(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】情報付与装置、情報付与方法及び情報付与プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0633 20230101AFI20241210BHJP
【FI】
G06Q10/0633
(21)【出願番号】P 2023565790
(86)(22)【出願日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 JP2021045213
(87)【国際公開番号】W WO2023105696
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-04-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004226
【氏名又は名称】日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】卜部 有記
(72)【発明者】
【氏名】土川 公雄
(72)【発明者】
【氏名】若杉 泰輔
(72)【発明者】
【氏名】横瀬 史拓
(72)【発明者】
【氏名】内田 諒
(72)【発明者】
【氏名】八木 佐也香
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2021/171366(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/235085(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/204144(WO,A1)
【文献】特開2021-060933(JP,A)
【文献】特開2018-147198(JP,A)
【文献】国際公開第2019/074125(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータの操作ログに示されるイベントに対応する操作を特定する特定部と、
前記特定部によって特定された操作の組み合わせ及び順番のパターンと、業務における作業と、を対応付けた情報である作業モデルを作成する作成部と、
前記作業モデルを用いて、前記操作ログに示されるイベントのそれぞれに、対応する作業を示す情報である第1の情報を付与する作業情報付与部と、
前記操作ログに示されるイベントのうち、前記第1の情報が付与されたイベントのそれぞれに、前記コンピュータの画面のキャプチャ画像に基づき、対応する案件を示す情報である第2の情報を付与する案件情報付与部と、
を有することを特徴とする情報付与装置。
【請求項2】
前記作成部は、前記操作のうち、前記コンピュータの画面のキャプチャ画像の中から、ユーザが選択したキャプチャ画像に対応付けられた操作を基に、前記作業モデルを作成することを特徴とする請求項1に記載の情報付与装置。
【請求項3】
前記作業情報付与部は、前記操作ログに示されるイベントを発生日時に沿って並べた系列における連続するイベントであって、前記作業モデルに含まれるパターンとの一致度合いに関する条件を満たす連続するイベントに、前記作業モデルに含まれる作業を示す情報を前記第1の情報として付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報付与装置。
【請求項4】
前記案件情報付与部は、前記操作ログに示されるイベントのうち前記第1の情報が付与されたイベントを発生日時に沿って並べた系列における連続する2つのイベントのそれぞれに対応する前記コンピュータの画面に関する情報を比較することにより、前記2つのイベントが同じ案件に対応するものであるか否かを判定した結果を基に、前記2つのイベントに前記第2の情報を付与することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の情報付与装置。
【請求項5】
前記操作ログに示される複数のイベントに対して付与された前記第1の情報、又は前記第1の情報と前記第2の情報の両方を表示する画面を表示させる表示制御部をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の情報付与装置。
【請求項6】
情報付与装置によって実行される情報付与方法であって、
コンピュータの操作ログに示されるイベントに対応する操作を特定する特定工程と、
前記特定工程によって特定された操作の組み合わせ及び順番のパターンと、業務における作業と、を対応付けた情報である作業モデルを作成する作成工程と、
前記作業モデルを用いて、前記操作ログに示されるイベントのそれぞれに、対応する作業を示す情報である第1の情報を付与する作業情報付与工程と、
前記操作ログに示されるイベントのうち、前記第1の情報が付与されたイベントのそれぞれに、前記コンピュータの画面のキャプチャ画像に基づき、対応する案件を示す情報である第2の情報を付与する案件情報付与工程と、
を含むことを特徴とする情報付与方法。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1から5のいずれか1項に記載の情報付与装置として機能させるための情報付与プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報付与装置、情報付与方法及び情報付与プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業等で効果的な業務改善を実現するためには、対象となる業務を正確に把握することが重要である。業務を行う担当者は、日々、複数の業務を、PC(Personal Computer)、タブレット型端末等の情報端末を用いて実施している。また、情報端末を介して行われた業務は、複数の作業で構成される。
【0003】
例えば、PCで行われる作業は、業務を遂行するために必要な一連の情報入力操作(テキストボックスへの入力、ボタンのクリック等)を指す。
【0004】
実業務における操作手順は、担当者及びオーダの内容等様々な要因により多様化する。操作手順は、基本的にはマニュアルにより規定されているが、マニュアルの作成当初から作業内容に変更があったり、担当者が独自の方法で作業を実施していたりするため、マニュアルと実業務における操作手順との間に乖離が発生する場合がある。
【0005】
業務分析者は、業務改善策検討の前提として、どのような作業にどれくらいの時間がかけられ、また、作業がどのような手順で実施されているのかを把握する必要がある。
【0006】
例えば、業務改善の効果を高めるためにRPA(Robotic Process Automation)を導入する際には、業務で行われる作業の種別と量を把握し、作業量の多い作業種別からRPAを導入することで効率よく業務改善を実現することが可能となる。
【0007】
従来、業務の改善箇所を特定するために、プロセスマイニングを利用して業務で行われる作業の流れを分析、可視化する技術が知られている(例えば、非特許文献1)。
【0008】
プロセスマイニングの分析、可視化で用いられる情報は、分析対象のイベントが記録された操作ログである。また、プロセスマイニングでは、操作ログはひとまとまりの作業ごとに分かれている。例えば、操作ログは、操作時刻、イベント、案件情報(シーケンス等とも呼ばれる)等を含む。
【0009】
プロセスマイニングでは、同じ作業である案件情報ごとの操作ログの同一イベントを重ね合わせて、プロセスを可視化することでメインフローを発見することができる。
【0010】
また、プロセスマイニングでは、複数の案件を、同一操作が同じ列となるように並べて可視化することで、案件ごとに発生したイベントを比較して問題点を発見することができる。
【0011】
分析対象となるイベントは、業務の種類及び分析したい粒度によって様々である。例えば、分析対象となるイベントは、ボタンクリック、テキストボックスへの入力等のGUI(Graphical User Interface)部品への操作である。
【0012】
また、従来、PC上で行われる操作に関する操作ログを網羅的に収集する技術が知られている(例えば、非特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0013】
【文献】卜部、八木、土川、増田、操作ログを入力とした業務プロセス可視化手法の検討、信学技報, vol. 118, no. 483, ICM2018-64, pp. 83-88, 2019年3月.
【文献】横瀬、卜部、八木、土川、増田、大石、DX推進に貢献する業務可視化技術, NTT技術ジャーナル, vol. 32, no. 2, 2020年2月.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来の技術には、プロセスマイニングを効率良く行うことが困難であるという問題がある。
【0015】
例えば、非特許文献1に記載の方法でプロセスマイニングを行うためには、操作ログに示されるイベントごとの操作が特定されていて、かつ、各イベントが対応する業務上の作業及び案件が明らかになっている必要がある。
【0016】
一方で、非特許文献2の方法で収集された操作ログには、各イベントの操作、対応する作業及び案件は示されていない。
【0017】
これに対し、操作ログに手動で必要な情報を付与することも考えられるが、そのような方法では効率が低下する。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、情報付与装置は、コンピュータの操作ログに示されるイベントに対応する操作を特定する特定部と、前記特定部によって特定された操作の組み合わせ及び順番のパターンと、業務における作業と、を対応付けた情報である作業モデルを作成する作成部と、前記作業モデルを用いて、前記操作ログに示されるイベントのそれぞれに、対応する作業を示す情報である第1の情報を付与する作業情報付与部と、前記操作ログに示されるイベントのうち、前記第1の情報が付与されたイベントのそれぞれに、前記コンピュータの画面のキャプチャ画像に基づき、対応する案件を示す情報である第2の情報を付与する案件情報付与部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プロセスマイニングを効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報付与システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、作業モデル情報の例を示す図である。
【
図4】
図4は、作業モデル作成画面の例を示す図である。
【
図5】
図5は、情報の付与手順を説明する図である。
【
図6】
図6は、情報の付与手順を説明する図である。
【
図7】
図7は、作業情報を可視化した画面の例を示す図である。
【
図8】
図8は、案件情報を可視化した画面の例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態に係る情報付与装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、情報付与プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本願に係る情報付与装置、情報付与方法及び情報付与プログラムの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態により限定されるものではない。
【0022】
[第1の実施形態]
ここでは、操作ログは、コンピュータに対する操作に応じて発生した各イベントに対応するレコードの集合であるものとする。
【0023】
レコードには、当該イベントが発生した日時、操作対象のアプリケーションの情報、操作の内容、及び操作時にコンピュータに表示されていた画面及びGUIパーツの情報等が含まれる。
【0024】
ここで、プロセスマイニングに使われる操作ログにおいては、各イベントに対応する操作及び案件が既知である必要がある。また、作業ごとにプロセスマイニングを行う場合は、各イベントに対する作業が既知である必要がある。
【0025】
一方で、非特許文献2に記載の技術では、収集した操作ログにおいては、各イベントに対応する操作、作業、及び案件が特定されていない。
【0026】
例えば、コンピュータでは様々な案件及び作業に対応する操作が行われるのに対し、対応する案件及び作業にかかわらず、操作ログは1つのファイルに保存される場合がある。この場合、従来の技術ではファイル内の各レコードに対応する案件及び作業を区別することは難しい。
【0027】
本実施形態の情報付与装置は、操作ログに含まれるイベントの操作を特定し、さらに各イベントに対応する作業及び案件を示す情報を付与する。
【0028】
[第1の実施形態の構成]
図1は、第1の実施形態に係る情報付与システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、情報付与システム1は、情報付与装置10及び端末装置20を有する。
【0029】
例えば、情報付与装置10はサーバである。また、例えば、端末装置20は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット型端末等のコンピュータである。
【0030】
情報付与装置10と端末装置20は、データ通信ができるようにネットワークを介して接続されているものとする。
【0031】
ユーザは、業務において、端末装置20を操作する。例えば、端末装置20は、Webブラウザ、表計算ソフト、文書作成ソフト等のアプリケーションを実行する。そして、ユーザは、端末装置20が画面に表示するGUIパーツに対して入力等の操作を行う。
【0032】
なお、情報付与装置10の一部又は全部の機能は、端末装置20に備えられていてもよい。その場合、端末装置20は、情報付与装置として機能することができる。
【0033】
図1に示すように、情報付与装置10は、通信部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0034】
通信部11は、ネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う。例えば、通信部11はNIC(Network Interface Card)である。
【0035】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0036】
記憶部12は、情報付与装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。記憶部12は、操作ログ121及び作業モデル情報122を記憶する。
【0037】
図2は、操作ログの例を示す図である。
図2に示すように、操作ログ121は、端末装置20に対する操作に応じて発生した各イベントに対応するレコードの集合である。なお、端末装置20は、コンピュータの一例である。
【0038】
図2の操作ログ121における各列を属性と呼ぶ。また、操作ログ121における各レコード(行)の属性ごとの値を属性値と呼ぶ。
【0039】
また、
図2の操作ログ121は、Webブラウザに対する操作に関する情報であるものとする。操作ログ121の属性は、
図2に示すものに限られない。操作ログ121の属性には、例えば入力装置(キーボード、マウス等)からの入力の履歴、CUI(Character User Interface)上で入力されたコマンドの文字列等が含まれていてもよい。
【0040】
端末装置20は、Webブラウザを実行しWebページを画面に表示させ、当該Webページ上のGUIパーツに対する入力等の操作を受け付ける。操作ログ121は、Webページに対する操作に関する情報である。
【0041】
操作ログ121に含まれる属性は下記の通りである。
日時:イベントが発生した時刻情報(日付を含む)
操作種別:操作の種別を表す文字列
アプリケーション:実行中のアプリケーションの実行ファイルの名称を表す文字列
URL:表示されているWebページのURLを表す文字列
タイトル:Webページのタイトルを表す文字列
tagName:GUIパーツが含まれるタグを表す文字列
type:GUIパーツのタイプを表す文字列
value:GUIパーツへの入力値を表す文字列
id:GUIパーツを識別するための文字列
name:GUIパーツの名称を表す文字列
className:GUIパーツのクラスの名称を表す文字列
left:GUIパーツの位置を表す数値
top:GUIパーツの位置を表す数値
width:GUIパーツの位置を表す数値
height:GUIパーツの位置を表す数値
image:画面のキャプチャ画像のデータ(例えば、ファイルパスを表す文字列)
【0042】
各属性は同名のHTMLのタグに対応するものであってもよい。また、設定されていない属性又は属性値が取得できなかった属性には、操作ログ121においてはnull値が設定される。
【0043】
なお、操作ログ121に含まれる属性値は、端末装置20から取得した情報そのものである必要はない。属性値は、取得した情報を加工したものであってもよいし、複数の情報を組み合わせたものであってもよい。また、組み合わせられる複数の情報は、操作ログ121に現れないものであってもよい。
【0044】
なお、属性「操作ID」は、各レコードに示されるイベントの操作を識別するための情報である。操作IDの特定方法については後述する。
【0045】
例えば、
図2の1行目のレコードには、「2021/03/10 12:02:10」に発生したイベントであって、アプリケーション「Example.exe」がURL「http://www.sample.jp/transit/?session=0001」のWebページを表示している際に発生したイベントに関する情報が示されている。
【0046】
また、
図2の1行目のレコードには、「経路検索」というタイトルの画面で、tagNameが「input」、typeが「text」、idが「null」、nameが「on_st」であるGUIパーツに、「YRP野比」という値が入力されたことが示されている。
【0047】
また、
図2の1行目のレコードには、GUIパーツが、left「217」、top「84」、width「195」、height「24」で表される位置にあることが示されている。また、操作時の画面のキャプチャ画像が「1.png」というファイルに格納されていることが示されている。
【0048】
なお、GUIパーツには、テキストボックス、ボタン(送信用(submit)を含む)、プルダウン、チェックボックス、ラジオボタン等が含まれる。
【0049】
図3は、作業モデル情報の例を示す図である。作業モデル情報122には、作業モデルが格納される。
図3に示すように、作業モデルは、操作の組み合わせ及び順番のパターンである。操作は操作IDによって表される。
【0050】
図3には、作業名が「出張工程検索作業」である作業モデルが、操作a、操作b、操作c、操作d、操作e、操作f、操作g、操作hの順でこれらの操作を組み合わせたパターンであることが示されている。
【0051】
なお、作業モデルは、
図3のように作業名によって識別されるものであってもよいし、作業モデルごとに付与されたIDによって識別されるものであってもよい。
【0052】
図1に戻り、制御部13は、情報付与装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。
【0053】
また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0054】
例えば、制御部13は、特定部131、作成部132、作業情報付与部133、案件情報付与部134及び表示制御部135を有する。
【0055】
特定部131は、コンピュータの操作ログ121に示されるイベントに対応する操作を特定する。
【0056】
特定部131は、操作ログ121の各属性値を基に、操作IDを特定する。操作IDは、同一の操作に対応するイベント(レコード)を識別するためのIDである。
【0057】
つまり、端末装置20においては、同じ操作であっても異なるイベントが発生する場合がある。逆に、異なるイベントであっても、同じ操作によるものとみなされる場合がある。
【0058】
例えば、あるテキストボックスに「abc」という文字列が入力される事象と、当該テキストボックスに「xyz」という文字列が入力される事象は、いずれも「テキストボックスに文字列を入力する」という操作によるものである。一方で、入力される文字列が異なるため、各事象は互いに異なるイベントとみなされる。
【0059】
特定部131は、操作ログ121の各属性に(1)完全一致で文字列を判定、(2)部分一致で文字列を判定、(3)数値の範囲で判定、(4)判定に利用しない、のいずれかのルールを適用して同じ操作のイベントを特定する。
【0060】
特定部131は、操作ログ121の属性のうち、操作種別、アプリケーション、tagName、type、id及びnameには(1)を適用する。特定部131は、操作ログ121の属性のうち、URL及びタイトルには(2)を適用する。特定部131は、操作ログ121の属性のうち、width及びheightには(3)を適用する。特定部131は、操作ログ121の属性のうち、日時、value、className、left、topには(4)を適用する。
【0061】
例えば、特定部131は、
図2に示す操作ログ121の1行目及び9行目のレコードの操作IDを「操作a」とする。例えば、1行目と9行目のレコードでは、操作種別、アプリケーションが一致するのに対し、日時及びvalueは一致しない。
【0062】
作成部132は、特定部131によって特定された操作の組み合わせ及び順番のパターンと、業務における作業と、を対応付けた情報である作業モデルを作成する。作業モデルは、業務における作業を完了するために行われる一連の操作を表すモデルである。
【0063】
作成部132は、作業モデル作成画面を介して受け付けたユーザの指定により作業モデルを作成してもよい。例えば、作成部132は、操作のうち、コンピュータの画面のキャプチャ画像の中から、ユーザが選択したキャプチャ画像に対応付けられた操作を基に、作業モデルを作成する。
【0064】
図4は、作業モデル作成画面の例を示す図である。例えば、作業モデル作成画面31は、情報付与装置10によって作成され、端末装置20によって表示される。また、作業モデル作成画面31は、端末装置20とは異なる装置によって表示されてもよい。
【0065】
作成部132は、操作ログ121の操作IDと、操作IDに紐づくキャプチャ画像を抽出して、領域311に操作IDごとのキャプチャ画像を表示する。なお、作成部132は、操作ログ121のimageを参照してキャプチャ画像を抽出する。
【0066】
また、領域311には、キャプチャ画像に関する補足的な情報が表示される。例えば、
図4の領域311には、キャプチャ画像が飛行機検索画面のものであることが示されている。
【0067】
作成部132は、キャプチャ画像を、ユーザが選択しやすいように、画面に関する情報(タイトル、URL)ごとに領域311に表示してもよい。
【0068】
また、作成部132は、操作箇所をわかりやすく表示するようにキャプチャ画像の操作箇所周辺のみを切り取り、また、操作箇所の情報(top、left、width、height)を利用してキャプチャ画像上の操作箇所に該当する部分を強調表示してもよい(領域311のキャプチャ画像の太枠部分)。
【0069】
ユーザは、領域311に示されたキャプチャ画像を選択し、順番を指定する。例えば、ユーザは、領域311において選択されたキャプチャ画像は、領域312に移動する。
【0070】
領域312では、選択されたキャプチャ画像が指定された順番に対応する位置に配置され表示される。また、領域312には、作業名を入力するテキストボックスが設けられている。
図4の例では、作業名として「出張工程検索作業」が入力されている。
【0071】
作成部132は、例えば保存ボタンが押下されたタイミングで、領域312に配置されたキャプチャ画像に対応する操作の操作IDと、配置された位置に基づく順番を、入力された作業名と対応付けて作業モデル情報122に格納する。
【0072】
作業情報付与部133は、作業モデルを用いて、操作ログ121に示されるイベントのそれぞれに、対応する作業を示す情報である第1の情報(作業情報)を付与する。
【0073】
例えば、作業情報付与部133は、操作ログ121に示されるイベントを発生日時に沿って並べた系列における連続するイベントであって、作業モデルに含まれるパターンとの一致度合いに関する条件を満たす連続するイベントに、作業モデルに含まれる作業を示す情報を作業情報として付与する。
【0074】
図5は、情報の付与手順を説明する図である。
図5の系列は、操作ログ121のイベントを発生日時の順に並べたものである。矩形の図形は各イベントに対応し、アルファベットは操作IDを表している。例えば、
図5では、操作ID「操作a」は、「a」のように省略されている。
【0075】
また、操作IDが記入されていない空欄の図形は、操作IDが特定されていないイベント、又は操作IDが対象の作業モデルとは無関係であるイベントに対応する。
【0076】
作業情報付与部133は、系列のイベントを順番に見ていき、作業モデルと一致する可能性のある範囲を特定する。例えば、作業情報付与部133は、作業モデルの操作IDの系列(操作系列)と、操作IDの並びが一致する連続するイベントを特定する。
【0077】
例えば、作業情報付与部133は、系列から操作IDが「a」であるイベントを開始地点として検出する。「a」は、作業モデルAにおける順番が最初の操作IDである。
【0078】
そして、作業情報付与部133は、特定した開始地点に続くイベントの操作IDが、作業モデルに含まれるものであるか否かを判定していく。
【0079】
また、作業情報付与部133は、操作IDが作業モデルに含まれていないが、作業モデルに含まれると判定したイベントとタイトル又はURLが一致するイベントについても、作業モデルに含まれると判定してもよい。
【0080】
そして、作業情報付与部133は、作業モデルに含まれないと判定したイベントの直前のイベントを終了地点とする。
【0081】
そして、作業情報付与部133は、開始地点から終了地点までの範囲を特定する。
図5の例では、作業情報付与部133は、範囲51、範囲52、範囲53及び範囲54を作業モデルAと一致する可能性のある範囲として特定する。
【0082】
次に、作業情報付与部133は、特定した範囲に、作業モデルに対応する作業情報を付与するか否かを判定する。作業情報付与部133は、要素の一致度及び系列の長さのうちの少なくともいずれかにより判定する。
【0083】
(要素の一致度)
作業情報付与部133は、特定した範囲の各イベントを見ていき、イベントの操作IDが作業モデル内の操作IDと一致する場合は一致度に1を加算し、イベントの操作IDが作業モデル内の操作IDと一致しない場合(空欄の図形に相当)は一致度に0.5を加算する。
【0084】
(系列の長さ)
作業情報付与部133は、特定した範囲のイベントの操作IDと、作業モデルの操作IDとの一致数を系列の長さとして算出する。
【0085】
例えば、作業情報付与部133は、範囲51について、一致度を9.0と算出し、系列の長さを7と算出する。
【0086】
作業情報付与部133は、一致度及び系列の長さの少なくとも一方又は両方が閾値を超えた範囲の各イベントに対し、作業情報を付与する。例えば、系列の長さの閾値は、作業モデルの操作IDの数の50%のような値であってもよい。
【0087】
例えば、範囲51の一致度及び系列の長さが閾値を超えていて、かつ作業モデルAの作業名が「出張工程検索作業」であるとする。この場合、作業情報付与部133は、範囲51に含まれるイベントの、操作ログ121に追加された属性「作業名」に、「出張工程検索作業」を付与する。
【0088】
また、作業情報付与部133が特定した範囲は、複数の作業モデルに該当する可能性がある。例えば、
図6に示すように、範囲51が、作業モデルA及び作業モデルBの両方に該当する可能性がある場合を考える。
図6は、情報の付与手順を説明する図である。
【0089】
この場合、作業情報付与部133は、一致度及び系列の長さによって、特定した範囲がどちらの作業モデルにより近いかを判定する。
【0090】
図6の例では、作業モデルAの方が一致度、系列の長さともに大きいため、作業情報付与部133は、作業モデルAが範囲51に該当すると判定する。
【0091】
また、作業情報付与部133は、下記に示すような一致度及び系列の長さの重み付き和が大きい方の作業モデルを、特定した範囲に該当する作業モデルと判定してもよい。
重み付き和=一致度×1+系列の長さ×2
【0092】
案件情報付与部134は、操作ログ121に示されるイベントのうち、作業情報が付与されたイベントのそれぞれに、コンピュータの画面のキャプチャ画像に基づき、対応する案件を示す情報である第2の情報(案件情報)を付与する。
【0093】
作業情報付与部133によって作業情報が付与された範囲のイベントは、1つ以上の案件に関する操作が繰り返し行われることにより発生したものである可能性がある。そのため、案件情報付与部134は、作業情報が付与された範囲のイベントに対してさらに案件情報を付与する。
【0094】
案件情報付与部134が、作業モデルAに対応する作業情報が付与された範囲にさらに案件情報を付与する場合の例を説明する。
【0095】
案件情報付与部134は、操作ログ121に示されるイベントのうち作業情報が付与されたイベントを発生日時に沿って並べた系列における連続する2つのイベントのそれぞれに対応するコンピュータの画面に関する情報を比較することにより、2つのイベントが同じ案件に対応するものであるか否かを判定した結果を基に、2つのイベントに案件情報を付与する。
【0096】
まず、案件情報付与部134は、作業モデルにおける順番が最初の操作IDと操作IDが一致するイベントを、案件の開始地点とする。例えば、作業モデルAにおける順番が最初の操作IDは「a」である。
【0097】
案件情報付与部134は、開始地点以降の連続している2つのイベントのうちの2つ目のイベントに対しては、1つ目のイベントと同じ案件情報を付与するかどうかを判定する。
【0098】
ここで、範囲51、範囲52、範囲53及び範囲54には作業情報が付与されているものとする。また、案件情報付与部134は、作業情報が付与されたイベントのみに着目する。すなわち、範囲51の右端のイベントに連続するイベントは、範囲52の左端のイベントであるとみなされる。
【0099】
まず、案件情報付与部134は、連続する2つのイベントの画面が同一である場合は、下記の条件C1~C4の全てが満たされる場合に、2つの連続するイベントに同じ案件情報を付与する。
【0100】
また、案件情報付与部134は、連続する2つのイベントの画面が同一でない場合は、下記の条件C1~C4のうち条件C3を除く条件が満たされる場合に、2つの連続するイベントに同じ案件情報を付与する。
【0101】
なお、画面が同一であるか否かは、操作ログ121のタイトルが同一であるか否かによって判定される。また、上記の手順により同じ案件情報を付与しない場合、案件情報付与部134は、2つ目のイベントに、1つ目のイベントとは異なる案件情報を付与する。
【0102】
(条件C1)
2つ目のイベントの操作IDが、作業モデルにおける順番が最初の操作IDではない。
(条件C2)
2つのイベントの画面のウィンドウハンドルが一致している。
(条件C3)
1つ目のイベントの操作箇所のキャプチャ画像が、2つ目のイベントの画面のキャプチャ画像に含まれるか否かを判定するテンプレートマッチングのスコアが閾値以上である。ただし、操作箇所は、画面のキャプチャ画像及び操作ログ121のleft、top、width、heightにより取得される。
(条件C4)
1つ目のイベントと2つ目のイベントの発生日時の差が閾値以下である。
【0103】
また、案件情報付与部134は、上記の条件にかかわらず、作業モデルにおける順番が最後の操作IDと操作IDが一致するイベントを、案件の終了地点とする。例えば、作業モデルAにおける順番が最初の操作IDは「h」である。
【0104】
図5の例では、案件情報付与部134は、範囲51、範囲52及び範囲531に同じ案件情報(案件αを示す情報)を付与する。一方、案件情報付与部134は、範囲532、及び範囲54に同じ案件情報(案件βを示す情報)を付与する。
【0105】
範囲531及び範囲532のような、連続していて、同じ作業情報が付与された範囲であっても、互いに案件情報が異なる場合がある。
【0106】
表示制御部135は、操作ログ121に示される複数のイベントに対して付与された作業情報、又は作業情報及び案件情報の両方を表示する画面を表示させる。表示制御部135は、作業情報及び案件情報を可視化した画面を、端末装置20に表示させる。
【0107】
図7は、作業情報を可視化した画面の例を示す図である。
図7に示すように、表示制御部135が表示させる作業情報表示画面32には、作業モデルAが付与されたイベントのキャプチャ画像が重ね合わせて表示される。また、各キャプチャ画像間の矢印は、作業モデルAにおける操作IDの順番を表している。
【0108】
図8は、案件情報を可視化した画面の例を示す図である。
図8に示すように、表示制御部135が表示させる案件情報表示画面33には、作業モデルAが付与されたイベントのキャプチャ画像が案件ごとに表示される。
【0109】
案件情報表示画面33において、案件が共通するイベントのキャプチャ画像は同じ行に配置され、操作IDが共通するイベントのキャプチャ画像は同じ列に配置される。
【0110】
図1に戻り、端末装置20は、通信部21、入力部22、出力部23、記憶部24及び制御部25を有する。
【0111】
通信部21は、ネットワークを介して、他の装置との間でデータ通信を行う。例えば、通信部21はNICである。
【0112】
入力部22は、キーボード及びマウス等の入力装置である。また、出力部23は、画面を出力可能なディスプレイ等の表示装置である。
【0113】
記憶部24は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部24は、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAM等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。
【0114】
記憶部24は、端末装置20で実行されるOSや各種プログラムを記憶する。
【0115】
制御部25は、端末装置20全体を制御する。制御部25は、例えば、CPU、MPU、GPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路である。
【0116】
また、制御部25は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部25は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0117】
例えば、制御部25は、取得部251及び表示制御部252を有する。
【0118】
取得部251は、端末装置20における操作ログを取得する。取得部251は、取得した操作ログを情報付与装置10に送信する。
【0119】
表示制御部252は、出力部23に画面を表示させる。例えば、表示制御部252は、情報付与装置10の制御に応じて、作業モデル作成画面31、作業情報表示画面32及び案件情報表示画面33を標示させる。
【0120】
[第1の実施形態の処理]
図9を用いて、情報付与装置10の処理の流れを説明する。
図9は、第1の実施形態に係る情報付与装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【0121】
まず、
図9に示すように、情報付与装置10は、操作ログに含まれるイベントの操作IDを特定する(ステップS101)。例えば、情報付与装置10は、日時及び入力値が互いに異なっていても、画面及びGUIパーツの名称が共通しているイベントには同一の操作IDを付与する。
【0122】
次に、情報付与装置10は、操作IDを組み合わせた作業モデルを作成する(ステップS102)。例えば、情報付与装置10は、作業モデル作成画面31をユーザに提示して、ユーザが選択したイベントの操作IDを組み合わせて作業モデルを作成する。
【0123】
ここで、情報付与装置10は、作業モデルを基に、操作ログに含まれるイベントに作業を特定する情報を付与する(ステップS103)。例えば、情報付与装置10は、発生時刻に沿ってイベントを並べた系列における所定の範囲と、作業モデルとの一致度合いに基づいて作業情報を付与する。
【0124】
続いて、情報付与装置10は、作業を特定する情報が付与されたイベントに案件を特定する情報を付与する(ステップS104)。例えば、情報付与装置10は、前述の系列において連続する2つのイベントが同じ案件のものであるか否かを判定した結果に応じて案件情報を付与する。
【0125】
そして、情報付与装置10は、イベントに付与された作業情報又は案件情報を可視化して表示させる(ステップS105)。例えば、情報付与装置10は、作業情報表示画面32又は案件情報表示画面33を標示させる。
【0126】
[第1の実施形態の効果]
これまで説明してきたように、特定部131は、コンピュータの操作ログ121に示されるイベントに対応する操作を特定する。作成部132は、特定部131によって特定された操作の組み合わせ及び順番のパターンと、業務における作業と、を対応付けた情報である作業モデルを作成する。作業情報付与部133は、作業モデルを用いて、操作ログ121に示されるイベントのそれぞれに、対応する作業を示す情報である作業情報を付与する。案件情報付与部134は、操作ログ121に示されるイベントのうち、作業情報が付与されたイベントのそれぞれに、コンピュータの画面のキャプチャ画像に基づき、対応する案件を示す情報である案件情報を付与する。
【0127】
このように、情報付与装置10は、作業モデルを用いて自動的に操作ログの各イベントの操作(操作ID)を特定し、さらに作業情報及び案件情報を付与する。その結果、本実施形態によれば、プロセスマイニングを効率良く行うことができる。
【0128】
ここで、手動で技術操作ログのイベントを1ずつ確認し、作業情報や案件情報を手動で付与する方法には、多大な稼働を要するという問題がある。
【0129】
また、作業情報及び案件情報は、操作の流れに応じて決まるため、操作ログに示される個別のイベントごとに操作IDを特定することなく作業情報及び案件情報を付与することは困難である。
【0130】
また、操作ログの属性値の解釈には、HTML及びDOM(Document Object Model)に関する専門的な知識が必要である。
【0131】
また、案件ごとに分割されるように操作ログを取得することも考えられるが、ユーザが案件の開始と終了のタイミングでログ取得ツールの起動及び停止を行うことは現実的ではない。
【0132】
本実施形態によれば、上記の問題を解決することができる。
【0133】
また、作成部132は、操作のうち、コンピュータの画面のキャプチャ画像の中から、ユーザが選択したキャプチャ画像に対応付けられた操作を基に、作業モデルを作成する。
【0134】
これにより、例えばユーザが専門知識を持たず操作ログの中身を理解していなくても、キャプチャ画像に基づいて作業モデルを作成することができる。
【0135】
また、ユーザは、自身が認識している作業の単位で作業モデルを作成することができる。その結果、ユーザは、付与される作業情報及び案件情報を見ることによって、操作ログを作業ごと及び案件ごとに把握することができる。
【0136】
作業情報付与部133は、操作ログ121に示されるイベントを発生日時に沿って並べた系列における連続するイベントであって、作業モデルに含まれるパターンとの一致度合いに関する条件を満たす連続するイベントに、作業モデルに含まれる作業を示す情報を作業情報として付与する。これにより、自動的に作業情報を付与することができる。
【0137】
案件情報付与部134は、操作ログ121に示されるイベントのうち作業情報が付与されたイベントを発生日時に沿って並べた系列における連続する2つのイベントのそれぞれに対応するコンピュータの画面に関する情報を比較することにより、2つのイベントが同じ案件に対応するものであるか否かを判定した結果を基に、2つのイベントに案件情報を付与する。これにより、自動的に案件情報を付与することができる。
【0138】
表示制御部135は、操作ログ121に示される複数のイベントに対して付与された作業情報、又は作業情報と案件情報の両方を表示する画面を表示させる。これにより、ユーザに分かりやすい態様で作業情報及び案件情報を提示することができる。
【0139】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示のように構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散及び統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散又は統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。なお、プログラムは、CPUだけでなく、GPU等の他のプロセッサによって実行されてもよい。
【0140】
また、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0141】
[プログラム]
一実施形態として、情報付与装置10は、パッケージソフトウェアやオンラインソフトウェアとして上記の情報付与処理を実行する情報付与プログラムを所望のコンピュータにインストールさせることによって実装できる。例えば、上記の情報付与プログラムを情報処理装置に実行させることにより、情報処理装置を情報付与装置10として機能させることができる。ここで言う情報処理装置には、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータが含まれる。また、その他にも、情報処理装置にはスマートフォン、携帯電話機やPHS(Personal Handyphone System)等の移動体通信端末、さらには、PDA(Personal Digital Assistant)等のスレート端末等がその範疇に含まれる。
【0142】
また、情報付与装置10は、ユーザが使用する端末装置をクライアントとし、当該クライアントに上記の情報付与処理に関するサービスを提供する情報付与サーバ装置として実装することもできる。例えば、情報付与サーバ装置は、操作ログを入力とし、付与された作業情報及び案件情報を出力とする情報付与サービスを提供するサーバ装置として実装される。この場合、情報付与サーバ装置は、Webサーバとして実装することとしてもよいし、アウトソーシングによって上記の情報付与処理に関するサービスを提供するクラウドとして実装することとしてもかまわない。
【0143】
図10は、情報付与プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
【0144】
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM(Random Access Memory)1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0145】
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、情報付与装置10の各処理を規定するプログラムは、コンピュータにより実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、情報付与装置10における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
【0146】
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020は、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して、上述した実施形態の処理を実行する。
【0147】
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【符号の説明】
【0148】
1 情報付与システム
10 情報付与装置
11、21 通信部
12、24 記憶部
13、25 制御部
20 端末装置
22 入力部
23 出力部
31 作業モデル作成画面
32 作業情報表示画面
33 案件情報表示画面
121 操作ログ
122 作業モデル情報
131 特定部
132 作成部
133 作業情報付与部
134 案件情報付与部
135、252 表示制御部
251 取得部