(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-12-09
(45)【発行日】2024-12-17
(54)【発明の名称】円盤状基板の製造方法、及び円盤状基板の製造装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 3/08 20060101AFI20241210BHJP
B24B 41/06 20120101ALI20241210BHJP
B24B 7/17 20060101ALI20241210BHJP
【FI】
B23Q3/08 A
B24B41/06 L
B24B7/17 Z
B24B41/06 A
(21)【出願番号】P 2024057254
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-07-02
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004455
【氏名又は名称】株式会社レゾナック
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】久志野 高宏
(72)【発明者】
【氏名】間舘 秀雄
【審査官】野口 絢子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-168720(JP,A)
【文献】特開2000-176769(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112792596(CN,A)
【文献】特開2017-024084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 3/00-3/18
B24B 41/06
B24B 7/17
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
円盤状基板の一方の面上の第一位置にて、前記円盤状基板を支持部で支持する支持工程と、
前記第一位置に対向する前記円盤状基板の他方の面上の第二位置にて、前記円盤状基板を吸着部で吸着し、前記吸着部が前記他方の面を吸着した状態にて、前記円盤状基板を加工装置の台上に搬送する搬送工程と、
前記台上に搬送された前記円盤状基板に対して加工を行う加工工程と、
を備え、
前記支持部は、前記円盤状基板の周方向に沿った円環の形状を有し、
前記吸着部は、前記円盤状基板の周方向に沿って複数配置され、前記他方の面に対し前記周方向に沿った複数の前記第二位置にて吸着する、
円盤状基板の製造方法。
【請求項2】
前記円盤状基板は、内周及び外周を有し、
前記吸着部で前記他方の面が吸着される前に、前記円盤状基板の前記内周に位置決め部を接触させて前記円盤状基板を位置決めする工程をさらに備える、
請求項1に記載の円盤状基板の製造方法。
【請求項3】
円盤状基板の一方の面上の第一位置にて、前記円盤状基板を支持する支持部を有する支持装置と、
前記第一位置に対向する前記円盤状基板の他方の面上の第二位置にて、前記円盤状基板を吸着する吸着部を有し、前記吸着部が前記他方の面を吸着した状態にて、前記円盤状基板を搬送先である加工装置の台上に搬送する搬送装置と、
前記台上に搬送された前記円盤状基板に対して加工を行う加工装置と、
を備え、
前記支持部は、前記円盤状基板の周方向に沿った円環の形状を有し、
前記吸着部は、前記円盤状基板の周方向に沿って複数配置され、前記他方の面に対し前記周方向に沿った複数の前記第二位置にて吸着する、
円盤状基板の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、円盤状基板の製造方法、及び円盤状基板の製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2及び特許文献3には、未加工ワーク待機部に待機された各ワークを研磨加工部に一括移送する未加工ワーク一括移送装置を備える研磨装置が開示されている。特許文献1の研磨装置では、未加工ワークを一括移送する前に皿状のワーク受け部が未加工ワークを受け取り、未加工ワークを位置決めする。特許文献2及び特許文献3の研磨装置では、未加工ワークを一括移送する前に、ローダー皿が未加工ワークを受け取り、未加工ワークを位置決めする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許2535089号公報
【文献】特開2007-283457号公報
【文献】特開2013-103321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上のように、円盤状の未加工ワークのような円盤状基板の位置決め部として皿状の部材を用いた場合、円盤状基板は、当該円盤状基板の底面と外周との境界部分で位置決め部により支持される。このとき、位置決め部の形状によっては、円盤状基板と位置決め部の底面との間に空間が生じることがある。このため、一括搬送のために、吸着部等で円盤状基板の上面を押圧した際、円盤状基板が厚み方向へ変形する場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、円盤状基板の厚み方向への変形が抑制される円盤状基板の製造方法、及び円盤状基板の製造装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示では、以下の態様が含まれる。
<1> 円盤状基板の一方の面上の第一位置にて、前記円盤状基板を支持部で支持する支持工程と、
前記第一位置に対向する前記円盤状基板の他方の面上の第二位置にて、前記円盤状基板を吸着部で吸着し、前記吸着部が前記他方の面を吸着した状態にて、前記円盤状基板を加工装置の台上に搬送する搬送工程と、
前記台上に搬送された前記円盤状基板に対して加工を行う加工工程と、
を備える円盤状基板の製造方法。
<2> 前記支持部は、前記円盤状基板の周方向に沿った円環の形状を有する、
<1>に記載の円盤状基板の製造方法。
<3> 前記吸着部は、前記円盤状基板の周方向に沿って複数配置され、前記他方の面に対し前記周方向に沿った複数の前記第二位置にて吸着する
<2>に記載の円盤状基板の製造方法。
<4> 前記円盤状基板は、内周及び外周を有し、
前記吸着部で前記他方の面が吸着される前に、前記円盤状基板の前記内周に位置決め部を接触させて前記円盤状基板を位置決めする工程をさらに備える、
<1>~<3>のいずれか1つに記載の円盤状基板の製造方法。
<5> 円盤状基板の一方の面上の第一位置にて、前記円盤状基板を支持する支持部を有する支持装置と、
前記第一位置に対向する前記円盤状基板の他方の面上の第二位置にて、前記円盤状基板を吸着する吸着部を有し、前記吸着部が前記他方の面を吸着した状態にて、前記円盤状基板を搬送先である加工装置の台上に搬送する搬送装置と、
前記台上に搬送された前記円盤状基板に対して加工を行う加工装置
と、
を備える円盤状基板の製造装置。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、吸着部が、円盤状基板に接触した際における円盤状基板の厚み方向への変形が抑制される円盤状基板の製造方法、及び円盤状基板の製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の実施形態の位置決め装置を示す斜視図である。
【
図2】本開示の実施形態の位置決め部を示す平面図である。
【
図3】本開示の実施形態の位置決め部を示す側断面図である。具体的には、
図2の3-3線断面図である。
【
図4】本開示の実施形態の位置決め部及び搬送装置を示す側断面図である。
【
図5】本開示の実施形態の製造装置を示す側面図である。
【
図6】本開示の実施形態の製造装置において、位置決め部で位置決めされた円盤状基板を吸着部が吸着する状態を示す側面図である。
【
図7】本開示の実施形態の製造装置において、搬送装置が円盤状基板を位置決め部から加工装置の台へ搬送する状態を示す側面図である。
【
図8】本開示の実施形態の製造装置において、搬送装置が円盤状基板を加工装置の台に搬送した状態を示す側面図である。
【
図9】本開示の実施形態の製造装置において、加工装置が円盤状基板に対して加工を行う状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について説明する。ただし、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態において、その構成要素は、特に明示した場合を除き、必須ではない。
本開示において図面を参照して実施形態を説明する場合、当該実施形態の構成は図面に示された構成に限定されない。また、各図における構成要素の大きさは概念的なものである。したがって、各構成要素における前後、左右、上下の寸法比、各構成要素同士の前後、左右、上下の寸法比は、図示された寸法比に限定されない。また、各構成要素における前後、左右、上下の寸法比は、現実のものとは異なる場合がある。
また、本開示中に特段の断りが無い限り、本開示の各構成要素の個数は、1つに限定されず、複数存在してもよい。なお、以下の図面の記載において、同様の部分には、同様の符号を付している。
【0010】
<製造装置90>
以下、本開示の円盤状基板の製造装置の一例として、製造装置90について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示の円盤状基板の製造装置は、製造装置90に限定されるものではない。
【0011】
製造装置90は、円盤状基板100に対して加工を行って、円盤状基板200を製造する装置である。すなわち、円盤状基板200は、円盤状基板100に対して加工がなされた加工済の円盤状基板である。製造装置90は、
図5に示されるように、位置決め装置10と、搬送装置30と、加工装置40と、を備えている。以下、円盤状基板100、製造装置90の各部、及び製造装置90の変形例について説明する。
【0012】
<円盤状基板100>
円盤状基板100は、
図2及び
図3に示されるように、円盤状に形成された基板である。具体的には、円盤状基板100は、平面視にて、内周100Aと、外周100Bと、内周100Aに囲まれた孔100Cと、を有する円環状に形成されている。なお、ここでの平面視とは、円盤状基板100の厚み方向の一方から円盤状基板100を見た場合という。円盤状基板100は、後述の加工装置40による加工前の基板である。
【0013】
さらに、円盤状基板100は、第一面100Jと、第二面100Kと、を有する板状に形成されている。第二面100Kは、一方の面の一例である。第一面100Jは、他方の面の一例である。なお、円盤状基板100の第一面100Jと内周100Aとの境界部分と、円盤状基板100の第二面100Kと内周100Aとの境界部分とを、内周100Aの一部と把握してもよい。また、円盤状基板100の第一面100Jと外周100Bとの境界部分と、円盤状基板100の第二面100Kと外周100Bとの境界部分とを、外周100Bの一部と把握してもよい。なお、前述の境界部分は、稜線部分ともいえる。
【0014】
円盤状基板100としては、例えば、磁気記録媒体用の基板であってよい。さらに、円盤状基板100としては、アルミニウム、アルミニウム合金基板等の金属材料、ガラスなどにより形成された基板を用いることが可能である。以降、アルミニウム基板、アルミニウム合金基板及びガラス基板を総称して「基板」ともいう。アルミニウム基板の表面には、めっき層が形成されていてもよい。また、位置決め装置10の位置決め対象となる円盤状基板100としては、例えば、同一の内径を有し且つ異なる外径を有する複数種の円盤状基板100を用いることが可能である。
【0015】
なお、円盤状基板100における用途、材料、種類等は、前述のものに限られず、円盤状基板100として、種々の円盤状基板を用いることが可能である。
【0016】
<位置決め装置10>
位置決め装置10は、本開示の支持装置の一例である。この位置決め装置10は、円盤状基板100を支持すると共に、円盤状基板100を位置決めする装置である。具体的には、位置決め装置10は、
図1に示されるように、例えば、複数の位置決め部12と、支持体14と、を備えている。
【0017】
支持体14は、
図1に示されるように、位置決め部12を支持する機能を有している。支持体14は、円盤状に形成されている。具体的には、支持体14は、平面視にて、外周14Bを有する略円形状に形成されている。ここでの平面視とは、支持体14の厚み方向の一方から支持体14を見た場合という。
【0018】
複数の位置決め部12の各々は、
図2及び
図3に示されるように、円盤状基板100を支持する。さらに、複数の位置決め部12の各々は、円盤状基板100の内周100Aに接触し、円盤状基板100を、円盤状基板100の径方向に沿った方向に位置決めする。なお、円盤状基板100の径方向に沿った方向は、円盤状基板100の第一面100J又は第二面100Kに沿った方向ともいえる。
【0019】
複数の位置決め部12は、
図1に示されるように、例えば、支持体14の上面に5つ設けられている。複数の位置決め部12の各々は、
図1、
図2及び
図3に示されるように、例えば、台20と、複数の接触部21と、複数の空間22と、支持部23と、を有している。
図1では、複数の位置決め部12のうち、一の位置決め部12の各部に対して、符号を付している。
【0020】
台20には、
図3に示されるように、自身の上面に円盤状基板100が載せられる。台20は、
図1に示されるように、例えば、円盤状に形成されている。具体的には、台20は、
図2に示されるように、平面視にて、外周20Bを有する円形状に形成されている。ここでの平面視とは、台20の厚み方向の一方から台20を見た場合という。なお、台20には、異なる外径を有する円盤状基板100を交換可能に載せることができる。
【0021】
台20は、円盤状基板100よりも小径とされている。
図2及び
図3に示されるように、台20に対して円盤状基板100が載せられた状態において、円盤状基板100が台20の外周20Bよりも台20の外周側へはみ出す。
【0022】
複数の接触部21の各々は、
図2及び
図3に示されるように、台20側から円盤状基板100の孔100Cに挿入可能に設けられている。複数の接触部21の各々は、孔100Cに挿入されて、円盤状基板100の内周100Aに接触する。複数の接触部21は、例えば、台20の上面であって、台20の平面視における中央部に設けられている。さらに、複数の接触部21は、台20から上方側へ突出している。複数の接触部21は、台20に載せられた円盤状基板100の孔100Cに差し込まれる。接触部21の先端は、第二面100K側から第一面100J側へ通過する。
【0023】
複数の接触部21は、台20の周方向に沿って配置されている。したがって、位置決め部12では、複数の接触部21が円盤状基板100の内周に対して周方向の複数の位置で接触し、円盤状基板100を円盤状基板100の径方向に沿った方向に位置決めする。
【0024】
具体的には、複数の接触部21は、台20の周方向に沿って、3つ配置されている。したがって、接触部21が円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の3か所の位置で接触部21が接触する。なお、複数の接触部21は、例えば、等角度間隔で配置されている。
【0025】
位置決め部12では、前述のように、複数の接触部21が円盤状基板100の内周100Aに接触することで、円盤状基板100を円盤状基板100の径方向に位置決めする。換言すれば、位置決め部12では、接触部21が円盤状基板100の内周100Aに接触することで、円盤状基板100を円盤状基板100の径方向への移動を制限する。
具体的には、位置決め部12は、例えば、円盤状基板100を円盤状基板100の径方向に沿った異なる二方向へ位置決めする。当該異なる二方向は、具体的には、直交する二方向である。異なる二方向は、例えば、
図2におけるY方向及びX方向と把握することが可能である。なお、接触部21は、内周100Aと接触して円盤状基板100の位置決めができれば、台20に対して固定されたものであっても、可動式のものであってもよい。
【0026】
複数の接触部21の各々は、例えば、円盤状基板100の内周100Aに沿った円弧状に形成された外周面21Bを有している。接触部21では、外周面21Bが円盤状基板100の内周100Aにおける周方向の一部に接触する。外周面21Bは、予め定められた外径を有している。当該予め定められた外径は、具体的には、円盤状基板100の内径に対応する外径である。
【0027】
位置決め部12では、円盤状基板100を台20に載せることで、円盤状基板100の厚み方向に円盤状基板100を位置決めする。以上のように、位置決め部12は、円盤状基板100の径方向及び厚み方向に円盤状基板100を位置決めする。
【0028】
位置決め部12は、円盤状基板100の外周100Bに対して非接触の状態で、円盤状基板100を位置決めする。すなわち、本実施形態では、位置決め部12は、円盤状基板100の外周100Bに接触する部分を有していない。
なお、本実施形態の効果を損なわない範囲で、位置決め部12以外の例えば弾性部材、可動部材等の他の部材が、円盤状基板100の外周100Bに接触する態様を除外するものではない。
【0029】
空間22は、円盤状基板100を保持する後述の保持部82を入れるための空間である。空間22は、複数の接触部21の間に、台20の周方向に沿って配置されている。
【0030】
支持部23は、
図3に示されるように、台20に載せられた円盤状基板100の第二面100Kを支持する機能を有している。支持部23は、具体的には、
図2及び
図4に示されるように、円盤状基板100の第二面100K上の所定の支持位置にて、第二面100Kを支持する。当該支持位置は、第一位置の一例である。
【0031】
支持部23は、例えば、台20の上面であって、接触部21の外周側に設けられている。本実施形態では、支持部23は、例えば、円盤状基板100の周方向に沿った円環の形状を有している。したがって、支持位置は、円環形状をなしている。
支持部23としては、例えば、ゴム等の弾性変形可能な弾性体で形成されたOリングが用いられる。支持部23は、台20の上面に形成された溝25に対して、台20の上面よりも上方側へ突出した状態にて、台20に対して同軸に取り付けられている。
【0032】
ここで、吸着部33は、後述のとおり、円盤状基板100の周方向に沿って複数配置され、円盤状基板100の第一面100Jに対し当該周方向に沿った複数の接触位置で接触する。これに対して、支持部23は、当該複数の接触位置に対向する対向位置で円盤状基板100の第二面100Kを支持する。なお、
図2では、符号33にて示される二点鎖線によって、吸着部33の接触位置が示されている。
【0033】
また、位置決め部12では、
図3に示されるように、例えば、台20の上面の上方に配置された円盤状基板100を支持部23のみで支持する。すなわち、支持部23で支持された円盤状基板100と、台20との間に隙間が形成される。なお、支持部23は、台20の一部を構成する部材と捉えてもよい。
【0034】
以上のように、位置決め部12では、支持部23が支持位置にて第二面100Kを支持しつつ、接触部21が、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めする。位置決め装置10では、複数の位置決め部12の各々の接触部21が、複数の円盤状基板100の各々の内周100Aに接触し、複数の円盤状基板100を当該円盤状基板100の径方向に沿った方向に位置決めする。
【0035】
<位置決め装置10の変形例>
位置決め装置10では、円盤状基板100の径方向に沿った、直交する二方向に円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。位置決め装置10としては、例えば、円盤状基板100の径方向に沿った、90度未満の角度で交差する二方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。さらに、位置決め装置10としては、例えば、円盤状基板100の径方向に沿った一方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。すなわち、位置決め装置10としては、円盤状基板100の径方向に沿った任意の方向に円盤状基板100を位置決めするものであればよい。換言すれば、位置決め装置10としては、円盤状基板100の第一面100J又は第二面100Kに沿った任意の方向に円盤状基板100を位置決めするものであればよい。なお、円盤状基板100の径方向に沿った一方向は、例えば、
図2に示されるX方向又はY方向である。
【0036】
また、位置決め装置10では、接触部21が円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の3か所の位置で接触し、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。位置決め装置10としては、接触部21が円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の4か所以上の位置で接触し、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。さらに、位置決め装置10としては、接触部21が円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の1か所又は2か所の位置で接触し、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。
【0037】
また、位置決め装置10では、位置決め部12は、円盤状基板100の径方向及び厚み方向に円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。位置決め部12は、少なくとも円盤状基板100の径方向に円盤状基板100を位置決めすればよい。
【0038】
位置決め装置10は、複数の位置決め部12を備えているが、これに限られない。位置決め装置10としては、少なくとも、1つの位置決め部12を備えていればよく、位置決め部12の個数は、複数に限定されるものではない。
【0039】
また、
図1では、1つの支持体14が図示されているが、位置決め装置10としては、1又は複数の位置決め部12が設けられた支持体14を複数備えていてもよい。位置決め装置10は、複数の支持体14を備える場合には、複数の支持体14を支持する支持体をさらに備えていてもよい。
【0040】
位置決め装置10は、支持体14を備えているが、位置決め装置10としては、支持体14を備えていなくてもよい。この場合では、例えば、複数の位置決め部12が、1つの位置決め部として、一体に形成されたものを用いることが可能である。すなわち、位置決め装置10としては、1つの位置決め部によって、複数の円盤状基板100を位置決めしてもよい。
【0041】
位置決め装置10では、支持部23が、円環状に形成されているが、これに限られない。位置決め装置10としては、支持部23が、平面視にて、例えば、三角形、四角形等の多角形とされた枠状に形成されていてもよく、種々の形状の支持部23を用いることが可能である。また、位置決め装置10としては、円盤状基板100の周方向に沿って、複数の支持部23が支持位置に配置された構成であってもよい。すなわち、支持部23としては、円盤状基板100の周方向に沿って、連続するものに限られず、円盤状基板100の周方向に沿って、複数が間隔をあけて配置されるものであってもよい。
【0042】
位置決め装置10では、円盤状基板100の内周100Aに位置決め部12を接触させて円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。本開示の位置決め装置としては、例えば、円盤状基板100の外周100Bに位置決め部12を接触させて円盤状基板100を位置決めしてもよい。
【0043】
位置決め装置10は、円盤状基板100の第二面100Kを支持する支持機能と、円盤状基板100を位置決めする位置決め機能をと、を有しているが、これに限られない。本開示の位置決め装置としては、少なくとも、支持機能を有していればよく、位置決め機能を有していなくてもよい。
【0044】
<搬送装置30>
搬送装置30は、
図5、
図6、
図7及び
図8に示されるように、円盤状基板100を吸着部33で吸着して、円盤状基板100を加工装置40の台42上の予め定められた位置に搬送する装置である。具体的には、搬送装置30は、当該円盤状基板100の第一面100Jの一部を後述の吸着部33で吸着した状態にて、当該円盤状基板100を、搬送先である当該予め定められた位置に搬送する。
【0045】
本実施形態では、搬送装置30は、複数の円盤状基板100を保持した状態で、当該円盤状基板100を移動させることにより、複数の円盤状基板100の相対位置関係を維持したまま円盤状基板100を当該予め定められた位置に搬送する。具体的には、搬送装置30は、例えば、保持部32と、移動機構34と、を有している。
【0046】
保持部32は、円盤状基板100を保持する。具体的には、保持部32は、例えば、吸着部33を有し、吸着部33にて円盤状基板100の第一面100Jを吸着することにより円盤状基板100を保持する。吸着部33としては、例えば、吸盤を用いることが可能である。なお、吸着部33としては、吸気により吸着するものであってもよく、他の吸着部を用いてもよい。
【0047】
吸着部33は、
図2に示されるように、円盤状基板100の周方向に沿って複数配置され、円盤状基板100の第一面100Jを第一面100Jの吸着位置にて吸着する。吸着位置は、支持位置に対向する位置である。吸着位置は、円盤状基板100の周方向に沿った複数の位置に設定されている。
【0048】
なお、
図2では、符号33にて示される二点鎖線によって、吸着部33の吸着位置が示されている。吸着位置は、第二位置の一例である。
吸着位置は、支持位置に対して、円盤状基板100の厚み方向に重なる位置ともいえる。吸着位置は、支持位置に対して少なくとも一部が、円盤状基板100の厚み方向に重なっていればよい。
【0049】
搬送装置30では、1つの円盤状基板100に対して、複数の吸着部33にて、円盤状基板100を保持した状態で、当該円盤状基板100を搬送する。なお、吸着部33は、例えば、3つ設けられている。
【0050】
移動機構34は、保持部32を移動させる機構である。移動機構34が、円盤状基板100を保持した状態の保持部32を移動させることにより、円盤状基板100を搬送する。移動機構34としては、例えば、前後方向、左右方向及び上下方向に移動可能な三軸ロボットを用いることが可能である。なお、移動機構34としては、三軸ロボットに限られず、保持部32を移動可能な機構を用いることが可能である。
【0051】
搬送装置30では、
図6に示されるように、保持部32が、位置決め装置10によって位置決めされた円盤状基板100に対して、吸着部33を接触させて吸着することで円盤状基板100を保持する。次に、搬送装置30では、保持部32が円盤状基板100を保持した状態で、移動機構34が保持部32を、
図7に示されるように、例えば、予め定められた移動方向に移動させることで、円盤状基板100を、加工装置40の台42上の予め定められた位置に搬送する。当該移動方向は、
図7において、例えば矢印A方向及び矢印B方向である。そして、搬送装置30では、保持部32による吸着を解除することで、加工装置40の台42上の予め定められた位置に円盤状基板100を載せる。これにより、
図8に示されるように、搬送装置30は、加工装置40の台42上の予め定められた位置に、複数の円盤状基板100の相対位置関係を維持したまま搬送する。
【0052】
<搬送装置30の変形例>
搬送装置30は、位置決め装置10によって位置決めされた円盤状基板100を、加工装置40の台42上の予め定められた位置に、複数の円盤状基板100の相対位置関係を維持したまま搬送するが、これに限られない。本開示の搬送装置としては、例えば、複数の円盤状基板100の相対位置を変化させながら、複数の円盤状基板100を搬送してもよい。また、本開示の搬送装置としては、例えば、複数の円盤状基板100を一つずつ搬送してもよい。
【0053】
<加工装置40>
図9に示される加工装置40は、搬送装置30によって台42上に搬送された円盤状基板100に対して加工を行う装置である。加工装置40は、例えば、円盤状基板100が台42に載せられた状態において、当該円盤状基板100に対して加工を行う。加工装置40としては、
図9に示されるように、例えば、下定盤としての台42と、上定盤44と、を備える研磨装置を用いることが可能である。当該研磨装置では、例えば、台42と、上定盤44との間に配置された板状のキャリア47における複数の収容孔48の各々に円盤状基板100を収容する。そして、例えば、キャリア47、台42、及び上定盤44が回転することで、当該円盤状基板100が、台42及び上定盤44に対して相対回転し、円盤状基板100の第一面100J及び第二面100Kの各々が研磨される。
【0054】
なお、キャリア47における複数の収容孔48の相対位置関係は、支持体14における複数の位置決め部12の相対位置関係と同様とされている。なお、複数の円盤状基板100を、位置決め部12における相対位置関係を維持したまま、収容孔48に収容可能な範囲で、複数の収容孔48の相対位置関係と、複数の位置決め部12の相対位置関係とが、ずれていてもよく、完全な同一である場合に限られるものではない。本実施形態では、例えば、搬送装置30によって、複数の位置決め部12によって位置決めされた円盤状基板100は、その相対位置関係を維持したまま、キャリア47における複数の収容孔48に収容される。
【0055】
<加工装置40の変形例>
本開示の加工装置としては、研磨装置に限られない。本開示の加工装置としては、例えば、円盤状基板に対して研削を行う研削装置であってもよい。さらに、本開示の加工装置としては、台上で実行される他の加工を行う装置であってもよく、円盤状基板に対して加工が実行可能な装置であればよい。
【0056】
<製造装置90の変形例>
製造装置90は、
図2に示されるように、円盤状基板100を位置決め装置10の位置決め部12に搬送する搬送装置80を備えていてもよい。搬送装置80は、例えば、円盤状基板100の内周100Aに複数個所で押し当てて、円盤状基板100を保持する複数の保持部82を有している。複数の保持部82は、例えば、円盤状基板100の周方向に沿って3つ設けられる。この搬送装置80では、複数の保持部82が円盤状基板100を保持した状態で保持部82を位置決め部12の台20へ移動させることで、位置決め部12へ搬送する。このとき、例えば、3つの保持部82を空間22に位置させる。これにより、円盤状基板100の内周100Aに3つの接触部21が挿入された状態で、円盤状基板100が台20の上面の上方に配置される。
【0057】
保持部82を円盤状基板100の内周100Aに複数個所で押し当てて円盤状基板100を保持する前述の構成によれば、円盤状基板100の第一面100J及び第二面100Kが濡れている場合でも、円盤状基板100を保持することが可能となる。
【0058】
また、製造装置90は、さらに、円盤状基板を製造するために必要な1つ以上の他の装置を含んでいてもよい。当該他の装置としては、また、加工前又は加工後の円盤状基板を収容する収容ラック、円盤状基板を洗浄する洗浄装置、円盤状基板を乾燥する乾燥装置等が挙げられる。
【0059】
<円盤状基板200の製造方法>
以下、本開示の円盤状基板の製造方法の一例について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示の円盤状基板の製造方法は、以下の例に限定されるものではない。
【0060】
本実施形態の製造方法は、円盤状基板200を製造する方法である。本実施形態の製造方法は、第一搬送工程と、支持工程と、位置決め工程と、第二搬送工程と、加工工程と、を備えている。
本実施形態の製造方法は、例えば、前述の製造装置90を用いることで、実行することが可能である。この場合では、第一搬送工程を行う前に、位置決め装置10、搬送装置30、及び加工装置40を含む製造装置90を準備する。
【0061】
<第一搬送工程>
第一搬送工程は、円盤状基板100を位置決め装置10へ搬送する工程である。第一搬送工程では、例えば、図示しない収容部に収容された円盤状基板100を保持部で保持し、当該保持部を移動させて、円盤状基板100を収容部から取り出す。
【0062】
次に、第一搬送工程では、円盤状基板100を保持した保持部を位置決め装置10へ移動させて、当該円盤状基板100を位置決め装置10へ搬送する。次に、第一搬送工程では、保持部を位置決め部12に向かって降下させて、円盤状基板100の内周100Aに接触部21を挿入しながら、円盤状基板100を台20に載せる。
【0063】
第一搬送工程では、全ての位置決め部12の台20に円盤状基板100を載せるまで、円盤状基板100の搬送を繰り返し行う。なお、第一搬送工程では、例えば、所定枚数ずつ、円盤状基板100を収容部から取り出して、位置決め装置10へ搬送してもよい。所定枚数は、例えば、複数枚とされる。
【0064】
<支持工程>
支持工程では、
図3に示されるように、台20に載せられた円盤状基板100の第二面100K上の支持位置にて、第二面100Kを支持部23で支持する。支持工程では、円盤状基板100が台20に載せられることにより、円盤状基板100の第二面100Kに対し、支持部23が下方側から接触して、円盤状基板100の周方向に沿った円環状に第二面100Kを支持する。
本実施形態の支持工程は、前述の位置決め装置10を用いることで、実行することが可能である。
【0065】
<位置決め工程>
位置決め工程は、吸着部33で円盤状基板100の第一面100Jが吸着される前に、円盤状基板100の内周100Aに位置決め部12を接触させて、円盤状基板100を位置決めする工程である。
位置決め工程では、複数の円盤状基板100の各々の内周100Aに位置決め部12を接触させて、当該円盤状基板100を円盤状基板100の径方向に沿った方向に位置決めする。
【0066】
このように、位置決め工程では、円盤状基板100の内周100Aに位置決め部12を接触させるため、位置決め対象としての円盤状基板100の外径が変わった場合でも、位置決め部12の交換を行わずに、円盤状基板100の位置決めが可能となる。これにより、当該位置決め工程における位置決め処理の能率の低下が抑制される。この結果、円盤状基板200の製造方法としての生産性の低下が抑制される。
【0067】
具体的には、位置決め工程では、
図2及び
図3に示されるように、例えば、円盤状基板100を、円盤状基板100の径方向に沿った異なる二方向に位置決めする。換言すれば、本実施形態の位置決め工程では、円盤状基板100の径方向に沿った異なる二方向への移動を制限する。これにより、円盤状基板100の台20上での位置ずれが抑制される。
なお、当該異なる二方向は、例えば、直交する二方向である。異なる二方向は、例えば、
図2におけるY方向及びX方向と把握することが可能である。
【0068】
さらに、本実施形態の位置決め工程では、円盤状基板100の厚み方向に円盤状基板100を位置決めする。これにより、円盤状基板100の厚み方向に沿った位置ずれが抑制される。
【0069】
本実施形態の位置決め工程では、位置決め部12を、円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の複数の位置で接触させる。具体的には、本実施形態の位置決め工程では、位置決め部12を、円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の3か所の位置で接触させる。これにより、円盤状基板100の台20上での位置ずれが抑制される。
【0070】
本実施形態の位置決め工程では、円盤状基板100を、位置決め部12が外周100Bに対して非接触の状態で位置決めする。これにより、位置決め対象としての円盤状基板の外径が変わっても、台20に円盤状基板100を載せることが可能であるため、位置決め部12を交換する必要がない。この結果、当該位置決め工程における位置決め処理の能率の低下が抑制される。
本実施形態の位置決め工程は、前述の位置決め装置10を用いることで、実行することが可能である。
【0071】
<位置決め工程の変形例>
本実施形態の位置決め工程では、円盤状基板100の径方向に沿った、直交する二方向に円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。本実施形態の位置決め工程としては、例えば、円盤状基板100の径方向に沿った、90度未満の角度で交差する二方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。さらに、本実施形態の位置決め工程としては、例えば、円盤状基板100の径方向に沿った一方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。
【0072】
また、本実施形態の位置決め工程では、円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の3か所の位置で位置決め部12を接触させ、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。本実施形態の位置決め工程としては、円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の3か所以上の位置で位置決め部12を接触させ、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。さらに、本実施形態の位置決め工程としては、円盤状基板100の内周100Aに対して周方向の1か所又は2か所の位置で位置決め部12を接触させ、円盤状基板100の径方向に沿った方向に円盤状基板100を位置決めしてもよい。
【0073】
本実施形態の位置決め工程では、円盤状基板100の径方向及び厚み方向に円盤状基板100を位置決めするが、これに限られない。位置決め工程では、少なくとも円盤状基板100の径方向に円盤状基板100を位置決めすればよい。
また、本実施形態の位置決め工程は、前述の位置決め装置10を用いることで実行可能であるが、前述の位置決め装置10を用いずに実行してもよい。
【0074】
<第二搬送工程>
本実施形態の第二搬送工程は、位置決め工程にて位置決めされた円盤状基板100を、台42上の予め定められた位置に複数の円盤状基板100の相対位置関係を維持したまま搬送する工程である。第二搬送工程は、例えば、加工装置40において加工工程の実行の準備が完了した後に、円盤状基板100の搬送を開始する。本実施形態の第二搬送工程は、例えば、前述の搬送装置30を用いることで、実行することが可能である。
【0075】
本実施形態の第二搬送工程では、例えば、
図6に示されるように、吸着部33が円盤状基板100を吸着することにより、保持部32が、円盤状基板100を保持する。吸着部33は、円盤状基板100の第一面100J上の吸着位置にて、第一面100Jを吸着する。
次に、本実施形態の第二搬送工程では、吸着部33が円盤状基板100を吸着した状態にて、移動機構34が保持部32を、
図7に示されるように、例えば、予め定められた移動方向に移動させることで、円盤状基板100を、加工装置40の台42上の予め定められた位置に搬送する。
【0076】
そして、本実施形態の第二搬送工程では、吸着部33による吸着を解除することで、加工装置40の台42上の予め定められた位置に円盤状基板100を載せる。これにより、本実施形態の第二搬送工程では、
図8に示されるように、加工装置40の台42上の予め定められた位置に、複数の円盤状基板100の相対位置関係を維持したまま搬送する。
【0077】
第二搬送工程では、支持位置に対向する吸着位置にて、第一面100Jを吸着部33で吸着するため、吸着部33が第一面100Jに接触した際の接触荷重が、支持部23で支持される。この結果、円盤状基板100の厚み方向への変形が抑制される。
【0078】
本実施形態では、支持部23が、前述のように、円盤状基板100の周方向に沿った円環の形状を有するため、円盤状基板100の各部を周方向に沿ってバランスよく支持できる。
吸着部33は、前述のように、円盤状基板100の周方向に沿って複数配置され、第二面100Kに対し当該周方向に沿った複数の吸着位置にて吸着する。このため、吸着部33の吸着による第二面100Kの保持力を高めつつ、円盤状基板100の厚み方向への変形が抑制される。
【0079】
<第二搬送工程の変形例>
本実施形態の第二搬送工程では、位置決め装置10によって位置決めされた円盤状基板100を、加工装置40の台42上の予め定められた位置に、複数の円盤状基板100の相対位置関係を維持したまま搬送するが、これに限られない。本開示の第二搬送工程としては、例えば、複数の円盤状基板100の相対位置を変化させながら、複数の円盤状基板100を搬送してもよい。また、本開示の第二搬送工程としては、例えば、複数の円盤状基板100を一つずつ搬送してもよい。
【0080】
本実施形態の第二搬送工程では、吸着部33により円盤状基板100を保持するが、これに限られない。本開示の第二搬送工程としては、例えば、円盤状基板100の内周100A及び外周100Bの少なくとも一方への押し当てにより、円盤状基板100を保持する保持部を用いてもよい。
また、本実施形態の第二搬送工程は、前述の搬送装置30を用いることで実行可能であるが、搬送装置30を用いずに実行してもよい。
【0081】
<加工工程>
本実施形態の加工工程は、第二搬送工程にて台42上に搬送された円盤状基板100に対して加工を行う。加工は、台42上に搬送された円盤状基板100に対して、台42に載せられた状態で実行される。当該加工としては、例えば、研磨が挙げられる。本加工工程は、例えば、前述の加工装置40を用いることで、実行することが可能である。
【0082】
<加工工程の変形例>
本加工工程において実行される加工としては、研磨に限られない。加工としては、例えば、研削であってもよい。さらに、当該加工としては、台42上で実行される他の加工等であってもよく、円盤状基板100に対して実行される加工であればよい。
また、本加工工程は、前述の加工装置40を用いることで実行可能であるが、加工装置40を用いずに実行してもよい。
【0083】
<製造方法の変形例>
本開示の円盤状基板の製造方法としては、前述の例に限定されるものではなく、少なくとも、支持工程、搬送工程及び加工工程を備えるものであればよい。
本開示では、円盤状基板200の製造方法は、円盤状基板200の種類に応じて、円盤状基板200を製造するために必要な通常公知の1つ以上の他の処理を含んで構成されてよい。
【0084】
例えばアルミニウム基板の場合、円盤状基板200の製造方法は、以下の工程を含む。
ブランク基板用意工程:アルミニウム合金鋳塊を圧延して、厚さ2mm以下程度のアルミニウム合金板材を得て、得られたアルミニウム合金板材を円盤状に打ち抜いて、所望の寸法のアルミニウム基板を用意する。
切削工程:用意されたアルミニウム合金基板に対して、内外径の面取り加工及び両主面の切削加工を施す。
研削工程:切削加工後のアルミニウム合金基板の表面粗さ、うねり等を下げるために、アルミニウム合金基板の両主面に砥石による研削加工を施す。
めっき工程:研削加工が施された基板に対して、表面硬さの付与と表面欠陥の抑制を目的として、アルミニウム合金基板の表面にNiP等のめっきを施す。
研磨工程:めっき被膜が形成されたアルミニウム合金基板の両主面に対して、研磨加工を施す。
アルミニウム基板の場合、本実施形態に係る製造方法を、例えば研削工程及び研磨工程のいずれかで実施してもよく、これら双方で実施してもよい。
【0085】
ガラス基板の場合、円盤状基板200の製造方法は、例えば、以下の工程を含む。
ブランク基板用意工程:一対の主表面を有する板状の磁気記録媒体用ガラス基板の素材となるガラスブランクをプレス成形により作製し、作製されたガラスブランクの中心部分に円孔を形成し円環状とする。次に、形状加工を行って、面取り面を有するガラス基板が得られる。形状加工されたガラス基板の内外周端面に対して、研削及び研磨を行う。
研削工程:端面研磨後のガラス基板の主表面に、固定砥粒による研削を施す。
研磨工程:研削工程後のガラス基板の主表面に対して、研削加工が施された基板に対して、所定の研磨剤による研磨を行う。研磨工程の間に、ガラス基板に対して化学強化処理を行ってもよい。
ガラス基板の場合、本実施形態に係る製造方法を、例えば研削工程及び研磨工程のいずれかで実施してもよく、これら双方で実施してもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 位置決め装置
12 位置決め部
21 接触部
23 支持部
30 搬送装置
33 吸着部
40 加工装置
42 台
90 製造装置
100 円盤状基板
100A 内周
100B 外周
100C 孔
200 円盤状基板
【要約】
【課題】吸着部が、円盤状基板に接触した際における円盤状基板の厚み方向への変形が抑制される円盤状基板の製造方法、及び円盤状基板の製造装置を提供する。
【解決手段】円盤状基板の製造方法は、円盤状基板の一方の面上の第一位置にて、当該円盤状基板を支持部で支持する支持工程と、前記第一位置に対向する前記円盤状基板の他方の面上の第二位置にて、当該円盤状基板を吸着部で吸着し、当該吸着部が前記他方の面を吸着した状態にて、当該円盤状基板を加工装置の台上に搬送する搬送工程と、前記台上に搬送された前記円盤状基板に対して加工を行う加工工程と、を備える。
【選択図】
図4