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  • 特許-膜の位置制御を有する研磨ヘッド 図1A
  • 特許-膜の位置制御を有する研磨ヘッド 図1B
  • 特許-膜の位置制御を有する研磨ヘッド 図1C
  • 特許-膜の位置制御を有する研磨ヘッド 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-06
(45)【発行日】2024-12-16
(54)【発明の名称】膜の位置制御を有する研磨ヘッド
(51)【国際特許分類】
   B24B 37/30 20120101AFI20241209BHJP
   B24B 37/005 20120101ALI20241209BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20241209BHJP
【FI】
B24B37/30 E
B24B37/005 A
H01L21/304 622R
【請求項の数】 10
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023109245
(22)【出願日】2023-07-03
(62)【分割の表示】P 2022509021の分割
【原出願日】2020-08-20
(65)【公開番号】P2023162157
(43)【公開日】2023-11-08
【審査請求日】2023-08-21
(31)【優先権主張番号】62/890,024
(32)【優先日】2019-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/706,489
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】3050 Bowers Avenue Santa Clara CA 95054 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】スニガ, スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】グルサミー, ジェイ
【審査官】マキロイ 寛済
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-264005(JP,A)
【文献】特表2022-544783(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0264354(US,A1)
【文献】特開2014-223684(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 37/30
B24B 37/005
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学機械研磨のためのキャリアヘッドであって、
キャリア本体、
前記キャリア本体の下にあり前記キャリア本体に対して垂直方向に移動可能な膜アセンブリであって、当該膜アセンブリは、膜支持体と、当該膜支持体に固定され且つ当該膜支持体から垂下された膜とを含み、前記膜支持体の上方に位置する、前記キャリア本体と前記膜アセンブリとの間の空間が第1の加圧可能チャンバを提供し、前記膜が、前記膜支持体の下方で第2の加圧可能チャンバを画定する、膜アセンブリ、
前記キャリア本体によって支持されたセンサであって、当該センサから前記膜アセンブリの前記膜支持体までの距離を測定するように構成されたセンサ及び
前記センサから距離測定値を受信し、且つ圧力源を制御して前記距離測定値に基づいて前記第1の加圧可能チャンバを加圧するように構成されたコントローラを備える、キャリアヘッド。
【請求項2】
前記コントローラが、前記センサと前記膜支持体の間の距離が変化しても、前記膜アセンブリに対する一貫した全ダウンフォースを維持するように構成されている、請求項に記載のキャリアヘッド。
【請求項3】
前記膜支持体を前記キャリア本体に接続する撓み部材をさらに備えた、
請求項に記載のキャリアヘッド。
【請求項4】
前記膜支持体を前記キャリア本体に接続する撓み部材をさらに備えた、
請求項2に記載のキャリアヘッド。
【請求項5】
前記コントローラが、前記撓み部材から前記膜アセンブリへの荷重の変化を補償するように構成されている、請項4に記載のキャリアヘッド。
【請求項6】
前記コントローラが、前記距離測定値が減少するにつれて、前記加圧可能チャンバの圧力を減少させるように構成されている、請求項に記載のキャリアヘッド。
【請求項7】
前記撓み部材が、前記第1の加圧可能チャンバを密封する、請求項3から6のいずれか一項に記載のキャリアヘッド。
【請求項8】
前記キャリア本体が、ドライバシャフトに固定されるように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のキャリアヘッド。
【請求項9】
前記センサが、レーダ、レーザ、または、超音波センサである、請求項1から8のいずれか一項に記載のキャリアヘッド。
【請求項10】
前記センサの下方で前記膜支持体上にターゲットをさらに含、請求項1から9のいずれか一項に記載のキャリアヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化学機械研磨(CMP)において使用するためのキャリアヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、一般に、半導体ウエハ上に、導電体、半導体、または、絶縁体の層を連続して堆積することによって基板上に形成される。様々な製造プロセスが基板上の層の平坦化を必要とする。例えば、1つの製造工程は、平坦でない表面上に充填層を堆積させて、充填層を平坦化することを含む。幾つかの用途のために、充填層は、パターン化された層の上面が露出するまで平坦化される。例えば、金属層はパターン化された絶縁層上に堆積され、絶縁層のトレンチおよび孔を埋めることができる。平坦化の後、パターン化された層のトレンチおよび孔の中に残留した金属の部分はビア、プラグ、および、ラインを形成して、基板上の薄膜回路の間に導電路を提供する。他の一例として、誘電体層が、パターン化された導電層の上に堆積され得、それから、後続のフォトリソグラフィ工程を可能にするために平坦化され得る。
【0003】
化学機械研磨(CMP)は、1つの受け入れられている平坦化方法である。典型的には、この平坦化方法においては、基板がキャリアヘッドに載置されることが必要である。基板の露出された表面は、典型的には、回転研磨パッドに接触して配置される。キャリアヘッドは基板に制御可能な荷重を与えて基板を研摩パッドに押し付ける。典型的には、研摩粒子を有する研磨スラリが研摩パッドの表面に供給される。
【発明の概要】
【0004】
一態様においては、化学機械研磨のためのキャリアヘッドは、ドライバシャフトへの取り付けのためのハウジングと、上記ハウジングの下にある膜アセンブリであって、上記ハウジングと上記膜アセンブリとの間の空間が加圧可能チャンバを画定する、膜アセンブリと、上記ハウジング内のセンサであって、上記センサから上記膜アセンブリまでの距離を測定するように構成されたセンサとを含む。
【0005】
他の一態様においては、化学機械研磨システムは、研摩パッド、キャリアヘッド、およびコントローラを支持するプラテンを含む。キャリアヘッドは、ドライバシャフトへの取り付けのためのハウジングと、上記ハウジングの下の膜アセンブリと、加圧チャンバを画定する、上記ハウジングと上記膜アセンブリとの間の空間と、上記ハウジング内のセンサであって、上記センサから上記膜アセンブリまでの距離を測定するように構成された、センサとを含む。コントローラは、上記センサから測定値を受信するように構成され、上記測定値に基づいて上記加圧可能チャンバを加圧するように圧力源を制御するように構成される。
【0006】
上述の構成の利点は以下の点を含むが、これらに限定されるものではない。センサは、例えば、保持リングの摩耗による、このセンサと膜アセンブリ上のターゲットとの間の距離の変化を検出することができる。コントローラは、複数の研磨動作全体を通して基板にかかる一貫した荷重を維持するように、膜アセンブリの上側のチャンバ内の圧力を減ずることができ、したがって、ウエハ間の均一性を改善する。
【0007】
1つまたは複数の実施形態の詳細は、添付図面および以下の記述において説明される。他の態様、特徴、および利点は、これらの記述および図面から、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】キャリアヘッドの概略断面図である。
図1B図1Aのキャリアヘッドの一部の概略断面図である。
図1C図1Aのキャリアヘッドの一部の概略断面図である。
図2】キャリアヘッドの他の一実施形態の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
幾つかの研磨システムにおいては、研摩加工の間に基板へ圧力を加えるために、キャリアヘッド内の膜が用いられる。例えば、膜アセンブリより上側のチャンバは、基板に膜を押し付けるように加圧され得る。しかしながら、キャリアヘッドの保持リングが摩耗するにつれて、基板への荷重は増加し得、結果として、ウエハ間の不均一性を生ずる。例えば、保持リングが摩耗するにつれて、膜アセンブリをキャリアヘッドに接続している撓み部材の変位は増加し得、結果として、膜アセンブリに対してより大きなダウンフォースがかかる。このダウンフォースは基板にかかる荷重を増加させることになる。可能性のある解決法は、基板にかかる全荷重が相対的に一定のままであるように、撓み部材からのダウンフォースの如何なる変化も補償するように膜アセンブリにかかるチャンバ圧力を調整することである。
【0010】
しかしながら、更なる問題は、撓み部材から膜アセンブリにかかる実際のダウンフォースの直接測定が容易でないということである。しかし、キャリアヘッド上のセンサから膜アセンブリまでの距離は測定され得る。測定された距離が減少するにつれて、チャンバ圧力は減少し得、基板にかかる荷重の変化を減らす。これにより、リングの摩耗を維持することによって生ずるウエハ間の不均一性を減らすことができる。その場合、保持リングは、交換を必要とするまでに、より長い寿命を有し得る。
【0011】
図1Aから図1Cを参照すると、基板10は、キャリアヘッド100を有する化学機械研磨(CMP)装置によって研磨され得る。キャリアヘッド100は、上側キャリア本体104および下側キャリア本体106を有するハウジング102、(下側キャリア本体106の一部と考えられ得る)ジンバル機構108、ローディングチャンバ110、ハウジング102に接続された(例えば、上側キャリア本体104および/または下側キャリア本体106に接続された)保持リングアセンブリ(後述する)、ハウジング102に接続された(例えば、上側キャリア本体104および/または下側キャリア本体106に接続された)外リング400、および、膜アセンブリ500を含む。幾つかの実施形態においては、上側キャリア本体104および下側キャリア本体106は、単一の本体に置き換えられる。幾つかの実施形態においては、単一のリングのみであり、保持リング205または外リング400がない。
【0012】
上側キャリア本体104は回転可能なドライバシャフトに固定されており、キャリアヘッド100全体を回転させることができる。上側キャリア本体104は、通常、円形でありえる。キャリアヘッド100の空気圧制御のために上側キャリア本体104を貫通して延びる通路が存在し得る。下側キャリア本体106は、上側キャリア本体104の下に位置し、上側キャリア本体104に対して垂直方向に移動可能である。ローディングチャンバ110は、上側キャリア本体104と下側キャリア本体106との間に位置して、荷重(すなわち、下向き圧力または加重)を下側キャリア本体106に加える。また、研摩パッドに対する下側キャリア本体106の垂直方向位置もローディングチャンバ110によって制御される。幾つかの実施形態においては、研摩パッドに対する下側キャリア本体106の垂直方向位置はアクチュエータによって制御される。
【0013】
ジンバル機構108は、上側キャリア本体104に対する下側キャリア本体106の横方向の動きを防止すると共に、上側キャリア本体104に対するジンバル動作および垂直移動を下側キャリア本体106ができるようにする。しかしながら、幾つかの実施形態においてはジンバルはない。
【0014】
基板10は、保持リング205によって保持され得る。保持リングアセンブリ200は、保持リング205にかかる圧力を制御するために環状チャンバ350を提供するように成形された保持リング205およびフレキシブル膜300を含むことができる。保持リング205は、フレキシブル膜300の下に配置され、例えば、クランプ250によってフレキシブル膜300に固定され得る。保持リング205にかかる荷重は研摩パッド30に荷重を提供する。保持リング205にかかる独立の荷重は、上記リングが摩耗するときに上記パッドにかかる荷重を一定にすることを可能にできる。
【0015】
保持リング205が基板10を保持して、能動的なエッジプロセス制御を提供するように構成され得ると共に、外リング400は、研摩パッドの表面に対するキャリアヘッドの位置決めまたは参照基準(referencing)を提供し得る。
【0016】
キャリアヘッドの各チャンバは、上側キャリア本体104および下側キャリア本体106を貫通する通路によって関連する圧力源(例えば、圧力源922)に流体的に連結され得る。圧力源は、例えば、ポンプ、あるいは、圧力または真空ラインである。フレキシブル膜300の環状チャンバ350のための、ローディングチャンバ110のための、下側の加圧可能チャンバ722のための、および個別に加圧可能なインナーチャンバ650の各々のための、1つまたは複数の通路が存在し得る。下側キャリア本体106からの1つまたは複数の通路は、ローディングチャンバ110の内側で、またはキャリアヘッド100の外側で延びるフレキシブルチューブによって、上側キャリア本体104内の複数の通路にリンクされ得る。各チャンバの加圧は独立に制御され得る。具体的には、各チャンバ650の加圧は独立に制御され得る。これによって、研摩加工の間、異なる圧力が基板10の異なる半径方向領域に印加され得、それにより、均一でない研摩速度を補償する。
【0017】
膜アセンブリ500は、膜支持体716、外膜700、および、内膜600を含むことができる。外膜700は、内膜600に接触するように配置され得る内表面702と、基板10のための取付面を提供することができる外表面704とを有する。外膜700のフラップ(flap)734は、膜支持体716に固定され、膜支持体716とクランプ736との間にクランプされたリップ(lip)714を有し得る。クランプ736は、ファスナ、ネジ、ボルト、または、他の類似の締め具によって下側キャリア本体106に固定され得る。フラップ734は、下側加圧可能チャンバ722とチャンバ724とを隔てることができる。下側加圧可能チャンバ722は、内膜600の底部および内膜600の側面全体に亘って延びるように構成される。内膜600は、下側加圧可能チャンバ722と膜支持体716との間に位置する。上側加圧可能チャンバ726は、(膜支持体716を含む)膜アセンブリ500と下側キャリア本体106とによって形成される。上側加圧可能チャンバ726は、撓み部材900により、撓み部材900より上にある(キャリアヘッド100の外側へベント(vent)できる)チャンバ728から密封される。
【0018】
外膜700は、基板10の大部分または全体に下向き圧力を加えることができる。下側加圧可能チャンバ722内の圧力は、外膜700の外表面704が基板10に圧力を加えるように制御され得る。
【0019】
任意選択で、内膜600は、互いに対して垂直方向に動くことができる複数の個別に加圧可能なチャンバ650を画定することができる。(すなわち、個別に加圧可能なチャンバ650の間に位置する間隙655の上にある内膜600の撓み部分656を介して、個別に加圧可能なチャンバ650の各々が、他の個別に加圧可能なチャンバ650に対して垂直方向に動くことができる)。内膜600のリップ652は、クランプ660を用いて膜支持体716に固定されるように構成される。クランプ660は、ファスナ、ネジ、ボルト、または、他の類似の締め具によって膜支持体716に固定され得る。各インナーチャンバ650は、内膜600の対応する部分に下向き圧力を個別に加えることができる。そのとき、内膜600の対応する部分は、外膜700の対応する部分に下向き圧力を加えることができる。その後、外膜700の対応する部分は、基板10の対応する部分に下向き圧力を加えることができる。
【0020】
幾つかの実施形態においては、膜アセンブリ500は、内膜600および外膜700を有する代わりに、膜支持体716に固定される単一の膜を有することができる。
【0021】
図1Aおよび図1Bを参照すると、下側キャリア本体106は、撓み部材900を用いて膜アセンブリ500に接続され得る。撓み部材900は、いくつか例を挙げると、ファスナ902、例えば、接着剤、ネジ、ボルト、クランプを用いて、または噛み合わせ(interlocking)によって、ハウジング102(例えば、下側キャリア本体106)および膜アセンブリ500に接続され得る。
【0022】
撓み部材900は、ゴム、例えば、シリコーンゴム、エチレンプロピレンジエン三元重合体(EPDM)、または、フルオロエラストマ、あるいは、プラスチックフィルム、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または、ポリオキシメチレンのようなフレキシブルな材料から作られ得る。撓み部材900は、膜アセンブリ500をハウジング102の下の中央に位置させた状態を保つために横方向の動きに抵抗するように十分に堅くすることができる。しかしながら、撓み部材900は、膜アセンブリ500の、ハウジング102に対して垂直方向の動きを許容するために、垂直方向には十分に可撓性を有し得る。
【0023】
撓み部材900は、撓み部材900が曲がる、例えば、屈曲変位することを許容することによって、膜アセンブリ500が下側キャリア本体106に対して垂直方向に動くことを許容できる。撓み部材900が撓曲するにつれて、撓み部材900によって膜支持体716に、したがって、基板10に加えられた圧力は増減し得る。
【0024】
コントローラ910は、キャリアヘッド100の様々なチャンバの圧力を調節するために用いられ得る。コントローラ910は、複数の圧力源922(1つの圧力源922が図示されているが、複数の圧力源922が存在することが可能である。)、圧力源924、および、圧力源926に連結され得る。圧力源922、924、926は、例えば、ポンプ、施設のガスライン、および制御可能なバルブ等であり得る。各圧力源922は個別に加圧可能なインナーチャンバ650に接続され得、圧力源924は下側加圧可能チャンバ722に接続され得、圧力源926は上側加圧可能チャンバ726に接続され得る。
【0025】
センサ930は、圧力源922、924、926、個別に加圧可能なインナーチャンバ650、下側加圧可能チャンバ722、および上側加圧可能チャンバ726の圧力を測定することができる。センサ930は、測定された圧力をコントローラ910に伝えることができる。コントローラ910は、圧力源922、924、926に、個別に加圧可能なインナーチャンバ650、下側加圧可能チャンバ722、および/または、上側加圧可能チャンバ726の圧力を、増加かつ/または減少させることができる。
【0026】
キャリアヘッド100が研磨動作を実行するにつれて、保持リング205および/または外リング400は磨り減り得る。保持リング205および/または外リング400が磨り減るにつれて、撓み部材900は、膜支持体716に、それにより基板10に、増加した下向き圧力を加えるように撓曲する。結果として基板10の研摩速度が増加する。
【0027】
図1Aおよび図1Bを参照すると、結果として基板10へかかる荷重(すなわち、加えられる圧力)が増加することになる保持リング205および/または保持リング400の摩耗を補償するために、上側加圧可能チャンバ726内の圧力は、基板10にかかる一定の全荷重を維持するように調整され得る。
【0028】
必要な圧力の変化を決定するために、センサ950は、センサ950からターゲット954までの距離の変化の距離を測定することができ、コントローラ910は、センサ950からの信号に基づいて距離の変化を検出することができる。センサ950は、レーダ、レーザ、オプティカル、超音波、または、他の類似の近接センサであり得る。
【0029】
センサ950は、キャリアヘッド100に固定され得る。例えば、下側キャリア本体106内に位置する。センサ950は、センサ950とターゲット954との間の距離を測定するために配置される。例えば、ターゲット954は、センサ950の下の膜アセンブリ(例えば、膜支持体716の上面)の上面の一部であり得る。
【0030】
図2を参照すると、幾つかの実施形態においては、センサ950は上側キャリア本体104に固定され得る。ウインドウ952は、センサ950とターゲット954との間に位置し、下側キャリア本体106を貫通する。このウインドウは、センサ950が、様々なチャンバ、例えば、ローディングチャンバ110または上側加圧可能チャンバ726の圧力に影響を及ぼすことなしに、センサ950とターゲット954との間の距離を測定することを可能にする。チャンバ110は、センサ950による距離の測定を実行する前に上側キャリア本体104に対して上方へ下側キャリア本体106を引き抜くように減圧され得る。このことにより、下側および上側キャリア本体間の引き離しが、測定された距離の可変性に寄与しないことを確実にすることができる。
【0031】
図に一旦戻る。更に、センサ950は、コントローラ910に接続され得、測定された距離または測定された距離の変化(例えば、保持リング205および/または保持リング400の摩耗により減少した距離)をコントローラ910に報告することができる。次に、コントローラ910は、圧力源926に、上側加圧可能チャンバ726の圧力を減少させ、基板10にかかる荷重を維持させることできる。
【0032】
コントローラ910は、センサ950とターゲット954との間の測定された距離に基づいて上側加圧可能チャンバ726の圧力を調整するように構成され得る。すなわち、撓み部材900が撓曲してセンサ950とターゲット954との間の距離を減少すると、これにより、撓み部材900によって基板10に加えられる圧力が増加し、コントローラが、撓み部材900によって加えられた増加した圧力を補償するために上側加圧可能チャンバ726の圧力を減少させるように、コントローラ910は構成され得る。
【0033】
上側加圧可能チャンバ726の圧力は、センサ950とターゲット954との間の測定された距離の関数であり得る。例えば、センサ950とターゲット954との間の測定された距離が減少するにつれて、上側加圧可能チャンバ726の圧力は減少することができる。コントローラ910は、例えば、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶されたデータによって表される研摩加工方策からの意図された圧力と、センサ950からの、距離の測定値とを受信することができる。コントローラは、意図された圧力および距離測定値に基づいて上側加圧可能チャンバ726のための変更された圧力を算出する。上側加圧可能チャンバ726の圧力を減少させる量は、圧力の変化を距離に関連させるルックアップテーブルに記憶され得る。圧力の変化は、距離の非線形関数であり得、撓みの設計に依存し得る。加えて、圧力の変化は、圧力変化の絶対値、または意図された圧力に対する変化のパーセンテージとしてルックアップテーブルに記憶され得る。変更された圧力を算出するために、例えば、変化のタイプに基づき必要に応じて引算または掛算によって、この変化は意図された圧力に対して適用される。
【0034】
距離と圧力差との間の関数関係を決定するために、距離の測定値と膜アセンブリ500からの全下向き圧力との一続きの対が、異なる量の摩耗を有する複数の保持リングを用いて作られ得る。具体的には、保持リングはキャリアヘッド上に取り付けられ得、キャリアヘッドは、圧力センサ、例えば、圧力センサパッドの上に配置され、上側加圧可能チャンバ726を、各組の測定値に対して一定の圧力にする。そのとき、距離はセンサ950によって測定され、膜アセンブリ500から加えられた総圧力は他のセンサ、例えば、圧力センサパッドによって測定される。測定値の複数の対は、距離測定値の関数として、加えられた圧力の増加を提供することができる。上側加圧可能チャンバ726が、加えられた全圧力を一定の圧力に戻すための圧力オフセットは、測定された距離の関数としてこのデータから算出され得る。
【0035】
本明細書において記載されているシステムのコントローラおよび他のコンピューティングデバイスの部分は、デジタル電子回路に、あるいは、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、または、ハードウェアに実装され得る。例えば、コントローラはプロセッサを含み、コンピュータプログラム製品、例えば、非一時的な機械可読記憶媒体に記憶されたコンピュータプログラムを実行することができる。そのようなコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、または、コードとも称する)は任意の型のプログラミング言語(コンパイルまたはインタープリットされた言語を含む)で記述され得、スタンドアロンプログラムとして、あるいは、モジュール、コンポーネント、サブルーチン、または、コンピューティング環境における使用に適している他のユニットを含む任意の形で展開され得る。
【0036】
コントローラの文脈において、「構成される(configured)」は、(所望の機能を実行するために単にプログラム可能であることとは対照的に)コントローラが、動作中に所望の機能を実行するために必要なハードウェア、ファームウェアまたはソフトウェア、あるいは、組合せを有していることを示す。
【0037】
本明細書は多くの特定の実施形態の詳細を含むが、これらの記述は、如何なる発明または特許請求された事項に対する限定として解釈されるべきではなく、むしろ、特定の発明の特定の実施形態に特有の特徴の記述として解釈されるべきである。別々の実施形態の文脈において本明細書に記載されている特定の特徴は、また、単一の実施形態において組み合わせられて実装され得る。逆に、単一の実施形態の文脈において記載されている様々な特徴は、また、複数の実施形態において、別々にまたは任意の適切な部分的組合せとして実装され得る。更に、複数の特徴が特定の組合せで機能するものとして上に記述され、そのように最初に特許請求さえされているが、特許請求された組合せに基づく1つまたは複数の特徴は、幾つかの場合には、その組合せに基づいて実行され得、その特許請求された組合せは、1つの部分的組合せ、または、1つの部分的組合せの変形に向けられ得る。
【0038】
本発明の多くの実施形態が記載された。にもかかわらず、様々な修正が本発明の趣旨および技術範囲から逸脱することなく為され得ることが理解されよう。したがって、他の実施形態も添付の特許請求の範囲の技術範囲内にある。
図1A
図1B
図1C
図2