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特許7597132基地局配置支援装置、基地局配置支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】基地局配置支援装置、基地局配置支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20241203BHJP
   H04W 64/00 20090101ALI20241203BHJP
   H04W 84/12 20090101ALN20241203BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W64/00 120
H04W84/12
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022581055
(86)(22)【出願日】2021-02-09
(86)【国際出願番号】 JP2021004787
(87)【国際公開番号】W WO2022172333
(87)【国際公開日】2022-08-18
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110004381
【氏名又は名称】弁理士法人ITOH
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】中平 俊朗
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 元晴
(72)【発明者】
【氏名】守山 貴庸
(72)【発明者】
【氏名】鷹取 泰司
【審査官】松野 吉宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-033435(JP,A)
【文献】特開2019-009658(JP,A)
【文献】木村共孝、可香谷昌人、伊藤友輔、平田孝志、村口正弘,UAVネットワークにおけるアクセスポイントの配置と選択,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.119 No.455,日本,一般社団法人電子情報通信学会,2020年02月27日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線端末のそれぞれの位置情報を、無線基地局の配置に関する制約条件を満たすような数のクラスタに分割するクラスタリング部と、
前記クラスタの数を前記無線端末に対する無線基地局の配置数とし、それぞれの前記クラスタに属する前記位置情報に基づいて前記無線基地局の配置位置を算出する算出部と、
を有し、
前記クラスタリング部は、前記複数の無線端末のそれぞれの位置情報を異なるクラスタとした状態から前記制約条件を満たすクラスタのペアの中でクラスタ間の電波伝搬減衰に基づく指標値が最小であるクラスタのペアの結合を再帰的に繰り返す、
とを特徴とする基地局配置支援装置。
【請求項2】
前記制約条件は、無線基地局から前記無線端末までの最大距離及び無線端末あたりの収容端末数のいずれか一方又は双方を含む、
ことを特徴とする請求項1記載の基地局配置支援装置。
【請求項3】
複数の無線端末のそれぞれの位置情報を、無線基地局の配置に関する制約条件を満たすような数のクラスタに分割するクラスタリング手順と、
前記クラスタの数を前記無線端末に対する無線基地局の配置数とし、それぞれの前記クラスタに属する前記位置情報に基づいて前記無線基地局の配置位置を算出する算出手順と、
をコンピュータが実行し、
前記クラスタリング手順は、前記複数の無線端末のそれぞれの位置情報を異なるクラスタとした状態から前記制約条件を満たすクラスタのペアの中でクラスタ間の電波伝搬減衰に基づく指標値が最小であるクラスタのペアの結合を再帰的に繰り返す、
ことを特徴とする基地局配置支援方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載の基地局配置支援装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局配置支援装置、基地局配置支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スマートフォンやタブレットをはじめとする無線端末の急速な普及に伴い、無線端末による大容量コンテンツの利用者が増加しており、無線ネットワーク上のトラヒック量が急激に増大している。無線トラヒックを低コストかつ手軽に収容するため、無線システム免許不要帯の電波を用いた高速無線アクセスシステムとして広く普及しているIEEE802.11無線LAN規格が利用されることが多い。家庭、オフィスをはじめとしたプライベートエリアや、店舗、駅、空港をはじめとした公衆エリアなど、様々なエリアにおいて、無線LANネットワークが提供されている。
【0003】
無線LANネットワークを構築するにあたっては、無線基地局装置の施工、パラメータ設定などの無線LAN通信部分、無線基地局-スイッチ間やスイッチとバックホール回線間などのネットワーク部分、及びユーザ認証やポータル画面などの上位サービス部分など、様々な要素を考慮して構築する必要がある。それらのうち、ここでは無線基地局装置の施工における、無線基地局装置の設置情報に着目する。
【0004】
一般に、無線通信では伝搬距離や遮蔽物によって無線信号が減衰すると、無線通信の品質や容量の低下が生じるため、無線基地局と無線端末との間の距離が短く、また、伝搬経路の見通しが確保できる状態が望ましい。一方で、無線基地局の設置数は機器装置、設置、及び運用にかかるコスト、並びに無線の電波干渉等により制約されるため、無線LANによりカバーするエリアに対し、必要な数の無線基地局を適切な場所に設置することが重要となる。無線基地局から電波が届く距離や、無線基地局1台で収容可能なユーザ数には限りがあり、それらの条件に応じて無線基地局の設置数及び設置場所を決定する必要がある。
【0005】
無線基地局の設置場所算出方法として、例えば、非特許文献1では、エリア内のユーザ分布に応じて無線基地局の位置を動的に変更する技術が提案されており、非特許文献2に示すk-meansクラスタリング手法を用いて、エリア内のユーザ位置に応じて無線基地局の設置場所を算出している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【文献】新井拓人、五藤大介、岩渕匡史、岩國辰彦、丸田一輝、"オフロード効率改善を実現する適応可動APシステムの提案" 信学技法, RCS2016-43, pp. 107-112, May. 2016.
【文献】J. Macqueen, "SOME METHODS FOR CLASSIFICATION AND ANALYSIS OF MULTIVARIATE OBSERVATIONS", Proc. of 5th Berkeley Symposium on Mathematical Statistics and Probability, pp.281-297, 1967.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記従来技術では、無線基地局の設置数は予め決めておく必要がある。そのため、無線基地局の設置数も含めて算出(最適化)しようとする場合、異なる無線基地局設置数で複数回計算を行い、結果を比較する必要があり、処理に多くの手間がかかる。
【0008】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであって、無線基地局の配置数及び配置位置の決定を効率化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで上記課題を解決するため、基地局配置支援装置は、複数の無線端末のそれぞれの位置情報を、無線基地局の配置に関する制約条件を満たすような数のクラスタに分割するクラスタリング部と、前記クラスタの数を前記無線端末に対する無線基地局の配置数とし、それぞれの前記クラスタに属する前記位置情報に基づいて前記無線基地局の配置位置を算出する算出部と、を有し、前記クラスタリング部は、前記複数の無線端末のそれぞれの位置情報を異なるクラスタとした状態から前記制約条件を満たすクラスタのペアの中でクラスタ間の電波伝搬減衰に基づく指標値が最小であるクラスタのペアの結合を再帰的に繰り返す

【発明の効果】
【0010】
無線基地局の配置数及び配置位置の決定を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態における基地局配置支援装置10のハードウェア構成例を示す図である。
図2】本発明の実施の形態における基地局配置支援装置10の機能構成例を示す図である。
図3】基地局配置支援装置10が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図4】端末配置情報の一例を示す図である。
図5】基地局配置条件を満たす端末クラスタ情報の生成処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
図6】各クラスタペアのパスの一例を示す図である。
図7】各クラスタペアのパスにおける電波伝搬減衰値の計算結果の一例を示す図である。
図8】各クラスタペアの無線距離の算出結果の一例を示す図である。
図9】「最大通信距離」を基地局配置条件とした場合の基地局30の配置情報の計算結果の一例を示す図である。
図10】「基地局あたりの収容端末数」を基地局配置条件とした場合の基地局30の配置情報の計算結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。本実施の形態では、無線通信の基地局(以下、「基地局30」という。)の配置情報(配置数及び配置場所)の算出方法が開示される。
【0013】
まず、基地局30の配置情報を算出する装置(コンピュータ)である基地局配置支援装置10について説明する。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態における基地局配置支援装置10のハードウェア構成例を示す図である。図1の基地局配置支援装置10は、それぞれバスBで相互に接続されているドライブ装置100、補助記憶装置102、メモリ装置103、CPU104、及びインタフェース装置105等を有する。
【0015】
基地局配置支援装置10での処理を実現するプログラムは、CD-ROM等の記録媒体101によって提供される。プログラムを記憶した記録媒体101がドライブ装置100にセットされると、プログラムが記録媒体101からドライブ装置100を介して補助記憶装置102にインストールされる。但し、プログラムのインストールは必ずしも記録媒体101より行う必要はなく、ネットワークを介して他のコンピュータよりダウンロードするようにしてもよい。補助記憶装置102は、インストールされたプログラムを格納すると共に、必要なファイルやデータ等を格納する。
【0016】
メモリ装置103は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置102からプログラムを読み出して格納する。CPU104は、メモリ装置103に格納されたプログラムに従って基地局配置支援装置10に係る機能を実行する。インタフェース装置105は、ネットワークに接続するためのインタフェースとして用いられる。
【0017】
図2は、本発明の実施の形態における基地局配置支援装置10の機能構成例を示す図である。図2において、基地局配置支援装置10は、情報取得部11、クラスタリング部12及び配置情報算出部13等を有する。これら各部は、基地局配置支援装置10にインストールされた1以上のプログラムが、CPU104に実行させる処理により実現される。当該プログラムは、記録媒体に記録された流通してもよいし、ネットワークを介して流通してもよい。
【0018】
以下、基地局配置支援装置10が実行する処理手順について説明する。図3は、基地局配置支援装置10が実行する処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0019】
ステップS101において、情報取得部11は、基地局30の配置先のエリアに関する情報(エリア情報)と、当該エリアにおける1以上の無線端末(以下、単に「端末20」という。)それぞれの位置を示す情報(以下、「端末配置情報」という。)とを取得する。エリア情報は、当該エリアのレイアウトを示す情報をいう。より詳しくは、エリア情報とは、エリアの広さ(形状)、壁や物体(電波の遮蔽物)の配置状況(物体の位置や形状)や材質情報等を示す情報である。
【0020】
図4は、端末配置情報の一例を示す図である。図4に示す通り、端末配置情報は、エリア情報が示すエリアA1における各端末20の位置を示す情報である。図4の例では、エリアA1の中に6台の端末20-A~Fが、図4に示す位置に配置されていることが示されている。
【0021】
エリア情報は、例えば、予め基地局配置支援装置10の補助記憶装置102等に登録されている。端末配置情報は、公知技術を用いて取得可能である。例えば、屋外であれば、GPS(Global Positioning System)を利用した位置情報が取得されてもよい。屋内であれば、Bluetooth(登録商標)ビーコン等による測位や地磁気を使った測位などによって取得されてもよい。また、端末20の位置が固定である場合、予め、各端末20の位置情報が登録されていてもよい。
【0022】
続いて、クラスタリング部12は、基地局30の配置に関して予め設定される制約条件(以下、「基地局配置条件」という。)を満たすように複数の端末20をクラスタリング(複数のクラスタに分割)して、クラスタリング結果を示す情報(以下、「端末クラスタ情報」という。)を生成する(S102)。なお、基地局配置条件の詳細については後述される。
【0023】
続いて、配置情報算出部13は、端末クラスタ情報に基づいて、基地局30の配置情報(配置数及び配置位置)を算出する(S103)。具体的には、配置情報算出部13は、端末クラスタ情報が示すクラスタの数を基地局30の配置数として算出する。配置情報算出部13は、また、端末クラスタ情報が示すそれぞれのクラスタに属する端末20の位置に基づいて、それぞれのクラスタに対応する基地局30の配置位置を算出する。例えば、配置情報算出部13は、クラスタの重心を基地局30の配置位置として算出してもよい。
【0024】
続いて、ステップS102の詳細について説明する。図5は、基地局配置条件を満たす端末クラスタ情報の生成処理の処理手順の一例を説明するためのフローチャートである。
【0025】
ステップS201において、クラスタリング部12は、端末配置情報に配置位置が示されている全ての端末20を個別のクラスタに設定する。したがって、端末20の数だけクラスタが生成される。
【0026】
続いて、クラスタリング部12は、現時点において存在するクラスタの中で、クラスタ結合が未判定のクラスタペアが存在するか否かを判定する(S202)。該当するクラスタペアが存在しない場合(S202でNo)、図5の処理は終了する。
【0027】
該当するクラスタペアが存在する場合(S202でYes)、
続いて、クラスタリング部12は、ステップS101において取得されたエリア情報及び端末配置情報に基づいて、クラスタ結合が未判定の各クラスタペアのクラスタ間のパスの電波伝搬減衰の推定値(以下、「電波伝搬減衰値」という。)を計算する(S203)。
【0028】
図6は、各クラスタペアのパスの一例を示す図である。図6では、ステップS102が初めて実行される状態における各クラスタペアのクラスタ間のパスの一例が示されている。したがって、1つの端末20が1つのクラスタに対応し、端末20間を接続する破線が、クラスタ間のパス(通信経路)を示す。クラスタの結合が1回以上行われた場合、2以上の端末20が属するクラスタについては、当該クラスタの重心がパスの接続点とされればよい。
【0029】
電波伝搬減衰値については、エリア情報(エリアの広さ、壁や物体の配置状況や材質情報等)と端末配置情報とに基づいて、レイトレースやシャドーイングを考慮した各種電波伝搬モデルなどを用いて算出することができる。図7に、各クラスタペアのパスにおける電波伝搬減衰値の計算結果の一例を示す。図7についても、1つの端末20が1つのクラスタに対応する。
【0030】
続いて、クラスタリング部12は、電波伝搬減衰値に基づいて各クラスタペアのクラスタ間のパスの無線距離を算出する(S204)。本実施の形態において、無線距離とは、物理的な距離に対して無線環境の条件を加味(例えば、遮蔽がある場合は距離を遠ざけるなど)した「無線通信観点での距離」を示す指標値をいう。
【0031】
図8に、各クラスタペアの無線距離の算出結果の一例を示す。電波伝搬減衰値から無線距離の算出については、例えば、送信電力を一定値に想定し、電波伝搬減衰値を自由空間損失(2乗減衰)を仮定した距離に変換することで算出することができる。また、各種減衰モデルも利用可能である。これにより、エリア情報(エリアの広さ、壁や物体の配置状況や材質情報等)を考慮して無線距離を算出することができる。
【0032】
なお、クラスタ結合が未判定の全てのクラスタペアについて電波伝搬減衰値及び無線距離を計算すると、条件によっては計算量が増大する可能性があるため、双方向性があるものとして片方のみこれらの値を計算する、また、クラスタ間の物理距離が一定以上離れているクラスタペアは計算を割愛し、無線距離を無限大とするなどの手法による効率化が可能である。
【0033】
続いて、クラスタリング部12は、クラスタ結合が未判定のクラスタペアの中から、無線距離が最小であるクラスタペアを1つ選択し、クラスタ結合判定済みとする(S205)。選択されたクラスタペアを、以下「対象クラスタペア」という。
【0034】
続いて、クラスタリング部12は、対象クラスタペアが基地局配置条件を満たすか否かを判定する(S206)。基地局配置条件は、例えば、「最大通信距離」及び「基地局あたりの収容端末数」のいずれか一方又は双方を含む条件である。
【0035】
「最大通信距離」は、クラスタに属する端末20から当該クラスタに対する基地局30の配置位置(例えば、当該クラスタの重心)までの距離に対する閾値(最大距離)である。対象クラスタペアの結合後のクラスタの重心から、当該結合後のクラスタに属する全ての端末20までの距離のそれぞれが「最大通信距離」以下であれば、「最大通信距離」に対する条件は満たされる。
【0036】
「基地局あたりの収容端末数」は、クラスタに属する端末数に対する閾値である。対象クラスタペアの結合後のクラスタに属する端末数が、「基地局あたりの収容端末数」以下であれば、「基地局あたりの収容端末数」に対する条件は満たされる。
【0037】
なお、「最大通信距離」及び「基地局あたりの収容端末数」の双方が基地局配置条件を構成する場合、双方が満たされた場合にのみ当該基地局配置条件が満たされる。
【0038】
対象クラスタペアが基地局配置条件を満たさない場合(S206でNo)、ステップS202へ戻る。対象クラスタペアが基地局配置条件を満たす場合(S206でYes)、クラスタリング部12は、対象クラスタペアを結合して新たなクラスタとして(S207)、ステップS202へ戻る。
【0039】
すなわち、クラスタリング部12は、複数の端末20のそれぞれの位置情報を異なるクラスタとした状態から基地局配置条件を満たすクラスタのペアの中で無線距離が最小であるクラスタのペアの結合を再帰的に繰り返す。
【0040】
基地局配置条件を満たす場合にクラスタの結合を進めることで、基地局配置条件を満たす範囲で基地局30の配置情報(無線基地局の配置数及び配置位置)を計算することができる。
【0041】
例えば、図9は、「最大通信距離」を基地局配置条件とした場合の基地局30の配置情報の計算結果の一例を示す図である。図9では、「最大通信距離」がX[m]である例が示されている。図9に示すエリアA1には、エリアA1における複数の端末20が3つのクラスタに分類され、その結果、3つの基地局30-A,B,Cが、それぞれのクラスタの重心に配置される例が示されている。
【0042】
また、図10は、「基地局あたりの収容端末数」を基地局配置条件とした場合の基地局30の配置情報の計算結果の一例を示す図である。図10では、「基地局あたりの収容端末数」が4である例が示されている。図10に示すエリアA1には、エリアA1における複数の端末20が4つのクラスタに分類され、その結果、4つの基地局30-A,B,C,Dが、それぞれのクラスタの重心に配置される例が示されている。
【0043】
上述したように、本実施の形態によれば、エリア内に分布した端末20に対し、基地局30の配置に関する制約条件(例えば、通信距離や基地局あたりの収容端末数)を満たす無線基地局の配置数及び配置位置を簡易に算出できる。したがって、無線基地局の配置数及び配置位置の決定を効率化することができる。
【0044】
したがって、従来技術では、無線基地局から電波が届く距離や、無線基地局1台で収容可能なユーザ数を考慮した無線基地局の配置場所の算出が困難であったが、本実施の形態では、斯かる算出も容易に行うことができる。
【0045】
なお、本実施の形態において、配置情報算出部13は、算出部の一例である。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は斯かる特定の実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0047】
10 基地局配置支援装置
11 情報取得部
12 クラスタリング部
13 配置情報算出部
20 端末
30 基地局
100 ドライブ装置
101 記録媒体
102 補助記憶装置
103 メモリ装置
104 CPU
105 インタフェース装置
B バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10