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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】画像表示装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/53 20190101AFI20241203BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20241203BHJP
【FI】
G06F16/53
G06T19/00 600
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021534579
(86)(22)【出願日】2020-06-03
(86)【国際出願番号】 JP2020021907
(87)【国際公開番号】W WO2021014775
(87)【国際公開日】2021-01-28
【審査請求日】2022-01-17
【審判番号】
【審判請求日】2023-12-20
(31)【優先権主張番号】P 2019133949
(32)【優先日】2019-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083116
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 憲三
(72)【発明者】
【氏名】金子 康彦
【合議体】
【審判長】須田 勝巳
【審判官】山崎 慎一
【審判官】脇岡 剛
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-309722(JP,A)
【文献】特開2017-168077(JP,A)
【文献】特開2006-338065(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F16/53
G06T19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
点検対象の構造物である被写体の3次元モデルと前記被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して前記被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを表示部に表示させる場合に、前記表示部に表示させる前記3次元モデルのビュー操作を受け付ける第1操作部と、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを読み出して前記表示部に表示させ、前記第1操作部が受け付けたビュー操作に基づいて前記3次元モデルを表示させる第1表示制御部と、
ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された前記3次元モデル上の前記表示部の画面上の位置が指定されると、前記指定された位置を示す位置情報を受け付ける第2操作部と、
前記受け付けた位置情報に基づいて前記3次元モデル上の3次元位置を特定し、前記記憶部に記憶された前記撮影画像群から前記特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索する撮影画像検索部と、
前記検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は前記検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する撮影画像決定部と、
前記撮影画像決定部により決定された前記最適な撮影画像を前記表示部に表示させ、又は前記決定された優先順位にしたがって前記複数の撮影画像の一部又は全部を前記表示部に表示させる第2表示制御部と、
を備えた画像表示装置。
【請求項2】
前記撮影画像決定部は、前記被写体に対する撮影画像の正対度、及び前記特定された3次元位置に対応する撮影画像上の位置と当該撮影画像の中心位置とのずれ量のうちの1以上の条件に基づいて、前記最適な撮影画像を決定し、又は前記検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する請求項1に記載の画像表示装置。
【請求項3】
前記ビュー操作は、前記表示部に表示させる前記3次元モデルを拡大、縮小、平行移動、又は回転移動させる操作であり、
前記第1表示制御部は、前記ビュー操作に基づいて前記表示部に表示させる前記3次元モデルを拡大表示、縮小表示、平行移動、又は回転移動させる請求項1又は2に記載の画像表示装置。
【請求項4】
前記3次元モデルは、前記被写体の表面上の多数の点の3次元情報からなる3次元点群で表したもの、前記3次元点群に基づいて多角形のポリゴンの集合体で前記被写体の表面を表したもの、又は前記多角形のポリゴンに前記被写体を撮影した撮影画像をテクスチャーマッピングしたものである請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記第1表示制御部は、前記表示部の第1表示領域に前記3次元モデルを表示させ、
前記第2表示制御部は、前記表示部の第2表示領域に前記撮影画像を表示させる請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記表示部における前記第1表示制御部による前記3次元モデルの表示と、前記第2表示制御部による前記撮影画像の表示とを切り替える表示切替部を備えた請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記撮影画像群を示す画像リストを表示部に表示させる第3表示制御部と、
ユーザ操作により前記画像リストから任意の撮影画像の選択指示を受け付ける第3操作部と、
前記選択指示された撮影画像に対応する前記3次元モデル上の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを読み出して前記表示部に表示させる第4表示制御部であって、前記位置情報取得部により取得された前記3次元モデル上の位置情報に基づいて、前記表示部に表示させた3次元モデル上に前記選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる第4表示制御部と、
を備えた請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記撮影画像群から抽出する撮影画像の絞り込み及び/又は前記撮影画像群の並べ替えを示す条件を設定する条件設定部と、
前記条件設定部により設定された条件に基づいて前記撮影画像群から絞り込んだ撮影画像を示す前記画像リスト、及び/又は前記撮影画像群を並べ替えた前記画像リストを作成する画像リスト作成部と、を備え、
前記第3表示制御部は、前記表示部に表示された前記画像リストを、前記画像リスト作成部により作成された前記画像リストにて更新する請求項7に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画像リストに表示される項目は、前記撮影画像群の各撮影画像の縮小画像、各撮影画像を特定する識別情報、前記被写体に対する撮影画像の正対度、前記被写体に対する撮影画像の距離、撮影画像の鮮明度、前記被写体の点検記録、損傷検出結果又は補修記録に紐付いているか否かを示す情報、及び撮影日時のうちの1以上を含む請求項7又は8に記載の画像表示装置。
【請求項10】
前記第4表示制御部は、前記指標が重畳表示された前記3次元モデルを前記表示部の第1表示領域に表示させ、前記選択指示された前記撮影画像を前記記憶部から読み出して前記表示部の第2表示領域に表示させる請求項7から9のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項11】
前記第4表示制御部は、前記取得された前記3次元モデル上の位置情報に基づいて前記表示部に表示させる前記3次元モデルを拡大、平行移動又は回転移動させ、前記3次元モデルに重畳表示される前記指標を見やすくさせる請求項7から10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項12】
点検対象の構造物である被写体の3次元モデルと前記被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して前記被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部を準備するステップと、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを表示部に表示させる場合に、前記表示部に表示させる前記3次元モデルのビュー操作を第1操作部が受け付けるステップと、
第1表示制御部が、前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを読み出して前記表示部に表示させ、前記第1操作部が受け付けたビュー操作に基づいて前記3次元モデルを表示させる第1表示ステップと、
第2操作部が、ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された前記3次元モデル上の前記表示部の画面上の位置が指定されると、前記指定された位置を示す位置情報を受け付けるステップと、
撮影画像検索部が、前記受け付けた位置情報に基づいて前記3次元モデル上の3次元位置を特定し、前記記憶部に記憶された前記撮影画像群から前記特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索するステップと、
撮影画像決定部が、前記検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は前記検索された複数の撮影画像の優先順位を決定するステップと、
第2表示制御部が、前記決定された前記最適な撮影画像を前記表示部に表示させ、又は前記決定された優先順位にしたがって前記複数の撮影画像の一部又は全部を表示させる第2表示ステップと、
を含む画像表示方法。
【請求項13】
前記撮影画像を決定するステップは、前記被写体に対する撮影画像の正対度、及び前記特定された3次元位置に対応する撮影画像上の位置と当該撮影画像の中心位置とのずれ量のうちの1以上の条件に基づいて、前記最適な撮影画像を決定し、又は前記検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する請求項12に記載の画像表示方法。
【請求項14】
前記ビュー操作は、前記表示部に表示させる前記3次元モデルを拡大、縮小、平行移動、又は回転移動させる操作であり、
前記第1表示ステップは、前記ビュー操作に基づいて前記表示部に表示させる前記3次元モデルを拡大表示、縮小表示、平行移動、又は回転移動させる請求項12又は13に記載の画像表示方法。
【請求項15】
前記3次元モデルは、前記被写体の表面上の多数の点の3次元情報からなる3次元点群で表したもの、前記3次元点群に基づいて多角形のポリゴンの集合体で前記被写体の表面を表したもの、又は前記多角形のポリゴンに前記被写体を撮影した撮影画像をテクスチャーマッピングしたものである請求項12から14のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項16】
前記第1表示ステップは、前記表示部の第1表示領域に前記3次元モデルを表示させ、
前記第2表示ステップは、前記表示部の第2表示領域に前記撮影画像を表示させる請求項12から15のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項17】
表示切替部が、前記表示部における前記第1表示ステップによる前記3次元モデルの表示と、前記第2表示ステップによる前記撮影画像の表示とを切り替える請求項12から15のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項18】
第3表示制御部が、前記撮影画像群を示す画像リストを前記表示部に表示させる第3表示ステップと、
第3操作部が、ユーザ操作により前記画像リストから任意の撮影画像の選択指示を受け付けるステップと、
位置情報取得部が、前記選択指示された撮影画像に対応する前記3次元モデル上の位置情報を取得するステップと、
第4表示制御部が、前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを読み出して前記表示部に表示させる第4表示ステップであって、前記取得された前記3次元モデル上の位置情報に基づいて、前記表示部に表示させた3次元モデル上に前記選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる第4表示ステップと、
を含む請求項12から17のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項19】
前記撮影画像群から抽出する撮影画像の絞り込み及び/又は前記撮影画像群の並べ替えを示す条件を条件設定部により設定するステップと、
画像リスト作成部が、前記設定された条件に基づいて前記撮影画像群から絞り込んだ撮影画像を示す前記画像リスト、及び/又は前記撮影画像群を並べ替えた前記画像リストを作成するステップと、を含み、
前記第3表示ステップは、前記表示部に表示された前記画像リストを、前記作成された前記画像リストにて更新する請求項18に記載の画像表示方法。
【請求項20】
前記画像リストに表示される項目は、前記撮影画像群の各撮影画像の縮小画像、各撮影画像を特定する識別情報、前記被写体に対する撮影画像の正対度、前記被写体に対する撮影画像の距離、撮影画像の鮮明度、前記被写体の点検記録、損傷検出結果又は補修記録に紐付いているか否かを示す情報、及び撮影日時のうちの1以上を含む請求項18又は19に記載の画像表示方法。
【請求項21】
前記第4表示ステップは、前記指標が重畳表示された前記3次元モデルを前記表示部の第1表示領域に表示させ、前記選択指示された前記撮影画像を前記記憶部から読み出して前記表示部の第2表示領域に表示させる請求項18から20のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項22】
前記第4表示ステップは、前記取得された前記3次元モデル上の位置情報に基づいて前記表示部に表示させる前記3次元モデルを拡大、平行移動又は回転移動させ、前記3次元モデルに重畳表示される前記指標を見やすくさせる請求項18から21のいずれか1項に記載の画像表示方法。
【請求項23】
点検対象の構造物である被写体の3次元モデルと前記被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して前記被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータにインストールされる画像表示プログラムであって、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを表示部に表示させる場合に、前記3次元モデルのビュー操作を受け付ける機能と、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを読み出して前記表示部に表示させ、前記ビュー操作に基づいて前記3次元モデルを表示させる機能と、
ユーザ操作に応じて前記表示部に表示された前記3次元モデル上の前記表示部の画面上の位置が指定されると、前記指定された位置を示す位置情報を受け付ける機能と、
前記受け付けた位置情報に基づいて前記3次元モデル上の3次元位置を特定し、前記記憶部に記憶された前記撮影画像群から前記特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索する機能と、
前記検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は前記検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する機能と、
前記決定された前記最適な撮影画像を前記表示部に表示させ、又は前記決定された優先順位にしたがって前記複数の撮影画像の一部又は全部を前記表示部に表示させる機能と、
を前記コンピュータに実現させる画像表示プログラム。
【請求項24】
前記撮影画像群を示す画像リストを前記表示部に表示させる機能と、
ユーザ操作により前記画像リストから選択された撮影画像の選択指示を受ける機能と、
前記選択指示された撮影画像に対応する前記3次元モデル上の位置情報を取得する機能と、
前記記憶部に記憶された前記3次元モデルを読み出して前記表示部に表示させる機能であって、前記取得された前記3次元モデル上の位置情報に基づいて、前記表示部に表示させた3次元モデル上に前記選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる機能と、
を前記コンピュータに実現させる請求項23に記載の画像表示プログラム。
実現させる請求項23に記載の画像表示プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画像表示装置、方法及びプログラムに係り、特に被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して撮影した撮影画像群から所望の撮影画像を取得する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、構造物を撮影した大量の画像の中から構造物の構造的なまとまり毎に、画像をまとめて取得することができる画像管理装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に記載の画像管理装置は、構造物に係る3次元点群、又は3次元点群を基に生成したメッシュからなる3次元モデルを表示部に表示し、表示された3次元点群又は3次元モデルを使用して、ユーザにより構造物の3次元座標が指定されると、指定された3次元座標に基づいて3次元点群の中から、構造物における構造的なまとまりであるセグメントに対応する3次元点を抽出する。ここで、セグメントは、構造物の点検対象部位に相当し、例えば、橋梁を対象にした点検においては、主桁や床版等である。
【0004】
この画像管理装置は、構造物の画像を記憶する画像記憶部から、抽出したセグメントに対応する3次元点に関連付けられた画像を取得し、取得した画像を表示部に表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-130146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の画像管理装置によれば、ユーザにより指定された構造物の3次元座標に基づいて、構造物における構造的なまとまりであるセグメント(構造物が橋梁の場合には主桁や床版等の点検対象部位)を特定し、そのセグメントに関連付けられた画像を取得してユーザに提示する。これにより、ユーザは、点検対象部位が撮影された画像をまとめて閲覧することができるものの、画像管理装置により提示される画像には、ユーザが指定した位置(構造物の3次元座標)が撮影されていない画像が含まれる。
【0007】
特許文献1に記載の画像管理装置は、ユーザが構造物の点検対象部位を撮影した画像をまとめて閲覧したい場合、構造物が撮影された大量の画像の中から、目的の画像(点検対象部位の画像)を取得し、ユーザに提示するものだからである。
【0008】
即ち、特許文献1に記載の画像管理装置は、ユーザが指定した位置が撮影されている画像を取得して提示するものではない。また、ユーザは、表示部に表示された3次元点群等を使用して、構造物の3次元座標を指定するものの、この3次元座標の指定は、点検対象部位の指定を意味し、3次元座標に対応する構造物の3次元点の画素を含む画像を指定するものではない。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、構造物等の被写体の所望の3次元点の画素を含む複数の撮影画像のうちの最適な撮影画像、又は複数の撮影画像の一部又は全部を優先順位にしたがって表示させることができる画像表示装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明の一の態様に係る画像表示装置は、被写体の3次元モデルと被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された3次元モデルを表示部に表示させる場合に、表示部に表示させる3次元モデルのビュー操作を受け付ける第1操作部と、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させ、第1操作部が受け付けたビュー操作に基づいて3次元モデルを表示させる第1表示制御部と、ユーザ操作に応じて表示部に表示された3次元モデル上の位置を示す位置情報を受け付ける第2操作部と、受け付けた位置情報に基づいて3次元モデル上の3次元位置を特定し、記憶部に記憶された撮影画像群から特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索する撮影画像検索部と、検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する撮影画像決定部と、撮影画像決定部により決定された最適な撮影画像を表示部に表示させ、又は決定された優先順位にしたがって複数の撮影画像の一部又は全部を表示部に表示させる第2表示制御部と、を備える。
【0011】
本発明の一の態様によれば、被写体の3次元モデルを表示部に表示させ、3次元モデルを拡大等のビュー操作を行うことで、被写体を俯瞰しながら被写体の所望の位置を容易に指定することができる。
【0012】
撮影画像検索部は、被写体の所望の位置が指定されると、その位置に対応する3次元モデル上の3次元位置を特定し、被写体を撮影した撮影画像群の中から、特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索する。尚、被写体を撮影した撮影画像群の各撮影画像は、互いに重なる重複領域があるため、撮影画像群の中には被写体の或る3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像が存在する。
【0013】
撮影画像決定部は、検索された複数の撮影画像の中から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定し、第2表示制御部は、決定された最適な撮影画像を表示部に表示させ、又は決定された優先順位にしたがって複数の撮影画像の一部又は全部を表示部に表示させる。
【0014】
これにより、被写体の所望の3次元点の画素を含む複数の撮影画像の中の最適な撮影画像、又は複数の撮影画像の一部又は全部を優先順位にしたがって表示させることができる。
【0015】
本発明の他の態様に係る画像表示装置において、撮影画像決定部は、被写体に対する撮影画像の正対度、被写体に対する撮影画像の距離、特定された3次元位置に対応する撮影画像上の位置と撮影画像の中心位置とのずれ量、及び撮影画像の鮮明度のうちの1以上の条件に基づいて、最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定することが好ましい。
【0016】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、ビュー操作は、表示部に表示させる3次元モデルを拡大、縮小、平行移動、又は回転移動させる操作であり、第1表示制御部は、ビュー操作に基づいて表示部に表示させる3次元モデルを拡大表示、縮小表示、平行移動、又は回転移動させることが好ましい。
【0017】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、3次元モデルは、被写体の表面上の多数の点の3次元情報からなる3次元点群で表したもの、3次元点群に基づいて多角形のポリゴンの集合体で被写体の表面を表したもの、又は多角形のポリゴンに被写体を撮影した撮影画像をテクスチャーマッピングしたものである。
【0018】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、第1表示制御部は、表示部の第1表示領域に3次元モデルを表示させ、第2表示制御部は、表示部の第2表示領域に撮影画像を表示させることが好ましい。
【0019】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、表示部における第1表示制御部による3次元モデルの表示と、第2表示制御部による撮影画像の表示とを切り替える表示切替部を備えることが好ましい。
【0020】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、撮影画像群を示す画像リストを表示部に表示させる第3表示制御部と、ユーザ操作により画像リストから任意の撮影画像の選択指示を受け付ける第3操作部と、選択指示された撮影画像に対応する3次元モデル上の位置情報を取得する位置情報取得部と、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させる第2表示制御部であって、位置情報取得部により取得された3次元モデル上の位置情報に基づいて、表示部に表示させた3次元モデル上に選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる第4表示制御部と、を備えることが好ましい。
【0021】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、撮影画像群から抽出する撮影画像の絞り込み及び/又は撮影画像群の並べ替えを示す条件を設定する条件設定部と、条件設定部により設定された条件に基づいて撮影画像群から絞り込んだ撮影画像を示す画像リスト、及び/又は撮影画像群を並べ替えた画像リストを作成する画像リスト作成部と、を備え、第3表示制御部は、表示部に表示された画像リストを、画像リスト作成部により作成された画像リストにて更新することが好ましい。
【0022】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、画像リストに表示される項目は、撮影画像群の各撮影画像の縮小画像、各撮影画像を特定する識別情報、被写体に対する撮影画像の正対度、被写体に対する撮影画像の距離、撮影画像の鮮明度、被写体の点検記録、損傷検出結果又は補修記録に紐付いているか否かを示す情報、及び撮影日時のうちの1以上を含むことが好ましい。
【0023】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、第4表示制御部は、指標が重畳表示された3次元モデルを表示部の第1表示領域に表示させ、選択指示された撮影画像を記憶部から読み出して表示部の第2表示領域に表示させることが好ましい。
【0024】
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置において、第4表示制御部は、取得された3次元モデル上の位置情報に基づいて表示部に表示させる3次元モデルを拡大、平行移動又は回転移動させ、3次元モデルに重畳表示される指標を見やすくさせることが好ましい。
【0025】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法は、被写体の3次元モデルと被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部を準備するステップと、記憶部に記憶された3次元モデルを表示部に表示させる場合に、表示部に表示させる3次元モデルのビュー操作を第1操作部が受け付けるステップと、第1表示制御部が、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させ、第1操作部が受け付けたビュー操作に基づいて3次元モデルを表示させる第1表示ステップと、第2操作部が、ユーザ操作に応じて表示部に表示された3次元モデル上の位置を示す位置情報を受け付けるステップと、撮影画像検索部が、受け付けた位置情報に基づいて3次元モデル上の3次元位置を特定し、記憶部に記憶された撮影画像群から特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索するステップと、撮影画像決定部が、検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定するステップと、第2表示制御部が、決定された最適な撮影画像を表示部に表示させ、又は決定された優先順位にしたがって複数の撮影画像の一部又は全部を表示させる第2表示ステップと、を含む。
【0026】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、撮影画像を決定するステップは、被写体に対する撮影画像の正対度、被写体に対する撮影画像の距離、特定された3次元位置に対応する撮影画像上の位置と撮影画像の中心位置とのずれ量、及び撮影画像の鮮明度のうちの1以上の条件に基づいて、最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定することが好ましい。
【0027】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、ビュー操作は、表示部に表示させる3次元モデルを拡大、縮小、平行移動、又は回転移動させる操作であり、第1表示ステップは、ビュー操作に基づいて表示部に表示させる3次元モデルを拡大表示、縮小表示、平行移動、又は回転移動させることが好ましい。
【0028】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、3次元モデルは、被写体の表面上の多数の点の3次元情報からなる3次元点群で表したもの、3次元点群に基づいて多角形のポリゴンの集合体で被写体の表面を表したもの、又は多角形のポリゴンに被写体を撮影した撮影画像をテクスチャーマッピングしたものであることが好ましい。
【0029】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、第1表示ステップは、表示部の第1表示領域に3次元モデルを表示させ、第2表示ステップは、表示部の第2表示領域に撮影画像を表示させることが好ましい。
【0030】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、表示切替部が、表示部における第1表示ステップによる3次元モデルの表示と、第2表示ステップによる撮影画像の表示とを切り替えることが好ましい。
【0031】
本発明の更に他の態様に係るにおいて、第3表示制御部が、撮影画像群を示す画像リストを表示部に表示させる第3表示ステップと、第3操作部が、ユーザ操作により画像リストから任意の撮影画像の選択指示を受け付けるステップと、位置情報取得部が、選択指示された撮影画像に対応する3次元モデル上の位置情報を取得するステップと、第4表示制御部が、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させる第4表示ステップであって、取得された3次元モデル上の位置情報に基づいて、表示部に表示させた3次元モデル上に選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる第4表示ステップと、を含むことが好ましい。
【0032】
本発明の更に他の態様に係るに画像表示方法において、撮影画像群から抽出する撮影画像の絞り込み及び/又は撮影画像群の並べ替えを示す条件を条件設定部により設定するステップと、画像リスト作成部が、設定された条件に基づいて撮影画像群から絞り込んだ撮影画像を示す画像リスト、及び/又は撮影画像群を並べ替えた画像リストを作成するステップと、を含み、第3表示ステップは、表示部に表示された画像リストを、作成された画像リストにて更新することが好ましい。
【0033】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、画像リストに表示される項目は、撮影画像群の各撮影画像の縮小画像、各撮影画像を特定する識別情報、被写体に対する撮影画像の正対度、被写体に対する撮影画像の距離、撮影画像の鮮明度、被写体の点検記録、損傷検出結果又は補修記録に紐付いているか否かを示す情報、及び撮影日時のうちの1以上を含むことが好ましい。
【0034】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、第4表示ステップは、指標が重畳表示された3次元モデルを表示部の第1表示領域に表示させ、選択指示された撮影画像を記憶部から読み出して表示部の第2表示領域に表示させることが好ましい。
【0035】
本発明の更に他の態様に係る画像表示方法において、第4表示ステップは、取得された3次元モデル上の位置情報に基づいて表示部に表示させる3次元モデルを拡大、平行移動又は回転移動させ、3次元モデルに重畳表示される指標を見やすくさせることが好ましい。
【0036】
更に他の態様に係る発明は、被写体の3次元モデルと被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータにインストールされる画像表示プログラムであって、記憶部に記憶された3次元モデルを表示部に表示させる場合に、3次元モデルのビュー操作を受け付ける機能と、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させ、ビュー操作に基づいて3次元モデルを表示させる機能と、ユーザ操作に応じて表示部に表示された3次元モデル上の位置を示す位置情報を受け付ける機能と、受け付けた位置情報に基づいて3次元モデル上の3次元位置を特定し、記憶部に記憶された撮影画像群から特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索する機能と、検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する機能と、決定された最適な撮影画像を表示部に表示させ、又は決定された優先順位にしたがって複数の撮影画像の一部又は全部を表示部に表示させる機能と、をコンピュータに実現させる。
【0037】
本発明の更に他の態様に係る画像表示プログラムにおいて、撮影画像群を示す画像リストを表示部に表示させる機能と、ユーザ操作により画像リストから選択された撮影画像の選択指示を受ける機能と、選択指示された撮影画像に対応する3次元モデル上の位置情報を取得する機能と、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させる機能であって、取得された3次元モデル上の位置情報に基づいて、表示部に表示させた3次元モデル上に選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる機能と、をコンピュータに実現させることが好ましい。
本発明の更に他の態様に係る画像表示装置は、被写体の3次元モデルと被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部と、記憶部に記憶された3次元モデルを表示部に表示させる場合に、3次元モデルのビュー操作を受け付け、記憶部に記憶された3次元モデルを読み出して表示部に表示させ、ビュー操作に基づいて3次元モデルを表示させ、ユーザ操作に応じて表示部に表示された3次元モデル上の位置を示す位置情報を受け付け、受け付けた位置情報に基づいて3次元モデル上の3次元位置を特定し、記憶部に記憶された撮影画像群から特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索し、検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定し、決定された最適な撮影画像を表示部に表示させ、又は決定された優先順位にしたがって複数の撮影画像の一部又は全部を表示部に表示させるプロセッサと、を備える。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、構造物等の被写体を撮影した撮影画像群から、ユーザが指定した位置を撮影した複数の撮影画像を検索し、複数の撮影画像のうちの最適な撮影画像、又は複数の撮影画像の一部又は全部を優先順位にしたがって表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1図1は、本発明に係る画像表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、記憶部に記憶される撮影画像群、3次元モデル及び画像リストを示す概念図である。
図3図3は、撮影画像群に基づいて3次元モデル及び画像リストが生成されることを示す概念図である。
図4図4は、CPUの各機能を示す機能ブロック図である。
図5図5は、被写体である橋梁の全景を示す3次元モデルが表示された表示部の画面の一例を示す図である。
図6図6は、拡大等のビュー操作により立体的に動かされた橋梁の3次元モデルを表示した、表示部の画面の一例を示す図である。
図7図7は、橋梁の管理区分の1つである床版の格間に対応するオルソ画像の一例を示す図である。
図8図8は、格間に対応する損傷図の一例を示す図である。
図9図9は、格間に対応する損傷図が重畳されたオルソ画像の一例を示す図である。
図10図10は、格間に対応する損傷数量表の一例を示す図表である。
図11図11は、画像リストの一例を示す図表である。
図12図12は、本発明に係る画像表示方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
図13図13は、複数の撮影画像の中から決定された最適な撮影画像が表示された表示部の画面の一例を示す図である。
図14図14は、複数の撮影画像の中から決定された最適な撮影画像が表示された表示部の画面の他の例を示す図である。
図15図15は、複数の撮影画像の中から決定された最適な撮影画像等が表示された表示部の画面の更に他の例を示す図である。
図16図16は、本発明に係る画像表示方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
図17図17は、図16に示したステップS100の処理の第1例を示すサブルーチンを示す図である。
図18図18は、図16に示したステップS100の処理の第2例を示すサブルーチンを示す図である。
図19図19は、図16に示したステップS100の処理の第3例を示すサブルーチンを示す図である。
図20図20は、選択指示された撮影画像とその撮影画像の撮影範囲を含む3次元モデルとが表示された表示部の画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、添付図面に従って本発明に係る画像表示装置、方法及びプログラムの好ましい実施形態について説明する。
【0041】
[画像表示装置のハードウエア構成]
図1は、本発明に係る画像表示装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0042】
図1に示す画像表示装置10としては、パーソナルコンピュータ又はワークステーションを使用することができる。本例の画像表示装置10は、主として画像取得部12と、記憶部16と、操作部18と、CPU(Central Processing Unit)20と、RAM(Random Access Memory)22と、ROM(Read Only Memory)24と、表示制御部26とから構成されている。
【0043】
画像取得部12は、入出力インターフェースに相当し、被写体を撮影した撮影画像等を取得する。本例の被写体は、橋梁、トンネル等の点検対象の構造物である。
【0044】
画像取得部12が取得する画像は、例えば、カメラを搭載したドローン(無人飛行体)により被写体(構造物)を撮影した多数の画像(撮影画像群)である。撮影画像群は、構造物の全体を網羅するものであり、かつ隣接する各撮影画像は、8割程度の範囲で画像が重複していることが好ましい。したがって、構造物の大きさにもよるが、撮影画像群は、1000枚以上になる。
【0045】
画像取得部12により取得した撮影画像群は、記憶部16に記憶される。
【0046】
記憶部16は、ハードディスク装置、フラッシュメモリ等から構成される記憶部であり、図2に示すように記憶部16には、撮影画像群16A、構造物の3次元モデル16B及び画像リスト16Cが記憶される。
【0047】
3次元モデル16B及び画像リスト16Cは、図3の概念図で示すように撮影画像群16Aに基づいて生成することができる。尚、3次元モデル16B、及び画像リスト16Cの詳細については後述する。
【0048】
また、記憶部16には、オペレーティングシステム、本発明に係る画像表示プログラム、及び各種のパラメータ等が記憶される。
【0049】
操作部18は、コンピュータに有線接続又は無線接続されるキーボード及びマウス等のUI(User Interface)を含む。かかるキーボード及びマウス等は、本例では、コンピュータの通常の操作入力を受け付ける操作部として機能する他に、表示部30の画面に表示させる3次元モデルの拡大等を含むビュー操作を受け付ける第1操作部として機能し、また、ユーザ操作に応じて表示部30に表示された3次元モデル上の位置を示す位置情報を受け付ける第2操作部として機能し、更にユーザ操作により画像リストから任意の撮影画像の選択指示を受け付ける第3操作部として機能する。
【0050】
また、操作部18は、撮影画像群から抽出する撮影画像の絞り込みの条件(絞り込み条件)、及び/又は撮影画像群の並べ替えを示す条件(ソート条件)を設定する条件設定部の操作部として機能する。
【0051】
CPU20は操作部18からの入力を受付け、各種処理を行う。具体的には、CPU20は、記憶部16又はROM24等に記憶された各種のプログラムを読み出し、操作部18からの入力に基づいて各部を統括制御する。また、CPU20は、本発明に係る画像表示プログラムを実行することにより、図4に示すように撮影画像検索部20A、撮影画像決定部20B、表示切替部20C、画像リスト作成部20D、位置情報取得部20E、及び条件設定部20F等の機能を有する。
【0052】
RAM22は、CPU20の作業領域として使用され、読み出されたプログラムや各種のデータを一時的に記憶する記憶部として用いられる。
【0053】
表示制御部26は、GPU(Graphics Processing Unit)等により構成され、表示部30に表示させる表示用データを作成する。表示制御部26は、表示部30に出力する部分であり、本例では記憶部16に記憶された3次元モデルを読み出して表示部30に3次元モデルを表示させ、操作部18による3次元モデルの拡大を含むビュー操作に基づいて3次元モデルを拡大表示させる第1表示制御部として機能し、また、撮影画像決定部20B(CPU20)により決定された撮影画像を記憶部16から読み出し、読み出した撮影画像を表示部30に表示させる第2表示制御部として機能する。なお、表示制御部26は、上述のGPUではなくCPU20により実現されてもよい。
【0054】
また、表示制御部26は、画像リスト作成部20D(CPU20)により作成された画像リストを表示部30に表示させる第3表示制御部として機能する。表示制御部26は更に記憶部16に記憶された3次元モデルを読み出して表示部30に表示させる第4表示制御部であって、位置情報取得部20Eにより取得された3次元モデル上の位置情報に基づいて、表示部30に表示させた3次元モデル上に操作部18(第3操作部)により選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる第4表示制御部としても機能する。
【0055】
表示部30は、コンピュータに接続可能な液晶モニタ等の各種のモニタが用いられ、表示制御部26から入力する表示用データにより3次元モデル、撮影画像、画像リスト等の各種の情報を表示し、また、操作部18とともにユーザインターフェースの一部として使用される。
【0056】
上記構成の画像表示装置10は、操作部18からの指示入力によりCPU20が、記憶部16又はROM24に記憶されている本発明に係る画像表示プログラムを読み出し、画像表示プログラムを実行することにより、操作部18による操作に応じて各種の情報を表示部30に表示させる。
【0057】
3次元モデルは、構造物を撮影した撮影画像群の、互いに重複する撮影画像間の特徴点を抽出し、抽出した特徴点に基づいて、ドローンに搭載されたカメラの位置及び姿勢を推定し、また、カメラの位置及び姿勢の推定結果から同時に特徴点の3次元位置を推定した3次元点群を含む。
【0058】
ドローンによりカメラの撮影位置が動いていく撮影画像群の中から、多数の特徴点の動きをトラッキングし、構造物の3次元構造(Structure)とカメラ姿勢(Motion)とを同時に推定するStructure from Motion(SfM)手法がある。近年、bundle adjustmentという最適化計算法が開発され、高精度な出力を出せるようになっている。
【0059】
尚、SfM手法を適用する場合に必要なカメラのパラメータ(焦点距離、イメージセンサの画像サイズ、画素ピッチ等)は、記憶部16に記憶させたものを使用することができる。また、SfM手法では、絶対的なスケールは求めることができないため、例えば、構造物の既知の大きさ(2点間の距離等)を指示することで、絶対的なスケール(3次元位置)を求めることができる。
【0060】
ここで、3次元モデルは、構造物の表面上の多数の点の3次元点群で表したもの、3次元点群に基づいて多角形のポリゴン(例えば、三角パッチ)の集合体で構造物の表面を表したもの、又は多角形のポリゴンに構造物を撮影した撮影画像(テクスチャ)をテクスチャーマッピングしたものが考えられる。本例の構造物の3次元モデルは、多角形のポリゴンに撮影画像をテクスチャーマッピングしたものとする。
【0061】
ところで、構造物の定期点検は、構造物を構成する部位及び部材の点検単位の区分である、管理区分毎に行われる。
【0062】
以下、構造物として橋梁を例に説明する。
【0063】
図5は、橋梁1の全景を示す3次元モデル16Bが表示された表示部30の画面30Aの一例を示す図であり、図6は、拡大等のビュー操作により立体的に動かされた橋梁1の3次元モデル16Bを表示した、表示部30の画面30Aの一例を示す図である。
【0064】
図6において、画面30Aに表示されている橋梁1は、橋脚7の間に渡された主桁2と、主桁2と直交する方向に設けられ、主桁間を連結する横桁3と、風、地震等の横荷重に抵抗するために主桁2を相互に連結する対傾構4及び横構5とを含む各種の部材から構成されている。そして、主桁等の上部には、車輌等が走行するための床版6が打設されている。床版6は、鉄筋コンクリート製のものが一般的である。
【0065】
床版6は、通常、主桁2と横桁3とにより画成された矩形形状の格間が基本単位となっており、床版の損傷(ひび割れ、コンクリート剥離など)を点検する場合、格間単位で行われる。
【0066】
したがって、床版の各格間は、構造物(橋梁)を構成する部位及び部材の点検単位の管理区分の一つである。尚、橋梁の管理区分となり得る構造物を構成する部位・部材区分は、床版(格間)の他に、構造物を構成する部位・部材区分(主桁2、横桁3、対傾構4、横構5、橋脚7(柱部・壁部、梁部、隅角部・接合部))などがある。
【0067】
記憶部16には、構造物の管理区分毎の管理情報を記憶させることができる。
【0068】
構造物の管理区分毎の管理情報としては、構造物の管理区分に対応するオルソ画像、損傷情報が重畳されたオルソ画像、損傷図、損傷数量表、補修図、又は補修数量表などが考えられる。これらの管理情報は、構造物の点検が行われた時や補修時に作成される。
【0069】
図7は、橋梁の格間に対応するオルソ画像の一例を示す図である。
【0070】
オルソ画像は、被写体(格間)の撮影画像を、格間の面に正射影された画像である。1つの格間のオルソ画像は、記憶部16に記憶された撮影画像群から、その格間に対応する複数の撮影画像を抽出し、抽出した複数の撮影画像をパノラマ合成し、パノラマ合成した画像が、格間の面に正射影された画像になるように、パノラマ合成した画像を射影変換することで作成することができる。
【0071】
複数の撮影画像のパノラマ合成は、互いに重複する撮影画像間の重複領域の複数の特徴点を抽出し、抽出した複数の特徴点をそれぞれ一致させる画像処理により行うことができる。また、パノラマ合成された画像の格間の面への正射影は、パノラマ合成された画像内の格間の四隅に対応する位置と、格間の四隅の3次元位置とを一致させる射影変換により行うことができる。
【0072】
図8は、格間に対応する損傷図の一例を示す図である。
【0073】
図8に示す損傷図には、5本のひび割れC1~C5、コンクリートの剥離H1が図示されている。損傷図は、オルソ画像上で視認したひび割れ、剥離等の損傷を手動でトレースしたり、オルソ画像から自動で損傷を検出する画像処理を行い、必要に応じて手動で補正することで生成することができる。
【0074】
図9は、格間に対応する損傷図が重畳されたオルソ画像の一例を示す図である。
【0075】
図9に示す損傷図が重畳されたオルソ画像は、図7に示したオルソ画像に図8に示した損傷図を重畳することで作成することができる。
【0076】
損傷図は、損傷箇所が赤色等の目立つ色が付されて作成されており、オルソ画像に損傷図を重畳することで、損傷箇所を容易に視認することができる。
【0077】
図10は、格間に対応する損傷数量表の一例を示す図表である。
【0078】
図10に示す損傷数量表では、損傷ID(identification)、損傷種類、サイズ(幅)、サイズ(長さ)、サイズ(面積)の項目を有し、損傷毎に各項目に対応する情報が記載されている。
【0079】
次に、記憶部16に記憶される画像リスト14Cについて説明する。
【0080】
図11は、画像リスト16Cの一例を示す図表である。
【0081】
図11に示す画像リスト16Cは、撮影画像群16Aの各撮影画像の属性、各撮影画像を管理するための情報、各撮影画像と3次元モデル16Bとを紐付けるための情報等を含む。
【0082】
図11に示す画像リスト16Cに表示される項目は、各撮影画像の縮小画像(サムネイル)、各撮影画像を特定する識別情報(画像ファイル名)、構造物に対する撮影画像の正対度、構造物に対する撮影画像の距離、構造物の点検記録に紐付いているかを示す情報、ひび等の損傷検出結果(例えば、図8に示した損傷図、図9に示した損傷数量表等)に紐付いているか否かを示す情報、各撮影画像に写っている構造物の位置情報(3次元位置情報)、及び、撮影日時を含む。尚、画像リスト16Cには、上記の例に限らず、各撮影画像の鮮明度、補修記録(補修図)に紐付いているか否かを示す情報等を含めることができる。
【0083】
ここで、撮影画像の正対度とは、本例では撮影画像に対応する構造物の面の法線方向と、その撮影画像の撮影時のカメラの撮影方向との成す角度をいう。したがって、撮影画像は、正対度(角度)が小さい程、構造物に対して、より正対して撮影されたものとなり、良好が画像である。構造物に対する撮影画像の距離は、撮影画像に対応する構造物とその撮影画像の撮影時のカメラとの距離(撮影距離)である。
【0084】
撮影画像に写っている構造物の位置情報は、撮影画像に写っている範囲内の構造物の3次元点群の他、その3次元点群の代表的な3次元点(例えば、撮影画像の四隅、又はその近傍の3次元点)とすることができる。この撮影画像に写っている構造物の位置情報は、撮影画像群16Aと3次元モデル16Bとを紐付ける情報となる。
【0085】
[画像表示方法]
<第1実施形態>
図12は、本発明に係る画像表示方法の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0086】
図12において、図1及び図4に示した画像表示装置10の各部の動作を説明しつつ、本発明に係る画像表示方法の第1実施形態を説明する。
【0087】
画像表示装置10の記憶部16には、図2に示したように構造物(本例では橋梁)を撮影した撮影画像群16A、3次元モデル16B、及び画像リスト16Cが記憶されている。本例の画像表示方法を実施する場合、かかる記憶部16を予め準備しておく。
【0088】
図12において、第1表示制御部として機能する表示制御部26は、まず、記憶部16に記憶された3次元モデル16Bを読み出して3次元モデル18Bを表示部30に表示させる(ステップS10、第1表示ステップ)。ここで、表示制御部26は、3次元モデル16Bを表示部30に最初に表示させる場合には、図5に示したように構造物である橋梁1の全体が把握できるように橋梁の全景を示す3次元モデル16Bを表示部30の画面30Aに表示させることが好ましい。
【0089】
続いて、CPU20又は表示制御部26は、ユーザにより画面30Aに表示されている3次元モデル16Bに対し、拡大等のビュー操作が行われたか否かを判別する(ステップS12)。ビュー操作は、画面30Aに3D(three dimensions)で表現された3次元モデル16Bを拡大表示、縮小表示、平行移動、又は回転移動させるための操作であり、第1操作部として機能する操作部18を使用して行われる。この場合、ユーザのビュー操作を受け付ける第1操作部としては、3Dマウスが好適であるが、通常のマウス等も使用可能である。
【0090】
ステップS12において、ビュー操作が行われたと判別されると(「Yes」の場合)、CPU20又は表示制御部26は、ビュー操作が3次元モデル16Bを拡大又は縮小させる操作か、3次元モデル16Bを平行移動させる操作か、又は回転移動させる操作かを判別する(ステップS14、ステップS16)。
【0091】
第1表示制御部として機能する表示制御部26は、3次元モデル16Bを拡大又は縮小させるビュー操作が操作部18により行われると、そのビュー操作による拡大又は縮小の指示に応じて3次元モデル16Bを拡大又は縮小させる表示用データを作成し、表示部30に出力する(ステップS18)。また、表示制御部26は、3次元モデル16Bを平行移動させるビュー操作が操作部18により行われると、そのビュー操作による平行移動の指示に応じて3次元モデル16Bを平行移動させる表示用データを作成し、表示部30に出力する(ステップS20)。また、3次元モデル16Bを回転移動させるビュー操作が操作部18により行われると、そのビュー操作による回転移動の指示に応じて3次元モデル16Bを回転移動させる表示用データを作成し、表示部30に出力する(ステップS22)。
【0092】
ステップS12において、ビュー操作が行われていないと判別されると(「No」の場合)、又はステップS18、S20、S22の処理が終了すると、CPU20は、ステップS23に遷移させる。
【0093】
ステップS23において、CPU20は、操作部18からの画像表示の終了の指示入力の有無を判別し、終了の指示入力がない場合(「No」の場合)には、ステップS24に遷移させ、終了の指示入力がある場合(「Yes」の場合)には、画像表示に係る処理を終了させる。
【0094】
次に、CPU20は、第2操作部として機能する操作部18でのユーザ操作に応じて、表示部30に拡大表示された3次元モデル16B上の位置を示す位置情報を受け付けた否かを判別する(ステップS24)。
【0095】
3次元モデル16B上の位置を示す位置情報を受け付けていない場合(「No」の場合)には、ステップS10に遷移し、表示制御部26は、引き続き3次元モデル16Bを表示部30に表示させる。尚、ビュー操作が行われ、ステップS18、S20又はS22により3次元モデル16Bを拡大又は縮小させる表示用データ、3次元モデル16Bを平行移動させる表示用データ、又は3次元モデル16Bを回転移動させる表示用データが作成された場合には、最新の表示用データに基づいて、拡大縮小、平行移動、又は回転移動した(立体的に動かされた)3次元モデル16Bが表示部30に表示される。
【0096】
図6は、拡大等のビュー操作により立体的に動かされた橋梁の3次元モデル16Bを表示した、表示部30の画面30Aの一例を示す図である。
【0097】
即ち、ユーザのビュー操作により、表示部30の画面30Aに表示させる橋梁1の3次元モデル16Bを、図5に示した橋梁1の全景を示す3次元モデル16Bから、図6に示すように拡大、移動及び回転させた3次元モデル16Bに遷移させることができる。尚、ビュー操作は、3次元モデル16Bで橋梁全体を空間把握しながら、要点検箇所を見やすくするために行われる。
【0098】
図6において、32は、表示部30の画面30Aでの入力位置を示すカーソルであり、カーソル32は、操作部18(マウス等のポインティングデバイス)の操作により画面30A上を移動することができる。
【0099】
ユーザは、橋梁の所望の点検箇所を確認したい場合、3次元モデル16Bで橋梁全体を空間把握しながら3次元モデル16Bを立体的に動かして、所望の点検箇所を表示部30の画面30A上で探索する。そして、表示部30の画面30Aにおいて、所望の点検箇所にカーソル32を移動させ、マウスによるクリック操作や実行キーによる入力操作を行う。これにより、操作部18は、表示部30の画面30Aに表示された3次元モデル16B上の位置を指定することができ、指定した位置を示す位置情報を受け付けることができる。
【0100】
図6において、カーソル32の位置は、橋梁1の床版6内に位置している。ここで、マウスによるクリック操作等が行われると、第1表示制御部として機能する表示制御部26は、床版6内の所望の点検箇所の選択指示が行われたことを示す指標34を、3次元モデル16B上のカーソル32が示す位置に重畳表示させることが好ましい。
【0101】
図12に戻って、ステップS24において、表示部30に拡大表示された3次元モデル16B上の位置を示す位置情報を受け付けたと判別されると(「Yes」の場合)、ステップS26に遷移する。
【0102】
ステップS26において、撮影画像検索部20Aとして機能するCPU20は、まず、表示部30の画面30A(に表示された3次元モデル16B)上のカーソル32が示す位置の位置情報に基づいて3次元モデル16B上の3次元位置を特定する。表示部30の画面30A上のカーソル32が示す位置の位置情報は、画面30A上の座標情報として取得することができる。一方、表示部30の画面30Aに表示される3次元モデル16Bは、ビュー操作により拡大、平行移動、及び回転移動する。
【0103】
したがって、拡大等のビュー操作が行われて表示部30の画面30Aに表示されている3次元モデル16B上の位置情報(座標情報)と、ビュー操作による3次元モデル16Bの拡大率、平行移動量、及び回転移動量の情報とにより、3次元モデル16B上の3次元位置を特定することができる。
【0104】
続いて、撮影画像検索部20Aとして機能するCPU20は、特定した3次元モデル16B上の3次元位置に基づいて、記憶部16に記憶された撮影画像群16Aから特定した3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像を検索する(ステップS27)。
【0105】
複数の撮影画像を検索する場合、撮影画像群16Aと3次元モデル16Bとを紐付ける情報(図11に示した画像リスト16Cにおける撮影画像に写っている構造物の位置情報)を使用することができる。例えば、画像リスト16Cにおいて、特定した3次元モデル16B上の3次元位置と同一、又は特定した3次元モデル16B上の3次元位置を含む位置情報を有する撮影画像を撮影画像群16Aから絞り込むことで、複数の撮影画像を検索することができる。尚、前述したように撮影画像群16Aは、撮影画像群16Aの各撮影画像は、互いに重なる重複領域があるため、撮影画像群16Aの中には、特定した3次元モデル16B上の3次元位置に対応する画素を含む複数の撮影画像が存在する。
【0106】
次に、撮影画像決定部20Bとして機能するCPU20は、ステップS27で検索された複数の撮影画像から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する(ステップS28)。
【0107】
ここで、撮影画像決定部20Bは、図11に示した画像リスト16Cに登録された、被写体(構造物)に対する撮影画像の正対度、又は構造物に対する撮影画像の距離を使用して、複数の撮影画像から最適な撮影画像又は優先順位を決定することができる。例えば、撮影画像決定部20Bは、各撮影画像の正対度に基づいて、構造物をより正対して撮影した撮影画像を好適な撮影画像と決定することができる。また、構造物に対する撮影画像の距離に基づいて、構造物をより近距離で撮影した撮影画像を好適な撮影画像とすることができる。尚、構造物に対する撮影画像の距離は、撮影画像の画像ファイル(Exif(Exchangeable image file format)ファイル)のタグ情報として記録された撮影距離を使用することができる。また、Exifファイルのタグ情報として記録されたカメラ位置の情報(GPS(global positioning system)情報)を使用し、カメラ位置と特定した3次元モデル16B上の3次元位置(GPS情報に換算される位置)とから撮影距離を算出することができる。
【0108】
更に、撮影画像決定部20Bは、特定された3次元位置に対応する撮影画像上の位置とその撮影画像の中心位置とのずれ量を算出し、算出したずれ量が小さい程、好適な撮影画像とすることができる。また、撮影画像(特定した3次元モデル16B上の3次元位置に対応する画素を含む局所領域)の鮮明度(コントラスト)が高い程、好適な撮影画像とすることができる。
【0109】
撮影画像決定部20Bは、上記の正対度、距離等の条件のうちの1以上の条件に基づいて、検索された複数の撮影画像の中から最適な撮影画像を決定し、又は検索された複数の撮影画像の優先順位を決定する。
【0110】
撮影画像決定部20Bにより最適な撮影画像又は優先順位が決定されると、第2表示制御部として機能する表示制御部26は、決定された最適な撮影画像を記憶部16から読み出し、読み出した最適な撮影画像を表示部30に表示させ、又は決定された優先順位にしたがって複数の撮影画像の一部又は全部を表示部30に表示させる(ステップS28、第2表示ステップ)。
【0111】
これにより、ビュー操作により立体的に動かした橋梁の3次元モデル16B上で、要点検箇所の位置を指示すると、指示した位置に基づいて検索された複数の撮影撮像のうちの最適な撮影画像又は優先順位が決定され、決定された最適な撮影画像又は優先順位したがって撮影画像(以下、「最適な撮影画像等」という)の一部又は全部を表示部30に表示させることができ、所望の点検箇所の撮影画像を容易に確認することができる。
【0112】
図13は、複数の撮影画像の中から決定された最適な撮影画像100が表示された表示部30の画面30Aの一例を示す図である。
【0113】
本例では、表示切替部20Cとして機能するCPU20は、表示部30に最適な撮影画像100を表示させる場合には、表示制御部26の機能を第1表示制御部から第2表示制御部に切り替える。表示切替部20Cによる3次元モデル16Bから最適な撮影画像100への表示の切り替えは、撮影画像決定部20Bにより最適な撮影画像100が決定され、最適な撮影画像100の表示が可能になると、自動的に切り替えることができる。
【0114】
図14は、複数の撮影画像の中から決定された最適な撮影画像100が表示された表示部30の画面30Aの他の例を示す図である。
【0115】
図14に示す例では、表示部30の画面30Aに1枚の撮影画像100が表示され、かつ複数の撮影画像のサムネイル102が画面30Aの下部に表示されている。また、複数の撮影画像のサムネイル102は、複数の撮影画像の優先順位にしたがって配列されており、複数の撮影画像のうちの最適な撮影画像100(優先順位が最も高い撮影画像)が最初に表示される。
【0116】
ユーザは、優先順位にしたがって並んだサムネイル102から所望のサムネイル102を選択することで、そのサムネイル102に対応する本画像(撮影画像)を表示部30の画面30Aに表示させることができる。
【0117】
図15は、複数の撮影画像の中から決定された最適な撮影画像等が表示された表示部30の画面30Aの更に他の例を示す図である。
【0118】
図15に示す例では、表示部30の画面30Aに複数の撮影画像100が表示され、かつ画面30Aの下部にスクロールバー36が表示されている。複数の撮影画像には、優先順位が付けられており、優先順位の最も高い撮影画像100を含む複数の撮影画像が最初に表示される。
【0119】
ユーザは、表示部30の画面30Aに表示されていない撮影画像を見たい場合には、マウス等によりスクロールバー36を操作することで、表示部30の画面30Aに表示させる撮影画像100を移動(スクロール)させ、所望の撮影画像を見ることができる。
【0120】
図12に戻って、最適な撮影画像等が表示部30に表示されると、続いてCPU20は、表示部30での表示を、最適な撮影画像等から3次元モデル16Bに切り替えるか否かを判別する(ステップS30)。最適な撮影画像等から3次元モデル16Bへの切り替えの判別は、操作部18でのユーザ操作に基づいて行うことができる。例えば、ユーザは、異なる点検箇所の撮影画像を確認したい場合、操作部18により最適な撮影画像等の表示から3次元モデル16Bの表示に切り替える切替操作を行うことができる。
【0121】
ステップS30において、最適な撮影画像等から3次元モデル16Bの表示に切り替える場合(「Yes」の場合)、CPU20は、ステップS10に遷移させる。
【0122】
これにより、橋梁の全景を示す3次元モデル16Bを表示部30に表示させることができる(図5参照)。表示切替部20Cとして機能するCPU20は、表示部30に3次元モデル16Bを表示させる場合には、表示制御部26の機能を第2表示制御部から第1表示制御部に切り替えることができる。
【0123】
尚、CPU20は、最適な撮影画像等から3次元モデル16Bの表示に切り替える場合(「Yes」の場合)、ステップS12に遷移させてもよい。これにより、3次元モデル16Bから最適な撮影画像等に表示を切り替えたときの、直近の3次元モデル16Bを表示させることができ、前回の点検箇所に近い点検箇所の撮影画像を確認したい場合に好適である。
【0124】
一方、ステップS30において、最適な撮影画像等から3次元モデル16Bへの表示に切り替えないと判別されると(「No」の場合)、ステップS32に遷移する。
【0125】
ステップS32において、CPU20は、操作部18からの画像表示の終了の指示入力の有無を判別し、終了の指示入力がない場合(「No」の場合)には、ステップS28に戻り、引き続き管理情報を表示部30に表示させる。一方、終了の指示入力がある場合(「Yes」の場合)には、画像表示に係る処理を終了させる。
【0126】
本例では、表示部30での3次元モデル16Bの表示と最適な撮影画像等の表示とをユーザ操作等に基づいて切り替えるようにした。しかし、これに限らず、第1表示制御部は、表示部30の第1表示領域に3次元モデル16Bを表示させ、第2表示制御部は、表示部30の第2表示領域に最適な撮影画像等を表示させ、両者を同時に表示させるようにしてもよい。
【0127】
ところで、本例の3次元モデル16Bは、多角形のポリゴンに撮影画像をテクスチャーマッピングしたものであるため、3次元モデル16Bを拡大表示させることで、ある程度、構造物の表面の性状を確認することができるが、小さな損傷(例えば、0.1mm幅のひび割れなど)を確認することはできない。3次元モデル16Bのデータ量には限界があり、3次元モデル16Bを拡大させても、オリジナルの撮影画像又はそれに相当する画像として視認することができないからである。
【0128】
これに対して、構造物の3次元モデル16Bを使用することで所望の点検箇所を容易に特定することができ、その特定した点検箇所に対応するオリジナルの撮影画像(最適な撮影画像等)を表示することで、点検箇所の損傷等を容易に確認することができる。
【0129】
<第2実施形態>
図16は、本発明に係る画像表示方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
【0130】
図16において、図1及び図4に示した画像表示装置10の各部の動作を説明しつつ、本発明に係る画像表示方法の第2実施形態を説明する。
【0131】
図16に示す第2実施形態の画像表示方法は、撮影画像群16Aから所望の撮影画像を選択すると、その選択した撮影画像が、構造物の3次元モデル16B上のどの位置に対応する撮影画像であるかを容易に確認する方法である。
【0132】
図16において、第3表示制御部として機能する表示制御部26は、記憶部16から画像リスト16Cを読み出し、読み出した画像リスト16Cを表示部30に表示させる(ステップS100、第3表示ステップ)。
【0133】
画像リスト16Cは、図11に示したように撮影画像群16Aの各撮影画像の属性、各撮影画像を管理するための情報、各撮影画像と3次元モデル16Bとを紐付けるための情報等を含んでいる。この画像リスト16Cは、撮影画像群16A及び撮影画像群16Aに紐付けられている各種の情報に基づいて、画像リスト作成部20Dとして機能するCPU20により作成することができるが、外部装置により作成されて記憶部16に記憶されたものでもよい。
【0134】
次に、ステップS100の処理の詳細について説明する。
【0135】
図17は、ステップS100の処理の第1例を示すサブルーチンを示す図である。
【0136】
図17において、条件設定部30Fとして機能するCPU20は、操作部18でのユーザ操作により撮影画像群16Aから抽出する撮影画像の絞り込みを示す条件(絞り込み条件)を設定する(ステップS101)。
【0137】
ここで、絞り込み条件には、撮影画像が構造物の点検記録に紐付いているかを示す情報、損傷(ひび)検出結果に紐付いているか否かを示す情報、及び補修記録(補修図)に紐付いているか否かを示す情報がある。
【0138】
尚、絞り込み条件は、上記の例に限らず、例えば、構造物の管理区分を示す情報が考えられる。前述したように構造物の定期点検は、構造物を構成する部位及び部材の点検単位の区分である管理区分毎に行われ、構造物が橋梁の場合、主桁、横桁、床版(床版を構成する格間)、橋脚等が管理区分に対応する。これらの管理区分を示す情報を、絞り込み条件とすることができる。
【0139】
画像リスト作成部20Dとして機能するCPU20は、条件設定部20Fにより設定された絞り込み条件に基づいて撮影画像群16Aに対して撮影画像の絞り込みを行い、絞り込んだ撮影画像を示す画像リストを作成する(ステップS102)。
【0140】
第3表示制御部として機能する表示制御部26は、絞り込み条件によって絞り込んだ撮影画像の画像リストを表示部30に表示させる(ステップS103)。これにより、表示部30に表示される画像リストは、ユーザが設定した絞り込み条件に応じて更新される。
【0141】
例えば、絞り込み条件として構造物の点検記録に紐付いているかを示す情報を設定すると、点検記録に紐付いている撮影画像のみからなる画像リストを表示部30に表示させることができる。また、絞り込み条件として構造物の管理区分を示す情報を設定すると、設定した管理区分と紐付いている撮影画像(設定した管理区分に対応する構造物の領域が撮影されている撮影画像)のみからなる画像リストを表示部30に表示させることができる。
【0142】
図18は、ステップS100の処理の第2例を示すサブルーチンを示す図である。
【0143】
図18において、条件設定部30Fとして機能するCPU20は、操作部18でのユーザ操作により撮影画像群16Aの並べ替えを示す条件(ソート条件)を設定する(ステップS104)。
【0144】
ここで、ソート条件には、被写体(構造物)に対する撮影画像の正対度、構造物に対する撮影画像の距離、及び撮影日時がある(図11参照)。
【0145】
尚、ソート条件は、上記の例に限らず、例えば、各撮影画像の鮮明度等の他のソート条件であってもよいが、画像リスト16Cは、少なくともソート条件に対応する情報を有することが好ましい。
【0146】
画像リスト作成部20Dとして機能するCPU20は、条件設定部20Fにより設定されたソート条件に基づいて、撮影画像群16Aを並べ替えた画像リストを作成する(ステップS105)。
【0147】
第3表示制御部として機能する表示制御部26は、ソート条件にしたがって並べ替えられた撮影画像群16Aの画像リストを表示部30に表示させる(ステップS106、第3表示ステップ)。
【0148】
例えば、記憶部16に記憶された画像リスト16C(オリジナルの画像リスト)を表示部30に表示させ、表示させた画像リスト上の所望の項目(ソート条件)をクリックすることで、ソート条件にしたがって昇順又は降順に並べ替えた撮影画像群16Aの画像リストを表示部30に表示させることができる。
【0149】
図19は、ステップS100の処理の第3例を示すサブルーチンを示す図である。尚、図19において、図17及び図18に示した第1例及び第2例の処理と共通する部分には同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0150】
図19に示す第3例は、図17及び図18に示した第1例及び第2例を組み合わせたものであり、まず、絞り込み条件に基づいて撮影画像群16Aに対して撮影画像の絞り込みを行う(ステップS101、ステップS102)。
【0151】
続いて、絞り込まれた撮影画像を、ソート条件に基づいて並べ替えた画像リストを作成し(ステップS104、S105)、作成した画像リスト(絞り込まれ、かつ並べ替えられた撮影画像の画像リスト)を表示部30に表示させる(ステップS107)。
【0152】
図16に戻って、CPU20は、表示部30に表示された画像リストの表示を終了するか否かを判別する(ステップS108)。CPU20は、操作部18からの画像表示の終了の指示入力の有無を判別し、終了の指示入力がない場合(「No」の場合)には、ステップS110に遷移させ、終了の指示入力がある場合(「Yes」の場合)には、画像表示に係る処理を終了させる。
【0153】
ステップS110において、CPU20は、第3操作部として機能する操作部18でのユーザ操作に応じて、画像リストから任意の撮影画像の選択指示を受け付けたか否か判別する。
【0154】
選択指示を受け付けていないと判別されると(「No」の場合)、ステップS100に戻り、引き続き画像リストが表示部30に表示され、撮影画像の選択指示の受け付けか可能な状態となる。
【0155】
一方、選択指示を受け付けたと判別されると(「Yes」の場合)、位置情報取得部20Eとして機能するCPU20は、選択指示された撮影画像に対応する3次元モデル16B上の位置情報を取得する(ステップS120)。この位置情報の取得は、選択指示された撮影画像の画像ファイル名に基づいて画像リスト16Cから読み出すことができる。
【0156】
続いて、第4表示制御部として機能する表示制御部26は、表示部30での表示を画像リスト16Cの表示から3次元モデル16B等の表示に切り替える。即ち、表示制御部26は、記憶部16に記憶された3次元モデル16Bを読み出して表示部30に表示させ、かつ位置情報取得部により取得された3次元モデル16B上の位置情報に基づいて、表示部30に表示させた3次元モデル16B上に選択指示された撮影画像の位置を示す指標を重畳表示させる(ステップS130、第4表示ステップ)。
【0157】
図20は、選択指示された撮影画像100とその撮影画像100の撮影範囲を含む3次元モデル16Bとが表示された表示部30の画面30Aの一例を示す図である。
【0158】
図20に示す例では、3次元モデル16B上の撮影画像100の位置が確認しやすいように、3次元モデル16Bを自動で拡大、平行移動及び回転移動させ、3次元モデル16Bの一部を表示している。尚、3次元モデル16Bの拡大等のビュー操作は、画像リスト16Cに記録されている撮影画像100に写っている構造物の位置情報(例えば、撮影画像100の四隅の3次元位置)に基づいて自動で行うことができる。
【0159】
また、図20に示す例では、撮影画像100と3次元モデル16Bとを表示部30の画面30Aに並べて表示させ、3次元モデル16B上に撮影画像100の位置を示す指標100Aを重畳表示している。この指標100Aは、撮影画像100の撮影範囲を示す枠として表示されている。撮影画像100の撮影範囲を示す枠は、撮影画像100の四隅の3次元位置をそれぞれ連結する線分により構成することができる。
【0160】
また、ユーザは、図20に示された3次元モデル16Bの一部の表示では、3次元モデル16B全体における撮影画像100の位置が把握できない場合、広範囲の3次元モデル16B(図6参照)が表示されるように手動で3次元モデル16Bをビュー操作(ズームアウト)し、あるいは3次元モデル16Bの全景(図5参照)が表示されるように手動で3次元モデル16Bをビュー操作することができる。
【0161】
広範囲の3次元モデル16Bを表示させる場合、3次元モデル16B上に重畳表示する撮影画像100の位置を示す指標としては、高輝度な点、又は高輝度な点の点滅等が好ましい。
【0162】
また、上記の例とは逆に、最初に3次元モデル16B上に撮影画像100の位置を示す指標が重畳表示された3次元モデル16Bの全景を表示部30に表示させる(図5参照)。この場合、指標が確認できるように3次元モデル16Bを自動で回転移動させることが好ましい。これにより、ユーザは、撮影画像100が構造物のいずれの部分を撮影したものであるかを、大まかに把握することができる。
【0163】
ユーザは、撮影画像100が構造物のいずれの部分を撮影したものであるかを詳細に把握したい場合には、手動で3次元モデル16Bを拡大させるビュー操作(必要に応じて平行移動及び/又は回転させるビュー操作)を行うことで、拡大された3次元モデル16Bであって、撮影画像100の位置を示す指標が重畳表示された3次元モデル16Cを表示部30に表示させることができる(図6図20参照)。
【0164】
ユーザは、上記のように3次元モデル16C上に重畳表示された撮影画像の位置を示す指標により、画像リスト上で選択指示した撮影画像が、構造物(3次元モデル16B)のどの位置を撮影したものかを容易に把握することができる。
【0165】
図16に戻って、表示切替部20Cとして機能するCPU20は、表示部30の表示を、3次元モデル16B等の表示から画像リスト16Cの表示に切り替えるか否かを判別する(ステップS140)。画像リスト16Cへの切り替えの判別は、操作部18でのユーザ操作に基づいて行うことができる。例えば、ユーザは、異なる撮影画像を選択したい場合、画像リスト16Cの表示に切り替える切替操作を操作部18により行うことができる。
【0166】
ステップS140において、3次元モデル16B等から画像リスト16Cの表示に切り替える場合(「Yes」の場合)、CPU20は、ステップS100に遷移させる。
【0167】
これにより、画像リスト16Cを表示部30に表示させることができる。表示切替部20Cとして機能するCPU20は、表示部30に画像リスト16Cを表示させる場合には、表示制御部26の機能を第4表示制御部から第3表示制御部に切り替えることができる。
【0168】
一方、ステップS140において、画像リスト16Cへの表示に切り替えないと判別されると(「No」の場合)、CPU20は、ステップS150に遷移させる。
【0169】
ステップS150において、CPU20は、操作部18からの画像表示の終了の指示入力の有無を判別し、終了の指示入力がない場合(「No」の場合)には、ステップS130に戻り、引き続き3次元モデル16B等を表示部30に表示させる。一方、終了の指示入力がある場合(「Yes」の場合)には、画像表示に係る処理を終了させる。
【0170】
本例では、表示部30での画像リスト16Cの表示と3次元モデル16B等の表示とをユーザ操作等に基づいて切り替えるようにしたが、画像リスト16Cの表示と3次元モデル16B等とを表示部30に同時に表示するようにしてもよい。
【0171】
[その他]
第1実施形態の画像表示方法と第2実施形態の画像表示方法とは、ユーザが適宜切り替えて使用してもよい。
【0172】
また、3次元モデルは、被写体を撮影した撮影画像群を使用し、SfM手法により生成されたものに限らず、種々の方法により生成することができる。
【0173】
例えば、二眼カメラにより撮影された2枚の視差画像か被写体の3次元情報を取得し、取得した3次元情報を使用して構造物の3次元モデルを生成し、また、タイム・オブ・フライト式カメラにより被写体の撮影画像を取得するとともに、撮影画像上の各画素に対応する被写体の3次元座標を取得して3次元モデルを生成することができる。更に、カメラとしての機能を備えたレーザースキャナを含み、レーザースキャナが取得した構造物の3次元情報に基づいて構造物の3次元モデルを生成することができる。
【0174】
本発明に係る画像表示装置を実現するハードウエアは、各種のプロセッサ(processor)で構成できる。各種プロセッサには、プログラムを実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device;PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。画像表示装置を構成する1つの処理部は、上記各種プロセッサのうちの1つで構成されていてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサで構成されてもよい。例えば、1つの処理部は、複数のFPGA、あるいは、CPUとFPGAの組み合わせによって構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアントやサーバなどのコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip;SoC)などに代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウエア的な構造として、上記各種プロセッサを1つ以上用いて構成される。更に、これらの各種のプロセッサのハードウエア的な構造は、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)である。
【0175】
また、本発明は、被写体の3次元モデルと被写体に対して撮影位置及び撮影方向を変更して被写体を撮影した撮影画像群とを記憶する記憶部にアクセス可能なコンピュータにインストールされることにより、コンピュータを本発明に係る画像表示装置として機能させる画像表示プログラム、及びこの画像表示プログラムが記録された記憶媒体を含む。
【0176】
更にまた、本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0177】
1 橋梁
2 主桁
3 横桁
4 対傾構
5 横構
6 床版
7 橋脚
10 画像表示装置
12 画像取得部
14C 画像リスト
15C 画像リスト
16 記憶部
16A 撮影画像群
16B 3次元モデル
16C 画像リスト
18 操作部
20 CPU
20A 撮影画像検索部
20B 撮影画像決定部
20C 表示切替部
20D 画像リスト作成部
20E 位置情報取得部
20F 条件設定部
22 RAM
24 ROM
26 表示制御部
30 表示部
30A 画面
30F 条件設定部
32 カーソル
34 指標
36 スクロールバー
100 撮影画像
100A 指標
102 サムネイル
S10~S150 ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20