(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】荷電粒子システムにおける流体移送システム
(51)【国際特許分類】
H01J 37/20 20060101AFI20241203BHJP
H01J 37/16 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01J37/20 E
H01J37/16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024006109
(22)【出願日】2024-01-18
(62)【分割の表示】P 2022547056の分割
【原出願日】2021-02-15
【審査請求日】2024-01-24
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デ ケルクホフ,マーカス,アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン フーメン,マーティン,ペトルス,クリスチアヌス
(72)【発明者】
【氏名】ブルールス,パトリエク,アドリアヌス,アルフォンス,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ワン,アーハン
(72)【発明者】
【氏名】シャルマ,ヴィニート
(72)【発明者】
【氏名】セファ,マクフィル
(72)【発明者】
【氏名】フ,シャオ‐ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スコラーリ,シモーネ,マリア
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブズ,ヨハネス,アンドレアス,ヘンリクス,マリア
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-247676(JP,A)
【文献】特開2014-159032(JP,A)
【文献】特開2001-297967(JP,A)
【文献】特開2005-184017(JP,A)
【文献】特表2009-512227(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
H01L 21/30
21/46
G03F 7/20-7/24
9/00-9/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを固定するように構成されたステージと、
ステージを収容するように構成されたチャンバであって、真空環境で動作するように構成されているチャンバと、
チャンバ内に設けられ、ステージとチャンバの外側との間で流体を移送するように構成された第1のチューブと、
脱ガスシステムであって、
複数の第2のチューブを備え、流体を受けるように構成されているハウジングと、
流体が第1のチューブに入る前に流体からガスを除去するように構成された真空システムと、を備えた脱ガスシステムと、
を備えたシステム。
【請求項2】
真空システムが真空ポンプを備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
真空ポンプが圧縮空気駆動式である、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
除去されたガスが複数の第2のチューブの内側から真空システムに流れる、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
流体が複数の第2のチューブの外側を流れる、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
複数の第2のチューブが中空繊維膜を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
中空繊維膜がポリプロピレンを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
第1のチューブが、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層を備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
第1のチューブが、流体又はガスの第1のチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層を更に備える、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
システムが極端紫外線検査システムを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
システムが深紫外線検査システムを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
システムがx線を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
第2の管状層が第1の管状層を被覆する、請求項9に記載のシステム。
【請求項14】
チューブが、ガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第3の材料の第3の管状層を更に備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項15】
第1の管状層、第2の管状層、又は第3の管状層のそれぞれの間に接着層を更に備えた、請求項14に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2020年2月18日に出願された米国出願第62/978,188号及び2020年3月13日に出願された米国出願第62/989,464号の優先権を主張するものであり、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本明細書の記述は、荷電粒子ビームシステムの分野に係り、より具体的には荷電粒子ビーム検査システムにおいて流体を移送するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 集積回路(IC)の製造プロセスでは、未完成の又は完成した回路コンポーネントが、設計に従って製造され且つ欠陥がないことを確実にするために検査される。光学顕微鏡を利用する検査システムは、通常、数百ナノメートルまでの分解能を有し、分解能は光の波長によって制限される。ICコンポーネントの物理的サイズがサブ100ナノメートルあるいはサブ10ナノメートルまで小さくなり続けるにつれて、光学顕微鏡を利用するものよりも高い分解能を有する検査システムが必要とされる。
【0004】
[0004] 走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM)などの1ナノメートル未満までの分解能を有する荷電粒子(例えば電子)ビーム顕微鏡は、フィーチャサイズがサブ100ナノメートルのICコンポーネントを検査するための実用的なツールとして機能する。SEMを使用する場合、単一の一次電子ビームの電子、又は複数の一次電子ビームの電子が、検査中にウェーハの関心位置に集束される可能性がある。一次電子はウェーハと相互作用し、後方散乱されることがあるか、又はウェーハに二次電子を放出させることがある。後方散乱電子及び二次電子を含む電子ビームの強度は、ウェーハの内部及び外部構造の特性に基づいて変化することがあり、これによってウェーハが欠陥を有するかどうかを示すことがある。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の実施形態は、荷電粒子ビームシステムにおいて水をステージに移送するための装置、システム、及び方法を提供する。一部の実施形態では、ステージがウェーハを固定するように構成されることがあり、チャンバがステージを収容するように構成されることがあり、チューブが流体をステージとチャンバの外側との間で移送するためにチャンバ内に設けられることがあり、チューブは、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層と、流体又はガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層とを備える。
【0006】
[0006] 一部の実施形態では、チューブが真空チャンバ内に設けられて、流体をステージと真空チャンバの外側との間で移送するように構成されることがあり、チューブは、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層と、流体又はガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層とを備えることがある。
【0007】
[0007] 一部の実施形態では、真空チャンバ内に、流体をステージと真空チャンバの外側との間で移送するためのチューブを形成する方法が提供される。方法は、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層を形成すること、流体又はガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層を第1の管状層を覆うように形成すること、及び第2の管状層のプラズマ蒸着中に導電性構造を介して負バイアスをチューブに印加することを含むことがある。
【0008】
[0008] 一部の実施形態では、システムが、ウェーハを固定するように構成されたステージと、ステージを収容するように構成されたチャンバであって、真空環境で動作するように構成されているチャンバと、チャンバ内に設けられ、ステージとチャンバの外側との間で流体を移送するように構成された第1のチューブと、チャンバの外側に設けられた脱ガスシステムとを備えることがある。脱ガスシステムは、複数の第2のチューブを備え、移送流体を受けるように構成されているハウジングと、移送流体が第1のチューブに入る前に移送流体からガスを除去するように構成された真空システムとを備えることがある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】[0009] 本開示の実施形態と整合する例示的な電子ビーム検査(EBI)システムを示す概略図である。
【
図2】[0010] 本開示の実施形態と整合する、
図1の例示的な荷電粒子ビーム検査システムの一部である例示的なマルチビームシステムを示す概略図である。
【
図3A】[0011] 本開示の実施形態と整合する、
図2の例示的なマルチビームシステムの一部である例示的な流体移送システムを示す概略図である。
【
図3B】[0012] 本開示の実施形態と整合する、
図2の例示的なマルチビームシステムの一部である例示的な流体移送システムを示す概略図である。
【
図3C】[0013] 本開示の実施形態と整合する、
図3Bの例示的な流体移送システムの一部である例示的な脱ガスシステムを示す概略図である。
【
図3D】[0014] 本開示の実施形態と整合する中空繊維膜チューブの図である。
【
図4A】[0015] 時間と真空チャンバ内の圧力との例示的な関係を示すグラフである。
【
図4B】[0016] 時間と真空チャンバ内の圧力との例示的な関係を示すグラフである。
【
図6】[0018] 本開示の実施形態と整合する多層流体移送チューブの図である。
【
図7】[0019] 本開示の実施形態と整合する透過の図である。
【
図8】[0020] 時間と真空チャンバ内の圧力との例示的な関係を示すグラフである。
【
図9】[0021] 本開示の実施形態と整合する流体移送チューブを形成する例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0022] これより例示的な実施形態を詳細に参照する。これらの実施形態の例が、添付の図面に示されている。以下の説明は添付の図面を参照し、異なる図面中の同じ番号は、特に断りの無い限り、同じ又は同様の要素を表す。例示的な実施形態の以下の説明文中に記載される実装は、本開示と整合する全ての実装を表すものではない。そうではなく、それらは、添付の特許請求の範囲に記載される主題に関連する態様と一致する装置及び方法の単なる例にすぎない。例えば、一部の実施形態が電子ビームを利用する文脈で説明されているが、本開示は、そのように限定されるものではない。他の種類の荷電粒子ビームが同様に適用されることがある。更に、光学結像、光検出、x線検出などの他の結像システムが使用されることがある。
【0011】
[0023] 電子デバイスは、基板と呼ばれるシリコン片上に形成された回路から構成される。多数の回路が、同じシリコン片上に一緒に形成されることがあり、集積回路又はICと呼ばれる。多数のより多くの回路を基板上に収めることができるように、これらの回路のサイズは劇的に小さくなっている。例えば、スマートフォン内のICチップは、親指の爪程小さいことがありながら、20億個を超えるトランジスタを含む場合があり、各トランジスタのサイズは、人間の髪の毛の大きさの1/1000よりも小さい。
【0012】
[0024] これらの極端に小さなICを製造することは、複雑で時間がかかり高価なプロセスであり、しばしば数百もの個々のステップを伴う。たった1つのステップでのエラーが、完成したICにおける欠陥をもたらし、それによってそのICを使い物にならなくする可能性がある。したがって、製造プロセスの1つのゴールは、そのような欠陥を回避して、プロセスにおいて作製される機能的ICの数を最大化すること、すなわち、プロセスの全体的歩留まりを向上させることである。
【0013】
[0025] 歩留まりを向上させる1つの要素は、チップ作製プロセスを監視して、十分な数の機能的集積回路が製造されていることを確認することである。プロセスを監視する1つの方法は、チップ回路構造を形成する様々な段階において、チップ回路構造を検査することである。検査は、走査電子顕微鏡(SEM)を使用して実行されることがある。SEMを使用すると、これらの非常に小さな構造を撮像する、要するに、ウェーハの構造の「写真」を撮ることができる。この画像を使用して、構造が適切に形成されたかどうか、及び構造が適切な位置に形成されたかどうかを判断することができる。構造に欠陥がある場合、欠陥が再び発生する可能性が低くなるようにプロセスを調整することができる。
【0014】
[0026] SEMの動作原理はカメラと似ている。カメラは、人や物から反射又は放出された光の明るさ及び色を受けて記録することによって写真を撮る。SEMは、構造物から反射又は放出された電子のエネルギー又は量を受けて記録することによって「写真」を撮る。このような「写真」を撮る前に、電子ビームが構造物上に提供されることがあり、電子が構造物から反射又は放出される(「出射する」)ときに、SEMの検出器が、それらの電子のエネルギー又は量を受けて記録して画像を生成することがある。このような「写真」を撮るために、単一の電子ビームを使用するSEM(「単一ビームSEM」と呼ばれる)がある一方、ウェーハの複数の「写真」を撮るために複数の電子ビームを使用するSEM(「マルチビームSEM」と呼ばれる)もある。複数の電子ビームを使用することによって、SEMはこれらの複数の「写真」を入手するためにより多くの電子ビームを構造物上に提供し、その結果より多くの電子が構造物から出射することがある。したがって、検出器はより多くの出射電子を同時に受け取り、より高い効率かつより速い速度でウェーハの構造物の画像を生成することがある。
【0015】
[0027] 検査は、ウェーハを真空チャンバ内に固定するステージを移動させることを含む。ただし、ステージを移動させるのに使用されるモータは大量の熱を放散することがよくある。ウェーハが長時間過度の熱にさらされることによって、ウェーハ上の構造物とともにウェーハは膨張し、結果的にウェーハの膨張によってターゲット位置から離れることがある。そのようなウェーハの熱ドリフトが、コンピュータチップを製造する又はウェーハ上の欠陥を特定する際の致命的なエラーを引き起こすことがある。温度変化がわずかであっても、関心エリアがSEM画像の視野から急速に外れ、そのエリアからの画像及び解析データの取得が困難になって、スループット及び検査歩留まりに悪影響を及ぼすことがある。また、位置センサ、ミラー、モータなどの隣接する光電コンポーネントの熱暴露が、ステージ位置決め誤差及びビーム配置精度誤差を引き起こす可能性がある。
【0016】
[0028] SEMは真空チャンバ環境で動作することがある。しかしながら、SEMが真空環境に備える又は真空環境で動作する場合、水蒸気又は空気分子が他のシステムコンポーネントから真空チャンバに漏出することがあるが、これはいくつかの理由で望ましくない場合がある。1つは、漏出によって、ウェーハの検査が行われる前に真空チャンバが所定の圧力に達するまでにより時間がかかることによって、スループットが遅くなる、あるいは真空チャンバが所定の圧力に達することができなくなる場合があることである。例えば、真空環境において、水蒸気又は空気分子がステージを冷却するのに使用される流体移送チューブから真空チャンバに漏出することがある。水蒸気又は空気分子が真空チャンバに漏出するとき、真空チャンバの圧力が増加することによって、真空チャンバが検査に必要な所定の圧力に達するのを妨げることがある。このシステムが所定の圧力に達するまでの長い時間(例えばポンプダウン時間)はシステムの可用性を低下させることがある。
【0017】
[0029] また、水蒸気及び空気分子は、システム内のかかる汚染物質に敏感なコンポーネント(例えば、純アルミニウムコンポーネント、高電圧コンポーネント、荷電粒子源コンポーネントなど)に起因して検査システムの寿命を低下させることがある。したがって、水蒸気及び空気分子が真空チャンバに入るのを防ぐ能力は、検査システムのスループット及び寿命を向上させるのに不可欠である。流体移送チューブの材料の選択は、流体及びガスの保持に不可欠である場合がある。また、流体移送チューブは、水蒸気又は気体分子が真空チャンバに逃げ込むのを防ぎながら可動ステージを収容する可撓性がある方がよい。一部の実施形態では、脱ガスシステムの使用によって、真空チャンバに漏出するガスを最小限にするために、流体が真空チャンバ内の1つ以上のチューブに入る前に流体から溶解したガスを除去することができる。
【0018】
[0030] この開示は、とりわけ、移送された流体及びガスを保持しながらウェーハステージを冷却するための可撓性流体移送チューブを提供するための方法及びシステムを記述する。この開示は、とりわけ、流体が真空チャンバ内の1つ以上のチューブに入る前に流体からガスを除去するための脱ガスシステムを真空チャンバの外側に設けるための方法及びシステムも記述する。一部の実施形態では、脱ガスシステムが真空チャンバの内側に設けられることがある。一部の実施形態では、検査システムは、ウェーハを固定するように構成されたステージと、ステージを収容する真空チャンバと、ステージとチャンバ外側との間の水や他の流体やガスを流体キャビネット又はシステムの内側もしくは外側にある他のコンポーネントに移送するチャンバ内側の複数のチューブとを備えることがある。一部の実施形態では、各チューブは、無機材料又は金属材料により被覆されている可撓性ポリマーベースを含むことがある。コーティングイオンが可撓性ポリマーベースの最上層に浸透し得るようにコーティングイオンを加速するために、プラズマ蒸着中に可撓性ポリマーベースに負バイアスを印加することによって、移送流体の保持力を高めることがある。一部の実施形態では、各チューブは、流体に水蒸気及びガスを保持し得る疎水性材料又は親水性材料の組み合わせを含むことがある。一部の実施形態では、マルチビーム検査システムが使用されることがある。一部の実施形態では、脱ガスシステムが真空チャンバ外側に設けられることがある。脱ガスシステムは、流体が真空チャンバ内の1つ以上のチューブに入る前に流体からガスを除去するように構成された真空ポンプシステムを含むことがある。脱ガスシステムは、以上で説明したように、真空チャンバ内の単層チューブ又は真空チャンバ内の多層チューブとともに使用されることがある。検査システムは、検査システムのスループットを最適化する複数の用途に適応することがある。
【0019】
[0031] 図面では、分かり易くするためにコンポーネントの相対的寸法が誇張されていることがある。以下の図面の説明では、同じ又は類似の参照番号は、同じもしくは類似のコンポーネント又はエンティティを指し、個々の実施形態に関する相違のみを説明する。
【0020】
[0032] 本明細書で使用されるとき、別段の具体的な記述がない限り、「又は」という用語は、実行不可能な場合を除いて、考えられる全ての組み合わせを包含する。例えば、コンポーネントがA又はBを含み得るということが記述されている場合は、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、AもしくはB、又はA及びBを含むことがある。第2の例として、コンポーネントがA、B又はCを含み得るということが記述されている場合は、別段の具体的な記述がない限り又は実行不可能でない限り、コンポーネントは、A、BもしくはC、又はA及びB、A及びC、もしくはB及びC、又はA、B及びCを含むことがある。
【0021】
[0033]
図1は、本開示の実施形態と整合する例示的な電子ビーム検査(EBI)システム100を示している。EBIシステム100は撮像に使用することができる。
図1に示すように、EBIシステム100は、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、電子ビームツール104、及び機器フロントエンドモジュール(EFEM)106を備える。電子ビームツール104は、メインチャンバ101内に位置している。EFEM106は、第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bを備える。EFEM106は(1つ以上の)追加のローディングポートを備えることがある。第1のローディングポート106a及び第2のローディングポート106bは、検査すべきウェーハ(例えば、半導体ウェーハ又は(1つ以上の)他の材料から作られているウェーハ)又はサンプルを内包するウェーハ前面開口式一体型ポッド(FOUP)を受け取る(ウェーハとサンプルは同じ意味で使用されることがある)。「ロット」とは、バッチ処理を行うためにロードされ得る複数のウェーハである。
【0022】
[0034] EFEM106の1つ以上のロボットアーム(図示せず)は、ウェーハをロード/ロックチャンバ102に輸送することがある。ロード/ロックチャンバ102は、大気圧を下回る第1の圧力に達するようにロード/ロックチャンバ102内の気体分子を除去するロード/ロック真空ポンプシステム(図示せず)に接続されている。第1の圧力に達した後、1つ以上のロボットアーム(図示せず)は、ロード/ロックチャンバ102からメインチャンバ101にウェーハを輸送することがある。メインチャンバ101は、第1の圧力を下回る第2の圧力に達するようにメインチャンバ101内の気体分子を除去するメインチャンバ真空ポンプシステム(図示せず)に接続されている。第2の圧力に達した後、ウェーハは、電子ビームツール104による検査を受ける。電子ビームツール104は、単一ビームシステム又はマルチビームシステムである場合がある。
【0023】
[0035] 電子ビームツール104にはコントローラ109が電子的に接続されている。コントローラ109は、EBIシステム100の種々の制御を実行するように構成されたコンピュータである場合がある。
図1には、コントローラ109が、メインチャンバ101、ロード/ロックチャンバ102、及びEFEM106を含む構造の外側にあるものとして示されているが、コントローラ109がかかる構造の一部であり得ることが理解される。
【0024】
[0036] 一部の実施形態では、コントローラ109は1つ以上のプロセッサ(図示せず)を備えることがある。プロセッサは、情報を操作又は処理することができる汎用又は特定電子デバイスである場合がある。例えばプロセッサは、中央処理装置(すなわち「CPU」)、グラフィック処理装置(すなわち「GPU」)、光プロセッサ、プログラマブル論理制御装置、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ、知的財産(IP)コア、プログラマブルロジックアレイ(PLA)、プログラマブルアレイロジック(PAL)、汎用アレイロジック(GAL)、複雑なプログラマブルロジックデバイス(CPLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、システムオンチップ(SoC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及びデータ処理能力を有する任意のタイプの回路のいくつかの任意の組み合わせを含むことがある。プロセッサは、ネットワークを介して結合された複数のマシン又はデバイスに分散された1つ以上のプロセッサを含む仮想プロセッサである場合もある。
【0025】
[0037] 一部の実施形態では、コントローラ109は、1つ以上のメモリ(図示せず)を更に備えることがある。メモリは、(例えばバスを介して)プロセッサがアクセス可能なコード及びデータを記憶する能力を有する汎用又は特定電子デバイスである場合がある。例えばメモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、光ディスク、磁気ディスク、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュドライブ、セキュリティデジタル(SD)カード、メモリスティック、コンパクトフラッシュ(CF,登録商標)カード、又は任意のタイプのストレージデバイスのいくつかの任意の組み合わせを含むことがある。コードは、オペレーティングシステム(OS)と、特定タスクのための1つ以上のアプリケーションプログラム(すなわち「アプリ」)とを含むことがある。メモリは、ネットワークを介して結合された複数のマシン又はデバイスに分散された1つ以上のメモリを含む仮想メモリである場合もある。
【0026】
[0038] これより本開示の実施形態と整合する、
図1のEBIシステム100の一部であるマルチビーム検査ツールを含む例示的な電子ビームツール104を示す概略図である
図2を参照する。一部の実施形態では、電子ビームツール104は、
図1のEBIシステム100の一部である単一ビーム検査ツールとして動作することがある。マルチビーム電子ビームツール104(本明細書では装置104とも呼ばれる)は、電子源201、クーロンアパーチャプレート(すなわち「銃アパーチャプレート」)271、集光レンズ210、放射源変換ユニット220、一次投影システム230、電動ステージ209、及び検査すべきサンプル208(例えば、ウェーハ又はフォトマスク)を保持するために電動ステージ209により支持されたサンプルホルダ207を備える。マルチビーム電子ビームツール104は、二次投影システム250及び電子検出デバイス240を更に備えることがある。一次投影システム230は対物レンズ231を備えることがある。電子検出デバイス240は、複数の検出素子241、242、及び243を備えることがある。ビームセパレータ233及び偏向走査ユニット232は一次投影システム230内部に配置されることがある。
【0027】
[0039] 電子源201、クーロンアパーチャプレート271、集光レンズ210、放射源変換ユニット220、ビームセパレータ233、偏向走査ユニット232、及び一次投影システム230は、装置104の一次光軸204と位置合わせされることがある。二次投影システム250及び電子検出デバイス240は、装置104の二次光軸251と位置合わせされることがある。
【0028】
[0040] 電子源201は、カソード(図示せず)及び抽出器又はアノード(図示せず)を備えることがあり、動作中、電子源201は、カソードから一次電子を放出するように構成され、この一次電子は抽出器及び/又はアノードによって抽出されるか又は加速されて、一次電子ビーム202を形成し、これは、(仮想の又は現実の)一次ビームクロスオーバ203を形成する。一次電子ビーム202は、一次ビームクロスオーバ203から放出されるものとして視覚化されることがある。
【0029】
[0041] 放射源変換ユニット220は、画像形成素子アレイ(図示せず)、収差補償器アレイ(図示せず)、ビーム制限アパーチャアレイ(図示せず)、及び事前屈曲マイクロ偏向器アレイ(図示せず)を備えることがある。一部の実施形態では、事前屈曲マイクロ偏向器アレイは、一次電子ビーム202の複数の一次ビームレット211、212、213を、ビーム制限アパーチャアレイ、画像形成素子アレイ、及び収差補償器アレイに垂直に入射するように偏向させる。一部の実施形態では、装置104は、単一の一次ビームレットが生成される単一ビームシステムとして動作することがある。一部の実施形態では、集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束させて平行ビームとなり、放射源変換ユニット220に垂直に入射するように設計されている。画像形成素子アレイは、複数のマイクロ偏向器又はマイクロレンズを備えて、一次電子ビーム202の複数の一次ビームレット211、212、213に影響を与え、且つ、一次ビームレット211、212、及び213のそれぞれに対して1つずつ、一次ビームクロスオーバ203の複数の(仮想の又は現実の)平行画像を形成することがある。一部の実施形態では、収差補償器アレイは、フィールド曲率補償器アレイ(図示せず)及び非点収差補償器アレイ(図示せず)を含むことがある。フィールド曲率補償器アレイは、複数のマイクロレンズを備えて、一次ビームレット211、212、及び213のフィールド曲率収差を補償することがある。非点収差補償器アレイは、複数のマイクロ非点収差補正器を備えて、一次ビームレット211、212、及び213の非点収差を補償することがある。ビーム制限アパーチャアレイは、個々の一次ビームレット211、212、及び213の直径を制限するように構成されることがある。
図2は、例として3つの一次ビームレット211、212、及び213を示しており、放射源変換ユニット220は、任意の数の一次ビームレットを形成するように構成され得ることが理解されよう。コントローラ109は、放射源変換ユニット220、電子検出デバイス240、一次投影システム230、又は電動ステージ209などの、
図1のEBIシステム100の様々な部分に接続されることがある。一部の実施形態では、以下で更に詳細に説明するように、コントローラ109は、様々な画像及び信号の処理機能を実行することがある。コントローラ109は、様々な制御信号を生成して、荷電粒子ビーム検査システムの動作を制御することもある。
【0030】
[0042] 集光レンズ210は、一次電子ビーム202を集束させるように構成されている。集光レンズ210は更に、集光レンズ210の集束力を変化させることによって、放射源変換ユニット220の下流の一次ビームレット211、212、及び213の電流を調整するように構成されることがある。代替的に、個々の一次ビームレットに対応するビーム制限アパーチャアレイ内のビーム制限アパーチャの半径サイズを変えることによって、電流を変化させることがある。電流は、ビーム制限アパーチャの半径サイズ及び集光レンズ210の集束力の両方を変えることによって変化させることがある。集光レンズ210は、第1の原理平面の位置が移動可能であるように構成され得る調整可能集光レンズである場合がある。調整可能集光レンズは磁気を帯びるように構成されることがあり、これによって、オフアクシスのビームレット212及び213が回転角度を有して放射源変換ユニット220を照明することがある。回転角度は、集束力、又は調整可能集光レンズの第1の主平面の位置と共に変化する。集光レンズ210は、集光レンズ210の集束力が変化する間、回転角度を不変に保つように構成され得る回転防止集光レンズである場合がある。一部の実施形態では、集光レンズ210は、その集束力及びその第1の主平面の位置が変化するときに回転角度が変化しない、調整可能な回転防止集光レンズである場合がある。
【0031】
[0043] 対物レンズ231は、検査のために、ビームレット211、212、及び213をサンプル208上に集束させるように構成されることがあり、また、本実施形態では、サンプル208の表面上に3つのプローブスポット221、222、及び223を形成することがある。クーロンアパーチャプレート271は、動作時に、一次電子ビーム202の周辺電子を遮断して、クーロン効果を低減するように構成されている。クーロン効果は、一次ビームレット211、212、213のプローブスポット221、222、及び223のそれぞれのサイズを拡大し、したがって検査分解能を低下させることがある。
【0032】
[0044] ビームセパレータ233は、例えば、静電双極子場及び磁気双極子場(
図2には示されていない)を生成する静電偏向器を含むウィーンフィルタである場合がある。動作時に、ビームセパレータ233は、一次ビームレット211、212、及び213の個々の電子に静電双極子場によって静電気力を及ぼすように構成されることがある。静電気力は、個々の電子にビームセパレータ233の磁気双極子場により及ぼされる磁力と、大きさは等しいが方向が反対である。したがって、一次ビームレット211、212、及び213は、少なくとも実質的にゼロの偏向角で、ビームセパレータ233を少なくとも実質的に真っ直ぐに通過することがある。
【0033】
[0045] 動作時に、偏向走査ユニット232は、一次ビームレット211、212、及び213を偏向させて、サンプル208の表面のセクション内の個々のスキャンエリア全体にわたってプローブスポット221、222、及び223をスキャンするように構成されている。サンプル208への一次ビームレット211、212、及び213又はプローブスポット221、222、及び223の入射に応答して、サンプル208から電子が出現し、3つの二次電子ビーム261、262、及び263を生成する。二次電子ビーム261、262、及び263のそれぞれは、通常、二次電子(50eV以下の電子エネルギーを有する)及び後方散乱電子(50eVと一次ビームレット211、212、及び213のランディングエネルギーとの間の電子エネルギーを有する)を含む。ビームセパレータ233は、二次電子ビーム261、262、及び263を二次投影システム250に向けて偏向させるように構成されている。続いて、二次投影システム250は、二次電子ビーム261、262、及び263を、電子検出デバイス240の検出素子241、242、及び243に集束させる。検出素子241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263を検出し、例えば、サンプル208の対応するスキャンエリアの画像を構築するために、コントローラ109又は信号処理システム(図示せず)に送信される対応する信号を生成するように配置される。
【0034】
[0046] 一部の実施形態では、検出素子241、242、及び243は、対応する二次電子ビーム261、262、及び263をそれぞれ検出し、画像処理システム(例えば、コントローラ109)への対応する強度信号出力(図示せず)を生成する。一部の実施形態では、各検出素子241、242、及び243は、1つ以上のピクセルを含むことがある。検出素子の強度信号出力は、検出素子内の全てのピクセルにより生成される信号の合計である場合がある。
【0035】
[0047] 一部の実施形態では、コントローラ109は、画像取得器(図示せず)、ストレージ(図示せず)を備える画像処理システムを備えることがある。画像取得器は、1つ以上のプロセッサを備えることがある。例えば、画像取得器は、コンピュータ、サーバ、メインフレームホスト、端末、パーソナルコンピュータ、任意の種類のモバイルコンピューティングデバイスなど、又はそれらの組み合わせを含むことがある。画像取得器は、媒体、とりわけ導電体、光ファイバケーブル、携帯型記憶媒体、IR、Bluetooth、インターネット、無線ネットワーク、無線通信、又はそれらの組み合わせなどを介して、装置104の電子検出デバイス240に通信可能に結合されることがある。一部の実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス240から信号を受信することがあり、画像を構築することがある。画像取得器は、このようにサンプル208の画像を取得することがある。画像取得器は、輪郭線を生成すること、インジケータを取得画像に重ね合わせることなど、様々な後処理機能も実行することがある。画像取得器は、取得画像の輝度及びコントラストなどの調整を行うように構成されることがある。一部の実施形態では、ストレージは、ハードディスク、フラッシュドライブ、クラウドストレージ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、他の種類のコンピュータ可読メモリなどの記憶媒体である場合がある。ストレージは、画像取得器と結合されることがあり、スキャンされた生の画像データを元画像として保存し、且つ後処理後の画像を保存するために使用されることがある。
【0036】
[0048] 一部の実施形態では、画像取得器は、電子検出デバイス240から受信した撮像信号に基づいて、サンプルの1つ以上の画像を取得することがある。撮像信号は、荷電粒子撮像を実施するためのスキャン動作に対応していることがある。取得画像は、複数の撮像エリアを含む単一の画像である場合がある。この単一の画像はストレージに記憶されることがある。この単一の画像は、複数の領域に分割され得る元画像である場合がある。これらの領域のそれぞれは、サンプル208のフィーチャを包含する1つの撮像エリアを含むことがある。取得画像は、時系列に複数回サンプリングされた、サンプル208の単一の撮像エリアの複数の画像を含むことがある。これらの複数の画像はストレージに記憶されることがある。一部の実施形態では、コントローラ109は、サンプル208の同じ場所の複数の画像を用いて画像処理ステップを実行するように構成されることがある。
【0037】
[0049] 一部の実施形態では、コントローラ109は、測定回路(例えばアナログ・デジタル変換器)を含んで、検出された二次電子の分布を取得することがある。検出時間ウィンドウ中に収集された電子分布データを、ウェーハ表面に入射する一次ビームレット211、212、及び213のそれぞれの対応するスキャンパスデータと組み合わせて使用して、検査中にウェーハ構造の画像を再構成することができる。再構成された画像を使用して、サンプル208の内部構造又は外部構造の様々な特徴を明らかにすることができ、それによって、ウェーハ内に存在し得る欠陥を明らかにすることができる。
【0038】
[0050] 一部の実施形態では、コントローラ109は、サンプル208の検査中にサンプル208を移動させるように、電動ステージ209を制御することがある。一部の実施形態では、コントローラ109は、電動ステージ209がある方向に連続的に一定の速度でサンプル208を移動できるようにすることがある。他の実施形態では、コントローラ109は、電動ステージ209が、スキャンプロセスのステップに応じて、時間外にサンプル208の移動速度を変えられるようにすることがある。
【0039】
[0051]
図2は装置104が3つの一次電子ビームを使用することを示しているが、装置104が2つ以上の一次電子ビームを使用し得ることが理解されよう。本開示は、装置104で使用される一次電子ビームの数を制限するものではない。一部の実施形態では、装置104はリソグラフィに使用されるSEMである場合がある。
【0040】
[0052] 単一荷電粒子ビーム撮像システム(「単一ビームシステム」)と比べて、複数荷電粒子ビーム撮像システム(「マルチビームシステム」)は、様々なスキャンモードのためにスループットを最適化するように設計されることがある。この開示の実施形態は、様々なジオメトリを有するビームアレイを使用することによって、様々なスキャンモードのためにスループットを最適化する能力をマルチビームシステムに提供し、様々なスループット及び分解能条件に適応する。
【0041】
[0053] プロセッサ(例えば
図1から
図2のコントローラ109のプロセッサ)が、画像処理、データ処理、ビームレットスキャン、データベース管理、グラフ表示、荷電粒子ビーム装置又は別の撮像デバイスの操作などを実行する命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が提供されることがある。非一時的な媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、ソリッドステートドライブ、磁気テープ、又は他の任意の磁気データ記憶媒体、CD-ROM、他の任意の光学データ記憶媒体、穴のパターンを有する任意の物理的媒体、RAM、PROM、及びEPROM、FLASH-EPROMもしくは他の任意のフラッシュメモリ、NVRAM、キャッシュ、レジスタ、他の任意のメモリチップもしくはカートリッジ、及び前述のもののネットワーク化されたものが挙げられる。
【0042】
[0054] これより本開示の実施形態と整合する
図2の例示的なマルチビームシステムの一部である例示的な流体移送システム300Aを示す概略図である
図3Aを参照する。流体移送システム300Aは、流体(例えば、水、グリコール、水とグリコールの混合物など)を大気流体槽303の内外に移送する流体キャビネット301を備えることがある。流体キャビネット301及び流体槽303は、
図2の例示的なマルチビームシステムの構成要素であるか又は
図2の例示的なマルチビームシステムから切り離されている場合がある。流体キャビネット301は、熱交換器、ポンプ、バルブ、又はウェーハステージ307を冷却するもしくはウェーハをウェーハステージ307に保持するなどの目的のために、流体をウェーハステージ307に提供するのに使用され得る他のコンポーネントを備えることがある。ウェーハステージ307は、
図2の電動ステージ207と同じコンポーネントである場合がある。
【0043】
[0055] 流体キャビネット301は、流体を流体槽303から硬質チューブ313(例えば金属)に移送することがある。硬質チューブ313は、流体を真空チャンバ305に、又はシステムの内側あるいは外側にある追加のシステムもしくはコンポーネント309に移送し得る外側可撓性チューブ315(例えばポリウレタン)に接続されることがある。流体は、外側可撓性チューブ315から真空チャンバ305内側の内側可撓性チューブ317に移送されることがある。ウェーハステージ307は、内側可撓性チューブ317を通って移送される流体によって冷却されることがある。したがって、流体は、内側可撓性チューブ317を通ってチャンバ305外側の外側可撓性チューブ315と、硬質チューブ313とに移送され、そして冷却が完了し、ポンプダウンが始まるまでに連続的なサイクルで流体キャビネット301に戻されることがある。
【0044】
[0056] 硬質チューブ313を通って移動する流体は、硬質チューブ313の低透過性によって硬質チューブ313に保持されることがある。一方、大気流体槽303内の空気分子(例えば、O2、N2など)によって、空気分子は外側可撓性チューブ315に浸透することによって、内側可撓性チューブ317から真空チャンバ305に入ることがある。また、外側可撓性チューブ315の空孔率及び結晶構造によって、空気分子311は外側可撓性チューブ315に浸透することによって、内側可撓性チューブ317から真空チャンバ305に入ることがある。周囲の低圧システムにおいて、内側可撓性チューブ317はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製である場合がある。ただし、PTFEは、マルチビームシステムの高速ウェーハステージの水冷の一部の実施形態などの、高真空用途及び超高真空用途には好ましくない場合がある。PTFEの空孔率及び結晶構造によって、PTFEは、特に内側可撓性チューブ317の内側と真空チャンバ305の間に圧力勾配が確立されるときに高い空気分子透過性を有する。したがって、高真空用途において内側可撓性チューブ317にPTFEが使用される場合、空気分子は真空チャンバ305に浸透することがある。
【0045】
[0057] これより本開示の実施形態と整合する
図2の例示的なマルチビームシステムの一部である例示的な流体移送システム300Bを示す概略図である
図3Bを参照する。流体移送システム300Bは、上記の
図3Aの流体移送システム300Aのコンポーネントを備え、流体移送システム300Aと同じように動作することがある。
【0046】
[0058] 流体移送システム300Bは、真空チャンバ305の外側に設けられた脱ガスシステム320を備えることがある。一部の実施形態では、脱ガスシステム320は、真空チャンバ305の内側に設けられることがある。脱ガスシステム320は、外側可撓性チューブ315から移送流体を受け、移送流体が真空チャンバ305内側の内側可撓性チューブ317に入る前に移送流体から空気分子321を除去するように構成されることがある。一部の実施形態では、単一の脱ガスシステムが流体キャビネット301の外側に配置されることがある。一部の実施形態では、それぞれが複数の外側可撓性チューブ315のそれぞれと対応する複数の脱ガスシステムが設けられることがある。マルチビームシステムの高速ウェーハステージの水冷などの、一部の高真空用途及び超高真空用途では、内側可撓性チューブ317はPTFE製である場合がある。PTFEの高い空気分子透過性は、移送流体が真空チャンバ305に入る前に脱ガスシステム320が移送流体からガス(例えば、O2、N2など)を除去し得るため、チャンバ305へのガスの漏出をもたらさないことがある。一部の実施形態では、内側可撓性チューブ317は、多層流体移送チューブ(例えば
図6のチューブ600)である場合がある。
【0047】
[0059] これより、本開示の実施形態と整合する、
図3Bの例示的な流体移送システム300Bの一部である例示的な脱ガスシステム320を示す概略図である
図3C、及び中空繊維膜チューブ324の図である
図3Dを参照する。
図3Cに示すように、脱ガスシステム320は、複数の中空繊維膜チューブ324(例えばポリプロピレン)、捕集チューブ323、及びバッフル327を含み得るハウジング322を備えることがある。複数の中空繊維膜チューブ324は、ハウジング322内側における液気接触のための大きな表面積を提供することがある。移送流体は、外側可撓性チューブ315からハウジング322の流体入口330に流れ込むことがある。バッフル327は、移送流体を放射状に中空繊維膜チューブ324上を流れさせて、膜と移送流体との接触表面積を最大化することがある。移送流体は、捕集チューブ323を通って中空繊維膜チューブ324の外面の周りを流れることがある。移送流体は、捕集チューブ323を通ってハウジング322の外側に流体出口331からチャンバ305に流れ込むことがある。
【0048】
[0060] 脱ガスシステム320は真空ポンプシステム333を備えることもある。真空ポンプシステム333は、ガスが中空繊維膜チューブ324内側からガス出口332に流れ得るようにガス出口332を介してハウジング322に接続することがある。例えば真空ポンプシステム333は、中空繊維膜チューブ324内側のガスが向流方向に流れ得るように動作することがある。中空繊維膜チューブ324内側のガスの向流は、中空繊維膜チューブ324の内側と外側の間に圧力勾配を確立するように移送流体の液相と気相の均衡をオフセットすることがある。ここで中空繊維膜チューブ324の内側は低圧(又は低ガス濃度)を有することがあり、中空繊維膜チューブ324の外側は高圧(又は高ガス濃度)を有することがある。一部の実施形態では、中空繊維膜チューブ324は、脱ガスシステム320にバッフル327が不要となるようにハウジング322の長さに対して垂直な方向に伸びるように構成されることがある。一部の実施形態では、ストリップガスが、中空繊維膜チューブ325内側を流れて特定のガス種類のガス除去の効率を向上させるようにハウジング322への追加の入口に印加されることがある。例えばN2ストリップガスを印加することは、移送流体からO2を除去する効率を向上させることがある。
【0049】
[0061]
図3Dに示すように、中空繊維膜チューブ324の内側と外側の間に確立された圧力勾配(又はガス濃度勾配)によって、移送流体326に溶解しているガス325が、中空繊維膜チューブ324の外側(高圧側)から中空繊維膜チューブ324の内側(低圧側)に移動することがある。ガス325(例えば空気分子321)は、中空繊維膜チューブ324を通って真空ポンプシステム333(低圧側)に向かってガス出口332に移動し続けることがある。
【0050】
[0062] 一部の実施形態では、真空ポンプシステム333は真空ポンプである場合がある。一部の実施形態では、真空ポンプシステム333は圧縮空気駆動式真空ポンプである場合がある。真空ポンプシステム333が圧縮空気駆動式真空ポンプである場合、真空ポンプシステム333は、圧縮空気がガス出口332の開口部を流れるように空気を圧縮することがある。圧縮空気駆動式真空ポンプは、圧縮空気の速度が増すにつれて真空ポンプシステム333の圧力が低下して、真空環境を作り出すように、ベルヌーイの原理に従って動作することがある。
【0051】
[0063] 一部の実施形態では、脱ガスシステム320は、移送流体からのガス除去の効率を高めるために、1つの外側可撓性チューブ315につき1つの、複数の脱ガスシステムを含むことがある。一部の実施形態では、移送流体の流量を調整して、より多量の溶解しているガスが移送流体から除去され得るように流量を減少させることがある。移送流体の流量を減少させることによって、移送流体が脱ガスシステム320で過ごす時間を多くすることができ、その結果、移送流体から除去される溶解しているガスの量が増すことがある。
【0052】
[0064] これより時間と真空チャンバ(例えば
図3Aの真空チャンバ305)内の圧力との例示的な関係を示すグラフである
図4Aを参照する。
図4Aに示すように、横軸は時間を表し、縦軸は真空チャンバ内の圧力を表す。40時間のうち時間411は、システムが試験として、PTFE流体移送チューブ内側の静水を示す循環水の流れを止め得る時間を示している。真空チャンバ内の全圧401が、H2O(水)分圧403、N2(空気の成分)分圧405、O2(空気の成分)分圧407、及びAr(空気の成分)分圧409とともに示されている。実際の条件下では、システムは循環水の流れを止め得ないことに留意されたい。
【0053】
[0065]
図4Aに示すように、時間411において、水分圧403は一定のままである一方、窒素分圧405、酸素分圧407、及びアルゴン分圧409は低下する。時間411における窒素、酸素、及びアルゴンの分圧の低下は、時間411において、流体キャビネット(例えば
図3Aの流体キャビネット301)との水の循環が閉じているために、PTFE流体移送チューブから逃げ、周囲の真空チャンバに入る空気分子の数の減少を示すことがある。水の循環が閉じられる結果として、空気分子が水と一緒にシステムを離れ、水の循環が閉じた後に新しい空気分子がシステムに入り得ないため、PTFE流体移送チューブから逃げる空気分子が少なくなることがある。したがって、
図4Aには、圧力勾配下における空気分子の高いPTFE透過性が見られる。
【0054】
[0066] これより時間と真空チャンバ(例えば
図3Bの真空チャンバ305)内の圧力との例示的な関係を示すグラフである
図4Bを参照する。このシステムは、流体キャビネット(例えば
図3Bの流体キャビネット301)と真空チャンバとの間に脱ガスシステム(例えば
図3Bの脱ガスシステム320)を備えることがある。このシステムは、脱ガスシステムと真空チャンバとの間に外側可撓性チューブ(例えば
図3Bの外側可撓性チューブ315)を備えることがある。
図4Bに示すように、横軸は時間を表し、縦軸は真空チャンバ内の圧力を表す。期間431は、システムが試験として、PTFE流体移送チューブ内側の静水を示す循環水の流れを止め得る期間を示している。期間432は、システムが循環水の流れを開始し得る期間を示している。期間433は、システムが水を循環させながら脱ガスシステム(例えば
図3Bの脱ガスシステム320)を実行し得る期間を示している。真空チャンバ内の全圧421が、N2(空気の成分)分圧425、O2(空気の成分)分圧427、及びAr(空気の成分)分圧428とともに示されている。実際の条件下では、システムは循環水の流れを止め得ないことに留意されたい。
【0055】
[0067]
図4Bに示すように、脱ガスシステムが期間432と433の間に実行されるとき、全圧421並びに分圧425、427及び428は低下する。期間433の始まりにおける窒素、酸素、及びアルゴンの圧力の低下は、期間433の始まりにおいて脱ガスシステムが、移送流体が真空チャンバに入る前に移送流体からガスを除去し得るために、真空チャンバに入る空気分子の数の減少を示すことがある。
【0056】
[0068]
図4Bに示すように、全圧421は期間431及び433の間、同様の値を有することがある。これらの同様の全圧値は、相当な数の気体分子が外側可撓性チューブを介して真空チャンバに入るわけではないことを示すことがある。
【0057】
[0069] これより本開示の実施形態と整合する透過の図である
図5を参照する。ポリマーは、ポリマーの性質(例えば、化学組成、結晶化度、分子量など)及び流体の性質(例えば、分子サイズ、極性など)によって様々な程度に流体(例えば、ガス、蒸気、液体など)に透過性がある場合がある。ポリマーを通じた分子の輸送は、圧力勾配、温度勾配、濃度勾配によって、又は外力場によってもたらされることがある。例えば、高真空システム又は超高真空システム(例えば
図3Aの真空チャンバ305)では、内側可撓性チューブ(例えば
図3Aの内側可撓性チューブ317)から外側可撓性チューブへの水及び気体分子の輸送は、チューブ内側と真空チャンバ内側との圧力勾配又は濃度勾配によってもたらされることがある。
【0058】
[0070] 流体のポリマー透過は、次の3つのステップを含むことがある。(1)より高い電位Phighの側(例えば
図3の内側可撓性チューブ317内側)におけるポリマー(例えば
図3Aの内側可撓性チューブ317)の膜513への分子501又は503の溶解(吸収)、(2)分子の膜513の中の及び膜513を通した分子拡散、及び(3)反対側における拡散した分子の、より低い電位Pvacuum(例えば
図3Aの真空チャンバ305)における流体への放出(脱離)。「透過」という用語は、膜を横切る浸透流体の大量輸送全体を表現するのに対して、「拡散」という用語は、浸透分子の膜の全体の内側における移動を表現する。
【0059】
[0071] 流体のポリマー透過性は、流体及びポリマーの極性に依存することがある。分子は複数の結合を含むことがある。電子を共有する2つの原子の電気陰性度が等しい場合、2つの原子は無極性結合を形成することがある。電子を共有する2つの原子の電気陰性度が等しくない場合、原子は均等に共有されることはなく、部分イオン電荷が生じることがある。この電子の不均等な共有は結合双極子をもたらし、形成される結合は極性がある。分子に存在する結合双極子が互いに打ち消し合わない場合、分子は極性がある。分子に存在する結合双極子が互いに打ち消し合う場合、分子は無極性である。極性分子は、その部分電荷によって他の極性分子を引き付け、これに結合する。無極性分子は残されて他の無極性分子とグループを形成し、他の無極性分子と弱い結合を形成する一方、極性分子は他の極性分子を引き付ける。したがって、極性分子は極性膜を容易に透過することがあるが、無極性膜を容易に透過することはない。同様に、無極性分子は無極性膜を容易に透過することがあるが、極性膜を容易に透過することはない。
【0060】
[0072] 例えば、分子501は極性がある場合があり(例えば水)、分子503は無極性である場合があり(例えば、N2、O2)、ポリマー膜513は無極性である場合がある。圧力勾配Phigh~Pvacuumを有するシステムでは、極性分子501は、無極性膜613の高電位Phigh側に保持されることがある一方、無極性分子503は無極性膜513を透過することがある。
【0061】
[0073] 真空チャンバ(例えば
図3Aの真空チャンバ305)内の水蒸気及び空気分子は、いくつかの理由で望ましくない場合がある。1つは、真空チャンバ内の圧力が、ウェーハの検査が行われる前に所定の圧力に達する必要がある場合があることである。可撓性チューブ(例えば
図3Aの内側可撓性チューブ317)から真空チャンバに逃げ込む水蒸気及び空気分子は、真空チャンバの圧力を上昇させることによって、真空チャンバが検査に必要とされる所定の圧力に低下するのを妨げることがある。このシステムが所定の圧力に達するまでの長い時間(例えばポンプダウン時間)は、例えば
図8に曲線801~804Aと801~804Bを比較して以下に示すように、システムの可用性を低下させることがある。また、水蒸気及び空気分子は、システム内の汚染物質に敏感なコンポーネント(例えば、純アルミニウムコンポーネント、高電圧コンポーネント、電子源など)に起因して検査システムの寿命を低下させることがある。したがって、可撓性チューブの材料の選択は、検査システムのスループット及び寿命を向上させるのに不可欠である。
【0062】
[0074] これより本開示の実施形態と整合する多層流体移送チューブの図である
図6を参照する。
図6に示すように、流体移送チューブ600(例えば
図3Aから
図3Bの内側可撓性チューブ317)は、複数の管状層(層601、602、又は603など)を備えることがある。チューブ600が図示された実施形態に限定されず、2つの層又は4つ以上の層(例えば管状層)を備え得ることが理解される。
【0063】
[0075] 効果的な孔浸透によって、可撓性ポリマーをダイヤモンド状炭素(DLC)、イオンで被覆すること、又は高密度ポリマーは、検査中のウェーハステージの高速移動のための柔軟な構造を維持しながら、実質的に酸素及び水蒸気が浸透しにくい構造を提供することがある。また、これらの被覆材料は、伝導性又は耐摩耗性を向上させるように設計されることがある。例えばコーティングのない一部の可撓性ポリマー(例えばPTFE)は、動作中の高電圧に起因してシステムへの静電気リスクをもたらし得る高い電子親和力と絶縁性がある場合がある。流体移送チューブの透過性の実質的な低下によって、チューブの内側からチューブの外側への流体(例えば、水、空気など)の真空チャンバへの浸透が減少することに加えて、システム(例えば
図3Aから
図3Bの真空チャンバ305)がより低い圧力に達することが可能になる場合がある。
【0064】
[0076] 一部の実施形態では、チューブ600は2つの層601及び602のみを備えることがあり、ここで層601は極性があり、層602は無極性である場合がある。この実施形態は、水には極性があり、空気分子は無極性であるため、水蒸気又は空気分子のチューブ600への吸収を減少させるために好ましい場合がある。一部の実施形態では、層601は無極性である一方、層602は極性がある場合がある。例えば極性層は、少なくとも1つのポリ塩化ビニリデン(PVDC)又はエチレンビニルアルコール(EVOH)層を含むことがある。なぜなら、PVDC及びEVOHは、酸素及び水の透過係数が低い(例えば、PVDCについて0.00425~0.57cm3-mm/m2-d-atm O2及び0.025~0.913g-mm/m2-d 水、並びにEVOHについて0.01~0.15cm3-mm/m2-d-atm O2及び0.8~2.4g-mm/m2-d 水)極性分子であるからである。無極性層は少なくとも1つのPTFE層を含むことがある。なぜなら、PTFEは水の透過係数が低い(例えば0.0045~0.30g-mm/m2-d 水)無極性分子であるからである。
【0065】
[0077] 一部の実施形態では、チューブ600は3つの層601~603を備えることがあり、層601は極性があり、層602は接着層であり、層603は無極性である場合がある。一部の実施形態では、層601は無極性である一方、層603は極性がある場合がある。一部の状況では、少なくとも3つの層を有することは、層601と603の接着を高め、これによってチューブ600の堅牢性を高め、水蒸気又は空気分子のチューブ600透過性を低下させるために好ましい場合がある。以上で説明したように、水は極性があり、空気分子は無極性である。極性層は、PVDC及びEVOHが極性分子であるために少なくとも1つのPVDC又はEVOH層を含むことがある。無極性層は、PTFEが無極性分子であるために少なくとも1つのPTFE層を含むことがある。接着層は、少なくとも1つのポリイミド層を含むことがある。
【0066】
[0078] 一部の実施形態では、チューブ600は2つの層601及び602を備えることがあり、602は601を被覆する。例えば、層601は、少なくとも1つの可撓性ポリマーベース(例えば、PTFE、ポリエチレンテレフタレートなど)を含むことがあり、層602は、DLCコーティング、金属コーティング(例えば、Cr、Alなど)、金属酸化物コーティング(例えばAlOx)、半金属酸化物コーティング(例えばSiOx)、又は高密度ポリマーコーティング(例えば、ポリイミド/カプトン、ポリフッ化ビニリデンなど)を含むことがある。一部の状況では、この層構成は、水蒸気又は空気分子のチューブ600内の及びチューブ600を通した分子拡散を減少させるために好ましい場合がある。コーティング層602は、層601の細孔を塞ぐことによって、透過の拡散段階における水蒸気又は空気分子のチューブ600透過を減少させることがある。一部の実施形態では、層602は、層601に導電性構造(例えばワイヤ)を挿入することによって、負バイアス下で層601に施されるDLCコーティング又は金属コーティングを含むことがある。負バイアスは、イオンのコーティングを加速し、コーティングイオンを層601の最上層に浸透させるために層602のプラズマ蒸着中に印加されることによって、層601の格子間位置及び細孔を塞いでチューブ600への流体浸透性を低下させることがある。一部の実施形態では、DLCコーティング、金属コーティング、金属酸化物コーティング、又は半金属酸化物コーティングのそれぞれが、チューブ600の力学的特性に影響を及ぼさないように10~50nmの厚さを有することがある。一部の実施形態では、チューブ600は少なくとも1つの接着層を備えることがある。一部の実施形態では、少なくとも1つのPVDC又はEVOH層は、層601及びコーティング層602の内側又は外側にある場合がある。
【0067】
[0079] これより本開示の実施形態と整合する透過の図である
図7を参照する。
図5と同様に、環境が極性分子701及び無極性分子703を有することがある。ポリマー膜713は、極性層715及び無極性層717を含む2つ以上の層を含むことがある。圧力勾配Phigh~Pvacuumを有するシステムでは、無極性分子703は極性層715の高電位Phigh側に保持されることがある一方、極性分子701は、極性層715を透過することがある。しかしながら、極性分子701は無極性層717によって極性層715に保持されることがある。したがって、分子701及び703は、膜713の低電位側Pvacuumに逃げ込むことを妨げられることがある。一部の実施形態では、無極性(又は疎水性)分子を含む層(例えばPTFE)が90度より大きい水接触角を有することがある。一部の実施形態では、極性(又は親水性)分子を含む層(例えば、PVDC、EVOHなど)が90度より小さい水接触角を有することがある。
【0068】
[0080] 分子701及び703(例えば、水蒸気、空気分子など)の透過を減少させることは、真空チャンバシステム(例えば
図3Aから
図3Bの真空チャンバ305)内の圧力を低下させる上で有利である場合がある。真空チャンバ内の圧力は、システム圧力がシステム内の気体分子の増加とともに上昇し得るため、流体やガスが流体移送チューブから逃げないシステムにおいて低くなることがある(例えば
図8の曲線801~804B)。流体やガスが流体移送チューブから逃げないシステムでは、真空チャンバの圧力は、システム圧力が気体分子の数が減るとともに低下し得るため、より短時間でより低い圧力に達することがある。真空チャンバの圧力をより短時間で低下させることによって、荷電粒子システム(例えば
図1のEBIシステム100)が高い電圧をより早く使用すること(例えば
図8の線813)及び検査測定結果をより早く集めること(例えば
図8の線815)が可能になることがある。したがって、真空チャンバの圧力をより短時間で低下させることは、検査システムの寿命を最適化したり延ばしたりすることがある。例えば、水蒸気及び空気分子の真空チャンバへの浸透を減少させる流体移送チューブを使用することは、ポンプダウンタイムを40時間から16時間に短縮することがある。また、この流体移送チューブを使用することは、最終の真空チャンバ圧力を低下させることによって、検査システムの寿命を延ばすことがある。
【0069】
[0081] これより時間と真空チャンバ(例えば
図3Aから
図3Bの真空チャンバ305)内の圧力との例示的な関係を示すグラフである
図8を参照する。
図8に示すように、横軸は時単位の時間を表し、縦軸は真空チャンバ内の圧力を表す。曲線801A、802A、803A、及び804Aは、PTFEチューブが真空チャンバ内側で脱ガスシステムを用いずに可撓性チューブ(例えば
図3の内側可撓性チューブ317)に使用されている場合の真空チャンバ内の測定圧力である一方、曲線801B、802B、803B、及び804Bは、多層移送チューブ(例えば
図6の流体移送チューブ600)が真空チャンバ内側で可撓性チューブに使用されている場合の、又は脱ガスシステム(例えば
図3Bの脱ガスシステム320)が使用されている場合の真空チャンバ内の推定圧力である。曲線801A及び801Bは真空チャンバ内の全圧であり、曲線802A及び802Bは真空チャンバ内の水の分圧であり、曲線803A及び803Bは真空チャンバ内の窒素の分圧であり、曲線804A及び804Bは真空チャンバ内の酸素の分圧である。曲線801~804Bが示すように、真空チャンバ内の圧力は、極性層と無極性層の結合体を使用し得る多層移送チューブを使用するシステムにおいて低くなることがある。なぜなら、流体又はガスが多層移送チューブから逃げることがないからである。真空チャンバ内の圧力はまた、脱ガスシステムを備えた単層チューブを使用するシステムにおいて低くなることがある。なぜなら、溶解しているガスは、移送流体が真空チャンバに入る前に移送流体から除去されることがあるからである。真空チャンバ内の圧力は、曲線801~804Aが示すように、システム圧力がシステム内の気体分子の増加とともに上昇し得るため、流体やガスが多層移送チューブから逃げないシステムにおいて低くなることがある。同様に、真空チャンバ内の圧力は、移送流体が真空チャンバに入る前に溶解している気体が移送流体から除去されるシステムにおいて低くなることがある。例えば、曲線803A及び804Aが示すように、脱ガスシステムが使用されない場合にPTFEが無極性であるため、PTFEを使用する可撓性チューブからガス(例えば、N2、O2など)が逃げることがある。したがって、曲線802A及び802Bが示すように、可撓性チューブ内の水分保持は、PTFEが無極性であるため、PTFE又は多層移送チューブが使用される場合に同じである場合がある。
【0070】
[0082] 線813は、荷電粒子システム(例えば
図1のEBIシステム100)が高電圧を使用し得る最高圧力である。荷電粒子システムは、高電圧下で検査を実行する必要がある場合があるため、真空チャンバ圧力が線813を下回るのが速ければ速いほど、荷電粒子システムはより早く高電圧下で動作し、システムスループットを向上させることがある。線815は、荷電粒子システムが検査測定結果を集め得る最高圧力である。極性層と無極性層の結合体を含む多層移送チューブ、脱ガスシステムを備えた単層移送チューブ、又はそれらの組み合わせは、真空チャンバ圧力が線815を下回るのが速ければ速いほど、荷電粒子システムがより早く検査を実行し得るため望ましい場合がある。したがって、システムスループットは、真空チャンバ圧力が線815により早く達した場合に向上することがある。流体又はガスが流体移送チューブから逃げない(例えば曲線801~804B)又は真空チャンバに入らないシステムでは、真空チャンバの圧力は、システム圧力が気体分子の数が減るとともに低下し得るため、より短時間(例えば約10時間)でより低い圧力に達することがある。したがって、気体分子が流体移送チューブ内に保持されている、又は真空チャンバに入る前に移送流体から除去される場合に、真空チャンバの圧力は、従来のチューブを使用したシステム(例えば約40時間)と比較した場合に、より短時間(例えば約10時間)でより低い圧力に達することによって、システムがより大きいスループットの提供を可能にすることがある。
【0071】
[0083]
図8に示すように、流体移送チューブのための材料、好ましくは流体又はガス(例えば、水蒸気、空気分子)が真空チャンバに逃げ込むのを妨げる材料の選択、又は脱ガスシステムの使用は、検査システムの寿命を最適化し延ばすのに重要である。
【0072】
[0084] これより本開示の実施形態と整合する流体移送チューブを形成する例示的な方法900のフローチャートである
図9を参照する。
【0073】
[0085] ステップ901において、チャンバ(例えば
図3Aから
図3Bの真空チャンバ305)内に設けられ、ステージ(例えば
図3Aから
図3Bのウェーハステージ307)とチャンバの外側との間で流体(例えば水)を移送するためのチューブ(例えば
図3の内側可撓性チューブ317)が、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の層(例えば
図6の層601)を形成することによって形成されることがある。可撓性ポリマー層は無極性である(例えばPTFE)場合がある。
【0074】
[0086] ステップ903において、チューブを形成することは、第1の層上に第2の材料の第2の層(例えば
図6の層602)を形成することを更に含むことがあり、第2の材料は、DLCコーティング、金属コーティング(例えばCr、Alなど)、金属酸化物コーティング(例えばAlOx)、半金属酸化物コーティング(例えばSiOx)、又は高密度ポリマーコーティング(例えば、ポリイミド/カプトン、ポリフッ化ビニリデンなど)を含むことがある。第2の材料は、可撓性ポリマーの細孔を塞ぐことによって、分子拡散段階における流体(例えば水)又はガス(例えば、N2、O2)のチューブ透過を減少させるように構成されることがある。
【0075】
[0087] ステップ905において、負バイアスが、第2の材料のイオンのコーティングを加速し、コーティングイオンを可撓性ポリマーの最上層に浸透させるために、第2の層のプラズマ蒸着中に導電性構造を介してチューブに印加されることによって、可撓性ポリマーの格子間位置及び細孔を塞いでチューブへの流体浸透性を低下させることがある。チューブへの流体浸透性を低下させることは、例えば水蒸気及び空気分子が真空チャンバに入ることを妨げることによって、システム圧力が気体分子の数を減らすことによって低下し得るため、真空チャンバがより短時間でより低い圧力に達することを可能にする場合がある。真空チャンバの圧力をより短時間で低下させることによって、荷電粒子システム(例えば
図1のEBIシステム100)が高い電圧をより早期に使用すること及び検査測定結果をより早期に集めることが可能になることによって、検査システムの検査スループットが最適化されることがある。
【0076】
[0088] ステップ907において、チューブを形成することは、第1の層上に第3の材料の第3の層(例えば
図6の層603)を形成することを更に含むことがあり、第3の材料は極性層(例えば、PVDC、EVOHなど)を含むことがある。第3の極性材料の第3の層を作成することは、水蒸気又は空気分子のチューブへの吸収を減少させることによって、水蒸気又は空気分子のチューブへの浸透性を更に低下させ、真空チャンバの圧力をより短時間で低下させることがある。
【0077】
[0089] 実施形態は更に、以下の条項を用いて記述されることもある。
1.ウェーハを固定するように構成されたステージと、
ステージを収容するように構成されたチャンバであって、真空環境で動作するように構成されているチャンバと、
チャンバ内に設けられ、ステージとチャンバの外側との間で流体を移送するように構成されたチューブと、を備えたシステムであって、チューブが、
可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層と、
流体又はガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層とを備えたシステム。
2.可撓性ポリマーがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、条項1のシステム。
3.可撓性ポリマーがポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、条項1のシステム。
4.第2の管状層が第1の管状層を被覆する、条項1から3のいずれか一項のシステム。
5.第2の材料がダイヤモンド状炭素である、条項1から4のいずれか一項のシステム。
6.第2の材料が金属酸化物である、条項1から4のいずれか一項のシステム。
7.金属酸化物が酸化アルミニウムである、条項6のシステム。
8.第2の材料が金属である、条項1から4のいずれか一項のシステム。
9.金属がアルミニウムである、条項8のシステム。
10.金属がクロムである、条項8のシステム。
11.第2の材料が半金属酸化物である、条項1から4のいずれか一項のシステム。
12.半金属酸化物が酸化ケイ素である、条項11のシステム。
13.第2の材料がポリマーである、条項1から4のいずれか一項のシステム。
14.ポリマーがポリイミドである、条項13のシステム。
15.ポリマーがポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はエチレンビニルアルコール(EVOH)の少なくとも1つである、条項13のシステム。
16.第2の管状層の厚さが10から50ナノメートルである、条項5から12のいずれか一項のシステム。
17.チューブが、ガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第3の材料の第3の管状層を更に備える、条項1、2、又は4から16のいずれか一項のシステム。
18.第3の管状層が第2の管状層を覆っている、条項17のシステム。
19.第1の管状層が第3の管状層を覆っている、条項17のシステム。
20.第1の管状層が90度より大きい流体接触角を含む、条項1、2、又は4から19のいずれか一項のシステム。
21.第3の管状層が90度より小さい流体接触角を含む、条項1、2、又は4から20のいずれか一項のシステム。
22.チューブが接着層を更に含む、条項1から21のいずれか一項のシステム。
23.第1の管状層、第2の管状層、又は第3の管状層のそれぞれの間に接着層を更に備えた、条項1から22のシステム。
24.接着層がポリイミドを含む、条項22又は23のシステム。
25.第3の材料がPVDCを含む、条項17から24のいずれか一項のシステム。
26.第3の材料がEVOHを含む、条項17から24のいずれか一項のシステム。
27.チューブが流体を高又は超高真空システムにおいて移送するように構成されている、条項1から26のいずれか一項のシステム。
28.第1の管状層が複数の第1の管状層を含む、条項1から27のいずれか一項のシステム。
29.第2の管状層が複数の第2の管状層を含む、条項1から28のいずれか一項のシステム。
30.第3の管状層が複数の第3の管状層を含む、条項17から29のいずれか一項のシステム。
31.流体が水又はグリコールの少なくとも1つを含む、条項1から30のいずれか一項のシステム。
32.ガスが酸素又は窒素の少なくとも1つを含む、条項1から31のいずれか一項のシステム。
33.システムが
流体槽と、
流体を流体槽とチャンバの外側にある複数のポリウレタンチューブとの間で移送するための、チャンバの外側にある複数の硬質チューブとを更に備え、
チャンバ内に設けられたチューブが流体を複数のポリウレタンチューブとステージとの間で移送するように構成されている、条項1から32のいずれか一項のシステム。
34.ステージがチャンバ内を移動するように構成され、
チューブがステージと一緒に移動するように構成されている、条項1から33のいずれか一項のシステム。
35.システムが走査電子顕微鏡システムを含む、条項1から34のいずれか一項のシステム。
36.システムがリソグラフィシステムを含む、条項1から35のいずれか一項のシステム。
37.チューブが複数のチューブを含む、条項1から36のいずれか一項のシステム。
38.真空チャンバ内に設けられて、流体をステージと真空チャンバの外側との間で移送するように構成されたチューブであって、
可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層と、
流体又はガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層とを備えたチューブ。
39.可撓性ポリマーがポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、条項38のチューブ。
40.可撓性ポリマーがポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、条項38のチューブ。
41.第2の管状層が第1の管状層を被覆する、条項38から40のいずれか一項のチューブ。
42.第2の材料がダイヤモンド状炭素である、条項38から41のいずれか一項のチューブ。
43.第2の材料が金属酸化物である、条項38から41のいずれか一項のチューブ。
44.金属酸化物が酸化アルミニウムである、条項42のチューブ。
45.第2の材料が金属である、条項38から41のいずれか一項のチューブ。
46.金属がアルミニウムである、条項45のチューブ。
47.金属がクロムである、条項45のチューブ。
48.第2の材料が半金属酸化物である、条項38から41のいずれか一項のチューブ。
49.半金属酸化物が酸化ケイ素である、条項47のチューブ。
50.第2の材料がポリマーである、条項38から41のいずれか一項のチューブ。
51.ポリマーがポリイミドである、条項50のチューブ。
52.ポリマーがポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はエチレンビニルアルコール(EVOH)の少なくとも1つである、条項50のチューブ。
53.第2の管状層の厚さが10から50ナノメートルである、条項42から49のいずれか一項のチューブ。
54.チューブが、ガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第3の材料の第3の管状層を更に備える、条項38、39、又は41から53のいずれか一項のチューブ。
55.第3の管状層が第2の管状層を覆っている、条項54のチューブ。
56.第1の管状層が第3の管状層を覆っている、条項54のチューブ。
57.第1の管状層が90度より大きい流体接触角を含む、条項38、39、又は41から56のいずれか一項のチューブ。
58.第3の管状層が90度より小さい流体接触角を含む、条項38、39、又は41から57のいずれか一項のチューブ。
59.チューブが接着層を更に含む、条項38、39、又は41から58のいずれか一項のチューブ。
60.第1の管状層、第2の管状層、又は第3の管状層のそれぞれの間に接着層を更に備えた、条項38から59のいずれか一項のチューブ。
61.接着層がポリイミドを含む、条項59又は60のチューブ。
62.第3の材料がPVDCを含む、条項54から61のいずれか一項のチューブ。
63.第3の材料がEVOHを含む、条項54から61のいずれか一項のチューブ。
64.チューブが流体を高又は超高真空システムにおいて移送するように構成されている、条項38から63のいずれか一項のチューブ。
65.第1の管状層が複数の第1の管状層を含む、条項38から64のいずれか一項のチューブ。
66.第2の管状層が複数の第2の管状層を含む、条項38から65のいずれか一項のチューブ。
67.第3の管状層が複数の第3の管状層を含む、条項54から66のいずれか一項のチューブ。
68.流体が水又はグリコールの少なくとも1つを含む、条項38から67のいずれか一項のチューブ。
69.ガスが酸素又は窒素の少なくとも1つを含む、条項38から68のいずれか一項のチューブ。
70.真空チャンバ内で使用される、流体をステージと真空チャンバの外側との間で移送するためのチューブを形成する方法であって、
可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層を形成すること、
流体又はガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層を形成すること、及び
第2の管状層のプラズマ蒸着中に導電性構造を介して負バイアスをチューブに印加することを含む方法。
71.第1の管状層がポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を含む、条項70の方法。
72.第1の管状層がポリエチレンテレフタレート(PET)を含む、条項70の方法。
73.第2の管状層を形成することが第1の管状層を被覆することを含む、条項70から72のいずれか一項の方法。
74.第2の材料がダイヤモンド状炭素である、条項70から73のいずれか一項の方法。
75.第2の材料が金属酸化物である、条項70から73のいずれか一項の方法。
76.金属酸化物が酸化アルミニウムである、条項74の方法。
77.第2の材料が金属である、条項70から73のいずれか一項の方法。
78.金属がアルミニウムである、条項77の方法。
79.金属がクロムである、条項77の方法。
80.第2の材料が半金属酸化物である、条項70から73のいずれか一項の方法。
81.半金属酸化物が酸化ケイ素である、条項80の方法。
82.第2の材料がポリマーである、条項70から73のいずれか一項の方法。
83.ポリマーがポリイミドである、条項82の方法。
84.ポリマーがポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、又はエチレンビニルアルコール(EVOH)の少なくとも1つである、条項82の方法。
85.第2の管状層の厚さが10から50ナノメートルである、条項70から84のいずれか一項の方法。
86.ガスのチューブ透過を減少させるように構成されている第3の材料の第3の管状層をチューブに形成することを更に含む、条項70、71、又は73から85のいずれか一項の方法。
87.第3の管状層が第2の管状層を覆っている、条項86の方法。
88.第1の管状層が第3の管状層を覆っている、条項86の方法。
89.第1の管状層が90度より大きい流体接触角を含む、条項70、71、又は73から88のいずれか一項の方法。
90.第3の管状層が90度より小さい流体接触角を含む、条項70、71、又は73から89のいずれか一項の方法。
91.チューブに接着層を形成することを更に含む、条項70から90のいずれか一項の方法。
92.第1の管状層、第2の管状層、又は第3の管状層のそれぞれの間に接着層を形成することを更に含む、条項70から91のいずれか一項の方法。
93.接着層がポリイミドを含む、条項91又は92の方法。
94.第3の材料がPVDCを含む、条項86から93のいずれか一項の方法。
95.第3の材料がEVOHを含む、条項86から93のいずれか一項の方法。
96.チューブが流体を高又は超高真空システムにおいて移送するように構成されている、条項70から95のいずれか一項の方法。
97.第1の管状層を形成することが、複数の第1の管状層を形成することを含む、条項70から96のいずれか一項の方法。
98.第2の管状層を形成することが、複数の第2の管状層を形成することを含む、条項70から97のいずれか一項の方法。
99.第3の管状層を形成することが、複数の第3の管状層を形成することを含む、条項70から98のいずれか一項の方法。
100.流体が水又はグリコールの少なくとも1つを含む、条項70から99のいずれか一項の方法。
101.ガスが酸素又は窒素の少なくとも1つを含む、条項70から100のいずれか一項の方法。
102.チューブが第1のチューブである、条項1から37のいずれか一項のシステム。
103.複数の第2のチューブを備え、流体を受けるように構成されているハウジングと、
流体が第1のチューブに入る前に流体からガスを除去するように構成された真空システムと、を備えた脱ガスシステムを更に備えた、条項102のシステム。
104.真空システムが真空ポンプを備える、条項103のシステム。
105.真空ポンプが圧縮空気駆動式である、条項104のシステム。
106.除去されたガスが複数の第2のチューブの内側から真空システムに流れる、条項102から105のいずれか一項のシステム。
107.流体が複数の第2のチューブの外側を流れる、条項102から106のいずれか一項のシステム。
108.複数の第2のチューブが中空繊維膜を備える、条項102から107のいずれか一項のシステム。
109.中空繊維膜がポリプロピレンを含む、条項108のシステム。
110.第1のチューブが、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層を備える、
条項102から109のいずれか一項のシステム。
111.ウェーハを固定するように構成されたステージと、
ステージを収容するように構成されたチャンバであって、真空環境で動作するように構成されているチャンバと、
チャンバ内に設けられ、ステージとチャンバの外側との間で流体を移送するように構成された第1のチューブと、
複数の第2のチューブを備え、流体を受けるように構成されているハウジングと、
流体が第1のチューブに入る前に流体からガスを除去するように構成された真空システムと、を備えた脱ガスシステムと、を備えたシステム。
112.真空システムが真空ポンプを備える、条項111のシステム。
113.真空ポンプが圧縮空気駆動式である、条項112のシステム。
114.除去されたガスが複数の第2のチューブの内側から真空システムに流れる、条項111から113のいずれか一項のシステム。
115.流体が複数の第2のチューブの外側を流れる、条項111から114のいずれか一項のシステム。
116.複数の第2のチューブが中空繊維膜を備える、条項111から115のいずれか一項のシステム。
117.中空繊維膜がポリプロピレンを含む、条項116のシステム。
118.第1のチューブが、可撓性ポリマーである第1の材料の第1の管状層を備える、
条項111から117のいずれか一項のシステム。
119.第1のチューブが、流体又はガスの第1のチューブ透過を減少させるように構成されている第2の材料の第2の管状層を更に備える、条項118のシステム。
120.システムが極端紫外線検査システムを含む、条項1から37又は102から110のいずれか一項のシステム。
121.システムが深紫外線検査システムを含む、条項1から37又は102から110のいずれか一項のシステム。
122.システムがx線を含む、条項1から37又は102から110のいずれか一項のシステム。
【0078】
[0090] 本開示の実施形態は、上記で説明され添付の図面に図示されている厳密な構成に限定されるものではないことと、その範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更がなされ得ることが理解されるであろう。