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特許7599009半導体処理チャンバにおける原子状酸素の検出
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】半導体処理チャンバにおける原子状酸素の検出
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20241205BHJP
   G01N 27/409 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/302 103
G01N27/409 100
【請求項の数】 21
(21)【出願番号】P 2023518330
(86)(22)【出願日】2021-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-05
(86)【国際出願番号】 US2021050574
(87)【国際公開番号】W WO2022060921
(87)【国際公開日】2022-03-24
【審査請求日】2023-05-17
(31)【優先権主張番号】17/026,905
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】アダムズ, ブルース イー.
(72)【発明者】
【氏名】ハウエルズ, サミュエル シー.
(72)【発明者】
【氏名】ヒルケン, マーティン エー.
(72)【発明者】
【氏名】マリン, ホセ アントニオ
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-354055(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109470758(CN,A)
【文献】国際公開第2012/099547(WO,A1)
【文献】米国特許第05112456(US,A)
【文献】特開2019-027800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0088031(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
G01N 27/409
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体処理チャンバであって、
基板処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記基板処理領域内に位置決めされた基板支持体と、
前記基板支持体に近接して、前記基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサと
を含
前記原子状酸素センサが、金属金を含む少なくとも1つの電極を含む、半導体処理チャンバ。
【請求項2】
半導体処理チャンバであって、
基板処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記基板処理領域内に位置決めされた基板支持体と、
前記基板支持体に近接して、前記基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサと
を含み、
前記原子状酸素センサが、イオンのフラックスが前記原子状酸素センサに接触するのを低減するイオン抑制スクリーンによって取り囲まれている、半導体処理チャンバ。
【請求項3】
半導体処理チャンバであって、
基板処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記基板処理領域内に位置決めされた基板支持体と、
前記基板支持体に近接して、前記基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサと
を含み、
前記原子状酸素センサが、前記半導体処理チャンバ内のガスが前記原子状酸素センサに接触するのを可逆的に防止するための可逆的バリアを含む、半導体処理チャンバ。
【請求項4】
前記原子状酸素センサが、イットリア安定化ジルコニアを含むセラミック電解質を含む、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項5】
前記半導体処理チャンバが、ガスが前記基板処理領域へ流入するのを可能にするためのガス入口をさらに含み、前記原子状酸素センサが、前記ガス入口と前記基板支持体との間に位置決めされている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項6】
前記半導体処理チャンバが、ガスが前記基板処理領域から流出するのを可能にするためのガス出口をさらに含み、前記原子状酸素センサが、前記基板支持体と前記ガス出口との間に位置決めされている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項7】
前記半導体処理チャンバが、
前記基板処理領域内で誘導結合プラズマを生成するための複数のコイル、
前記基板処理領域内で容量結合プラズマを生成するための少なくとも2つの電極、又は
前記半導体処理チャンバの外部に位置決めされた遠隔プラズマシステムによって生成された遠隔プラズマ放出物用の入口
のうちの少なくとも1つを含むプラズマ処理チャンバである、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項8】
半導体処理チャンバであって、
板処理領域を画定するチャンバ本体と、
記基板処理領域にガスを供給するための前記チャンバ本体内のガス入口、及び前記基板処理領域からガス排出物を除去するための前記チャンバ本体内のガス出口と、
記ガス入口と前記ガス出口との間の前記基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサと
を含み、
前記原子状酸素センサが、金属金を含む少なくとも1つの電極を含む、半導体処理チャンバ。
【請求項9】
半導体処理チャンバであって、
基板処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記基板処理領域にガスを供給するための前記チャンバ本体内のガス入口、及び前記基板処理領域からガス排出物を除去するための前記チャンバ本体内のガス出口と、
前記ガス入口と前記ガス出口との間の前記基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサと
を含み、
前記原子状酸素センサが、イオンのフラックスが前記原子状酸素センサに接触するのを低減するイオン抑制スクリーンによって取り囲まれている、半導体処理チャンバ。
【請求項10】
半導体処理チャンバであって、
基板処理領域を画定するチャンバ本体と、
前記基板処理領域にガスを供給するための前記チャンバ本体内のガス入口、及び前記基板処理領域からガス排出物を除去するための前記チャンバ本体内のガス出口と、
前記ガス入口と前記ガス出口との間の前記基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサと
を含み、
前記原子状酸素センサが、前記半導体処理チャンバ内のガスが前記原子状酸素センサに接触するのを可逆的に防止するための可逆的バリアを含む、半導体処理チャンバ。
【請求項11】
前記基板処理領域内に位置決めされた基板支持体をさらに含む、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項12】
前記原子状酸素センサが、前記ガス出口よりも前記ガス入口の近くに位置決めされている、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項13】
前記原子状酸素センサが、前記ガス入口よりも前記ガス出口の近くに位置決めされている、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項14】
前記原子状酸素センサが、イットリア安定化ジルコニアを含むセラミック電解質を含む、請求項8から請求項10のいずれか一項に記載の半導体処理チャンバ。
【請求項15】
半導体処理方法であって、
酸素含有ガスを半導体処理チャンバの基板処理領域内に流すことと、
前記半導体処理チャンバ内に位置決めされた原子状酸素センサを用いて、前記基板処理領域内の原子状酸素の濃度を検出することであって、前記原子状酸素センサが、分子状酸素よりも原子状酸素に選択的に透過する材料を含む少なくとも1つの電極を含み、且つ原子状酸素イオンを選択的に伝導する固体電解質を含む、原子状酸素の濃度を検出することと、
前記基板処理領域中のイオンのフラックスが前記原子状酸素センサに接触するのを低減することと、
前記原子状酸素センサにより検出された前記原子状酸素の濃度に基づいて、前記半導体処理チャンバ内への前記酸素含有ガスの流れを調整することと
を含む、半導体処理方法。
【請求項16】
半導体処理方法であって、
酸素含有ガスを半導体処理チャンバの基板処理領域内に流すことと、
前記半導体処理チャンバ内に位置決めされた原子状酸素センサを用いて、前記基板処理領域内の原子状酸素の濃度を検出することであって、前記原子状酸素センサが、分子状酸素よりも原子状酸素に選択的に透過する材料を含む少なくとも1つの電極を含み、且つ原子状酸素イオンを選択的に伝導する固体電解質を含む、原子状酸素の濃度を検出することと、
前記基板処理領域内の気体から前記原子状酸素センサをブロック解除して、前記原子状酸素センサが前記基板処理領域内の前記原子状酸素の濃度を検出するのを可能にすることと、
前記原子状酸素センサにより検出された前記原子状酸素の濃度に基づいて、前記半導体処理チャンバ内への前記酸素含有ガスの流れを調整することと
を含む、半導体処理方法。
【請求項17】
半導体処理方法であって、
酸素含有ガスを半導体処理チャンバの基板処理領域内に流すことと、
前記半導体処理チャンバ内に位置決めされた原子状酸素センサを用いて、前記基板処理領域内の原子状酸素の濃度を検出することであって、前記原子状酸素センサが、分子状酸素よりも原子状酸素に選択的に透過する材料を含む少なくとも1つの電極を含み、且つ原子状酸素イオンを選択的に伝導する固体電解質を含む、原子状酸素の濃度を検出することと、
前記原子状酸素センサにより検出された前記原子状酸素の濃度に基づいて、前記半導体処理チャンバ内への前記酸素含有ガスの流れを調整することと
を含み、
前記原子状酸素センサの前記少なくとも1つの電極が金属金を含む、半導体処理方法。
【請求項18】
記原子状酸素センサの前記固体電解質がイットリア安定化ジルコニアを含む、請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の半導体処理方法。
【請求項19】
前記原子状酸素センサが、前記半導体処理チャンバ内のガス入口から前記基板処理領域に供給される前記酸素含有ガス中の前記原子状酸素の濃度を検出する、請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の半導体処理方法。
【請求項20】
前記原子状酸素センサが、前記半導体処理チャンバ内のガス出口を通って前記基板処理領域を出る前の排出ガス中の前記原子状酸素の濃度を検出する、請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の半導体処理方法。
【請求項21】
前記酸素含有ガスからプラズマを生成することをさらに含み、前記原子状酸素センサが、前記プラズマ中の前記原子状酸素の濃度を検出する、請求項15から請求項17のいずれか一項に記載の半導体処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001]本出願は、2020年9月21日に出願の「ATOMIC OXYGEN DETECTION IN SEMICONDUCTOR PROCESSING CHAMBERS」と題する米国特許出願第17/026,905号の利益及び優先権を主張し、その全文が参照により本明細書に援用される。
技術分野
[0002]本技術は、半導体システム、プロセス、及び機器に関する。より具体的には、本発明の技術は、半導体処理チャンバ内で原子状酸素を検出するためのシステム及びプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003]集積回路は、基板表面上に複雑にパターニングされた材料層を形成する処理によって可能になる。基板上にパターンニングされた材料を製造することは、材料を形成し除去するための制御された方法を必要とする。デバイスのサイズが小さくなり続けるにつれて、膜の特性及びパターニングの精度がデバイスの性能に与える影響は大きくなっている。基板表面から材料を形成し、パターンニングし、除去する動作は、製造されるデバイスの動作特性に影響を与える場合がある。材料の厚さ及びデバイスのサイズが小さくなり続けるにつれて、デバイスの製造条件をリアルタイムでモニタリングし、条件をますます狭い動作範囲に維持するように調整する機器及び方法の改善が必要とされている。
【0003】
[0004]したがって、高品質デバイス及び構造体の製造に使用することができる、改善されたシステム及び方法が必要とされている。本技術は、これら必要性及びその他の必要性に対処する。
【発明の概要】
【0004】
[0005]本技術は、基板処理チャンバの基板処理領域内に位置決めされた原子状酸素センサを使用して原子状酸素のレベルを測定する半導体処理システム及び方法を含む。本技術のいくつかの実施形態では、センサは、チャンバの基板処理領域で形成される酸素含有プラズマ中の原子状酸素のレベルを測定するために使用され得る。追加の実施形態では、センサは、チャンバ外の遠隔プラズマ源から基板処理領域に入るプラズマ流出物中の原子状酸素のレベルを測定するために使用され得る。これらのセンサによるその場でのリアルタイムの原子状酸素の測定は、他の処理動作の中でも、プラズマの状態の評価、故障の予測、エンドポイントの検出を含むさまざまな半導体処理動作に組み込むことができる。
【0005】
[0006]本技術の実施形態は、基板処理領域を画定するチャンバ本体を有する半導体チャンバを含む。いくつかの実施形態では、処理チャンバは、基板処理領域内に位置決めされた基板支持体も含み得る。原子状酸素センサは、チャンバの基板処理領域において、基板支持体に近接して位置決めされ得る。
【0006】
[0007]さらなる実施形態では、原子状酸素センサは、金属金でできた少なくとも1つの電極を含み得る。またさらなる実施形態では、原子状酸素センサは、イットリア安定化ジルコニアを含むセラミック電解質を有し得る。またさらなる実施形態では、原子状酸素センサは、センサに接触するイオンのフラックス(flux)を減少させるイオン抑制スクリーンによって囲まれ得る。またさらなる実施形態では、原子状酸素センサは、半導体処理チャンバ内のガスがセンサに接触するのを可逆的に防止する可逆的バリアを含み得る。いくつかの実施形態では、原子状酸素センサは、基板処理領域中にガスが流入するのを可能にする半導体処理チャンバのガス入口と、基板支持体との間に位置決めされ得る。追加の実施形態では、原子状酸素センサは、基板支持体と、基板処理領域からガスが流出するのを可能にするガス出口との間に配置され得る。またさらなる実施形態では、半導体処理チャンバは、基板処理領域で誘導結合プラズマを生成するための複数のコイル、基板処理領域で容量結合プラズマを生成するための少なくとも2つの電極、又は半導体処理チャンバの外部に位置決めされた遠隔プラズマシステムによって生成される遠隔プラズマ放出物用の入口のうちの少なくとも1つを含むプラズマ処理チャンバであり得る。
【0007】
[0008]本技術の実施形態は、基板処理領域を画定するチャンバ本体を含む半導体処理チャンバも含む。チャンバはまた、基板処理領域にガスを供給するためのチャンバ本体内のガス入口と、基板処理領域からガス排出物を除去するためのチャンバ本体内のガス出口とを含み得る。実施形態では、原子状酸素センサは、ガス入口とガス出口との間の基板処理領域内に位置決めされ得る。
【0008】
[0009]さらなる実施形態では、原子状酸素センサは、ガス出口よりもガス入口の近くに位置決めされ得る。他の実施形態では、原子状酸素センサは、ガス入口よりもガス出口の近くに位置決めされ得る。またさらなる実施形態では、原子状酸素センサは、少なくとも1つの金属金電極と、イットリア安定化ジルコニアからできたセラミック電解質とを含み得る。いくつかの実施形態では、原子状酸素センサを含む半導体処理チャンバは、チャンバの基板処理領域内に位置決めされた基板支持体も含み得る。
【0009】
[0010]本技術の実施形態は、半導体処理チャンバ内の原子状酸素を検出するための半導体処理方法をさらに含む。いくつかの実施形態では、この方法は、半導体処理チャンバの基板処理領域内に酸素含有ガスを流すことを含み得る。この方法はまた、半導体処理チャンバ内に位置決めされた原子状酸素センサを用いて基板処理領域内の原子状酸素の濃度を検出することをさらに含み得る。原子状酸素センサは、分子状酸素よりも原子状酸素に選択的に透過する材料を含む少なくとも1つの電極を含んでもよく、原子状酸素イオンを選択的に伝導する固体電解質をさらに含んでもよい。この方法は、原子状酸素センサによって検出された原子状酸素の濃度に基づいて、半導体処理チャンバ内への酸素含有ガスの流れを調整することをまたさらに含み得る。
【0010】
[0011]さらなる実施形態では、方法は、金属金で作製され得る、原子状酸素に透過する少なくとも1つの電極を含むとともにイットリア安定化ジルコニアで作られた固体電解質をさらに含み得る原子状酸素センサで原子状酸素を検出することを含み得る。追加の実施形態では、方法は、基板処理領域中のイオンのフラックスが原子状酸素センサに接触するのを低減することを含み得る。またさらなる実施形態では、方法は、基板処理領域内の気体から原子状酸素センサをブロック解除して、センサが基板処理領域内の原子状酸素の濃度を検出できるようにすることを含み得る。またさらなる実施形態では、方法は、原子状酸素センサに、半導体処理チャンバ内のガス入口から基板処理領域に供給される酸素含有ガス中の原子状酸素の濃度を検出させることを含み得る。追加の実施形態では、方法は、原子状酸素センサに、半導体処理チャンバ内のガス出口を通して基板処理領域を出る前の排出ガス中の原子状酸素の濃度を検出させることを含み得る。さらに追加の実施形態では、方法は、基板処理領域に流入する酸素含有ガスからプラズマを生成することと、原子状酸素センサにプラズマ中の原子状酸素の濃度を検出させることとをさらに含み得る。
【0011】
[0012]このような技術は、従来のシステム及び技法よりも多数の利点を提供し得る。例えば、原子状酸素センサは、処理動作中に半導体処理システムで原子状酸素の濃度をその場でリアルタイムに測定し得る。原子状酸素センサは、処理チャンバ内に設置できるほど小型であり、質量分析のような大型で複雑な化学機器を必要とせず、原子状酸素の存在レベルを正確に検出する。原子センサは、酸素を励起して励起状態からの放出を探すことなく、基底状態の原子状酸素を検出することもできる。さらに、原子状酸素センサは、分子状酸素よりも原子状酸素に高い選択性を有し、分子状酸素の割合が大きい気体中に存在する小さな割合の原子状酸素を正確に測定することができる。これらの実施形態及びその他の実施形態は、その多くの利点や特徴と共に、後述の記載及び添付の図面により詳細に説明されている。
【0012】
[0013]開示された技術の性質及び利点は、本明細書の残りの部分と図面を参照することによってさらに理解を深めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A】[0014]本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの概略断面図を示す。
図1B】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの概略断面図を示す。
図1C】本技術のいくつかの実施形態による例示的な処理システムの概略断面図を示す。
図2】[0015]本技術のいくつかの実施形態による例示的な原子状酸素センサの簡素化された概略断面図を示す。
図3】[0016]本技術のいくつかの実施形態による例示的な原子状酸素センサの簡素化された電機的概略図を示す。
図4】[0017]本技術のいくつかの実施形態による基板処理領域内の原子状酸素を検出する方法における選択された動作を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0018]いくつかの図面は、概略図として含まれている。図面は例示を目的としており、縮尺どおりであると明記されていない限り、縮尺どおりであるとみなしてはならないことを理解するべきである。さらに、概略図として、図面は、理解を助けるために提供されており、現実的な描写に比べてすべての態様又は情報を含まない場合があり、例示を目的として強調された素材を含むことがある。
【0015】
[0019]添付の図面では、類似の構成要素及び/又は特徴は、同じ参照符号を有し得る。さらに、同じ種類の様々な構成要素は、類似の構成要素間を区別する文字により、参照符号に従って区別することができる。本明細書において第1の参照符号のみが使用される場合、その記載は、文字に関わりなく、同じ第1の参照符号を有する類似の構成要素のうちのいずれにも適用可能である。
【0016】
[0020]本技術は、1つ又は複数の酸素含有ガスを使用する半導体処理動作中に原子状酸素のレベルを測定する原子状酸素センサを含む半導体処理システム及び方法を含む。半導体処理動作が進歩するにつれて、材料の堆積及び半導体基板の処理のためのプラズマなどの複雑なシステムの化学力学を理解することへの関心が高まっている。プラズマは、半導体処理チャンバの処理領域で生成されるその場のプラズマと、チャンバ外で生成されるプラズマから処理チャンバ内にプラズマ放出物を供給する遠隔発生プラズマとを含む。このようなプラズマに存在する核種をリアルタイムで同定及び測定することは、存在する核種の数が多く、プラズマの動的環境下でそれらが高速に変化するため、困難であることが分かっている。
【0017】
[0021]原子状酸素は、分子状酸素(O)及び酸素イオン(O、O など)のような関連種からの干渉のために、プラズマ環境での特性評価が特に難しい種である。従来の検出技術には、処理チャンバ外に位置決めされた機器で原子状酸素の特性評価を試みる、光吸収分光法及び質量分析法が含まれる。これらの技術は、一般に、処理チャンバ内の半導体処理領域における原子状酸素の不均質な分布を正確にリアルタイムで評価するには、時間がかかりすぎ、不正確である。このように、基板処理チャンバの基板処理領域における酸素含有プラズマ及びプラズマ放出物の化学力学は、十分に特性評価されていないままである。これらの化学力学をよりよく理解しないと、これらの酸素含有プラズマを利用する動作を改善する上で、限られた進歩しかできない。
【0018】
[0022]本技術の実施形態は、処理チャンバ内の半導体処理領域に原子状酸素センサを位置決めして、チャンバ内の原子状酸素のその場でのリアルタイム測定を提供することによって、従来の原子状酸素検出技術におけるこれらの問題及び他の問題に対処する。原子状酸素センサは、チャンバ内の半導体製造動作を妨げることなく、処理チャンバの基板処理領域内に収まるように十分に小型であり得る。いくつかの実施形態では、原子状酸素センサは、酸素含有ガス及び放出物が処理チャンバに流入するのを可能にするガス入口又は酸素含有ガス及び放出物がチャンバから流出するのを可能にするガス出口に近接するなど、半導体処理領域の位置における原子状酸素のレベルを特性評価するために位置決めされるのに十分小さい。追加の実施形態では、原子状酸素センサは、酸素含有ガス又はプラズマのうちの1つ又は複数を含む1つ又は複数の半導体処理動作中に、基板処理チャンバ内の基板の位置を維持する基板支持体に近接して位置決めされ得る。原子状酸素センサを処理チャンバ内の基板処理領域の様々な位置に位置決めできることにより、原子状酸素の空間分布が不均一であり得る領域における原子状酸素の正確な特性評価が可能になる。
【0019】
[0023]本技術の実施形態は、原子状酸素の検出を妨害し得る関連酸素種を含む環境において原子状酸素のレベルを特性評価するという問題にも対処する。本技術の実施形態では、分子状酸素(O)及びO などのイオン性酸素種も検出することなく、原子状酸素を検出し得る原子状酸素センサが提供される。実施形態では、原子状酸素センサは、Oよりも原子状酸素を選択的に検出する金属金で作られた少なくとも1つの電極を含むセンサを含む。さらなる実施形態では、原子状酸素センサは、センサに接触する酸素イオンのフラックスを減少させるイオン抑制スクリーンによって囲まれ得る。さらなる実施形態では、原子状酸素センサは、酸素が低エネルギー状態に戻るときに、酸素を励起すること及び光子放出を検出することなく、基底状態の原子状酸素を検出し得る。これらの実施形態は、基板処理動作中に基板処理領域に存在する酸素含有ガス及びプラズマに通常に見られる他の酸素種の存在下で、原子状酸素を正確に検出することを可能にする。
【0020】
[0024]以下の開示は、開示されている技術を利用する具体的な酸素含有堆積及び処理プロセスを規定通りに特定するものであるが、システム及び方法は、記載されているチャンバで行われ得る他の様々なプロセスに対しても等しく適用可能であることが、容易に理解されよう。したがって、本技術は、記載された堆積及び処理プロセスの単独との使用に限定されるとみなすべきではない。本開示では、本技術のいくつかの実施形態による例示的なプロセスシーケンスのシステム及び方法又は動作を説明する前に、本技術で使用できる1つの可能なシステム及びチャンバを説明する。本技術は、記載された機器に限定されるものではなく、議論されたプロセスは、任意の数の処理チャンバ及びシステムで実施され得ることを理解されたい。
【0021】
[0025]図1A~1Cは、チャンバの基板処理領域内の様々な位置に位置決めされた原子状酸素センサ103を有する例示的な半導体処理チャンバ100の断面の実施形態を示している。図1Aは、基板支持アセンブリ101上の基板124に近接して位置決めされた原子状酸素センサ103を有する半導体処理チャンバ100の断面の実施形態を示している。例示的な処理チャンバ100は、酸素含有ガスを受け取ることができる他のタイプの処理チャンバの中でも、例えば、プラズマ処理チャンバ、酸化処理チャンバ、遠隔プラズマ酸化チャンバ、アニーリングチャンバ、物理気相堆積チャンバ、化学気相堆積チャンバ、又はイオン注入チャンバであり得る。
【0022】
[0026]いくつかの実施形態では、チャンバ100の基板処理領域から原子状酸素センサ103へのイオンの移動を低減又は排除するために、酸素センサ103の周囲にイオン抑制バリア113が位置決めされ得る。イオン抑制バリア113は、電位が印加されたときにクーロン場(columbic field)を維持するバリア中でも、導電性のワイヤメッシュ又は穿孔プレートを含み得る。クーロン場は、電荷を帯びたイオンがイオン抑制バリア113を通過するのを防ぎ、その一方で原子状酸素のような中性種の通過を可能にする。より具体的には、イオン抑制バリア113に印加される電位と同じ電荷のイオンはイオン抑制バリアから押し出され、反対の電荷のイオンはバリアに向かってセンサから引き離されることになる。センサに到達する正負のイオンのフラックスは減少し、その一方で原子状酸素を含む中性種はイオン抑制バリアを自由に通過することができる。実施形態では、これにより、基板処理領域における原子状酸素の特性評価におけるイオン化種からの干渉を低減することができる。
【0023】
[0027]いくつかの実施形態では、イオン抑制バリア113、又は別のバリア(図示せず)は、処理チャンバ100の基板処理領域内のすべてのガス及びプラズマ放出物から原子状酸素センサ103を可逆的に遮蔽し得る。可逆的バリアは、基板処理領域内のガス及びプラズマ放出物が原子状酸素センサ103に接触するのを可能にするための、開口部、バルブ、バッフル、ドア、シャッター、開孔、又は他の何らかの可逆的に開放可能な仕切りを含み得る。原子状酸素センサ103が基板処理領域における大気へ曝露するのを制御することで、センサの構成要素を汚したり腐食させたりする可能性のあるガス及びプラズマ放出物にセンサが接触するのを防止する。例えば、原子状酸素センサ103は、センサを損傷し得るガス及びプラズマ放出物が領域内に存在する堆積又はエッチング動作の期間中、基板処理領域内の大気からブロックされ得る。実施形態では、原子状酸素センサ103が基板処理領域内の原子状酸素レベルを特性評価しているときに、可逆的バリアがブロック解除され得る。いくつかの実施形態では、これらのブロック解除期間は、ガス及びプラズマ放出物が、基板処理領域において低減された圧力にあるとき、又は低減された電力で供給されているときに発生し得る。
【0024】
[0028]処理チャンバ100は、処理領域110を包囲する、側壁104と、ベース106と、リッド108とを有するチャンバ本体102を含み得る。注入装置112が、チャンバ本体102の側壁104及び/又はリッド108と連結され得る。1つ又は複数の酸素含有ガス及び他の処理ガスが処理領域110内へ提供されることを可能にするために、ガスパネル114が注入装置112と流体的に連結され得る。注入装置112は、1つ又は複数のノズル、又は注入口ポートであってもよく、あるいは代替的にシャワーヘッドであってもよい。処理ガスは、任意の処理副生成物とともに、チャンバ本体102の側壁104又はベース106に形成された排出ポート116を通って処理領域110から除去され得る。排出ポート116はポンピングシステム140と連結していてもよく、ポンピングシステム140は、スロットルバルブ、ポンプ、又は処理領域110ないの真空レベルを制御するために利用される他の材料を含み得る。
【0025】
[0029]いくつかの実施形態では、処理ガスは、処理領域110内にプラズマを形成するために励起されてもよい。例えば、処理ガスは、処理ガスに提供されるRF電力と容量結合又は誘導結合することによって励起され得る。図1Aに示す実施形態では、複数のコイル118が処理チャンバ100のリッド108の上方に配置されていてもよく、整合回路120を通じてRF電源122に連結されていてもよい。
【0026】
[0030]図1Aに示す実施形態では、基板支持アセンブリ101が、注入装置112の下方の処理領域110内に配置され得る。基板支持アセンブリ101は、静電チャック150及びベースアセンブリ105を含み得る。ベースアセンブリは、静電チャック150及び設備プレート107と連結され得る。設備プレート107は、接地プレート111によって支持されていてもよく、基板支持アセンブリ101との電気的接続、冷却接続、加熱接続、及びガス接続を容易にするように構成され得る。接地プレート111は、処理チャンバのベース106によって支持されてもよいが、いくつかの実施形態では、アセンブリは、チャンバの処理領域内で垂直に並進可能であり得るシャフトと連結され得る。絶縁プレート109は、設備プレート107を接地プレート111から絶縁し、構成要素間の熱的及び/又は電気的絶縁を提供し得る。
【0027】
[0031]ベースアセンブリ105は、流体送達システム117と連結された冷媒チャネルを含み得るか又は画定し得る。いくつかの実施形態では、流体送達システム117は、極低温冷却器であってもよいが、本技術は、以下でさらに説明されるように、極低温用途に限定されない。流体送達システム117は、ベースアセンブリ105が第1の温度などの所定の温度に維持され得るように、冷媒チャネルの入口に接続された冷媒入口導管123を介して、及び冷媒チャネルの出口に接続された冷媒出口導管125を介して、冷媒チャネルと流体連通し得る。いくつかの実施形態では、流体送達システム117は、冷媒の流量を制御するためにインターフェースボックスと連結され得る。冷媒は、0℃以下、-50℃以下、-80℃以下、-100℃以下、-125℃以下、-150℃以下、又はそれより低い温度を含み得る、極低温度を含む任意の温度を維持することができる材料を含み得る。
【0028】
[0032]ここでも、本技術に包含される他の基板支持体は、0℃以上、100℃以上、250℃以上、400℃以上、又はそれを超える温度を含む、様々な他の処理温度で動作するように構成され得ることが理解されるであろう。流体送達システム117は、ベースアセンブリ105の冷媒チャネルを通って循環され得る冷媒を提供し得る。冷媒チャネルを通って流れる冷媒は、ベースアセンブリ105が処理温度に維持されることを可能にし、これは、静電チャック150上に配置された基板124が極低温処理温度で均一に維持され得るように、静電チャック150の横方向温度プロファイルを制御するのに役立ち得る。
【0029】
[0033]設備プレート107は、冷却器119と連結した冷却剤チャネルを含み得るか又は画定し得る。冷却器119は、設備プレート107が、いくつかの実施形態では第1の温度を超える第2の温度に維持され得るように、冷却剤チャネルの入口に接続された冷却剤入口導管127を介して、及び冷却剤チャネルの出口に接続された冷却剤出口導管129を介して、冷却剤チャネルと流体連通し得る。いくつかの実施形態では、単一の共通の冷却器が、ベースアセンブリ及び設備プレートの両方への流体送達に使用され得る。その結果、いくつかの実施形態では、流体送達システム117及び冷却器119は、単一の冷却器又は流体送達システムであり得る。いくつかの実施形態では、冷却器119は、冷却剤の流量を制御するためにインターフェースボックスと連結され得る。冷却剤は、0℃以上の温度を維持することができるとともに20℃以上、30℃以上、40℃以上、50℃以上、又はそれを超える温度を維持し得る材料を含み得る。いくつかの実施形態では、設備プレート、静電チャック、又はベースアセンブリに分布し得る、抵抗加熱器を含む代替加熱機構が採用され得る。いくつかの実施形態では、設備プレートは、加熱部品を含まないことがある。冷却器119は、設備プレート107の冷却剤チャネルを通って循環され得る冷却剤を提供し得る。冷却剤チャネルを通って流れる冷却剤は、設備プレート107を所定の温度に維持することを可能に得る。これは、例えば、絶縁体プレート109を第1の温度を超える温度に維持するのに役立ち得る。
【0030】
[0034]静電チャック150は、基板124が上に配置され得る支持面を含み得、支持面に対向する底面132も含み得る。いくつかの実施形態では、静電チャック150は、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、又は他の適切な材料などのセラミック材料であり得るか又はそれを含み得る。さらに、静電チャック150は、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリールエーテルケトン、又は処理チャンバ内で静電チャックとして動作し得る任意の他のポリマーのようなポリマーであり得るか又はそれを含み得る。
【0031】
[0035]静電チャック150は、チャック本体内に組み込まれたチャック電極126を含み得る。チャック電極126は、単極若しくは双極のポール、又は基板を静電的にクランプするための任意の他の適切な配置として構成され得る。チャック電極126は、RFフィルタを通じてチャック電源134に連結されてよく、チャック電源134は、基板124を静電チャック150の支持面に静電固定するためのDC電力を提供し得る。RFフィルタは、プラズマ処理チャンバ100内でプラズマを形成するために利用されるRF電力が、チャンバ外で電気機器を損傷させること又は電気的障害となることを防止し得る。
【0032】
[0036]静電チャック150は、チャック本体内に組み込まれた1つ又は複数の抵抗加熱器128を含み得る。抵抗加熱器128は、静電チャック150の温度を、支持面上に配置された基板124を処理するのに適した処理温度まで上昇させるために利用され得る。抵抗加熱器128は、設備プレート107を通ってヒータ電源136に連結され得る。ヒータ電源136は、数百ワットであり得る電力を抵抗加熱器128に提供し得る。ヒータ電源136は、ヒータ電源136の動作を制御するために利用されるコントローラを含んでもよく、このコントローラは、概して、基板124を所定の処理温度に加熱するように設定され得る。抵抗加熱器128は、複数の横方向に分離された加熱ゾーンを含んでもよく、コントローラは、抵抗加熱器128の少なくとも1つのゾーンを、他のゾーンのうちの1つ又は複数に位置する抵抗加熱器128に対して、優先的に加熱することを可能にし得る。例えば、抵抗加熱器128は、複数の分離された加熱ゾーン内に同心状に配置されてもよい。抵抗加熱器128は、処理に適した処理温度で基板124を維持し得る。
【0033】
[0037]基板支持アセンブリ101は、その中に配置された1つ又は複数のプローブを含み得る。いくつかの実施形態では、1つ又は複数の低温光学プローブアセンブリは、プローブコントローラ138と連結され得る。温度プローブは、静電チャック150の様々な領域の温度を決定するために、静電チャック150内に配置され得る。いくつかの実施形態では、各プローブは、抵抗加熱器128の複数の横方向に分離された加熱ゾーンのあるゾーンに対応し得る。プローブは、静電チャック150の各ゾーンの温度を測定し得る。プローブコントローラ138は、抵抗加熱器128の各ゾーンが独立して加熱され得るように、加熱器電源136と連結され得る。これは、静電チャック150の横方向の温度プロファイルを温度測定に基づいて実質的に均一に維持することを可能にし得、静電チャック150上に配置された基板124を処理温度で均一に維持することを可能にし得る。
【0034】
[0038]本技術の実施形態において、原子状酸素センサ103は、処理チャンバ100内の様々な位置に位置決めされ得る。図1Bは、1つ又は複数の酸素含有ガスのガス入口として機能し得る注入装置112に近接して位置決めされた原子状酸素センサ103を有する半導体処理チャンバ100の断面の実施形態を示している。原子状酸素センサ103を注入装置112に近接して位置決めすることにより、センサは、処理ガスが処理チャンバ100内に導入される場合にガス又はプラズマ中の原子状酸素のレベルを特性評価することができる。いくつかの処理方法の実施形態では、注入装置112に近接して位置決めされた原子状酸素センサ103は、処理チャンバ100外で生成された酸素含有プラズマ放出物中の原子状酸素のレベルを特性評価するために使用され得る。追加の実施形態では、原子状酸素センサ103からのデータは、酸素含有プラズマ放出物を、注入装置112を通して処理チャンバ100に供給する遠隔生成プラズマの条件を調整するために使用され得る。注入装置112の近くに位置決めされた原子状酸素センサ103からのリアルタイムデータは、注入装置からさらに離れて位置決めされたセンサよりも、遠隔生成プラズマの健全性についてよりタイムリーにフィードバックすることができる。
【0035】
[0039]図1Cは、チャンバ内に形成された排気ポート116に近接して位置決めされた原子状酸素センサ103を有する半導体処理チャンバ100の断面の実施形態を示している。排気ポート116は、酸素含有ガス及びプラズマ放出物が処理チャンバ100から流出するのを可能にするガス出口として機能し得る。いくつかの処理方法の実施形態では、排気ポート116に近接して位置決めされた原子状酸素センサ103は、基板への露出後の酸素含有ガス及びプラズマ放出物中の原子状酸素のレベルを特性評価するために使用され得る。追加の実施形態では、原子状酸素センサ103からのデータは、例えば動作のエンドポイントの検出を含む、基板処理領域における条件及び事象を特性評価するために使用され得る。排気ポート116の近くに位置決めされた原子状酸素センサ103からのリアルタイムデータは、処理チャンバ100の基板処理領域におけるその場で生成されたプラズマの健全性についてタイムリーにフィードバックすることもできる。
【0036】
[0040]図2は、本技術の実施形態による原子状酸素センサ200の簡素化された概略図を示している。示された実施形態では、原子状酸素センサ200は、カソード電極202と、参照電極204と、アノード電極206とを含む。電極は、カソード電極202とアノード電極206との間で酸素種(例えば、O )を搬送するように機能し得る固体電解質208上に形成され得る。実施形態では、原子状酸素センサ200は、カソード電極202と、固体電解質208と、基板処理領域の隣接する大気との間の境界でイオン化される酸素原子(中性種)のフラックスを測定することによって、センサに接触する大気中の原子状酸素のレベルを測定し得る。いくつかの実施形態では、参照電極204は、カソード電極204で一定の電圧を維持するために使用され、カソード電極の電位の変化による酸素イオンの形成速度の変化を防止し得る。
【0037】
[0041]カソード電極202で形成された酸素イオン(例えば、O イオン)は、電極間の電位差によって、固体電解質208を通ってアノード電極206に移され得る。酸素イオンは、アノード電極206に到達すると、固体電解質208と、アノード電極206と、分子状酸素が放出される隣接する大気とによって形成される境界で、分子状酸素に中和され得る。アノード電極206で酸素イオンから除去された電子は、外部回路(図示せず)を通過してカソード電極202に戻る電流を生成し得る。電流の量は、カソード電極202でセンサに吸収された原子状酸素のフラックスに比例して、基板処理領域の大気中の原子状酸素の分圧を決定するために較正可能され得る信号を提供することができる。
【0038】
[0042]いくつかの実施形態では、カソード電極202は、金属金を含み得る。金はプラチナ及び他の貨幣金属と異なり、分子状酸素(O)よりも原子状酸素を吸収するのに高い選択性を有する。主に金属金で作られたカソード電極202は、原子状酸素を選択的に吸収してイオン化し、原子状酸素センサの電流キャリアとなる酸素イオンを生成し得る。原子状酸素を有する基板処理領域の大気中に存在する分子状酸素は、金含有カソード電極202によってはるかに低い割合で吸収され(あるいは全く吸収されない)、原子状酸素の分圧を測定するセンサの測定を大きく妨害することはない。
【0039】
[0043]いくつかの実施形態では、固体電解質208は、カソード電極202における原子状酸素のイオン化によって形成された酸素イオンを搬送(すなわち、伝導)することができるセラミック材料を含み得る。追加の実施形態では、固体電解質208は、酸素イオンに対して高い導電性を有する温度に維持されたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含み得る。いくつかの実施形態では、センサ動作中、固体電解質208の温度は、約400℃以上、約425℃以上、約450℃以上、約475℃以上、約500℃以上、又はそれを超える温度を特徴とし得る。追加の実施形態では、原子状酸素センサ200は、センサ動作中に固体電解質208の温度を上昇及び維持するための加熱ユニット(図示せず)をさらに含み得る。
【0040】
[0044]図3は、本技術の実施形態による原子状酸素センサ300の簡素化された概略的な回路を示している。実施形態では、センサ300は、固体電解質308上に配置された、カソード電極302、参照電極304、及びアノード電極306を含み得る。示された実施形態では、原子状酸素センサ300は、基板310と、電極と接触する表面とは反対側の基板310の表面に接触するヒータ要素312a-bとをさらに含み得る。
【0041】
[0045]実施形態では、カソード電極302及びアノード電極306は、電極間に電圧を印加する電圧源314と電気的に連通し得る。この電圧により、電極間の電気化学的な電位に勾配が生じ、カソード電極302で吸収された原子状酸素のイオン化から生成された酸素イオンをアノード電極306へ移すことが考えられる。電解質308を介した酸素イオンの移動によって生じる電荷の正味フラックスは、電圧源314を組み込む外部回路316を通過する電流に比例する。外部回路を通過する電流の変化から、電解液308を通って移動する酸素イオンのフラックスに関する情報が得られる。酸素イオンフラックスは、カソード電極302で原子状酸素が吸収される速度に比例する。カソードでの原子状酸素の吸収速度は、処理チャンバ内の基板処理領域の近傍の大気における原子状酸素の分圧に比例する。したがって、原子状酸素センサを組み込んだ電子回路320における電流の較正された測定値は、センサに近接する基板処理領域の大気における原子状酸素の分圧の測定値を提供し得る。
【0042】
[0046]いくつかの実施形態では、ヒータ要素312a-bは、基板310及び固体電解質308を、センサ動作中に電解質を通じた酸素イオンの伝導を容易にする温度に加熱する抵抗加熱を提供し得る。実施形態では、ヒータ要素312a-bは、基板310及び固体電解質308を、約400℃以上、約425℃以上、約450℃以上、約475℃以上、約500℃以上、又はそれを超える温度に上昇及び維持するために使用され得る。原子状酸素センサ300は、固体電解質308の温度をモニタリングするとともにセンサ動作中に電解質温度を維持するためにヒータ要素312a-bに送達される電力量を調整する温度センサ及びコントローラ(図示せず)を含み得る。
【0043】
[0047]いくつかの実施形態では、原子状酸素センサ300は、参照電極304及び電圧源314に電子的に連結されるコントローラ316も含み得る。実施形態では、コントローラ316及び電圧源314は、カソード電極302に接触する大気中の原子状酸素の分圧が変化する間、参照電極304とカソード電極302の間で一定の電圧を維持するポテンショスタットト318として協働し得る。この一定の電圧を維持するために、電圧源314によって提供される電圧は、原子状酸素の分圧の変化に比例するレベルで変化し得る。したがって、いくつかの実施形態では、原子状酸素の分圧の変化は、ポテンショスタット318の電圧源314によって出力される電圧レベルの変化によって測定され得る。
【0044】
[0048]実施形態では、原子状酸素センサ300は、電子回路320内の電流量又はポテンショスタット318によって出力される電圧レベルのうちの少なくとも1つを測定することによって、処理チャンバの基板処理領域における原子状酸素の分圧を特性評価し得る。上述のように、原子状酸素センサ300は、処理チャンバ内のセンサの配置に応じて、基板処理領域内の異なるポイントにおける原子状酸素の分圧を特性評価し得る。いくつかの実施形態では、原子状酸素の不均一な分布を有する基板処理領域の2つ以上のポイントにおける原子状酸素の分圧を特性評価するために、2つ以上のセンサが処理チャンバ内に置かれることがある。
【0045】
[0049]いくつかの実施形態では、原子状酸素センサ300は、処理チャンバの基板処理領域における原子状酸素の分圧に関するリアルタイムの情報を提供し得る。実施形態では、このリアルタイム情報の適時性は、原子状酸素の分圧の変化に対する原子状酸素センサ300の応答時間を特徴とし得る。この応答時間は、原子状酸素の静的分圧を測定する静止センサ信号の5%以内にセンサが入るまでの経過時間によって測定され得る。いくつかの実施形態では、原子状酸素センサ300は、2秒以下、1秒以下、0.5秒以下、0.1秒以下、又はそれ未満の応答時間を特徴とし得る。センサの応答速度が速いことにより、基板処理領域内のガス又はプラズマの状態についてのリアルタイムの情報を得ることができ、処理動作中の処理パラメータのタイムリーな調整が可能になる。いくつかの実施形態では、これらの処理パラメータは、他の処理パラメータの中でも、処理チャンバへの酸素含有ガス又はプラズマ放出物の流量、処理チャンバ内のガス圧力、及び遠隔プラズマ又は基板処理領域において酸素含有プラズマ処理ガスに送達される電力レベルを含み得る。
【0046】
[0050]本技術の実施形態では、原子状酸素センサは、半導体処理方法における原子状酸素レベルを特性評価するために使用され得る。図4は、本技術の実施形態による処理チャンバの処理領域で原子状酸素を検出する方法400における選択された動作を有するフロー図を示している。本処理方法のうちの1つ又は複数の動作を実施し得る任意の処理チャンバが利用され得ることが理解されるであろう。さらに、本方法は、先に説明した原子状酸素センサのうちの1つ又は複数の実施形態を含むチャンバ又はシステムで実施され得る。方法400は、記載された方法動作の開始前に、フロントエンド処理、堆積、エッチング、研磨、洗浄、又は説明された動作の前に実行され得る任意の他の動作を含む1つ又は複数の動作を含み得る。本方法は、図面に示されるような多数の任意の動作を含んでもよく、これらは本技術による方法と特に関連付けられることもあれば、具体的に関連付けられないこともある。例えば、多くの動作は、より広い範囲の半導体処理を提供するために記載されているが、本技術にとって重要ではなく、あるいは、さらに後述するように、代替的な方法論によって実施されてもよい。
【0047】
[0051]方法400は、半導体基板を特定の製造動作に発展させるための任意の動作を含み得る。いくつかの実施形態では方法400はベース構造で実施され得るが、いくつかの実施形態では方法は他の材料形成に続いて実施されてもよい。例えば、原子状酸素センサが作動して基板処理領域内の原子状酸素のレベルを検出しながら、任意の数の堆積、マスキング、又は除去動作が実施されて、基板上に任意のトランジスタ、メモリ、又は他の構造態様を生成され得る。いくつかの実施形態では、基板は、処理チャンバの基板処理領域内の基板支持体上に配置され得る。基板動作は、方法400の態様が実施され得るのと同じチャンバで実施されてもよく、1つ又は複数の動作は、方法400の動作が実行され得るチャンバと同様のプラットフォーム上の1つ又は複数のチャンバ、又は他のプラットフォームで実施されてもよい。
【0048】
[0052]いくつかの実施形態では、方法400は、少なくとも1つの酸素含有ガス又はプラズマ放出物を処理チャンバの基板処理領域内に流すこと405を含み得る。実施形態では、酸素含有ガス又はプラズマ放出物は、基底状態の原子状酸素及び電子的に励起された状態の原子状酸素などの1つ又は複数の原子状酸素種を含み得る。追加の実施形態では、酸素含有ガス又はプラズマは、分子状酸素(O)を含み得る。またさらなる実施形態では、酸素含有ガス又はプラズマは、他のキャリアガス及び不活性ガスの中でも、ヘリウム、分子状窒素(N2)、及びアルゴンなどの1つ又は複数のキャリアガス及び不活性ガスを含み得る。またさらなる実施形態では、酸素含有ガス又はプラズマは、他の反応性ガスの中でも、分子状水素(H)、アンモニア、ケイ素含有ガス、及びハロゲン含有ガスなどの1つ又は複数の反応性ガスを含み得る。
【0049】
[0053]いくつかの実施形態では、基板処理領域に流入する酸素含有ガス又はプラズマ放出物は、処理チャンバを圧力範囲に維持し得る。例えば、処理チャンバは、約0.01Torr以上、約0.1Torr以上、約1Torr以上、約2Torr以上、約5Torr以上、又はそれを超える圧力であることを特徴とし得る。追加の実施形態では、酸素含有ガス又はプラズマ放出物は、処理チャンバに原子状酸素の分圧を提供し得る。例えば、処理チャンバは、約1mTorr以上、約10mTorr以上、約100mTorr以上、又はそれを超える原子状酸素分圧を特徴とし得る。原子状酸素は、他の原子状酸素を含む他の種と容易に結合して、より安定な分子状酸素を形成する、反応性が高い種である。したがって、原子状酸素の分圧は、処理チャンバの基板処理領域内の様々な位置で、経時的に迅速に変化し得ることが理解されるであろう。さらに追加の実施形態では、酸素含有ガス又はプラズマ放出物は、処理チャンバに分子状酸素の分圧を提供し得る。例えば、処理チャンバは、約0.01Torr以上、約0.1Torr以上、約1Torr以上、約2Torr以上、約5Torr以上、又はそれを超える分子状酸素分圧を特徴とし得る。本技術の実施形態では、原子状酸素センサは、分子状酸素が測定を妨害することなく、基板処理領域における原子状酸素の分圧を選択的に測定し得る。
【0050】
[0054]いくつかの実施形態では、方法400は、原子状酸素センサを作動させること410をさらに含み得る。実施形態では、作動の動作は、センサの固体電解質構成要素を、電解質を通じた酸素イオンの伝導を促進する温度に加熱することを含み得る。酸素イオン伝導のための例示的な温度範囲は、約400℃以上、約425℃以上、約450℃以上、約475℃以上、約500℃以上、又はそれを超える温度を含み得る。追加の実施形態では、作動の動作は、基板処理領域内のガス及びプラズマ放出物から原子状酸素センサをブロック解除して、センサが領域のある位置における原子状酸素の量を特性評価できるようにすることを含み得る。いくつかの実施形態では、ブロック解除動作は、基板処理領域内のガス及びプラズマ放出物が原子状酸素センサ状の少なくともカソード電極に接触するのを可能にするための、開口部、バルブ、バッフル、ドア、シャッター、開孔、又は他の何らかの可逆的に開放可能な仕切りを含み得る。原子状酸素センサが基板処理領域における大気へ曝露するのを制御することで、センサの構成要素を汚したり腐食させたりする可能性のあるガス及びプラズマ放出物にセンサが接触するのを防止する。例えば、原子状酸素センサは、センサを損傷し得るガス及びプラズマ放出物が領域内に存在する堆積又はエッチング動作の期間中、基板処理領域内の大気からブロックされ得る。実施形態では、原子状酸素センサの作動は、ガス及びプラズマ放出物が、基板処理領域において低減された圧力にあるとき、又は低減された電力で供給されている期間にブロック解除することを含む。
【0051】
[0055]追加の実施形態では、原子状酸素センサ410を活性化することは、基板処理領域の大気中のイオンのフラックスがセンサによって検出されるのを低減するクーロン場を生成することを含み得る。いくつかの実施形態では、クーロン場は、基板処理領域からのイオンが通過して原子状酸素センサに到達し得る導電性材料のワイヤメッシュ又は穿孔プレートなどのイオン抑制バリアに電位を印加することによって生成され得る。これらの実施形態では、印加された電位と同じ電荷のイオンは、イオン抑制バリアから押し出され、反対の電荷のイオンはバリアに向かってセンサから引き離されることになる。センサに到達する正負のイオンのフラックスは減少し、その一方で原子状酸素を含む中性種はイオン抑制バリアを自由に通過することができる。実施形態では、これにより、基板処理領域における原子状酸素の特性評価におけるイオン化種からの干渉を低減することができる。
【0052】
[0056]実施形態では、方法400は、原子状酸素センサによる基板処理領域内の原子状酸素レベルの検出415をさらに含み得る。実施形態では、処理チャンバの基板処理領域における原子状酸素の分圧は、原子状酸素センサの固体電解質を通ってカソード電極からアノード電極へ移動する酸素イオンのフラックスを含む回路の電流を特徴とし得る。追加の実施形態では、基板処理領域における原子状酸素の分圧は、カソード電極と固体基板の界面において原子状酸素から生成される酸素イオンのフラックスの変化によって生じる、カソード電極及び参照電極への電圧供給からの電圧の変化を特徴とし得る。実施形態では、原子状酸素センサによって生成された電流又は電圧信号は、原子状酸素の分圧を特徴付ける大気中の原子状酸素の分圧を特徴付けるために、基板処理領域における既知の分圧に対して較正されてもよい。
【0053】
[0057]いくつかの実施形態では、方法400は、原子状酸素センサによって検出された原子状酸素の濃度に基づいて、半導体処理チャンバ内への酸素含有ガスの流れを調整すること420を含み得る。実施形態では、流量調整は、半導体処理チャンバ内の原子状酸素濃度に関する情報を有する原子状酸素センサからのデータ信号と参照信号とを比較する電子流量コントローラによって行われ得る。電子流量コントローラは、データ信号と参照信号との比較に基づいて、半導体処理チャンバ内への酸素含有ガスの流量を調整し得る。さらなる実施形態では、これらの比較及び流量レベルの調整は、半導体処理チャンバにおける半導体製造動作中に連続的に行われ得る。またさらなる実施形態では、これらの比較及び調整は、半導体製造動作中にオペレータの介入なしに、コントローラによって自動的に行われ得る。またさらなる実施形態では、これらの比較及び調整は、半導体製造の動作中にコントローラによってリアルタイムで行われ得る。
【0054】
[0058]いくつかの実施形態では、方法400は、基板処理領域において、原子状酸素の分圧を経時的に記録すること425をさらに含み得る。実施形態では、原子状酸素分圧は、基板処理操作の前、中、及び後の1つ又は複数の時点で記録され得る。追加の実施形態では、原子状酸素分圧は、処理操作の全期間にわたって、又は全動作のより短い部分にわたって記録され得る。さらに追加の実施形態では、原子状酸素分圧は、処理動作の開始又は終了を示すために、動作の開始点又は処理動作の終了点の一方又は両方で記録され得る。
【0055】
[0059]実施形態では、原子状酸素の分圧を経時的に記録することから生成されたデータを処理することができ、処理されたデータを使用して、追加の処理動作を容易にし得る結果又は成果のライブラリを生成又は開始することができる。この生成されたライブラリは、機械学習用のプロセッサによってアクセスされ得る。この場合、アルゴリズムを実装して、処理シナリオからパターンを同定することができ、これにより、機械学習モデルが提供され、処理又はチャンバ条件の予測調整が容易にされ得る。アルゴリズムは、処理中に収集され得るとともに機械学習モデルを訓練するために分析され得る任意の数の他の考慮事項の中でも、チャンバ条件、処理条件、システムの構成要素の材料又は特性を考慮することを含み得る。深層機械学習アルゴリズムは、他の動作の中でも、堆積、パターニング、及びエッチングなどの基板製造動作のために開発され得る。機械学習は、データライブラリをさらに入力し、任意の数のチャンバ又は処理シナリオの予測を反復的に改善し得る。その結果、経時的に、モデルは原子状酸素レベルに基づく効果を予測することにより処理を制御することができ、基板又はチャンバ構成要素を保護し、処理結果を改善するために、任意の数の処理パラメータをその場で調整することができる。
【0056】
[0060]1つ又は複数の演算デバイス又は構成要素は、コンピュータ可読形式でレンダリングされたソフトウェア命令にアクセスすることによって、本明細書に記載された所望の機能の一部を提供するように適合され得る。演算デバイスは、例えば、アコースティックエミッションプロセッサ又はコントローラなど、本技術の構成要素のうちの1つ又は複数の動作のための信号を処理し得るか又はそれにアクセスし得る。ソフトウェアが使用されるとき、任意の適切なプログラミング、スクリプト、又は他のタイプの言語若しくは言語の組み合わせが、説明された処理を実行するために使用され得る。ただし、ソフトウェアを排他的に使用する必要はなく、あるいはまったく使用する必要もない。例えば、上述の本技術のいくつかの実施形態は、特定用途向け回路を含むがこれに限定されないハードワイヤ論理回路又は他の回路によって実装されてもよい。コンピュータで実行されるソフトウェアとハードワイヤ論理回路又は他の回路の組み合わせも適切であり得る。
【0057】
[0061]本技術のいくつかの実施形態は、先に議論した1つ又は複数の動作を実行するように適合された1つ又は複数の適切な演算デバイスによって実行され得る。上述のように、そのようなデバイスは、デバイスに組み込まれ得る少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本技術の1つ又は複数の態様を実装させるコンピュータ可読命令を具現化する1つ又は複数のコンピュータ可読媒体にアクセスし得る。追加的又は代替的に、演算デバイスは、記載された方法又は動作の1つ又は複数を実装するためにデバイスを動作可能にする回路を含み得る。
【0058】
[0062]任意の適切なコンピュータ可読媒体は、ディスケット、ドライブ、及び他の磁気ベースの記憶媒体、CD-ROMS、DVD-ROMS、又はその変種などのディスクを含む光学記憶媒体、フラッシュ、RAM、ROM、及び他のメモリデバイスなどを含むがこれらに限定されない、本技術の1つ又は複数の態様を実装又は実践するために使用され得る。
【0059】
[0063]上記の記載では、説明を目的として、本技術の様々な実施形態の理解を促すために、数々の詳細が提示されている。しかしながら、当業者には、これらの詳細のうちの一部がなくても、或いは、追加の詳細があれば、特定の実施形態を実施できることが明らかであろう。
【0060】
[0064]いくつかの実施形態を開示したが、当業者は、実施形態の精神から逸脱することなく、様々な修正例、代替構造物、及び均等物を使用できることを認識されよう。さらに、いくつかの周知の処理及び要素は、本技術を不必要に不明瞭にすることを避けるために説明されていない。したがって、上記の説明は、本技術の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【0061】
[0065]値の範囲が提供されている場合、文脈上そうでないと明示されていない限り、当然ながら、その範囲の上限値と下限値との間の各介在値は、下限値の最も小さい単位まで具体的に開示されている。記載された範囲の任意の記載値又は記載されていない介在値の間の任意の狭い範囲、そしてその記載範囲のその他任意の記載された又は介在する値も包含される。このようなより狭い範囲の上限値及び下限値は、その範囲に個々に含まれるか、又はその範囲から除外される場合がある。限界値のいずれか又は両方がより狭い範囲に含まれるか、又はそのどちらもより狭い範囲に含まれない各範囲は、この技術にさらに包含されており、記載された範囲で特別に除外されたいずれかの限界値を対象としている。記載された範囲が、限界値の片方又は両方を含む場合、これらの含められた限界値のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0062】
[0066]本明細書及び特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が他のことを明らかに示していない限り、複数の参照対象を含む。したがって、例えば、「1つの層(a layer)」への言及は、複数のそのような層を含み、「プローブ(the probe)」への言及は、1つ又は複数のプローブ及び当業者に既知のその等価物への言及を含む、等々である。
【0063】
[0067]また、「含む(comprise(s))」、「含んでいる(comprising)」、「含有する(contain(s))」、「含有している(containing)」、「含む(include(s))」、及び「含んでいる(including)」という用語は、本明細書及び特許請求の範囲で使用された場合、記載された特徴、整数、構成要素、又は動作の存在を特定することを意図しているが、一又は複数のその他の特徴、整数、構成要素、動作、作動、又はグループの存在又は追加を除外するものではない。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4