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  • 特許-密閉冷却水系のpH制御方法及び装置 図1
  • 特許-密閉冷却水系のpH制御方法及び装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】密閉冷却水系のpH制御方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C23F 11/08 20060101AFI20241210BHJP
【FI】
C23F11/08
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2023112908
(22)【出願日】2023-07-10
【審査請求日】2024-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000001063
【氏名又は名称】栗田工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100086911
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100144967
【弁理士】
【氏名又は名称】重野 隆之
(72)【発明者】
【氏名】飯村 晶
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-057888(JP,A)
【文献】特開平07-109585(JP,A)
【文献】米国特許第05415783(US,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0101474(KR,A)
【文献】特開2012-179601(JP,A)
【文献】特開平11-028461(JP,A)
【文献】特表2021-509380(JP,A)
【文献】国際公開第2005/116296(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/66-1/68
C02F 5/00-5/14
C23F 11/00-11/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
密閉冷却水系のpHを制御する密閉冷却水系のpH制御方法において、
該密閉冷却水系は、
水を冷却して冷水とする冷凍機と、
冷水が通水される熱交換部と、
該冷凍機からの冷水を該熱交換部に送水する第送水配管と、
該熱交換部からの水を該冷凍機に送水する第送水配管と、
該第1送水配管から分岐し、該冷凍機を迂回して第2送水配管に合流するバイパスラインと、
該第1送水配管(ただし、該バイパスラインの分岐部より該冷凍機側)又は第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも該冷凍機側)に設けられた流量調節バルブと、
該第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも前記熱交換部側)に炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加する添加手段と、
該第2送水配管(ただし、該添加手段による炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方の添加部よりも前記熱交換部側)に設けられたpH計と
を備えており、
該pH計の検出pHが所定値よりも高くなった場合に、該添加手段によって炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を該第2送水配管に添加する密閉冷却水系のpH制御方法。
【請求項2】
密閉冷却水系のpHを制御する密閉冷却水系のpH制御方法において、
該密閉冷却水系は、
水を冷却して冷水とする冷凍機と、
冷水が通水される熱交換部と、
該冷凍機からの冷水を該熱交換部に送水する第送水配管と、
該熱交換部からの水を該冷凍機に送水する第送水配管と、
該第1送水配管から分岐し、該冷凍機を迂回して第2送水配管に合流するバイパスラインと、
該第1送水配管(ただし、該バイパスラインの分岐部より該冷凍機側)又は第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも該冷凍機側)に設けられた流量調節バルブと、
該第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも該熱交換部側)から分岐し、この分岐部分よりも該熱交換部側において該第2送水配管に合流する分岐・合流配管と、
該分岐・合流配管に炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加する添加手段と、
該分岐・合流配管(ただし、該添加手段による炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方の添加部よりも前記熱交換部側)に設けられたpH計と
を備えており、
該pH計の検出pHが所定値よりも高くなった場合に、該添加手段によって炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を該分岐・合流配管に添加する密閉冷却水系のpH制御方法。
【請求項3】
前記密閉冷却水系の接水部材の少なくとも一部が鉄系又は銅系の金属部材よりなる請求項1又は2の密閉冷却水系のpH制御方法。
【請求項4】
密閉冷却水系のpHを制御する密閉冷却水系のpH制装置において、
該密閉冷却水系は、
水を冷却して冷水とする冷凍機と、
冷水が通水される熱交換部と、
該冷凍機からの冷水を該熱交換部に送水する第送水配管と、
該熱交換部からの水を該冷凍機に送水する第送水配管と、
該第1送水配管から分岐し、該冷凍機を迂回して第2送水配管に合流するバイパスラインと、
該第1送水配管(ただし、該バイパスラインの分岐部より該冷凍機側)又は第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも該冷凍機側)に設けられた流量調節バルブと、
該第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも前記熱交換部側)に炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加する添加手段と、
該第2送水配管(ただし、該添加手段による炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方の添加部よりも前記熱交換部側)に設けられたpH計と
を備えており、
該pH計の検出pHが所定値よりも高くなった場合に、該添加手段によって炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方が該第2送水配管に添加される密閉冷却水系のpH制御装置。
【請求項5】
密閉冷却水系のpHを制御する密閉冷却水系のpH制装置において、
該密閉冷却水系は、
水を冷却して冷水とする冷凍機と、
冷水が通水される熱交換部と、
該冷凍機からの冷水を該熱交換部に送水する第送水配管と、
該熱交換部からの水を該冷凍機に送水する第送水配管と、
該第1送水配管から分岐し、該冷凍機を迂回して第2送水配管に合流するバイパスラインと、
該第1送水配管(ただし、該バイパスラインの分岐部より該冷凍機側)又は第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも該冷凍機側)に設けられた流量調節バルブと、
該第2送水配管(ただし、該バイパスラインの合流部よりも該熱交換部側)から分岐し、この分岐部分よりも該熱交換部側において該第2送水配管に合流する分岐・合流配管と、
該分岐・合流配管に炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加する添加手段と、
該分岐・合流配管(ただし、該添加手段による炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方の添加部よりも前記熱交換部側)に設けられたpH計と
を備えており、
該pH計の検出pHが所定値よりも高くなった場合に、該添加手段によって炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方が該分岐・合流配管に添加される密閉冷却水系のpH制御装置。
【請求項6】
前記密閉冷却水系の接水部材の少なくとも一部が鉄系又は銅系の金属部材よりなる請求項4又は5の密閉冷却水系のpH制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉冷却水系のpHを制御する密閉冷却水系のpH制御方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
密閉冷却水系では、途中で大気に開放する部分を設けずに密閉した状態で冷却水を循環させる冷却方式であることから、一般的に、開放冷却水系に比べて冷却水(循環水)が汚れ難く、メンテナンスの頻度を抑えられるというメリットがある。
【0003】
密閉循環式冷却水系の金属材料、特に主材料である鉄材質の腐食抑制方法としては、酸化型または沈殿型の防食皮膜を利用するものや、脱酸素によるものなどが挙げられる。
【0004】
酸化型皮膜による腐食抑制方法としては、亜硝酸、モリブデン酸、タングステン酸およびそれらのアルカリ性塩の1種以上とアルカリ金属炭酸水素塩を併用したものがある(特許文献1)。沈殿型皮膜による腐食抑制方法としては、リン酸塩や亜鉛塩を利用したものがあり、脱酸素による腐食抑制方法としては、ヒドラジンを利用したものがある。
【0005】
特許文献2には、鉄系部材及び銅系部材を備える密閉冷却水系に、(a)エリソルビン酸、アスコルビン酸、及びこれらの塩からなる群から選ばれる1種以上、並びに(b)アルカリ金属炭酸塩及び/又はアルカリ金属炭酸水素塩を添加する、密閉冷却水系における腐食抑制方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開公報2014/119788号
【文献】特開2015-203121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような腐食抑制剤を添加しても、密閉冷却水系のpHが上昇し、金属部材が腐食することがある。
【0008】
密閉冷却水系でのpH上昇原因は大きく二つに分けられる。一つは、金属の腐食に伴うアルカリ(OH)の生成によるpH上昇である。他の一つは、亜硝酸(NO )系防食剤を使用した際に徐々にアルカリが生成することによるpH上昇である。
【0009】
密閉冷却水系のpHが10を超えると、銅材質や鉄材質等の金属部材の腐食速度が高くなり、設備寿命が短くなったり、溶出した金属イオンがスラッジ化して水系を詰まらせ冷却効率が低下する。
【0010】
密閉冷却水系において、pHが上昇した際のpH低下策の一つとして酸注入がある。しかし、塩酸や硫酸を注入すると、塩化物イオンや硫酸イオンの増加により腐食性が増加する問題があり、実施された例は少ない。
【0011】
pH低下策としては、水の入れ替えが多く採用されているが、用排水量の増大や、入れ替えた水を再度、低温水とするための冷却エネルギーが無駄になるなどの課題がある。
【0012】
本発明は、pHが上昇した密閉冷却水のpHを、水の入れ替え無く、また腐食性イオンを増加させることなく、低下させることができる密閉冷却水系のpH制御方法及び装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の密閉冷却水系のpH制御方法は、密閉冷却水系のpHを制御する密閉冷却水系のpH制御方法において、該密閉冷却水系のpHが所定値よりも高くなった場合に、炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を該密閉冷却水系に添加することを特徴とする。
【0014】
本発明方法の一態様では、前記密閉冷却水系の接水部材の少なくとも一部が鉄系又は銅系の金属部材よりなる。
【0015】
本発明方法の一態様では、前記密閉冷却水系は、水を冷却して冷水とする冷却手段と、冷水が通水される熱交換部と、該冷却手段からの冷水を該熱交換部に送水する第1送水配管と、該熱交換部からの水を該冷却手段に送水する第2送水配管とを有しており、該第1送水配管又は第2送水配管を流れる水に前記炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加する。
【0016】
本発明方法の一態様では、前記第1送水配管を流れる水に前記炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加する。
【0017】
本発明の密閉冷却水系のpH制御装置は、密閉冷却水系のpHの測定手段と、該測定手段の検出pHが所定値よりも高くなった場合に、炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を該密閉冷却水系に添加する添加手段とを有する。
【0018】
本発明装置の一態様では、前記密閉冷却水系の接水部材の少なくとも一部が鉄系又は銅系の金属部材よりなる。
【0019】
本発明装置の一態様では、前記密閉冷却水系は、水を冷却して冷水とする冷却手段と、冷水が通水される熱交換部と、該冷却手段からの冷水を該熱交換部に送水する第1送水配管と、該熱交換部からの水を該冷却手段に送水する第2送水配管とを有しており、該第1送水配管又は第2送水配管に前記添加手段が設けられている。
【0020】
本発明装置の一態様では、前記第1送水配管に前記添加手段が設けられている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の密閉冷却水系のpH制御方法及び装置によると、密閉冷却水系のpHが所定値よりも高くなった場合に、密閉冷却水系に炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を添加することにより、密閉冷却水系のpHを低下させる。これにより、密閉冷却水系の接水部材の少なくとも一部が鉄系、銅系あるいは亜鉛等の金属部材にて構成されている場合であっても、該金属部材の腐食が抑制され、設備寿命が長くなる。また、溶出した金属イオンがスラッジ化して水系を詰まらせることが抑制されるので、冷却効率も向上する。
【0022】
本発明では、密閉冷却水系のpHを低下させるために炭酸ガス及び炭酸水の少なくとも一方を用いるので、密閉冷却水系内の塩化物イオンや硫酸イオンが増加することがなく、これらによる腐食性増加は生じない。
【0023】
本発明では、密閉冷却水系のpHを低下させるための水の入れ替えを行う必要がないので、用排水量の増加がなく、また入れ替えた水を低温水とするための冷却エネルギーが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】第1の実施の形態を説明する密閉冷却水系の構成図である。
図2】第2の実施の形態を説明する密閉冷却水系の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
【0026】
図1は、第1の実施の形態を説明する密閉冷却水系の構成図である。本実施形態の密閉冷却水系は、その設備において、鉄系部材及び銅系部材を備えていれば特に限定されない。そのような密閉冷却水系としては、例えば、一般工場反応釜系、製鉄所冷却水系、発電用又は舶用エンジン冷却水系、一般工場冷却水系、発電所軸受冷却水系などが挙げられる。
【0027】
この密閉冷却水系は、循環ポンプ1及び配管2,3によって水を冷凍機4に送水し、冷凍機4からの冷水を配管5,6によって空調機7に送水し、空調機7周囲の空気を冷却する。空調機7で昇温した水は、配管8を経て循環ポンプ1に戻る。
【0028】
この実施の形態では、冷凍機4を迂回するように配管9、バイパス弁10及び配管11よりなるバイパスラインが設けられている。配管9の上流端は、配管2,3の接続点に接続され、配管11の下流端は配管5,6の接続点に接続されている。バイパス弁10を開とすることにより、循環ポンプ1からの水の一部がバイパスラインを流れる。なお、配管3又は5に流量調節バルブを設けておき、バイパス弁10を開とし、該流量調節バルブの開度を制御することにより、ポンプ1からの冷凍機4への送水量を制御することができる。
【0029】
ただし、このバイパスラインを省略し、循環ポンプ1を制御して冷凍機4への送水量を制御してもよい。
【0030】
この実施の形態では、配管6にpH計12と、炭酸ガスを添加するための添加手段13とが設けられている。pH計12は添加手段13の下流側に配置されている。pH計12の検出信号は、制御器14に入力される。pH計12の検出pHが所定値よりも高い場合、制御器14からの制御信号によって添加装置13から炭酸ガスが配管6に添加される。添加されたガスが配管6内の水に溶解することにより、該水のpHが低下する。pH計の検出pHが該所定値よりも低くなったときには、添加装置13からの炭酸ガスの添加を停止する。
【0031】
上記所定値は、25℃において、5以上、特に6以上、とりわけ7以上で、且つ11以下、特に10以下、とりわけ9以下であることが好ましい。
【0032】
pHの測定は、連続的に行われてもよく、間隔をあけて定期的に行われてもよい。この間隔としては、0.5日以上、特に1日以上、とりわけ7日以上で、且つ90日以下、特に60日以下、とりわけ30日以下が好ましい。
【0033】
この密閉冷却水系にあっては、pH計12の検出pHが所定値よりも高くなった場合に、密閉冷却水系に炭酸ガスを添加することにより、密閉冷却水系のpHを所定値におさめるものとする。これにより、密閉冷却水系の接水部材の少なくとも一部が鉄系、銅系あるいは亜鉛等の金属部材にて構成されている場合であっても、該金属部材の腐食が抑制される。これにより、設備寿命が長くなる。また、溶出した金属イオンがスラッジ化して水系を詰まらせることが抑制されるので、冷却効率も向上する。
【0034】
本実施形態において、鉄系部材には、鉄製部材のほか、炭素鋼等の鉄を含む鉄合金製部材も含まれる。また、銅系部材には、銅製部材のほか、真鍮等の銅を含む銅合金製の部材も含まれる。鉄系部材及び銅系部材としての密閉冷却水系における具体的な部品は特に限定されず、例えば、ポンプ、配管、冷凍機、空調機、弁及びその他機械部品等が挙げられる。
【0035】
この実施の形態では、密閉冷却水系のpHを低下させるために炭酸ガスを用いるので、密閉冷却水系内の塩化物イオンや硫酸イオンが増加することがなく、これらによる腐食性増加は生じない。
【0036】
この実施の形態では、密閉冷却水系のpHを低下させるための水の入れ替えを行う必要がないので、用排水量の増加がなく、また、入れ替えた水を低温水とするための冷却エネルギーが不要となる。
【0037】
この実施の形態では、冷凍機4からの低温水に炭酸ガスを添加するので、炭酸ガスが水に効率よく溶解する。
【0038】
図1の実施の形態では、配管6にpH計12及び添加装置13を設けているが、配管8にpH計12及び添加装置13を設けてもよい。図2の実施の形態では、配管6から分岐して配管6に合流する分岐・合流配管15を設け、この分岐・合流配管15にpH計12及び添加装置13を設けているが、配管8から分岐して配管8に合流する分岐・合流配管15を設け、この分岐・合流配管15にpH計12及び添加装置13を設けてもよい。図2のその他の構成は図1と同一であり、同一符号は同一部分を示している。図2の実施の形態でも、図1と同様の作用効果が得られる。
【0039】
上記各実施の形態では、添加装置13として炭酸ガスを供給するものとしているが、水は透過させないがガスは透過するガス透過膜を用いて炭酸ガスを密閉冷却水系の水に溶解させるようにして添加してもよい。
【0040】
また、炭酸ガスを水に溶解させて炭酸水とし、この炭酸水を密閉冷却水系に添加するようにしてもよい。炭酸ガス添加手段と、炭酸水添加手段との双方を設けてもよい。
【0041】
図1,2の実施の形態では、冷凍機4が用いられているが、冷却用熱交換器が用いられてもよい。また、空調機7の代りに空調機以外の熱交換器が用いられてもよい。
【符号の説明】
【0042】
1 循環ポンプ
4 冷凍機
7 空調機
12 pH計
13 添加装置
14 制御器
【要約】
【課題】pHが上昇した密閉冷却水のpHを、水の入れ替え無く、また腐食性イオンを増加させることなく、低下させることができる密閉冷却水系のpH制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】循環ポンプ1及び配管2,3によって水を冷凍機4に送水し、冷凍機4からの冷水を配管5,6によって空調機7に送水し、空調機7周囲の空気を冷却する。空調機7で昇温した水は、配管8を経て循環ポンプ1に戻る。配管6にpH計12と、炭酸ガスを添加するための添加装置13とが設けられている。pH計12は添加装置13の下流側に配置されている。pH計12の検出信号は、制御器14に入力される。pH計12の検出pHが所定値よりも高い場合、制御器14からの制御信号によって添加装置13から炭酸ガスを配管6に添加し、pHを低下させる。
【選択図】図1
図1
図2