IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ インテル・コーポレーションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】半導体デバイスおよび電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20241203BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20241203BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20241203BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20241203BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20241203BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01L29/78 301X
H01L29/50 M
H01L29/58 G
H01L29/78 301B
H01L29/78 301G
H01L29/78 301Y
H01L29/78 301P
H01L29/78 617N
H01L29/78 617A
H01L29/78 616T
H01L29/78 616L
H01L29/78 616A
H01L29/78 618C
H01L29/78 618E
H01L29/78 618A
【請求項の数】 36
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020143839
(22)【出願日】2020-08-27
(65)【公開番号】P2021097209
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2023-08-22
(31)【優先権主張番号】16/713,648
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591003943
【氏名又は名称】インテル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ニドヒ ニドヒ
(72)【発明者】
【氏名】ラウル ラマスワミー
(72)【発明者】
【氏名】ワリド エム. ハーフェツ
(72)【発明者】
【氏名】シュー-ユ チャン
(72)【発明者】
【氏名】ティン チャン
(72)【発明者】
【氏名】ババク ファラハザード
(72)【発明者】
【氏名】タヌジュ トリヴェディ
(72)【発明者】
【氏名】ジェオン ドン キム
【審査官】石川 雄太郎
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-522719(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0307513(US,A1)
【文献】特開2010-004019(JP,A)
【文献】特表2018-504775(JP,A)
【文献】特開2016-009869(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103258741(CN,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0050607(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 29/417
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 29/78
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上のソース領域と、
前記基板上のドレイン領域と、
前記ソース領域から前記ドレイン領域へと延在する半導体本体であって、前記半導体本体は第1の導電型を有する第1の領域および第2の導電型を有する第2の領域を有する、半導体本体と、
前記半導体本体の前記第1の領域上のゲート構造であって、前記ゲート構造は前記ドレイン領域よりも前記ソース領域に近い、ゲート構造と、を含
前記第1の領域は、前記ソース領域から前記ドレイン領域への方向における、前記ソース領域側の一端と、前記ドレイン領域側の他端とを有し、
前記第2の領域は、前記方向における、前記ソース領域側の一端と、前記ドレイン領域側の他端と、前記方向に交差する交差方向における下端とを有し、
前記第1の領域の前記他端と、前記第2の領域の前記一端とが接し、
前記第2の領域の前記下端は、前記第1の領域に接しない、
半導体デバイス。
【請求項2】
前記第1の領域の前記一端と、前記ソース領域とが接している、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記第1の領域の前記一端と、前記ソース領域とが、前記基板の上面視において前記ゲート構造と重なる位置で接している、請求項2に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記基板の上面視において、前記ゲート構造と前記ソース領域とが重ならない、請求項1から3のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
前記交差方向において、前記ソース領域の下端の位置と、前記ゲート構造の下端の位置とが同じである、請求項1から4のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記交差方向において、前記ソース領域の上端の位置は、前記第1の領域の上端の位置よりも上方にある、請求項1から5のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記ソース領域および前記ドレイン領域は第2の導電型を有し、前記ドレイン領域は第1のドーパント濃度を有し、前記半導体本体の前記第2の領域は前記第1のドーパント濃度より小さい第2のドーパント濃度を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記第1のドーパント濃度は約1018cm-3以上であり、前記第2のドーパント濃度は約1018cm-3以下である、請求項に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記半導体本体の前記第2の領域は前記ゲート構造の中に延在する、請求項1からのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
前記半導体本体の前記第2の領域の長さは前記半導体本体の前記第1の領域の長さより大きい、請求項1からのいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項11】
前記ゲート構造はゲート誘電体を含み、前記ゲート誘電体は前記半導体本体の前記第1の領域の一部上および前記半導体本体の前記第2の領域の一部上にある、請求項1から10のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項12】
前記第2の領域の前記他端と、前記ドレイン領域とが接している、請求項1から11のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項13】
前記半導体本体の前記第2の領域上に第1のダミーゲート構造をさらに含み、前記第1のダミーゲート構造は前記ソース領域より前記ドレイン領域に近い、
請求項1から12のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項14】
前記ゲート構造と前記第1のダミーゲート構造との間の間隔は、前記ドレイン領域の長さにおよそ等しい、請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項15】
前記半導体本体の前記第2の領域上の第2のダミーゲート構造をさらに含み、前記第2のダミーゲート構造は前記ソース領域および前記ドレイン領域と実質的に等距離にある、
請求項13に記載の半導体デバイス。
【請求項16】
前記交差方向において、前記ドレイン領域の下端の位置と、前記ゲート構造の下端の位置とが同じである、請求項1から15のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項17】
前記交差方向において、前記ドレイン領域の上端の位置は、前記第2の領域の上端の位置よりも上方にある、請求項1から16のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項18】
前記半導体本体の前記第2の領域は、前記第2の領域の長さに沿って不均一なドーパント濃度を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項19】
前記半導体本体はナノワイヤまたはナノリボンである、請求項1から18のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項20】
複数の前記半導体本体が、前記交差方向に積み重ねられるように配置され
前記ゲート構造は、複数の前記半導体本体の周囲にあり
前記ソース領域から前記ドレイン領域への方向において、前記半導体本体は第1の長さを有し、
前記ソース領域から前記ドレイン領域への方向において、前記ゲート構造は前記第1の長さより短い第2の長さを有する
請求項1から19のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項21】
前記ゲート構造は前記半導体本体のチャネル領域を画定する、請求項20に記載の半導体デバイス。
【請求項22】
複数の前記半導体本体が、前記交差方向に積み重ねられるように配置され、
前記ゲート構造は、複数の前記半導体本体の周囲にあり、
前記ソース領域から前記ドレイン領域への方向において、前記半導体本体は第1の長さを有し、
前記ソース領域から前記ドレイン領域への方向において、前記ゲート構造は前記第1の長さより短い第2の長さを有し、
前記ゲート構造はゲート誘電体を含み、
前記ゲート構造は前記半導体本体のチャネル領域を画定し、
前記半導体本体は、前記チャネル領域内のみが前記ゲート誘電体により包囲される、
請求項1から11のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項23】
前記ドレイン領域は、
本体と、
前記ソース領域に対して延在する複数の突出部とを含む、請求項22に記載の半導体デバイス。
【請求項24】
前記ゲート構造に隣接するダミーソース/ドレイン領域をさらに含み、前記ダミーソース/ドレイン領域は、
ダミー本体と、
前記ドレイン領域に対して延在する複数のダミー突出部とを含む、請求項23に記載の半導体デバイス。
【請求項25】
前記半導体本体はドレイン拡張部を含む、請求項22から24のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項26】
前記ドレイン拡張部は、第1のドーパント濃度を有し、前記ドレイン領域は、前記第1のドーパント濃度より大きい第2のドーパント濃度を有する、請求項25に記載の半導体デバイス。
【請求項27】
前記ドレイン拡張部が前記ゲート構造により部分的に包囲される、請求項25または26に記載の半導体デバイス。
【請求項28】
前記半導体本体がナノワイヤまたはナノリボンである、請求項22から27のいずれか一項に記載の半導体デバイス。
【請求項29】
ボードと、
前記ボードに電気的に結合された電子パッケージと、
前記電子パッケージに電気的に結合されたダイとを含み、
前記ダイは、
基板と、
前記基板上のソース領域と、
前記基板上のドレイン領域と、
前記ソース領域から前記ドレイン領域へ延在する半導体本体であって、前記半導体本体は、第1の導電型を有する第1の領域および第2の導電型を有する第2の領域とを有する、半導体本体と、
前記半導体本体の前記第1の領域上のゲート構造であって、前記ゲート構造は前記ドレイン領域より前記ソース領域に近い、ゲート構造とを含
前記第1の領域は、前記ソース領域から前記ドレイン領域への方向における、前記ソース領域側の一端と、前記ドレイン領域側の他端とを有し、
前記第2の領域は、前記方向における、前記ソース領域側の一端と、前記ドレイン領域側の他端と、前記方向に交差する交差方向における下端とを有し、
前記第1の領域の前記他端と、前記第2の領域の前記一端とが接し、
前記第2の領域の前記下端は、前記第1の領域に接しない、
電子デバイス。
【請求項30】
前記第1の領域の前記一端と、前記ソース領域とが接している、請求項29に記載の電子デバイス。
【請求項31】
前記第1の領域の前記一端と、前記ソース領域とが、前記基板の上面視において前記ゲート構造と重なる位置で接している、請求項30に記載の電子デバイス。
【請求項32】
前記基板の上面視において、前記ゲート構造と前記ソース領域とが重ならない、請求項29から31のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項33】
前記交差方向において、前記ソース領域の下端の位置と、前記ゲート構造の下端の位置とが同じである、請求項29から32のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項34】
前記交差方向において、前記ソース領域の上端の位置は、前記第1の領域の上端の位置よりも上方にある、請求項29から33のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項35】
前記第2の領域の前記他端と、前記ドレイン領域とが接している、請求項29から34のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【請求項36】
前記ソース領域および前記ドレイン領域は前記第2の導電型を有し、前記ドレイン領域は第1のドーパント濃度を有し、前記半導体本体の前記第2の領域は前記第1のドーパント濃度より小さい第2のドーパント濃度を有する、請求項29から35のいずれか一項に記載の電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は半導体デバイスに関し、より具体的には、拡張ドレインMOS(EDMOS)ナノワイヤトランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
統合デバイス製造業者は、より大きい回路密度およびより高い性能を実現するように、トランジスタデバイスのフィーチャサイズを縮小することを継続しているので、次世代デバイスにおける短絡チャネルの影響、寄生容量、およびオフ状態リークを減少させる一方で、トランジスタ駆動電流に対処する必要がある。フィンおよびナノワイヤベースのデバイスなどの、非プレーナ型トランジスタは、短絡チャネルの影響の制御の改善を可能にする。例えば、ナノワイヤベーストランジスタにおいて、ゲートスタックはナノワイヤの外周部全体の周囲を覆い、チャネル領域のより完全な消耗を可能にし、より急なサブ閾値電流スイング(SS)および、より小さいドレイン誘起バリア低下(DIBL)に起因する、短絡チャネルの影響を減少させる。
【0003】
典型的には、単一ダイ内のトランジスタは、異なる性能メトリックに関して最適化される。例えば、低電圧トランジスタはロジック用途に使用され、高電圧トランジスタは電力用途に使用される。フィンベースのデバイスに関して、高電圧トランジスタは、低電圧デバイスのゲート誘電体と比較して厚いゲート誘電体を成長させることによって実装される。しかしながら、ナノワイヤおよびナノリボンデバイスにおけるゲート誘電体の厚さの増大は制限される。このことは、ゲート電極が、各ナノワイヤまたはナノリボンの周囲全体を覆うことを可能とするように、ナノワイヤまたはナノリボンの間の間隔が保護される必要があるためである。さらに、ワイヤとワイヤの間隔またはリボンとリボンの間隔は、ロジックデバイスの最適化のために設定されているので、ワイヤとワイヤの間隔またはリボンとリボンの間隔を増大させることは、常に実用的とは限らない。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1A】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタの断面図である。
【0005】
図1B】一実施形態による、1対のダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタの断面図である。
【0006】
図1C】一実施形態による、拡張ドレイン領域の長さにわたって不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタの断面図である。
【0007】
図2】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタの断面図である。
【0008】
図3A】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3B】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3C】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3D】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3E】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3F】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3G】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3H】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3I】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
図3J】一実施形態による、ダミー電極を有する拡張ドレイン領域を含むナノリボントランジスタを形成する過程を示す図である。
【0009】
図4A】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4B】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4C】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4D】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4E】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4F】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4G】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4H】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4I】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図4J】一実施形態による、拡張ドレインの長さに沿って不均一なドーパント濃度を有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
【0010】
図5A】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5B】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5C】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5D】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5E】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5F】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5G】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
図5H】一実施形態による、ダミードレインを有する拡張ドレイン領域を含む、ナノリボントランジスタを形成する過程を示す断面図である。
【0011】
図6】本開示の実施形態の一実装例によるコンピューティングデバイスを示す。
【0012】
図7】本開示の1または複数の実施形態を実装するインターポーザである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
様々な実施形態によって、拡張ドレインMOS(EDMOS)ナノワイヤトランジスタが、本明細書で説明される。下に続く説明において、様々な態様の例示的な実装が、当業者によって一般に用いられる用語を使用して説明され、それにより、他の当業者にこれらの仕事の本質が伝えられる。しかしながら、本発明は、説明される複数の態様のうちのいくつかのみで実施され得ることが当業者には明らかであろう。説明の目的で、特定の数、材料、および構成は、複数の例示的な実装の完全な理解を提供するべく記載される。しかしながら、本発明が特定の詳細を用いないで実施され得ることが当業者には明らかであろう。例示的な実装を不明瞭にしないように、他の例において、よく知られたフィーチャは省略または簡略化されている。
【0014】
同様に、様々な動作は、本発明を理解する際に最も役に立つ方式で複数の別個の動作として説明される。しかしながら、説明の順序は、これらの動作が必ず順序に依存することを示唆するものとは解釈されるべきではない。具体的には、これらの動作は、表示される順序で実行される必要はない。
【0015】
ナノリボンデバイスは、以下により詳細に説明される。しかしながら、実質的に類似のデバイスが、ナノワイヤチャネルによって形成されてよいことが、理解されるであろう。ナノワイヤデバイスは、チャネルが実質的に同一である幅寸法および厚さ寸法を有するデバイスを含んでよく、一方で、ナノリボンデバイスは、厚さ寸法より実質的に大きい、または実質的に小さい幅寸法を有するチャネルを含んでよい。本明細書で使用されるように、「高電圧」は約1.0Vまたはより高い電圧を指してよい。
【0016】
上記で留意されるように、高電圧ナノリボンデバイスは現在、チャネルのリボンとリボンとの間隔によって課される制限に起因して、実装が難しい。したがって、本明細書に開示された実施形態は、拡張ドレイン領域を有するナノリボントランジスタを含む。ドレイン拡張部は、電圧が降下し得るナノリボンの長さを提供する。ドレインおよびチャネルの間のドレイン拡張領域の追加された抵抗を低減すべく、ドレイン拡張領域はドーピングされてよい。ドーパント濃度およびドレイン拡張領域の長さは、抵抗の対応する増大に対してバランスをとられる所望の電圧降下を提供するように制御され得る。
【0017】
実施形態において、ナノリボントランジスタは、標準ピッチ整合を保持してよい。すなわち、ソース、ドレイン、およびゲートは、基板上で他のトランジスタに関して標準であるピッチ間隔で装着されてよい。そのような例において、ドレイン拡張領域は、装着解除されたソース/ドレイン領域を占有してよい。ダミーゲート構造はまた、いくつかの実施形態においてドレイン拡張領域の長さに沿って含まれてもよい。高電圧ナノリボントランジスタはピッチアラインメントされるので、そのような高電圧ナノリボントランジスタは、標準低電圧ナノリボントランジスタと並行して製造されてよい。
【0018】
他の実施形態において、高電圧ナノリボントランジスタの拡張ドレイン領域は、他のデバイスのピッチによっては画定されない。そのような実施形態において、拡張ドレイン領域は任意の所望の長さであってよい。非標準の長さもまた、いくつかの実施形態において、ダミーゲート電極が省略されることを可能にし得る。さらに、そのような実施形態において、ドレイン領域の成長は無制限となり得る。そのため、ドレイン領域は、本体と、ソース領域に対して延びる複数の突出部とを含んでよい。無制限のエピタキシャル成長はまた、いくつかの実施形態において、ダミードレイン領域をもたらし得る。
【0019】
ここで図1Aを参照すると、一実施形態による、高電圧ナノリボントランジスタ100の断面図が示される。実施形態において、ナノリボントランジスタ100は基板101上に配置される。下層の半導体基板101は、集積回路の製造に使用される一般的な加工対象物を表す。半導体基板101は、多くの場合、シリコンまたは別の半導体材料のウェハまたは他の部品を含む。好適な半導体基板101には、限定されるものではないが、単結晶シリコン、多結晶シリコンおよびシリコン・オン・インシュレータ(SOI)、ならびにゲルマニウム、炭素、またはIII-V族材料などの他の半導体材料で形成される類似の基板が含まれる。
【0020】
実施形態において、ナノリボントランジスタ100は、鉛直に積層された複数の半導体本体110を含む。半導体本体110は、ナノリボンまたはナノワイヤであってよい。簡略化のために、半導体本体110はナノリボン110と呼ばれることとなる。実施形態において、ナノリボン110は、限定されないが、シリコン、ゲルマニウム、SiGe、GaAs、InSb、GaP、GaSb、InAlAs、InGaAs、GaSbP、GaAsSb、およびInPなどの、任意の好適な半導体材料であってよい。
【0021】
実施形態において、ナノリボン110は、第1の領域110および第2の領域110を含み得る。第1の領域110は、第1の導電型であってよく、第2の領域110は、第2の導電型であってよい。例えば、第1の領域110はP型であってよく、第2の領域110はN型であってよい。
【0022】
実施形態において、第1の領域110は、第2の領域110の第2の長さより少ない第1の長さを有してよい。実施形態において、第2の領域110は拡張ドレイン領域と呼ばれ得る。そのため、第2の領域110は、ドレイン領域122と同一の導電型を有し得る。第2の領域110は、ドレイン領域122と異なるドーパント濃度を有してよい。例えば、より低いドーパント濃度は、第2の領域110に沿っった抵抗を増大させ、第2の領域110にわたってより高い電圧が降下することを可能にする。第2の領域110にわたる電圧の低下は、ゲート誘電体131の厚さを増大させる必要なしで、より高いゲートトゥドレイン電圧を可能にする。実施形態において、ドレイン領域122のドーパント濃度は、約1019cm-3以上であってよく、第2の領域110のドーパント濃度は、約1019cm-3以下であってよい。特定の実施形態において、第2の領域110のドーパント濃度は、約1017cm-3と約1018cm-3の間であってよい。
【0023】
実施形態において、ナノリボン110はソース領域121とドレイン領域122の間を延在する。実施形態において、ソース/ドレイン領域121/122は、エピタキシャル成長半導体材料を含んでよい。ソース/ドレイン領域121/122はシリコン合金を含んでよい。いくつかの実装例において、ソース/ドレイン領域121/122は、インサイチュ(in-situ)ドーピングシリコンゲルマニウム、インサイチュドーピング炭化シリコン、またはインサイチュドーピングシリコンであってよいいシリコン合金を含む。代わりの実装例において、他のシリコン合金が使用されてよい。例えば、使用されてよい代わりのシリコン合金材料は、限定されないが、ニッケルシリサイド、チタンシリサイド、コバルトシリサイドを含み、場合によっては、ホウ素および/またはアルミニウムのうち1または複数でドーピングされてよい。他の実施形態において、ソース/ドレイン領域121/122は、代替的な半導体材料(例えば、III-V族元素またはこれらの合金を含む半導体)、または導電性材料を含んでよい。
【0024】
実施形態において、ソース領域121とドレイン領域122は、基板上のフィーチャの標準ピッチの整数倍で別々に離間してもよい。標準ピッチは距離Pであってよい。示されるように、距離Pはソース領域121の左端から始まり、空隙領域118の左端まで延在する。そうしなければ標準ナノリボンデバイスにおけるソース/ドレイン領域によって占有されるであろう領域を空隙領域118が占有するので、空隙領域118は、空隙(voided)と称される。そのため、空隙領域118はソース領域121とドレイン領域122と同一寸法であってよい。実施形態において、空隙領域118は、酸化物などの、絶縁層140によって充填されてよい。例えば、ナノリボン110の第2の領域110は空隙領域118を通ってよく、絶縁層140によって包囲されてよい。すなわち、絶縁層140は、介在ゲート誘電体層があることなしで、ナノリボン110と直接コンタクトし得る。
【0025】
例示されている実施形態において、ソース領域121は、2倍のピッチ2Pに等しい距離で、ドレイン領域122から別々に離間する。標準ナノワイヤトランジスタにおいて、ドレイン領域122は、ゲート構造130に直接隣接するであろう(すなわち、Pの間隔で)。しかしながら、本明細書に開示される実施形態において、ドレイン領域122は、ソース領域121からさらに離間する。例えば、空隙領域118およびダミーゲート構造130は、ゲート構造130とドレイン領域122の間にある。特に、ゲート構造130は、ドレイン領域122よりソース領域121に近い。ドレイン領域122とゲート構造130との間の追加の距離は、上記のように、電圧が降下し得る距離を提供する。
【0026】
実施形態において、ナノリボン110の第2の領域110の部分は、ダミーゲート構造130によって覆われてよい。ダミーゲート構造130は、ゲート構造130と実質的に類似してよいが、ダミーゲート構造130が回路と電気的に接続されないことを例外とする。すなわち、ダミー電極135は、浮遊(floating)と呼ばれてよい。ダミーゲート構造130は、ドレイン領域122とゲート構造130の間の拡張された間隔に対応すべく、アーティファクトを生成するものとして現れてよい。例えば、ダミーゲート構造130は、ゲート構造130と実質的にと平行に形成されてよい。
【0027】
実施形態において、ゲート構造130およびダミーゲート構造130は、ナノリボントランジスタに典型的なフィーチャを含んでよい。例えば、ゲート構造130およびダミーゲート構造130は、一対のスペーサ132、ゲート誘電体131、およびゲート電極135を各々含んでよい。
【0028】
実施形態において、ゲート誘電体131に関して選択される材料は、任意の好適な高誘電体の安定な材料である。例えば、ゲート誘電体131は、例えば、二酸化シリコンまたはhigh‐kゲート誘電体材料などの、任意の好適な酸化物であってよい。high‐kゲート誘電体材料の例は、例えば、酸化ハフニウム、酸化ハフニウムシリコン、酸化ランタン、酸化ランタンアルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ジルコニウムシリコン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化バリウムストロンチウム、酸化バリウムチタン、酸化ストロンチウムチタン、酸化イットリウム、酸化アルミニウム、酸化鉛スカンジウムタンタル、およびニオブ酸鉛亜鉛を含む。いくつかの実施形態において、ゲート誘電体131は、性能を向上させるようにアニーリングされてよい。
【0029】
実施形態において、ゲート電極135に関して選択される材料は、P型トランジスタまたはN型トランジスタとしての工程に関する所望の閾値電圧を提供すべく、任意の好適な仕事関数金属でよい。例えば、メタルゲート電極135がN型仕事関数金属の機能を果たすとき、ゲート電極135は、好ましくは約3.9eVと約4.2eVの間の仕事関数を有する。メタルゲート電極135を形成するように使用されてよいN型材料は、限定されないが、ハフニウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、アルミニウム、および、それらの元素を含む金属炭化物、例えば、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、炭化ハフニウム、および炭化アルミニウムを含む。あるいは、メタルゲート電極135がP型仕事関数金属の機能を果たすとき、ゲート電極135は、好ましくは約4.9eVと約5.2eVの間の仕事関数を有する。メタルゲート電極135を形成するように使用されてよいP型材料は、限定されないが、ルテニウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケル、および、導電性金属酸化物、例えば、酸化ルテニウムを含む。ゲート電極135は、また、仕事関数金属および仕事関数金属上の充填金属(例えば、タングステン)を含んでよい。
【0030】
実施形態において、ゲート誘電体131およびゲート電極135は、ゲート構造130およびダミーゲート構造130内で各ナノリボン110の外周部の周囲全体を覆う。そのため、ナノリボントランジスタ100の全ての周囲のゲート(GAA)制御が提供される。特に、ゲート誘電体131は、ゲート電極135がナノリボン間の間隔を充填することを可能にする厚さを有してよい。例えば、ゲート誘電体131の厚さは、約3nm以下でよい。
【0031】
実施形態において、ゲート構造130は、ナノワイヤトランジスタ100のチャネル領域を画定する。チャネル領域は、ナノリボン110の第1の領域110を含んでよい。いくつかの実施形態において、第2の領域110の部分はまた、ゲート構造130内のチャネル領域へと延在してよい。
【0032】
ここで図1Bを参照すると、追加の実施形態によるナノワイヤトランジスタ100の断面図が示される。図1Bのナノワイヤトランジスタ100は、図1Aのナノワイヤトランジスタ100と実質的に類似してよいが、第2の領域110がより長いことが例外である。特に、ドレイン領域122が3倍のピッチ3Pでソース領域121から離間するように、第2の領域110は拡張される。
【0033】
第2のピッチにわたって第2の領域110の長さを増大させることは、追加ダミーゲート構造130および追加空隙領域118の形成をもたらし得る。すなわち、ナノワイヤトランジスタ100は、2つのダミーゲート構造130および130の間に第1の空隙領域118を含み、ゲート構造130と第2のダミーゲート構造130との間に第2の空隙領域118を含んでよい。
【0034】
ナノリボン110の第2の領域110の長さを増大させることは、より高い電圧が降下することさえ可能にする。そのため、より高い電圧さえ受容されることが可能である。3倍のピッチ3Pの間隔のトランジスタが示される一方、ナノリボン110の第2の領域110の長さは、追加空隙領域118およびダミーゲート構造130を追加することにより、ピッチの整数倍だけ増大してよいことが理解されるであろう。
【0035】
ここで図1Cを参照すると、追加の実施形態による、ナノリボントランジスタ100の断面図が示される。図1Cのナノリボントランジスタ100は、図1Aのナノリボントランジスタ100に実質的に類似するが、ナノリボン110の第2の領域110はこれらの長さにわたって不均一なドーパント濃度を有することが例外である。特に、第2の領域110は、これらの長さにわたって1または複数低ドープ領域114を含む。
【0036】
実施形態において、低ドープ領域114は、スペーサ132と実質的にアラインメントしてよい。スペーサ132は、第2の領域110を形成するように使用されるドーピングの最中にマスク層として機能するので、低ドープ領域114はスペーサ132とアラインメントする。すなわち、第2の領域110のドーピングは、スペーサ132の形成後に実装される。そのような処理の例は、図4Aから図4Jに関連して以下に提供される。
【0037】
実施形態において、低ドープ領域114が、1または複数の異なる分析技術を使用して識別されてよい。例えば、原子プローブ断層撮影(APT)が、ナノリボン110の第2の領域110の長さに沿ったドーパント濃度の変化を測定するように使用されてよい。分散の理由で、第1の(より高い)ドーパント濃度から第2の(より低い)ドーパント濃度への段階的な降下がなくてもよい。しかしながら、第2の領域110の長さに沿って、第1の(より高い)ドーパント濃度から第2の(より低い)ドーパント濃度への、識別可能な減少があり、第2の(より低い)ドーパント濃度から第1の(より高い)ドーパント濃度へと戻るように増大することが後に続いてもよい。実施形態において、減少の開始と増大の終了の間の距離は、スペーサ132の幅におよそ等しくてよい。
【0038】
ここで図2を参照すると、追加の実施形態によるナノリボントランジスタ200の断面図が示される。実施形態において、ナノリボントランジスタ200は、基板201上の他のデバイスの標準ピッチにインデックス化されない、拡張ドレイン領域を含んでよい。すなわち、ナノリボン210の第2の領域210の長さは、任意のピッチ要件に拘束されない。したがって、第2の領域210の長さは、所望の電圧降下を提供するように、より正確に調整されてよい。さらに、いくつかの実施形態において、トランジスタ200は、上記のものなどのダミーゲート構造を含まなくてよい。
【0039】
実施形態において、ナノリボントランジスタ200は、ソース221、ゲート構造230、およびドレイン222を含む。ナノリボン210の、鉛直に方向づけされたスタックは、ソース221とドレイン222の間に延在してよい。ソース221およびゲート構造230は、図1Aに関連して上記のものに実質的に類似してよい。例えば、ゲート構造230は、一対のスペーサ232、ゲート誘電体231、およびゲート電極235を含んでよい。実施形態において、ナノリボン210は、第1の領域210および第2の領域210を含んでよいい。第2の領域210の長さの制御において追加された柔軟性を除いて、ナノリボン210は、上記のナノリボン110と実質的に類似してよい。
【0040】
実施形態において、ドレイン領域222は、上記ドレイン領域122と異なる形状を有してよい。特に、形状の違いは、ドレイン材料の無制限のエピタキシャル成長に起因してよい。例示されている実施形態において、ドレイン領域222は、右端(例えば、図示されないスペーサの脇)に沿って制限され、左端では無制限である。そのため、第2の領域210の端部でのエピタキシャル成長は、ドレイン材料の本体225を提供するように共に一体化されてよい。実施形態において、突出部226は、本体から離れて、ゲート構造230に向かって延在してよい。実施形態において、突出部226は、ナノリボン210の第2の領域210の表面に向かってテーパされてよい。すなわち、突出部226の数はナノリボン210の数に等しくてよく、各突出部226はナノリボン210のうち1つの周囲を包囲する。
【0041】
実施形態において、ゲート構造230の外にあるナノリボン210の第2の領域210の全長は、ドレイン領域222のエピタキシャル成長の最中に露出されてよい。そのため、エピタキシャル成長はまた、ダミードレイン領域222を形成するようにゲート構造230に隣接して生じてもよい。ダミードレイン領域222は、ドレイン領域222の鏡像であってよい。すなわち、ダミードレイン領域222は、本体225と、ゲート構造230から離れて延在する複数の突出部226とを含んでよい。ドレイン領域222がナノリボントランジスタ200の外の回路と接続される一方で、ダミードレイン領域222は、外部回路に直接接続されない。
【0042】
実施形態において、突出部226および226は、ナノリボン210の第3の領域213によって互いに離間してよい。第3の領域213は、ゲート構造230の外にある第2の領域の部分であり、ドレインまたはダミードレイン材料によって覆われていない。第3の領域213は、第3の領域213においてナノリボン210の周囲を覆う絶縁層240によって、直接接触されてよい。実施形態において、第3の領域213の長さは、ナノリボン210の長さにわたる実質的に全ての電圧降下を提供してよい。
【0043】
ここで図3Aから図3Jを参照すると、一実施形態による、拡張ドレイン領域を有するトランジスタデバイスを形成するための過程を示す一連の説明が示される。実施形態において、説明されるプロセスフローは、図1Aに関連して説明されるナノリボントランジスタ100に実質的に類似するナノリボントランジスタ300の形成をもたらし得る。しかしながら、類似の処理動作が、追加空隙領域および追加ダミーゲート構造を含むことにより図1Bに関連して説明されるナノリボントランジスタ100に類似する、ナノリボントランジスタを形成するように使用されてよい。
【0044】
ここで図3Aを参照すると、一実施形態による、フィンスタック350が基板301上に配置される、半導体デバイス300の斜視図例示が示される。実施形態において、フィンスタック350は、半導体本体層310および犠牲層351を交互に含んでよい。半導体本体層310は、ナノリボンまたはナノワイヤであってよい。簡略化のために、半導体本体層310は本明細書ではナノリボン310と呼ばれることとなる。
【0045】
実施形態において、ナノリボン310および犠牲層351は各々、限定されないが、シリコン、ゲルマニウム、SiGe、GaAs、InSb、GaP、GaSb、InAlAs、InGaAs、GaSbP、GaAsSb、およびInPなどの、任意の好適な半導体材料であってよい。特定の実施形態において、ナノリボン310はシリコンであり、犠牲層351はSiGeである。別の特定の実施形態において、ナノリボン310はゲルマニウムであり、犠牲層351はSiGeである。ナノリボン310および犠牲層351は、エピタキシャル成長過程で成長してよく、示されるようにフィン形状にパターニングされてよい。
【0046】
例示されている実施形態において、4つのナノリボン310がある。しかしながら、スタック350において任意の数のナノリボン310があってよいことが、理解されよう。実施形態において、スタック350の最上層は犠牲層351である。他の実施形態において、スタック350の最上層はナノリボン310であってよい。
【0047】
ここで図3Bを参照すると、一実施形態による、ドーパント注入がスタック350上で実装された後の斜視図例示が示される。示されるように、ナノリボン310の第1の領域310は、マスク層373でマスキングされてよく、ナノリボン310の第2の領域310は露出されてよい。第2の領域310は、第2の領域310の導電型を変化させるように、適切なドーパントでドーピングされてよい。例えば、第1の領域310はP型であってよく、第2の領域310はN型であってよい。実施形態において、第2の領域310のドーパント濃度は約1019cm-3以下であってよい。特定の実施形態において、第2の領域310のドーパント濃度は、約1017cm-3と約1018cm-3の間であってよい。
【0048】
ここで図3Cを参照すると、一実施形態による、犠牲ゲート371およびスペーサ332がスタック350上に配置された後のナノリボン310の長さに沿った断面図が示される。実施形態において、一対の犠牲ゲート371が示される。犠牲ゲート371のうち第1のものは、第1の領域310と第2の領域310の間のインタフェース上に配置されてよく、犠牲ゲート371のうち第2のものは、第2の領域310のみの上に配置されてよい。実施形態において、犠牲ゲート371は、基板の残りの上で、ゲート電極に関する標準間隔で離間する。すなわち、トランジスタ300を形成するために、特別なパターニングは必要ない。実施形態において、犠牲ゲート371は、ポリシリコンまたは同様のものを含んでよい。
【0049】
ここで図3Dを参照すると、一実施形態による、ソース/ドレイン開口372が形成された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。実施形態において、開口372は、犠牲ゲート371の端部に隣接して配置されてよい。実施形態において、開口372を形成することは、犠牲層の露出部分351を除去することを含んでよい。犠牲層351は、ナノリボン310に関して選択性のある、任意の知られているエッチング液を使用して除去されてよい。実施形態において、選択性は100:1より大きい。ナノリボン310がシリコンであり犠牲層351がシリコンゲルマニウムである実施形態において、犠牲層351は、限定されないが、含水カルボン酸/クエン酸/HF水溶液、および含水クエン酸/硝酸/HF溶液などの、ウェットエッチング液を使用して選択的に除去される。ナノリボン310がゲルマニウムであり犠牲層351がシリコンゲルマニウムである実施形態において、犠牲層351は、限定されないが、水酸化アンモニウム(NHOH)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、エチレンジアミンピロカテコール(EDP)、または水酸化カリウム(KOH)水溶液などの、ウェットエッチング液を使用して選択的に除去される。別の実施形態において、犠牲層351は、ウェットおよびドライのエッチング過程の組み合わせにより除去される。
【0050】
ここで図3Eを参照すると、一実施形態による、ソース領域321およびドレイン領域322が形成された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。実施形態において、犠牲ゲート371の間の開口372は、マスク層374で充填されてよい。例えば、マスク層374は、炭素ハードマスク(CHM)または同様のものであってよい。ソース領域321およびドレイン領域322は、上記のものなどの、材料を用いてエピタキシャル成長過程で成長されてよい。
【0051】
ここで図3Fを参照すると、一実施形態による、マスク層374が除去された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。実施形態において、マスク層374は、アッシング処理または同様のものによって除去されてよい。
【0052】
ここで図3Gを参照すると、一実施形態による、犠牲ゲート371が除去された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。例えば、犠牲ゲート371は、犠牲ゲート371の材料に関して選択性のあるエッチングプロセスによって除去されてよい。犠牲ゲート371の除去は、犠牲層351の残りの部分を露出する。
【0053】
ここで図3Hを参照すると、一実施形態による、犠牲層351が除去された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。犠牲層351は、犠牲層351に関して選択性があり、ナノリボン310は実質的に変化しないままにする、エッチングプロセスによって除去されてよい。
【0054】
図3Hにおいて、残りのスペーサ332は、3つの異なる開口381、382および383を画定する。開口381は、ゲート構造によって充填されるであろう。開口382は、ダミーゲート構造が形成される位置にあってよい。開口383は、空隙領域にあってよい。
【0055】
ここで図3Iを参照すると、一実施形態による、ゲート誘電体331がナノリボン310の部分上に配置された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。実施形態において、絶縁層340は、ゲート誘電体331を形成する前に配置されてよい。絶縁層340は、ソース領域321およびドレイン領域322を覆ってよく、開口383を充填してよい。したがって、第3の開口383内のナノリボン310の第2の領域310は、ゲート誘電体331により包囲されない。
【0056】
実施形態において、ゲート誘電体331は、開口381および開口382におけるナノリボン310の部分を覆ってよい。特に、開口381において、第1の領域310の露出部分および第2の領域310の露出部分は、ゲート誘電体331により覆われる。開口382において、第2の領域310の露出部分は、ゲート誘電体331により覆われる。例示されている実施形態において、ゲート誘電体331は、ナノリボン310の表面上に堆積されたものとしてだけ示される。例えば、酸化プロセスは、そのような構成においてゲート誘電体331を増やすように使用されてよいい。他の実施形態において、ゲート誘電体331は、成膜プロセス(例えば、原子層堆積(ALD))で堆積されてよい。そのような実施形態において、ゲート誘電体331はまた、開口381および382におけるスペーサ332の内面を覆ってもよい。ゲート誘電体331は、上記により詳細に説明されるものなどの、任意の適切なhigh‐k材料であってよい。
【0057】
ここで図3Jを参照すると、一実施形態による、ゲート電極335が開口381および382の中に配置された後のナノリボントランジスタ300の断面図が示される。実施形態において、ゲート電極335は、任意の適切な堆積過程(例えば、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、ALD、または同様のもの)によって配置されてよい。ゲート電極335は、上記の仕事関数金属などの任意の適切な材料であってよい。実施形態において、ゲート電極335は、仕事関数金属および充填金属(例えば、タングステン)を含んでよい。
【0058】
ゲート電極335の堆積は、ゲート構造330およびダミーゲート構造330の形成を完了させる。実施形態において、ゲート構造330のゲート電極335は、ナノリボントランジスタ300の外にある回路に接続するであろう、また、ダミーゲート構造330のダミーゲート電極335は、浮遊しているであろう。すなわち、ダミーゲート構造330のダミーゲート電極335は、ナノリボントランジスタ300の外にある回路に接続されなくてよい。
【0059】
ここで図4Aから図4Jを参照すると、一実施形態による、ナノリボントランジスタ400の形成を示す一連の断面図が示される。ナノリボントランジスタ400は、ナノリボントランジスタ300と類似してよいが、第1の領域410および第2の領域410が、プロセスフローにおける異なる点で画定されることを例外とする。これは、第2の領域410の長さにわたって不均一なドーパント濃度を有する第2の領域410をもたらすことがある。
【0060】
ここで図4Aを参照すると、一実施形態による、犠牲ゲート471およびスペーサ432がスタック450上に配置された後のナノリボン410の長さに沿った断面図が示される。スタック450は、基板401上に配置されてよい。実施形態において、一対の犠牲ゲート471が示される。実施形態において、犠牲ゲート471は、基板の残りの上で、ゲート電極に関する標準間隔で離間する。すなわち、トランジスタ400を形成するために、特別なパターニングは必要ない。実施形態において、犠牲ゲート471は、ポリシリコンまたは同様のものを含んでよい。スペーサ432は、犠牲ゲート471上に配置されてよい。
【0061】
ここで図4Bを参照すると、一実施形態による、ソース/ドレイン開口472が形成された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、開口472は、犠牲ゲート471の端部に隣接して配置されてよい。実施形態において、開口472を形成することは、犠牲層の露出部分451を除去することを含んでよい。犠牲層451は、ナノリボン410に関して選択性のある、任意の知られているエッチング液を使用して除去されてよい。適切なエッチング過程は、上記においてより詳細に説明される。
【0062】
ここで図4Cを参照すると、一実施形態による、ソース領域421およびドレイン領域422が形成された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、犠牲ゲート471の間の開口472は、マスク層474で充填されてよい。例えば、マスク層474は、CHMまたは同様のものであってよい。ソース領域421およびドレイン領域422は、上記のものなどの、材料を用いてエピタキシャル成長過程で成長されてよい。
【0063】
ここで図4Dを参照すると、一実施形態による、マスク層474が除去された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、マスク層474は、アッシング処理または同様のものによって除去されてよい。
【0064】
ここで図4Eを参照すると、一実施形態による、犠牲ゲート471が除去された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。例えば、犠牲ゲート471は、犠牲ゲート471の材料に関して選択性のあるエッチングプロセスによって除去されてよい。犠牲ゲート471の除去は、犠牲層451の残りの部分を露出する。
【0065】
ここで図4Fを参照すると、一実施形態による、犠牲層451が除去され、ナノリボン410が第1の領域410と第2の領域410との中に画定された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、犠牲層451は、犠牲層451に関して選択性があり、ナノリボン410は実質的に変化しないままにする、適切なエッチング過程によって除去されてよい。適切なエッチング過程は上記に説明される。
【0066】
犠牲層451の除去後に、マスク層476が、ソース領域421に隣接するナノリボン410の部分の上に配置されてよい。ドーパント注入491が、第2の領域410をドーピングするように次に実行されてよく、一方、第1の領域410は、実質的に変化しないままである。第2の領域410は、第2の領域410の導電型を変化させるように、適切なドーパントでドーピングされてよい。例えば、第1の領域410はP型であってよく、第2の領域410はN型であってよい。実施形態において、第2の領域410のドーパント濃度は約1019cm-3以下であってよい。特定の実施形態において、第2の領域410のドーパント濃度は、約1017cm-3と約1018cm-3の間であってよい。
【0067】
実施形態において、低ドープ領域414が、ナノリボン410の第2の領域410の長さに沿って現れてよい。低ドープ領域414は、スペーサ432と実質的にアラインメントされてよい。すなわち、スペーサ432は、低ドープ領域414におけるドーピングを制限する追加マスク層として機能し得る。したがって、第2の領域410は、第2の領域410の長さに沿って非一様なドーピング濃度を有してよい。
【0068】
実施形態において、低ドープ領域414が、1または複数の異なる分析技術を使用して識別されてよい。例えば、APTが、ナノリボン410の第2の領域410の長さに沿ったドーパント濃度の変化を測定するように使用されてよい。分散の理由で、第1の(より高い)ドーパント濃度から第2の(より低い)ドーパント濃度への段階的な降下がなくてもよい。しかしながら、第2の領域410の長さに沿って、第1の(より高い)ドーパント濃度から第2の(より低い)ドーパント濃度への、識別可能な減少があり、第2の(より低い)ドーパント濃度から第1の(より高い)ドーパント濃度へと戻るように増大することが後に続いてもよい。実施形態において、減少の開始と増大の終了の間の距離は、スペーサ432の幅におよそ等しくてよい。
【0069】
ここで図4Gを参照すると、一実施形態による、マスク層476が除去された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、マスク層476は、アッシング処理または同様のものによって、除去されてよい。マスク層476の除去は、開口481を完全に露出する。開口482および483もまた露出されてよい。開口481は、ゲート構造によって充填されるであろう。開口482は、ダミーゲート構造が形成される位置であってよい。開口483は、空隙領域であってよい。
【0070】
ここで図4Hを参照すると、一実施形態による、絶縁層440が配置およびパターニングされた後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。絶縁層440は、ソース領域421およびドレイン領域422を覆ってよく、開口483を充填してよい。
【0071】
ここで図4Iを参照すると、一実施形態による、ゲート誘電体431が形成された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、ゲート誘電体431は、開口481および開口482におけるナノリボン410の部分を覆ってよい。特に、開口481において、第1の領域410の露出部分および第2の領域410の露出部分は、ゲート誘電体431により覆われる。開口482において、第2の領域410の露出部分は、ゲート誘電体431により覆われる。
【0072】
例示されている実施形態において、ゲート誘電体431は、ナノリボン410の表面上に堆積されたものとしてだけ示される。例えば、酸化プロセスは、そのような構成においてゲート誘電体431を増やすように使用されてよいい。他の実施形態において、ゲート誘電体431は、成膜プロセス(例えば、原子層堆積(ALD))で堆積されてよい。そのような実施形態において、ゲート誘電体431はまた、開口481および482におけるスペーサ432の内面を覆ってもよい。ゲート誘電体431は、上記により詳細に説明されるものなどの、任意の適切なhigh‐k材料であってよい。
【0073】
ここで図4Jを参照すると、一実施形態による、ゲート電極435が開口481および482の中に配置された後のナノリボントランジスタ400の断面図が示される。実施形態において、ゲート電極435は、任意の適切な堆積過程(例えば、CVD、PVD、ALD、または同様のもの)で配置されてよい。ゲート電極435は、上記の仕事関数金属などの任意の適切な材料であってよい。実施形態において、ゲート電極435は、仕事関数金属および充填金属(例えば、タングステン)を含んでよい。
【0074】
ゲート電極435の堆積は、ゲート構造430およびダミーゲート構造430の形成を完了させる。実施形態において、ゲート構造430のゲート電極435は、ナノリボントランジスタ400の外にある回路に接続するであろう、また、ダミーゲート構造430のダミーゲート電極435は、浮遊しているであろう。すなわち、ダミーゲート構造430のダミーゲート電極435は、ナノリボントランジスタ400の外にある回路に接続されなくてよい。
【0075】
ここで図5Aから図5Hを参照すると、追加の実施形態による、ナノリボントランジスタ500の形成のためのプロセスフローを示す一連の断面図が示される。ナノリボントランジスタ500は、上記で説明されたナノリボントランジスタ200に実質的に類似してよい。すなわち、ナノリボントランジスタ500は、基板501上の他のデバイスの標準ピッチに限られない寸法を有してよい。
【0076】
ここで図5Aを参照すると、一実施形態による、犠牲ゲート571およびスペーサ532がナノリボン510および犠牲層551のスタックの上に配置された後の、ナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、ナノリボン510は、第1の領域510および第2の領域510を含んでよい。スタックは、図3Aおよび3Bに関連して上記で説明されたものに類似した過程を使用して形成されてよい。実施形態において、犠牲ゲート571は、ナノリボン510の第1の領域510および第2の領域510の部分の上に配置されてよい。
【0077】
ここで図5Bを参照すると、一実施形態による、スペーサ532の外の犠牲層の一部551が除去された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。犠牲層551は、ナノリボン510に関して選択性のあるエッチングプロセスによって除去されてよい。適切なエッチング過程は上記に説明される。
【0078】
ここで図5Cを参照すると、一実施形態による、ソース領域521およびドレイン領域522が形成された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、ドレイン領域522は、上記ソース領域521と異なる形状を有してよい。特に、形状の違いは、ドレイン材料の無制限のエピタキシャル成長に起因してよい。例示されている実施形態において、ドレイン領域522は、右端(例えば、図示されないスペーサの脇)に沿って制限され、左端では無制限である。そのため、第2の領域510の端部でのエピタキシャル成長は、ドレイン材料の本体525を提供するように共に一体化されてよい。実施形態において、突出部526は、本体から離れて、ソース領域521に向かって延在してよい。実施形態において、突出部526は、ナノリボン510の第2の領域510の表面に向かってテーパされてよい。すなわち、突出部526の数はナノリボン510の数に等しくてよく、各突出部526はナノリボン510のうち1つの周囲を包囲する。
【0079】
実施形態において、スペーサ532の外にあるナノリボン510の第2の領域510の全長は、ドレイン領域522のエピタキシャル成長の最中に露出されてよい。そのため、エピタキシャル成長はまた、ダミードレイン領域522を形成するようにスペーサ532に隣接して生じてもよい。ダミードレイン領域522は、ドレイン領域522の鏡像であってよい。すなわち、ダミードレイン領域522は、本体525と、ゲート構造530から離れて延在する複数の突出部526とを含んでよい。ドレイン領域522がナノリボントランジスタ500の外の回路と接続される一方で、ダミードレイン領域522は、外部回路に直接接続されない。
【0080】
実施形態において、突出部526および526は、ナノリボン510の第3の領域513によって互いに離間してよい。第3の領域513は、スペーサ532の外にある第2の領域の部分であり、ドレインまたはダミードレイン材料によって覆われていない。実施形態において、第3の領域513の長さは、ナノリボン510の長さにわたる実質的に全ての電圧降下を提供してよい。
【0081】
ここで図5Dを参照すると、一実施形態による、絶縁層540がデバイスの上に配置された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、絶縁層540は、ナノリボン510の第3の領域513の部分に直接接触してよい。
【0082】
ここで図5Eを参照すると、一実施形態による、犠牲ゲート571が除去された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、犠牲ゲート571は、任意の適切なエッチング過程によって除去される。犠牲ゲート571の除去は、犠牲層551を露出する。
【0083】
ここで図5Fを参照すると、一実施形態による、犠牲層551が除去された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、犠牲層551は、ナノリボン510に関して選択性のあるエッチングプロセスによって除去されてよい。適切なエッチング過程は上記に説明される。犠牲層551の除去は、ナノリボン510の第1の領域510および第2の領域510が露出されるスペーサ532の間に、開口581を提供する。
【0084】
ここで図5Gを参照すると、一実施形態による、ゲート誘電体531が配置された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、ゲート誘電体531は、酸化プロセスまたはALDプロセスによって形成されてよい。ゲート誘電体531がナノリボン510上でのみ示される一方、ゲート誘電体531もまた、スペーサ532の内面の上、およびスペーサ532の間の基板501の上に堆積されてよいことが理解されるべきである。
【0085】
他の実施形態と対照的に、ゲート誘電体531は、開口581のスペーサ532内にのみ堆積される。すなわち、スペーサ532の外にある第2の領域510の残りの部分は、ゲート誘電体531により覆われていない。むしろ、第2の領域510の残りの部分は、ドレイン領域522、ダミードレイン領域522、または絶縁層540のいずれかにより接触される。
【0086】
ここで図5Hを参照すると、一実施形態による、ゲート電極535が開口581に配置された後のナノリボントランジスタ500の断面図が示される。実施形態において、ゲート電極535は、任意の適切な堆積過程(例えば、CVD、PVD、ALD、または同様のもの)で配置されてよい。ゲート電極535は、上記の仕事関数金属などの任意の適切な材料であってよい。実施形態において、ゲート電極535は、仕事関数金属および充填金属(例えば、タングステン)を含んでよい。ゲート電極535の堆積は、ゲート構造530の形成を完了させる。実施形態において、ゲート構造530のゲート電極535は、ナノリボントランジスタ500の外にある回路に接続するであろう。さらに、いくつかの実施形態において、ナノリボン510の第2の領域510の部分上にダミーゲート構造はない。
【0087】
図6は、本開示の実施形態の一実装例によるコンピューティングデバイス600を例示する。コンピューティングデバイス600はボード602を収容する。ボード602は、プロセッサ604および少なくとも1つの通信チップ606を含むがこれらに限定されない、複数のコンポーネントを含み得る。プロセッサ604は、ボード602と物理的および電気的に結合される。いくつかの実装例において、少なくとも1つの通信チップ606はまた、ボード602と物理的および電気的に結合される。さらなる実装例において、通信チップ606はプロセッサ604の部分である。
【0088】
その用途に応じて、コンピューティングデバイス600は、ボード602に物理的かつ電気的に結合されてもされなくてもよい他のコンポーネントを含んでよい。これらの他のコンポーネントには、これらに限定されないが、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリ、グラフィックスプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、暗号プロセッサ、チップセット、アンテナ、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、タッチスクリーンコントローラ、バッテリ、オーディオコーデック、ビデオコーデック、電力増幅器、グローバルポジショニングシステム(GPS)デバイス、コンパス、加速度計、ジャイロスコープ、スピーカ、カメラ、および、大容量記憶デバイス(ハードディスクドライブ、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサティルディスク(DVD)など)などが含まれる。
【0089】
通信チップ606は、コンピューティングデバイス600間とのデータ転送のために無線通信を可能にする。用語「無線」およびその派生語は、非ソリッド媒体を介し変調電磁放射を使用してデータ通信をし得る回路、デバイス、システム、方法、技術、通信チャネルなどについて説明するのに使用されてよい。この用語は、関連するデバイスが有線をまったく含まないことを示唆するものではないが、いくつかの実施形態においてはそうではないこともあり得る。通信チップ606は、限定されないが、Wi-Fi(IEEE802.11ファミリー)、WiMAX(IEEE802.16ファミリー)、IEEE802.20、ロングタームエボリューション(LTE)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、Bluetooth(登録商標)、これらの派生物、ならびに3G、4G、5G、およびそれ以降として指定される任意の他のワイヤレスプロトコルを含む、いくつかのワイヤレス規格またはプロトコルのいずれかを実装し得る。コンピューティングデバイス600は、複数の通信チップ606を含んでよい。例えば、第1の通信チップ606は、Wi-Fi(登録商標)およびBluetooth(登録商標)などの短距離無線通信専用であってよく、第2の通信チップ606は、GPS、EDGE、GPRS、CDMA、WiMAX(登録商標)、LTE、Ev-DOおよびその他のものなどの長距離無線通信に専用であってよい。
【0090】
コンピューティングデバイス600のプロセッサ604は、プロセッサ604内にパッケージ化された集積回路ダイを含む。実施形態において、本明細書で説明されるように、プロセッサ604の集積回路ダイは、拡張ドレインナノリボントランジスタを含み得る。用語「プロセッサ」は、電子データをレジスタおよび/またはメモリに格納され得る他の電子データに変換すべく、レジスタおよび/またはメモリからの電子データを処理する任意のデバイスまたはデバイスの一部を指し得る。
【0091】
通信チップ606もまた、通信チップ606内にパッケージ化された集積回路ダイを含む。実施形態において、本明細書で説明されるように、通信チップ606の集積回路ダイは、拡張ドレインナノリボントランジスタを含み得る。
【0092】
さらなる実装において、コンピューティングデバイス600内に収容される別のコンポーネントが、本明細書で説明されるように、拡張ドレインナノリボントランジスタを含んでよい。
【0093】
様々な実装例において、コンピューティングデバイス600は、ラップトップ、ネットブック、ノートブック、ウルトラブック、スマートフォン、タブレット、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ウルトラモバイルPC、携帯電話、デスクトップコンピュータ、サーバ、プリンタ、スキャナ、モニタ、セットトップボックス、エンタテインメントコントロールユニット、デジタルカメラ、ポータブル音楽プレーヤ、またはデジタルビデオレコーダであってよい。さらなる実装において、コンピューティングデバイス600は、データを処理するその他任意の電子デバイスであり得る。
【0094】
図7は、本開示の1または複数の実施形態を含むインターポーザ700を示す。インターポーザ700は、第1の基板702を第2の基板704にブリッジするべく使用される介在基板である。第1の基板702は、例えば集積回路ダイであってもよい。第2の基板704は、例えば、メモリモジュール、コンピュータマザーボード、または別の集積回路ダイであってもよい。実施形態において、第1の基板702および第2の基板704のうち一方または両方が、本明細書に説明された実施形態による拡張ドレインナノリボントランジスタを含んでもよい。一般的に、インターポーザ700の目的は、接続をより広いピッチに広げ、またはある接続を異なる接続にリルートすることである。例えば、インターポーザ700は、集積回路ダイをボールグリッドアレイ(BGA)706に結合し得、BGA706は、次に第2の基板704に結合し得る。いくつかの実施形態において、第1の基板および第2の基板702/704は、インターポーザ700の反対側に取り付けられる。他の実施形態において、第1の基板および第2の基板702/704は、インターポーザ700の同一の側に取り付けられる。複数のさらなる実施形態において、3つまたはそれより多い基板がインターポーザ700により相互接続される。
【0095】
インターポーザ700は、エポキシ樹脂、ガラス繊維強化エポキシ樹脂、セラミック材料、またはポリイミドなどのポリマー材料で形成され得る。さらなる実装例において、インターポーザ700は、シリコン、ゲルマニウム、ならびに他のIII-V族およびIV族の材料などの、半導体基板における使用のための上記の材料と同一の材料を含み得る、代替的な剛性または可撓性のある材料で形成されてよい。
【0096】
インターポーザ700は、金属配線708、および限定されるものではないがシリコン貫通ビア(TSV)712を含むビア710を含んでよい。インターポーザ700は、パッシブデバイスおよびアクティブデバイスの両方を含む埋め込みデバイス714をさらに含んでよい。そのようなデバイスは、限定されるものではないが、コンデンサ、デカップリングコンデンサ、抵抗器、インダクタ、ヒューズ、ダイオード、変圧器、センサ、および静電放電(ESD)デバイスを含む。無線周波数(RF)デバイス、電力増幅器、電力管理デバイス、アンテナ、アレイ、センサ、およびMEMSデバイスなどのより複雑なデバイスもまた、インターポーザ700上に形成されてもよい。本開示の実施形態によれば、本明細書において開示される装置または処理は、インターポーザ700の製造において使用され得る。
【0097】
したがって、本開示の実施形態は、拡張ドレインナノリボントランジスタ、および結果として生じる構造を含む半導体デバイスを含んでよい。
【0098】
要約書に説明されるものを含む、本発明の例示される複数の実装についての上記の説明は、網羅的であること、または本発明を開示される厳密な形態に限定することを意図しない。本発明の具体的な実装例および例は、例示的目的で本明細書に説明される一方、関連技術の当業者が理解するように、様々な均等な修正が本発明の範囲内で可能である。
【0099】
これらの修正は上記の詳細な説明の観点から本発明に行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書および特許請求の範囲に開示された具体的な実装例に限定するために解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は専ら以下の特許請求の範囲によって判断されるべきであり、特許請求の範囲はクレーム解釈の確立された原則に従い解釈されるものとする。
【0100】
例1:基板と、基板上のソース領域と、基板上のドレイン領域と、ソース領域からドレイン領域へと延在する半導体本体であって、半導体本体は第1の導電型を有する第1の領域および第2の導電型を有する第2の領域を有する、半導体本体と、半導体本体の第1の領域上のゲート構造であって、ゲート構造はドレイン領域よりもソース領域に近い、ゲート構造と、を含む、半導体デバイス。
【0101】
例2:ソース領域およびドレイン領域は第2の導電型を有し、ドレイン領域は第1のドーパント濃度を有し、半導体本体の第2の領域は第1のドーパント濃度より小さい第2のドーパント濃度を有する、例1に記載の半導体デバイス。
【0102】
例3:第1のドーパント濃度は約1018cm-3以上であり、第2のドーパント濃度は約1018cm-3以下である、例2に記載の半導体デバイス。
【0103】
例4:半導体本体の第2の領域はゲート構造の中に延在する、例1-3に記載の半導体デバイス。
【0104】
例5:半導体本体の第2の領域の長さは半導体本体の第1の領域の長さより大きい、例1-4に記載の半導体デバイス。
【0105】
例6:ゲート構造はゲート誘電体を含み、ゲート誘電体は半導体本体の第1の領域の一部上および半導体本体の第2の領域の一部上にある、例1-5に記載の半導体デバイス。
【0106】
例7:半導体本体の第2の領域上に第1のダミーゲート構造をさらに含み、第1のダミーゲート構造はソース領域よりドレイン領域に近い、例1-6に記載の半導体デバイス。
【0107】
例8:ゲート構造と第1のダミーゲート構造との間の間隔は、ドレイン領域の長さにおよそ等しい、例7に記載の半導体デバイス。
【0108】
例9:半導体本体の第2の領域上の第2のダミーゲート構造をさらに含み、第2のダミーゲート構造はソース領域およびドレイン領域と実質的に等距離にある、例7に記載の半導体デバイス。
【0109】
例10:半導体本体の第2の領域は、第2の領域の長さに沿って不均一なドーパント濃度を含む、例1-9に記載の半導体デバイス。
【0110】
例11:半導体本体はナノワイヤまたはナノリボンである、例1-10に記載の半導体デバイス。
【0111】
例12:基板と、基板上のソース領域と、基板上のドレイン領域と、ソース領域からドレイン領域へ延在する、半導体本体の鉛直に方向づけられたスタックであって、半導体本体は第1の長さを有する、スタックと、ソース領域に隣接して半導体本体のスタックの周囲にあるゲート構造であって、ゲート構造は第1の長さより短い第2の長さを有する、ゲート構造と、を含む、半導体デバイス。
【0112】
例13:ゲート構造は半導体本体のチャネル領域を画定する、例12に記載の半導体デバイス。
【0113】
例14:半導体本体は、チャネル領域内のみがゲート誘電体により包囲される。例13に記載の半導体デバイス。
【0114】
例15:ドレイン領域は、本体と、ソース領域に対して延在する複数の突出部とを含む、例12-14に記載の半導体デバイス。
【0115】
例16:ゲート構造に隣接するダミーソース/ドレイン領域をさらに含み、ダミーソース/ドレイン領域は、ダミー本体と、ドレイン領域に対して延在する複数のダミー突出部とを含む、例15に記載の半導体デバイス。
【0116】
例17:半導体本体はドレイン拡張部を含む、例12-16に記載の半導体デバイス。
【0117】
例18:ドレイン拡張部は、第1のドーパント濃度を有し、ドレイン領域は、第1のドーパント濃度より大きい第2のドーパント濃度を有する、例17に記載の半導体デバイス。
【0118】
例19:ドレイン拡張部がゲート構造により部分的に包囲される、例17または例18に記載の半導体デバイス。
【0119】
例20:半導体本体がナノワイヤまたはナノリボンである、例12-19に記載の半導体デバイス。
【0120】
例21:フィンを形成する段階であって、フィンは交互する半導体本体および犠牲層を含む、段階と、フィン上に犠牲ゲート構造を配置する段階と、犠牲ゲート構造の外側の犠牲層を除去する段階と、犠牲ゲート構造に隣接するフィンの一部上にマスク層を配置する段階と、フィンの両端上にソース領域およびドレイン領域を形成する段階と、犠牲ゲート構造およびマスク層を除去する段階と、犠牲層の残りの部分を除去する段階と、半導体本体の領域をドーピングする段階と、犠牲ゲート構造により以前に覆われた半導体本体の一部上にゲート構造を配置する段階とを含む、半導体デバイスを形成する方法。
【0121】
例22:半導体本体の領域をドーピングする段階は、犠牲ゲート構造を配置する前に実装される、例21に記載の方法。
【0122】
例23:ドレイン領域は、ドレイン領域の長さの2倍に等しい距離だけゲート構造から離間される、例21または例22に記載の方法。
【0123】
例24:ボードと、ボードに電気的に結合された電子パッケージと、電子パッケージに電気的に結合されたダイとを含み、ダイは、基板と、基板上のソース領域と、基板上のドレイン領域と、ソース領域からドレイン領域へ延在する半導体本体であって、半導体本体は、第1の導電型を有する第1の領域および第2の導電型を有する第2の領域とを有する、半導体本体と、半導体本体の第1の領域上のゲート構造であって、ゲート構造はドレイン領域よりソース領域に近い、ゲート構造とを含む、電子デバイス。
【0124】
例25:ソース領域およびドレイン領域は第2の導電型を有し、ドレイン領域は第1のドーパント濃度を有し、半導体本体の第2の領域は第1のドーパント濃度より小さい第2のドーパント濃度を有する、例24に記載の電子デバイス。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図4I
図4J
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図5G
図5H
図6
図7