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特許7601113光接続構造、光モジュールおよび光接続構造の製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】光接続構造、光モジュールおよび光接続構造の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/30 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
G02B6/30
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022561783
(86)(22)【出願日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 JP2020042264
(87)【国際公開番号】W WO2022102053
(87)【国際公開日】2022-05-19
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153006
【弁理士】
【氏名又は名称】小池 勇三
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121669
【弁理士】
【氏名又は名称】本山 泰
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 洋平
(72)【発明者】
【氏名】鹿間 光太
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昇男
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-089054(JP,A)
【文献】特開平01-261604(JP,A)
【文献】特開2013-003549(JP,A)
【文献】特開平08-320422(JP,A)
【文献】国際公開第00/029885(WO,A1)
【文献】特開2016-206425(JP,A)
【文献】米国特許第08160414(US,B1)
【文献】国際公開第03/001264(WO,A2)
【文献】特表2017-507357(JP,A)
【文献】特表2017-504059(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12-6/14
G02B 6/26-6/27
G02B 6/30-6/34
G02B 6/42-6/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順に、基板と、BOX層と、第1導波路と、オーバークラッドとを備える光導波路素子と、
前記基板に形成されたV溝に配置される光ファイバと、
前記光導波路素子の端面と前記光ファイバの端面との間に配置される自己形成導波路と、
前記自己形成導波路の周囲に配置されるクラッドとを備え、
前記光ファイバの端面の一部が、前記V溝の斜面と所定の角度で対向し、
前記光ファイバが、当該光ファイバから出射される信号光が前記第1導波路に入射されるように、当該光ファイバの端面が前記光導波路素子の端面に対向して配置され、
前記自己形成導波路が、樹脂硬化光の照射により硬化されている部分であり、
前記第1導波路と光結合するように配置され、前記第1導波路を覆う第2導波路コアと、
前記光導波路素子のいずれかの端面に配置される樹脂硬化光入射用光ファイバと、
前記樹脂硬化光入射用光ファイバから前記樹脂硬化光が入射される結合導波路と、
前記第2導波路コアと前記結合導波路とが接続する分岐構造とを備え、
前記第1導波路と前記第2導波路コアそれぞれを光が伝播する方向が略平行であり、前記第2導波路コアが可視光に対して透明であり、可視光である前記樹脂硬化光が、前記第2導波路コアを伝播して前記光導波路素子の端面から出射して前記照射を行うことを特徴とする光接続構造。
【請求項2】
前記オーバークラッドの上に窒化シリコンを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の光接続構造。
【請求項3】
前記光導波路素子の同一の端面に配置される前記光ファイバと前記樹脂硬化光入射用光ファイバと、
前記光ファイバと前記樹脂硬化光入射用光ファイバとの間に侵入防止溝とを備える
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光接続構造。
【請求項4】
複数の前記光ファイバと、複数の前記第1導波路と、複数の前記第2導波路コアとを備え、
前記結合導波路が分岐され、それぞれの前記第2導波路コアに接続する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光接続構造。
【請求項5】
前記光ファイバが配置される前記V溝の端面に、当該V溝の幅より狭く、端面の光のモードフィールド直径より広い幅を有するギャップ拡張溝を備え、
前記ギャップ拡張溝の長さにより、前記自己形成導波路のテーパ形状が変化する
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光接続構造。
【請求項6】
前記ギャップ拡張溝に接続する流路用溝を備え、
前記流路用溝に、前記自己形成導波路の形成用の樹脂または未硬化の前記樹脂の洗浄用の溶液が滴下される
ことを特徴とする請求項に記載の光接続構造。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光接続構造と、電子回路とを備える光モジュール。
【請求項8】
光ファイバと、前記光ファイバから出射される信号光が入射される第1導波路を有する光導波路素子と、樹脂硬化光入射用光ファイバとを備える光接続構造の製造方法であって、
基板上に、順に、BOX層、Siを積層する工程と、
前記Siを前記第1導波路に加工する工程と、
第2導波路コアと、前記第2導波路コアに接続する結合導波路とを形成する工程と、
オーバークラッドを形成する工程と、
前記基板にV溝を形成する工程と、
前記光導波路素子の端面に自己形成導波路の材料を配置する工程と、
前記V溝に前記光ファイバを、前記光ファイバの端面の一部が前記V溝の斜面と所定の角度で対向するように配置する工程と、
前記樹脂硬化光入射用光ファイバを前記結合導波路の端面に配置する工程と、
前記材料に、前記樹脂硬化光入射用光ファイバから前記結合導波路と前記第2導波路コアとを介して前記光導波路素子の端面から出射する前記樹脂硬化光を照射して自己形成導波路を形成する工程と、
前記自己形成導波路の周囲にクラッドを形成する工程と
を備え
前記第2導波路コアが可視光に対して透明であり、前記第1導波路を覆うように配置され、前記信号光が前記第1導波路を伝播し、前記樹脂硬化光が前記結合導波路と前記第2導波路コアとを伝播して前記光導波路素子の端面から出射し前記照射を行い、前記信号光が前記第1導波路を伝播する方向と前記樹脂硬化光が前記第2導波路コアを伝播する方向とが略平行であることを特徴とする光接続構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバと光素子の接続における光接続構造、光モジュールおよび光接続構造の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークの大容量化やデータセンタ内における省スペース化に向け、従来よりも小型な光デバイスを作製可能なシリコンフォトニクス(SiPh)が注目されている。
【0003】
近年、高精度な位置決めが必要とされるSiPhの光接続の簡易化のため、チップのSi基板上にV溝を形成し、その構造を位置決め構造として光ファイバをSiPhのチップ端面に配置する方法が注目されている(非特許文献1)。この手法は、Si基板にKOHのようなアルカリ性の液体でエッチングを施した際、結晶方位によって決まった形状になることを利用した加工技術である。この手法はリソグラフィの精度で、光ファイバの位置決め用のV溝をSi基板上に一体形成することが可能である。
【0004】
これにより、従来のチップと光ファイバ間を接続する際に必要であった、大型の調心装置において光の結合効率をモニタしながら光ファイバアレイを調心するアクティブアライメントを省略することが可能である。そのため、本技術によって光接続部の工程の簡易化による低コスト化などが期待できる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】S. Fathololoumi, et al. "1.6 Tbps Silicon Photonics Integrated Circuit for Co-Packaged Optical-IO Switch Applications." Optical Fiber Communication Conference. Optical Society of America, 2020.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の技術においては、そのエッチング方法に起因した以下の問題が存在する。通常、光ファイバとチップ端面を光接続し、それぞれのコア内を伝搬する光を低損失に伝搬させるためには、それぞれのコアを精密に位置合わせしながら、突き合わせる必要がある。
【0007】
一方、上述のウェットエッチングによってSi基板にV溝を形成する場合、例えば、図24A、Bに示すように、Si(001)基板の<110>方向(図中X方向)にV溝を形成する場合、その側面に傾斜角度を有するエッチング面(以下、「傾斜エッチング面」という。)A610aが形成されるだけでなく、<1-10>方向(図中Y方向)の側面にも同様の傾斜エッチング面B610bが形成される。この傾斜角度は、結晶の方位によって決まる角度(以下「エッチング角度」という。)
【0008】
図25図26それぞれに、上述のSi基板のV溝に光ファイバを配置した構造の側面断面図、XXVI-XXVI’断面図を示す。図25に示す通り、エッチング面が傾斜しているので、光ファイバの端面をチップ端面に完全に密着させて突き合わせることはできない。その結果、光ファイバとSi導波路層との間にギャップが生じるので、このギャップに起因する損失が発生する。このギャップを回避するためにチップを機械的、化学的に高精度に加工する追加工程が用いられる。例えば、Siの傾斜に対して、図25の奥行き方向にダイシングを行うことで傾斜を削る工程や、追加のエッチングによりSiの傾斜の部分を削る工程が必要となる。
【0009】
このように、従来の方法の場合、光ファイバを突き合わせるための追加工程が発生するため、製造工程、コストの増加や、ダイシングなどによるチッピングに起因するチップの歩留まりの低下などが問題であった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述したような課題を解決するために、本発明に係る光接続構造は、順に、基板と、BOX層と、第1導波路と、オーバークラッドとを備える光導波路素子と、前記基板に形成されたV溝に配置される光ファイバと、前記光導波路素子の端面と前記光ファイバの端面との間に配置される自己形成導波路と、前記自己形成導波路の周囲に配置されるクラッドとを備え、前記光ファイバの端面の一部が、前記V溝の斜面と所定の角度で対向し、前記光ファイバが、当該光ファイバから出射される信号光が前記第1導波路に入射されるように、当該光ファイバの端面が前記光導波路素子の端面に対向して配置され、前記自己形成導波路が、樹脂硬化光の照射により硬化されている部分であり、前記第1導波路と光結合するように配置され、前記第1導波路を覆う第2導波路コアと、前記光導波路素子のいずれかの端面に配置される樹脂硬化光入射用光ファイバと、前記樹脂硬化光入射用光ファイバから前記樹脂硬化光が入射される結合導波路と、前記第2導波路コアと前記結合導波路とが接続する分岐構造とを備え、前記第1導波路と前記第2導波路コアそれぞれを光が伝播する方向が略平行であり、前記第2導波路コアが可視光に対して透明であり、可視光である前記樹脂硬化光が、前記第2導波路コアを伝播して前記光導波路素子の端面から出射して前記照射を行うことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る光接続構造の製造方法は、光ファイバと、前記光ファイバから出射される信号光が入射される第1導波路を有する光導波路素子と、樹脂硬化光入射用光ファイバとを備える光接続構造の製造方法であって、基板上に、順に、BOX層、Siを積層する工程と、前記Siを前記第1導波路に加工する工程と、第2導波路コアと、前記第2導波路コアに接続する結合導波路とを形成する工程と、オーバークラッドを形成する工程と、前記基板にV溝を形成する工程と、前記光導波路素子の端面に自己形成導波路の材料を配置する工程と、前記V溝に前記光ファイバを、前記光ファイバの端面の一部が前記V溝の斜面と所定の角度で対向するように配置する工程と、前記樹脂硬化光入射用光ファイバを前記結合導波路の端面に配置する工程と、前記材料に、前記樹脂硬化光入射用光ファイバから前記結合導波路と前記第2導波路コアとを介して前記光導波路素子の端面から出射する前記樹脂硬化光を照射して自己形成導波路を形成する工程と、前記自己形成導波路の周囲にクラッドを形成する工程とを備え、前記第2導波路コアが可視光に対して透明であり、前記第1導波路を覆うように配置され、前記信号光が前記第1導波路を伝播し、前記樹脂硬化光が前記結合導波路と前記第2導波路コアとを伝播して前記光導波路素子の端面から出射し前記照射を行い、前記信号光が前記第1導波路を伝播する方向と前記樹脂硬化光が前記第2導波路コアを伝播する方向とが略平行であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、光ファイバを基板上に配置される光導波路素子などに簡易、低損失で接続できる光接続構造を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1A図1Aは、本発明の第1の実施の形態に係る光接続構造の側面断面図である。
図1B図1Bは、本発明の第1の実施の形態に係る光接続構造のIB-IB’断面図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続構造の側面断面図である。
図3図3は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続構造の上面透視図である。
図4図4は、本発明の第1の実施の形態に係る光接続構造の作製方法を説明するための図である。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の側面断面図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造のVI-VI’断面図である。
図7図7は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の上面透視図である。
図8図8は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の側面断面図である。
図9図9は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の動作を説明するための光強度分布図である。
図10図10は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の上面透視図である。
図11図11は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の一例の上面透視図である。
図12図12は、本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造の一例の側面断面図である。
図13図13は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光接続構造の側面断面図である。
図14図14は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光接続構造の側面断面図である。
図15図15は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光接続構造の側面断面図である。
図16図16は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る光接続構造の側面断面図である。
図17図17は、本発明の第3の実施の形態に係る光接続構造の上面透視図である。
図18図18は、本発明の第4の実施の形態に係る光接続構造の上面透視図である。
図19図19は、本発明の第5の実施の形態に係る光接続構造の上面透視図である。
図20図20は、本発明の第5の実施の形態に係る光接続構造を説明するための上面透視図である。
図21図21は、本発明の第5の実施の形態に係る光接続構造を説明するための上面透視図である。
図22図22は、本発明の第5の実施の形態に係る光接続構造の一例の上面透視図である。
図23図23は、本発明の第5の実施の形態に係る光接続構造を説明するための上面透視図である。
図24A図24Aは、従来の光接続構造を説明するための上面図である。
図24B図24Bは、従来の光接続構造を説明するためのXXIVB-XXIVB’断面図である。
図25図25は、従来の光接続構造の側面断面図である。
図26図26は、従来の光接続構造のXXVI-XXVI’断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態に係る光接続構造を、図1A図4を参照して説明する。
【0015】
<光接続構造の構成>
図1A、Bに、第1の実施の形態に係る光接続構造10の断面概要図を示す。図1Aは側面図であり、図1BはIB-IB’断面図である。
【0016】
光接続構造10は、光導波路素子11と、光ファイバ12と、自己形成導波路接続部(以下、「接続部」という。)13とを備える。
【0017】
光導波路素子11は、シリコンフォトニクス(SiPh)素子であり、Si基板111上に、順にBOX(Buried Oxide)層112と、第1導波路113としてSiからなる導波路(以下、「Si導波路」という。)と、オーバークラッド114を備える。
【0018】
Si基板111に、両側壁が傾斜して断面がV字形状になる溝(以下、「V溝」という。)110が形成される。以下、V溝110の底の稜線の方向を「V溝の長手方向」という。V溝の長手方向は、基板に(001)面を表面とするSi基板を用いる場合、<110>方向または<1-10>方向である。
【0019】
図1Bに示すように、V溝110の傾斜面110aが基板111表面となす角度15は、54.7°である。また、図1Aに示すように、溝110の先端での傾斜面110bが基板111表面となす角度15は、54.7°である。
【0020】
光ファイバ12は、図1Bに示すように、Si基板111に形成されたV溝110に配置される。また、光ファイバ12は、図1Aに示すように、その端面と光導波路素子(チップ)の端面である面11aとが対向するように配置される。その結果、光接続構造10を素子(又は素子の1部)として動作させるときに、光ファイバ12から出射される信号光がSi導波路113に入射する。以下、光導波路素子(チップ)11の端面は、基板111上の光導波路素子11において、少なくともBOX層112とオーバークラッド114とを含む層の端面をいう。
【0021】
ここで、後述のように、図1Aに示すように、V溝の形成時に保護マスクとして用いる窒化シリコン(SiNx)119が光導波路素子(チップ)11の表面と端面に残存する場合がある。この場合には、光導波路素子(チップ)11の端面は、窒化シリコン(SiNx)も含む層の端面になる。また、この窒化シリコン(SiNx)は、V溝形成のためのウェットエッチング時に徐々にエッチングされ、エッチング条件によっては除去されて、光導波路素子(チップ)11の表面と端面に残存しない場合も有る。
【0022】
接続部13において、自己形成導波路131は、光導波路素子11と光ファイバ12の間に形成される。自己形成導波路131では、光照射により屈折率が変化した部分が自己形成導波路(コア)131になる。
【0023】
また、自己形成導波路131のクラッド132として、自己形成導波路131を覆うように、光ファイバ12と光導波路素子(チップ)11との間に屈折率整合剤が塗布される。その結果、自己形成導波路131の周囲にクラッド132が配置される。
【0024】
また、屈折率整合剤132は、自己形成導波路131のクラッドとして働くような屈折率であればよく、例えば、硬化した際の屈折率がクラッドとして機能するような接着剤を塗布してもよい。これにより、安定した接続特性が保持できる。
【0025】
光導波路素子11は、一例として、Si導波路113の幅と厚みはそれぞれ440nmと220nm、BOX層112の厚みは3μm、オーバークラッド114部の厚みは4μm程度である。
【0026】
また、自己形成導波路131の材料としては光硬化性樹脂がよく用いられるが、例えば光照射によって屈折率変化を起こす結晶のようなバルク材料による自己形成導波路の形成も報告されている。このように、自己形成導波路は光照射によって屈折率変化を引き起こす材料によって構成されていれば、自己形成導波路を形成することができ、同様の効果が得られる。
【0027】
本発明によって、光ファイバ12と光導波路素子(チップ)11の端面との間を自己形成導波路131によって接続することができるため、ギャップに起因した接続損失を低減することができる。加えて、自己形成導波路131による接続は、後述のようにチップ11自体の追加加工を必要としないため、簡易にギャップの影響を低減可能である。
【0028】
自己形成導波路技術は、光硬化性の樹脂を用いた光接続技術である。自己形成導波路技術について、以下に、2本の光導波路を接続する場合を例として説明する。
【0029】
まず、2本の導波路間に光硬化性樹脂を滴下する。
【0030】
次に、一方の導波路から光硬化性樹脂を硬化するための光である樹脂硬化光を光硬化性樹脂に照射することで、光照射した部分に自己形成導波路が形成される。このとき、光硬化性樹脂の特性である光の強度が高い箇所から順次硬化するために、導波路端面から順次コアが形成される。
【0031】
これにより、必ずコアの端面に自己形成導波路が形成される。本技術は、光を閉じ込める導波路をギャップ(空隙)間に形成することが可能であるため、ギャップを有する導波路間を低損失に接続することが可能である。
【0032】
自己形成導波路131の作製において、図2に示すように、導波路端部を含む導波路端部近傍にSi導波路113に接続するモードフィールド変換部115を配置してもよく、そのSi導波路113の形状を問わない。この場合、モードフィールド変換部115により、チップ11の端部におけるチップ11内を伝搬できる光のモードフィールド径を拡大することができるので、光ファイバ12内や自己形成導波路131におけるモードフィールド径とチップ11内部のそれとを整合させ、接続損失を低減させることが可能である。
【0033】
モードフィールド変換部115は、例えば図3の上面透視図に示すように、チップ11の端部に近づくにしたがって、その導波路の幅が狭くなるテーパ構造により実現できる。なお、モードフィールド変換部115の構造は図3の構造以外にも、例えば3つ又に分かれた構造などによっても実現可能であるが、公知のモードフィールド変換部であれば、どの構造でも本実施の形態で示すモードフィールド変換を実現できる。
【0034】
<光接続構造10の製造方法>
光接続構造10の製造方法を、以下に説明する。
【0035】
まず、Si基板111上に、BOX層112の材料、例えば酸化シリコンを積層し、その上にSiを積層する。
【0036】
次に、フォトリソグラフィを用いてSiを導波路に加工する。このとき、Si導波路(第1導波路)113以外の部分のSiが除去される。
【0037】
次に、Si導波路(第1導波路)113上に、オーバークラッド114を、材料に例えば酸化シリコンを用いて、形成する。
【0038】
次に、V溝110の形成を行う。まず、V溝110を形成する部分の酸化シリコン(オーバークラッド114とBOX層112)を通常のプロセスで除去する。
【0039】
次に、V溝形成においては、異方性エッチングを行う際に用いるアルカリ性の液体(KOH水溶液等)からSi導波路113を保護するような保護マスクを窒化シリコンにより作製する。例えば、窒化シリコン(SiNx)を表面全面に形成した後に、V溝110を形成する部分以外の部分を保護するように窒化シリコンを加工して、保護マスクを作製する。
【0040】
次に、KOH水溶液により、異方性エッチングを施し、V溝110を形成する。このV溝形成の工程の結果、保護マスクである窒化シリコン(SiNx)は光導波路素子(チップ)11の表面と端面に残存する。または、この窒化シリコン(SiNx)は、V溝形成のためのウェットエッチング時に徐々にエッチングされ、エッチング条件によっては除去されて、光導波路素子(チップ)11の表面と端面に残存しない場合も有る。
【0041】
このとき、エッチング条件次第では、チップ11の端面も若干エッチングによる影響を受け、チップ11の底面と端面がなす角度は、図1Aに示すような完全な直角ではなく多少傾斜を有する構造になることがある。しかし、このとき自己形成導波路131を形成する樹脂とチップ11の端面の屈折率が十分に近ければ、屈折による影響が低減されるため、チップ11の端面から出射される光線はその端面の形状の影響を受けずにほぼ直進する。このとき、樹脂硬化光によって形成される自己形成導波路131は略直線状に形成されるので、エッチングによる端面の形状は本実施の形態に係る光接続構造10の動作に大きな影響を及ぼさない。
【0042】
本実施の形態では、窒化シリコンを表面に形成する前にV溝を形成する部分の酸化シリコンを除去する例を示したが、これに限らない。例えば、窒化シリコン保護マスクを形成後に、V溝を形成する部分(開口部)における酸化シリコンを酸溶液またはドライエッチングで除去した後に、SiをKOH水溶液により、異方性エッチングしてもよい。
【0043】
次に、自己形成導波路131による光接続の工程で光接続を行う。まず、光導波路素子(チップ)11の端面及び周囲のV溝に、自己形成導波路131の材料、例えば光硬化性樹脂を滴下(配置)する。
【0044】
次に、V溝110を位置決め構造として、光ファイバ12を配置する。このとき、V溝110に沿わせながら、光ファイバ12をV溝110の端面に接するまで移動させることで、チップ11の端面の樹脂が光ファイバ12の端面に付着し、光ファイバ12とチップ11の端面の間に光硬化性樹脂を充填することが可能にある。
【0045】
なお、図1Aからわかるように、Si基板111の傾斜面110bのため、光ファイバ12を光導波路素子11に突き当てる方向に移動させる際に、光ファイバ12がオーバークラッド114の上部に乗り上げてしまう可能性がある。そのため、例えば図4に示すように、ガラスリッド14を光ファイバ12上に配置し、光ファイバ12を上方から押さえつけながら光ファイバ12を光導波路素子11に突き当てることによって、光ファイバ12がオーバークラッド114上に乗り上げないようにすることができる。このとき、ガラスリッド14の長さは適宜設定すればよい。
【0046】
次に、光ファイバ12から樹脂硬化光を出射する。ここで、樹脂硬化光の光ファイバ12への入射は、例えば光コネクタなどにより容易に実現可能である。これにより、光硬化性樹脂に樹脂硬化光を照射して光硬化させ、自己形成導波路131を形成する。
【0047】
次に、エタノールなどの洗浄液によって、未硬化の光硬化性樹脂を洗い流す。
【0048】
最後に、屈折率整合剤132を自己形成導波路131の周囲に滴下することで、自己形成導波路131のクラッドを形成する。
【0049】
または、自己形成導波路131とその周囲のクラッドを以下の方法で形成してもよい。この形成方法は、上述の作製方法と略同様であるが、自己形成導波路とクラッドの形成に用いる樹脂が異なる。
【0050】
本形成方法では、まず、複数(本実施の形態では2つ)の樹脂を混合する。それぞれの樹脂は、異なる波長の光の照射により硬化し、硬化後の屈折率が異なる。
【0051】
次に、混合した樹脂を、光導波路素子(チップ)11の端面及び周囲のV溝に滴下(配置)する。
【0052】
次に、光ファイバ12の位置の調整後、一方の波長の樹脂硬化光を、光ファイバ12の端面から照射して自己形成導波路131の部分を硬化する。
【0053】
最後に、他方の波長の樹脂硬化光を、滴下した樹脂の外部(主に上方)から照射して未硬化の部分を硬化させてクラッドの部分(上述の作製方法における屈折率整合剤132の部分に相当)を形成する。このクラッド部分の屈折率は、自己形成導波路131の部分の屈折率より小さい。
【0054】
この形成方法によれば、未硬化の光硬化性樹脂を洗浄する工程を必要とせずに、自己形成導波路131とクラッド132を形成できる。
【0055】
以上の通り、本実施の形態に係る光接続構造10を製造できる。
【0056】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態に係る光接続構造を図5図16を参照して説明する。
【0057】
<光接続構造20の構成>
図5図6に、本実施の形態に係る光接続構造20の断面概要図を示す。図5は側面図であり、図6はVI-VI’断面図である。
【0058】
光接続構造20は、第1の実施の形態に係る光接続構造10と略同様の構成を有するが、図6に示すように、Si導波路(第1導波路)213を覆うように第2導波路コア216が形成されている点で異なる。具体的には、Si導波路213の表面と側面を覆うように第2導波路コア216が形成される。
【0059】
以下、光導波路素子(チップ)21の端面は、基板211上の光導波路素子21において、少なくともBOX層212とオーバークラッド214とを含む層の端面をいう。
【0060】
ここで、図5に示すように、V溝の形成時に保護マスクとして用いる窒化シリコン(SiNx)219が光導波路素子(チップ)21の表面と端面に残存する場合がある。この場合には、光導波路素子(チップ)21の端面は、窒化シリコン(SiNx)219も含む層の端面になる。また、窒化シリコン(SiNx)219は、V溝形成のためのウェットエッチング時に徐々にエッチングされ、エッチング条件によっては除去されて、光導波路素子(チップ)21の表面と端面に残存しない場合も有る。
【0061】
また、自己形成導波路231を覆うように、光ファイバ22とチップ21間に、クラッドとして屈折率整合剤232が塗布されている。
【0062】
また、それぞれの寸法の例は、第2導波路コア216の幅、厚みはそれぞれ3μm、Si導波路213の幅と厚みはそれぞれ440nmと220nm、BOX(Buried Oxide)層212の厚みは3μm、オーバークラッド214部の厚みは4μm程度である。
【0063】
本実施の形態では、第1の実施の形態と異なり、樹脂硬化光を光ファイバ22だけでなく、光導波路素子(チップ)21の端面からも照射して、自己形成導波路231を形成する。
【0064】
これにより、自己形成導波路231がもつ、ギャップだけでなく導波路間の光軸ずれ(図5において紙面奥行き方向、または基板211表面に対する垂直方向でのそれぞれのコア中心のずれ)があっても低損失に接続可能な効果を発生することが可能になる。これにより形成されたV溝に加工誤差が発生し、光ファイバ22とチップ21の端面との間光軸ずれがあっても、低損失に接続することが可能である。
【0065】
また、本接続構造の上面透視図を図7に示す。Si導波路213には、光のモードフィールド径を変化させる構造であるモードフィールド変換部が連結されており、例えば長手方向にわたり少しずつ幅が細くなっていく形状の導波路から実現することができる。このとき、モードフィールド変換部215は、例えばおよそ300μm程度の長さで実現できる。
【0066】
本構造を構成する材料としては、例えば第2の導波路コア216としては、酸化シリコンに窒素を加えることで作製されるSiONなどを用いてもよい。
【0067】
また、光ファイバ22と光導波路素子(チップ)21両方から樹脂硬化光を出射することにより、それぞれの導波路間に光軸ずれが生じる場合に、図8に示すように、この光軸ずれを補償するような屈曲(S字)形状の自己形成導波路231が形成されるので、低損失に接続することが可能である。
【0068】
自己形成導波路技術に用いられる光硬化性の樹脂は、強度の高い樹脂硬化光が照射される部分から順次硬化する。その結果、本実施の形態において光ファイバ22と光導波路素子(チップ)21両方から樹脂硬化光が出射される場合、それぞれの光軸ずれ、例えば水平面におけるV溝210の長手方向に垂直な方向およびSi基板211の表面に垂直な方向での光ファイバ22の位置ずれが生じても、その光軸ずれを補償するような屈曲(S字)形状の自己形成導波路231が形成される。したがって、V溝210の加工誤差などに起因する光軸ずれ下でも低損失な光接続を実現することが可能である。
【0069】
以下に、光ファイバ22と光導波路素子(チップ)21それぞれから出射される樹脂硬化光について説明する。樹脂硬化光の波長は可視光域にある。光ファイバ22の主な材料である石英は可視光に対して透明であるため、光ファイバ22内を可視光すなわち樹脂硬化光は低損失に伝搬可能である。
【0070】
一方で、Siなどの半導体系導波路は可視光域で強い吸収を有するので、その材料吸収損失により、導波路端面からの樹脂硬化光の出射を得ることは難しい。そこで、本実施の形態では、第2導波路コア216の材料として可視光に対して透明な材料を用いることで、自己形成導波路による光接続を実現する。
【0071】
本構造において、第2導波路コア216の領域を可視光が十分に低損失で伝搬することが可能である。図9に、本構造の伝搬モードの規格化された電界振幅の数値計算結果を示す。計算する構造に、Si導波路213と、第2導波路コア216としてSiONと、オーバークラッド214およびBOX層212として酸化シリコンを用いた。計算にはLumerical社のMODE solutionを用いた。
【0072】
また、電界振幅は、本構造における電界振幅の最大値で規格化され、相対光強度として示される。図9における斜線部は相対光強度が0.9以上を示し、光閉じ込めの強い部分を示す。このように、本構造によれば、透明である第2導波路コア216の部分に光を閉じ込め、かつ伝播させることが可能である。
【0073】
また、本実施の形態におけるSi導波路213が第2導波路コア216で覆われた構造は、異なる断面積を持つコアに断熱的に光を遷移させる用途で、一般的に用いられている構造であり、異なるモードフィールドをもつ導波路間と、それらを低損失につなぐモードフィールド変換部215によって構成される。
【0074】
本構造において、Si導波路213に閉じ込められた光は、モードフィールド変換部215の先端に向かうにしたがいコア幅が徐々に狭くなるので、光の閉じ込めが弱くなり、徐々にモードフィールドが第2導波路コア216内へと拡大する過程を経た後に、第2導波路コア216内を伝搬する光のモードへと遷移しその内部を伝搬する。なお、モードフィールド変換部215は、図7に示す第2導波路コア216の端に近づくにつれて幅が先細っていくような単純なテーパ構造以外にも、3つ又に分かれたような構造など多くの構造が考えられるが、本発明はその形状を限定するものではない。
【0075】
また、本構造で自己形成導波路による光接続を行うためには、第2導波路コア216の端面から樹脂硬化光を出射する必要がある。そこで、例えば図10に示すように、第2導波路コア216に設けられるY分岐構造217を用いる。樹脂硬化光27は、結合導波路218を伝搬して、Y分岐構造217で第2導波路コア216に結合され、第2導波路コア216を伝搬して光導波路素子21の端面から出射される。この構成により、自己形成導波路231による光軸ずれの補償効果を得るうえで必要不可欠な導波路端面からの樹脂硬化光27の出射を実現することができる。
【0076】
ここで、Y分岐構造217は、Si導波路213を覆う第2導波路コア216において、モードフィールド変換部215以外の領域を覆う第2導波路コア216に形成されることが望ましい。信号光が光ファイバ22から光導波路素子21に入力され、光導波路素子21の端面から光導波路内を伝送するときに、信号光はモードフィールド変換部215通過後にSi導波路213内に十分に閉じ込められている。その結果、Si導波路213とY分岐構造217間の距離が光の波長以上に離れているため、Si導波路213に閉じ込められている信号光がY分岐構造217の影響をほとんど受けない。このように、信号光の伝送におけるモードフィールド変換効果にY分岐構造217が与える影響を十分抑制することができる。
【0077】
また、本構造において樹脂硬化光27を出射するためには、光導波路素子(チップ)21の外部から樹脂硬化光27をSi基板211上の光導波路に結合する必要がある。そこで、例えば図11に示すように、樹脂硬化光入射用の光ファイバ28をV溝210_2に配置する。ここで、光ファイバ28から出射する樹脂硬化光27が、結合導波路218に入射(結合)するように、光ファイバ28の端面を、光導波路素子(チップ)21の端面に対向させて配置する。このように、光ファイバ22と樹脂硬化光入射用光ファイバ28をV溝210、210_2それぞれに配置し、樹脂硬化光入射用光ファイバ28と光ファイバ22から樹脂硬化光27を入射する。
【0078】
このとき、図11のように、結合導波路218の曲げ導波路によってY分岐構造217へと光を伝搬させることにより、チップ21の端面から樹脂硬化光27を出射することが可能になる。
【0079】
本構造において、樹脂硬化光入射用ファイバ28とチップ21の端面にも、ギャップが存在する。これにより、樹脂硬化光27の入射時にも光の回折に起因した損失が存在する。しかし、自己形成導波路231に必要な樹脂硬化光27の単位面積当たりの光強度は低く、例えば第2導波路コア216の厚さ3μm、幅3μmに対しては数十μW程度で十分であり、また市販の比較的安価の樹脂硬化光27の波長帯の半導体レーザの出力は数mWと十分に大きいため、多少の損失があっても自己形成導波路231を形成する上で十分な出力を確保することができる。なお、Y分岐でなくとも、多モード干渉型の結合器、方向性結合器などの公知のある導波路を伝搬している光を任意の導波路内に結合可能な技術であればよい。
【0080】
<光接続構造20の製造方法>
次に、本構造の製法について説明を行う。まず、Si基板211上に、BOX層212の材料、例えば酸化シリコンを積層し、その上にSiを積層する。
【0081】
次に、フォトリソグラフィを用いてSiを導波路に加工する。このとき、Si導波路(第1導波路)113以外の部分のSiが除去される。
【0082】
次に、Si導波路213上に、Si導波路213を覆うように、第2導波路コア216の材料、例えばSiONを積層する。
【0083】
次に、通常のフォトリソグラフィを用いてSiONを導波路(第2導波路コア216)に加工する。このとき、第2導波路コア216以外の部分のSiONが除去される。
【0084】
次に、第2導波路コア216上に、第2導波路コア216を覆うように、オーバークラッド214を、材料に例えば酸化シリコンを用いて、形成する。
【0085】
このとき、SiON導波路の上方に積層されるオーバークラッド214は、図6のように凸部を有する。この凸部の側面での保護膜の成膜は困難であるので、化学機械研磨(CMP)などにより、凸部を研磨してオーバークラッド214表面を平坦にした後に保護膜を形成することもできる。
【0086】
次に、V溝210、210_2の形成を行う。まず、V溝210、210_2を形成する部分の酸化シリコン(オーバークラッド214とBOX層212)を通常のプロセスで除去する。
【0087】
次に、V溝形成においては、異方性エッチングを行う際に用いるアルカリ性の液体(KOH水溶液等)からSi導波路213および第2導波路コア216を保護するような保護マスクを窒化シリコンにより作製する。例えば、窒化シリコン(SiNx)を表面全面に形成した後に、V溝210、210_2を形成する部分以外の部分を保護するように窒化シリコンを加工して、保護マスクを作製する。
【0088】
次に、KOH水溶液により、異方性エッチングを施し、V溝210、210_2を形成する。このV溝形成の工程の結果、保護マスクである窒化シリコン(SiNx)は光導波路素子(チップ)11の表面と端面に残存する。または、この窒化シリコン(SiNx)は、V溝形成のためのウェットエッチング時に徐々にエッチングされ、エッチング条件によっては除去されて、光導波路素子(チップ)11の表面と端面に残存しない場合も有る。
【0089】
このとき、樹脂硬化光27によって形成される自己形成導波路231は略直線状に形成されるので、エッチングによる端面の形状は本実施の形態に係る光接続構造20の動作に大きな影響を及ぼさない。
【0090】
本実施の形態では、窒化シリコンを表面に形成する前にV溝を形成する部分の酸化シリコンを除去する例を示したが、これに限らない。例えば、窒化シリコン保護マスクを形成後に、V溝を形成する部分(開口部)における酸化シリコンを酸溶液またはドライエッチングで除去した後に、SiをKOH水溶液により、異方性エッチングしてもよい。
【0091】
次に、自己形成導波路231による光接続の工程で光接続を行う。まず、前述の第2導波路コア216の端面に、自己形成導波路231の材料、例えば光硬化性樹脂を滴下(配置)する。
【0092】
次に、V溝210、210_2を位置決め構造として、それぞれのV溝210、210_2に光ファイバ22、樹脂硬化光入射用光ファイバ28を配置する。このとき、V溝210に沿わせながら、光ファイバ22をV溝210の端面に接するまで動かすことで、チップ21の端面の樹脂が光ファイバ22の端面に付着し、光ファイバ22とチップ21の端面の間に光硬化性樹脂を充填することが可能である。このときは、前述のようにガラスリッドなどを使うとよい。
【0093】
次に、樹脂硬化光入射用光ファイバ28と光ファイバ22から樹脂硬化光27を出射する。これにより、光硬化性樹脂に樹脂硬化光27を照射して光硬化させ、自己形成導波路231を形成する。
【0094】
次に、エタノールなどの洗浄液によって、未硬化の光硬化性樹脂を洗い流す。
【0095】
最後に、屈折率整合剤232を自己形成導波路231の周囲に滴下することで、自己形成導波路231のクラッド部を形成する。このとき、屈折率整合用の樹脂として、それと同程度の屈折率を持つ接着剤をもちいて、光ファイバ22とチップ21を接着してもよい。
【0096】
ここで、自己形成導波路231とその周囲のクラッドを、第1の実施の形態と同様に、複数の樹脂を用いて、未硬化の光硬化性樹脂を洗浄することなく形成してもよい。
【0097】
<第2の実施の形態の変形例>
本実施の形態の変形例に係る光接続構造を説明する。
【0098】
まず、本構造において、自己形成導波路231_2は導波路としてコアとクラッドの屈折率差により光を閉じ込めればよく、その形状を問わない。例えば、図12に示すように、光ファイバ22端面からチップ21の端面に向かって徐々に断面が拡がっている構造でもよい。コア径が異なる導波路間における自己形成導波路231_2は、このような構造になる。この構造の場合、自己形成導波路231_2によって光のモードフィールドを変換することが可能である。これにより、光ファイバ22のコア221とチップ21の端面の導波路のコア間のモードフィールドの差に起因する、接続損失を補償することが可能である。
【0099】
また、図13に示すように、自己形成導波路231を入射するためのU字の結合導波路218において、樹脂硬化光27を入射するチップ21の端面部にテーパ構造を作製してもよい。樹脂硬化光入射用光ファイバ28と結合導波路218のコア間においても、そのコアの大きさや導波路の光学特性に起因したモードフィールド径の差が考えられる。図13に示す構造を作製することにより、チップ21内における樹脂硬化光27のモードフィールド径を拡大することができ、これにより樹脂硬化光入射用光ファイバ28から結合導波路218への光の結合効率を改善することが可能である。
【0100】
また、樹脂硬化光27の入力方法について、V溝210_2を利用した方法以外にも、図14に示すように、チップ21において、光ファイバ22用のV溝210が形成されたチップ21の端面に対向する反対側のチップ21の端面に直接光ファイバ22を調心して、樹脂硬化光27を結合導波路218に入射して、第2導波路コア216に結合させてもよい。
【0101】
また、樹脂硬化光27を、光ファイバ22用のV溝210が形成されたチップ21の端面に対向する反対側のチップ21の端面以外の端面、例えば図15に示すように、側方(光ファイバ22の端面と対向する光導波路素子21の端面と略垂直)のチップ21の端面から入射してもよい。このように、樹脂硬化光27を入射する位置を、光ファイバ22用のV溝210が形成された端面以外の部分に作製することで、樹脂硬化光入射用光ファイバ配置用のV溝210を作製する必要がなくなり、光ファイバ22とチップ21間の接続部の小型化が実現できる。
【0102】
また、光ファイバ22を光導波路素子(チップ)21の側面(端面)から接続するのではなく、回折格子型結合器やチップ21の端面を斜めに研磨する構成等により、空気と導波路の界面に全反射が生じるようにして、チップ上面から樹脂硬化光を入射できる方法であれば、公知のいずれの手法も適用できる。
【0103】
また、第2導波路コア216内にSi導波路213がある構成を例に示したが、第2導波路コア216とSi導波路213が断熱的に光結合し、スポットサイズコンバータとして機能するものであれば、公知のいずれの形態も適用できる。例えば、Si導波路213の上面に第2導波路コア216が配置された導波路など、第2導波路コア216とSi導波路213それぞれを光が伝播する方向が略平行であり、光結合するように配置される構成としてもよい。
【0104】
また、V溝210の形状については、異方性エッチングをV溝210の形成前の段階で止めると、図16に示す構造になる可能性がある。このような状態でも、Si基板211の深さが光ファイバ22のコア221の半径よりも十分に大きければ、同様に光ファイバ22の位置決め構造として機能し、また本発明も同様に適用可能である。本発明の実施の形態においては、図16に示す両側面の傾斜面と底面からなる形状の溝もV字溝に含む。
【0105】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態に係る光接続構造を、図17を参照して説明する。
【0106】
<光接続構造30の構成>
図17に、本実施の形態に係る光接続構造30を示す。
【0107】
光接続構造30は、第2の実施の形態における光ファイバ22が配置されるV溝210と樹脂硬化光入射用光ファイバ28が配置されるV溝210_2との間に、さらに溝部(以下、「樹脂侵入防止溝」という。)31を備える。
【0108】
第2の実施の形態において、自己形成導波路231の形成に用いる光硬化性の樹脂は、硬化波長帯において光吸収が非常に大きい。
【0109】
一方、硬化性樹脂は、硬化前は液体であるので、光ファイバ22をV溝210に配置する際に硬化性樹脂を滴下するときに、近傍の樹脂硬化光入射用光ファイバ28を配置するV溝210_2に侵入する場合がある。
【0110】
この場合、樹脂硬化光入射用光ファイバ28とチップ21の端面との間に硬化性樹脂が侵入すると、樹脂硬化光入射用光ファイバ28から第2導波路コア216に入射される樹脂硬化光27が、硬化性樹脂により吸収損失を受け、結果的に自己形成導波路231の形成に必要な出力が得られない可能性がある。
【0111】
そこで、本実施の形態においては、光ファイバ22が配置されるV溝210と樹脂硬化光入射用光ファイバ28が配置されるV溝210_2との間に、液状の硬化性樹脂の侵入を防止する溝部(樹脂侵入防止溝)31を形成する。樹脂侵入防止溝31により、過剰な量の硬化性樹脂をチップ21の端面に滴下した際においても、硬化性樹脂が溝部に流れ込むため、樹脂硬化光入射用光ファイバ28への樹脂の侵入を抑制することができる。
【0112】
樹脂侵入防止溝31は、例えば光ファイバ22を配置するためのV溝210を形成するプロセスと同様のプロセスによって、形成することが可能である。本実施の形態においては、溝が形成されておればよく、本発明はその作製方法や形状を限定するものではない。
【0113】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態に係る光接続構造を、図18を参照して説明する。本実施の形態に係る光接続構造40は、第2の実施の形態と略同様の構成と効果を有するが、以下の点で異なる。
【0114】
光接続構造40では、樹脂硬化光の入力箇所が一箇所であるにもかかわらず、光回路構造を利用し光パワーを分岐することにより、複数の光導波路端から同時に樹脂硬化光を出射し、それぞれ複数の導波路に同時に自己形成導波路(SWW)を形成できる。
【0115】
<光接続構造40の構成>
図18に、本実施の形態に係る光接続構造40の上面透視図を示す。ここで、図中矢印でX軸、Y軸における正負の方向を示す。
【0116】
光接続構造40は、複数(本実施の形態では2本)のSi導波路413_1、413_2と第2導波路コア416_1、416_2とモードフィールド変換部415_1、415_2を備える光導波路を備える。さらに、複数の光ファイバ42_1、42_2が、その端面が光導波路それぞれの端面に対向するように、V溝410_1、410_2に配置され、接続部43_1、43_2がそれぞれの光導波路と光ファイバ42_1、42_2との間に配置される。さらに、V溝210_2に配置された樹脂硬化光入力用光ファイバ28に結合する結合導波路218が、分岐して、それぞれ複数の光導波路に接続する。
【0117】
光接続構造40では、まず、樹脂硬化光入力用光ファイバ28から結合導波路218に入力された樹脂硬化光27が、分岐構造417_2によって分岐される。分岐された光のうち一方の光は、2本の結合導波路218のうちX-側の結合導波路218より第2導波路コア416_2に結合され、X-方向に伝搬して、光導波路の端面から出射される。
【0118】
他方の光は、分岐構造417_2を通過後、Y+方向に結合導波路218を伝搬し、結合導波路218と第2導波路コア416_2とが十字交差する交差構造へと到達する。この交差構造において、結合導波路218が、Si導波路413_2の上部で第2導波路コア416_2と接続する。この交差構造では、交差構造における回折やSiの影響による過剰損失が発生する。しかし、前述の通り、自己形成導波路による光接続に必要な光は弱くてもよいため、多少の損失であれば大きな影響は発生しない。
【0119】
この交差構造を通過した後に、樹脂硬化光27はさらにY+方向に伝搬し、Y分岐構造417_1により第2導波路コア416_1に結合され、X-方向に伝搬して、光導波路の端面から出射される。
【0120】
以上により、チップ21の端面の2箇所の位置から同時に樹脂硬化光27を出射することができるため、2か所を同時に自己形成導波路により接続することが可能である。
【0121】
なお、本実施の形態においては、2つの導波路端面からの出射のみであるが、分岐構造と交差構造を組み合わせることで、2つ以上の導波路端面から同時に樹脂硬化光27の出射も可能である。これにより、さらに多数の導波路の同時接続も可能である。
【0122】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態に係る光接続構造を、図19図23を参照して説明する。
【0123】
<光接続構造50の構成>
図19に、本実施の形態に係る光接続構造50の上面透視図を示す。光接続構造50は、光ファイバの位置決め用のV溝210に連続して、それよりも幅の狭いV溝(以下、「ギャップ拡張溝」という。)51を有する。
【0124】
図12に示すテーパ形状の自己形成導波路を作製する際は、ギャップの長さを制御する必要がある。光のモードフィールド径を、自己形成導波路のテーパ状の導波路で変換する場合、テーパ形状の光の進行方向に対してなす角度(以下、「テーパ角」という。)を十分に小さくすることにより、モードフィールド径変換時の過剰損失を十分に小さくすることができる。
【0125】
テーパ角は、光ファイバ22と光導波路素子21の導波路(第2導波路コア216)とのコア径と、ギャップの長さによって決まる。一般的に、自己形成導波路のコア径は、光が出射される導波路のおおよそコア径大になることが知られている。したがって、異なるコア径間の接続の際には、最適なギャップ長さに設定することで、そのコア間を接続するのに適したテーパ角を有する自己形成導波路を形成することができる。
【0126】
しかし、矩形の開口部のV溝(例えば、図24A)を形成する場合、光ファイバ22のコア221の高さと導波路の高さを合わせながら、光ファイバコア221とチップ21の端面との間のギャップの長さを制御するのは難しい。これは、矩形の開口部の場合、以下の通り、図1Bに示す開口幅16によって、光ファイバ22のコア221の高さと、そのギャップの長さの両方がほとんど決まるためである。ここで、「高さ」とは、Si基板211表面に垂直な方向でV溝底の稜線又は底面からの高さをいう。
【0127】
まず、異方性エッチングされるV溝210の傾斜エッチング面Aの角度は一定(54.7°)であるため、V溝210における光ファイバ22の中心にあるコア221の高さは、図1Bからわかるように、その光ファイバ22の外径とV溝210の開口幅16によって決まる。
【0128】
ここで、汎用的な光ファイバの外径はほとんど決まっているため、光ファイバ22のコア221の高さはV溝210の開口幅16によって決まる。
【0129】
また、図1Aに示すように、光ファイバ22をV溝210によって位置決めする際、光ファイバ22の先端がV溝210の傾斜エッチング面Bに突き当たるまで押し込む。このときに生じるギャップは、光ファイバ22のコア221の高さと、V溝210の傾斜エッチング面Bの傾斜角度によって決まる。光ファイバ22のコア221の高さは、前述の通り開口幅によって決まり、V溝210の傾斜エッチング面Bの傾斜角度は一定(54.7°)である。したがって、光ファイバ22とチップ21内の導波路端面の間のギャップの長さも、その開口幅16によってほとんど決まる。
【0130】
このように、光ファイバ22のコア221の高さとギャップの長さとの両方が、開口幅16によって決まってしまうため、光ファイバコア221とチップ21の光導波路23の位置合わせをしながら、ギャップを制御することは困難である。
【0131】
そこで、本実施の形態においては、それぞれの高さ方向の位置合わせをしながら導波路間のギャップを制御するため、光ファイバ22を配置するためのV溝210の端面に連続して、それよりも幅が狭いギャップ拡張溝51を形成する。
【0132】
図19に示すように、幅が狭いギャップ拡張溝51を配置することにより、光ファイバ22とチップ21の端面間のギャップの長さを、V溝の長手方向に広げることができる。ギャップの長さは、例えばV溝形成用のマスクのレイアウトを変えることで、変更可能である。これにより、任意のギャップの長さを実現することが可能になる。
【0133】
このように、本実施の形態によれば、ギャップの長さを任意に制御することができるので、テーパ形状の自己形成導波路におけるテーパ角を小さくでき、モードフィールド径変換時の過剰損失を低減することができる。
【0134】
なお、図20に示すように、光ファイバ22を配置するためのV溝210より広い開口幅のV溝52にすると、追加した溝に光ファイバ22が侵入可能になるため、ギャップの長さを制御できなくなる。よって、光ファイバ22を配置するためのV溝210の幅よりも狭い開口幅の溝を追加する必要がある。
【0135】
なお、このギャップは、自己形成導波路の接続特性や信頼性、機械的強度など目的に応じて適宜設定すればよい。例えば、光軸ずれがある導波路間における、自己形成導波路による接続についても、その軸ずれ下で接続損失の低減効果にはギャップ依存性があることが知られている。
【0136】
図21に示すように、ギャップ拡張溝51の幅W2が、光ファイバ22配置用のV溝210の幅W1よりも小さく、チップ21の端面の導波路の幅(以下、「端面の導波路の幅」という。)W3よりも大きければ、得られる効果は同じであり、その開口部の形状は問わない。ここで、端面の導波路幅W3は、チップ端面における光のモードフィールド直径である。
【0137】
ここで、幅W2よりも幅W3が大きいとき、形成される自己形成導波路の幅が、ほとんど幅2によって決まるため、光導波路コア径と略同等の径を有する自己形成導波路を形成することができず、接続損失が増大する。
【0138】
この構造を用いて自己形成導波路を形成する場合、幅が狭いギャップ拡張溝51に光硬化樹脂が滴下されて自己形成導波路が形成されるので、自己形成導波路の幅は、ギャップ拡張溝51の幅に従い、光ファイバ22配置用のV溝210の幅W1よりも狭くチップ21の端面の導波路の幅W3よりも広くなる。実際には、自己形成導波路の幅は、チップ21の端面の導波路の幅W3から光ファイバ22配置用のV溝210の幅W1まで増加するように形成される。または、自己形成導波路の幅を一定として形成することもできる。
【0139】
また、図22に示す構造では、ギャップ拡張溝の側面に、さらに溝部(以下、「流路用溝」という。)53を備える。この流路用溝53の配置の一例として、その長手方向をギャップ拡張溝51の長手方向に垂直な方向とする構成を示す。この溝部を、樹脂の滴下や未硬化の樹脂洗浄用の溶液の滴下などを行うための流路とすることができるため、チップ21上方からの樹脂の滴下が容易になる。
【0140】
なお、ギャップ拡張溝51や流路用溝53は、光ファイバ22とチップ21との端面の間のギャップを確保可能な形状であれば、その形状を問わず発明上同様の効果を得ることができる。例えばV溝ではなく、ドライエッチングなどで作製できるような溝でもよい。
【0141】
また、図23に示すように、2つの大きさが異なるV溝の連続部の形状54は、エッチング時間のようなエッチングの条件により、エッチングされた面の結晶の方位が崩れたことによる、滑らかな連続部をもつ形状になることもある。しかし、図23に示すように、開口幅が小さい溝が導波路間と光ファイバ22の間のギャップを確保することができる形状であれば、同様の効果を得ることができ、その形状を問わない。
【0142】
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態に係る光モジュール60を説明する。光モジュール60は、第1~5の実施の形態に係る光接続構造と、光回路と、電子回路とを備える。光接続構造を介して入力される光信号は、光回路で光処理され、電子回路においてフォトダイオードで電気信号に変換され演算等の処理がなされる。ここで、光モジュール60は、光回路を備えず、光接続構造から直接電子回路に接続される構成でもよい。また、光モジュール60は、光接続構造の光導波路素子と光回路と電子回路を同一の基板上に集積することができる。
【0143】
本発明の実施の形態において用いた材料は一例であり、これに限らない。光導波路素子における導波路の材料には、Si以外にもInP、GaAsなどの半導体の他に誘電体、樹脂などを用いてもよい。第2導波路コアとしてはSiOx等の誘電体の他に樹脂材料や半導体などを用いてもよい。ここで、第2の導波路コアに覆われているコア(導波路)の屈折率が第2導波路コアより屈折率が高く、第2導波路コアはオーバークラッド部より屈折率が高くなる材料であれば、本構造はその材料を限定するものではない。また、基板には、Si以外にもSiCやガラスなどの材料を用いてもよい。ここで、基板は、エッチングによりV溝が形成できるものであればよい。
【0144】
本発明の実施の形態では、光接続構造の構成、製造方法などにおいて、各構成部の構造、寸法、材料等の一例を示したが、これに限らない。光接続構造の機能を発揮し効果を奏するものであればよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明は、光ファイバと光素子とを接続する光接続構造、光モジュールおよび光接続構造の製造方法に関するものであり、光通信等の機器・システムに適用することができる。
【符号の説明】
【0146】
10 光接続構造
11 光導波路素子
110 V溝
111 基板
112 BOX層
113 第1導波路
114 オーバークラッド
12 光ファイバ
131 自己形成導波路
132 クラッド
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24A
図24B
図25
図26