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特許7596833水処理施設の構築方法及び資材収容運搬部材
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  • 特許-水処理施設の構築方法及び資材収容運搬部材 図1
  • 特許-水処理施設の構築方法及び資材収容運搬部材 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】水処理施設の構築方法及び資材収容運搬部材
(51)【国際特許分類】
   C02F 1/00 20230101AFI20241203BHJP
【FI】
C02F1/00 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021017540
(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公開番号】P2022120568
(43)【公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】大部 由佳
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 博之
【審査官】相田 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-170274(JP,A)
【文献】特表平04-500923(JP,A)
【文献】特表2020-514198(JP,A)
【文献】特開2013-233998(JP,A)
【文献】特表2011-513143(JP,A)
【文献】特開平11-091869(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0199505(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00
B65D 88/00-90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
資材を施工現場又は組み立て工場に搬入し、水処理施設を構築する方法において、
資材を資材収容運搬部材に収容して施工現場又は組み立て工場に搬入することを特徴とする水処理施設の構築方法であって、
前記資材収容運搬部材は、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有しており、
前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有しており、
前記支柱は前記底面部の少なくとも4隅に立設されており、
前記支柱間には、上下それぞれに横梁が架設されており、
上側の横梁と下側の横梁との間に、縦梁が架設されており、
各支柱間には、該縦梁に支持されるようにしてフェンスが設けられており、
前記上側の横梁及び下側の横梁にそれぞれプレートが固着されており、該プレートがボルトによって前記支柱に着脱可能に取り付けられており、
該ボルトを外すことにより該横梁、縦梁及びフェンスを取り外し、資材の出し入れを行う水処理施設の構築方法
【請求項2】
資材を施工現場又は組み立て工場に搬入し、水処理施設を構築する方法において、
資材を資材収容運搬部材に収容して施工現場又は組み立て工場に搬入することを特徴とする水処理施設の構築方法であって、
前記資材収容運搬部材は、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有しており、
前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有しており、
空の前記資材収容運搬部材をトラックに積載して回収するときに、前記側壁部を倒伏させることなく積み重ねる水処理施設の構築方法であって、
前記支柱は前記底面部の少なくとも4隅に立設されており、
前記支柱間には、上下それぞれに横梁が架設されており、
上側の横梁と下側の横梁との間に、縦梁が架設されており、
各支柱間には、該縦梁に支持されるようにしてフェンスが設けられており、
前記上側の横梁及び下側の横梁にそれぞれプレートが固着されており、該プレートがボルトによって前記支柱に着脱可能に取り付けられており、
該ボルトを外すことにより該横梁、縦梁及びフェンスを取り外し、資材の出し入れを行う水処理施設の構築方法。
【請求項3】
資材を施工現場又は組み立て工場に搬入し、水処理施設を構築する方法において、
資材を資材収容運搬部材に収容して施工現場又は組み立て工場に搬入することを特徴とする水処理施設の構築方法であって、
前記資材収容運搬部材は、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有しており、
前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有しており、
前記側壁部は起立倒伏可能であり、
空の前記資材収容運搬部材をトラックに積載して回収するときに、前記側壁部を倒伏させて積み重ねる水処理施設の構築方法であって、
前記支柱は前記底面部の少なくとも4隅に立設されており、
前記支柱間には、上下それぞれに横梁が架設されており、
上側の横梁と下側の横梁との間に、縦梁が架設されており、
各支柱間には、該縦梁に支持されるようにしてフェンスが設けられており、
前記上側の横梁及び下側の横梁にそれぞれプレートが固着されており、該プレートがボルトによって前記支柱に着脱可能に取り付けられており、
該ボルトを外すことにより該横梁、縦梁及びフェンスを取り外し、資材の出し入れを行う水処理施設の構築方法。
【請求項4】
前記資材収容運搬部材を複数積み重ねて運搬する請求項1~3のいずれかの水処理施設の構築方法。
【請求項5】
前記資材を収容した資材収容運搬部材を施工現場又は組み立て工場の資材置き場に一時保管する請求項1~3のいずれかの水処理施設の構築方法。
【請求項6】
前記資材収容運搬部材はキャスタを備えている請求項1~3のいずれかの水処理施設の構築方法。
【請求項7】
水処理施設構築用の資材を収容して運搬するための資材収容運搬部材であって、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有する資材収容運搬部材において、
前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有しており、
前記支柱は前記底面部の少なくとも4隅に立設されており、
前記支柱間には、上下それぞれに横梁が架設されており、
上側の横梁と下側の横梁との間に、縦梁が架設されており、
各支柱間には、該縦梁に支持されるようにしてフェンスが設けられており、
前記上側の横梁及び下側の横梁にそれぞれプレートが固着されており、該プレートがボルトによって前記支柱に着脱可能に取り付けられており、
該ボルトを外すことにより該横梁、縦梁及びフェンスを取り外し、資材の出し入れを行うことが可能となっている資材収容運搬部材。
【請求項8】
水処理施設構築用の資材を収容して運搬するための資材収容運搬部材であって、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有する資材収容運搬部材において、
前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有しており、
空の前記資材収容運搬部材をトラックに積載して回収するときに、前記側壁部を倒伏させることなく積み重ねることが可能となっており、
前記支柱は前記底面部の少なくとも4隅に立設されており、
前記支柱間には、上下それぞれに横梁が架設されており、
上側の横梁と下側の横梁との間に、縦梁が架設されており、
各支柱間には、該縦梁に支持されるようにしてフェンスが設けられており、
前記上側の横梁及び下側の横梁にそれぞれプレートが固着されており、該プレートがボルトによって前記支柱に着脱可能に取り付けられており、
該ボルトを外すことにより該横梁、縦梁及びフェンスを取り外し、資材の出し入れを行うことが可能となっている資材収容運搬部材。
【請求項9】
水処理施設構築用の資材を収容して運搬するための資材収容運搬部材であって、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有する資材収容運搬部材において、
前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有しており、
前記側壁部は起立倒伏可能であり、
空の前記資材収容運搬部材をトラックに積載して回収するときに、前記側壁部を倒伏させて積み重ねることが可能となっており、
前記支柱は前記底面部の少なくとも4隅に立設されており、
前記支柱間には、上下それぞれに横梁が架設されており、
上側の横梁と下側の横梁との間に、縦梁が架設されており、
各支柱間には、該縦梁に支持されるようにしてフェンスが設けられており、
前記上側の横梁及び下側の横梁にそれぞれプレートが固着されており、該プレートがボルトによって前記支柱に着脱可能に取り付けられており、
該ボルトを外すことにより該横梁、縦梁及びフェンスを取り外し、資材の出し入れを行うことが可能となっている資材収容運搬部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理施設の構築方法と、この水処理施設の構築方法に用いる資材収容運搬部材に関する。
【背景技術】
【0002】
水処理施設を構築する場合、膜分離装置、凝集装置、イオン交換装置、タンクなどの機器や、配管等を施工現場又は組み立て工場に搬入し、組み立てを行う。
【0003】
大口径配管は、重量が大きいため、工場で政策及び検査後、1本乃至数本ずつ吊り上げ、トラックに積載し、施工現場又は組み立て工場に搬入する。施工現場又は組み立て工場では、大口径配管をクレーンで荷下ろしし、資材置き場に保管する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2003-126839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来例では、大口径配管を、1本乃至数本ずつ吊り上げ、吊り下ろしするため、時間と労力がかかる。また、バラの配管のままでは、トラックに積載できる本数が少ない。
【0006】
本発明は、配管等の資材の運搬が容易な資材収容運搬部材と、この資材収容運搬部材を用いた水処理施設の構築方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の水処理施設の構築方法は、資材を施工現場又は組み立て工場に搬入し、水処理施設を構築する方法において、資材を資材収容運搬部材に収容して施工現場又は組み立て工場に搬入することを特徴とする。
【0008】
本発明の一態様では、前記資材収容運搬部材を複数積み重ねて運搬する。
【0009】
本発明の一態様では、前記資材を収容した資材収容運搬部材を施工現場又は組み立て工場の資材置き場に一時保管する。
【0010】
本発明の一態様では、前記資材収容運搬部材はキャスタを備えている。
【0011】
本発明の一態様では、前記資材収容運搬部材は、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有する。
【0012】
本発明の一態様では、前記側壁部は、支柱を備えており、資材収容運搬部材の上に、資材を収容した資材収容運搬部材を積み重ねることができる強度を有する。
【0013】
本発明の一態様では、空の前記資材収容運搬部材をトラックに積載して回収するときに、前記側壁部を倒伏させることなく積み重ねる。
【0014】
本発明の一態様では、前記側壁部は起立倒伏可能である。
本発明の一態様では、空の前記資材収容運搬部材をトラックに積載して回収するときに、前記側壁部を倒伏させて積み重ねる。
【0015】
本発明の資材収容運搬部材は、水処理施設構築用の資材を収容して運搬するための資材収容運搬部材であって、底面部と、該底面部の周縁部から立設された側壁部とを有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、資材収容運搬部材を用いることにより、配管等の資材の運搬が容易となり、水処理施設の構築を効率よく行うことができる。また、その労力及びコストが低減される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】実施の形態に係る資材収容運搬部材の斜視図である。
図2】資材収容運搬部材の一部の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1を参照して実施の形態に係る資材収容運搬部材1について説明する。
【0019】
この資材収容運搬部材1は、長方形状の底面部2と、底面部2の長側辺部に沿う長手方向側壁部3,3と、底面部2の短側辺部に沿う短手方向側壁部4,4とを有する上開容器形状である。
【0020】
底面部2は、4周縁を構成する四角枠形のフレーム2fと、フレーム2fを横断するように架設された梁(図示略)と、該梁の上面側に設けられたエキスパンドメタル等よりなるメッシュ2mとを有する。
【0021】
フレーム2fの4隅と、フレーム2fの長側辺部の途中には、支柱5が立設されている。支柱5,5間には、上下それぞれに、横梁6,7が架設されている。横梁6,7間には、縦梁8が架設されている。支柱5,5間には、縦梁8に支持されるようにして、エキスパンドメタル等よりなるフェンス9が設けられている。
【0022】
フレーム2fの長側辺には、クレーンのフックを引掛けるためのアイ部10が設けられている。
【0023】
この資材収容運搬部材1にあっては、側壁部3,4が支柱5を備えており、該資材収容運搬部材1の上に、資材を収容した資材収容運搬部材1を積み重ねることができる強度及び構造を備えたものとなっている。
【0024】
このように構成された資材収容運搬部材1に大口径配管等の資材を収容し、トラックに積載して施工現場又は組み立て工場に搬入し、トラックから資材収容運搬部材1を吊り下ろす。資材収容運搬部材1の吊り上げ、吊り下ろしにはクレーンを利用するのが好ましいが、フォークリフトなどを用いてもよい。
【0025】
吊り下ろした資材収容運搬部材1は、資材置き場に移動させて一時保管するか、又は資材収容運搬部材1から直ちに資材を取り出して水処理施設の構築に用いる。資材収容運搬部材1にキャスタを設けておくと、施工現場又は組み立て工場内での資材収容運搬部材1の移動が容易となる。
【0026】
資材を取り出して空となった資材収容運搬部材1は、複数個、積み重ねるようにしてトラックに積載し、回収する。
【0027】
この資材収容運搬部材1を用いた水処理施設の構築方法によると、資材の積み込み、運搬、荷下ろし等の作業を少人数で短時間で効率よく行うことができる。また、複数の資材収容運搬部材1を積み重ねることにより、トラックに多数の資材収容運搬部材を積載することができる。
【0028】
なお、図2のように、横梁6,7にプレート6aを溶接等により固着しておき、プレート6aをボルト6bによって支柱5に着脱可能に取り付けてもよい。この場合、ボルト6bを外すことにより側壁部4を取り外し、資材の出し入れを行うことができる。
【0029】
図示は省略するが、本発明では、支柱5の下部にヒンジ機構等を設けることにより、側壁部3,4が底面部2側に起立倒伏可能となるように構成してもよい。このようにすれば、空になった資材収容運搬部材の各側壁部3,4を倒伏させ、トラックに多数の資材収容運搬部材を積載することができる。
【0030】
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記以外の態様とされてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 資材収容運搬部材
2 底面部
3,4 側壁部
5 支柱
6,7 横梁
8 縦梁
9 フェンス
図1
図2