズマ源は、処理容積内に、基板支持アセンブリ136に面して配設された電極(たとえばチャンバリッド123)を含む容量結合プラズマ(CCP)源である。図1Aに示されるように、基板支持アセンブリ136の反対側に配置されたチャンバリッド123などの対向する電極は電気的に接地されている。しかしながら、他の代替の実施形態では、対向する電極は図1Bに示されるように高周波電源に電気的に結合されている。さらなる他の実施形態では、処理チャンバは、代替として、またはそれに加えて、高周波(RF)電源に電気的に結合された誘導結合プラズマ(ICP)源を含む。
【0022】
処理チャンバ100はまた、チャンバリッド123を含むチャンバ本体113と、1つまたは複数の側壁122と、チャンバベース124とを含み、これらが処理容積129を画定する。1つまたは複数の側壁122およびチャンバベース124は、一般に、処理チャンバ100の要素に対する構造用支持材を形成するように寸法設定して成形された材料を含み、処理中に処理チャンバ100の処理容積129内に維持されている真空環境内にプラズマ101が生成されている間、それらにかかる圧力および加えられるエネルギーに耐えるように構成されている。一例では、1つまたは複数の側壁122およびチャンバベース124は、アルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス鋼などの金属から形成される。チャンバリッド123を介して配設されたガス入口128は、処理容積129に、これと流体連結した処理ガス源119から、1つまたは複数の処理ガスを供給するように使用される。基板103は、1つまたは複数の側壁122のうち1つにおける開口(図示せず)を通って処理容積129に出し入れされ、開口は、基板103のプラズマ処理中はスリットバルブ(図示せず)で密閉されている。ここで、基板103は、ESC基板支持体105の基板受け面105Aとの間で、リフトピンシステム(図示せず)を使用して移動される。
【0023】
いくつかの実施形態では、高周波電源アセンブリ160は、基板支持アセンブリ136の内部でESC基板支持体105に近接して配設された支持ベース107にRF電力を供給するように構成されている。支持ベース107に供給されるRF電力は、処理容積129内に配分された処理ガスを使用して形成された処理プラズマ101に点火して維持するように構成される。いくつかの実施形態では、支持ベース107は、どちらも高周波電源アセンブリ160内に配設されたRF整合回路161と第1のフィルタアセンブリ162とを介して高周波電源118に電気的に結合されたRF電極である。いくつかの実施形態では、プラズマジェネレータアセンブリ160および高周波電源118は、処理容積129内に配分された処理ガスと、高周波電源118によって支持ベース107に供給されたRF電力によって生成された場とを使用して、処理プラズマ101を点火して維持するように使用される。処理容積129は、真空吸込み接続口120を介して1つまたは複数の専用の真空ポンプに流体連結されることにより、処理ガスおよび/または他のガスが真空引きされて減圧状態に維持される。処理容積129内に配設された基板支持アセンブリ136は、チャンバベース124を通って延在して接地された支持シャフト138上に配置されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、高周波電源アセンブリ160は、基板支持体105内に配設されたバイアス電極104に、支持ベース107に対するRF電力を供給するように構成される。
【0024】
基板支持アセンブリ136は、上記で簡単に論じられたように、一般に基板支持体105(たとえばESC基板支持体)および支持ベース107を含む。いくつかの実施形態では、以下でさらに論じられるように、基板支持アセンブリ136は絶縁体板111および接地板112をさらに含むことができる。基板支持体105は、支持ベース107上に配設され、これと熱的に結合されている。いくつかの実施形態では、支持ベース107は、基板処理中に、基板支持体105と基板支持体105上に配設された基板103との温度を調整するように構成される。いくつかの実施形態では、支持ベース107の内部に配設された1つまたは複数の冷却チャネル(図示せず)は、比較的高い電気抵抗を有する冷却源または水源などの冷媒源(図示せず)に流体連結されて流体連絡している。いくつかの実施形態では、基板支持体105の誘電材料には、抵抗加熱要素などのヒータ(図示せず)が埋め込まれている。ここで、支持ベース107は、たとえばアルミニウム、アルミニウム合金、またはステンレス鋼といった耐食性金属などの耐食性熱伝導材料から形成されており、接着剤を用いて、または機械的手段によって、基板支持体に結合されている。
【0025】
支持ベース107は、絶縁体板111によってチャンバベース124から電気的に絶縁されており、絶縁体板111とチャンバベース124との間に接地板112が挿入されている。いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、基板支持アセンブリ136の一部を少なくとも部分的に囲む石英パイプ110またはカラーをさらに含み、ESC基板支持体105および/または支持ベース107が腐食しないように、腐食性の処理ガスもしくはプラズマ、洗浄ガスもしくはプラズマ、またはその副産物と接触するのを防止する。一般的には、石英パイプ110、絶縁体板111および接地板112はライナ108によって囲まれる。ここで、ESC基板支持体105の基板受け面とほぼ同一平面上にプラズマスクリーン109があって、ライナ108と1つまたは複数の側壁122との間のボリューム内のプラズマ形成を防止する。
【0026】
基板支持体105は、一般的には、バルク焼結セラミック材などの誘電材料、たとえば酸化アルミニウム(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、酸化チタン(TiO)、窒化チタン(TiN)、イットリウム酸化物(Y)、これらの混合物といった耐食性金属酸化物もしくは金属窒化物材料など、またはこれらの組合せから形成される。本明細書の実施形態では、基板支持体105は、これらの誘電材料内に埋め込まれたバイアス電極104をさらに含む。構成の1つでは、バイアス電極104は、基板103を、本明細書ではESC基板支持体とも称される基板支持体105の基板受け面105Aに固定(チャック)し、本明細書で説明されたパルス電圧バイアス方式のうち1つまたは複数を使用して、基板103に、処理プラズマ101に対するバイアスをかけるように使用されるチャッキング電極である。一般的には、バイアス電極104は、1つまたは複数の金属メッシュ、フォイル、板、またはこれらの組合せなどの1つまたは複数の導電性部品から形成される。いくつかの実施形態では、バイアス電極104はチャッキングモジュール116に電気的に結合され、チャッキングモジュール116から、同軸伝送線路106(たとえば同軸ケーブル)などの導電体を使用して約-5000V~約5000Vの静的DC電圧などのチャッキング電圧を供給される。以下でさらに論じられるように、チャッキングモジュール116は、バイアス補償回路要素116A(図3A図3B)、直流電源155、および阻止キャパシタ153を含む。パルス電圧波形ジェネレータ(PVWG)150の出力とバイアス電極104との間に、本明細書では阻止キャパシタ153とも称されるチャッキングモジュール阻止キャパシタが配設されている。
【0027】
バイアス電極104は、基板支持体105の誘電材料の層によって、基板支持体105の基板受け面105Aから間隔があいており、したがって基板103から間隔があいている。バイアス電極104のプラズマ101に対する電気的結合をモデル化するために使用される有効な回路要素は、処理中に基板103を保持するために基板支持体105内で利用されるクーロンESCまたはJohnsen-Rahbek型ESCなどの静電チャック方法のタイプに依拠して変化することになる。図3Cおよび図3Dは、それぞれクーロンESCまたはJohnsen-Rahbek型ESCがプラズマ処理中に利用されるときに生成される有効な回路要素191を示す。一般に、バイアス電極104と誘電材料の層とで形成される平行板のような構造が、一般的には約5nF~約50nFの実効キャパシタンスCを有し得る。一般的には、誘電材料(たとえば窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al)など)の層の厚さは、約0.1mm~約0.5mmなど、約0.1mm~約1mmであり、たとえば約0.3mmである。ここで、バイアス電極104は、支持シャフト138内に配設された伝送ライン106などの外部導体を使用して、パルス電圧波形ジェネレータ(PVWG)150の出力に電気的に結合されている。いくつかの実施形態では、誘電材料および層の厚さは、誘電材料の層のチャックキャパシタンスCESCが、たとえば約7~約10nFなど、約5nF~約50nFになるように選択され得る。
【0028】
図3Dに示されるより複雑なJohnsen-Rahbek型ESCのモデルでは、回路モデルは、示されるように、ESC誘電材料のチャックキャパシタンスCESCと、ESC誘電材料の抵抗RCERと、間隙のキャパシタンスCabtと、基板のキャパシタンスCsubと、基板の抵抗Rsubとの組合せを含む。間隙のキャパシタンスCabtは、一般に、基板支持体105上に配置された基板の上下のガス含有空間から成る。間隙のキャパシタンスCabtは、チャックキャパシタンスCESCと同じ範囲のキャパシタンスを有することが予期される。
【0029】
いくつかの用途では、基板103は、一般的には半導体材料および/または誘電材料の薄層で作製されているので、電気的には、バイアス電極104と基板受け面105Aとの間に配設されたESC誘電体層の一部と見なされ得る。したがって、いくつかの用途では、チャックキャパシタンスCESCは、ESCキャパシタンスと基板キャパシタンス(すなわち基板キャパシタンスCsub)とを組み合わせた直列キャパシタンスで近似される。しかしながら、クーロンチャックの場合には、基板キャパシタンスCsubが一般的には非常に大きい(>10nF)か、または基板が導電性(無限のキャパシタンス)であり得るので、直列キャパシタンスは主としてキャパシタンスCESCによって決定される。この場合、実効キャパシタンスCは、図3Cに示されるように、実際上チャックキャパシタンスCESCに等しい。「Johnsen-Rahbek型ESC」の場合には、ESC誘電体層は、完全な絶縁体ではなく、たとえば誘電材料が約9の誘電率(ε)を有するドープした窒化アルミニウム(AlN)であり得るので、いくらかの導電性を有するという点において、「漏れやすい」。しかしながら、Johnsen-Rahbek型ESCの実効キャパシタンスはクーロンチャックのものに類似するべきである。一例では、Johnsen-Rahbek型ESC内の誘電体層の体積抵抗率は、約1012オーム-cm(Ω-cm)未満、または約1010Ω-cm未満、さらには10Ω-cm~1012Ω-cmであり得る。
【0030】
基板支持アセンブリ136がさらに含むエッジ制御電極115は、エッジリング114の下にあってバイアス電極104を囲み、バイアスをかけられると、基板103に対するその位置によって、基板103のエッジにあるか、またはその外部にある、生成されプラズマ101の一部に影響を与えるかまたは変化させることができる。エッジ制御電極115は、バイアス電極104にバイアスをかけるために使用されるパルス電圧波形ジェネレータ(PVWG)150とは別のパルス電圧波形ジェネレータ(PVWG)150を使用してバイアスをかけられる。構成の1つでは、第1のPV源アセンブリ196の第1のPV波形ジェネレータ150はバイアス電極104にバイアスをかけるように構成され、第2のPV源アセンブリ197の第2のPV波形ジェネレータ150はエッジ制御電極115にバイアスをかけるように構成される。一実施形態では、エッジ制御電極115は、図1Aに示されるように、基板支持体105の領域内に配置されている。一般に、円形の基板を処理するように構成された処理チャンバ100については、エッジ制御電極115は環状であり、導電性材料から作製され、図1A図1Bに示されるように、バイアス電極104の少なくとも一部を囲むように構成される。いくつかの実施形態では、エッジ制御電極115は、図1Aに示されるように、基板支持体105の表面105Aからバイアス電極104と類似の距離に(すなわちZ方向に)配設された導電性メッシュ、フォイルまたは板を含む。いくつかの他の実施形態では、エッジ制御電極115は、誘電体パイプ110(たとえばAlNまたはAl)の領域上またはこの領域内に配置された導電性メッシュ、フォイルまたは板を含み、誘電体パイプ110は、図1Bに示されるように、バイアス電極104および/または基板支持体105の少なくとも一部を囲む。代替として、いくつかの他の実施形態では、エッジ制御電極115は、基板支持体105に隣接して配設されたエッジリング114の内部に配置されるか、またはこれと結合される。この構成では、エッジリング114は、半導体または誘電材料(たとえばAlN、Alなど)から形成される。
【0031】
図1Bを参照して、いくつかの実施形態では、基板支持体105がさらに含む二次電極104L(たとえば金属メッシュ、フォイルまたは板)が、複数の導電性ビア114Vを使用してバイアス電極104に電気的に結合されている。ビア114Vのうち1つ以上の、第1の端がバイアス電極104と電気的に接触しており、第2の端が二次電極104Lと電気的に接触している。バイアス電極104の下に配設された二次電極104Lは、処理中、基板103の表面にわたってプラズマシースおよび/またはプラズマ均一性の制御を改善するように寸法設定され、位置決めされ、かつ整列する。いくつかの構成では、図1Bに示されるように、バイアス電極104と、二次電極114Lと、エッジ制御電極115とが組み合わせて使用されたとき、基板103のエッジにあるかまたはその外部にある生成されたプラズマ101を望ましく変化させるように、エッジ制御電極115は二次電極104Lに隣接して配置されている。
【0032】
図1Aおよび図1Bを参照して、支持ベース107は、誘電材料の一部によってバイアス電極104から間隔を置いている。いくつかの構成では、誘電材料の一部は、基板支持体105を形成するように使用される誘電材料であって、基板支持体105の裏側からバイアス電極104まで延在する。基板支持体105の誘電材料の一部は、支持ベースキャパシタンスCCLを有し、これは、図3Aおよび図3Bに概略的に示されるように、ESCキャパシタンスCと直列接続されている。いくつかの実施形態では、支持ベース107とバイアス電極104との間に配設された誘電材料の一部は、バイアス電極104と基板103との間に配設された誘電材料よりも厚く、これらの誘電材料は、基板支持体105と同じ材料であり、かつ/または基板支持体105の一部を形成する。一例では、支持ベース107とバイアス電極104との間に配設された基板支持体105の誘電材料(たとえばAlまたはAlN)の一部の厚さは、約1.5mm~約20mmなど、1mmを超えるものである。
【0033】
一般に、処理チャンバ100の処理容積129において低圧が形成されると、そこに配設された、基板支持体105の誘電材料と基板支持体105の基板受け面に配設された基板103との間など、ハードウェア構成要素の表面の間の熱伝導が劣化して、基板103の加熱や冷却における基板支持体の効率が低下する。したがって、いくつかのプロセスでは、基板103の非デバイス側の面と基板支持体105の基板受け面105Aとの間の熱伝達を改善するために、ここに配設されるボリューム(図示せず)には、一般的にはヘリウムである熱伝導性の不活性伝熱ガスが導入される。伝熱ガス源(図示せず)によって供給された伝熱ガスが、支持ベース107を介して配設されたガス伝達経路(図示せず)を通って裏側ボリュームに流れ、基板支持体105を通ってさらに配分される。
【0034】
処理チャンバ100は、本明細書では処理チャンバコントローラとも称されるコントローラ126をさらに含む。ここで、コントローラ126は、中央処理装置(CPU)133、メモリ134、および支持回路135を含む。コントローラ126は、本明細書で説明された基板バイアス方法を含めて基板103を処理するように使用される処理シーケンスを制御するように使用される。CPU133は、処理チャンバを制御するための工業用設定に使用するように構成された汎用コンピュータプロセッサおよびこれに関連したサブプロセッサである。本明細書で説明されたメモリ134は一般に不揮発性メモリであり、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、フロッピディスクドライブもしくはハードディスクドライブ、またはローカルもしくはリモートの他の適切なデジタルストレージの形態を含み得る。支持回路135は、従来はCPU133に結合され、キャッシュ、クロック回路、入力/出力サブシステム、電源および同種のもの、ならびにこれらの組合せを備える。ソフトウェア命令(プログラム)およびデータは、CPU133内のプロセッサに命令するために、メモリ134内に符号化して記憶され得る。コントローラ126内のCPU133によって読取り可能なソフトウェアプログラム(またはコンピュータ命令)は、処理チャンバ100の構成要素によって実行可能なタスクを判定する。好ましくは、コントローラ126内のCPU133によって読取り可能なプログラムが含むコードは、プロセッサ(CPU133)によって実行されたとき、本明細書で説明された電極バイアス方式の監視および実行に関連したタスクを実行する。このプログラムは、処理チャンバ100内の様々なハードウェアおよび電気部品を制御して本明細書で説明された電極バイアス方式を実施するために使用される様々な処理タスクおよび様々な処理シーケンスを実行するように使用される命令を含むことになる。
【0035】
処理中に、第1のPV源アセンブリ196および第2のPV源アセンブリ197のPV波形ジェネレータ150の内部のPVジェネレータ314は、処理チャンバ100とともに配設された負荷(たとえば複合負荷130)にパルス電圧波形を確立する。本明細書で提供される開示に関して限定することなく議論を簡単にするために、図3A図3Bには、エッジ制御電極115にバイアスをかけるように使用される第2のPV源アセンブリ197の内部の構成要素の概略は示されていない。PV波形ジェネレータ150の各々からのPV波形の供給は、コントローラ126から供給される信号を使用して全体的に制御される。一実施形態では、PV波形ジェネレータ150Aは、図3Aに示されるように、定期的に繰り返される所定長さの時間区間を通じて、その内部スイッチSを所定のレートで繰り返し開閉することにより、その出力(すなわちグランドに対する出力)に、実質的に一定の所定の正電圧を維持するように構成されている。代替として、一実施形態では、PV波形ジェネレータ150Bは、図3Bに示されるように、定期的に繰り返される所定長さの時間区間を通じて、その内部スイッチSを所定のレートで繰り返し開閉することにより、その出力(すなわちグランドに対する出力)に、実質的に一定の所定の負電圧を維持する。図3A図3Bでは、PV波形ジェネレータ150A、150Bは、バイアス電極104に所望のパルス電圧波形を確立する役割の理解のために重要な構成要素の最小限の組合せに要約されている。図3A図3Bに概略的に示されるように、それぞれのPV波形ジェネレータ150が、出力350にPV波形を供給するように構成された、PVジェネレータ314(たとえば直流電源)と、高繰返し率スイッチ、キャパシタ(図示せず)、インダクタ(図示せず)、フライバックダイオード(図示せず)、パワートランジスタ(図示せず)および/または抵抗器(図示せず)などの1つまたは複数の電気部品とを含むことになる。実際のPV波形ジェネレータ150は、図3A図3Bに示されるものよりも複雑な電気回路に基づき得、任意数の内部構成要素を含み得て、ナノ秒パルスジェネレータとして構成され得る。図3A図3Bのそれぞれの概略図は、PV波形ジェネレータ150の、動作の基本原理、処理容積内のプラズマとの相互作用、およびバイアス電極104における入力パルス電圧波形401、431、441(図4A図4C)などのパルス電圧波形の確立におけるその役割について説明するために必要とされる程度まで、PV波形ジェネレータ150の構成要素や電気回路の機能的等価表現のみを提供するものである。図3A図3Bに示された概略図から推論され得るように、スイッチSは、開(オフ)位置から閉(オン)位置まで動いたとき、PV波形ジェネレータ150の出力を、実質的に一定の出力電圧を生成するPVジェネレータ314に接続する。PV波形ジェネレータ150は、定電圧電源ではなく主として電荷インジェクタ(電流源)として使用され得、したがって、スイッチが閉じているとき(オン)でも出力電圧は経時的に変化し得るので、出力電圧の安定性に対する厳格な要件は不要である。さらに、いくつかの構成では、PVジェネレータ314は、電流を一方向にしか流さない(たとえば出力はキャパシタを充電することはできるが放電することはできない)という点においてシンク源ではなく基本的にソース源である。加えて、スイッチSが開(オフ)位置のままであるとき、PV波形ジェネレータ150の出力にわたる電圧(V)は、PVジェネレータ314によって制御されることなく、他の回路要素に対するPV波形ジェネレータ150の内部構成要素の相互作用によって決定される。
【0036】
電流帰還出力段314Aは、一端がアースに接続されており、他端がPV波形ジェネレータ150の出力の接続点(すなわちジェネレータ出力結合アセンブリ(図示せず)の片側)に接続されている。電流帰還出力段314Aは、抵抗器、抵抗器とインダクタとの直列接続、スイッチS2、および/またはグランドに向かう正の電流フローを可能にする並列キャパシタを含む電気的要素のより複雑な組合せといった要素を含み得る。
【0037】
PV伝送ライン157(図1A図1B)の一部を形成する伝送ライン131は、PV波形ジェネレータ150の出力350を第2のフィルタアセンブリ151に電気的に接続する。以下の議論は、PV波形ジェネレータ150をバイアス電極104に結合するように使用される第1のPV源アセンブリ196のPV伝送ライン157について主に論じるが、PV波形ジェネレータ150を結合するエッジ制御電極115に第2のPV源アセンブリ197のPV伝送ライン158も同一または類似の構成要素を含むことになる。したがって、一般に、PV波形ジェネレータ150の出力350は端部であり、PVパルスジェネレータ314の出力は、内部導電体によってPV波形ジェネレータ150の出力350および電流帰還出力段314Aに接続されている。伝送ライン131は、PV波形ジェネレータ150の出力350に配置されたジェネレータ出力結合アセンブリ181(図1C)を第2のフィルタアセンブリ151に接続する。PV伝送ライン157、158の様々な部品の内部の導電体は、(a)剛体の同軸伝送ラインと直列に接続されたフレキシブル同軸ケーブルを含み得る同軸伝送ライン(たとえば同軸ライン106)、(b)絶縁された高電圧耐コロナ性フックアップ線、(c)裸線、(d)金属棒、(e)電気コネクタ、または(f)(a)~(e)の電気的要素の任意の組合せを含み得る。支持シャフト138の内部のPV伝送ライン157の一部およびバイアス電極104などのPV伝送ライン157の外部導体部分(たとえば第1の導電体)は、グランドに対するいくらかの組合せ漂遊キャパシタンスCstray図3A図3B)を有するはずである。図には示されていないが、PV伝送ライン158の外部導体部分(たとえば第2の導電体)およびエッジ制御電極115も、グランドに対するいくらかの組合せ漂遊キャパシタンスCstrayを有するはずである。PV波形ジェネレータ150の内部導電体は、外部導電体と同じ基本要素を含み得る。最も実用的な用途では、伝送ライン131はラインインダクタンス159を含むはずであり、これは、PV波形ジェネレータ150の内部構成要素によって生成された部分(すなわちジェネレータ出力結合アセンブリ181の左側(図3A図3B))および/または外部ライン/ケーブルによって生成された、PV波形ジェネレータ150を第2のフィルタアセンブリ151に接続する部分(すなわちジェネレータ出力結合アセンブリ181の右側)を含み得る。
【0038】
図1Aに戻って、処理チャンバ100は接地されたチャンバリッド123を含む。従来のプラズマ処理チャンバ設計とは全体的に異なるこの構成では、RF電力は、代わりに基板支持体を通じて供給される。したがって、高周波電源118を支持ベース107に結合することにより、機能的にはカソードアセンブリの一部であるESCの全体によって、上部電極が接地され得、電流帰還領域が最大化され得る。RF電力供給およびPV波形供給を利用するプラズマプロセスについては、プラズマ処理チャンバの内部の接地面積を最大化することによって電流帰還領域を最大化すると、PV波形ジェネレータ150の出力によって生成されるPV波形サイクルのESCを再充電/シース崩壊相中のプラズマ電位ジャンプを最小化し、このことは以下でさらに論じる。したがって、本明細書で提供される装置および方法は、チャンバ壁への電力損失を最小化してプラズマ処理効率を改善するものである。本明細書で説明されたRF電力およびPVパルス波形の供給方法は、プラズマ特性の制御の改善およびラジカルな生成に影響を与えて可能にするので、ある特定の処理の利益も提供するものである。しかしながら、前述のように、支持ベース107とバイアス電極104との間に、ESCセラミックス層を介した強い容量結合があり、RF伝送ライン167とPV伝送ライン157との間にも強い容量結合があるので、基板支持アセンブリ136(すなわちカソードアセンブリ)を通して両方のタイプの電力が供給されるとき、それぞれのジェネレータが他方を通る電流を誘起し、意図された(プラズマ)負荷から電力がそれるばかりでなく、どちらのジェネレータにも被害を与える。
【0039】
本明細書で開示された他の実施形態のうちの1つまたは複数とともに使用され得る別の代替のチャンバリッド123構成では、チャンバリッド123(すなわち対向する電極)は、図1Bに示されるように、1つまたは複数の側壁122から電気的に絶縁され、プラズマジェネレータアセンブリ160を介して高周波電源118に電気的に結合されている。この構成では、チャンバリッド123は、処理容積129の内部の処理プラズマ101に点火して維持するように高周波電源118によって駆動され得る。一例では、高周波電源118は、チャンバリッド123に、約300kHz~60MHz、さらには約2MHz~約40MHzの周波数など、約300kHzよりも高いRF周波数のRF信号を供給するように構成される。
【0040】
バイアスサブシステムアセンブリ
図1Cは、高周波波形およびパルス電圧波形を生成し、制御して、処理チャンバ100の内部の基板支持アセンブリ136などの1つまたは複数の電極に供給するように使用される様々な電気部品を囲んで別個に絶縁するように構成されたバイアスサブシステムアセンブリ170を含む処理チャンバ100の概略図である。少なくとも、処理チャンバ100の内部のバイアスサブシステムアセンブリ170の構成および位置付けのために、生成されたRF波形およびPV波形の、より反復可能かつより効率的な供給が処理中に実現され得る。同様に構成された複数の処理チャンバの各々の内部でバイアスサブシステムアセンブリ170を使用すると、多くの処理チャンバを含有している基板処理設備や多くの処理チャンバを含有している世界中の他の基板処理設備に見られる処理結果の変動性を低減するのを支援し得ると考えられる。
【0041】
バイアスサブシステムアセンブリ170は、一般に、パルス電圧生成ユニット筐体172をおよび接合箱筐体169を含むことになる。バイアスサブシステムアセンブリ170は、一般に能動電源および電圧源、ならびに受動部品を含んでいる電気回路を含むことになる。能動電源は、1つまたは複数のパルス電圧波形ジェネレータ、1つまたは複数の高周波電源ならびに/あるいは1つまたは複数の直流電源を含み得る。電気回路の内部の受動部品は、抵抗器、キャパシタ、インダクタおよびダイオードを含み得る。使用においては、バイアスサブシステムアセンブリ170は、様々な種類の電源の出力を同一の負荷(たとえば複合負荷130)に印加することができるように、これらの電源を組み合わせるように使用され得る。負荷は、処理チャンバ100の中で形成されたプラズマ101、カソードシース、カソードおよびその電力供給システム(たとえば伝送ライン)ならびに漂遊誘導性要素および容量性要素を含み得る。
【0042】
いくつかの実施形態では、接合箱筐体169は、1つまたは複数のバイアス補償モジュール区画171および高周波(RF)フィルタ区画173を含む。いくつかの実施形態では、バイアスサブシステムアセンブリ170はRF供給筐体174も含む。区画171、172、および173、およびRF供給筐体174の各々が、1つまたは複数の壁171A、172A、173Aおよび174Aを含み、これらの壁は、それぞれ、内部の電気部品を囲んで、隣接して配置された筐体の内部の電気部品や処理チャンバ100の外部の環境にある電気部品から分離して絶縁するように、少なくとも部分的に構成されている。一般的には、隣接した区画を互いに絶縁するために使用される壁は1枚のみである。図1Cおよび図1Dが概略的に示すように、いくつかの領域において2つの壁が直接隣接した関係で配置されているが、隣接した2つの個別の壁の代わりに1枚壁が使用され得るので、本明細書で提供される本開示の範囲を限定する意図はない。バイアスサブシステムアセンブリ170は、強固に装着して、構成要素との間の距離を反復可能に画定し、バイアスサブシステムアセンブリ170と処理チャンバ100内の他の構成要素との間のあらゆる接続(たとえば基板支持アセンブリ136との接続)に対する歪みを避けるように、ベース124などの処理チャンバ100の壁のうちの1つまたは複数に配置されるかまたは結合される。いくつかの実施形態では、バイアスサブシステムアセンブリ170の表面(たとえば壁173Aの露出面)は、処理チャンバ100の壁(たとえばベース124)のうちの1つまたは複数に隣接して配置される。いくつかの実施形態では、バイアスサブシステムアセンブリ170の露出面(たとえば壁173Aの表面)は、ベース124から、12インチ未満、さらには6インチ未満など、24インチ未満の距離124A(図1C)に配置される。一例では、壁173Aの露出面はベース124の下部面に直接結合される。バイアス補償区画の構成要素と高周波フィルタ区画173の構成要素との間の接続など、バイアスサブシステムアセンブリ170の区画171、172、および173および/またはRF供給筐体174の内部の電気部品を相互接続する電流搬送要素の経路選択を最適化して連結長を最小化することにより、システムのこれらの領域の各々において形成される漂遊インダクタンスおよび漂遊キャパシタンスが最小化され得ると考えられる。実際には、バイアスサブシステムアセンブリ170は、生成して確立される波形における変動を大幅に低減するように使用され得、したがって、基板支持アセンブリ136の内部の電極などの処理チャンバ100の内部の電極に供給される高電圧信号の完全性および再現性を改善する。
【0043】
パルス電圧生成ユニット筐体172は、少なくとも壁172Aによって、バイアス補償モジュール区画171内の高周波フィルタ区画173やRF供給筐体174といった、電気部品から絶縁された少なくとも1つのPV波形ジェネレータ150を含む。壁172Aには、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150を支持し、またRF供給筐体174の内部の構成要素および/または処理チャンバ100の外部の構成要素によって生成されたあらゆる電磁妨害から絶縁するように構成されて接地された金属薄板ボックス(たとえばアルミニウムまたはSSTのボックス)が含まれ得る。パルス電圧生成ユニット筐体172とバイアス補償モジュール区画171との間の境界面において、ジェネレータ出力結合アセンブリ181が、バイアス補償モジュール区画171の中に配設された伝送ライン131の第1の部分および電気部品(たとえば阻止キャパシタ153)にPV波形ジェネレータ150の出力350を接続するように使用される。本明細書で使用される「結合アセンブリ」という用語は、一般に、2つ以上の電気部品を電気的に結合する電流搬送要素を接続するように構成された、1つまたは複数の電気コネクタ、電気的個別素子(たとえばキャパシタ、インダクタ、および抵抗器)および/または導電素子などの1つまたは複数の電気部品を説明するものである。
【0044】
1つまたは複数のバイアス補償モジュール区画171は、少なくとも壁171Aによってパルス電圧生成ユニット筐体172、高周波フィルタ区画173およびRF供給筐体174の中の電気部品から絶縁された、バイアス補償回路要素116A(図3A図3B)および阻止キャパシタ153を含む。一実施形態では、バイアス補償回路要素116Aは、壁171Aに形成されたバイアス補償モジュール区画のDC電源結合アセンブリ185を使用して、外部に配置された直流電源155に結合される。代替として、一実施形態(図示せず)では、バイアス補償回路要素116Aと直流電源155とが、どちらもバイアス補償モジュール区画171の内部に配設され、壁171Aによって囲まれる。壁171Aは、パルス電圧生成ユニット筐体172の内部の構成要素、RF供給筐体174によって生成されたあらゆる電磁妨害および/または処理チャンバ100の外部の電磁妨害からバイアス補償モジュール区画171の内部の構成要素を絶縁するように構成されて接地された金属薄板ボックスを含み得る。バイアス補償モジュール区画171と高周波フィルタ区画173との間の境界面において、バイアス補償モジュール区画の出力結合アセンブリ182が、バイアス補償回路要素116A、直流電源155および阻止キャパシタ153を、伝送ライン131の第2の部分と高周波フィルタ区画173内に配設された電気部品(たとえば第2のフィルタアセンブリ151)とに接続するように使用される。
【0045】
高周波フィルタ区画173には、少なくとも壁173Aによって、パルス電圧生成ユニット筐体172内の電気部品、1つまたは複数のバイアス補償モジュール筐体171、およびRF供給筐体174から絶縁された、1つまたは複数の第2のフィルタアセンブリ151およびチャンバの相互接続構成要素が含まれる。壁173Aは、高周波フィルタ区画173の内部の構成要素を、パルス電圧生成ユニット筐体172の内部の構成要素、RF供給筐体174によって生成されたあらゆる電磁妨害および/または処理チャンバ100の外部の電磁妨害から絶縁するように構成されて接地された金属薄板ボックスを含み得る。高周波フィルタ区画173と処理チャンバ100のベース124との間の境界面において、カソード結合アセンブリ183が、高周波フィルタ区画173の出力接続点をPV伝送ライン157、158の一部に接続するように使用されており、PV伝送ライン157、158は、バイアスサブシステムアセンブリ170を、基板支持アセンブリ136の内部の電極など処理チャンバ100の内部の電極のうち1つに電気的に接続する。
【0046】
RF供給筐体174は、少なくとも壁174Aによってパルス電圧生成ユニット筐体172内の電気部品および1つまたは複数のバイアス補償モジュール筐体171から絶縁された、RF整合回路161、第1のフィルタアセンブリ162、任意選択の高周波電源118、および他のチャンバの相互接続構成要素を含む。壁174Aは、RF供給筐体174の内部の構成要素を、パルス電圧生成ユニット筐体172の内部の構成要素によって生成されたあらゆる電磁妨害および/または処理チャンバ100の外部の電磁妨害から絶縁するように構成されて接地された金属薄板ボックスを含み得る。RF供給筐体174と処理チャンバ100のベース124との間の境界面において、カソード結合アセンブリ184が、RF供給筐体174の出力接続点をRF伝送ライン167の一部に接続するように使用されており、RF伝送ライン167は、バイアスサブシステムアセンブリ170のRF供給筐体174を、基板支持アセンブリ136の内部の電極など処理チャンバ100の内部の電極のうち1つに電気的に接続する。支持シャフト138の内部のRF伝送ライン167の一部および支持ベース107などのRF伝送ライン167の外部導体部分(たとえば第3の導電体)は、グランドに対するいくらかの組合せ漂遊キャパシタンスCstrayを有するはずである。
【0047】
図1Dは、図1Cに示されたバイアスサブシステムアセンブリ170の代替バージョンを含む処理チャンバ100の概略図である。図1Dに示されるように、第1のフィルタアセンブリ162は、RF供給筐体174から取り出されて高周波フィルタ区画173内に再配置されている。この構成では、高周波電源118は、RF波形を、RF整合回路161、カソード結合アセンブリ184、第1のRF結合アセンブリ186、第1のフィルタアセンブリ162、第2のRF結合アセンブリ187、RF伝送ライン167を通して、基板支持アセンブリ136を有する電極に供給するように構成されている。この構成では、高周波フィルタ区画173は、1つまたは複数の第2のフィルタアセンブリ151、第1のフィルタアセンブリ162、および他のチャンバ相互接続構成要素を含む。
【0048】
プラズマ処理バイアス方式およびプロセス
図2は、図1Aまたは図1Bに示された処理チャンバとともに使用され得るバイアス方式の簡素化した概略図である。図2に示されるように、高周波電源118およびPV波形ジェネレータ150は、それぞれRF波形およびパルス電圧波形を、処理チャンバ100のチャンバ本体113内に配設された1つまたは複数の電極に供給するように構成されている。一実施形態では、高周波電源118およびPV波形ジェネレータ150は、基板支持アセンブリ136の内部に配設された1つまたは複数の電極にRF波形およびパルス電圧波形を同時に供給するように構成されている。非限定的な例の1つでは、上記で論じられたように、高周波電源118およびPV波形ジェネレータ150は、それぞれ、どちらも基板支持アセンブリ136内に配設された支持ベース107とバイアス電極104とにRF波形およびパルス電圧波形を供給するように構成されている。別の例では、高周波電源118、第1のPV波形ジェネレータ150および第2のPV波形ジェネレータ150は、それぞれ、RF波形、第1のパルス電圧波形および第2のパルス電圧波形を、すべて基板支持アセンブリ136内に配設されている、支持ベース107、バイアス電極104およびエッジ制御電極115に供給するように構成されている。
【0049】
図2に示されるように、高周波電源118は、RF整合回路161および第1のフィルタアセンブリ162を含むプラズマジェネレータアセンブリ160を通して、正弦波のRF波形601(図6A図6G)を含むRF信号を供給することにより、チャンバ本体113内に配設された1つまたは複数の電極に正弦波のRF波形を供給するように構成されている。加えて、PV波形ジェネレータ150の各々が、第2のフィルタアセンブリ151を介してバイアス電極104にPV波形401(図4A図5A)、441(図5B)、または431(図5C)を確立することにより、一般的には一連の電圧パルス(たとえばナノ秒電圧パルス)を含むPV波形を、チャンバ本体113内に配設された1つまたは複数の電極に供給するように構成されている。チャッキングモジュール116の内部の構成要素は、任意選択で、それぞれのPV波形ジェネレータ150と第2のフィルタアセンブリ151との間に配置され得る。
【0050】
上記で簡単に論じられたように、図3A図3Bは、それぞれ、本明細書で提案したパルス電圧の電気回路140およびRFバイアス方式の機能的に等価な簡素化した例であり、処理ボリューム内のプラズマの表現も含む。図3Aは、バイアス電極104にPV波形431(図5C)などのPV波形を確立するプロセスの一部の間に正電圧を供給するように構成された第1のPV源アセンブリ196の内部のPV波形ジェネレータ150を利用する、簡素化されたパルス電圧の電気回路140およびRFバイアス方式を表す。図3Bは、バイアス電極104にPV波形401(図4Aおよび図5A)などのPV波形を確立するプロセスの一部の間に負電圧を供給するように構成された第1のPV源アセンブリ196の内部のPV波形ジェネレータ150を利用する、簡素化されたパルス電圧の電気回路140およびRFバイアス方式を表す。これらの回路は、第1のPV源アセンブリ196のパルス電圧波形ジェネレータ150と処理チャンバ100の内部の高周波電源118との相互作用の簡略化モデルを示すものであり、処理チャンバ100の動作中に使用される基本要素を全体的に示す。明瞭さのために、本開示の全体にわたって以下の定義が使用される。(1)基準が規定されなければ、すべての電位がグランドを参照する。(2)(基板またはバイアス電極のような)あらゆる物理的ポイントの電圧が、同様に、グランド(ゼロ電位ポイント)に対するこの点の電位として定義される。(3)カソードシースは、プラズマに対する負の基板電位に相当する電子供与性のイオン加速シースを意味する。(4)シース電圧(「シース電圧降下」と称されることもある)Vshは、プラズマと(たとえば基板またはチャンバ壁の)隣接面との間の電位差の絶対値として定義される。(5)基板電位はプラズマに面する基板表面における電位である。
【0051】
図3A図3Bに示される複合負荷130は、処理プラズマ101を3つの直列要素として表現する標準的な電気的プラズマモデルとして示されている。第1の要素は、基板103に隣接する電子供与性カソードシース(「プラズマシース」または単に「シース」と称されることもある)である。カソードシースは、図3A図3Bでは、(a)開状態のときにはシース崩壊を表現するダイオードDSHと、(b)シースの存在下で基板に流れるイオン電流を表現する電流源Iと、(c)イオン加速およびエッチングが生じるバイアスサイクルの主要部分(すなわちPV波形のイオン電流相)に関するシースを表現するキャパシタCSH(たとえば約100~300pF)とを備える、従来の3つの部分の回路要素によって表現される。第2の要素は、単一の抵抗器Rplasma(たとえば抵抗器146=約5~10Ω)によって表現されるバルクプラズマである。第3の要素は、チャンバ壁に形成する電子供与性壁シースである。この壁シースは、同様に、図3において、(a)ダイオードDwallと、(b)壁へのイオン電流を表現する電流源Iiwallと、(c)主としてPV波形のESC再充電相(本文において後に説明される)中の壁シースを表現するキャパシタCwall(たとえば約5~10nF)との3つの部分の回路要素を備えることによって表現される。接地された金属壁の内表面も、図3における大きいキャパシタCcoat(たとえば約300~1000nF)によって表現される誘電材料の薄層でコーティングされていると見なされ得る。
【0052】
図3A図3Bに示されるように、高周波電源118は、RF信号を、生成されたRF電力を第1のフィルタアセンブリ162、RF整合回路161、ラインインダクタンスLLine、支持ベースキャパシタンスCCL、および実効キャパシタンスCを介して供給することによって支持ベース107に供給し、最終的には複合負荷130に供給するように構成されている。一実施形態では、RF整合回路161は、直列インダクタンス素子LSERと、コントローラ126からの入力によって制御され得る調節可能な直列キャパシタンス素子CSERおよび調節可能なシャントキャパシタンス素子CShuntとを含む。いくつかの実施形態では、RF整合回路161は、代替として、たとえばL形回路網、π回路網、またはトランスマッチ回路などの他の回路要素の構成を使用して形成され得る。前述のように、RF整合回路161は、一般に、高周波電源118からRF信号を供給することによって生成される反射電力を最小化して、その電力供給効率を最大化するために、見かけ上の負荷を50Ωに調整するように構成される。いくつかの実施形態ではRF整合回路161は任意選択であり、これらのケースでは、複合負荷130へのRF電力の供給が非効率的になるのを避けるために、基板のプラズマ処理中に他のRF信号整合技法(たとえば可変周波数同調)が使用され得る。
【0053】
本明細書ではパルス電圧フィルタアセンブリとも称される第1のフィルタアセンブリ162は、PV波形ジェネレータ150の出力によって生成された電流がRF伝送ライン167を通って流れて高周波電源118に被害を与えるのを実質的に防止するように構成された1つまたは複数の電気的要素を含む。第1のフィルタアセンブリ162は、PV波形ジェネレータ150の内部のPVパルスジェネレータ314から生成されたPV信号に対する高インピーダンス(たとえば高Z)として働き、したがって高周波電源118への電流の流れを抑止する。一実施形態では、第1のフィルタアセンブリ162は、RF整合回路161と高周波電源118との間に配設された阻止キャパシタCBCを含む。この構成では、RF整合要素161は、高周波電源118に対する見かけ上の負荷を調整するとき、阻止キャパシタCBCのキャパシタンスを補償するように構成されている。一例では、PV波形ジェネレータ150から供給されるナノ秒PV波形(たとえばパルス周期10~100ナノ秒)が高周波電源118に被害を与えるのを防止するために、第1のフィルタアセンブリ162は35~100pFのキャパシタを含む。別の例では、第1のフィルタアセンブリ162は、キャパシタンスが50pF未満の阻止キャパシタCBCを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、高周波電源118とRFプラズマジェネレータアセンブリ160との2つ以上のセットであって、それぞれが、支持ベース107または基板支持アセンブリ136の内部の他の電極に対して別々のRF周波数のRF電力を別個に供給するように構成されているセットを利用することが望ましいであろう。一例では、第1の高周波電源118A(図示せず)および第1のRFプラズマジェネレータアセンブリ160A(図示せず)は、支持ベース107に約300kHz~13.56MHzのRF周波数のRF信号を供給するように構成されており、第2の高周波電源118B(図示せず)および第2のRFプラズマジェネレータアセンブリ160B(図示せず)は、支持ベース107に約40MHz以上のRF周波数のRF信号を供給するように構成されている。この例では、高周波電源アセンブリ160A、160Bの各々が、PV波形ジェネレータ150の出力によって生成された電流がそれぞれの伝送ラインに流れてそれぞれの高周波電源に被害を与えるのを防止するように適合されて同様に構成された第1のフィルタアセンブリ162(たとえばキャパシタンスがCBCの阻止キャパシタを含む)を含むことになる。加えて、高周波電源アセンブリ160A、160Bの各々が、他の高周波電源の出力によって生成されたRF電流が伝送ラインに流れてそれぞれの高周波電源に被害を与えるのをさらに防止するために、他の高周波電源アセンブリから供給された他のRF周波数を阻止するように構成されてそれぞれの高周波電源アセンブリに対して直列に接続された第2のフィルタアセンブリ151などの個別のRFフィルタアセンブリも含み得る。この構成では、個別のRFフィルタアセンブリは、生成されたRF波形は通して他の高周波電源によって生成されたRF波形は阻止することができる、低域通過フィルタ、ノッチフィルタまたは高域通過フィルタを含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、PVジェネレータの2つ以上のセットであって、それぞれが、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115にPV波形を別個に供給するように構成されたセットを利用することも望ましいであろう。この例では、PV波形ジェネレータ150の各々(図3Aまたは図3Bには1つだけ示されている)が、他のPVジェネレータの出力によって生成された電流がそれぞれのPV伝送ライン157に流れてそれぞれのPVジェネレータに被害を与えるのを防止するように適合されたPVフィルタアセンブリ(たとえばキャパシタンスがCBCの阻止キャパシタを含む)を含むことになる。加えて、PV波形ジェネレータ150の各々が、他のPV波形ジェネレータから供給されたRF周波数を阻止するように構成されてそれぞれのPV波形ジェネレータに対して直列に接続された第2のフィルタアセンブリ151などのRFフィルタアセンブリも含むことになる。
【0056】
いくつかの実施形態では、図1A図3Bに示されるように、PV波形ジェネレータ150の各々が、生成されたパルス電圧波形を、チャッキングモジュール116の阻止キャパシタ153と、第2のフィルタアセンブリ151と、高電圧ラインインダクタンスLHVと、実効キャパシタンスCとを通して供給することにより、パルス電圧波形信号を、バイアス電極104に供給して、最終的に複合負荷130に供給するように構成される。この場合、システムは、基板の、ESC基板支持体の基板受け面に対する「電気的クランプ」などのチャッキングのために使用されるチャッキングモジュール116を任意選択で含む。基板をチャッキングすると、基板受け面と基板の非デバイス側面との間に優れた熱接触をもたらしてESC基板支持体の温度を調節することによる基板の温度制御を可能にするために、この間隙にヘリウムガス(He)を充填することができる。PV波形ジェネレータ150によって生成されたパルス電圧とチャッキングモジュール116によって生成されたDCチャッキング電圧とをバイアス電極104において組み合わせると、パルス電圧波形の追加の電圧オフセットが、チャッキングモジュールによって生成されたDCチャッキング電圧に等しくなる。追加の電圧オフセットは、図4Aおよび図5A図5Bに示されたオフセットΔVに対して加算/減算され得る。PV波形ジェネレータ150のPVパルスジェネレータ314の動作に対するチャッキングモジュール116の影響は、大きい阻止キャパシタ153および阻止抵抗器154を適切に選択することによって無視され得る。阻止抵抗器154は、チャッキングモジュール116を伝送ライン131の内部のポイントに接続する構成要素の内部に配置された抵抗器を概略的に示す。簡素化された電気回路における阻止キャパシタ153の主な機能は、直流電源155によって生成されたDC電圧からPVパルスジェネレータ314を保護することであり、したがって、このDC電圧は阻止キャパシタ153にわたって低下し、PV波形ジェネレータの出力を乱さない。阻止キャパシタ153の値は、DC電圧のみを阻止して、パルスバイアスジェネレータのパルス電圧出力に対する負荷にはならないように選択される。阻止キャパシタ153は、十分に大きいキャパシタンス(たとえば10~80nF)を選択することにより、システム内の他のいかなる関連するキャパシタンスよりもはるかに大きく、これにわたる電圧降下が、チャックキャパシタンスCやシースキャパシタンスCSHなどの他の関連するキャパシタにわたる電圧降下と比較して非常に小さいという点において、たとえばPV波形ジェネレータ150によって生成された400kHzのPV波形信号に対してほぼ透過的になる。加えて、いくつかの実施形態では、阻止キャパシタ153のキャパシタンスは、第1のフィルタアセンブリ162内の阻止キャパシタCBCのキャパシタンスよりも大幅に大きい。いくつかの実施形態では、阻止キャパシタ153のキャパシタンスは、第1のフィルタアセンブリ162内の阻止キャパシタCBCのキャパシタンスよりも、少なくとも10倍、または少なくとも100倍、または少なくとも約1000倍大きい。一例では、阻止キャパシタCBCのキャパシタンスは約38pFであり、阻止キャパシタ153のキャパシタンスは約40nFである。
【0057】
図3A図3Bを参照して、チャッキングモジュール116の阻止抵抗器154の目的は、高周波パルスバイアスジェネレータの電圧を阻止して、これがDC電圧電源155に誘起する電流を最小化することである。この阻止抵抗器154は、これを通る電流を効率的に最小化することができるほど十分に大きく設定される。たとえば、PV波形ジェネレータ150からチャッキングモジュール116への400kHzの電流を無視できるほど小さくするために、1MΩ以上の抵抗が使用される。一例では、阻止抵抗器は約500kΩよりも大きい抵抗値を有する。結果として生じるほぼ0.5~1mA程度の平均誘導電流は、実際は、約5mAのDC電流であるチャッキングモジュール電源に関する一般的な制限よりもはるかに小さい。バイアス補償回路要素116Aの構成要素に含まれる、キャパシタンス155B、ダイオード155C、抵抗器155A、および阻止抵抗器154が、ともにパルス電圧に対する電流抑制回路/フィルタリング回路を形成し、そのため、パルス電圧がチャッキングモジュール116を通る電流を誘起することはない。阻止抵抗器154は、直流電源155と出力350および/またはジェネレータ出力結合アセンブリ181との間に配設される(図1C)。いくつかの実施形態では、ダイオード155Cは、アノード側がPV伝送ライン157に接続されるように配向されて阻止抵抗器154と並列に接続される。
【0058】
第2のフィルタアセンブリ151は、高周波電源118の出力によって生成された電流がPV伝送ライン157に流れてPV波形ジェネレータ150のPVパルスジェネレータ314に被害を与えるのを防止するように構成された1つまたは複数の電気的要素を含む。上記で論じられたように、PV伝送ライン157は同軸伝送ライン106および伝送ライン131を含むアセンブリである。一実施形態では、第2のフィルタアセンブリ151は、キャパシタンスがCFCのフィルタキャパシタ151Aと、これと並列に接続され、PVパルスジェネレータ314とバイアス電極104との間の伝送ライン157に配設された、インダクタンスがLFLのフィルタインダクタ151Bとを含む。いくつかの構成では、第2のフィルタアセンブリ151は、チャッキングモジュール116の阻止キャパシタ153とバイアス電極104との間に配設される。第2のフィルタアセンブリ151は、高周波電源118から生成されたRF信号に対する高インピーダンス(たとえば高Z)として働き、したがってPVパルスジェネレータ314への電流の流れを抑止する。いくつかの実施形態では、フィルタキャパシタ151AのキャパシタンスCFCは、阻止キャパシタ153のキャパシタンスのせいぜい1/10未満、またはせいぜい1/100未満、またはせいぜい1/1000未満と、大幅に小さい。一例では、フィルタキャパシタ151AのキャパシタンスCFCは約51pFであり、阻止キャパシタ153のキャパシタンスは約40nFである。
【0059】
上記で論じられたように、第2のフィルタアセンブリ151は、PVパルスジェネレータ314にRF信号やあらゆる関連する高調波が流れ込むのを阻止するように構成されている。いくつかの実施形態では、高周波電源によって生成されるRF信号は、1MHz以上、2MHz以上、13.56MHz以上、または40MHz以上のRF周波数など、400kHzよりも高いRF周波数を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、高周波電源118から供給されるRF電力がPVパルスジェネレータ314に被害を与えるのを防止するために、第2のフィルタアセンブリ151は、キャパシタンスが約25pF~100pFのフィルタキャパシタ151Aと、インダクタンスが約0.1~1μHのフィルタインダクタ151Bとを含む。一例では、高周波電源118から供給される周波数40MHzのRF電力がPVパルスジェネレータ314に被害を与えるのを防止するために、第2のフィルタアセンブリ151は、キャパシタンスが約51pFのフィルタキャパシタ151Aと、インダクタンスが約311nHのフィルタインダクタ151Bとを含む。いくつかの実施形態では、第1のフィルタアセンブリ162の阻止キャパシタCBCのキャパシタンス値は、第2のフィルタアセンブリ151のフィルタキャパシタ151Aのキャパシタンス値の10倍以内である。
【0060】
いくつかの実施形態では、図3A図3Bに示されるように、第2のフィルタアセンブリ151は、伝送ライン157とグランドとの間に結合された、インダクタンスがLの第2のフィルタインダクタ151CおよびキャパシタンスがCの第2のフィルタキャパシタを151Eと、やはり伝送ライン157とグランドとの間に結合された、インダクタンスがLの第3のフィルタインダクタ151DおよびキャパシタンスがCの第3のフィルタキャパシタ151Fとをさらに含む。いくつかの構成では、第2のフィルタインダクタ151Cおよび第3のフィルタインダクタ151Dのインダクタンスは約0.1~1μHであり得、第2のフィルタキャパシタ151Eおよび第3のフィルタキャパシタ151Fのキャパシタンスは約25pF~100pFである。
【0061】
パルス波形の例
前述のように、本開示の実施形態が提供する斬新な基板バイアス方法は、処理中にほぼ一定のシース電圧を維持し、したがって基板の表面に所望のIEDFを生成することを可能にする一方で、1つまたは複数のRF源アセンブリを使用することにより、プラズマ処理チャンバの処理容積の中に形成されるプラズマの態様を別個に制御するための能力も提供するものである。いくつかの実施形態では、本明細書で開示された斬新な基板バイアス装置および方法を使用することにより、処理中に、基板の表面において単一ピーク(単一エネルギー)のIEDFが形成され得る。他の実施形態では、本明細書で開示された斬新な基板バイアス装置および方法のうちの1つまたは複数を使用することにより、処理中に、基板の表面において、図4Dに示されるように2つのピーク(双エネルギー)のIEDFが形成される。本明細書で開示された、図1Aに示されたものなどの装置のいくつかの構成では、プラズマ処理チャンバの内部の接地された表面の面積を最大化し、したがってチャンバ壁に対する電力損失を最小化してプラズマ処理効率を改善することも可能である。
【0062】
図4A図4Cおよび図5A図5Cに関連して以下でさらに論じられるように、プラズマ処理中にほぼ一定のシース電圧を維持することを可能にする斬新な基板バイアス方法は、プラズマ処理チャンバ内で実行されるプラズマプロセス中に基板上で実行されるプラズマ処理シーケンス中に、一連のパルスおよび/またはパルスのバーストを供給することを含む。本明細書で提供される本開示の実施形態は、それぞれが複数の異なる相を含む所望のパルス電圧波形(PVWF)を有するパルスを供給することを含む。以下でさらに論じられるように、それぞれのPV波形が、PV波形ジェネレータ150から、電圧信号または場合によっては定電流信号を供給することによって制御される複数の相のうち少なくとも1つの相を含む。一般に、議論のために、PV波形のそれぞれのパルスが、図5A図5Cに示されるように第1の領域405および第2の領域406を含む2つの主要領域にセグメント化され得る。一般に、それぞれのPV波形が、振幅(Vout)、オフセット(たとえばΔV)、パルス周期(T)、およびパルス繰返し周波数(F=1/T)を含むことになる。
【0063】
図4Aは、PV源アセンブリの内部のPV波形ジェネレータ150を使用することにより、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に確立され得る負パルスバイアス方式タイプのPV波形を示す。いくつかの実施形態では、図4Aに示されたPV波形は、第1のPV源アセンブリ196のPV波形ジェネレータ150および第2のPV源アセンブリ197のPV波形ジェネレータ150を使用して、それぞれバイアス電極104およびエッジ制御電極115において別個に確立されたものである。図5Aは負パルスバイアス方式タイプのパルス電圧波形を示し、PV波形ジェネレータ150は、多相負パルス波形401の系列550の生成を制御して、バイアス電極104またはエッジ制御電極115にPV波形を確立するように構成されている。いくつかの実施形態では、多相負パルス波形401は一連の繰返し周期を含み、各サイクル中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有する。多相負パルス波形401は、第1の時間間隔の少なくとも一部の間にのみ存在する正電圧パルスを含むことになり、パルス電圧波形は、第2の時間間隔のうち少なくとも一部を通じて実質的に一定である。PV波形ジェネレータ150の出力は、第2の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって負電圧源に接続されている。
【0064】
基板PV波形425は、図4Aに示されるように、PV波形ジェネレータ150によってバイアス電極104またはエッジ制御電極115に形成されて確立したPV波形によって基板に確立された一連のPV波形である。基板のPV波形425は、処理中に基板の表面に確立され、例示の基板PV波形425のポイント420とポイント421との間に及ぶシース崩壊およびESC再充電相450(または議論の簡単さのためにシース崩壊相450)と、ポイント421とポイント422との間に及ぶシース形成相451と、ポイント422から、連続して確立される次のパルス電圧波形の開始ポイント420まで及ぶ、イオン電流相452とを含む。図4A図4Cに示されるように、プラズマ電位曲線433は、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150を使用してバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に確立される負パルス波形401の供給中の局所的なプラズマ電位を示す。
【0065】
いくつかの実施形態では、処理チャンバ100における処理中に、PV波形ジェネレータ150が、確立された多相負パルス波形401の相のうちPV波形の負方向の部分および/または負電圧レベルに保たれる部分(たとえばイオン電流相)などの2つを通じて、負電圧を供給し、その供給を制御するとき、多相負パルス波形401が形成される。たとえば、負パルス波形401のうち負電圧を含有しているこれらの部分は、類推によって、基板PV波形425に関して図4Aに示されたシース形成相451およびイオン電流相452に関連付けられる。この場合、多相負パルス波形401については、PV波形ジェネレータ150からの負電圧の供給は、図4Aに示されるように、第2の相406中に生じ、ポイント411(すなわち多相負パルス波形401のピーク)から、基板PV波形のシース崩壊相450の開始と一致するポイント413まで及ぶ。いくつかの実施形態では、PV波形ジェネレータ150は、ポイント412と413との間に確立している多相負パルス波形401の部分と一致するイオン電流相452中に一定の負電圧(たとえば、VOUT)を供給するように構成される。たとえば、イオン電流相452中に、イオン電流(I)が基板表面に正電荷を蓄積するので、ポイント422と420との間のラインの右上りスロープ(図4A)に見られるように基板表面の電圧が経時的に上昇する。基板表面における経時的な電圧上昇により、シース電圧が低下してイオンエネルギーが拡散することになる。したがって、シース電圧の低下およびイオンエネルギーの発散の影響を最小化するために、少なくともPV波形の周波数(1/TPD。TPDはPV波形の周期である(図5A))を制御して設定するのが望ましい。
【0066】
図5Bは、成形パルスバイアス方式タイプのPV波形を示すものであり、PV波形ジェネレータ150は、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に確立される多相成形パルス波形441の系列551の生成を制御するように構成されている。いくつかの実施形態では、多相成形パルス波形441を形成するPV波形ジェネレータ150は、1つまたは複数の内部スイッチおよび直流電源を使用して、電圧パルスの1つまたは複数の相(たとえば第1の領域405)の間に正電圧を供給し、電圧パルスの1つまたは複数の相(たとえば第2の領域406)の間に負電圧を供給するように構成される。
【0067】
いくつかの実施形態では、PV波形ジェネレータ150は、バイアス電極104およびエッジ制御電極115に、図5Cに示されるような多相正パルス波形431の系列552を供給するように構成される。正パルス波形431におけるそれぞれの正パルス相が、シース崩壊相、ESC再充電相、シース形成相およびイオン電流相などの複数の相を含み得る。この例では、第1の領域405は、一般にシース崩壊相およびESC再充電相を含む。第2の領域406は、一般にシース形成相およびイオン電流相を含む。いくつかの実施形態では、多相正パルス波形431は一連の繰返し周期を含み、各サイクル中の波形が、第1の時間間隔中に生じる第1の部分および第2の時間間隔中に生じる第2の部分を有する。多相正パルス波形431は、第1の時間間隔の少なくとも一部の間にのみ存在する正電圧パルスを含むことになり、第2の時間間隔の少なくとも一部の間は実質的に一定である。PV波形ジェネレータ150の出力は、第1の時間間隔のうち少なくとも一部にわたって正電圧源に接続されている。
【0068】
図5A図5Bおよび図5Cにそれぞれ示された様々なパルス電圧波形401、441および431は、チャッキングモジュール116の入力に供給されるパルス電圧波形を表すものであり、したがって、図4Aに示された、バイアス電極104やエッジ制御電極115に確立されるパルス電圧波形とは異なり得る。それぞれのPV波形におけるΔVのDCオフセットは、PV波形を確立するために使用されるPV波形ジェネレータ150の構成の様々な特性に依拠する。
【0069】
図4Bに示された処理方法では、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に一連のパルス電圧波形のバースト462が確立されて、基板表面に確立される。図4Bに示された例では、それぞれのバースト462の中の複数のパルス461が、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に確立された一連の負パルス波形401を含む。この例では、バースト462の各々が、一貫したパルス電圧形状のPV波形(たとえば、それぞれのPV波形401の一部の間に一定の電圧振幅が供給される)と、バースト462と別のバーストとの間で不変のバースト供給期間TONと、バースト休止の一定の期間TOFFとを有するパルス461を含む。バースト休止期間TOFFは、バースト供給期間TON中に供給されたPV波形の供給を停止することによって形成される。この例では、バーストの間に複数のパルスが供給される時間の長さ(すなわちバースト供給期間TON)とバースト周期の持続時間(すなわちTBD=TON+TOFF)との比であるバースト462のデューティサイクルも一定である。他の処理方法では、複数のパルス461は、負パルス波形401、成形パルス波形441もしくは正パルス波形431、またはこれらの組合せを含み得ることが理解されよう。図4Bに示されるように、バースト休止期間TOFF中に、バイアス電極電位の曲線436は、チャッキングモジュール116によって印加されかつ制御されるチャッキング電圧によって主として制御され、したがってプラズマ電位とは異なる電圧レベルにあり得る。
【0070】
図4Cに示された処理方法では、バースト462および463など、違ったやり方で構成された複数のパルスのバーストが、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に確立されて、基板表面に確立される。図4Dは、プラズマ処理中に、図4Cに示された処理方法を実行することによってもたらされた効果をIEDFのグラフに示す。図4Cに示された処理方法を実行することにより、繰返し周期の範囲内で違ったやり方で構成された複数のバーストの供給を制御すれば、図4Dに示された2つの離散的なIEDFピークなどの2つ以上の離散的なIEDFピークを含むIEDFを形成するようにイオンエネルギーの分布を制御することが可能であると考えられる。対照的に、RFバイアス方式を利用する従来のプラズマプロセスでは、IEDFは一般的には2つのピークを有し、これらは、低エネルギーおよび高エネルギーと、2つのピークの間のエネルギーを有するいくつかのイオン集団とにおいて形成されるので、望ましい離散的なIEDFピークを形成することはないであろう。慣例的に形成されたIEDF曲線の一例が、米国特許第10,555,412号の図1Bに示されており、この特許の全体が参照によって本明細書に組み込まれる。これらの慣例的なバイアス方式では、印加されるRF電圧(図6Aに示されたものなどの波形を有する)がRF周期の全体にわたってカソードシースを変調し、したがって、すべての時間のシース電圧降下を過度に変化させてデュアルピークのIEDFをもたらす。上記で論じられたように、慣例的な処理中に形成された2つのIEDFピーク(すなわち非離散的なIEDFピークの形成)の間のイオンエネルギーの範囲が、プラズマ処理の間に基板表面の範囲内に形成されるエッチングされたフィーチャ壁のプロファイルに影響を与える。
【0071】
図4Cに示された方法のいくつかの実施形態では、違ったやり方で構成された複数のバーストは、違ったやり方で構成された、繰返し周期の長さ(TTrain)を有するバーストの繰返し周期を含む。バースト462およびバースト463の各々が、負パルス波形401、成形パルス波形441もしくは正パルス波形431、またはこれらの組合せを含み得る複数のパルス461を含む。いくつかの実施形態では、違ったやり方で構成された複数のバーストは、少なくとも、違ったやり方で構成された複数のバーストの中のバーストのうち少なくとも2つの間に形成された複数パルス461の特性が、異なる特性になるように、少なくとも2つの違ったやり方で構成されたバーストを含む。一例では、図4Cに示されるように、バースト462を有する複数パルス461の特性は、バースト463を有する複数パルス461とは異なるパルス電圧振幅(たとえば異なるVOUT)を有し、したがって、異なるピーク高さを有する2つのIEDFピークを形成することができる(図4D)。いくつかの実施形態では、パルス461は約1キロボルト(kV)~約10kVのパルス電圧振幅(VOUT)を有する。いくつかの実施形態では、繰返し周期の中のバーストの少なくとも2つの間で異なる複数パルス461の特性は、第1の領域405および第2の領域406の範囲内のPV波形の少なくとも一部の、異なる個々のPV波形周期、異なるパルス電圧振幅、異なる形状(たとえば電圧振幅、傾斜(dV/dt))、または他のPV波形特性を含む。バースト462および463の各々が、バースト供給期間TONおよびバースト休止期間TOFFを含むバースト周期を有する。さらに、バースト周期TBDおよびバーストデューティサイクル(たとえばTON/TBD)は、バースト供給期間TONおよびバースト周期TBDに基づく。いくつかの実施形態では、バースト供給期間TONは、約200μs~約5ミリ秒など、約50μs~約50ミリ秒(ms)であり、バーストのデューティサイクルは、約50%~約95%など、約5%~100%である。一例では、バースト供給期間TONは約800μsであり、バーストのデューティサイクルは、バースト462もバースト463も約80%である。より具体的には、図4Cは、ジェネレータ出力結合アセンブリ181のジェネレータ端に由来する入力パルス電圧波形の複数のバースト(それぞれが複数の波形サイクルを含有している)の一例を含み、ジェネレータ出力結合アセンブリ181の終端は、基板支持アセンブリ136のバイアス電極104に供給される、PV波形ジェネレータ150の出力に配置されている。違ったやり方で構成された複数のバーストは、違ったやり方で構成されたオフセット(ΔV)、バースト周期(TBD)、バースト周波数(fB=1/TBD)、および/またはバーストのデューティサイクル(Duty=Ton/TBD)として特徴付けられ得る。したがって、違ったやり方で構成された2つ以上のバーストの間の複数のパルス461の特性を変化させることにより、処理中に基板上で実現されるプラズマ処理結果を調節するかまたは変化させるために2つ以上の離散的なIEDFピークが形成され得る。
【0072】
図5Dは、処理中に、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150を使用して、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に正パルス波形431(図示せず)または負パルス波形401(図示せず)を確立することにより、基板に形成された一連のPV波形を示す。基板に形成されたPV波形は、負パルス波形401を確立することによって形成された基板PV波形425、または正パルス波形431を確立することによって形成された基板PV波形531を含む。いくつかの実施形態では、負パルス波形401は、時間TN1と時間TN2との間、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に負電圧を確立することによって形成される。いくつかの実施形態では、PV波形ジェネレータ150の出力350に供給される負電圧は、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給され、負パルス波形401の第2の領域406の少なくとも一部を通じて実質的に一定である。一例では、PV波形ジェネレータ150の出力350に供給される負電圧は、第2の領域406の開始および/または終了における何らかのスイッチングに関連した電圧振動または遷移を除けば、第2の領域406の全体にわたって実質的に一定である。図3Bを参照して、時間TN1と時間TN2との間、スイッチSを閉状態に保つとともにスイッチSを開状態に保つことによって負電圧が供給される。TN2からTN1までの他の期間中は、スイッチSは開状態に保たれ、スイッチSは閉状態に保たれることになる。
【0073】
いくつかの実施形態では、正パルス波形431は、時間TP1と時間TP2との間、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に正電圧を確立することによって形成される。図3Aを参照して、時間TP1と時間TP2との間、スイッチSを閉状態に保つとともにスイッチSを開状態に保つことによって正電圧が供給される。TP2からTP1までの他の期間中は、スイッチSは開状態に保たれ、スイッチSは閉状態に保たれることになる。いくつかの実施形態では、PV波形ジェネレータ150の出力350に供給される正電圧は、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給され、正パルス波形431の第1の領域405の少なくとも一部を通じて実質的に一定である。
【0074】
図5Dに示されるように、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に負パルス波形401または正パルス波形431を確立するプロセスは、それぞれ、異なる波形特性を有し得る基板PV波形425または基板PV波形531を形成することになる。一例では、負のパルシングプロセスを使用するときには、波形サイクルの、シース(すなわちESC再充電相560中に形成されたシース)が存在しない、より長い期間(TNNSH)を含む基板PV波形425を形成するのが望ましく、それに対して、正のパルシングプロセス中には、波形サイクルの、シース(すなわちESC再充電相570中に形成されたシース)が存在しない、より短い期間(TPNSH)を含む基板PV波形531を形成するのが望ましい。この例では、負のPV波形中にシースが存在しない期間TNNSHは約175ナノ秒(ns)であり得、それに対して、正のPV波形中にシースが存在しない期間TPNSHは約80ナノ秒であり得る。
【0075】
バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に、負パルス波形401、成形パルス波形441または正パルス波形431を確立するプロセスなどのパルス電圧波形を確立するプロセスのいずれかにおいて、プラズマプロセス中に、基板処理時間の大きい割合(たとえば85%~90%)にわたってシース電圧をほぼ一定に保つことが可能になり得る。図4A図5Dに示された波形は、本明細書で説明された基板のプラズマ処理中に使用され得る方法のうち1つとともに使用され得るパルス電圧波形の簡素化された概略図を示すことのみを意図するものである。PV波形ジェネレータ150によって生成される実波形は、はるかに複雑であり得、図3A図3Bには示されていない複数の精細な規模の特性(たとえば誘導性素子の存在に起因する高周波振動)を含有し得る。しかしながら、これらの精細な規模の特性は、本明細書で提案したパルス電圧バイアス方式および制御方法によって生成される実際のパルス電圧波形の全体的な形状を決定する基礎的な物理的現象を理解するために必須のことではない。
【0076】
パルス電圧波形相
一般に、確立する負パルス波形401、成形パルス波形441または正パルス波形431などのパルス電圧波形は、電圧オフセット(ΔV)の上に周期TPDで繰り返す周期性の一連の短パルスを含む。一例では、周期TPDは、約2.5μsなど、約1μs~5μsである。それぞれの周期(繰返し周期)の内部の波形は以下を含む。
【0077】
(1)シースキャパシタCsh図3A図3B)が放電して、基板電位がローカルプラズマ電位のレベルになる(たとえば図4Aにおけるプラズマ電位曲線433)シース崩壊相。シース崩壊相により、次の(2)のESC再充電相中に、プラズマから供給される電子によるチャックキャパシタCの急速再充電が可能になる。
【0078】
(2)後の(4)のイオン電流相中に基板表面に蓄積された全電荷に対して異極性の電荷の量を急激に注入するかまたは蓄積することにより、ESC再充電相中にチャックキャパシタCを再充電すること。ESC再充電相中に電子によってプラズマ電流も導かれる。すなわち、カソードシースがない状態で電子が基板に到達し、したがってキャパシタCを充電する表面電荷を構築する。
【0079】
(3)処理チャンバの漂遊キャパシタを放電するための負電圧へのジャンプ。シース形成相中にシースを再形成してシース電圧(VSH)の値を設定する。シース形成(Cshの充電)の開始は、基板電位がローカルプラズマ電位未満に低下し始めるポイントとして明瞭に識別され得る。
【0080】
(4)イオン電流によって、基板表面に正電荷が蓄積し、シースキャパシタおよびチャックキャパシタが徐々に放電し、シース電圧がゆっくり低下して、基板電位が0に近づく、全体的に長い(たとえばPV波形サイクル期間Tの約80~90%など、50%よりも長い)イオン電流相。これは、基板電圧波形425(図4A)および531(図5D)における電圧ドループをもたらす。上記の(1)~(3)で説明された次のサイクルへと移行するのにパルス波形が必要となるのは、ここで生じたシース電圧ドループのためである。
【0081】
上記で論じられたように、いくつかの実施形態では、処理チャンバ100は、少なくとも、1つまたは複数の高周波電源118および関連する第1のフィルタアセンブリ162と、1つまたは複数のPVジェネレータ314および関連する第2のフィルタアセンブリ151とを含むことになり、これらは、基板支持アセンブリ136の内部に配設された1つまたは複数の電極に所望の波形を供給するように、ともに構成される。コントローラ126のメモリには、処理チャンバの内部に形成されるプラズマの1つまたは複数の態様を確立し、維持し、かつ制御するように構成されたRF波形を生成するように構成されたソフトウェア命令が記憶されている。制御される、プラズマの1つまたは複数の態様は、それだけではないが、処理容積129の中に形成されるプラズマの、プラズマ密度、プラズマ化学、およびイオンエネルギーを含み得る。
【0082】
図6Aは、高周波電源118から供給された周波数(すなわち1/TRF)を有する一般的な正弦波のRF波形601を示す。一般的には、プラズマの1つまたは複数の態様は、所望のRF周波数およびRF電力量を選択し、場合によってはパルスRF信号のデューティサイクル(すなわち正弦波のRF信号が「オン」である時間(TRFON)の割合対正弦波のRF信号が「オフ」である時間(TRFOFF)の割合)も選択することによって制御され得る。所望のRF周波数の選択は、一般に、選択された狭いRF周波数範囲内の1つまたは複数の周波数で様々な量のRF電力を供給するように構成された高周波電源(たとえば、2MHz、13.56MHz、または40MHzの高周波電源)を選択することによって実行される。
【0083】
図6Bは、プラズマプロセス中に高周波電源118から供給され得るパルスRF波形602を示す。形成されたパルスRF波形602は、RFパルス化されたRFシーケンスの内部のRFパルスの周期TRFPと、高周波電源118によって正弦波のRF波形601が供給される「オン」時間(すなわちTRFON)と、供給されない「オフ」時間(すなわちTRFOFF)とを有し得る。
【0084】
図6Cは、高周波電源118から供給されるパルスRF波形602と、バイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給される一連のバースト612、622または632とを、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150およびコントローラ126を使用して同期させる方法を示す。一連のバースト612、622、632の中のそれぞれのバースト615、625、635は、図6Cに示されるように、一貫したタイプの単一のバースト(すなわちパルス461は同一のパルス特性を有する)を含み、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150によって生成された一連のバーストの中のそれぞれのバーストが、図4Cのバースト462、463などの、違ったやり方で構成されたバーストを含み得ることが企図されている。同様に、いくつかの実施形態では、RF波形602の中のRFパルスは、違ったやり方で構成された一連のRFパルスを含み得る。バースト615、625または635は、それぞれが、負パルス波形401、成形パルス波形441もしくは正パルス波形431、またはこれらの組合せを含み得る複数のパルス461を含み、これらはバイアス電極104とエッジ制御電極115とのいずれかまたは両方に確立され得る。
【0085】
一例では、処理中に、複数のバースト615を含む一連のバースト612がバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115供給され、パルスRF波形602の供給と同期される。この例では、複数のバースト615の各々のバースト供給期間、バースト休止期間、およびバースト周期は、それぞれ、パルスRF波形602の中のRFパルスの、RFパルス供給期間TRFON、RFパルス休止期間TRFOFF、およびRFパルス周期TRFPと同一である。
【0086】
別の例では、処理中に、複数のバースト625を含む一連のバースト622がバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給され、パルスRF波形602の供給と同期される。この例では、複数のバースト625の各々のバースト供給期間、バースト休止期間、およびバースト周期は、それぞれ、パルスRF波形602の中のRFパルスの、RFパルス供給期間TRFON、RFパルス休止期間TRFOFF、およびRFパルス周期TRFPと同一である。しかしながら、この例では、パルスRF波形602の中のRFパルスの各々の少なくとも一部が供給された後のある時間の後にそれぞれのバースト625が始まるように、本明細書では正の遅延周期とも称される遅延周期TDEが与えられる。また、もしくは代替として、バースト625の少なくとも一部が供給された後にRFパルスが供給されるように、バースト625の供給に対してRFパルスの供給を遅延させること(すなわち負の遅延周期)が望ましいであろう。
【0087】
別の例では、処理中に、複数のバースト635を含む一連のバースト632がバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給され、パルスRF波形602の供給と同期される。この例では、複数のバースト635の各々が、パルスRF波形602の中のRFパルスと同一のバースト周期を有する。しかしながら、この例では、バースト供給期間およびバースト休止期間はパルスRF波形602の中のRFパルスとは異なる。図6Cに示されるように、それぞれのバースト635のバースト供給期間は、RFパルス供給期間TRFONよりも期間TDSだけ長い。この場合、バースト635の供給のデューティサイクルとパルスRF波形602の供給のデューティサイクルとは異なる。
【0088】
図6Cに示された一連のバースト612、622、632は、それぞれ一定のバースト供給期間およびデューティサイクルを含んでいるが、一連のバーストにおけるバースト供給期間および/またはデューティサイクルは経時的に変化し得ることが企図されている。また、図6Cに示された一連のバースト622は、それぞれ一定の遅延周期TDEを含んでいるが、一連のバーストにおける遅延周期は経時的に変化し得ることが企図されている。また、図6Cに示された一連のバースト632は、それぞれ一定のバースト供給期間および一定の遅延周期を含んでいるが、一連のバーストにおけるバースト供給期間は経時的に変化し得ることが企図されており、かつ/またはバースト625の供給に対してRFパルスの供給を遅延させるのが望ましいであろう。
【0089】
別の例では、図6Dに示されるように、処理中に、複数のバースト645を含む一連のバースト642がバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給され、パルスRF波形602の供給と同期される。この例では、複数のバースト645の各々のバースト供給期間、バースト休止期間、およびバースト周期は、それぞれ、パルスRF波形602の中のRFパルスの、RFパルス供給期間TRFON、およびRFパルス休止期間TRFOFFとは異なる。この例では、パルスRF波形602の中のRFパルスの各々の少なくとも一部が供給された後のある時間の後にそれぞれのバースト645が始まるように開始遅延周期TDEが与えられ、また、RFパルス周期TRFPが終了する前にそれぞれのバースト645が終了するように、終了遅延周期TEDが与えられる。この例では、それぞれのバースト645のデューティサイクルはRFパルスよりも小さい。
【0090】
別の例では、図6Eに示されるように、処理中に、複数のバースト655および656を含む一連のバースト652がバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115に供給され、マルチレベルパルスRF波形603の供給と同期される。マルチレベルパルスRF波形603は、高周波電源を使用して、異なる電力レベルの正弦波RF波形601を供給することによって形成された複数のRFパルス電力レベル604および605を含む。この例では、複数のバースト655および656の各々が、RFパルス電力レベル604および605における変化と同期する。複数のバースト655および656の各々が含む複数の負パルス波形401が、バースト655および656の各々に対して印加される電圧レベルピークの各々の負レベルにおける差によって示されるような異なる電圧レベルで供給される。いくつかの実施形態では、図6Eに示されるように、バースト655と656との間の移行および/またはRFパルス電力レベル604と605との間の移行は、それぞれバースト休止期間TOFFの時間またはRFパルス休止期間TRFOFFの時間によって分離されることはない。
【0091】
図6Fは、図6Eに示された一連のバースト652およびマルチレベルパルスRF波形603を含み、一連のバースト652とマルチレベルパルスRF波形603との供給を同期させるために使用されるTTL信号波形を概略的に示す。いくつかの実施形態では、一連のバースト652とマルチレベルパルスRF波形603との供給が同期され得るように、コントローラ126によってそれぞれのPV波形ジェネレータ150および高周波電源118にTTL信号波形が供給される。他の実施形態では、一連のバースト652とマスタ高周波電源118から供給されるマルチレベルパルスRF波形603との供給が同期され得るように、マスタ高周波電源118からそれぞれのPV波形ジェネレータ150にTTL信号波形が供給される。TTL信号波形は、それぞれのPV波形ジェネレータ150および/または高周波電源118が、供給するべき所望のPV波形特性またはRF信号波形特性を決定するために使用する、1つまたは複数の信号特性を含んでいるマルチレベルパルスを含み得る。一例では、処理シーケンス中の様々時間における信号波形の振幅(たとえば電圧レベル)は、それぞれのPV波形ジェネレータ150によって所望のPV波形出力電圧レベルを決定するために使用され、また高周波電源118によって、供給する所望のRF電力レベルを決定するために使用される。
【0092】
別の例では、図6Gに示されるように、処理中に、複数のバースト665および667を含む一連のバースト662がバイアス電極104および/またはエッジ制御電極115供給され、マルチレベルパルスRF波形606の供給と同期される。マルチレベルパルスRF波形606は、高周波電源を使用して、異なる電力レベルの正弦波RF波形601を供給することによって形成された複数のRFパルス電力レベル607および608を含む。マルチレベルパルスRF波形606は、RF休止時間609によって示されるRFパルス休止期間TRFOFFの時間を含み得、これは第1の電力レベル607から第2の電力レベル608への移行の間にある。いくつかの実施形態では、RFパルス休止期間TRFOFFの時間は、RFパルス電力レベル607と608との間のそれぞれの移行にある。複数のバースト665と667との各々の間の移行が、RFパルス電力レベル607と608とにおける変化と同期する。複数のバースト665および667の各々が含む複数の負パルス波形401が、バースト665および667の各々に対するピークの各々の負レベルにおける差によって示されるような異なる電圧レベルで供給される。いくつかの実施形態では、バースト667からバースト665への移行はバースト休止期間TOFFの時間によって分離されるが、バースト665からバースト667への移行がバースト休止期間TOFFの時間によって分離されることはない。しかしながら、いくつかの実施形態では、バースト665からバースト667への移行はバースト休止期間TOFFの時間によって分離されるが、バースト667からバースト665への移行がバースト休止期間TOFFの時間によって分離されることはない。バースト665からバースト667への移行およびバースト667からバースト665への移行は、それぞれがバースト休止期間TOFFの時間によって分離され得る。
【0093】
図6Gは、一連のバースト662とマルチレベルパルスRF波形606との供給を同期させるのを支援するように使用され得るTTL信号波形も示す。上記で同様に論じられたように、一連のバースト662とマルチレベルパルスRF波形606との供給が同期され得るように、TTL信号波形が、コントローラ126によってそれぞれのPV波形ジェネレータ150および高周波電源118に供給されるか、またはマスタ高周波電源118からそれぞれのPV波形ジェネレータ150に供給される。図6Gに示されるように、処理シーケンス中の様々な時間における信号波形の振幅は、それぞれのPV波形ジェネレータ150によって所望のPV波形出力の電圧レベルを決定するために使用され、また高周波電源118によって所望のRF電力レベルを決定するために使用される。いくつかの構成では、図6GにおけるLS2レベルなどのTTL信号波形のレベルのうちの1つまたは複数で提供される情報が、バースト667など、バースト665および667のうち1つまたは複数について、所望のデューティサイクル、バーストにおけるパルス数および/またはパルス振幅を決定するように使用され、かつ/または、RF波形606のデューティサイクルおよび/またはRFパルス振幅はTTL信号波形の特性から決定される。
【0094】
図6Hは、図6Gに示されたパルスシーケンスの代替バージョンを示す。本明細書では、図6Hに示されるパルス構成は、図6Gに示されるHからLへの(HLの)PVパルスシーケンスに対して、LからHへの(LHの)PVパルスシーケンスと称される。図6Hに示されるように、一連のバースト662のバースト665と667、ならびにマルチレベルパルスRF波形606のRFパルス電力レベル607と608とは、別々の時間に順次に配置される。この構成では、バースト665および667ならびにRFパルス電力レベル607および608は、バースト667がバースト665の供給に先行し、RFパルス電力レベル607がRFパルス電力レベル608の供給に先行するように、時間的に並べ換えられている。
【0095】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150およびコントローラ126を使用して、一連のバースト612、622または632などの一連のバーストが、同期され、バイアス電極104およびエッジ制御電極115に対して別個に供給される。加えて、上記で論じられたように、パルスRF波形602は、1つまたは複数のPV波形ジェネレータ150およびコントローラ126を使用してバイアス電極104およびエッジ制御電極115に供給され得る一連のバースト612、622または632と同期され得る。一例では、第1のPV源アセンブリ196のPV波形ジェネレータ150からバイアス電極104に一連のバースト612が供給され、第2のPV源アセンブリ197のPV波形ジェネレータ150からエッジ制御電極115に一連のバースト612が供給され、これらはパルスRF波形602の供給と同期される。
【0096】
いくつかの実施形態では、バイアス電極104に供給されるバーストおよび/または一連のバーストと、エッジ制御電極に供給されるバーストおよび/または一連のバーストとは、1つまたは複数の異なる特性を有する。一例では、バイアス電極104に供給されるバーストのパルス電圧波形は、同時にエッジ制御電極115に供給されるバーストのパルス電圧波形とは異なる。別の例では、バイアス電極104に供給される一連のバーストの中のバースト(たとえばバースト615)と、エッジ制御電極115に供給される一連のバーストの中のバースト(たとえばバースト635)とは、バースト供給期間が異なる。別の例では、バイアス電極104に供給される一連のバーストの中のバーストは、エッジ制御電極115に供給される一連のバーストの中のバーストから時間をずらされる。この例では、一連のバースト612のバースト615がバイアス電極104に供給され、一連のバースト622のバースト625がエッジ制御電極115に供給され、したがって、バイアス電極104、エッジ制御電極およびパルスRF波形602に対するバーストの供給のタイミングは互いに別々に調節され得る。
【0097】
いくつかの実施形態では、バイアス電極104に供給されるPV波形とエッジ制御電極115に供給されるPV波形とは、同期され、形状は同一であるがそれぞれの電極に供給される個々のパルスの振幅が異なり得る。バイアス電極104およびエッジ制御電極115に印加される異なるPV波形振幅は、基板上に形成されるエッチングされたフィーチャの「エッジ傾斜」を制御するために使用され得る。一例では、バイアス電極104およびエッジ制御電極115に供給される第1のバーストの中のPV波形は同期され、形状が同一であり、エッジ制御電極115に印加されるPV波形はバイアス電極104に印加されるPV波形よりもピークツーピーク電圧が大きい。別の例では、バイアス電極104およびエッジ制御電極115に供給される第2のバーストの中のPV波形は、同期され、形状が同一であり、エッジ制御電極115に印加されるPV波形はバイアス電極104に印加されるPV波形よりもピークツーピーク電圧が小さい。
【0098】
いくつかの実施形態では、コントローラ126の記憶装置に記憶されたソフトウェア命令は、パルス電圧(PV)波形および/またはパルス電圧(PV)波形のバーストを生成するように構成されており、これらは、処理チャンバにおけるプラズマ処理中に、ほぼ一定のシース電圧を確立して基板の表面に所望のIEDFを生成するように使用される。パルス電圧(PV)波形および/またはパルス電圧(PV)波形のバーストを制御すると、IEDFの形状およびIEDFを有するピークの数に対する制御が正確になり得、基板の表面に形成されるフィーチャのプロファイルをよりよく制御できる。パルス電圧(PV)波形および/またはパルス電圧(PV)波形のバーストを制御することは、一般的には、パルス電圧(PV)波形相のうちの1つまたは複数の間に所望の電圧信号を供給し、次いで、波形周期TPDの残りを通じて、パルス電圧(PV)波形の残りの相の形状が自然に進展するのを可能にすることを含むはずである。コントローラ126の記憶装置に記憶されたソフトウェアには、処理チャンバ100の内部の様々なハードウェアおよび電気部品と、処理チャンバ100が配設されている処理システムとを制御して、処理チャンバ100の内部の1つまたは複数の電極への、RF波形、パルス電圧(PV)波形および/またはパルス電圧(PV)波形のバーストの供給を同期させるのに必要な様々なプロセスタスクおよび様々なプロセスシーケンスを実行するように使用される命令も含まれるはずである。
【0099】
前述のことは本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の実施形態およびさらなる実施形態が本発明の基本的範囲から逸脱することなく考案され得、それらの範囲は以下の特許請求の範囲によって決定される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H