(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-03
(45)【発行日】2024-12-11
(54)【発明の名称】半導体熱処理設備の載置装置及び半導体熱処理設備
(51)【国際特許分類】
H01L 21/683 20060101AFI20241204BHJP
【FI】
H01L21/68 N
(21)【出願番号】P 2023529037
(86)(22)【出願日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2021132757
(87)【国際公開番号】W WO2022111519
(87)【国際公開日】2022-06-02
【審査請求日】2023-05-16
(31)【優先権主張番号】202011362061.4
(32)【優先日】2020-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510182294
【氏名又は名称】北京北方華創微電子装備有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING NAURA MICROELECTRONICS EQUIPMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】NO.8 Wenchang Avenue Beijing Economic-Technological Development Area, Beijing 100176, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン ズージャ
(72)【発明者】
【氏名】イャォ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュァイ
(72)【発明者】
【氏名】イェン シーチュェン
【審査官】境 周一
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-119510(JP,A)
【文献】特開2013-036977(JP,A)
【文献】特開2002-299257(JP,A)
【文献】特開2005-026397(JP,A)
【文献】特開2012-222036(JP,A)
【文献】特開2002-299335(JP,A)
【文献】特開平07-045531(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体熱処理設備の載置装置であって、載置本体を含み、前記載置本体はウェハを載置するための複数の載置位置を含み、複数の前記載置位置は前記載置本体の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、半導体熱処理設備の載置装置において、
測温装置をさらに含み、前記測温装置は支持部材及び複数の測温ユニットを含み、前記支持部材は前記載置本体に接続され、前記載置本体の前記載置位置のエッジの外側に位置し、
複数の前記測温ユニットはいずれも前記支持部材に設けられ、前記載置本体の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各前記測温ユニットはいずれも前記載置位置のエッジの内側に伸びる測温端部を有し、該測温端部に対応する区画の温度を検出することに用いられ
、
前記支持部材に固定構造が設けられ、前記載置本体に固定部が設けられ、前記載置装置は前記固定構造と前記固定部を取り外し可能に接続することで前記支持部材を前記載置本体に取り外し可能に固定させるための固定ユニットをさらに含み、
前記固定部には前記固定構造が挿通される固定孔が開けられ、
前記固定ユニットは固定部材、第1弾性部材及び押圧部材を含み、
前記固定部材に固定溝が開けられ、前記固定溝の内周壁と前記固定部の外周壁とが係合し、前記第1弾性部材と前記押圧部材は前記固定溝に積層され、いずれも前記支持部材に外嵌されることを特徴とする半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項2】
前記測温端部と前記載置位置の中央は前記載置本体の軸方向において対向して設けられることを特徴とする請求項1に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項3】
前記測温ユニットは延出部材及び測温部材を含み、前記延出部材は、一端が前記支持部材に接続され、他端が前記測温端部として前記載置位置のエッジの内側に伸び、
前記測温部材は前記延出部材内に設けられ、前記測温端部箇所に位置し、前記測温部材のコードは順に前記延出部材と前記支持部材を介して引き出されることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項4】
前記測温部材は熱電対を含み、前記熱電対は第1電極、第2電極、第1接続部材、第2接続部材、第1導電材、第2導電材及び絶縁材を含み、前記第1電極と前記第2電極は間隔をあけて前記延出部材内に設けられ、前記測温端部箇所に位置し、前記第1接続部材と前記第2接続部材は前記延出部材内に間隔をあけて設けられ、前記第1導電材と前記第2導電材は前記支持部材内に間隔をあけて設けられ、前記第1電極は前記第1接続部材を介して前記第1導電材に電気的に接続され、前記第2電極は前記第2接続部材を介して前記第2導電材に電気的に接続され、
前記絶縁材は、前記延出部材及び前記支持部材の内部に設けられ、前記第1導電材と前記第2導電材との間、前記第1接続部材と前記第2接続部材との間を電気的に絶縁することに用いられることを特徴とする請求項3に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項5】
前記絶縁材は絶縁スリーブを含み、前記絶縁スリーブ内には互いに電気的に絶縁された第1通路及び第2通路が設けられ、前記第1通路は前記第1導電材及び前記第1接続部材を挿通することに用いられ、前記第2通路は前記第2導電材及び前記第2接続部材を挿通することに用いられることを特徴とする請求項4に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項6】
前記支持部材にストッパ部材が設けられ、前記ストッパ部材は前記載置本体と係合し、前記支持部材の前記載置本体に対する回転を制限することに用いられることを特徴とする請求項1に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項7】
前記ストッパ部材は前記支持部材に設けられ、前記載置本体にストッパ溝が開けられ、前記ストッパ部材は前記ストッパ溝に設けられ、前記ストッパ部材の前記ストッパ溝に対する回転を制限するように、前記ストッパ部材の外周面が前記ストッパ溝の内周面と係合することを特徴とする請求項6に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項8】
前記固定構造は前記支持部材に設けられたボスを含み、前記固定部には前記ボスが挿通される固定孔が開けられ、前記固定部の外周壁に雄ねじが設けられ、
前記固定ユニットは
第2弾性部材及び弾性シール材を含み、
前記固定溝の内周壁に前記雄ねじと係合する雌ねじが設けられ、前記第1弾性部材、前記第2弾性部材、前記押圧部材と前記弾性シール材は下から上へ前記固定溝に順次積層され、いずれも前記支持部材に外嵌され、前記弾性シール材は前記押圧部材と前記固定部の前記固定溝に伸びる一端との間に位置することを特徴とする請求項
1に記載の半導体熱処理設備の載置装置。
【請求項9】
半導体熱処理設備であって、
ロードチャンバと、プロセスチャンバと、請求項1~
8のいずれか1項に記載の載置装置とを含み、前記ロードチャンバと前記プロセスチャンバは互いに連通し、前記載置装置は前記ロードチャンバと前記プロセスチャンバとの間に移動可能であることを特徴とする半導体熱処理設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体設備の技術分野に関し、具体的には、半導体熱処理設備の載置装置及び半導体熱処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体熱処理設備において、プロセスチャンバ内の温度の均一性はプロセスチャンバ内に間隔をあけて置かれた複数のウェハの歩留まりに重要な影響を与えるため、各ウェハの温度をどのように正確に検出できるかは、半導体プロセスにとって極めて重要である。
【0003】
図1に示すように、半導体縦型炉設備は、着脱チャンバ11と、この着脱チャンバ11の上方に位置するプロセスチャンバ12とを含み、ここでは、プロセスチャンバ12内に石英管121が設けられ、複数のウェハを載置するためのウェハボート13は、ウェハを着脱する時に着脱チャンバ11に下降することができるように、昇降可能であり、プロセスを行う時にウェハを載置して石英管121に上昇し、ウェハボート13は、垂直方向に間隔をあけてその内に置かれる複数のウェハを載置することができる。石英管121内に測温装置14が取り付けられ、石英管121の内部は垂直方向に複数の測温領域に分けられ、測温装置14には各測温領域に対応して熱伝対が設けられ、各測温熱伝対は1対1で対応して各測温領域の測温を行うことに用いられる。測温装置14によるウェハボート13の昇降への干渉を回避するために、測温装置14は石英管121内において且つウェハボート13の外側に位置するエッジ位置のみに取り付けることができ、その結果、測温装置14がウェハから遠く離れ、測温装置14によって測定された温度とウェハの実際温度との間に大きな誤差が発生する恐れがあり、そのため、半導体縦型炉設備を正式に使用する前に、測温可能で形状がウェハと類似するウェハ熱電対(TC afWer)をウェハボート13に置き、半導体プロセスをシミュレーションする必要があり、ウェハ熱電対によって測定された温度をウェハの実際温度と見なされ、測温装置14によって測定された温度と比較し、これにより測温装置14によって測定された温度とウェハの実際温度との誤差を取得し、それにより半導体縦型炉設備が正式に使用された後、取得された誤差に基づいて測温装置14によって測定された温度を補償し、ウェハの実際温度を取得する。
【0004】
しかし、上記測温方式は測温装置14とウェハ熱電対を合わせて使用する必要があり、その結果、コストが高くなり、得られた誤差サンプルが小さく、正確性が低く、参照とするしかなく、測温装置14によって測定された温度を正確に補償することができず、その結果、ウェハの歩留まりが低くなり、また、石英管121は長時間に使用された後、その内部環境が変わり、例えば複数回の成長プロセスを行った後、石英管121の内壁にプロセス副生成物が成長し、石英管121内の環境変化は誤差に影響を与え、この場合、半導体縦型炉設備に生産を停止させ、補正を行って、再び誤差を測定する必要があり、その結果、半導体縦型炉設備の使用率が低くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における技術的課題の1つを少なくとも解決するために、ウェハに対する温度測定の精度を向上させることができることにより、他の測温素子と合わせて使用する必要がなく、ウェハの歩留まりが向上し、コストが低減され、半導体熱処理設備の使用率が向上する半導体熱処理設備の載置装置及び半導体熱処理設備を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の目的を達成するために、載置本体を含み、前記載置本体はウェハを載置するための複数の載置位置を含み、複数の前記載置位置は前記載置本体の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、測温装置をさらに含み、前記測温装置は支持部材及び複数の測温ユニットを含み、前記支持部材は前記載置本体に接続され、前記載置本体の前記載置位置のエッジの外側に位置し、
複数の前記測温ユニットはいずれも前記支持部材に設けられ、前記載置本体の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各前記測温ユニットはいずれも前記載置位置のエッジの内側に伸びる測温端部を有し、該測温端部に対応する区画の温度を検出することに用いられる半導体熱処理設備の載置装置を提供する。
【0007】
任意選択的に、前記測温端部と前記載置位置の中央は前記載置本体の軸方向において対向して設けられる。
【0008】
任意選択的に、前記測温ユニットは延出部材及び測温部材を含み、前記延出部材は、一端は前記支持部材に接続され、他端が前記測温端部として前記載置位置のエッジの内側に伸び、
前記測温部材は前記延出部材内に設けられ、前記測温端部箇所に位置し、前記測温部材のコードは順に前記延出部材と前記支持部材を介して引き出される。
【0009】
任意選択的に、前記測温部材は熱電対を含み、前記熱電対は第1電極、第2電極、第1接続部材、第2接続部材、第1導電材、第2導電材及び絶縁材を含み、前記第1電極と前記第2電極は間隔をあけて前記延出部材内に設けられ、前記測温端部箇所に位置し、前記第1接続部材と前記第2接続部材は前記延出部材内に間隔をあけて設けられ、前記第1導電材と前記第2導電材は前記支持部材内に間隔をあけて設けられ、前記第1電極は前記第1接続部材を介して前記第1導電材に電気的に接続され、前記第2電極は前記第2接続部材を介して前記第2導電材に電気的に接続され、
前記絶縁材は、前記延出部材及び前記支持部材の内部に設けられ、前記第1導電材と前記第2導電材との間、前記第1接続部材と前記第2接続部材との間を電気的に絶縁することに用いられる。
【0010】
任意選択的に、前記絶縁材は絶縁スリーブを含み、前記絶縁スリーブ内には互いに電気的に絶縁された第1通路及び第2通路が設けられ、前記第1通路は前記第1導電材及び前記第1接続部材を挿通することに用いられ、前記第2通路は前記第2導電材及び前記第2接続部材を挿通することに用いられる。
【0011】
任意選択的に、前記支持部材にストッパ部材が設けられ、前記ストッパ部材は前記載置本体と係合し、前記支持部材の前記載置本体に対する回転を制限することに用いられる。
【0012】
任意選択的に、前記ストッパ部材は前記支持部材に設けられ、前記載置本体にストッパ溝が開けられ、前記ストッパ部材は前記ストッパ溝に設けられ、前記ストッパ部材の前記ストッパ溝に対する回転を制限するように、前記ストッパ部材の外周面が前記ストッパ溝の内周面と係合する。
【0013】
任意選択的に、前記支持部材に固定構造が設けられ、前記載置本体に固定部が設けられ、前記載置装置は前記固定構造と前記固定部を取り外し可能に接続するための固定ユニットをさらに含む。
【0014】
任意選択的に、前記固定構造は前記支持部材に設けられたボスを含み、前記固定部には前記ボスが挿通される固定孔が開けられ、前記固定部の外周壁に雄ねじが設けられ、
前記固定ユニットは固定部材、第1弾性部材、第2弾性部材、押圧部材及び弾性シール材を含み、
前記固定部材に固定溝が開けられ、前記固定溝の内周壁に前記雄ねじと係合する雌ねじが設けられ、前記第1弾性部材、前記第2弾性部材、前記押圧部材と前記弾性シール材は下から上へ前記固定溝に順次積層され、いずれも前記支持部材に外嵌され、前記弾性シール材は前記押圧部材と前記固定部の前記固定溝に伸びる一端との間に位置する。
【0015】
本発明は、ロードチャンバと、プロセスチャンバと、本発明に係る前記載置装置とを含み、前記ロードチャンバと前記プロセスチャンバは互いに連通し、前記載置装置は前記ロードチャンバと前記プロセスチャンバとの間に移動可能である半導体熱処理設備をさらに提供する。
【0016】
本発明は以下の有益な効果を有する。
【0017】
本発明に係る半導体熱処理設備の載置装置では、複数の測温ユニットはいずれも支持部材に設けられ、載置本体の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各測温ユニットはいずれも載置位置のエッジの内側に伸びる測温端部を有し、該測温端部に対応する区画の温度を検出することに用いられ、上記測温端部が載置位置のエッジの内側に伸びるため、測温端部と対応する区画における各載置位置に載置されたウェハとの間の距離を小さくすることができ、それにより各測温ユニットの温度測定値とウェハの実際温度との誤差を小さくひいては解消することができ、それによりウェハに対する温度測定の精度を向上させることができ、各測温ユニットの温度測定値がウェハの実際温度を明らかにすることができ、さらに他の測温素子と合わせて使用する必要がなく、ウェハの歩留まりが向上し、コストが低減され、半導体熱処理設備の使用率が向上する。また、測温装置の支持部材を載置本体に接続し、載置本体の載置位置のエッジの外側に位置させることにより、測温装置が載置本体の移動に伴って移動できることを可能にし、支持部材における各測温ユニットによる載置本体の移動への干渉を回避でき、それにより載置装置の半導体熱処理設備での正常な搬送を保証することができる。
【0018】
本発明に係る半導体熱処理設備では、本発明に係る上記載置装置を利用して、ウェハに対する温度測定の精度を向上させることができ、それにより他の測温素子と合わせて使用する必要がなく、ウェハの歩留まりが向上し、コストが低減され、半導体熱処理設備の使用率が向上する。また、支持部材における各測温ユニットによる載置本体の移動への干渉を回避することができ、それにより載置装置の半導体熱処理設備での正常な搬送を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】従来の半導体縦型炉設備及びウェハボートの構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置の構造概略図である。
【
図3】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置がプロセスチャンバに位置する時の構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置がロードチャンバに位置する時の構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置における測温装置の構造概略図である。
【
図6】
図5におけるA位置の部分拡大構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置における測温装置の構造概略図である。
【
図8】
図7におけるB位置の部分拡大構造概略図である。
【
図9】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置におけるストッパ部材がフランジと係合する時の構造概略図である。
【
図10】本発明の実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
当業者が本発明の技術的解決手段をよりよく理解するために、以下、図面を参照して本発明に係る半導体熱処理設備の載置装置及び半導体熱処理設備について詳細に説明する。
【0021】
図2に示すように、本実施例は、半導体熱処理設備の載置装置を提供し、測温装置と、載置本体21とを含み、ここでは、該載置本体21はウェハ32を載置するための複数の載置位置を含み、複数の載置位置は載置本体の軸方向に沿って間隔をあけて配置される。具体的には、載置本体21にはその軸方向に沿って間隔をあけて配置された複数層のスロットが設けられ、各層のスロットに1つのウェハ32が挿設され得て、該スロットのウェハ32を載置するための位置は上記載置位置である。
【0022】
測温装置は支持部材22及び複数の測温ユニット23を含み、ここでは、支持部材22は載置本体21に接続され、載置本体21の上記載置位置の外側に位置する。具体的には、上記支持部材22は例えば柱状を呈し、載置本体21の軸方向に沿って延設される。複数の測温ユニット23はいずれも支持部材22に設けられ、載置本体21の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各測温ユニット23はいずれも上記載置位置のエッジの内側に伸びる測温端部を有し、該測温端部に対応する区画の温度を検出することに用いられる。
【0023】
載置本体21のすべてのウェハ32を収容するための全域は、載置本体21の軸方向において複数の区画211が分けられ、該区画211の数は測温ユニット23の数と同じであり、該区画211の温度を検出するように、各測温ユニット23の測温端部は1対1で対応して各区画211に伸びる。例えば、
図2に示すように、上記全域は平均的に5つの区画211に分けられ、これに対応して、測温ユニット23は5つあり、各測温ユニット23の測温端部は1対1で対応して各区画211に伸び、任意選択的に、各測温ユニット23の測温端部は対応する区画211における最上層のウェハ32の上方に位置し、しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、実際の適用において、各測温ユニット23の測温端部は、対応する区画におけるいずれかの層のウェハ32の上方又は下方に位置してもよく、本発明はこれについて特に限定しない。
【0024】
なお、各区画211におけるウェハ32の数は1つ又は複数であってもよく、本発明はこれについて特に限定しない。測温ユニット23によって検出された対応する区画211の温度は該区画211におけるウェハ32の実際温度を明らかにすることに用いることができる。
【0025】
またなお、本実施例では、区画211の数は測温ユニット23の数と同じであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、実際の適用において、1つの測温ユニット23は複数の区画211に対応してもよく、しかも異なる測温ユニット23に対応する区画211の数は同じであってもよく、異なってもよい。
【0026】
本実施例に係る半導体熱処理設備の載置装置では、複数の測温ユニット23はいずれも支持部材22に設けられ、載置本体21の軸方向に沿って間隔をあけて配置され、各測温ユニット23はいずれも載置位置のエッジの内側に伸びる測温端部を有し、該測温端部に対応する区画211の温度を検出することに用いられ、上記測温端部が載置位置のエッジの内側に伸びるため、測温端部と対応する区画211における各載置位置に載置されたウェハとの間の距離を小さくすることができ、それにより各測温ユニット23の温度測定値とウェハ32の実際温度との誤差を小さくひいては解消することができ、それによりウェハに対する温度測定の精度を向上させることができ、各測温ユニット23の温度測定値がウェハの実際温度を明らかにすることができ、さらに他の測温素子と合わせて使用する必要がなく、ウェハの歩留まりが向上し、コストが低減され、半導体熱処理設備の使用率が向上する。また、測温装置23の支持部材22を載置本体21に接続し、載置本体21の載置位置のエッジの外側に位置させることにより、測温装置23が載置本体21の移動に伴って移動できることを可能にし、支持部材22における各測温ユニット23による載置本体21の移動への干渉を回避でき、それにより載置装置の半導体熱処理設備での正常な搬送を保証することができる。
【0027】
本実施例に係る上記載置装置は例えば半導体縦型炉設備に適用されてもよく、この場合、上記載置本体21の軸方向は垂直方向であるが、載置装置の構造はこれに限定されるものではなく、例えば、半導体横型炉設備に適用されてもよく、すなわち、上記載置本体21の軸方向は水平面と互いに平行である。なお、半導体横型炉設備に適用される載置装置において、各測温ユニット23の測温端部は載置本体21の載置位置のエッジの内側へ伸び、各区画211の片側(例えば左側又は右側)に1対1で対応して伸びることができる。
【0028】
図3及び
図4に示すように、半導体熱処理設備が半導体縦型炉設備であることを例とし、半導体縦型炉設備には互いに連通するロードチャンバ201及びプロセスチャンバ202が設けられてもよく、ここでは、ロードチャンバ201はプロセスチャンバ202の下方に位置し、本実施例に係る上記載置装置はロードチャンバ201でウェハ32を着脱することができ、ロードチャンバ201に昇降装置204が設けられてもよく、載置装置全体を駆動してプロセスチャンバ202に上昇させ、又はロードチャンバ201に下降させることに用いられる。
【0029】
プロセスチャンバ202にプロセスチューブ203が設けられてもよく、任意選択的に、該プロセスチューブ203の作製材料は石英が採用されてもよく、上記載置装置は、プロセスチャンバ202に上昇し、プロセスチューブ203の内部空間に入ることができ、本実施例に係る載置装置において、測温装置の支持部材22を載置本体21に接続することにより、測温装置が載置本体21の昇降に伴って昇降することができ、すなわち、測温装置が載置本体21に伴ってプロセスチャンバ202に上昇し、又はロードチャンバ201に下降することができる。それにより支持部材22上の各測温ユニット23による載置本体21の移動への干渉が回避され、それにより載置装置の半導体熱処理設備での正常な搬送を保証することができる。しかし、半導体縦型炉設備の構成はこれに限定されず、例えば、ロードチャンバ201がプロセスチャンバ202の上方に位置してもよい。
【0030】
また、半導体熱処理設備のタイプも半導体縦型炉設備に限定されず、例えば、半導体熱処理設備は半導体横型炉設備であってもよく、半導体横型炉設備には互いに連通するロードチャンバ201及びプロセスチャンバ202が設けられてもよく、この場合、ロードチャンバ201はプロセスチャンバ202の右側に位置してもよく、プロセスチャンバ202の左側に位置してもよく、ロードチャンバ201に搬送装置が設けられてもよく、載置装置を搬送装置に置くことにより、搬送装置を利用して載置装置を駆動して左又は右にプロセスチャンバ202に平行移動させ、本実施例に係る載置装置において、測温装置の支持部材22を載置本体21に接続することにより、測温装置は載置本体21の左右平行移動に伴って左右平行移動することができ、それにより支持部材22上の各測温ユニット23による載置本体21の移動への干渉が回避され、それにより載置装置の半導体熱処理設備での正常な搬送を保証することができる。
【0031】
図5及び
図6に示すように、本発明の好ましい実施例では、測温ユニット23は延出部材231及び測温部材232を含んでもよく、ここでは、延出部材231は、一端が支持部材22に接続され、他端が上記測温端部として上記載置位置のエッジの内側に伸び、測温部材232は延出部材231内に設けられ、上記測温端部箇所に位置し、測温部材232のコード(信号伝送部材として用いられる)は順に延出部材231及び支持部材22を介して引き出され、このようにしてプロセスチャンバ202の外部に伸びることができる。上記延出部材231は、その内部に設けられた測温部材232を支持及び保護すると共に、測温部材232をウェハ32の中央により近い領域に位置させることを可能にする。
【0032】
具体的には、
図5及び
図6に示すように、支持部材22及び延出部材231はいずれも中空構造であってもよく、延出部材231の内部空間は支持部材22の内部空間に連通し、測温部材232は延出部材231の内部空間に設けられ、測温部材232のコードは順に延出部材231の内部空間及び支持部材22の内部空間を介して引き出される。測温部材232のコードは、信号伝送手段として測温部材232が温度を検出した際に発生する電気信号を外部の受信処理手段(図示せず)に伝送するのに用いられ、この受信処理手段は、測温部材232が温度を検出した際に発生する電気信号を処理して、各測温部材232によって測定された温度を表示することに用いられる。
【0033】
任意選択的に、延出部材231の作製材料としては石英が挙げられてもよい。
【0034】
本発明の好ましい実施例では、各測温部材232の測温端部は、載置本体21の軸方向において載置位置の中央と対向して設けられてもよい。このように設ければ、各測温部材232の測温端部が載置位置に置かれたウェハの円心と対向するようにでき、それにより各測温部材232によって測定された温度検出値がウェハ32中央の温度により近くするようにでき、さらにウェハ32に対する温度測定の精度が向上する。
【0035】
図6に示すように、本発明の好ましい実施例では、測温部材232は熱電対を含んでもよく、熱電対は第1電極、第2電極、第1接続部材243、第2接続部材244、第1導電材241、第2導電材242及び絶縁材25を含んでもよく、ここでは、第1電極及び第2電極は延出部材231内に間隔をあけて設けられ、上記測温端部箇所に位置し、第1接続部材243と第2接続部材244は延出部材231内に間隔をあけて設けられ、第1導電材241と第2導電材242は支持部材22内に間隔をあけて設けられ、上記第1電極は第1接続部材243を介して第1導電材241に電気的に接続され、上記第2電極は第2接続部材244を介して第2導電材242に電気的に接続される。上記第1接続部材243、第2接続部材244、第1導電材241及び第2導電材242は上記測温部材232のコードであり、信号の伝送に用いられる。
【0036】
絶縁材25は延出部材231及び支持部材22の内部に設けられ、第1導電材241と第2導電材242との間、第1接続部材243と第2接続部材244との間を電気的に絶縁することに用いられる。
【0037】
上記第1電極と第2電極は電気的に導通し、第1導電材241と第2導電材242は外部の受信処理手段で電気的に導通し、この2つの電気的導通位置の温度が異なる場合、上記第1電極及び第2電極が位置する回路に起電力が発生し、受信処理手段は該起電力を受信して起電力を処理することができ、各測温部材232によって測定された温度を表示することができる。
【0038】
上記絶縁材25を利用して、第1導電材241と第2導電材242との間、第1接続部材243と第2接続部材244との間を電気的に絶縁することにより、上記第1電極と第2電極が位置する回路の上記2つの電気的導通位置以外の他の位置で電気的に導通することを回避することができ、それによりこの回路に起電力を生成する正確性を保証することができ、それにより測温装置の温度測定の精度が向上する。
【0039】
任意選択的に、第1電極の作製材料及び第2電極の作製材料としては貴金属が挙げられてもよい。
【0040】
好ましくは、第1電極の作製材料は白金ロジウム合金であってもよく、第2電極の作製材料は白金であってもよい。
【0041】
任意選択的に、白金ロジウム合金におけるロジウムの占める割合の範囲は10%~13%であってもよく、白金の占める割合の範囲は90%~87%であってもよい。
【0042】
好ましくは、白金ロジウム合金におけるロジウムの占める割合は13%であり、白金の占める割合は87%である。
【0043】
任意選択的に、第1接続部材243の作製材料としては貴金属が挙げられてもよい。好ましくは、第1接続部材243の作製材料は白金ロジウム合金であってもよい。
【0044】
任意選択的に、第2接続部材244の作製材料としては貴金属が挙げられてもよい。好ましくは、第2接続部材244の作製材料は白金ロジウム合金であってもよい。
【0045】
任意選択的に、第1導電材241の作製材料としては貴金属が挙げられてもよい。好ましくは、第1導電材241の作製材料は白金ロジウム合金であってもよい。
【0046】
任意選択的に、第2導電材242の作製材料としては貴金属が挙げられてもよい。好ましくは、第2導電材242の作製材料は白金ロジウム合金であってもよい。
【0047】
任意選択的に、第1接続部材243の作製材料と第1導電材241の作製材料は同じであってもよく、第2接続部材244の作製材料と第2導電材242の作製材料は同じであってもよい。
【0048】
図6に示すように、本発明の好ましい実施例では、絶縁材25は絶縁スリーブを含み、該絶縁スリーブ内には互いに電気的に絶縁された第1通路及び第2通路が設けられ、ここでは、第1通路は第1導電材241及び第1接続部材243を挿通することに用いられ、第2通路は第2導電材242及び第2接続部材244を挿通することに用いられる。これにより、第1導電材241と第2導電材242との間、第1接続部材243と第2接続部材244との間の電気的絶縁を実現することができる。
【0049】
図7に示すように、本発明の好ましい実施例では、支持部材22にストッパ部材26が設けられ、該ストッパ部材26は載置本体21と係合し、支持部材22の載置本体21に対する回転を制限することに用いられ、このように、支持部材22に設けられた測温部材232と載置位置との相対位置の変化を回避することができ、さらに測温装置の温度測定の安定性が向上する。
【0050】
図8及び
図9に示すように、本発明の好ましい実施例では、ストッパ部材26は支持部材22に設けられてもよく、具体的には、ストッパ部材26は支持部材22に外嵌可能な貫通孔を有する。載置本体21にストッパ溝が開けられ、ストッパ部材26は該ストッパ溝に設けられ、ストッパ部材26のストッパ溝に対する回転を制限するように、ストッパ部材26の外周面がストッパ溝の内周面と係合し、それにより支持部材22の載置本体21に対する回転が制限される。
【0051】
図9に示すように、任意選択的に、載置本体21の底部にフランジ30が設けられてもよく、上記ストッパ溝はフランジ30のエッジに開けられてもよい。
【0052】
図2に示すように、任意選択的に、フランジ30に保温装置31が設けられてもよく、半導体熱処理プロセスにおいて載置本体21に載置されたウェハ32を保温することで、載置本体21に載置されたウェハ32が半導体熱処理プロセスにおいて急速に放熱することが回避される。
【0053】
任意選択的に、ストッパ部材26の高さは、8mm~10mmであってもよい。
【0054】
任意選択的に、ストッパ部材26の長さは、12mm~16mmであってもよい。
【0055】
任意選択的に、ストッパ部材26の幅は、12mm~16mmであってもよい。
【0056】
図11に示すように、本発明の好ましい実施例では、支持部材22に固定構造が設けられてもよく、載置本体21に固定部271が設けられてもよく、
図10に示すように、載置装置は、固定構造と固定部271を取り外し可能に接続するための固定ユニット28をさらに含み、これにより、支持部材22を載置本体21に取り外し可能に固定する。固定ユニット28を利用して固定構造と固定部271を取り外し可能に接続し、支持部材22が載置本体21に取り外し可能に固定されるようにし、これにより、測温装置をメンテナンスし又は交換することを容易にできる。
【0057】
図11に示すように、本発明の好ましい実施例では、固定構造は支持部材22に設けられたボス29を含んでもよく、固定部271にボス29が挿通される固定孔272が開けられてもよく、固定部271の外周壁に雄ねじ273が設けられ、固定ユニット28は固定部材281、第1弾性部材283、第2弾性部材284、押圧部材285及び弾性シール材286を含んでもよく、ここでは、固定部材281に固定溝282が開けられ、固定溝282の内周壁に雄ねじ273と係合する雌ねじが設けられ、第1弾性部材283、第2弾性部材284、押圧部材285及び弾性シール材286は下から上へ固定溝282に順次積層され、いずれも支持部材22に外嵌され、弾性シール材286は押圧部材285と固定部271の固定溝282に伸びる一端との間に位置する。
【0058】
図10及び
図11に示すように、固定部271は載置本体21の底部のフランジ30に設けられてもよく、固定部271はフランジ30に沿って下へ延び、ここでは、ボス29が挿通される固定孔272が開けられ、その外周壁に雄ねじ273が設けられ、固定溝282の内周壁における雌ねじは固定部271の外周壁における雄ねじ273と螺合し、固定部材281が固定部271に取り外し可能に接続するようにし、第1弾性部材283は固定溝282の底部に設けられ、支持部材22に外嵌され、第2弾性部材284は第1弾性部材283に積層され、支持部材22に外嵌され、押圧部材285は第2弾性部材284に積層され、支持部材22に外嵌され、弾性シール材286は押圧部材285に積層され、支持部材22に外嵌され、押圧部材285と固定部271の固定溝282に伸びる一端との間に位置し、固定部材281と固定部271の螺合により、第1弾性部材283、第2弾性部材284、押圧部材285及び弾性シール材286は固定溝282に押圧固定され、第1弾性部材283、第2弾性部材284、押圧部材285及び弾性シール材286がいずれも支持部材22に外嵌されることにより、第1弾性部材283、第2弾性部材284、押圧部材285及び弾性シール材286を介して支持部材22をクランプし、それにより支持部材22が取り外し可能に載置本体21に固定され、支持部材22が固定孔272及び固定溝282に対して揺動することが回避され、それにより支持部材22に設けられた測温部材232と載置位置との相対位置の変化が回避され、さらに測温装置の温度測定の安定性が向上する。
【0059】
任意選択的に、弾性シール材286はゴムOリングであってもよい。
【0060】
任意選択的に、第1弾性部材283の作製材料としてはポリテトラフルオロエチレン(Poly tetra fluoroethylene、PTFEと略称される)が挙げられてもよい。
【0061】
任意選択的に、第2弾性部材284の作製材料としてはポリテトラフルオロエチレンが挙げられてもよい。
【0062】
任意選択的に、押圧部材285の作製材料としてはステンレス鋼が挙げられてもよい。
【0063】
図2及び
図3に示すように、別の技術的解決手段として、本発明の実施例は半導体熱処理設備をさらに提供し、ロードチャンバ201と、プロセスチャンバ202と、本発明の実施例に係る載置装置とを含み、ここでは、ロードチャンバ201とプロセスチャンバ202は互いに連通し、載置装置はロードチャンバ201とプロセスチャンバ202との間に移動可能である。
【0064】
要するに、本発明の実施例に係る半導体熱処理設備は、本発明の実施例に係る上記載置装置を利用し、ウェハに対する温度測定の精度を向上させることができ、それにより他の測温素子と合わせて使用する必要がなく、ウェハの歩留まりが向上し、コストが低減され、半導体熱処理設備の使用率が向上する。また、支持部材における各測温ユニットによる載置本体の移動への干渉を回避することができ、それにより載置装置の半導体熱処理設備での正常な搬送を保証することができる。
【0065】
理解されるように、以上の実施形態は単に本願の原理を説明するために用いた例示的な実施形態であるが、本願はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本願の主旨及び本質を逸脱せずに、種々の変形及び改良を行うことができ、これらの変形及び改良も本願の保護範囲として見なされる。
【符号の説明】
【0066】
11 着脱チャンバ
12 プロセスチャンバ
121 石英管
13 ウェハボート
14 測温装置
201 ロードチャンバ
202 プロセスチャンバ
203 プロセスチューブ
204 昇降装置
21 載置本体
211 区画
22 支持部材
23 測温ユニット
231 延出部材
232 測温部材
241 第1導電材
242 第2導電材
243 第1接続部材
244 第2接続部材
25 絶縁材
26 ストッパ部材
271 固定部
272 固定孔
273 雄ねじ
28 固定ユニット
281 固定部材
282 固定溝
283 第1弾性部材
284 第2弾性部材
285 押圧部材
286 弾性シール
29 ボス
30 フランジ
31 保温装置
32 ウェハ