(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-02
(45)【発行日】2024-12-10
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、表示方法、基板処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20241203BHJP
H01L 21/02 20060101ALI20241203BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20241203BHJP
【FI】
H01L21/31 B
H01L21/02 Z
C23C16/52
(21)【出願番号】P 2023508178
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2021011786
(87)【国際公開番号】W WO2022201258
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-06-27
(73)【特許権者】
【識別番号】318009126
【氏名又は名称】株式会社KOKUSAI ELECTRIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川崎 潤一
(72)【発明者】
【氏名】森 真一朗
(72)【発明者】
【氏名】城宝 泰宏
(72)【発明者】
【氏名】山崎 智美
【審査官】宇多川 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-093494(JP,A)
【文献】特開2014-157458(JP,A)
【文献】特開2001-189248(JP,A)
【文献】特開2017-002353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/31
H01L 21/02
C23C 16/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する工程と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する工程と、
編集されたレシピを実行することにより基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記レシピを編集する工程では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示
し、
前記レシピを編集する工程は、前記ガスパターン画面でのバルブの開閉状態を設定する工程を含み、
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する工程では、前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、前記任意のバルブの開閉状態を判定し、前記ガスパターン画面上の前記任意のバルブの開設定時に、バルブを開状態とすることを禁止する禁止条件を確認し、前記禁止条件に合致するバルブである場合に、警告表示する
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する工程と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する工程と、
編集されたレシピを実行することにより基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記レシピを編集する工程では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示
し、
前記レシピを編集する工程は、前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する工程を含み、
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する工程では、前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、前記任意のバルブの開閉状態を判定し、さらに、前記ガスパターン画面上において、バルブを開状態とすることを禁止する禁止条件が設定されたバルブが選択されると、前記禁止条件を前記ガスパターン画面上に表示する
半導体装置の製造方法。
【請求項3】
複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する工程と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する工程と、
編集されたレシピを実行することにより基板を処理する工程と、
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記レシピを編集する工程では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示
し、
更に、前記レシピ編集画面は、ステップ毎に前記パラメータ設定領域およびガスパターン画面が表示され、
前記レシピ編集画面は、表示する前記パラメータ設定領域およびガスパターン画面のステップを設定するステップ設定領域を有し、インターロック条件に合致するよう前記制御パラメータが設定されている場合、前記ステップ設定領域に警告表示する
半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する工程では、
前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、選択された前記バルブに接続されるガス配管を明示する
請求項
1又は2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記ガスパターン画面は、反応室に原料を供給する供給システムから、前記反応室を真空雰囲気に減圧する排気システムに至るまでに設けられるバルブを少なくとも表示するように構成されている
請求項1
から3のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記ガスパターン画面は、更に、流量制御器、気化器、排気装置、圧力調整器のうち少なくとも1つ以上のアイコンを表示するように構成されている
請求項
5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
流量制御器、気化器、排気装置、圧力調整器のうち少なくとも1つを示す前記アイコンは、前記ガスパターン画面上にパラメータを設定可能に表示される
請求項
6記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
更に、前記レシピ編集画面は、前記制御パラメータとして、温度および圧力のうち少なくとも一つに関連するパラメータを設定可能に構成されている
請求項1
から3のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項9】
更に、前記レシピ編集画面は、表示する前記制御パラメータの種類が切替わる切替ボタンを有する
請求項1
から3のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項10】
前記レシピ編集画面に表示される各種パラメータは、温度、圧力、バルブ、流量制御器、搬送、外部機器、信号のうち少なくとも一つ以上が選択される
請求項1
から3のいずれか1項記載の半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記ステップ設定領域は、各ステップの前記制御パラメータの設定変更の有無を表示する
請求項
3の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
複数のステップを含むレシピを編集するレシピ編集画面上に、ステップ毎に表示され、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域を含むステップ内容表示領域と、表示する前記ステップ内容表示領域のステップを設定するステップ設定領域と、を表示する表示方法であって、
各ステップの前記制御パラメータの設定変更の有無を前記ステップ設定領域に表示
し、
インターロック条件に合致するよう前記制御パラメータが設定されている場合、前記ステップ設定領域に警告表示する
表示方法。
【請求項13】
前記ステップ設定領域で所定のステップが選択されると、
前記所定のステップに設定される内容を前記ステップ内容表示領域に表示する
請求項
12記載の表示方法。
【請求項14】
複数のパラメータを設定してレシピを作成し、作成されたレシピを実行することにより基板を処理する制御部を備えた基板処理装置で実行されるプログラムであって、
複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する手順と、
前記レシピ編集画面上で
前記ガスパターン画面でのバルブの開閉状態を設定する手順を含むレシピを編集する手順と、を有し、
前記レシピを編集する手順では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示する手順
と、
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する手順では、前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、前記任意のバルブの開閉状態を判定し、前記ガスパターン画面上の前記任意のバルブの開設定時に、バルブを開状態とすることを禁止する禁止条件を確認し、前記禁止条件に合致するバルブである場合に、警告表示する手順とを有する
コンピュータにより前記基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項15】
複数のステップを含むレシピを編集するレシピ編集画面上に、ステップ毎に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域を含むステップ内容表示領域を表示する手順と、
前記ステップ内容表示領域のステップを設定するステップ設定領域を表示する手順と、
各ステップの前記制御パラメータの設定変更の有無を前記ステップ設定領域に表示する手順と、
インターロック条件に合致するよう前記制御パラメータが設定されている場合、前記ステップ設定領域に警告表示する手順と、
複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する手順と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する手順と、
編集されたレシピを実行することにより基板を処理する手順と、
を有し、
前記レシピを編集する手順では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示し、
前記レシピを編集する手順は、前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する手順を含み、
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する手順では、前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、前記任意のバルブの開閉状態を判定し、さらに、前記ガスパターン画面上において、バルブを開状態とすることを禁止する禁止条件が設定されたバルブが選択されると、前記禁止条件を前記ガスパターン画面上に表示する手順を
コンピュータにより基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項16】
複数のパラメータを設定してレシピを作成し、作成されたレシピを実行することにより基板を処理する制御部を備えた基板処理装置で実行されるプログラムであって、
複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する手順と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する手順と、を有し、
前記レシピを編集する手順では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示し、
更に、前記レシピ編集画面は、ステップ毎に前記パラメータ設定領域およびガスパターン画面が表示され、
前記レシピ編集画面は、表示する前記パラメータ設定領域およびガスパターン画面のステップを設定するステップ設定領域を有し、インターロック条件に合致するよう前記制御パラメータが設定されている場合、前記ステップ設定領域に警告表示する
コンピュータにより前記基板処理装置に実行させるプログラム。
【請求項17】
複数のパラメータを設定してレシピを作成し、作成されたレシピを実行することにより基板を処理するよう
制御可能な制御部を備えた基板処理装置であって、
前記制御部は、
複数のステップを含むレシピを編集するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する処理と、
前記レシピ編集画面上で
前記ガスパターン画面でのバルブの開閉状態を設定する処理を含むレシピを編集する処理と、
を実行するように構成され、
前記レシピを編集する処理では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示
し、
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する処理では、前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、前記任意のバルブの開閉状態を判定し、前記ガスパターン画面上の前記任意のバルブの開設定時に、バルブを開状態とすることを禁止する禁止条件を確認し、前記禁止条件に合致するバルブである場合に、警告表示するよう制御可能に構成されている
基板処理装置。
【請求項18】
複数のパラメータを設定してレシピを作成し、作成されたレシピを実行することにより基板を処理するよう制御可能な制御部を備えた基板処理装置であって、
前記制御部は、
複数のステップを含むレシピを編集するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する処理と、
前記レシピ編集画面上で前記ガスパターン画面でのバルブの開閉状態を設定する処理を含むレシピを編集する処理と、
を実行するように構成され、
前記レシピを編集する処理では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示し、
前記ガスパターン画面上でバルブの開閉状態を設定する処理では、前記ガスパターン画面上で任意のバルブが選択されると、前記任意のバルブの開閉状態を判定し、前記ガスパターン画面上において、バルブを開状態とすることを禁止する禁止条件が設定されたバルブが選択されると、前記禁止条件を前記ガスパターン画面上に表示するよう制御可能に構成されている
基板処理装置。
【請求項19】
複数のパラメータを設定してレシピを作成し、作成されたレシピを実行することにより基板を処理するよう制御可能な制御部を備えた基板処理装置であって、
前記制御部は、
複数のステップを含むレシピを編集するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する処理と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する処理と、
を実行するように構成され、
前記レシピを編集する処理では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示し、
更に、前記レシピ編集画面は、ステップ毎に前記パラメータ設定領域およびガスパターン画面が表示され、
前記レシピ編集画面は、表示する前記パラメータ設定領域およびガスパターン画面のステップを設定するステップ設定領域を有し、インターロック条件に合致するよう前記制御パラメータが設定されている場合、前記ステップ設定領域に警告表示するよう制御可能に構成されている
基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体装置の製造方法、表示方法、基板処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、基板処理装置は、処理室内に、例えば、原料ガス、不活性ガス、反応ガス等の各種のガスを供給するための複数のガスラインを備えている。基板処理装置では、各ガスラインのバルブを開閉して、ガス供給系から各種のガスを処理室内の基板(以下ウエハともいう)に供給することにより、所定の処理が行われる。
【0003】
特許文献1には、レシピ編集画面に、制御パラメータを設定する領域と、バルブ開閉状態を設定する領域と、各種パラメータ情報を表示する領域とを一括して表示させて、レシピを作成する基板処理装置が開示されている。
【0004】
特許文献2には、レシピ編集画面に、レシピファイルのステップを編集するレシピ編集エリアと、レシピに関連付けられたコンビネーションファイルを表示するサブエリアと、レシピ編集コマンドを選択したり実際の編集行為を行ったりするコマンド選択エリアとを一括して表示させて、レシピを作成する処理装置が開示されている。
【0005】
特許文献3には、レシピ編集画面からガスパターン画面に切替え表示して、バルブ開閉設定が可能な基板処理装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、レシピ編集画面においてユーザがガス流量を設定する際、誤ったガスラインのガス流量を設定してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2017-002353号公報
【文献】国際公開第2019/186649号パンフレット
【文献】特開2006-093494号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本開示によれば、ユーザが設定しようとしているガス流量がどのガスラインの流量であるかを確認することができる技術が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様によれば、複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面上に、少なくとも流量制御器のガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面と、を表示する工程と、
前記レシピ編集画面上でレシピを編集する工程と、
編集されたレシピを実行することにより基板を処理する工程と、
を有し、
前記レシピを編集する工程では、前記パラメータ設定領域において前記流量制御器のガス流量が設定されると、ガス流量が設定された前記流量制御器に対応する前記ガスパターン画面上の前記流量制御器を明示する技術が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、ユーザが設定しようとしているガス流量がどのガスラインの流量であるかを確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10の処理炉202の縦断面図である。
【
図2】本開示の一実施形態で好適に用いられる基板処理装置10のコントローラ240の概略構成図であり、コントローラの制御系をブロック図で示す図である。
【
図3】レシピを編集する際に表示されるレシピ編集画面20の表示例である。
【
図4】
図3に示したレシピ編集画面20のステップ設定領域30の拡大図である。
【
図5】
図3に示したレシピ編集画面20のステップ内容設定領域40の拡大図である。
【
図6】ガスパターン画面42上においてバルブ243aの開設定時に、バルブインターロック条件に合致した際の警告表示の表示例を示す図である。
【
図7】ガスパターン画面42上においてバルブインターロック条件が設定されているバルブが長押しされた際のバルブインターロック条件の表示例を示す図である。
【
図8】ガスパターン画面42上において任意のバルブが選択された際に、選択されたバルブに接続されるガス配管を明示する場合の表示例を示す図である。
【
図9】本開示の一実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集開始時の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図10】本開示の一実施形態の基板処理装置10におけるガス設定時の流れを説明するためのフローチャートである。
【
図11】本開示の一実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20上のパラメータ設定領域41またはガスパターン画面42において設定が変更された際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図12】本開示の一実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20上のパラメータ設定領域41およびガスパターン画面42において、MFCを対応させて表示する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図13】本開示の一実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20上のガスパターン画面42上で任意のバルブが選択された際の処理を説明するためのフローチャートである。
【
図14】本開示の一実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20のステップ設定領域30を表示する際の処理を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ本開示の一実施形態について説明する。先ず、
図1、
図2に於いて、本開示が実施される基板処理装置10について説明する。なお、以下の説明において用いられる図面は、いずれも模式的なものであり、図面に示される、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実のものとは必ずしも一致していない。また、複数の図面の相互間においても、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、必ずしも一致していない。
【0013】
基板処理装置10は、筐体内に搬送された基板としてのウエハ200に対する処理を行うための処理炉202を備える。
図1に示すように、処理炉202は加熱機構(温度調整部)としてのヒータ207を有する。ヒータ207は円筒形状であり、保持板に支持されることにより垂直に据え付けられている。ヒータ207は、ガスを熱で活性化(励起)させる活性化機構(励起部)としても機能する。
【0014】
ヒータ207の内側には、ヒータ207と同心円状に反応管203が配設されている。反応管203は、例えば石英(SiO2)または炭化シリコン(SiC)等の耐熱性材料により構成され、上端が閉塞し下端が開口した円筒形状に形成されている。反応管203の筒中空部には、処理室201が形成される。処理室201は、ウエハ200を収容可能に構成されている。この処理室201でウエハ200に対する処理が行われる。
【0015】
処理室201内には、複数のノズル249が、反応管203の下部側壁を貫通するように設けられている。各ノズル249には、複数のガス供給管232がそれぞれ接続されている。
【0016】
ガス供給管232には、上流側から順に、流量制御器(流量制御部)であるマスフローコントローラ(MFC)241および開閉弁であるバルブ243がそれぞれ設けられている。
【0017】
ガス供給管232からは、それぞれ、原料ガス、不活性ガス、反応ガス等の各種ガスが、MFC241、バルブ243、ノズル249を介して処理室201内へ供給される。
【0018】
また、反応管203の側壁下方には、処理室201の雰囲気を排気する排気管231が接続されている。排気管231には、処理室201内の圧力を検出する圧力検出器(圧力検出部)としての圧力センサ245および圧力調整器(圧力調整部)としてのAPC(Auto Pressure Controller)バルブ244を介して、真空ポンプにより構成された排気装置246が接続されている。APCバルブ244は、排気装置246を作動させた状態で弁を開閉することで、処理室201内の真空排気および真空排気停止を行うことができ、さらに、排気装置246を作動させた状態で、圧力センサ245により検出された圧力情報に基づいて弁開度を調節することで、処理室201の圧力を調整することができるように構成されている。主に、排気管231、圧力センサ245、APCバルブ244により、排気系が構成される。排気装置246を排気系に含めて考えてもよい。
【0019】
なお、ガス供給管232と排気管231とをまとめてガス配管と呼ぶ場合がある。
【0020】
さらに、反応管203の下方には、反応管203の下端開口を気密に閉塞可能な炉口蓋体としてのシールキャップ219が設けられている。シールキャップ219は、例えばSUS等の金属材料により構成され、円盤状に形成されている。シールキャップ219の上面には、反応管203の下端と当接するシール部材としてのOリング220が設けられている。シールキャップ219の下方には、後述するボート217を回転させる回転機構267が設置されている。回転機構267の回転軸255は、シールキャップ219を貫通してボート217に接続されている。回転機構267は、ボート217を回転させることでウエハ200を回転させるように構成されている。
【0021】
シールキャップ219は、反応管203の外部に設置された昇降機構としてのボートエレベータ115によって垂直方向に昇降されるように構成されている。ボートエレベータ115は、シールキャップ219を昇降させることで、ウエハ200を処理室201内外に搬入および搬出(搬送)する搬送装置(搬送機構)として構成されている。
【0022】
基板支持具としてのボート217は、複数枚、例えば25~250枚のウエハ200を、水平姿勢で、かつ、互いに中心を揃えた状態で垂直方向に整列させて多段に支持するように、すなわち、間隔を空けて配列させるように構成されている。ボート217は、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される。ボート217の下部には、例えば石英やSiC等の耐熱性材料により構成される断熱板218が水平姿勢で多段に支持されている。
【0023】
反応管203内には、温度検出器としての温度センサ263が設置されている。温度センサ263により検出された温度情報に基づきヒータ207への通電具合を調整することで、処理室201内の温度が所望の温度分布となる。温度センサ263は、反応管203の内壁に沿って設けられている。
【0024】
そして、
図2に示すように、制御部(制御手段)であるコントローラ240は、CPU(Central Processing Unit)240a、RAM(Random Access Memory)240b、記憶装置240c、I/Oポート240dを備えたコンピュータとして構成されている。RAM240b、記憶装置240c、I/Oポート240dは、内部バス240eを介して、CPU240aとデータ交換可能なように構成されている。コントローラ240には、例えばタッチパネル等として構成された入出力装置252が接続されている。
【0025】
記憶装置240cは、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されている。記憶装置240c内には、基板処理装置の動作を制御する制御プログラムや、所定の処理手順(以後、ステップともいう)や条件等が記載されたレシピ等が、読み出し可能に格納されている。主に、複数のステップで構成されるプロセスレシピは、所定の処理における各ステップをコントローラ240に実行させ、所定の結果を得ることができるように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。
【0026】
以下、プロセスレシピを含むレシピや制御プログラム等を総称して、単に、プログラムともいう。また、以後、プロセスレシピを、単に、レシピともいう。本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合は、レシピ単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。RAM240bは、CPU240aによって読み出されたプログラムやデータ等が一時的に保持されるメモリ領域(ワークエリア)として構成されている。
【0027】
I/Oポート240dは、上述のMFC241、バルブ243、圧力センサ245、APCバルブ244、排気装置246、温度センサ263、ヒータ207、回転機構267、ボートエレベータ115等に接続されている。
【0028】
CPU240aは、記憶装置240cから制御プログラムを読み出して実行すると共に、入出力装置252からの操作コマンドの入力等に応じて記憶装置240cからレシピを読み出すように構成されている。CPU240aは、読み出したレシピの内容に沿うように、MFC241による各種ガスの流量調整動作、バルブ243の開閉動作、APCバルブ244の開閉動作および圧力センサ245に基づくAPCバルブ244による圧力調整動作、排気装置246の起動および停止、温度センサ263に基づくヒータ207の温度調整動作、回転機構267によるボート217の回転および回転速度調節動作、ボートエレベータ115によるボート217の昇降動作等を制御するように構成されている。
【0029】
コントローラ240は、外部記憶装置250に格納された上述のプログラムを、コンピュータにインストールすることにより構成することができる。外部記憶装置250は、例えば、HDD等の磁気ディスク、CD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリ等の半導体メモリ等を含む。記憶装置240cや外部記憶装置250は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成されている。以下、これらを総称して、単に、記録媒体ともいう。本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、記憶装置240c単体のみを含む場合、外部記憶装置250単体のみを含む場合、または、それらの両方を含む場合がある。なお、コンピュータへのプログラムの提供は、外部記憶装置250を用いず、インターネットや専用回線等の通信手段を用いて行ってもよい。
【0030】
本実施形態の基板処理装置10は、複数のステップを含むレシピを編集(作成)する際、レシピ編集画面上に、制御パラメータを設定するパラメータ設定領域と、バルブやガス配管を含むガスパターン画面と、を表示し、パラメータ設定領域において、例えば、MFC(流量制御器)の制御パラメータが設定されると、この制御パラメータが設定されたMFCに対応するガスパターン画面内のMFCを示すアイコンを明示する構成である。
【0031】
図3に示されたレシピ編集画面20は、ステップ設定領域30と、ステップ内容設定領域40とを備える。ユーザが、図中左側のステップ設定領域30において編集するステップを選択することにより、選択されたステップの内容が図中右側のステップ内容設定領域40に表示されるように構成されている。ステップ内容設定領域40には、制御パラメータを設定するパラメータ設定領域41と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面42と、が表示される。
【0032】
すなわち、レシピ編集画面20は、ステップ毎にパラメータ設定領域41およびガスパターン画面42が表示される構成となっておる。また、レシピ編集画面20は、表示するパラメータ設定領域41およびガスパターン画面42のステップを設定するステップ設定領域30を有する構成となっている。
【0033】
図4に示すように、ステップ設定領域30は、縦軸領域31にステップが表示され、横軸領域32に項目種別が表示された、二次元マトリクス形式となっている。縦軸領域31において編集するステップを選択すると、選択表示枠34が表示され、現在選択されているステップが明示される。
【0034】
ステップ設定領域30は、各ステップの項目毎に、制御パラメータの設定変更の有無を表示する構成となっている。
図4に示す例では、ステップ設定領域30のマトリクス表示領域33において、変更が有る項目33aに*マークが表示される。
【0035】
また、インターロック条件に合致するよう制御パラメータが設定されている場合、ステップ設定領域30に警告表示する構成となっている。ここで、インターロック条件とは、基板処理装置10において問題が有る設定内容のことである。インターロック条件は、予め設定された内容が、コントローラ240の外部記憶装置250に記憶されている。
図4に示す例では、ステップ設定領域30のマトリクス表示領域33において、インターロック条件に合致するよう制御パラメータが設定されている項目33bの背景色が、警告表示として警告色で表示される。
【0036】
図5に示す例では、「outline」、「温度」、「圧力」、「MFC」、「バルブ」、「搬送」、「AUX(外部機器)」、「Signal(信号)」、「Alarm」の9つのタブが表示されている。
【0037】
図5は「outline」のタブが選択された状態を示している。「outline」のタブは、選択されているステップの内容の概要を示すタブであり、温度、圧力、搬送、MFC等の主要な制御パラメータの設定を行うためのパラメータ設定領域41と、バルブの開閉設定を行うためのガスパターン画面42と、が表示されている。
【0038】
図5に示すように、「outline」のタブ以外は、制御パラメータの種別毎に分かれた複数のタブから構成されている。「温度」、「圧力」、「MFC」、「バルブ」、「搬送」、「AUX(外部機器)」、「Signal(信号)」、「Alarm」の各タブが選択された場合、各項目の制御パラメータの設定領域が表示される。
【0039】
「温度」に関する制御パラメータとしては、例えば、「当該ステップで使用する制御モード」、「制御テーブルの指定」、「温度ゾーンの設定値」、「ランプレートの指定」、「ステップ終了条件の有無の設定」等が挙げられる。
【0040】
「圧力」に関する制御パラメータとしては、例えば、「当該ステップで使用する制御モード」、「制御テーブルの指定」、「圧力コマンドと設定値の指定」、「ステップ終了条件の有無の設定」等が挙げられる。
【0041】
「MFC」に関する制御パラメータとしては、例えば、「各MFCに対する設定値」、「ランプレートの指定」、「ステップ終了条件の有無の設定」等が挙げられる。
【0042】
「バルブ」に関する制御パラメータとしては、例えば、「ガスパターン編集(バルブON/OFF)」等が挙げられる。
【0043】
「搬送」に関する制御パラメータとしては、例えば、「ローダーコマンドの指定」、「使用するローダーコマンドの実行条件(例えば、速度等)の指定」等が挙げられる。
【0044】
「AUX(外部機器)」に関する制御パラメータとしては、例えば、「各AUXに対する設定値の指定」、「ステップ終了条件の有無の設定」等が挙げられる。なお、AUX(外部機器)は読込専用であるため、コントローラ240は、設定値に対して読込値が条件に合うかを検証する。
【0045】
「Signal」に関する制御パラメータとしては、例えば、「Signal ON/OFF指定」等が挙げられる。「Signal ON/OFF指定」は、具体的には、コントローラ240に対して特定の信号のON/OFFを指定する。コントローラ240は、その信号状態で動作を開始したり、禁止したりする。
【0046】
「Alarm」に関する制御パラメータとしては、例えば、「アラーム条件」等が挙げられる。アラーム条件は、例えば、各監視値に対してアラームを発生させるかどうかの指定を行う。「Alarm」のタブでは、複数のアラーム条件が表形式でまとめられたアラーム条件テーブルの形で、使用中の設定内容が表示される。
【0047】
なお、これらの制御パラメータはあくまでも一例であり、レシピによってレシピ編集画面20に表示されるパラメータは適宜設定可能である。
【0048】
ガスパターン画面42では、各々がアイコンとして表示されている、複数のMFC241、複数のバルブ243、処理炉、気化器、排気装置、圧力調整器等の様々な構成部品との間が、ネットワークのように数多くのガス配管により接続された状態が表示されている。
【0049】
このガスパターン画面では、現在のバルブがオープン状態(開状態)なのかクローズ状態(閉状態)なのかを示す開閉状態を監視できるようになっている。具体的には、バルブがオープン状態の場合とクローズ状態の場合とで、バルブの表示色が切り替わることにより、そのバルブがオープン状態なのかクローズ状態なのかを知ることができるようになっている。
【0050】
さらに、このガスパターン画面42には、バルブの開閉状態の監視機能の他に、ユーザが任意のバルブの開閉状態を切り替えるための操作機能が設けられている。ユーザが、このバルブの操作機能を使用する際には、ガスパターン画面42図に表示されているバルブ243の画像をタップすることにより、オープン状態とクローズ状態とを切り替えることができるようになっている。
【0051】
コントローラ240は、複数のステップを含むレシピを作成するレシピ編集画面20上に、少なくともMFCのガス流量を含む制御パラメータを設定するパラメータ設定領域41と、バルブの開閉状態を設定するガスパターン画面42と、を表示しつつ、レシピ編集画面20上でレシピを作成可能に構成されている。
【0052】
また、コントローラ240は、パラメータ設定領域41におけるガス流量リスト50上においてMFCのガス流量が設定されると、ガス流量が設定されたMFCに対応するガスパターン画面42上のMFCを明示するように構成されている。ガス流量が設定されたMFCに対応するガスパターン画面42上のMFC241の明示の仕方は、例えば、ガスパターン画面42上のMFC241の表示色の変更、表示サイズの変更、描画線の線種の変更、表示輝度の変更等、種々の態様とすることができる。
【0053】
また、コントローラ240は、ガスパターン画面42上において、例えば、MFCが選択されると、選択されたMFCに対応するガス流量リスト50上のMFCを明示するように構成されている。ガス流量リスト50上のMFCを明示の仕方は、例えば、ガス流量リスト50における選択カーソル50aの選択位置を、ガスパターン画面42上で選択されたMFCの位置に移動させてもよい。他にも、ガス流量リスト50上のMFCの表示色の変更、表示サイズの変更等、種々の態様とすることができる。
【0054】
図5に示す例では、パラメータ設定領域41におけるMFCリスト50において、「MFC_3」と名称が設定されたMFCのガス流量が設定された際に、ガスパターン画面42上において「MFC_3」であるMFC241aの表示色が変更された状態を示している。
【0055】
また、コントローラ240は、ガスパターン画面42上で任意のバルブが選択されると、任意のバルブの開閉状態を判定し、ガスパターン画面42上の任意のバルブのオープン設定時に、バルブをオープン状態とすることを禁止する禁止条件(以下、バルブインターロック条件と記載する)を確認し、バルブインターロック条件に合致するバルブである場合に、
図6に示すように、警告表示するように構成されている。
【0056】
図6に示す例では、ガスパターン画面42上においてバルブ243aのオープン設定時に、バルブインターロック条件に合致したため、警告表示として「バルブインターロック条件に抵触します」というメッセージを表示した状態を示している。なお、警告表示の仕方は、上記のようなメッセージの表示に限らず、バルブ243aの表示色の変更、表示サイズの変更、描画線の線種の変更、表示輝度の変更等、種々の態様とすることができる。
【0057】
また、コントローラ240は、ガスパターン画面42上において、バルブインターロック条件が設定されたバルブがロングタップにより選択されると、
図7に示すように、バルブインターロック条件をガスパターン画面42上に表示するように構成されている。なお、バルブインターロック条件を表示させるための選択は、ロングタップに限らず、例えば、マウスの右クリック等、バルブのオープン/クローズ設定時の選択方法と異なる選択方法であれば、どのような方法としてもよい。
【0058】
また、コントローラ240は、ガスパターン画面42上で任意のバルブが選択されると、
図8に示すように、選択されたバルブに接続されるガス配管を明示するように構成されている。
【0059】
図8に示す例では、ガスパターン画面42上においてバルブ243bが選択された際に、バルブ243bの前後に接続されたガス配管を太線で表示することにより明示した状態を示している。なお、ガス配管の明示の仕方は、上記のような太線表示に限らず、ガス配管の表示色の変更、ガス配管の描画線の線種の変更、ガス配管の表示輝度の変更等、種々の態様とすることができる。
【0060】
このように、ガスパターン画面42上で選択されたバルブに接続されるガス配管を明示することにより、これによりユーザが選択したバルブがどのガス配管に関連するかが明確になるため、誤設定の防止効果が期待できる。
【0061】
また、このガスパターン画面は、反応室にガス等の原料を供給する供給システムから、反応室を真空雰囲気に減圧する排気システムに至るまでに設けられるバルブを少なくとも表示するように構成されている。また、ガスパターン画面上に表示された上述のMFC、気化器、排気装置、圧力調整器等の部品の各種パラメータを設定可能である。
【0062】
このように、ガスパターン画面42上に表示されたアイコンを選択して操作画面を表示させることにより、MFC241、気化器、排気装置、圧力調整器等の各種部品のパラメータの設定を行うことができる。
【0063】
また、ガス供給側から排気システムに至るまでのアイコンが表示されているガスパターン画面42を表示しつつ、各種制御パラメータの設定が可能であるため、誤設定の防止効果が期待できる。
【0064】
次に、本実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集開始時の流れについて、
図9のフローチャートを参照して説明する。
【0065】
図9では、まずS101において、ユーザは、レシピ編集を開始し、S102において、編集するステップが分かっているか確認し、編集するステップが分かっている場合には、S103において、ステップ設定領域30から編集するステップを選択して、編集するステップの内容をステップ内容設定領域40に表示させ、S104において、ステップの編集を開始する。
【0066】
S102において、編集するステップが分かっていない場合、S105において、ユーザは、ステップ設定領域30において対象項目が変更されているステップを選択し、S106において、選択したステップが所望の編集ステップであるか確認する。
【0067】
S106において、選択したステップが所望の編集ステップである場合、S104において、ユーザは、ステップの編集を開始する。選択したステップが所望の編集ステップでない場合、ユーザは、S105に戻り、所望の編集ステップが見つかるまで、選択および確認を繰り返す。
【0068】
次に、本実施形態の基板処理装置10におけるガス設定時の流れについて、
図10のフローチャートを参照して説明する。
【0069】
図10では、まずS201において、ユーザは、ステップ編集を開始し、ステップ内のガス設定を開始する。そして、ユーザは、S202において、対象バルブの開閉設定操作を行い、S203において、対象MFCの流量設定操作を行い、S204において、ガス設定を終了する。
【0070】
次に、本実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20上のパラメータ設定領域41またはガスパターン画面42において、設定が変更された際の処理について、
図11のフローチャートを参照して説明する。
【0071】
図11では、まずS301において、コントローラ240は、パラメータ設定領域41またはガスパターン画面42における設定変更を受信すると、S302において、変更された設定がインターロック条件に合致する不整合設定であるか否かを判定する。
【0072】
S302において、変更された設定が不整合設定でないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、コントローラ240は、S303において、変更された設定に更新する。
【0073】
S302において、変更された設定が不整合設定であると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S304において、
図4の項目33bに示すように、ステップ設定領域30におけるマトリクス表示領域33の該当箇所の背景色を警告色に更新して、不整合設定であることをユーザに通知した後、S303において、変更された設定に更新する。
【0074】
次に、本実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20上のパラメータ設定領域41およびガスパターン画面42において、MFCを対応させて表示する際の処理について、
図12のフローチャートを参照して説明する。
【0075】
図12では、まずS401において、コントローラ240は、ガス流量リスト50を含むパラメータ設定領域41およびガスパターン画面42を表示する。
【0076】
次に、S402において、コントローラ240は、ガス流量リスト50およびガスパターン画面42のいずれかにおいてMFCの選択状態の変化を受信したら、S403において、ガス流量リスト50においてMFCの選択状態の変化が発生したか否かを判定する。
【0077】
そして、S403において、ガス流量リスト50においてMFCの選択状態の変化が発生したと判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S404において、ガスパターン画面42において、ガス流量リスト50で選択されたMFCの表示色を変更し、S405において、レシピ編集画面20の描画を更新する。
【0078】
また、S403において、ガス流量リスト50においてMFCの選択状態の変化が発生していないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、すなわち、ガスパターン画面42においてMFCの選択状態の変化が発生したと判定した場合、コントローラ240は、S406において、ガス流量リスト50において、ガスパターン画面42に対応するMFCに選択カーソル50aの選択位置を移動し、S405において、レシピ編集画面20の描画を更新する。
【0079】
このように、パラメータ設定領域41のガス流量リスト50およびガスパターン画面42において、MFCを対応させて表示することにより、ユーザが設定しようとしているガス流量がどのガスラインの流量であるかが明確になるため、誤設定の防止効果が期待できる。また、MFMも上述のMFCと同様であるのは言うまでもない。
【0080】
次に、本実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20上のガスパターン画面42上で任意のバルブが選択された際の処理について、
図13のフローチャートを参照して説明する。
【0081】
図13では、まずS501において、コントローラ240は、ガスパターン画面42を表示する。
【0082】
次に、S502において、コントローラ240は、ガスパターン画面42において任意のバルブが選択された際に、ロングタップによる選択か否かを判定する。
【0083】
S502において、ロングタップによる選択であると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S503において、選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されているか否かを判定する。
【0084】
S503において、選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されていると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S504において、ガスパターン画面42上において、
図7に示すようにバルブインターロック条件を表示する。
【0085】
S503において、選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されていないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、コントローラ240は、S505において、ガスパターン画面42上において選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されていないことを示すメッセージを表示する。
【0086】
また、S502において、ロングタップによる選択でないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、コントローラ240は、バルブに対する選択がバルブに対する開閉状態の切り替え指示であるとみなし、S506において、選択されたバルブがオープン状態であるか否かを判定する。
【0087】
S506において、選択されたバルブがオープン状態であると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S507において、選択されたバルブをクローズ状態にする。
【0088】
S506において、選択されたバルブがオープン状態ではないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、すなわち、選択されたバルブがクローズ状態であると判定した場合、コントローラ240は、S508において、選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されているか否かを判定する。
【0089】
S508において、選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されていると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S509において、選択されたバルブに対するオープン設定がバルブインターロック条件に合致するか否かを判定する。
【0090】
S509において、選択されたバルブに対するオープン設定がバルブインターロック条件に合致すると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S510において、
図6に示すように、ガスパターン画面42上において警告表示を行い、S511において、選択されたバルブをオープン状態にする。
【0091】
S508において、選択されたバルブにバルブインターロック条件が設定されていないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、もしくは、S509において、選択されたバルブに対するオープン設定がバルブインターロック条件に合致しないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、コントローラ240は、ガスパターン画面42上において警告表示を行わずに、S511において、選択されたバルブをオープン状態にする。
【0092】
このように、ガスパターン画面42上で任意のバルブが選択された際に、任意のバルブの開閉状態を判定し、ガスパターン画面42上の任意のバルブのオープン設定時に、バルブインターロック条件を確認し、バルブインターロック条件に合致するバルブである場合に警告表示することにより、バルブの誤設定の防止効果が期待できる。
【0093】
また、ガスパターン画面42上でバルブインターロック条件が設定されたバルブがロングタップにより選択された際に、ガスパターン画面42上においてバルブインターロック条件を表示して、ユーザにバルブインターロック条件を視認させることにより、バルブの誤設定の防止効果が期待できる。
【0094】
次に、本実施形態の基板処理装置10におけるレシピ編集画面20のステップ設定領域30を表示する際の処理について、
図14のフローチャートを参照して説明する。
【0095】
図14では、まずS601において、コントローラ240は、ステップ設定領域30およびステップ内容設定領域40を備えるレシピ編集画面20を表示する。レシピ編集画面20は、ユーザが、ステップ設定領域30において編集するステップを選択することにより、選択されたステップの内容がステップ内容設定領域40に表示されるように構成されている。
【0096】
次に、S602からS608において、コントローラ240は、各ステップの項目毎に、変更点もしくはインターロック条件に合致する設定(不整合設定)が有るか否かの判定処理を行う。
【0097】
判定処理では、各ステップの項目毎に、S603において、コントローラ240は、判定処理中の項目について、基準設定からの制御パラメータの変更点が有るか否かを判定する。ここで、基準設定は、予め基板処理装置10に保存された初期設定としてもよいし、ユーザが生成して保存したファイルの設定としてもよい。
【0098】
S603において、基準設定からの変更点が無いと判定した場合(判定結果がNoの場合)、コントローラ240は、S604において、
図4に示すように、マトリクス表示領域33の該当箇所について、「テキスト:なし」、「背景色:なし」に設定する。
【0099】
S603において、基準設定からの変更点が有ると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S605において、判定処理中の項目について、インターロック条件に合致する制御パラメータの設定(不整合設定)が有るか否かを判定する。
【0100】
S605において、不整合設定がないと判定した場合(判定結果がNoの場合)、コントローラ240は、S606において、
図4の項目33aに示すように、マトリクス表示領域33の該当箇所について、「テキスト:*」、「背景色:なし」に設定する。
【0101】
S605において、不整合設定が有ると判定した場合(判定結果がYesの場合)、コントローラ240は、S607において、
図4の項目33bに示すように、マトリクス表示領域33の該当箇所について、「テキスト:*」、「背景色:警告色」に設定する。
【0102】
このように、レシピ編集画面20について、表示するパラメータ設定領域およびガスパターン画面のステップを設定するステップ設定領域30と、ステップ内容設定領域40とを有する構成とすることにより、各ステップに設定されているパラメータ情報をステップ内容設定領域40においてユーザに視認させることができるため、誤設定の防止効果が期待できる。
【0103】
また、ステップ設定領域30において、基準設定からの制御パラメータの変更の有無を表示することにより、各ステップに設定されている制御パラメータの設定変更をユーザに視認させることができるため、誤設定の防止効果が期待できる。
【0104】
また、ステップ設定領域30において、インターロック条件に合致する制御パラメータの設定が有る場合に警告表示してユーザに視認させることにより、ユーザに対してもれなくインターロック解除をさせることができる。
【0105】
以上、本開示の種々の典型的な実施形態を説明してきたが、本開示はそれらの実施形態に限定されず、適宜組み合わせて用いることもできる。
【0106】
例えば、本開示の実施形態に於ける基板処理装置10は、半導体を製造する半導体製造装置だけではなく、LCD装置の様なガラス基板を処理する装置でも適用可能である。また、基板に対する処理は、例えば、CVD、PVD、酸化膜、窒化膜を形成する処理、金属を含む膜を形成する処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、拡散処理等を含む。また、露光装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置等の各種基板処理装置にも適用可能であるのは言う迄もない。
【符号の説明】
【0107】
10 基板処理装置
20 レシピ編集画面
30 ステップ設定領域
40 ステップ内容設定領域
200 ウエハ(基板)
202 処理炉
240 コントローラ
241 マスフローコントローラ(MFC)
243 バルブ