IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7599010低抵抗及び高信頼性メタライゼーションモジュール
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-04
(45)【発行日】2024-12-12
(54)【発明の名称】低抵抗及び高信頼性メタライゼーションモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/768 20060101AFI20241205BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20241205BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20241205BHJP
【FI】
H01L21/90 A
H01L21/90 B
H01L21/28 301R
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023520329
(86)(22)【出願日】2021-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-10-26
(86)【国際出願番号】 US2021053304
(87)【国際公開番号】W WO2022076277
(87)【国際公開日】2022-04-14
【審査請求日】2023-06-02
(31)【優先権主張番号】63/087,969
(32)【優先日】2020-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/487,123
(32)【優先日】2021-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シャビブ, ロイ
(72)【発明者】
【氏名】パリーク, スケトゥ アルン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, フォン
(72)【発明者】
【氏名】チェン, ルー
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0163586(US,A1)
【文献】特開平10-116800(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0105592(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0256488(US,A1)
【文献】特開平10-092924(JP,A)
【文献】特開2004-241464(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0273794(US,A1)
【文献】特開2022-027619(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2022/0037302(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/768
H01L 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子デバイスを形成する方法であって、
前記電子デバイスを予洗浄すること、
第1のメタライゼーション層上の絶縁層の開口部の下部に金属層を選択的に堆積させることであって、前記開口部はトレンチとビアを含み、前記絶縁層は前記絶縁層の上面から前記第1のメタライゼーション層まで延在する前記開口部を含み、前記開口部は、少なくとも1つの側壁、上部、及び前記ビアである前記下部を有し、前記下部は下部バリア層を含まず、前記金属層は前記第1のメタライゼーション層まで延在する、金属層を選択的に堆積させること、
前記金属層ではなく、また前記開口部の前記ビアである前記下部ではなく、前記開口部の前記少なくとも1つの側壁にバリア層を選択的に堆積させることであって、前記バリア層を選択的に堆積させることは、前記金属層を平面炭化水素に曝露して、前記絶縁層ではなく前記金属層上にブロッキング層を形成することを含み、前記平面炭化水素が、アントラセン、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、エチルベンゼン、フェナントレン、メシチレンのうちの1以上を含む、バリア層を選択的に堆積させること、並びに
前記開口部の前記上部内で前記金属層及び前記バリア層上に第2のメタライゼーション層を形成することを含む、方法。
【請求項2】
板をプラズマに曝露することを更に含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のメタライゼーション層、前記第2のメタライゼーション層、及び前記金属層は、独立して、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びプラチナ(Pt)のうちの1以上から選択される金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のメタライゼーション層と前記第2のメタライゼーション層は、同じ金属を含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記バリア層は、前記ビア内に形成されない、請求項に記載の方法。
【請求項6】
前記バリア層は、前記ビア内に形成される、請求項に記載の方法。
【請求項7】
前記絶縁層は、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、炭素がドープされた酸化物、炭化ケイ素、窒化ケイ素(SiN)のうちの1以上を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記方法は、減圧を壊すことなしにクラスタツール内で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
電子デバイスを形成する方法であって、
基板上の開口部内に金属層を選択的に堆積させることであって、前記基板は第1のメタライゼーション層上に絶縁層を含み、前記絶縁層は前記絶縁層の上面から前記第1のメタライゼーション層まで延在する前記開口部を含み、前記金属層は前記第1のメタライゼーション層まで延在する、金属層を選択的に堆積させること、
前記金属層ではなく前記絶縁層の前記上面にバリア層を選択的に堆積させること、
前記金属層及び前記バリア層上に第2のメタライゼーション層を形成すること、並びに
トレンチを形成するために、前記第2のメタライゼーション層をエッチングすることを含み、
前記バリア層を選択的に堆積させることは、前記絶縁層ではなく前記金属層上にブロッキング層を形成することを含み、
前記ブロッキング層を形成することは、前記金属層を平面炭化水素に曝露することを含み、
前記平面炭化水素が、アントラセン、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、エチルベンゼン、フェナントレン、メシチレンのうちの1以上を含む、方法。
【請求項10】
前記金属層、前記第1のメタライゼーション層、及び前記第2のメタライゼーション層は、独立して、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びプラチナ(Pt)のうちの1以上から選択される金属を含む、請求項に記載の方法。
【請求項11】
電子デバイスを形成する方法であって、
基板上の少なくとも1つのフィーチャ内に金属層を選択的に堆積させることであって、前記基板は、第1の絶縁層、第1のメタライゼーション層、及び前記少なくとも1つのフィーチャをその上に含む、金属層を選択的に堆積させること、
前記第1の絶縁層の上面及び前記金属層の上面にエッチング停止層を堆積させること、
前記エッチング停止層の上面に第2の絶縁層を堆積させること、
前記第2の絶縁層の上面から前記金属層の上面まで延在する開口部を形成するために、単一のダマシンプロセスを実行すること、
前記金属層上ではなく前記開口部内にバリア層を選択的に堆積させること、並びに
前記金属層及び前記バリア層上に第2のメタライゼーション層を形成することを含み、
前記バリア層を選択的に堆積させることは、前記第1の絶縁層ではなく、また前記第2の絶縁層ではなく、前記金属層上にブロッキング層を形成することを含み、
前記ブロッキング層を形成することは、前記金属層を平面炭化水素に曝露することを含み、
前記平面炭化水素が、アントラセン、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、エチルベンゼン、フェナントレン、メシチレンのうちの1以上を含む、方法。
【請求項12】
前記金属層、前記第1のメタライゼーション層、及び前記第2のメタライゼーション層は、独立して、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びプラチナ(Pt)のうちの1以上から選択される金属を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
処理ツールであって、
内部に基板支持体を有する予洗浄チャンバ、
選択的金属堆積チャンバ、
バリア金属堆積チャンバ、
金属堆積チャンバ、
PVD金属堆積チャンバ、
CVD金属堆積チャンバ、
洗浄機能を有するブロッキング層堆積チャンバ、
イナー金属堆積チャンバ、
ラズマチャンバ、
ッチングチャンバ、
前記予洗浄チャンバ、前記選択的金属堆積チャンバ、前記ロッキング層堆積チャンバ、前記バリア金属堆積チャンバ、前記PVD金属堆積チャンバ、前記ラズマチャンバ、前記ッチングチャンバ、前記イナー金属堆積チャンバ、前記CVD金属堆積チャンバ、及び前記PVD金属堆積チャンバにアクセスするように構成されたロボット、並びに
前記予洗浄チャンバ、前記選択的金属堆積チャンバ、前記ロッキング層堆積チャンバ、前記バリア金属堆積チャンバ、前記PVD金属堆積チャンバ、前記ラズマチャンバ、前記ッチングチャンバ、前記イナー金属堆積チャンバ、前記CVD金属堆積チャンバ、前記PVD金属堆積チャンバ、及び前記ロボットに接続されたコントローラであって、基板を洗浄すること、前記基板上の絶縁層ではなく前記基板上の金属層上を平面炭化水素に曝露してブロッキング層を選択的に形成すること、ライナーを選択的に堆積させること、属ライナーを形成すること、メタライゼーション層を形成すること、前記基板をエッチングすること、及び前記ブロッキング層を除去すること、の構成を有するコントローラを備え
前記平面炭化水素が、アントラセン、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、エチルベンゼン、フェナントレン、メシチレンのうちの1以上を含む、処理ツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 本開示の実施形態は、電子デバイス製造の分野に関し、特に、集積回路(IC)製造に関する。更に特に、本開示の実施形態は、狭いフィーチャにおいて低抵抗及び高信頼性を有する電子デバイスを製造する方法を対象としている。
【背景技術】
【0002】
[0002] 概して、集積回路(IC)は、半導体材料(典型的には、シリコン)の小さなチップ上に形成された一組の電子デバイス(例えば、トランジスタ)を指す。通常、ICは、ICの電子デバイスを互いに及び外部接続に接続するために、金属ラインを有するメタライゼーションの1以上の層を含む。通常、層間誘電材料の層が、絶縁のためにICのメタライゼーション層の間に配置される。
【0003】
[0003] ICのサイズが小さくなると、金属ラインの間隔が狭くなる。通常、相互接続構造を製造するために、ある層のメタライゼーションを別の層のメタライゼーションと位置合わせして接続することを含む、平面プロセスが使用される。
【0004】
[0004] ビアの抵抗値を下げることは、電子デバイスの性能を向上させるために重要である。ビアの抵抗値を下げることは、通常、クラッディングを最小化することによって、及びビア材料の抵抗の低減させることによって制御される。したがって、ビアの抵抗値を低減させる方法が必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
[0005] 本開示の1以上の実施形態は、電子デバイスを形成する方法を対象とする。該方法は、第1のメタライゼーション層上に絶縁層を含む基板を提供することであって、絶縁層は絶縁層の上面から第1のメタライゼーション層まで延在する開口部を含み、開口部は、少なくとも1つの側壁、上部、及び下部を有する、基板を提供すること、開口部の下部内に金属層を堆積させることであって、金属層は第1のメタライゼーション層まで延在する、金属層を堆積させること、金属層ではなく開口部の少なくとも1つの側壁にバリア層を選択的に堆積させること、並びに、開口部の上部内で金属層及びバリア層上に第2のメタライゼーション層を形成することを含む。
【0006】
[0006] 本開示の更なる実施形態は、電子デバイスを形成する方法に関する。該方法は、第1のメタライゼーション層上に絶縁層を含む基板を提供することであって、絶縁層は絶縁層の上面から第1のメタライゼーション層まで延在する開口部を含む、基板を提供すること、開口部内に金属層を堆積させることであって、金属層は第1のメタライゼーション層まで延在する、金属層を堆積させること、金属層ではなく絶縁層の上面にバリア層を選択的に堆積させること、金属層及びバリア層上に第2のメタライゼーション層を形成すること、並びに、トレンチを形成するために、第2のメタライゼーション層をエッチングすることを含む。
【0007】
[0007] 本開示の他の実施形態は、電子デバイスを形成する方法に関する。該方法は、金属層上に第1の絶縁層を含む基板を提供することであって、金属層は第1のメタライゼーション層上にある、基板を提供すること、第1の絶縁層の上面及び金属層の上面にエッチング停止層を堆積させること、エッチング停止層の上面に第2の絶縁層を堆積させること、第2の絶縁層の上面から金属層の上面まで延在する開口部を形成するために、単一のダマシンプロセスを実行すること、金属層上ではなく開口部内にバリア層を選択的に堆積させること、並びに、金属層及びバリア層上に第2のメタライゼーション層を形成することを含む。
【0008】
[0008] 本開示の更なる複数の実施形態は、処理ツールに関する。1以上の実施形態では、処理ツールが、内部に基板支持体を有する予洗浄チャンバ、選択的金属堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、任意選択的に、任意選択的な予洗浄機能を有するブロッキング層堆積チャンバ、任意選択的に、ライナー金属堆積チャンバ、任意選択的に、プラズマチャンバ、任意選択的に、エッチングチャンバ、ロボットであって、予洗浄チャンバ、選択的堆積チャンバ、任意選択的なブロッキング層堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、任意選択的なプラズマチャンバ、及び任意選択的なエッチングチャンバ、任意選択的なライナー金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、及びPVD金属堆積チャンバにアクセスするように構成されたロボット、並びに、コントローラであって、予洗浄チャンバ、選択的堆積チャンバ、任意選択的なブロッキング層堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、任意選択的なプラズマチャンバ、及び任意選択的なエッチングチャンバ、任意選択的なライナー金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、及びPVD金属堆積チャンバ、及びロボットに接続されたコントローラにおいて、基板を洗浄すること、ブロッキング層を選択的に形成すること、ライナーを選択的に堆積させること、任意選択的に金属ライナーを形成すること、メタライゼーション層を形成すること、任意選択的に基板をエッチングすること、及び任意選択的にブロッキング層を除去すること、から選択される1以上の構成を有するコントローラを備える。
【0009】
[0009] 本開示の上記の特徴を詳細に理解することができるように、上記で簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照することによって行うことができ、その幾つかを添付の図面に示す。しかし、添付の図面は、本開示の典型的な実施形態のみを例示しており、本開示は他の等しく有効な実施形態も許容し得るので、添付の図面は、本開示の範囲を限定すると見なすべきではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】[0010] 本開示の1以上の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
図2A】[0011] 図2A図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図2B図2A図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図2C図2A図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図2D図2A図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図2E図2A図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図2F図2A図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図3A】[0012] 図3A図3Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図3B図3A図3Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図3C図3A図3Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図3D図3A図3Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図3E図3A図3Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図4】[0013] 本開示の1以上の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
図5A】[0014] 図5A図5Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図5B図5A図5Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図5C図5A図5Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図5D図5A図5Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図5E図5A図5Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図5F図5A図5Fは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図6】[0015] 本開示の1以上の実施形態による方法のプロセスフロー図を示す。
図7A】[0016] 図7A図7Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図7B図7A図7Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図7C図7A図7Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図7D図7A図7Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図7E図7A図7Eは、本開示の1以上の実施形態による処理中の例示的な基板の断面図を示す。
図8】[0017] 本開示の1以上の実施形態による例示的なクラスタツールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[0018] 本開示の幾つかの例示的な実施形態を説明する前に、本開示が以下の説明で提示される構成又はプロセスステップの詳細に限定されないことを理解されたい。本開示は、他の実施形態も可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。
【0012】
[0019] 本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用される「基板」という用語は、処理が作用する表面又は表面の一部分を表している。これも当業者には当然のことであるが、基板に対して言及がなされるとき、文脈上他のことが明示されない限り、基板の一部分のみを指す場合がある。更に、基板上への堆積に対して言及がなされるとき、それは、ベア基板と、1以上の膜又は特徴が堆積又は形成された基板と、の両方を意味し得る。
【0013】
[0020] 本明細書で使用されるときに、「基板」とは、その上で製造プロセス中に膜処理が実行されるところの、任意の基板又は基板上に形成された材料表面のことを指す。例えば、処理が実施され得る基板表面には、用途に応じて、シリコン、酸化ケイ素、ストレインドシリコン、シリコン・オン・インシュレータ(SOI:silicon on insulator)、炭素がドープされた酸化ケイ素、アモルファスシリコン、ドープされたシリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ガラス、サファイアといった材料、並びに、金属、金属窒化物、金属合金、及びその他の導電性材料といった任意の他の材料が含まれる。基板は、半導体ウエハを含むが、それに限定されるものではない。基板は、基板表面を、研磨、エッチング、還元、酸化、ヒドロキシル化、アニール、UV硬化、電子ビーム(eビーム)硬化、及び/又はベークするために、前処理プロセスを受けてよい。基板の表面自体に直接膜処理を行うことに加えて、本開示では、開示されている膜処理ステップのうちの任意のものが、より詳細に後述されるように、基板上に形成された下層に対して実行されることもあり、「基板表面(substrate surface)」という用語は、文脈が示すように、そのような下層を含むことを意図している。したがって、例えば基板表面上に膜/層又は部分的な膜/層が堆積している場合には、新たに堆積した膜/層の露出面が基板表面になる。
【0014】
[0021] 本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、「第2の表面よりも第1の表面に選択的に堆積させる」などという用語は、第1の量又は厚さが第1の表面に堆積され、第2の量又は厚さが第2の表面に堆積され、第2の量又は厚さが第1の量又は厚さ未満であるか、又は幾つかの実施形態では第2の表面に堆積されないことを意味する。
【0015】
[0022] これに関して使用されるときに、「よりも(over)」という用語は、一方の表面の上の他方の表面の物理的な配向を意味するのではなく、むしろ一方の表面に対する他方の表面の化学的反応の熱力学的特性又は力学的特性の関係性を意味する。例えば、誘電体表面よりも銅表面の上にコバルトを選択的に堆積させることは、コバルト膜が銅表面に堆積し、より少ないか又は無いコバルト膜が誘電体表面に堆積することを意味し、或いは、銅表面上のコバルト膜の形成が、誘電体表面上のコバルト膜の形成に対して熱力学的又は力学的に好適であることを意味する。
【0016】
[0023] 幾つかの実施形態では、「選択的に(selectively)」が、対象材料が選択的されていない表面上の形成の速度の約2倍、3倍、4倍、5倍、7倍、10倍、15倍、20倍、25倍、30倍、35倍、40倍、45倍、又は50倍以上の速度で、選択された表面上に形成されることを意味する。言い換えると、選択された表面の選択されていない表面に対する述べられたプロセスの選択性は、2:1、3:1、4:1、5:1、7:1、10:1、15:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、又は50:1以上である。
【0017】
[0024] 1以上の実施形態によれば、本方法は、原子層堆積(ALD:atomic layer deposition)プロセスを利用する。そのような実施形態では、基板表面が、連続的に又は実質的に連続的に前駆体(又は反応性ガス)に晒される。本明細書の全体を通して使用される際に、「実質的に連続的に」は、前駆体への曝露の期間の大部分が、共同試薬(co-reagent)への曝露と重ならないことを意味する。しかし、幾らかの重なりは存在し得る。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される際に、「前駆体」、「反応物」、「反応性ガス」などの用語は、基板表面と反応し得る任意のガス状核種(gaseous species)を指すために、相互交換可能に使用される。
【0018】
[0025] 金属は、多くの用途で原子層堆積法によって成長させることができる。本開示の1以上の実施形態は、有利なことに、金属含有膜を形成するために、原子層堆積用のプロセスを提供する。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、「金属含有膜」という用語は、金属原子を含み、約1原子%以上の金属、2原子%以上の金属、3原子%以上の金属、4原子%以上の金属、5原子%以上の金属、10原子%以上の金属、15原子%以上の金属、20原子%以上の金属、25原子%以上の金属、30原子%以上の金属、35原子%以上の金属、40原子%以上の金属、45原子%以上の金属、又は50原子%以上の金属を有する膜を指す。幾つかの実施形態では、金属含有膜が、金属、金属窒化物、金属炭化物、又は金属酸化物のうちの1以上を含む。当業者は、MO(ここで、Mは金属)などの分子式の使用は、元素間の特定の化学量論的関係を意味するものではなく、単に膜の主要な構成要素の同一性を意味することを認識するであろう。例えば、MOは、主要な組成物が金属と酸素原子とを含む膜を指す。幾つかの実施形態では、特定の膜の主要な組成物(すなわち、特定の原子の原子パーセントの合計)が、原子ベースで膜の約95%、98%、99%、又は99.5%以上である。
【0019】
[0026] 幾つかの実施形態では、選択的堆積が、堆積プロセスとエッチングプロセスの組み合わせを含む。例えば、バリア層は、金属よりも金属上の薄い層を形成する誘電材料に選択的に堆積されてよい。幾つかの実施形態では、選択的堆積を完成させるために、誘電材料からの除去よりも速い速度で導電性材料からバリア層を除去するために、選択的エッチングプロセスとも称される後続エッチングプロセスが使用される。
【0020】
[0027] 本明細書で使用されるときに、「バリア層」という用語は、それ自体を横切る材料の拡散を防止する膜を指す。本明細書で使用されるときに、「ライナー」という用語は、典型的には、バリア層を覆って使用される膜を指す。その膜は、その膜が覆って堆積する下層の膜の完全性及び信頼性を補助する。幾つかの実施形態では、バリア層とライナーの両方が形成される。他の幾つかの実施形態では、ライナーが形成されない。
【0021】
[0028] 本開示の1以上の実施形態は、絶縁層よりも金属層上に(すなわち、絶縁層上にはない)ブロッキング層を選択的に形成する方法を対象とする。本開示の1以上の実施形態は、金属面又は金属層よりも絶縁層上に(すなわち、金属面又は金属層上にはない)バリア層を選択的に形成する方法を提供する。1以上の実施形態の方法は、減圧を壊すことなしに処理ツール内で実行される統合プロセスである。
【0022】
[0029] 1以上の実施形態の金属層又は金属材料は、任意の適切な金属材料であってよい。幾つかの実施形態では、本開示の金属材料が導電性材料である。適切な金属材料は、金属、導電性金属窒化物、導電性金属酸化物、金属合金、シリコン、それらの組み合わせ、及び他の導電性材料を含むが、これらに限定されない。
【0023】
[0030] 1以上の実施形態では、金属又は金属材料が、当業者に知られている任意の適切な金属を含んでよい。幾つかの実施形態では、金属又は金属材料が、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びプラチナ(Pt)のうちの1以上から選択される。幾つかの実施形態では、金属又は金属材料が、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、又はプラチナ(Pt)から本質的に構成される。幾つかの実施形態では、金属又は金属材料が、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、又はモリブデンから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、金属材料が、銅を含み又は銅から本質的に構成される。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、「実質的に構成される(consists essentially of)」という用語は、材料が、原子ベースで述べられた材料の約95%、98%、又は99%以上であることを意味する。
【0024】
[0031] 本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、「酸化物」などという用語は、材料が(1以上の)特定の元素を含有することを意味する。この用語は、特定の元素の比率を意味するものと解釈されるべきではない。したがって、「酸化物」などは、化学量論的な比率の元素で構成されてもよいし、又は非化学量論的な比率の元素で構成されてもよい。
【0025】
[0032] 自己整合ビア(self-aligned via)を有する電子デバイスを形成するための方法、及び該方法を実行するための処理ツールが説明される。プロセスフロー図である図1を参照すると、本開示の1以上の実施形態が、電子デバイスを形成する方法100を対象とする。図1で示されている方法は、統合プロセスを表している。幾つかの実施形態では、方法100が、予洗浄動作102を含む。予洗浄動作は、当業者に知られている任意の適切な予洗浄動作であり得る。適切な予洗浄動作は、浸漬(soaking)や自然酸化物除去などを含むが、これらに限定されない。
【0026】
[0033] 図2Aから図2Fは、本開示の1以上の実施形態による処理方法100中の例示的なデバイス200の断面図を示している。絶縁層208を上に有する基板202が提供される。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、「提供される」という用語は、基板202を有するデバイス200が、処理用に利用可能にされる(例えば、処理チャンバ内に配置される)ことを意味する。幾つかの実施形態では、エッチング停止層206が、基板202と絶縁層208との間で基板202の上面にある。1以上の実施形態では、エッチング停止層206が、当業者に知られている任意の適切な材料を含んでよい。1以上の実施形態では、エッチング停止層206が、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、酸化アルミニウム(AlOx)、及び窒化アルミニウム(AlN)のうちの1以上を含んでよい。幾つかの実施形態では、エッチング停止層206が、CVD、PVD、及びALDから選択される技法を使用して堆積されてよい。
【0027】
[0034] 1以上の実施形態では、絶縁層208が、絶縁層208の上面209から第1のメタライゼーション層204まで延在する開口部211を有する。1以上の実施形態では、開口部211が、少なくとも1つの側壁213、上部212、及び下部210を有する。幾つかの実施形態では、下部210がビア開口部と称されてよく、上部212がトレンチと称されてよい。本明細書で使用されるときに、開口部、トレンチ、ビアなどの「アスペクト比」という用語は、開口部の深さの開口部の幅に対する比を指す。1以上の実施形態では、各下部210又はビア開口部のアスペクト比が、約1:1から約200:1のおおよその範囲にある。幾つかの実施形態では、下部210又はビア開口部のアスペクト比が、少なくとも2:1である。他の複数の実施形態では、下部210又はビア部分のアスペクト比が、少なくとも5:1、又は少なくとも10:1である。
【0028】
[0035] 本明細書で使用されるときに、「絶縁層」又は「絶縁材料」などという用語は、隣接するデバイスを絶縁し、漏電を防止するために適切な任意の材料を指す。1以上の実施形態では、絶縁層208が、酸化物層(例えば二酸化ケイ素)、又は電子デバイス設計によって決定される任意の他の電気的絶縁層である。1以上の実施形態では、絶縁層208が層間誘電体(ILD)を含む。1以上の実施形態では、絶縁層208が、非限定的に、例えば、二酸化ケイ素、酸化ケイ素、炭素がドープされた酸化物(「CDO」)、例えば、炭素がドープされた二酸化ケイ素、多孔性二酸化ケイ素(SiO2)、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、又はこれらの任意の組み合わせなどの材料を含む、低誘電率(low-k)誘電体である。
【0029】
[0036] 1以上の実施形態では、絶縁層208が、5未満のk値を有する誘電材料を含む。1以上の実施形態では、絶縁層208が、3未満のk値を有する誘電材料を含む。少なくとも幾つかの実施形態では、絶縁層208が、酸化物、炭素がドープされた酸化物、多孔質二酸化ケイ素、炭化物、酸炭化物、窒化物、酸窒化物、酸炭窒化物、ポリマー、リン酸塩ガラス、フルオロシリケート(SiOF)ガラス、有機ケイ酸塩ガラス(SiOCH)、若しくはそれらの任意の組み合わせ、電子デバイス設計によって決定される他の電気的絶縁材料、又はこれらの任意の組み合わせを含む。少なくとも幾つかの実施形態では、絶縁層208が、ポリイミド、エポキシ、感光性材料、例えばベンゾシクロブテン(BCB)、及びWPR系材料、又はスピンオンガラス(spin-on-glass)を含んでよい。
【0030】
[0037] 1以上の実施形態では、絶縁層208が、あるメタライゼーション層又は金属ライン204を基板202上の他の金属ラインから絶縁するための低誘電率層間誘電体である。1以上の実施形態では、絶縁層208の厚さが、約10ナノメートル(nm)から約2ミクロン(μm)のおおよその範囲にある。
【0031】
[0038] 一実施形態では、絶縁層208が、非限定的に、化学気相堆積(「CVD」)、物理的気相堆積(「PVD」)、分子線エピタキシ(「MBE」)、有機金属化学気相堆積(「MOCVD」)、原子層堆積(「ALD」)、スピンオン、又はマイクロ電子デバイス製造の当業者に知られている他の絶縁堆積技法などの、堆積技術のうちの1つを使用して堆積される。
【0032】
[0039] 幾つかの実施形態では、エッチング停止層206が、基板202及び第1のメタライゼーション層204の上面に堆積される。図示されていない幾つかの実施形態では、マスク層が絶縁層208上に形成される。絶縁層208は、開口部211を形成するためにエッチングされてよい。少なくとも1つのビア開口部210が、エッチング停止層206の露出部を含む下面を有する。1以上の実施形態では、ビア開口部210を介して露出されたエッチング停止層206が、選択的に除去される。それによって、ビア開口部210の下面は、第1のメタライゼーション層204を含む。
【0033】
[0040] 図1及び図2Bを参照すると、動作104において、金属層214が開口部211内に形成又は堆積される。幾つかの実施形態では、金属層214が、絶縁層の下部210(又はビア開口部)内に堆積される。1以上の実施形態では、金属層214が、第1のメタライゼーション層204まで延在する。幾つかの実施形態では、金属層214が、開口部211のトレンチ又は上部212内に形成されない。
【0034】
[0041] 1以上の実施形態では、第1のメタライゼーション層204が、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びプラチナ(Pt)のうちの1以上から選択される金属を含む。複数の特定の実施形態では、第1のメタライゼーション層204が、銅(Cu)又はコバルト(Co)を含む。
【0035】
[0042] 1以上の実施形態では、金属層214が、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru))、モリブデン(Mo)、及びタングステン(W)のうちの1以上から選択される金属を含む。幾つかの実施形態では、金属層214が、第1のメタライゼーション層204とは異なる金属を含む。1以上の実施形態では、金属層214がタングステン(W)を含む。
【0036】
[0043] 動作106において、デバイス200が、任意選択的に予洗浄されてよい。予洗浄動作は、任意の適切な予洗浄プロセスであり得る。適切な予洗浄動作は、プラズマ洗浄、遠隔プラズマ洗浄、浸漬、還元蒸気への浸漬、自然酸化物除去などを含むが、これらに限定されない。例えば、1以上の実施形態では、デバイス200が、金属層214の上面から自然酸化物を除去するために予洗浄される。
【0037】
[0044] 図1及び図2Cを参照すると、動作108において、ブロッキング層216が、絶縁層208の露出面ではなく金属層214の上面に選択的に形成される。したがって、幾つかの実施形態では、ブロッキング層216が、開口部211のトレンチ又は上部212ではなく金属層214の上面に選択的に形成される。
【0038】
[0045] 1以上の実施形態では、デバイス200が、絶縁層208よりも金属層214上にブロッキング層216を選択的に形成するために、平面的な非極性有機分子(non-polar organic molecule)に曝露される。1以上の実施形態では、デバイス200が、絶縁層208よりも金属層214上にブロッキング層216を選択的に形成するために、平面炭化水素(planar hydrocarbon)に曝露される。この様態で使用されるときに、「基板が曝露される」という表現は、個々の材料及び層を上に含む基板全体が、述べられたプロセス又は条件に曝露されることを意味する。幾つかの実施形態では、平面炭化水素が、アントラセン、ベンゼン、ナフタレン、トルエン、エチルベンゼン、フェナントレン、メシチレンなどのうちの1以上を含む。幾つかの実施形態では、平面炭化水素が、アントラセンから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、平面炭化水素が、ナフタレンから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、平面炭化水素が、トルエンから本質的に構成される。この様態で使用されるときに、「本質的に構成される」という用語は、モルベースで、平面炭化水素の約95%、98%、99%、又は99.5%以上が、述べられた化合物であることを意味する。
【0039】
[0046] ブロッキング層216は、図面において一連の平行な波線として示されているが、これは単に一般的描写として使用され、ブロッキング層216の任意の特定の形態、密度、又は構造を意味しないことを、当業者は理解するだろう。ブロッキング層216の薄膜の形成は、処理プロセスとみなされてよい。一方で、より厚い膜の形成は、概して、選択的堆積とみなされる。
【0040】
[0047] 理論に束縛されることを意図しないが、金属層214のd軌道は、平面炭化水素のsp軌道と電子を共有し始めると考えられている。したがって、幾つかの実施形態では、平面炭化水素が、2つの炭素原子間に少なくとも1つの二重結合を有する少なくとも1つの化合物を含む。幾つかの実施形態では、平面炭化水素が、2つの炭素原子間に少なくとも1つの三重結合を有する少なくとも1つの化合物を含む。
【0041】
[0048] 更に、理論に束縛されることなく、平面炭化水素(ブロッキング層216)は、金属層214上の後続膜の核生成又は成長速度のうちの1以上を抑制すると考えられている。
【0042】
[0049] 幾つかの実施形態では、基板が、平面炭化水素の蒸気に浸漬される。幾つかの実施形態では、基板を平面炭化水素に曝露するための処理条件が制御されてよい。
【0043】
[0050] 幾つかの実施形態では、処理チャンバの圧力が制御される。処理チャンバの圧力は、ブロッキング層216を形成するための任意の適切な圧力であってよい。幾つかの実施形態では、処理チャンバの圧力が、約80Torr以下、約70Torr以下、約60Torr以下、約50Torr以下、約40Torr以下、約30Torr以下、約20Torr以下、約15Torr以下、約10Torr以下、又は約5Torr以下に維持される。幾つかの実施形態では、処理チャンバの圧力が、約10Torr、約20Torr、約30Torr、約40Torr、又は約50Torrに維持される。
【0044】
[0051] 幾つかの実施形態では、平面炭化水素の処理チャンバの中への流量が制御される。平面炭化水素の流量は、ブロッキング層216を形成するための任意の適切な流量であってよい。幾つかの実施形態では、平面炭化水素の流量が、約50sccmから約100sccm、又は約75sccmから約100sccmの範囲にある。幾つかの実施形態では、平面炭化水素の流量が、約600sccm以下、約500sccm以下、約400sccm以下、約300sccm以下、約250sccm以下、約200sccm以下、約150sccm、約100sccm以下、約75sccm以下、又は約50sccm以下である。幾つかの実施形態では、平面炭化水素の流量が、約50sccm又は約100sccmである。
【0045】
[0052] 幾つかの実施形態では、平面炭化水素が基板に曝露されている浸漬期間が制御される。浸漬期間は、ブロッキング層216を形成するための任意の適切な期間であってよい。幾つかの実施形態では、浸漬期間が、約1秒以上、約10秒以上、約20秒以上、約30秒以上、約45秒以上、約60秒以上、約80秒以上、約120秒以上、約150秒以上、又は約200秒以上である。幾つかの実施形態では、浸漬期間が約60秒である。幾つかの実施形態では、浸漬期間が約200秒である。
【0046】
[0053] 幾つかの実施形態では、基板の温度が、平面炭化水素への曝露中に制御される。基板の温度は、動作温度とも称されてよい。幾つかの実施形態では、基板の温度が、約300℃以下、約275℃以下、約250℃以下、約225℃以下、又は約200℃以下である。
【0047】
[0054] 幾つかの実施形態では、平面炭化水素の化合物が、動作温度で液体である。幾つかの実施形態では、平面炭化水素の化合物が、動作温度において約0.1Torr以上の蒸気圧を有する。
【0048】
[0055] 図1及び図2Dを参照すると、幾つかの実施形態では、方法100が、ブロックされた金属層214よりも絶縁層208に共形バリア層218を堆積させる動作110で継続する。バリア層218は、当業者に知られている任意の技法によって堆積されてよい。絶縁層208へのバリア層218の堆積は、「逆選択的堆積(reverse selective deposition)」又は「逆への選択的堆積(reversely selective deposition)」と称されてよい。当業者であれば、「選択的堆積」という用語が、典型的には、非金属表面ではなく、金属表面への膜の形成に適用されることを理解するであろう。逆への選択的堆積プロセスは、非金属表面である絶縁層208上に膜又はバリア層218を形成する。
【0049】
[0056] 1以上の実施形態では、バリア層218が原子層堆積によって堆積される。幾つかの実施形態では、バリア層218が、金属前駆体及び反応物への基板202の連続的な曝露によって堆積される。幾つかの実施形態では、バリア層218が金属窒化物を含む。幾つかの実施形態では、バリア層218がバリア膜として機能する。幾つかの実施形態では、バリア層218が、窒化チタン(TiN)を含み又はTiNから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、バリア層218が、窒化タンタル(TaN)を含み又はTaNから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、金属前駆体が、ペンタキス(ジメチルアミノ)タンタルを含む。幾つかの実施形態では、反応物質がアンモニアを含む。幾つかの実施形態では、バリア層218が、プラズマの使用なしに形成される。
【0050】
[0057] 図1を参照すると、幾つかの実施形態では、動作112において、方法100が、金属層214からブロッキング層216を除去することによって継続する。ブロッキング層216は、プラズマ洗浄プロセスを含む任意の適切な手段によって除去されてよいが、これに限定されない。幾つかの実施形態では、基板202が、金属層214からブロッキング層216を除去するためにプラズマに曝露される。幾つかの実施形態では、プラズマが、アルゴン(Ar)、窒素(N2)、又は水素(H2)のうちの1以上を含み、又はこれらのうちの1以上から本質的に構成される。本明細書において使用されるときに、窒素、水素、酸素などを含むプラズマは、これらの核種の分子形態から生成されるプラズマを意味する。例えば、窒素プラズマは、窒素(N2)分子から点火されるプラズマを指す。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、元素含有プラズマ(例えば、窒素含有プラズマ)は、元素を含む化合物を指す。例えば、窒素含有プラズマは、元素として窒素を有する1以上の化合物(例えば、アンモニア(NH3))を含み、又はそれらから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、プラズマが、アルゴンから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、プラズマが、H2とArの混合物を含み、又はそれらから本質的に構成される。
【0051】
[0058] 幾つかの実施形態では、装置又はプロセスツールが、ブロッキング層の除去後に酸化物層が形成されることを防止するために、基板を減圧状態下に維持するように構成される。この種の複数の実施形態では、プロセスツールが、基板を大気条件に曝露することなしに、基板をプラズマ処理チャンバから堆積プロセスチャンバに移動させるように構成される。
【0052】
[0059] 1以上の実施形態では、H2とArの混合物が、約10:1から約1:10の範囲、約10:1から約1:1の範囲、約1:1から約1:10の範囲、約5:1から約1:5の範囲、約5:1から約1:1の範囲、約1:1から約1:5の範囲、約2:1から約1:2の範囲、約2:1から約1:1の範囲、又は約1:1から約1:2の範囲のH2とArの比を有する。幾つかの実施形態では、H2/Arの混合物が約1:1である。
【0053】
[0060] 1以上の実施形態では、プラズマの出力が、ブロッキング層の組成、パッキング、及び/又は厚さ、並びに、周囲の材料の組成及び/又は厚さに応じて変化してよい。幾つかの実施形態では、プラズマ出力が、約20Wから約500Wの範囲、約20Wから約400Wの範囲、約20Wから約250Wの範囲、約50Wから約500Wの範囲、約100Wから約500Wの範囲、約100Wから約450Wの範囲、約100Wから約500Wの範囲、又は約200Wから約400Wの範囲である。幾つかの実施形態では、プラズマ出力は、約50W、約200W、又は約400Wである。
【0054】
[0061] 1以上の実施形態では、プラズマ曝露の持続時間が、ブロッキング層216の組成、パッキング、及び/又は厚さ、並びに、周囲の材料の組成及び/又は厚さに応じて変化してよい。幾つかの実施形態では、基板が、約2秒(s)から約60秒(s)の範囲、約3秒から約30秒の範囲、又は約5秒から約10秒の範囲の期間にわたりプラズマに曝露される。幾つかの実施形態では、基板が、約3秒、約5秒、約10秒、又は約30秒の期間にわたりプラズマに曝露される。
【0055】
[0062] 導電性ビア充填材料214がボトムアップ方式で成長して、フィーチャ211の下部を構成するビア部分210を充填する図2E及び図2Fで示されるような複数の実施形態では、第2の導電性材料220が上部212内に堆積される。例えば、図2Eで示されている動作114では、フィーチャ211の上部212が、Mx+1導電ラインを形成するために、導電性材料220で満たされる。
【0056】
[0063] 図1並びに図2E及び図2Fを参照すると、動作114において、ブロッキング層216が金属層214の上面から除去された後で、第2のメタライゼーション層220又は第2の金属ラインが形成又は堆積される。1以上の実施形態では、第2のメタライゼーション層220は、当業者に知られている任意の適切な材料を含んでよい。幾つかの実施形態では、第2のメタライゼーション層220が、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、及びプラチナ(Pt)のうちの1以上から選択される。幾つかの実施形態では、第2のメタライゼーション層220が、銅(Cu)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、又はプラチナ(Pt)から本質的に構成される。幾つかの実施形態では、第2のメタライゼーション層220が、銅、コバルト、ルテニウム、タングステン、又はモリブデンから本質的に構成される。幾つかの実施形態では、第2のメタライゼーション層220が、銅を含むか、又は本質的に銅から構成される。本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるときに、「実質的に構成される(consists essentially of)」という用語は、材料が、原子ベースで述べられた材料の約95%、98%、又は99%以上であることを意味する。図2Fを参照すると、1以上の実施形態では、第1のメタライゼーション層204a及び第2のメタライゼーション層204bが、同じ金属材料を含む。
【0057】
[0064] 図3Aから図3Eは、図1から図2Fの両方で示されたものと同様な本開示の別の一実施形態を示している。該方法は、前述されたのと同じ材料及び全体プロセスで行われる。図3Aから図3Eで示されている一実施形態は、当業者によって認識されることとなるように、M及びMx+1金属ラインを接続するビアの形成のための方法を表している。
【0058】
[0065] 図3Aから図3Eを参照すると、使用する例示的な逆への選択的堆積方法は、内部に形成された少なくとも1つのフィーチャ211を有する絶縁層208を有する基板200を提供することによって開始する。説明される種々の膜及び層は、図2Aから図2Fのものと同様であり、これらは、同様な方法の単に異なる構造的形態に過ぎないことを、当業者は認識するだろう。少なくとも1つのフィーチャ211は、下部又はビア部分210及び上部又はトレンチ部分212を有する。図示されている一実施形態では、側壁が、絶縁層208を含み、絶縁層208によって形成される。ビア開口部210の下面は、第1のメタライゼーション層204又は第1のメタライゼーションラインを含み、それらによって形成される。少なくとも1つのフィーチャ211は、1つの側壁(例えば、円形ビア)、2つの側壁(例えば、トレンチ)、又はより多くの側壁(例えば、正方形若しくは多角形ビア)を有してよい。
【0059】
[0066] 図3Bを参照すると、金属層214が、少なくとも1つのフィーチャ211の下部210内に形成され又は堆積される。金属層214は、高さを有する。幾つかの実施形態では、金属層214の高さが、下部210又はビア開口部の深さよりも小さい。1以上の実施形態では、金属層214が、下部又はビア部分210の深さの約25%から約90%の範囲の高さを有する。
【0060】
[0067] 図3Cを参照すると、絶縁層208の上部よりもフィーチャ211の下部を形成する金属層214の上面にブロッキング層216を選択的に形成するために、基板200が平面炭化水素に曝露される。言い換えると、基板200は、金属層214上の将来の堆積を不活性化又はブロックするために、平面炭化水素で処理される。
【0061】
[0068] 図3Dを参照すると、ブロッキング層216よりも絶縁層208にバリア層218の逆への選択的堆積が行われる。ここでも、「逆への選択的堆積」という用語が、絶縁層208に膜が形成される選択的堆積プロセス指すことを、当業者は理解するだろう。幾つかの実施形態では、バリア層218が、金属前駆体及び反応物への基板200の連続的な曝露によって堆積される。幾つかの実施形態では、バリア層218が、バリア層として作用する材料を含む。幾つかの実施形態では、金属層214の厚さに応じて、バリア層218が、少なくとも1つの開口部211の上部212又はトレンチ部分と下部210又はビア開口部との両方の中に形成されてよい。他の複数の実施形態では、共形バリア層218が、少なくとも1つの開口部の下部210内に形成されない。
【0062】
[0069] 1以上の実施形態では、任意選択的に、ブロッキング層216が、フィーチャ211の下部の金属層214の表面から除去される。理論に束縛されることを意図しないが、ブロッキング層216は、ほとんどのバリア層(例えば、バリア層218)を伴って典型的に見られる抵抗の増加と比較して、導電性充填材料220の抵抗をほんの僅かに増加させると考えられている。したがって、ブロッキング層216の除去は、導電性充填材料220の抵抗を更に低減させてよい任意選択的なプロセスである。
【0063】
[0070] 動作112でブロッキング層216が除去されるかどうかに関わらず、低誘電率金属ビアを形成するために、導電性充填材料220(又は第2のメタライゼーション層若しくはライン)が、少なくとも1つのフィーチャ211内に堆積される。幾つかの実施形態では、低誘電率金属ビアが、ブロッキング層なしに形成される金属ビアの約80%以下の抵抗を有する。言い換えると、ブロッキング層216を含む本開示のプロセスによって形成される低誘電率金属ビアは、約20%以上のビア抵抗の低減を提供する。
【0064】
[0071] 導電性ビア充填材料214がボトムアップ方式で成長して、フィーチャ211の下部を構成するビア部分210を充填する図3Eで示されるような複数の実施形態では、第2の導電性材料220が上部212内に堆積される。例えば、図3Eで示されているように、フィーチャ211の上部212が、Mx+1導電ラインを形成するために、導電性材料220で満たされる。
【0065】
[0072] 幾つかの実施形態では、フィーチャ211を過充填し、基板200の表面に重荷を形成するために、第2のメタライゼーション層220が堆積される。次いで、重荷は、任意の適切な技法(例えば、エッチング、化学機械平坦化(CMP))によって除去される。
【0066】
[0073] 図4及び図5Aから図5Fは、図1から図3Eの両方で示されたものと同様な本開示の別の一実施形態を示している。方法120は、動作122において開始し、そのとき、基板が任意選択的に予洗浄される。
【0067】
[0074] 図4及び図5Aを参照すると、基板222が、その上に絶縁層228及び導電性材料224又は第1のメタライゼーション層を有する。フィーチャ221が、絶縁層228内に形成される。フィーチャ221は、側壁223a、223b及び下部223cを有する。側壁223a、223bは、絶縁層228によって形成される。幾つかの実施形態では、エッチング停止層226が、基板222及び第1のメタライゼーション層224の上面に配置される。少なくとも1つのフィーチャ221の下部223cは、導電性材料224(又は第1のメタライゼーション層)の上面によって形成される。幾つかの実施形態では、第1のメタライゼーションラインの導電性材料224が、Mラインとも称される。
【0068】
[0075] 図4及び図5Bを参照すると、動作124において、ビア金属230が、少なくとも1つの開口部221内に形成又は堆積され、第1のメタライゼーション層224と接触する。動作126では、基板が任意選択的に予洗浄されてよい。例えば、幾つかの実施形態では、ビア金属230が、形成された可能性がある自然酸化物を除去するために洗浄されてよい。
【0069】
[0076] 図5Cで示されているように、動作128において、基板が、絶縁層228の上面よりもビア金属230の上面にブロッキング層232を選択的に形成するために、平面炭化水素に曝露される。
【0070】
[0077] 図4及び図5Dを参照すると、動作132において、バリア層234が、ブロッキング層232よりも絶縁層228に選択的に堆積される。図5Dで示されているように、バリア層234は、絶縁層228の上面に選択的に堆積される。バリア層234は、ビア金属230ではなく露出された絶縁層228に堆積される。バリア層234は、当業者に知られている任意の適切な技法によって堆積され得る。幾つかの実施形態では、バリア層234が、基板を金属前駆体及び反応物に連続的に曝露することによって堆積される。
【0071】
[0078] 方法120は、動作132において、任意選択的に、ビア金属230の表面からブロッキング層232を除去することを含む。図4及び図5Eを参照すると、動作132において、ブロッキング層232が除去されるかどうかに関わらず、動作134において、方法120は、第2のメタライゼーション層236の選択的な堆積で継続する。導電性ビア充填材料236が、バリア層234に選択的に堆積される。
【0072】
[0079] 第2のメタライゼーション層236は、当業者に知られている任意の適切な材料であり得る。図示されている一実施形態では、第1のメタライゼーション層224、ビア金属230、及び第2のメタライゼーション層236が、異なる材料である。他の複数の実施形態では、第1のメタライゼーション層224及び第2のメタライゼーション層236が、同じ材料であってよい。例えば、幾つかの実施形態では、第1のメタライゼーション層224及び第2のメタライゼーション層236が銅を含み、ビア金属230がコバルトを含む。
【0073】
[0080] 第2のメタライゼーション層236は、当業者に知られている任意の適切な技法によって堆積され得る。幾つかの実施形態では、第2のメタライゼーション層236が、化学気相堆積(CVD)プロセス、原子層堆積(ALD)プロセス、又は物理的気相堆積(PVD)プロセスのうちの1以上によって堆積される。
【0074】
[0081] 図5Fを参照すると、基板220は、第2のメタライゼーション層236内に開口部238(又はトレンチ)を形成するために、エッチング(すなわち、サブトラクティブエッチング)される。
【0075】
[0082] 図6及び図7Aから図7Eは、図1から図5Fで示されているものと同様な本開示の別の一実施形態を示している。該方法は、前述されたのと同じ材料及び全体プロセスで行われる。図7Aから図7Eで示されている一実施形態は、当業者によって認識されることとなるように、M及びMx+1金属ラインを接続するビアの形成のための方法を表している。図7Aから図7Eで示されている方法は、減圧を壊すことなしに処理ツール内で実行される統合プロセスである。
【0076】
[0083] 図6及び図7Aから図7Eを参照すると、例示的な逆への選択的堆積方法140が、絶縁層252、第1のメタライゼーション層254、及び第1のフィーチャ(図示せず)を上に有する基板250を提供することによって開始する。動作142において、基板が任意選択的に予洗浄される。動作144において、ビア/コンタクト256が、第1のフィーチャの下部において第1のメタライゼーション層254の上面に選択的に堆積又は形成される。説明される種々の膜及び層は、図2Aから図2Fのものと同様であり、これらは、同様な方法の単に異なる構造的形態に過ぎないことを、当業者は認識するだろう。
【0077】
[0084] エッチング停止層258が、絶縁層252及びビア/コンタクト256の上面に堆積される。エッチング停止層258は、当業者に知られている任意の適切な材料を含んでよい。1以上の実施形態では、エッチング停止層258が、酸化アルミニウム(AlO)、炭窒化ケイ素(SiCN)、及び窒化ケイ素(SiN)のうちの1以上を含む。第2の絶縁層260が、エッチング停止層258に堆積される。図6及び図7Bを参照すると、絶縁層260内にトレンチ262を形成するために、単一のダマシンプロセスが行われる。単一のダマシンプロセスは、エッチング停止層258を開き、ビア/コンタクト256の上面を露出させる。それによって、ビア/コンタクト256の上面が、トレンチ262の下面になる。幾つかの実施形態では、エッチング停止層258を開くための単一のダマシンプロセスが、プラズマ/ラジカルベースのエッチングを含む。その後に、予洗浄が行われる。予洗浄動作は、当業者に知られている任意の適切な予洗浄動作であり得る。適切な予洗浄動作は、浸漬(soaking)や自然酸化物除去などを含むが、これらに限定されない。1以上の実施形態では、減圧を壊すことなしに統合システム内で単一のダマシンプロセスが行われる。ダマシントレンチ262が、側壁263a、263b、及び下部263cを有する。図示されている一実施形態では、側壁が、絶縁層260を含み、絶縁層260によって形成される。ダマシントレンチ262の下面は、ビア/コンタクト256及び絶縁層252の一部分を含み、それらによって形成される。ダマシントレンチ262は、1つの側壁(例えば、円形ビア)、2つの側壁(例えば、トレンチ)、又はより多くの側壁(例えば、正方形若しくは多角形ビア)を有してよい。
【0078】
[0085] 図7Cを参照すると、絶縁層260よりもビア/コンタクト256の上面にブロッキング層264を選択的に形成するために、基板250が平面炭化水素に曝露される。言い換えると、基板250は、ビア/コンタクト256上の将来の堆積を不活性化又はブロックするために、平面炭化水素で処理される。
【0079】
[0086] 図7Dを参照すると、ブロッキング層264よりも絶縁層260にバリア層266の逆への選択的堆積が行われる。ここでも、「逆への選択的堆積」という用語が、ビア/コンタクト256ではなく絶縁層264上に膜が形成される選択的堆積プロセスを指すことを、当業者は理解するだろう。幾つかの実施形態では、バリア層266が、金属前駆体及び反応物への基板250の連続的な曝露によって堆積される。幾つかの実施形態では、バリア層266が、バリア層として作用する材料を含む。
【0080】
[0087] 1以上の実施形態では、任意選択的に、ブロッキング層264が、ビア/コンタクト256の表面から除去される。理論に束縛されることを意図しないが、ブロッキング層264は、ほとんどのバリア層(例えば、バリア層266)を伴って典型的に見られる抵抗の増加と比較して、導電性充填材料268の抵抗をほんの僅かに増加させると考えられている。したがって、ブロッキング層264の除去は、導電性充填材料268の抵抗を更に低減させてよい任意選択的なプロセスである。
【0081】
[0088] 動作152でブロッキング層266が除去されるかどうかに関わらず、低誘電率金属ビアを形成するために、導電性充填材料268(又は第2のメタライゼーション層若しくはライン)が、少なくとも1つのフィーチャ262内に堆積される。幾つかの実施形態では、低誘電率金属ビアが、ブロッキング層なしに形成される金属ビアの約80%以下の抵抗を有する。言い換えると、ブロッキング層264を含む本開示のプロセスによって形成される低誘電率金属ビアは、約20%以上のビア抵抗の低減を提供する。
【0082】
[0089] 幾つかの実施形態では、フィーチャ262を過充填し、基板250の表面に重荷を形成するために、第2のメタライゼーション層268が堆積される。次いで、重荷は、任意の適切な技法(例えば、エッチング、化学機械平坦化(CMP))によって除去される。
【0083】
[0090] 本開示の更なる実施形態は、図8で示されているように、説明されるデバイスの形成及び方法のための処理ツール900を対象とする。アプライドマテリアルズ(登録商標)から入手できるCentura(登録商標)、Dual ACP、Producer(登録商標)GT、及びEndura(登録商標)プラットフォームを含む、様々なマルチ処理プラットフォーム、ならびに他の処理システムが利用されてよい。1以上の実施形態では、クラスタツール900が、複数の側面を有する少なくとも1つの中央移送ステーション921、931を含む。ロボット925、935が、中央移送ステーション921、931内に配置され、ロボットブレード及びウエハを複数の側面の各々に移動させるように構成されている。
【0084】
[0091] クラスタツール900は、中央移送ステーションに接続された、プロセスステーションとも呼ばれる複数の処理チャンバ902、904、906、908、910、912、914、916、及び918を備える。様々な処理チャンバは、隣接するプロセスステーションから隔離された別個の処理領域を提供する。処理チャンバは、非限定的に、選択的金属堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、ブロッキング層堆積チャンバ、ライナー金属堆積チャンバ、プラズマチャンバ、予洗浄チャンバ、エッチングチャンバ、(1以上の)移送空間、ウエハ配向/ガス抜きチャンバ、極低温冷却チャンバなどを含む、任意の適切なチャンバであり得る。プロセスチャンバ及び構成要素の特定の配置は、クラスタツールに応じて変更することができ、本開示の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0085】
[0092] 1以上の実施形態では、クラスタツール900が、基板を平面炭化水素に暴露してブロッキング層を形成するためのブロッキング層堆積チャンバを含む。1以上の実施形態では、クラスタツール900が、中央移送ステーションに接続された予洗浄チャンバを含む。
【0086】
[0093] 図8で示されている実施形態では、ファクトリインターフェース950が、クラスタツール900の前面に接続されている。ファクトリインターフェース950は、ファクトリインターフェース950の前面951上にローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956を含む。ローディングチャンバ954が左側に示され、アンローディングチャンバ956が右側に示されているが、当業者は、これが1つの可能な構成の単なる典型に過ぎないことを理解するだろう。
【0087】
[0094] ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956のサイズ及び形状は、例えば、クラスタツール900内で処理される基板に応じて変更され得る。図示されている実施形態では、ローディングチャンバ954及びアンローディングチャンバ956が、複数のウエハがカセット内に配置されたウエハカセットを保持するようにサイズ決定される。
【0088】
[0095] ロボット952が、ファクトリインターフェース950内にあり、ローディングチャンバ954とアンローディングチャンバ956との間を移動することができる。ロボット952は、ファクトリインターフェース950を通して、ローディングチャンバ954内のカセットからロードロックチャンバ960までウエハを移送可能である。また、ロボット952は、ファクトリインターフェース950を通してロードロックチャンバ962からアンローディングチャンバ956内のカセットまでウエハを移送可能である。当業者には理解されるように、ファクトリインターフェース950は、複数のロボット952を有することができる。例えば、ファクトリインターフェース950は、ローディングチャンバ954とロードロックチャンバ960との間でウエハを移送する第1のロボットと、ロードロックチャンバ962とアンローディングチャンバ956との間でウエハを移送する第2のロボットとを有してよい。
【0089】
[0096] 図示されているクラスタツール900は、第1のセクション920及び第2のセクション930を有する。第1のセクション920は、ロードロックチャンバ960、962を通してファクトリインターフェース950に接続される。第1のセクション920は、少なくとも1つのロボット925が内部に配置された第1の移送チャンバ921を含む。ロボット925は、ロボット式ウエハ搬送機構とも呼ばれる。第1の移送チャンバ921は、ロードロックチャンバ960、962、処理チャンバ902、904、916、918、及びバッファチャンバ922、924に対して中央に位置付けられている。幾つかの実施形態のロボット925は、一度に複数のウエハを独立して移動させることができるマルチアームロボットである。幾つかの実施形態では、第1の移送チャンバ921が、複数のロボット式ウエハ移送機構を備える。第1の移送チャンバ921内のロボット925は、第1の移送チャンバ921の周囲のチャンバ間でウエハを移動させるように構成される。個々のウエハは、第1のロボット式機構の遠位端に位置するウエハ搬送ブレード上に担持される。
【0090】
[0097] 第1のセクション920内のウエハを処理した後で、ウエハは、通過チャンバを通して第2のセクション930まで移動し得る。例えば、チャンバ922、924は、単方向又は双方向の通過チャンバであり得る。通過チャンバ922、924は、例えば、第2のセクション930における処理前に、ウエハを低温冷却するために使用することができ、又は第1のセクション920に戻る前にウエハ冷却又は後処理を可能にする。
【0091】
[0098] システムコントローラ990は、第1のロボット925、第2のロボット935、第1の複数の処理チャンバ902、904、916、918、及び第2の複数の処理チャンバ906、908、910、912、914と通信する。システムコントローラ990は、処理チャンバ及びロボットを制御することができる任意の適切な構成要素であり得る。例えば、システムコントローラ990は、中央処理装置、メモリ、適切な回路、及びストレージを含む、コンピュータであり得る。
【0092】
[0099] プロセスは、概して、プロセッサによって実行されたときに、プロセスチャンバに本開示のプロセスを実行させるソフトウェアルーチンとして、システムコントローラ990のメモリ内に記憶されてよい。ソフトウェアルーチンはまた、プロセッサによって制御されるハードウェアから遠隔に位置付けられた第2のプロセッサ(図示せず)によって、記憶及び/又は実行されてもよい。本開示の方法の一部又は全部をハードウェア内で実行することもできる。したがって、プロセスは、ソフトウェア内に実装され、コンピュータシステムを使用して、例えば、特定用途向け集積回路若しくは他の種類のハードウェア実施態様としての、又はソフトウェアとハードウェアとの組み合わせとしてのハードウェア内で実行され得る。ソフトウェアルーチンは、プロセッサよって実行されたときに、汎用コンピュータを、プロセスが実行されるようにチャンバ動作を制御する専用コンピュータ(コントローラ)に変換する。
【0093】
[00100] 1以上の実施形態では、処理ツール900が、ウエハを移動させるように構成された少なくとも1つのロボット925、935を含む中央移送ステーション921、931、中央移送ステーションに接続された選択的ビア充填ステーション、逆への選択的堆積ステーション、ブロッキング層形成ステーション、CVDステーション、PVDステーションのうちの1以上、中央移送ステーションに接続された任意選択的な予洗浄ステーション、及び、中央移送ステーション、選択的ビア充填ステーション、逆への選択的堆積ステーション、ブロッキング層形成ステーション、CVDステーション、PVDステーション、又は任意選択的な予洗浄ステーションのうちの1以上に接続された少なくとも1つのコントローラを備える。1以上の実施形態では、少なくとも1つのコントローラが、ロボットを使用してステーション間でウエハを移動させるための構成、ビアを選択的に充填するための構成、基板を平面炭化水素に曝露しブロッキング層を形成するための構成、バリア層の逆への選択的堆積のための構成、金属を堆積させるための構成、及びウエハを予洗浄するための構成から選択される、少なくとも1つの構成を有する。
【0094】
[00101] 1以上の実施形態では、処理ツールが、内部に基板支持体を有する予洗浄チャンバ、選択的金属堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、任意選択的に、任意選択的な予洗浄機能を有するブロッキング層堆積チャンバ、任意選択的に、ライナー金属堆積チャンバ、任意選択的に、プラズマチャンバ、任意選択的に、エッチングチャンバ、ロボットであって、予洗浄チャンバ、選択的堆積チャンバ、任意選択的なブロッキング層堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、任意選択的なプラズマチャンバ、及び任意選択的なエッチングチャンバ、任意選択的なライナー金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、及びPVD金属堆積チャンバにアクセスするように構成されたロボット、並びに、コントローラであって、予洗浄チャンバ、選択的堆積チャンバ、任意選択的なブロッキング層堆積チャンバ、バリア金属堆積チャンバ、PVD金属堆積チャンバ、任意選択的なプラズマチャンバ、及び任意選択的なエッチングチャンバ、任意選択的なライナー金属堆積チャンバ、CVD金属堆積チャンバ、及びPVD金属堆積チャンバ、及びロボットに接続されたコントローラにおいて、基板を洗浄すること、ブロッキング層を選択的に形成すること、ライナーを選択的に堆積させること、任意選択的に金属ライナーを形成すること、メタライゼーション層を形成すること、任意選択的に基板をエッチングすること、及び任意選択的にブロッキング層を除去すること、から選択される1以上の構成を有するコントローラを備える。
【0095】
[00102] 「下」、「下方」、「下側」、「上」、「上方」、「上側」などの、空間的な相対語は、図面中で示されているように、1つの要素又はフィーチャの、別の(1以上の)要素又は(1以上の)フィーチャに対する関係を説明することを容易にするために、本明細書で使用されてよい。空間的な相対語は、図面中で描かれている配向に加えて、使用中又は動作中のデバイスの種々の配向を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、図面内のデバイスがひっくり返された場合、他の要素又は特徴の「下方」又は「下」として説明された要素は、他の要素又は特徴の「上」に配向されることになる。したがって、例示的な用語「下」は、上と下の両方の配向を含んでよい。デバイスは、他の方法で配向され(90度又は他の配向に回転され)てよく、本明細書で使用される空間的な相対記述語がそれに応じて解釈され得る。
【0096】
[00103] 本明細書で説明される材料及び方法を説明する文脈において(殊に、以下の特許請求の範囲の文脈において)、用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」並びに「その(the)」と、類似の指示物の使用は、本明細書でその逆が示されているか又は明らかに文脈から矛盾する場合を除いて、単数と複数の両方をカバーすると解釈される。本明細書での値の範囲の列挙は、本明細書で特に明記しない限り、範囲内に入る各個別の値を個別に参照する略記法として機能することを単に意図しており、各個別の値は、本明細書で個別に引用されているかのように明細書に組み込まれる。本明細書で説明される全ての方法は、本明細書でその逆が示されているか又はさもなければ文脈から明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行されてよい。本明細書で提供されている任意の及び全ての実施例又は例示的な言葉(例えば、「などの」)の使用は、単に材料及び方法をより良く説明することを意図したものであり、特に請求されない限り、範囲を限定しない。明細書中の言葉は、開示された材料及び方法の実施に不可欠であると主張されていない要素を示すと解釈されるべきではない。
【0097】
[00104] この明細書全体を通じて、「一実施形態(one embodiment)」、「特定の実施形態(certain embodiments)」、「1以上の実施形態(one or more embodiments)」、又は「実施形態(an embodiment)」に対する言及は、実施形態に関連して説明されている特定のフィーチャ、構造、材料、又は特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。故に、この明細書全体の様々な箇所での「1以上の実施形態で」、「特定の実施形態で」、「一実施形態で」、又は「実施形態で」などの表現は、必ずしも、本開示の同一の実施形態に言及するものではない。更に、特定の特徴、構造、材料、又は特質は、1以上の実施形態において、任意の適切なやり方で組み合わされ得る。
【0098】
[00105] 本明細書の開示は特定の実施形態を参照して説明されているが、これらの実施形態は、本開示の原理及び用途の例示にすぎないことを理解されたい。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、本開示の方法及び装置に対して様々な改変及び変形を行い得ることが、当業者には明らかになろう。したがって、本開示は、本開示の範囲内にある修正例及び変形例を含み得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図8