(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-05
(45)【発行日】2024-12-13
(54)【発明の名称】ウエハ検査システム及び装置
(51)【国際特許分類】
G01N 21/956 20060101AFI20241206BHJP
【FI】
G01N21/956 A
(21)【出願番号】P 2022167694
(22)【出願日】2022-10-19
(62)【分割の表示】P 2021000852の分割
【原出願日】2015-04-22
【審査請求日】2022-10-19
(32)【優先日】2014-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500049141
【氏名又は名称】ケーエルエー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン マーク エス
(72)【発明者】
【氏名】カーク クリス
(72)【発明者】
【氏名】ハリソフ アンドレイ
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第07525649(US,B1)
【文献】特開平07-049209(JP,A)
【文献】特開昭61-149812(JP,A)
【文献】特開昭62-103503(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0113506(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2005/0018180(US,A1)
【文献】国際公開第2005/104111(WO,A1)
【文献】特開2005-055196(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84- G01N 21/958
G01B 11/00- G01B 11/30
G01J 1/02- G01J 1/06
G02B 5/00
G02B 21/00
G02B 21/06- G02B 21/36
H01L 21/64- H01L 21/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ検査システムであって、
1つ又はそれ以上の収集チャネルであって、前記1つ又はそれ以上の収集チャネルの少なくとも1つが、
ライン照射システムからの照射に応答して、検査されているウエハからの光を収集し、前記ウエハのラインイメージを前記1つ又はそれ以上の収集チャネルの少なくとも1つの共焦点平面に供給するように構成された複数の光学エレメントと、
ウエハのラインイメージの少なくとも部分を受け取るように構成された位置検出器と、
前記共焦点平面に配置され、前記ウエハのラインイメージからサイドローブをフィルタリングで除去するように構成されたスリット開口フィルタと、
前記スリット開口フィルタでフィルタリングされたラインイメージを受け取るように構成されたイメージセンサであって、前記ウエハのラインイメージは前記位置検出器と前記イメージセンサの両方を照射し、前記ラインイメージのうち前記イメージセンサを照射する部分は前記スリット開口フィルタでフィルタリングされ、前記位置検出器を照射する部分は前記スリット開口フィルタでフィルタリングされない、イメージセンサと、
前記位置検出器に接続されたプロセッサであり、
前記位置検出器からの、前記位置検出器上のウエハのラインイメージの少なくとも部分の位置を示すライン位置信号を受け取り、
前記ライン位置信号を分析して、前記一つ又はそれ以上の収集チャネルの中で、対応する収集チャネルに関連付けられた共焦点平面ビームの位置を決定し、
前記収集チャネルにおける前記複数の光学エレメントの位置、前記ウエハ検査システムにおける機械式要素、又は、前記ウエハ検査システムにおける電子式要素、のうちの少なくとも一つを調整して、前記スリット開口フィルタに対応した所望の共焦点平面ビームの位置を作り出し、
前記ライン位置信号を分析して、前記イメージセンサ上に投射された前記スリット開口フィルタでフィルタリングされたラインイメージの位置を決定し、
前記スリット開口フィルタの位置を、前記スリット開口フィルタのスリットが前記ラインイメージの長軸方向に直交するx方向において前記ラインイメージにセンタリングされるように調整する
ように構成されたプロセッサと、
を備え、
前記スリット開口フィルタは、前記プロセッサによりスリット開口幅が調整可能な電子式スリット開口フィルタである、ウエハ検査システム。
【請求項2】
プロセッサと、
前記プロセッサに接続されてプロセッサ実行可能なコードを具現化するメモリと、
前記プロセッサに接続されてウエハのラインイメージの位置を供給する1つ又はそれ以上の位置検出器と、
前記プロセッサに接続されてウエハ検査プロセスにおいて1つ又はそれ以上のラインイメージを受け取るように構成された1つ又はそれ以上のイメージセンサと、
前記1つ又はそれ以上のイメージセンサを含む収集チャネルの1つ又はそれ以上の共焦点平面に配置された1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタであり、少なくともその1つが、前記1つ又はそれ以上のイメージセンサの1つのイメージセンサで受け取られたラインイメージからサイドローブをフィルタリングで除去するように構成されたスリット開口フィルタと、
を備え、
前記ウエハのラインイメージは前記位置検出器と前記イメージセンサの両方を照射し、前記ラインイメージのうち前記イメージセンサを照射する部分は前記スリット開口フィルタでフィルタリングされ、前記位置検出器を照射する部分は前記スリット開口フィルタでフィルタリングされず、
前記プロセッサ実行可能なコードが、前記プロセッサを、
前記1つ又はそれ以上のイメージセンサから1つ又はそれ以上のラインイメージを受け取り、
ここで、前記1つのイメージセンサの場合には前記1つのラインイメージを受け取り、前記それ以上のイメージセンサの場合には前記それ以上のラインイメージを受け取り、
前記1つ又はそれ以上のラインイメージを分析し、
前記収集チャネルの前記1つ又はそれ以上の共焦点平面の位置を決定し、
前記収集チャネルにおける光学エレメントの位置を調整して、前記1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタに対応した所望の共焦点平面の位置を作り出し、
前記1つ又はそれ以上のイメージセンサ上に投射された前記1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタでフィルタリングされた前記1つ又はそれ以上のラインイメージの位置を決定し、
前記1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタの位置を、前記1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタのスリットが前記1つ又はそれ以上のラインイメージの長軸方向に直交するx方向において前記1つ又はそれ以上のラインイメージにセンタリングされるように調整する
ように構成し、前記スリット開口フィルタは、前記プロセッサによりスリット開口幅が調整可能な電子式スリット開口フィルタである、装置。
【請求項3】
前記プロセッサに接続されたデータ記憶要素をさらに備えており、
前記プロセッサ実行可能なコードが、前記プロセッサをさらに、
前記1つ又はそれ以上のイメージセンサ上の前記1つ又はそれ以上のラインイメージの位置を、前記データ記憶要素に記憶された前記1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタの中心位置に関連付けられた1つ又はそれ以上の校正された位置と比較し、
前記1つ又はそれ以上のイメージセンサの少なくともいずれか上の1つ又はそれ以上のラインイメージの少なくともいずれかの位置を、前記1つ又はそれ以上の校正された位置の対応する校正された位置に調整する、
ように構成させる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサに接続されたデータ記憶要素をさらに備えており、
前記プロセッサ実行可能なコードが、前記プロセッサをさらに、
前記共焦点平面の位置を、前記データ記憶要素に記憶された前記1つ又はそれ以上のスリット開口フィルタの対応する1つの位置に関連付けられた校正された共焦点平面の位置と比較し、
前記共焦点平面の位置を校正された共焦点平面の位置に調整する、
ように構成させる、請求項2に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的にはウエハ検査システムに関しており、より具体的には、共焦点走査要素を有するライン走査検査デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願への相互参照
本願は、米国特許法第119条(e)項(35U.S.C.§119(e))に基づいて、2014年4月22日付けで出願された米国予備特許出願第61/982,754号の優先権を主張し、その予備出願は、その全体が参照によってここに援用される。
【0003】
共焦点顕微鏡では、レンズの共焦点平面にあるピンホールフィルタが、焦点外れの光を除去する。しかし、共焦点ピンホールフィルタは、センサに投射された照射ラインを切り出す(clip;クリップする)ので、ピンホールフィルタに対するそのラインのいかなるシフトも、イメージ強度の変化をもたらす結果となる。
【0004】
解像度を改善する一方で、共焦点ピンホールフィルタはまた、熱ドリフト、振動、及び構成部品の機械的反復度のために、焦点及び視線検査具(boresight)の変動に対する器具の感度を増す。感度の増加は器具の安定性に影響し、増加した器具感度ファクタの全てを除去することは、器具の複雑さのために非実用的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2005/0018180号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
これより、共焦点スリット開口フィルタを用いたウエハ検査に適して且つ安定性を増す装置が存在すれば、有益であろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明は、共焦点スリット開口フィルタを用いたウエハ検査に適して且つ安定性を増す新規の装置に関している。
【0008】
ある実施形態では、ライン走査ウエハ検査システムが、共焦点平面にある各スリット開口フィルタに関連付けられていて、スリット開口フィルタに対するライン位置をモニタ及び修正して、イメージ強度の変動を許容限界内に維持する検出器を含む。各検出器はライン位置を測定し、それからそのライン位置信号を使用して、フィードバックループ内の収集経路にある光学構成部品を調整する。
【0009】
ある実施形態では、フィードバックループは、実行時間校正プロセス内で利用される。他の実施形態では、フィードバックループは、安定性を向上するために、検査の間に実時間補償メカニズムとして利用される。
【0010】
前述の一般的な記述及び以下の詳細な記述の両方が例示的且つ説明的なのみであって、請求される本発明を制約するものではないことが理解されるべきである。本明細書に組み込まれ且つその一部を構成する添付の図面は、本発明のある実施形態を描写し、一般的な記述と共に、その原理を説明する役割を果たす。
【0011】
本開示の数多くの効果は、添付の図面を参照することで、当業者によってより良く理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1A】本開示の一つの実施形態に従ったウエハ検査システムの正面図である。
【
図1B】イメージセンサ及び位置検出器の一つの対の詳細な上面図である。
【
図2】移動しているウエハ検査システムで散乱されたウエハ光のクローズアップ描写図である。
【
図3】
図1のウエハ検査システムの一部のクローズアップを示す図である。
【
図4】
図1のウエハ検査システムの一部のクローズアップを示す図である。
【
図5】本開示の実施形態を実行するためのコンピュータシステムのブロック図である。
【
図6】ライン照射ウエハ検査システムにおける検査光学系を調整する方法の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここで、添付の図面に描写されている開示された主題が詳細に参照される。本発明の範囲は、請求項のみによって制限される。数多くの代替、改変、及び等価物が内包される。明瞭化の目的のために、実施形態に関連した技術分野において既知の技術的材料は、記述を不必要に不明確にしないように、詳細には記述されない。
【0014】
本開示の一つ又はそれ以上の実施形態の理解は米国特許第7,525,649号によってさらに描写され得る。この特許は、参照によってここに援用される。
【0015】
図1Aを参照すると、本開示の一つの実施形態に従ったウエハ検査システムの正面図が示される。いくつかの実施形態では、ライン走査光学検査システム100のようなウエハ検査システムは、3つの収集チャネル102、104、106を含み、ウエハ101における欠陥からの散乱光を収集して、その光を対応するアレイラインセンサ114、116、118上にイメージングする。位置検出器115、117、119は、各アレイラインセンサ114、116、118に関連付けられている。幾つかの実施形態では、照射光学系はウエハ101上の走査位置で、細いライン120を形成する。ウエハ101上の照射された走査位置からの散乱光は、3つの収集チャネル102、104、106によって集められて各アレイラインセンサ114、116、118上にフォーカスされる。ある例示的な実施形態では、この細いライン120は、ウエハ101上で1マイクロメータよりも細い幅を有し得るが、これに限定されるものではない。ウエハ101の形状及び欠陥からの散乱光は、各収集チャネル102、104、106内のアレイラインセンサ114、116、118上にイメージングされる。アレイラインセンサ114、116、118は、当該技術で既知の任意のイメージング技術を含み得る。いくつかの実施形態では、アレイラインセンサ114、116、118は電荷結合素子(CCD)又は時間遅延積分(TDI)デバイスを含む。
【0016】
いくつかの実施形態では、各アレイラインセンサ114、116、118はスリット開口フィルタ108、110、112に関連付けられている。少なくとも一つの実施形態では、ライン走査光学検査システム100はライン照射源を含み、アレイラインセンサ114、116、118は、全ての散乱光を収集するように(照射ライン120に直交する)x方向で大きな視野を有するように構成され得る。位置検出器115、117、119は、(照射ライン120の長軸に沿った)y方向で、対応するアレイラインセンサ114、116、118の直ぐ外側に位置される。これらの位置検出器115、117、119は、ウエハ101から散乱された光を追跡し、散乱光の位置を、対応するスリット開口フィルタ108、110、112の中心に対応する校正された位置と比較する。位置検出器115、117、119によって生成された誤差信号は、ウエハ101からの散乱光がスリット開口フィルタ108、110、112にセンタリングされることを確実にするように、対応する収集チャネル102、104、106内の光学素子を動かすために使用される。
図1の位置検出器115、117、119が照射ライン120に直交する方向にアレイラインセンサ114、116、118からオフセットして示されているが、そのような描写が単に2次元媒体の制約の関数であることを、当業者は理解し得るであろう。
【0017】
いくつかの実施形態では、スリット開口フィルタ108、110、112は、対応するアレイラインセンサ114、116、118に実質的に突き当てられている。他の実施形態では、スリット開口フィルタ108、110、112は、対応するアレイラインセンサ114、116、118からある距離だけ離れており、シリンドリカルレンズが、光をスリット開口フィルタ108、110、112上に再フォーカスさせる。
【0018】
ライン走査検査器具に対して、ウエハ101の走査方向における解像度は、照射ラインのプロファイルによって決定され得る。x方向の解像度は、照射ライン幅によって決定され得る。このライン幅は、理論的な限界が1となるライン形成シリンダ(LFC)の開口数(NA)によって、及び入射瞳におけるガウシアンビームによって、制限され得る。より小さなライン幅は、よりアグレッシブなガウシアンフィルファクタで達成され得るが、回折リングからのサイドローブが性能の限界を生成することに留意されたい。検出器における共焦点スリット開口フィルタは、走査方向における解像度を、この限界を超えて向上させる。ライン走査光学検査システム100において、各アレイラインセンサ114、116、118における共焦点スリット開口フィルタ108、110、112は、走査方向における解像度を向上させ、照射ラインのサイドローブに対する感度を抑制する。
【0019】
照射ラインに直交する方向(x方向)でウエハ101をポイント走査するときには、アレイラインセンサ114、116、118上に作り出されるイメージは、各収集チャネル102、104、106に対して規定されたポイント広がり関数を使用して記述されることができる。
FPS_Channel(X,Y,Z)
ここで、X、Yは各アレイラインセンサ114、116、118に対する局部座標であり、Zは、照射点がアレイラインセンサ114、116、118で交差(conjugate)しないときの焦点ずれ値である。照射ライン広がり関数は、ウエハ座標xwにおいて、
FPS_Illuminationl(xw)
と記述される。
【0020】
収集チャネル102、104、106に対する倍率Mが与えられると、照射プロファイルを含む全体ポイント広がり関数は、
FPS(xw,yw,X)=FPS_Illuminationl(xw)*FPS_Channel(X-M*xw,M*yw,Z)
となる。xについて、アレイラインセンサ114、116、118の長さに渡って積分される。
【0021】
中央の収集チャネル104に対して、Zは一定であり、x=0に中心を有する狭いスリット開口フィルタ110を有する。
FPS(xw,yw)=FPS_Illuminationl(xw)*FPS_Channel(-M*xw,M*yw,Z)
ある実施形態では、両ポイント広がり関数がガウス形状exp(-X2/W2)を有していると、システムのポイント広がり関数もまた、幅W(照射ポイント広がり関数のWIL及びチャネルポイント広がり関数WC)を有するガウシアンとなり、
1/W2=1/WIL
2+1/WC
2
と計算される。そのようなポイント広がり関数は、より小さいライン幅及びより高い解像度を有し得る。大きなスリット開口フィルタ108、110、112の幅に対して、チャネルポイント広がり関数の積分の後に、x方向におけるライン幅が、照射ライン幅のみによって決定される。少なくともいくつかの実施形態においては、狭いスリット開口フィルタ108、110、112はサイドローブエネルギーを収集しないが、広いスリット開口フィルタ108、110、112はサイドローブエネルギーを収集することに留意されたい。
【0022】
同様の効果が側方の収集チャネル114、118の場合に観察されることに、さらに留意されたい。この場合、大きなスリット開口フィルタ108、110、112及び検出器114、116、118の幅に対して、全体のライン幅が照射ライン幅によって決定される。さらに、スリット開口フィルタ108、110、112に対して、ライン幅は、乗算ファクタのために低減される。
【0023】
狭いスリット開口フィルタ108、110、112が実現されるとき、センサにおいて機械的又は電子的のいずれかで、サイドローブが顕著に抑制されることができる。サイドローブの抑制は、より小さなライン幅で、より高い解像度を許容する。適切にサイドローブを抑制するには、フォーカスされた光がスリット開口フィルタ108、110、112のスリットの上に正しくセンタリングされることを必要とし、それゆえ、ライン照射システム100が収集チャネル102、104、106の一つ又はそれ以上における光学要素の位置を変えることを可能にする位置検出器115、117、119が望ましい。しかし、スリット開口フィルタ108、110、112がある程度の光損失を必ず生じさせるだろうということのために、検査感度が影響を受ける可能性がある。それゆえ、より多くの光が必要とされるときにスリット開口フィルタ108、110、112が交換可能であることが重要である。機械式スリット開口フィルタ108、110、112を含むシステムは、そのようなスリット開口フィルタを交換する機構を含み得る。あるいは、電子式スリット開口フィルタ108、110、112を含むシステムは、電子式スリット開口フィルタが異なるアプリケーションに対して異なるスリット開口幅を有するように調整され得るように、構成され得る。
【0024】
図1Bを参照すると、イメージセンサ及び位置検出器の一つの対の詳細な上面図が示されている。ある例示的な実施形態では、
図1Aの第1の収集チャネルは、関連付けられたイメージセンサ116及び位置検出器117を有する。第1の収集チャネルからの照射ラインイメージ122は、イメージセンサ116及び位置検出器117の両方を照射する。照射ラインイメージ122のうちでイメージセンサを照射する部分は、対応するスリット開口フィルタ108によってフィルタリングされるが、位置検出器117を照射している部分はフィルタリングされない。位置検出器117は、走査方向(x方向)において照射ラインイメージ122の一部に対応する信号を生成する。いくつかの実施形態では、同様のイメージセンサ116/位置検出器117の対が、各収集チャネルに対して使用される。
【0025】
図2を参照すると、移動しているウエハ検査システムにおいて散乱されたウエハ光のクローズアップ描写が示される。ウエハ検査プロセスでは、ウエハが移動方向200に動く間に、照射プロファイル206を有するライン照射源によってウエハが照射される。一次光210はウエハによって散乱されて、一つ又はそれ以上の収集チャネルによって受光及びフォーカスされる。さらに、二次光212が、望まれない構造202によって散乱され得る。
【0026】
図3を参照すると、
図1のウエハ検査システムの一部のクローズアップが示される。本開示の少なくとも一つの実施形態では、第1のスリット開口フィルタ108は第1の収集チャネルに関連付けられている。第1のスリット開口フィルタ108は、第1の収集チャネル光学系によって規定されるように、共焦点平面に配置されて方向付けられている。第1のスリット開口フィルタ108は、ライン照射源によってウエハによって散乱された一次光に関連付けられた一次ビーム300を送り、ウエハによって散乱されたライン照射ビームの二次光又はサイドローブに関連付けられた入射ビーム302をフィルタリングで除去する。
【0027】
少なくとも一つの実施形態では、第1のスリット開口フィルタ108は機械式フィルタを備えている。機械式フィルタは、より高い感度が必要とされる場合に、より大きなスリット開口を有してより多くの光を許容する機械式フィルタで置換可能であり得る。あるいは、少なくとも一つの実施形態では、第1のスリット開口フィルタ108は電子式フィルタを備える。電子式フィルタは、特定のアプリケーションに対するシステム感度について望まれるように、より大きい又はより小さい開口を作り出すように調整可能であり得る。
【0028】
図4を参照すると、
図1のウエハ検査システムの一部のクローズアップが示される。本開示の少なくとも一つの実施形態では、第2のスリット開口フィルタ110は第2の収集チャネルに関連付けられている。第2のスリット開口フィルタ110は、第2の収集チャネル光学系によって規定されるように、共焦点平面に配置されて方向付けられている。第2のスリット開口フィルタ110は、ライン照射源によってウエハによって散乱された一次光に関連付けられた一次ビーム400を送り、ウエハによって散乱されたライン照射ビームの二次光又はサイドローブに関連付けられた入射ビーム402をフィルタリングで除去する。
【0029】
少なくとも一つの実施形態では、第2のスリット開口フィルタ110は機械式フィルタを備えている。機械式フィルタは、より高い感度が必要とされる場合に、より大きなスリット開口を有してより多くの光を許容する機械式フィルタで置換可能であり得る。あるいは、少なくとも一つの実施形態では、第2のスリット開口フィルタ110は電子式フィルタを備える。電子式フィルタは、特定のアプリケーションに対するシステム感度について望まれるように、より大きい又はより小さい開口を作り出すように調整可能であり得る。
【0030】
図5を参照すると、本開示の実施形態を実行するためのコンピュータシステム500のブロック図が示される。このコンピュータシステム500は、プロセッサ502、プロセッサ実行可能なプログラムコードを具現化するためにプロセッサ502に接続されたメモリ504、及びプロセッサ502に接続された一つ又はそれ以上の検出器508、510、512を含む。いくつかの実施形態では、一つ又はそれ以上の検出器508、510、512の各々は、一つの収集チャネルに関連付けられている。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム500は、プロセッサ502に接続されたデータ記憶要素506を含む。いくつかの実施形態では、データ記憶要素506は、一つ又はそれ以上の照射プロファイル、及び一つ又はそれ以上の検出器508、510、512から受領された一つ又はそれ以上のラインイメージを記憶するように構成されている。
【0031】
いくつかの実施形態では、コンピュータシステム500はさらに、各検出器508、510、512に関連付けられて且つプロセッサ502に接続された電子式開口514、516、518を含み得る。いくつかの実施形態では、電子式開口514、516、518は、必要とされるように、より大きい又はより小さいスリット開口を作り出すように調整可能であり得る。
【0032】
図6を参照すると、本開示のある実施形態に従ってライン照射ウエハ検査システムにおける検査光学系を調整する方法を描いた流れ図が示される。第1のステップ600では、検査システムにおいて、一つ又はそれ以上の収集チャネルからのウエハ照射ラインイメージが、対応するスリット開口でフィルタリングされる。第2のステップ602では、一つ又はそれ以上の検出器が照射ラインイメージを受領する。
【0033】
第3のステップ604では、一つ又はそれ以上の検出器に接続されたプロセッサは照射ラインイメージを分析して、収集チャネルが所定の共焦点平面の位置で照射ラインイメージをフォーカスするように構成されているかどうかを決定する。第4のステップ606では、プロセッサは、収集チャネルの共焦点平面を調整する。共焦点平面は、収集チャネルにおける一つ又はそれ以上の光学要素の相対的又は絶対的な位置を変えることによって、ウエハ検査プロセスを実行するライン照射ウエハ検査システムにおける機械的要素を変えることによって、細いライン照射を生成する照射デバイスにおける電子又は光学要素を変えることによって、あるいは、ウエハ検査プロセスを実行するライン照射ウエハ検査システムにおける電子部品を変えることによって、調整され得る。
【0034】
あるいは、一つ又はそれ以上の検出器に接続されたプロセッサは照射ラインイメージを分析608して、検出器における照射ラインイメージが所望の位置にあるかどうかを決定する。プロセッサはそれから、スリット開口の位置、対応する収集チャネルにおける一つ又はそれ以上の光学要素の位置、ウエハ検査プロセスを実行するライン照射ウエハ検査システムにおける要素、細いラインを生成する照射デバイスにおける電子又は光学要素、あるいは、照射ラインイメージを所望の位置まで動かすウエハ検査プロセスを実行するライン照射ウエハ検査システムにおける電子部品の位置を、調整610し得る。
【0035】
いずれの実施形態でも、検査システムは、フィードバックループ調整プロセスにて、引き続く照射ラインイメージをフィルタリング600及び受領602し得る。
【0036】
本発明及びその付随した効果の多くが本発明の実施形態の前述の記述によって理解されるだろうと信じられる。様々な変化が、本発明の範囲及び思想から逸脱することなく、且つその材料の効果の全てを犠牲にすることなく、その形態、構造、及び構成部品の配置においてなされ得ることが明白であろう。ここでこれまでに記述された形態は、その単なる例示的な実施形態であり、そのような変化を内包し含むことが、以下の請求項の意図である。