(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】基板保持機構及び基板載置方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241203BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01L21/68 P
H01L21/66 B
(21)【出願番号】P 2020190285
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-07-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000219967
【氏名又は名称】東京エレクトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】高原 敏明
(72)【発明者】
【氏名】加賀美 史
【審査官】鈴木 孝章
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-183141(JP,A)
【文献】国際公開第2017/222009(WO,A1)
【文献】特開2017-112197(JP,A)
【文献】特開2020-136480(JP,A)
【文献】特開2013-175622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が載置される載置台と、
前記基板の周縁部の下面を保持する上面と、前記載置台に載置された前記基板の周縁部の上面を押下する下面とを含む複数の保持部と、
前記複数の保持部に設けられ、前記載置台に載置された前記基板の端面に接触して前記基板の位置を補正する突出部と、
前記複数の保持部を昇降させる昇降機構と、
前記複数の保持部を水平移動させる水平移動機構と、
を有する、基板保持機構。
【請求項2】
前記突出部は、前記複数の保持部の各々の下面から下方に突出するように設けられる、
請求項1に記載の基板保持機構。
【請求項3】
前記載置台は、矩形状の載置面を有する、
請求項1又は2に記載の基板保持機構。
【請求項4】
前記複数の保持部は、前記載置面の4辺のうち、少なくとも対向する2辺と対応して設けられている、
請求項3に記載の基板保持機構。
【請求項5】
前記複数の保持部は、前記載置台の4辺の全てと対応して設けられている、
請求項3又は4に記載の基板保持機構。
【請求項6】
前記複数の保持部の各々は、前記上面から上方に延び、前記上面に保持された前記基板の端面と接触可能な壁部を有する、
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項7】
前記昇降機構は、前記保持部、前記突出部及び前記水平移動機構を昇降させる、
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項8】
前記載置台は、前記基板を吸着する真空チャックを含む、
請求項1乃至7のいずれか一項に記載の基板保持機構。
【請求項9】
基板の周縁部の下面を保持する上面と載置台に載置された基板の周縁部の上面を押下する下面とを含む複数の保持部により載置台に基板を載置する方法であって、
前記載置台の上方において前記複数の保持部の前記上面で前記基板の周縁部の下面を保持する工程と、
前記基板の前記周縁部の下面を保持した前記複数の保持部を下降させて前記基板を前記載置台に載置する工程と、
前記載置台に載置された前記基板の端面に前記複数の保持部に設けられた突出部を接触させて前記基板の位置を補正する工程と、
前記位置が補正された前記基板の周縁部の上面を前記複数の保持部の前記下面で押下する工程と、
前記周縁部の上面が押下された前記基板を前記載置台に吸着させる工程と、
を有する、基板載置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基板保持機構及び基板載置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
基板の下面を吸着して保持する基板保持面を有し、該基板保持面にウエハを吸着するための複数の領域に区分された吸引溝を設けたステージが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、複数の領域の少なくとも一つの領域において基板の一部分を吸着された後、該領域に隣接する領域に基板の別の部分を吸着させることを繰り返すことによって、基板の全体をステージに吸着保持させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、反りのある基板を載置台に吸着保持できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様による基板保持機構は、基板が載置される載置台と、前記基板の周縁部の下面を保持する上面と、前記載置台に載置された前記基板の周縁部の上面を押下する下面とを含む複数の保持部と、前記複数の保持部に設けられ、前記載置台に載置された前記基板の端面に接触して前記基板の位置を補正する突出部と、前記複数の保持部を昇降させる昇降機構と、前記複数の保持部を水平移動させる水平移動機構と、を有する。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、反りのある基板を載置台に吸着保持できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】基板の反りにより生じ得る課題を説明するための図
【
図3】基板の反りにより生じ得る課題を説明するための図
【
図4】基板の反りにより生じ得る課題を説明するための図
【
図5】基板の反りにより生じ得る課題を説明するための図
【
図6】実施形態の基板保持機構を含む検査装置の一例を示す図
【
図8】実施形態の基板保持機構の一例を示す概略平面図
【
図9】実施形態の基板保持機構の一例を示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の限定的でない例示の実施形態について説明する。添付の全図面中、同一又は対応する部材又は部品については、同一又は対応する参照符号を付し、重複する説明を省略する。
【0009】
〔基板の反り〕
図1を参照し、基板の反りについて説明する。
図1は、基板の反りを説明するための図であり、基板を側方から見た図である。
【0010】
図1(a)に示されるように、基板Wは、上方が凸となるように湾曲した上反り形状を有する場合がある。また、
図1(b)に示されるように、基板Wは、下方が凸となるように湾曲した下反り形状を有する場合がある。例えば、サイズが300mm×300mm、厚さが500μm~3000μm、重量が100g~1000gの矩形基板である場合、基板反り量Pは10mm程度となる場合がある。
【0011】
図2~
図5を参照し、基板Wの反りにより生じ得る課題について説明する。
図2~
図5は、基板Wの反りにより生じ得る課題を説明するための図であり、基板Wを側方から見た図である。以下では、基板Wを載置台910の載置面911に載置して真空吸着する場合を例示して説明する。
【0012】
図2に示されるように、搬送アーム(図示せず)により載置台910の上方に搬送された基板Wを、基板Wの中央部近傍の下面を支持する3本の支持ピン912で受け取る場合、基板Wの反りの影響により3本の支持ピン912上で基板Wが滑り得る。そのため、安定して基板Wを搬送することが困難である。
【0013】
また、
図3(a)に示されるように、基板Wが上反り形状を有する場合、基板Wを真空吸着する際、載置面911と基板Wとの隙間913からバキュームが漏れ得る。そのため、載置面911に基板Wを吸着することが困難である。また、
図3(b)に示されるように、基板Wが下反り形状を有する場合も同様に、基板Wを真空吸着する際、載置面911と基板Wとの隙間913からバキュームが漏れ得る。そのため、載置面911に基板Wを吸着することが困難である。
【0014】
また、
図4に示されるように、基板Wが下反り形状を有する場合、載置面911に基板Wを載置した際、載置面911と基板Wとの接触面積が小さいので、載置面911上を基板Wが滑り得る(矢印914を参照)。そのため、載置台910の所望の位置に基板Wを載置することが困難である。
【0015】
また、
図5(a)に示されるように、載置面911に真空吸着した基板Wの吸着を解除する場合、
図5(b)に示されるように、反りの復元力で基板Wが跳ねたり、滑ったりするおそれがある。
【0016】
以下、反りのある基板を載置台に吸着保持できる実施形態の基板保持機構、基板載置方法及び基板離脱方法について説明する。
【0017】
〔検査装置〕
図6及び
図7を参照し、実施形態の基板保持機構が適用される装置の一例として、検査装置を説明する。ただし、実施形態の基板保持機構は、検査装置以外の装置にも適用できる。
【0018】
検査装置1は、ローダ部10、検査部20及び装置コントローラ30を有する。検査装置1は、装置コントローラ30の制御の下、ローダ部10から検査部20へ検査対象の基板Wを搬送し、基板Wに形成された被検査デバイス(DUT:Device Under Test)に電気信号を与えて種々の電気特性を検査する。基板Wは、例えば矩形基板であってよい。矩形基板としては、例えばPLP(Panel Level Package)が挙げられる。
【0019】
ローダ部10は、ロードポート11、アライナ12及び基板搬送機構13を有する。ロードポート11は、基板Wを収容したカセットCを載置する。アライナ12は、基板Wの位置合わせを行う。基板搬送機構13は、ロードポート11に載置されたカセットC、アライナ12及び後述する載置台21の間で基板Wを搬送する。ローダ部10では、まず、基板搬送機構13は、カセットCに収容された基板Wをアライナ12に搬送する。続いて、アライナ12は、基板Wの位置合わせを行う。続いて、基板搬送機構13は、位置合わせされた基板Wをアライナ12から検査部20に設けられた載置台21に搬送する。
【0020】
検査部20は、ローダ部10に隣接して配置されている。検査部20は、載置台21、昇降機構22、XYステージ23、プローブカード24及びアライメント機構25を有する。
【0021】
載置台21は、矩形状の載置面を有する。載置台21は、載置面に基板Wを載置する。載置台21は、例えば真空チャックを含む。
【0022】
昇降機構22は、載置台21の下部に設けられており、載置台21をXYステージ23に対して昇降させる。昇降機構22は、例えばステッピングモータを含む。
【0023】
XYステージ23は、昇降機構22の下部に設けられており、載置台21及び昇降機構22を2軸方向(図中のX方向及びY方向)に移動させる。XYステージ23は、検査部20の底部に固定されている。XYステージ23は、例えばステッピングモータを含む。
【0024】
プローブカード24は、載置台21の上方に配置されている。プローブカード24の載置台21側には、複数のプローブ24aが形成されている。プローブカード24は、ヘッドプレート24bに着脱可能に取り付けられている。プローブカード24には、テストヘッドTを介してテスタ(図示せず)が接続されている。
【0025】
アライメント機構25は、カメラ25a、ガイドレール25b及びアライメントブリッジ25cを有する。カメラ25aは、アライメントブリッジ25cの中央に下向きに取り付けられており、載置台21、基板W等を撮像する。カメラ25aは、例えばCCDカメラやCMOSカメラである。ガイドレール25bは、アライメントブリッジ25cを水平方向(図中のY方向)に移動可能に支持する。アライメントブリッジ25cは、左右一対のガイドレール25bによって支持されており、ガイドレール25bに沿って水平方向(図中のY方向)に移動する。これにより、カメラ25aは、アライメントブリッジ25cを介して、待機位置とプローブカード24の中心の真下(以下「プローブセンタ」という。)との間を移動する。プローブセンタに位置するカメラ25aは、アライメントの際、載置台21がXY方向に移動する間に載置台21上の基板Wの電極パッドを上方から撮像し、画像処理して表示装置40に撮像画像を表示する。
【0026】
係る検査部20では、まず、アライメント機構25は、載置台21上の基板Wに形成された被検査デバイスの電極パッドと、プローブカード24の複数のプローブ24aとの位置合わせを行う。続いて、昇降機構22は、載置台21を上昇させて、プローブカード24の複数のプローブ24aを対応する電極パッドに接触させる。続いて、装置コントローラ30は、テスタからの検査用信号をテストヘッドT及びプローブカード24の複数のプローブ24aを介して基板Wに形成された被検査デバイスに印加することにより、被検査デバイスの電気特性を検査する。
【0027】
装置コントローラ30は、載置台21の下方に設けられ、検査装置1の全体の動作を制御する。装置コントローラ30に設けられたCPUは、ROM、RAM等のメモリに格納された品種パラメータに従って、所望の検査を実行する。なお、品種パラメータは、ハードディスクやROM、RAM以外の半導体メモリに記憶されてもよい。また、品種パラメータは、コンピュータにより読み取り可能な、CD-ROM、DVD等の記録媒体に記録された状態で所定位置に挿入され、読み出されるようにしてもよい。
【0028】
〔基板保持機構〕
図8及び
図9を参照し、実施形態の基板保持機構の一例について説明する。
図8は、実施形態の基板保持機構の一例を示す概略平面図である。
図9は、実施形態の基板保持機構の一例を示す概略断面図であり、
図8における一点鎖線IX-IXにおいて切断した断面を示す。実施形態の基板保持機構は、例えば前述の検査装置1の載置台21として適用できる。
【0029】
基板保持機構100は、載置台110、複数の保持部120、突出部130、昇降機構140及び水平移動機構150を有する。
【0030】
載置台110は、矩形状の載置面111を有する。載置台110は、載置面111に基板Wを載置する。基板Wは、例えば矩形基板であってよい。載置台110は、例えば真空チャックを含む。載置台110は、下部に接続された昇降機構112により昇降する。
【0031】
複数の保持部120は、載置面111の4辺に対応して設けられている。複数の保持部120は、保持部120a~120eを含む。載置面111の4辺のうち、第1方向で対向する2辺のうちの一方の辺に対応して保持部120aが設けられ、他方の辺に対応して保持部120cが設けられている。すなわち、保持部120aと保持部120cとは、載置面111を挟んで対向して配置されている。また、載置面111の4辺のうち、第1方向と直交する第2方向で対向する2辺のうち一方の辺に対応して保持部120bが設けられ、他方の辺に対応して保持部120d,120eが設けられている。すなわち、保持部120bと保持部120d,120eとは、載置面111を挟んで対向して配置されている。保持部120a~120eは、長手方向が載置面111の辺と平行である略矩形状を有する。保持部120a~120cは、それぞれ長手方向の長さが載置面111の1辺と略同じ長さを有する。保持部120d,120eは、それぞれ長手方向の長さが載置面111の1辺の1/3程度の長さを有する。保持部120dは載置面111の1辺の一方の端部側に設けられ、保持部120eは載置面111の該1辺の他方の端部側に設けられている。これにより、保持部120dと保持部120eとの間には隙間Dが形成され、該隙間Dを介して搬送アーム(図示せず)が載置台110の上方に挿入される。各保持部120a~120eは、上面121、下面122及び壁部123を含む。上面121は、基板Wの周縁部の下面を保持する。下面122は、載置台110に載置された基板Wの周縁部の上面を押下する。壁部123は、上面121から上方に延び、上面121に保持された基板Wの端面と接触可能に構成される。
【0032】
突出部130は、各保持部120a~120eの下面から突出し、載置台110に載置された基板Wの端面と接触して基板Wの位置を補正する。突出部130は、例えば棒状を有する。突出部130は、各保持部120a~120cの長手方向における中心を挟んで対称に2つ設けられている。また、突出部130は、各保持部120d,120eの長手方向における略中心に設けられている。ただし、突出部130の数は一例であって、これに限定されない。また、突出部130は、例えば各保持部120a~120eの長手方向に沿って延びる板状を有していてもよい。
【0033】
昇降機構140は、載置台110の外周壁に固定されている。昇降機構140は、載置台110に対して複数の保持部120を昇降させる。昇降機構140は、例えばガイド付きシリンダであってよい。
【0034】
水平移動機構150は、昇降機構140に昇降自在に取り付けられている。水平移動機構150は、複数の保持部120を閉位置と開位置との間で水平移動させる。閉位置は、基板Wの周縁部の下面を保持したり、基板Wの周縁部の上面を押下したりする位置であり、複数の保持部120が載置台110に近づいた位置である。開位置は、閉位置よりも載置台110から外方に離間した位置である。水平移動機構150は、例えばロータリーアクチュエータであってよい。
【0035】
〔基板載置方法〕
図10~
図16を参照し、実施形態の基板保持機構100の動作の一例として、載置台110に基板Wを載置する方法(以下「基板載置方法」という。)について説明する。
【0036】
図10(a)に示されるように、初期状態において、載置台110の載置面111に基板Wが載置されておらず、複数の保持部120が下降した状態で閉位置にある待機状態であるものとする。
【0037】
まず、
図10(b)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を上昇させる。
【0038】
続いて、
図10(c)及び
図11(a)に示されるように、基板Wを保持した搬送アーム200が載置台110の上方に挿入される。実施形態において、基板Wは下反り形状を有する。搬送アーム200は、
図6及び
図7に示される検査装置1における基板搬送機構13に相当する。
【0039】
続いて、
図11(b)に示されるように、搬送アーム200が下降すると、搬送アーム200に保持された基板Wの周縁部の下面が複数の保持部120の上面121に保持される。このとき、複数の保持部120は、基板Wの周縁部の下面を保持するので、基板Wに反りがある場合でも基板Wを確実に保持できる。また、搬送アーム200は、保持部120dと保持部120eとの隙間Dを通って下降するので、搬送アーム200と保持部120d,120eとは接触しない。
【0040】
続いて、
図11(c)に示されるように、搬送アーム200が更に下降すると、搬送アーム200から基板Wが離間し、搬送アーム200から複数の保持部120に基板Wが受け渡される。
【0041】
続いて、
図12(a)及び
図12(b)に示されるように、搬送アーム200が載置台110の上方から退避する。このとき、搬送アーム200は、保持部120dと保持部120eとの隙間Dを通って退避するので、搬送アーム200と保持部120d,120eとは接触しない。
【0042】
続いて、
図12(c)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を下降させる。このとき、複数の保持部120は、上面121で基板Wの周縁部の下面を保持し、壁部123で基板Wの動きを規制できるので、安定した状態で基板Wを下降させることができる。
【0043】
続いて、
図13(a)に示されるように、複数の保持部120が更に下降すると、基板Wが載置台110の載置面111上に載置される。
【0044】
続いて、
図13(b)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を閉位置から開位置に水平移動させる。
【0045】
続いて、
図13(c)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を、その下面122が基板Wの最上部Waよりも上方に位置するまで上昇させる。
【0046】
続いて、
図14(a)~
図14(c)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を開位置から徐々に閉じる。これにより、突出部130が基板Wの端面と接触して基板Wの位置が補正される。例えば、基板Wの中心位置が載置台110の中心位置からずれている場合、複数の保持部120が閉じ始めると、
図14(a)に示されるように、複数の保持部120の少なくとも1つの保持部120bの下面から突出する突出部130が基板Wの端面に接触する。そして、複数の保持部120が更に閉じると、
図14(b)に示されるように、保持部120bの下面から突出する突出部130により、基板Wが保持部120bと対向する保持部120dの方向へ移動する。そして、複数の保持部120を更に閉じると、
図14(c)に示されるように、複数の保持部120の全ての保持部120a~120eの下面から突出する突出部130が基板Wの端面に接触する。これにより、基板Wの中心が載置台110の中心に位置合わせされる。
【0047】
続いて、
図15(a)及び
図15(b)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を下降させことにより、下面122で載置台110に載置された基板Wの周縁部の上面を押下する。
【0048】
続いて、
図15(b)に示されるように、装置コントローラ30は、真空チャックによる吸着を開始することにより、周縁部の上面が押下された基板Wを載置台110の載置面111に吸着させる。
【0049】
続いて、
図15(c)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を上昇させる。
【0050】
続いて、
図16(a)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を閉位置から開位置に水平移動させる。
【0051】
続いて、
図16(b)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を下降させる。
【0052】
続いて、
図16(c)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を開位置から閉位置に移動させる。これにより、基板保持機構100は、待機状態に戻る。以上により、実施形態の基板載置方法が終了する。
【0053】
以上に説明したように、実施形態の基板載置方法によれば、複数の保持部120は、搬送アーム200から基板Wを受け取る際、上面121で基板Wの周縁部の下面を保持する。これにより、基板Wに反りがある場合でも基板Wを確実に保持できる。
【0054】
また、実施形態の基板載置方法によれば、複数の保持部120の上面121で基板Wの周縁部の下面を保持した状態で複数の保持部120を下降させて基板Wを載置面111に載置する。これにより、安定した状態で基板Wを下降させることができる。
【0055】
また、実施形態の基板載置方法によれば、突出部130が載置面111に載置された基板Wの端面に接触して基板Wの位置を補正する。これにより、基板Wを載置面111に載置したときに基板Wが載置面111を滑ってしまい、基板Wの中心が載置台110の中心からずれた場合でも、基板Wの中心と載置台110の中心とを一致させることができる。
【0056】
また、実施形態の基板載置方法によれば、複数の保持部120の下面122で載置面111に載置された基板Wの周縁部の上面を押下した状態で、真空チャックにより載置面111に基板Wを吸着させる。これにより、真空チャックによる基板Wの吸着の際にバキュームが漏れてしまうことを抑制できる。
【0057】
〔基板離脱方法〕
図17~
図22を参照し、実施形態の基板保持機構100の動作の別の一例として、載置台110に真空吸着された基板Wを離脱する方法(以下「基板離脱方法」という。)について説明する。
【0058】
図17(a)に示されるように、初期状態において、載置台110の載置面111に基板Wが載置されており、複数の保持部120が下降した状態で閉位置にある待機状態であるものとする。
【0059】
まず、
図17(b)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を閉位置から開位置に移動させる。
【0060】
続いて、
図17(c)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を、その下面122が基板Wの上面よりも上方に位置するまで上昇させる。
【0061】
続いて、
図18(a)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を開位置から徐々に閉じることにより、突出部130を基板Wの端面と接触させて基板Wを軽く押さえる。
【0062】
続いて、
図18(b)に示されるように、装置コントローラ30は、真空チャックによる吸着を解除する。このとき、基板Wの端面が突出部130により軽く押さえられているので、反りがある基板Wであっても、反りの復元力で基板Wが跳ねたり、滑ったりすることを抑制できる。また、基板Wが跳ねても、複数の保持部120の下面122により基板Wが抑え込まれるため、跳ね返りによる位置ずれは防止される。
【0063】
続いて、
図18(c)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を開位置に移動させる。
【0064】
続いて、
図19(a)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を下降させる。
【0065】
続いて、
図19(b)に示されるように、装置コントローラ30は、水平移動機構150を制御し、複数の保持部120を開位置から閉位置に移動させる。
【0066】
続いて、
図19(c)に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を上昇させる。このとき、複数の保持部120は、上面121で基板Wの周縁部の下面を保持し、壁部123で基板Wの動きを規制できるので、安定した状態で基板Wを上昇させることができる。
【0067】
続いて、
図20(a)及び
図20(b)に示されるように、基板Wを保持していない搬送アーム200が載置台110の載置面111と基板Wの下面との間に挿入される。このとき、搬送アーム200は、保持部120dと保持部120eとの隙間Dを通って挿入されるので、搬送アーム200と保持部120d,120eとは接触しない。
【0068】
続いて、
図20(c)に示されるように、搬送アーム200が上昇すると、複数の保持部120に保持された基板Wが搬送アーム200により保持される。このとき、搬送アーム200は、保持部120dと保持部120eとの隙間Dを通って上昇するので、搬送アーム200と保持部120d,120eとは接触しない。
【0069】
続いて、
図21(a)に示されるように、搬送アーム200が更に上昇すると、複数の保持部120から基板Wが離間し、複数の保持部120から搬送アーム200に基板Wが受け渡される。
【0070】
続いて、
図21(b)及び
図21(c)に示されるように、基板Wを保持した搬送アーム200が載置台110の上方から退避する。
【0071】
続いて、
図22に示されるように、装置コントローラ30は、昇降機構140を制御し、複数の保持部120を下降させる。これにより、基板保持機構100は、待機状態に戻る。以上により、実施形態の基板離脱方法が終了する。
【0072】
以上に説明したように、実施形態の基板離脱方法によれば、複数の保持部120の上面121で基板Wの周縁部の下面を保持した状態で複数の保持部120を上昇させて基板Wを載置面111から離間させる。これにより、安定した状態で基板Wを上昇させることができる。
【0073】
また、実施形態の基板離脱方法によれば、基板Wの端面を突出部130により軽く押さえた状態で、真空チャックによる吸着を解除する。これにより、反りがある基板Wであっても、反りの復元力で基板Wが跳ねたり、滑ったりすることを抑制できる。
【0074】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
【0075】
上記の実施形態では、基板Wが矩形基板である場合を説明したが、本開示はこれに限定されない。例えば、基板Wは円形基板であってもよい。円形基板としては、例えばWLP(Wafer Level Package)が挙げられる。基板Wが円形基板である場合、例えば載置台は円形状の載置面を有するように構成され、複数の保持部は略円弧状を有するように構成される。
【符号の説明】
【0076】
100 基板保持機構
110 載置台
120 保持部
130 突出部
140 昇降機構
150 水平移動機構
W 基板