IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社SUMCOの特許一覧

<>
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図1
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図2
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図3
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図4
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図5A
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図5B
  • 特許-エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法 図5C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20241210BHJP
   G01L 1/00 20060101ALI20241210BHJP
   G01L 1/24 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
G01N21/956 A
G01L1/00 B
G01L1/24 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020205733
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092809
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木瀬 翔太
【審査官】平田 佳規
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/078127(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/146853(WO,A1)
【文献】特開2010-287754(JP,A)
【文献】特開2007-214491(JP,A)
【文献】特開2012-074719(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0021097(US,A1)
【文献】特開2004-101235(JP,A)
【文献】村田学術振興財団年報,2019年06月,第33号,第270~272頁
【文献】材料,2002年09月15日,第51巻 第9号,第966~970頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84- G01N 21/958
G01N 21/00- G01N 21/01
G01N 21/17- G01N 21/61
G01N 23/00- G01N 23/2276
G01N 25/00- G01N 25/72
G01N 27/72- G01N 27/9093
G01B 7/00- G01B 7/34
G01B 11/00- G01B 11/30
G01L 1/00
G01L 1/24
H01L 21/18- H01L 21/20
H01L 21/34- H01L 21/36
H01L 21/64- H01L 21/66
H01L 21/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エピタキシャルウェーハに、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥がある場合に、前記エピタキシャルウェーハに赤外光を照射し、光弾性効果により生じた偏光状態変化を解析し、応力を受けた部分の歪を測定するウェーハストレス測定により前記エピタキシャルウェーハの残留応力を求め、
前記残留応力が所定値以上の場合は、前記スリップ転位欠陥であると判定し、前記残留応力が前記所定値未満である場合は、前記ミスフィット転位欠陥であると判定するエピタキシャルウェーハの検査方法。
【請求項2】
前記エピタキシャルウェーハの検査面に検査光を照射し、その散乱光に基づいて、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥の有無を判定する請求項1に記載のエピタキシャルウェーハの検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エピタキシャルウェーハの欠陥検査方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レーザー光で半導体基板の表面を螺旋状に走査し、当該表面からの散乱光の特定方向における特定散乱光情報を取得し、この特定散乱光情報から、半導体基板の結晶すべり面に沿って発生する結晶欠陥の有無を検出する表面検査装置が知られている(たとえば、特許文献1)。また、偏光された平行光を半導体基板に照射し、当該半導体基板を透過または反射した光により得られた画像から、半導体基板の結晶品質を評価する方法が知られている(たとえば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-214491号公報
【文献】特表2017/078127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、シリコンエピタキシャルウェーハの結晶欠陥として、外部から加わる熱的又は物理的なストレスに起因するスリップ転位欠陥と、基板とエピタキシャル層界面での格子不整合に起因するミスフィット転位欠陥がある。しかしながら、上記特許文献1に記載された表面検査装置では、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥の何れもが、同じような線状欠陥として観察されるので、これらを識別できないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、スリップ転位欠陥とミスフィット転位欠陥を識別できるエピタキシャルウェーハの検査方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、エピタキシャルウェーハに、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥がある場合には、ウェーハストレス測定により前記エピタキシャルウェーハの残留応力を求め、
前記残留応力が所定値以上の場合は、前記スリップ転位欠陥であると判定し、前記残留応力が前記所定値未満である場合は、前記ミスフィット転位欠陥であると判定することによって上記課題を解決する。なお、ウェーハストレス測定は、ウェーハに赤外光を照射し、応力を受けた部分が、光弾性効果により生じた偏光状態変化を解析し、歪として測定する。
【0007】
上記発明において、前記エピタキシャルウェーハの検査面に検査光を照射し、その散乱光に基づいて、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥の有無を判定してもよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エピタキシャルウェーハに、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥が発見されたら、ウェーハストレス測定により残留応力を測定し、残留応力が大きい場合にはスリップ転位欠陥であると判定するので、スリップ転位欠陥とミスフィット転位欠陥を識別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明のエピタキシャルウェーハの検査方法の一実施の形態を示す工程図である。
図2図1の表面検査工程で用いられる表面検査装置の一例を示す構成図である。
図3図1の残留応力検査工程で用いられるウェーハストレス測定装置の一例を示す構成図である。
図4】エピタキシャルウェーハの転位欠陥の一例を示す図である。
図5A図3のウェーハストレス測定装置の出力波形を示す図である。
図5B図5Aの出力波形をフィルタリングした波形あとの波形を示す図である。
図5C】GBA法を用いて、図5Bの波形から相対歪量を求める方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のエピタキシャルウェーハの欠陥検査方法の一実施の形態では、外部から加わる熱的又は物理的な応力に起因するスリップ転位欠陥と、基板とエピタキシャル層界面での格子不整合に起因するミスフィット転位欠陥とを検査対象とする。
【0011】
ここで、スリップ転位とは、ウェーハの半径方向に温度の不均一性がある場合などのように、円周方向に降伏値を超える応力が働くことで発生する線状の段差をいう。熱的要因による結晶領域の部分的な滑りであるため、エピタキシャルウェーハにあっては、エピタキシャル成長させる際の成長炉のヒータ温度条件を調整したりすることで、スリップ転位を抑制することができる。
【0012】
これに対して、不純物濃度が高いシリコン基板では、不純物原子の原子半径がシリコン原子の原子半径と異なるため、結晶格子定数が僅かに変化し、低不純物濃度のエピタキシャル層に膜歪が作用する。ミスフィット転位とは、当該膜中の歪が臨界値に達したときに発生する線状の段差をいう。エピタキシャル膜とシリコン基板との結晶格子定数の相違が原因で生じる転位であるため、エピタキシャル膜とシリコン基板の不純物濃度を調整したり、エピタキシャル膜とシリコン基板との間に中間濃度の緩衝層を設けたりすることで、ミスフィット転位を抑制することができる。
【0013】
このように、いずれの欠陥も線状の段差であり目視観察では判別できないが、上述したとおりその対策法が全く異なることから、これらの転位欠陥を識別することは、エピタキシャルウェーハの製造工程の稼働率や製品歩留まりを高めるためには重要なことである。勿論、これらスリップ転位欠陥とミスフィット転位欠陥は、エピタキシャルウェーハの断面をX線測定装置にて測定し、観察することで、識別することはできる。しかしながら、破壊検査は、製造工程においてリアルタイムで実施することはできないから、識別結果が得られるまでは、製造工程の稼働率や製品歩留まりは低下する。
【0014】
そこで、本実施形態の検査方法では、転位欠陥の原因の相違に着目し、識別不能なスリップ転位欠陥又はミスフィット転位欠陥が観察されたら、ウェーハストレス測定によりエピタキシャルウェーハの残留応力を求め、求められた残留応力が所定値以上の場合は、応力が原因で発生するスリップ転位欠陥であると判定し、残留応力が所定値未満である場合は、応力とは無関係の結晶格子定数の相違が原因で発生するミスフィット転位欠陥であると判定する。
【0015】
図1は、本発明のエピタキシャルウェーハの検査方法の一実施の形態を示す工程図である。本実施形態のエピタキシャルウェーハの検査方法では、ステップS1においてエピタキシャルウェーハの表面検査を行い、ステップS2においてエピタキシャルウェーハの表面に、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥があるか否かを判定する。スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥DFは、図4に示すように線状に延びる段差として観察されるので目視によっても検査することができるが、図2に示す表面検査装置1を用いて行うと、転位欠陥の検査をより正確に行うことができる。
【0016】
図2は、図1のステップS1の表面検査工程で用いられる表面検査装置1の一例を示す構成図である。検査対象であるエピタキシャルウェーハWFは、可動テーブル11に載置され、可動テーブル11がXY平面上を動くことにより、エピタキシャルウェーハWFの表面全体にレーザー光が照射される。検査光であるレーザー光は、第1レーザー発振器12と第2レーザー発振器13にて生成され、第1レーザー発振器12で生成されたレーザー光は、エピタキシャルウェーハWFの表面に垂直入射光として照射され、第2レーザー発振器13で生成されたレーザー光は、エピタキシャルウェーハWFの表面に斜方入射光として照射される。特に限定はされないが、垂直入射光により、スクラッチ、エピタキシャル欠陥、フィルム内欠陥などを検査することが好ましく、斜方入射光は、高感度測定、ラフネスの高いウェーハ測定、ヘイズ(Haze)などに用いることが好ましい。
【0017】
エピタキシャルウェーハWFの表面に照射されたレーザー光の反射光は、楕円体形状とされた集光器14を介して第1光電子増倍管15で受光されると同時に、レンズ16及びミラー16bを介して第2光電子増倍管16で受光される。特に限定はされないが、第1光電子増倍管15で受光されるレーザー光は、微小なパーティクルやヘイズの測定に用いることが好ましく、第2光電子増倍管16で受光されるレーザー光は、線状欠陥、スクラッチ、COP(ボイド欠陥)、エピタキシャル欠陥などに用いることが好ましい。
【0018】
本実施形態の表面検査装置1を用いてエピタキシャルウェーハWFの表面を走査した場合、鏡面状態の表面からの反射レーザー光はそのまま受光される一方、当該表面に異物の付着やピットなどの段差があるとレーザー光は散乱光となって第1光電子増倍管15及び第2光電子増倍管16に受光される。これにより、スリップ転位欠陥及びミスフィット転位欠陥を含む転位欠陥DFがあるか否かを判定することができる。
【0019】
図1に戻り、ステップS1,S2の表面検査により線状欠陥がないと判定された場合には、ステップS5へ進み、スリップ転位欠陥及びミスフィット転移欠陥はないとする。これに対してステップS1,S2の表面検査により線状欠陥があると判定された場合には、ステップS3へ進み、ウェーハストレス測定によりエピタキシャルウェーハの残留応力を検査する。図3は、図1のステップS3の残留応力検査工程で用いられるウェーハストレス測定装置2の一例(SIRD(Scanning InfRed Depolarization)測定装置)を示す構成図である。
【0020】
本実施形態のウェーハストレス測定装置2は、赤外レーザー発振器21を備え、当該赤外レーザー発振器21から発信された赤外光は、レンズ22を通過して偏光子23に入射する。赤外光は、この偏光子23において直線偏光されたのち、検査対象であるエピタキシャルウェーハWFに対して略垂直に入射する。エピタキシャルウェーハWFに入射した赤外光は、エピタキシャルウェーハWに歪がある場合には、この歪に応じて円偏光されて減衰する。
【0021】
エピタキシャルウェーハWFを透過した赤外光は、対物レンズ24を通過して、偏光分離素子25に入射する。赤外光は、この偏光分離素子25において、直線偏光されている成分と、エピタキシャルウェーハWFの歪箇所において円偏光された成分とに分離される。分離された赤外光の成分は、それぞれ別のフォトダイオード26,27に入射する。
【0022】
各フォトダイオード26,27は、入射した赤外光の成分の強度を検出し、検出結果を処理部28に出力する。処理部28は、入力された強度に基づいて、直線偏光成分と、円偏光成分との差分を歪量として検出する。このような、歪量を検出する処理を、エピタキシャルウェーハWFを回転させ、また、赤外光の照射されるエピタキシャルウェーハWFの半径方向の位置を変更して行うことにより、エピタキシャルウェーハWF上の表面の各位置における歪量を検出する。このような検出処理において、検出された歪量の波形(歪波形)は、図5Aに示すような波形をしている。この歪波形には、エピタキシャルウェーハWFにおけるボロン、リン等のドーパント濃度に起因する歪成分や、エピタキシャルウェーハWFの全体的な反り等に起因する歪成分が含まれている。
【0023】
そこで、処理部28は、歪波形から局所的な歪成分を抽出するために、ドーパント濃度や、ウェーハの全体的な反りによる歪成分に相当する長波長の歪成分を歪波形から除外するフィルタリング処理、すなわち浮動平均差分処理を行う。図5Aに示す歪波形に、浮動平均差分処理を行うと、図5Bに示すように長波長の成分が除外された歪波形が得られる。
【0024】
次いで、処理部28は、GBA法を用いて、歪波形に基づいて、相対歪量を求める。すなわち、処理部28は、ウェーハWの全面に所定のグリッドの格子を当てがい、所定の領域における全てのセルの数に対する所定の閾値を超えた歪が発生しているセルの数の割合を示す相対歪量を検出する。図5Cには、歪波形におけるグリッド位置を示しており、グリッド間がセルの歪を示している。
【0025】
ここで、グリッドとしては、直交座標系のグリッド(X-Yグリッド)や、極座標系のグリッド(R-Tグリッド)を用いることができる。本実施形態では、例えば、1mm×1mmのセルを構成するグリッドを用い、ウェーハWの最外周の例えば5mm幅の円環状の領域から最外周の0.5mm幅の円環状の領域を除いた領域を対象に相対歪量を検出している。
【0026】
このようなウェーハストレス測定装置2により、エピタキシャルウェーハWFの残留応力を示す相対歪量を求めることができる。図1に戻り、ステップS4においては、求められた残留応力が、予め設定された残留応力の閾値S以上か否かが判定される。この残留応力の閾値Sは、たとえば次のようにして予め求めることができる。すなわち、種々の製造条件で作製した転位欠陥を含むエピタキシャルウェーハを用い、これらの残留応力を測定したのち、X線測定装置にて断面を測定し、観察することで、それぞれの転位欠陥がスリップ転位欠陥であるか、ミスフィット転位欠陥であるかを識別し、この識別したエピタキシャルウェーハの識別境界となる残留応力値を閾値Sとする。
【0027】
上述したとおり、スリップ転位は、熱的又は物理的な応力が原因で発生するのに対し、ミスフィット転位は、応力とは無関係の結晶格子定数が原因で発生する。したがって、ステップS4にて、求められた残留応力が所定の閾値S以上の場合は、応力が原因で発生するスリップ転位欠陥であると判定し(ステップS6)、残留応力が所定の閾値S未満である場合は、応力とは無関係の結晶格子定数が原因で発生するスフィット転位欠陥であると判定する(ステップS7)。
【0028】
以上のように、本実施形態のエピタキシャルウェーハの検査方法によれば、ウェーハの表面に転位欠陥と見られる線状の欠陥が観察された場合に、これがスリップ転位欠陥であるかミスフィット転位欠陥であるかを非破壊検査で識別することができるので、転位欠陥の発見からその対処までの時間を短縮することができる。その結果、エピタキシャルウェーハの製造工程の稼働率や製品歩留まりを高めることができる。
【0029】
《ウェーハストレスと転位の識別》
エピタキシャル成長炉のヒータ加熱条件の水準が異なる条件1~4にてエピタキシャルウェーハを製造し、転位の有無を検査したところ何れも線状の転位欠陥が観察された。そのため、ウェーハストレス測定装置2を用いてそれぞれのエピタキシャルウェーハの残留応力を測定した。この結果を表1に示す。なお、残留応力は、条件1の残留応力値を1として正規化した値である。
【0030】
【表1】
【0031】
次に、不純物濃度を小さくしたシリコンウェーハを用い、上記条件1~4の各条件は変えずにエピタキシャルウェーハを製造した。これらエピタキシャルウェーハの転位の有無を観察するとともに、ウェーハストレス測定装置2を用いてそれぞれの残留応力を測定した。この結果を表2に示す。なお、残留応力は、条件1の残留応力値を1として正規化した値である。
【0032】
【表2】
【0033】
これら表1及び表2の結果から、以下のことが理解される。まず、条件1及び条件2のエピタキシャルウェーハで観察された表1の転位欠陥は、表2に示すように不純物濃度を調整することで観察されなくなったことから、ミスフィット転位欠陥であると判定できる。また、条件3及び条件4のエピタキシャルウェーハで観察された表1の転位欠陥は、表2に示すように不純物濃度を調整しても観察されたことから、スリップ転位欠陥であると判定できる。
【0034】
そして、表1及び表2の残留応力に示されるように、スリップ転位欠陥であるとされる条件3及び条件4のエピタキシャルウェーハの残留応力は、ミスフィット転位欠陥であるとされる条件1及び条件2のエピタキシャルウェーハの残留応力に対して有意に大きいことが理解できる。したがって、図1のステップS4にて、求められた残留応力が所定の閾値S以上の場合は、応力が原因で発生するスリップ転位欠陥であると判定し(ステップS6)、残留応力が所定の閾値S未満である場合は、応力とは無関係の結晶格子定数が原因で発生するミスフィット転位欠陥であると判定する(ステップS7)ことは適切である。
【符号の説明】
【0035】
1…表面検査装置
11…可動テーブル
12…第1レーザー発振器
13…第2レーザー発振器
14…集光器
15…第1光電子増倍管
16…第2光電子増倍管
16a…レンズ
16b…ミラー
2…ウェーハストレス測定装置
21…赤外レーザー発振器
22…レンズ
23…偏光子
24…対物レンズ
25…偏光分離素子
26,27…フォトダイオード
28…処理部
WF…エピタキシャルウェーハ
DF…転位欠陥
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C