(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】画像形成装置、画像形成方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241203BHJP
H04N 1/21 20060101ALI20241203BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H04N1/00 912
H04N1/21
G03G21/00 386
G03G21/00 370
(21)【出願番号】P 2020184315
(22)【出願日】2020-11-04
【審査請求日】2023-09-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100085660
【氏名又は名称】鈴木 均
(72)【発明者】
【氏名】板橋 英恵
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-110789(JP,A)
【文献】特開平05-328064(JP,A)
【文献】特開2011-176697(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/21
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿における画像を読取る読取部と、
前記読取部が読取った前記画像を示す画像データを生成する生成部と、
前記画像が読取られる毎に前記画像データを順次記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された複数の前記画像データが記憶された後に、前記読取部が読取った順序とは異なる順序で前記画像を記録媒体に印刷する印刷部と、を具備する画像形成装置であって、
最初の前記画像が読取られた際に、前記生成部が生成した当該画像を示す前記画像データを用いて、読取可能な前記画像の残り個数を算出する算出部と、
最初の前記画像が読取られた際に、前記残り個数に応じた
報知を利用者に対して実行可能な表示部とを具備し
、
前記報知を実行するか否かを、最初の前記画像が読取られる前に、利用者が設定可能である
画像形成装置。
【請求項2】
共通の前記画像が読取られた場合であっても前記残り個数が相違し得る第1印刷モードおよび第2印刷モードを含む印刷モードの何れかへ移行させる移行部と、
前記表示部が前記
報知を実行した後に、前記印刷モードを変更可能な変更部と
を具備する請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記報知を実行する旨が設定されている場合、最初の前記画像が読取られると、前記報知を実行した後に前記印刷モードを変更可能であり、
前記報知を実行しない旨が設定されている場合、最初の前記画像が読取られると、当該画像が読取られる前に設定されていた前記印刷モードで前記画像が印刷される
請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
原稿における画像をコンピュータが読取るステップと、
読取られた前記画像を示す画像データをコンピュータが生成するステップと、
前記画像が読取られる毎に前記画像データをコンピュータが順次記憶するステップと、
複数の前記画像データが記憶された後に、読取られた順序とは異なる順序で前記画像を記録媒体にコンピュータが印刷するステップと、を具備する画像形成方法であって、
最初の前記画像が読取られた際に、生成された当該画像を示す前記画像データを用いて、読取可能な前記画像の残り個数をコンピュータが算出するステップと、
最初の前記画像が読取られた際に、前記残り個数に応じた
報知をコンピュータにより
表示部に実行させるステップと
を具備し、
前記報知を実行するか否かを、最初の前記画像が読取られる前に、利用者が設定可能とするステップ
を具備する画像形成方法。
【請求項5】
請求項4に記載の各ステップをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、画像形成方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、原稿における画像を読取可能な画像形成装置において、読取った順序とは異なる順序で画像を面付けして印刷(例えば、製本印刷)する技術が採用される(例えば、特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の従来技術では、印刷を実行する前に、印刷する全ての画像の読取を完了する必要が生じる場合がある。以上の場合としては、例えば、最初に読取った画像と最後に読取った画像とが共通の記録媒体(例えば、1ページ目の転写紙)に印刷される場合が想定される。したがって、従来技術では、画像を読取る毎に当該画像を示す画像データを蓄積して記憶し、複数の画像データが記憶された後に、印刷を実行する必要がある。
【0004】
しかし、従来技術では、例えば印刷する予定の画像の個数が多い場合、最後の画像を読取る前に(読取の途中で)記憶部においてメモリ不足が生じ得るという不都合がある。以上の事情を考慮して、本発明は、以上の不都合を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明の画像形成装置は、原稿における画像を読取る読取部と、読取部が読取った画像を示す画像データを生成する生成部と、画像が読取られる毎に画像データを順次記憶する記憶部と、記憶部に記憶された複数の画像データが記憶された後に、読取部が読取った順序とは異なる順序で画像を記録媒体に印刷する印刷部と、を具備する画像形成装置であって、最初の画像が読取られた際に、生成部が生成した当該画像を示す画像データを用いて、読取可能な画像の残り個数を算出する算出部と、残り個数に応じた態様で表示される表示部とを具備する。以上の構成では、残り個数に応じた態様で表示部が表示されるため、例えば、読取る画像の個数を少なくしたり、印刷自体を中止することを利用者に促すことができる。したがって、記憶部におけるメモリ不足が生じる不都合が抑制される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、記憶部におけるメモリ不足が生じる不都合が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】画像形成装置の一例であるMFPを説明するための図である。
【
図2】画像形成装置の一例であるMFPのハードウェア構成を説明するための図である。
【
図4】画像形成装置の印刷時処理のフローチャートである。
【
図5】第2実施形態における設定画像の具体例の模擬図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<第1実施形態>
図1(a)は、本発明の画像形成装置の一例を説明するための図である。本実施形態の画像形成装置は、MFP(Multifunction Peripheral Product Printer)100が採用される。ただし、画像形成装置は、印刷機能を具備すれば足り、MFPに限定されない。本実施形態のMFP100は、複数種類の印刷方法(製本印刷など)で画像を転写紙に印刷できる。
【0009】
図1に示す通り、MFP100はコンタクトガラス101およびADF(Auto Document Feeder)102を具備する。MFP100は、読取操作を受付けるとコンタクトガラス101に載置された原稿の画像を読取る。利用者は、コンタクトガラス101を用いて、例えば書籍の各画像(文字列を含む)をページ毎に読取らせることができる。
【0010】
図1(b)は、コンタクトガラス101を用いて書籍Bの各ページの各画像を読取る方法を説明するための図である。
図1(b)の具体例では、8ページの書籍Bの各画像が読取られる場合を想定する。また、書籍Bの各ページのうち2ページ目(図における「2P」)の画像が読取られる場合を想定する。以上の場合、2ページ目における画像を示す画像データがMFP100の記憶装置(例えば、後述のRAM102b)に記憶される。
【0011】
本実施形態では、書籍の最初のページから最後のページの順に、各ページの各画像が読取られるものとする。例えば、
図1(b)の具体例では、1ページ目から8ページ目の順に各ページの各画像が読取られる。なお、読取原稿(
図1(b)の例では書籍B)の各画像を読取る構成は以上の例に限定されない。例えば、読取原稿がADF102で読取可能な形状(例えば、製本されていない用紙)であれば、ADF102を用いて各画像が読取られる構成としてもよい。
【0012】
また、例えば特開2003-189027号公報(上述の特許文献1)に記載の構成を採用してもよい。以上の従来技術では、画像を読取る場合に、見開きの2ページがコンタクトガラスに一度に載置される。以上の場合、2ページ分の各画像を示す1個の画像データが生成される。また、従来技術では、2ページ分の各画像を示す1個の画像データから、当該画像の各々を示す2個の画像データが生成される。
【0013】
例えば、上述の従来技術を採用した構成において、
図1(b)の具体例の書籍Bの2ページ目と3ページ目が一度に読取られた場合を想定する。以上の場合、2ページ目の画像と3ページ目の画像との双方を示す1個の画像データが生成される。また、当該1個の画像データから、2ページ目の画像を示す画像データ、および、3ページ目の画像を示す画像データが生成される。
【0014】
図1(c-1)および
図1(c-2)は、本実施形態の印刷方法の具体例を説明するための図である。
図1(c-1)および
図1(c-2)に示す通り、転写紙(X、Y)には、領域r1から領域r4が設けられる。本実施形態では、各印刷方法で共通して、転写紙の領域r1から領域r4の順に画像が印刷される。
【0015】
本実施形態のMFP100は、読取った複数の画像を転写紙(記録媒体)に通常印刷または製本印刷できる。詳細には後述するが、通常印刷では、読取られた各画像が読取られた順序で転写紙に印刷される(
図1(c-1)参照)。一方、製本印刷では、読取られた各画像が印刷された書籍が形成される様に、当該各画像が転写紙に印刷される。以上の製本印刷では、各画像が読取られた順序とは異なる順序で転写紙に印刷される(
図1(c-2)参照)。
【0016】
なお、
図1(c-1)および
図1(c-2)の具体例では、
図1(b)の具体例と同様に、書籍Bの1ページ目の画像から8ページ目の画像が読取られた場合を想定する。また、
図1(c-1)および
図1(c-2)において、書籍Bの1ページ目の画像が印刷される領域rに文字列「(1P)」を示す。2ページ目以降の画像が印刷される領域rについても同様に、当該領域rに画像が印刷されるページに対応する文字列(2P~8P)が示される。
【0017】
図1(c-1)は、通常印刷で各画像が印刷される場合の具体例を示す。上述した通り、
図1(c-1)の具体例では、書籍Bの1ページ目から8ページ目の8個の画像が印刷される場合を想定する。また、本実施形態では4個の画像が1枚の転写紙に印刷できる。したがって、
図1(c-1)の具体例では、2枚の転写紙(X、Y)に画像が印刷される。具体的には、1枚目の転写紙Xの領域r1から領域r4に、書籍Bの1ページ目の画像から4ページ目の画像が印刷される。その後、2枚目の転写紙Yの領域r1から領域r4に、書籍Bの5ページ目の画像から8ページ目の画像が印刷される。すなわち、通常印刷では、各画像が読取られた順序で印刷される。
【0018】
図1(c-2)は、製本印刷で各画像が印刷される場合の具体例を示す。上述した通り、
図1(c-2)の具体例では、書籍Bの1ページ目から8ページ目の8個の画像が印刷される場合を想定する。製本印刷で各画像が印刷される
図1(c-2)の具体例では、通常印刷で各画像が印刷される
図1(c-1)の具体例と同様に、2枚の転写紙(X、Y)に画像が印刷される。ただし、製本印刷と通常印刷とでは、各画像が印刷される順序が相違する。
【0019】
具体的には、製本印刷では、書物Bの1ページ目の画像が1枚目の転写紙Xの領域r2に印刷される。また、書物Bの2ページ目の画像が1枚目の転写紙Xの領域r3に印刷され、書物Bの3ページ目の画像が2枚目の転写紙Yの領域r2に印刷され、書物Bの4ページ目の画像が2枚目の転写紙Yの領域r3に印刷される。同様に、書物Bの5ページ目の画像が2枚目の転写紙Yの領域r4に印刷され、書物Bの6ページ目の画像が2枚目の転写紙Yの領域r1に印刷され、書物Bの7ページ目の画像が1枚目の転写紙Xの領域r4に印刷され、書物Bの8ページ目の画像が1枚目の転写紙Xの領域r1に印刷される。
【0020】
以上の説明から理解される通り、製本印刷する場合、最初に読取った画像(書物Bの1ページ目の画像)と最後に読取った画像(書物Bの8ページ目の画像)とが共通の転写紙(X)に印刷される。以上の場合、印刷を実行する前に、印刷する全ての画像の読取を完了する必要が生じる場合がある。したがって、画像を読取る毎に当該画像を示す画像データを蓄積して記憶し、複数の画像データが記憶された後に印刷を実行する必要がある。
【0021】
しかし、例えば読取る画像の個数が多い場合(書物のページ数が多い場合)、記憶する必要がある画像データのデータ容量の合計が記憶部が記憶可能な大きさを超える不都合が生じ得る(読取の途中でメモリ不足が生じ得る)。以上の事情を考慮して、本実施形態では、以上の不都合が抑制される構成を採用する。当該構成については詳細に後述する。
【0022】
図2は、MFP100のハードウェア構成図である。
図2に示されているように、MFP100は、コントローラ110、近距離通信回路120、エンジン制御部130、操作パネル140、ネットワークI/F150を備えている。
【0023】
コントローラ110は、コンピュータの主要部であるCPU101、システムメモリ(MEM-P)102、ノースブリッジ(NB)103、サウスブリッジ(SB)104、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)105、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)106、HDDコントローラ107、および、記憶部であるHD108を具備する。NB103とASIC105との間は、AGP(Accelerated Graphics Port)バス161で接続される。
【0024】
CPU101は、MFP100の全体制御を行う制御部である。NB103は、CPU101と、MEM-P102、SB104、およびAGPバス161とを接続するためのブリッジであり、MEM-P102に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0025】
MEM-P102は、コントローラ110の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM102a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM102bとを含む。なお、RAM102bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0026】
SB104は、NB103とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC105は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス161、PCIバス162、HD108およびMEM-C106を相互に接続するブリッジとして機能する。
【0027】
ASIC105は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC906の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C106を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部2およびプリンタ部4との間でPCIバス162を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。ASIC105には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
【0028】
HD108は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HDDコントローラ107は、CPU101の制御にしたがってHD108に対するデータの読出又は書込を制御する。
【0029】
MEM-C106は、コピー用画像バッファおよび符号バッファとして用いるローカルメモリである。AGPバス161は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P102に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
【0030】
近距離通信回路120には、近距離通信回路120aが備わっている。近距離通信回路120は、NFC、Bluetooth等の通信回路である。エンジン制御部130は、スキャナ部2およびプリンタ部4を含んで構成される。また、操作パネル140は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部140a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル140bを備える。
【0031】
コントローラ110は、MFP100全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル140からの入力等を制御する。スキャナ部2又はプリンタ部4には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
【0032】
なお、MFP100は、操作パネル140のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
【0033】
また、ネットワークI/F150は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路120およびネットワークI/F150は、PCIバス162を介して、ASIC105に電気的に接続される。
【0034】
図3は、画像形成装置10の機能ブロック図である。例えば、上述のCPU101がプログラムを実行することでMFP100が画像形成装置10として機能する。本実施形態の画像形成装置10は、
図3に示す通り、読取部11、生成部12、記憶部13、算出部14、表示部15、印刷部16および移行部17を含んで構成される。
【0035】
読取部11は、原稿における画像を読取る。具体的には、製本印刷する場合、書物の最初のページから最後のページの順に各ページの画像が読取られる。生成部12は、読取部11が読取った画像を示す画像データを生成する。記憶部13は、画像が読取られる毎に当該画像を示す画像データを順次記憶する。具体的には、製本印刷する場合、印刷を実行する前に、書物の最初のページにおける画像から最後のページにおける画像の順に当該画像を示す画像データが記憶部13に記憶される。
【0036】
ところで、書物のページ数(総数)が多い場合を想定する。以上の場合、書物の各ページにおける各画像を示す各画像データのデータ容量の合計が、記憶部13が記憶可能なデータ容量を超える可能性がある。したがって、書物の画像を読込んでいる途中で(ページの途中で)、当該書物の画像が読込み不可能になる不都合が生じ得る。以上の事情を考慮して、本実施形態の画像形成装置10は、以上の不都合を抑制するため、算出部14および表示部15を具備する。
【0037】
算出部14は、最初の画像が読取られた際に、生成部12が生成した当該画像を示す画像データを用いて、読取可能な画像の残り個数(以下「残り個数N」)を算出する。すなわち、算出部14は、2ページ目以降の各画像が読取られる前に、読取可能な画像の残り個数Nを算出(推測)する。なお、本実施形態では、1ページの画像が1個の画像として読取られる。したがって、残り個数Nは、読取可能な残りのページ数であるとも換言される。
【0038】
具体的には、算出部14は、製本印刷が選択されると、最初の画像が読取られる前に、現時点において記憶部13が記憶可能な残りのデータ容量(以下「残りデータ容量C0」)を取得する。また、算出部14は、最初の画像が読取られ、当該画像を示す画像データが記憶部13に記憶された時点で、当該時点において記憶部13が記憶可能な残りのデータ容量(以下「残りデータ容量C1」)を取得する。
【0039】
算出部14は、残りデータ容量C0から残りデータ容量P1を減算し、最初の画像を示す画像データを記憶するのに使用された記憶部13のメモリ量(以下「基準データ容量cs」)を算出する(cs=C0-C1)。本実施形態では、製本印刷をする場合、各画像の各画像データは共通の条件(カラー/モノクロ、データ形式など)で生成される。以上の構成では、各画像の各画像データのデータ容量は、略共通になり易いという傾向がある。したがって、2ページ目以降の各画像の各画像データを記憶するのに要するメモリ量は基準データ容量csと略共通になり易い。
【0040】
以上の事情を考慮して、算出部14は、残りデータ容量C1を基準データ容量csで除算し、算出結果を残り個数Nとして記憶する。なお、残り個数Nの算出方法は以上の例に限定されない。例えば、m枚(m≧2)の画像が読取られた時点で、当該m枚の各画像の各画像データを記憶するのに要するメモリ量を算出し、当該算出結果から残り個数Nを算出してもよい。以上の構成では、当該算出結果を数値mで除算して基準データ容量csを求めることができる。
【0041】
表示部15は、算出部14が算出した残り個数Nに応じた態様で表示される。具体的には、表示部15は、最初のページの画像が読取られた直後に(2ページ目以降の各画像が読取られる前に)、読取可能な残りのページ数として残り個数Nを表示する。ただし、残り個数Nが直接表示されない構成としてもよい。例えば、残り個数Nより少ない数値(例えば、数値「N-1」)を、読取可能な残りのページ数として表示してもよい。以上の構成では、仮に、残りページ数が表示された後に、画像データ以外のデータが記憶部13に記憶される場合であっても、当該残りページ数のページを読取る前に画像が読取り不可能になる不都合が抑制される。
【0042】
また、各画像が印刷された転写紙に対して後処理(ステープル処理など)を実行する構成を想定する。以上の構成では、後処理を一度に実行可能な転写紙の枚数(以下「上限枚数」)に上限がある場合がある。以上の事情を考慮して、上限枚数の転写紙に印刷可能な画像の個数が、算出部14により算出された残り個数Nより少ない場合、上限枚数の転写紙に印刷可能な画像の個数(ページ数)が表示される構成としてもよい。
【0043】
印刷部16は、複数の画像データが記憶された後に、読取部11が読取った順序とは異なる順序で画像を転写紙(記録媒体の一例)に印刷する。具体的には、印刷部16は、読取部11が読取った各画像が印刷された書籍が形成される順序で、各画像を転写紙に印刷する。すなわち、印刷部16は、上述の製本印刷が可能である。
【0044】
移行部17は、第1印刷モードおよび第2印刷モードを含む印刷モードの何れかへ移行させる。第1印刷モードと第2印刷モードとでは、印刷の条件(カラー/モノクロ、データ形式、印刷方法、後処理の有無など)が相違する。以上の第1印刷モードと第2印刷モードとでは、共通の画像が読取られる場合であっても、記憶部13が記憶可能な画像データの個数が相違する。すなわち、第1印刷モードと第2印刷モードとでは、共通の画像が読取られる場合であっても残り個数Nが相違する。利用者は、画像の読取を実施する前に、操作パネル140を適宜に操作することにより、希望する印刷モードを事前に設定できる。
【0045】
仮に、1個目の画像を読取る印刷モードと2個目以降の画像を読取る印刷モードとが相違し得る対比例を想定する。以上の対比例では、算出部14が算出した残り個数Nが実際に読取可能な画像の残り個数と一致し難くなるという不都合が生じやすくなる。以上の事情を考慮して、本実施形態では、基準データ容量csを決定するための最初の画像は、他の画像(2個目以降の画像)を読取る印刷モードで読取られる。以上の構成によれば、例えば上述の対比例と比較して、適当な残り個数Nが算出され易いという利点がある。
【0046】
図4は、印刷時処理のフローチャートである。画像形成装置10は、例えば印刷方法が利用者により選択されると、印刷時処理を実行する。
【0047】
印刷時処理を開始すると、今回選択された印刷方法が記憶部13に画像データを蓄積して記憶する必要があるものであるか否かを判定する(S1)。印刷方法として例えば上述の製本印刷が選択されると、ステップS1で「Yes」と判断される。一方、印刷方法として例えば上述の通常印刷が選択されると、ステップS1で「No」と判断される。記憶部13に画像データを蓄積して記憶する必要がない印刷方法が選択された場合(S1:No)、情報処理装置は、当該印刷方法で画像を印刷して(S9)、印刷時処理を終了する。
【0048】
記憶部13に画像データを蓄積して記憶する必要がある印刷方法が選択された場合(S1:Yes)、情報処理装置は、メモリ警告を表示する設定であるか否かを判定する(S2)。本実施形態では、メモリ警告を表示することが設定されている期間において、算出部14が算出した残り個数Nに応じて、読込可能な残りのページをメモリ警告として表示する(後述のS7を実行する)。一方、メモリ警告を表示することが設定されていない期間では、メモリ警告は表示されない。なお、メモリ警告の表示の有無を設定するための構成の具体例は、後述の第2実施形態において説明する(
図5参照)。
【0049】
メモリ警告を表示することが設定されていない場合(S2:No)、画像形成装置10は、上述のステップS9へ処理を進める。一方、メモリ警告を表示することが設定されている場合(S2:Yes)、画像形成装置10は、上述の残りデータ容量C0(開始時点のメモリ残量)を取得する(S3)。また、画像形成装置10は、最初の画像が読込まれると(S4)、当該画像を示す画像データを生成し、記憶部13に記憶させる。最初の画像データを記憶した後に、画像形成装置10は、上述の残りデータ容量C1を取得する
【0050】
画像形成装置10は、ステップS3で取得した残りデータ容量C0および残りデータ容量C1を用いて、上述の基準データ容量cs(1ページ当たりのメモリ使用量)を算出する(S5)。具体的には、残りデータ容量C0から残りデータ容量C1を減算した結果を基準データ容量csとして記憶する。また、画像形成装置10は、ステップS5で算出した基準データ容量csおよび残りデータ容量C1を用いて残り回数Nを算出する(S6)。具体的には、残りデータ容量C1を基準データ容量csで除算した結果を残り回数Nとして記憶する。なお、除算した結果が整数ではない場合は小数点以下を切り捨てる。
【0051】
残り回数Nを算出した後に、画像形成装置10は、読込可能な残りのページ数を表示する(S7)。具体的には、上述のメモリ警告を表示する。メモリ警告には、読込可能な残りのページ数が含まれる。また、画像形成装置10は、メモリ警告が表示される期間において、印刷(読込)を継続するための操作、および、印刷を中止するための操作を受付ける。以上の印刷を継続するための操作としては、2ページ目以降の画像を読込むための操作が考えられる。また、印刷を中止するための操作としては、操作パネル140に対するキャンセル操作が考えられる。
【0052】
利用者は、読込む予定であったページ数が、表示部15に表示された残りのページ数より多い場合、印刷を中止する判断が可能である。一方、読込む予定であったページ数が、表示部15に表示された残りのページ数以下の場合、印刷を継続する判断が可能である。以上の構成によれば、全ての画像を読込む前に(ページの途中で)、記憶部13においてメモリ不足が生じる不都合が抑制される。
【0053】
画像形成装置10は、メモリ警告を表示した後に、読込を継続するための操作が受付けられたか、読込を中止するための操作が受付けられたかを判定する(S8)。読込を中止するための操作が受付けられたと判断すると(S8:No)、画像形成装置10は、ステップS9を省略して印刷時処理を終了する。なお、読込を中止するための操作が受付けられた場合、既に読込まれた最初の画像を示す画像データを記憶部13から消去してもよい。一方、読込を継続するための操作(残りのページを読込む操作)が受付けられたと判断すると(S8:Yes)、画像形成装置10は、ステップS9を実行して印刷時処理を終了する。
【0054】
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0055】
図5(a)は、第2実施形態の初期設定画面Gaの模擬図である。初期設定画面Gaは、例えばパネル表示部140aに表示される。第2実施形態の画像形成装置10は、第1実施形態の各構成(
図3参照)に加え、制御部および変更部を具備することを特徴とする。初期設定画面Gaが表示される期間において、利用者が設定操作(後述のボタン画像Bのタッチ操作)をすると、制御部および変更部が機能する。
【0056】
制御部は、読取部11により読取られた画像の合計個数(以下「読取個数n」と記載する)が残り個数Nに達する前に、画像の読取作業を継続することを抑制するための報知を利用者に対して実行可能にする。具体的には、制御部は、残り個数Nより少ない報知個数Xに読取個数nが達すると、抑制画面Gc(後述の
図5(c-1)参照)を表示部15に表示させる。抑制画面Gcは、画像の読取作業を継続することを抑制するための画像である。以上の第2実施形態の構成によれば、読取られた画像データのデータ容量の合計が、記憶部13が記憶可能なデータ容量を超える前に画像の読取作業を中止させることができるという利点がある。
【0057】
変更部は、表示部15が残り個数Nに応じた態様で表示された後に、印刷モードを変更可能である。具体的には、表示部15に警告画面Gb(後述の
図5(b)参照)が表示された後に、印刷モードを変更部は変更可能である。警告画面Gbは、上述の警告表示の一例であり、残り個数Nを表示する。
【0058】
上述した通り、印刷モードに応じて、画像データのデータ容量は可変であり、記憶部13に記憶できる画像の残り個数Nは相違し得る。仮に、表示部15に表示された残り個数Nが、読込む予定の画像の個数より少ない場合を想定する。以上の場合、利用者は、現在の印刷モードより残り個数Nが多くなる印刷モードに変更することで、予定していた全ての画像を読込むことができる場合がある。
【0059】
図5(a)に示す通り、初期設定画面Gaは、ボタン画像Ba1、ボタン画像Ba2、ボタン画像Ba11およびボタン画像Ba12を含んで構成される。利用者は、ボタン画像Ba1およびボタン画像Ba2をタッチ操作することにより、警告画面Gbの表示の有無を設定できる。具体的には、ボタン画像Ba1およびボタン画像Ba2の一方が操作されると、操作されたボタン画像Ba(Ba1またはBa2)が選択状態となり、他方が非選択状態になる。ボタン画像Ba1が選択状態に設定された場合、最初の画像が読込まれた際に警告画面Gbが表示される。一方、ボタン画像Ba2が選択状態に設定された場合、警告画面Gbは表示されない。
【0060】
ボタン画像Ba11およびボタン画像Ba12は、警告画面Gbの表示内容を設定(変更)するために操作される。具体的には、ボタン画像Ba11およびボタン画像Ba12は、上述のボタン画像Ba1が選択状態の期間(警告画面Gbを表示することが選択されている期間)において操作できる。ボタン画像Ba11は、操作する毎に選択状態と非選択状態に切替わる。ボタン画像Ba11が選択状態の場合、警告画面Gbに残り回数Nが表示される。また、ボタン画像Ba11が非選択状態の場合、警告画面Gbに残り回数Nが表示されない。
【0061】
ボタン画像Ba12は、操作する毎に選択状態と非選択状態に切替わる。ボタン画像Ba12が選択状態の場合、警告画面Gbに推奨印刷モードが表示される。また、ボタン画像Ba12が非選択状態の場合、警告画面Gbに推奨印刷モードが表示されない。具体的には、第2実施形態の画像形成装置10は、最初に読込まれた画像の基準データ容量csに基づいて、各印刷モードから推奨印刷モードを決定する。例えば、画像形成装置10は、残り回数Nが最多となる印刷モードを推奨印刷モードに決定する。ただし、推奨印刷モードを決定する基準は適宜に変更できる。
【0062】
図5(b)は、警告画面Gbの具体例の模擬図である。
図5(b)の具体例では、残り回数Nおよび推奨印刷モードの双方が表示される設定(上述のBa11およびBa12が共に選択状態)である場合を想定する。
図5(b)に示す通り、警告画面Gbには、読込可能な残りのページ数として残り回数Nが表示される。また、推奨印刷モード(カラー/モノクロ、データ形式、印刷方法、後処理の有無などの推奨される設定)が警告画面Gbに表示される。利用者は、警告画面Gbの残り回数Nおよび推奨印刷モードに応じて、印刷を継続するか否か、印刷するページの変更および印刷モードの変更を検討することができる。
【0063】
第2実施形態では、警告画面Gbが表示された後に、印刷モードの変更が可能である。また、画像形成装置10は、警告画面Gbが表示された後に、印刷モードが変更されると、変更後の印刷モードに応じて残り回数Nを算出し直す。具体的には、印刷モードが変更されると、最初の画像を再度読込むべき旨の指示が表示される。変更後の印刷モードで読込まれた最初の画像を示す画像データを用いて残り回数Nを算出し直す。
【0064】
画像形成装置10は、算出し直した残り回数Nに応じて、警告画面Gbに表示した読込可能な残りページ数を変更する。なお、既に読込まれた最初の画像データを、変更後の印刷モードで読取った場合に生成される画像データに変換可能であれば、既に読込まれた最初の画像データを変換する構成としてもよい。以上の構成では、変換後の画像データのデータ容量を用いて残り回数Nを算出する。
【0065】
説明を
図5(a)に戻す。
図5(a)に示す通り、初期設定画面Gaは、ボタン画像Bb1およびボタン画像Bb2を含んで構成される。利用者は、ボタン画像Bb1およびボタン画像Bb2をタッチ操作することにより、抑制画面Gcの表示の有無を設定できる。具体的には、ボタン画像Bb1およびボタン画像Bb2の一方が操作されると、操作されたボタン画像Bb(Bb1またはBb2)が選択状態となり、他方が非選択状態になる。
【0066】
ボタン画像Bb1が選択状態に設定された場合、抑制画面Gcが表示される。上述した通り、抑制画面Gcは、読込個数nが報知個数Xに達した場合に表示される。一方、ボタン画像Bb2が選択状態に設定された場合、抑制画面Gcは表示されない。なお、第2実施形態では、報知個数Xを利用者が任意に設定できる。具体的には、初期設定画面Gaが表示される期間において、操作パネル140(テンキー)を操作することにより、利用者は報知個数Xを入力できる。
図5(a)の具体例では、報知個数Xとして「1」が入力された場合を示す。ただし、報知個数Xを利用者が設定できない構成としてもよい。
【0067】
図5(c-1)は、抑制画面Gcの具体例の模擬図である。
図5(c-1)に示す通り、抑制画面Gcは、読込個数nが残り個数Nにもうすぐ達する旨のメッセージが表示される。第2実施形態では、抑制画面Gcは、予め定められた時間にわたり表示される。ただし、抑制画面Gcが表示される期間は適宜に変更できる。また、抑制画面Gcの表示内容は適宜に変更できる。たとえば、残り個数Nに達するまでの画像の個数(N-X個)が抑制画面Gcに表示される構成としてもよい。
【0068】
抑制画面Gcが表示された場合、読取済みの画像を印刷して利用者が読込作業を終了するか、印刷自体を利用者がキャンセルすることが想定される。第2実施形態では、抑制画面Gcが表示されると、読取済みの画像を印刷するための処理(以下「印刷処理」)、または、印刷をキャンセルするための処理(以下「キャンセル処理」)を自動で実行可能とする構成を採用した。以上の構成について以下で詳細に説明する。ただし、抑制画面Gcが表示された場合、その後、読取個数nが残り個数Nに達するまで、画像の読込作業を継続可能な構成としてもよい。
【0069】
図5(a)に説明を戻す。初期設定画面Gaは、ボタン画像Bc1、ボタン画像Bc2、ボタン画像Bc21およびボタン画像Bc22を含んで構成される。利用者は、ボタン画像Bc1およびボタン画像Bc2をタッチ操作することにより、抑制画面Gcが表示された後に印刷処理またはキャンセル処理を自動で実行するか否かを設定できる。また、以上の各処理が自動で実行される設定の場合、何れの処理を実行するかをボタン画像Bc21およびボタン画像Bc22により設定できる。
【0070】
具体的には、ボタン画像Bc1およびボタン画像Bc2の一方が操作されると、操作されたボタン画像Bc(1または2)が選択状態となり、他方が非選択状態になる。ボタン画像Bc1が選択状態に設定された場合、抑制画面Gcが表示された後に、印刷処理またはキャンセル処理が自動で実行される。一方、ボタン画像Bc2が選択状態に設定された場合、印刷処理またはキャンセル処理が自動では実行されない。具体的には、ボタン画像Bc2が選択状態にされた場合、抑制画面Gcが表示された後に選択画面Gd(後述の
図5(c-2)参照)が表示される。利用者は、選択画面Gdを用いて、印刷処理またはキャンセル処理を選択して実行させることができる。
【0071】
図5(c-2)は、選択画面Gdの具体例の模擬図である。
図5(c-2)に示す通り、選択画面Gdには、ボタン画像Bd1およびボタン画像Bd2が含まれる。ボタン画像Bd1が操作されると、印刷処理が実行され、読込済みの画像が印刷される。ボタン画像Bd2が操作されると、キャンセル処理が実行され、読込済みの画像の画像データが消去され、印刷がキャンセルされる。以上の第2実施形態においても第1実施形態と同様な効果が奏せられる。
【0072】
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の画像形成装置(10)は、原稿における画像を読取る読取部(11)と、読取部が読取った画像を示す画像データを生成する生成部(12)と、画像が読取られる毎に画像データを順次記憶する記憶部(13)と、記憶部に記憶された複数の画像データが記憶された後に、読取部が読取った順序とは異なる順序(
図1(c-1)参照)で画像を記録媒体に印刷する印刷部(16)と、を具備する画像形成装置であって、最初の画像が読取られた際に、生成部が生成した当該画像を示す画像データを用いて、読取可能な画像の残り個数(N)を算出する算出部(14)と、残り個数に応じた態様で表示される表示部とを具備する。以上の構成では、残り個数に応じた態様で表示部が表示されるため、例えば、原稿の枚数を少なくしたり、印刷を中止することを利用者に促すことができる。したがって、記憶部におけるメモリ不足が生じる不都合が抑制される。
【0073】
<第2態様>
本態様の画像形成装置は、読取部により読取られた画像の合計個数が残り個数に達する前に(読取個数nが報知個数Xに達した際に)、画像の読取作業を継続することを抑制するための報知(抑制画面Gcの表示)を利用者に対して実行可能にする制御部を具備する。本態様によれば、記憶部におけるメモリ不足が生じる不都合が抑制されるという効果は格別に顕著である。
【0074】
<第3態様>
本態様の画像形成装置は、共通の画像が読取られた場合であっても残り個数が相違し得る第1印刷モードおよび第2印刷モードを含む印刷モードの何れかへ移行させる移行部(17)と、表示部が残り個数に応じた態様で表示された後に、印刷モードを変更可能な変更部とを具備する。本態様によれば、記憶部におけるメモリ不足が生じる不都合が抑制されるという効果は格別に顕著である。
【0075】
<第4態様>
本態様の画像形成方法は、原稿における画像をコンピュータが読取るステップと、読取られた画像を示す画像データをコンピュータが生成するステップと、画像が読取られる毎に画像データをコンピュータが順次記憶するステップと、複数の画像データが記憶された後に、読取られた順序とは異なる順序で画像を記録媒体にコンピュータが印刷するステップと、を具備する画像形成方法であって、最初の画像が読取られた際に、生成された当該画像を示す画像データを用いて、読取可能な画像の残り個数をコンピュータが算出するステップと、残り個数に応じた態様で表示部がコンピュータにより表示されるステップとを具備する。本態様によれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
【0076】
<第5態様>
本態様のプログラムは、上述の第4態様に記載の各ステップをコンピュータに実行させるプログラムである。本態様によれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
【符号の説明】
【0077】
10…画像形成装置、11…読取部、12…生成部、13…記憶部、14…算出部、15…表示部、16…印刷部、17…移行部。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】