(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
B65D 75/34 20060101AFI20241209BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
B65D75/34
G01N35/02 A
(21)【出願番号】P 2021037226
(22)【出願日】2021-03-09
【審査請求日】2024-01-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000224101
【氏名又は名称】ZACROS株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100155066
【氏名又は名称】貞廣 知行
(72)【発明者】
【氏名】市丸 直弘
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潤
(72)【発明者】
【氏名】吉田 弘幸
【審査官】杉田 剛謙
(56)【参考文献】
【文献】特公平07-106755(JP,B2)
【文献】特表2011-509218(JP,A)
【文献】特開昭53-091898(JP,A)
【文献】特開2003-090840(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0131277(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-59974(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 75/34
G01N 35/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の内容物を収容することが可能な第1の収容部および第2の内容物を収容することが可能な第2の収容部を一体に形成した容器本体部と、
前記第1の収容部の繰り返し開閉が可能な開閉部と、
前記第2の収容部を、前記第2の内容物を収容した状態において、前記第2の内容物が加熱されることなく、不可逆的に閉鎖することが可能な閉鎖部と、
前記容器本体部の端部を支持する外枠体と、を備え
、
前記容器本体部は、前記第1の収容部および前記第2の収容部の周囲をシールした包装フィルムにより形成され、前記開閉部および前記閉鎖部は、前記容器本体部から突出していることを特徴とする容器。
【請求項2】
検体と試薬を用いる検査用の容器であって、前記第1の内容物が少なくとも前記検体を含み、少なくとも前記第2の内容物が前記試薬を含むことを特徴とする請求項1に記載の容器。
【請求項3】
前記閉鎖部は、前記第2の収容部から離れた箇所で加熱封止することにより前記第2の収容部を閉鎖することを特徴とする請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
前記容器本体部は、前記第1の収容部から前記容器本体部の外側に向けて形成された第1の注出部と、前記第2の収容部から前記容器本体部の外側に向けて形成された第2の注出部と、を備えることを特徴とする請求項
1~3のいずれか1項に記載の容器。
【請求項5】
前記外枠体は、前記閉鎖部の先端部を包囲する天板部を有し、前記天板部には、前記閉鎖部の先端部を閉鎖する蓋材を備えることを特徴とする
請求項1~4のいずれか1項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の収容部を備える容器に関する。
【背景技術】
【0002】
医療、食品等の衛生的な内容物を取り扱う分野において、複数の内容物を収容するため、複数の収容部を有する容器が知られている。例えば、特許文献1には、樹脂フィルムまたはシートを剥離可能にヒートシールして設けた弱シール部によって容器内部が区画され、複数の内容物がそれぞれ隔離して収容される複室容器が記載されている。この種の複室容器では、いずれかの収容室を外部より押圧して、弱シール部を剥離し、収容室を連通させることにより、内容物を混合することができる。
【0003】
特許文献2には、一方のシート材に複数の収容室が形成された容器本体と、他方のシート材で収容室を閉じる蓋材とが、収容室の外側で高強度に、収容室の間で低強度にシールされ、収容室の底面に折れ線が延びている複室容器が記載されている。
特許文献3には、胴部フィルムおよび底部フィルムに形成した個々の袋体を裁断する製造方法において、少なくとも一方の胴部フィルムの包装袋の側部となる箇所に補強部材を接合し、補強部材を他のフィルムと熱溶着することが記載されている。
【0004】
特許文献4には、包装袋を複数の収納部に区分し、収納部の下端にプラスチック射出成形物からなる注出具が狭持して固着され、収納部の充填物を注出するための器具類が袋状体に被覆されている包装袋が記載されている。
特許文献5には、容器の押圧により内容物に開封圧力を生じさせて易開封部を開封させる容器において、易開封部に略T字状の細幅シール部を形成することが記載されている。
【0005】
特許文献6には、臨床検査分野において必要な試薬類が複数種類それぞれ別のウェル(くぼみ)に収容されている試薬パックを、測定キットとして測定装置に装着した上で所望の測定が行われることが記載されている。この試薬パックには、測定用の試薬を収容するウェル、測定に供される検体が注入されるウェル、検体と試薬とを混合するウェルがあり、各ウェルの開口部はラミネートフィルムで密閉されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第4412463号公報
【文献】特許第6632914号公報
【文献】特許第4313660号公報
【文献】特許第4686297号公報
【文献】特許第3995464号公報
【文献】特開2019-191054号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
医療等に関する検査において、加熱に対して不安定な成分を含む試薬等が使用される場合がある。このため、従来の包装袋を製造するときのように、内容物を注入した後でヒートシールをすると、内容物の品質を損ねるおそれがある。
また、特許文献6の試薬パックでは、検体の注入、ウェル間における試薬の移送等の目的で、測定装置が備えるノズル等を用いてラミネートフィルムを穿孔している。このため、試薬パックに検体を注入した後は直ちに測定を進める必要があり、検体を注入した容器を他の場所に移送することが困難である。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、加熱に対して不安定な成分を含む内容物が収容される場合であっても、内容物の品質を保持することができる容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、第1の内容物を収容することが可能な第1の収容部および第2の内容物を収容することが可能な第2の収容部を一体に形成した容器本体部と、前記第1の収容部の繰り返し開閉が可能な開閉部と、前記第2の収容部を、前記第2の内容物を収容した状態において、前記第2の内容物が加熱されることなく、不可逆的に閉鎖することが可能な閉鎖部と、を備えることを特徴とする容器を提供する。
【0010】
検体と試薬を用いる検査用の容器であって、前記第1の内容物が少なくとも前記検体を含み、少なくとも前記第2の内容物が前記試薬を含んでもよい。
前記閉鎖部は、前記第2の収容部から離れた箇所で加熱封止することにより前記第2の収容部を閉鎖してもよい。
【0011】
前記容器本体部は、前記第1の収容部および前記第2の収容部の周囲をシールした包装フィルムにより形成され、前記開閉部および前記閉鎖部は、前記容器本体部から突出していてもよい。
【0012】
前記容器本体部は、前記第1の収容部から前記容器本体部の外側に向けて形成された第1の注出部と、前記第2の収容部から前記容器本体部の外側に向けて形成された第2の注出部と、を備えてもよい。
【0013】
前記容器は、前記容器本体部の端部を支持する外枠体を備えてもよい。
前記外枠体は、前記閉鎖部の先端部を包囲する天板部を有し、前記天板部には、前記閉鎖部の先端部を閉鎖する蓋材を備えてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、加熱に対して不安定な成分を含む内容物が収容される場合であっても、内容物の品質を保持することができる。
また、第1の収容部に検体を注入する場合には、第1の収容部が開閉可能なので、容器を他の場所に移送することが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】実施形態の容器にキャップおよび蓋材を設けた例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、好適な実施形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
【0017】
<容器>
図1に示す容器100は、第1の内容物を収容することが可能な第1の収容部11および第2の内容物を収容することが可能な第2の収容部21を一体に形成した容器本体部40を備えている。
図2に示すように、容器本体部40には、第1の収容部11および第2の収容部21を閉鎖するため、キャップ14および蓋材24等の器具を設けることができる。
【0018】
第1の収容部11は、開閉部12とともに第1の容器10を形成している。開閉部12は、第1の収容部11の繰り返し開閉が可能である。開閉部12は、第1の収容部11に通じる経路を開いた後に再び閉じることができればよく、複数回の開閉を許容してもよい。開閉部12の先端部13は、例えばキャップ14により閉鎖することができる。キャップ14のように非加熱で開閉が可能な器具を用いることにより、第1の内容物が加熱に対して不安定な成分を含む場合であっても、第1の内容物の品質を保持することができる。第1の収容部11を繰り返し開閉する際に、第1の内容物が加熱されることなく開閉する場合は、開閉部12の少なくとも一部を加熱する方法を用いてもよい。例えば、第1の収容部11に第1の内容物を収容した後には、開閉部12の先端部13を加熱封止したり、キャップ14の周囲に加熱された材料を供給してキャップ14を固定したりしてもよい。
【0019】
第2の収容部21は、閉鎖部22とともに第2の容器20を形成している。閉鎖部22は、第2の内容物が加熱されることなく、不可逆的に閉鎖することが可能である。閉鎖部22の先端部23は、例えば蓋材24により仮に閉鎖することができる。閉鎖部22を形成するチューブのかしめにより第2の収容部21を閉鎖することも可能である。これにより、第2の内容物が加熱に対して不安定な成分を含む場合であっても、第2の内容物の品質を保持することができる。閉鎖部22の先端部23を加熱封止してもよい。閉鎖部22が加熱により変形可能な材料であれば、先端部23を加熱で潰してもよい。先端部23の周囲に加熱された材料を供給して先端部23を閉鎖してもよい。
【0020】
容器100の用途は特に限定されないが、例えば、検体と試薬を用いる検査用の容器として、好適に用いることができる。以下の説明では、第1の収容部11および第2の収容部21を総称して、収容部11,21という場合がある。収容部11,21の容量は、特に限定されないが、例えば、10μL~10mL程度の小容量でもよい。それぞれの収容部11,21の容量が同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
【0021】
容器100が上述の検査用途である場合、第1の収容部11に収容される第1の内容物は、検体を含むことができる。第1の収容部11には、検体のみを収容してもよく、検体を安定に保存する等の目的で、検体とともに、または、検体に先立って、試薬やその他、所望の薬剤を収容してもよい。容器本体部40に第1の収容部11を形成する個数は特に限定されず、第1の収容部11を容器本体部40に1個または複数形成することができる。検体とともに特定の試薬や薬剤を収容する必要がある場合は、先に試薬や薬剤を第1の収容部11に収容し、その後から検体を入れることも可能である。
【0022】
容器100が上述の検査用途である場合、第2の収容部21に収容される第2の内容物は、試薬を含むことができる。第2の収容部21には、試薬のみを収容してもよく、試薬とともに所望の薬剤を収容してもよい。容器本体部40に第2の収容部21を形成する個数は特に限定されず、第2の収容部21を容器本体部40に1個または複数形成することができる。容器100が第2の収容部21を複数有する場合は、それぞれの第2の収容部21に異なる試薬を収容してもよい。試薬は、少なくとも第2の収容部21に収容されることが好ましく、第1の収容部11および第2の収容部21に試薬を収容してもよい。
【0023】
容器本体部40は、収容部11,21の周囲をシール部42でシールした包装フィルム41により形成することができる。開閉部12および閉鎖部22は、容器本体部40から突出させることが好ましい。開閉部12および閉鎖部22の一部は、包装フィルム41に接合されてもよい。開閉部12および閉鎖部22の先端部13,23は、包装フィルム41の外側に露出される。
【0024】
図示例の容器100は、第1の容器10に対応して、第2の容器20を複数有する。第2の収容部21の間は、シール部42で分離されている。また、第2の収容部21と組み合わされる閉鎖部22は、第2の容器20ごとに独立して設けられている。これにより、それぞれの第2の収容部21に収容されている試薬は、互いに混合されないように、保存することができる。
【0025】
包装フィルム41は、開閉部12または閉鎖部22を挟み込むように、前後に対向して配置されてもよい。第1接合部45では、包装フィルム41が開閉部12と接合されている。第2接合部46では、包装フィルム41が閉鎖部22と接合されている。前側の包装フィルム41と後側の包装フィルム41とを収容部11,21の周囲でシールすることにより、所望の形状および容量を有する収容部11,21を形成することができる。
【0026】
収容部11,21に収容された内容物を収容部11,21から取り出すには、開閉部12および閉鎖部22とは異なる位置に配置された注出部15,25を用いてもよい。第1の容器10は、第1の収容部11から容器本体部40の外側に向けて形成された第1の注出部15を有する。第2の容器20は、第2の収容部21から容器本体部40の外側に向けて形成された第2の注出部25を有する。
【0027】
注出部15,25は、特に限定されないが、例えば、注射針の刺通が可能な中栓、蓋材等を含むポートであってもよい。中栓は、刺通した注射針を抜去したときに、注射針の跡に形成される穴を復元力で閉じることが可能なゴム等の弾性体を含んでもよい。蓋材は、刺通した注射針を抜去した後も、注射針の跡に形成される穴が残留してもよい。容器本体部40に予め注出部15,25を設けることなく、注射針を包装フィルム41に刺通して内容物を取り出してもよい。
【0028】
図示例の注出部15,25は、包装フィルム41の下端縁より上側で、容器本体部40に予め設けられる。特に図示しないが、注出部15,25が、包装フィルム41の突出部により形成されてもよい。この場合は、突出部が、包装フィルム41の下端縁より下向きに突出してもよい。突出部が、収容部11,21から突出する未シール部と、未シール部の周囲を閉鎖するシール部42を含んでもよい。突出部を含む注出部15,25を開封するには、未シール部に達する切込み等の破断部を包装フィルム41に形成してもよい。
【0029】
収容部11,21を有する容器本体部40が、予め注出部15,25を設けていない包装フィルム41から形成されてもよい。この場合は、内容物の注出が必要になってから、収容部11,21に通ずる注出部15,25を形成することも可能である。包装フィルム41に注出部15,25を形成するには、包装フィルム41の部分的な切断、開孔等を用いてもよい。
【0030】
注出部15,25以外の箇所で収容部11,21の周囲を囲むシール部42は、包装フィルム41がイージーピールよりも強い剥離強度でシールされていることが好ましい。シール部42の剥離強度としては、例えば、JIS Z0238(ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法)において、やや強いヒートシール強さとされる15N/15mm以上としてもよい。強シールによる剥離強度の具体例としては、例えば、15N/15mm、20N/15mm、23N/15mm、30N/15mm、35N/15mm、40N/15mm等、あるいは、これらの近傍又は中間の値が挙げられる。
【0031】
注出部15,25は、包装フィルム41のイージーピールにより形成されてもよい。イージーピールによる剥離強度としては、例えば、JIS Z0238(ヒートシール軟包装袋及び半剛性容器の試験方法)において、普通のヒートシール強さ以下とされる15N/15mm未満であってもよい。イージーピールによる剥離強度の具体例としては、例えば、1N/15mm、3N/15mm、6N/15mm、10N/15mm、12N/15mm等、あるいは、これらの近傍又は中間の値が挙げられる。
【0032】
イージーピールで注出部15,25を形成する場合は、強シールによる剥離強度と、イージーピールによる剥離強度との間に、シール部42が注出部15,25と同時に剥離しない程度の剥離強度差を設けることが好ましい。この剥離強度差としては特に限定されないが、例えば、1N/15mm以上が挙げられる。強シールによる剥離強度と、イージーピールによる剥離強度との差の具体例としては、1N/15mm、3N/15mm、5N/15mm、10N/15mm、20N/15mm等、あるいは、これらの中間又はそれ以上の値が挙げられる。
【0033】
イージーピールによる注出部15,25を用いると、収容部11,21を押圧したとき、収容部11,21に収容された内容物の圧力が増大して、注出部15,25に向けて圧力が作用する。内容物の圧力により、注出部15,25のイージーピールが剥離されて注出部15,25を開口することができる。これにより、収容部11,21に収容された内容物を注出することができる。収容部11,21の間はシール部42により分離されているので、押圧された収容部11,21に接する注出部15,25のみを開口させることができる。
【0034】
イージーピールによる注出部15,25を開口させる際、注出部15,25から離れた位置で、収容部11,21に治具等を接触させて押圧してもよい。この場合、注出部15,25の付近に治具等を接触させる必要がないため、注出部15,25から注出される内容物の汚染を抑制することができる。同時に、治具等が内容物で汚染されることも抑制することができる。
【0035】
容器本体部40は、注出部15,25の突出方向と交差する方向に、第1端部43および第2端部44を有する。複数の収容部11,21は、第1端部43と第2端部44との間に並列している。この場合は、装置や治具等を用いて収容部11,21が並列された方向に沿って容器本体部40を移動させることにより、収容部11,21に収容された内容物を順に処理することが容易になる。
【0036】
容器100は、容器本体部40を支持する外枠体30を備えてもよい。図示例の外枠体30は、収容部11,21の上部に、第2の容器20の位置に対応して、閉鎖部22の先端部23を包囲する天板部32と、第1の容器10の位置に対応して、開閉部12の周囲を包囲する段差部31とを有する。
【0037】
外枠体30は、容器本体部40において収容部11,21が並列する方向の両端部に、それぞれ第1側部33および第2側部34を備える。段差部31および天板部32は、第1側部33および第2側部34に支持されている。外枠体30に容器本体部40を支持する構造は特に限定されず、例えば、容器本体部40を挟み込む構造、容器本体部40を吊るす構造、容器本体部40を接着する構造等が挙げられる。特に図示しないが、段差部31または天板部32が、容器本体部40を支持する構造を備えてもよい。第1側部33および第2側部34が、容器本体部40を支持する構造を備えてもよい。
【0038】
図示例の外枠体30は、容器本体部40を挟み込む構造の一例として、第1スリット33aおよび第2スリット34aを有する。第1スリット33aは、第1側部33に形成され、容器本体部40の第1端部43を保持する。第2スリット34aは、第2側部34に形成され、容器本体部40の第2端部44を保持する。外枠体30の第1スリット33aおよび第2スリット34aに、それぞれ容器本体部40の第1端部43および第2端部44を挿入することにより、第1側部33と第2側部34との間で、容器本体部40が支持される。
【0039】
外枠体30の天板部32は、蓋材24の貼着面となっている。蓋材24を天板部32に貼着すると、蓋材24が閉鎖部22の先端部23を閉鎖することができる。また、蓋材24を天板部32から剥離すると、第2の収容部21に内容物を収容することができる。図示例のように、容器本体部40が第2の収容部21を複数備える場合であっても、蓋材24を用いて複数の閉鎖部22を一括して容易に閉鎖することができる。
【0040】
外枠体30の下端部35は、注出部15,25に近接する位置に開口部36を有する。このため、容器本体部40を外枠体30に支持させたまま、収容部11,21を押圧して、注出部15,25から内容物を注出することができる。
【0041】
<容器の製造方法>
実施形態の容器100において、開閉部12および閉鎖部22を有する容器本体部40を製造するには、前後の包装フィルム41を重ね合わせた間に開閉部12および閉鎖部22を挟み込み、収容部11,21を未シール、注出部15,25をイージーピール、シール部42を強シールとして包装フィルム41を接合する方法が挙げられる。
【0042】
包装フィルム41としては、従来、包装袋や包装容器の構成に利用される、樹脂を主体とするフィルム等の基材を好適に用いることができる。基材となる樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、環状オレフィン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド(PA)系樹脂、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリカーボネート(PC)、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
【0043】
包装フィルム41の基材を樹脂とする場合は、石油等の化石資源に由来する樹脂でもよく、植物等のバイオマスに由来する樹脂でもよい。包装フィルム41は、種類、由来、組成等が異なる樹脂をブレンドまたは積層して形成されてもよい。包装フィルム41は、樹脂以外に所望の添加剤を含有してもよい。添加剤としては、特に限定されないが、例えば、酸化防止剤、滑剤、アンチブロッキング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、着色剤、架橋剤等が挙げられる。
【0044】
包装フィルム41は、積層フィルム等の積層体であってもよい。前後の包装フィルム41の接合が、包装フィルム41の内面に含まれる樹脂材料の加熱によるヒートシールであると、加工が容易である。積層フィルム等の積層体を製造する方法としては、ドライラミネート法、押出ラミネート法、共押出法などが挙げられる。
【0045】
包装フィルム41は、必要に応じて、遮光性、ガスバリア性を有してもよい。積層フィルム等の積層体には、気体や紫外線のバリア性を高めるため、アルミニウム箔等の金属箔、金属蒸着層、セラミック等の無機質蒸着層、EVOH、PVDC等のバリア性樹脂などを積層してもよい。積層体には、紙、セロハン等を積層してもよい。包装フィルム41は、印刷層を有してもよい。印刷層は、容器本体部40の各部における表示を目的としてもよく、意匠性を目的としてもよい。
【0046】
注出部15,25とシール部42との間で剥離強度差を設ける手法は特に限定されないが、前後の包装フィルム41の間で、注出部15,25またはシール部42の少なくとも一方の領域に、塗布、パートコート等で異なる材料を介在させたり、表面処理を変更したりしてもよい。また、2種以上の材料を混合したポリマーブレンド等の組成物を用いて、シール温度等の加工条件を領域ごとに変更することで、領域ごとの剥離強度に差を設けてもよい。
【0047】
収容部11,21の形状、容量等を調整するため、包装フィルム41に凹部または凸部を形成してもよい。凹部または凸部は、収容部11,21の前後両方の包装フィルム41に形成されてもよく、片方の包装フィルム41に形成されてもよい。凹部または凸部の形成方法は、特に限定されないが、圧空成形、真空成形、深絞り成形、射出成形等が挙げられる。
【0048】
包装フィルム41の面に対する凹部または凸部の形状は、特に限定されないが、半球状、円柱状、円錐状、円錐台状、楕円柱状、楕円錐状、楕円錐台状、角柱状、角錐状、角錐台状などが挙げられる。凹部または凸部が、注出部15,25に向けて内容物を案内する形状を有してもよい。例えば、注出部15,25に向けて凹部または凸部の幅が先細り状になっていてもよい。先細り状の具体例としては、三角形状、台形状等が挙げられる。
【0049】
実施形態の容器100を製造するには、開閉部12および閉鎖部22を有する容器本体部40を外枠体30に装着し、開閉部12にキャップ14を取り付け、閉鎖部22の先端部23に蓋材24を貼り付ける方法が挙げられる。
【0050】
開閉部12、キャップ14および閉鎖部22を形成する材料は特に限定されないが、例えば、成形樹脂、エラストマー、金属等が挙げられる。成形樹脂としては、上述のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、フッ素系樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。エラストマーとしては、天然ゴム、合成ゴム、熱可塑性エラストマー等が挙げられる。金属としては、アルミニウム、スズ、亜鉛などが挙げられる。
【0051】
第1接合部45または第2接合部46において、開閉部12または閉鎖部22を包装フィルム41と接合するには、開閉部12または閉鎖部22と包装フィルム41との間に、シーラント剤、接着剤等を用いてもよい。開閉部12または閉鎖部22を包装フィルム41とヒートシール可能な材質から形成してもよい。包装フィルム41を開閉部12または閉鎖部22とヒートシール可能な材質から形成してもよい。
【0052】
外枠体30を形成する材料は特に限定されないが、例えば、成形樹脂、エラストマー、金属、紙、木材、パルプモールド等が挙げられる。成形樹脂は、石油等の化石資源に由来する樹脂でもよく、植物等のバイオマスに由来する樹脂でもよい。外枠体30を成形樹脂から形成する場合は、種類、由来、組成等が異なる樹脂をブレンドまたは積層してもよい。
【0053】
外枠体30等、容器100の少なくとも一部において、リサイクルで再生した再生樹脂を少なくとも一部に配合してもよい。樹脂のリサイクル方法は、ポリマーを化学的に分解せず、粉砕、洗浄等により物理的に再生するメカニカルリサイクルでもよく、ポリマーをモノマー等の原料へと化学的に分解してから樹脂等の材料を化学的に再生するケミカルリサイクルでもよい。
【0054】
第1の収容部11が空の状態で第1の容器10の開閉部12を閉鎖する方式は特に限定されないが、例えば、ネジ、嵌合などを用いることにより、繰り返しの開閉が可能になる。開閉の繰り返し回数は特に限定されないが、第1の収容部11が空の状態で開閉部12を閉鎖した後、第1の収容部11に内容物を注入する前にキャップ14を取り外し、内容物を注入した後で再び開閉部12を閉鎖できればよい。
【0055】
第2の収容部21が空の状態で第2の容器20の閉鎖部22を閉鎖する方式は特に限定されないが、内容物を注入する前に閉鎖部22を容易に開封することが可能な方式が好ましい。例えば、イージーピールフィルム、粘着フィルム、シュリンクフィルム等が挙げられる。上述したように、外枠体30の天板部32に蓋材24を貼り付けたときに、蓋材24が閉鎖部22の先端部23を覆うことにより、閉鎖部22を閉鎖することができる。
【0056】
収容部11,21に内容物を収容していない容器100を輸送する際、必要に応じて、軟包装袋、箱などの外装材を用いて容器100を保護してもよい。外装材は、必要に応じて、遮光性、ガスバリア性を有してもよい。
【0057】
<内容物の注入方法>
実施形態の容器100に内容物を注入するには、それぞれの収容部11,21に対して、所望の順序で内容物を注入することができる。第1の収容部11に第1の内容物を注入する第1注入工程と、第2の収容部21に第2の内容物を注入する第2注入工程の順序は特に限定されず、適宜設定することが可能である。
【0058】
第2注入工程を第1注入工程より先に実施してもよい。第1注入工程と第2注入工程とを同時に実施してもよい。第2注入工程を第1注入工程より後に実施してもよい。第2の収容部21が複数存在する場合は、特定の第2の収容部21に対して第1注入工程より先に内容物を注入し、特定の第2の収容部21に対して第1注入工程より後に内容物を注入してもよい。収容部11,21の内容物は、流動性を有する物が好ましく、液体、粉体、粒体等の流体が挙げられる。内容物の液体は、溶液、分散液、粘液等であってもよい。
【0059】
第1の収容部11に第1の内容物を注入するには、開閉部12を注入口として用いることができる。開閉部12からキャップ14を取り外し、開閉部12の先端部13から第1の内容物を注入した後、開閉部12からキャップ14に装着すればよい。第1の収容部11の加熱を抑制することにより、第1の内容物の品質を保持することができる。
【0060】
第2の収容部21に第2の内容物を注入するには、閉鎖部22を注入口として用いることができる。蓋材24を取り外して、閉鎖部22の先端部23から第2の内容物を注入した後、第2の内容物が加熱されることなく、閉鎖部22を不可逆的に閉鎖することができる。例えば、閉鎖部22を形成するチューブのかしめや、先端部23の加熱変形等により、閉鎖部22の流路断面積をつぶしてもよい。第2の収容部21の加熱を抑制することにより、第2の内容物の品質を保持することができる。
【0061】
閉鎖部22をかしめにより閉鎖する場合は、閉鎖した後のチューブの変形が不可逆的であれば、そのまま閉鎖部22の閉鎖状態を維持することができる。かしめをした後にチューブが変形から復元して閉鎖部22の流路が開くことを防止するために、かしめをした状態を維持する器具をチューブの周囲に取り付けてもよい。閉鎖部22をかしめる箇所は、特に限定されないが、閉鎖部22の先端部23を含んでもよく、先端部23をかしめから除外してもよい。
【0062】
閉鎖部22を確実に閉鎖するため、第2の収容部21に第2の内容物を注入した後、閉鎖部22の先端部23に対して加熱を含む方式で密封してもよい。例えば、第2の収容部21から離れた箇所で、チューブをヒートシールしてもよい。あるいは、ホットメルトの封止剤を閉鎖部22の先端部23に付着させてもよい。第2の収容部21に第2の内容物を注入した後には、非加熱の方式による閉鎖部22の閉鎖と、先端部23が加熱される方式を併用してもよい。
【0063】
収容部11,21に内容物を注入する際、容器100の周囲を窒素ガス等の不活性ガス雰囲気にしてもよい。収容部11,21に内容物を注入した後、収容部11,21を閉鎖する前に、収容部11,21に窒素ガス等の不活性ガスを吹き込んでもよい。開閉部12または閉鎖部22の流路の内壁部に内容物が付着することを抑制するため、流路より細い管を収容部11,21に達するまで挿入して、管の先端から内容物を注入してもよい。
【0064】
第1の収容部11に収容される第1の内容物が検体を含んでもよい。医療や獣医療等において、人体や家畜等の生体に由来する検体としては、特に限定されないが、血液(全血)、血漿、血清、尿、汗、リンパ液、唾液、喀痰、胃液、体腔液、体液、生体を洗浄して抽出された液、歯垢、血球、細胞、組織片、分泌物、排泄物などが挙げられる。検体は、生体から採取された検体に限らず、細菌、ウイルス、遺伝子等が含まれる試料でもよい。検体は、動物または植物に由来する試料でもよく、食品、化粧品、医薬品、薬剤等の工業製品に由来する試料でもよい。
【0065】
第1の収容部11には、検体の濃度、粘度等を調整したり、検体の保存性を向上したりする等の目的で、所望の薬剤を検体とともに、第1の収容部11に収容してもよい。例えば血液を検体とする場合は、抗凝固剤を加えてもよい。第1の収容部11に薬剤を収容する場合は、検体および薬剤を任意の方法で混合することができる。第1の収容部11に薬剤を注入した後で、検体を加えてもよい。第1の収容部11に検体を注入した後で、薬剤を加えてもよい。検体と薬剤との混合物を第1の収容部11に注入してもよい。第1の内容物は、少なくとも検体を含むことが好ましく、さらに第1の内容物が試薬を含んでもよい。
【0066】
第2の収容部21に収容される第2の内容物が試薬を含んでもよい。試薬は、複数の検体に対して共通する物質を用いてもよい。酵素、蛋白質、界面活性剤、希釈剤、洗浄剤、溶解剤、抽出剤、蛍光物質、発光物質、放射性同位体、プライマー(核酸断片)、無機塩類、有機物などが挙げられる。試薬は、少なくとも第2の内容物に含まれることが好ましく、さらに第1の内容物に試薬が含まれてもよい。
【0067】
少なくとも1つの収容部11,21に内容物を収容した容器100を輸送する際、必要に応じて、軟包装袋、箱などの外装材を用いて容器100を保護してもよい。外装材は、必要に応じて、遮光性、ガスバリア性を有してもよい。容器100に検体が収容されている場合に用いる外装材は、容器100に検体が収容されていない場合に用いる外装材と異なってもよい。
【0068】
検査用の容器100において、第1の収容部11は、検体を含む内容物を収容するための検体収容部としてもよい。第1の収容部11に検体を収容する前に、第2の収容部21には、検体と混合される試薬が収容されていてもよい。試薬が収容された第2の収容部21に通ずる閉鎖部22は、試薬が加熱されることなく、不可逆的に閉鎖されていてもよい。検査に試薬を2種以上用いる場合は、異なる収容部11,21に分けて試薬を収容してもよい。容器本体部40が第2の収容部21を2以上有する場合は、第2の収容部21の少なくとも1つに試薬が収容されていればよく、全ての第2の収容部21に試薬が収容されていてもよい。容器本体部40が、試薬を収容していない収容部11,21を有してもよい。
【0069】
検査用の容器100において、第1の収容部11は、検体のみを収容してもよく、検体以外の物質を含む内容物を収容してもよい。第1の収容部11には、検体を収容する前に、試薬が収容されていてもよい。この場合、第1の収容部11に試薬を収容した後で、開閉部12を閉鎖することができる。さらに、第1の収容部11に検体を注入する際に、開閉部12を開封することができる。検体を注入した後の第1の収容部11に対して、さらに試薬を注入してもよい。
【0070】
<内容物の処理方法>
実施形態の容器100は、検査機器、検査キット等の処理装置を用いて内容物を処理する用途に好適に用いることができる。
【0071】
処理装置は、容器100を搬送する搬送機構を備えてもよい。容器本体部40において、複数の収容部11,21が第1端部43と第2端部44との間に並列している場合は、収容部11,21が並列する方向に容器100を搬送してもよい。これにより、直線的な搬送を行う簡易な搬送機構を採用して、処理装置の簡略化が容易になる。
【0072】
処理装置は、収容部11,21を押圧する押圧機構を備えてもよい。収容部11,21がイージーピールによる注出部15,25を有する場合には、収容部11,21を押圧することで、内容物に触れることなく、注出部15,25を開口させて、内容物を注出することができる。
【0073】
複数の収容部11,21に収容された内容物を順に注出するには、搬送機構を用いて容器100を搬送しながら、押圧機構の位置にある収容部11,21を押圧することで、内容物を注出してもよい。容器100を移動させることなく、押圧機構を移動させて、収容部11,21を順に押圧することで、内容物を注出してもよい。
【0074】
処理装置は、収容部11,21から注出された内容物を受容する受け部を備えてもよい。受け部は、内容物を収容する容器等であってもよく、内容物を吸収する多孔材等であってもよい。受け部に用いる容器は、底部から立ち上がる側壁を有してもよく、天面から凹むくぼみ状でもよく、溝状であってもよい。受け部に用いる多孔材としては、紙、綿、布、不織布、スポンジ、キセロゲル等が挙げられる。
【0075】
受け部の上で、複数の収容部11,21から順に内容物を注出することにより、それぞれの内容物を同一の受け部に集めて混合することができる。受け部の内容物は、収容部11,21から注出された内容物のみでもよい。処理装置に備えられた他の物質を受け部に加えてもよい。処理装置は、受け部に注出された内容物の混合を促進したり、混合物の濃度、粘度等を調整したりする目的で、希釈剤等を備えてもよい。
【0076】
第1の収容部11に収容された第1の内容物が少なくとも検体を含み、第2の収容部21に収容された第2の内容物が試薬を含む場合には、受け部で検体を含む第1の内容物と、試薬を含む第2の内容物とを混合することにより、検体の検査を実施することができる。検体の検査としては、特に限定されないが、遺伝子検査、抗体検査、抗原検査、血小板凝集能検査、アレルゲン検査、腫瘍マーカー検査、成分検査、微生物検査、生化学検査、免疫検査などが挙げられる。
【0077】
実施形態の容器100は、複数の収容部11,21に内容物を独立して収容することができるため、第1の収容部11に内容物を収容する時期と、第2の収容部21に内容物を収容する時期を大きくずらすことも可能である。例えば、臨床現場等の医療現場で行われるPOCT(Point of Care Testing)の場合は、検体を採取する前に、少なくとも第2の収容部21に試薬を含む内容物が収容されている容器100を準備してもよい。この場合、検体を第1の収容部11に注入した後、容器100を処理装置で処理することにより、検査を実施することができる。
【0078】
検体を収容した第1の容器10は、キャップ14等の閉鎖器具により、容易に閉鎖することができるので、検体の採取から検査まで時間差が存在しても、第1の容器10内で検体を所定の時間保存することができる。このため、検査対象者から検体を採取した場所で検査を開始することも可能であるが、検体を採取した場所から離れた場所で検査を実施することも可能である。
【0079】
<容器の廃棄方法>
実施形態の容器100は、包装フィルム41を主体とした容器本体部40を、成形品を主体とした外枠体30に支持させた構造であるため、容器100を廃棄する前に容器本体部40と外枠体30とを分離してもよい。容器本体部40は、使用が1回限りの使い捨てにしてもよい。外枠体30は、使い捨てでもよく、複数回の使用を可能にしてもよい。
【0080】
医療用など、内容物の汚染(コンタミネーション)が好ましくない場合は、使い捨てか、別の用途に再利用することが好ましい場合もあるが、用途によっては、容器本体部40または外枠体30の使い捨てが必要ない場合もある。外枠体30を複数回使用することが許容される場合は、使用後の外枠体30を回収して洗浄、消毒等を施した後、容器100の製造に用いることもできる。外枠体30を再使用(リユース)することができる場合は、廃棄物の発生を抑制することができる。
【0081】
検体、試薬等の内容物を収容した容器100を廃棄するには、必要に応じて、軟包装袋、箱などの外装材に容器100を収容して、内容物の飛散等を抑制することが好ましい。容器本体部40が外枠体30に装着されたまま、容器100を回収してもよい。容器本体部40と外枠体30とを別々に回収してもよい。容器100および外装材がプラスチック、紙等の可燃物を主体として形成されていると、容器本体部40または容器100を外装材に収容したまま、省略が可能になるので、好ましい。
【0082】
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。
【0083】
実施形態の容器100の用途は、検査用の容器に限らず、包装用の容器など、所望の容器に利用することも可能である。内容物の種類としては、特に限定されないが、洗剤、薬剤、化粧品、医薬品、飲料、調味料、インキ、塗料、燃料等が挙げられる。
【符号の説明】
【0084】
10…第1の容器、11…第1の収容部、12…開閉部、13…開閉部の先端部、14…キャップ、15…第1の注出部、20…第2の容器、21…第2の収容部、22…閉鎖部、23…閉鎖部の先端部、24…蓋材、25…第2の注出部、30…外枠体、31…段差部、32…天板部、33…第1側部、33a…第1スリット、34…第2側部、34a…第2スリット、35…下端部、36…開口部、40…容器本体部、41…包装フィルム、42…シール部、43…第1端部、44…第2端部、45…第1接合部、46…第2接合部、100…容器。